JP6145985B2 - 電界効果トランジスタ - Google Patents

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Description

本発明は、窒化ガリウム系半導体を用いた電界効果トランジスタに関する。
近年、GaAs系化合物半導体に代えてGaN系化合物半導体を用いた高電子移動度トランジスタ(GaN系HEMT)に代表される電界効果トランジスタ(以下、「GaN系FET」という)が、次世代型の高速FETとして注目されている。GaN系化合物半導体はバンドギャップが広く、電子有効質量から見積もられる飽和電子移動度も高いことから、より大出力で高耐圧かつ高温動作可能な高周波デバイスを実現できる可能性があり、研究が重ねられている。
GaN系化合物半導体を用いたGaN系FETは、例えば、絶縁性のサファイア基板上にバッファ層、GaN層、AlGaN層を順次積層し、AlGaN層の上面に、ソース電極、ゲート電極、ドレイン電極が形成されることにより構成される。この構造のHEMTは、不純物のドーピングにより発生したキャリアにより駆動するGaAs系化合物半導体FETとは異なり、自発分極とピエゾ分極との両作用により発生する高濃度のキャリアによって動作する。すなわち、GaN層の上にAlGaN層を成長すると、自発分極とピエゾ分極との両作用によりヘテロ界面に正の固定電荷が発生し、AlGaN層表面には負の分極電荷が発生する。分極電荷濃度はAlGaN層の組成や膜厚によって変化するが、AlGaN/GaNヘテロ構造では、1×1013/cm程度の極めて大きなシート電子濃度が発生する。このヘテロ構造にオーミック電極を形成し電極間に電界を印加すると、1×1013/cm程度の高電子濃度の電荷輸送に基づく電流が流れる。
このGaN系FETは、従来のSiパワーデバイス(MOSFETやIGBT)に比べると高耐圧でかつ低オン抵抗のデバイスが作製できると言われており、このGaN系FETを用いることにより、機器の消費電力を低減できると期待される。
GaN系FETにおいて、従来、動作電圧・耐圧を高くするために、ゲート−ドレイン間距離(Lgd)を広げる方法が考えられるが、チップサイズが大きくなってしまうことや期待されるほど高耐圧化できないという問題があった。そこで、それらの問題を解決するために、特許文献1,2に示すような、対向する一方の面にソース電極を形成し、他方の面にドレイン電極を形成した縦型のGaN系FET構造が提案されている。
例えば、特許文献1において一例として開示された縦型GaN系高電子移動度トランジスタ(GaN系HEMT)100は、図6に示すように、AlGaN層114とGaN層113とが積層された半導体積層体112を含む。その半導体積層体112の一方の面(AlGaN層114の表面)にドレイン電極117が設けられ、前記一方の面の反対側のAlGaN層114表面にGaN層113の端面に接続するソース電極115が設けられる。そして、半導体積層体112の他方の面(GaN層113の表面)にゲート電極116が設けられ、ゲート電極116に印加される電圧によって空乏層が制御され、2次元電子ガス層113aを走行するキャリア(電子)が制御される。
特開2006−269939号公報 特開2010−283048号公報
しかしながら、図6に示す縦型GaN系HEMTや特許文献2に示された縦型GaN系HEMTは、構造が複雑で製造工数が多くなり、安価に製造できないという問題があった。
そこで、本発明は、構造が簡単で安価に製造できる縦型GaN系FETを提供することを第1の目的とする。
また、本発明は、簡単な構造で漏洩電流の発生を抑制できる縦型GaN系FETを提供することを第2の目的とする。
以上の目的を達成するために、本発明に係る電界効果トランジスタは、
第1のIII族窒化物半導体層と、該第1のIII族窒化物半導体層よりもバンドギャップエネルギーが大きい第2のIII族窒化物半導体層と、を含む半導体積層体と、
該半導体積層体の一方の面である第1面側に設けられたソース電極及びゲート電極と、
前記半導体積層体の他方の面である第2面側に設けられたドレイン電極と、
を備え、
前記第1のIII族窒化物半導体層の前記第2のIII族窒化物半導体層側に2次元電子ガス層が形成される電界効果トランジスタであって、
前記半導体積層体は、前記ドレイン電極と前記ソース電極とを結ぶ経路の少なくとも一部を遮断するように、前記第2面から前記2次元電子ガス層に向かって形成された溝を有することを特徴とする。
以上のように構成された本発明に係る電界効果トランジスタは、前記第2面から前記2次元電子ガス層に向かって形成された溝を有しているので、漏洩電流の発生を抑制可能な縦型構造の電界効果トランジスタを簡単で安価に製造することが可能になる。
本発明に係る実施形態1の電界効果トランジスタの構成を模式的に示す断面図である。 本発明に係る実施形態2の電界効果トランジスタの構成を模式的に示す断面図であり、(a)はゲート電極に電圧を印加していないときの状態を示す断面図であり、(b)はゲート電極に正の電圧を印加したときの状態を示す断面図である。 比較例の電界効果トランジスタの構成を模式的に示す断面図である。 本発明に係る実施例1の電界効果トランジスタの構成を模式的に示す断面図である。 本発明に係る実施例2の電界効果トランジスタの構成を模式的に示す断面図である。 従来例の電界効果トランジスタの構成を示す断面図である。 本発明に係る一形態の電界効果トランジスタの構成を模式的に示す平面図(a)と断面図(b)である。 本発明に係る他の形態の電界効果トランジスタの構成を模式的に示す平面図(a)と断面図(b)である。
以下、図面を参照しながら本発明に係る実施形態の電界効果トランジスタについて説明する。
実施形態1.
