JP6077736B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、トレッド部のカーカス層の外周側に、複数のベルトプライを積層してなるベルト層を配設した空気入りタイヤに関する。
タイヤを接地させた状態では、接地面内に面内収縮力と呼ばれる力が作用し、タイヤ幅方向の最外側に位置するショルダー主溝の溝底に局所的な歪みを生じて、転がり抵抗を増大させる原因となる。また、その面内収縮力に起因して、コーナリング時にはショルダー主溝が幅方向のバックリング(座屈による変形)を起こしやすく、それによって溝形状が潰れると、排水性の悪化を引き起こすことになる。
また、近年においては、経済性や取扱い易さなどの理由から、いわゆるコンパクトカーと呼ばれる小型乗用車の需要が高まっている。コンパクトカーは、車幅が小さい割に車高が高いため、コーナリング時に高速旋回すると、転覆を起こして車両が横転する恐れがあり、装着される空気入りタイヤに対しても耐転覆性の向上が求められる。
特許文献1には、操縦性や耐摩耗性、耐久性を確保しつつ、転がり抵抗を低減することを目的として、外側のベルトプライの中央領域と端部領域、並びに、内側のベルトプライに対し、それぞれのタイヤ周方向に対するコードの傾斜角度が所定の大小関係となるように設定した空気入りタイヤが記載されている。
上記のタイヤは、トレッド部のセンター領域において、タイヤ周方向へのせん断変形による歪みエネルギーロスを減少させ、トレッド部のショルダー領域において、タイヤ幅方向へのせん断変形による歪みエネルギーロスを減少させることで、転がり抵抗の低減を図るものであり、ショルダー主溝の溝底に発生する局所的な歪みによる転がり抵抗の悪化を抑制しうるものではない。
また、特許文献1の図2に記載のベルト層では、内側のベルトプライのコードが一律に配列されているため、後述するような排水性や耐転覆性の向上効果は十分に得られない。同じく図9に記載のベルト層では、双方のベルトプライのコードの傾斜角度が端部領域で大きくなっているものの、内側のベルトプライは図8の如くタイヤ最大幅位置まで延びており、トレッド部では内側のベルトプライのコードが一律に配列されているため、やはり排水性や耐転覆性の向上効果は十分でない。
特開2006−341633号公報
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ショルダー主溝の溝底に発生する局所的な歪みによる転がり抵抗の増大を抑制しつつ、そのショルダー主溝のバックリングに伴う排水性の悪化を防いで、しかも耐転覆性を高めることができる空気入りタイヤを提供することにある。
上記目的は、下記の如き本発明により達成することができる。即ち、本発明の空気入りタイヤは、トレッド部のカーカス層の外周側に、第1ベルトプライと第2ベルトプライとを含む複数のベルトプライを積層してなり、最も幅広となるベルトプライの幅が接地幅の80〜120%であるベルト層が配設され、前記トレッド部の表面に、タイヤ周方向に沿って延びる複数の主溝が設けられた空気入りタイヤにおいて、前記第1ベルトプライでは、タイヤ周方向に対するコードの傾斜角度が、タイヤ幅方向における中央領域よりも端部領域で大きく、その中央領域と端部領域との境界が、タイヤ幅方向の最外側に位置するショルダー主溝の溝底よりもタイヤ幅方向外側に設定され、前記第2ベルトプライでは、タイヤ周方向に対するコードの傾斜角度が、タイヤ幅方向における中央領域よりも端部領域で大きく、その中央領域と端部領域との境界が、前記ショルダー主溝の溝底よりもタイヤ幅方向内側に設定され、前記第1ベルトプライにおける中央領域と端部領域との境界が、前記ショルダー主溝の溝底の端縁からタイヤ幅方向外側に向かって、前記ショルダー主溝の溝底幅の10〜30%の範囲内に位置し、前記第2ベルトプライにおける中央領域と端部領域との境界が、前記ショルダー主溝の溝底の端縁からタイヤ幅方向内側に向かって、前記ショルダー主溝の溝底幅の10〜30%の範囲内に位置するものである。
