JP2012502160A - 可塑剤およびこれを含むポリ塩化ビニル(pvc)樹脂 - Google Patents
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Abstract
本発明は、エステル系可塑剤、特に、ポリ塩化ビニル(PVC)樹脂用可塑剤、および該可塑剤を含むプラスチックを提供する。より詳細には、本発明はグリセロールと有機酸のエステル化反応により製造される可塑剤を提供する。
本発明のエステル系可塑剤を用いてポリ塩化ビニル樹脂を製造すると、優れた可塑化効率を有する製品を得ることができ、そして、製品の引張強度などの物理的特性が改善されるという利点がある。
【選択図】なし
本発明のエステル系可塑剤を用いてポリ塩化ビニル樹脂を製造すると、優れた可塑化効率を有する製品を得ることができ、そして、製品の引張強度などの物理的特性が改善されるという利点がある。
【選択図】なし
Description
本発明は、エステル系化合物およびこれを含むプラスチックに関し、そして、詳細には、ポリ塩化ビニル(PVC)樹脂のための可塑剤に関する。より具体的には、本発明は、高い可塑化効率、および改善された硬度、引張強度などのような物理的特性を有する、ポリ塩化ビニルの樹脂組成物が製造され得る、グリセロールおよびカルボン酸のエステル化反応を用いて製造されるエステル系可塑剤に関する。
ホモポリマーまたは50%またはそれ以上のポリ塩化ビニルを含むコポリマーであるポリ塩化ビニル樹脂は、押出成形、射出成形、カレンダー仕上げなどにより種々の製品に成形され得る一般的な樹脂である。そのようなポリ塩化ビニル樹脂は、パイプ、電線、電化製品、玩具、フィルム、シート、人造皮革、防水シート、テープ、食品包装材、医療用品などのような種々の製品のための原料物質として広く使用される。このようなポリ塩化ビニル樹脂に、可塑剤、安定剤、充填剤、顔料などのような各種添加剤を適切に添加することにより、種々の物理的特性がもたらされ得る。
そのような添加剤の中でも、可塑剤は、ポリ塩化ビニル樹脂に加工性、柔軟性、電気絶縁性、粘着性などのような様々な物理的特性および機能をもたらす不可欠の添加剤である。可塑剤の非常に重要なファクターとしての低い揮発性は、可塑剤がプラスチック組成物に混合される場合および可塑剤を含む成形品が実際に使用される場合のどちらにおいても重要である。さらに、食品、飲料、医療用品および医薬品の分野において使用される可塑剤は、健康上人体に無害でなければならない。このような無害な可塑剤の典型的な例としては、フタル酸エステル系可塑剤がある。しかしながら、フタル酸エステル系可塑剤の使用は、毒性物質を規制する法律の下で、その活性化を主因とするその毒性に関する批判のために将来は著しく減少するであろう。したがって、その基本骨格がフタル酸エステルを含まずそしてフタル酸エステル系可塑剤と同等の可塑化効率を有する、エステルを含む可塑剤の開発が必要とされている。
発明の開示
技術的課題
上述した問題を解決するために、本発明者らは、ポリ塩化ビニル樹脂のための可塑剤として使用され得るエステル系化合物を鋭意検討した。その結果、グリセロールから誘導された特定構造の新規なエステル系化合物が、可塑剤として用いることができ、そして特にポリ塩化ビニル樹脂のための可塑剤として優れることを見出した。これらの知見に基づき、本発明は完成された。それゆえ、本発明の目的は、グリセロールを用いて製造されそして従来のフタル酸エステル系可塑剤と同等またはより優れた物理的特性を有する、新規なエステル系可塑剤化合物を提供することにある。
本発明の他の目的は、前記新規なエステル系可塑剤を含む可塑剤組成物を提供することにある。
本発明のまた別の目的は、前記可塑剤組成物を含むポリ塩化ビニル樹脂組成物を提供することにある。
技術的課題
