JP6031970B2 - アンテナコイル、部品内蔵基板および通信端末装置 - Google Patents

アンテナコイル、部品内蔵基板および通信端末装置 Download PDF

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Description

本発明は、積層体に設けられ、巻回軸を中心として旋回しつつ、巻回軸方向へ進行するような螺旋状のコイルを備えたアンテナコイル、部品内蔵基板および通信端末装置に関する。
従来、この種のアンテナコイルとして、例えば、下記特許文献1に記載のものがある。このアンテナコイル100は、図12に示すように、外径が長方形の板状で積層構造のコア101を備えている。このコア101は、ポリマー系樹脂からなる第一〜第三の樹脂層102〜104を有する。第一樹脂層102には、磁性体粉末(例えば、ソフトフェライト)が混入されている。第一樹脂層102を上下方向から挟み込むように、磁性体粉末を混入しない樹脂のみの第二樹脂層103および第三樹脂層104が形成される。
上記コアには、螺旋状のコイルを形成するコイル導体105が設けられる。コイル導体105は、複数の第一導体パターン106と、複数の第二導体パターン107と、複数の金属導体108と、を少なくとも含んでいる。
各第一導体パターン106は、コア101の上面に形成されており、コア上面の左右両辺に対し非平行な線状の形状を有する。各第二導体パターン107は、コア下面に形成されており、コア下面の左右両辺に対し非平行な線状の形状を有する。
第二導体パターン107をコア上面側から透視した場合、各第二導体パターン107の一方端は、左右方向に隣り合う二つの第一導体パターン106のうち、左側の第一導体パターン106の一方端と重なり、同第二導体パターン107の他方端は、右側の第一導体パターン106の他方端と重なっている。このような平面的に重なった位置には、それぞれ金属導体108が充填されたスルーホールが形成される。
上記アンテナコイル100は、RFID(Radio Frequency IDentification)等ではアンテナとして用いられる。送信側において、アンテナコイル100は、自身と接続されたIC(図示せず)から高周波信号が与えられると、コイル導体105を中心として放射状に磁界が発生する。そして、これら磁界を合成した磁界(つまり、合成磁界)が周囲の通信相手に向けて放射される。受信側において、アンテナコイル100は、送信側の放射磁界が通過すると、電磁誘導による起電力を発生して、自身に接続されたICに高周波信号を与える。
国際公開第2008/146932号
以下、本願発明者が特許文献1について検討した結果を説明する。図13に示すように、上記アンテナコイル100において、例えばコア上面上方からコイル導体105を透視した場合、第一樹脂層102の多くの部分は、一点鎖線で囲んだ部分に示すように、コイル導体105の内径より内側(以下、内側部分という)109に存在する。また、高周波信号が与えられると、コイル導体105を中心として略同心円状に磁界が発生する。図13には、四つの矢印A1〜A4で、略同心円状の磁界が例示されている。この磁界のうち、アンテナの放射特性に影響するのは、内側部分を通過するもの(矢印A1で示す)だけである。つまり、コイル導体の内径よりも外側部分(以下、単に外側部分という)はアンテナ放射特性に無関係である。しかしながら、コイル導体105の内径よりも外側に、磁性層がはみ出ているため、アンテナコイル100の放射磁界が外側の透磁率が高い部分を通過してしまう。その結果起こる材料損により、アンテナコイル100の放射磁界の強度が劣化し、アンテナ特性(例えば、通信距離)に影響が出てしまうという問題点があった。
それゆえに、本発明の目的は、アンテナ特性劣化を抑えることが可能なアンテナコイル、部品内蔵基板および通信端末装置を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明の第一局面は、第一透磁率を有する複数の第一基材層が所定の積層方向に積層された積層体と、前記積層体内に形成され、前記積層方向と略平行な巻回軸を有するコイル導体であって、該積層方向からの平面視で、少なくとも一部が前記複数の第一基材層のいずれかと接しているコイル導体と、前記積層体内であって、前記複数の第一基材層の表面に形成され、かつ、前記積層方向からの平面視で前記コイル導体の内側に形成されており、前記第一透磁率よりも大きな第二透磁率を有する複数の第一磁性層と、を備え、前記複数の第一基材層と前記複数の第一磁性層とが、前記積層方向に交互に積層される部分を有する
