JP5904681B2 - 放射線撮影システム及びその作動方法 - Google Patents

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Description

本発明は、放射線画像の露出制御機能を有する放射線撮影システムとその作動方法とに関する。
医療分野において、放射線、例えばX線を利用したX線撮影システムが知られている。X線撮影システムは、X線を発生するX線発生装置と、被写体(患者)を透過したX線により被写体のX線画像を撮影するX線撮影装置とで構成されている。
X線発生装置は、X線を被写体に向けて照射するX線源、X線源の駆動を制御する線源制御装置、およびX線源を動作させるための指示を線源制御装置に入力する照射スイッチを有している。X線源は、陰極から放出した熱電子を陽極(ターゲット)に衝突させて、熱電子が衝突する陽極上の焦点からX線を放射するX線管を有する。X線は焦点から放射線状に広がる線束となって、被写体に照射される。また、X線発生装置は、X線源の直線移動や回転を可能にする変位機構を有しており、X線源の照射位置や照射角度を任意に変更できるようになっている。
X線撮影装置は、被写体を透過したX線を受けてX線画像を検出するX線画像検出装置、およびX線画像検出装置の駆動制御、X線画像の保存や表示を行うコンソールを有している。X線画像検出装置としては、X線の入射量に応じた電荷を蓄積する画素が二次元に配列された撮像面を有し、X線画像を電気信号として検出するFPD(flat panel detector)と呼ばれる画像検出部を用いたものが普及している。画像検出部は、画素毎に信号電荷を蓄積し、蓄積した電荷を信号処理回路で電圧信号に変換することで、被写体のX線画像を検出し、これをデジタルな画像データとして出力する。
X線画像検出装置には、画像検出部を撮影台に組み込んだ据え置き型と、画像検出部を扁平な可搬型の筐体に内蔵した可搬型のものがある。据え置き型のX線画像検出装置は、立位姿勢の患者を撮影する立位用と、臥位姿勢の患者を撮影する臥位用がある。立位用は画像検出部が上下方向に移動自在に取り付けられ、臥位用は画像検出部が水平方向に移動自在に取り付けられる。患者の体格や撮影部位に応じて画像検出部の位置が調節される。
可搬型のX線画像検出装置は電子カセッテと呼ばれている。電子カセッテは、フイルムカセッテやIP(Imaging Plate)カセッテ用の既存の撮影台や専用の撮影台に着脱可能に取り付けて使用される。この他、例えば、X線撮影室まで来られない患者の病室に持ち込んで患者が寝ているベッド上で使用するなど、撮影台を使用せずに単体で使用することが可能である。病室での撮影では、X線発生装置を台車に設けて移動可能にした移動型のX線発生装置である回診車と、電子カセッテとを病室に運び込んで撮影が行われる。電子カセッテは、患者の身体とベッドの間に挿入され、回診車はベッドの傍に配置される。
据え置き型か可搬型かを問わず、X線撮影を行う際には、撮影に先立つ準備作業として、X線源、X線画像検出装置及び患者の撮影部位の三者間の相対的な位置関係を決めるポジショニングが行われる。例えば、まず、患者の撮影部位の中心と、画像検出部の撮像面の中心が一致するように、患者とX線画像検出装置の相対位置を合わせる。次に、画像検出部の撮像面の中心と、X線源から照射されるX線の線束の中心(以下、単に主線という)とが一致するように、X線源とX線画像検出装置との相対位置を合わせる。主線はX線源の照射範囲の中心に相当する。これにより、X線源と、画像検出部の撮像面と、患者の撮影部位の相対的な位置関係が適切にポジショニングされる。
また、X線撮影システムには、X線画像の露出制御を行うために、患者を透過したX線の線量を線量検出センサによって検出し、その積算値が予め設定した閾値に達したときにX線発生装置によるX線の照射を停止させる自動露出制御(AEC;Automatic Exposure Control、以下AECという)を行うものがある(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。特許文献1には、画像検出部を用いたX線画像検出装置を有するX線撮影システムが記載されており、このX線撮影システムでは、画像検出部の撮像面内の画素の一部を線量検出センサと利用してAECを行っている。AECを行う場合には、複数の線量検出センサのうちの少なくとも1つを選択することにより、AECにおいてX線の線量を測定する領域である採光野が設定される。AECは、患者を透過したX線の線量を測定する必要があるため、画像検出部の撮像面のうち、患者の撮影部位が対向する領域に採光野を設定する必要がある。