本発明に係る実施形態1の電界効果トランジスタは、図1に示すように、縦型GaN系HEMTであり、n型GaN層11とAlGaN層12とを含む半導体積層体10を備える。以上の半導体積層体10において、AlGaN層12界面近傍のn型GaN層11に2次元電子ガス層2が形成される。
また、実施形態1の電界効果トランジスタにおいて、各電極は以下のように設けられる。
ソース電極22は半導体積層体10の第1面(一方の面)側に設けられる。また、半導体積層体10の第1面には、ゲート電極21がソース電極22から離れて設けられる。ドレイン電極23は半導体積層体10の第2面(一方の面と反対の面である他方の面)側に設けられる。ここで、ソース電極22、ゲート電極21及びドレイン電極23は、2次元電子ガス層2を利用してチャネルを構成するために、次のような位置関係を満足するように設けられる。尚、以下の説明において、半導体積層体10の第1面及び第2面に直交する方向をZ方向という。
まず、ソース電極22とドレイン電極23は、Z方向に第1面側から第2面を透視して見たときに、ソース電極22とドレイン電極23が重ならないように設けられる。ゲート電極21は、Z方向に第1面側から第2面を透視して見たときに、少なくともソース電極22とドレイン電極23の間に位置するように設けられる。ここで、ゲート電極21は、Z方向に第1面側から第2面を透視して見たとき(本明細書及び特許請求の範囲において平面視とも言う)、ドレイン電極23の少なくとも一部と重なっていても良く、ドレイン電極23からはみ出していてもよい。また、ゲート電極21は、空乏層13を形成してソース電極とドレイン電極との間を流れる電流を遮断するのに十分な範囲(例えば、Z方向に第1面側から第2面を透視して見たときに、後述する溝15と完全に重なるように)に形成される。
さらに、半導体積層体10は、第2面から2次元電子ガス層2に向かって形成された溝15を有している。該溝15は、前記ドレイン電極と前記ソース電極とを結ぶ経路の少なくとも一部を遮断するように形成されるものであり、これによって、GaN層11において2次元電子ガス層2(チャネル)以外に電流が流れるのを阻止することができる。溝15は、2次元電子ガス層2に達しない深さに形成される。溝15は、第2面から2次元電子ガス層2と交差する方向で、2次元電子ガス層2に向かって形成される。また、溝15の平面視における長さ(図1における奥行き方向)は、ソース電極22とドレイン電極23とを結ぶ経路を遮断できるように、ソース電極22およびドレイン電極23の少なくとも一方と同程度以上の長さであることが好ましく、より好ましくはソース電極22およびドレイン電極23の両方と同程度以上の長さとする。溝15の長さは、ゲート電極21のゲート幅と同程度以上の長さに設定することもできる。
また、溝15は、ソース電極22とドレイン電極23とを結ぶ経路を完全に遮断するように形成されることが好ましく、平面視において、2次元電子ガス層2が形成される領域におけるソース電極22とドレイン電極23とを結ぶ経路を完全に遮断するように設けられることが好ましい。
以下、図7及び図8を参照しながら、溝15の構成を具体的に説明する。
ここで、図7と図8には本発明に係る異なる形態の電界効果トランジスタを示しており、図7(a)は一形態(第1形態)の平面図であり、図7(b)はその断面図である。図8(a)は他の形態(第2形態)の平面図であり、図8(b)はその断面図である。
また、図7及び図8には、1つの素子領域に形成された1つの電界効果トランジスタを図示しており、例えば、1つの基板上に複数の素子領域を形成する場合には、素子領域ごとに分離された2次元電子ガス層2が形成される。また、1つの基板上における素子領域の分離は、例えば、素子分離溝又はイオン注入によって素子領域の周りに素子分離領域を形成することにより、素子領域毎に2次元電子ガス層2を分離することができる。このようにして形成される素子領域の外周が図7(a)及び図8(a)の外周として示されている。