かかる構成によれば、コードの傾斜角度が変化する中央領域と端部領域との境界が、ショルダー主溝の溝底を避けて設定され、しかも第1ベルトプライにおける境界が溝底よりもタイヤ幅方向外側に位置し、第2ベルトプライにおける境界が溝底よりもタイヤ幅方向内側に位置するため、面内収縮力によりショルダー主溝の溝底に発生する局所的な歪みを分散して、その歪みによる転がり抵抗の増大を抑制することができる。
また、本発明に係る空気入りタイヤでは、第1及び第2ベルトプライにおけるコードの傾斜角度が端部領域で大きいことから、トレッド部のショルダー領域の幅方向剛性が高くなる。その結果、コーナリング時においてショルダー主溝が幅方向のバックリングを起こしにくくなり、溝形状の潰れを抑えて排水性の悪化を防ぐことができる。
更に、本発明によれば、第1及び第2ベルトプライにおけるコードの傾斜角度が端部領域で大きいため、トレッド部のショルダー領域では、周方向面外曲げ剛性が低下して接地性が向上し、低荷重条件下でのコーナリングフォースが増大する。高荷重条件下においても、ショルダー領域の接地性が向上するが、周方向面外曲げ剛性の低下により周方向のバックリングが起こりやすくなるため、コーナリングフォースは小さくなる。この結果、荷重によるコーナリングフォースの差が小さくなり、耐転覆性が高められる。
本発明では、前記第1ベルトプライにおける中央領域と端部領域との境界が、前記ショルダー主溝の溝底の端縁からタイヤ幅方向外側に向かって、前記ショルダー主溝の溝底幅の10〜30%の範囲内に位置し、前記第2ベルトプライにおける中央領域と端部領域との境界が、前記ショルダー主溝の溝底の端縁からタイヤ幅方向内側に向かって、前記ショルダー主溝の溝底幅の10〜30%の範囲内に位置するものが好ましい。
これによって、第1及び第2ベルトプライにおける中央領域と端部領域との境界が適切な位置に設定され、上述のようにして転がり抵抗の増大や排水性の悪化を良好に抑制できるとともに、荷重によるコーナリングフォースの差を小さくして耐転覆性を高めることができる。
本発明では、前記第1ベルトプライ及び前記第2ベルトプライは、タイヤ周方向に対するコードの傾斜角度が中央領域よりも端部領域で8〜15°大きいものが好ましい。このようにコードの角度差を8°以上にすることで、上述した排水性や耐転覆性の改善効果が得られやすくなる。また、コードの角度差を15°以下にすることにより、接地形状が極端な蝶々型になることを防いで、転がり抵抗や耐摩耗性、操縦安定性などの性能悪化を阻むことができる。
本発明では、前記ショルダー主溝の踏面の端縁から接地端までのタイヤ幅方向距離DWの接地幅CWに対する比DW/CWが、0.1〜0.35であるものが好ましい。この比が0.1以上であることにより、低荷重条件下でトレッド部のショルダー領域が適切に接地でき、上述した排水性や耐転覆性の改善効果が得られやすくなる。また、この比が0.35以下であることにより、接地形状が極端な蝶々型になることを防いで、転がり抵抗や耐摩耗性、操縦安定性などの性能悪化を阻むことができる。
本発明に係る空気入りタイヤのトレッド部の一例を示すタイヤ子午線断面図 ベルト層の平面図 ショルダー主溝とその内方域におけるコードを示す図 別実施形態におけるショルダー主溝を示す図
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。図1に示した空気入りタイヤTは、そのトレッド部1のカーカス層2の外周側に、複数の(本実施形態では二枚の)ベルトプライ7,8を積層してなるベルト層3が配設されている。カーカス層2は、タイヤ周方向に対して略直角に延びるコードを含んだトロイダル形状のカーカスプライにより構成され、図示しない一対のビード部からサイドウォール部4を経てトレッド部1に至り、タイヤの骨格を構成している。