上述した問題を解決するために、本発明者らは、ポリ塩化ビニル樹脂のための可塑剤として使用され得るエステル系化合物を鋭意検討した。その結果、グリセロールから誘導された特定構造の新規なエステル系化合物が、可塑剤として用いることができ、そして特にポリ塩化ビニル樹脂のための可塑剤として優れることを見出した。これらの知見に基づき、本発明は完成された。それゆえ、本発明の目的は、グリセロールを用いて製造されそして従来のフタル酸エステル系可塑剤と同等またはより優れた物理的特性を有する、新規なエステル系可塑剤化合物を提供することにある。
本発明の他の目的は、前記新規なエステル系可塑剤を含む可塑剤組成物を提供することにある。
本発明のまた別の目的は、前記可塑剤組成物を含むポリ塩化ビニル樹脂組成物を提供することにある。
技術的解決方法
上記目的を解決するために、本発明の第1の特徴は、下記化学式1:
(式中、R1、R2およびR3は、互いに独立して炭素原子数7乃至13のアシル基(長鎖アシル基(long acyl group))、炭素原子数2乃至4のアシル基(短鎖アシル基(short acyl group))、または炭素原子数6乃至11のナフテン系アシル基および炭素原子数6乃至11の芳香族アシル基から選ばれる環状アシル基(ring acyl group)を表す。)
で表されることを特徴とする、エステル系可塑剤を提供することにある。
上記目的を解決するために、本発明の第1の特徴は、下記化学式1:
で表されることを特徴とする、エステル系可塑剤を提供することにある。
本発明の第2の特徴は、エステル系可塑剤をポリ塩化ビニル樹脂に対して10乃至100phrの量で含むことを特徴とする、ポリ塩化ビニル樹脂組成物を提供することにある。
有利な効果
本発明によるグリセロールを用いたエステル系可塑剤を用いてポリ塩化ビニル樹脂を製造すると、優れた可塑化効率を有する製品を得ることができ、そして、製品の引張強度などの物理的特性が改善されるという利点がある。
本発明によるグリセロールを用いたエステル系可塑剤を用いてポリ塩化ビニル樹脂を製造すると、優れた可塑化効率を有する製品を得ることができ、そして、製品の引張強度などの物理的特性が改善されるという利点がある。
以下に、本発明によるエステル系可塑剤およびエステル系可塑剤を含むポリ塩化ビニル樹脂組成物について詳細に説明する。
本発明のエステル系可塑剤は、グリセロールを少なくとも1種のカルボン酸と反応させることにより製造され、下記化学式1:
(式中、R1、R2およびR3は、互いに独立して炭素原子数7乃至13のアシル基(長鎖アシル基(long acyl group))、炭素原子数2乃至4のアシル基(短鎖アシル基(short acyl group))、または炭素原子数6乃至11のナフテン系アシル基および炭素原子数6乃至11の芳香族アシル基から選ばれる環状アシル基(ring acyl group)を表す。)
で表される、エステル系化合物である。
で表される、エステル系化合物である。
本発明のエステル系可塑剤化合物は、グリセロールの基本構造を用いたエステル系化合物であって、そして、アシル基の形成はグリセロールと反応するカルボン酸によって決定
される。前記エステル系可塑剤の効率は、前記アシル基の形成のために添加されるカルボン酸の種類により大きく変化する。エステル系可塑剤の効率に関し、炭素原子数2乃至4のカルボン酸を使用しない場合にはそのエステル系可塑剤の効率が顕著に低下することが、後述する実施例および比較例から見てとれる。したがって、上記化学式1で表される可塑剤において、R1、R2およびR3の少なくとも一つは炭素原子数2乃至4のアシル基であることが好ましい。
される。前記エステル系可塑剤の効率は、前記アシル基の形成のために添加されるカルボン酸の種類により大きく変化する。エステル系可塑剤の効率に関し、炭素原子数2乃至4のカルボン酸を使用しない場合にはそのエステル系可塑剤の効率が顕著に低下することが、後述する実施例および比較例から見てとれる。したがって、上記化学式1で表される可塑剤において、R1、R2およびR3の少なくとも一つは炭素原子数2乃至4のアシル基であることが好ましい。
