JP5675904B2 - 鋳造用金型装置、及びそれを用いたシリンダヘッドの鋳造方法 - Google Patents

鋳造用金型装置、及びそれを用いたシリンダヘッドの鋳造方法 Download PDF

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Description

本発明は、長手方向に沿って並列された複数個の燃焼室を有するシリンダヘッドを得るための鋳造用金型装置、及びそれを用いたシリンダヘッドの鋳造方法に関する。
内燃機関を構成するシリンダヘッドには、希薄燃料及び空気が導入される複数個の燃焼室と、各燃焼室に連通するポートとが形成される。また、燃焼室とポートとの境界は、カムバルブが着座・離間するバルブシートが配設されるバルブシート部である。
この種のシリンダヘッドは、一般的に、低圧鋳造法によって得られる。この場合、鋳造用金型装置は、下型と、前記下型に対して接近又は離間する上型と、該下型と該上型の間に介在する複数個の摺動型とを有し、これら下型、上型及び摺動型によってキャビティが形成される。
ここで、前記燃焼室は、下型に設けられた燃焼室成形部によって成形される。燃焼室成形部には、前記バルブシート部を成形するためのバルブシート部成形部が設けられる。
また、前記ポートは砂中子によって成形される。すなわち、砂中子の一端には巾木部が設けられ、該巾木部は、下型に鉛直上方に向かって突出形成された巾木台と摺動型に支持される(例えば、特許文献1参照)。一方、他端は前記バルブシート部成形部に着座する。
この状態で前記キャビティにアルミニウム合金の溶湯が注湯され、該溶湯が冷却固化することによってシリンダヘッドが得られるに至る。勿論、シリンダヘッドには、下型の燃焼室成形部によって燃焼室が成形されるとともに、砂中子によってポートが形成される。すなわち、シリンダヘッドには、下型に臨む側の面に燃焼室が形成される。
特開2006−272426号公報
鋳造作業時には、下型が熱膨張を起こす。また、鋳造後に溶湯が凝固して鋳造品(シリンダヘッド)となる過程では、鋳造品が凝固収縮を起こす。以上のような理由から、シリンダヘッドが、長手方向中腹部が鉛直上方に向かって膨出するような円弧形状に反る(湾曲変形する)傾向がある。反りの度合いが大きくなると、ポートの形状に影響が及び、設計通りのエンジン特性が得られなくなることが懸念される。
そこで、ポートが所望の形状として形成されるようにするべく、冷却後に平坦なシリンダヘッドが得られるように、金型を、シリンダヘッドの反りを考慮した形状とすることが想起される。しかしながら、この場合、下型のみならず摺動型や上型も円弧形状に設計することを余儀なくされ、このために設備投資が高騰するという不具合が惹起される。
本発明は上記した問題を解決するためになされたもので、簡素な構成でありながら冷却後のシリンダヘッドを平坦なものとして得ることが容易であり、設備投資が高騰することを回避し得る鋳造用金型装置、及びそれを用いたシリンダヘッドの鋳造方法を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明は、長手方向に沿って並列された複数個の燃焼室を有するシリンダヘッドを得るための鋳造用金型装置において、
前記燃焼室に連通するポートを形成するためのポート造形部を具備するポート形成用砂中子と、
前記ポート形成用砂中子の巾木部を支持する巾木台を具備する金型と、
前記金型とともに前記巾木部を支持する摺動型と、
を有し、
前記金型は、さらに、前記複数個の燃焼室を成形する複数個の燃焼室成形部と、前記燃焼室成形部の底壁に突出形成されて前記ポート造形部が着座するバルブシート部成形部とを具備し、
前記巾木台の突出方向高さは、長手方向端部が長手方向中腹部に比して大きく設定され、
且つ前記バルブシート部成形部のうち、長手方向端部に位置するものの突出方向高さが、長手方向中腹部に位置するものに比して大きく設定されていることを特徴とする。
