JP5545653B2 - 窒化物系半導体装置 - Google Patents

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本発明は、縦型のMOS構造を有するノーマリオフの窒化物系の半導体装置に関するものである。
従来から高周波デバイス用半導体素子には、半導体材料として窒化ガリウム(GaN)系化合物半導体装置(以下、GaN系半導体素子という)が用いられている。GaN系半導体素子では、基板の表面に、例えば有機金属化学気相蒸着(MOCVD:Metal−Organic Chemical Vapor Deposirion)法を用いて形成されたバッファ層や、不純物がドープされた電子走行層が設けられている。最近では、高周波用途に加え、電力用半導体素子(パワーデバイス)にも適用可能であるという認識から、高耐圧、大電流を扱うGaN系半導体素子の開発が行われている。
特許文献1には、縦型のMOS構造を有する窒化ガリウム系半導体素子の一例が記載されている。特許文献1に記載されたMOS構造を有する窒化ガリウム系半導体素子の概略構成図を図10に示す。図10に示すように、従来の窒化ガリウム系半導体素子100は、n型高濃度GaN基板101の上に、n型低濃度GaN層102、p型GaN層103、およびn型高濃度GaN層104を形成したのち、ゲート部となるトレンチ107にゲート絶縁膜109およびゲート電極110が形成されている。このような構造は電力用のシリコンデバイスで一般的に用いられる縦型構造と同一の構造であり、裏面のドレイン電極118から、表面のソース電極115へと縦方向に電流を流すことによって、大きな電流を流すことが可能である。ゲート電極110に印加されるゲート信号がオン・オフするのに応じて、p型GaN層103の表面領域のチャネル領域111がオン・オフして、スイッチング動作する。オフ状態においては、ソース・ドレイン間に大きな電圧が印加されると、半導体中のキャリアが移動するドリフト領域となるn型GaN層102に空乏層が広がり、キャリアの移動の障壁となるため、耐圧を維持することが可能となる。
図10に示した従来の窒化ガリウム系半導体素子100では、その他にショットキー電極117及びn型GaN層102により、縦型SBD(ショットキーバリアダイオード)119が形成されている。一般に、電力用の半導体素子ではトランジスタとダイオードとが並列に接続されて使用される。図10に示した従来の窒化ガリウム系半導体素子100におけるトランジスタの場合、p型GaN層103とn型GaN層102の間にPN接合があるので、これをPNダイオードとして使用することが可能であるが、GaNやSiC等のバンドギャップの広い材料では、PNダイオードの順方向立ち上がり電圧が2〜3Vとシリコンと比べて3倍近く大きいことから、電流を流したときの電圧降下が大きい。この場合、発生する電力損失は、電流と電圧降下との積に相当するため、発生損失が大きくなるという問題がある。当該問題に対して図10に示した従来の窒化ガリウム系半導体素子100では、順方向の電圧降下を低減するために、縦型SBD119を同一素子内に形成している。
また、上記のようにMOSゲート部分がメサ、またはトレンチ107となっており、トレンチ底部のコーナー部分のゲート絶縁膜に過大な電界が容易に印加されて、絶縁破壊するという危険性がある。これに対して図10に示した従来の窒化ガリウム系半導体素子100では、過大な電圧がゲート絶縁膜に印加される前に、SBD119が逆向きに電流が流れる、いわゆるブレークダウンするようにSBD119が掘り下げられて、ゲート絶縁膜の破壊を防止するように設定されている。
また、特許文献2には、縦型の窒化ガリウム系半導体素子のその他の一例が記載されている。特許文献2に記載された縦型の窒化ガリウム系半導体素子の概略構成図を図11に示す。図11に示すように、従来の窒化ガリウム系半導体素子200は、絶縁ゲート電極部210aとショットキー電極部210bとにより成るゲート電極210を備えており、ショットキー電極部210bは、ドリフト半導体領域212の表面に直接的に接触している。オン・オフ動作を制御するチャネル半導体領域208はメサ構造ではなく、平らなプレーナ構造となっている。