JP5936493B2 - 電源装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、商用電源を整流平滑して得られる高圧直流電圧を、機器が必要とする低圧直流電圧に変換するスイッチング電源装置、及びその電源装置を備えた画像形成装置に関する。
近年、様々な電子機器において省電力化が望まれている。それに伴い、電子機器の電源に関しても、より一層の省電力化が望まれている。電子機器の電源の一例として、FET(電界効果トランジスタ)等のスイッチング素子を所定の周波数で駆動して、目標の電圧を出力するスイッチング方式の電源(以下、「スイッチング電源」という)が使用されている。スイッチング電源の中には、通常動作(「通常モード」ともいう)時において、負荷が軽い場合には、スイッチング素子のスイッチング動作の回数を減らして効率を向上させるスイッチング電源がある。また、省電力化の規格も年々変更されており、通常動作時もさることながら、軽負荷運転よりも更に省電力化して効率を向上させることが求められている。
スイッチング電源における損失(電力ロス)の多くは、トランスの出力電圧を制御するスイッチング素子のスイッチング動作に起因するものである。そのため、スイッチング電源の効率化には、スイッチング動作の回数を低減させることが大きく寄与する。そこで、スイッチング素子のオン状態の時間を長くすることで1回のスイッチング動作のエネルギーを大きくし、これによりスイッチング動作の休止期間を長くして、単位時間当りのスイッチング回数を減らすことがよく行われる。
例えば、特許文献1には、省電力動作時の消費電力をより低減することを目的とする電源装置が開示されている。この電源装置では、トランスの出力電圧が低い電圧に設定された省電力動作の場合、トランスの一次巻線と巻回方向が同じ補助巻線に誘起される電圧に応じてスイッチング素子をオフし、トランスの出力電圧に基づき、スイッチング素子をオンする制御が行われる。
特開2011−10397号公報
ところが、上述したスイッチング電源には、次のような課題がある。トランスは、スイッチング素子がオン状態時に流れる励磁電流によって振動し、振動音を発生することが知られている。そして、励磁電流による振動音の周波数、即ちスイッチング素子によるスイッチング周波数が、人間の可聴周波数帯(一般に20Hz〜20KHz)である場合には、トランスの振動音は人間にとって耳障りとなる。
スイッチング素子のスイッチング周波数について、スイッチング電源の重負荷時のスイッチング周波数をfhigh、中負荷時のスイッチング周波数をfmid、軽負荷時のスイッチング周波数をflowと定義する。この場合、3つのスイッチング周波数について、一般的に次のような大小関係が成り立つ。
fhigh > fmid > flow
中負荷時のスイッチング周波数fmid、及び軽負荷時のスイッチング周波数flowは、スイッチング素子のスイッチング周期が長いので、人間の可聴周波数帯域内である場合が多い。
また、トランスの振動音は、トランスを流れる励磁電流(即ちスイッチング素子であるFETのドレイン電流)のピーク値が大きいほど大きく、耳障りとなる。トランスを流れる励磁電流のピーク値について、スイッチング電源の重負荷時の励磁電流のピーク値をIhigh、中負荷時の励磁電流のピーク値をImid、軽負荷時の励磁電流のピーク値をIlowと定義する。この場合、3つの励磁電流のピーク値について、一般的に、次のような大小関係が成り立つ。
Ihigh > Imid > Ilow
以上のことから、重負荷時の場合には、励磁電流のピーク値Ihighは大きいものの、スイッチング周波数fhighが可聴周波数帯域外であるため、人間にはトランスの振動音は聞こえない。また、中負荷時の場合には、励磁電流のピーク値Imidはある程度大きく、更に、スイッチング周波数fmidも可聴周波数帯域内であるため、トランスの振動音が大きい。ところが、軽負荷時の場合には、スイッチング周波数flowは可聴周波数帯域内であるものの、励磁電流のピーク値Ilowが小さいため、トランスの振動音は小さい。従って、上述したスイッチング電源においては、中負荷時においてトランスの振動音が大きいという課題がある。
また、この課題を解決するために、いずれの負荷状態(重負荷、中負荷、軽負荷)においても、スイッチング素子のスイッチング周波数が常に可聴周波数帯域外(一般に20KHz以上)で動作するように設定されたスイッチング電源が考案されている。しかしながら、このようなスイッチング電源においては、軽負荷時におけるスイッチング素子のスイッチングによる電力ロスが大きくなり、電源装置の待機電力が上昇するという課題がある。
本発明はこのような状況のもとでなされたものであり、中負荷時においてトランスの振動音を抑えつつ、軽負荷時の消費電力である待機電力を低減することを目的とする。
前述した課題を解決するため、本発明では次のとおりに構成する。
(1)一次巻線と二次巻線と補助巻線を有するトランスと、前記トランスの一次巻線への電流をスイッチングするためのスイッチング手段と、前記一次巻線に流れる電流を検出し、前記電流に応じた電圧を出力する電流検出手段と、前記電流検出手段が出力する電圧に応じて、前記スイッチング手段のスイッチング動作を制御する制御手段と、前記トランスの一次巻線と巻回方向が異なる前記補助巻線に誘起される電圧を検出する第一の電圧検出手段と、前記第一の電圧検出手段により検出された電圧が第一の所定値より高い場合には、前記電流検出手段により前記制御手段へ出力される電圧を補正する補正手段と、前記第一の電圧検出手段で検出される電圧を前記第一の所定値よりも低い電圧に切り替える電圧切り換え手段と、を備えたことを特徴とする電源装置。
(2)記録材に画像形成を行う画像形成手段を有する画像形成装置であって、前記画像形成装置に電力を供給する前記(1)項に記載の電源装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
