JP5975524B2 - 化合物、核酸、核酸の製造方法および核酸を製造するためのキット - Google Patents

化合物、核酸、核酸の製造方法および核酸を製造するためのキット Download PDF

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Description

本発明は、エキシトン効果を示す色素を有する化合物および核酸、この化合物を用いた核酸の製造方法ならびに核酸を製造するためのキットに関する。
核酸を検出する方法として、「エキシトン効果(励起子結合効果)」によって蛍光のon/offを制御可能なプローブを用いる方法がある。
このようにエキシトン効果を利用して核酸を検出するためのプローブとして、特許文献1には、モノヌクレオシドまたはモノヌクレオチドから誘導される構造を有する化合物を含むプローブが記載されている。この化合物には、例えば2分子の蛍光性分子が結合している。このプローブは、DNA等と結合していない状態では、構造がひずみ、エキシトンカップリングによる消光が引き起こされることにより蛍光が極めて弱いが、DNA又はRNAとハイブリダイズした状態では、構造のひずみが解消・固定化され、強い蛍光発光を示すものである。
国際公開第2008/111485号パンフレット(2008年9月18日公開)
核酸プローブを製造する方法としては、特許文献1に記載されているように、ヌクレオシドホスホロアミダイト体を用いたホスホロアミダイト法により合成する方法が知られている。特許文献1には、エキシトン効果を利用して核酸を検出するための核酸プローブを製造する方法として、まず蛍光性分子を含まないヌクレオシドホスホロアミダイト体を合成し、これを使用してDNAオリゴマーを作成した後に、蛍光性分子を導入する方法が記載されている。
しかし、この方法では、DNAオリゴマーの合成工程と蛍光性分子を導入するための合成工程との2段階の合成工程が必要であり、それぞれの合成工程についてさらに精製工程が必要である。また、蛍光性分子の導入効率が100%でない場合には、蛍光性分子が1分子のみ導入された不完全な核酸プローブが作成されてしまう可能性もある。
また、従来の方法では、DNAオリゴマーを合成した後に蛍光性分子を導入するため、DNAオリゴマーの異なる位置にそれぞれ異なる種類の色素(蛍光性分子)を導入することが困難である。
本発明は、上記の従来技術が有する問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、エキシトン効果を示す色素を有する核酸の製造を容易に行なうことができる化合物を提供し、ならびに核酸、核酸の製造方法および核酸を製造するためのキットを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行ない、以下の点を見出すことにより本発明を完成させた。
まず、本発明者らは、エキシトン効果を示す色素を有する核酸の製造を容易にするため、色素を有するホスホロアミダイト化合物を用いてオリゴ核酸を合成する方法に着目した。ここで、従来は、エキシトン効果を示す色素として、エキシトン効果の発揮に関わると考えられている電荷(正電荷)を持つ分子を用いるのが一般的である。本発明者らは、このような従来の色素を持つ分子を利用して、核酸の合成を試みたが、合成効率が十分ではない場合があった。
また、エキシトン効果を示す色素として上記電荷を持つ分子を用いた場合、当該色素を組み込んだアミダイト体の前駆体(OH体)が製造できたとしても、この前駆体を効率よくアミダイト化することが出来なかった。
そこで、本発明者らは、電荷を有さない色素を用いて、色素を有するホスホロアミダイト化合物を利用して核酸合成を試みたところ、充分な合成効率にて合成できることを見出した。すなわち、このホスホロアミダイト化合物は、ヌクレオシド基質として用いて核酸の合成に供することができることを見出した。また、このホスホロアミダイト化合物を用いて製造した核酸がエキシトン効果を発揮できることを見出した。
すなわち、本発明に係る化合物は、下記式(1)、(2)または(3)で表されることを特徴とする。
Figure 0005975524
(上記式(1)、(2)および(3)中、
Gは、下記式(33)で表されるホスホロアミダイト基または水酸基であり、
Figure 0005975524
Bは、塩基骨格を有する原子団であり、
Eは、デオキシリボース骨格もしくはリボース骨格を有する原子団またはその誘導体であり、
11およびZ12は、それぞれ独立して蛍光性を有し、かつエキシトン効果を示す原子団であって、電荷を有さない原子団であり、Z11とZ12とは、同一であっても異なっていてもよく、
Xは、水素原子、酸により脱保護が可能な水酸基の保護基、リン酸基、二リン酸基、または三リン酸基であり、
41はリン酸基の保護基であり、
42およびR43は、それぞれ独立してアルキル基またはアリール基であり、
およびRは、それぞれ独立して主鎖を有するリンカーであり、当該主鎖を構成する原子が置換基を有していてもよく、
は、主鎖を有するリンカーであってもよく、または存在していなくてもよく、当該主鎖を構成する原子は置換基を有していてもよく、
Dは、CR11、N、P、P=O、B(ホウ素原子)もしくはSiR11であってもよく、または存在していなくてもよく、R11は、水素原子、アルキル基もしくは任意の置換基であってもよく、
が存在しておらず、かつDが存在している場合には、DはBに直接結合していてもよく、Rが存在しており、かつDが存在していない場合には、RおよびRはRに直接結合していてもよく、RおよびDが存在していない場合には、RおよびRはBに直接結合していてもよく、
Tは、リン酸架橋であり、当該リン酸架橋中、1つ以上の酸素原子が硫黄原子で置換されていてもよい。)
また、本発明に係る化合物は、特に、以下に示すより具体的な例示に限定されないが、上記式(1)および(3)中、下記式(1a)で表される原子団が、下記式(4)または(5)で表される原子団であり、上記式(2)中、下記式(2a)で表される原子団が、下記式(6)または(7)で表される原子団であることが好ましい。
Figure 0005975524
Figure 0005975524
(上記式(4)〜(7)中、
Aは水素原子、水酸基、アルキル基、または電子吸引基であり、
MおよびJは、それぞれ独立してCH、NH、OまたはSである。)
また、本発明に係る化合物では、特に、以下に示すより具体的な例示に限定されないが、R、RおよびRが有する主鎖は、それぞれ独立して2以上の原子により構成されていることが好ましい。
また、本発明に係る化合物では、特に、以下に示すより具体的な例示に限定されないが、下記式(8)、(9)、(10)または(11)で表されることが好ましい。
Figure 0005975524
Figure 0005975524
(上記式(8)、(9)、(10)および(11)中、
l、mおよびnは、それぞれ独立して正の整数であり、
は、単結合、二重結合もしくは三重結合であるか、または存在していなくてもよい。)
また、本発明に係る化合物では、特に、以下に示すより具体的な例示に限定されないが、l、mおよびnは、それぞれ2であり、Rは、二重結合であることが好ましい。
また、本発明に係る化合物では、特に、以下に示すより具体的な例示に限定されないが、Z11およびZ12が、それぞれ独立して下記式(12)、(28)または(29)で表される原子団であることが好ましい。
Figure 0005975524
(上記式(12)、(28)および(29)中、
およびXは、それぞれ独立してO、S、SeまたはTeであり、
nは、0または正の整数であり、
21〜R30、R32〜R34、R51〜R60は、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン、低級アルキル基、低級アルコキシ基、ニトロ基またはアミノ基であり、R28とR29とは、互いに結合されていてもよく、R58とR59とは、互いに結合されていてもよく、
31は、上記式(1)、(2)もしくは(3)中のRもしくはR、または上記式(8)、(9)、(10)もしくは(11)中のNHに結合する連結基であり、
nが2以上の整数である場合には、R33は、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、R34は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。)。
また、本発明に係る化合物では、特に、以下に示すより具体的な例示に限定されないが、上記式(12)、(28)および(29)中、R31は、炭素数2以上のポリメチレンカルボニル基であり、カルボニル基部分において上記式(1)、(2)もしくは(3)中のRもしくはR、または上記式(8)、(9)、(10)もしくは(11)中のNHに結合することが好ましい。
また、本発明に係る化合物では、特に、以下に示すより具体的な例示に限定されないが、R41がシアノエチル基であり、R42およびR43がそれぞれイソプロピル基であることが好ましい。
本発明に係る核酸の製造方法は、上述したいずれかの化合物であって、Gが上記式(33)で表されるホスホロアミダイト基である化合物と、とオリゴ核酸とを縮合反応させることを特徴とする。
本発明に係る核酸は、下記式(25)、(26)または(27)で表される原子団をヌクレオチド部分として含むことを特徴とする。
Figure 0005975524