当該半導体素子においては、チャネル半導体領域208はショットキー電極部210bに負バイアスを印加することでピンチオフされてドレインの手前でチャネルが切れて電流経路を遮断することができる。また、ショットキー電極部210bは、ドリフト半導体領域212の表面に直接的に接触しており、ゲート絶縁膜を使用していないために、上述の窒化ガリウム系半導体素子100(図10参照)に生じたようなゲート絶縁膜が破壊されるという危険性は生じない。更に、窒化ガリウム系半導体素子100のトレンチ107のようなメサ構造を有していないため、そのコーナー部分に電界が集中して耐圧が低下するようなことが無い。しかしながら、絶縁ゲートではなく接合ゲートであるため、ゲートをソースに対して正バイアスすると、電流が流れてしまうので、実使用の際にはそうならないようにゲート制御を注意する必要がある。
このように、縦型のMOS構造を有する窒化物系半導体素子を電力用半導体素子として使用するためには、導通抵抗が低く、かつ高い電圧を維持することができると共に、大きな電圧が印加された場合でも、ゲート絶縁膜が破壊されないことが要望されている。
特開2009−117820号公報 特開2010−27639号公報
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、導通抵抗が低く、かつ高い電圧を維持すると共に、ゲート絶縁膜の破壊を抑制したゲート信頼性の高い窒化物系半導体装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載の窒化物系半導体装置は、第1導電型の基板と、前記基板の裏面に形成されたドレイン電極と、前記基板の主面に形成され、かつ一部がメサ形状の凸部を有し、前記基板よりも不純物濃度が低い第1導電型の窒化ガリウム系半導体より成るドリフト層と、前記ドリフト層上の前記凸部の側面に接触して該凸部を囲むように形成された、第2導電型の窒化ガリウム系半導体より成るウェル層と、前記ドリフト層と前記ウェル層との上に形成された、AlxGa1−xN(0≦x<1)より成る電子供給層と、前記電子供給層の表面から前記ウェル層に至る領域に形成されたトレンチの内部を覆うように形成されたゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極と、前記ドリフト層の凸部及び前記ウェル層と前記電子供給層との界面の領域に形成され、かつ前記トレンチにより当該領域が切断された2次元電子ガス層と、前記電子供給層の上に形成されキャリア輸送用電極と、前記キャリア輸送用電極の上に形成されたソース電極と、を備え、前記キャリア輸送用電極は、前記ソース電極に接続されて前記ソース電極にキャリアを輸送する。
請求項2に記載の窒化物系半導体装置は、請求項1に記載の窒化物系半導体装置において、前記キャリア輸送用電極は、前記電子供給層とショットキー接合されている。
請求項3に記載の窒化物系半導体装置は、請求項1に記載の窒化物系半導体装置において、前記キャリア輸送用電極は、前記ドリフト層にショットキー接触する金属から成る。
請求項4に記載の窒化物系半導体装置は、請求項1に記載の窒化物系半導体装置において、前記キャリア輸送用電極は、第2導電型のAlGa1−xN(0≦x<1)である。
請求項5に記載の窒化物系半導体装置は、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の窒化物系半導体装置において、少なくとも前記トレンチの底部の角部分から外周部分に沿って前記ソース電極に至るまでの領域に形成された、高濃度の第1導電型領域を備える。
本発明によれば導通抵抗が低く、かつ高い電圧を維持すると共に、ゲート絶縁膜の破壊を抑制したゲート信頼性の高い窒化物系半導体装置を提供することができる。