本発明によれば、中負荷時においてトランスの振動音を抑えつつ、軽負荷時の消費電力である待機電力を低減することができる。
実施例との比較のための従来の直流電源装置の回路構成を示す図、及びコントロールモジュール内部のブロック図 実施例との比較のための従来の電源装置の重負荷時、中負荷時における電流、電圧波形を示す図 実施例との比較のための従来の電源装置の軽負荷時における電流、電圧波形を示す図 実施例1の電源装置の回路構成を示す図 実施例1の電源装置の中負荷時における電流、電圧波形を示す図 実施例1の電源装置の軽負荷時における電流、電圧波形を示す図 実施例2の電源装置の回路構成を示す図 実施例3の電源装置の回路構成を示す図 実施例4のレーザビームプリンタの概略構成を示す図
以下に、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
[電源装置の概要]
まず、以下の実施例との比較のために、従来の直流電源装置の回路構成と動作について、図1(a)を用いて説明する。図1(a)には、フライバック方式のスイッチング電源の回路を示す。図1(a)において、スイッチSW1がオンされると、商用交流電源より入力された交流電圧Vacは、ダイオードD101〜D104から構成されるダイオードブリッジDA1を介して、全波整流され、一次電解コンデンサC1により平滑化される。そして、入力された交流電圧Vacは、一次電解コンデンサC1に概ね一定の直流電圧Vhとして充電される。そして、同時に、コントロールモジュールCNT1(以下、「制御モジュールCNT1」という)を起動させるため、起動端子STに電圧Vstが供給され、制御モジュールCNT1が起動される。制御モジュールCNT1は、スイッチング動作を行うNチャネル型の電界効果トランジスタFET1(以下、「FET1」という)のオンオフを制御するICである。
トランスT1には、一次巻線Np、二次巻線Nsの他に、第一補助巻線Nh、第二補助巻線Nnが巻回されており、二次巻線Nsは、一次巻線Npとは巻回方向が逆方向(いわゆるフライバック結合)となるよう構成されている。第一補助巻線Nhは、一次巻線Npとは巻回方向が逆方向(いわゆるフライバック結合)となるよう構成され、第二補助巻線Nnは、一次巻線Npと巻回方向が同方向(いわゆるフォワード結合)となるよう構成されている。
制御モジュールCNT1は、Vcc、Vdd、OUT、ST、IS、FB、MONの各端子を有している。電源入力端子であるVcc端子には、第二補助巻線Nnに誘起された電圧VnnをダイオードD2、コンデンサC3により整流平滑され、制御モジュールCNT1を駆動する電源電圧Vccが入力され、Vdd端子にはGND(グラウンド)電位が入力される。OUT端子は、FET1のゲート端子に接続され、ハイレベル/ローレベルの出力を行うことにより、FET1のオンオフ状態を制御する。ST端子は高電圧端子である。電源装置の起動時などの制御モジュールCNT1のVcc端子への入力電圧が低い場合に、ST端子に入力された電圧Vstにより、制御モジュールCNT1内部の起動回路から必要な電圧が供給され、制御モジュールCNT1は、起動時の動作を開始する。制御モジュールCNT1がFET1をオン状態からオフ状態にするタイミングは、IS端子の入力電圧VisやFB端子の入力電圧Vfbに基づいて決定される。
トランスT1の二次巻線Nsに誘起された電圧は、二次整流ダイオードD3と二次平滑コンデンサC4により、整流、平滑されて、直流の出力電圧Voutとして出力される。シャントレギュレータIC1は、トランスT1の出力電圧Voutに基づいて、導通・非導通状態となる。シャントレギュレータIC1のリファレンス(ref)端子には、トランスT1の二次側の出力電圧Voutを、抵抗Raと抵抗Rbとで分圧された電圧が入力される。リファレンス(ref)端子への入力電圧Vrefが所定の電圧よりも高ければ、シャントレギュレータIC1が導通状態となり、逆に所定の電圧よりも低ければ、非導通状態となる。シャントレギュレータIC1が導通状態になると、抵抗R10を介して、トランスT1の二次側に設けられたフォトカプラPC1のLED1に電流が流れ、LED1が発光する。トランスT1の一次側のフォトカプラPC1のフォトトランジスタTr1は、フォトカプラPC1のLED1が発光しているかどうかにより、オンオフ状態が制御される。そして、制御モジュールCNT1のFB端子には、フォトカプラPC1のフォトトランジスタTr1が接続され、トランスT1の二次側の出力電圧に比例した電圧が入力されるように構成されている。
また、IS端子には、トランスT1の一次巻線Npに流れる電流により、電流検出抵抗Risの両端に発生した電圧が入力されるように構成されている。制御モジュールCNT1は、IS端子の入力電圧Visの上限値がFB端子の入力電圧Vfbに比例した電圧値となるように決定する。また、制御モジュールCNT1のMON端子には、第一補助巻線Nhに誘起された電圧Vnhである電圧Vmonが入力される。制御モジュールCNT1は、MON端子に入力される電圧VmonからトランスT1の回生終了を検出し、FET1をオフ状態からオン状態にするタイミングを決定する。
[重負荷時における電源装置の動作]
次に、電源装置の一連の動作について、図2−1(a)を用いて説明を行う。図2−1(a)は、図1(a)の電源装置において、重負荷時における電流、電圧波形を示した図である。図2−1(a)において、Vdsは、FET1のドレイン端子−ソース端子間の電圧波形であり、Idは、FET1のドレイン電流の波形を示す。Vnhは、第一補助巻線Nhに誘起される電圧波形を示し、Ifは、トランスT1の二次側に設けられた二次整流ダイオードD3を流れる電流波形を示している。Vis、Vfbは、それぞれ制御モジュールCNT1のIS端子の入力電圧波形(実線)、FB端子の入力電圧波形(破線)を示す。
