JP6100139B2 - 鋳造用金型装置 - Google Patents

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本発明は、長手方向に沿って並列された複数個の燃焼室を有するシリンダヘッドを得るための鋳造用金型装置に関する。
内燃機関を構成するシリンダヘッドには、希薄燃料及び空気が導入される複数個の燃焼室と、各燃焼室に連通するポートとが形成される。また、燃焼室とポートとの境界は、カムバルブが着座・離間するバルブシートが配設されるバルブシート部である。
この種のシリンダヘッドは、一般的に、低圧鋳造法によって得られる。この場合、鋳造用金型装置は、図8に示される下型1と、前記下型1に対して接近又は離間する上型(図示せず)と、該下型1と該上型の間に介在する複数個の摺動型(図示せず)とを有し、これら下型1、上型及び摺動型によってキャビティが形成される。
ここで、前記燃焼室は、下型1に設けられた燃焼室成形部2によって成形される。燃焼室成形部2には、前記バルブシート部を成形するためのバルブシート部成形部3が設けられる。
また、前記ポートは、ポート造形部4を有する砂中子5によって成形される。この砂中子5の一端には巾木部6が設けられ、該巾木部6は、下型1に鉛直上方に向かって突出形成された巾木台7と摺動型に支持される。一方、ポート造形部4の先端は、前記バルブシート部成形部3に対向する。
この状態で前記キャビティにアルミニウム合金の溶湯が注湯され、該溶湯が冷却固化することによってシリンダヘッドが得られるに至る。勿論、シリンダヘッドには、下型1の燃焼室成形部2によって燃焼室が成形されるとともに、砂中子5のポート造形部4によってポートが形成される。
ところで、鋳造後に溶湯が凝固して鋳造品(シリンダヘッド)となる過程では、鋳造品が、その外縁から内部に向かって凝固収縮を起こす傾向がある。これに伴い、図8中の破線で示すように、砂中子5のポート造形部4が一点鎖線の位置から下型1の内方に位置ズレを起こすとともに、シリンダヘッドの外縁が内部に向かうような形状となる(湾曲変形する)。湾曲の度合いが大きくなると、ポートの形状に影響が及び、設計通りのエンジン特性が得られなくなることが懸念される。
このような不具合を回避するべく、特許文献1〜5において、砂中子を鋳造中に位置決め固定するための構成が提案されている。すなわち、砂中子に凹空間(又は凸部)を形成し、且つバルブシート部成形部に、前記凹空間(又は凸部)に挿入される凸部(又は凹空間)を形成する構成である。
特開平6−344077号公報 特開平10−71451号公報 特開2003−39137号公報 特開2008−771号公報 特開2002−239714号公報
特許文献1〜5記載の技術では、手作業によって凹空間内に凸部を挿入して砂中子とバルブシート部成形部を連結しなければならない。このため、下型に対して砂中子を効率よくセットすることが困難である。しかも、この場合、砂中子を崩壊させた後、凹空間内に残留した砂を除去する必要がある。
以上のような理由から、シリンダヘッドのポートを形成するための砂中子が位置ズレを起こさないようにした従来技術では、鋳造品であるシリンダヘッドを効率よく得ることが容易ではない。
本発明は上記した問題を解決するためになされたもので、砂中子が位置ズレを起こすことを回避しながら、シリンダヘッドを効率よく得ることが可能な鋳造用金型装置を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明は、燃焼室を有するシリンダヘッドを得るための鋳造用金型装置において、
前記燃焼室に連通する複数個のポートの各々を形成するための複数個のポート造形部を具備するポート形成用砂中子と、
前記ポート形成用砂中子の巾木部を支持する巾木台を具備する金型と、
を有し、
前記金型は、さらに、前記燃焼室を成形する燃焼室成形部の底壁に突出形成されるとともに、該金型の外方側から内方側に向かい、且つ前記巾木部の延在方向に略平行に並列された前記複数個のポート造形部の各々が対向する複数個のバルブシート部成形部を具備し、
