JP6095292B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Description
図1は、本発明の第1実施形態の空気入りタイヤ(以下、タイヤという。)10のタイヤ回転軸(図示せず)と平行な子午線断面を示す。タイヤ10は、トレッド部11と、該トレッド部11と連続する一対のサイド部12と、該サイド部12と連続する一対のビード部13と、トレッド部11および一対のサイド部12を介し一対のビード部13に跨って円環状に設けられたカーカス層14とを備えている。トレッド部11の外周面には、複数の主溝24が周方向に形成されている。トレッド部11の複数の主溝24のうち、タイヤ幅方向の最も外側に位置する主溝24より外側のトレッド部11の領域は、トレッドショルダー部25である。
すなわち、本発明によれば、フレックスゾーンに、補強部19,20と、補強部が設けられていない部分すなわち柔軟性を有する部分とからなる柔剛柔構造を付与することができる。そして、ベルト15に近接した補強部19をベルト15のタイヤ回転軸方向の端部と間隔をあけて配置しているので、トレッド部11を柔軟性を有する部分を介して前記剛性を有する部分と連結することができる。これにより、フレックスゾーンの剛性を高めつつ、該フレックスゾーンとトレッド部11とを前記柔軟性を有する部分を介して連結することができる。すなわち、タイヤ10に、一定の剛性と柔軟性を付与することができる。これにより、タイヤ10が転動して、接地面と接触するトレッド部11に力が加わると、トレッド部11を路面に平行に移動させてフレックスゾーンを変形させることができるとともに、フレックスゾーンが変形した場合、該変形はトレッド部11と連続する前記柔軟性を有する部分に伝達され吸収されるので、トレッド部11の端部のみに変形が生じることを回避することができる。これにより、タイヤ接地時のトレッド部変形によるトレッドショルダー部25に局所的に生じる接地圧の増大を低減または接地圧分布を均一化してタイヤの転がり抵抗を低減できる。
図2は、本発明の第2実施形態の空気入りタイヤ10のタイヤ回転軸(図示せず)と平行な子午線断面を示す。本実施形態において、第1実施形態と同じ構成要素には同じ符号を付して説明を省略する。
評価のベースとなるタイヤとして空気入りラジアルタイヤ(195/65R15 91S、リムサイズ:15×6J、PERI=80mm)を使用した。以下に示す条件で、比較例1〜2、および実施例1〜16について、トレッドショルダー部の歪、およびトレッドショルダー部の歪分散、および転がり抵抗を評価した。トレッドショルダー部の歪、およびトレッドショルダー部の歪分散は、接地圧画像解析装置を用いて算出した接地圧力分布に基づき、比較例1を100として指数化した。転がり抵抗は、ISO28580(JIS D4243)に準じて行ったドラム走行試験にて測定し、比較例1を100として指数化した。それらを表1および2に示した。トレッドショルダー部の歪を指数化した値は、小さいほど最大接地圧が小さいことを示す。トレッドショルダー部の歪分散を指数化した値は、小さいほど均一化されていることを示す。転がり抵抗を指数化した値は、小さいほど転がり抵抗が小さいことを示す。なお、接地圧画像解析装置による条件は、空気圧=230kPa、荷重=4.5kNである。ドラム走行試験の条件は、ドラム径=1.7m、キャンバー角=0°、空気圧=230kPa、速度=80km/h、荷重=4.5kNである。
表1に示すように、比較例1では、フレックスゾーンのカーカス層14の外側に何も配置されていない(補強層((補強部)数0の)タイヤを使用した。このタイヤにおけるトレッドショルダー部の歪、トレッドショルダー部の歪み分散、および転がり抵抗をそれぞれ100とし、基準値とした。
比較例2では、フレックスゾーンのカーカス層14の外側に補強層が1箇所配置されたタイヤを使用した。サイドゴムの厚さDは6mmであり、長さL1は25mmである。補強層のモジュラスMD1は、5(MPa)である。補強層の厚みTは0.5(mm)である。このタイヤにおけるトレッドショルダー部の歪は95であり、トレッドショルダー部の歪み分散は105であり、転がり抵抗は100であった。
L1=25(mm)
L2=25(mm)