図1(a)において、制御モジュールCNT1のST端子に電圧Vstが印加されると、制御モジュールCNT1は、OUT端子からハイレベルの信号Vgを出力し、FET1をオフ状態からオン状態にする。そして、FET1がオン状態になると、トランスT1の一次巻線Npを介して、FET1にドレイン電流Idが流れる。この後、ドレイン電流Idは、時間の経過と共に直線的に上昇していく(図2−1(a)のt10)。ドレイン電流Idは、電流検出抵抗Risによって電圧Visに変換され、制御モジュールCNT1の電流検出を行うIS端子に供給される。
一方、制御モジュールCNT1のフィードバック端子FBには、電圧Vfbが供給されている。電圧Vfbは、スイッチング電源の出力電圧Voutの誤差増幅信号であり、出力電圧Voutが規定値よりも大きい場合には低下し、出力電圧Voutが規定値よりも小さい場合には上昇する。制御モジュールCNT1は、IS端子への入力電圧Visが上昇し、FB端子への入力電圧Vfbよりもわずかに大きくなった時点で、OUT端子の出力Vgをハイレベルからローレベルにし、FET1はオン状態からオフ状態となる(t11、t13)。FET1がオフ状態になると、ドレイン電流Idは瞬時に0となる。すると、FET1のドレイン−ソース間電圧Vdsは上昇し、概ね一定の電圧(Vh+Vcl)となる(t11〜t12)。
トランスT1には、一次巻線Npの他に、二次巻線Ns及び第一補助巻線Nhが巻かれている。二次巻線Ns及び第一補助巻線Nhは、一次巻線Npに対して巻方向を異に構成されている(いわゆる、「フライバック結合」されている)。FET1がオフしている間(t11〜t12)、二次巻線Ns及び第一補助巻線Nhには、正のパルス電圧が誘起される。二次巻線Nsに誘起されたパルス電圧は、二次整流ダイオードD3及び二次平滑コンデンサC4によって整流平滑され、概ね一定の出力電圧Voutとなる。二次整流ダイオードD3の順方向降下電圧をVfd3とすると、前述の電圧Vclは、出力電圧Voutを用いて、概ね次式で表される。
Figure 0005936493
一方、第一補助巻線Nhに誘起される正のパルス電圧Vnhは、出力電圧Voutを用いて、概ね次式で表される。
Figure 0005936493
二次巻線Nsに流れる電流Ifは直線的に減少し、やがて0になる(t12)。すると、FET1のドレイン端子−ソース端子間の電圧Vdsは下降を始める。ドレイン端子−ソース端子間の電圧Vdsの波形は、第一補助巻線Nhの電圧Vnhの波形と相似形となる。電圧Vnhは、MON端子の入力電圧Vmonとして、制御モジュールCNT1のMON端子に入力される。制御モジュールCNT1は、MON端子に入力された電圧Vnhが、立下りエッジで、且つ0ボルトとなったことを検出すると、OUT端子の出力Vgをローレベルからハイレベルにし、その結果、FET1はオフ状態からオン状態となる。FET1がオン状態になると、再度、トランスT1の一次巻線Npを介して、FET1にドレイン電流Idが流れ始め(t12)、以降、上述した動作が繰り返される。
[制御モジュールCNT1の概要]
制御モジュールCNT1の動作について、図1(b)を用いて説明する。図1(b)は、制御モジュールCNT1内部を示したブロック図であり、ST、Vcc、Vdd、MON、IS、FB、OUTは、制御モジュールCNT1の入出力端子を指している。図1(b)において、コンパレータCMP1は、IS端子に入力された電圧Visと、FB端子に入力された電圧Vfbの電圧値を比較し、電圧Visの方が高い場合にはハイレベルを出力し、電圧Vfbの方が高い場合にはローレベルを出力する。図2−1(a)に示すように、FET1がオンしている状態では、電圧Vfbは電圧Visよりも高く、このときのコンパレータCMP1の出力はローレベルである。その結果、コンパレータCMP1の後段に設けられたセット・リセットフリップフロップSR−FF(以下、「SR−FF」という)のリセット端子(以下、「R端子」という)にはローレベルが入力される。そして、SR−FFの出力端子であるQ端子は、それまでの出力状態(後述するハイレベル)を維持する。SR−FFのQ端子は、制御モジュールCNT1のOUT端子に接続されており、FET1のゲート端子には、OUT端子からハイレベルの電圧Vgが出力され、FET1はオン状態を維持する(図2−1(a)の〜t11、t12〜t13)。
その後、ドレイン電流Idの上昇に伴い、IS端子への入力電圧Visが上昇して、FB端子への入力電圧Vfbよりもわずかに大きくなった時点で、コンパレータCMP1の出力はハイレベルとなる。その結果、R端子にハイレベルが入力されることにより、SR−FFはリセットされる。そして、SR−FFのQ端子の出力はローレベルとなり、制御モジュールCNT1のOUT端子からはローレベルの電圧Vgが出力されて、FET1はオフ状態となる(図2−1(a)のt11、t13)。
FET1がオフ状態になると、トランスT1の二次巻線Nsに誘起された電圧は、二次整流ダイオードD3と二次平滑コンデンサC4により、整流、平滑されて、直流の出力電圧Voutとして出力される。トランスT1の二次側の回生が終了し、二次巻線Nsに流れる電流Ifが減少し、流れなくなると、第一補助巻線Nhに誘起される電圧Vnhは下降し、負電圧となる(図2−1(a)のt12)。
電圧Vmonは、MON端子に入力される。制御モジュールCNT1内部のワンショットトリガ回路TGC(以下、「TGC回路」という)は、電圧Vmonが立下りエッジで、且つ0ボルトとなったことを検出すると、出力をそれまでのローレベルからハイレベルに反転させ、以降、ハイレベル出力を維持する。TGC回路の出力は、論理積回路AND(以下、「AND回路」という)の一方の入力端子に入力される。AND回路のもう一方の入力端子には、後述するコンパレータCMP2から出力されたハイレベルが入力されているので、AND回路の出力はハイレベルとなる。AND回路の出力はSR−FFのセット端子(以下、「S端子」という)に入力され、SR−FFはセットされる。そして、SR−FFのQ端子の出力はハイレベルとなり、制御モジュールCNT1のOUT端子からはハイレベルの電圧Vgが出力されて、FET1はオン状態となる(図2−1(a)のt12)。