このように構成された鋳造用金型装置においては、ポート形成用砂中子のポート造形部は、該ポート形成用砂中子の巾木部が巾木台のみに支持されているとき、長手方向端部に位置するものがバルブシート部成形部に着座し、一方、長手方向中腹部に位置するものはバルブシート部成形部から離間する。
そして、型締めによって巾木部が摺動型から押圧されると、巾木部の長手方向中腹部が、バルブシート部成形部に接近するように湾曲して巾木台に当接する。その結果、全てのポート造形部が個々のバルブシート部成形部に着座する。この際、ポート形成用砂中子は、長手方向中腹部から長手方向端部に向かうにつれて上昇するような形状となる。
この状態で鋳造を行うと、得られたシリンダヘッドは、長手方向中腹部が、燃焼室が形成された面側に向かって膨出するように湾曲する。このシリンダヘッドが常温まで冷却されると、該シリンダヘッドの長手方向中腹部が、燃焼室が形成された面と反対側に膨出するように湾曲する。この結果、平坦なシリンダヘッドが得られる。
以上のように、巾木台及びバルブシート部成形部の突出方向高さに高低差を設けるという簡素な構成を採用することによって、平坦なシリンダヘッドを容易に得ることができる。平坦なシリンダヘッドでは、各ポートにおけるバルブガイド高さが略同等となる。すなわち、寸法精度に優れ、ポートが予め設計された所望の形状をなすシリンダヘッドが歩留まりよく得られる。
しかも、この場合、その他の型として既存のものを用いることができるので、設備投資が高騰することを回避することもできる。
巾木部には、突起部を突出形成することが好ましい。この突起部を摺動型が押圧することにより、巾木部の長手方向中腹部が巾木台側に容易に変位する。従って、バルブシート部成形部から離間したポート造形部を、バルブシート部成形部に着座させることが容易となる。
巾木台の突出方向高さは、長手方向端部から長手方向中腹部にかけて漸次的に低減することが好ましい。この構成により、突出方向高さが段階的に低減する場合に比して巾木部が湾曲することが容易となるからである。
また、本発明は、長手方向に沿って並列された複数個の燃焼室を有するシリンダヘッドを得るシリンダヘッドの鋳造方法において、
前記燃焼室に連通するポートを形成するためのポート造形部を具備するポート形成用砂中子と、
前記ポート形成用砂中子の巾木部を支持する巾木台を具備する金型と、
前記金型とともに前記巾木部を支持する摺動型と、
を有し、
前記金型が、さらに、前記複数個の燃焼室を成形する複数個の燃焼室成形部と、前記燃焼室成形部の底壁に突出形成されて前記ポート造形部が着座するバルブシート部成形部とを具備し、
前記巾木台の突出方向高さが、長手方向端部が長手方向中腹部に比して大きく設定され、
且つ前記バルブシート部成形部のうち、長手方向端部に位置するものの突出方向高さが、長手方向中腹部に位置するものに比して大きく設定されている鋳造用金型装置を用い、
前記金型の前記巾木台のみで前記巾木部を支持することで、前記バルブシート部成形部のうち、長手方向端部に位置するものが前記ポート造形部に着座し、且つ長手方向中腹部に位置するものが前記ポート造形部から離間した状態とする工程と、
前記巾木台と前記摺動型とで前記巾木部を支持することで、前記バルブシート部成形部の全てが前記ポート造形部に着座した状態とする工程と、
前記バルブシート部成形部の全てが前記ポート造形部に着座した状態でキャビティに注湯を行う工程と、
を有することを特徴とする。
このような過程を経ることにより、長手方向中腹部が、燃焼室が形成された面側に向かって膨出するように湾曲したシリンダヘッドが作製される。このシリンダヘッドが常温まで冷却されることにより、上記したように、平坦であり、且つポートが所望の形状をなすシリンダヘッドを得ることができる。
なお、巾木部に突起部を突出形成し、巾木台と摺動型とで前記巾木部を支持する際、前記摺動型で前記突起部を押圧するようにしてもよい。これにより、巾木部を一層容易に湾曲させて巾木台に当接させることができる。
本発明によれば、巾木台及びバルブシート部成形部の突出方向高さに高低差を設けるようにしているので、ポート形成用砂中子の巾木部が型締めによって巾木台と摺動型に支持されると、該ポート形成用砂中子が、長手方向中腹部から長手方向端部に向かうにつれて上昇するような形状となる。
