JP6033030B2 - 電気量測定装置および電気量測定方法ならびに、これらの装置および方法を利用した絶縁監視装置およびインピーダンス測定装置 - Google Patents
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Description
f(Hz)=60+Δf
まず、本実施の形態に係る電気量測定装置および電気量測定方法を説明するにあたり、本願明細書で使用する用語について説明する。
・複素平面:複素数を2次元平面上の点とし、実部(Re)を横軸に、虚部(Im)を縦軸にとった直角座標で複素数を表す平面である。
・回転ベクトル:電力系統の電気量(電圧あるいは電流)に関する複素平面上で反時計回りに回転するベクトルである。回転ベクトルの実数部は瞬時値である。
・差分回転ベクトル:サンプリング周波数1サイクル前後2点の回転ベクトルの差分ベクトルである。差分回転ベクトルの実数部はサンプリング周波数1サイクル前後2点の瞬時値の差分である。
・対称群:複素平面上で回転している対称性を有するグループである。
・不変量:対称群が回転した前後において、変化しないパラメータである。本願における不変量には、回転位相角、周波数係数、ゲージ電圧、ゲージ差分電圧、ゲージ有効電力、ゲージ無効電力、ゲージ差分有効電力、ゲージ差分無効電力などがある。なお、不変量が分かれば、対称群の特性も分かる。
・ベクトル群表:対称群における所定のメンバー(ベクトル変数)同士の積(掛け算)で表される表(テーブル)である。対称群の不変量を調べるためのロードマップになる。
・実数群表:対称群における所定のメンバー(実数変数)同士の積(掛け算)で表される表(テーブル)である。
・リアルタイム周波数:電力系統における現実の周波数である。この実周波数は、電力系統が安定であっても、定格周波数の近傍で微妙に変動している。本願において、リアルタイム周波数はfで表現する。リアルタイム周波数fの単位はヘルツ(Hz)である。また、電気回路等における角周波数ωは、ω=2πfで表され、その単位は(rad/s)である。
・データ収集サンプリング周波数:データ収集時のサンプリング周波数(第1のサンプリング周波数)であり、記号f1で表す。このデータ収集サンプリング周波数f1は、高いほうが精度がよい。なお、下述のゲージサンプリング周期Tと同様にデータ収集サンプリング周期T1は、データ収集サンプリング周波数f1の逆数として、T1=1/f1で表される。
・ゲージサンプリング周波数:ゲージ対称群の計算に使用されるサンプリング周波数(第2のサンプリング周波数)であり、記号fSで表す。よって、ゲージサンプリング周期Tは、ゲージサンプリング周波数fSの逆数として、T=1/fSで表される。なお、T,T1の間には、T>T1の関係がある。
・系統周波数:基本的には、電力系統における定格周波数を意味し、50Hz、60Hzの2種類がある。
・回転位相角:電圧回転ベクトル(単に「電圧ベクトル」と称する場合もある)あるいは電流回転ベクトル(単に「電流ベクトル」と称する場合もある)がゲージサンプリン周波数1サイクルの間に複素平面上で回転した位相角であり、αで表す。なお、回転位相角αは周波数依存量であり、後述のように、αが正数の場合には、α=2π(f/fS)で計算し、αが負数の場合には、α=2π{(f/fS)−1}で計算する。また、αが零の場合、ゲージサンプリング周波数fSとリアルタイム周波数fとの間には、f=fS/2の関係がある。
・周波数係数:回転位相角αの余弦関数値であり、fCで表す。本願の全てのゲージ対称群にはそれぞれの周波数係数の計算式がある。なお、周波数係数fCを対称性指標として利用すれば、交流であるかどうかの判別が可能となる。
・移動平均処理:所定数の直近データを用いて行う単純な平均処理である。なお、移動平均処理を行うことにより、測定誤差および相加性ガウス雑音の影響を小さくすることができる。
・ゲージ電圧群:時系列的に連続した3つの電圧ベクトルにより構成される対称群である。なお、電圧以外の電流、電力(有効電力、無効電力)についても同様な対称群の概念が定義可能である。