前記複数個のバルブシート部成形部の中の並列方向最外方に位置するものの上端面の、前記金型の内方側に臨む部位が他の部位に比して突出することで、前記金型の外方側に臨む面を有する第1ストッパ部が立設され、
且つ前記複数個の前記ポート造形部の中の並列方向最外方に位置するものの先端部の、前記金型の外方側に臨む部位が他の部位に比して突出することで、前記第1ストッパ部に対向して該第1ストッパ部に堰止される第2ストッパ部が設けられたことを特徴とする。
このような構成を採用した鋳造用金型装置においては、ポート造形部が金型の内方に位置ズレを起こそうとしたとき、該ポート造形部に設けられた第2ストッパ部が、バルブシート部成形部に設けられた第1ストッパ部に堰止される。これによりポート造形部が位置決め固定され、結局、位置ズレを起こすことが防止される。
従って、ポートを、予め設定された位置に所望の形状で得ることが可能となる。このようなポートが形成されたシリンダヘッドを有する内燃機関(エンジン)においては、所望のエンジン特性を得ることが容易となる。
しかも、この場合、巾木部を巾木台に支持することに伴って第1ストッパ部が第2ストッパ部に対向する。すなわち、第2ストッパ部を第1ストッパ部に対向させるための作業を行う必要は特にない。勿論、第1ストッパ部と第2ストッパ部を互いに連結する必要もない。従って、ポート形成用砂中子を効率よく金型にセットすることができる。
その上、バルブシート部成形部に凹空間を形成することも、ポート形成用砂中子に、前記凹空間に挿入される凸部を形成することもない。従って、バルブシート部成形部の凹空間に残留した砂を除去する必要もない。
以上のような理由から、シリンダヘッドを効率よく得ることができるようになる。
なお、第1ストッパ部の前記金型の外方側に臨む面は、前記金型の外方側から内方側に向かって上昇するように傾斜した傾斜面であることが好ましい。この場合、該面が抜き勾配として機能し、シリンダヘッドを離脱させることが容易となるからである。
並列方向の最外方に位置するポート造形部以外のポート造形部の位置ズレが極僅かであるようなときには、第1ストッパ部を、前記複数個のバルブシート部成形部の中の並列方向最外方に位置するもののみに設けるようにしてもよい。この場合、第2ストッパ部を、前記複数個のポート造形部の中の並列方向最外方に位置するもののみに設ければよいことは勿論である。
ところで、複数個のポート造形部の中、並列方向中部に位置するものは、凝固時に巾木台から離間する方向に収縮する傾向がある。この収縮に関わらず、並列方向中部に位置するポートを所望の形状・位置とするべく、並列方向中部に位置するバルブシート部成形部に第3ストッパ部を設けるとともに、前記ポート造形部に第4ストッパ部を設けることが好ましい。
具体的には、前記複数個のバルブシート部成形部の中の並列方向中部に位置するものの上端面に、前記巾木台から離間する側の部位を他の部位に比して突出させることにより、前記巾木台に臨む面を有する第3ストッパ部を立設する。その一方で、前記複数個の前記ポート造形部の中の並列方向中部に位置するものの先端部に、前記巾木台に臨む部位を他の部位に比して突出させることにより、前記第3ストッパ部に対向して該第3ストッパ部に堰止される第4ストッパ部を設ける。
このような第3ストッパ部を設けるときには、該第3ストッパ部の前記巾木台に臨む前記面を、前記巾木台に近接する側から離間する側に向かって上昇するように傾斜した傾斜面とすることが好ましい。この場合、該面も抜き勾配として機能するので、シリンダヘッドを離脱させることが一層容易となるからである。
本発明によれば、複数個のバルブシート部成形部の中、並列方向最外方に位置するものの上端面に、金型の内方側に臨む部位が他の部位に比して突出した第1ストッパ部を立設するとともに、ポート形成用砂中子を構成する複数個のポート造形部の中、並列方向最外方に位置するものの先端部に、前記第1ストッパ部に対向する第2ストッパ部を設けるようにしている。
このような構成を採用した鋳造用金型装置においては、ポート造形部が金型の内方に位置ズレを起こそうとしたとき、該ポート造形部に設けられた第2ストッパ部が、バルブシート部成形部に設けられた第1ストッパ部に堰止される。これによりポート造形部が位置ズレを起こすことが防止されるので、予め設定された位置に所望の形状をなすポートが形成されたシリンダヘッドを得ることが可能となる。従って、所望のエンジン特性を得ることが容易となる。
