JP5214074B1 - 電気量測定装置および電気量測定方法 - Google Patents

電気量測定装置および電気量測定方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5214074B1
JP5214074B1 JP2012554910A JP2012554910A JP5214074B1 JP 5214074 B1 JP5214074 B1 JP 5214074B1 JP 2012554910 A JP2012554910 A JP 2012554910A JP 2012554910 A JP2012554910 A JP 2012554910A JP 5214074 B1 JP5214074 B1 JP 5214074B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
voltage
frequency
instantaneous value
value data
gauge
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012554910A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2014027423A1 (ja
Inventor
建平 関
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Application granted granted Critical
Publication of JP5214074B1 publication Critical patent/JP5214074B1/ja
Publication of JPWO2014027423A1 publication Critical patent/JPWO2014027423A1/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01RMEASURING ELECTRIC VARIABLES; MEASURING MAGNETIC VARIABLES
    • G01R19/00Arrangements for measuring currents or voltages or for indicating presence or sign thereof
    • G01R19/25Arrangements for measuring currents or voltages or for indicating presence or sign thereof using digital measurement techniques
    • G01R19/2513Arrangements for monitoring electric power systems, e.g. power lines or loads; Logging
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01RMEASURING ELECTRIC VARIABLES; MEASURING MAGNETIC VARIABLES
    • G01R23/00Arrangements for measuring frequencies; Arrangements for analysing frequency spectra
    • G01R23/02Arrangements for measuring frequency, e.g. pulse repetition rate; Arrangements for measuring period of current or voltage
    • G01R23/12Arrangements for measuring frequency, e.g. pulse repetition rate; Arrangements for measuring period of current or voltage by converting frequency into phase shift
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01RMEASURING ELECTRIC VARIABLES; MEASURING MAGNETIC VARIABLES
    • G01R19/00Arrangements for measuring currents or voltages or for indicating presence or sign thereof
    • G01R19/0007Frequency selective voltage or current level measuring
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01RMEASURING ELECTRIC VARIABLES; MEASURING MAGNETIC VARIABLES
    • G01R19/00Arrangements for measuring currents or voltages or for indicating presence or sign thereof
    • G01R19/25Arrangements for measuring currents or voltages or for indicating presence or sign thereof using digital measurement techniques
    • G01R19/252Arrangements for measuring currents or voltages or for indicating presence or sign thereof using digital measurement techniques using analogue/digital converters of the type with conversion of voltage or current into frequency and measuring of this frequency
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01RMEASURING ELECTRIC VARIABLES; MEASURING MAGNETIC VARIABLES
    • G01R23/00Arrangements for measuring frequencies; Arrangements for analysing frequency spectra
    • G01R23/02Arrangements for measuring frequency, e.g. pulse repetition rate; Arrangements for measuring period of current or voltage
    • G01R23/06Arrangements for measuring frequency, e.g. pulse repetition rate; Arrangements for measuring period of current or voltage by converting frequency into an amplitude of current or voltage
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01RMEASURING ELECTRIC VARIABLES; MEASURING MAGNETIC VARIABLES
    • G01R19/00Arrangements for measuring currents or voltages or for indicating presence or sign thereof
    • G01R19/25Arrangements for measuring currents or voltages or for indicating presence or sign thereof using digital measurement techniques
    • G01R19/2506Arrangements for conditioning or analysing measured signals, e.g. for indicating peak values ; Details concerning sampling, digitizing or waveform capturing
    • G01R19/2509Details concerning sampling, digitizing or waveform capturing

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Measurement Of Current Or Voltage (AREA)
  • Measuring Frequencies, Analyzing Spectra (AREA)

Abstract

周波数係数算出部は、測定対象となる交流電圧を所定のデータ収集サンプリング周波数でサンプリングした電圧瞬時値データの中から、データ収集サンプリング周波数よりも小さく、且つ、当該交流電圧の周波数以上となるゲージサンプリング周波数で抽出した連続する少なくとも4点の電圧瞬時値データにおける隣接する2点の電圧瞬時値データ間の先端間距離を表す3点の差分電圧瞬時値データ(v21,v22,v23)のうち、中間時刻以外の差分電圧瞬時値の和(v21+v23)の平均値((v21+v23)/2)を中間時刻における差分電圧瞬時値(v22)で正規化した値((v21+v23)/(2v22))を周波数係数(fC)として算出する。

