JP6126906B2 - 窒化物半導体エピタキシャルウェハ - Google Patents

窒化物半導体エピタキシャルウェハ Download PDF

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Description

この発明は、基板上に窒化物半導体を用いた電子デバイスがエピタキシャル形成された窒化物半導体エピタキシャルウェハに関する。
窒化物半導体を用いた電子デバイスとしては、一般的に、AlGaNとGaNとからなるヘテロ接合を用いた構造が用いられている。近年、電子デバイスの低コスト化を実現するために、安価なSi基板上に窒化物半導体を成長することが盛んに行われている。
上記窒化物半導体をSi基板上に成長する際の問題点として、窒化物半導体とSiとの熱膨張係数の違いによるウェハの反りが挙げられる。窒化物半導体の熱膨張係数はSiの熱膨張係数よりも大きいことから、Si基板上に窒化物半導体を高温で成長させた後に室温まで冷却する過程において、下に凸の形状に反ることになる。
このような熱膨張係数の差による反りを抑える方法として、特表2004‐524250号公報(特許文献1)に開示された窒化ガリウム材料や、特開2008‐205117号公報(特許文献2)に開示された半導体ウェハがある。
上記特許文献1に開示された窒化ガリウム材料においては、シリコン基板と窒化ガリウム材料との間に、組成的に勾配をつけたAlInGaN,AlGaN,InGaN等の窒化ガリウムの合金で構成された転移層を形成している。また、上記特許文献2に開示された半導体ウェハにおいては、高Al含有層からなるAlGaN層等と低Al含有層からなるAlGaN層等とを交互に複数層積層してなる超格子バッファ層を単層構造バッファ層で隔てた構造を有している。
上述のような構造によって、窒化物半導体とSiとの熱膨張係数の違いによるウェハの反りを抑制している。しかしながら、上記特許文献1および上記特許文献2には、反りに関する効果が記載されてはいるが、結晶性改善については記載されていない。
特表2004‐524250号公報 特開2008‐205117号公報
そこで、この発明の課題は、ウェハの反りを抑えるだけではなく、結晶性を改善することが可能な窒化物半導体エピタキシャルウェハを提供することにある。
上記課題を解決するため、この発明の窒化物半導体エピタキシャルウェハは、
基板と、
上記基板上に形成された初期成長層と、
上記初期成長層上に形成されると共に、Al組成が上方に向かって連続的あるいは段階的に減少するAl組成傾斜層と、
上記Al組成傾斜層上に形成されると共に、組成がAlaGa1-aN(0<a≦0.3)である低Al含有層と組成がAlbGa1-bN(0.5≦b≦1.0)である高Al含有層とが交互に積層された超格子層で、AlcGa1-cN層(0<c<1)を挟んでなる三層構造体と、
上記三層構造体を構成する上記超格子層上に形成された窒化物半導体と
を備え、
上記Al組成傾斜層と上記窒化物半導体との間には、上記三層構造体が複数形成されており、
上記複数の三層構造体は、上記超格子層と上記AlcGa1-cN層との格子定数の違いに起因する応力によって、上記基板と上記初期成長層との界面に発生して上方に向かって伸びる転位を低減して、上記窒化物半導体の結晶性を改善する結晶性改善層を構成しており、
上記三層構造体を構成する上記Al c Ga 1-c N層におけるAl組成cは、
上記超格子層における上記Al a Ga 1-a Nの膜厚がd1であり、上記Al b Ga 1-b Nの膜厚がd2である場合に、
0<c<(d1*a+d2*b)/(d1+d2)
なる関係を有している
ことを特徴としている。
また、一実施の形態の窒化物半導体エピタキシャルウェハでは、
上記三層構造体を構成する上記AlcGa1-cN層の膜厚は、10nm以上且つ300nm以下である。