本発明の第1の実施の形態に係る窒化物系半導体素子の概略構成の一例を示す断面図である。 図1に示した窒化物系半導体素子における作用を説明するための、AlGaN層を設けなかった場合の正孔の流れを示す断面図である。 図1に示した窒化物系半導体素子における作用を説明するためのエネルギーバンド図であり、(A)、(B)は従来の窒化物系半導体素子におけるエネルギーバンド図を示しており、(C)は図1に示した窒化物系半導体素子におけるエネルギーバンド図を示している。 図1に示した窒化物系半導体素子をソース電極側から平面視した場合のMOSゲートの形状の例を説明するための平面図であり、(A)はストライプ状に形成されている場合を示しており、(B)は、四角形の島状に形成されている場合を示している。 図1に示した窒化物系半導体素子をソース電極側から平面視した場合のショットキー電極の形状の例を説明するための平面図であり、(A)は四角形の2つの島状に形成されている場合を示しており、(B)は、四角形の1つの島状に形成されている場合を示している。 図1に示した窒化物系半導体素子の製造方法の一例の一工程を説明するための説明図である。 図1に示した窒化物系半導体素子の製造方法の一例の一工程を説明するための説明図である。 本発明の第2の実施の形態に係る窒化物系半導体素子の概略構成の一例を示す断面図である。 本発明の第3の実施の形態に係る窒化物系半導体素子の概略構成の一例を示す断面図である。 従来の窒化物系半導体素子の概略構成の一例を示す断面図である。 従来の窒化物系半導体素子の概略構成の一例を示す断面図である。
[第1の実施の形態]
以下、図面を参照して本実施の形態の窒化物系半導体装置について詳細に説明する。なお、本実施の形態は本発明の半導体装置の一例であり、本実施の形態により本発明が限定されるものではない。
まず、本実施の形態の窒化物系半導体装置の構成について説明する。図1は、本実施の形態音窒化物系半導体素子の概略構成の一例を示す断面図である。
本実施の形態の窒化物系半導体素子10は、ドレイン電極12、基板14、ドリフト層16、ウェル層18、AlGaN層20、ショットキー電極22、ゲート絶縁膜24、層間絶縁膜26、ウェル層18にオーミック接触する第一のオーミック金属層27、ゲート電極28、AlGaN層20にオーミック接触する第二のオーミック金属層29、及びソース電極30を備えて構成されている。
ドレイン電極12の具体例としては、Ti、Al、Ni、Au、Mo、及びW等の金属単体や化合物、合金、またはこれらの積層体等が挙げられる。
基板14は、不純物濃度が高いn型のGaNより成り、不純物濃度は、3×1018cm−3以上である。また、ドレイン電極12は、基板14に対してオーミック接触している。
ドリフト層16は、電圧が印加された場合に、空乏層が拡がるドリフト領域となる機能を有するものである。ドリフト層16は、基板14に比べて不純物濃度が低いn型のGaNより成り、不純物濃度は、1×1015〜1×1017cm−3程度である。また、ドリフト層16の一部は、メサ状(台形状、凸状)に形成されており、上部(図1の上側)に突き出した形状を有している。ウェル層18は、p型のGaNより成り、ドリフト層16の凸状の部分の周囲を囲むように形成されている。ドリフト層16及びウェル層18は、例えば、MOCVD法等のエピタキシャル成長により形成される。
AlGaN層20は、電子を取り入れる機能を有した電子注入層である。AlGa1−xN(0≦x<1)より成り、ドリフト層16及びウェル層18の上に形成されている。
AlGaN層20と、ドリフト層16・ウェル層18と、の界面にバンドオフセットが形成されると共に、当該界面にAlGaN層20及びドリフト層16・ウェル層18の自発分極及びピエゾ分極によって、正の電荷が発生することにより、ドリフト層16・ウェル層18の表面には、2DEG(2次元電子ガス:2dimensional electron gases)層19が形成される。
また、本実施の形態の窒化物系半導体素子10には、AlGaN層20の表面から、ウェル層18に至るまでの深さのトレンチ部23が設けられており、トレンチ部23の内側には、ゲート絶縁膜24が形成されている。ゲート絶縁膜24は、例えば、窒化物または酸化物により構成することができる、具体的一例としては、SiN、SiO、Alまたはこれらの組み合わせ等が挙げられる。
トレンチ部23の内部、ゲート絶縁膜24上には、ゲート電極28が埋込まれて形成されている。ゲート電極28の具体的例としては、Ni、Au、Pd、Ti、及びAl及び等の金属単体や化合物、合金、ポリシリコン等の導電性材料またはこれらの積層体等が挙げられる。また、ゲート電極28の上部には、ゲート電極とソース電極とを絶縁するための層間絶縁膜26が形成されている。