図7に示す第1形態の電界効果トランジスタでは、ソース電極22およびドレイン電極23が、素子領域(2次元電子ガス層2が形成される領域)の一端側及び他端側にそれぞれ配置されている。このような電極配置の場合には、図7(a)に示すように、漏洩電流の発生を効果的に抑制するために、両電極間にある半導体積層体10を完全に横断する溝15を設けることが好ましい。ここで、横断する溝とは素子領域を一端側(ソース電極22が形成される側)と他端側(ドレイン電極23が形成される側)に2分するような方向に形成された溝をいい、半導体積層体10を完全に横断するとは、素子領域の端から端まで通じていること、図7(a)で言えば、電極位置を定義した上記一端と他端に直交する対辺の一方から他方に至るように溝15を形成することをいう。しかしながら、本発明では、必ずしも半導体積層体10を完全に横断している必要はなく、漏洩電流の発生を抑制することができる限り、両電極間にある半導体積層体10を部分的に横断する溝であってもよい。
図8に示す第2形態の電界効果トランジスタでは、Z方向に上面から透視してみたときに、ソース電極22およびドレイン電極23が、いずれか一方の電極が他方の電極を囲むように配置されている。図8には、ソース電極22がドレイン電極23を囲む配置を示している。この場合には、漏洩電流の発生を効果的に抑制するために、一方の電極と他方の電極の間で、他方の電極を完全に囲む溝15(環状の溝)を設けることが好ましい。しかしながら、この場合でも漏洩電流を抑制することができる限り、他方の電極を部分的に囲む溝15であってもよい。ソース電極22とドレイン電極23の位置が図8に示す配置の逆であっても同様であることは言うまでもない。
図1は、ゲート電極21に負の電圧を印加した場合の例示である。以上のように構成された実施形態1の電界効果トランジスタは、例えば、図1に示すように、ゲート電極21に負の電圧を印加し、空乏層13の深さを溝15に到達する程度に制御することで、空乏層13と溝15とによってソース電極22とドレイン電極23の間の電流経路が遮断できるので、漏洩電流の発生を抑制できる。このような電界効果トランジスタにおいては、ゲート電圧を正に近づけ空乏層13を縮小することで、オン状態とすることができる。なお、空乏層13は、ゲート電極21に負の電圧を印加するほか、ゲート電極21と2次元電子ガス層2との間に配置されるゲートコンタクト層として、p型III族窒化物半導体層(例えばp型GaN層)を含む層を設けることによっても形成することができる。このようなp型III族窒化物半導体層を含むゲートコンタクト層を設けることで、容易にノーマリオフ型の電界効果トランジスタとすることができる。
尚、ゲートコンタクト層を設けることなく、各層のキャリア濃度、組成、膜厚を適宜調整することにより、ノーマリオフ型の電界効果トランジスタとすることもできる。
また、実施形態1の電界効果トランジスタによれば、簡単な構成により縦型GaN系FET(HEMT)が実現できる。
すなわち、ソース電極22を半導体積層体10の第1面に設け、ドレイン電極23を半導体積層体10の第2面に設けて縦型GaN電界効果トランジスタを構成した場合、制御可能な空乏層13の深さには限界があるため、n型GaN層11が厚い場合には、図3(a)(b)に示すように、オンオフどちらの状態においてもソース−ドレイン間の漏洩電流が生じる。この漏洩電流を防止するために、例えば、特許文献1の縦型GaN系HEMTでは電極構造や半導体層の膜厚を工夫し、特許文献2の縦型GaN系HEMTではチャネルの下にp型GaN層からなるバリア層を設けるなど半導体構造を工夫して、ソース−ドレイン間の漏洩電流を防止していた。
これに対して、本発明に係る実施形態の電界効果トランジスタでは、n型GaN層11に溝15を設けるという簡単な構成により、通常の電界効果トランジスタで利用される程度の空乏層13深さによってソース−ドレイン間の経路を完全に遮断することが可能となる。これによって、ソース−ドレイン間の漏洩電流を防止することができる。
したがって、実施形態1の電界効果トランジスタにより、簡単な構成により漏洩電流が抑制された縦型GaN系HEMTが実現できる。