Description

本発明は、電気量測定装置および電気量測定方法に関する。
近年、電力系統内の潮流が複雑化するにつれ、信頼性および品質の高い電力の供給が要求されるようになっており、特に、電力系統の電気量(交流電気量)を測定する交流電気量測定装置の性能向上の必要性は、ますます高くなっている。
従来、この種の交流電気量測定装置としては、例えば下記特許文献1,2に示されたものがある。特許文献1(広域保護制御計測システム)および特許文献2(保護制御計測システム)では、位相角の変化成分(微分成分)を定格周波数(50Hzまたは60Hz)からの変化分として実系統の周波数を求める手法を開示している。
これらの文献では、実系統の周波数を求める計算式として、次式を開示しているが、これらの計算式は、下記非特許文献1が提示する計算式でもある。
2πΔf=dφ/dt
f(Hz)=60+Δf
なお、下記特許文献3は、本願発明者による先願特許発明であり、この発明の内容については適宜後述する。
特開2009−65766号公報 特開2009−71637号公報 特許第4874438号公報
上記のように、特許文献1,2および非特許文献1に示される手法は、位相角の変化成分を微分計算によって求める手法である。しかしながら、実系統の周波数瞬時値の変化は頻繁かつ複雑であり、微分計算は非常に不安定である。このため、例えば周波数測定に関し、充分な計算精度が得られないという課題があった。
また、これらの手法は、定格周波数(50Hzまたは60Hz)を初期値として計算するため、計算の開始時において、測定対象が系統定格周波数から外れて動作している場合には、測定誤差が生じることになり、系統定格周波数からの外れ度合いが大きい場合には、測定誤差が非常に大きくなるという課題があった。
一方、本願発明者は、交流電圧/交流電流の対称性を発見し、対称性理論の群論を交流システムに導入する提案を行い、日本国にて特許登録がなされている(上記特許文献3)。なお、この特許文献3では、交流電気量の測定手法を開示しているが、交流電気量のみならず、交流電気量に重畳する直流電気量を測定することも望まれている。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、測定対象が系統定格周波数から外れて動作している場合であっても、高精度な電気量(交流電気量および直流電気量)の測定を可能とする電気量測定装置および電気量測定方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、測定対象となる交流電圧を所定の第1のサンプリング周波数でサンプリングした電圧瞬時値データの中から、前記第1のサンプリング周波数よりも小さく、且つ前記交流電圧の周波数以上となる第2のサンプリング周波数で抽出した連続する少なくとも4点の電圧瞬時値データにおける隣接する2点の電圧瞬時値データ間の先端間距離を表す3点の差分電圧瞬時値データのうち、中間時刻以外の差分電圧瞬時値の和の平均値を中間時刻における差分電圧瞬時値で正規化した値の逆余弦値を隣接する電圧瞬時値データ間の回転位相角として算出する回転位相角算出部と、前記第2のサンプリング周波数と前記回転位相角を用いて前記交流電圧の周波数を算出する周波数算出部と、を備えたことを特徴とする。
この発明によれば、測定対象が系統定格周波数から外れて動作している場合であっても高精度な電気量の測定が可能になるという効果を奏する。
図1は、回転位相角とリアルタイム周波数との間の対称性を説明するための図である。 図2は、正数回転位相角を用いた複素平面上のゲージ電圧群を示す図である。 図3は、負数回転位相角を用いた複素平面上のゲージ電圧群を示す図である。 図4は、ゲージ電圧群のベクトル乗積要素を複素平面上に示した図である。 図5は、ゲージサンプリング周期Tとデータ収集サンプリング周期T1との関係を説明する図である。 図6は、複素平面上の回転電圧群を示す図である。 図7は、回転電圧群のベクトル乗積要素を複素平面上に表した図である。 図8は、正数回転位相角を用いた複素平面上のゲージ差分電圧群を示す図である。 図9は、負数回転位相角を用いた複素平面上のゲージ差分電圧群を示す図である。 図10は、ゲージ差分電圧群のベクトル乗積要素を複素平面上に示した図である。 図11は、ゲージ電圧とゲージ差分電圧による特性三角形を示す図である。 図12は、複素平面上の回転差分電圧群を示す図である。 図13は、回転差分電圧群のベクトル乗積要素を複素平面上に表した図である。 図14は、直流成分を有する場合の複素平面上のゲージ電圧群を示す図である。 図15は、ゲージサンプリング周波数200Hzにおける周波数係数の周波数特性図である。 図16は、ゲージサンプリング周波数200Hzにおける回転位相角の周波数特性図である。 図17は、ゲージサンプリング周波数200Hzにおける電圧振幅測定値の周波数ゲイン特性図である。 図18は、ゲージサンプリング周波数200Hzにおける周波数測定値の周波数ゲイン特性図である。 図19は、実施の形態1に係るリアルタイム周波数測定装置の機能構成を示す図である。 図20は、実施の形態1のリアルタイム周波数測定装置における処理の流れを示すフローチャートである。 図21は、ケース1における電圧瞬時値波形を示す図である。 図22は、ケース1における周波数係数の測定結果を示す図である。 図23は、ケース1における回転位相角の測定結果を示す図である。 図24は、ケース1におけるリアルタイム周波数の測定結果を示す図である。 図25は、ケース2における電圧瞬時値波形を示す図である。 図26は、ケース2における周波数係数の測定結果を示す図である。 図27は、ケース2における回転位相角の測定結果を示す図である。 図28は、ケース2におけるリアルタイム周波数の測定結果を示す図である。 図29は、ケース3における第1の電圧瞬時値波形を示す図である。 図30は、ケース3における第2の電圧瞬時値波形を示す図である。 図31は、ケース3における周波数係数の測定結果を示す図である。 図32は、ケース3における回転位相角の測定結果を示す図である。 図33は、ケース3におけるリアルタイム周波数の測定結果を示す図である。 図34は、実施の形態2に係る電圧測定装置の機能構成を示す図である。 図35は、実施の形態2の電圧測定装置における処理の流れを示すフローチャートである。 図36は、ケース4における電圧瞬時値波形および直流電圧が重畳した交流電圧振幅の測定結果を示す図である。 図37は、ケース4における交流電圧振幅の測定結果を示す図である。 図38は、ケース4における直流電圧の測定結果を示す図である。 図39は、ケース5における電圧瞬時値波形および直流電圧が重畳した交流電圧振幅の測定結果を示す図である。 図40は、ケース5における交流電圧振幅の測定結果を示す図である。 図41は、ケース5における直流電圧の測定結果を示す図である。
以下に添付図面を参照し、本発明の実施の形態に係る電気量測定装置および電気量測定方法について説明する。なお、以下に示す実施の形態により本発明が限定されるものではない。
(用語の意味)
まず、本実施の形態に係る電気量測定装置および電気量測定方法を説明するにあたり、本願明細書で使用する用語について説明する。
・複素数:実数a,bと虚数単位jを用いてa+jbの形で表される数である。電気工学ではiが電流符号であるため、虚数単位はj=√(−1)で表す。本願では複素数を用いて、回転ベクトルを表現する。
・複素平面:複素数を2次元平面上の点とし、実部(Re)を横軸に、虚部(Im)を縦軸にとった直角座標で複素数を表す平面である。
・回転ベクトル:電力系統の電気量(電圧あるいは電流)に関する複素平面上で反時計回りに回転するベクトルである。回転ベクトルの実数部は瞬時値である。
・差分回転ベクトル:サンプリング周波数1サイクル前後2点の回転ベクトルの差分ベクトルである。差分回転ベクトルの実数部はサンプリング周波数1サイクル前後2点の瞬時値の差分である。
・対称群:複素平面上で回転している対称性を有するグループである。
・不変量:対称群が回転した前後において、変化しないパラメータである。本願における不変量には、回転位相角、周波数係数、ゲージ電圧、ゲージ差分電圧などがある。なお、不変量が分かれば、対称群の特性も分かる。
・ベクトル群表:対称群における所定のメンバー(ベクトル変数)同士の積(掛け算)で表される表(テーブル)である。対称群の不変量を調べるためのロードマップになる。
・実数群表:対称群における所定のメンバー(実数変数)同士の積(掛け算)で表される表(テーブル)である。
・リアルタイム周波数:電力系統における現実の周波数である。この実周波数は、電力系統が安定であっても、定格周波数の近傍で微妙に変動している。本願において、リアルタイム周波数はfで表現する。リアルタイム周波数fの単位はヘルツ(Hz)である。また、電気回路等における角周波数ωは、ω=2πfで表され、その単位は(rad/s)である。
・データ収集サンプリング周波数:データ収集時のサンプリング周波数(第1のサンプリング周波数)であり、記号fで表す。このデータ収集サンプリング周波数fは、高いほうが精度がよい。なお、ゲージサンプリング周期Tと同様にデータ収集サンプリング周期Tは、データ収集サンプリング周波数fの逆数として、T=1/fで表される。
・ゲージサンプリング周波数:ゲージ対称群の計算に使用されるサンプリング周波数(第2のサンプリング周波数)であり、記号fで表す。よって、ゲージサンプリング周期Tは、ゲージサンプリング周波数fの逆数として、T=1/fで表される。なお、T,Tの間には、T>Tの関係がある。
・系統周波数:基本的には、電力系統における定格周波数を意味し、50Hz、60Hzの2種類がある。
・回転位相角:電圧回転ベクトル(単に「電圧ベクトル」と称する場合もある)あるいは電流回転ベクトル(単に「電流ベクトル」と称する場合もある)がゲージサンプリン周波数1サイクルの間に複素平面上で回転した位相角であり、αで表す。なお、回転位相角αは周波数依存量であり、後述のように、αが正数の場合には、α=2π(f/f)で計算し、αが負数の場合には、α=2π{(f/f)−1}で計算する。また、αが零の場合、ゲージサンプリング周波数fとリアルタイム周波数fとの間には、f=f/2の関係がある。
・周波数係数:回転位相角αの余弦関数値であり、fで表す。本願の全てのゲージ対称群にはそれぞれの周波数係数の計算式がある。なお、周波数係数fを対称性指標として利用すれば、交流であるかどうかの判別が可能となる。
・移動平均処理:所定数の直近データを用いて行う単純な平均処理である。なお、移動平均処理を行うことにより、測定誤差および相加性ガウス雑音の影響を小さくすることができる。
・ゲージ電圧群:時系列的に連続した3つの電圧ベクトルにより構成される対称群である。なお、電圧以外の電流、電力(有効電力、無効電力)についても同様な対称群の概念が定義可能である。
・ゲージ電圧:ゲージ電圧群により計算される電圧不変量である。
・ゲージ差分電圧群:時系列的に連続した3つの差分電圧ベクトルにより構成される対称群である。
・ゲージ差分電圧:ゲージ差分電圧群により計算される差分電圧不変量である。
・回転電圧群:連続した2つの電圧ベクトルにより構成される対称群である。実測の電圧瞬時値は電圧ベクトルの実数部に相当する。
・回転差分電圧群:連続した2つの差分電圧ベクトルにより構成される対称群である。
・対称性の破れ:入力波形が純粋な正弦波から崩れること。振幅急変、位相急変、あるいは周波数急変により、入力波形の対称性が破れる。この対称性の破れを判定(検出)するための指標が対称性指標である。
(本発明の要旨)
本発明は、スマートグリッドの基本技術となる電気量測定装置に関する発明であり、その要旨の1つは、回転位相角を通じて周波数領域と瞬時値領域とを同時に扱うことにあり、より具体的には、交流電圧および交流電流ならびに、これらの交流電圧および交流電流に含まれる直流成分(直流電圧および直流電流)の構造を対称性の群でモデル化する点にある。従来理論では、周波数領域と時間領域で別々で解析を行っていたが、本発明では、上記で定義した複素平面上の各種対称群(ベクトル対称群)を用いて、周波数依存量(回転位相角、周波数係数、リアルタイム周波数、振幅)と時間依存量(電圧電流瞬時値)の解析を同時に行う。
本発明の最上位の概念は、回転位相角とリアルタイム周波数との対称性である(図1参照)。本発明によれば、負値をとる回転位相角(以下「負数回転位相角」と称する)を導入することにより、ゲージサンプリング周波数に対応する全領域の周波数を測定することができる(従来手法では、サンプリング周波数(本発明ではゲージサンプリング周波数)の1/2以下の周波数のみを確定することができる)。つまり、本発明の対称群測定理論によれば、従来よりも測定範囲を2倍に拡大したことになる。
また、本発明の第2の要旨は、対称群のベクトル群表を生成し、ベクトル乗積空間で対称群の構造を調べ、それから同じ対称群の実数群表を生成し、具体的な不変量の計算式を導くことにある。ベクトル群表は対称群の不変量を調べるロードマップである。本願発明者は、これまでの出願において、ゲージ差分電圧群における周波数係数、ゲージ電圧などの各種不変量を見つけてきた。しかしながら、対称群の不変量は何個あり、また、それぞれの不変量の計算式はどのような構造になっているのかなど、一般的な答えを見いだせていなかった。
一方、本発明では、2種類の群表を提案することにより、これまでの不変量の上位の概念に相当する新たな不変量(新たに定義される不変量)を見いだすことができた。なお、本発明を具体的なアプリケーションに適用する場合には、リストされた不変量の中で実用的な不変量を選択すればよい。
また、本発明の第3の要旨は、ゲージサンプリング周波数とデータ収集サンプリング周波数とを分離させる手法を提案することにある。この手法を用いれば、高速かつ高精度な測定が可能となる。
さらに、本発明の第4の要旨は、交流電気量のみならず直流電気量を測定する手法を提案することにある。この特徴により、本発明においては、従来からの発明名称「交流電気量測定装置(方法)」を「電気量測定装置(方法)」に変更した。
つぎに、本実施の形態に係る電気量測定装置および電気量測定方法を説明する。この説明にあたり、まず、本実施の形態の要旨を成す電気量測定手法の概念(アルゴリズム)について説明し、その後、この手法の適用装置である本実施の形態に係る電気量測定装置の構成および動作ならびに、この手法を適用した本実施の形態に係る電気量測定方法について説明する。なお、以下の説明において、アルファベットの小文字表記のうち、括弧付のもの(例えば“v(t)”)は、ベクトルを表し、括弧無しのもの(例えば“v2”)は、瞬時値を表すものとする。また、アルファベットの大文字表記(例えば“Vg”)は、実効値もしくは振幅値を表すものとする。
(回転位相角とリアルタイム周波数の対称性)
図1は、回転位相角とリアルタイム周波数との間の対称性を説明するための図である。例えば、上記特許文献3などにおいては、次の関係式に基づいた計算手法を展開している。
Figure 0005214074
