JP6090870B2 - 車両用変速装置 - Google Patents

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Description

本発明は、外周面に第1ガイド溝および第2ガイド溝が形成されたシフトドラムと、前記第1ガイド溝に摺動自在に嵌合する第1ガイドピンに接続された第1変速操作装置と、前記第2ガイド溝に摺動自在に嵌合する第2ガイドピンに接続された第2変速操作装置とを備え、前記シフトドラムの回転により前記第1変速操作装置および前記第2変速操作装置を駆動して変速を行う車両用変速装置に関する。
ツインクラッチ式の変速機において、アクチュエータモータにより回転するシフトドラムの外周面に4本のガイド溝を形成し、各々のガイド溝に係合する4個のシフトフォークで4個の同期装置のスリーブを駆動することで、ニュートラルおよび1速変速段〜6速変速段を確立するものが、下記特許文献1により公知である。
特開2013−204791号公報
ところで、上記従来のものは、変速装置のシフトドラムの外周面に形成される4本のガイド溝が、相互に重なり合うことなくシフトドラムの軸方向に離間して配置されているため、シフトドラムの軸方向寸法を小型化する余地があった。シフトドラムの軸方向寸法を小型化するために、隣接する第1、第2ガイド溝を接近させて一部を重ね合わせることが考えられる。しかしながら、このようにすると、第1、第2ガイド溝の交差部において、第1ガイド溝に嵌合する第1ガイドピンが第2ガイド溝に不正に進入したり、第2ガイド溝に嵌合する第2ガイドピンが第1ガイド溝に不正に進入したりし、変速操作が正しく行われなくなる可能性がある。
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、シフトドラムに形成された第1ガイド溝および第2ガイド溝を重ね合わせてシフトドラムの軸方向寸法を小型化することを可能にする目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、外周面に第1ガイド溝および第2ガイド溝が形成されたシフトドラムと、前記第1ガイド溝に摺動自在に嵌合する第1ガイドピンに接続された第1変速操作装置と、前記第2ガイド溝に摺動自在に嵌合する第2ガイドピンに接続された第2変速操作装置とを備え、前記シフトドラムの回転により前記第1変速操作装置および前記第2変速操作装置を駆動して変速を行う車両用変速装置であって、前記第1ガイド溝の幅は前記第2ガイド溝の幅よりも大きく、前記第2ガイド溝の深さは前記第1ガイド溝の深さよりも大きく、前記第1ガイド溝および前記第2ガイド溝は一部において重なり合うことを特徴とする車両用変速装置が提案される。
尚、実施の形態のガイド溝G1およびガイド溝G5はそれぞれ本発明の第1ガイド溝および第2ガイド溝に対応し、実施の形態のガイドピンP1およびガイドピンP5はそれぞれ本発明の第1ガイドピンおよび第2ガイドピンに対応し、実施の形態の変速操作装置S1および変速操作装置S5は本発明の第1変速操作装置および第2変速操作装置に対応し、実施の形態の第1シフトドラムSD1は本発明のシフトドラムに対応する。
請求項1の構成によれば、車両用変速装置は、外周面に第1ガイド溝および第2ガイド溝が形成されたシフトドラムと、第1ガイド溝に摺動自在に嵌合する第1ガイドピンに接続された第1変速操作装置と、第2ガイド溝に摺動自在に嵌合する第2ガイドピンに接続された第2変速操作装置とを備え、シフトドラムの回転により第1変速操作装置および第2変速操作装置を駆動して変速を行う。第1ガイド溝および第2ガイド溝は一部において重なり合うので、第1ガイド溝および第2ガイド溝を重ならないように配置する場合に比べて、シフトドラムの軸方向寸法を小型化することができる。また第1ガイド溝の幅は第2ガイド溝の幅よりも大きく、第2ガイド溝の深さは第1ガイド溝の深さよりも大きいので、第1ガイド溝および第2ガイド溝の交差部において、第1ガイドピンが第1ガイド溝から第2ガイド溝に不正に進入したり、第2ガイドピンが第2ガイド溝から第1ガイド溝に不正に進入したりすることがなく、第1変速操作装置および第2変速操作装置の誤操作が防止される。
変速機のスケルトン図。 図1の軸方向矢視図。 各入力ギヤおよび各出力ギヤの歯数を示す図。 各変速段のレシオおよび各変速段の公比を示す図。 摩擦クラッチおよびシンクロ装置の係合表。 1速変速段→2速変速段の順次変速過程の説明図。 2速変速段→3速変速段の順次変速過程の説明図。 3速変速段→4速変速段の順次変速過程の説明図。 4速変速段→5速変速段の順次変速過程の説明図。 5速変速段→6速変速段の順次変速過程の説明図。 6速変速段→7速変速段の順次変速過程の説明図。 7速変速段→8速変速段の順次変速過程の説明図。 8速変速段→9速変速段の順次変速過程の説明図。 9速変速段→10速変速段の順次変速過程の説明図。 10速変速段→11速変速段の順次変速過程の説明図。 リバース変速段→1速変速段の変速過程の説明図。 シフトドラムおよび変速操作装置を軸方向に見た概念図。 図17に対応する展開図。 変速操作装置S3の構造を示す図(中立位置)。 変速操作装置S3の作用説明図(右動位置)。 変速操作装置S3の作用説明図(左動位置)。 変速操作装置S1の構造を示す図(中立位置)。 変速操作装置S1の作用説明図(右動位置)。 変速操作装置S1の作用説明図(左動位置)。 変速操作装置S5の構造を示す図(中立位置)。 変速操作装置S5の作用説明図(右動位置)。 変速操作装置S5の作用説明図(左動位置)。 第1シフトドラムの展開図。 図28の29−29線断面図。 第1シフトドラムの作用説明図。
以下、図1〜図30に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1および図2に示すように、本実施の形態の前進11段のトリプルクラッチ式の変速機Tは、エンジンPに第3摩擦クラッチCL3を介して接続された第3入力軸Im3と、第3入力軸Im3の外周に相対回転自在に嵌合してエンジンPに第1摩擦クラッチCL1を介して接続された第1入力軸Im1と、第1入力軸Im1の外周に相対回転自在に嵌合してエンジンPに第2摩擦クラッチCL2を介して接続された第2入力軸Im2とを備える。第3入力軸Im3は最内周に配置され、第2入力軸Im2は最外周に配置され、第3入力軸Im3および第2入力軸Im2の中間に第1入力軸Im1が配置される。第1摩擦クラッチCL1、第2摩擦クラッチCL2および第3摩擦クラッチCL3は、第1入力軸Im1、第2入力軸Im2および第3入力軸Im3の軸端とエンジンPとの間に一纏めにして配置される。
第1入力軸Im1、第2入力軸Im2および第3入力軸Im3に対して第1出力軸Om1および第2出力軸Om2が平行に配置されており、第1出力軸Om1の外周に第1副出力軸Os1が相対回転自在に嵌合するとともに、第2出力軸Om2の外周に第2副出力軸Os2が相対回転自在に嵌合する。
第1入力軸Im1に第1入力ギヤGi1が固設され、第2入力軸Im2に第2入力ギヤGi2が固設され、第3入力軸Im3に第3入力ギヤGi3および第4入力ギヤGi4が固設される。
第1入力ギヤGi1は、第1副出力軸Os1に相対回転自在に支持した第1出力ギヤGo1と、第2副出力軸Os2に相対回転自在に支持した第5出力ギヤGo5とに噛合し、第2入力ギヤGi2は、第1副出力軸Os1に相対回転自在に支持した第2出力ギヤGo2と、第2副出力軸Os2に相対回転自在に支持した第6出力ギヤGo6とに噛合し、第3入力ギヤGi3は、第1副出力軸Os1に相対回転自在に支持した第3出力ギヤGo3に噛合し、第4入力ギヤGi4は、第1副出力軸Os1に相対回転自在に支持した第4出力ギヤGo4と第2副出力軸Os2に相対回転自在に支持した第7出力ギヤGo7とに噛合する。