本発明の第二局面および第三局面は、上記アンテナコイルを備えた部品内蔵基板および通信端末装置である。
上記各局面によれば、アンテナ特性の劣化を抑えたアンテナコイル、部品内蔵基板および通信端末装置を提供することが可能となる。
一実施形態に係るアンテナコイルの構成を示す分解斜視図である。 図1のA−A’線に沿う断面を矢印Bの方向から見たアンテナコイルの縦断面図である。 図1のアンテナコイルの作用・効果を示す模式図である。 図1のコイルアンテナを備えた通信端末装置を示す図である。 図3の通信端末装置に備わる給電回路およびブースターアンテナの等価回路図である。 図3のブースターアンテナの詳細な構成を示す図である。 第一変形例に係るアンテナコイルの構成を示す縦断面図である。 第二変形例に係るアンテナコイルの構成を示す縦断面図である。 第三変形例に係るアンテナコイルの構成を示す縦断面図である。 第四変形例に係るアンテナコイルの構成を示す縦断面図である。 第五変形例に係るアンテナコイルの構成を示す縦断面図である。 第六変形例に係るアンテナコイルの構成を示す縦断面図である。 第七変形例に係るアンテナコイルの第一構成例を示す縦断面図である。 第七変形例に係るアンテナコイルの第二構成例を示す縦断面図である。 第七変形例に係るアンテナコイルの第三構成例を示す縦断面図である。 第八変形例に係る部品内蔵基板の構成を示す縦断面図である。 従来のアンテナコイルを示す斜視図である。 従来のアンテナコイルを示す上面図である。
(実施形態)
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態に係るアンテナコイルについて詳説する。
(はじめに)
まず、いくつかの図面に示されるX軸、Y軸およびZ軸について説明する。X軸、Y軸およびZ軸は互いに直交する。Z軸は、アンテナコイル10の上下方向、または基材層121の積層方向を示し、便宜上、Z軸の正方向を上方とする。また、X軸はアンテナコイル10の左右方向を示し、便宜上、その正方向をアンテナコイル10の右方向とする。Y軸はアンテナコイル10の前後方向を示し、便宜上、その正方向をアンテナコイル10の奥行き方向とする。
(アンテナコイル10の構成)
図1において、アンテナコイル10は、図1および図2に示すように、好ましくは、積層体12と、コイル導体14と、少なくとも一つの第一磁性層16と、を含んでいる。
積層体12は、左右方向および前後方向に約3.0mm、上下方向に約0.7mm〜1.0mmの略直方体形状を有しており、第一主面MS1および第二主面MS2と、Z軸に略平行な周面Fsとからなる。
第一主面MS1および第二主面MS2はそれぞれ、XY平面に略平行である。これら主面MS1,MS2はZ軸方向に相対向する。本実施形態では、主面MS1を積層体12の底面とし、主面MS2を積層体12の上面とする。
周面Fsは、前端面ES1、後端面ES2、左側面SS1および右側面SS2からなる。
両端面ES1,ES2はZX平面に略平行である。端面ES1,ES2は、Y軸方向に相対向する。端面ES1は、主面MS1,MS2の前端の辺同士を接続する。端面ES2は、主面MS1,MS2の後端の辺同士を接続する。
また、両側面SS1,SS2は、YZ平面の略平行である、側面SS1,SS2は、X軸方向に相対向する。側面SS1は、主面MS1,MS2の左辺同士を接続する。側面SS2は、主面MS1,MS2の右辺同士を接続する。
積層体12は、図1に示すように、複数の第一基材層121をZ軸方向(つまり、所定の積層方向)に積層して形成される。なお、図1には、複数の基材層121として、六つの基材層121a〜121fが例示される。この場合、上記前端面ES1は、各基材層121の前端面から構成され、上記後端面ES2は、各基材層121の後端面から構成される。また、上記左側面SS1および上記右側面SS2は、各基材層121の左側面および右側面から構成される。ここで、図1では、図面の見易さの観点から、基材層121aの前端面に対してのみ、積層体12の前端面の参照符号ES1を付けている。同様に、基材層121aの後端面、左側面および右側面にのみ、参照符号ES2、SS1およびSS2を付けている。