(上記式(25)、(26)および(27)中、
Bは、塩基骨格を有する原子団であり、
Eは、デオキシリボース骨格もしくはリボース骨格を有する原子団またはその誘導体であり、
11およびZ12は、それぞれ独立して蛍光性を有し、かつエキシトン効果を示す原子団であって、電荷を有さない原子団であり、Z11とZ12とは、同一であっても異なっていてもよく、
およびRは、それぞれ独立して主鎖を有するリンカーであり、当該主鎖を構成する原子が置換基を有していてもよく、
は、主鎖を有するリンカーであってもよく、または存在していなくてもよく、当該主鎖を構成する原子は置換基を有していてもよく、
Dは、CR11、N、P、P=O、B(ホウ素原子)もしくはSiR11であってもよく、または存在していなくてもよく、R11は、水素原子、アルキル基もしくは任意の置換基であってもよく、
が存在しておらず、かつDが存在している場合には、DはBに直接結合していてもよく、Rが存在しており、かつDが存在していない場合には、RおよびRはRに直接結合していてもよく、RおよびDが存在していない場合には、RおよびRはBに直接結合していてもよく、
Tは、リン酸架橋であり、当該リン酸架橋中、1つ以上の酸素原子が硫黄原子で置換されていてもよい。)。
また、本発明に係る核酸は、特に限定されないが、上述した核酸の製造方法により製造されたことが好ましい。
本発明に係る核酸を製造するためのキットは、上述したいずれかの化合物を含むことを特徴とする。
本発明に係る化合物によれば、エキシトン効果を示す色素を有する核酸プローブの製造を容易に行なうことができる。
本発明の一実施例におけるDNAプローブのマススペクトルを示す図である。 本発明の一実施例におけるDNAプローブのUV吸収スペクトルを示す図である。 本発明の一実施例におけるDNAプローブの蛍光スペクトルを示す図である。 本発明の他の実施例におけるDNAプローブのUV吸収スペクトルを示す図である。 本発明の他の実施例におけるDNAプローブの蛍光スペクトルを示す図である。
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。
なお、本明細書において、「ホスホロアミダイト化合物」および「化合物」には、その互変異性体および立体異性体、ならびにその塩などが含まれる。
〔化合物〕
まず、本発明に係る化合物について説明する。
本発明に係る化合物は、エキシトン効果を示す色素(蛍光色素)を含有するホスホロアミダイト化合物(以下、「色素含有ホスホロアミダイト化合物」ともいう。)またはその合成中間体である。本発明に係る化合物は、下記式(1)、(2)または(3)で表される。
Figure 0005975524
上記式(1)、(2)および(3)中、Bは、塩基骨格を有する原子団である。塩基骨格を有する原子団とは、天然核酸塩基(アデニン、グアニン、シトシン、チミンまたはウラシル)骨格または人工核酸塩基骨格を有する原子団が挙げられる。
Bは、下記式(14)で表される骨格を有するピリミジン塩基もしくは下記式(15)で表される骨格を有するプリン塩基、またはこれらの誘導体であることが好ましい。
Figure 0005975524
上記式(14)中、1位のN原子は、上記式(1)〜(3)中のEと結合している共有結合を有しており、1位のN原子以外の原子のいずれか1つは、色素(Z11またはZ12)につながるリンカー(すなわち、R、R、RまたはD)と結合(共有結合)していてもよい。なかでも、5位の原子がリンカーと結合していることが好ましい。
上記式(14)中、6員環を構成する原子のうち、少なくとも1つの炭素原子は、N、SまたはO原子で置換されていてもよく、少なくとも1つの窒素原子はC、SまたはO原子で置換されていてもよく、当該N、C、SまたはO原子は、電荷、水素原子または置換基を有していてもよい。
上記式(15)中、9位のN原子は、上記式(1)〜(3)中のEと結合している共有結合を有しており、9位のN原子以外の原子のいずれか1つは、色素(Z11またはZ12)につながるリンカー(すなわち、R、R、RまたはD)と結合(共有結合)していてもよい。なかでも、8位の原子がリンカーと結合していることが好ましい。
上記式(15)中、5員環および6員環を構成する原子、好ましくは5員環を構成する原子のうち、少なくとも1つの炭素原子は、N、SまたはO原子で置換されていてもよく、少なくとも1つの窒素原子はC、SまたはO原子で置換されていてもよく、当該N、C、SまたはO原子は、電荷、水素原子または置換基を有していてもよい。
上記式(1)、(2)および(3)中、Eは、デオキシリボース骨格もしくはリボース骨格を有する原子団またはその誘導体である。Eは、DNA、修飾DNA、RNA、または修飾RNAの主鎖構造を有する原子団であれば、合成が容易であるため好ましい。
例えば、上記式(1)および(3)中、下記式(1a)で表される原子団は、下記式(4)または(5)で表される原子団であることが好ましい。
Figure 0005975524
上記式(4)〜(5)中、Aは、水素原子、水酸基、アルキル基、アルコキシ基または電子吸引基である。アルキル基またはアルコキシ基としては、メトキシ基等が挙げられる。また、電子吸引基としては、ハロゲン等が挙げられる。MおよびJは、それぞれ独立してCH、NH、OまたはSである。
また、例えば、上記式(2)中、下記式(2a)で表される原子団は、下記式(6)または(7)で表される原子団であることが好ましい。
Figure 0005975524
上記式(6)〜(7)中、Aは、水素原子、水酸基、アルキル基、アルコキシ基または電子吸引基である。アルキル基またはアルコキシ基としては、メトキシ基等が挙げられる。また、電子吸引基としては、ハロゲン等が挙げられる。MおよびJは、それぞれ独立してCH、NH、OまたはSである。
上記式(1)、(2)および(3)中、Z11およびZ12は、それぞれ独立して蛍光性を有する原子団(以下、「色素」ともいう。)であり、かつ、エキシトン効果を示す原子団である。また、Z11およびZ12は、電荷を有さない原子団である。Z11とZ12とは、同一であっても異なっていてもよい。
ここで、「エキシトン効果(エキシトンカップリング)」(励起子結合効果ともよばれる。)とは、Z11とZ12とが互いに並行に集合し、または、Z11もしくはZ12と他の原子団とが並行に集合し、H会合体(H−aggregate)を形成することにより生じるものである。「エキシトン効果を示す」とは、エキシトン効果が生じていないときには蛍光発光し、エキシトン効果が生じているときには消光することをいう。エキシトン効果は、Z11およびZ12で表される原子団の励起状態が、H会合体を形成することによりDavydov splittingにより2つのエネルギーレベルに***し、上位エネルギーレベルに励起した後、下位エネルギーレベルに内部変換(internal conversion)し、発光が熱的に禁制されることにより生じると考えられる。ただし、これらの説明は、本発明を何ら限定するものではない。
また、「電荷を有さない」とは、少なくとも非プロトン性溶媒中において電荷(正電荷または負電荷)を有さないことをさす。換言すれば、Z11およびZ12で表される原子団内の双極子モーメントが小さいことをいう。なお、Z11およびZ12で表される原子団は、非プロトン性溶媒中において電荷を有さないものであればよく、プロトン性溶媒中においては分極して電荷を帯びるものであってもよい。ここで、非プロトン性溶媒とは、例えばアセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド等をさし、プロトン性溶媒とは、水等をさす。
11およびZ12は、例えば、それぞれ独立して下記式(12)で表される原子団であってもよい。
Figure 0005975524
上記式(12)中、Xは、O、S、SeまたはTeであり、OまたはSであることが好ましい。
上記式(12)中、nは、0または正の整数である。このnは5以下であることが好ましく、一例では0〜2の整数であり、好ましくは0または1である。
上記式(12)中、R21〜R30、R32〜R34は、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン、低級アルキル基、低級アルコキシ基、ニトロ基またはアミノ基である。低級アルキル基としては、例えば炭素数1〜6の直鎖または分岐アルキル基であってもよい。また、低級アルコキシ基としては、例えば炭素数1〜6の直鎖または分岐アルコキシ基であってもよい。
28とR29とは、互いに結合されていてもよい。すなわち、R28とR29とは、互いに結合されて環状構造を構成していてもよく、環状構造としては、例えばアリール基等が挙げられる。また、この環状構造またはアリール基は、置換基を有していてもよい。
上記式(12)中、R31は、上記式(1)、(2)もしくは(3)中のRもしくはR、または下記式(8)、(9)、(10)もしくは(11)中のNHに結合する連結基である。R31は、原子数2以上の主鎖を有することが好ましい。また、この主鎖を構成する原子数の上限は、特に限定されないが、好ましくは100以下であり、より好ましくは50以下であり、さらに好ましくは30以下であり、特に好ましくは10以下である。
また、R31は、炭素数2以上のポリメチレンカルボニル基であることが好ましく、このうちカルボニル基部分において上記式(1)、(2)もしくは(3)中のRもしくはR、または下記式(8)、(9)、(10)もしくは(11)中のNHに結合することが好ましい。