この状態で鋳造を行うと、若干湾曲したシリンダヘッドが作製される。このシリンダヘッドが室温まで冷却されると、該シリンダヘッドが湾曲方向とは逆方向に湾曲し(反り)、結局、平坦なシリンダヘッドが容易に得られる。
すなわち、鋳造用金型装置の構成を簡素にして設備投資が高騰することを回避しつつ、寸法精度に優れ、ポートが所望の形状をなすシリンダヘッドを歩留まりよく得ることができる。
本発明の実施の形態に係る鋳造用金型装置の要部概略縦断面図である。 前記鋳造用金型装置を構成する下型にポート形成用砂中子を支持した状態を示す平面図である。 図2中のIII−III線矢視断面図である。 前記下型に設けられた巾木台の概略側面縦断面図である。 図2中のV−V線矢視断面図である。 図5から、摺動型である側型に押圧されたポート形成用砂中子のポート造形部がバルブシート部成形部に着座した状態を示す要部概略正面図である。 図3から、摺動型である側型に押圧されたポート形成用砂中子のポート造形部がバルブシート部成形部に着座した状態を示す概略側面図である。
以下、本発明に係るシリンダヘッドの鋳造方法につき、それに用いる鋳造用金型装置との関係で好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本実施の形態に係る鋳造用金型装置10の要部概略縦断面図である。この鋳造用金型装置10は、下型12と、摺動型としての第1側型14及び第2側型16と、上型18とを有し、これら下型12、第1側型14、第2側型16及び上型18によって形成されるキャビティ20には、ポート形成用砂中子(以下、単に「砂中子」とも表記する)22が配置される。
この鋳造用金型装置10は、鋳造によってシリンダヘッド(例えば、特開2000−33459号公報の図1参照)を得るためのものであり、キャビティ20の形状は、シリンダヘッドの形状に対応する。この種のシリンダヘッドは周知であるので、その詳細な説明は省略する。
図2に示すように、下型12には、シリンダヘッドの燃焼室を成形するための燃焼室成形部24が複数個(例えば、4個)形成される。燃焼室成形部24は、下型12の長手方向(図2中の矢印X方向)に沿って並列配置される。
1個の燃焼室成形部24には、シリンダヘッドにバルブシート部を設けるためのバルブシート部成形部26が、例えば、4個設けられる。個々のバルブシート部成形部26は略円柱形状をなし、燃焼室成形部24の上端面から鉛直上方(図1中の矢印Z方向)に指向して突出している。
図3に示すように、長手方向端部に位置するバルブシート部成形部26aと、中腹部に位置するバルブシート部成形部26bとでは、突出高さ(矢印Z方向に沿う鉛直方向高さ)に差異、換言すれば、高低差が設けられている。すなわち、バルブシート部成形部26aの突出高さH1は、バルブシート部成形部26bの突出高さH2に比して大きく設定されている。
上記したように、従来技術に係る鋳造用金型装置で鋳造されたシリンダヘッドを常温まで冷却すると、該シリンダヘッドは、長手方向中腹部が上方に膨出するように湾曲する。そこで、バルブシート部成形部26の突出高さを、長手方向端部から中腹部に向かうにつれて順次相違させるようにしてもよい。例えば、長手方向端部に位置するバルブシート部成形部26aと、長手方向中腹部に位置してバルブシート部成形部26aに近接するバルブシート部成形部26cとの高低差を0.1〜0.2mmの範囲内とし、且つ該バルブシート部成形部26cと、長手方向最中腹部に位置するバルブシート部成形部26bとの高低差を、0.1〜0.2mmの範囲内であってバルブシート部成形部26a、26cとの高低差よりも小さくするようにしてもよい。
図1に示すように、下型12の上端面には、鉛直上方に指向する巾木台30a、30bが突出形成される。これら巾木台30a、30bは、下型12の長手方向に沿って延在する。