各基材層121は、例えば絶縁性材料、誘電体材料または磁性材料からなり、第一透磁率μaを有する。第一透磁率μaは、磁性層16(後述)の第二透磁率μbよりも小さく、例えば、真空または大気中の透磁率μ0に近い値とされる。ここで、各基材層121が磁性材料からなる場合には、各基材層121は、透磁率を小さくするために、例えばNi−Zn−Cu系フェライトに所定の添加物を混合した材料から作製される。各基材層121の材料としては、セラミックまたは樹脂などを用いることができる。
コイル導体14は、積層体12の内部を、Z軸に平行な巻回軸Atを中心に反時計回りに旋回しながら、巻回軸Atの方向へ進行するような螺旋構造を有しており、複数の導体パターン141と、複数の層間接続導体143とからなる。
本実施形態では、複数の導体パターン141として、基材層121a〜121fの上面に形成された第一導体パターン141a〜141fが例示される。各導体パターン141は、導電性材料(例えば、銀、銅、アルミニウム)からなり、反時計回り(二点鎖線の矢印αを参照)に1ターン分だけ旋回する略矩形ループ形状を有する。以下、より具体的な形状を説明する。
各導体パターン141の外縁は、Z軸方向からの平面視で、対応する基材層121の外縁に内包されるか接する。また、各導体パターン141の内縁は、対応する磁性層16(後述)の外縁を内包するか、対応する磁性層16の外縁と接するかする。
また、各導体パターン141は完全なループ形状を有するのではない。すなわち、各導体パターン141の一部分には切り欠きが形成されており、それによって、各導体パターン141は不連続な略環状形状を有している。導体パターン141aでは、右奥のコーナー部分に切り欠きβ1が設けられている。また、Z軸方向からの平面視で、切り欠きβ1の形成場所を基準として時計回り方向に所定距離Δdだけずらした場所に、導体パターン141bの切り欠きβ2が形成されている。ここで、Δdは、例えば導体パターン141aの切り欠きβ1の時計回り方向の長さである。以下、同様に、切り欠きβ2〜β5の形成場所を基準として時計回り方向に所定距離ずらした場所に、導体パターン141c〜141fの切り欠きβ3〜β6が形成される。
また、本実施形態では、複数の層間接続導体143として、基材層121b〜121fをZ軸方向に貫通するように設けられた層間接続導体143b〜143eが例示される。各層間接続導体143は、導電性材料からなる。導電性材料としては、銀、銅または錫を主成分とする金属、もしくはそれぞれを主成分とする合金が典型的である。各層間接続導体143は、Z軸方向に隣り合う二つの導体パターン141のうち、下方側の後端および上方側の先端を電気的に接続するように、対応する基材層121bに形成される。
磁性層16は、磁性材料からなり、第二透磁率μbを有する。磁性材料としては、例えばNi−Zn−Cu系フェライトまたは六方晶系フェライトが典型的である。第二透磁率μbは、上記第一透磁率μaよりも大きく、例えば100程度とされる。
また、各磁性層16は、Z軸方向からの平面視で、矩形形状を有する。また、本実施形態では、各基材層121の上面に、一つの磁性層16が形成される。これにより、各磁性層16は、導体パターン141と略同一面上に形成されることになる。ここで、磁性層16の外縁は、同一面上に形成された基材層(以下、対応する基材層という場合がある)121上の導体パターン141の内縁に接するか、該導体パターン141の外縁を内包するかする。
(アンテナコイル10の製法)
ここで、上記アンテナコイル10の製法の一例について説明する。この製法は、下記(1)〜(4)の工程からなる。ここでは、基材層121が相対的に低い第一透磁率μaの磁性材料からなり、磁性層16が相対的に高い第二透磁率μbの磁性材料からなる場合について説明する。
(1)例えば、焼結後に第一透磁率μaが得られるように、フェライト仮焼粉および所定の添加物がバインダや可塑剤等と共にボールミルで混合される。これにより得られたスラリーは、ドクターブレード法等により、焼結時に所定サイズになるように成形加工され、基材層121の基礎となるシート材が得られる。
(2)また、焼結後に第二透磁率μbが得られるように、フェライト仮焼粉がバインダや可塑剤等と共にボールミルで混合され、これによって、磁性層16の基礎となる磁性体ペーストが生成される。
(3)上記(1)で得られたシート材には、レーザや打ち抜きプレスを利用して、層間接続導体143を形成するためのスルーホールが形成され、これらスルーホール内に、例えば銀等を主成分とする金属からなる電極ペーストが充填される。また、シート材の表面には、上記(2)で得られた磁性体ペーストが、磁性層16を形成するためにスクリーン印刷等される。シート材の表面にはさらに、銅等からなる電極ペーストが、導体パターン141や外部電極等を形成するためにスクリーン印刷等される。このようなシート材は、所望枚数積層される。