特許文献1のX線撮影システムは、X線源に設けられた光学カメラと、光学カメラで撮影した患者の光学画像から患者の撮影部位の輪郭を抽出する画像処理部と、抽出した撮影部位の輪郭内に、採光野を設定する採光野設定回路とを有している。特許文献1のX線撮影システムでは、X線源の主線、画像検出部の撮像面の中心及び患者の撮影部位の中心が一致するように適切なポジショニングを行った状態で、光学カメラで患者の光学画像を撮影することにより、撮影部位の輪郭内に収まるように採光野を設定している。撮影部位は、頭部、胸部、四肢のように様々であり、各撮影部位の輪郭が一様ではない。特許文献1のX線撮影システムのように、光学カメラで撮影部位の輪郭を抽出すれば、撮影部位の輪郭が変化した場合でも、採光野を撮影部位の輪郭内に収めることができる。
特許文献2には、X線フイルムを用いたX線撮影システムが記載されている。特許文献2にも、特許文献1と同様にX線源に設けられた光学カメラで患者を撮影し、その撮影した光学画像から画像処理によって撮影部位の輪郭を抽出し、抽出された輪郭に基づいてAEC用の採光野を撮影部位の輪郭内に設定することが記載されている。
特開2011−139761号公報 特開平06−217973号公報
しかしながら、特許文献1、2のX線撮影システムは、X線源、画像検出部及び患者の三者が適切にポジショニングされていることを前提とした技術であり、例えば、画像検出部の撮像面の中心と患者の撮影部位の中心が一致せず、画像検出部と患者の撮影部位が適切にポジショニングされていない場合には、適用することができないという問題がある。
というのも、画像検出部と患者の撮影部位が適切にポジショニングされている場合には、X線源、画像検出部及び患者の撮影部位の三者の中心が一致する。そして三者の中心が一致しているからこそ、X線源に設けた光学カメラによる光学画像の中心と、画像検出部の撮像面の中心が対応することになり、光学画像内の撮影部位の位置に応じて、画像検出部の撮像面内の採光野の位置を適切に設定することが可能となる。
これに対して、画像検出部の撮像面の中心と患者の撮影部位の中心が一致しない場合には、患者の撮影部位にX線が照射されるように、X線源の位置は、患者の撮影部位の位置に応じて移動されるため、X線源の主線と画像検出部の撮像面の中心は一致しなくなる。この場合には、X線源に設けた光学カメラで撮影した光学画像の中心は、患者の撮影部位の中心とは対応するが、画像検出部の撮像面の中心とは対応しない。そのため、光学画像内で患者の撮影部位の位置を特定しても、光学画像内の位置と画像検出部の撮像面の位置が対応しないため、撮像面内において適切に採光野を設定することができない。
こうした問題は、据え置き型のX線画像検出装置においても生じるが、可搬型の電子カセッテの場合には特に顕著となる。上述のとおり電子カセッテをベッド上で用いる場合には、患者とベッドの間に電子カセッテが挿入されるが、患者の容体によっては体勢をおおきく変更できない場合もある。この場合には患者と電子カセッテのポジショニングを適切に行うことができないため、患者の撮影部位の中心と画像検出部の撮像面の中心が一致しないことになる。
特許文献1、2には、患者の撮影部位と画像検出部が適切にポジショニングされていない場合の採光野の設定方法については明示も示唆もない。もちろん、特許文献1に記載されている、撮像面内の一部の領域に採光野を設定する技術を応用して、撮像面内の任意の位置に採光野をマニュアル操作によって設定できるようにすれば、患者の撮影部位の位置に合わせて、採光野の位置を適切に設定することができるが、マニュアル操作では操作が煩雑になるという問題がある。
本発明は、上記背景に鑑みてなされたもので、被写体の撮影部位と画像検出部の適切なポジショニングが困難な場合でも、簡単な操作で、撮影部位に対応する位置に採光野を設定することができる放射線撮影システム及び放射線撮影システムの作動方法を提供することを目的とする。