ベルト層3は、カーカス層2の外周に積層され、たが効果によってカーカス層2を補強している。ベルト層3の外周側にはトレッドゴム5が設けられており、そのトレッドゴム5の外周面、即ちトレッド部1の表面には、タイヤ周方向に沿って延びる複数の(本実施形態では四本の)主溝6a〜6dが設けられている。このうちタイヤ幅方向の最外側に位置するショルダー主溝6a,6dは、面内収縮力の影響を受けやすく、またコーナリング時に幅方向のバックリングを起こしやすい。
ベルト層3を構成するベルトプライ7,8は、それぞれ簾状に平行配列した複数本のコードC7,C8を含み、それらをゴム被覆して形成されている。図2に示すように、ベルトプライ7,8は、それぞれタイヤ周方向CD(図2における上下方向)に対して傾斜して延びるコードC7,C8を含んでいて、そのコードC7,C8が互いに逆向きに交差するように積層されている。図2は、コードC7,C8を概念的に記載しており、実際の配列ピッチはもっと密であってよい。
カーカス層2に対する補強効果を高める観点から、ベルトプライ7,8に含まれるコードC7,C8には、スチールコードが好適に採用される。但し、これに限られず、スチール相当の強度を持つ他の材料からなるコードであってもよいし、或いは、ポリエステル、レーヨン、ナイロン、アラミド等の有機系繊維等からなるコードでもよい。
コードC7,C8は、タイヤ周方向CDに対する傾斜角度が20〜45°の範囲内にある。後述するように、ベルトプライ7,8は、その中央領域と端部領域とでコードの傾斜角度を異ならせているが、その何れの角度も上記範囲内に設定される。当該コードの傾斜角度を45°以下にすることで、タイヤの径成長が過度に大きくなることを防ぎ、ベルト強度を有効に維持できる。また、傾斜角度を20°以上にすることで、ベルト層3の幅方向の曲げ変形を適切に抑えられる。
コードC7,C8は、それぞれベルトプライ7,8の幅方向の一端から他端まで連続して延びている。後述するように、ベルトプライ7,8は、その中央領域と端部領域とでコードの傾斜角度を異ならせているが、その傾斜角度が変化する中央領域と端部領域との境界でもコードが途切れずに連続している。これによって、ショルダー主溝6a,6dの周辺にコードC7,C8の端部が配されることなく、曲げ応力がコードの端部に集中することを防いで、ベルト強度を良好に維持できる。
図3に示すように、第1ベルトプライに相当するベルトプライ7では、タイヤ周方向CDに対するコードC7の傾斜角度が、タイヤ幅方向における中央領域71よりも端部領域72で大きい。換言すると、ベルトプライ7は、角度θ71でコードC7が延びる中央領域71と、角度θ71よりも大きい角度θ72でコードC7が延びる端部領域72とで構成されている。中央領域71と端部領域72との境界BL7は、ショルダー主溝6dの溝底よりもタイヤ幅方向外側に設定されている。
第2ベルトプライに相当するベルトプライ8では、タイヤ周方向CDに対するコードC8の傾斜角度が、タイヤ幅方向における中央領域81よりも端部領域82で大きい。換言すると、ベルトプライ8は、角度θ81でコードC8が延びる中央領域81と、角度θ81よりも大きい角度θ82でコードC8が延びる端部領域82とで構成されている。中央領域81と端部領域82との境界BL8は、ショルダー主溝6dの溝底よりもタイヤ幅方向内側に設定されている。
図3では、ショルダー主溝6dの溝底の端縁61,62の位置を一点鎖線で示し、境界BL7及び境界BL8を二点鎖線で示している。境界BL7は、ショルダー主溝6dの溝底の端縁61よりもタイヤ幅方向外側に設定され、境界BL8は、ショルダー主溝6dの溝底の端縁62よりもタイヤ幅方向内側に設定される。この溝底の端縁61,62は、溝壁面の延長線と溝底面の延長線とが交差する箇所として定められる。図示していないショルダー主溝6aについても、境界BL7,BL8の位置が同様に設定されている。