・ゲージ電圧:ゲージ電圧群により計算される電圧不変量である。
・ゲージ差分電圧群:時系列的に連続した3つの差分電圧ベクトルにより構成される対称群である。
・ゲージ差分電圧:ゲージ差分電圧群により計算される差分電圧不変量である。
・回転電圧群:連続した2つの電圧ベクトルにより構成される対称群である。実測の電圧瞬時値は電圧ベクトルの実数部に相当する。
・回転差分電圧群:連続した2つの差分電圧ベクトルにより構成される対称群である。
・ゲージ電力群:連続した3つの電圧ベクトルと連続した3つの電流ベクトルにより構成される対称群である。
・ゲージ有効電力:ゲージ電力群のベクトル乗積空間図より知見される計算式により計算される有効電力(不変量)である。
・ゲージ無効電力:ゲージ電力群のベクトル乗積空間図より知見される計算式により計算される無効電力(不変量)である。
・ゲージ差分電力群:連続した3つの差分電圧ベクトルと連続した3つの差分電流ベクトルにより構成される対称群である。
・ゲージ差分有効電力:ゲージ差分電力群のベクトル乗積空間図より知見される計算式により計算される有効電力(不変量)である。
・ゲージ差分無効電力:ゲージ電力群のベクトル乗積空間図より知見される計算式により計算される無効電力(不変量)である。
・回転電力群:ゲージ電力群の構成メンバーである電圧ベクトルと電流ベクトルをそれぞれ1つ減らした電力群、すなわち連続した2つの電圧ベクトルと連続した2つの電流ベクトルにより構成される対称群である。
・回転差分電力群:ゲージ差分電力群の構成メンバーである差分電圧ベクトルと差分電流ベクトルをそれぞれ1つ減らした差分電力群、すなわち連続した2つの差分電圧ベクトルと連続した2つの差分電流ベクトルにより構成される対称群である。
・対称性の破れ:入力波形が純粋な正弦波から崩れること。振幅急変、位相急変、あるいは周波数急変により、入力波形の対称性が破れる。この対称性の破れを判定(検出)するための指標が対称性指標である。
本発明は、スマートグリッドの基本技術となる電気量測定装置に関する発明であり、その要旨の1つは、回転位相角を通じて周波数領域と瞬時値領域とを同時に扱うことにあり、より具体的には、交流電圧および交流電流ならびに、これらの交流電圧および交流電流に含まれる直流成分(直流電圧および直流電流)の構造を対称性の群でモデル化する点にある。従来理論では、周波数領域と時間領域で別々で解析を行っていたが、本発明では、上記で定義した複素平面上の各種対称群(ベクトル対称群)を用いて、周波数依存量(回転位相角、振幅、電圧電流間位相角、位相角差)と時間依存量(電圧電流瞬時値)の解析を同時に行う。
図1は、回転位相角とリアルタイム周波数との間の対称性を説明するための図である。例えば、上記特許文献3などにおいては、次の関係式に基づいた計算手法を展開している。
図2−1は、複素平面上のゲージ電力群を示す図である。図2−1に示される複素平面上の3個の電圧回転ベクトルは次式で表すことができる。
ゲージ電力群の不変量を調べるために、下記表1に示すようなゲージ電力群のベクトル群表を構築する。
ゲージ電力群の不変量の計算式を導出するために、下記表2に示すようなゲージ電力群の実数群表を構築する。なお、下記実数群表中の各電圧瞬時値としては、電圧回転ベクトルおよび電流回転ベクトルの各実数部を用いているが、それぞれの虚数部を用いてもよい。
以下に、ゲージ電力群による周波数係数の計算式について説明する。
ゲージ電力群の対称性指標として次式を提案する。
上記の計算式から、回転位相角は次式を用いて計算することができる。
回転位相角を計算する際、ノイズの影響を低減するためには、例えば次式に示すような移動平均処理を行うことが有効である。
上記の計算式から、リアルタイム周波数は次式を用いて計算することができる。
リアルタイム周波数を計算する際、ノイズの影響を低減するためには、例えば次式に示すような移動平均処理を行うことが有効である。