また、このような電界効果トランジスタであれば、漏洩電流の発生を招くことなく、半導体積層体10を厚膜とし、ソース電極22とドレイン電極23との距離を拡大することができるので、高耐圧化できる。
以下、実施形態1に係る電界効果トランジスタにおける各構成要素について詳細に説明する。尚、以下に説明する各構成要素の好ましい形態は、後述する実施形態2についても同様である。
n型GaN層11(第1のIII族窒化物半導体層)
n型GaN層11は、2次元電子ガス層が形成される層(以下、第1のIII族窒化物半導体層ともいう。)である。
n型不純物としては、例えばSiを用いる。2次元電子ガス層が形成される層としてn型GaN層を採用する場合は、n型不純物濃度を約2.2×1016/cmかそれよりも小さくし、膜厚は約6.7μmかそれよりも小さくすることで、高耐圧(例えば1000V級)の電界効果トランジスタとすることができる。
なお、2次元電子ガス層が形成される層を構成する材料は、GaNに限定されるものではなく、III族窒化物半導体から選択することができ、InAlGa1−x−yN(0≦x、0≦y、x+y≦1)を用いることができる。また、2次元電子ガス層が形成される層は、ドレイン電極23が直接形成される層である場合にはn型層であることが好ましいが、ドレイン電極23との間に別の層(別のn型層)を設ける場合は、2次元電子ガス層が形成される層をアンドープの層とすることもできる。
AlGaN層12(第2のIII族窒化物半導体層)
第1のIII族窒化物半導体層がGaN層である場合には、AlGaN層を用いることが好ましく、AlGaN層12としては、AlGa1−aN(0<a<1)を用いることができる。好ましくは、0<a<0.4とする。Al混晶比aが0.4未満の範囲であると、結晶性の良好なAlGaN層が形成可能なため、移動度を高いものできる。さらに好ましくは0.1<a<0.3とする。高耐圧化のためには、アンドープの層であることが好ましい。
なお、上述のように、第1のIII族窒化物半導体層がGaN層である場合は第2のIII族窒化物半導体層をAlGaN層とすることが好ましいが、第2のIII族窒化物半導体層を第1のIII族窒化物半導体層よりもバンドギャップエネルギーが大きい層とし、第1のIII族窒化物半導体層に2次元電子ガス層が形成される構成であればよく、第1,2のIII族窒化物半導体層としては種々の材料を採用することができる。
半導体積層体10
半導体積層体10は、第1,2のIII族窒化物半導体層(例えばn型GaN層11とAlGaN層12)の他に、例えば実施例に示す以下のような層を含んでいてもよい。
(a)n型GaN層11とAlGaN層12の間に設けられるAlN層16
AlN層16は、AlGaN層12よりも薄膜で設けられる。AlN層16を設けることで、AlGaN層12のみの場合よりもチャネルにおけるキャリア移動度を向上させることができる。AlN層を用いる場合は、2nm以下の膜厚とすると、結晶性よく形成でき好ましく、特に0.5〜1nm程度の膜厚とすることが好ましい。
(b)ドレイン電極23直下に設けられる高濃度Siドープn型GaN層19(第3のIII族窒化物半導体層)
この層は、ドレイン電極23との間のオーミック接触を良好にするものであり、この層を形成することによりオン抵抗を低くできる。
実施例では高濃度Siドープn型GaN層を用いたが、このような層としては、2次元電子ガスが形成される層(実施例ではn型GaN層11)よりも高濃度にn型不純物がドープされた層であればよく、GaN層に限るものではない。好ましくは、ドレイン電極から2次元電子ガス層までの半導体層は同じ材料で形成する。異なる材料を用いると、ピエゾ分極や自発分極により異なる材料の界面で空乏し、高抵抗化する場合があるため、これを避けることが好ましい。n型不純物としては、実施例ではSiを用いた。
縦型のGaN系FETは、例えば、成長用基板(例えばサファイア基板)の上に半導体層を積層し、成長用基板を除去することで形成される。この場合、成長用基板が除去された側がドレイン電極形成面(第2面)となるが、成長用基板除去の際に半導体層もある程度(例えば1μm)の膜厚が除去されるため、少なくとも1μmよりも厚くすることが好ましい。2μm程度が好ましい。