このように、コードC7,C8の傾斜角度が変化する境界BL7,BL8が、ショルダー主溝6a,6dの溝底の内方域を避けて設定され、しかも境界BL7が溝底よりもタイヤ幅方向外側に位置し、境界BL8が溝底よりもタイヤ幅方向内側に位置することから、面内収縮力によりショルダー主溝6a,6dの溝底に発生する局所的な歪みを分散して、その歪みによる転がり抵抗の増大を抑制することができる。
また、コードC7,C8の傾斜角度が端部領域72,82で大きくなっているため、トレッド部1のショルダー領域、特にショルダー主溝6a,6dよりもタイヤ幅方向外側となる領域の幅方向剛性が高くなる。その結果、コーナリング時にショルダー主溝6a,6dが幅方向のバックリングを起こしにくくなり、溝形状の潰れを抑えて排水性の悪化を防ぐことができる。
更に、コードC7,C8の傾斜角度が端部領域72,82で大きいことから、トレッド部1のショルダー領域、特にショルダー主溝6a,6dよりもタイヤ幅方向外側となる領域では、周方向面外曲げ剛性が低下して接地性が向上し、低荷重条件下でのコーナリングフォースが増大する。それでいて、高荷重条件下では、周方向面外曲げ剛性の低下により周方向のバックリングが起こりやすくなるため、コーナリングフォースは小さくなる。この結果、荷重によるコーナリングフォースの差が小さくなり、耐転覆性が高められる。
境界BL7は、ショルダー主溝6dの溝底の端縁61からタイヤ幅方向外側に向かって、そのショルダー主溝の溝底幅W6dの10〜30%の範囲内に位置することが好ましい。即ち、端縁61から境界BL7までの距離D1は、溝底幅W6dの10〜30%が好ましい。これが10%を下回ると、ショルダー主溝6dの溝底に生じる局所的な歪みを分散する効果が小さくなり、30%を上回ると、排水性や耐転覆性の改善効果が小さくなる傾向にある。溝底幅W6dは、溝底の端縁61,62間の距離として測定される。
境界BL8は、ショルダー主溝6dの溝底の端縁62からタイヤ幅方向内側に向かって、そのショルダー主溝の溝底幅W6dの10〜30%の範囲内に位置することが好ましい。即ち、端縁62から境界BL8までの距離D2は、溝底幅W6dの10〜30%が好ましい。これが10%を下回ると、ショルダー主溝6dの溝底に生じる局所的な歪みを分散する効果が小さくなり、30%を上回ると、排水性や耐転覆性の改善効果が小さくなる傾向にある。
ベルトプライ7は、コードC7の傾斜角度が中央領域71よりも端部領域72で8〜15°大きく、つまりは角度θ72が角度θ71よりも8〜15°大きいことが好ましい。同じく、ベルトプライ8は、コードC8の傾斜角度が中央領域81よりも端部領域82で8〜15°大きく、つまりは角度θ82が角度θ81よりも8〜15°大きいことが好ましい。中央領域における角度θ71,θ81は、例えば20〜28°に設定される。
トレッド部1の表面におけるショルダー主溝6a,6dの端縁から接地端CEまでのタイヤ幅方向距離DWの接地幅CWに対する比DW/CWは、好ましくは0.1〜0.35であり、より好ましくは0.125〜0.25である。これによって、排水性や耐転覆性の改善効果が得られやすくなるとともに、接地形状が極端な蝶々型になることを防いで、転がり抵抗の悪化を阻むことができる。
ベルト層3を構成するベルトプライのうち、最も幅広となるベルトプライ7の幅W7は、好ましくは接地幅CWの80〜120%であり、より好ましくは接地幅CWの90〜105%である。接地端CEは、JASO−C607に基づくタイヤ空気圧と負荷を与えたときの、接地面のタイヤ軸方向における最外位置であり、その接地端CE間のタイヤ軸方向距離が接地幅CWとなる。