ところで、上記特許文献3などもそうであるように、計測の精度を高める場合には、サンプリング周期をより小さく(サンプリング周波数を高く)してデータ数を増やし、増加させた連続するデータを用いて、周波数係数を初めとする各種の交流電気量を算出するというのが基本的な考えであった。しかしながら、データ数を単純に増加させる手法では、データ数の増加に伴って回転位相角も小さくなってしまい、高調波ノイズが大きい場合には、計算結果が高調波ノイズの影響を受けてばらつき、計算精度が高められないことも予想される。そこで、計算に必要なデータを増加させた場合でも、回転位相角の値が小さくならないように、好ましい回転位相角の値を維持しつつ、高調波ノイズの影響を低減することができるように、ゲージサンプリング周期T(ゲージサンプリング周波数fS)とデータ収集サンプリング周期T1(データ収集サンプリング周波数f1)という概念を導入したのが、本発明である。
本願発明者は、図2−2に示した「ゲージ電力群のベクトル乗積空間図」により、ゲージ有効電力を表す計算式として次式を知見し、当該計算式に実数群表の関連乗積を代入して式変形を行った。
ゲージ無効電力もゲージ有効電力と同様に、図2−2に示した「ゲージ電力群のベクトル乗積空間図」により知見した次式の式変形に基づいて導くことができる。
ゲージ有効電力およびゲージ無効電力を計算する際には、ノイズの影響を低減するために、例えば次式に示すような移動平均処理を行うことが有効である。
まず、有効電力の定義式により、有効電力PAは次式を用いて計算することができる。
他の電気量と同様に、有効電力および無効電力を計算する際には、ノイズの影響を低減するため、例えば次式に示すような移動平均処理を行うことが有効である。
上記(20)式および(23)式により、電圧電流間位相角φの正接関数値は次式のように表すことができる。
皮相電力の定義式により、皮相電力Sは次式を用いて計算することができる。
力率の定義式により、力率PFは次式を用いて計算することができる。
ゲージ電力群によれば、インピーダンスを計算することも可能である。具体的には、インピーダンスを表す式は、次式のように表すことができる。
インピーダンスのリアクタンス成分が正(プラス)である場合は次式を用いて計算し、リアクタンス成分が負(マイナス)である場合は次々式を用いて計算することができる。
同様に、インピーダンスのリアクタンス成分が負(マイナス)である場合は次式を用いて計算することができる。
まず、ゲージ有効電力に関し、本願発明においては、次式で示されるゲージ電力群の不変量を提案する。
本願発明者は、図2−2に示した「ゲージ電力群のベクトル乗積空間図」により、ゲージ有効電力を表す他の計算式として次式を知見し、当該計算式に実数群表の関連乗積を代入して式変形を行った。
上記(49)式、すなわちゲージ電力群による周波数係数fCの2乗計算値は、次式のようにゲージ電力群の対称性指標として用いることができる。
ゲージ有効電力と同様にゲージ無効電力についても他の計算式として下式を提案する。
図2−5は、複素平面上の回転電力群を示す図である。図2−5に示される複素平面上の2個の電圧回転ベクトルおよび2個の電流回転ベクトルは、次式および次々式で表すことができる。
回転電力群の不変量を調べるために、下記表3に示すような回転電力群のベクトル群表を構築する。
回転電力群の不変量の計算式を導出するために、下記表4に示すような回転電力群の実数群表を構築する。なお、上述したように実数群表中の電圧瞬時値および電流瞬時値としては、各回転ベクトルの実数部を用いてもよいし虚数部を用いてもよい。
まず、回転電力群においては、次式が成立する。
上記(65)式の式変形により、有効電力を表す次式が得られる。
まず、電圧電流位相角φの正接関数値の計算式は、次式で表すことができる。
皮相電力の定義により、皮相電力の計算式は、次式で表すことができる。
回転電力群により、インピーダンスを計算することができる。インピーダンスの成分のうち、抵抗成分の計算式は次式で表すことができる。
図2−7は、複素平面上のゲージ差分電力群を示す図である。図2−7において、複素平面上の3個の差分電圧回転ベクトルは次式で表すことができる。