上記式(12)中、nが2以上の整数である場合には、複数のR33は、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、複数のR34は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
11およびZ12としては、例えば下記式(17)〜(20)で表される色素等が挙げられる。
Figure 0005975524
上記式(17)〜(20)中、R31は、上記式(12)中において例示したものと同じものを用いることができる。
また、Z11およびZ12は、例えば、それぞれ独立して下記式(28)または(29)で表される原子団であってもよい。
Figure 0005975524
上記式(28)および(29)中、R21〜R34、Xおよびnとしては、上記式(12)中において例示したものと同じものを用いることができる。
上記式(28)中、Xは、O、S、SeまたはTeであり、OまたはSであることが好ましい。なお、XとXとは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
上記式(28)および(29)中、R51〜R60は、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン、低級アルキル基、低級アルコキシ基、ニトロ基またはアミノ基である。低級アルキル基としては、例えば炭素数1〜6の直鎖または分岐アルキル基であってもよい。また、低級アルコキシ基としては、例えば炭素数1〜6の直鎖または分岐アルコキシ基であってもよい。
58とR59とは、互いに結合されていてもよい。すなわち、R58とR59とは、互いに結合されて環状構造を構成していてもよく、環状構造としては、例えばアリール基等が挙げられる。また、この環状構造またはアリール基は、置換基を有していてもよい。
11およびZ12は、それぞれ独立して上記式(12)、(28)または(29)のいずれかで表される原子団であってもよい。
上記式(1)、(2)および(3)中、Xは、水素原子、酸により脱保護が可能な水酸基の保護基、リン酸基、二リン酸基、または三リン酸基である。酸により脱保護が可能な水酸基の保護基としては、たとえばジメトキシトリチル基(DMTr基)などが挙げられる。
上記式(1)、(2)および(3)中、Gは、下記式(33)で表されるホスホロアミダイト基または水酸基である。
Figure 0005975524
上記式(33)中、R41はリン酸基の保護基であり、例えば、シアノアルキル基等が挙げられる。なかでも、シアノエチル基が好ましい。
上記式(33)中、R42およびR43は、それぞれ独立してアルキル基またはアリール基である。アルキル基としては、例えば、炭素数1〜6のアルキル基等が挙げられ、なかでもイソプロピル基が好ましい。アリール基としては、例えば、炭素数6〜10のアリール基等が挙げられ、なかでもフェニル基が好ましい。
上記式(1)、(2)および(3)中、RおよびRは、それぞれ独立して主鎖を有するリンカーである。RおよびRが有する主鎖を構成する原子は、置換基を有していてもよい。また、Rは、主鎖を有するリンカーであってもよいが、存在していなくてもよい。Rが主鎖を有する場合には、この主鎖を構成する原子は、置換基を有していてもよい。
およびRが有する主鎖、ならびにRが主鎖を有する場合にはRが有する主鎖、を構成する原子の数(主鎖原子数)は、それぞれ独立して正の整数である。R、RおよびRの主鎖原子数は、それぞれ独立して2以上の整数であることが好ましい。また、この主鎖原子数の上限は、特に限定されないが、好ましくは100以下であり、より好ましくは30以下であり、さらに好ましくは10以下である。
、RおよびRが有する主鎖は、C、N、O、S、PおよびSiの少なくとも1つを含んでいてもよく、また、単結合、二重結合、三重結合、アミド結合、エステル結合、ジスルフィド結合、イミノ基、エーテル結合、チオエーテル結合およびチオエステル結合の少なくとも1つを含んでいてもよい。また、R、RおよびRは、互いに同一であっても異なっていてもよい。
上記式(1)、(2)および(3)中、Dは、CR11、N、P、P=O、B(ホウ素原子)もしくはSiR11であってもよく、R11は、水素原子、アルキル基もしくは任意の置換基であってもよい。また、Dは、存在していなくてもよい。
上記式(1)、(2)および(3)中、Rが存在しておらず、かつDが存在している場合には、DはBに直接結合していてもよい。また、Rが存在しており、かつDが存在していない場合には、RおよびRはRに直接結合していてもよい。また、RおよびDが存在していない場合には、RおよびRはBに直接結合していてもよい。
上記式(1)、(2)および(3)中、Tは、リン酸架橋である。このリン酸架橋中、1つ以上の酸素原子が硫黄原子で置換されていてもよい。
また、本発明に係る化合物は、下記式(8)、(9)、(10)または(11)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 0005975524
Figure 0005975524
上記式(8)、(9)、(10)および(11)中、l、mおよびnは、それぞれ独立して正の整数である。l、mおよびnは、それぞれ独立して2以上の整数であることが好ましい。また、l、mおよびnの上限は、特に限定されないが、好ましくは100以下であり、より好ましくは30以下であり、さらに好ましくは10以下である。なお、ここで、l、mおよびnの上限は、5以下または4以下でもありえる。
上記式(8)中、Rは、単結合、二重結合もしくは三重結合であるか、または存在していなくてもよい。なかでも、二重結合であることが好ましい。
上記式(8)、(9)、(10)および(11)中、B、E、Z11、Z12、X、R41、R42、R43、およびTとしては、上記式(1)〜(3)中において例示したものと同じものを用いることができる。
本発明に係る化合物は、例えば下記式(16)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 0005975524
上記式(16)中、X、G、Z11、Z12としては、上記式(1)〜(3)中において例示したものと同じものを用いることができる。また、上記式(16)中、Aとしては、上記式(4)〜(7)中において例示したものと同じものを用いることができる。
本発明に係る化合物であって、Gが水酸基である化合物は、ホスホロアミダイト体を合成する合成中間体として用いることができる。
本発明に係る化合物であって、Gが上記式(33)で表されるホスホロアミダイト基である化合物(以下、「本発明に係るホスホロアミダイト化合物」ともいう。)は、ホスホロアミダイト法による核酸合成に供するヌクレオシド基質として用いることができる。本発明に係るホスホロアミダイト化合物を用いて合成された核酸は、例えば、プライマー、核酸を検出するための核酸プローブ、標識物質等として好適に利用され得る。すなわち、本発明に係る化合物は、核酸の標識化試薬(核酸ラベル化試薬)として用いることができる。
〔ホスホロアミダイト化合物の製造方法〕
本発明に係るホスホロアミダイト化合物は、種々の経路にて製造することができる。以下に、本発明に係るホスホロアミダイト化合物を製造するいくつかの経路の例について説明するが、本発明は、特にこれに限定されるものではない。
例えば、本発明に係るホスホロアミダイト化合物は、ヌクレオシドのDMTr体に、R、R、DおよびR等からなるリンカーを付加した後、色素であるZ11およびZ12を付加し、その後これをアミダイト化することによって製造してもよい(式(1)〜(3)を参照)。また、ヌクレオシドのDMTr体に、R、R、DおよびR等からなるリンカーを予め付加したZ11およびZ12を付加した後、これをアミダイト化してもよい(式(1)〜(3)を参照)。
例えば、本発明に係るホスホロアミダイト化合物は、下記式(21)、(22)または(23)で表される合成中間体を合成した後、これをアミダイト化することによって、製造することができる。
Figure 0005975524
上記式(21)、(22)および(23)中、B、E、Z11、Z12、X、R、R、R、DおよびTとしては、上記式(1)〜(3)中において例示したものと同じものを用いることができる。
本発明においては、Z11およびZ12が非プロトン性溶媒中において電荷を有さない色素であるため、上記式(21)、(22)または(23)で表される合成中間体におけるZ11およびZ12は、非プロトン性溶媒中において電荷を有さない。したがって、これらの合成中間体を非プロトン性溶媒中においてアミダイト化することが容易であり、本発明に係るホスホロアミダイト化合物を容易に製造することができる。なお、アミダイト化に際して溶媒として用いる非プロトン性溶媒の種類は特に限定されないが、例えば、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド等である。
〔核酸〕
次に、本発明に係る核酸について説明する。
ここで、本明細書中「核酸」とは、ポリヌクレオチドを意味し、DNA、RNAなどが含まれる。また、核酸には、オリゴ核酸が含まれる。核酸は、一本鎖であっても二本鎖であってもよい。また、本明細書中「オリゴ核酸」とは、オリゴヌクレオチドを意味し、1つ以上のヌクレオチドにより構成されていればよい。
