JP6030359B2 - 塩化ビニル樹脂組成物用加工助剤および該加工助剤を含有する塩化ビニル樹脂組成物並びにその成形品 - Google Patents

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Description

本発明は、塩化ビニル樹脂組成物を成形加工する際のプレートアウトを抑制することができる塩化ビニル樹脂組成物用加工助剤、および該加工助剤を用いることによりプレートアウトを抑制した塩化ビニル樹脂組成物並びにその成形品に関する。
従来、硬質塩化ビニル樹脂組成物には、光や熱に対する安定性向上、加工時の流動性改善および適度な物性の付与、該樹脂組成物成形品の表面を滑らかにすることなどを目的として、安定剤、滑剤および充填剤などの加工助剤を添加している。安定剤としては、鉛系安定剤が最も幅広く用いられていたが、作業環境や使用上の面で毒性が指摘され、特に上水用塩化ビニル樹脂管および下水用塩化ビニル樹脂管では、鉛系安定剤の使用が禁止あるいは使用規制されている。そのため、より安全性の高い有機スズ系安定剤やカルシウム、亜鉛、バリウムなどの金属石鹸系安定剤に置き換えられている。
しかし、有機スズ系安定剤または金属石鹸系安定剤、充填剤、従来の滑剤などを加工助剤として用いる塩化ビニル樹脂組成物は、成形加工する際に成形金型内でプレートアウトが発生し、成形金型および成形品に充填剤などを主成分とするプレートアウト物が付着する問題があった。プレートアウトの発生が起きると製造の中断および金型の洗浄が必須となるため、大きく生産性を損なうこととなる。そのため、塩化ビニル樹脂組成物を成形加工する際のプレートアウトを抑制し、且つ該樹脂組成物成形品の表面を滑らかにする加工助剤が求められている。
塩化ビニル樹脂組成物を成形加工する際に発生するプレートアウトを抑制する従来技術としては、分子内に遊離のカルボン酸を有するグリセリンコハク酸脂肪酸エステルから成る塩化ビニル樹脂の成形加工時のプレートアウトを抑制・低減する加工助剤(特許文献1参照)、アクリル酸エステル系共重合体樹脂(A)と、塩化ビニル系樹脂(B)とから成る樹脂成分に対し、グリセリン脂肪酸エステル(C)と顔料とを混練して成ることを特徴とする塩化ビニル樹脂用着色剤(特許文献2参照)、塩化ビニル樹脂と、有機錫系安定剤と、無機充填剤と、滑剤と、ステアリン酸カルシウムとからなる塩化ビニル樹脂組成物において、酸価型ポリエチレンワックスが特定量配合されていることを特徴とする塩化ビニル樹脂組成物(特許文献3参照)、特定のアルミノケイ酸金属塩、脂肪酸亜鉛、多価アルコール乃至そのエステル及び/又はケイ酸カルシウムを特定の割合で組み合わせた塩素含有重合体用安定剤(特許文献4)などが開示されている。しかし、上記技術では一長一短がありさらに良い方法が求められている。
特開2002−275336号公報 特開2001−31888号公報 特開平7−242784号公報 特開2001−106922号公報
本発明は、塩化ビニル樹脂組成物の成形加工時に発生するプレートアウトを抑制し、且つ該樹脂組成物成形品の表面を滑らかにする塩化ビニル樹脂組成物用加工助剤を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決する為に鋭意研究を重ねた結果、ソルビトールと脂肪酸または脂肪酸誘導体をエステル化反応することによって得られるソルビタン脂肪酸エステルを用いることにより、上記課題を解決することを見出した。本発明者はこれらの知見に基づきさらに研究を重ね本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)構成するソルビトールの縮合率が0〜50%であり、且つエステル化率が80%以上のソルビタン脂肪酸エステルであることを特徴とする塩化ビニル樹脂組成物用加工助剤、
(2)塩化ビニル樹脂と上記(1)に記載の塩化ビニル樹脂組成物用加工助剤とを含有することを特徴とする、成形加工時のプレートアウトを抑制した塩化ビニル樹脂組成物およびその成形品、
