JP5949598B2 - 車両のドア構造 - Google Patents
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Description
すなわち、ドアインナパネル81とドアアウタパネル82とでドア本体83を形成し、ドアインナパネル81は、図7に示すように、前辺部81aと、下辺部81bと、後辺部81cと、これら各辺部81a,81b,81cで囲繞された縦壁部81dと、を一体にプレス加工で形成したもので、該縦壁部81dには、ドアモジュール配設用の開口部84と、該開口部84よりも前方に位置するスピーカ配設用の開口部85とが形成されている。
また、上述のドア本体83の内部空間86(図8参照)には、車体前後方向に延びてドアインナパネル81に取付けられたインパクトバー87が設けられている。
すなわち、上記第1接合部によって、ドアインナパネルへの突き当て量を大きくすることができるので、前突荷重を確実に受止め、また、上記コ字状部をドアインナパネルの車幅方向面に突き当てることで、該コ字状部から後方に延びるインパクトバーの4本の稜線により、前突荷重をより一層効果的に後方へ伝達することができる。
また、側突時には、第2接合部によって受止められた側突荷重は、第1接合部とコ字状部を介してドアインナパネルに入力されるが、インパクトバー前端のドアインナパネルへの突き当て量が大きいことにより、ドアインナパネルからインパクトバーへの大きい反力が発生すると同時に、コ字状部の車幅方向長さをモーメントの腕とし、かつコ字状部の車幅方向外端前部を中心とするモーメント(側突荷重によるモーメントをキャンセルする方向のモーメント)が発生し、これにより、インパクトバーで支える耐荷重が大きくなり、該インパクトバーの曲げ変形が抑制される。よって、大きい側突荷重を受け止めることができる(図6参照)。
さらに、第1接合部および第2接合部をインパクトバーの上下幅内に設定することが可能で、インパクトバーの上下幅を比較的狭く形成しても、該インパクトバーをドアインナパネルに接合することができるので、そのレイアウトの自由度向上を図ることができる。
要するに、前突荷重を効果的に後方へ伝達することができると共に、側突耐力の向上を図ることができ、単一のインパクトバーで前突と側突の両方への対応が可能となる。
すなわち、上記第1接合部によって、ドアインナパネルへの突き当て量を大きくすることができるので、前突荷重を確実に受止め、また、上記コ字状部をドアインナパネルの車幅方向面に突き当てることで、該コ字状部から後方に延びるインパクトバーの4本の稜線により、前突荷重をより一層効果的に後方へ伝達することができる。
また、側突時には、第2接合部によって受止められた側突荷重は、第1接合部とコ字状部を介してドアインナパネルに入力されるが、インパクトバー前端のドアインナパネルへの突き当て量が大きいことにより、ドアインナパネルからインパクトバーへの大きい反力が発生すると同時に、コ字状部の車幅方向長さをモーメントの腕とし、かつコ字状部の車幅方向外端前部を中心とするモーメント(側突荷重によるモーメントをキャンセルする方向のモーメント)が発生し、これにより、インパクトバーで支える耐荷重が大きくなり、該インパクトバーの曲げ変形が抑制される。よって、大きい側突荷重を受け止めることができる(図6参照)。
さらに、第1接合部および第2接合部をインパクトバーの上下幅内に設定することが可能で、インパクトバーの上下幅を比較的狭く形成しても、該インパクトバーをドアインナパネルに接合することができるので、そのレイアウトの自由度向上を図ることができる。
要するに、前突荷重を効果的に後方へ伝達することができると共に、側突耐力の向上を図ることができ、単一のインパクトバーで前突と側突の両方への対応が可能となる。
また、第2接合部の後端と、上記集束位置に対応する上下の内面部の前部との2箇所で、前突および側突時の応力分散を図ることができる。
すなわち、車両前突時においては、エプロンレインからヒンジピラーへ前突荷重が入力され、この前突荷重はヒンジピラーに取付けられたドアヒンジを介してドア本体に入力されるので、ドアヒンジと上下方向でオーバラップする位置にインパクトバーの第1接合部を配置することで、最も効果的に前突荷重をインパクトバーに伝達することができる。