上式において、fはリアルタイム周波数、fはゲージサンプリング周波数、αは回転位相角である。また、回転位相角αは零からπまでの正数であり、測定範囲もサンプリング定理の限界と同じであるゲージサンプリング周波数の1/2以下である。その後、本願発明者は、マイナスπから零までの負数回転位相角を導入すれば、次の関係式が真であることを知見した。
Figure 0005214074
上記2式より、図1に示すように、ゲージサンプリング周波数をミラーとし、回転位相角とリアルタイム周波数との間に1対1の対称関係を樹立させることができ、その結果として、サンプリング定理の計測範囲を倍増することが可能となる。このように、本願手法は、回転位相角を介し、周波数領域だけでなく瞬時値領域にも計算範囲を拡大している。これに対し、サンプリング定理は、フーリエ変換をベースにした周波数領域のみアルゴリズムであると言うことができる。
上記よりまとめると、リアルタイム周波数を用いた回転位相角の表現式は以下の通りになる。
Figure 0005214074
上式により、正数の回転位相角(第1式)と負数の回転位相角(第2式)とが零に対して対称性を有していることがわかる。この式からも分かるように、本願の至るところの数式に対称性が存在している。対称性は、本願の指針である。
また、同様に、回転位相角を用いたリアルタイム周波数の表現式は以下の通りになる。
Figure 0005214074
上記2式から明らかなように、回転位相角が分かれば、リアルタイム周波数も分かる。更に、リアルタイム周波数が分かれば、対称群の計算により周波数補正機能を有する高精度の他の電気量測定も可能となる。
以下に、幾つかの対称群を生成し、回転位相角と対称群の他の不変量を求め、各種電気量を測定する手法を提案する。
(複素平面上のゲージ電圧群)
図2は、正数回転位相角を用いた複素平面上のゲージ電圧群を示す図である。図2に示される複素平面上の3個の電圧回転ベクトルは次式で表すことができる。
Figure 0005214074
上式において、Vは交流電圧振幅、ωは回転角速度、Tはゲージサンプリング周波の数時間刻み幅、αはTにおける回転位相角である。図2において、両側2個の電圧回転ベクトルv(t),v1(t-2T)は、中間の電圧回転ベクトルv1(t-T)に対し、対称性を有している。更に、別の時間において、これら3個の電圧回転ベクトルが回転し、別の場所にあっても、各2者間の位相角差である回転位相角αは変化しない。この性質を回転不変性と称し、このような回転不変性の性質を有する3個の電圧回転ベクトルをケージ電圧群と定義する。
(負数回転位相角)
図3は、負数回転位相角を用いた複素平面上のゲージ電圧群を示す図である。電圧回転ベクトル同士間の回転位相角が180度より大きい場合、次式で定義される負数回転位相角を使用する。
Figure 0005214074
上式において、αrealは、実際のゲージ電圧群のメンバー同士間の位相角であり、180度と360度との間の値をとる正数である。図3に示すように、この場合においても、ゲージ電圧群のメンバー同士間の対称性(中間回転ベクトルに対する対称性)を有していることが分かる。つまり、ゲージ電圧群の回転位相角はマイナスになっても回転不変性を有している。
(ゲージ電圧群のベクトル群表)
ゲージ電圧群の不変量を調べるために、下記表1に示すようなゲージ電圧群のベクトル群表を構築する。
Figure 0005214074
上記のベクトル群表に示される電圧回転ベクトルは、複素数状態変数である。上表の“×”記号は表側の要素と表頭の要素との乗算を行うことを意味する。このとき、ゲージ電圧群のベクトル群表の各乗積要素は次式のように表すことができる。
Figure 0005214074
上式に基づく各要素を複素平面上に表した図が図4である。ここで、2つのベクトルの乗積演算により生成した空間をベクトル乗積空間と呼ぶ。このベクトル乗積空間を利用して、交流正弦波に内在する対称性が見えるようになった。ベクトル乗積空間において、各ベクトル乗積要素は、2ωの角速度で反時計周りに回転する。以下に3つの対称性を選んで説明を行う。
対称性を有する第1の組は、各回転ベクトルの中間軸(図4の例では実軸(Re軸))に位置するv 2(t-T)とv(t)v1(t-2T)の組であり、下式のように、両者のベクトル乗積の結果は等しくなる。
Figure 0005214074
後述の計算式にて明らかになるが、以前(例えば上記特許文献3)より提案してきたゲージ電圧は、これらの組により構成される。
対称性を有する第2の組は、v(t)v1(t-T)とv(t-T)v1(t-2T)の組であり、両者は中間軸に対して位相差αを有している。後述の計算式により、この組で周波数係数を構成することができる。
対称性を有する第3の組は、v 2(t)とv 2(t-2T)の組であり、両者は中間軸に対して位相差2αを有している。後述の計算式により、この組と中間の回転ベクトルv(t-T)により、自乗式のみのゲージ電圧を構成することができる。
このように、ゲージ電圧群のベクトル群表を用いて作成したベクトル乗積空間図を利用すれば、ゲージ電圧群の対称性を直観的に調べることができる。
(ゲージ電圧群の実数群表)
ゲージ電圧群の不変量の計算式を導出するために、下記表2に示すようなゲージ電圧群の実数群表を構築する。なお、上記実数群表中の各電圧瞬時値としては、電圧回転ベクトルの実数部を用いているが、電圧回転ベクトルの虚数部を用いてもよい。
Figure 0005214074
つぎに、ゲージ電圧群の実数群表について説明する。まず、表2の組の構成要素である各瞬時値要素は次式で表すことができる。
Figure 0005214074
上式において、“Re”は複素数の実数部を示す。また、上式により、表2に示される各乗積要素は次式のように表すことができる。
Figure 0005214074
つぎに、このゲージ電圧群の実数群表の各乗積要素を利用し、ゲージ電圧群に関係する各種不変量の計算式を説明する。
(ゲージ電圧群による周波数係数の計算式)
以下に、ゲージ電圧群による周波数係数の計算式について説明する。本願発明者は、図4に示したゲージ電圧群の空間ベクトル図を参照し、上記特許文献3などにおいて提案した周波数係数の計算式と実数群表との関係を導き出すべく、以下の式変形を行うと共に、当該変形式に表2に示す実数群表の乗積要素を代入した。
Figure 0005214074
上記の式変形から明らかなように、ゲージ電圧群の周波数係数fCは実数群表の乗積要素を用いて計算することができる。
つぎに、電圧瞬時値として電圧回転ベクトルの虚数部を用いてもよいことについて検証する。まず、v(t),v(t-T),v1(t-2T)の虚数部瞬時値は次式で表すことができる。
Figure 0005214074
上式において、“Im”は複素数の虚数部を示す。また、上式により、表2に示される各乗積要素は次式のように表すことができる。
Figure 0005214074
よって、上述した(11)式に上記各乗積要素を代入すれば、次式のように式変形することができる。
Figure 0005214074
上記(11)および(14)式から明らかなように、電圧瞬時値として電圧回転ベクトルの実数部を用いても虚数部を用いても、同じ周波数係数が得られる。なお、ゲージ電圧群の他の不変量および本願発明における他の対称群の不変量も同様であり、回転ベクトルの実数部を用いても虚数部を用いても同じ計算結果が導かれる。よって、これ以後、実数瞬時値を用いる場合についてのみ説明し、虚数瞬時値を用いる説明については省略する。
(ゲージ電圧群の対称性指標)
ゲージ電圧群の対称性指標として次式を提案する。
Figure 0005214074
ここで、上式を満足する場合、v(t),v(t-T),v1(t-2T)により構築したゲージ電圧群の対称性が破れる。このため、ゲージ電圧群の対称性が破れた時点において、対称性が破れる前の計算値をラッチする。一方、上式を満足しない場合、対称性は破れてないと判定し、現在の計算値を使用する。なお、これらのステップを省略し、ゲージ差分電圧群を用いて計算を行うことも可能である。ただし、ゲージ電圧群を用いた計算結果はゲージ差分電圧群を用いた計算結果より対称群計算刻み幅の1ステップ(ゲージサンプリング周波数が240Hzとする場合、1ステップ時間刻み幅は4.167msである)分早く得られる。すなわち、対称性がある場合には、ゲージ電圧群を用いる方が高速性を有することが分かる。
(ゲージ電圧群による回転位相角)
上記の計算式から、回転位相角は次式を用いて計算することができる。
Figure 0005214074
(回転位相角の移動平均)
回転位相角を計算する際、ノイズの影響を低減するためには、例えば次式に示すような移動平均処理を行うことが有効である。
Figure 0005214074
上式において、T1はデータ収集サンプリング周期(詳細は後述)、Mは現時点を含む移動平均処理のためのデータ数(データ収集サンプリング点数)である。
(ゲージ電圧群によるリアルタイム周波数)
上記の計算式から、リアルタイム周波数は次式を用いて計算することができる。
Figure 0005214074
上式において、fはリアルタイム周波数、fSはゲージサンプリング周波数(詳細は後述)である。
(リアルタイム周波数の移動平均処理)
リアルタイム周波数を計算する際、ノイズの影響を低減するためには、例えば次式に示すような移動平均処理を行うことが有効である。
Figure 0005214074
上式において、T1はデータ収集サンプリング周期、Mは現時点を含む移動平均処理のためのデータ数(データ収集サンプリング点数)である。
(ゲージ電圧の定義と計算式(第1の計算式))
本願発明者は、図4に示した「ゲージ電圧群のベクトル乗積空間図」によりゲージ電圧の自乗値(2乗値)を表す計算式として次式を知見し、当該計算式に実数群表の関連乗積を代入して式変形を行った。
Figure 0005214074
上式により、ゲージ電圧値は次式を用いて計算することができる。
Figure 0005214074
(データ収集サンプリング周波数とゲージサンプリング周波数の分離)
ところで、上記特許文献3などもそうであるように、計測の精度を高める場合には、サンプリング周期をより小さく(サンプリング周波数を高く)してデータ数を増やし、増加させた連続するデータを用いて、周波数係数を初めとする各種の交流電気量を算出するというのが基本的な考えであった。しかしながら、データ数を単純に増加させる手法では、データ数の増加に伴って回転位相角も小さくなってしまい、高調波ノイズが大きい場合には、計算結果が高調波ノイズの影響を受けてばらつき、計算精度が高められないことも予想される。そこで、計算に必要なデータを増加させた場合でも、回転位相角の値が小さくならないように、好ましい回転位相角の値を維持しつつ、高調波ノイズの影響を低減することができるように、ゲージサンプリング周期T(ゲージサンプリング周波数fs)とデータ収集サンプリング周期T1(データ収集サンプリング周波数f1)という概念を導入したのが、本発明である。
図5は、ゲージサンプリング周期Tとデータ収集サンプリング周期T1との関係を説明する図である。図5において、ゲージサンプリング周波数fs(ゲージサンプリング周期T)と、データ収集サンプリング周波数f1(データ収集サンプリング周期T1)との間には、次式に示す関係がある。
Figure 0005214074
上式において、nは正の整数であり、図5の例ではn=4の場合を例示している。
図5において、現時点(時刻t)におけるゲージ電圧群(ゲージ電圧群1)のメンバーは以下の通りである。
Figure 0005214074
また、現時刻よりもT1時刻前(時刻t−T1)のゲージ電圧群(ゲージ電圧群2)のメンバーは以下の通りである。
Figure 0005214074
図5から理解できるように、ゲージ電圧群同士の間隔(ゲージ電圧群1とゲージ電圧群2の間隔)はデータ収集サンプリング周期T1であるのに対し、各ゲージ電圧群を構成するメンバー同士の間隔はゲージサンプリング周期Tになっている。即ち、ゲージサンプリング周期T(ゲージサンプリング周波数fs)とデータ収集サンプリング周期T1(データ収集サンプリング周波数f1)という概念を導入することにより、好適な回転位相角αを維持しつつ、計算に必要なデータを増加させて高調波ノイズの影響を抑制することが可能となる。
また、この概念に加え本願にて提案した負数回転位相角の概念を併用すれば、データ収集サンプリング周波数f1を更に2倍に増やした場合と同等の効果が得られる。なお、現実には、システムの要請により適宜かつ適切なデータ収集サンプリング周波数とゲージサンプリング周波数とが選定されることは言うまでもない。
なお、コストパフォーマンスを考慮してハードウェアの選定により、データ収集サンプリング周波数を可能な限り高く設定することができれば(例えば、国際的かつ標準的な保護リレー装置では、4kHzが推奨されている)、計算結果の出力を高速に行うことができると共に、出力結果に対する移動平均処理を併用することで、高調波ノイズの影響を大幅に低減することができる。
このように、データ収集サンプリング周波数とゲージサンプリング周波数とを区別した処理の概念を導入することにより、電力系統に常時に存する擾乱(小さな擾乱)を抑制することが可能となる。
(ゲージ電圧の移動平均処理)
回転位相角やリアルタイム周波数の場合と同様に、ゲージ電圧を計算する際には、ノイズの影響を低減するために、例えば次式に示すような移動平均処理を行うことが有効である。
Figure 0005214074
上式において、T1はデータ収集サンプリング周期であり、Mは現時点を含むデータ収集サンプリング点数である。
(ゲージ電圧群による交流電圧振幅の計算式(第1の計算式))
上記(14)式、(21)式などを用いれば、交流電圧振幅VAは次式を用いて計算することができる。
Figure 0005214074
(交流電圧振幅の移動平均)
他の電気量と同様に、交流電圧振幅を計算する際には、ノイズの影響を低減するために、例えば次式に示すような移動平均処理を行うことが有効である。
Figure 0005214074
(ゲージ電圧に関する他の計算式(第2の計算式))
本願発明者は、図4に示した「ゲージ電圧群のベクトル乗積空間図」に基づき、ゲージ電圧に関する他の計算式として、上述した(20)式とは異なる次式を知見し、表2に示す実数群表の関連乗積を代入して式変形を行った。
Figure 0005214074
上記(28)式はゲージ電圧の自乗値の計算式であり、ゲージ電圧は次式を用いても計算することができる。
Figure 0005214074
上記の計算式は入力変数の自乗演算のみで構成され、コンピュータデータ処理に有利な面がある。また、(25)式に倣い、移動平均処理の計算式を提示する。
Figure 0005214074
(交流電圧振幅に関する他の計算式(第2の計算式))
本願発明者は、交流電圧振幅に関する他の計算式の導出も試みた。具体的には、ゲージ電圧群におけるメンバー同士の足し算および引き算を表す次式および次々式を知見し、それぞれに実数群表の関連乗積を代入して式変形を行った。
Figure 0005214074
Figure 0005214074