本発明に係る核酸の長さは、特に限定されないが、例えば10bp以上10kb以下であることが好ましく、10bp以上1kb以下であることがより好ましい。また、本発明に係る核酸は、オリゴ核酸であってもよく、その長さは、特に限定されないが、例えば10bp以上100bp以下であることが好ましく、10bp以上50bp以下であることがより好ましく、10bp以上30bp以下であることがさらに好ましい。
本発明に係る核酸は、下記式(25)、(26)または(27)で表される原子団をヌクレオチド部分として含む。
Figure 0005975524
上記式(25)、(26)および(27)中、B、E、Z11、Z12、R、R、R、DおよびTとしては、上記式(1)〜(3)中において例示したものと同じものを用いることができる。
本発明に係る核酸は、上記式(25)または(26)で表される原子団を、ヌクレオチド部分として少なくとも1つ含んでいればよいが、2つ以上含んでいてもよい。これにより、本発明に係る核酸は、色素を2個有するヌクレオチド部分を1つ含むか、色素を1個有するヌクレオチド部分を連続して2つ含む構成となる。
また、本発明に係る核酸は、上記式(27)で表される原子団を、ヌクレオチド部分として、エキシトン効果を示す構造を有する他の原子団とともに含むことが好ましい。この他の原子団とは、例えばZ11およびZ12として例示したもののいずれかを有する原子団であってもよい。また、核酸は、上記式(27)で表される原子団を、ヌクレオチド部分として、少なくとも2つ含んでいることが好ましい。これらの2つの原子団は、核酸中に連続して配置されてもよいし、数個の他の色素を含まないヌクレオチドを挟んで配置されてもよいが、それぞれが有する色素が互いに集合してエキシトン効果を示すように配置されることが好ましい。
また、本発明に係る核酸は、本発明に係るホスホロアミダイト化合物を用いて製造されたものであることが好ましい。本発明に係るホスホロアミダイト化合物を用いて製造される核酸は、このホスホロアミダイト化合物におけるホスホロアミダイト基以外の部分(以下、「色素含有ヌクレオシド」ともいう。)を構成要素として含む。
すなわち、本発明に係る核酸は、エキシトン効果を示す色素を含有しており、このエキシトン効果を利用して、検出対象の核酸を検出するためのプローブ(核酸プローブ)として好適に用いることができる。また、本発明に係る核酸は、このようなプローブの一部を構成するものであってもよい。このような核酸プローブを用いれば、本発明に係る核酸が有する色素による、蛍光発光と、エキシトン効果による消光とを観察することにより、検出対象の核酸を容易に検出することができる。
また、本発明に係る核酸は、含有する色素の蛍光発光を利用した標識物質としても好適に用いることができる。例えば、組織の染色等に用いる標識物質であってもよい。さらに、本発明に係る核酸は、プライマー、例えばPCR用のプライマーとしても好適に用いることができる。
以上のように、本発明に係る核酸は、研究、臨床、診断、試験管内遺伝子検出、生体内遺伝子検出などに用いるためのプライマー、プローブ、標識物質等であってもよい。
本発明に係るホスホロアミダイト化合物を用いて核酸を合成する場合、本発明に係るホスホロアミダイト化合物のうち、上記式(1)または(2)で表される、色素を2つ有する化合物は、核酸の合成に、少なくとも1分子用いればよい。これにより、核酸は、色素を2個有するヌクレオシドを1分子含むか、色素を1個有するヌクレオシドを連続して2分子含む。
また、本発明に係るホスホロアミダイト化合物のうち、上記式(3)で表される、色素を1個有する化合物は、エキシトン効果を示す原子団を有する他の化合物とともに、核酸の合成に用いられることが好ましい。この他の化合物とは、例えばZ11およびZ12として例示したもののいずれかを有する化合物であってもよい。また、核酸は、上述した色素を1個有する化合物を、少なくとも2分子用いて合成されてもよい。
ここで、本発明に係る核酸が、検出対象の核酸(DNA、RNA等)を検出する核酸プローブである場合に、この検出対象の核酸を検出する原理について、説明する。上述したように、この核酸プローブは、エキシトン効果を示す色素を少なくとも2個含んでいる。この核酸プローブが一本鎖状態のときには、これらの色素は、互いに会合することで、励起子結合効果を生じさせて消光する。一方、この核酸プローブが、検出対象の核酸と結合した二本鎖状態のときには、これらの色素は、この二本鎖の核酸にインターカレーションまたはグルーヴバインディングしてエキシトンカップリングが解消され、蛍光発光が起こる。この蛍光発光を検出することにより、核酸を検出することができる。
なお、本発明に係る核酸は、本発明に係るホスホロアミダイト化合物由来のヌクレオシド(色素含有ヌクレオシド)を含む領域を、少なくとも2個有していてもよい。1つの核酸におけるこれらの領域は、ある領域に含まれる色素含有ヌクレオシドが有する色素が、他の領域に含まれる色素含有ヌクレオシドが有する色素との間でエキシトン効果を示さないように構成されていることが好ましい。また、それぞれの領域に含まれる色素含有ヌクレオシドが有する色素は、互いに異なる波長の蛍光を発光するものであることが好ましい。
これにより、本発明に係る核酸は、複数の異なる色素を有するため、核酸プローブとして用いる場合には、それぞれの色素の発光および消光を同時に観察することによって、この核酸プローブのどの領域が検出対象の核酸と結合しているかを検出することができる。すなわち、この核酸プローブの一部のみが検出対象の核酸と例えば二本鎖を形成している場合に、核酸プローブ中のどの配列が二本鎖を形成しているか等を検出することが可能となる。
例えば、赤色色素を有する色素含有ヌクレオシドと、青色色素を有する色素含有ヌクレオシドとを、それぞれ核酸プローブの離れた領域に導入してもよい。この核酸プローブを用いて核酸を検出した際に、例えば青色のみが発光した場合には、青色色素を有する色素含有ヌクレオシドを導入した領域は、検出対象の核酸とハイブリダイズしているが、赤色色素を有する色素含有ヌクレオシドを導入した領域は、検出対象の核酸とハイブリダイズしていないことが分かる。
このように、本発明では、上述した方法によって、1つの核酸に複数の異なる色素を導入することができる。そのため、本発明を用いれば、多様な核酸構造を検出できる核酸プローブを製造することができる。例えば、この核酸プローブは、癌に関係する遺伝子の転座、RNAのスプライシング位置等の調査に用いることができ、様々な病気の診断、原因解明などに好適に利用することができる。
なお、本発明に係る核酸を相補鎖とのハイブリダイゼーション検出用のプローブとして用いる場合、より強い蛍光強度を得るという観点では、pHが10.5以下の環境で用いられることが好ましく、pHが9以下の環境がより好ましく、pHが8以下の環境がさらに好ましい。なお、何れの条件でもハイブリダイズしていないプローブからのバックグラウンドノイズは充分に低く抑えられている。
〔核酸の製造方法〕
次に、本発明に係る核酸の製造方法について説明する。
本発明に係る核酸の製造方法は、上述した本発明に係るホスホロアミダイト化合物とオリゴ核酸とを縮合反応させる、色素含有ヌクレオシド付加工程(付加工程)を含む。この色素含有ヌクレオシド付加工程により、蛍光性を有し、かつエキシトン効果を示す原子団を有するヌクレオシド(色素含有ヌクレオシド)を、オリゴ核酸に付加させることができる。
色素含有ヌクレオシド付加工程は、本発明に係るホスホロアミダイト化合物、すなわち色素含有ホスホロアミダイト化合物を、ホスホロアミダイト法によりオリゴ核酸におけるヌクレオチドの5’−水酸基と縮合反応させる工程である。これにより、色素含有ヌクレオシドがオリゴ核酸に付加され、色素含有ヌクレオシドを含むオリゴ核酸が合成される。
色素含有ヌクレオシド付加工程では、色素含有ホスホロアミダイト化合物とオリゴ核酸とを、室温において2〜20分反応させることが好ましい。その他の反応条件については、ホスホロアミダイト法において用いる通常の条件を好適に用いることができる。
なお、本発明に係る核酸の製造方法は、色素含有ヌクレオシド付加工程の前に、本発明に係る化合物であって、Gが水酸基である化合物をアミダイト化してホスホロアミダイト化合物を得る工程を含んでいてもよい。
本発明は、上述した色素含有ヌクレオシド付加工程を、公知の核酸製造方法に組み込んだものであってもよい。ここで、公知の核酸製造方法とは、例えば、通常のヌクレオシド基質をホスホロアミダイト法によりオリゴ核酸に付加させるヌクレオシド付加工程と、ヌクレオシド付加工程により合成されたオリゴ核酸を脱保護する脱保護工程と、脱保護工程により脱保護されたオリゴ核酸を精製する精製工程とを含むセットを、所定の回数にて繰り返す方法である。本発明に係る核酸の製造方法は、この公知の核酸製造方法において、少なくともある1つのセットにおけるヌクレオシド付加工程を、上述した色素含有ヌクレオシド付加工程に置き換えたものであってもよい。
また、本発明は、公知の核酸製造方法において、複数のセットにおけるヌクレオシド付加工程のそれぞれを、色素含有ヌクレオシド付加工程に置き換えたものであってもよい。これにより、本発明に係る化合物由来の色素含有ヌクレオシドを複数含む核酸を製造することができる。なお、この複数のセットは、連続して実施されるセットであってもよいし、他の1つ以上のセットを挟んで実施されるセットであってもよい。これにより、本発明に係る化合物由来の色素含有ヌクレオシドを含む領域を、少なくとも2個有している核酸を製造することができる。