巾木台30a、30bには、高低差が設けられている。すなわち、図4に示すように、巾木台30a、30bには、長手方向の各端部側から中腹部側に向かうに従って鉛直下方に接近する傾斜部32a、32bが形成されている。このため、巾木台30a、30bにおいては、長手方向端部の突出高さ(矢印Z方向に沿う鉛直方向高さ)H3が、長手方向中腹部の突出高さH4に比して大きい。要するに、H3>H4であり、従って、巾木台30a、30bは、長手方向中腹部が陥没した形状となっている。
傾斜部32a、32bが介在するため、巾木台30a、30bの突出高さは、長手方向端部から長手方向中腹部にかけて漸次的に低減する。
H1とH2の差、及び、H3とH4の差は、これらの高低差が設けられていない下型を具備する以外は鋳造用金型装置10に準拠して構成された鋳造用金型装置にて鋳造されるシリンダヘッドの反りの大きさに応じて設定される。典型的には0.5mm以下であり、例えば、0.3mm程度、一層好ましくは0.2mm程度である。
巾木台30a、30bには、前記砂中子22がそれぞれ支持される。これら砂中子22は、シリンダヘッドに給排気用のポートを形成するためのものである。なお、参照符号34を付した構成要素も砂中子であるが、該砂中子34は、前記ポート以外の空洞等を成形する。
図2から諒解されるように、砂中子22は、下型12の長手方向に沿って延在し、巾木台30a、30bと第1側型14、第2側型16でそれぞれ挟持される巾木部36を有する。砂中子22には、さらに、巾木部36からキャビティ20に向かって略水平に突出し、バルブシート部成形部26に向かって湾曲した形状のポート造形部38が設けられる。後述するように、型締めが行われると、全てのポート造形部38の各端部が個々のバルブシート部成形部26に着座する。
巾木台30a、30b及びバルブシート部成形部26に高低差が設けられているため、巾木部36が第1側型14又は第2側型16で押圧されていない状況下では、該巾木部36の下端面は、図4中に仮想線で示すように、長手方向端部が巾木台30a、30bの上端面に当接する一方で、長手方向中腹部が巾木台30a、30bの上端面から離間する(図5参照)。
砂中子22のポート造形部38は、互いに略同等の形状・寸法に設定される。このため、巾木部36が巾木台30a、30bに支持されると、図3に示すように、巾木部36の下端面が巾木台30a、30bの上端面に当接するとともにバルブシート部成形部26の突出高さが大きい長手方向端部では、ポート造形部38がバルブシート部成形部26に着座する。一方、巾木部36が巾木台30a、30bの上端面から離間するとともにバルブシート部成形部26の突出高さが小さい長手方向中腹部では、ポート造形部38は、バルブシート部成形部26から離間する。
図2、図3及び図5に示すように、巾木部36の上端面には、半球状のポッチ40(突起部)が形成される。ポッチ40の位置は、燃焼室成形部24の位置に対応する。
各ポッチ40の半径は、例えば、1〜2mmの範囲内に設定される。後述するように、該ポッチ40の一部は、型締めを行った際に第1側型14又は第2側型16によって圧潰される。
第1側型14及び第2側型16は、図示しない駆動機構(例えば、油圧シリンダ)の作用下に、下型12の上端面上を摺動する。摺動方向は、図1及び図2に示す矢印Y方向である。
第1側型14及び第2側型16には、それぞれ、砂中子22の巾木部36に嵌合可能な保持凹部42が形成される(図1及び図5参照)。すなわち、型締めの際には、保持凹部42が巾木部36に嵌合する。
上型18は、図示しない駆動機構(例えば、油圧シリンダ)の作用下に、下型12に対して相対的に接近又は離間するように下降又は上昇する。勿論、下降に伴って型締めがなされ、その結果、キャビティ20が形成される。一方、上昇によって型開きがなされる。
本実施の形態に係る鋳造用金型装置10は、基本的には以上のように構成されるものであり、次に、その作用効果につき、本実施の形態に係るシリンダヘッドの鋳造方法との関係で説明する。
はじめに、砂中子22の巾木部36を、下型12の巾木台30a、30bに支持する。巾木部36と巾木台30a、30bには、互いに係合する図示しない係合部・被係合部(例えば、凹部と凸部)が設けられており、このため、砂中子22が巾木台30a、30bから脱落することが回避される。