ゲージ差分電力群の不変量を調べるために、下記表5に示すようなゲージ差分電力群のベクトル群表を構築する。
ゲージ差分電力群の不変量の計算式を導出するために、下記表6に示すようなゲージ差分電力群の実数群表を構築する。
以下に、ゲージ差分電力群による周波数係数の計算式について説明する。本願発明者は、図2−8に示したゲージ差分電力群の空間ベクトル図を参照し、周波数係数の計算式と実数群表との関係を導き出すべく、以下の式変形を行うと共に、当該変形式に表6に示す実数群表の乗積要素を代入した。
ゲージ差分電力群の対称性指標として次式を提案する。
ゲージ差分電力群による回転位相角およびリアルタイム周波数の計算式は、ゲージ電力群による回転位相角およびリアルタイム周波数の計算式と同一であるため、ここでの説明は省略する。
本願発明者は、図2−8に示した「ゲージ差分電力群のベクトル乗積空間図」によりゲージ差分有効電力を表す計算式として次式を知見した。
本願発明者は、図2−8に示した「ゲージ差分電力群のベクトル乗積空間図」によりゲージ差分無効電力を表す計算式として次式を知見した。
ゲージ差分有効電力およびゲージ差分有効電力を計算する際には、ノイズの影響を低減するために、例えば次式に示すような移動平均処理を行うことが有効である。
上記式を用いれば、ゲージ差分電力群による有効電力PDは次式を用いて計算することができる。
ゲージ差分有効電力およびゲージ差分無効電力を計算する際には、ノイズの影響を低減するために、例えば次式に示すような移動平均処理を行うことが有効である。
上式により、電圧電流間位相角φの正弦関数値は次式のように得られる。
上述の式および皮相電力の定義により、ゲージ差分電力群による皮相電力Sは次式を用いて計算することができる。
ゲージ電力群と同様、ゲージ差分電力群を用いてインピーダンスの計算が可能である。具体的に、インピーダンスを表す式は、次式のように表すことができる。
ゲージ電力群と同様、ゲージ差分電力群を用いてインダクタンス成分およびキャパシタンス成分の計算が可能である。なお、同様な式展開になるため、ここでの式展開は省略する。
まず、本願発明では、次のゲージ差分電力群の不変量を提案する。
また、ゲージ差分有効電力については、上述の式とは異なる別の計算式も想定できる。例えば、次式を用いてもよい。
ゲージ差分電力群の対称性指標として、上記第1の計算式とは異なる次式を提案する。
図2−9は、複素平面上の回転差分電力群を示す図である。図2−9に示される複素平面上の2個の差分電圧回転ベクトルおよび2個の差分電流回転ベクトルは、それぞれ次式および次々式で表すことができる。
回転差分電力群の不変量を調べるために、下記表7に示すような回転差分電力群のベクトル群表を構築する。
回転差分電力群の不変量の計算式を導出するために、下記表8に示すような回転差分電力群の実数群表を構築する。
まず、回転差分電力群においては、次式が成立する。
まず、有効電力の定義式および上述で導いた式により、有効電力Pは次式を用いて計算することができる。
上式等により、電圧電流間位相角の正接関数値は次式のように得られる。
上述の式および皮相電力の定義により、ゲージ差分電力群による皮相電力Sは次式を用いて計算することができる。
回転差分電力群により、インピーダンスの計算が可能である。ここで、インピーダンスの抵抗成分は、次式用いて計算することができる。
ここでは、ゲージ電力群およびゲージ差分電力群を用いた回転位相角およびリアルタイム周波数の計算式について説明する。
交流有効電力量は、次式および次々式を用いて計算することができる。
・ゲージサンプリング周波数:200Hz
・入力波形:正弦波
・入力波形の周波数:0〜200Hzまで可変
・交流電圧振幅:1.0V
・交流電流振幅:0.8A
・交流電圧初期位相角:30度
図3−1は、実施の形態1に係る絶縁監視装置における処理の概念を説明するための図であり、図3−2は、実施の形態1に係る絶縁監視装置の機能構成を示す図であり、図3−3は、この絶縁監視装置における処理の流れを示すフローチャートである。