第1出力軸Om1と第1副出力軸Os1とは、シンクロ装置A1により結合可能であり、第1出力ギヤGo1はシンクロ装置C1を介して第1副出力軸Os1に結合可能であり、第2出力ギヤGo2はシンクロ装置D1を介して第1副出力軸Os1に結合可能であり、第3出力ギヤGo3はシンクロ装置B2を介して第1副出力軸Os1に結合可能であり、第4出力ギヤGo4はシンクロ装置B1を介して第1副出力軸Os1に結合可能である。
第2出力軸Om2と第2副出力軸Os2とは、シンクロ装置A2により結合可能であり、第5出力ギヤGo5はシンクロ装置C2を介して第2副出力軸Os2に結合可能であり、第6出力ギヤGo6はシンクロ装置D2を介して第2副出力軸Os2に結合可能であり、第7出力ギヤGo7はシンクロ装置E1を介して第2副出力軸Os2に結合可能である。
第1出力軸Om1に固設した第1ファイナルドライブギヤGf1と、第2出力軸Om2に固設した第2ファイナルドライブギヤGf2とが、左右の駆動輪W,Wに駆動力を配分するディファレンシャルギヤGdのケースに固設したファイナルドリブンギヤGfに噛合する。
リバース変速段を確立するために、第1副出力軸Os1のエンジンP側の端部にリバースドライブギヤGr1が固設され、このリバースドライブギヤGr1に噛合するリバースドリブンギヤGr2が第2副出力軸Os2のエンジンP側の端部に相対回転自在に支持される。リバースドリブンギヤGr2はシンクロ装置E2を介して第2副出力軸Os2に結合可能である。
このような骨格を備えた変速機Tは、第1摩擦クラッチCL1〜第3摩擦クラッチCL3の選択的な係合と、シンクロ装置A1〜シンクロ装置E2の選択的な係合との組み合わせにより最大で合計25段の前進変速段を確立可能であるが、本実施の形態では、合計25段の前進変速段のうちから合計11段の前進変速段を選択して使用する。
図17および図18に示すように、シンクロ装置A1およびシンクロ装置A2は共通の変速操作装置S1により相互に連動して操作され、シンクロ装置B1およびシンクロ装置B2は共通の変速操作装置S2により相互に連動して操作され、シンクロ装置C1およびシンクロ装置C2は共通の変速操作装置S3により相互に連動して操作され、シンクロ装置D1およびシンクロ装置D2は共通の変速操作装置S4により相互に連動して操作され、シンクロ装置E1およびシンクロ装置E2は共通の変速操作装置S5により相互に連動して操作される。
変速操作装置S1、変速操作装置S2および変速操作装置S5は、第1モータM1で回転駆動される共通の第1シフトドラムSD1により操作され、変速操作装置S3は第2モータM2で回転駆動される第2シフトドラムSD2により操作され、変速操作装置S4は第3モータM3で回転駆動される第3シフトドラムSD3により操作される。第1シフトドラムSD1、第2シフトドラムSD2および第3シフトドラムSD3は展開図として図示されている。
図3には、第1入力ギヤGi1〜第4入力ギヤGi4および第1出力ギヤGo1〜第7出力ギヤGo7の歯数と、それらのうちの相互に噛合するギヤの歯数比とが示される。図4(A)および図4(B)には、上記歯数設定により達成される1速変速段〜11速変速段のレシオと、隣接する変速段間の公比とが示されており、1速変速段〜11速変速段のレシオが適切な間隔で配分されていることが分かる。
図5は第1摩擦クラッチCL1〜第3摩擦クラッチCL3およびシンクロ装置A1〜シンクロ装置E2の係合表であり、リバース変速段およびニュートラル変速段を含む各変速段で係合する摩擦クラッチおよびシンクロ装置が○印で示される。
以下、1速変速段〜11速変速段のトルクフローを順番に説明する。
<1速変速段>
1速変速段の確立時には、第1摩擦クラッチCL1が係合し、シンクロ装置A1、シンクロ装置B2、シンクロ装置C2およびシンクロ装置E1が係合する。その結果、図6(A)から明らかなように、エンジンPの駆動力は、第1摩擦クラッチCL1→第1入力軸Im1→第1入力ギヤGi1→第5出力ギヤGo5→シンクロ装置C2→第2副出力軸Os2→シンクロ装置E1→第7出力ギヤGo7→第4入力ギヤGi4→第3入力軸Im3→第3入力ギヤGi3→第3出力ギヤGo3→シンクロ装置B2→第1副出力軸Os1→シンクロ装置A1→第1出力軸Om1→第1ファイナルドライブギヤGf1→ファイナルドリブンギヤGf→ディファレンシャルギヤGdの経路で駆動輪W,Wに伝達される。
<2速変速段>
2速変速段の確立時には、第2摩擦クラッチCL2が係合し、シンクロ装置A1、シンクロ装置B2、シンクロ装置D2およびシンクロ装置E1が係合する。その結果、図7(A)から明らかなように、エンジンPの駆動力は、第2摩擦クラッチCL2→第2入力軸Im2→第2入力ギヤGi2→第6出力ギヤGo6→シンクロ装置D2→第2副出力軸Os2→シンクロ装置E1→第7出力ギヤGo7→第4入力ギヤGi4→第3入力軸Im3→第3入力ギヤGi3→第3出力ギヤGo3→シンクロ装置B2→第1副出力軸Os1→シンクロ装置A1→第1出力軸Om1→第1ファイナルドライブギヤGf1→ファイナルドリブンギヤGf→ディファレンシャルギヤGdの経路で駆動輪W,Wに伝達される。
<3速変速段>
3速変速段の確立時には、第3摩擦クラッチCL3が係合し、シンクロ装置A1およびシンクロ装置B2が係合する。その結果、図8(A)から明らかなように、エンジンPの駆動力は、第3摩擦クラッチCL3→第3入力軸Im3→第3入力ギヤGi3→第3出力ギヤGo3→シンクロ装置B2→第1副出力軸Os1→シンクロ装置A1→第1出力軸Om1→第1ファイナルドライブギヤGf1→ファイナルドリブンギヤGf→ディファレンシャルギヤGdの経路で駆動輪W,Wに伝達される。
<4速変速段>
4速変速段の確立時には、第1摩擦クラッチCL1が係合し、シンクロ装置A1およびシンクロ装置C1が係合する。その結果、図9(A)から明らかなように、エンジンPの駆動力は、第1摩擦クラッチCL1→第1入力軸Im1→第1入力ギヤGi1→第1出力ギヤGo1→シンクロ装置C1→第1副出力軸Os1→シンクロ装置A1→第1出力軸Om1→第1ファイナルドライブギヤGf1→ファイナルドリブンギヤGf→ディファレンシャルギヤGdの経路で駆動輪W,Wに伝達される。
<5速変速段>
5速変速段の確立時には、第2摩擦クラッチCL2が係合し、シンクロ装置A1およびシンクロ装置D1が係合する。その結果、図10(A)から明らかなように、エンジンPの駆動力は、第2摩擦クラッチCL2→第2入力軸Im2→第2入力ギヤGi2→第2出力ギヤGo2→シンクロ装置D1→第1副出力軸Os1→シンクロ装置A1→第1出力軸Om1→第1ファイナルドライブギヤGf1→ファイナルドリブンギヤGf→ディファレンシャルギヤGdの経路で駆動輪W,Wに伝達される。
<6速変速段>
6速変速段の確立時には、第3摩擦クラッチCL3が係合し、シンクロ装置A1およびシンクロ装置B1が係合する。その結果、図11(A)から明らかなように、エンジンPの駆動力は、第3摩擦クラッチCL3→第3入力軸Im3→第4入力ギヤGi4→第4出力ギヤGo4→シンクロ装置B1→第1副出力軸Os1→シンクロ装置A1→第1出力軸Om1→第1ファイナルドライブギヤGf1→ファイナルドリブンギヤGf→ディファレンシャルギヤGdの経路で駆動輪W,Wに伝達される。