上記したように巾木台30a、30bに高低差が設けられており、且つバルブシート部成形部26にも高低差が設けられているため、図3に示すように、砂中子22のポート造形部38は、長手方向端部ではバルブシート部成形部26に着座する。一方、長手方向中腹部では、図3及び図5に示すように、ポート造形部38がバルブシート部成形部26から離間する。
なお、図3及び図5では、理解を容易にするべく離間距離を著しく大きく示しているが、実際の離間距離は0.5mm以下、典型的には0.1〜0.3mmの範囲内である。
次に、型締めを行うべく、第1側型14及び第2側型16が図1、図2及び図5中の矢印Y方向に沿って下型12の上端面上を摺動する。その結果、図6に示すように、第1側型14及び第2側型16の各保持凹部42に巾木部36が収容される。これにより、砂中子22が巾木台30a、30bと第1側型14ないし第2側型16で挟持される。
この際、巾木部36の上端面に設けられたポッチ40は、保持凹部42の天井面に当接する。さらに、該ポッチ40は、保持凹部42の天井面から押圧されることで一部が圧潰される。その結果、図7に示すように、巾木部36の下端面が巾木台30a、30bに着座するとともに、全てのポート造形部38の一端がバルブシート部成形部26に着座する。
巾木台30a、30bに傾斜部32a、32b(図4参照)が形成されているため、この着座に伴い、巾木部36は、長手方向端部から長手方向中腹部に向かうに従って鉛直下方に膨出するように湾曲する。また、図7中に示した破線から諒解されるように、砂中子22のポート造形部38の上方部位が、長手方向端部側が長手方向中腹部側に比して鉛直上方に位置するようになる。すなわち、ポート造形部38の上方部位の位置は、長手方向端部側から長手方向中腹部側に向かうに従って、順次ないし段階的に下降する。
側壁の摺動と略同時、又は摺動後に上型18が下型12に接近するように下降し、第1側型14及び第2側型16に当接して型締めがなされる。これに伴ってキャビティ20が形成される(図1参照)。
次に、このキャビティ20にアルミニウム合金の溶湯が導入される。溶湯が冷却固化することに伴い、シリンダヘッドが得られる。このシリンダヘッドには、燃焼室成形部24の形状に対応する燃焼室と、バルブシート部成形部26の形状に対応するバルブシート部とが成形されるとともに、砂中子22によって給排気用のポートが形成される。
上型18が上昇するとともに第1側型14、第2側型16同士が互いに離間する方向に摺動することにより、型開きがなされてシリンダヘッドが露呈する。このシリンダヘッドは、長手方向中腹部が鉛直下方に向かって膨出するように若干湾曲している。砂中子22のポート造形部38が、長手方向端部側から長手方向中腹部側に向かうに従って、順次ないし段階的に下降しているからである(図7参照)。
このようにして得られたシリンダヘッドは、例えば、常温となるまで放冷される。この冷却に伴って収縮が生じ、長手方向中腹部が鉛直上方に指向して反る。これにより、シリンダヘッドの下端面及び上端面が略平坦となる。上記したように、シリンダヘッドが予め湾曲しているからである。
すなわち、巾木台30a、30b及びバルブシート部成形部26に高低差を設けた下型12を具備する鋳造用金型装置10を用いることにより、冷却後に平坦となるシリンダヘッドを得ることができる。
この場合、第1側型14、第2側型16や上型18を、シリンダヘッドに生じる反りを考慮した形状とする必要がない。このため、設備投資が高騰することが回避される。すなわち、本実施の形態によれば、下型12、第1側型14、第2側型16及び上型18を簡素に構成しながら、冷却後のシリンダヘッドを平坦なものとして得ることが容易となる。従って、寸法精度に優れるシリンダヘッドを歩留まりよく得ることができる。
このシリンダヘッドでは、ポートが、予め設計された所定の形状をなす。すなわち、上記のように鋳造を行うことにより、ポートを所望の形状として形成することができる。このため、所望のエンジン特性を得ることが容易となる。