本発明のエステル系可塑剤は、グリセロールを少なくとも1種のカルボン酸とエステル化反応させることにより製造される。前記カルボン酸としては、酢酸、プロピオン酸または酪酸のような炭素原子数2乃至4のカルボン酸が本質的に使用され得る。さらに、前記カルボン酸として、炭素原子数7乃至13の長鎖カルボン酸、または安息香酸などの炭素原子数6乃至11の環状または芳香族カルボン酸が好ましく使用され得る。前記カルボン酸対グリセロールのモル比は、1:0.2乃至3であり、好ましくは1:0.9乃至2.0である。このモル比はグリセロール中に存在する水酸基を基準として決定される。酸触媒、例えば、重硫酸ナトリウムがエステル化反応に使用されることが好ましい。さらに、p−トルエンスルホン酸または硫酸などがエステル化反応における触媒として使用され得る。前記触媒は反応混合物に対して0.2乃至5質量%の量で使用され得る。
一方、エステル化反応に使用可能な溶媒の例には、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエンおよびキシレンが挙げられる。エステル化反応は、100乃至160℃において行われることが好ましい。
エステル化反応の後、未反応の有機酸と酸触媒は、炭酸ナトリウム水溶液または炭酸カルシウム水溶液などのアルカリ性試薬の添加により中和する。相分離後に得られた粗エステルを水で洗浄し、脱水し、そして次いで濾過して目的物を得る。
本発明のエステル系可塑剤は、下記化学式2乃至4:
(式中、長鎖アシル基は炭素原子数7乃至13のアシル基であり、短鎖アシル基は炭素原子数2乃至4のアシル基であり、そして、環状アシル基は炭素原子数6乃至11のナフテン酸アシル基および炭素原子数6乃至11の芳香族アシル基から選ばれる環状アシル基をそれぞれ表す。)で表される化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種であり得る。
本発明のエステル系可塑剤は、ポリ塩化ビニル樹脂と共に適切に使用される。ポリ塩化ビニル樹脂は、ポリ塩化ビニルに限定されない。ポリ塩化ビニル樹脂の例としては、塩素化ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニル 酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル エチレン共重合体、ポリ塩化ビニル プロピレン共重合体、ポリ塩化ビニル スチレン共重合体、ポリ塩化ビニル イソブチレン共重合体、ポリ塩化ビニル ビニリデン共重合体、ポリ塩化ビニル エーテル共重合体およびこれらのブレンドなどの塩素含有樹脂;並びに塩素含有樹脂と塩素を含まない合成樹脂とのブレンド、ブロック共重合体およびグラフト共重合体、例えばアクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン三元共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエステルなどが挙げられる。
本発明のポリ塩化ビニル樹脂組成物は、エステル系可塑剤をポリ塩化ビニル樹脂に対して10乃至100phrの量で含み得る。本発明のエステル系可塑剤の量は、ポリ塩化ビニル樹脂組成物の用途により適切に調整され得る。エステル系可塑剤の量が10phr未満の場合には、可塑剤によって示される柔軟性または加工性を実現することができない。さらに、その量が100phrより多い場合には、必要な機械的特性を確保することが難しく、そしてポリ塩化ビニル樹脂組成物が溶け出る可能性がある。