ゲート絶縁膜24と、ウェル層18とが接する領域は、ゲート電極28に対向したチャネル領域25と成っている。チャネル領域25では、ゲート電極28に正の電圧(バイアス)を印加すると、ゲート絶縁膜24とウェル層18との界面に電子が誘起されて、電流を流すチャネルが形成される。当該チャネル領域25は、AlGaN層20とドリフト層16・ウェル層18との界面に形成されている2DEG層19と電気的に接続される。
ショットキー電極22は、MOSゲート32が形成されておらず、かつ、ウェル層18の形成されていない領域(凸部分)をまたぐように、AlGaN層20にショットキー接合されるように形成されており、ソース電極30と電気的に接続されている。
ソース電極30は、例えば、ドレイン電極12と同種の金属が挙げられ、具体的一例としては、Ti、Al、Ni、Au、Mo、及びW等の金属単体や化合物、合金、またはこれらの積層体等が挙げられる。
次に本実施の形態の窒化物系半導体素子10の動作について説明する。まずゲート電極28に印加されるゲート信号がオン状態のときには、上述のように、チャネル領域25と2DEG層19が電気的に接続されているので、2DEG層19とチャネル領域25を通じてソース・ドレイン間が導通していることが理解される。一方、印加されるゲート信号がオフ状態の場合には、ショットキー電極22直下の2DEG層19がソース領域と電気的に切断されて、フローティング状態となる。この場合、ショットキー接合には逆バイアスが印加されるので、2DEG層19が空乏化されるまではAlGaN層20には、ドレイン電極12に印加される電圧と同等の電圧が印加される。2DEG層19は印加される電圧が数Vに達すると、2DEG層19が完全に空乏化し、AlGaN層20/ドリフト層16・ウェル層18界面に空乏層が広がるようになる。この2DEG層19が完全に空乏化する電圧は、一般的にピンチオフ電圧と呼ばれ、数V〜10V程度である。それ以上の電圧がドレイン電極12に印加されると、印加された電圧はAlGaN層20/ドリフト層16・ウェル層18に広がって耐圧を維持する。2DEG層19が完全に空乏化した後は、AlGaN層20とドリフト層16・ウェル層18に広がる空乏領域の容量によって電圧分担されるため、AlGaN層20/ドリフト層16・ウェル層18界面にかかる電圧は以下の(1)式により与えられる。
V(AlGaN/GaN)=Vds×C(GaN)/C(AlGaN) ・・・(1)
ここでC(GaN)は、ドリフト層16・ウェル層18に広がる空乏層の容量を示し、C(AlGaN)は、AlGaN層20の容量を示し、Vdsは、半導体素子の耐圧を示す。通常、AlGaN層20の厚みは20nm程度であり、一方、空乏層の広がりは最大でドリフト層16・ウェル層18の厚さと等しくなるため、たとえば1kV耐圧の半導体素子であれば、ドリフト層16・ウェル層18の厚さ(図1厚さL)は10μm程度であることから、最大電圧は以下の(2)式により与えられる。
V(AlGaN/GaN)~0.02μm/10μm×1kV=20V ・・・(2)
が最大電圧となる。一方、ウェル層18は、ゲート電極28によってソース電極30と接触していることから、通常はソース電極30と同電位となっている。このため、MOSゲート32を形成しているゲート絶縁膜24に印加される電圧は最大でも、ゲート電極28にオン状態のゲート信号が印加されているときに印加される電圧か、または、ゲート信号がオフ状態のときに上記のようにチャネル領域25のドレイン側のAlGaN層20/ドリフト層16・ウェル層18界面に印加される20V程度の電圧になり、高電圧が印加されない。このため、ゲート絶縁膜24には過剰の電界ストレスが印加されることがなく、信頼性の高いデバイスを提供することが可能となった。
なお、上記では、1kVを例にしてAlGaN層20/ドリフト層16・ウェル層18界面の最大電圧を求めたが、これは耐圧が異なってもほとんど同じ電圧値となる。それは、ドリフト層16・ウェル層18の厚さLは空乏層がパンチスルーするような設計をする場合においては、耐圧値とドリフト層16・ウェル層18の厚さLが比例するように構成されている。そのため、上記(1)式において、耐圧Vdsがドリフト層16・ウェル層18の厚さに比例し、一方C(GaN)がドリフト層16・ウェル層18の厚さLに反比例するので、ドリフト層16・ウェル層18の厚さLへの依存性がなくなり、結果として耐圧依存性が無くなる。よって、どのような耐圧クラスのデバイスを設計しても、本発明によれば、ゲート部には大きな電圧が印加されないことがわかる。