本発明の放射線撮影システムは、放射線発生装置と放射線画像検出装置とで構成され、変位機構及び変位量検出部を備えている。放射線発生装置は、被写体に向けて放射線を照射する放射線源を有する。放射線画像検出装置は、画像検出部、複数の線量検出センサ及び採光野設定部を有する。画像検出部は、放射線を受けて電荷を蓄積する画素が二次元に配列された撮像面が形成され、被写体の放射線画像を検出する。複数の線量検出センサは、撮像面に配置され、放射線画像の露出制御を行うために放射線の線量を検出する。採光野設定部は、複数の線量検出センサの少なくとも1つを選択することにより、撮像面において露出制御用の採光野を設定する。変位機構は、放射線源と画像検出部の相対位置を変位させる。変位量検出部は、相対位置の変位量を検出する。採光野位置決定部は、変位量に基づいて相対位置の現在位置である現在相対位置を特定し、現在相対位置に応じて、採光野設定部が設定する採光野の位置を決定する。
採光野の初期位置を記憶する初期位置記憶部と、採光野の初期位置と相対位置の基準となる基準相対位置とを対応付けて設定する基準相対位置設定部とを有し、採光野位置決定部は、特定した現在相対位置に応じて、採光野の初期位置からの移動先となる移動位置を決定することが好ましい。
採光野位置決定部は、例えば、画像検出部の撮像面内における、放射線源が照射する放射線の線束の中心である主線が入射する主線入射位置について、基準相対位置における主線入射位置から現在相対位置における主線入射位置までの移動量を算出し、移動量に基づいて採光野の移動位置を決定する。
基準相対位置設定部には、例えば、基準相対位置として、放射線源が照射する放射線の線束の中心である主線と画像検出部の撮像面とが直交し、かつ、撮像面において主線が入射する主線入射位置と撮像面の中心とが一致する位置が、予め設定されている。また、基準相対位置設定部には、任意の基準相対位置が設定可能であることが好ましい。
初期位置記憶部は、採光野の初期位置を、被写体の撮影部位毎に記憶することが好ましい。
採光野位置決定部は、撮像面の大きさに基づいて、初期位置から移動位置への採光野の移動が可能か否かを判定し、採光野位置決定部が移動不可能であると判定した場合にその旨を報知する報知部を備えていることが好ましい。この場合において、初期位置記憶部は、採光野の初期位置を、被写体の撮影部位毎に記憶し、採光野位置決定部は、撮影部位毎に採光野の移動の可否を判定することが好ましい。
採光野設定部は、マニュアルによる操作指示を受け付けて、変位量とは無関係に、採光野の位置を調節可能であることが好ましい。
例えば、変位機構は、放射線源を変位させる第1変位機構を含み、変位量検出部は、変位量として、第1変位機構による第1変位量を検出し、採光野位置決定部は、第1変位量に基づいて、採光野の移動位置を決定する。第1変位量には、放射線源の直線移動量及び回転角度の少なくとも1つが含まれる。
また、変位機構は、放射線源を変位させる第1変位機構と、画像検出部を変位させる第2変位機構とを含み、変位量検出部は、第1変位機構の第1変位量と、第2変位機構の第2変位量を検出し、採光野位置決定部は、第1変位量及び第2変位量に基づいて、採光野の移動位置を決定してもよい。
第2変位量に基づいて、画像検出部が変位限界に達したか否かを判定する変位限界判定部を有しており、採光野位置決定部は、画像検出部が変位限界に達していない間は、相対位置の変位に連動した採光野の移動位置の決定を行わず、画像検出部が変位限界に達した場合に、相対位置の変位に連動した採光野の移動位置の決定を行うようにしてもよい。
相対位置の変位と採光野の移動とを連動させるか否かを切り替え可能であることが好ましい。
線量検出センサは、例えば、撮像面内の画素の一部を利用した形態である。
例えば、放射線画像検出装置を制御するコンソールを備えており、採光野位置決定部は、コンソールに設けられており、採光野設定部は、放射線画像検出装置に設けられている。
放射線画像検出装置は、画像検出部を可搬型の筐体に収容した電子カセッテであることが好ましい。
本発明の放射線撮影システムの作動方法は、放射線発生装置と放射線画像検出装置とで構成される放射線撮影システムの作動方法である。放射線発生装置は、被写体に向けて放射線を照射する放射線源を有する。放射線画像検出装置は、画像検出部、複数の線量検出センサ及び採光野設定部を有する。画像検出部は、放射線を受けて電荷を蓄積する画素が複数設けられた撮像面が形成され、被写体の放射線画像を検出する。複数の線量検出センサは、撮像面に配置され、放射線画像の露出制御を行うために放射線の線量を検出する。採光野設定部は、複数の線量検出センサのうち少なくとも1つを選択することにより、撮像面において露出制御用の採光野を設定する。放射線撮影システムの作動方法は、変位量検出ステップと、採光野位置決定ステップを含む。変位量検出ステップは、放射線源と画像検出部の相対位置の変位量を検出する。採光野位置決定ステップは、変位量に基づいて相対位置の現在位置である現在相対位置を特定し、現在相対位置に応じて、採光野設定部が設定する採光野の位置を決定する。