また、側突時においては、インパクトバーで受止めた側突荷重を、第1接合部、ドアインナパネルおよびドアヒンジを介して最も効果的にヒンジピラーに伝達することができる。
図面は車両のドア構造を示し、図1はドアアウタパネルを取外してドア内部構造を示す側面図、図2は図1のA−A線に沿う要部の矢視断面図である。なお、図中、矢印Fは車両の前方を示し、矢印Rは車両の後方を示し、矢印INは車幅方向の内方を示し、矢印OUTは車幅方向の外方を示す。
また、図1に示すように、サイドウインド(いわゆるドアガラス)配設部の前端部分において、ベルトライン部BLとドアサッシュ部5とにより規定される三角コーナ部6が設けられている。
これら上下のドアヒンジブラケット7,8は、ドア本体4を含むフロントサイドドア1を車体としてのヒンジピラー(図示せず)に対して開閉可能に取付けるためのドアヒンジである。
また、上述の縦壁部3dには、ドアモジュール配設用の開口部9と、該開口部9よりも前方に位置するスピーカ配設用の開口部10とが形成されている。
上述のドアインナパネル3とドアアウタパネル2とで形成されたドア本体4の内部空間15(図2参照)には、車体前後方向に延びてドアインナパネル3の前辺部3aと後辺部3cとに取付けられたインパクトバー16を設けている。
図1に示すように、該インパクトバー16は、ドアインナパネル3の前辺部3a上部と、ドアインナパネル3の後辺部3c下部との間に、前高後低状に傾斜して取付けられている。
図3,図4に示すように、上述のインパクトバー16の前端は、車幅方向内側に位置して上下方向に延びる縦面部16Aと、この縦面部16Aの上端から車幅方向外側に延びる上側の横面部16Bと、上述の縦面部16Aの下端から車幅方向外側に延びる下側の横面部16Cと、でコ字状に形成されたコ字状部17を成している。
また、上側の横面部16Bの前端から上方に向けて折曲げられ上下方向に延びる第1接合部16Dと、同様に下側の横面部16Cの前端から下方に向けて折曲げられ上下方向に延びる第1接合部16Eとを備えている。
さらに、上側の横面部16Bの外端から上方に向けて折曲げられ上下方向に延びる上側の外面部16Fと、下側の横面部16Cの外端から下方に向けて折曲げられ上下方向に延びる下側の外面部16Gとを有している。
さらにまた、上側の外面部16Fの前端から車両前方に延びる第2接合部16Hと、下側の外面部16Gの前端から車両前方に延びる第2接合部16Jとを一体形成している。
また、インパクトバー16がドアインナパネル3に取付けられる前後両端部を除くインパクトバー16の本体部16Kは、上記コ字状部17と、上記上下の各外面部16F,16Gと、上側の外面部16Fの上端から車幅方向内側に延びる上面部16Lと、下側の外面部16Gの下端から車幅方向内側に延びる下面部16Mと、上面部16Lの車幅方向内端から上方に向けて折曲げられ上下方向に延びる上側の内面部16Nと、下面部16Mの車幅方向内端から下方に向けて折曲げられ上下方向に延びる下側の内面部16Pと、を有して、図4の(b)に示すように、車両正面視の断面形状が横向きの略W字状に形成されている。
また、上述のコ字状部17は、インパクトバー16の前端から後端にわたって連続して形成されている。
上述のコ字状部17の四隅部には、稜線18,19,20,21が形成されている。
同様に、インパクトバー16の本体部16Kにおいて、下面部16Mと下側の外面部16Gとの間に第3稜線33が形成されており、下面部16Mと下側の内面部16Pとの間に第4稜線34が形成されており、下側の内面部16Pの下端には下端線23(いわゆるエッジライン)が形成されている。
また、インパクトバー16前端の第2接合部16H,16Jは、ドアインナパネル3の前辺部3aにおける前後方向面(詳しくは、車両前後方向と上下方向とに対して平行に延びる面)3fにスポット溶接手段にて接合固定されている。
さらに、この実施例1では、図3に示すように、第1稜線31と、第2稜線32と、上端線22とが、第2接合部16Hの上側後端近傍位置で集束するように形成されると共に、第3稜線33と、第4稜線34と、下端線23とが、第2接合部16Jの下側後端近傍位置で集束するように形成されている。