(3)塩化ビニル樹脂に上記(1)の塩化ビニル樹脂組成物用加工助剤を配合することを特徴とする成形加工時のプレートアウト抑制方法、
からなっている。
本発明の塩化ビニル樹脂組成物用加工助剤を配合した塩化ビニル樹脂組成物は、成形加工時に発生するプレートアウトを抑制、具体的には金型への付着および成形品表面への付着を抑制し、且つ該樹脂組成物成形品の表面を滑らかでツヤのあるものにすることができる。また、塩化ビニル樹脂組成物成形加工時のゲル化時間を良好に保つことができる。
本発明の塩化ビニル樹脂組成物用加工助剤であるソルビタン脂肪酸エステルは、ソルビトールと、脂肪酸または脂肪酸誘導体とのエステル化生成物であり、エステル化反応など自体公知の方法で製造される。
ソルビタン脂肪酸エステルの原料として用いられるソルビトールとしては、例えば、白色粉末または粒状のD−ソルビトール或いはD−ソルビトールを約50〜70質量%含有するD−ソルビトール液が挙げられる。
ソルビタン脂肪酸エステルの原料として用いられる脂肪酸としては、例えば、炭素数8〜28の飽和または不飽和の直鎖、分岐またはヒドロキシ酸などの天然あるいは合成による脂肪酸が挙げられ、具体的にはカプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、アイコサペンタエン酸、ベヘニン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸、エライジン酸、エルカ酸、オレイン酸、リノール酸、リノール酸、リシノール酸、ヒドロキシステアリン酸、イソステアリン酸などが挙げられる。この中でもとりわけパルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸が好ましい。また、前記脂肪酸は1種または2種以上を組み合わせて使用してもよい。
ソルビタン脂肪酸エステルの原料として用いられる脂肪酸誘導体としては、脂肪酸のハロゲン化物、脂肪酸のエステル化物などであり、具体的には、脂肪酸クロライド、脂肪酸メチルなどが挙げられる。好ましくは、脂肪酸クロライドである。前記脂肪酸誘導体は1種または2種以上を組み合わせて使用してもよい。
上記ソルビトールと、脂肪酸または脂肪酸誘導体とがエステル化反応して本発明のソルビタン脂肪酸エステルが得られるが、ソルビトールは加熱により分子内脱水してソルビタン、ソルバイドとなることより、本発明のソルビタン脂肪酸エステルには、ソルビトール型脂肪酸エステル、ソルビタン型脂肪酸エステル、ソルバイド型脂肪酸エステルの混合物である。
上記ソルビタン脂肪酸エステルの製法は、特に限定されるものではないが、例えば、次の方法が挙げられる。攪拌機、加熱用のジャケット、窒素導入管、水分定量管、空冷管などを備えた通常の反応容器に、ソルビトールと脂肪酸を約1:3.5〜6のモル比、好ましくは1:4〜5のモル比で仕込み、触媒として水酸化ナトリウムあるいは酸化亜鉛、水酸化カルシウムを加えて攪拌混合し、窒素ガス雰囲気下で、エステル化反応により生成する水を系外に除去しながら、温度調節器を用いて所定温度で加熱する。反応温度は通常、約210〜250℃の範囲、好ましくは約220〜240℃の範囲である。また、反応圧力条件は減圧下または常圧下で、反応時間は約8〜12時間である。反応の終点は、通常反応混合物の酸価を測定し、約10以下を目安に決められる。必要であれば、着色防止剤として次亜リン酸ソーダを添加することができる。
ソルビタン脂肪酸エステルを構成するソルビトールの縮合率は0〜50%であり、好ましく約30〜50%である。縮合率が上記範囲内であるとプレートアウト性とゲル化遅延効果のバランスが良いため好ましい。
本発明においてソルビトールの縮合率とは、ソルビタン脂肪酸エステルを構成するソルバイド、ソルビタン、ソルビトールの比率から計算されたものである。ソルビタン脂肪酸エステルに含まれるソルバイド、ソルビタン、ソルビトールの分析方法および縮合率の計算は、下記の方法が採用される。