MD1=5(MPa)
MD2=5(MPa)
T1=0.5(mm)
T2=0.5(mm)
このタイヤにおけるトレッドショルダー部の歪は96であり、トレッドショルダー部の歪分散は95であり、転がり抵抗は95であった。
L1=25(mm)
L2=15(mm)
MD1=10(MPa)
MD2=5(MPa)
T1=1.0(mm)
T2=0.5(mm)
このタイヤにおけるトレッドショルダー部の歪は98であり、トレッドショルダー部の歪分散は99であり、転がり抵抗は98であった。
L1=15(mm)
L2=25(mm)
MD1=5(MPa)
MD2=10(MPa)
T1=0.5(mm)
T2=1.0(mm)
このタイヤにおけるトレッドショルダー部の歪は97であり、トレッドショルダー部の歪分散は96であり、転がり抵抗は96であった。
L1=25(mm)
L2=15(mm)
MD1=5(MPa)
MD2=10(MPa)
T1=0.5(mm)
T2=1.0(mm)
このタイヤにおけるトレッドショルダー部の歪は97であり、トレッドショルダー部の歪分散は97であり、転がり抵抗は96であった。
L1=25(mm)
L2=15(mm)
MD1=10(MPa)
MD2=5(MPa)
T1=0.5(mm)
T2=1.0(mm)
このタイヤにおけるトレッドショルダー部の歪は98であり、トレッドショルダー部の歪分散は98であり、転がり抵抗は98であった。
L1=15(mm)
L2=25(mm)
MD1=5(MPa)
MD2=10(MPa)
T1=1.0(mm)
T2=0.5(mm)
このタイヤにおけるトレッドショルダー部の歪は97であり、トレッドショルダー部の歪分散は97であり、転がり抵抗は96であった。
L1=15(mm)
L2=25(mm)
MD1=10(MPa)
MD2=5(MPa)
T1=1.0(mm)
T2=0.5(mm)
このタイヤにおけるトレッドショルダー部の歪は98であり、トレッドショルダー部の歪分散は97であり、転がり抵抗は97であった。
L1=15(mm)
L2=15(mm)
L3=15(mm)
MD1=5(MPa)
MD2=5(MPa)
MD3=5(MPa)
T1=0.8(mm)
T2=0.8(mm)
T3=0.8(mm)
このタイヤにおけるトレッドショルダー部の歪は97であり、トレッドショルダー部の歪分散は96であり、転がり抵抗は96であった。
L1=20(mm)
L2=15(mm)
L3=10(mm)
MD1=10(MPa)
MD2=7(MPa)
MD3=5(MPa)
T1=1.0(mm)
T2=0.8(mm)
T3=0.5(mm)
このタイヤにおけるトレッドショルダー部の歪は99であり、トレッドショルダー部の歪分散は99であり、転がり抵抗は99であった。
L1=20(mm)
L2=10(mm)
L3=20(mm)
MD1=10(MPa)
MD2=5(MPa)
MD3=10(MPa)
T1=1.0(mm)
T2=0.5(mm)
T3=1.0(mm)
このタイヤにおけるトレッドショルダー部の歪は99であり、トレッドショルダー部の歪分散は100であり、転がり抵抗は99であった。
L1=10(mm)
L2=15(mm)
L3=20(mm)
MD1=5(MPa)
MD2=7(MPa)
MD3=10(MPa)
T1=0.5(mm)
T2=0.8(mm)
T3=1.0(mm)
このタイヤにおけるトレッドショルダー部の歪は98であり、トレッドショルダー部の歪分散は97であり、転がり抵抗は97であった。
L1=10(mm)
L2=20(mm)
L3=10(mm)
MD1=5(MPa)
MD2=10(MPa)
MD3=5(MPa)
T1=0.5(mm)
T2=1.0(mm)
T3=0.5(mm)
このタイヤにおけるトレッドショルダー部の歪は99であり、トレッドショルダー部の歪分散は100であり、転がり抵抗は99であった。
L1=20(mm)
L2=15(mm)
L3=10(mm)
MD1=5(MPa)
MD2=7(MPa)
MD3=10(MPa)
T1=0.5(mm)
T2=0.8(mm)
T3=1.0(mm)
このタイヤにおけるトレッドショルダー部の歪は98であり、トレッドショルダー部の歪分散は98であり、転がり抵抗は98であった。
L1=20(mm)
L2=15(mm)