また、このような製造方法において、半導体層は成長用基板とは異なる支持基板(例えばSi基板)に接着され、接着材として共晶材料等の低融点材料が用いられる場合には、ドレイン電極の形成後に高温での熱処理を行うことができないため、n型不純物の濃度は、熱処理無しでオーミック接触が可能な程度に高濃度とすることが好ましい。一方で、n型不純物の濃度が高くなると結晶性が悪化するため、約1×1018/cm〜1×1019/cm程度とすることが好ましい。
(c)エッチングストッパー層18
エッチングストッパー層18は、溝15の底面の位置を規定するものであり、例えば、第1のIII族窒化物半導体層としてGaN層を用いる場合には、エッチングストッパー層18としてAlGaN層を用いる。エッチングストッパー層18は、エッチングストッパーとしての役割のためには、Al混晶比や膜厚はある程度大きいことが必要である。
しかしながら、GaN層中にAlGaN層を挟むことで、GaN層とAlGaN層との界面が空乏するため、Al混晶比や膜厚を大きくするとオン抵抗が増大する。したがって、オン抵抗を増大させないように、膜厚及び組成を決定する必要がある。具体的には、10nmより小さい膜厚とすることが好ましく、例えば1nm程度とする。
Al混晶比は、AlGa1−bN(0<b<0.2)とすることが好ましく、例えばAl0.1Ga0.9Nとする。
なお、実施例のようにGaN層中に設けるエッチングストッパー層はAlGaN層が好ましいが、他の材料を用いることもでき、例えばInGaN層中にGaNからなるエッチングストッパー層を設けることもできる。
ゲート電極21、ソース電極22、ドレイン電極23
ソース電極21、ゲート電極22、ドレイン電極23等の電極は、例えばTi、Al、Cu、W、Au、Ag、Mo、Ni、Pt、In、Rh、Ir、Cr等導電性に優れた材質で構成される。また金属材料に限定せず、導電性酸化物、導電性を有する導電性プラスチック等も利用できる。さらに電極は単一元素の材料のみならず、合金化、共晶化、混晶等、複数の元素で構成し、例えばITOや酸化亜鉛(ZnO)等が利用できる。さらにまた2層以上の層構造も採用できる。好ましくは、AlGaN系やGaN系半導体層に対するオーミック電極の一例として、Ti/Al系電極、ショットキー電極の一例としてNi/Au系材料からなる電極が採用される。また、各電極とワイヤとの密着性等を考慮して、パッド電極を形成してもよい。なお、本明細書において、例えばTi/Alとは、半導体側からTiとAlが順に積層された構造を指す。
溝15
溝15の深さは、少なくとも2次元電子ガス層2に達しない程度とする。溝15とGaN層11(第1のIII族窒化物半導体層)の上端(ゲート電極21側の端面)との距離は、空乏層13が到達する程度とする。また、後述するように溝15の表面から表面空乏層が形成されている場合は、空乏層13および表面空乏層によってチャネルが閉じられる程度とする。具体的には、空乏層13や表面空乏層のサイズによるが、10nm以上1μm以下とでき、例えば100nm程度とする。
後述するように保護膜(パッシベーション膜)を設ける場合は、溝15の幅(図中の左右方向)は1μm以上であることが好ましい。上限は、ゲート電極直下に収まる程度が好ましい。
溝15は、ゲート電極21の直下に設けられていることが好ましく、ゲート電極の下に拡がる空乏層13と溝15とによって電流を遮断しているので、平面視においてゲート電極21からソース電極22側及びドレイン電極23側にはみ出さず完全に収まるように配置されることが好ましい。また、実施形態2において後述するように、溝15からの表面空乏層14を利用して2次元電子ガス層2を空乏化させる場合には、ゲート電極21の電圧を増大させることで表面空乏層を後退させ、ソース電極22とドレイン電極23との間に電流を流すことできるが、ゲート電極21の電圧印加によって空乏層が制御できる範囲は、ゲート電極21直下およびそのごく近傍に限られており、それ以外の領域ではゲート電極21の電圧によって空乏層が制御できない。このため、溝15はゲート電極21の直下からはみ出さないことが好ましい。
実施形態2.