以上より明らかなように、この発明の窒化物半導体エピタキシャルウェハは、基板上に初期成長層を介してAl組成傾斜層を形成し、超格子層でAlGaN層を挟んでなる三層構造体を複数形成し、上記三層構造体上に窒化物半導体を形成している。したがって、基板上に初期成長層を形成することによるウェハの下に凸の反りを、Al組成傾斜層を形成することによって上に凸の反りに転じさせ、複数の上記三層構造体を形成することによって上に凸の反り量を増加させることができる。
その結果、上記三層構造体上に上記窒化物半導体を形成することによってウェハが大きく下に凸の形状に反るのに先立って、上記ウェハを上に凸の形状に大きく反らすことができ、窒化物半導体エピタキシャルウェハの反りを低減することができる。
さらに、上記複数の三層構造体が結晶性改善層として機能することによって、上記基板と上記初期成長層との界面に発生して上方に向かって伸びる転位を低減し、上記窒化物半導体の結晶性を改善することができる。
したがって、窒化物半導体エピタキシャルウェハの反りを抑えるだけではなく、結晶性を改善することが可能になる。
この発明の窒化物半導体エピタキシャルウェハにおける断面図である。 基板上に形成された窒化物半導体の膜厚と反り量との関係を示す図である。
以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
・第1実施の形態
図1は、本実施の形態の窒化物半導体エピタキシャルウェハとしてのトランジスタにおける断面図である。
図1において、Si基板1上に、厚さが100nmのAlN層2、および、厚さ200nmのAl0.7Ga0.3N3と厚さ400nmのAl0.4Ga0.6N4と厚さ400nmのAl0.1Ga0.9N5とからなる組成傾斜バッファ層6が形成されている。ここで、組成傾斜バッファ層6の層数,組成および膜厚は、本実施の形態に限定されるものではなく、反りを上に凸の形状にできる構造であれば差し支えない。
さらに、AlGa1-aN(0<a≦0.3)の低Al含有層とAlGa1-bN(0.5≦b≦1.0)の高Al含有層とを交互に積層した超格子層7で、AlGa1-cN層8を挟んでなる三層構造を1つのセットとして、このセットが数セット形成されている。ここで、AlGa1−cN層8のAl組成「c」は、超格子層7の上記AlGa1-aNの膜厚がd1であり、上記AlGa1-bNの膜厚がd2である場合に、
c<(d1*a+d2*b)/(d1+d2)
の関係を有している。
図1に示す例では、Al0.1Ga0.9N(23nm)/AlN(2nm)を25周期成長してなる超格子層7でAl0.1Ga0.9N層8(100nm)を挟んでなる上記セットを、2セット形成している。
尚、上記超格子層7を構成する各層の膜厚d1,d2は、3nm以上且つ25nm以下の範囲内にあれば、ウェハの反り低減と縦方向リーク電流の低減とに、効果を奏することができる。
さらに、最上層の超格子層7’’上に、膜厚が1.5μmのGaNチャネル層9、AlN中間層10、AlGaN障壁層11、GaNキャップ層12が順次形成されている。尚、AlN中間層10およびGaNキャップ層12は、必要に応じて無くすことも可能である。
各層の成長は、一例であるが、以下のような成長方法で行われる。
上記AlN層2の成長に先立って、Si基板1表面の酸化膜をフッ酸系のエッチャントで除去した後、有機金属気相成長(MOCVD)装置にSi基板1をセットする。そして、Si基板1の温度を1100℃に設定し、チャンバー圧力13.3kPaで基板表面のクリーニングを行なう。
次に、基板温度およびチャンバー圧力を一定とし、アンモニアNH3(12.5slm)を流すことでSi基板1表面の窒化を行なう。引き続き、AlNを、100nm(TMA(トリメチルアルミニウム)流量=117μmol/min,NH3流量=12.5slm)成長してAlN層2を形成する。次に、基板温度1150℃で、Al0.7Ga0.3N3を、200nm(TMG(トリメチルガリウム)流量=57μmol/min,TMA流量=97μmol/min,NH3流量=12.5slm)成長する。次に、Al0.4Ga0.6N4を、400nm(TMG流量=99μmol/min,TMA流量=55μmol/min,NH3流量=12.5slm)成長する。次に、Al0.1Ga0.9N5を、400nm(TMG流量=137μmol/min,TMA流量=18μmol/min,NH3流量=12.5slm)成長する。こうして、Al0.7Ga0.3N3とAl0.4Ga0.6N4とAl0.1Ga0.9N5とで成る組成傾斜バッファ層6を形成する。