(4)上記(3)で積層された複数のシート材はまとめて加圧接着され、例えば900℃、2時間の条件で焼成された後、ダイシングされる。その結果、上記のアンテナコイル10が得られる。
(アンテナコイル10の応用例)
以上のような構成のアンテナコイル10は、例えば13.56MHz帯のNFC(Near Field Communication)による非接触通信に対応した通信端末装置に搭載される。ここで、図3には、筐体カバー22を開けた時の通信端末装置20の筐体24に収容された各種部品や各種部材が示されている。この通信端末装置20は、典型的には携帯電話やスマートフォンであって、筐体24の内部に、上記アンテナコイル10に加えIC26およびコンデンサ28を実装した基板210と、ブースターアンテナ212と、を備えている。なお、基板210には、アンテナコイル10、IC26およびコンデンサ28以外にも、カメラや各種回路素子が高密度に実装・配置されているが、これらについては本発明の要部では無いので、説明を省略する。
基板210上において、IC26は、例えばNFC等による非接触通信に用いられる集積回路である。このIC26には、アンテナコイル10およびコンデンサ28が並列に接続される。より具体的には、アンテナコイル10におけるコイル導体14の両端(導体パターン141aの先端、導体パターン141fの後端)が一対の外部電極(図示せず)を介してIC26が有する少なくとも二つの端子に接続される。上記のようなIC26、アンテナコイル10およびコンデンサ28によって、NFC用の給電回路が構成される。なお、アンテナコイル10とIC26の間には整合回路が接続される場合もある。
ここで、図4には、上記給電回路30の等価回路が示されている。図4に示すように、アンテナコイル10のインダクタンス値をL1、コンデンサ28の容量値をC1とすると、給電回路30の共振周波数は、L1およびC1に基づき決まる。なお、図4には、アンテナコイル10の抵抗成分R1も示されている。
また、ブースターアンテナ212は、図3、図5に示すように、筐体24を筐体カバー22で閉じた時にアンテナコイル10の上方に配置されるように筐体カバー22に取り付けられている。このブースターアンテナ212は、平面的なスパイラルコイル等である。ブースターアンテナ212の開口サイズ(横サイズ×縦サイズ)は、アンテナコイル10の開口サイズ(横サイズ×高さ)よりも大きく、これによって、アンテナコイル10の通信距離を伸ばしている。
ブースターアンテナ212は、図5の右側に示すように、まず、絶縁シート材40と、第一平面コイル導体42と、第二平面コイル導体44と、を備えている。絶縁シート材40の表面および裏面には、互いに逆巻きに巻回された平面コイル導体42,44が形成される。
また、絶縁シート材40の下面には、両平面コイル導体42,44から放射される磁界による渦電流の発生を抑える等のために、磁性体シート材46が貼り付けられることが好ましい。
また、平面コイル導体42,44の間には線間容量が生じる。よって、図4に示すように、平面コイル導体42,44は、等価的に、コンデンサ48,410を介して接続される。ここで、平面コイル導体42のインダクタンス値をL2、平面コイル導体44のインダクタンス値をL3、コンデンサ48の容量値をC2、コンデンサ410の容量値をC3とする。この場合、ブースターアンテナ212の共振周波数は、L2、L3、C2,C3に基づき決まる。
上記通信端末装置20では、NFCによる非接触通信時に以下のように動作する。まず、通信相手へのデータ送信時について説明する。IC26は、送信すべきデータ(ベースバンド信号)で13.56MHz帯の搬送波を変調して、高周波信号を生成する。アンテナコイル10およびコンデンサ28を含む並列共振回路は、13.56MHzの共振周波数を有するよう設計される。IC26は、生成した高周波信号(高周波電流)をこの並列共振回路に与えて共振させる。アンテナコイル10は、データ送信時、IC26からの高周波電流により、自身の近傍に磁界を誘起する。アンテナコイル10からの磁界は、近傍に配置されたブースターアンテナ212と鎖交する。これによって、アンテナコイル10とブースターアンテナ212とは磁界結合して、その結果、ブースターアンテナ212を構成するコイルに誘導電流が流れる。この誘導電流により、ブースターアンテナ212は磁界を発生する。ここで、ブースターアンテナ212のサイズは、アンテナコイル10のそれよりも大きいので、ブースターアンテナ212で発生した磁界強度は大きく、これにより、アンテナコイル10の通信距離を補っている。このブースターアンテナ212の磁界が通信相手側のブースターアンテナ等と磁界結合し、データ送信が行われる。