これらの2式により、交流電圧振幅の計算式は次式のように得られる。
Figure 0005214074
また、移動平均処理のための計算式は次式で表すことができる。
Figure 0005214074
なお、上式の根号記号内における、vadd(t、k),vsub(t、k)の計算式は次式の通りである。
Figure 0005214074
以上のように、ゲージ電圧群の群表や、ゲージ電圧群に対する演算操作(足し算、引き算など)により、種々の不変量を見つけることができた。
ここからは、ゲージ電圧群の構成メンバーである電圧回転ベクトルの数を1つ減らして、より高速に計算出力できる対称電圧群を提案する。なお、ここでいう対称電圧群、すなわち電圧回転ベクトルの数を1つ減らした2個の電圧回転ベクトルからなる対称電圧群を回転電圧群と呼称する。
(複素平面上の回転電圧群)
図6は、複素平面上の回転電圧群を示す図である。図6に示される複素平面上の2個の電圧回転ベクトルは次式で表すことができる。
Figure 0005214074
上式において、Vは交流電圧振幅、ωは回転角速度、Tはゲージサンプリング周波の数時間刻み幅、αはTにおける回転位相角である。図6において、2個の電圧回転ベクトルv(t),v1(t-T)は、対称性を有している。また、これら2個の電圧回転ベクトルは、別の時間においても、また、別の場所にあっても、これら2個の電圧回転ベクトル間の回転位相角αは変化しない。すなわち、この回転電圧群も上述したケージ電圧群と同様に回転不変性という性質を有する構造体である。
(回転電圧群のベクトル群表)
回転電圧群の不変量を調べるために、下記表3に示すような回転電圧群のベクトル群表を構築する。
Figure 0005214074
上記のベクトル群表に示される電圧回転ベクトルは、複素数状態変数である。上表の“×”記号は表側の要素と表頭の要素との乗算を行うことを意味する。このとき、回転電圧群のベクトル群表の各乗積要素は次式のように表すことができる。
Figure 0005214074
上式に基づくベクトル乗積要素を複素平面上に表した図が図7である。ここで、2つのベクトルの乗積演算により生成した空間をベクトル乗積空間と呼ぶ。このベクトル乗積空間を利用して、交流正弦波に内在する対称性が見えるようになった。ベクトル乗積空間において、各ベクトル乗積要素は、2ωの角速度で反時計周りに回転する。
なお、図7に示すようにv 2(t)とv 2(t-T)の組は中間軸(図4の例では実軸(Re軸))に対して位相差αを有している。詳細は後述するが、この組で電圧振幅を計算することができる。
(回転電圧群の実数群表)
回転電圧群の不変量の計算式を導出するために、下記表4に示すような回転電圧群の実数群表を構築する。なお、上述したように実数群表中の電圧瞬時値としては、電圧回転ベクトルの実数部を用いてもよいし虚数部を用いてもよい。
Figure 0005214074
つぎに、回転電圧群の実数群表について説明する。まず、表4の組の構成要素である各瞬時値要素は次式で表すことができる。
Figure 0005214074
上式により、表4に示される各乗積要素は次式のように表すことができる。
Figure 0005214074
つぎに、この回転電圧群の実数群表の各乗積要素を利用し、回転電圧群に関係する各種不変量の計算式を説明する。
(回転電圧群による交流電圧振幅の計算式(第1の計算式))
ゲージ電圧群の場合と同様に、メンバー同士の足し算および引き算を表す計算にて式変形を行う。
Figure 0005214074
これらの2式により、交流電圧振幅の計算式は次式のように得られる。
Figure 0005214074
また、移動平均処理のための計算式は次式で表すことができる。
Figure 0005214074
なお、上式の根号記号内における、vadd(t、k),vsub(t、k)の計算式は次式の通りである。
Figure 0005214074
(回転電圧群による交流電圧振幅の計算式(第2の計算式))
また、本願発明者は、交流電圧振幅を計算するための次式を知見し、実数群表の関連乗積を代入して式変形を行った。
Figure 0005214074
上式により、交流電圧振幅の計算式は次式のように得られる。
Figure 0005214074
上記と同様に、移動平均処理のための計算式は次式で表すことができる。
Figure 0005214074
なお、上式の根号記号内における、vadd2(t、k)の計算式は次式の通りである。
Figure 0005214074
(回転電圧群の対称性指標)
回転電圧群の対称性指標として次式を提案する。
Figure 0005214074
上式において、V1は交流電圧振幅の第1の計算式による計算結果であり、V2は交流電圧振幅の第2の計算式による計算結果であり、dVSETは設定値である。ここで、上式を満足する場合、回転電圧群の対称性が破れる。このため、対称性が破れた時点において、対称性が破れる前の計算値をラッチする。一方、上式を満足しない場合、対称性は破れてないと判定し、現在の対称群の計算値を使用する。
(複素平面上のゲージ差分電圧群)
図8は、正数回転位相角を用いた複素平面上のゲージ差分電圧群を示す図である。図8に示される複素平面上の3個の差分電圧回転ベクトルは次式で表すことができる。
Figure 0005214074
上式において、Vは交流電圧振幅、ωは回転角速度、Tはゲージサンプリング周波の数時間刻み幅、αはTにおける回転位相角である。図8に示す3個の差分電圧回転ベクトルv2(t),v2(t-T),v2(t-2T)において、両側に位置する2個の差分電圧回転ベクトルv2(t),v2(t-2T)は、中央に位置する差分電圧回転ベクトルv2(t-T)に対し、対称性を有している。更に、別の時間において、これら3個の差分電圧回転ベクトルが回転し、別の場所にあっても、各2者間の位相角差である回転位相角αは変化しない。このため、ゲージ電圧群と同様な回転不変性の性質を有しており、これら3個の差分電圧回転ベクトルをケージ差分電圧群と定義する。
(負数回転位相角)
図9は、負数回転位相角を用いた複素平面上のゲージ差分電圧群を示す図である。差分電圧回転ベクトル同士間の回転位相角が180度より大きい場合、ゲージ電圧群と同様に、負数回転位相角を使用する。
図9に示すように、ゲージ差分電圧群のメンバー同士間には対称性があり、ゲージ差分電圧群の回転位相角がマイナスになっても回転不変性があることが分かる。
(ゲージ差分電圧群のベクトル群表)
ゲージ差分電圧群の不変量を調べるために、下記表5に示すようなゲージ電圧群のベクトル群表を構築する。
Figure 0005214074
上記のベクトル群表の差分電圧回転ベクトルは、複素数状態変数である。上表の“×”記号は表側の要素と表頭の要素との乗算を行うことを意味する。このとき、ゲージ差分電圧群のベクトル群表の各乗積要素は次式のように表すことができる。
Figure 0005214074
また、上式右辺の計算を進めれば、次式のように簡素化することができる。
Figure 0005214074
上式に基づくベクトル乗積要素を複素平面上に表した図が図10である。各ベクトル乗積要素は2ωの角速度で反時計周りに回転する。以下に3つの対称性を選んで説明を行う。
対称性を有する第1の組は、各回転ベクトルの中間軸(図10の例では実軸(Re軸))に位置するv2 2(t-T)とv2(t)v2(t-2T)の組であり、下式のように、両者のベクトル乗積の結果は等しくなる。
Figure 0005214074
後述の計算式にて明らかになるが、以前(例えば上記特許文献3)より提案してきたゲージ差分電圧は、これらの組により構成される。
対称性を有する第2の組は、v2(t)v2(t-T)とv2(t-T)v2(t-2T)の組であり、両者は中間軸に対して位相差αを有している。後述の計算式により、この組で周波数係数を構成することができる。
対称性を有する第3の組は、v2 2(t)とv2 2(t-2T)の組であり、両者は中間軸に対して位相差2αを有している。後述の計算式により、この組と中間の回転ベクトルv2(t-T)により、自乗式のみのゲージ差分電圧を構成することができる。
(ゲージ差分電圧群の実数群表)
ゲージ差分電圧群の不変量の計算式を導出するために、下記表6に示すようなゲージ差分電圧群の実数群表を構築する。
Figure 0005214074
つぎに、ゲージ差分電圧群の実数群表について説明する。まず、表6の組の構成要素である各瞬時値要素は次式で表すことができる。
Figure 0005214074
上式において、“Re”は複素数の実数部を示す。また、上式により、表6に示される各乗積要素は次式のように表すことができる。
Figure 0005214074
つぎに、このゲージ差分電圧群の実数群表の各乗積要素を利用し、ゲージ差分電圧群に関係する各種不変量の計算式を説明する。
(ゲージ差分電圧群による周波数係数の計算式)
以下に、ゲージ差分電圧群による周波数係数の計算式について説明する。本願発明者は、図10に示したゲージ差分電圧群の空間ベクトル図を参照し、周波数係数の計算式と実数群表との関係を導き出すべく、以下の式変形を行うと共に、当該変形式に表6に示す実数群表の乗積要素を代入した。
Figure 0005214074
上記の式変形から明らかなように、ゲージ差分電圧群の周波数係数fCは実数群表の乗積要素を用いて計算することができる。
(ゲージ差分電圧群の対称性指標)
ゲージ差分電圧群の対称性指標として次式を提案する。
Figure 0005214074
ここで、上式を満足する場合、v2(t),v2(t-T),v2(t-2T)により構築したゲージ差分電圧群の対称性が破れる。このため、ゲージ差分電圧群の対称性が破れた時点において、対称性が破れる前の計算値をラッチする。一方、上式を満足しない場合、対称性は破れてないと判定し、現在の計算値を使用する。
(ゲージ差分電圧群による回転位相角およびリアルタイム周波数)
ゲージ差分電圧群による回転位相角およびリアルタイム周波数の計算式は、ゲージ電圧群による回転位相角およびリアルタイム周波数の計算式と同一であるため、ここでの説明は省略する。
(ゲージ差分電圧の定義と計算式(第1の計算式))
本願発明者は、図10に示した「ゲージ差分電圧群のベクトル乗積空間図」によりゲージ差分電圧の自乗値(2乗値)を表す計算式として次式を知見し、当該計算式に実数群表の関連乗積を代入して式変形を行った。
Figure 0005214074
上式により、ゲージ差分電圧値は、上記特許文献3にも示される次式を用いて計算することができる。
Figure 0005214074
(ゲージ差分電圧の移動平均処理)
回転位相角、リアルタイム周波数、ゲージ電圧の場合と同様に、ゲージ差分電圧を計算する際には、ノイズの影響を低減するために、例えば次式に示すような移動平均処理を行うことが有効である。
Figure 0005214074
上式において、T1はデータ収集サンプリング周期であり、Mは現時点を含むデータ収集サンプリング点数である。
(ゲージ差分電圧群による交流電圧振幅の計算式(第1の計算式))
上記(58)式を用いれば、ゲージ差分電圧群による交流電圧振幅VDは次式を用いて計算することができる。
Figure 0005214074
ゲージ差分電圧は、電圧瞬時値の差分により計算されるため、電圧波形における直流成分影響がキャンセルされるため、高速、高精度な測定が可能となる。
(交流電圧振幅の移動平均)
他の電気量と同様に、交流電圧振幅を計算する際には、ノイズの影響を低減するために、例えば次式に示すような移動平均処理を行うことが有効である。
Figure 0005214074
(ゲージ差分電圧群による交流電圧実効値の計算式)
電力系統において、交流電圧実効値はよく利用される。上記の結果より、交流電圧実効値Vrmsは次式を用いて求めることができる。
Figure 0005214074
(ゲージ差分電圧の他の計算式(第2の計算式))
本願発明者は、図10に示した「ゲージ差分電圧群のベクトル乗積空間図」に基づき、ゲージ差分電圧に関する他の計算式として、上述した(57)式とは異なる次式を知見し、表6に示す実数群表の関連乗積を代入して式変形を行った。
Figure 0005214074
上記(63)式はゲージ電圧の自乗値を計算式であり、ゲージ電圧は次式を用いても計算することができる。
Figure 0005214074
なお、上記の計算式は入力変数の自乗演算のみで構成され、コンピュータデータ処理に有利な面がある。また、(59)式に倣い、移動平均処理の計算式を提示する。
Figure 0005214074
(交流電圧振幅に関する他の計算式(第2の計算式))
本願発明者は、交流電圧振幅に関する他の計算式の導出も試みた。具体的には、ゲージ差分電圧群におけるメンバー同士の足し算および引き算を表す次式および次々式を知見し、それぞれに実数群表の関連乗積を代入して式変形を行った。
Figure 0005214074
Figure 0005214074
これらの2式により、交流電圧振幅の計算式は次式のように得られる。
Figure 0005214074
また、移動平均処理のための計算式は次式で表すことができる。
Figure 0005214074
なお、上式の根号記号内における、v2add(t、k),v2sub(t、k)の計算式は次式の通りである。
Figure 0005214074
また、交流電圧の実効値は次式を用いて計算することができる。
Figure 0005214074
以上のように、ゲージ差分電圧群の群表や、ゲージ差分電圧群に対する演算操作(足し算、引き算など)により、種々の不変量を見つけることができた。
(ゲージ電圧とゲージ差分電圧による特性三角形)
図11は、ゲージ電圧とゲージ差分電圧による特性三角形を示す図であり、ゲージ電圧Vgおよびゲージ差分電圧Vgdを交流電圧振幅Vおよび回転位相角αとの関係で図示している。ゲージ電圧Vgは回転位相角αの正弦値と交流電圧振幅Vとの積であり、ゲージ差分電圧Vgdは回転位相角αの1/2の正弦値とゲージ電圧Vgとの積の2倍値であるため、図示のような関係で表せる。このような図からも、ゲージ電圧Vgおよびゲージ差分電圧Vgdは回転位相角αにより生成されて不変量であることが分かる。
ここからは、ゲージ差分電圧群の構成メンバーである回転差分ベクトルの数を1つ減らして、より高速に計算出力できる対称差分電圧群を提案する。なお、ここでいう対称差分電圧群、すなわち回転差分ベクトルの数を1つ減らした2個の回転差分ベクトルからなる対称差分電圧群を回転差分電圧群と呼称する。
(複素平面上の回転差分電圧群)
図12は、複素平面上の回転差分電圧群を示す図である。図12に示される複素平面上の2個の差分電圧回転ベクトルは次式で表すことができる。
Figure 0005214074
上式において、Vは交流電圧振幅、ωは回転角速度、Tはゲージサンプリング周波の数時間刻み幅、αはTにおける回転位相角である。図12において、2個の差分電圧回転ベクトルv2(t),v2(t-T)は、対称性を有している。また、これら2個の差分電圧回転ベクトルは、別の時間においても、また、別の場所にあっても、これら2個の差分電圧回転ベクトル間の回転位相角αは変化しない。すなわち、この回転差分電圧群も上述したゲージ差分電圧群と同様に回転不変性という性質を有する構造体である。