しかも、この場合、ポート形成用砂中子を効率よく金型にセットすることができるとともに、バルブシート部成形部の凹空間に残留した砂を除去する作業が不要となる。このため、シリンダヘッドを効率よく得ることができる。
本発明の実施の形態に係る鋳造用金型装置の要部概略縦断面図である。 前記鋳造用金型装置を構成する下型にポート形成用砂中子を支持した状態を示す平面図である。 図2中のIII−III線矢視断面図である。 並列方向最外方に位置して第1ストッパ部が設けられたバルブシート部成形部と、それに対向して第2ストッパ部が設けられたポート造形部とを拡大して示した要部正面図である。 並列方向中部に位置して第3ストッパ部が設けられたバルブシート部成形部と、それに対向して第4ストッパ部が設けられたポート造形部とを拡大して示した要部側面図である。 直径位置から金型(下型)の外方側に偏倚して第1ストッパ部が設けられたバルブシート部成形部と、それに対向して第2ストッパ部が設けられたポート造形部とを拡大して示した要部正面図である。 直径位置から金型(下型)の内方側に偏倚して第1ストッパ部が設けられたバルブシート部成形部と、それに対向して第2ストッパ部が設けられたポート造形部とを拡大して示した要部正面図である。 従来技術に係る鋳造用金型装置を構成する下型にポート形成用砂中子を支持した状態を示す平面図である。
以下、本発明に係る鋳造用金型装置につき好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本実施の形態に係る鋳造用金型装置10の要部概略縦断面図である。この鋳造用金型装置10は、下型12と、摺動型としての第1側型14及び第2側型16と、上型18とを有し、これら下型12、第1側型14、第2側型16及び上型18によって形成されるキャビティ20には、ポート形成用砂中子(以下、単に「砂中子」とも表記する)22a、22bが配置される。
この鋳造用金型装置10は、鋳造によってシリンダヘッド(例えば、特開2000−33459号公報の図1参照)を得るためのものであり、キャビティ20の形状は、シリンダヘッドの形状に対応する。この種のシリンダヘッドは周知であるので、その詳細な説明は省略する。
この場合、鋳造用金型装置10は4気筒エンジン用のシリンダヘッドを鋳造するためのものである。従って、図2に示すように、下型12の底壁には、シリンダヘッドの燃焼室を成形するための4個の燃焼室成形部24a〜24dが形成される。燃焼室成形部24a〜24dは、下型12の長手方向(図2中の矢印X方向)に沿って並列配置される。
本実施の形態において、燃焼室成形部24a〜24dの各々には、シリンダヘッドにバルブシート部を設けるべく4個のバルブシート部成形部が設けられる。すなわち、下型12は、合計で16個のバルブシート部成形部を有する。以下、説明の便宜上、燃焼室成形部24aに設けられたバルブシート部成形部の参照符号を26a〜26dとする。また、燃焼室成形部24bに設けられたバルブシート部成形部の参照符号を26e〜26h、燃焼室成形部24cに設けられたバルブシート部成形部の参照符号を26i〜26l、燃焼室成形部24dに設けられたバルブシート部成形部の参照符号を26m〜26pとする。
バルブシート部成形部26a〜26pは、下型12の長手方向(図2中の矢印X方向)に沿って、下型12の外方側から内方側に向かって並列配置される。そして、この中のバルブシート部成形部26b、26d、26e、26g、26j、26l、26m、26oは、円錐台形状に近い円柱形状をなし、燃焼室成形部24a〜24dの各上端面から鉛直上方(図1中の矢印Z方向)に指向して突出している。
これに対し、長手方向端部(換言すれば、最外方)に位置する4個のバルブシート部成形部26a、26c、26n、26pは、図2及び図3に示すように、その上端部の一部が切り欠かれたような形状をなしている。一層詳細には、バルブシート部成形部26nの要部を拡大した図4に示すように、該バルブシート部成形部26nの上端面では、下型12の内方側に臨む部位が他の部位に比して突出している。これにより、下型12の外方側に臨む第1ストッパ面28を有する第1ストッパ部30が立設されている。