上記の構成において、交流電圧電流瞬時値データ入力部D102は、電力系統に設けられた計器用変圧器(PT)からの電圧瞬時値および変流器(CT)からの電流瞬時値を読み出す処理を行う。なお、読み出された電圧瞬時値および電流瞬時値のデータは、記憶部D114に格納される。
周波数係数算出部D103は、例えばゲージ差分電力群を用いる上記の計算処理に基づき、再掲する次式を用いて周波数係数を算出する。
対称性破れ判別部D104は、上述したゲージ差分電力群の対称性指標の判定式(再掲する下式)を用いて対称性の破れを判定する。
上式が成立する場合(ステップSD103,Yes)、対称性が破れていると判定し、例えば次式を用いて、前回の周波数係数値をラッチして利用する。
第1の移動平均処理部D105は、再掲する次式を用いて周波数係数の移動平均処理を行う。
ゲージ差分有効電力算出部D106は、再掲する次式を用いて、ゲージ差分有効電力を算出する。
第2の移動平均処理部D107は、例えば次式を用いてゲージ差分有効電力に関する移動平均処理を行う。
ゲージ差分無効電力算出部D108は、再掲する次式を用いてゲージ差分無効電力を算出する。
第3の移動平均処理部D109は、例えば次式を用いてゲージ差分無効電力に関する移動平均処理を行う。
電圧電流間位相角算出部D110は、再掲する次式を用いて電圧電流間位相角を算出する。
第4の移動平均処理部D111は、例えば次式を用いて電圧電流間位相角に関する移動平均処理を行う。
絶縁監視装置D101は、計算した電圧電流間位相角を絶縁監視情報として出力する。また、絶縁監視装置D101は、次式を用いて、アラーム警報を出力する。
絶縁監視装置D101は、処理が終了であるか否かを判定し、処理が終了でなければ(ステップSD113,No)、ステップSD101に戻る。一方、処理が終了であれば(ステップSD113,Yes)、このフローを抜け出る。
次いで、上述した各種計算式の応用例としてインピーダンス測定装置について説明する。図4−1は、実施の形態2に係るインピーダンス測定装置の機能構成を示す図であり、図4−2は、このインピーダンス測定装置における処理の流れを示すフローチャートである。
上記の構成において、交流電圧電流瞬時値データ入力部D202は、電力系統に設けられた計器用変圧器(PT)からの電圧瞬時値および変流器(CT)からの電流瞬時値を読み出す処理を行う。なお、読み出された電圧瞬時値および電流瞬時値のデータは、記憶部D217に格納される。
周波数係数算出部D203は、例えばゲージ差分電力群を用いる上記の計算処理に基づき、再掲する次式を用いて周波数係数を算出する。
対称性破れ判別部D204は、上述したゲージ差分電力群の対称性指標の判定式(再掲する下式)を用いて対称性の破れを判定する。
上式が成立する場合(ステップSD203,Yes)、対称性が破れていると判定し、例えば次式を用いて、前回の周波数係数値をラッチして利用する。
第1の移動平均処理部D205は、再掲する次式を用いて周波数係数の移動平均処理を行う。
回転位相角算出部D206は、再掲する次式を用いて回転位相角を算出する。
第2の移動平均処理部D207は、再掲する次式を用いて回転位相角の移動平均処理を行う。
ゲージ差分電流算出部D208は、次式を用いてゲージ差分電流を算出する。
第3の移動平均処理部D209は、次式を用いてゲージ差分電流の移動平均処理を行う。
ゲージ差分有効・無効電力算出部D210は、再掲する次式および次々式を用いて、ゲージ差分有効・無効電力を算出する。
第4の移動平均処理部D211は、再掲する次式および次々式を用いて、ゲージ差分有効・無効電力に関する移動平均処理を行う。
有効・無効電力算出部D212は、再掲する次式および次々式を用いて有効・無効電力を算出する。
第5の移動平均処理部D213は、次式を用いて有効・無効電力に関する移動平均処理を行う。
抵抗・リアクタンス算出部D214は、次式および次々式を用いてインピーダンスの抵抗成分およびリアクタンス成分を算出する。
第6の移動平均処理部D215は、次式を用いて抵抗およびリアクタンス(次式ではインダクタンス)成分に関する移動平均処理を行う。