(1)ソルビタン脂肪酸エステルを約1g量りとり、1/2N水酸化カリウム−エタノール溶液に溶解し、還流条件下で30分間ケン化分解する。
(2)上記エタノール溶液を中和し、ヘキサン/メタノールで振とう・静置分離後メタノール相を分取し、溶媒除去後ガスクロマトグラフィーにて分析を行う。
(3)クロマトグラムから、ソルバイド、ソルビタン、ソルビトールそれぞれのピーク面積比を計算し、それらの組成比を分析し、ソルバイド、ソルビタン、ソルビトールのピーク面積比をそれぞれR1,R2,R3とする。
(4)ソルバイドの縮合率を100%、ソルビタンの縮合率を50%、ソルビトールの縮合率を0%として、縮合率を以下計算式にて求める。
縮合率(%)=(100×R1+50×R2+0×R3)
ソルビタン脂肪酸エステルのエステル化率は、80%以上であり、好ましくは約90%以上である。エステル化率が80%以上であるとゲル化遅延効果が強いため好ましい。
ソルビタン脂肪酸エステルのエステル化率は下記式にて算出した値が採用することができる。
エステル化率(%)={エステル価/(エステル価+水酸基価)}×100
ここでエステル価および水酸基価は、「基準油脂分析試験法(I)」(社団法人 日本油化学会編)の[2.3.3―1996 エステル価]および[2.3.6―1996 ヒドロキシル価]に準じて測定される。
常温でのソルビタン脂肪酸エステル(塩化ビニル樹脂組成物用加工助剤)の形態としては、固体状、液体状、ペースト状などの形態が挙げられるが、ハンドリング性を考慮すると固体状が好ましく用いられる。固体状の形状としては、例えば、ブロック状、ペレット状、フレーク状、粉末状などが挙げられ、好ましくは粉末状である。塩化ビニル樹脂組成物用加工助剤を粉末状にする方法としては、例えば冷却してブロック状となった塩化ビニル樹脂組成物用加工助剤を粉砕機などで粉砕する方法、スプレークーリングすることにより粉末状にする方法などが挙げられる。
粉末状の塩化ビニル樹脂組成物用加工助剤の平均粒子径は特に制限はないが、好ましくは約50〜2000μm、より好ましくは約100〜1000μmである。平均粒子径の大きさが上記範囲内であると、塩化ビニル樹脂組成物用加工助剤を含有する塩化ビニル樹脂組成物を成形加工する際のゲル化時間が適度となるため好ましい。
本発明で用いられる塩化ビニル樹脂は、例えば、塩化ビニルの単量重合体またはエチレン、プロピレンなどのオレフィン、酢酸ビニルのようなビニルエステル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルのような不飽和カルボン酸などとのランダム重合体などの共重合体との混合物、またはこれらを主体としてゴム弾性を有するポリマーとアロイ化したものなどが挙げられる。
本発明の塩化ビニル樹脂組成物は、塩化ビニル樹脂組成物用加工助剤を含有するが、その他に通常塩化ビニル樹脂組成物に用いられる添加剤を配合することができる。上記添加剤としては、例えば安定剤、無機充填剤、可塑剤(フタル酸系、アジピン酸系など)、着色剤(無機顔料、有機顔料、レーキ顔料など)、帯電防止剤(グリセリン脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪酸エステル、アニオン系界面活性剤など)、発泡剤(アゾ系発泡剤、ニトロソ系発泡剤)、高分子系改質剤(アクリル系改質剤、MBS改質剤など)、酸化防止剤(フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤など)、紫外線吸収剤(ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系紫外線吸収剤など)、内部滑剤(高級アルコール、長鎖脂肪酸、脂肪酸エステルなど)、外部滑剤(炭化水素ワックス、多価アルコール脂肪酸エスエルなど)その他安定助剤(ステアロイルベンゾイルメタン、ジペンタエリスリトール、ハイドロタルサイト、ゼオライトなど)などが挙げられる。