そして、その後、IS端子の入力電圧Visが上昇し、FB端子の入力電圧Vfbよりもわずかに大きくなり、コンパレータCMP1の出力がハイレベルとなると、FET1がオフ状態となる(図2−1(a)のt13)。このとき、コンパレータCMP1の出力は、SR−FFのR端子に入力されると共に、TGC回路のCLR(クリア)端子にも入力され、その結果、TGC回路はリセットされ、TGC回路の出力はハイレベルからローレベルに戻る。
[中負荷時における電源装置の動作]
次に、中負荷時における電源装置の一連の動作について、図2−1(b)を用いて説明を行う。図2−1(b)は、図1(a)の電源装置において、中負荷時における電流、電圧波形を示した図であり、図2−1(b)に示す電流、電圧波形の種類は、図2−1(a)と同様である。
FET1がオン状態になると、トランスT1の一次巻線Npを介して、FET1にドレイン電流Idが流れる。この後、ドレイン電流Idは、時間の経過と共に直線的に上昇していく(図2−1(b)のt20)。次に、FET1がオフ状態になると、ドレイン電流Idは瞬時に0となる。すると、FET1のドレイン−ソース間電圧Vdsは上昇し、概ね一定の電圧(Vh+Vcl)となる(t21〜t22)。そして、二次巻線Nsに流れる電流Ifが減少していく過程で、FB端子の入力電圧Vfbは低下していく(t21〜)。トランスT1の二次側の負荷が中負荷の場合には、FB端子の入力電圧Vfbは、スイッチングストップ電圧Vfb−stpを下回る(t2a)。すると、図1(b)に示す制御モジュールCNT1内のコンパレータCMP2の出力はローレベルとなる。コンパレータCMP2の出力は、AND回路に入力されており、コンパレータCMP2の出力がローレベルである間は、TGC回路の出力レベルに関係なく、AND回路の出力はローレベルとなり、SR−FFのQ端子は、それまでのローレベル出力を継続する。その結果、制御モジュールCNT1のOUT端子からはローレベルの信号が出力され、FET1はオフ状態を継続する(t2a〜t23)。
前述したように、二次整流ダイオードD3を流れる電流Ifが0となり、第一補助巻線Nhに誘起される電圧Vnhが下降し、0ボルトになると、TGC回路の出力はハイレベルとなる(t22)。その後、FB端子の入力電圧Vfbが緩やかに上昇し、スイッチングストップ電圧Vfb−stpを超えると、コンパレータCMP2はハイレベル信号を出力する(t23)。その結果、AND回路の出力がローレベルからハイレベルとなり、SR−FFのS端子にはハイレベルが入力されることにより、SR−FFはセットされる。そして、SR−FFのQ端子の出力はハイレベルとなり、制御モジュールCNT1のOUT端子からはハイレベルの電圧Vgが出力されて、FET1はオン状態となる(t23)。
以上のように、スイッチング電源の負荷が中負荷の場合には、FET1のオフ時間を強制的に延長する制御(いわゆる「間欠発振制御」)が行われている。これにより、中負荷の場合のFET1のスイッチング周期は、重負荷時のスイッチング周期と比べて長くなり、FET1のスイッチング周波数は可聴周波数帯域内となる。その結果、中負荷時のFET1のスイッチング周波数fmidは、重負荷時のスイッチング周波数fhighよりも低下し、FET1のスイッチングによる電力ロスを低減させ、機器の消費電力を低減することができる。
[軽負荷時における電源装置の動作]
ところで、昨今、環境問題に端を発し、電子機器の待機電力の更なる低減が強く求められている。電子機器の待機電力とは、電源装置においては、軽負荷時の消費電力に相当する。次に、軽負荷時における電源装置の一連の動作について、図2−2(c)を用いて説明を行う。図2−2(c)は、図1(a)の電源装置において、軽負荷時における電流、電圧波形を示した図であり、図2−2(c)に示す電流、電圧波形の種類は、図2−1(a)、(b)と同様である。
FET1がオン状態になると、トランスT1の一次巻線Npを介して、FET1にドレイン電流Idが流れる。この後、ドレイン電流Idは、時間の経過と共に直線的に上昇していく(図2−2(c)のt30)。次に、FET1がオフ状態になると、ドレイン電流Idは瞬時に0となる。すると、FET1のドレイン−ソース間電圧Vdsは上昇し、概ね一定の電圧(Vh+Vcl)となる(t31〜t32)。そして、二次巻線Nsに流れる電流Ifが減少していく過程で、FB端子の入力電圧Vfbは低下していく(t31〜)。トランスT1の二次側の負荷が軽負荷の場合には、FB端子の入力電圧Vfbは、スイッチングストップ電圧Vfb−stpを下回る(t3a)。すると、前述したように、制御モジュールCNT1内のコンパレータCMP2の出力はローレベルとなる。その結果、制御モジュールCNT1のOUT端子からはローレベルの信号Vgが出力され、FET1はオフ状態を継続する(t3a〜t33)。
トランスT1の回生が終了すると、二次整流ダイオードD3を流れる電流Ifが0となり、第一補助巻線Nhに誘起される電圧Vnhが0ボルトになると(t32)、制御モジュールCNT1のTGC回路の出力はハイレベルとなる。その後、FB端子の入力電圧Vfbが緩やかに上昇し、スイッチングストップ電圧Vfb−stpを超えると、コンパレータCMP2はハイレベル信号を出力する(t33)。その結果、SR−FFのS端子にはハイレベルが入力されることにより、SR−FFのQ端子の出力はハイレベルとなり、制御モジュールCNT1のOUT端子からはハイレベルの電圧Vgが出力されて、FET1はオン状態となる(t33)。尚、図2−2(c)において、FET1がオフ状態となり、二次整流ダイオードD3を流れる電流Iが0となるまでの時間(t31〜t32)は、図2−1(b)に示した中負荷時における同一状態の時間(t21〜t22)よりも長くなる。
上述したように、軽負荷時のFET1のスイッチング周期は、中負荷時のスイッチング周期と比べて長くなる。その結果、軽負荷時のFET1のスイッチング周波数flowは、中負荷時のスイッチング周波数fmidよりも低下し、FET1のスイッチングによる電力ロスを低減させ、機器の消費電力を更に低減することができる。