L3=10(mm)
MD1=10(MPa)
MD2=7(MPa)
MD3=5(MPa)
T1=0.5(mm)
T2=0.8(mm)
T3=1.0(mm)
このタイヤにおけるトレッドショルダー部の歪は99であり、トレッドショルダー部の歪分散は99であり、転がり抵抗は99であった。
L1=10(mm)
L2=15(mm)
L3=20(mm)
MD1=5(MPa)
MD2=7(MPa)
MD3=10(MPa)
T1=1.0(mm)
T2=0.8(mm)
T3=0.5(mm)
このタイヤにおけるトレッドショルダー部の歪は98であり、トレッドショルダー部の歪分散は98であり、転がり抵抗は98であった。
L1=10(mm)
L2=15(mm)
L3=20(mm)
MD1=10(MPa)
MD2=7(MPa)
MD3=5(MPa)
T1=1.0(mm)
T2=0.8(mm)
T3=0.5(mm)
このタイヤにおけるトレッドショルダー部の歪は99であり、トレッドショルダー部の歪分散は98であり、転がり抵抗は98であった。
11 トレッド部
12 サイド部
13 ビード部
14 カーカス層
15 ベルト
16 最大幅部
17 ビードコア
18 ビードフィラー
19,20,21,22,23 補強部
24 主溝
25 トレッドショルダー部
Claims (7)
- トレッド部と、該トレッド部と連続する一対のサイド部と、該サイド部と連続する一対のビード部と、前記トレッド部および前記一対のサイド部を介し前記一対のビード部に跨って円環状に設けられたカーカス層と、該カーカス層のタイヤ径方向外側の前記トレッド部に設けられたベルトとを備える空気入りタイヤにおいて、
前記ベルトのタイヤ回転軸方向の端部と前記ビード部上端の間の領域をフレックスゾーンとし、前記タイヤ回転軸と平行な子午線断面における前記フレックスゾーンのタイヤ内面の長さをペリフェリ長さ(PERI)とした場合、
前記カーカス層の外側の、前記ペリフェリ長さ方向に等分割した前記フレックスゾーンの各領域に、補強部を設け、
前記ベルトに近接した前記補強部を前記ベルトのタイヤ回転軸方向の端部と間隔をあけて配置し、かつ前記補強部同士を互いに間隔をあけて配置し、
前記フレックスゾーンの分割数は2であり、前記補強部の数は2であり、
前記ビード部上端に近接した前記補強部は、タイヤ幅が最大となる最大幅部を含むように配置され、
前記ビード部上端に近接した前記補強部と前記ビード部上端との間隔は、前記ビード部上端に位置する前記フレックスゾーンの厚さの半分以上の長さであることを特徴とする空気入りタイヤ。 - 前記等分割位置の両側の前記各領域に配置された互いに近接する前記補強部間の間隔は前記等分割位置の前記フレックスゾーンの厚さ以上の長さであり、
前記ベルトに近接した前記補強部と前記ベルトのタイヤ回転軸方向の端部との間隔は、前記ベルトのタイヤ回転軸方向の端部に位置する前記フレックスゾーンの厚さの半分以上の長さであることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。 - 前記補強部は1つの前記補強部と異なる材料からなる前記補強部を有することを特徴とする請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
- 前記ビード部に近接する前記補強部のモジュラスは、前記ベルトに近接する前記補強部のモジュラスより高いことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
- 前記補強部のモジュラスは4.0〜10.0MPaであることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
- 前記ペリフェリ長さ方向の前記補強部の長さをLとした場合、0.1×PERI≦L≦0.35×PERIであることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
- 前記補強部の厚みは0.5〜1.0mmであることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
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