一方、前記ポリ塩化ビニル樹脂組成物は、充填剤と顔料を除いた添加剤を、前記ポリ塩化ビニル樹脂に対して0乃至30phrの量でさらに含み得る。
ここで、前記ポリ塩化ビニル樹脂組成物中に選択的に含まれ得る一般的な添加剤である添加剤の例としては、絶縁性向上剤、各種金属塩、ポリオール類、エポキシ化合物、フェノール系または硫黄系抗酸化剤、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤、無機系安定剤、防曇剤、防霧剤、安定化助剤、有機錫化合物などが挙げられる。
前記一般的な添加剤とは異なり、充填剤および顔料は、ポリ塩化ビニル樹脂に対して約200phrの量で含まれ得る。前記充填剤および顔料の量が200phrより多い場合、ポリ塩化ビニル樹脂組成物の密度、硬度または柔軟性は、マイナスに影響される。前記充填剤の例としては、例えば、炭酸カルシウム、シリカ、クレイ、ガラスビーズ、マイカ、セリサイト、ガラスフレーク、アスベスト、珪灰石、チタン酸カリウム、偏光保持ファイバー(PMF)、石膏繊維、ゾノトライト、金属酸化膜半導体(MOS)、リン酸塩繊維、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維などを挙げることができる。
本発明のエステル系可塑剤を含むポリ塩化ビニル樹脂組成物は、壁仕上げ材、床材、窓枠、壁紙などのような建材;電線被覆材;自動車用内外装材;ビニールハウス、トンネルなどの農業用資材;食品包装ラップ;アンダーボディシーラント、プラスチゾル、ペイント、インクなどの塗膜形成剤;および合成皮革、コートされた織物、ホース、パイプ、シート、幼児用玩具、手袋などの雑貨などに使用され得る。しかしながら、本発明はこれに限定されない。
前記エステル系可塑剤を用いるポリ塩化ビニル樹脂組成物の製造方法は、特に限定されているわけではなく、そして関連する分野において周知である。
本発明の方法
以下、下記の実施例を用いて本発明をより詳細に説明する。しかしながら、これらの実施例は本発明を例示して説明するものであり、そして、本発明の範囲はこれに限定されるものではない。これらの実施例において、サンプルの物理的特性を以下の方法により評価した。
以下、下記の実施例を用いて本発明をより詳細に説明する。しかしながら、これらの実施例は本発明を例示して説明するものであり、そして、本発明の範囲はこれに限定されるものではない。これらの実施例において、サンプルの物理的特性を以下の方法により評価した。
硬度
ASTM D2240方法に準拠して、硬度試験機(Aタイプ)の針をサンプルの1箇所に5秒間完全に押し付け、それからサンプルの硬度を測定した。硬度試験を、各サンプルの3点において行い、そしてその平均値を得た。硬度は、可塑化効率を表す指標として用いられる。
ASTM D2240方法に準拠して、硬度試験機(Aタイプ)の針をサンプルの1箇所に5秒間完全に押し付け、それからサンプルの硬度を測定した。硬度試験を、各サンプルの3点において行い、そしてその平均値を得た。硬度は、可塑化効率を表す指標として用いられる。
引張強度、伸び率、および100%伸長時の弾性係数
サンプルの引張強度および弾性係数をASTM D412方法に準拠して、UTMを用いて測定した。これらの引張強度および弾性係数を、亜鈴型のサンプルをクロスヘッドスピード200mm/分で引っ張った後、これの切断される点において測定した。100%伸長時の弾性係数は、100%伸長時の引張強度であって、可塑化効率との関連性が高い。
サンプルの引張強度および弾性係数をASTM D412方法に準拠して、UTMを用いて測定した。これらの引張強度および弾性係数を、亜鈴型のサンプルをクロスヘッドスピード200mm/分で引っ張った後、これの切断される点において測定した。100%伸長時の弾性係数は、100%伸長時の引張強度であって、可塑化効率との関連性が高い。
最大トルク