本発明に係る実施形態2の電界効果トランジスタは、溝15の表面に沿って形成された表面空乏層14を利用して構成されたノーマリオフ型の縦型GaN系HEMTであり、溝15の内部と半導体積層体10の第2面とに保護膜32を設けたこと以外は、実施形態1の電解効果トランジスタと同様に構成される。
すなわち、実施形態2の電界効果トランジスタでは、溝15の内部に、負に帯電した界面準位を形成する保護膜(パッシベーション膜)32を形成することにより、溝15内部の半導体層表面(n型GaN層11の表面)を負に帯電させている。この負に帯電した表面により、n型GaN層11のキャリアである電子は電気的反発力により、表面から離れる方向に移動して、保護膜32が形成されているn型GaN層11表面が空乏化する。
本発明に係る実施形態2の電界効果トランジスタは、この表面空乏層14を利用したものであり、ゲート電極21に負の電圧を印加する必要なく、表面空乏層14により2次元電子ガス層2を空乏化させることができる(図2(a))。そして、ゲート電極21の電圧を正に近づけることで表面空乏層14を後退させることができるので(図2(b))、このときにチャネルに電流が流れるように溝の深さを設定して、縦型GaN系HEMTを実現している。
ここで、負に帯電した界面準位を持った保護膜32は、例えば、保護膜32を形成する際に、成膜条件である原料ガスの混合比や流量比を制御することにより負の固定電荷を持たせることができる。
尚、保護膜32を形成しない場合でも、表面空乏層は形成されるが、好ましくは、保護膜32を形成して、その成膜条件により表面空乏層の厚さを調整する。このように成膜条件により負に帯電した界面準位を持つ保護膜32の材料としては、例えば、SiO、SiN、Alなどを用いることができる。
また、表面空乏層の厚さLは、次の式1により設定することができる。
L=(2ε・V/(q・N))1/2・・・式1
ここで、εは、n型GaN層11の誘電率、qは、素電荷量、Vは、表面障壁電位、Nは、キャリア濃度(ドナー濃度)である。
式1から、空乏層を厚くする場合には、表面障壁電位を大きくするか、キャリア濃度を低くすればよいことが理解される。なお、表面障壁電位は表面負電荷のバンド内分布や濃度で決まる。
例えば、キャリア濃度1×1016/cmの場合、表面空乏層の厚さLの障壁電位依存性を図7に示す。
尚、キャリア濃度1×1016/cmは、高耐圧素子として求められる耐圧1000Vが達成できる目安の値である。また、表面障壁電位は表面処理や保護膜の材料・成膜条件等により0.5eV〜1.5eVの範囲で設定することができる。
以上のように、実施形態2の電界効果トランジスタは、溝に沿って形成された表面空乏層を利用することにより、チャネルを流れる電流を制御しているので、構造が簡単でかつ漏洩電流を少なくできる。
また、実施形態2の電界効果トランジスタによれば、実施形態1の電界効果トランジスタと同様、層の構成、各層のキャリア濃度、組成、膜厚を適宜調整することにより、ノーマリオン型又はノーマリオフ型の電界効果トランジスタを提供することができる。
以下、本発明に係る実施例について説明する。
実施例1.
実施例1では、図4に示すように、n型GaN層11とAlGaN層12の間に、0.9nmのアンドープi型AlN層16を形成し、n型GaN層11の第2面側には、n型GaN層11より高濃度にSiをドープした厚さが2μmでSiドープ量が5×1018/cmに設定されたn型GaN層19を形成した4層構造の半導体積層体10aを用いて、電解効果トランジスタを作製した。また、実施例1では、n型GaN層11を、厚さが6μmでSiドープ量が1×1016/cmに設定されたn型GaN層により構成し、AlGaN層12を、厚さが7nmのアンドープi型Al0.23Ga0.77N層により構成した。
また、実施例1では、ゲート電極21は、Ni(10nm)/Au(150nm)の2層構造とし、ゲート電極21の直下には厚さが20nmのp型GaN層17を形成した。
このp型GaN層17は、効果的にしきい値を上げノーマリオフ化するために形成するものであり、成膜時のMg/Gaのモル比は、6×10−3に設定した。ソース電極22は、Ti(10nm)/Al(300nm)とし、ドレイン電極23もTi(10nm)/Al(300nm)とした。また、半導体積層体10aの第1面には、ゲート電極21及びソース電極22の接続用表面を除き保護膜31を形成し、第2面にはドレイン電極23の接続用表面を除き保護膜32を形成した。保護膜31、32として、SiOを厚さが600nmに形成した。
溝15は、溝15の底面からi型AlN層16までの距離Wが100nmとなるような深さに2μm幅で形成した。尚、溝15の内部にも保護膜32が形成されている。また、溝15は、図7(a)に示すように、半導体積層体10aを完全に横断するように形成した。
以上のように作製した実施例1の電解効果トランジスタにより、溝を形成するという簡単な構造で漏洩電流の発生を抑制することが可能であった。
実施例2.