さらに、図面を参照して本実施の形態の窒化物系半導体素子10における、ショットキー電極22による作用について説明する。AlGaN層20が形成されていない場合の窒化物系半導体素子(本実施の形態の窒化物系半導体素子10からAlGaN層20を除いたもの)の断面図を図2に示す。また、この窒化物系半導体素子における正孔の流れを図2中に点線で示す。
AlGaN層20が無い図2に示した場合では、表面側(図2中、上面側)にソース電極30に短絡した正孔の吸い込み口が無くても、ウェル層18を伝わって、点線で示したように、ソース電極30へと、正孔が排出される。しかしながら、図1に示した本実施の形態のようにAlGaN層20が形成されていると、電圧が印加された場合に、AlGaN層20中に分極による電界が生じるため、正孔は、AlGaN層20表面にとどまり、ウェル層18へ抜けることができず、従って、ソース電極30へと排出されにくくなる。ショットキー電極22は、このように排出されにくくなった正孔の吸い込み口として機能する。
また、図3に、ショットキー電極22を設けない従来の場合(図10参照)及び本発明の場合の、トレンチ部23側面におけるエネルギーバンド図を示す。図3(A)は、従来の窒化物系半導体素子においてバイアス電圧が印加されていない場合を示し、(B)は、正のバイアス電圧が印加されている場合を示す。また、図3(C)は、本実施の形態の窒化物系半導体素子10において正のバイアス電圧が印加されている場合を示している。従来の窒化物系半導体素子では、半導体中で発生した正孔が電界に引かれて、ゲート絶縁膜24とAlGaN層20との界面に正孔が集中する(図3(B)点線で示した円形内参照)ため、ウェル層18側には、あまり電圧が印加されず、ゲート絶縁膜24に集中的に電圧が印加される。一方、図3(C)に示したように、ショットキー電極22を設けたことにより、正孔は、矢印で示したようにソース電極30へと吸い込まれていくため、界面には蓄積せず、ウェル層18側へ電圧が印加される。
従って、このように本実施の形態の窒化物系半導体素子10では、AlGaN層20を有する構成であっても、ゲート絶縁膜24に大きな電圧が印加されることなく、特に、トレンチ部23のコーナ部分(底辺部の角部)に大きな電圧が印加されることがなくなるため、ゲート絶縁膜24の破壊を防止することができる。
さらに、副次的な効果として、2DEG層19の中の高い電界がかかる領域には、上部をショットキー電極22が覆っていることから、外部からの不要なイオンなどによる電界の影響を受けることがなく、2DEG層19が安定するため、素子の動作特性の変動がほとんど生じない。
なお、本実施の形態の窒化物系半導体素子10では、ショットキー電極22は、図1に示した2つのゲート電極28間の領域(MOSゲート32間の領域)全体に渡って形成されているがこれに限らず、少なくとも当該領域の一部に形成されていればよい。また、その大きさ、厚さも特に限定されない。
また、本実施の形態では、ショットキー電極22は、AlGaN層20上にのみ形成されているがこれに限らず、AlGaN層20の一部が開口され、ショットキー電極22が直接n型ドリフト層16に接触するように構成していても良い。この場合、ショットキー電極22直下の2DEG層19の一部が欠落していることから、ゲート容量が小さくなるという効果を得ることができる。
また、MOSゲート32は、ソース電極30側(図1の上側)から平面視した場合に、図4(A)に示すように、ストライプ状に形成されていてもよいし、図4(B)に示すように、島状に形成されていてもよい。また、島状の場合、図4(B)では、四角形の島で示したがこれに限らず、6角形や円形等他の形状でもよく、これらを平面に敷き詰めるように並べて構成される。また、さらにこれらの場合に加えて、ショットキー電極22の形状も図5(A)、(B)に示すように1つもしくは2つ以上の島状に形成されていてもよい。またこの場合、MOSゲート32と同様に、四角形の島で示したがこれに限らず、6角形や円形等他の形状でもよい。
なお、上述した本実施の形態の窒化物系半導体素子10は、例えば、以下のようにして製造することができる。なお、以下に示す製造方法は一例であり、これに限定されるものではない。