本発明によれば、放射線源と画像検出部の相対位置の変位量を検出して、現在相対位置を特定し、特定した現在相対位置に応じて、採光野の位置を決定するため、被写体の撮影部位と画像検出部の適切なポジショニングが困難な場合でも、簡単な操作で、撮影部位に対応する位置に採光野を設定することができる放射線撮影システム及び放射線撮影システムの作動方法を提供することができる。
X線撮影システムの構成を示す概略図である。 X線源の変位方向を示す説明図である。 変位量検出部の説明図である。 線源制御装置の内部構成と線源制御装置と他の装置との接続関係を示す図である。 電子カセッテの内部構成を示すブロック図である。 画像検出部の検出画素の配置の説明図である。 AEC部を示すブロック図である。 コンソールの内部構成を示すブロック図である。 コンソールに設定された撮影条件を示す図である。 胸部撮影時の採光野の位置を示す説明図である。 腹部撮影時の採光野の位置を示す説明図である。 採光野位置決定部の説明図である。 電子カセッテと撮影部位が適切にポジショニングされていない状態の説明図である。 採光野の位置が初期位置から移動された状態の説明図である。 X線源を直線移動させた場合の主線入射位置の変化を説明する説明図である。 X線源を回転させた場合の主線入射位置の変化を説明する説明図である。 X線撮影の手順を示すフローチャートである。 マニュアル操作により採光野の位置を調節する場合の説明図である。 採光野の移動位置が撮像面から外れてしまう場合の説明図である。 図15の場合の処理手順を示すフローチャートである。 X線源と画像検出部の両方が変位するX線撮影システムの説明図である。 画像検出部が変位限界に達した場合の処理手順を示すフローチャートである。 光学カメラを用いて現在相対位置を特定する例の説明図である。 検出画素の別の態様を示す説明図である。 検出画素の更に別の態様を示す説明図である。
「第1実施形態」
図1に示すように、本発明のX線撮影システム10は、X線を発生するX線発生装置11と、被写体である患者Mを透過したX線からX線画像を撮影するX線撮影装置12とで構成されている。X線撮影装置12は、X線画像検出装置12は、X線画像を検出する可搬型のX線画像検出装置である電子カセッテ20と、電子カセッテ20を制御するコンソール21とで構成されている。
電子カセッテ20は、FPDで構成された画像検出部35と画像検出部35を収容する可搬型の扁平な筐体とからなる。筐体の平面形状は略矩形状である。X線撮影室まで来ることができない患者のX線撮影を行なう際には、図1に示すように、病室においてベッド33の上に寝ている患者Mの身体の下に電子カセッテ20が挿入されて撮影が行われる。
なお、電子カセッテ20の平面サイズは、例えば、フイルムカセッテやIPカセッテ(CRカセッテとも呼ばれる)と同様の大きさ(国際規格ISO4090:2001に準拠した大きさ)と同様である。このようなサイズの電子カセッテ20は、フイルムカセッテやIPカセッテ用の既存の撮影台にも取り付けて撮影を行うことも可能である。
線源制御装置14、電子カセッテ20及びコンソール21は、相互に通信が可能なように有線また無線方式の通信装置によって接続されている。
X線発生装置11は、病室等のX線撮影室以外で主に使用される移動型のX線発生装置であり、回診車とも呼ばれる。X線発生装置11は、タイヤ15aが取り付けられて移動自在に構成された台車部15と、台車部15に設けられた支柱部15bの先端に支持されてX線の照射を行なうX線源16と、台車部15内に組み込まれてX線源16を制御する線源制御装置14と、X線源16によるX線の照射開始を指示する照射スイッチ18とで構成されている。
X線源16は、X線を放射するX線管16aと、X線管が放射するX線の照射野を限定する照射野限定器(コリメータ)16cとを有する。X線管16aは、熱電子を放出するフィラメントからなる陰極と、陰極から放出された熱電子が衝突してX線を放射する陽極(ターゲット)とを有している。X線は、熱電子が衝突する陽極上の焦点16cから放射線状に広がる線束となって、患者Mに照射される。符号17は、X線の線束の中心である主線である。照射野限定器16bは、例えば、X線を遮蔽する4枚の鉛板を四角形の各辺上に配置することにより、X線を透過させる四角形の照射開口を中央に形成したものであり、鉛板の位置を移動することで照射開口の大きさを変化させて照射野を限定する。