ベルト層3の外周には、高速耐久力を向上するために、実質的にタイヤ周方向に延びるコードを含んだベルト補強層を積層しても構わない。当該ベルト補強層は、ゴム被覆した一本又は複数本のコードを螺旋状に巻回することにより形成できる。但し、本発明では、ベルト補強層が必須の構成ではなく、本実施形態のように省略することが可能である。このようにベルト補強層を省略し、ベルト層3にトレッドゴム5を直に積層する構造であれば、ベルト補強層による重量増加がないために転がり抵抗を低減できる。
本実施形態では、内側に配設されたベルトプライ7における境界BL7をタイヤ幅方向外側に設定し、外側に配設されたベルトプライ8における境界BL8をタイヤ幅方向内側に設定しているが、これらの関係が逆であっても構わない。その場合、ベルトプライ7が第2ベルトプライに相当し、ベルトプライ8が第1ベルトプライに相当することになる。
本実施形態では、一対のショルダー主溝6a,6dの両方において、ベルトプライにおける中央領域と端部領域との境界を上記の如く設定しているが、片方のみで設定してもよく、少なくとも車両外側となるショルダー主溝において設定することが好ましい。車両外側が観念されるタイヤは、車両に対する装着方向が指定されたタイヤであり、そのような装着方向の指定は、例えばタイヤのサイドウォール部に車両内側または車両外側となる旨の表示を付すことにより行われる。
本発明のタイヤが備えるベルト層は、三枚以上のベルトプライを含んでいても構わない。その場合、上記の如きコードの傾斜角度の設定は、全てのベルトプライに採用しても構わないが、少なくともワーキングベルトとして機能するベルトプライに採用することが好ましい。例えばトラックやバスなどの重荷重車両に用いられる空気入りタイヤにおいて、4枚のベルトプライを積層してなるベルトを備える場合には、ワーキングベルトとして機能する2枚目と3枚目のベルトプライに採用することが好ましい。
本発明の空気入りタイヤは、ベルトプライを上記の如く構成する程度の改変で、その他は従来のタイヤ製造工程と同様にして製造を行うことができる。上記のようなベルトプライからなるベルト層は、例えば、本出願人による特開2002−127711号公報に記載の製造装置を利用して、コードを1本ずつ又は数本ずつ順次に且つコードの角度を変えながら配置することにより作製できる。
本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能であり、トレッド部の表面に形成されるトレッドパターンなどは使用する用途や条件に応じて適宜に変更できる。例えば、主溝の本数は四本に限られず、トレッド部に設けられる主溝の本数としては二〜六本が例示される。また、ショルダー主溝の寸法としては、トレッド部の表面で測定される溝幅が5〜20mm、溝底幅が5〜20mmが例示される。
図4は、ショルダー主溝6dの変形例である。図3の例では、トレッド部1の表面上の法線に対する溝壁面の角度が両側ともθ1であったが、図4の例では、タイヤ幅方向外側の溝壁面の角度をθ1よりも大きいθ2としている。これによりトレッド部1のショルダー領域の陸部の剛性が高められ、幅方向のバックリングに対してショルダー主溝6dが潰れにくくなるため、排水性を向上できる。角度θ1としては0〜12°、角度θ2としては15〜30°が例示される。
本発明の構成と効果を具体的に示す実施例について説明する。各評価項目については、次のようにして測定を行った。
(1)転がり抵抗
室温23℃、ドラム径1.7m、キャンバー角0°、空気圧230kPa、走行速度80km/h、荷重4500Nという条件において、ドラム走行試験により転がり抵抗を測定した。比較例1の結果を100として指数で表し、指数が小さいほど転がり抵抗が低減されていることを示す。
(2)耐転覆性
空気圧230kPa、走行速度80km/h、荷重2450N(小荷重条件)及び5390N(大荷重条件)という条件において、フラットベルト・コーナリング試験機を使用し、蛇角を徐々に大きくしていったときのコーナリングフォースの最大値(CFmax)を測定して、大荷重条件時のCFmaxと小荷重条件時のCFmaxとの差の絶対値を算出した。比較例1の結果を100として指数で表し、指数が小さいほど耐転覆性に優れていることを示す。