次に、通信相手からのデータ受信時について説明する。通信相手側で発生した磁界がブースターアンテナ212を鎖交すると、該ブースターアンテナ212には誘導電流が流れる。この誘導電流により、ブースターアンテナ212は磁界を発生する。このブースターアンテナ212の磁界はアンテナコイル10に鎖交し、これによって、アンテナコイル10とブースターアンテナ212とは磁界結合する。その結果、アンテナコイル10の外部電極(図示せず)の間には誘導起電力が発生して、IC26には高周波電流(高周波信号)が流れる。IC26は、受信高周波信号を復調してデータ受信を行う。
(アンテナコイル10の作用・効果)
図13を参照して「発明が解決しようとする課題」で詳説したように、従来のアンテナコイル100には、構造的な理由により、放射磁界の強度が劣化してしまい、アンテナ特性に影響が出るという問題点があった。
それに対して、本アンテナコイル10によれば、好ましい例として、各導体パターン141の外縁全ての部分は、Z軸方向からの平面視で、低透磁率μaの基材層121の外縁に内包される。また、各導体パターン141の内縁に、高透磁率μbの磁性層16の外縁が接するか内包されるかする。したがって、図2Bに示すように、アンテナコイル10への高周波信号入力時に、アンテナ放射特性に無関係な磁界成分が高透磁率μbの磁性層16を通過しなくなるので、それによる損失を低減することができる。これによって、放射磁界の強度劣化を抑制し、従来よりも良好なアンテナ特性(例えば、通信距離)を得ることが可能となる。
また、各導体パターン141の外側にて、Z軸方向に隣接する基材層121同士(同種の層同士)が接着可能となるため、はがれ難くなる。また、各パターン導体141が基材層121によって挟み込まれるため、酸化等し難くなるため、アンテナコイル10の信頼性が高くなる。
また、本アンテナコイル10によれば、図2にも示すように、コイル導体14の内側には、大きな透磁率μbの磁性層16と、小さな透磁率μaの基材層121とが、Z軸方向に交互に積層されている。この構造によれば、コイル導体14の内側全体が高透磁率μbの磁性体材料からなる場合と比較して、磁気飽和が起こりにくくなり、直流重畳特性が向上する。
また、本アンテナコイル10によれば、各基材層121上に平面的な導体パターン141と、その内側に磁性層16とが形成されるだけであるため、アンテナコイル10を低背化することが可能となる。
(付記)
また、上記実施形態では、本アンテナコイル10によれば、上記の通り、各導体パターン141の外縁の全てが基材層121の外縁に内包されるとして説明した。しかし、これに限らず、各導体パターン141の外縁のすべてが基材層121の外縁に内包されていなくとも構わない。特に、各導体パターン141の外縁が、Z軸方向からの平面視で、低透磁率μaの基材層121の外縁に接していてもよい。換言すると、各導体パターン141の外縁が積層体12から、相対的に低透磁率の空気中に露出していても構わない。この場合にも、上記実施形態と同様に、放射磁界の強度劣化を抑制し、従来よりも良好なアンテナ特性(例えば、通信距離)を得ることが可能となる。
また、各導体パターン141が空気中に露出する場合、特に、Z方向からの平面視で開口面積が大きくなるという効果が得られる。
また、上記アンテナコイル10の応用例において、通信端末装置20は、ブースターアンテナ212を備えていた。しかし、これに限らず、アンテナコイル10単体で良好な通信特性が得られる場合には、ブースターアンテナ212は省略されても構わない。
(第一変形例)
なお、アンテナコイル10において、図6に示すように、積層体12の第一主面MS1および/または第二主面MS2に、XY平面と略平行に第二磁性層50が追加的に形成されても構わない。ここで、磁性層50は、第一透磁率μaよりも大きな第三透磁率μcを有する。ここで、第三透磁率μcは第二透磁率μbと同じであっても構わない。このような磁性層50は、磁性層16と同様に、例えば、Ni−Zn−Cu系フェライトからなる。