(回転差分電圧群のベクトル群表)
回転差分電圧群の不変量を調べるために、下記表7に示すような回転差分電圧群のベクトル群表を構築する。
Figure 0005214074
上記のベクトル群表に示される差分電圧回転ベクトルは、複素数状態変数である。上表の“×”記号は表側の要素と表頭の要素との乗算を行うことを意味する。このとき、回転差分電圧群のベクトル群表の各乗積要素は次式のように表すことができる。
Figure 0005214074
また、上式右辺の計算を進めれば、次式のように簡素化することができる。
Figure 0005214074
上式に基づくベクトル乗積要素を複素平面上に表した図が図13である。ここで、2つのベクトルの乗積演算により生成した空間をベクトル乗積空間と呼ぶ。このベクトル乗積空間を利用して、交流正弦波に内在する対称性が見えるようになった。ベクトル乗積空間において、各ベクトル乗積要素は、2ωの角速度で反時計周りに回転する。
なお、図13に示すようにv2 2(t)とv2 2(t-T)の組は中間軸(図13の例では実軸(Re軸))に対して位相差αを有している。詳細は後述するが、この組で電圧振幅を計算することができる。
(回転差分電圧群の実数群表)
回転差分電圧群の不変量の計算式を導出するために、下記表8に示すような回転差分電圧群の実数群表を構築する。なお、上述したように実数群表中の電圧瞬時値としては、差分電圧回転ベクトルの実数部を用いてもよいし虚数部を用いてもよい。
Figure 0005214074
つぎに、回転差分電圧群の実数群表について説明する。まず、表8の組の構成要素である各瞬時値要素は次式で表すことができる。
Figure 0005214074
上式により、表8に示される各乗積要素は次式のように表すことができる。
Figure 0005214074
つぎに、この回転差分電圧群の実数群表の各乗積要素を利用し、回転差分電圧群に関係する各種不変量の計算式を説明する。
(回転差分電圧群による交流電圧振幅の計算式(第1の計算式))
ゲージ差分電圧群の場合と同様に、メンバー同士の足し算および引き算を表す計算にて式変形を行う。
Figure 0005214074
これらの2式により、交流電圧振幅の計算式は次式のように得られる。
Figure 0005214074
また、移動平均処理のための計算式は次式で表すことができる。
Figure 0005214074
なお、上式の根号記号内における、v2add(t、k),v2sub(t、k)の計算式は次式の通りである。
Figure 0005214074
(回転差分電圧群による交流電圧振幅の計算式(第2の計算式))
また、本願発明者は、交流電圧振幅を計算するための次式を知見し、実数群表の関連乗積を代入して式変形を行った。
Figure 0005214074
上式により、交流電圧振幅の計算式は次式のように得られる。
Figure 0005214074
上記と同様に、移動平均処理のための計算式は次式で表すことができる。
Figure 0005214074
なお、上式の根号記号内における、vadd2(t、k)の計算式は次式の通りである。
Figure 0005214074
(回転差分電圧群の対称性指標)
回転電圧群の対称性指標として次式を提案する。
Figure 0005214074
上式において、V1は交流電圧振幅の第1の計算式による計算結果であり、V2は交流電圧振幅の第2の計算式による計算結果であり、dVSETは設定値である。ここで、上式を満足する場合、回転差分電圧群の対称性が破れる。このため、対称性が破れた時点において、対称性が破れる前の計算値をラッチする。一方、上式を満足しない場合、対称性は破れてないと判定し、現在の対称群の計算値を使用する。
(直流電気量の計算)
本願発明者による先願発明(例えば上記特許文献3)では、直流オフセット電圧の計算式を導いた。一方、本願発明による測定手法は、直流オフセット電圧を初めとする種々の直流電気量の測定にも応用することができる。世の中に純粋な直流成分は存在せず、様々な周波数成分を合成したものが直流になると考えられる。そこで、本願発明では、まず基本波周波数成分を測定し(本願の実施例では電力系統の定格周波数とするが、種々の回路により異なる基本波が存在する)、その後ゲージ電圧群(ゲージ電流群)を利用して基本波成分をカットして直流成分を求める。さらに、ノイズ低減を図るため移動平均処理を行う。
(ゲージ電圧群による直流電圧の計算式(第1の計算式))
図14は、直流成分を有する場合の複素平面上のゲージ電圧群を示す図である。図14に示すゲージ電圧群v(t),v(t-T),v1(t-2T)の各実数部部瞬時値は、それぞれ次式で表すことができる。
Figure 0005214074
ゲージ電圧群の各実数瞬時値から直流成分vDCを差し引いた各成分は、ゲージ電圧群の周波数係数を導いた上記(11)式を満たすため次式が成立する。
Figure 0005214074
上式により、直流電圧は次式を用いて計算できる。
Figure 0005214074
(直流電圧の移動平均)
直流電圧を計算する際、ノイズの影響を低減するためには、他の電気量と同様に次式に示す移動平均処理を行うことが有効である。
Figure 0005214074
(ゲージ電圧群による他の直流電圧の計算式(第2の計算式))
ゲージ電圧群の各実数瞬時値から直流成分vDCを差し引いた成分は、対称性を有しているため、次式を満足する。
Figure 0005214074
この式と上記(20)式により、次式が得られる。
Figure 0005214074
上式を展開すれば、直流電圧vDCは次式を用いて計算することができる。
Figure 0005214074
また、ゲージ差分電圧による交流電圧振幅の計算式(例えば上記(60)式)により、次式が成立する。
Figure 0005214074
上記(93)式により、上記(92)式は次式のように変形することができる。
Figure 0005214074
なお、上記(94)式に基づく直流電圧を計算する際、ノイズの影響を低減するためには、他の電気量と同様に次式に示す移動平均処理を行うことが有効である。
Figure 0005214074
(直流電力の計算式)
つぎに、直流と交流が併存して流れる可能性のある回路網での直流電力の計算式を提案する。
まず、直流電力は次式を用いて計算することができる。
Figure 0005214074
なお、上式における直流電圧vDCは、上述したゲージ電圧群または回転電圧群により求めることができる。また、上式における直流電流iDCは、ゲージ電圧群と同様な構造(対称群)を成すゲージ電流群(説明は省略)により求めることができる。
また、次の直流電力量の計測式を提案する。
Figure 0005214074
上式において、tは計測時間、WDCは直流電力量である。
つぎに、図15〜図18に示すシミュレーション結果に基づいて、本願の測定手法に係る周波数特性、周波数ゲイン特性について考察する。なお、シミュレーションの条件については、以下の通りである。
・ゲージサンプリング周波数:200Hz
・入力波形:正弦波
・入力波形の周波数:0〜200Hzまで可変
・交流電圧振幅:1V
・交流電圧初期位相角:30度
図15は、ゲージサンプリング周波数200Hzにおける周波数係数の周波数特性図である。図15に示すように、周波数係数は余弦関数であり、1つの周波数係数は2つの入力周波数に対応している。周波数係数の一方(低周波数側)はゲージサンプリング周波数の1/2以下であり、周波数係数の他方(高周波数側)はゲージサンプリング周波数の1/2以上である。また、これらの2つの周波数係数は、ゲージサンプリング周波数の1/2を軸として対称性を有していることが分かる。
図16は、ゲージサンプリング周波数200Hzにおける回転位相角の周波数特性図である。図16において、入力周波数がゲージサンプリング周波数の1/2以下の場合、先願発明(上記特許文献3)と同じであり、回転位相角は零から180度の範囲にある。一方、入力周波数がゲージサンプリング周波数の1/2分以上である場合、先願発明とは異なり、回転位相角はマイナス180度から零の範囲にある。つまり、負値の値をとる回転位相角を定義したので本願発明では、入力周波数と回転位相角とは一価関数の関係になり、ゲージサンプリング周波数の1/2を除き、回転位相角が分かれば入力周波数も一義的に決定することができる。
図17は、ゲージサンプリング周波数200Hzにおける電圧振幅測定値の周波数ゲイン特性図である。先願発明では、周波数ゲインが“1”の領域はゲージサンプリング周波数の1/2(図17の例では100Hz)であったが、本願発明では、周波数ゲイン=1の領域をゲージサンプリング周波数200Hzまで拡大することが可能となっていることが分かる。
図18は、ゲージサンプリング周波数200Hzにおける周波数測定値の周波数ゲイン特性図である。図18に示すように、周波数測定値は、全ゲージサンプリング周波数範囲において、周波数ゲインが“1”であり、周波数ゲイン=1の領域をゲージサンプリング周波数200Hzまで拡大することが可能となっていることが分かる。
上記で提示した各種計算式は、種々の電気量測定装置に適用可能である。以下に電気量測定装置の応用例として2つの実施の形態を提示する。1つはリアルタイム周波数測定装置であり、もう1つは電圧測定装置である。なお、本発明が、これらの実施の形態に限定されるものでないことは言うまでもない。
(実施の形態1)
図19は、実施の形態1に係るリアルタイム周波数測定装置の機能構成を示す図であり、図20は、このリアルタイム周波数測定装置における処理の流れを示すフローチャートである。
図19に示すように、実施の形態1に係るリアルタイム周波数測定装置A101は、電圧瞬時値データ入力部A102、周波数係数算出部A103、対称性破れ判別部A104、周波数係数ラッチ部A105、第1の移動平均処理部A106、回転位相角算出部A107、第2の移動平均処理部A108、周波数算出部A109、第3の移動平均処理部A110、通信部A111、インターフェースA112および、記憶部A113を備えて構成される。ここで、通信部A111は、他の装置と通信を行う際の通信処理を行い、インターフェースA112は、演算結果等を表示装置や外部装置に出力する処理を行い、記憶部A113は、計測データや演算結果などを記憶する処理を行う。
(ステップSA101)
上記の構成において、電圧瞬時値データ入力部A102は、電力系統に設けられた計器用変圧器(PT)からの電圧瞬時値を読み出す処理を行う。なお、読み出された電圧瞬時値のデータは、記憶部A113に格納される。
(ステップSA102)
周波数係数算出部A103は、例えばゲージ差分電圧群を用いる上記の計算処理に基づき、再掲する次式を用いて周波数係数を算出する。
Figure 0005214074
この周波数係数の算出処理については、上述した計算処理の概念に従って総括的に説明すると、つぎのように説明できる。すなわち、周波数係数算出部A103は、測定対象となる交流電圧を所定のデータ収集サンプリング周波数でサンプリングした電圧瞬時値データの中から、データ収集サンプリング周波数よりも小さく、且つ、当該交流電圧の周波数以上となるゲージサンプリング周波数で抽出した連続する少なくとも4点の電圧瞬時値データにおける隣接する2点の電圧瞬時値データ間の先端間距離を表す3点の差分電圧瞬時値データ(v21,v22,v23)のうち、中間時刻以外の差分電圧瞬時値の和(v21+v23)の平均値((v21+v23)/2)を中間時刻における差分電圧瞬時値(v22)で正規化した値((v21+v23)/(2v22))を周波数係数(fC)として算出する処理を行う。
(ステップSA103)
対称性破れ判別部A104は、上述したゲージ差分電圧群の対称性指標の判定式(再掲する下式)を用いて対称性の破れを判定する。
Figure 0005214074
(ステップSA104)
上式が成立する場合(ステップSA103,No)、対称性が破れていると判定し、例えば次式を用いて、前回の周波数係数値をラッチして利用する。
Figure 0005214074
一方、上記(98)式が成立しない場合(ステップSA103,Yes)、対称性は破れていないと判定し、周波数係数値をラッチせずにステップSA105に移行する。
(ステップSA105)
第1の移動平均処理部A106は、再掲する次式を用いて、周波数係数の移動平均処理を行う。
Figure 0005214074
(ステップSA106)
回転位相角算出部A107は、再掲する次式を用いて、回転位相角を算出する。
Figure 0005214074
(ステップSA107)
第2の移動平均処理部A108は、例えば次式を用いて回転位相角に関する移動平均処理を行う。
Figure 0005214074
(ステップSA108)
周波数算出部A109は、次式を用いてリアルタイム周波数を算出する。ここで、fはリアルタイム周波数、fSはゲージサンプリング周波数である。
Figure 0005214074
(ステップSA109)
第3の移動平均処理部A110は、例えば次式を用いて、周波数(リアルタイム周波数)に関する移動平均処理を行う。
Figure 0005214074
(ステップSA110)
リアルタイム周波数測定装置A101は、計測結果を出力する。なお、この計測結果は、周波数リレーや、電力系統状態監視点のリアルタイム周波数として利用される。
(ステップSA111)
リアルタイム周波数測定装置A101は、処理が終了であるか否かを判定し、処理が終了でなければ(ステップSA111,No)、ステップSA101に戻る。一方、処理が終了であれば(ステップSA111,Yes)、フローを抜け出る。
つぎに、ケース1〜3までの数値例を用いたシミュレーション結果に基づき、実施の形態1に係るリアルタイム周波数測定装置の有用性および効果について説明する。
まず、ケース1のパラメータは、下記表9に示す通りである。なお、ケース1において、周波数は、設定の時点から、一定の変化率で変化して行くものとする。
Figure 0005214074
表9に基づき、電圧瞬時値波形は、次式のように表される。
Figure 0005214074
上式において、φCは変化時点(t=0.05s)での電圧位相角である。また、上表により、本シミュレーションにおけるデータ収集サンプリング周波数とゲージサンプリング周波数との比(n)は次式の通りである。
Figure 0005214074
また、本シミュレーションにおいて、移動平均処理のデータ点数は、次式の通りである。
Figure 0005214074
この数値は、系統定格周波数の1周期程度である。
図21は、ケース1における電圧瞬時値波形を示す図である。ケース1では、データサンプリング周波数を4000Hzとしており、多数のデータを採集していることが分かる。
図22は、ケース1における周波数係数の測定結果を示す図である。図22において、周波数係数は0.05秒以後少しずつ減少して行くことが分かる。なお、周波数が変化する前の周波数係数は、次式の通り計算できる。