バルブシート部成形部26a、26c、26pにおいても同様に、各々の上端面では、下型12の内方側に臨む部位が他の部位に比して突出している(図2及び図3参照)。すなわち、バルブシート部成形部26a、26c、26pにも、下型12の外方側に臨む第1ストッパ面28を有する第1ストッパ部30が立設されている。
各第1ストッパ面28は、下型12の外方側から内方側に向かって上昇するように傾斜した傾斜面として形成される。第1ストッパ面28の鉛直線に対する傾斜角度は、好ましくは1°〜5°である。
また、並列方向中部に位置する4個のバルブシート部成形部26f、26h、26i、26kも、図1、図2及び図5に示すように、その上端部の一部が切り欠かれたような形状をなしている。すなわち、これらバルブシート部成形部26f、26h、26i、26kの上端面では、後述する巾木台32a、32bから離間する側の部位が他の部位に比して突出している。これにより、巾木台32a、32bに臨む第3ストッパ面34を有する第3ストッパ部36が立設されている。
各第3ストッパ面34は、巾木台32a、32bに近接する側から離間する側に向かって上昇するように傾斜した傾斜面として形成される。第3ストッパ面34の鉛直線に対する傾斜角度は、好ましくは1°〜5°である。
前記巾木台32a、32bは、図1に示すように、下型12の上端面に、鉛直上方に指向するように突出形成される。これら巾木台32a、32bは、下型12の長手方向に沿って延在する。
巾木台32a、32bには、前記砂中子22a、22bがそれぞれ支持される。これら砂中子22a、22bは、シリンダヘッドに給排気用のポートを形成するためのものである。なお、参照符号37を付した構成要素も砂中子であるが、該砂中子37は、前記ポート以外の空洞等を成形する。
図2から諒解されるように、砂中子22a、22bは、それぞれ、巾木台32a、32bと第1側型14、第2側型16でそれぞれ挟持される巾木部38a、38bを有する。巾木部38a、38bが下型12の長手方向に沿って延在することから、バルブシート部成形部26a、26b、26e、26f、26i、26j、26m、26nは巾木部38aに沿って略平行に並列配置され、且つバルブシート部成形部26c、26d、26g、26h、26k、26l、26o、26pは巾木部38bに沿って略平行に並列配置される。
砂中子22a、22bには、さらに、巾木部38a、38bからキャビティ20に向かって略水平に突出し、バルブシート部成形部26a〜26pに向かって湾曲した形状のポート造形部40a〜40pが設けられる。後述するように、型締めが行われると、ポート造形部40a〜40pの各端部がバルブシート部成形部26a〜26pの各々に対向する。
バルブシート部成形部26b、26d、26e、26g、26j、26l、26m、26oの平坦な上端面に対向するポート造形部40b、40d、40e、40g、40j、40l、40m、40oの各々の先端面は、平坦に形成される。これに対し、第1ストッパ部30が設けられたバルブシート部成形部26a、26c、26n、26pの上端面に対向するポート造形部40a、40c、40n、40pの各々の先端部には、第1ストッパ面28の角度に対応する角度で傾斜した第2ストッパ面42を有する第2ストッパ部44が突出形成される。
第2ストッパ面42は、最大で0.5mm程度の若干のクリアランスを介して第1ストッパ面28に対向する。すなわち、第2ストッパ面42は下型12の内方側を臨み、内方側から外方側に向かって下降するように傾斜した傾斜面である。なお、クリアランスが形成されなくとも(換言すれば、第1ストッパ面28と第2ストッパ面42が互いに当接しても)、特に差し支えはない。
さらに、第3ストッパ部36が設けられたバルブシート部成形部26f、26h、26i、26kの上端面に対向するポート造形部40f、40h、40i、40kの各々の先端部には、第3ストッパ面34の角度に対応する角度で傾斜した第4ストッパ面46を有する第4ストッパ部48が突出形成される。