次に、23nmのAl0.1Ga0.9N(TMG流量=720μmol/min,TMA流量=80μmol/min,NH3流量=12.5slm)と、2nmのAlN(TMA流量=102μmol/min,NH3流量=12.5slm)とを、交互に25周期成長して超格子層7を形成する。さらに、上記Al0.1Ga0.9N層8を100nm形成する。この場合におけるAl0.1Ga0.9N層8の成長条件は、上記Al0.1Ga0.9N5と同じである。そして、二つの超格子層7でAl0.1Ga0.9N層8を挟んでなるセットを2セット形成する。
その後、1.5μmの厚さでGaNチャネル層9(TMG流量=50μmol/min,NH3流量=12.5slm)を成長する。さらに、AlN中間層10(TMA流量=51μmol/min,NH3流量=12.5slm)を成長する。引き続き、AlGaN障壁層11(TMG流量=46μmol/min,TMA流量=7μmol/min,NH3流量=12.5slm)を成長する。さらに、GaNキャップ層12(TMG流量=58μmol/min,NH3流量=12.5slm)を成長する。
以下、詳細な説明は省略するが、上述のようにしてSi基板1上に形成された窒化物半導体層に対して、求める電子デバイスに応じた加工を施して上記電子デバイスが形成される。
例えば、上記電子デバイスとしてトランジスタを形成する場合には、上記AlN中間層10とGaNチャネル層9との界面に形成される2次元電子ガスの層とオーミック接触を形成するソース電極(図示せず)およびドレイン電極(図示せず)が形成され、上記ソース電極と上記ドレイン電極との間にゲート電極(図示せず)が形成される。
本実施の形態における窒化物半導体エピタキシャルウェハの構造は、Si基板1上に、Al組成傾斜AlGaN層からなる組成傾斜バッファ層6と、超格子層7でAlGaNの単層8を挟んでなるバッファ層との組み合わせで構成されている。この構造によって、窒化物半導体エピタキシャルウェハの反りが抑えられる。その理由は、以下の通りである。
図2は、上記Si基板1上に形成された窒化物半導体の膜厚と反り量との関係を示す。図2に示すように、Si基板1上にAlN層2を成長すると、破線(A)で示すように、窒化物半導体エピタキシャルウェハの反りは膜厚の2乗に比例して増加する。更にその上に、組成傾斜バッファ層6を構成する第1のAlGaN層(Al0.7Ga0.3N3)を成長すると、破線(B)で示すように、反りの増加は膜厚の2乗に比例するが、増加の割合が減少する。さらに、第2のAlGaN層(Al0.4Ga0.6N4)を成長すると、破線(C)で示すように膜厚に対して反り量の極小値が現れ、さらに第3のAlGaN層(Al0.1Ga0.9N5)を成長すると、破線(D)で示すように反りの方向が「下に凸」から「上に凸」に変化するようになる。
本実施の形態においては、上記組成傾斜バッファ層6を3層のAlGaN層3〜5で構成した場合で説明したが、組成傾斜バッファ層6を構成するAlGaN層のAlの組成や膜厚を選択することによって、4層あるいは5層等のごとく層数を変化させることができる。
その後、適切な膜厚および適切な組成を組み合わせて構成した超格子層7を成長することによって、直線(E)で示すように、ウェハの反りは膜厚増加に対して線形に増加する。そして、超格子層7上に形成されて超格子層7と上記セットを形成するAlGaN層8は、破線(F)で示すように極小値を有する2次曲線の形状で反りを変化させる。したがって、AlGaN層8の膜厚を適切に選択することによって、上に凸の反り量を増加させることができる。さらに、超格子層7でAlGaN層8を挟んでなるセットを複数セット形成することによって、上に凸の反り量をさらに増加させることができる。