また、上述のインパクトバー16の本体部16Kの上下寸法と、上側の第2接合部16Hの上端と下側の第2接合部16Jの下端との間の上下寸法と、上側の第1接合部16Dの上端と、下側の第1接合部16Eの下端との間の上下寸法と、は略同等になるように形成されている。
すなわち、上記第1接合部16D,16Eによって、インパクトバー16のドアインナパネル3への突き当て量を大きくすることができるので、前突荷重を確実に受止め、また、上記コ字状部17をドアインナパネル3の車幅方向面3eに突き当てることで、該コ字状部17から後方に延びるインパクトバー16の4本の稜線18,19,20,21により、前突荷重をより一層効果的に後方へ伝達することができる。
また、側突時には、図3,図6に示すように、第2接合部16H,16Jによって受止められた側突荷重は、第1接合部16D,16Eとコ字状部17を介してドアインナパネル3に入力されるが、インパクトバー16前端のドアインナパネル3への突き当て量が大きいことにより、ドアインナパネル3からインパクトバー16への大きい反力が発生すると同時に、コ字状部17の車幅方向長さをモーメントの腕とし、かつコ字状部17の車幅方向外端前部を中心とするモーメント(側突荷重によるモーメントをキャンセルする方向のモーメント)が発生し、これにより、インパクトバー16で支える耐荷重が大きくなり、該インパクトバー16の曲げ変形が抑制される。よって、大きい側突荷重を受け止めることができる。
要するに、前突荷重を効果的に後方へ伝達することができると共に、側突耐力の向上を図ることができ、単一のインパクトバー16で前突と側突の両方への対応が可能となる。
また、上記インパクトバー16の本体部16Kは、上記コ字状部17と、上記上下の各外面部16F,16Gと、これら各外面部16F,16Gの上下両端から車幅方向内側に延びる上面部16Lおよび下面部16Mと、該上面部16Lおよび下面部16Mの内端から上下方向に延びる上下の各内面部16N,16Pとを有して、車両正面視の断面形状が横向きの略W字状に形成されたものである(図4参照)。
さらに、上記上面部16Lと上側の外面部16Fとの間の第1稜線31と、上記上面部16Lと上側の内面部16Nとの間の第2稜線32と、上側の内面部16N上端の上端線22とが、上記第2接合部16Hの後端近傍位置で集束するように形成されると共に、上記下面部16Mと下側の外面部16Gとの間の第3稜線33と、上記下面部16Mと下側の内面部16Pとの間の第4稜線34と、下側の内面部16P下端の下端線23とが、上記第2接合部16Jの後端近傍位置で集束するように形成されたものである。
加えて、上記インパクトバー16の第1接合部16D,16Eが、上記ドア本体4を車体(ヒンジピラー参照)に取付けるドアヒンジ(ドアヒンジブラケット7参照)と上下方向でオーバラップする位置に配置されたものである(図1〜図3参照)。
すなわち、車両前突時においては、エプロンレインからヒンジピラーへ前突荷重が入力され、この前突荷重はヒンジピラーに取付けられたドアヒンジブラケット7を介してドア本体4に入力されるので、ドアヒンジブラケット7と上下方向でオーバラップする位置にインパクトバー16の第1接合部16D,16Eを配置することで、最も効果的に前突荷重をインパクトバー16に伝達することができる。
また、側突時においては、インパクトバー16で受止めた側突荷重を、第1接合部16D,16E、ドアインナパネル3およびドアヒンジブラケット7を介して最も効果的にヒンジピラーに伝達することができる。
図3で示した実施例1においては、各要素22,31,32を上側の第2接合部16Hの上側後端近傍位置で集束し、かつ、各要素23,33,34を下側の第2接合部16Jの下側後端近傍位置で集束させたが、図5に示すこの実施例2においては、第1稜線31と第2稜線32とを、第1稜線31の延長線上において上側の第2接合部16Hの後端近傍位置で集束させて、集束点P1を形成すると共に、この集束点P1から上方に延びる屈曲ラインL1を上側の内面部16Nと連続させ、また、第3稜線33と第4稜線34とを、第3稜線33の延長線上において下側の第2接合部16Jの後端近傍位置で集束させて、集束点P2を形成すると共に、この集束点P2から下方に延びる屈曲ラインL2を下側の内面部16Pと連続させたものである。