第4ストッパ面46は、最大で0.5mm程度の若干のクリアランスを介して第3ストッパ面34に対向する。すなわち、第4ストッパ面46は巾木台32a、32bから離間する側を臨み、且つ巾木台32a、32bに対して離間する側から近接する側に向かって下降するように傾斜した傾斜面である。上記と同様に、第3ストッパ面34と第4ストッパ面46の間にクリアランスが形成されなくとも(換言すれば、第3ストッパ面34と第4ストッパ面46が互いに当接しても)、特に差し支えはない。
図1に示す第1側型14及び第2側型16は、図示しない駆動機構(例えば、油圧シリンダ)の作用下に、下型12の上端面上を摺動する。摺動方向は、図1及び図2に示す矢印Y方向である。
第1側型14及び第2側型16には、それぞれ、砂中子22a、22bの巾木部38a、38bに嵌合可能な保持凹部50、50が形成される(図1及び図3参照)。すなわち、型締めの際には、保持凹部50、50に巾木部38a、38bが嵌合する。
上型18は、図示しない駆動機構(例えば、油圧シリンダ)の作用下に、下型12に対して相対的に接近又は離間するように下降又は上昇する。勿論、下降に伴って型締めがなされ、その結果、キャビティ20が形成される。一方、上昇によって型開きがなされる。
本実施の形態に係る鋳造用金型装置10は、基本的には以上のように構成されるものであり、次に、その作用効果につき、シリンダヘッドを得る鋳造作業との関係で説明する。
はじめに、砂中子22a、22bの巾木部38a、38bを、下型12の巾木台32a、32bでそれぞれ支持する。巾木部38a、38bと巾木台32a、32bには、互いに係合する図示しない係合部・被係合部(例えば、凹部と凸部)が設けられており、このため、砂中子22a、22bが巾木台32a、32bから脱落することが回避される。そして、この際、ポート造形部40b、40d、40e、40g、40j、40l、40m、40oの各々の先端面が、バルブシート部成形部26b、26d、26e、26g、26j、26l、26m、26oの平坦な上端面に対向する。
その一方で、バルブシート部成形部26a、26c、26n、26pの第1ストッパ部30の第1ストッパ面28に、ポート造形部40a、40c、40n、40pの第2ストッパ部44の第2ストッパ面42が対向する。また、バルブシート部成形部26f、26h、26i、26kの第3ストッパ部36の第3ストッパ面34に、ポート造形部40f、40h、40i、40kの第4ストッパ部48の第4ストッパ面46が対向する。
このように、砂中子22a、22bの巾木部38a、38bを巾木台32a、32bでそれぞれ支持することにより、第1ストッパ面28と第2ストッパ面42を対向させ、且つ第3ストッパ面34と第4ストッパ面46を対向させることができる。本実施の形態においては、このようにして対向状態を得るのみでよく、第1ストッパ部30と第2ストッパ部44を連結したり、第3ストッパ部36と第4ストッパ部48を連結したりする必要はない。勿論、従来技術のように凹空間に凸部を挿入することもない。
次に、型締めを行うべく、第1側型14及び第2側型16が図1、図2及び図5中の矢印Y方向に沿って下型12の上端面上を摺動する。その結果、図1及び図3に示すように、第1側型14及び第2側型16の各保持凹部50に巾木部38a、38bが収容される。これにより、砂中子22a、22bが巾木台32a、32bと第1側型14ないし第2側型16で挟持される。
第1側型14及び第2側型16の摺動と略同時、又はこれらの摺動後に上型18が下型12に接近するように下降し、第1側型14及び第2側型16に当接して型締めがなされる。これに伴ってキャビティ20が形成される(図1参照)。
次に、このキャビティ20にアルミニウム合金の溶湯が導入される。溶湯が冷却固化(凝固)することに伴い、シリンダヘッドが得られる。このシリンダヘッドには、燃焼室成形部24a〜24dの形状に対応する燃焼室と、バルブシート部成形部26a〜26pの形状に対応するバルブシート部とが成形されるとともに、砂中子22a、22bのポート造形部40a〜40pによって給排気用のポートが形成される。