また、本発明に係る製造方法が、複数の色素含有ヌクレオシド付加工程を含む場合には、それぞれの色素含有ヌクレオシド付加工程は、互いに異なる色素を有するホスホロアミダイト化合物を用いるものであってもよい。これにより、1つの核酸に複数の異なる色素を導入することができ、すなわち複数の異なる色素を有する核酸を製造することができる。
これらの色素含有ヌクレオシド付加工程、ヌクレオシド付加工程、脱保護工程、および精製工程は、公知の方法、条件、装置などにより行なうことができ、例えば公知の自動核酸合成装置を用いて行なってもよい。したがって、本発明に係る核酸の製造方法には、公知の核酸合成装置等を使用することができる。
以上のように、本発明に係る製造方法を使用して、色素含有ヌクレオシドを含む核酸、すなわち本発明に係る核酸を製造することができる。
また、本発明は、DNAオリゴマーの合成と色素を導入するための合成との2段階の合成工程を必要としないため、エキシトン効果を示す色素を有する核酸を容易に製造することができる。さらに、予め色素が導入されているヌクレオシドをDNA合成に用いるため、所望の数の色素が導入されていない不完全な核酸が合成されるおそれを回避することができる。
〔核酸を製造するためのキット〕
本発明に係る核酸を製造するためのキットは、上述した本発明に係る化合物を含むものである。これにより、本発明に係るホスホロアミダイト化合物、すなわち色素含有ホスホロアミダイト化合物を用いて、上述した核酸の製造方法を行なうことにより、核酸を容易に製造することができる。
なお、本発明に係るキットは、それぞれ異なる種類の色素を含有する、複数種類の色素含有ホスホロアミダイト化合物を含んでいてもよい。また、色素を含まない各種のヌクレオシドをさらに含んでいてもよい。これらのヌクレオシドは、核酸の合成に好適に用いることができる態様、例えばホスホロアミダイト体として含まれていることが好ましい。また、本発明に係るキットは、核酸を合成する装置、核酸合成に用いる試薬、製造した核酸を用いて核酸を検出するための検出用試薬、キットの取扱い説明書(キットを用いて核酸を製造する具体的な手法を記載)などをさらに含んでいてもよい。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
以下の実施例において、試薬、溶媒等は、一般に市販されているものを使用した。Hおよび13CNMRスペクトルは、JEOL(日本電子株式会社)のJNM−α400(商品名)により測定した。カップリング定数(J値)は、ヘルツ(Hz)で表している。ケミカルシフトは、ppmで表し、内部標準には、ジメチルスルホキシド(δ=2.48 in HNMR,δ=39.5 in 13CNMR)及びメタノール(δ=3.30 in HNMR,δ=49.0 in 13CNMR)を用いた。ESIマススペクトルは、Bruker社のBruker Daltonics APEC−II(商品名)を用いて測定した。
〔実施例1:蛍光色素の合成〕
下記反応式(A)〜(D)により、下記式(24)で表される蛍光色素(蛍光性を有する原子団)のNHS活性体を合成した。用いた具体的な方法を以下に示す。
Figure 0005975524
(1−1:1-(2-Carboxyethyl)quinolinium bromideの合成)
Figure 0005975524
キノリン(Quinoline)(11.8mL、100mmol)と3−bromopropionic acid(15.3g、100mmol)とを、150℃にて10分間加熱および撹拌した。これに500mLのジクロロメタンを加え、生じた固体を砕いて粉末状にし、1時間撹拌した。白色沈殿をろ過した後、ジクロロメタンで洗浄し、減圧下にて乾燥させ、目的の化合物として20.7g(73.7mmol、74%)の白色粉末を得た。当該目的の化合物の測定データは以下に示す。
H NMR(DMSO−d):12.69(br,1H),9.62(dd,J=5.9,1.5Hz,1H),9.33(d,J=8.3Hz,1H),8.63(d,J=8.8Hz,1H),8.50(dd,J=8.3,1.5Hz,1H),8.28−8.24(m,1H),8.20(dd,J=8.3,5.9Hz,1H),8.06−8.02(m,1H),5.27(t,J=7.0Hz,2H),3.09(t,J=7.0Hz,2H);
13C NMR(DMSO−d):171.4,150.7,147.7,137.3,135.7,130.8,129.8,129.6,121.9,118.9,53.2,33.3。
(1−2:4-{[3-(4-Carboxybutyl)benzothiazol-2-ylidene]methyl}-1-(2-carboxyethyl)quinolinium bromideの合成)
Figure 0005975524
3-(4-Carboxybutyl)-2-methylbenzothiazolium bromide(17.0g、51.5mmol)と、1-(2-Carboxyethyl)quinolinium bromide(14.5g、51.5mmol)とを、300mLのジクロロメタンに懸濁させた。この懸濁液に、トリエチルアミン(72mL、515mmol)を加え、25℃で16時間撹拌した。次に、溶媒を減圧留去し、500mLのアセトンを加えた。生じた沈殿をろ過し、アセトンで洗浄した後、減圧下で乾燥させた。
得られた粉末を、500mMの蒸留水にて洗浄し、沈殿をろ過し、さらに蒸留水で洗浄した後に減圧下で乾燥させた。この粉末を、500mLのアセトニトリルで同様に洗浄し、減圧下で乾燥させ、目的の化合物として8.31g(15.7mmol、30%)の赤色粉末を得た。当該目的の化合物の測定データは以下に示す。
H NMR(CDOD):8.53(d,J=7.8Hz,1H),8.42(d,J=7.3Hz,1H),8.01(d,J=8.6Hz,1H),7.91−7.88(m,1H),7.79(d,J=7.6Hz,1H),7.71(t,J=7.7Hz,1H),7.59(d,J=8.1Hz,1H),7.55−7.52(m,1H),7.34−7.30(m,2H),6.80(s,1H),4.75(t,J=6.6Hz,2H),4.48(t,J=7.7Hz,2H),2.81(t,J=6.6Hz,2H),2.41(t,J=7.0Hz,2H),1.97−1.91(m,2H),1.87−1.81(m,2H);
13C NMR(CDOD):178.0,176.4,161.1,150.7,145.6,141.2,138.5,134.4,129.4,128.2,126.6,126.0,125.8,125.7,123.7,118.7,113.7,109.5,88.8,53.2,47.3,37.2,35.1,27.7,23.5。
(1−3:4-{[3-(4-Carboxybutyl)benzothiaazol-2-ylidene]methyl}quinolineの合成)
Figure 0005975524
4-{[3-(4-Carboxybutyl)benzothiazol-2-ylidene]methyl}-1-(2-carboxyethyl)quinolinium bromide (6.15g、11.6mmol)と、O-(benzotriazol-1-yl)-N,N,N',N'-tetramethyluronium hexafluorophosphate (13.2g、34.8mmol)とを、60mLのDMFに懸濁した。この懸濁液に、トリエチルアミン(9.7mL、69.7mmol)を加え、25℃で16時間撹拌した。次に、この反応溶液に10mLの蒸留水を加えた後、さらに30分間撹拌した。この反応溶液に、500mLの蒸留水と15mLの酢酸とを加え、生じた沈殿をろ過し、蒸留水で洗浄し、減圧下で乾燥させた。
得られた赤色粉末に300mLのメタノールを加え、よく混合した。次に、沈殿をろ過し、減圧下で乾燥させた。その後得られた赤色粉末に、300mLのジクロロメタンを加え、よく混合し、上澄み液をデカンテーションによって捨てた。その後、300mLのアセトンを加え、生じた沈殿をろ過し、減圧下で乾燥させ、目的の化合物として2.24g(5.95mmol、51%)の赤色粉末を得た。当該目的の化合物の測定データは以下に示す。
H NMR(DMSO−d):12.18(br,1H),8.65(d,J=5.9Hz,1H),8.51(d,J=8.3Hz,1H),7.89(dd,J=8.3,1.0Hz,1H),7.83−7.79(m,2H),7.66−7.62(m,1H),7.51−7.41(m,3H),7.23−7.20(m,1H),6.68(s,1H),4.41(t,J=7.3Hz,2H),2.32(t,J=7.2Hz,2H),1.83−1.77(m,2H),1.73−1.81(m,2H);
13C NMR(DMSO−d):174.2,153.5,145.8,144.9,142.6,140.5,130.8,127.4,126.1,124.7,124.24,124.19,123.0,122.8,122.2,111.0,110.6,85.8,44.6,33.2,25.8,21.7。
(1−4:4-{[3-(4-Succinimidoxycarbonylbutyl) -2(3H)-benzothiazolylidene]methyl}quinolineの合成)
Figure 0005975524