その結果、目的とする上記電子デバイス用の厚膜(1.5μm)のGaNチャネル層9を成長した場合に、破線(G)で示すように、ウェハの反りが「下に凸」の方向(つまり、反り量「0」の方向)に戻っていくことになる。
このように、本実施の形態によれば、上記組成傾斜バッファ層6と、超格子層7でAlGaNの単層8を挟んでなるバッファ層との2種類のバッファ層の組み合わせによって、窒化物半導体エピタキシャルウェハの反り低減に、効果を奏することができるのである。
次に、本実施の形態における今一つの効果について説明する。
表1は、本実施の形態における上記Si基板1上に窒化物半導体層が形成されてなる窒化物半導体エピタキシャルウェハ構造において、超格子層7でAl0.1Ga0.9N層8を挟んでなるセット数と、GaNチャネル層9のX線回折における半値全幅(FWHM:Full Width at Half Maximum)との関係を示す。
表1から分かるように、上記セット数の増加に伴って、螺旋転位に関連する(004)面の半値全幅と、刃状転位に関連する(100)面の半値全幅とが減少しており、結晶性が改善されていることを示している。
表1
Figure 0006126906
表1から、上記超格子層7でAl0.1Ga0.9N層8を挟んでなるセット数の増加に伴って結晶性が改善されていることが分かる。ところが、超格子層7とAlGaN層8との繰り返しによる結晶性改善のメカニズムは、明確には解明されていない。しかしながら、その理由として、以下のような推測が可能である。
上記窒化物半導体の成長中において、Si基板1とAlN層2との界面で発生した転位が上方に伸びていく過程で、超格子層7でAlGaNの単層8を挟んでなるバッファ層における超格子層7とAlGaN層8との界面での応力によって転位が減少する。そして、超格子層7でAlGaN層8を挟んでなるセットを複数セット形成して超格子層7とAlGaN層8との界面を複数形成することによって上記転位低減効果が重ねられる。こうして、Si基板1とAlN層2との界面で発生した転位が減少して、結晶性が改善されると推測されるのである。
上記推測に立脚すれば、転位低減の効果を得るためには、上記超格子層7が膜厚d1のAlGa1-aNと膜厚d2のAlGa1-bNとで構成される場合、AlGaN層8であるAlGa1−cN層のAl組成「c」が、以下の式で与えられる超格子層7の平均組成
(d1*a+d2*b)/(d1+d2)
よりも小さいことが望ましい。
その理由は、上記超格子層7と上記AlGaN層8との格子定数の違いに起因する応力による転位低減の効果が現れるためである。
以上のごとく、本実施の形態においては、Si基板1上に、初期成長層としてのAlN層2を介して、Al組成が段階的に減少するAl組成傾斜AlGaN層からなる組成傾斜バッファ層6を形成する。さらに、組成傾斜バッファ層6上に、AlGa1-aN(0<a≦0.3)の低Al含有層とAlGa1-bN(0.5≦b≦1.0)の高Al含有層とを交互に積層してなる超格子層7で、AlGa1-cN層8を挟んでなる三層構造を1つのセットとして、このセットを数セット成長させる。さらに、最終セットにおける超格子層7の上に、窒化物半導体としてのGaNチャネル層9を形成している。
したがって、上記Si基板1上にAlN層2を成長することによって下に凸の形状に反った窒化物半導体エピタキシャルウェハを、Al組成が減少する組成傾斜バッファ層6を形成することによって、膜厚に対する反り量の増加の割合が減少すると共に、膜厚に対する反り量の変化に極小値が現れ、やがて反りの方向が「下に凸」から「上に凸」に転ずる。
さらに、極小値を有する2次曲線の形状で反りを変化させるAlGa1-cN層8を、低Al含有層と高Al含有層とを交互に積層してなると共に、ウェハの反りを膜厚の増加に対して線形に増加させる超格子層7で挟んで形成することによって、AlGa1-cN層8による反り量変化の極小値よりも厚膜側の反り量の減少部分を超格子層7による線形増加に置き換えて、上に凸の反り量を増加させる。そして、超格子層7でAlGa1-cN層8を挟んでなるセットを複数セット形成することによって、上に凸の反り量をさらに増加させる。