本実施例では、中負荷時において、スイッチング素子の間欠発振制御を行わないようにすることにより、トランスの振動音を抑える電源装置について、説明する。
[本実施例の電源装置の概要]
図3は、本実施例の電源装置の回路構成を示した図である。図3において、破線で囲まれた部分が、前述した従来例の図1(a)で説明した電源装置に追加された回路部分である。その他の回路は、図1と同様であるため、同じ符号を付し、説明を省略する。
追加された回路部分のうち、1つはトランスT1の二次側に設けられ、もう1つはトランスの一次側に設けられている。トランスT1の二次側に追加された回路部分は抵抗R11、フォトカプラPC2、トランジスタTr3、抵抗R12から構成され、制御素子であるCPU1が出力するPSAVE信号(パワーセーブ信号)により、トランジスタTr3のオンオフ制御が行われる。フォトカプラPC2のLED2は、トランジスタTr3のオンオフ状態により、導通・非導通状態となる。トランジスタTr3がオン状態になると、抵抗R11を介して、フォトカプラPC2のLED2に電流が流れ、LED2が発光する。トランスT1の一次側に設けられたフォトカプラPC2のフォトトランジスタTr2は、フォトカプラPC2のLED2によりオンオフ状態が制御される。
また、トランスT1の一次側に追加された回路部分は、整流回路部と、積分回路部と、第一の電圧検出手段であるツェナーダイオードDz1(第一のツェナーダイオード)と、抵抗分圧回路部から構成される。整流回路部は、図1(a)で説明した電源装置の第一補助巻線Nhに誘起されるパルス電圧Vnhの、正の電圧振幅値を整流するダイオードD1で構成される。また、積分回路部は、抵抗R5、コンデンサC2から構成され、ダイオードD1により整流された正のパルス電圧を平均化する。そして、ツェナーダイオードDz1は、積分回路部により平均化された直流電圧Veが所定の電圧(第一の所定値)よりも高い場合には電流が流れ、低い場合にはハイインピーダンス状態となり電流は流れない。抵抗分圧回路部は、抵抗Rz及びR1から構成され、直流電圧Veが所定の電圧よりも高い場合には、コントロールモジュールCNT1のIS端子に、電流検出抵抗Risの両端に発生した電圧よりも高い電圧が入力されるよう、IS端子への入力電圧を補正する。
[中負荷時における電源装置の動作]
図4−1(a)を用いて、本実施例の電源装置の通常モードの軽負荷時の動作について説明する。図4−1(a)は、図3の電源装置において、中負荷時における電流、電圧波形を示した図である。図4−1(a)に示す電流、電圧波形の種類は、図1(a)の電源装置における中負荷時の電流、電圧波形を示した図2−1(b)と同様である。また、本実施例の中負荷時においては、後述するように間欠発振制御が行われないため、図4−1(a)のタイミングt40〜t43は、前述した図2−1(a)の重負荷時におけるタイミングt10〜t13に対応する。
図3の電源装置において、第一補助巻線Nhに誘起される電圧Vnhは、ダイオードD1によって整流され、抵抗R5、コンデンサC2により平均化されて、概ね一定の直流電圧Veとなる。そして、電圧Veは、ツェナーダイオードDz1に印加される。
ここで、中負荷時における直流電圧VeをVe−midと定義する。図4−1(a)において、第一補助巻線Nhに誘起される電圧波形Vnhの右側に示した波形図は、図3のダイオードD1の出力電圧(カソード電圧)の波形を示した図である。ダイオードD1は、アノード側に入力される第一補助巻線Nhに誘起される電圧が正の電圧の場合には、アノードからカソードに電流を流すので、正の電圧波形がそのままカソード側から出力される。一方、第一補助巻線Nhに誘起される電圧が負の電圧の場合には、ダイオードD1のアノードからカソードには電流が流れないので、ダイオードD1の出力電圧は0となる。そして、抵抗R5、コンデンサC2から構成される積分回路部により、ダイオードD1によって整流された正のパルス電圧は平均化され、直流電圧Ve−midが得られる。
後述する軽負荷時の直流電圧VeをVe−lowと定義すると、本実施例のツェナーダイオードDz1のツェナー電圧Vz1には、直流電圧Ve−mid、Ve−lowに対して、次式が成り立つツェナー電圧が選択される。
Ve−mid > Vz1 >Ve−low (3)
従って、ツェナーダイオードDz1のアノード側に接続される抵抗Rzには、電圧(Ve−mid−Vz1)が印加される。このとき、抵抗Rzに印加される電圧(Ve−mid−Vz1)を抵抗Rzと抵抗R1により分圧された電圧Visが、電流検出抵抗Risの両端に生じる電圧Vis’よりも十分大きな電圧値となるよう、ツェナー電圧Vz1、抵抗Rz、R1の抵抗値を設定する。
すると、制御モジュールCNT1の電流検出端子であるIS端子に入力される電圧Visは、概ね、次式で表わされる。
Figure 0005936493
即ち、IS端子に入力される電圧Visは、電流検出抵抗Risの両端に生じる電圧Vis’に、抵抗Rzに印加される電圧(Ve−mid−Vz1)を、抵抗Rzと抵抗R1で分圧した電圧分だけ、正方向にシフトした(上乗せした)電圧となる。そして、このときIS端子に入力される電圧Visが、スイッチングストップ電圧Vfb−stpよりも大きくなるよう、ツェナー電圧Vz1、抵抗Rz、R1の抵抗値を設定する。
前述した従来例の電源装置では、中負荷の場合には、FB端子への入力電圧Vfbがスイッチングストップ電圧Vfb−stpよりも低い間は、FET1のオフ状態の時間を強制的に延長する「間欠発振制御」が行われていた。ところが、図4−1(a)に示すように、本実施例では、IS端子への入力電圧Vis及びFB端子への入力電圧Vfbは、常にスイッチングストップ電圧Vfb−stpよりも高くなり、「間欠発振制御」は行われない。その結果、FET1のスイッチング周波数が可聴周波数帯域内となることはなく、トランスT1の振動音は抑制される。
[軽負荷時における電源装置の動作]