MOCVD法や、分子線エピタキシャル成長(Molecular Beam Epitaxial、MBE)法等のエピタキシャル結晶成長法により、基板14上にドリフト層16を積層させる。ドリフト層16上の一部にエッチングマスクを形成し、ウエットエッチングやドライエッチングによりドリフト層16の一部を除去し、メサ形状(凸部)を形成する。さらに、メサ形状(凸部)の周囲に、MOCVD法により、ウェル層18を積層させる。さらに、ドリフト層16及びウェル層18の上に、AlGaN層20をエピタキシャル成長法により形成する(図6参照)。なお、2DEGのキャリア濃度を制御するため、AlGaN層20では、Alの組成や層厚が調整される。
次に、AlGaN層20の表面をエッチングにより、AlGaN層20及びウェル層18の一部を除去する。さらにフォトレジストをマスクとして、AlGaN層20及びウェル層18を除去してトレンチ部23を形成する。さらに、化学気相成長(Chemical Vapor Deposirion、CVD)法等によりSiO膜等のゲート絶縁膜24をトレンチ部23内部に形成する。その後、ゲート絶縁膜24上に、ゲート電極28をスパッタ等により形成する。さらに、AlGaN層20上の所定の領域にショットキー電極22をMOCVD法等により形成し、ゲート電極28の上部に層間絶縁膜26をCVD法等により形成する(図7参照)。
その後、ウェル層18にオーミック接触する第一のオーミック金属層27及びAlGaN層20にオーミック接触する第二のオーミック金属層29を形成し、さらにソース電極30及びドレイン電極12を形成することにより、図1に示した本実施の形態の窒化物系半導体素子10が製造される。
以上説明したように、本実施の形態の窒化物系半導体素子10によれば、AlGaN層20上に形成されたショットキー電極22が、正孔をソース電極30に流す(輸送する)ことができるため、ゲート絶縁膜24、特にトレンチ部23のコーナー部に集中して電圧が印加されることがなくなる。
このように本実施の形態の窒化物系半導体素子10では、AlGaN層20及びゲート絶縁膜24を有する縦型窒化ガリウム半導体において、導通抵抗が低く、かつ高い電圧を維持すると共に、ゲート絶縁膜の破壊を防止することができる。従って、本実施の形態の窒化物系半導体素子10は、信頼性が高く、破壊耐量などの信頼性が強く要求されるインバータなどの電力変換装置や種々の産業用機械などの電源装置などに使用されるパワー半導体装置に有用である。
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態の窒化物系半導体素子は、第1の実施の形態の窒化物系半導体素子10と略同様の構成及び動作であるため、同一部分には同一符号を付して詳細な説明を省略し、異なる部分のみ詳細に説明する。
本実施の形態の窒化物系半導体装置である窒化物系半導体素子の概略構成の一例を示す断面図を図8に示す。本実施の形態の窒化物系半導体素子40は、第1の実施の形態の窒化物系半導体素子10に設けられていたショットキー電極22のかわりに、AlGaN層20の上にp型AlGaN層42が形成されている。p型AlGaN層42は、AlGaN層20とPN接合している。
本実施の形態の窒化物系半導体素子40では、p型AlGaN層42が正孔をソース電極30に流す機能を有している。
第1の実施の形態の窒化物系半導体素子10では、ショットキー電極22によりショットキー接合が、ソース・ドレイン間に形成されているが、本実施の形態では、ショットキー接合ではなくPN接合となっているため、リーク電流を第1の実施の形態の窒化物系半導体素子10に比べ、より、抑えることができる。
このように本実施の形態の窒化物系半導体素子40では、AlGaN層20の上に、AlGaN層20とPN接合されたp型のAlGaN層42が形成されているため、第1の実施の形態で得られた効果に加えて、リーク電流をより抑えるという効果が得られる。
なお、第1の実施の形態に示したショットキー電極22と本実施の形態のp型のAlGaN層42とを混載するように構成してもよい。
[第3の実施の形態]