Figure 0005214074
図23は、ケース1における回転位相角の測定結果を示す図である。図23において、回転位相角は、周波数係数の変化(減少)に応じて少しずつ増加して行くことが分かる。なお、周波数が変化する前の回転位相角は、次式の通り計算できる。
Figure 0005214074
図24は、ケース1におけるリアルタイム周波数の測定結果を示す図である。図24において、リアルタイム周波数は、回転位相角の変化(増加)に応じて少しずつ増加して行くことが分かる。なお、周波数が変化する前のリアルタイム周波数は、次式の通り計算できる。
Figure 0005214074
また、図24において、リアルタイム周波数は、0.05秒以後、1周期(1/60=16.67ms)程度の遅れを持って、理論周波数に追随しており、実用上問題ない程度の十分な精度が得られていると考える。
つぎに、ケース2について説明する。ケース2のパラメータは、下記表10に示す通りである。
Figure 0005214074
なお、ケース2は、IEEE C27.118-2005, IEEE Standard for Synchrophasors for Power SystemsのP49-50のG.4 Frequency step test (+5Hz)に相当するものである。なお、当該規格は定格周波数(60Hz)から+5Hzの周波数変化をさせる設定であるが、ケース2では、異常周波数(59.25Hz)から+5Hzの周波数変化をさせる設定である。すなわち、本願の設定(ケース2)は、当該規格よりも厳しい設定となっている。
シミュレーションの説明に戻る。まず、表10に基づき、電圧瞬時値波形は、次式のように表される。
Figure 0005214074
上式において、φCは変化時点(t=0.05s)での電圧位相角である。また、上表により、本シミュレーションにおけるデータ収集サンプリング周波数とゲージサンプリング周波数との比(n)は次式の通りである。
Figure 0005214074
また、本シミュレーションにおいて、移動平均処理のデータ点数は、次式の通りである。
Figure 0005214074
この数値は、系統定格周波数の1/2周期程度である。なお、ゲージサンプリング周波数80Hzは電力系統定格周波数の2倍より小さいので、回転位相角は負数である。
図25は、ケース2における電圧瞬時値波形を示す図である。ケース2でも、データサンプリング周波数を4000Hzとしており、多数のデータを採集していることが分かる。
図26は、ケース2における周波数係数の測定結果を示す図であり、周波数が変化する前の周波数係数は、次式の通り計算できる。
Figure 0005214074
なお、ケース1とケース2とでは、リアルタイム周波数がほぼ同じ(ケース1:59Hz、ケース2:59.25Hz)であるにもかかわらず、ゲージサンプリング周波数が異なるため(ケース1:200Hz、ケース2:80Hz)、周波数係数の値も異なっている。
また、周波数の変化後の周波数係数は、次式の通り計算できる。
Figure 0005214074
(114)式と(115)式とから明らかなように、周波数係数は負値から正値に変化している。
図27は、ケース2における回転位相角の測定結果を示す図である。周波数が変化する前の回転位相角は、次式の通り計算できる。
Figure 0005214074
また、周波数の変化後の回転位相角は、次式の通り計算できる。
Figure 0005214074
なお、ケース2の場合、リアルタイム周波数はゲージサンプリング周波数の1/2(40Hz)以上であるため、変化前後ともに回転位相角は負値となっている((116)、(117)式参照)。
図28は、ケース2におけるリアルタイム周波数の測定結果を示す図である。周波数が変化する前のリアルタイム周波数は、次式の通り計算できる。
Figure 0005214074
図28によれば、リアルタイム周波数は、0.05秒以後、2〜3周期ぐらい遅れて理論周波数の急増に追随しており、実用上問題ない程度の十分な精度が得られていると考える。
また、周波数の変化後のリアルタイム周波数は、次式の通り計算できる。
Figure 0005214074
また、ケース3のパラメータは、下記表11に示す通りである。なお、ケース3ではリアルタイム周波数、交流電圧振幅および交流電圧初期位相角は、未知としている。
Figure 0005214074
また、上表により、本シミュレーションにおけるデータ収集サンプリング周波数とゲージサンプリング周波数との比(n)は次式の通りである。
Figure 0005214074
また、本シミュレーションにおいて、移動平均処理のデータ点数は、次式の通りである。
Figure 0005214074
この数値は、系統定格周波数の2周期程度である。
図29は、ケース3における第1の電圧瞬時値波形を示す図である。ケース3では、データサンプリング周波数を4000Hzとしており、多数のデータを採集していることが分かる。ここで、図29は1.2秒までの電圧瞬時値データを示している。なお、本ケースの場合の電圧瞬時値の単位はPUであり、これらは変電所CTの2次側の値である。必要がある場合、CT比により、実際の電圧値を求めることができる。
図30は、ケース3における第2の電圧瞬時値波形を示す図であり、レンジを拡大して0.4〜0.6秒間のデータを示している。ケース1,2では、全時間領域において、電圧瞬時値波形のピーク値の高さが揃っているのに対し、ケース3では、電圧瞬時値波形のピーク値の高さが微妙に変化していることが分かる。これは電力系統負荷の入り切りによる影響と考えられる。
図31は、ケース3における周波数係数の測定結果を示す図である。ケース3では、シミュレーションの設定データに多くの電圧フリッカ(位相振動)が含まれているため、周波数係数が激しく変動していることが分かる。
図32は、ケース3における回転位相角の測定結果を示す図である。ケース3では、シミュレーションの設定データに多くの電圧フリッカ(位相振動)が含まれているため、回転位相角も激しく変動していることが分かる。
図33は、ケース3におけるリアルタイム周波数の測定結果を示す図である。ケース3では、シミュレーションの設定データに多くの電圧フリッカ(位相振動)が含まれているため、リアルタイム周波数も振動しているが、リアルタイム周波数の測定結果の変動幅は59.9〜60.1Hzであり、比較的小さい。したがって、実施の形態1に係る測定装置を周波数リレーまたは周波数変化率リレーに適用すれば、高速性と高精度性とを兼ね備えたリアルタイム周波数測定装置として用いることが可能となる。
なお、実施の形態1では、本願の手法を周波数測定装置に適用する場合を一例として示したが、これに限定されるものではない。本願の手法を交流電流振幅および直流電流を測定する装置に適用することも可能である。
(実施の形態2)
図34は、実施の形態2に係る電圧測定装置の機能構成を示す図であり、図35は、この電圧測定装置における処理の流れを示すフローチャートである。
図34に示すように、実施の形態2に係る電圧測定装置A201は、電圧瞬時値データ入力部A202、周波数係数算出部A203、対称性破れ判別部A204、交流電圧振幅算出部A205、第1の移動平均処理部A206、直流電圧算出部A207、第2の移動平均処理部A208、交流電圧振幅ラッチ部A209、直流電圧ラッチ部A210、インターフェースA211および、記憶部A212を備えて構成される。ここで、インターフェースA211は、演算結果等を表示装置や外部装置に出力する処理を行い、記憶部A212は、計測データや演算結果などを記憶する処理を行う。
(ステップSA201)
上記の構成において、電圧瞬時値データ入力部A202は、電力系統に設けられた計器用変圧器(PT)からの電圧瞬時値を読み出す処理を行う。なお、読み出された電圧瞬時値のデータは、記憶部A212に格納される。
(ステップSA202)
周波数係数算出部A203は、実施の形態1と同様に、再掲する次式を用いて周波数係数を算出する。
Figure 0005214074
(ステップSA203)
対称性破れ判別部A204は、実施の形態1と同様に、再掲する次式を用いて対称性の破れを判定する。
Figure 0005214074
上記(123)式が成立しない場合には、対称性が破れていない(すなわち純粋な交流波形である)と判定し(ステップSA203,Yes)、ステップSA204に移行する。
(ステップSA204)
交流電圧振幅の算出には、ゲージ差分電圧群を利用する。交流電圧振幅算出部A205は、次式および次々式を用いて交流電圧振幅を算出する。
Figure 0005214074
Figure 0005214074
上記(124),(125)式において、v21,v22,v23は差分電圧瞬時値であり、Vgdはゲージ差分電圧であり、fcは周波数係数であり、Vは交流電圧振幅である。
(ステップSA205)
第1の移動平均処理部A206は、次式を用いて交流電圧振幅の移動平均処理を行う。
Figure 0005214074
(ステップSA206)
直流電圧算出部A207は、次式を用いて直流電圧を算出する。
Figure 0005214074
(ステップSA207)
第2の移動平均処理部A208は、次式を用いて直流電圧の移動平均処理を行い、ステップSA210に移行する。
Figure 0005214074
(ステップSA208)
一方、上記(123)式が成立する場合には、対称性が破れている(すなわち純粋な交流波形ではない)と判定し(ステップSA203,No)、交流電圧振幅ラッチ部A209は、次式を用いて交流電圧振幅に係る前回の計測値をラッチする(ステップSA208)。
Figure 0005214074
上式において、V(t-T1)は、交流電圧振幅に係る前回の計測値である。
(ステップSA209)
ステップSA208に続き、直流電圧ラッチ部A210は、次式を用いて直流電圧に係る前回の計測値をラッチする(ステップSA209)。
Figure 0005214074
上式において、VDC(t-T1)は、交流電圧振幅に係る前回の計測値である。
(ステップSA210)
電圧測定装置A201は、計測結果を出力する。なお、この計測結果は、周波数リレーや、電力系統状態監視点の電圧振幅情報として利用される。
(ステップSA211)
電圧測定装置A201は、処理が終了であるか否かを判定し、処理が終了でなければ(ステップSA211,No)、ステップSA201に戻る。一方、処理が終了であれば(ステップSA211,Yes)、フローを抜け出る。
つぎに、ケース4,5の数値例を用いたシミュレーション結果に基づき、実施の形態2に係る電圧測定装置の有用性および効果について説明する。
ケース4のパラメータは、下記表12に示す通りである。
Figure 0005214074
なお、ケース4は、IEEE C27.118-2005, IEEE Standard for Synchrophasors for Power SystemsのP47-48のG.2 Magnitude step test (10%)に相当するものである。なお、当該規格は定格周波数が60Hz、直流成分が零であり、交流電圧の変化幅が10%に設定されているが、ケース4では、直流成分が交流電圧振幅より大きく、交流電圧の変化幅が40%であり、交流電圧振幅が変化する周波数の初期値が定格周波数ではない59Hzからスタートする点で、当該規格よりも厳しい設定となっている。
シミュレーションの説明に戻る。まず、表12に基づき、電圧瞬時値波形は、次式のように表される。
Figure 0005214074
上式において、φ0は初期位相角、φCは変化時点(t=0.05s)での電圧位相角である。
図36は、ケース4における電圧瞬時値波形および直流電圧が重畳した交流電圧振幅の測定結果を示す図である。ケース4でも、データサンプリング周波数を4000Hzとしており、多数のデータを採集していることが分かる。また、直流電圧が重畳した交流電圧振幅の測定結果は実際の波形に高速に追随していることが分かる。
図37は、ケース4における交流電圧振幅の測定結果を示す図である。変動が生じる前の交流電圧振幅は、次式の通り計算できる。
Figure 0005214074
また、変動が生じた後の交流電圧振幅は、次式の通り計算できる。
Figure 0005214074
また、図38は、ケース4における直流電圧の測定結果を示す図である。直流電圧は、次式の通り計算できる。
Figure 0005214074
また、ケース5のパラメータは、下記表13に示す通りである。なお、ケース5ではリアルタイム周波数、交流電圧振幅、交流電圧初期位相角および直流電圧は、未知であるとしている。
Figure 0005214074
図39は、ケース5における電圧瞬時値波形および直流電圧が重畳した交流電圧振幅の測定結果を示す図である。図39に太線にして示すように、直流電圧が重畳した交流電圧振幅の測定結果は実際の波形に高速に追随していることが分かる。
また、図40は、ケース5における交流電圧振幅の測定結果を示す図である。ケース5でも、シミュレーションの設定データに多くの電圧フリッカ(位相振動)が含まれているため、交流電圧振幅の測定結果も細かな変動成分が生じているが、変動幅は1.035〜1.045(PU)であり、交流電圧振幅の1%以内に抑えられていることが分かる。
また、図41は、ケース5における直流電圧の測定結果を示す図である。図41に示される測定結果においても、細かな変動成分が生じているが、直流オフセット成分は約−0.004(PU)程度になっていることが分かる。なお、この測定結果は、デジタル保護制御装置のAI補正(アナログ入力量補正)の設定に利用することができる。
なお、実施の形態2では、本願の手法を交流電圧振幅および直流電圧を測定する装置に適用する場合を一例として示したが、これに限定されるものではない。本願の手法を交流電流振幅および直流電流を測定する装置に適用することも可能である。
また、以上の実施の形態1,2に示した構成は、本発明の構成の一例であり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、一部を省略する等、変更して構成することも可能である。
以上のように、本発明は、測定対象が系統定格周波数から外れて動作している場合であっても高精度な電気量の測定を可能とする電気量測定装置として有用である。
A101 リアルタイム周波数測定装置、A102,A202 電圧瞬時値データ入力部、A103,A203 周波数係数算出部、A104,A204 対称性破れ判別部、A105 周波数係数ラッチ部、A106 第1の移動平均処理部(周波数係数)、A107 回転位相角算出部、A108 第2の移動平均処理部(回転位相角)、A109 周波数算出部、A110 第3の移動平均処理部(リアルタイム周波数)、A111 通信部、A112,A211 インターフェース、A113,A212 記憶部、A201 電圧測定装置、A205 交流電圧振幅算出部、A206 第1の移動平均処理部(交流電圧振幅)、A207 直流電圧算出部、A208 第2の移動平均処理部(直流電圧)、A209 交流電圧振幅ラッチ部、A210 直流電圧ラッチ部。