続いて、本実施例の電源装置の軽負荷時の動作について説明する。図3において、軽負荷時には、電源装置を制御するCPU1は、出力するPSAVE信号(パワーセーブ信号)をそれまでのローレベルから、所定の時間ハイレベルにし、その後、再度ローレベルに戻す。ハイレベルのPSAVE信号がトランジスタTr3のベース端子に出力されている間、トランジスタTr3はオン状態となり、フォトカプラPC2に電流が流れ、LED2は発光状態となる。これにより、フォトカプラPC2のフォトトランジスタTr2は、PSAVE信号がハイレベルである所定の時間、オン状態となり、その結果、積分回路を構成するコンデンサC2に充電された電圧は放電され、コンデンサC2の充電電圧は0ボルトとなる。
その後、PSAVE信号が再度、ローレベルになると、トランジスタTr3はオフ状態となり、フォトカプラPC2には電流が流れなくなり、LED2は非発光状態となる。これにより、フォトカプラPC2のフォトトランジスタTr2はオフ状態となる。そして、第一補助巻線Nhに誘起される電圧Vnhは、ダイオードD1、コンデンサC2によって整流平均化され、概ね一定の直流電圧Veとなる。ここで、軽負荷時における直流電圧VeをVe−lowと定義する。
図4−2(b)は、図3の電源装置において、軽負荷時における電流、電圧波形を示した図である。図4−2(b)に示す電流、電圧波形の種類は、図3の電源装置における中負荷時の電流、電圧波形を示した図4−1(a)と同様である。また、図4−2(b)のタイミングt50〜t53は、前述した図2−2(c)の軽負荷時におけるタイミングt30〜t33に対応する。
図4−2(b)において、第一補助巻線Nhに誘起される電圧波形Vnhの右側に示した波形図は、図3のダイオードD1の出力電圧(カソード電圧)の波形を示した図である。前述したように、ダイオードD1は、第一補助巻線Nhに誘起される電圧が正の電圧の場合には、正の電圧波形をそのまま出力し、第一補助巻線Nhに誘起される電圧が負の電圧の場合には、ダイオードD1の出力電圧は0となる。そして、抵抗R5、コンデンサC2から構成される積分回路部により、ダイオードD1によって整流された正のパルス電圧は平均化され、直流電圧Ve−lowが得られる。即ち、図4−2(b)において、第一補助巻線Nhに誘起される電圧Vnhは、ダイオードD1及びコンデンサC2によって整流平滑され、概ね一定の直流電圧Ve−lowとなり、ツェナーダイオードDz1に印加される。
前述の式(3)から、ツェナーダイオードDz1のツェナー電圧Vz1は、軽負荷時の直流電圧Ve−lowよりも大きい(電圧)値に設定されているので、ツェナーダイオードDz1はハイインピーダンス状態となる。その結果、抵抗Rzには電流が流れないため、IS端子への入力電圧Visと、電流検出抵抗Risの両端に生じる電圧Vis’とは概ね等しい電圧値となる。即ち、軽負荷時には、抵抗Rz、R1はIS端子への入力電圧Visに影響を与えない。そのため、前述したように、軽負荷時のFET1のスイッチング周波数flowは充分に低下することとなり、FET1のスイッチングによる電力ロスを低減して、機器の消費電力を低減することができる。
以上説明したように、本実施例によれば、中負荷時においてトランスの振動音を抑えつつ、軽負荷時の消費電力である待機電力を低減することができる。負荷が中負荷の場合においては、スイッチング周波数を可聴周波数域外とすることにより、トランスの振動音が低減される。更に、軽負荷時においては、スイッチング周波数を低下させることにより、スイッチング素子のスイッチングによる電力ロスを低減して、機器の待機電力を低減することができる。
実施例1では、負荷が中負荷の場合にも、制御モジュールCNT1のIS端子の入力電圧Vis及びFB端子の入力電圧Vfbが、スイッチングストップ電圧Vfb−stpよりも大きくなるように、電圧Vis’を補正する回路構成について説明した。ところが、実施例1で説明した回路構成では、負荷が中負荷の場合だけでなく、重負荷時にも電圧補正が行われるため、スイッチング周波数が必要以上に増大し、スイッチング素子のスイッチングによる電力ロスが増大する場合がある。そこで、本実施例では、負荷が重負荷時におけるスイッチング周波数の増大を抑える回路構成について、以下に説明する。
[本実施例の電源装置の概要]
図5は、本実施例の電源装置の回路構成を示した図である。図5において、破線で囲まれた部分が、実施例1の図3で説明した電源装置に追加された回路部分である。その他の回路は、図3と同様であるため、同じ符号を付し、説明を省略する。追加された回路部分は、第二の電圧検出手段であるツェナーダイオードDz2、抵抗R2、ダイオードD4、トランジスタTr4からなり、負荷が中負荷の場合には実施例1で説明した抵抗分圧回路が動作し、負荷が重負荷時には抵抗分圧回路は動作しない。即ち、電流検出抵抗Risの両端に生じる電圧がツェナーダイオードDz2のツェナー電圧Vz2(第二の所定値)よりも高ければ、トランジスタTr4がオン状態となり、ダイオードD4は非導通状態となり、抵抗分圧回路は機能しない(動作しない)。逆に、電流検出抵抗Risの両端に生じる電圧がツェナーダイオードDz2のツェナー電圧Vz2よりも低ければ、トランジスタTr4はオフ状態となり、ダイオードD4は導通状態となり、抵抗分圧回路は機能する(動作する)。
[中負荷時、重負荷時における電源装置の動作]
本実施例での説明を簡易にするため、ダイオードD4の順方向電圧降下Vfd4、及びトランジスタTr4のベース−エミッタ間電圧Vbeは0とする。ツェナーダイオードDz2(第二のツェナーダイオード)のツェナー電圧Vz2は、トランジスタTr4をオン状態にする閾値電圧である。本実施例では、ツェナー電圧Vz2には、中負荷時に電流検出抵抗Risの両端に生じる電圧Vis’よりも大きく、且つ、重負荷時における電圧Vis’よりも小さい電圧値が選択される。そのため、中負荷時には、ツェナーダイオードDz2は非導通状態となり、トランジスタTr4はオフ状態となる。その結果、ダイオードD4は導通状態となり、IS端子には、抵抗Rz、R1の抵抗分圧回路により補正された電圧Visが入力される。