インピーダンス測定装置D201は、処理が終了であるか否かを判定し、処理が終了でなければ(ステップSD216,No)、ステップSD201に戻る。一方、処理が終了であれば(ステップSD216,Yes)、このフローを抜け出る。
Claims (18)
- 測定対象となる系統の交流電圧を所定の第1のサンプリング周波数でサンプリングした電圧瞬時値データの中から、前記第1のサンプリング周波数よりも小さく、且つ前記交流電圧の周波数以上となる第2のサンプリング周波数で抽出した連続する少なくとも4点の電圧瞬時値データにおける隣接する2点の電圧瞬時値データ間の先端間距離を表す3点の差分電圧瞬時値データと、当該3点の差分電圧瞬時値データに対応する3点の差分電流瞬時値データとに基づいて、前記差分電圧瞬時値データもしくは前記差分電流瞬時値データが前記第2のサンプリング周波数の1サイクルの間に複素平面上で回転した回転位相角の余弦関数値を周波数係数として算出する周波数係数算出部と、
前記周波数係数を算出する際に用いた3点の差分電圧瞬時値データおよび3点の差分電流瞬時値データのうち、中間時刻における第1の差分電圧瞬時値と中間時刻における第1の差分電流瞬時値との第1積から、前記中間時刻よりも進み側の第2の差分電圧瞬時値と遅れ側の第2の差分電流瞬時値との第2積と、前記中間時刻よりも遅れ側の第3の差分電圧瞬時値と進み側の第3の差分電流瞬時値との第3積との平均値を差し引いた値をゲージ差分有効電力として算出するゲージ差分有効電力算出部と、
前記周波数係数および前記ゲージ差分有効電力に基づいて前記系統の有効電力を算出する有効電力算出部と、
を備えたことを特徴とする電気量測定装置。 - 前記第2の差分電圧瞬時値と前記第1の差分電流瞬時値との第4積と、前記第1の差分電圧瞬時値と前記第2の差分電流瞬時値との第5積との平均値から、前記第1の差分電圧瞬時値と前記第3の差分電流瞬時値との第6積と、前記第3の差分電圧瞬時値と前記第1の差分電流瞬時値との第7積との平均値を差し引いた値をゲージ差分無効電力として算出するゲージ差分無効電力算出部と、
前記周波数係数および前記ゲージ差分無効電力に基づいて前記系統の無効電力を算出する無効電力算出部と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の電気量測定装置。 - 前記ゲージ差分有効電力および前記ゲージ差分無効電力に基づいて前記系統における電圧電流間位相角を算出する電圧電流間位相角算出部を備えたことを特徴とする請求項2に記載の電気量測定装置。
- 前記有効電力および前記無効電力により、前記系統の皮相電力を算出することを特徴とする請求項2に記載の電気量測定装置。
- 前記有効電力および前記無効電力により、前記系統の力率を算出することを特徴とする請求項2に記載の電気量測定装置。
- 測定対象となる系統の交流電圧を所定の第1のサンプリング周波数でサンプリングした電圧瞬時値データの中から、前記第1のサンプリング周波数よりも小さく、且つ前記交流電圧の周波数以上となる第2のサンプリング周波数で抽出した連続する少なくとも4点の電圧瞬時値データにおける隣接する2点の電圧瞬時値データ間の先端間距離を表す3点の差分電圧瞬時値データと、当該3点の差分電圧瞬時値データに対応する3点の差分電流瞬時値データとに基づいて、前記差分電圧瞬時値データもしくは前記差分電流瞬時値データが前記第2のサンプリング周波数の1サイクルの間に複素平面上で回転した回転位相角の余弦関数値を周波数係数として算出する周波数係数算出部と、
前記周波数係数を算出する際に用いた3点の差分電圧瞬時値データおよび3点の差分電流瞬時値データのうち、中間時刻における第1の差分電圧瞬時値と中間時刻における第1の差分電流瞬時値との第1積から、前記中間時刻よりも進み側の第2の差分電圧瞬時値と遅れ側の第2の差分電流瞬時値との第2積を差し引いた値を第1のゲージ差分有効電力として算出すると共に、前記第1積から前記中間時刻よりも遅れ側の第3の差分電圧瞬時値と進み側の第3の差分電流瞬時値との第3積を差し引いた値を第2のゲージ差分有効電力として算出し、これら第1および第2のゲージ差分有効電力の平均値をゲージ差分有効電力として算出するゲージ差分有効電力算出部と、