本発明は、上記した実施の形態に特に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、この実施の形態では、4個の燃焼室成形部24の位置に対応する位置にポッチ40を設けるようにしているが、ポッチ40は、長手方向中腹部の2個の燃焼室成形部24の位置に対応する位置にのみ設けるようにしてもよい。又は、長手方向端部に位置するポッチ40の半径を、長手方向中腹部に位置するポッチ40に比して小さくするようにしてもよいし、全てのポッチ40を割愛してもよい。
さらに、巾木台30a、30b又はバルブシート部成形部26の高低差は、給気用のバルブシート部成形部26と、排気用のバルブシート部成形部26とで同一としてもよいし、相違させるようにしてもよい。
10…鋳造用金型装置 12…下型
14…第1側型 16…第2側型
18…上型 20…キャビティ
22…ポート形成用砂中子 24…燃焼室成形部
26、26a〜26c…バルブシート部成形部 30a、30b…巾木台
32a、32b…傾斜部 36…巾木部
38…ポート造形部 40…ポッチ

Claims (5)

  1. 長手方向に沿って並列された複数個の燃焼室を有するシリンダヘッドを得るための鋳造用金型装置において、
    前記燃焼室に連通するポートを形成するためのポート造形部を具備するポート形成用砂中子と、
    前記ポート形成用砂中子の巾木部を支持する巾木台を具備する金型と、
    前記金型とともに前記巾木部を支持する摺動型と、
    を有し、
    前記金型は、さらに、前記複数個の燃焼室を成形する複数個の燃焼室成形部と、前記燃焼室成形部の底壁に突出形成されて前記ポート造形部が着座するバルブシート部成形部とを具備し、
    前記巾木台の突出方向高さは、長手方向端部が長手方向中腹部に比して大きく設定され、
    且つ前記バルブシート部成形部のうち、長手方向端部に位置するものの突出方向高さが、長手方向中腹部に位置するものに比して大きく設定されていることを特徴とする鋳造用金型装置。
  2. 請求項1記載の金型装置において、前記巾木部に突起部が突出形成されていることを特徴とする鋳造用金型装置。
  3. 請求項1又は2記載の金型装置において、前記巾木台の突出方向高さが、長手方向端部から長手方向中腹部にかけて漸次的に低減することを特徴とする鋳造用金型装置。
  4. 長手方向に沿って並列された複数個の燃焼室を有するシリンダヘッドを得るシリンダヘッドの鋳造方法において、
    前記燃焼室に連通するポートを形成するためのポート造形部を具備するポート形成用砂中子と、
    前記ポート形成用砂中子の巾木部を支持する巾木台を具備する金型と、
    前記金型とともに前記巾木部を支持する摺動型と、
    を有し、
    前記金型が、さらに、前記複数個の燃焼室を成形する複数個の燃焼室成形部と、前記燃焼室成形部の底壁に突出形成されて前記ポート造形部が着座するバルブシート部成形部とを具備し、
    前記巾木台の突出方向高さが、長手方向端部が長手方向中腹部に比して大きく設定され、
    且つ前記バルブシート部成形部のうち、長手方向端部に位置するものの突出方向高さが、長手方向中腹部に位置するものに比して大きく設定されている鋳造用金型装置を用い、
    前記金型の前記巾木台のみで前記巾木部を支持することで、前記バルブシート部成形部のうち、長手方向端部に位置するものが前記ポート造形部に着座し、且つ長手方向中腹部に位置するものが前記ポート造形部から離間した状態とする工程と、
    前記巾木台と前記摺動型とで前記巾木部を支持することで、前記バルブシート部成形部の全てが前記ポート造形部に着座した状態とする工程と、
    前記バルブシート部成形部の全てが前記ポート造形部に着座した状態でキャビティに注湯を行う工程と、
    を有することを特徴とするシリンダヘッドの鋳造方法。
  5. 請求項4記載の鋳造方法において、前記巾木部に突起部を突出形成し、前記巾木台と前記摺動型とで前記巾木部を支持する際、前記摺動型で前記突起部を押圧することを特徴とするシリンダヘッドの鋳造方法。
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