<7速変速段>
7速変速段の確立時には、第1摩擦クラッチCL1が係合し、シンクロ装置A2およびシンクロ装置C2が係合する。その結果、図12(A)から明らかなように、エンジンPの駆動力は、第1摩擦クラッチCL1→第1入力軸Im1→第1入力ギヤGi1→第5出力ギヤGo5→シンクロ装置C2→第2副出力軸Os2→シンクロ装置A2→第2出力軸Om2→第2ファイナルドライブギヤGf2→ファイナルドリブンギヤGf→ディファレンシャルギヤGdの経路で駆動輪W,Wに伝達される。
<8速変速段>
8速変速段の確立時には、第2摩擦クラッチCL2が係合し、シンクロ装置A2およびシンクロ装置D2が係合する。その結果、図13(A)から明らかなように、エンジンPの駆動力は、第2摩擦クラッチCL2→第2入力軸Im2→第2入力ギヤGi2→第6出力ギヤGo6→シンクロ装置D2→第2副出力軸Os2→シンクロ装置A2→第2出力軸Om2→第2ファイナルドライブギヤGf2→ファイナルドリブンギヤGf→ディファレンシャルギヤGdの経路で駆動輪W,Wに伝達される。
<9速変速段>
9速変速段の確立時には、第3摩擦クラッチCL3が係合し、シンクロ装置A2およびシンクロ装置E1が係合する。その結果、図14(A)から明らかなように、エンジンPの駆動力は、第3摩擦クラッチCL3→第3入力軸Im3→第4入力ギヤGi4→第7出力ギヤGo7→シンクロ装置E1→第2副出力軸Os2→シンクロ装置A2→第2出力軸Om2→第2ファイナルドライブギヤGf2→ファイナルドリブンギヤGf→ディファレンシャルギヤGdの経路で駆動輪W,Wに伝達される。
<10速変速段>
10速変速段の確立時には、第1摩擦クラッチCL1が係合し、シンクロ装置A2、シンクロ装置B2、シンクロ装置C1およびシンクロ装置E1が係合する。その結果、図15(A)から明らかなように、エンジンPの駆動力は、第1摩擦クラッチCL1→第1入力軸Im1→第1入力ギヤGi1→第1出力ギヤGo1→シンクロ装置C1→第1副出力軸Os1→シンクロ装置B2→第3出力ギヤGo3→第3入力ギヤGi3→第3入力軸Im3→第4入力ギヤGi4→第7出力ギヤGo7→シンクロ装置E1→第2副出力軸Os2→シンクロ装置A2→第2出力軸Om2→第2ファイナルドライブギヤGf2→ファイナルドリブンギヤGf→ディファレンシャルギヤGdの経路で駆動輪W,Wに伝達される。
<11速変速段>
11速変速段の確立時には、第2摩擦クラッチCL2が係合し、シンクロ装置A2、シンクロ装置B2、シンクロ装置D1およびシンクロ装置E1が係合する。その結果、図15(D)から明らかなように、エンジンPの駆動力は、第2摩擦クラッチCL2→第2入力軸Im2→第2入力ギヤGi2→第2出力ギヤGo2→シンクロ装置D1→第1副出力軸Os1→シンクロ装置B2→第3出力ギヤGo3→第3入力ギヤGi3→第3入力軸Im3→第4入力ギヤGi4→第7出力ギヤGo7→シンクロ装置E1→第2副出力軸Os2→シンクロ装置A2→第2出力軸Om2→第2ファイナルドライブギヤGf2→ファイナルドリブンギヤGf→ディファレンシャルギヤGdの経路で駆動輪W,Wに伝達される。
以上のように、第1摩擦クラッチCL1〜第3摩擦クラッチCL3の係合およびシンクロ装置A1〜シンクロ装置E2の係合を制御することで、1速変速段〜11速変速段が確立する。
次に、1速変速段から11速変速段へのアップシフトの順次変速の手順を説明する。
<1速変速段→2速変速段>
図6(A)に示す1速変速段での走行状態から、図6(B)に示すシフト準備過程で、シンクロ装置D2を係合して第6出力ギヤGo6を第2副出力軸Os2に結合することで、2速変速段へのプリシフトを行う。このとき、第2摩擦クラッチCL2は未だ係合解除状態にあるため、1速変速段の動力伝達経路で駆動力が伝達されている第2副出力軸Os2に破線で示す動力伝達経路で同時に駆動力が伝達されることはなく、インターロックが発生する虞はない。
図6(C)に示すクラッチ切替過程で、第1摩擦クラッチCL1を係合解除して第2摩擦クラッチCL2を係合すると、1速変速段の動力伝達経路によるトルク伝達が行われなくなり、新たに駆動力が実線で示す動力伝達経路で伝達されることで、トルク抜けが発生することなく2速変速段が確立する。そして図6(D)に示すシフト解除過程で、1速変速段で係合していたが2速変速段では不要なシンクロ装置C2を係合解除することで、2速変速段へのアップシフトを完了する。
<2速変速段→3速変速段>
2速変速段に対して3速変速段で新たに係合するシンクロ装置は存在しないため、図7(A)に示す2速変速段での走行状態から図7(B)に示すシフト準備過程に移行するときには、特に操作は行われない。
図7(C)に示すクラッチ切替過程で、第2摩擦クラッチCL2を係合解除して第3摩擦クラッチCL3を係合すると、2速変速段の動力伝達経路によるトルク伝達が行われなくなり、新たに駆動力が実線で示す動力伝達経路で伝達されるようになり、トルク抜けが発生することなく3速変速段が確立する。そして図7(D)に示すシフト解除過程で、2速変速段で係合していたが3速変速段では不要なシンクロ装置D2およびシンクロ装置E1を係合解除することで、2速変速段へのアップシフトを完了する。
<3速変速段→4速変速段>
図8(A)に示す3速変速段での走行状態から、図8(B)に示すシフト準備過程で、シンクロ装置C1を係合して第1出力ギヤGo1を第1副出力軸Os1に結合することで、4速変速段へのプリシフトを行う。このとき、第1摩擦クラッチCL1は未だ係合解除状態にあるため、3速変速段の動力伝達経路で駆動力が伝達されている第1副出力軸Os1に破線で示す動力伝達経路で同時に駆動力が伝達されることはなく、インターロックが発生する虞はない。
図8(C)に示すクラッチ切替過程で、第3摩擦クラッチCL3を係合解除して第1摩擦クラッチCL1を係合すると、3速変速段の動力伝達経路によるトルク伝達が行われなくなり、新たに駆動力が実線で示す動力伝達経路で伝達されることで、トルク抜けが発生することなく4速変速段が確立する。そして図8(D)に示すシフト解除過程で、3速変速段で係合していたが4速変速段では不要なシンクロ装置B2を係合解除することで、4速変速段へのアップシフトを完了する。
<4速変速段→5速変速段>
図9(A)に示す4速変速段での走行状態から、図9(B)に示すシフト準備過程で、シンクロ装置D1を係合して第2出力ギヤGo2を第1副出力軸Os1に結合することで、5速変速段へのプリシフトを行う。このとき、第2摩擦クラッチCL2は未だ係合解除状態にあるため、4速変速段の動力伝達経路で駆動力が伝達されている第1副出力軸Os1に破線で示す動力伝達経路で同時に駆動力が伝達されることはなく、インターロックが発生する虞はない。
図9(C)に示すクラッチ切替過程で、第1摩擦クラッチCL1を係合解除して第2摩擦クラッチCL2を係合すると、4速変速段の動力伝達経路によるトルク伝達が行われなくなり、新たに駆動力が実線で示す動力伝達経路で伝達されることで、トルク抜けが発生することなく5速変速段が確立する。そして図9(D)に示すシフト解除過程で、4速変速段で係合していたが5速変速段では不要なシンクロ装置C1を係合解除することで、5速変速段へのアップシフトを完了する。
<5速変速段→6速変速段>
図10(A)に示す5速変速段での走行状態から、図10(B)に示すシフト準備過程で、シンクロ装置B1を係合して第4出力ギヤGo4を第1副出力軸Os1に結合することで、6速変速段へのプリシフトを行う。このとき、第3摩擦クラッチCL3は未だ係合解除状態にあるため、5速変速段の動力伝達経路で駆動力が伝達されている第1副出力軸Os1に破線で示す動力伝達経路で同時に駆動力が伝達されることはなく、インターロックが発生する虞はない。