凝固に際し、シリンダヘッドには、外縁が内部に向かうようにして収縮が生じる。このとき、ポート造形部40a、40c、40n、40pが下型12の内方に向かって位置ズレを起こそうとすると、第2ストッパ部44の第2ストッパ面42が、バルブシート部成形部26a、26c、26n、26pに設けられた第1ストッパ部30の第1ストッパ面28に堰止される。これにより、ポート造形部40a、40c、40n、40pが位置ズレを起こすことが防止される。
同様に、ポート造形部40f、40h、40i、40kが巾木台32a、32bから離間する方向(下型12の内方)に向かって位置ズレを起こそうとしたときには、第4ストッパ部48の第4ストッパ面46が、バルブシート部成形部26f、26h、26i、26kに設けられた第3ストッパ部36の第3ストッパ面34に堰止される。これにより、ポート造形部40f、40h、40i、40kが位置ズレを起こすことが防止される。
以上のように、ポート造形部40a、40c、40f、40h、40i、40k、40n、40pが位置決め固定された状態となる。このため、これらポート造形部40a、40c、40f、40h、40i、40k、40n、40pによって形成されるポートを、予め設定された所望の位置とすることが可能となる。
なお、ポート造形部40b、40d、40e、40g、40j、40l、40m、40oが位置ズレを起こすことはほとんどなく、仮に位置ズレを起こしたとしても、無視し得る程度に小さい。このため、バルブシート部成形部26b、26d、26e、26g、26j、26l、26m、26oに第1ストッパ部30又は第3ストッパ部36を設ける必要、換言すれば、ポート造形部40b、40d、40e、40g、40j、40l、40m、40oに第2ストッパ部44又は第4ストッパ部48を設ける必要は特にない。
ただし、ポートの位置精度を一層向上させるべく、ポート造形部40b、40d、40e、40g、40j、40l、40m、40oに第2ストッパ部44又は第4ストッパ部48を設けるようにしてもよいことは勿論である。この場合、並列方向の比較的外方に位置するポート造形部40b、40d、40m、40oに第2ストッパ部44を設け、並列方向の比較的内方に位置するポート造形部40e、40g、40j、40lに第4ストッパ部48を設けることが好ましい。
シリンダヘッドが取り出し可能な程度に凝固した後、上型18が上昇するとともに第1側型14、第2側型16同士が互いに離間する方向に摺動する。これにより、型開きがなされる。
型開きに伴い、シリンダヘッドが露呈する。このシリンダヘッドにおいては、予め設定された所望の位置にポートが形成されている。上記したように、ポート造形部40a〜40pが位置ズレを起こすことが防止されているからである。
すなわち、バルブシート部成形部26a、26c、26n、26pに第1ストッパ部30を設け、且つポート造形部40a、40c、40n、40pに第2ストッパ部44を設けるとともに、バルブシート部成形部26f、26h、26i、26kに第3ストッパ部36を設け、且つポート造形部40f、40h、40k、40iに第4ストッパ部48を設けるという簡素な構成を採用することにより、冷却後において、ポートが理想的な位置・形状として形成されたシリンダヘッドを得ることができる。このため、所望のエンジン特性を得ることが容易となる。
さらに、シリンダヘッドが下型12から取り出される。この際、第1ストッパ面28、第2ストッパ面42、第3ストッパ面34及び第4ストッパ面46が傾斜面であるので、これら第1ストッパ面28、第2ストッパ面42、第3ストッパ面34及び第4ストッパ面46が、いわゆる抜き勾配として機能する。砂中子22a、22bからのシリンダヘッドの脱離が速やかに進行する。
この場合、シリンダヘッドには、ポート造形部40a〜40pを連結するための凹空間が形成されていない。従って、該凹空間に残留した砂を除去する必要がない。この分だけ作業工程を低減することができるので、シリンダヘッドを効率よく得ることができる。