Claims (16)

  1. 測定対象となる交流電圧を所定の第1のサンプリング周波数でサンプリングした電圧瞬時値データの中から、前記第1のサンプリング周波数よりも小さく、且つ前記交流電圧の周波数以上となる第2のサンプリング周波数で抽出した連続する少なくとも4点の電圧瞬時値データにおける隣接する2点の電圧瞬時値データ間の先端間距離を表す3点の差分電圧瞬時値データのうち、中間時刻以外の差分電圧瞬時値の和の平均値を中間時刻における差分電圧瞬時値で正規化した値の逆余弦値を隣接する電圧瞬時値データ間の回転位相角として算出する回転位相角算出部と、
    前記第2のサンプリング周波数と前記回転位相角を用いて前記交流電圧の周波数を算出する周波数算出部と、
    を備えたことを特徴とする電気量測定装置。
  2. 前記交流電圧の周波数が前記第2のサンプリング周波数の1/2よりも小さい場合には、前記回転位相角は正の値をとり、
    前記交流電圧の周波数が前記第2のサンプリング周波数の1/2よりも大きく、且つ前記第2のサンプリング周波数よりも小さい場合には、前記回転位相角は負の値をとる
    ことを特徴とする請求項1に記載の電気量測定装置。
  3. 前記回転位相角が零の値をとるとき、前記交流電圧の周波数を前記第2のサンプリング周波数の1/2として算出することを請求項2に記載の電気量測定装置。
  4. 前記回転位相角を算出する際に用いた3点の差分電圧瞬時値データを含む連続する少なくとも4点の電圧瞬時値データにおける隣接する2点の電圧瞬時値データ間の先端間距離を表す3点の差分電圧瞬時値データのうち、中間時刻における差分電圧瞬時値の2乗値と、中間時刻以外の差分電圧瞬時値積との差を平均化した値をゲージ差分電圧として算出すると共に、前記回転位相角と前記ゲージ差分電圧を用いて前記交流電圧の振幅を算出する交流電圧振幅算出部を備えたことを特徴とする請求項1に記載の電気量測定装置。
  5. 前記回転位相角と、この回転位相角を算出する際に用いた4点の電圧瞬時値データのうちの連続する3点の電圧瞬時値データとに基づいて前記交流電圧に重畳する直流電圧を算出する直流電圧算出部を備えたことを特徴とする請求項4に記載の電気量測定装置。
  6. 前記回転位相角と、この回転位相角を算出する際に用いた4点の電圧瞬時値データのうちの連続する2点の電圧瞬時値データとに基づいて前記交流電圧の振幅を算出する交流電圧振幅算出部を備えたことを特徴とする請求項1に記載の電気量測定装置。
  7. 前記回転位相角と、この回転位相角を算出する際に用いた4点の電圧瞬時値データのうちの連続する3点の差分電圧瞬時値データとに基づいて前記交流電圧の振幅を算出する交流電圧振幅算出部を備えたことを特徴とする請求項1に記載の電気量測定装置。
  8. 前記交流電圧の振幅を算出可能な第1の計算式を用いて算出される第1の電圧振幅と、前記第1の計算式とは異なる第2の計算式を用いて算出される第2の電圧振幅との偏差に基づく判定指標を用いて前記交流電圧の波形の対称性の破れを判定する対称性破れ判別部を備えたことを特徴とする請求項4〜7の何れか1項に記載の電気量測定装置。
  9. 測定対象となる交流電圧を所定の第1のサンプリング周波数でサンプリングした電圧瞬時値データの中から、前記第1のサンプリング周波数よりも小さく、且つ前記交流電圧の周波数以上となる第2のサンプリング周波数で抽出した連続する少なくとも4点の電圧瞬時値データにおける隣接する2点の電圧瞬時値データ間の先端間距離を表す3点の差分電圧瞬時値データのうち、中間時刻以外の差分電圧瞬時値の和の平均値を中間時刻における差分電圧瞬時値で正規化した値を周波数係数として算出する周波数係数算出部と、
    前記第2のサンプリング周波数と前記周波数係数を用いて前記交流電圧の周波数を算出する周波数算出部と、
    を備えたことを特徴とする電気量測定装置。
  10. 前記周波数係数を算出する際に用いた3点の差分電圧瞬時値データを含む連続する少なくとも4点の電圧瞬時値データにおける隣接する2点の電圧瞬時値データ間の先端間距離を表す3点の差分電圧瞬時値データのうち、中間時刻における差分電圧瞬時値の2乗値と、中間時刻以外の差分電圧瞬時値積との差を平均化した値をゲージ差分電圧として算出すると共に、前記周波数係数と前記ゲージ差分電圧を用いて前記交流電圧の振幅を算出する交流電圧振幅算出部を備えたことを特徴とする請求項9に記載の電気量測定装置。
  11. 前記周波数係数と、この周波数係数を算出する際に用いた4点の電圧瞬時値データのうちの連続する3点の電圧瞬時値データとに基づいて前記交流電圧に重畳する直流電圧を算出する直流電圧算出部を備えたことを特徴とする請求項10に記載の電気量測定装置。
  12. 前記周波数係数と、この周波数係数を算出する際に用いた4点の電圧瞬時値データのうちの連続する2点の電圧瞬時値データとに基づいて前記交流電圧の振幅を算出する交流電圧振幅算出部を備えたことを特徴とする請求項9に記載の電気量測定装置。
  13. 前記周波数係数と、この周波数係数を算出する際に用いた4点の電圧瞬時値データのうちの連続する3点の差分電圧瞬時値データとに基づいて前記交流電圧の振幅を算出する交流電圧振幅算出部を備えたことを特徴とする請求項9に記載の電気量測定装置。
  14. 前記交流電圧の振幅を算出可能な第1の計算式を用いて算出される第1の電圧振幅と、前記第1の計算式とは異なる第2の計算式を用いて算出される第2の電圧振幅との偏差に基づく判定指標を用いて前記交流電圧の波形の対称性の破れを判定する対称性破れ判別部を備えたことを特徴とする請求項10〜13の何れか1項に記載の電気量測定装置。
  15. 測定対象となる交流電圧を所定の第1のサンプリング周波数でサンプリングした電圧瞬時値データの中から、前記第1のサンプリング周波数よりも小さく、且つ前記交流電圧の周波数以上となる第2のサンプリング周波数で抽出した連続する少なくとも4点の電圧瞬時値データにおける隣接する2点の電圧瞬時値データ間の先端間距離を表す3点の差分電圧瞬時値データのうち、中間時刻以外の差分電圧瞬時値の和の平均値を中間時刻における差分電圧瞬時値で正規化した値の逆余弦値を隣接する電圧瞬時値データ間の回転位相角として算出するステップと、
    前記第2のサンプリング周波数と前記回転位相角を用いて前記交流電圧の周波数を算出するステップと、
    を含むことを特徴とする電気量測定方法。
  16. 測定対象となる交流電圧を所定の第1のサンプリング周波数でサンプリングした電圧瞬時値データの中から、前記第1のサンプリング周波数よりも小さく、且つ前記交流電圧の周波数以上となる第2のサンプリング周波数で抽出した連続する少なくとも4点の電圧瞬時値データにおける隣接する2点の電圧瞬時値データ間の先端間距離を表す3点の差分電圧瞬時値データのうち、中間時刻以外の差分電圧瞬時値の和の平均値を中間時刻における差分電圧瞬時値で正規化した値を周波数係数として算出するステップと、
    前記第2のサンプリング周波数と前記周波数係数を用いて前記交流電圧の周波数を算出するステップと、
    を含むことを特徴とする電気量測定方法。
JP2012554910A 2012-08-17 2012-08-17 電気量測定装置および電気量測定方法 Active JP5214074B1 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2012/070937 WO2014027423A1 (ja) 2012-08-17 2012-08-17 電気量測定装置および電気量測定方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP5214074B1 true JP5214074B1 (ja) 2013-06-19
JPWO2014027423A1 JPWO2014027423A1 (ja) 2016-07-25