実施例2では、実施例1において、溝15をエッチングにより形成する際、溝15の深さを規定するエッチングストッパー層として1nmの厚さのアンドープi型Al0.1Ga0.9N層18をさらに形成した以外は実施例1と同様に作製した。
すなわち、実施例2では、図5に示すように、n型GaN層11bを介してアンドープi型Al0.1Ga0.9N層18を形成し、さらに100nmの厚さのn型GaN層11aを形成した。
以上のように作製した実施例2の電解効果トランジスタは、実施例1と同様、簡単な構造で漏洩電流の発生を抑制することができ、さらにエッチングストッパー層を形成したことにより、溝の深さの制御性に優れ、歩留りの点で優れていた。
2 2次元電子ガス層
10 半導体積層体
11 n型GaN層
12 AlGaN層
13 空乏層
14 表面空乏層
15 溝
16 アンドープi型AlN層
17 p型GaN層
18 エッチングストッパー層
19 高濃度Siドープn型GaN層
21 ゲート電極
22 ソース電極
23 ドレイン電極

Claims (7)

  1. 第1のIII族窒化物半導体層と、該第1のIII族窒化物半導体層よりもバンドギャップエネルギーが大きい第2のIII族窒化物半導体層と、を含む半導体積層体と、
    該半導体積層体の一方の面である第1面側に設けられたソース電極及びゲート電極と、
    前記半導体積層体の他方の面である第2面側に設けられたドレイン電極と、
    を備え、
    前記第1のIII族窒化物半導体層の前記第2のIII族窒化物半導体層側に2次元電子ガス層が形成される電界効果トランジスタであって、
    前記半導体積層体は、前記ドレイン電極と前記ソース電極とを結ぶ経路の少なくとも一部を遮断するように、前記第2面から前記2次元電子ガス層に向かって形成された溝を有し、前記溝は平面視において前記ソース電極側及び前記ドレイン電極側にはみ出すことなく前記ゲート電極の直下に設けられ、前記ゲート電極は、平面視において、前記ドレイン電極の少なくとも一部と重なっていることを特徴とする電界効果トランジスタ。
  2. 前記ソース電極及び前記ドレイン電極は、前記2次元電子ガス層が形成される領域の一端側及び他端側にそれぞれ配置されており、
    前記溝は、平面視において前記2次元電子ガス層が形成される領域を横断する溝である請求項1載の電界効果トランジスタ。
  3. 前記ソース電極は、前記ドレイン電極を囲むように配置されており、
    前記溝は、平面視において前記ドレイン電極を囲む溝であり、前記ゲート電極は、前記ドレイン電極及び前記溝の直上に配置されている請求項1載の電界効果トランジスタ。
  4. 前記溝の表面に沿って表面空乏層が形成されている請求項1〜のうちのいずれか1つに記載の電界効果トランジスタ。
  5. 前記溝に、前記溝と界面において負に帯電した界面準位を持つ保護膜が設けられた請求項1〜のうちのいずれか1つに記載の電解効果トランジスタ。
  6. 前記半導体積層体は、前記第1のIII族窒化物半導体層と前記ドレイン電極の間に前記第1のIII族窒化物半導体層よりn型不純物が多くドープされたn型III族窒化物半導体からなる第3のIII族窒化物半導体層を前記ドレイン電極に接して有する請求項1〜のうちのいずれか1つに記載の電界効果トランジスタ。
  7. 前記第1のIII族窒化物半導体層はn型GaN層であり、前記第2のIII族窒化物半導体層はAlGaN層である請求項1〜のうちのいずれか1つに記載の電界効果トランジスタ。
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