したがって、最終セットにおける超格子層7の上に厚膜のGaNチャネル層9を形成した場合に、厚膜のGaNチャネル層9が下に凸の形状に大きく反ることを、予めウェハを上に凸の形状に大きく反らせておくことによって抑制することができ、窒化物半導体エピタキシャルウェハの反りを低減できるのである。
また、本実施の形態においては、上記AlGa1-cN層8におけるAl組成「c」を、膜厚d1のAlGa1-aNと膜厚d2のAlGa1-bNとで構成される超格子層7における以下の式で与えられる平均組成
(d1*a+d2*b)/(d1+d2)
よりも小さく設定している。
したがって、上記超格子層7とAlGa1-cN層8との格子定数の違いに起因する応力によって、Si基板1と窒化物半導体との界面で発生して上方に伸びていく転位が低減される。そして、超格子層7とAlGa1-cN層8との界面を複数形成することによって、転位の低減が重ねられて、結晶性を改善することができるのである。
すなわち、本実施の形態においては、上記超格子層7でAlGa1-cN層8を挟んでなる三層構造体が複数積層されて、GaNチャネル層9,AlN中間層10,AlGaN障壁層11およびGaNキャップ層12でなる窒化物半導体の結晶性を改善する結晶性改善層を構成しているのである。
以上のことより、本実施の形態によれば、Si基板1に窒化物半導体を成長した窒化物半導体エピタキシャルウェハにおいて、ウェハの反りを抑えるだけでなく、結晶性を改善することが可能になるのである。
・第2実施の形態
本実施の形態は、上記第1実施の形態において、上記超格子層7で挟まれて上記セットを形成するAl0.1Ga0.9N層8の膜厚がウェハの反りに及ぼす影響に関するものである。
上記実施の形態における窒化物半導体エピタキシャルウェハの構造は、上記第1実施の形態の場合と基本的には同じ構造である。但し、上記超格子層7でAl0.1Ga0.9N層8を挟んでなる三層構造のセット数を「2」に固定した状態で、Al0.1Ga0.9N層8の膜厚を100nm(上記第1実施の形態の場合と同じ),300nmおよび500nmの3段階に変更させ、その場合における窒化物半導体エピタキシャルウェハの反り量を測定している。
表2に、その測定結果を示す。ここで、上記反り量は、6インチの窒化物半導体エピタキシャルウェハにおける最大反り位置における反り量(μm)で表している。さらに、マイナスは上に凸の反りを表し、プラスは下に凸の反りを表す。
表2
Figure 0006126906
表2に示すように、上記Al0.1Ga0.9N層8の膜厚が300nmまでは、上記ウェハの反りを抑制することができる。ところが、上記膜厚が500nmになると、ウェハの反りが急に増加する。
この理由は、上記Al0.1Ga0.9N層8の膜厚が300nmを超えて厚くなることにより、図2に示す膜厚と反り量との関係において、破線(F)で示すように2次曲線の変化形状を呈するAl0.1Ga0.9N層8と、その上に形成される超格子層7’との境界位置が、破線(F)で示す2次曲線の極小値を越えた破線(H)上の例えば黒丸(I)の位置となる。
その結果、上記ウェハの反りが、上記境界位置が破線(F)の極小値である場合よりも、「下に凸」側に移動する。したがって、このことが超格子層7でAl0.1Ga0.9N層8を挟んでなるセットの数だけ繰り返されると、さらに反り位置が「下に凸」側に移動し、最終的に厚膜のGaNチャネル層9が形成された際に、ウェハの反り量が「0」を超えて、「下に凸」側に大きく変位するためである。
また、上記Al0.1Ga0.9N層8の膜厚が10nm未満で薄い場合には、Al0.1Ga0.9N層8と超格子層7’との境界位置が、破線(F)における上記極小値よりも膜厚の薄い側となり、上記300nmを超えた場合と同様に、上記ウェハの反りは「下に凸」側に移動して、厚膜のGaNチャネル層9が形成された際に、ウェハの反り量が「0」を超えて、「下に凸」側に大きく変位することになる。