ブラベンダー測定器(Brabender Tester)を用いて、ポリ塩化ビニルと可塑剤を混合するときに起こる最大トルクを測定した。
ブラベンダー測定器(Brabender Tester)を用いて、ポリ塩化ビニルと可塑剤を混合するときに起こる最大トルクを測定した。
[実施例1]
グリセロール、安息香酸、オクタン酸および酢酸を用いたエステル系可塑剤の製造
先ず、グリセロール1.0モル、安息香酸0.7モル、オクタン酸0.7モル、酢酸0.7モル、溶媒としてトルエン200g、および触媒として重硫酸ナトリウム3.0gを攪拌器および冷却器を取り付けた2Lの丸底フラスコに投入し、そして次に130℃まで加熱し12時間反応を行った。
反応後、未反応の有機酸を200℃において真空ポンプを用いて5mmHgまで減圧し、10質量%の炭酸ナトリウム水溶液で中和し、水洗、脱水しそして次に、吸着剤により濾過し、上記化学式1で表されるトリグリセリド形態のエステル系可塑剤を得た。
グリセロール、安息香酸、オクタン酸および酢酸を用いたエステル系可塑剤の製造
先ず、グリセロール1.0モル、安息香酸0.7モル、オクタン酸0.7モル、酢酸0.7モル、溶媒としてトルエン200g、および触媒として重硫酸ナトリウム3.0gを攪拌器および冷却器を取り付けた2Lの丸底フラスコに投入し、そして次に130℃まで加熱し12時間反応を行った。
反応後、未反応の有機酸を200℃において真空ポンプを用いて5mmHgまで減圧し、10質量%の炭酸ナトリウム水溶液で中和し、水洗、脱水しそして次に、吸着剤により濾過し、上記化学式1で表されるトリグリセリド形態のエステル系可塑剤を得た。
ポリ塩化ビニル樹脂組成物の製造
得られたエステル系可塑剤の性能を評価するために、試験サンプルを製造した。すなわち、得られたエステル系可塑剤50phrおよび安定剤(LFX−1100)1phrを、ポリ塩化ビニル樹脂(LGケミカルズ社製、LS−100)100質量部と配合し、そして、次にこの混合物を185℃で1分間予熱し、1.5分間加圧しそして2分間冷却し、2mm厚さを有するシートを得た。このシートを種々の亜鈴型の試験サンプルに成形し
た。
得られたエステル系可塑剤の性能を評価するために、試験サンプルを製造した。すなわち、得られたエステル系可塑剤50phrおよび安定剤(LFX−1100)1phrを、ポリ塩化ビニル樹脂(LGケミカルズ社製、LS−100)100質量部と配合し、そして、次にこの混合物を185℃で1分間予熱し、1.5分間加圧しそして2分間冷却し、2mm厚さを有するシートを得た。このシートを種々の亜鈴型の試験サンプルに成形し
た。
これらの試験サンプルを用いて前記試験を行い、そしてその試験結果を下記表1に示す。
[実施例2]
オクタン酸の代わりにデカン酸を用いた以外は実施例1と同様の方法で、エステル系可塑剤およびポリ塩化ビニル樹脂組成物を製造した。その試験結果を下記表1に示す。
オクタン酸の代わりにデカン酸を用いた以外は実施例1と同様の方法で、エステル系可塑剤およびポリ塩化ビニル樹脂組成物を製造した。その試験結果を下記表1に示す。
[実施例3]
オクタン酸の代わりに2−エチルヘキサン酸を用いた以外は実施例1と同様の方法で、エステル系可塑剤およびポリ塩化ビニル樹脂組成物を製造した。その試験結果を下記表1に示す。
オクタン酸の代わりに2−エチルヘキサン酸を用いた以外は実施例1と同様の方法で、エステル系可塑剤およびポリ塩化ビニル樹脂組成物を製造した。その試験結果を下記表1に示す。
[実施例4]
オクタン酸の代わりにナフテン酸を用いた以外は実施例1と同様の方法で、エステル系可塑剤およびポリ塩化ビニル樹脂組成物を製造した。その試験結果を下記表1に示す。
オクタン酸の代わりにナフテン酸を用いた以外は実施例1と同様の方法で、エステル系可塑剤およびポリ塩化ビニル樹脂組成物を製造した。その試験結果を下記表1に示す。