Family

ID=48778664

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012554910A Active JP5214074B1 (ja) 2012-08-17 2012-08-17 電気量測定装置および電気量測定方法

Country Status (4)

Country Link
US (1) US20150204920A1 (ja)
JP (1) JP5214074B1 (ja)
CN (1) CN104583785B (ja)
WO (1) WO2014027423A1 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014139541A (ja) * 2013-01-21 2014-07-31 Mitsubishi Electric Corp 電気量測定装置および電気量測定方法ならびに、これらの装置および方法を利用した電力系統品質監視装置、三相回路測定装置、電力系統脱調予測装置、アクティブフィルタおよび開閉極位相制御装置
JP2016024168A (ja) * 2014-07-24 2016-02-08 三菱電機株式会社 信号処理装置および信号処理方法
JP2016205921A (ja) * 2015-04-20 2016-12-08 三菱電機株式会社 信号処理装置、信号処理方法、および電力系統保護装置
JP2017067543A (ja) * 2015-09-29 2017-04-06 三菱電機株式会社 同期フェーザ測定装置およびパルス生成装置
JP2020076702A (ja) * 2018-11-09 2020-05-21 三菱電機株式会社 交流電気量測定装置、交流電気量測定方法、およびバス転送システム

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TWI602372B (zh) * 2014-06-25 2017-10-11 易家居聯網科技有限公司 電器設備監控方法與電器設備監控系統
JP6396158B2 (ja) * 2014-09-30 2018-09-26 株式会社ダイヘン 周波数情報検出装置及び高周波電源装置
JP6768489B2 (ja) * 2016-12-22 2020-10-14 三菱電機株式会社 信号処理装置および信号処理方法
JP6909549B1 (ja) * 2020-01-30 2021-07-28 東芝三菱電機産業システム株式会社 系統周波数検出器
CN111426877B (zh) * 2020-06-11 2020-11-03 四川明星电力股份有限公司 电力保护装置核查方法及***

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09229973A (ja) * 1996-02-27 1997-09-05 Mitsubishi Electric Corp 時間変化信号の周波数計測方法及びその装置
JP4874438B1 (ja) * 2011-03-03 2012-02-15 三菱電機株式会社 交流電気量測定装置および交流電気量測定方法
JP2012139067A (ja) * 2010-12-27 2012-07-19 Mitsubishi Electric Corp 電力動揺検出装置および電力動揺検出方法

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1207679C (zh) * 2003-07-18 2005-06-22 清华大学 一种补偿循环离散傅立叶变换误差的同步相量测量方法
US7325775B2 (en) * 2004-01-12 2008-02-05 Innova Electronics Corporation Automotive gauge mounting bracket with frictional fit apertures
JP4657151B2 (ja) * 2006-06-01 2011-03-23 三菱電機株式会社 回転位相角測定装置及びこれを用いた周波数測定装置、同期フェーザ測定装置、開閉極位相制御装置、同期投入装置及び相判別装置
EP2113776A4 (en) * 2007-02-19 2010-08-04 Mitsubishi Electric Corp FREQUENCY METER
CN101595390B (zh) * 2007-03-30 2012-11-07 三菱电机株式会社 同步相量测定装置及使用该装置的母线间相位角差测定装置
CN101424709B (zh) * 2007-10-29 2013-03-20 西门子公司 电压扰动检测方法及装置
CN101599820B (zh) * 2008-06-05 2012-12-12 联咏科技股份有限公司 串行传输接口的数据描述方法及其相关分组及测试***
CN101441240A (zh) * 2008-12-23 2009-05-27 上海德力西集团有限公司 中压开关设备智能状态监测方法
US20130030731A1 (en) * 2010-06-02 2013-01-31 Mitsbbishi Electric Corporation Alternating-current electric quantity measuring apparatus and alternating-current electric quantity measuring method
JP5647823B2 (ja) * 2010-06-25 2015-01-07 株式会社三社電機製作所 蓄電池用充放電装置
CN102195767A (zh) * 2011-05-27 2011-09-21 杭州箭源电子有限公司 一种采样频率同步方法及装置

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09229973A (ja) * 1996-02-27 1997-09-05 Mitsubishi Electric Corp 時間変化信号の周波数計測方法及びその装置
JP2012139067A (ja) * 2010-12-27 2012-07-19 Mitsubishi Electric Corp 電力動揺検出装置および電力動揺検出方法
JP4874438B1 (ja) * 2011-03-03 2012-02-15 三菱電機株式会社 交流電気量測定装置および交流電気量測定方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014139541A (ja) * 2013-01-21 2014-07-31 Mitsubishi Electric Corp 電気量測定装置および電気量測定方法ならびに、これらの装置および方法を利用した電力系統品質監視装置、三相回路測定装置、電力系統脱調予測装置、アクティブフィルタおよび開閉極位相制御装置
JP2016024168A (ja) * 2014-07-24 2016-02-08 三菱電機株式会社 信号処理装置および信号処理方法
JP2016205921A (ja) * 2015-04-20 2016-12-08 三菱電機株式会社 信号処理装置、信号処理方法、および電力系統保護装置
JP2017067543A (ja) * 2015-09-29 2017-04-06 三菱電機株式会社 同期フェーザ測定装置およびパルス生成装置
JP2020076702A (ja) * 2018-11-09 2020-05-21 三菱電機株式会社 交流電気量測定装置、交流電気量測定方法、およびバス転送システム
JP7308607B2 (ja) 2018-11-09 2023-07-14 三菱電機株式会社 交流電気量測定装置、交流電気量測定方法、およびバス転送システム

Also Published As

Publication number Publication date
WO2014027423A1 (ja) 2014-02-20
CN104583785B (zh) 2017-07-14
US20150204920A1 (en) 2015-07-23
JPWO2014027423A1 (ja) 2016-07-25
CN104583785A (zh) 2015-04-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5214074B1 (ja) 電気量測定装置および電気量測定方法
JP4987068B2 (ja) 交流電気量測定装置
JP4679525B2 (ja) アクティブフィルタ
JP6033030B2 (ja) 電気量測定装置および電気量測定方法ならびに、これらの装置および方法を利用した絶縁監視装置およびインピーダンス測定装置
JP5538203B2 (ja) 電力動揺検出装置および電力動揺検出方法
de Carvalho et al. A novel DFT-based method for spectral analysis under time-varying frequency conditions
Zhang et al. Shifting window average method for accurate frequency measurement in power systems
Berhausen et al. Determination of high power synchronous generator subtransient reactances based on the waveforms for a steady state two-phase short-circuit
US20200132772A1 (en) Dynamic state estimation of an operational state of a generator in a power system
JP6214489B2 (ja) 信号処理装置および信号処理方法
JP2013092473A (ja) 交流電気量測定装置および交流電気量測定方法
JP6685182B2 (ja) 信号処理装置
Wang et al. Research on detection algorithm of voltage sag characteristics
Gomez et al. Motor current signature analysis apply for external mechanical fault and cage asymmetry in induction motors
JP5517723B2 (ja) 高調波電流補償装置および高調波電流補償方法
JP2018105635A (ja) 信号処理装置および信号処理方法
Karimi-Ghartemani et al. Analysis of symmetrical components in time-domain
JP2015045570A (ja) 電気量測定装置および電気量測定方法
JP5517646B2 (ja) 交流電気量測定装置および交流電気量測定方法
Srivastava et al. Harmonic/interharmonic estimation using standard deviation assisted ESPRIT method
Singh et al. Analysis and detection of forced oscillation using synchrosqueezed wavelet based ridge technique
Khan et al. Simulation of Phasor Measurement Unit for Research and Teaching Applications
JP5464704B2 (ja) 交流信号の位相検出方法
Liu et al. Power fundamental frequency detection based on orthometric average chirp-z transform
Aliyu et al. An improved three‐phase reactive power measurement algorithm using walsh functions transform

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130129

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5214074

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160308

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250