以上のことより、上記超格子層7で挟まれるAl0.1Ga0.9N層8の膜厚は、窒化物半導体エピタキシャルウェハの反り低減の効果を働かせるために、10nm以上且つ300nm以下であることが望ましいといえる。
尚、上記各実施の形態においては、上記組成傾斜バッファ層6を、Al組成が段階的に減少するAl組成傾斜AlGaN層で構成している。しかしながら、この発明は段階的に限定されるものではなく、Al組成が連続的に減少するAl組成傾斜AlGaN層で構成しても一向に構わない。
また、上記各実施の形態においては、上記組成傾斜バッファ層6をAlGaN層で構成している。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、他の組成のAl組成傾斜窒化物半導体層で構成しても良い。
以上のごとく、この発明の窒化物半導体エピタキシャルウェハは、
基板(1)と、
上記基板(1)上に形成された初期成長層(2)と、
上記初期成長層(2)上に形成されると共に、Al組成が上方に向かって連続的あるいは段階的に減少するAl組成傾斜層(6)と、
上記Al組成傾斜層(6)上に形成されると共に、組成がAlaGa1-aN(0<a≦0.3)である低Al含有層と組成がAlbGa1-bN(0.5≦b≦1.0)である高Al含有層とが交互に積層された超格子層(7,7’,7’’)で、AlcGa1-cN層(8,8’)を挟んでなる三層構造体と、
上記三層構造体を構成する上記超格子層(7’’)上に形成された窒化物半導体(9〜12)と
を備え、
上記Al組成傾斜層(6)と上記窒化物半導体(9〜12)との間には、上記三層構造体が複数形成されており、
上記複数の三層構造体は、上記超格子層(7,7’,7’’)と上記AlcGa1-cN層(8,8’)との格子定数の違いに起因する応力によって、上記基板(1)と上記初期成長層(2)との界面に発生して上方に向かって伸びる転位を低減して、上記窒化物半導体(9〜12)の結晶性を改善する結晶性改善層を構成している
ことを特徴としている。
上記構成によれば、上記基板(1)上に初期成長層(2)を形成することによるウェハの下に凸の反りを、膜厚の増加と共にAl組成が減少するAl組成傾斜層(6)を形成することによって、膜厚に対する反り量の増加の割合を減少させ、やがて反りの方向を「下に凸」から「上に凸」に転じさせることができる。
さらに、ウェハの反りを膜厚の増加に対して極小値を有する形状に変化させる上記AlcGa1-cN層(8,8’)を、上記反りを膜厚の増加に対して線形に増加させる上記超格子層(7,7’,7’’)で挟んでなる三層構造体を、複数形成することによって、上に凸の反り量を増加させることができる。こうして上記超格子層(7’’)上に厚膜の窒化物半導体(9〜12)を形成してウェハが下に凸の形状に大きく反る際に、予め上に凸の形状に大きく反らせておくことによって、上記窒化物半導体(9〜12)による反りを抑制することができ、窒化物半導体エピタキシャルウェハの反りを低減することができる。
さらに、上記複数の三層構造体が結晶性改善層として機能することによって、上記超格子層(7,7’,7’’)と上記AlcGa1-cN層(8,8’)との格子定数の違いに起因する応力によって、上記基板(1)と上記初期成長層(2)との界面に発生して上方に向かって伸びる転位を低減し、上記窒化物半導体(9〜12)の結晶性を改善することができる。
したがって、窒化物半導体エピタキシャルウェハの反りを抑えるだけではなく、結晶性を改善することが可能になる。
また、一実施の形態の窒化物半導体エピタキシャルウェハでは、
上記三層構造体を構成する上記AlcGa1-cN層(8,8’)におけるAl組成cは、
上記超格子層(7,7’,7’’)における上記AlaGa1-aNの膜厚がd1であり上記AlbGa1-bNの膜厚がd2である場合に、
c<(d1*a+d2*b)/(d1+d2)
なる関係を有している。