図10(C)に示すクラッチ切替過程で、第2摩擦クラッチCL2を係合解除して第3摩擦クラッチCL3を係合すると、5速変速段の動力伝達経路によるトルク伝達が行われなくなり、新たに駆動力が実線で示す動力伝達経路で伝達されることで、トルク抜けが発生することなく6速変速段が確立する。そして図10(D)に示すシフト解除過程で、5速変速段で係合していたが6速変速段では不要なシンクロ装置D1を係合解除することで、6速変速段へのアップシフトを完了する。
<6速変速段→7速変速段>
図11(A)に示す6速変速段での走行状態から、図11(B)に示すシフト準備過程で、シンクロ装置A2およびシンクロ装置C2を係合して第2副出力軸Os2を第2出力軸Om2に結合するとともに第5出力ギヤGo5を第2副出力軸Os2に結合することで、7速変速段へのプリシフトを行う。このとき、第1摩擦クラッチCL1は未だ係合解除状態にあるため、6速変速段の動力伝達経路で駆動力が伝達されているファイナルドリブンギヤGfに破線で示す動力伝達経路で同時に駆動力が伝達されることはなく、インターロックが発生する虞はない。
図11(C)に示すクラッチ切替過程で、第3摩擦クラッチCL3を係合解除して第1摩擦クラッチCL1を係合すると、6速変速段の動力伝達経路によるトルク伝達が行われなくなり、新たに駆動力が実線で示す動力伝達経路で伝達されることで、トルク抜けが発生することなく7速変速段が確立する。そして図11(D)に示すシフト解除過程で、6速変速段で係合していたが7速変速段では不要なシンクロ装置A1およびシンクロ装置B1を係合解除することで、7速変速段へのアップシフトを完了する。
<7速変速段→8速変速段>
図12(A)に示す7速変速段での走行状態から、図12(B)に示すシフト準備過程で、シンクロ装置D2を係合して第6出力ギヤGo6を第2副出力軸Os2に結合することで、8速変速段へのプリシフトを行う。このとき、第2摩擦クラッチCL2は未だ係合解除状態にあるため、7速変速段の動力伝達経路で駆動力が伝達されている第2副出力軸Os2に破線で示す動力伝達経路で同時に駆動力が伝達されることはなく、インターロックが発生する虞はない。
図12(C)に示すクラッチ切替過程で、第1摩擦クラッチCL1を係合解除して第2摩擦クラッチCL2を係合すると、7速変速段の動力伝達経路によるトルク伝達が行われなくなり、新たに駆動力が実線で示す動力伝達経路で伝達されることで、トルク抜けが発生することなく8速変速段が確立する。そして図12(D)に示すシフト解除過程で、7速変速段で係合していたが8速変速段では不要なシンクロ装置C2を係合解除することで、8速変速段へのアップシフトを完了する。
<8速変速段→9速変速段>
図13(A)に示す8速変速段での走行状態から、図13(B)に示すシフト準備過程で、シンクロ装置E1を係合して第7出力ギヤGo7を第2副出力軸Os2に結合することで、9速変速段へのプリシフトを行う。このとき、第3摩擦クラッチCL3は未だ係合解除状態にあるため、8速変速段の動力伝達経路で駆動力が伝達されている第2副出力軸Os2に破線で示す動力伝達経路で同時に駆動力が伝達されることはなく、インターロックが発生する虞はない。
図13(C)に示すクラッチ切替過程で、第2摩擦クラッチCL2を係合解除して第3摩擦クラッチCL3を係合すると、8速変速段の動力伝達経路によるトルク伝達が行われなくなり、新たに駆動力が実線で示す動力伝達経路で伝達されることで、トルク抜けが発生することなく9速変速段が確立する。そして図13(D)に示すシフト解除過程で、8速変速段で係合していたが9速変速段では不要なシンクロ装置D2を係合解除することで、9速変速段へのアップシフトを完了する。
<9速変速段→10速変速段>
図14(A)に示す9速変速段での走行状態から、図14(B)に示すシフト準備過程で、シンクロ装置C1およびシンクロ装置B2を係合して第1出力ギヤGo1および第3出力ギヤGo3を第1副出力軸Os1に結合することで、10速変速段へのプリシフトを行う。このとき、第1摩擦クラッチCL1は未だ係合解除状態にあるため、9速変速段の動力伝達経路で駆動力が伝達されている第2副出力軸Os2に破線で示す動力伝達経路で同時に駆動力が伝達されることはなく、インターロックが発生する虞はない。
図14(C)に示すクラッチ切替過程で、第3摩擦クラッチCL3を係合解除して第1摩擦クラッチCL1を係合すると、9速変速段の動力伝達経路によるトルク伝達が行われなくなり、新たに駆動力が実線で示す動力伝達経路で伝達されることで、トルク抜けが発生することなく10速変速段が確立する。そして図14(D)に示すシフト解除過程では、不要なシンクロ装置は係合していないために特に操作を行うことなく、10側変速段へのアップシフトを完了する。
<10速変速段→11速変速段>
図15(A)に示す10速変速段での走行状態から、図15(B)に示すシフト準備過程で、シンクロ装置D1を係合して第2出力ギヤGo2を第1副出力軸Os1に結合することで、11速変速段へのプリシフトを行う。このとき、第2摩擦クラッチCL2は未だ係合解除状態にあるため、10速変速段の動力伝達経路で駆動力が伝達されている第2副出力軸Os2に破線で示す動力伝達経路で同時に駆動力が伝達されることはなく、インターロックが発生する虞はない。
図15(C)に示すクラッチ切替過程で、第1摩擦クラッチCL1を係合解除して第2摩擦クラッチCL2を係合すると、10速変速段の動力伝達経路によるトルク伝達が行われなくなり、新たに駆動力が実線で示す動力伝達経路で伝達されることで、トルク抜けが発生することなく11速変速段が確立する。そして図15(D)に示すシフト解除過程で、10速変速段で係合していたが11速変速段では不要なシンクロ装置C1を係合解除することで、11速変速段へのアップシフトを完了する。
以上のように、本実施の形態によれば、いわゆるクラッチtoクラッチ変速により、つまりプリシフトを行った状態で第1〜第3摩擦クラッチCL1,CL2,CL3を掴み替えることにより、トルク抜けを発生させることなくアップシフトの順次変速を完了することができる。同様にして、クラッチtoクラッチ変速により、トルク抜けを発生させることなくダウンシフトの順次変速を完了することができる。
次に、図16に基づいてリバース変速段→1速変速段の切り替えの手順を説明する。リバース変速段の確立時には、図16(A)に示すように、エンジンPの駆動力は、第1摩擦クラッチCL1→第1入力軸Im1→第1入力ギヤGi1→第5出力ギヤGo5→シンクロ装置C2→第2副出力軸Os2→シンクロ装置E2→リバースドリブンギヤGr2→リバースドライブギヤGr1→第1副出力軸Os1→シンクロ装置A1→第1出力軸Om1→第1ファイナルドライブギヤGf1→ファイナルドリブンギヤGf→ディファレンシャルギヤGdの経路で逆回転となって駆動輪W,Wに伝達される。
続いて、図16(B)に示すように、ニュートラル変速段で第1摩擦クラッチCL1を係合解除するとともに、シンクロ装置E1を係合してシンクロ装置E2を係合解除するプリシフトを行った後に、図16(C)に示すように、1速変速段で第1摩擦係合装置C1を再び係合する。その結果、エンジンPの駆動力は、第1摩擦クラッチCL1→第1入力軸Im1→第1入力ギヤGi1→第5出力ギヤGo5→シンクロ装置C2→第2副出力軸Os2→シンクロ装置E1→第7出力ギヤGo7→第4入力ギヤGi4→第3入力軸Im3→第3入力ギヤGi3→第3出力ギヤGo3→シンクロ装置B2→第1副出力軸Os1→シンクロ装置A1→第1出力軸Om1→第1ファイナルドライブギヤGf1→ファイナルドリブンギヤGf→ディファレンシャルギヤGdの経路で駆動輪W,Wに伝達される。