前記周波数係数および前記ゲージ差分有効電力に基づいて前記系統の有効電力を算出する有効電力算出部と、
を備えたことを特徴とする電気量測定装置。 - 前記第2の差分電圧瞬時値と前記第1の差分電流瞬時値との第4積と、前記第1の差分電圧瞬時値と前記第2の差分電流瞬時値との第5積との平均値から、前記第1の差分電圧瞬時値と前記第3の差分電流瞬時値との第6積と、前記第3の差分電圧瞬時値と前記第1の差分電流瞬時値との第7積との平均値を差し引いた値をゲージ差分無効電力として算出するゲージ差分無効電力算出部と、
前記周波数係数および前記ゲージ差分無効電力に基づいて前記系統の無効電力を算出する無効電力算出部と、
を備えたことを特徴とする請求項6に記載の電気量測定装置。 - 前記周波数係数を用いる際の計算式を判定指標として前記交流電圧の波形の対称性の破れを判定する対称性破れ判別部を備えたことを特徴とする請求項1または6に記載の電気量測定装置。
- 請求項7に記載の電気量測定装置を備え、
前記周波数係数、前記ゲージ差分有効電力および前記ゲージ差分無効電力を用いて前記系統から流出入する交流電圧と交流電流との間の位相角を算出し、この算出した位相角に基づいて前記系統の絶縁性を判定することを特徴とする絶縁監視装置。 - 前記周波数係数を算出する際に用いた3点の差分電流瞬時値データのうち、前記第1の差分電流瞬時値の2乗値から、前記第2の差分電流瞬時値と前記第3の差分電流瞬時値との積を差し引いた値の平方根をゲージ差分電流として算出するゲージ差分電流算出部を備えたことを特徴とする請求項2または7に記載の電気量測定装置。
- 請求項10に記載の電気量測定装置を備え、
前記ゲージ差分有効電力およびゲージ差分電流に基づいて前記系統におけるインピーダンスのうちの抵抗成分を算出することを特徴とするインピーダンス測定装置。 - 請求項10に記載の電気量測定装置を備え、
前記周波数係数、前記ゲージ差分無効電力およびゲージ差分電流に基づいて前記系統におけるインピーダンスのうちのリアクタンス成分を算出することを特徴とするインピーダンス測定装置。 - 測定対象となる系統の交流電圧を所定の第1のサンプリング周波数でサンプリングした電圧瞬時値データの中から、前記第1のサンプリング周波数よりも小さく、且つ前記交流電圧の周波数以上となる第2のサンプリング周波数で抽出した連続する少なくとも4点の電圧瞬時値データにおける隣接する2点の電圧瞬時値データ間の先端間距離を表す3点の差分電圧瞬時値データと、当該3点の差分電圧瞬時値データに対応する3点の差分電流瞬時値データとに基づいて、前記差分電圧瞬時値データもしくは前記差分電流瞬時値データが前記第2のサンプリング周波数の1サイクルの間に複素平面上で回転した回転位相角を算出すると共に、算出した回転位相角の余弦関数値を周波数係数として算出する周波数係数算出部と、
前記第2のサンプリング周波数と前記周波数係数を用いて系統のリアルタイム周波数を算出する周波数算出部と、
を備え、
前記リアルタイム周波数が前記第2のサンプリング周波数の1/2よりも小さい場合には、前記回転位相角は正の値をとり、
前記リアルタイム周波数が前記第2のサンプリング周波数の1/2よりも大きく、且つ前記第2のサンプリング周波数よりも小さい場合には、前記回転位相角は負の値をとる
ことを特徴とする電気量測定装置。 - 前記回転位相角が零の値をとるとき、前記リアルタイム周波数を前記第2のサンプリング周波数の1/2として算出することを特徴とする請求項13に記載の電気量測定装置。
- 前記回転位相角と、この回転位相角を算出する際に用いた4点の電圧瞬時値データのうちの連続する3点の差分電圧瞬時値データとに基づいて前記系統の有効電力を算出する有効電力算出部を備えたことを特徴とする請求項13に記載の電気量測定装置。