4-{[3-(4-carboxybutyl)-2(3H)-benzothiazolylidene]methyl}quiniline(755mg、FW376.47)と、N-hydroxy succinimide(462mg、FW115.09)と、N,N-Diisopropyl carbodiimide(506mg、FW126.20)とに、DMF(12ml)を加え、25℃で一晩撹拌した。これに塩化メチレンと水とをそれぞれ50mlずつ加えて、分液した。有機相を、飽和NaCl水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた後、ろ過した。ろ液をエバポレーションにより濃縮し、ジエチルエーテルを加えた。沈殿をろ過した後、ジエチルエーテルで洗浄し、乾燥させた。乾燥した沈殿をクロロホルムで洗浄した後、乾燥させた。目的の化合物として、227mg(FW473.54、収率24%)の赤色粉末を得た。当該目的の化合物の測定データは以下に示す。
H−NMR(DMSO−d):8.68(d,J=8.3Hz,1H),8.60(d,J=6.6Hz,1H),8.02(d,J=7.3Hz,1H),7.91(m,2H),7.74(m,2H),7.60(t,J=7.8Hz,1H),7.45(d,J=6.6Hz,1H),7.39(t,J=7.5Hz,1H),6.89(s,1H),4.63(m,2H),2.83(t,J=6.6Hz,2H),2.77(s,4H),1.89(m,4H);
13C−NMR(DMSO−d):170.2,169.0,158.3,149.0,140.8,140.0,137.8,132.7,128.1,126.9,125.0,124.2,123.6,123.3,122.8,120.6,112.7,108.4,87.2,45.0,29.8,25.8,25.4,21.5;
HRMS(ESI)calcd for C2624S([M+H])474.15;found,474,12。
〔実施例2:ホスホロアミダイト体の合成〕
次に、下記反応式(E)〜(G)により、蛍光色素を有するヌクレオシドのホスホロアミダイト体(色素含有ホスホロアミダイト化合物)を合成した。用いた具体的な方法を以下に示す。
(2−1:5'-O-DMTr-5-(2-[2-{N,N-bis(2-aminoethyl)}aminoethyl]carbamoyl-(E)-vinyl)-2'-deoxyuridineの合成)
まず、下記反応式(E)により、ヌクレオシドのDMTr体において、アミノ基の脱保護を行なった。
Figure 0005975524
5'-O-DMTr-5-(2-[2-{N,N-bis(2-trifluoroacetamidoethyl)}aminoethyl]carbamoyl-(E)-vinyl)-2'-deoxyuridine(500mg、FW920.85)を、アンモニア水(28%)10mlとメタノール10mlとを混ぜた溶液に加え、25℃で終夜撹拌した。この反応液は、エバポレーションにより濃縮し、少量のアセトンに溶解させ、ジエチルエーテルを加えた。生じた沈殿をろ過して分離し、その沈殿物をジエチルエーテルで洗浄した後、乾燥させた。目的の化合物として273mg(FW728.83、収率69%)の白色粉末を得た。当該目的の化合物の測定データは以下に示す。
H−NMR(CDOD):7.97(s,1H),7.43(m,2H),7.33−7.27(m,6H),7.20(t,J=7.2Hz,1H),7.02(d,J=3.7Hz,2H),6.86(td,J=2.2,6.9Hz,4H),6.20(t,J=6.5Hz,1H),4.40(q,J=3.2Hz,1H),4.08(dd,J=3.5,7.2Hz,1H),3.76(s,6H),3.39−3.27(m,4H),3.03(t,J=6.1Hz,4H),2.81(t,J=6.1Hz,4H),2.65(t,J=6.6Hz,2H),2.47−2.33(m,2H);
13C−NMR(CDOD):169.3,163.7,160.2,151.0,146.1,143.4,137.1,137.0,134.6,131.3,131.2,129.3,128.9,128.0,122.4,114.3,110.8,88.2,88.0,72.7,65.0,55.8,54.5,52.8,41.8,38.5,38.4;
HRMS(ESI)calcd for C3949([M+H]),729.36;found,729.3114。
(2−2:Double dye-labeled nucleosideの合成)
次に、下記反応式(F)により、蛍光色素を有するヌクレオシドのDMTr体を合成した。
Figure 0005975524
5'-O-DMTr-5-(2-[2-{N,N-bis(2-aminoethyl)}aminoethyl]carbamoyl-(E)-vinyl)-2'-deoxyuridine(232mg、FW728.83)と、4-{[3-(4-Succinimidoxycarbonylbutyl) -2(3H)-benzothiazolylidene]methyl}quinoline(色素のNHS活性体)(331mg、FW473.54)とに、ピリジン13mlを加え、25℃で一晩撹拌した。エバポレーションにより溶媒を蒸発させ、シリカゲルカラムを用いて精製した(5%MeOH、1%EtN/CHCl)。エバポレーションにより溶媒を蒸発させ、少量のアセトンに溶解させた後、ジエチルエーテルを加えた。生成した橙色粉末をろ過し、エーテルにて洗浄した後乾燥させ、目的の化合物として83mg(FW1445.75、収率18%)を得た。当該目的の化合物の測定データは以下に示す。
HRMS(ESI)calcd for C83851010([M+H])1445.59;found,1445.49。
(2−3:アミダイト合成)
次に、下記反応式(G)により、上記2−2で合成したDMTr体を非プロトン性溶媒中においてアミダイト化し、色素含有ホスホロアミダイト化合物を合成した。
Figure 0005975524
212mgのDMTr体(上記反応式(G)の左側の化合物)(FW1445.75,0.147mmol)、21mgの1H−tetrazole(FW70.05,0.30mmol)、4mLのアセトニトリル、および2mLのN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)を混合し、これに240μLのアミダイト化剤(FW301.41,d=0.949,0.75mmol)を加えた。その30分後に、重曹水と酢酸エチルとの混合溶液を加え、分液した。有機相を塩化ナトリウム水溶液で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過後、溶媒を留去した。
得られたホスホロアミダイト体は、DMF:アセトニトリル=1:1の溶媒を用いて0.1M溶液とし、フィルターに通した後、実施例3におけるDNA合成に用いた。
〔実施例3:DNAプローブ〕
実施例2で合成した色素含有ホスホロアミダイト化合物を用いて、蛍光色素を有するヌクレオシドを含むDNAプローブ(核酸)を合成した。具体的な方法について、以下に説明する。
(3−1.DNA合成)
DNA合成機(Applied Biosystems社の392 DNA/RNA synthesizer(商品名))を用い、固相合成法にしたがってDNAプローブ5’−d(TTTTTTNTTTTTT)−3’(Nは、蛍光色素を有するヌクレオシド)を合成した。蛍光色素を有するヌクレオシド(N)を導入する際の反応時間を15分とし、蛍光色素を有さないヌクレオシド(T)を導入する際の反応時間を2分とした。これ以外の条件については、通常のホスホロアミダイト法において用いる条件を用いた。固相担体からの切り出しは、通常用いられる方法(28%アンモニア水を用いる方法)により行なった。また、脱保護は、25℃、終夜(16時間)にて行なった。
(3−2.DNAプローブの精製)
次に、合成したDNAプローブを、逆相HPLC(ギルソン社の装置Gilson Chromatograph, Model 305(商品名))により精製した。カラムには、CHEMCOBOND 5−ODS−Hカラム(商品名、10×150mm)を使用した。溶媒には、5−55%CHCN/100mMのTEAA buffer 100mM(pH7.0)を用い、40分の勾配にて3mL/分の流速で流した。UV検出器Model 118(商品名)により、260nmのUV吸収をモニターすることによってDNAプローブを検出した。
精製したDNAプローブは、ESI法を用いたマススペクトル測定により同定された。図1は、本発明の一実施例におけるDNAプローブのマススペクトルを示す図である。本実施例におけるDNAプローブ5’−d(TTTTTTNTTTTTT)−3’(分子式C182222349212)の分子量は、計算値が4793.7であり、実測値が4793.2であった。
以上のように、蛍光色素を有するヌクレオシドのホスホロアミダイト体を用いることにより、蛍光色素を含むDNAプローブを容易に合成することができた。すなわち、DNAプローブを合成する際には、ヌクレオシドを導入するためにヌクレオシド付加工程、脱保護工程および精製工程により構成されるセットが繰り返されるが、そのうちの1セットを本発明に係る化合物を用いて行なうことにより、蛍光色素を含むDNAプローブを容易に製造できることが示された。
以上のように、本発明に係る化合物は、既に蛍光色素を含んでおり、DNA合成後に蛍光色素を別途導入する必要がない。したがって、本発明によれば、容易かつ低労力にてDNAプローブを製造することが可能であることが示された。