上記安定剤としては、有機スズ系安定剤、カルシウム、亜鉛などの金属石鹸など、毒性の少ない或いは無毒の安定剤および鉛系安定剤を用いることができ、例えば、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、オクチル錫メルカプト、ジブチル錫マレートなどが挙げられる。
上記無機充填剤としては種々のものが使用されるが、例えば、炭酸カルシウム、クレー、シリカ、カーボンブラック、ケイ酸カルシウム、珪藻土、チョークなどが挙げられる。
有機スズ系または金属石鹸の安定剤、および無機充填剤を配合した一般的な塩化ビニル樹脂組成物は、プレートアウト現象がより多く発生する傾向にあるため、塩化ビニル樹脂組成物用加工助剤を配合することにより特に優れたプレートアウト抑制効果を発揮することができる。
本発明の塩化ビニル樹脂組成物は、例えば、塩化ビニル樹脂および有機スズ系または金属石鹸の安定剤、無機充填剤などの添加剤をヘンシェルミキサーで100〜140℃に加熱して混合した後、100℃未満に冷却してから塩化ビニル樹脂組成物用加工助剤を添加して混合することにより得ることができる。
塩化ビニル樹脂組成物用加工助剤の塩化ビニル樹脂への配合量は、塩化ビニル樹脂100質量部に対し、好ましくは約0.01〜5.0質量部、さらに好ましくは約0.1〜1.0質量部である。
このようして得られた本発明の塩化ビニル樹脂組成物は、押出成形、射出成形、圧縮成形、シート成形などの種々の成形加工手段に供して任意の形状の成形品として使用することができる。これら成形品の用途としては、上下水用配管、電線被覆材、ハウス・トンネルなどの農業用資材、玩具などの雑貨・日用品、壁紙などの建材などに用いられる。
以下に本発明を実施例で説明するが、これは本発明を単に説明するだけのものであって、本発明を限定するものではない。
<ソルビタン脂肪酸エステルの作製>
[ソルビタン脂肪酸エステル1]
ソルビトール(商品名:D−グルシトール;キシダ化学社製)1.34g(0.0056mol)をピリジン400mlに溶解した後、脂肪酸誘導体としてステアロイルクロライド(商品名:ステアロイルクロライド;東京化成工業社製)18.66g(0.0648mol)を攪拌しながら滴下し、1時間常温で反応させた。反応後、ピリジンに不溶の成分を分取し、さらに分取した不溶の成分をピリジンで洗浄した後乾燥して約15gのソルビタン脂肪酸エステル1を得た。得られたソルビタン脂肪酸エステル1を分析したところエステル化率は98%、縮合率は0%であった。
[ソルビタン脂肪酸エステル2]
温度調節機、窒素導入管、攪拌機および冷却管を取り付けた4つ口フラスコに、ソルビトール(商品名:ソルビトール:キリン協和フーズ社製)を120.32g(0.463mol)および脂肪酸(商品名:ステアリン酸65:ミヨシ油脂社製)を579.68g(2.100mol)加え、触媒として水酸化ナトリウム(商品名:水酸化ナトリウム 0.7mm粒状;キシダ化学社製)を0.35g(0.088mol)加えた。これらを窒素気流下、230℃で反応水を留去しつつ、10時間常圧で反応させ、約650gのソルビタン脂肪酸エステル2を得た。得られたソルビタン脂肪酸エステルを分析したところエステル化率は約93%、縮合率は約35%であった。
[ソルビタン脂肪酸エステル3]
ソルビタン脂肪酸エステル2の作製方法において、ソルビトールの配合量を138.11g(0.531mol)に、脂肪酸の配合量を561.88g(2.035mol)にした以外は同様の操作を行い、約650gのソルビタン脂肪酸エステル3を得た。得られたソルビタン脂肪酸エステル3を分析したところエステル化率は約94%、縮合率は約49%であった。
[ソルビタン脂肪酸エステル4]
ソルビタン脂肪酸エステル2の作製方法において、ソルビトールの配合量を146.6g(0.564mol)に、脂肪酸の配合量を553.43g(2.001mol)にした以外は同様の操作を行い、約650gのソルビタン脂肪酸エステル4を得た。得られたソルビタン脂肪酸エステル4を分析したところエステル化率は約82%、縮合率は約42%であった。