一方、重負荷時には、ツェナーダイオードDz2は導通状態となり、トランジスタTr4はオン状態となり、ダイオードD4のアノード側の入力電圧は概ね0ボルトとなる。そして、電流検出抵抗Risの両端電圧Vis’が上昇した場合、ダイオードD4は逆バイアスとなって、抵抗Rz、R1から構成される抵抗分圧回路は動作せず、IS端子の入力電圧Visとしては、電流検出抵抗Risの両端電圧Vis’が入力される。従って、重負荷時には、FET1のスイッチング周波数が増大することを抑えることができる。
以上説明したように、本実施例によれば、中負荷時においてトランスの振動音を抑えつつ、軽負荷時の消費電力である待機電力を低減することができる。負荷が中負荷の場合においては、スイッチング周波数を可聴周波数帯域外とすることにより、トランスの振動音を低減することができる。更に、重負荷時には、スイッチング周波数が必要以上に増大しないため、スイッチング素子のスイッチングによって電力ロスが増大することがない。
実施例2では、ダイオードの順方向電圧降下やトランジスタのベース−エミッタ間電圧を0ボルトとして説明を行ったが、実際の回路では、これらの電圧が回路の電圧補正動作に影響を与えることもありうる。そこで、本実施例では、ダイオードの順方向電圧降下やトランジスタのベース−エミッタ間電圧を考慮した回路構成について説明する。
図6(a)は、トランジスタのベース−エミッタ間電圧を考慮した回路構成であり、実施例2の図5と比べて、トランジスタTr4のベース端子に接続されていたツェナーダイオードDz2が削除されている。その他の回路は、図5と同様であるため、同じ符号を付し、説明を省略する。実施例2では、トランジスタTr4のベース−エミッタ間電圧Vbeは0ボルトとして説明を行った。ところが、本実施例では、図6(a)に示すように、トランジスタTr4のベース−エミッタ間電圧Vbe(一般に0.6〜0.7V)を、トランジスタTr4をオン状態にする閾値電圧として用いている。これにより、ツェナーダイオードDz2を省略した構成でも、実施例2と同等の効果を得ることができる。更に、実施例2で必須であったツェナーダイオードDz2を削除することができるため、コストを削減することができる。
また、実施例2では、ダイオードD4の順方向電圧降下Vfd4、トランジスタTr4のベース−エミッタ間電圧Vbeは、0ボルトとして説明を行った。ところが、実際の回路では、これら順方向電圧降下Vfd4や、ベース−エミッタ間電圧Vbeが回路の補正動作に影響を与えることもありうる。そこで、図6(b)は、実施例2の図5の回路のトランジスタTr4を、コンパレータCMP3を用いた回路に変更した回路構成を示した回路図である。その他の回路は、図3と同様であるため、同じ符号を付し、説明を省略する。
図6(b)において、コンパレータCMP3の反転入力端子(−)には、電流検出抵抗Risの両端に生じた電圧Vis’が入力される。一方、非反転入力端子(+)には、ツェナーダイオードDz2(第三のツェナーダイオード)のカソード側が接続され、ツェナー電圧Vz2が印加されている。更に、ツェナーダイオードDz2のカソード側は、プルアップ抵抗R3にも接続されている。
反転入力端子(−)への入力電圧である電圧Vis’が、非反転入力端子(+)に印加されているツェナー電圧Vz2よりも低ければ、即ち中負荷時には、コンパレータCMP3の出力はハイインピーダンス状態となる。その結果、ダイオードD4は導通状態となり、IS端子の入力電圧Visには、抵抗Rz、R1の抵抗分圧回路により補正された電圧が入力される。一方、反転入力端子(−)への入力電圧である電圧Vis’が、非反転入力端子(+)に印加されているツェナー電圧Vz2よりも高ければ、即ち重負荷時には、コンパレータCMP3にはツェナーダイオードDz1、抵抗Rzを流れる電流が流れ込む。その結果、ダイオードD4のアノード側の入力電圧は概ね0ボルトとなり、抵抗Rz、R1から構成される抵抗分圧回路は動作せず、IS端子の入力電圧Visには、電流検出抵抗Risの両端電圧Vis’が入力される。図6(b)に示すように、トランジスタTr4の代わりに、コンパレータCMP3を用いることにより、トランジスタTr4のベース−エミッタ間電圧Vbeが、抵抗分圧回路による補正動作に影響を与えることを防ぐことができる。
以上説明したように、本実施例によれば、中負荷時においてトランスの振動音を抑えつつ、軽負荷時の消費電力である待機電力を低減することができる。負荷が中負荷の場合においては、スイッチング周波数を可聴周波数域外とすることにより、トランスの振動音が低減される。更に、回路部品(ツェナーダイオード)を削減することにより、コストを低減できるほか、トランジスタの代わりにコンパレータを用いることにより、回路動作の安定化が図ることができる。
実施例1〜3で説明した電源装置は、例えば画像形成装置の低圧電源、即ちコントローラ(制御部)やモータ等の駆動部へ電力を供給する電源として適用可能である。以下に、実施例1〜3の電源装置が適用される画像形成装置の構成を説明する。
[画像形成装置の構成]
画像形成装置の一例として、レーザビームプリンタを例にあげて説明する。図7に電子写真方式のプリンタの一例であるレーザビームプリンタの概略構成を示す。レーザビームプリンタ300は、静電潜像が形成される像担持体としての感光ドラム311、感光ドラム311を一様に帯電する帯電部317(帯電手段)、感光ドラム311に形成された静電潜像をトナーで現像する現像部312(現像手段)を備えている。そして、感光ドラム311に現像されたトナー像をカセット316から供給された記録材としてのシート(不図示)に転写部318(転写手段)によって転写して、シートに転写したトナー像を定着器314で定着してトレイ315に排出する。この感光ドラム311、帯電部317、現像部312、転写部318が画像形成部である。また、レーザビームプリンタ300は、実施例1〜3で説明した電源装置400を備えている。尚、実施例1〜3の電源装置を適用可能な画像形成装置は、図7に例示したものに限定されず、例えば複数の画像形成部を備える画像形成装置であってもよい。更に、感光ドラム311上のトナー像を中間転写ベルトに転写する一次転写部と、中間転写ベルト上のトナー像をシートに転写する二次転写部を備える画像形成装置であってもよい。