〔実施例4:DNAプローブを用いたUV吸収スペクトル測定および蛍光スペクトル測定〕
実施例3によって合成されたDNAプローブを用いて、UV吸収スペクトル測定および蛍光スペクトル測定を行なった。UV吸収スペクトル測定には、株式会社島津製のShimadzu UV−2550(商品名)分光光度計を用い、蛍光スペクトル測定には、RF−5300PC(商品名)蛍光分光光度計を用いた。
まず、DNAプローブ5’−d(TTTTTTNTTTTTT)−3’について、UV吸収測定により濃度を決定した(260nmにおけるモル吸光定数ε=105,900とし、N=Tと近似した)。
UV吸収スペクトル測定および蛍光スペクトル測定には、DNAストランド濃度0.4μM、リン酸バッファー50mM(pH7.0)、NaCl100mMの試料を用いた。また、試料中に、DNAプローブの相補鎖5’−d(AAAAAAAAAAAAA)−3’を、0μM(すなわち、DNAプローブのみ。図中、結果をaにて示す)または0.4μM(図中、結果をbにて示す)となるように加えた。蛍光スペクトル測定においては、488nm(1.5nm幅)の光を励起光として用いた。
これらの測定の結果を図2および図3に示す。図2は、本発明の一実施例におけるDNAプローブのUV吸収スペクトルを示す図であり、図3は、本発明の一実施例におけるDNAプローブの蛍光スペクトルを示す図である。
図2および図3に示すように、DNAプローブは、相補鎖DNAと結合することによって蛍光発光することが示された。したがって、本実施例のDNAプローブは、明確な蛍光発光スイッチング機能を備えていることが示された。
〔実施例5〕
実施例3と同様の方法および条件により、DNAプローブ5’−d(TACCAGNCACCAT)−3’(Nは、蛍光色素を有するヌクレオシド)を合成し、その後精製した。次に、このDNAプローブを用いて、実施例4と同様の方法および条件により、UV吸収スペクトル測定および蛍光スペクトル測定を行なった。
これらの測定の結果を図4および図5に示す。図4は、本発明の他の実施例におけるDNAプローブのUV吸収スペクトルを示す図であり、図5は、本発明の他の実施例におけるDNAプローブの蛍光スペクトルを示す図である。なお、図4および図5では、試料中にDNAプローブの相補鎖を加えなかった場合の結果をc、相補鎖を加えた場合の結果をdにて示す。
図4および図5に示すように、DNAプローブは、相補鎖DNAと結合することによって蛍光発光することが示された。したがって、本実施例のDNAプローブは、明確な蛍光発光スイッチング機能を備えていることが示された。
〔実施例6:蛍光色素を有するヌクレオシドのDMTr体の合成〕
下記反応式(H)〜(J)により、下記式(32)で表される、蛍光色素を有するヌクレオシドのDMTr体を合成した。具体的には、ヌクレオシドのNHS活性体のDMTr体と、蛍光色素とをそれぞれ合成した後、蛍光色素を有するヌクレオシドのDMTr体を合成した。用いた具体的な方法を以下に示す。
Figure 0005975524
(6−1:5’-O-DMTr 5-(2-Succinimidoxycarbonyl-(E)-vinyl)-2’-deoxyuridineの合成)
まず、ヌクレオシドのNHS活性体を合成した。
(E)-5-(2-carbxyvinyl)-2’-deoxyuridine(10g,FW298.25)とN -hydroxy succinimide(7.7g,FW115.09)とN,N -Diisopropyl carbodiimide(8.5g,FW126.20)とに、DMF(60ml)を加えて、25℃で4時間撹拌した。酢酸(93.8ml)を加え、ジクロロメタン(300ml)と水(300ml)との混合溶液を激しく撹拌した中に滴下した。生じた沈殿をろ過し、超純水で洗浄し、乾燥した。
次に、下記式(30)で表される、ヌクレオシドのNHS活性体のDMTr体を合成した。
Figure 0005975524
得られた沈殿(2g,FW395.32)とDMTrCl(1.9g,FW228.83)とにピリジン(pyridine)(20ml)を加え、25℃で終夜撹拌した。塩化ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥した。エバポレーションで溶媒を留去し、シリカゲルカラムで分離した(2−10%MeOH,1%EtN/CHCl)。目的化合物を含むフラクションの溶媒をエバポレーションで留去した。少量のジクロロメタンに溶解し、ヘキサンを加え、沈殿をろ過し、ヘキサンにより洗浄し、乾燥した。目的化合物1.6g(FW697.69,収率46%)を白色粉末として得た。当該目的化合物の測定データは以下に示す。
H−NMR(CDOD):8.07(s,1H),7.40(d,J=7.3Hz,2H),7.28(m,6H),7.20(d,J=7.3Hz,1H),7.11(d,J=15.9Hz,1H),6.97(d,J=15.7Hz,1H),6.85(m,4H),6.21(t,J=6.5Hz,1H),4.46(q,J=3.1Hz,1H),4.11(dd,J=6.6,3.4Hz,1H),3.76(s,3H),3.75(s,3H),3.66(s,2H),3.37(s,2H),2.65(d,J=8.8Hz,1H),2.54(t,J=6.8Hz,1H),2.45(ddd,J=13.8,6.3,3.2Hz,1H),2.38ppm(q,J=6.8Hz,1H)。
13C−NMR(CDOD):174.4,171.9,166.8,163.4,160.23,160.21,150.9,145.9,145.5,136.9,136.6,131.3,131.2,129.2,128.9,128.1,114.27,114.25,110.0,88.37,88.06,72.71,64.96,55.77,52.29,47.73,42.03,29.84,28.36,26.50,9.37ppm。
(6−2:N,N-bis({[3-(4-valeryl)benzoxazol-2-ylidene]methyl}quioline))-2-amidoethyl)ethylamineの合成)
次に、下記式(31)で表される蛍光色素を合成した。
Figure 0005975524
4-{[3-(4-Carboxybutyl)benzoxazol-2-ylidene]methyl}quinoline(1.9g,FW376.47)とPyBOP(5.2g,FW520.39)とに、DMF(10ml)を加えて、25℃で30分撹拌した。反応溶液をトリス(2−アミノエチル)アミン(314mg,FW146.23)のDMF(10ml)溶液に滴下し、25℃で終夜撹拌した。溶媒をエバポレーションで留去し、シリカゲルカラムで分離した(7−20%MeOH,1%EtN/CHCl)。目的化合物を含むフラクションの溶媒をエバポレーションで留去した。少量のメタノールに溶解し、ジエチルエーテルを加え、沈殿をろ過し、乾燥した。目的化合物593mg(FW863.15,収率28%)を橙色粉末として得た。当該目的化合物の測定データは以下に示す。
H−NMR(DMSO−d):8.72(d,J=5.1Hz,2H),8.35(d,J=7.8Hz,2H),7.92(dd,J=8.3,1.2Hz,2H),7.84(t,J=5.8Hz,2H),7.69(m,2H),7.61(dd,J=7.7,1.1Hz,2H),7.55(m,2H),7.41(d,J=4.9Hz,2H),7.30(m,2H),7.20(d,J=8.3Hz,2H),7.03(td,J=7.6,0.90Hz,2H),6.44(s,2H),4.17(t,J=6.6Hz,4H),3.05(dd,J=12.5,6.6Hz,4H),2.73(t,J=5.5Hz,2H),2.38(t,J=6.5Hz,4H),2.17(t,J=6.6Hz,4H),1.70ppm(m,8H)。
13C−NMR(DMSO−d):172.1,149.7,148.5,148.1,142.5,141.2,129.3,129.0,126.9,125.4,125.3,123.9,122.4,121.9,121.4,113.2,109.5,84.4,54.9,53.6,43.9,37.0,36.7,35.0,25.5,22.7,7.4ppm。
HRMS(ESI+)calcd for C5054([M+H])863.39,found 863.3907。
(6−3:5’-O-DMTr-5-(2-[2-{N,N-bis({[3-(4-valeryl)benzoxazol-2-ylidene]methyl}quioline)-2-amidoethyl)aminoethyl]carbomoyl-(E)-vinyl)-2-deoxyuridineの合成)
次に、下記式(32)で表される、蛍光色素を有するヌクレオシドのDMTr体を合成した。
Figure 0005975524
5’-O-DMTr 5-(2-Succinimidoxycarbonyl-(E)-vinyl)-2’-deoxyuridine(500mg,FW697.69)とN,N-bis({[3-(4-valeryl)benzoxazol-2-ylidene]methyl}quioline))-2-amidoethyl)ethylamine(621mg,FW863.15)とに、DMF(10ml)を加え、25℃で2時間撹拌した。反応溶液にDMAP(8.8mg,FW122.17)を添加し、25℃で終夜撹拌した。溶媒はエバポレーションで留去し、シリカゲルカラムで分離した(7−15%MeOH,1%EtN/CHCl)。少量のメタノールに溶解し、ジエチルエーテルを加え、沈殿をろ過し、乾燥した。粉末を水で洗浄し、ろ過し、乾燥した。目的化合物256mg(FW1445.75,収率25%)を橙色粉末として得た。当該目的化合物の測定データは以下に示す。