- 測定対象となる系統の交流電圧を所定の第1のサンプリング周波数でサンプリングした電圧瞬時値データの中から、前記第1のサンプリング周波数よりも小さく、且つ前記交流電圧の周波数以上となる第2のサンプリング周波数で抽出した連続する少なくとも4点の電圧瞬時値データにおける隣接する2点の電圧瞬時値データ間の先端間距離を表す3点の差分電圧瞬時値データと、当該3点の差分電圧瞬時値データに対応する3点の差分電流瞬時値データとに基づいて、前記差分電圧瞬時値データもしくは前記差分電流瞬時値データが前記第2のサンプリング周波数の1サイクルの間に複素平面上で回転し、前記系統のリアルタイム周波数が前記第2のサンプリング周波数の1/2よりも小さい場合には正の値をとり、前記系統のリアルタイム周波数が前記第2のサンプリング周波数の1/2よりも大きく、且つ前記第2のサンプリング周波数よりも小さい場合には負の値をとる回転位相角を算出すると共に、算出した回転位相角の余弦関数値を周波数係数として算出するステップと、
前記第2のサンプリング周波数と前記周波数係数を用いて前記系統のリアルタイム周波数を算出するステップと、
を含むことを特徴とする電気量測定方法。 - 測定対象となる系統の交流電圧を所定の第1のサンプリング周波数でサンプリングした電圧瞬時値データの中から、前記第1のサンプリング周波数よりも小さく、且つ前記交流電圧の周波数以上となる第2のサンプリング周波数で抽出した連続する少なくとも4点の電圧瞬時値データにおける隣接する2点の電圧瞬時値データ間の先端間距離を表す3点の差分電圧瞬時値データと、当該3点の差分電圧瞬時値データに対応する3点の差分電流瞬時値データとに基づいて、前記差分電圧瞬時値データもしくは前記差分電流瞬時値データが前記第2のサンプリング周波数の1サイクルの間に複素平面上で回転した回転位相角の余弦関数値を周波数係数として算出するステップと、
前記周波数係数を算出する際に用いた3点の差分電圧瞬時値データおよび3点の差分電流瞬時値データのうち、中間時刻における第1の差分電圧瞬時値と中間時刻における第1の差分電流瞬時値との第1積から、前記中間時刻よりも進み側の第2の差分電圧瞬時値と遅れ側の第2の差分電流瞬時値との第2積と、前記中間時刻よりも遅れ側の第3の差分電圧瞬時値と進み側の第3の差分電流瞬時値との第3積との平均値を差し引いた値をゲージ差分有効電力として算出するステップと、
前記周波数係数および前記ゲージ差分有効電力に基づいて前記系統の有効電力を算出するステップと、
を含むことを特徴とする電気量測定方法。 - 測定対象となる系統の交流電圧を所定の第1のサンプリング周波数でサンプリングした電圧瞬時値データの中から、前記第1のサンプリング周波数よりも小さく、且つ前記交流電圧の周波数以上となる第2のサンプリング周波数で抽出した連続する少なくとも4点の電圧瞬時値データにおける隣接する2点の電圧瞬時値データ間の先端間距離を表す3点の差分電圧瞬時値データと、当該3点の差分電圧瞬時値データに対応する3点の差分電流瞬時値データとに基づいて、前記差分電圧瞬時値データもしくは前記差分電流瞬時値データが前記第2のサンプリング周波数の1サイクルの間に複素平面上で回転した回転位相角の余弦関数値を周波数係数として算出するステップと、
前記周波数係数を算出する際に用いた3点の差分電圧瞬時値データおよび3点の差分電流瞬時値データのうち、中間時刻における第1の差分電圧瞬時値と中間時刻における第1の差分電流瞬時値との第1積から、前記中間時刻よりも進み側の第2の差分電圧瞬時値と遅れ側の第2の差分電流瞬時値との第2積を差し引いた値を第1のゲージ差分有効電力として算出すると共に、前記第1積から前記中間時刻よりも遅れ側の第3の差分電圧瞬時値と進み側の第3の差分電流瞬時値との第3積を差し引いた値を第2のゲージ差分有効電力として算出し、これら第1および第2のゲージ差分有効電力の平均値をゲージ差分有効電力として算出するステップと、
前記周波数係数および前記ゲージ差分有効電力に基づいて前記系統の有効電力を算出するステップと、
を含むことを特徴とする電気量測定方法。
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