第3の実施の形態の窒化物系半導体素子は、第1の実施の形態の窒化物系半導体素子10及び第2の実施の形態の窒化物系半導体素子40と略同様の構成及び動作であるため、同一部分には同一符号を付して詳細な説明を省略し、異なる部分のみ詳細に説明する。
本実施の形態の窒化物系半導体装置である窒化物系半導体素子の概略構成の一例を示す断面図を図9に示す。本実施の形態の窒化物系半導体素子50では、トレンチ部23の底面部から周囲(側壁)、すなわち、チャネル領域25のソース・ドレイン領域にあたる部分に高濃度のn型領域52が形成されている。
MOSゲート32と2DEG層19との間は、トレンチ部23の側壁に形成されるチャネル領域25を電流が流れることになるが、当該領域は、電流の流れが90度変化をするため、MOS反転層の抵抗が高くなってしまう。また、側壁の部分においてもチャネル長が長くなってしてしまうため、チャネル領域25の抵抗が大きくなりやすい。
本実施の形態の窒化物系半導体素子50では、図9に示したようにトレンチ部23のコーナー部(角部)を含むような高濃度のn型領域52を設けることにより、当該コーナー部を通過せずに電流を流すことができる。これにより、電流の流れが90度変化することがなくなるため、半導体素子全体の抵抗を下げることが可能となる。
なお、n型領域52の形成方法としては、n型不純物であるシリコン等をイオン注入等によって結晶内に導入し、その後に1000℃前後で熱処理することで容易に形成することが可能である。また、n型領域52の不純物濃度としては、1×1018cm−2以上が好ましい。
このように本実施の形態の窒化物系半導体素子50では、トレンチ部23の底面部から周囲(側壁)、すなわち、チャネル領域25のソース・ドレイン領域にあたる部分に高濃度のn型領域52が形成されているため、トレンチ部23のコーナー部を通過せずに電流を流すことができ、半導体素子全体の抵抗をより低くすることができるという効果が得られる。
10、40、50 窒化物系半導体素子
12 ドレイン電極
14 基板
16 ドリフト層
18 ウェル層
19 2DEG層
20 AlGaN層
22 ショットキー電極
23 トレンチ部
24 ゲート絶縁膜
28 ゲート電極
30 ソース電極

Claims (5)

  1. 第1導電型の基板と、
    前記基板の裏面に形成されたドレイン電極と、
    前記基板の主面に形成され、かつ一部がメサ形状の凸部を有し、前記基板よりも不純物濃度が低い第1導電型の窒化ガリウム系半導体より成るドリフト層と、
    前記ドリフト層上の前記凸部の側面に接触して該凸部を囲むように形成された、第2導電型の窒化ガリウム系半導体より成るウェル層と、
    前記ドリフト層と前記ウェル層との上に形成された、AlxGa1−xN(0≦x<1)より成る電子供給層と、
    前記電子供給層の表面から前記ウェル層に至る領域に形成されたトレンチの内部を覆うように形成されたゲート絶縁膜と、
    前記ゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極と、
    前記ドリフト層の凸部及び前記ウェル層と前記電子供給層との界面の領域に形成され、かつ前記トレンチにより当該領域が切断された2次元電子ガス層と、
    前記電子供給層の上に形成されキャリア輸送用電極と、
    前記キャリア輸送用電極の上に形成されたソース電極と、
    を備え
    前記キャリア輸送用電極は、前記ソース電極に接続されて前記ソース電極にキャリアを輸送する、
    窒化物系半導体装置。
  2. 前記キャリア輸送用電極は、前記電子供給層とショットキー接合されている、請求項1に記載の窒化物系半導体装置。
  3. 前記キャリア輸送用電極は、前記ドリフト層にショットキー接触する金属から成る、請求項1に記載の窒化物系半導体装置。
  4. 前記キャリア輸送用電極は、第2導電型のAlxGa1−xN(0≦x<1)である、請求項1に記載の窒化物系半導体装置。
  5. 少なくとも前記トレンチの底部の角部分から外周部分に沿って前記ソース電極に至るまでの領域に形成された、高濃度の第1導電型領域を備えた、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の窒化物系半導体装置。
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