[ソルビタン脂肪酸エステル5]
ソルビタン脂肪酸エステル2の作成方法において、ソルビトールの配合量を191.1g(0.735mol)に、脂肪酸の配合量を585.9g(2.122mol)にした以外は同様の操作を行い、約700gのソルビタン脂肪酸エステル5を得た。得られたソルビタン脂肪酸エステル5を分析したところエステル化率は約93%、縮合率は約67%であった。
[ソルビタン脂肪酸エステル6]
ソルビタン脂肪酸エステル2の作成方法においてソルビトールの配合量を266g(1.02mol)に、脂肪酸の配合量を434g(1.57mol)にした以外は同様の操作を行い、約600gのソルビタン脂肪酸エステル6を得た。得られたソルビタン脂肪酸エステル6を分析したところエステル化率は約33%、縮合率は約44%であった。
<塩化ビニル樹脂組成物用加工助剤の作製>
[塩化ビニル樹脂組成物用加工助剤1]
得られたソルビタン脂肪酸エステル1をミキサー(型式:Osterizer;Oster社製)により粉砕して塩化ビニル樹脂組成物用加工助剤1(実施例品1)を得た。得られた実施例品1の平均粒子径は400μmであった。
[塩化ビニル樹脂組成物用加工助剤2〜6]
塩化ビニル樹脂組成物用加工助剤1の作製において、ソルビタン脂肪酸エステル1をソルビタン脂肪酸エステル2〜6に替えた以外は同様の操作を行い塩化ビニル樹脂組成物用加工助剤2〜6(実施例品2〜4、比較例品1、2)を得た。得られた実施例品2〜6、比較例品1、2の平均粒子径は、いずれも400μmであった。
<塩化ビニル樹脂組成物およびその成形品の作製>
(1)原材料
塩化ビニル樹脂(商品名:ZEST1000H;新第一塩ビ社製)
ステアリン酸カルシウム(商品名:カルシウムステアレートG;日油社製)
ステアリン酸亜鉛(商品名:ジンクステアレートG;日油社製)
炭酸カルシウム(商品名:ホワイトン SB;白石カルシウム社製)
ハイドロタルサイト(商品名:アルカマイザー1;協和化学工業社製)
ゼオライト(商品名:GSL−1000;東ソー社製)
ステアロイルベンゾイルメタン(商品名:Rhodiastub 55P;Rhodia社製)
ジペンタエリスリトール(商品名:ジペンタリット;広栄化学社製)
塩化ビニル樹脂組成物用加工助剤1(実施例品1:ソルビタン脂肪酸エステル1)
塩化ビニル樹脂組成物用加工助剤2(実施例品2:ソルビタン脂肪酸エステル2)
塩化ビニル樹脂組成物用加工助剤3(実施例品3:ソルビタン脂肪酸エステル3)
塩化ビニル樹脂組成物用加工助剤4(実施例品4:ソルビタン脂肪酸エステル4)
塩化ビニル樹脂組成物用加工助剤5(比較例品1:ソルビタン脂肪酸エステル5)
塩化ビニル樹脂組成物用加工助剤6(比較例品2:ソルビタン脂肪酸エステル6)
(2)塩化ビニル樹脂組成物およびその成形品の配合
上記原材料を用いて作製したCa−Zn系の塩化ビニル樹脂組成物およびその成形品の配合組成を表1に示した。
Figure 0006030359
(3)塩化ビニル樹脂組成物およびその成形品の作製
表1に記載の塩化ビニル樹脂組成物用加工助剤以外の上記原材料(50倍量)をヘンシェルミキサーに投入し、樹脂温度が110℃になるまで攪拌後、55℃まで冷却した。この混合物に表1に記載の塩化ビニル樹脂組成物用加工助剤(50倍量)を加えてコールドブレンドし、塩化ビニル樹脂組成物を作製した。この塩化ビニル樹脂組成物を異方向2軸押出し機(型式:TP−20T;サーモプラスチック工業社製)を用いてバレル温度170〜190℃(C1=170℃、C2=180℃、C3=190℃)、金型温度200℃、スクリュー回転数70rpm、押出し量3.5kg/hの条件にて30分間押し出してプレート状の塩化ビニル樹脂組成物成形品(試作品1〜6)を作製した。
<プレートアウトの評価>
(1)成形加工時のプレートアウト(金型への付着)の評価