リバース変速段において、駆動力を伝達する必要のないシンクロ装置B2を敢えて係合する理由は、1速変速段で係合する必要があるシンクロ装置B2をリバース変速段で予め係合しておくことで、リバース変速段から1速変速段への変速を速やかに行うためである。
次に、図17〜図21に基づいて、シンクロ装置C1およびシンクロ装置C2を操作する変速操作装置S3の構造および作用を説明する。
図17および図18に示すように、第1副出力軸Os1に設けられて第1出力ギヤGo1を該第1副出力軸Os1に結合するシンクロ装置C1と、第2副出力軸Os2に設けられて第5出力ギヤGo5を該第2副出力軸Os2に結合するシンクロ装置C2とは、共通の変速操作装置S3により作動する。
図19に示すように、変速操作装置S3は、シンクロ装置C1の第1スリーブ11aを操作する第1シフトフォーク12aと、シンクロ装置C2の第2スリーブ11bを操作する第2シフトフォーク12bとを備え、第1、第2シフトフォーク12a,12bは相互に連動して作動する。
図5の係合表から明らかなように、シンクロ装置C1およびシンクロ装置C2は同時に係合することがなく、かつシンクロ装置C1は左動により係合し、シンクロ装置C2は右動により係合するため、それらを共通の第2シフトドラムSD2で支障なく駆動することが可能となる。
例えば、第1シフトフォーク12aを左動してシンクロ装置C1を係合するとき、第1シフトフォーク12aおよび第2シフトフォーク12bが単純に接続されていると仮定すると、第1シフトフォーク12aの左動に伴って第2シフトフォーク12bも左動するが、第2シフトフォーク12bに接続されたシンクロ装置C2は単に空動するだけで係合することはない。しかしながら、シンクロ装置C2が空動すると、その空動を許容するための無駄スペースが必要になり、その分だけ変速機Tの軸方向寸法が増加する問題がある。
同様に、第2シフトフォーク12bを右動してシンクロ装置C2を係合するとき、第1シフトフォーク12aおよび第2シフトフォーク12bが単純に接続されていると仮定すると、第2シフトフォーク12bの右動に伴って第1シフトフォーク12aも右動するが、第1シフトフォーク12aに接続されたシンクロ装置C1は単に空動するだけで係合することはない。しかしながら、シンクロ装置C1が空動すると、その空動を許容するための無駄スペースが必要になり、その分だけ変速機Tの軸方向寸法が増加する問題がある。
そこで、本実施の形態では、共通の第2シフトドラムSD2で第1シフトフォーク12aおよび第2シフトフォーク12bを操作する場合に、一方のシフトフォークが作動したときに他方のシフトフォークの空動を防止することで、その空動を許容する無駄スペースを廃止して変速機Tの軸方向寸法を小型化するようになっている。
即ち、ミッションケースに第1シフトロッド14aおよび第2シフトロッド14bが固定されており、第1シフトロッド14aの外周に第1シフトフォーク12aが固定された第1円筒部15aが摺動自在に嵌合し、第2シフトロッド14bの外周に第2シフトフォーク12bが固定された第2円筒部15bが摺動自在に嵌合する。また第1円筒部15aの外周に摺動自在に嵌合する第3円筒部16aと、第2円筒部15bの外周に摺動自在に嵌合する第4円筒部16bとが連結部材17で連結され、その連結部材17に植設したガイドピンP3が第2シフトドラムSD2のガイド溝G3に係合する(図18参照)。従って、第2シフトドラムSD2を駆動すると、ガイド溝G3にガイドピンP3が案内されることで、連結部材17、第3円筒部16aおよび第4円筒部16bが一体に移動する。
第1シフトロッド14aには、第1円筒部15aの右端に当接して右動を規制する第1ストッパ18aが設けられ、第2シフトロッド14bには第2円筒部15bの左端に当接して左動を規制する第2ストッパ18bが設けられる。また第1円筒部15aには、第3円筒部16aの左端に当接して左動を規制する第3ストッパ19aが設けられ、第2円筒部15bには、第4円筒部16bの右端に当接して右動を規制する第4ストッパ19bが設けられる。ガイドピンP3が中立位置にあるとき、第1円筒部15aが第1ストッパ18aに当接し、第3円筒部16aが第3ストッパ19aに当接し、第2円筒部15bが第2ストッパ18bに当接し、第4円筒部16bが第4ストッパ19bに当接する。
第1シフトロッド14aの外周に形成された第1係合溝20aと、第3円筒部16aの内周に形成された第3係合溝21aとの間に、第1円筒部15aを径方向に貫通する第1貫通孔22aが位置しており、ガイドピンP3が中立位置にあるとき、第1係合溝20a、第3係合溝21aおよび第1貫通孔22aに跨がるように第1ボール23aが収納される。また第2シフトロッド14bの外周に形成された第2係合溝20bと、第4円筒部16bの内周に形成された第4係合溝21bとの間に、第2円筒部15bを径方向に貫通する第2貫通孔22bが位置しており、ガイドピンP3が中立位置にあるとき、第2係合溝20b、第4係合溝21bおよび第2貫通孔22bに跨がるように第2ボール23bが収納される。
第1ボール23aの直径は、それが径方向外側に移動したときに第1係合溝20aから離脱し、それが径方向内側に移動したときに第3係合溝21aから離脱するように設定される。同様に、第2ボール23bの直径は、それが径方向外側に移動したときに第2係合溝20bから離脱し、それが径方向内側に移動したときに第4係合溝21bから離脱するように設定される。
第1円筒部15aには第1ディテント機構24aが設けられており、第1ディテント機構24aにより第1円筒部15aは中立位置と、そこから左動した左動位置とで節度を持って停止可能である。第2円筒部15bには第2ディテント機構24bが設けられており、第2ディテント機構24bにより第2円筒部15bは中立位置と、そこから右動した右動位置とで節度を持って停止可能である。
以下、変速操作装置S3の作用を説明する。図19に示すように、ガイドピンP3が中立位置にあるとき、第3円筒部16aは第1円筒部15aの第3ストッパ19aに当接し、第1円筒部15aは第1シフトロッド14aの第1ストッパ18aに当接し、第1シフトフォーク12aは中立位置にある。また第4円筒部16bは第2円筒部15bの第4ストッパ19bに当接し、第2円筒部15bは第2シフトロッド14bの第2ストッパ18bに当接し、第2シフトフォーク12bは中立位置にある。
この状態から、図20に示すように、ガイドピンP3を一方向(図中右方向)に駆動すると、第1円筒部15aは第1ストッパ18aに当接して一方向への移動を阻止されているため、第3円筒部16aは第1円筒部15aの外周を摺動して一方向に空動する。このとき、第1ボール23aは空動する第3円筒部16aの第3係合溝21aから押し出され、第1円筒部15aの第1貫通孔22aおよび第1シフトロッド14aの第1係合溝20aに嵌合するため、第3円筒部16aの空動が許容される。よって、第1円筒部15aと一体の第1シフトフォーク12aは移動せず、シンクロ装置C1は係合解除位置に維持される。