また、第2接合部16H,16Jの後端(または、第1接合部16D,16Eの接合位置)と、上記集束位置に対応する上下の内面部16N,16Pの前部(屈曲ラインL1,L2参照)との2箇所で、前突および側突時の応力分散を図ることができる。
この発明のドアは、実施例のフロントサイドドア1に対応し、
以下同様に、
ドアヒンジは、ドアヒンジブラケット7に対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
2…ドアアウタパネル
3…ドアインナパネル
3e…車幅方向面
3f…前後方向面
4…ドア本体
7…ドアヒンジブラケット(ドアヒンジ)
16…インパクトバー
16A…縦面部
16B,16C…横面部
16D,16E…第1接合部
16F,16G…外面部
16H,16J…第2接合部
16K…本体部
16L…上面部
16M…下面部
16N,16P…内面部
17…コ字状部
22…上端線
23…下端線
31…第1稜線
32…第2稜線
33…第3稜線
34…第4稜線
Claims (3)
- ドアインナパネルとドアアウタパネルとで形成されたドア本体の内部空間に、車体前後方向に延びてドアインナパネルに取付けられたインパクトバーが設けられた車両のドア構造であって、
上記インパクトバーの前端は、車幅方向内側に位置して上下方向に延びる縦面部と、該縦面部の上下両端から車幅方向外側に延びる上側の横面部および下側の横面部とでコ字状に形成されたコ字状部を成し、
上記上下の各横面部前端から上下方向に延びる第1接合部によって、上記インパクトバーが上記ドアインナパネルの車幅方向面に接合され、
上記上下の各横面部の外端から上下方向に延びる上下の各外面部を有し、
これら上下の各外面部前端から車両前方に延びる第2接合部によって、上記インパクトバーが上記ドアインナパネルの前後方向面に接合され、
上記インパクトバーの本体部は、上記コ字状部と、上記上下の各外面部と、これら各外面部の上下両端から車幅方向内側に延びる上面部および下面部と、該上面部および下面部の内端から上下方向に延びる上下の各内面部とを有して、車両正面視の断面形状が横向きの略W字状に形成され、
上記上面部と上側の外面部との間の第1稜線と、上記上面部と上側の内面部との間の第2稜線と、上側の内面部上端の上端線とが、上記第2接合部の後端近傍位置で集束するように形成されると共に、
上記下面部と下側の外面部との間の第3稜線と、上記下面部と下側の内面部との間の第4稜線と、下側の内面部下端の下端線とが、上記第2接合部の後端近傍位置で集束するように形成された
車両のドア構造。 - ドアインナパネルとドアアウタパネルとで形成されたドア本体の内部空間に、車体前後方向に延びてドアインナパネルに取付けられたインパクトバーが設けられた車両のドア構造であって、
上記インパクトバーの前端は、車幅方向内側に位置して上下方向に延びる縦面部と、該縦面部の上下両端から車幅方向外側に延びる上側の横面部および下側の横面部とでコ字状に形成されたコ字状部を成し、
上記上下の各横面部前端から上下方向に延びる第1接合部によって、上記インパクトバーが上記ドアインナパネルの車幅方向面に接合され、
上記上下の各横面部の外端から上下方向に延びる上下の各外面部を有し、
これら上下の各外面部前端から車両前方に延びる第2接合部によって、上記インパクトバーが上記ドアインナパネルの前後方向面に接合され、
上記インパクトバーの本体部は、上記コ字状部と、上記上下の各外面部と、これら各外面部の上下両端から車幅方向内側に延びる上面部および下面部と、該上面部および下面部の内端から上下方向に延びる上下の各内面部とを有して、車両正面視の断面形状が横向きの略W字状に形成され、
上記上面部と上側の外面部との間の第1稜線と、上記上面部と上側の内面部との間の第2稜線とが、上記第2接合部の後端近傍位置で集束するように形成されると共に、
上記下面部と下側の外面部との間の第3稜線と、上記下面部と下側の内面部との間の第4稜線とが、上記第2接合部の後端近傍位置で集束するように形成された
車両のドア構造。 - 上記インパクトバーの第1接合部が、上記ドア本体を車体に取付けるドアヒンジと上下方向でオーバラップする位置に配置された
請求項1または2に項に記載の車両のドア構造。
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