この実施の形態によれば、上記AlcGa1-cN層(8,8’)におけるAl組成cが、「(d1*a+d2*b)/(d1+d2)」で表される上記超格子層(7,7’,7’’)の平均組成よりも小さく、上記AlcGa1-cN層(8,8’)の格子定数と上記超格子層(7,7’,7’’)の格子定数とには違いが生ずる。したがって、この格子定数の違いに起因する応力によって、上記基板(1)と上記初期成長層(2)の界面に発生して上方に向かう転位を低減することができる。
また、一実施の形態の窒化物半導体エピタキシャルウェハでは、
上記三層構造体を構成する上記AlcGa1-cN層(8,8’)の膜厚は、10nm以上且つ300nm以下である。
上記AlcGa1-cN層(8,8’)の膜厚が300nmを超えて厚くなると、膜厚の増加に対して2次曲線の形状で変化する上記AlcGa1-cN層(8,8’)と、その上に形成される上記超格子層(7,7’,7’’)との境界位置が、上記AlcGa1-cN層(8,8’)の反り量の変化形状である2次曲線の極小値を越えて反り量「0」側になる。そして、このことが上記三層構造体の数だけ繰り返されると、さらに反り量「0」側に移動し、上記窒化物半導体(9〜12)が形成された際に、ウェハの反り量が「0」を超えて、「下に凸」側に大きく変位してしまう。
さらに、上記AlcGa1-cN層(8,8’)の膜厚が10nm未満の場合には、上記AlcGa1-cN層(8,8’)と上記超格子層(7,7’,7’’)との境界位置が、上記AlcGa1-cN層(8,8’)の反り量の変化形状の極小値を越えずに反り量「0」側になる。したがって、300nmを超える場合と同様に、上記窒化物半導体(9〜12)が形成された際のウェハの反り量が「0」を超えて、「下に凸」側に大きく変位してしまう。
この実施の形態によれば、上記AlcGa1-cN層(8,8’)の膜厚は、10nm以上且つ300nm以下であるので、上記窒化物半導体(9〜12)を形成した際における窒化物半導体エピタキシャルウェハの反りを低減することができる。
1…Si基板、
2…AlN層、
3…Al0.7Ga0.3N、
4…Al0.4Ga0.6N、
5…Al0.1Ga0.9N、
6…組成傾斜バッファ層、
7,7’,7’’…超格子層、
8,8’…Al0.1Ga0.9N層(AlGa1-cN層)、
9…GaNチャネル層、
10…AlN中間層、
11…AlGaN障壁層、
12…GaNキャップ層。

Claims (2)

  1. 基板と、
    上記基板上に形成された初期成長層と、
    上記初期成長層上に形成されると共に、Al組成が上方に向かって連続的あるいは段階的に減少するAl組成傾斜層と、
    上記Al組成傾斜層上に形成されると共に、組成がAlaGa1-aN(0<a≦0.3)である低Al含有層と組成がAlbGa1-bN(0.5≦b≦1.0)である高Al含有層とが交互に積層された超格子層で、AlcGa1-cN層(0<c<1)を挟んでなる三層構造体と、
    上記三層構造体を構成する上記超格子層上に形成された窒化物半導体と
    を備え、
    上記Al組成傾斜層と上記窒化物半導体との間には、上記三層構造体が複数形成されており、
    上記複数の三層構造体は、上記超格子層と上記AlcGa1-cN層との格子定数の違いに起因する応力によって、上記基板と上記初期成長層との界面に発生して上方に向かって伸びる転位を低減して、上記窒化物半導体の結晶性を改善する結晶性改善層を構成しており、
    上記三層構造体を構成する上記Al c Ga 1-c N層におけるAl組成cは、
    上記超格子層における上記Al a Ga 1-a Nの膜厚がd1であり、上記Al b Ga 1-b Nの膜厚がd2である場合に、
    0<c<(d1*a+d2*b)/(d1+d2)
    なる関係を有している
    ことを特徴とする窒化物半導体エピタキシャルウェハ。
  2. 請求項1に記載の窒化物半導体エピタキシャルウェハにおいて、
    上記三層構造体を構成する上記AlcGa1-cN層の膜厚は、10nm以上且つ300nm以下である
    ことを特徴とする窒化物半導体エピタキシャルウェハ。
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