レーザビームプリンタ300は、画像形成部による画像形成動作や、シートの搬送動作を制御する不図示のコントローラを備えており、実施例1〜3に記載の電源装置400は、例えばコントローラに電力を供給する。また、実施例1〜3に記載の電源装置400は、感光ドラム311を回転するため又はシートを搬送する各種ローラ等を駆動するためのモータ等の駆動部に電力を供給する。本実施例の画像形成装置は、省電力を実現する待機状態(例えば、軽負荷時)にある場合に、例えばコントローラのみに電力を供給する等、負荷を軽くして消費電力を低減させることができる。即ち、本実施例の画像形成装置では、軽負荷時に、実施例1〜3で説明した電源装置400は間欠発振動作を行う。そして、画像形成装置の負荷が中負荷の場合には、実施例1〜3で説明した構成によって、電源装置400のスイッチング周波数を上げて、トランスT1から発生する振動音を可聴周波数帯域外にしている。これにより、トランスの振動音を人間に聞こえないように抑えると共に、電源装置400の消費電力を低減する。
以上説明したように、本実施例によれば、中負荷時においてトランスの振動音を抑えつつ、軽負荷時の消費電力である待機電力を低減することができる。
CNT1 コントロールモジュール(制御モジュール)
C2 コンデンサ
Dz1 ツェナーダイオード
D1 ダイオード
FET1 電界効果トランジスタ
Nh 第一補助巻線
Ris 電流検出抵抗
Rz、R1 抵抗
T1 トランス

Claims (12)

  1. 一次巻線と二次巻線と補助巻線を有するトランスと、
    前記トランスの一次巻線への電流をスイッチングするためのスイッチング手段と、
    前記一次巻線に流れる電流を検出し、前記電流に応じた電圧を出力する電流検出手段と、
    前記電流検出手段が出力する電圧に応じて、前記スイッチング手段のスイッチング動作を制御する制御手段と、
    前記トランスの一次巻線と巻回方向が異なる前記補助巻線に誘起される電圧を検出する第一の電圧検出手段と、
    前記第一の電圧検出手段により検出された電圧が第一の所定値より高い場合には、前記電流検出手段により前記制御手段へ出力される電圧を補正する補正手段と、
    前記第一の電圧検出手段で検出される電圧を前記第一の所定値よりも低い電圧に切り替える電圧切り換え手段と、
    を備えたことを特徴とする電源装置。
  2. 前記補正手段は複数の抵抗を有し、前記補助巻線に誘起される電圧を前記複数の抵抗によって分圧した電圧で前記電流検出手段が出力した電圧を補正し、前記制御手段に出力することを特徴とする請求項1に記載の電源装置。
  3. 前記電圧切り換え手段によって前記低い電圧に切り替えられた場合に、前記補正手段は、前記電流検出手段が前記制御手段へ出力する電圧を補正しないことを特徴とする請求項1又は2に記載の電源装置。
  4. 前記第一の電圧検出手段は、第一のツェナーダイオードであり、
    前記第一の所定値は、前記第一のツェナーダイオードのツェナー電圧であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の電源装置。
  5. 前記電流検出手段が出力する電圧を検出する第二の電圧検出手段を有し、
    前記補正手段は、前記第二の電圧検出手段により検出された前記電流検出手段が出力する電圧が第二の所定値を超えたときには、前記電流検出手段が前記制御手段へ出力する電圧を補正しないことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の電源装置。
  6. 前記補正手段は、前記第一の電圧検出手段により検出された電圧が前記第一の所定値より高い場合で、前記電流検出手段が出力する電圧が前記第二の所定値を超えないときには、前記電流検出手段が前記制御手段へ出力する電圧を補正することを特徴とする請求項5に記載の電源装置。
  7. 前記第二の電圧検出手段は、トランジスタと前記トランジスタのベース端子にアノード側が接続された第二のツェナーダイオードと、を有し、
    前記第二の所定値は、前記第二のツェナーダイオードのツェナー電圧であることを特徴とする請求項5又は6に記載の電源装置。
  8. 前記第二の電圧検出手段は、トランジスタを有し、
    前記第二の所定値は、前記トランジスタのベース−エミッタ間電圧であることを特徴とする請求項5又は6に記載の電源装置。
  9. 前記第二の電圧検出手段は、コンパレータを有し、
    前記第二の所定値は、前記コンパレータの入力端子に接続された第三のツェナーダイオードのツェナー電圧であることを特徴とする請求項5又は6に記載の電源装置。
  10. 前記電流検出手段は、前記一次巻線に流れる電流を電圧に変換する電流検出抵抗であることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載の電源装置。
  11. 前記電圧切り換え手段は、外部からの信号に応じてオンされるトランジスタと、前記トランジスタのオンに応じて発光するフォトカプラと、を有することを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1項に記載の電源装置。
  12. 記録材に画像形成を行う画像形成手段を有する画像形成装置であって、
    前記画像形成装置に電力を供給する請求項1ないし11のいずれか1項に記載の電源装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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