[比較例1]
グリセロール1.0モル、安息香酸0.7モルおよびオクタン酸0.7モルのみを用いて、実施例1と同様の方法で、エステル系可塑剤およびポリ塩化ビニル樹脂組成物を製造した。その試験結果を下記表1に示す。
グリセロール1.0モル、安息香酸0.7モルおよびオクタン酸0.7モルのみを用いて、実施例1と同様の方法で、エステル系可塑剤およびポリ塩化ビニル樹脂組成物を製造した。その試験結果を下記表1に示す。
[比較例2]
可塑剤としてジ−2−エチルヘキシルフタレートを用いて実施例1と同一の方法で試験サンプルを加工した。この試験サンプルを用いて実施例1で行ったテストと同一のテストを行い、そして、その結果を下記表1に示す。
可塑剤としてジ−2−エチルヘキシルフタレートを用いて実施例1と同一の方法で試験サンプルを加工した。この試験サンプルを用いて実施例1で行ったテストと同一のテストを行い、そして、その結果を下記表1に示す。
[比較例3]
比較例2のジ−2−エチルヘキシルフタレートの代わりに可塑剤としてジイソノニルフタレートを用いて実施例1と同一の方法で試験サンプルを加工した。この試験サンプルを用いて実施例1で行ったテストと同一のテストを行い、そして、その結果を下記表1に示す。
比較例2のジ−2−エチルヘキシルフタレートの代わりに可塑剤としてジイソノニルフタレートを用いて実施例1と同一の方法で試験サンプルを加工した。この試験サンプルを用いて実施例1で行ったテストと同一のテストを行い、そして、その結果を下記表1に示す。
[比較例4]
可塑剤としてトリオクチルトリメリテートを用いて実施例1と同一の方法で試験サンプルを加工した。この試験サンプルを用いて実施例1で行ったテストと同一のテストを行い、そして、その結果を下記表1に示す。
可塑剤としてトリオクチルトリメリテートを用いて実施例1と同一の方法で試験サンプルを加工した。この試験サンプルを用いて実施例1で行ったテストと同一のテストを行い、そして、その結果を下記表1に示す。
上記表1の結果より、実施例1、2、3および4の可塑剤の可塑化効率は、比較例2、3および4の可塑剤のものよりも高いものであり、そして、実施例1、2、3および4の可塑剤の引張強度および伸び率等のような物理的特性は、比較例2、3および4の可塑剤のものと同等またはそれより大きいものであるといえる。一方、炭素原子数2乃至4のカルボン酸を使用せずに製造された比較例1の可塑剤の可塑化効率は、実施例1、2、3および4の可塑剤のものと比較して非常に低いものであることが見出された。したがって、本発明の新規な可塑剤は高い可塑化効率を有するため、種々の形に成形され得、それゆえ多様に利用され得ることが期待される。
上記のように、本発明の好適な態様を、例示する目的で開示してきたが、当業者は、添付した特許請求の範囲に開示された本発明の範囲および精神から逸脱することなく、様々な変形、付加および置換が可能であることを理解するであろう。
Claims (7)
- 前記R1、R2およびR3の少なくとも一つは炭素原子数2乃至4のアシル基であることを特徴とする、請求項1に記載のエステル系可塑剤。
- 前記エステル系可塑剤は、グリセロールを少なくとも1種のカルボン酸と反応させて製造されることを特徴とする、請求項1に記載のエステル系可塑剤。
- 前記カルボン酸は酢酸、プロピオン酸および酪酸よりなる群から選ばれることを特徴とする、請求項4に記載のエステル系可塑剤。
- 請求項1乃至5のいずれか1項のエステル系可塑剤をポリ塩化ビニル樹脂に対して10乃至100phrの量で含むことを特徴とする、ポリ塩化ビニル樹脂組成物。
- 充填剤と顔料を除く添加剤をポリ塩化ビニル樹脂に対して30phrまでの量で含むことを特徴とする、請求項6に記載のポリ塩化ビニル樹脂組成物。
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