塩化ビニル樹脂組成物成形品(試作品1〜6)を作製した後の、異方向2軸押出し機の金型に付着堆積(プレートアウト)した固形物の付着状況を目視観察して付着堆積状態を下記評価基準で評価した。結果を表3に示す。
○:金型表面への堆積物がほとんど見られない状態。
△:金型表面への堆積物がやや見られる状態。
×:金型表面への堆積物が多く見られる状態。
(2)塩化ビニル樹脂組成物成形品の表面状態(表面への付着)の評価
得られた塩化ビニル樹脂組成物成形品(試作品1〜6)の表面状態を目視観察し、プレートアウトした固形物(堆積物)の付着状況を下記評価基準で評価した。結果を表2に示す。
○:成形品の表面に堆積物が見られない状態。
△:成形品の表面にやや堆積物が見られる状態。
×:成形品の表面に堆積物が多く見られる状態。
<塩化ビニル樹脂組成物成形品表面の滑らかさの評価>
得られた塩化ビニル樹脂組成物成形品(試作品1〜6)の表面状態を目視観察し、該樹脂成形品の表面の滑らかさを下記評価基準で評価した。結果を表2に示す。
○:成形品の表面が滑らかであり、ツヤがある状態。
△:成形品の表面にやや凹凸が見られ、ツヤがあまりない状態。
×:成形品の表面に凹凸が見られ、ツヤがない状態。
<塩化ビニル樹脂組成物のゲル化遅延効果の確認>
塩化ビニル樹脂組成物の成形加工において、ゲル化時間は重要な因子である。ゲル化時間は、成形加工条件によっても異なるが、好ましくは約90〜200秒程度が塩化ビニル樹脂組成物を成形加工する上で適している。塩化ビニル樹脂組成物用加工助剤を用いた場合のゲル化時間を下記方法で測定した。
(1)塩化ビニル樹脂組成物の配合組成および原材料
表1に記載の塩化ビニル樹脂組成物(試作品1〜6)の配合組成および原材料を用いてゲル化時間の確認を行った。
(2)ゲル化時間測定
ゲル化時間測定は、ラボプラストミル(型式:4C150−01;東洋精機製作所社製)を用いて下記条件で測定した。
ジャケット温度:190℃
原材料充填量:75g
余熱時間:2分
ローター回転数:50rpm
得られたゲル化時間を下記基準で評価した。その結果を表2に示す。

○:ゲル化時間が90秒以上。
×:ゲル化時間が90秒未満。
Figure 0006030359
結果より、試作品1〜4を成形加工した後の金型には、プレートアウト物の付着が少なく、成形品表面への付着がなかった。また、成形品表面は滑らかでありツヤがあり良好であった。一方、試作品5、6を成形加工した後の金型には、プレートアウト物の付着が少なく、成形品表面への付着がなかったが、成形品表面の凸凹があり滑らかでなくツヤがないものであった。さらにゲル化時間が短く好ましくなかった。

Claims (4)

  1. 構成するソルビトールの縮合率が0〜50%であり、且つエステル化率が80%以上のソルビタン脂肪酸エステルであることを特徴とする塩化ビニル樹脂組成物用加工助剤。
  2. 請求項1に記載のソルビタン脂肪酸エステルが、(a)ソルビトール型脂肪酸エステル、(b)ソルビトール型脂肪酸エステルおよびソルビタン脂肪酸エステルの混合物、(c)ソルビトール型脂肪酸エステル、ソルビタン型脂肪酸エステルおよびソルバイド型脂肪酸エステルの混合物のいずれかであることを特徴とする塩化ビニル樹脂組成物用加工助剤。
  3. 塩化ビニル樹脂と請求項1または2に記載の塩化ビニル樹脂組成物用加工助剤とを含有することを特徴とする、成形加工時のプレートアウトを抑制した塩化ビニル樹脂組成物およびその成形品。
  4. 塩化ビニル樹脂に請求項1または2の塩化ビニル樹脂組成物用加工助剤を配合することを特徴とする成形加工時のプレートアウト抑制方法。
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JPS58206651A (ja) * 1982-05-26 1983-12-01 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd 架橋塩化ビニル系樹脂組成物

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