上記磁性層50を設けることにより、コイル導体14の内側に磁界を集めることが可能となるため、より良好なアンテナ特性を得ることが可能となる。なお、この場合、第一主面MS1および第二主面MS2の磁性層50の層数は互いに同一であってもよいし、異なっていても構わない。
(第二変形例)
また、アンテナコイル10において、図7Aに示すように、導体パターン141および磁性層16が形成されない第二基材層52を、Z軸方向に隣り合う二つの第一基材層121の間に挿入しても構わない。ここで、基材層52の材料は、基材層121と同じでよい。上記基材層52を設けることにより、Z軸方向に隣り合う二つの導体パターン141間の距離(以下、パターン間距離という)を大きくなるため、これらの間に発生する線間容量値が小さくなる。これによって、アンテナコイル10の自己共振周波数の低下を緩和できる。
(第三変形例)
また、図7Bに示すように、第四透磁率μdを有する第三磁性層54のみが形成された第三基材層56を、Z軸方向に隣り合う二つの第一基材層121の間に挿入しても構わない。ここで、透磁率μdは、第一透磁率μaよりも大きい値を有するが、透磁率μbと同じであっても構わない。また、基材層56の材料は、第一基材層121と同じでよい。この基材層56を設けることにより、図2の構成と比較して、コイル導体14の内側の磁心の透磁率を大きくすることができるため、磁界を集めやすくなる。その結果、より良好なアンテナ特性を得ることが可能となる。
(第四変形例)
また、アンテナコイル10において、図7Cに示すように、上記第三基材層56と同様の第四基材層58が、積層体12の第一主面MS1および/または第二主面MS2に追加的に形成されても構わない。基材層58の表面には、第五透磁率μeを有する第四磁性層510のみが形成されている。ここで、透磁率μeは、透磁率μaよりも大きい値を有するが、透磁率μbとは同じであっても構わない。このように第四基材層58を設けることにより、コイル導体14の内側に磁界を集めることが可能となるため、より良好なアンテナ特性を得ることが可能となる。
(第五変形例)
また、図8に示すように、Z軸方向の位置によって、パターン間距離を異ならせることで、アンテナコイル10の指向性を調整することができる。例えば、Z軸方向に沿って上方または下方になればなるほど、パターン間距離が小さくすれば、上方または下方に偏った指向性を有するアンテナコイル10を実現することができる。この場合も、図7Bに示す第三基材層56を用いてパターン間距離を調整しても構わない。
(第六変形例)
また、図9に示すように、第五基材層512を積層体12の第一主面MS1に追加的に形成し、第六基材層514を第二主面MS2に追加的に形成しても構わない。ここで、基材層512,514は基材層121と同様の材料からなる。ただし、基材層512の表面には第二導体パターン513のみが形成されている。また、基材層514には、第六透磁率μfを有する第五磁性層516のみが形成されている。ここで、透磁率μfは、透磁率μaよりも大きい値を有するが、透磁率μbと同じであっても構わない。これによっても、上方に偏った指向性を有するアンテナコイル10を実現することが可能となる。
(第七変形例)
また、図10A〜図10Cに示すように、アンテナコイル10において、磁性層16と同様の磁性材料からなる複数の層間接続体518が形成されても構わない。このような層間接続体518は、Z軸方向に隣り合う二つの磁性層16を磁気的に接続するように、対応する磁性層16を上下方向に貫通するように形成される。ここで、図10Aの例では、各層間接続体518は、X軸方向の中央部分にZ軸方向に平行に並ぶように設けられている。また、図10Bの例では、各層間接続体518は、X軸方向の左端近傍にZ軸方向に平行に並ぶように設けられている。また、図10Cの例では、各層間接続体518は、Y軸方向からの平面視で、Z軸に対し斜め方向に並ぶように設けられている。
(第八変形例)
また、図11に示すように、アンテナコイル10は、IC26および/またはチップ型のコンデンサ28からなる電子回路(等価回路は図4の給電回路30側と同等)を内蔵した部品内蔵基板520に形成され、モジュール化されても構わない。ここで、コンデンサ28に関しては、チップ部品に限らず、部品内蔵基板520内に導体パターンで形成されても構わない。このようなモジュール化により、アンテナコイル10、IC26およびコンデンサ28の接続に使用される配線の距離を短くできるため、配線による損失や外来ノイズの影響を低減することができる。なお、図11には、IC26およびコンデンサ28を部品内蔵基板520に内蔵した例が示されているが、これに限らず、IC26および/またはチップ型のコンデンサ28は、部品内蔵基板520の表面に実装されても構わない。この場合、部品内蔵基板520には、典型的には、他のチップが内蔵されることになる。