本発明は、上記した実施の形態に特に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、この実施の形態では、並列方向の最外方に位置するバルブシート部成形部26a、26c、26n、26pのみに第1ストッパ部30を設けるようにしているが、バルブシート部成形部26a〜26pの全てに第1ストッパ部30を設け、且つポート造形部40a〜40pの全てに第2ストッパ部44を設けるようにしてもよい。この場合、バルブシート部成形部26f、26h、26i、26kに第3ストッパ部36を設ける必要は特にない。
また、第1ストッパ部30を設ける位置は、バルブシート部成形部26a、26c、26n、26pの直径位置である必要は特になく、図6に示すように、直径位置から下型12の外方側に偏倚した位置であってもよい。又は、図7に示すように、直径位置から下型12の内方側に偏倚した位置であってもよい。第3ストッパ部36についても同様である。
10…鋳造用金型装置 12…下型
14…第1側型 16…第2側型
18…上型 20…キャビティ
22a、22b…ポート形成用砂中子 24a〜24d…燃焼室成形部
26a〜26p…バルブシート部成形部 28…第1ストッパ面
30…第1ストッパ部 32a、32b…巾木台
34…第3ストッパ面 36…第3ストッパ部
38a、38b…巾木部 40a〜40p…ポート造形部
42…第2ストッパ面 44…第2ストッパ部
46…第4ストッパ面 48…第4ストッパ部

Claims (5)

  1. 燃焼室を有するシリンダヘッドを得るための鋳造用金型装置において、
    前記燃焼室に連通する複数個のポートの各々を形成するための複数個のポート造形部を具備するポート形成用砂中子と、
    前記ポート形成用砂中子の巾木部を支持する巾木台を具備する金型と、
    を有し、
    前記金型は、さらに、前記燃焼室を成形する燃焼室成形部の底壁に突出形成されるとともに、該金型の外方側から内方側に向かい、且つ前記巾木部の延在方向に略平行に並列された前記複数個のポート造形部の各々が対向する複数個のバルブシート部成形部を具備し、
    前記複数個のバルブシート部成形部の中の並列方向最外方に位置するものの上端面の、前記金型の内方側に臨む部位が他の部位に比して突出することで、前記金型の外方側に臨む面を有する第1ストッパ部が立設され、
    且つ前記複数個の前記ポート造形部の中の並列方向最外方に位置するものの先端部の、前記金型の外方側に臨む部位が他の部位に比して突出することで、前記第1ストッパ部に対向して該第1ストッパ部に堰止される第2ストッパ部が設けられたことを特徴とする鋳造用金型装置。
  2. 請求項1記載の金型装置において、前記第1ストッパ部の前記金型の外方側に臨む前記面が、前記金型の外方側から内方側に向かって上昇するように傾斜した傾斜面であることを特徴とする鋳造用金型装置。
  3. 請求項1又は2記載の金型装置において、前記第1ストッパ部が、前記複数個のバルブシート部成形部の中の並列方向最外方に位置するもののみに設けられ、且つ前記第2ストッパ部が、前記複数個のポート造形部の中の並列方向最外方に位置するもののみに設けられていることを特徴とする鋳造用金型装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の金型装置において、前記複数個のバルブシート部成形部の中の並列方向中部に位置するものの上端面の、前記巾木台から離間する側の部位が他の部位に比して突出することで、前記巾木台に臨む面を有する第3ストッパ部が立設され、
    且つ前記複数個の前記ポート造形部の中の並列方向中部に位置するものの先端部の、前記巾木台に臨む部位が他の部位に比して突出することで、前記第3ストッパ部に対向して該第3ストッパ部に堰止される第4ストッパ部が設けられたことを特徴とする鋳造用金型装置。
  5. 請求項4記載の金型装置において、前記第3ストッパ部の前記巾木台に臨む前記面が、前記巾木台に近接する側から離間する側に向かって上昇するように傾斜した傾斜面であることを特徴とする鋳造用金型装置。
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