一方、第4円筒部16bは第2円筒部15bの第4ストッパ19bに当接しているため、一方向に移動する第4円筒部16bに押された第2円筒部15bが第2シフトロッド14bの外周を摺動して一方向に移動し、第2円筒部15bと一体の第2シフトフォーク12bが第2スリーブ11bを一方向に駆動することで、シンクロ装置C2が係合する。このとき、第2ボール23bは第2シフトロッド14bの第2係合溝20bから押し出され、第2円筒部15bの第2貫通孔22bおよび第4円筒部16bの第4係合溝21bに嵌合するため、第2円筒部15bの一方向への移動が許容される、また第2ディテント機構24bは第2シフトロッド14b上を一方向に1ピッチ移動することで、第2シフトフォーク12bが右動位置に安定的に保持される。
以上のように、ガイドピンP3を一方向に駆動すると、第1シフトフォーク12aが停止したまま、第2シフトフォーク12bだけが一方向に移動し、シンクロ装置C1を非係合状態に維持したままシンクロ装置C2だけを係合することができる。これにより、第1シフトフォーク12aが一方向に空動する無駄スペースが不要になり、変速機Tの軸方向寸法の小型化が可能になる。
この状態から、ガイドピンP3を他方向(図中左方向)に駆動すると、第1円筒部15aは第1ボール23aを介して第1シフトロッド14aの第1係合溝20aに結合されているため、第3円筒部16aは第1円筒部15aの外周を他方向に摺動し、第3ストッパ19aに当接する元位置へと復帰する。
一方、第2円筒部15bは第2ボール23bを介して第4円筒部16bと係合しているため、第4円筒部16bに押された第2円筒部15bが他方向に移動し、第2円筒部15bが第2シフトロッド14bの第2ストッパ18bに当接する位置に復帰する。その結果、第2円筒部15bと一体の第2シフトフォーク12bが他方向に移動することで、第2スリーブ11bが中立位置に復帰してシンクロ装置C2が係合解除する。このとき、第2ディテント機構24bは第2シフトロッド14b上を他方向に1ピッチ移動することで、第2シフトフォーク12bが中立位置に安定的に保持される。
逆に、図21に示すように、ガイドピンP3を他方向(図中左方向)に駆動すると、第2円筒部15bは第2ストッパ18bに当接して他方向への移動を阻止されているため、第4円筒部16bは第2円筒部15bの外周を摺動して他方向に空動する。このとき、第2ボール23bは空動する第4円筒部16bの第4係合溝21bから押し出され、第2円筒部15bの第2貫通孔22bおよび第2シフトロッド14bの第2係合溝20bに嵌合するため、第4円筒部16bの空動が許容される。よって、第2円筒部15bと一体の第2シフトフォーク12bは移動せず、シンクロ装置C2は係合解除位置に維持される。
一方、第3円筒部16aは第1円筒部15aの第3ストッパ19aに当接しているため、他方向に移動する第3円筒部16aに押された第1円筒部15aが第1シフトロッド14aの外周を摺動して他方向に移動し、第1円筒部15aと一体の第1シフトフォーク12aが第1スリーブ11aを他方向に駆動することで、シンクロ装置C1が係合する。このとき、第1ボール23aは第1シフトロッド14aの第1係合溝20aから押し出され、第1円筒部15aの第1貫通孔22aおよび第3円筒部16aの第3係合溝21aに嵌合するため、第1円筒部15aの他方向への移動が許容される、また第1ディテント機構24aは第1シフトロッド14a上を他方向に1ピッチ移動することで、第1シフトフォーク12aが左動位置に安定的に保持される。
以上のように、ガイドピンP3を他方向に駆動すると、第2シフトフォーク12bが停止したまま、第1シフトフォーク12aだけが他方向に移動し、シンクロ装置C2を非係合状態に維持したまたシンクロ装置C1だけを係合することができる。これにより、第2シフトフォーク12bが他方向に空動する無駄スペースが不要になり、変速機Tの軸方向寸法の小型化が可能になる。
この状態から、ガイドピンP3を一方向(図中右方向)に駆動すると、第2円筒部15bは第2ボール23bを介して第2シフトロッド14bの第2係合溝20bに結合されているため、第4円筒部16bは第2円筒部15bの外周を一方向に摺動し、第4ストッパ19bに当接する元位置へと復帰する。
一方、第1円筒部15aは第1ボール23aを介して第3円筒部16aと係合しているため、第3円筒部16aに押された第1円筒部15aが一方向に移動し、第1円筒部15aが第1シフトロッド14aの第1ストッパ18aに当接する位置に復帰する。その結果、第1円筒部15aと一体の第1シフトフォーク12aが一方向に移動することで、第1スリーブ11aが中立位置に復帰してシンクロ装置C1が係合解除する。このとき、第1ディテント機構24aは第1シフトロッド14a上を一方向に1ピッチ移動することで、第1シフトフォーク12aが中立位置に安定的に保持される。
以上のように、本実施の形態の変速操作装置S3によれば、第1シフトフォーク12aは中立位置から左動してシンクロ装置C1を係合するだけで中立位置から右動することはなく、第2シフトフォーク12bは中立位置から右動してシンクロ装置C2を係合するだけで中立位置から左動することはないので、第1シフトフォーク12aおよび第2シフトフォーク12bの無駄ストロークを削減して変速機Tの軸方向寸法を小型化することができる。
図17および図18に示すように、シンクロ装置C1およびシンクロ装置C2を操作する変速操作装置S3に隣接して配置される変速操作装置S4は、シンクロ装置D1およびシンクロ装置D2を操作するものであって、その構造および作用は変速操作装置S3と実質的に同じであり、連結部材17に植設したガイドピンP4が第3シフトドラムSD3のガイド溝G4に係合することで作動する。
但し、隣接して配置された変速操作装置S3および変速操作装置S4が相互に干渉するのを回避すべく、変速操作装置S3の第1シフトフォーク12aが第1円筒部15aの図中右端に設けられるのに対し、変速操作装置S4の第1シフトフォーク12aは第1円筒部15aの図中左端に設けられており、2個の第1シフトフォーク12a,12aの間隔を接近させてシンクロ装置C1およびシンクロ装置D1の第1スリーブ11a,11aへの係合を可能にしている。同様に、変速操作装置S3の第2シフトフォーク12bが第2円筒部15bの図中右端に設けられるのに対し、変速操作装置S4の第2シフトフォーク12bは第2円筒部15bの図中左端に設けられており、2個の第2シフトフォーク12b,12bの間隔を接近させてシンクロ装置C2およびシンクロ装置D2の第2スリーブ11b,11bへの係合を可能にしている。
図17および図18に示すように、残りの変速操作装置S1、変速操作装置S2および変速操作装置S5は、第1モータM1で回転駆動される共通の第1シフトドラムSD1により操作されるもので、変速操作装置S1のガイドピンP1、変速操作装置S2のガイドピンP2および変速操作装置S5のガイドピンP5が、第1シフトドラムSD1のガイド溝G1,G2,G5にそれぞれ嵌合する。
次に、図22〜図24に基づいてシンクロ装置A1およびシンクロ装置A2を操作する変速操作装置S1の構造および作用を説明する。変速操作装置S1の構造は、上述した第3、変速操作装置S3,S4の構造と実質的に同じであり、第1シフトフォーク12aがシンクロ装置A1の第1スリーブ11aに係合し、第2シフトフォーク12bがシンクロ装置A2の第2スリーブ11bに係合する。但し、変速操作装置S1が中立位置にあるとき、第1シフトフォーク12aにより作動するシンクロ装置A1と、第2シフトフォーク12bにより作動するシンクロ装置A2とは共に係合状態にある。