(3)排水性
実車に装着した状態で水深が数ミリの濡れた路面を走行し、ハイドロプレーニング現象が発生するときの速度を測定した。比較例1の結果を100として指数で表し、数値が大きいほどハイドロプレーニングが生じるときの速度が大きい、即ち排水性に優れていることを示す。
図1に示した構造を有するタイヤ(サイズ195/65R15)において、ベルトプライ7,8における境界BL7,BL8を、ショルダー主溝6a,6dの溝底幅の中央に設定したものを比較例1とした。第1ベルトプライのコードを一律に配列したこと以外は、比較例1と同じものを比較例2とした。また、境界BL7,BL8を図2,3に示した如く設定したこと以外は、比較例1と同じものを実施例1とした。更に、比DW/CW以外は実施例1と同じものを実施例2とした。評価結果を表1に示す。
Figure 0006077736
表1より、実施例1,2では、何れも比較例1,2よりも転がり抵抗が低減されており、境界BL7,BL8を所定の位置に設定したことによって、ショルダー主溝の溝底に発生する局所的な歪みによる転がり抵抗の増大を抑制できていると考えられる。また、実施例1,2では、排水性の悪化を防止できているとともに、実施例2では、実施例1に比べて耐転覆性が向上している。
1 トレッド部
2 カーカス層
3 ベルト層
6a ショルダー主溝
6d ショルダー主溝
7 第1ベルトプライ
8 第2ベルトプライ
71 第1ベルトプライの中央領域
72 第1ベルトプライの端部領域
81 第2ベルトプライの中央領域
82 第2ベルトプライの端部領域
BL7 境界
BL8 境界
C7 コード
C8 コード

Claims (3)

  1. トレッド部のカーカス層の外周側に、第1ベルトプライと第2ベルトプライとを含む複数のベルトプライを積層してなり、最も幅広となるベルトプライの幅が接地幅の80〜120%であるベルト層が配設され、前記トレッド部の表面に、タイヤ周方向に沿って延びる複数の主溝が設けられた空気入りタイヤにおいて、
    前記第1ベルトプライでは、タイヤ周方向に対するコードの傾斜角度が、タイヤ幅方向における中央領域よりも端部領域で大きく、その中央領域と端部領域との境界が、タイヤ幅方向の最外側に位置するショルダー主溝の溝底よりもタイヤ幅方向外側に設定され、
    前記第2ベルトプライでは、タイヤ周方向に対するコードの傾斜角度が、タイヤ幅方向における中央領域よりも端部領域で大きく、その中央領域と端部領域との境界が、前記ショルダー主溝の溝底よりもタイヤ幅方向内側に設定され、
    前記第1ベルトプライにおける中央領域と端部領域との境界が、前記ショルダー主溝の溝底の端縁からタイヤ幅方向外側に向かって、前記ショルダー主溝の溝底幅の10〜30%の範囲内に位置し、
    前記第2ベルトプライにおける中央領域と端部領域との境界が、前記ショルダー主溝の溝底の端縁からタイヤ幅方向内側に向かって、前記ショルダー主溝の溝底幅の10〜30%の範囲内に位置することを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記第1ベルトプライ及び前記第2ベルトプライは、タイヤ周方向に対するコードの傾斜角度が中央領域よりも端部領域で8〜15°大きい請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記ショルダー主溝の踏面の端縁から接地端までのタイヤ幅方向距離DWの接地幅CWに対する比DW/CWが、0.1〜0.35である請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
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