H−NMR(DMSO−d):8.57(d,J=6.1Hz,2H),8.48(d,J=8.3Hz,2H),7.81(m,9H),7.58(t,J=7.5Hz,2H),7.45−7.15(m,16H),7.08(s,2H),6.85(dd,J=8.9,6.0Hz,4H),6.64(s,2H),6.11(t,J=6.6Hz,1H),5.28(s,1H),4.35(m,4H),4.20(m,1H),3.87(dd,J=9.5,4.2Hz,1H),3.69(s,3H),6.68(s,3H),3.19−3.06(m,10H),2.44(m,4H),2.26(qui,J=6.7Hz,2H),2.17(t,J=6.5Hz,4H),1.71ppm(m,8H)。
13C−NMR(DMSO−d):172.0,165.7,161.7,158.0,154.4,149.2,146.3,144.8,143.9,142.7,141.5,140.4,135.55,135.46,132.3,131.1,129.6,127.8,127.6,127.5,126.6,126.2,124.4,123.9,123.8,123.1,123.0,122.4,121.8,113.2,111.3,110.1,109.3,86.0,85.6,84.7,70.2,63.9,55.0,54.9,53.4,53.2,44.8,34.8,25.9,22.5ppm。
HRMS(ESI+)calcd for C83851010([M+H])1445.59,found1445.59301。
以上の方法を用いることにより、より高い合成効率を得ることができる。この方法により合成した蛍光色素を有するヌクレオシドのDMTr体は、実施例2の2−3に記載した方法を用いてアミダイト化することによって、色素含有ホスホロアミダイト化合物とすることができる。
本発明は、エキシトン効果を示す色素を有する核酸の製造を容易に行なうことができるので、プライマー、検出対象を効果的に検出できるプローブ、標識物質等およびこれらの製造に好適に利用することができる。したがって、本発明は、研究用、臨床用、診断用、試験管内遺伝子検出用、生体内遺伝子検出用などの幅広い用途のための核酸およびその製造に好適に利用することができる。

Claims (8)

  1. 下記式(8)、(9)または(10)で表されることを特徴とする、化合物。
    Figure 0005975524
    Figure 0005975524
    (上記式(8)、(9)または(10)中、
    Gは、下記式(33)で表されるホスホロアミダイト基または水酸基であり、
    Figure 0005975524
    式(33)中、41シアノエチル基であり、R42およびR43は、それぞれ独立してアルキル基またはアリール基であり、
    上記式(8)、(9)または(10)中、
    Bは、天然核酸塩基(アデニン、グアニン、シトシン、チミンまたはウラシル)骨格または人工核酸塩基骨格を有する原子団であり、
    Eは、デオキシリボース骨格またはリボース骨格を有する原子団であり、
    Xは、水素原子、ジメトキシトリチル基、リン酸基、二リン酸基、または三リン酸基であり、
    l、mおよびnは、それぞれ独立して100以下の正の整数であり、R は、単結合、二重結合もしくは三重結合であるか、または存在していなくてもよく、
    上記式(10)中で、Tは、リン酸架橋であり、当該リン酸架橋中、1つ以上の酸素原子が硫黄原子で置換されていてもよく、
    11およびZ12は、それぞれ独立して蛍光性を有し、かつエキシトン効果を示す原子団であって、電荷を有さない原子団であり、Z11とZ12とは、それぞれ独立して下記式(12)、(28)または(29)で表される原子団であり、
    Figure 0005975524
    上記式(12)、(28)および(29)中、
    およびX は、それぞれ独立してO、S、SeまたはTeであり、
    nは、0または5以下の正の整数であり、
    21 〜R 30 、R 32 〜R 34 、R 51 〜R 60 は、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン、低級アルキル基、低級アルコキシ基、ニトロ基またはアミノ基であり、R 28 とR 29 とは、互いに結合されていてもよく、R 58 とR 59 とは、互いに結合されていてもよく、
    31 は、炭素数2以上のポリメチレンカルボニル基であり、カルボニル基部分において上記式(8)、(9)または(10)中のNHに結合し、
    nが2以上の整数である場合には、複数のR 33 は、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、複数のR 34 は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
  2. 上記式(8)および(9)中、下記式(1a)で表される原子団が、下記式(4)または(5)で表される原子団であり、
    上記式(10)中、下記式(2a)で表される原子団が、下記式(6)または(7)で表される原子団であることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
    Figure 0005975524
    Figure 0005975524
    (上記式(4)〜(7)中、
    Aは水素原子、水酸基、アルキル基、メトキシ基、またはハロゲンであり、
    MおよびJは、それぞれ独立してCH、NH、OまたはSである。)
  3. l、mおよびnは、それぞれ2であり、Rは、二重結合であることを特徴とする請求項1または2に記載の化合物。
  4. 42 およびR43がそれぞれイソプロピル基であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物であって、Gが上記式(33)で表されるホスホロアミダイト基である化合物と、オリゴ核酸とを縮合反応させることを特徴とする核酸の製造方法。
  6. 下記式(25’)、(26’)または(27’)で表される原子団をヌクレオチド部分として含むことを特徴とする核酸。
    Figure 0005975524
    (上記式(25’)、(26’)および(27’)中、
    Bは、天然核酸塩基(アデニン、グアニン、シトシン、チミンまたはウラシル)骨格または人工核酸塩基骨格を有する原子団であり、
    Eは、デオキシリボース骨格またはリボース骨格を有する原子団であり、
    l、mおよびnは、それぞれ独立して100以下の正の整数であり、R は、単結合、二重結合もしくは三重結合であるか、または存在していなくてもよく、
    上記式(27’)において、Tは、リン酸架橋であり、当該リン酸架橋中、1つ以上の酸素原子が硫黄原子で置換されていてもよく、
    11およびZ12は、それぞれ独立して蛍光性を有し、かつエキシトン効果を示す原子団であって、電荷を有さない原子団であり、Z11とZ12とは、それぞれ独立して下記式(12)、(28)または(29)で表される原子団であり、
    Figure 0005975524
    上記式(12)、(28)および(29)中、
    およびX は、それぞれ独立してO、S、SeまたはTeであり、
    nは、0または5以下の正の整数であり、
    21 〜R 30 、R 32 〜R 34 、R 51 〜R 60 は、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン、低級アルキル基、低級アルコキシ基、ニトロ基またはアミノ基であり、R 28 とR 29 とは、互いに結合されていてもよく、R 58 とR 59 とは、互いに結合されていてもよく、
    31 は、炭素数2以上のポリメチレンカルボニル基であり、カルボニル基部分において上記式(25’)、(26’)または(27’)中のNHに結合し、
    nが2以上の整数である場合には、複数のR 33 は、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、複数のR 34 は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。)
  7. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物を含むことを特徴とする、核酸を製造するためのキット。
  8. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物であって、式中のGが上記式(33)で表されるホスホロアミダイト基である化合物を製造する方法であって、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物であって、式中のGが水酸基である化合物を、非プロトン性溶媒中でホスホロアミダイト化する工程を含むことを特徴とする製造方法。
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