図5の係合表から明らかなように、シンクロ装置A1はリバース変速段から6速変速段まで連続して係合状態にあり、シンクロ装置A2は7速変速段から11速変速段まで連続して係合状態にあり、6速変速段と7速変速段との間で係合状態が切り替わる。この6速変速段と7速変速段との間の変速時にシンクロ装置A1およびシンクロ装置A2が共に係合解除すると、その間の駆動力の伝達が途切れてしまう問題があるが、本実施の形態では、6速変速段と7速変速段との間の変速過程で変速操作装置S1が中立位置になったときにシンクロ装置A1およびシンクロ装置A2が共に係合するため、駆動力の伝達が途切れることがない。
図23に示すように、変速操作装置S1を右動位置へと他方向(右側)に駆動すると、第3円筒部16aに押圧された第1円筒部15aと共に第1シフトフォーク12aが右動することで、シンクロ装置A1が係合解除されるが、第4円筒部16bは第2円筒部15bに対して空動するために第2シフトフォーク12bは作動せず、シンクロ装置A2は係合状態に維持される。この状態から変速操作装置S1を中立位置へと一方向(左側)に戻すと、第3円筒部16aにより第1円筒部15aおよび第1シフトフォーク12aが左動してシンクロ装置A1が係合するが、第4円筒部16bは第2円筒部15bに対して再び空動するために第2シフトフォーク12bは作動せず、シンクロ装置A2は係合状態に維持される。
図24に示すように、変速操作装置S1を左動位置へと一方向(左側)に駆動すると、第4円筒部16bに押圧された第2円筒部15bと共に第2シフトフォーク12bが左動することで、シンクロ装置A2が係合解除されるが、第3円筒部16aは第1円筒部15aに対して空動するために第1シフトフォーク12aは作動せず、シンクロ装置A1は係合状態に維持される。この状態から変速操作装置S1を中立位置へと他方向(右側)に戻すと、第4円筒部16bにより第2円筒部15bおよび第2シフトフォーク12bが右動してシンクロ装置A2が係合するが、第3円筒部16aは第2円筒部15bに対して再び空動するために第1シフトフォーク12aは作動せず、シンクロ装置A1は係合状態に維持される。
以上のように、ガイドピンP1を一方向に駆動すると、第1シフトフォーク12aが停止したまま、第2シフトフォーク12bだけが一方向に移動し、シンクロ装置A1を係合状態に維持したままシンクロ装置A2だけを係合解除することができる。これにより、第1シフトフォーク12aが一方向に空動する無駄スペースが不要になり、変速機Tの軸方向寸法の小型化が可能になる。
同様に、ガイドピンP1を他方向に駆動すると、第2シフトフォーク12bが停止したまま、第1シフトフォーク12aだけが他方向に移動し、シンクロ装置A2を係合状態に維持したまたシンクロ装置A1だけを係合解除することができる。これにより、第2シフトフォーク12bが他方向に空動する無駄スペースが不要になり、変速機Tの軸方向寸法の小型化が可能になる。
次に、図25〜図27に基づいてシンクロ装置E1およびシンクロ装置E2を操作する変速操作装置S5の構造および作用を説明する。変速操作装置S5の構造および作用は、上述した変速操作装置S1、変速操作装置S3および変速操作装置S4の構造および作用に類似するが、若干の相違がある。
図5の係合表から明らかなように、シンクロ装置E1およびシンクロ装置E2は同時に係合することがなく、かつシンクロ装置E1は左動により係合し、シンクロ装置E2は右動により係合するため、それらを共通のガイドピンP5で支障なく駆動することが可能となる。
図25に示すように、変速操作装置S5は1本の第3シフトロッド14c上に配置されるもので、第3シフトロッド14cの左側に第1円筒部15a、第2円筒部15b、第1シフトフォーク12a、第1ボール23aおよび第1ディテント機構24aが配置され、第3シフトロッド14cの右側に第2円筒部15b、第4円筒部16b、第2シフトフォーク12b、第2ボール23bおよび第2ディテント機構24bが配置される。そして第3円筒部16aおよび第4円筒部16bは連結部材17で共通のガイドピンP5に接続され、第1シフトフォーク12aはシンクロ装置E1の第1スリーブ11aに接続され、第2シフトフォーク12bはシンクロ装置E2の第2スリーブ11bに接続される。
以下、変速操作装置S5の作用を説明する。図25に示すように、ガイドピンP5が中立位置にあるとき、第3円筒部16aは第1円筒部15aの第3ストッパ19aに当接し、第1円筒部15aは第3シフトロッド14cの第1ストッパ18aに当接し、第1シフトフォーク12aは中立位置にある。また第4円筒部16bは第2円筒部15bの第4ストッパ19bに当接し、第2円筒部15bは第3シフトロッド14cの第2ストッパ18bに当接し、第2シフトフォーク12bは中立位置にある。
この状態から、図26に示すように、ガイドピンP5を一方向(図中右方向)に駆動すると、第1円筒部15aは第1ストッパ18aに当接して一方向への移動を阻止されているため、第3円筒部16aは第1円筒部15aの外周を摺動して一方向に空動する。このとき、第1ボール23aは空動する第3円筒部16aの第3係合溝21aから押し出され、第1円筒部15aの第1貫通孔22aおよび第3シフトロッド14cの第1係合溝20aに嵌合するため、第3円筒部16aの空動が許容される。よって、第1円筒部15aと一体の第1シフトフォーク12aは移動せず、シンクロ装置E1は係合解除位置に維持される。
一方、第4円筒部16bは第2円筒部15bの第4ストッパ19bに当接しているため、一方向に移動する第4円筒部16bに押された第2円筒部15bが第3シフトロッド14cの外周を摺動して一方向に移動し、第2円筒部15bと一体の第2シフトフォーク12bが第2スリーブ11bを一方向に駆動することで、シンクロ装置E2が係合する。このとき、第2ボール23bは第3シフトロッド14cの第2係合溝20bから押し出され、第2円筒部15bの第2貫通孔22bおよび第4円筒部16bの第4係合溝21bに嵌合するため、第2円筒部15bの一方向への移動が許容される、また第2ディテント機構24bは第3シフトロッド14c上を一方向に1ピッチ移動することで、第2シフトフォーク12bが右動位置に安定的に保持される。
以上のように、ガイドピンP5を一方向に駆動すると、第1シフトフォーク12aが停止したまま、第2シフトフォーク12bだけが一方向に移動し、シンクロ装置E1を非係合状態に維持したままシンクロ装置E2だけを係合することができる。これにより、第1シフトフォーク12aが一方向に空動する無駄スペースが不要になり、変速機Tの軸方向寸法の小型化が可能になる。
この状態から、ガイドピンP5を他方向(図中左方向)に駆動すると、第1円筒部15aは第1ボール23aを介して第3シフトロッド14cの第1係合溝20aに結合されているため、第3円筒部16aは第1円筒部15aの外周を他方向に摺動し、第3ストッパ19aに当接する元位置へと復帰する。
一方、第2円筒部15bは第2ボール23bを介して第4円筒部16bと係合しているため、第4円筒部16bに押された第2円筒部15bが他方向に移動し、第2円筒部15bが第3シフトロッド14cの第2ストッパ18bに当接する位置に復帰する。その結果、第2円筒部15bと一体の第2シフトフォーク12bが他方向に移動することで、第2スリーブ11bが中立位置に復帰してシンクロ装置E2が係合解除する。このとき、第2ディテント機構24bは第3シフトロッド14c上を他方向に1ピッチ移動することで、第2シフトフォーク12bが中立位置に安定的に保持される。