また、上記では、IC26がNFCによる非接触通信用の集積回路である例を説明した。しかし、IC26は、他にも、FeliCa等の13.56MHz帯の非接触通信用の集積回路でも構わないし、他の周波数帯の非接触通信用の集積回路でも構わない。
本発明に係るアンテナ装置および通信端末装置は、アンテナコイルの特性劣化を抑えることが可能であり、携帯電話やスマートフォン等の通信端末装置等に好適である。
10 アンテナコイル
12 積層体
121 第一基材層
14 コイル導体
141 導体パターン
143 層間接続導体
20 通信端末装置
26 IC
28 コンデンサ
210 基板
212 ブースターアンテナ
50,54,510,516 第二磁性層〜第五磁性層
52,56,58,512,514, 第二基材層〜第六基材層
518 層間接続体
520 部品内蔵基板

Claims (13)

  1. 第一透磁率を有する複数の第一基材層が所定の積層方向に積層された積層体と、
    前記積層体内に形成され、前記積層方向と略平行な巻回軸を有するコイル導体であって、該積層方向からの平面視で、少なくとも一部が前記複数の第一基材層のいずれかと接しているコイル導体と、
    前記積層体内であって、前記複数の第一基材層の表面に形成され、かつ、前記積層方向からの平面視で前記コイル導体の内側に形成されており、前記第一透磁率よりも大きな第二透磁率を有する複数の第一磁性層と、を備え
    前記複数の第一基材層と前記複数の第一磁性層とが、前記積層方向に交互に積層される部分を有する、アンテナコイル。
  2. 前記コイル導体の全てが前記複数の第一基材層のいずれかと接している、請求項1に記載のアンテナコイル。
  3. 前記コイル導体は、前記複数の第一基材層のそれぞれに形成された複数の導体パターンと、前記積層方向に隣り合う二つの導体パターンを接続する複数の層間接続導体と、を含んでいる、請求項1または2に記載のアンテナコイル。
  4. 前記積層体において前記積層方向と略直交する表面に設けられ、前記第一透磁率よりも大きな透磁率を有する、複数の第二磁性層をさらに備える、請求項1〜3のいずれかに記載のアンテナコイル。
  5. 前記積層方向に隣り合う二つの第一基材層の間に設けられた第二基材層を、さらに備え、
    前記第二基材層には、前記導体パターンが形成されていない、請求項3に記載のアンテナコイル。
  6. 前記積層方向に隣り合う二つの第一基材層の間に設けられた第三基材層を、さらに備え、
    前記第三基材層には、前記第一透磁率よりも大きな透磁率を有する第三磁性層が表面に形成されている、請求項3に記載のアンテナコイル。
  7. 前記積層体において前記積層方向と略直交する表面に設けられた第四基材層を、さらに備え、
    前記第四基材層には、前記第一透磁率よりも大きな透磁率を有する第四磁性層が表面に形成されている、請求項3に記載のアンテナコイル。
  8. 前記積層方向に隣り合う二つの導体パターン間の各距離が、該積層方向に沿う位置によって異なっている、請求項3に記載のアンテナコイル。
  9. 前記積層体において前記積層方向と略直交する一方の表面に設けられ、前記第一透磁率よりも大きな透磁率を有する少なくとも一つの第五磁性層が形成された第五基材層と、
    前記積層体において前記積層方向と略直交する他方の表面に設けられた第六基材層を、さらに備え、
    前記第五基材層および前記第六基材層には、前記導体パターンが形成されていない、請求項3に記載のアンテナコイル。
  10. 前記第一基材層に形成されており、前記積層方向に隣り合う二つの第一磁性層を磁気的に接続する複数の層間接続体をさらに備える、請求項3に記載のアンテナコイル。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載のアンテナコイルを備えた、部品内蔵基板。
  12. 請求項1〜10のいずれかに記載のアンテナコイル、または請求項11に記載の部品内蔵基板を備えた通信端末装置。
  13. 前記アンテナコイルの近傍に設けられたブースターアンテナをさらに備える請求項12に記載の通信端末装置。
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