逆に、図27に示すように、ガイドピンP5を他方向(図中左方向)に駆動すると、第2円筒部15bは第2ストッパ18bに当接して他方向への移動を阻止されているため、第4円筒部16bは第2円筒部15bの外周を摺動して他方向に空動する。このとき、第2ボール23bは空動する第4円筒部16bの第4係合溝21bから押し出され、第2円筒部15bの第2貫通孔22bおよび第3シフトロッド14cの第2係合溝20bに嵌合するため、第4円筒部16bの空動が許容される。よって、第2円筒部15bと一体の第2シフトフォーク12bは移動せず、シンクロ装置E2は係合解除位置に維持される。
一方、第3円筒部16aは第1円筒部15aの第3ストッパ19aに当接しているため、他方向に移動する第3円筒部16aに押された第1円筒部15aが第3シフトロッド14cの外周を摺動して他方向に移動し、第1円筒部15aと一体の第1シフトフォーク12aが第1スリーブ11aを他方向に駆動することで、シンクロ装置E1が係合する。このとき、第1ボール23aは第3シフトロッド14cの第1係合溝20aから押し出され、第1円筒部15aの第1貫通孔22aおよび第3円筒部16aの第3係合溝21aに嵌合するため、第1円筒部15aの他方向への移動が許容される、また第1ディテント機構24aは第3シフトロッド14c上を他方向に1ピッチ移動することで、第1シフトフォーク12aが左動位置に安定的に保持される。
以上のように、ガイドピンP5を他方向に駆動すると、第2シフトフォーク12bが停止したまま、第1シフトフォーク12aだけが他方向に移動し、シンクロ装置E2を非係合状態に維持したまたシンクロ装置E1だけを係合することができる。これにより、第2シフトフォーク12bが他方向に空動する無駄スペースが不要になり、変速機Tの軸方向寸法の小型化が可能になる。
この状態から、ガイドピンP5を一方向(図中右方向)に駆動すると、第2円筒部15bは第2ボール23bを介して第3シフトロッド14cの第2係合溝20bに結合されているため、第4円筒部16bは第2円筒部15bの外周を一方向に摺動し、第4ストッパ19bに当接する元位置へと復帰する。
一方、第1円筒部15aは第1ボール23aを介して第3円筒部16aと係合しているため、第3円筒部16aに押された第1円筒部15aが一方向に移動し、第1円筒部15aが第3シフトロッド14cの第1ストッパ18aに当接する位置に復帰する。その結果、第1円筒部15aと一体の第1シフトフォーク12aが一方向に移動することで、第1スリーブ11aが中立位置に復帰してシンクロ装置E1が係合解除する。このとき、第1ディテント機構24aは第3シフトロッド14c上を一方向に1ピッチ移動することで、第1シフトフォーク12aが中立位置に安定的に保持される。
以上のように、本実施の形態の変速操作装置S5によれば、第1シフトフォーク12aは中立位置から左動してシンクロ装置E1を係合するだけで中立位置から右動することはなく、第2シフトフォーク12bは中立位置から右動してシンクロ装置E2を係合するだけで中立位置から左動することはないので、第1シフトフォーク12aおよび第2シフトフォーク12bの無駄ストロークを削減して変速機Tの軸方向寸法を小型化することができる。
図17および図18に示すように、シンクロ装置B1およびシンクロ装置B2を操作する変速操作装置S2の構造は単純であり、ミッションケースに摺動自在に支持された第4シフトロッド14dに固設した1個の第3シフトフォーク12cがシンクロ装置B1およびシンクロ装置B2の共通のスリーブに係合する。第3シフトフォーク12cに固設したガイドピンP2が第1シフトドラムSD1のガイド溝G2に係合しており、第3シフトフォーク12cが左動するとシンクロ装置B1が係合し、第3シフトフォーク12cが右動するとシンクロ装置B2が係合する。
以上のように、第1モータM1〜第3モータM3で第1シフトドラムSD1〜第3シフトドラムSD3を回転させると、ガイドピンP1〜P5がガイド溝G1〜ガイド溝G5に案内されて変速操作装置S1〜変速操作装置S5が作動し、シンクロ装置A1〜シンクロ装置E2が図5の係合表に示す順序で係合および係合解除することで、所望の変速段を確立することができる。
次に、図28〜図30に基づいて、変速操作装置S1、変速操作装置S2および変速操作装置S5を駆動する第1シフトドラムSD1の構造および作用を説明する。
図28および図29に示すように、第1シフトドラムSD1のガイド溝G1およびガイド溝G5は一部が重なり合うように形成される。ガイド溝G1は幅Waが大きくて深さDaが小さく形成され、ガイド溝G5はガイド溝G1よりも幅Wbが小さくて深さDbが大きく形成される。ガイド溝G1に係合するガイドピンP1の直径は幅Waに等しく、その先端はガイド溝G1の底に達している。ガイド溝G5に係合するガイドピンP5の直径は幅Wbに等しく、その先端はガイド溝G5の底に達している。幅Wcおよび深さDcを有するガイド溝G2はガイド溝G1およびガイド溝G5から独立しており、そのガイド溝G2に係合するガイドピンP2の直径は幅Wcに等しく、その先端はガイド溝G2の底に達している。
図30に示すように、第1シフトドラムSD1は315°に亙って回転可能であり、起点(回転角0°)ではガイドピンP1およびガイドピンP5がそれぞれガイド溝G1およびガイド溝G5の一端部に位置しており、終点(回転角315°)ではガイドピンP1およびガイドピンP5がそれぞれガイド溝G1およびガイド溝G5の他端部に位置している。ガイド溝G1およびガイド溝G5は二つの交差部で重なるが、交差部において直径の大きいガイドピンP1が幅Wbが小さいガイド溝G5に誤って嵌合することはなく、また交差部において長さが長いガイドピンP5が深さDaが小さいガイド溝G1に誤って嵌合することはないため、ガイドピンP1はガイド溝G1に沿って確実に案内され、ガイドピンP5はガイド溝G5に沿って確実に案内される。
以上のように、ガイド溝G1、ガイド溝G2およびガイド溝G5を共通の第1シフトドラムSD1に形成するだけでなく、ガイド溝G1およびガイド溝G5を軸方向に接近させて一部が重なり合うように形成したため、それらを重なり合わないように形成した場合に比べて、第1シフトドラムSD1の軸方向寸法を小型化することができる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
例えば、本発明のシフトドラムが適用される変速機は、実施の形態のトリプルクラッチ式の変速機Tに限定されるものではない。
G1 ガイド溝(第1ガイド溝)
G5 ガイド溝(第2ガイド溝)
P1 ガイドピン(第1ガイドピン)
P5 ガイドピン(第2ガイドピン)
S1 変速操作装置(第1変速操作装置)
S5 変速操作装置(第2変速操作装置)
SD1 第1シフトドラム(シフトドラム)

Claims (1)

  1. 外周面に第1ガイド溝(G1)および第2ガイド溝(G5)が形成されたシフトドラム(SD1)と、前記第1ガイド溝(G1)に摺動自在に嵌合する第1ガイドピン(P1)に接続された変速操作装置(S1)と、前記第2ガイド溝(G5)に摺動自在に嵌合する第2ガイドピン(P5)に接続された変速操作装置(S5)とを備え、前記シフトドラム(SD1)の回転により前記変速操作装置(S1)および前記変速操作装置(S5)を駆動して変速を行う車両用変速装置であって、
    前記第1ガイド溝(G1)の幅は前記第2ガイド溝(G5)の幅よりも大きく、前記第2ガイド溝(G5)の深さは前記第1ガイド溝(G1)の深さよりも大きく、前記第1ガイド溝(G1)および前記第2ガイド溝(G5)は一部において重なり合うことを特徴とする車両用変速装置。
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