支柱部15bには、支柱部15bに対してX線源16を変位させる変位機構18が設けられている。変位機構18は、X線源16を水平方向(X方向及びY方向)に移動する移動機構や、支柱部15bの伸縮によりX線源16の高さ(Z方向の位置)を変化させる機構や、X線源16を支柱部15bに対して回転させることにより照射角度を変化させる首振り機構などからなる。
具体的には、図2Aにおいて2点鎖線で示すように、X線源16は、変位機構18によって、鉛直方向であるZ方向、Z方向に直交するX方向と、Z方向及びX方向に直交するY方向とに移動自在とされている。そして、X線源16は、変位機構18により、Y軸周りに回転自在とされており、支柱部15bに対する首振りが可能になっている。これにより、X線の照射角度を変えて、患者Mに斜め方向からX線を照射できるようになっている。X線源16は、例えば病室においてベッド33の傍に台車部15が設置され、X線源16の位置が調節されることにより、ベッド33の上に寝ている患者Mの上方に配置される。変位機構18には、X線源16のX方向、Y方向、Z方向の直線移動量と、Y軸周りの回転角度とを、X線源16の変位量として検出する変位量検出部19が設けられている。
図2Bに示すように、変位量検出部19は、X方向、Y方向、Z方向のそれぞれの直線移動量を検出するリニアポテンショメータ19a〜19cと、Y軸周りの回転角度を検出するロータリポテンショメータ19dとで構成されている。ポテンショメータは、周知のように可変抵抗器と可変抵抗器の抵抗値に応じた電圧を出力する電圧出力回路とで構成される。各ポテンショメータ19a〜19dは、X線源16が変位すると、変位に応じた出力値を、X線源16の変位量としてコンソール21に出力する。
各ポテンショメータ19a〜19dの出力値は、移動量や回転量に加えて、移動方向や回転方向を含んだ情報である。例えば、X方向リニアポテンショメータ19aの出力値は、基準置に対して、移動方向が右方向の場合に増加し、左方向の場合には減少するようになっている。出力値が基準値に対して増加しているか減少しているかによって移動方向や回転方向の判定が可能である。コンソール21は、変位量検出部19が出力する変位量に基づいて、X線源16と電子カセッテ20の現在の相対位置である現在相対位置を特定する。
ここで、X線源16と電子カセッテ20の相対位置とは、X線源16の照射位置及び照射角度と、電子カセッテ20の筐体におけるX線の入射面との相対的な位置関係をいう。また、電子カセッテ20のX線の入射面と画像検出部35の撮像面36は平行であるので、X線源16と電子カセッテ20の相対位置は、X線源16と画像検出部35の相対位置と同じ意味である。
図3に示すように、線源制御装置14は、トランスによって入力電圧を昇圧して高圧の管電圧を発生し、高電圧ケーブルを通じてX線源16に供給する高電圧発生器24と、X線源16が照射するX線のエネルギースペクトルを決める管電圧、単位時間当たりの照射量を決める管電流、およびX線の照射時間を制御する制御部25と、コンソール21との主要な情報、信号の送受信を媒介する通信I/F26とを備える。
制御部25には、照射スイッチ18とメモリ28とタッチパネル29とが接続されている。照射スイッチ18は、撮影開始時に放射線技師等のオペレータによって操作されるスイッチであり、例えば二段階の押圧操作が可能な押しボタンスイッチである。照射スイッチ18は、一段階目の押圧操作でX線源16のウォームアップを開始させるためのウォームアップ開始信号を発生し、二段階目の押圧操作でX線源16にX線の照射を開始させるための照射開始信号を発生する。これらの信号は信号ケーブルを通じて線源制御装置14に入力される。制御部25は、照射スイッチ18から照射開始信号を受けたときに高電圧発生器24からX線源16への電力供給を開始させる。
メモリ28は、管電圧、管電流、照射時間あるいは管電流照射時間積(mAs値)といった撮影条件を予め数種類格納している。撮影条件は、タッチパネル29を通じてオペレータにより手動で設定される。線源制御装置14は、設定された撮影条件の管電圧や管電流、照射時間あるいは管電流照射時間積でX線の照射制御を開始する。電子カセッテ16には、AEC機能が設けられており、X線源16から照射されるX線の単位時間当たりの線量を検出して、X線の累積線量が必要十分な目標線量に到達したと判定すると、線源制御装置14に予め設定された照射時間あるいは管電流照射時間積以下であってもX線の照射を停止するように機能する。
なお、目標線量に達してAEC機能による照射停止の判定がされる前にX線の照射が終了して線量不足に陥ることを防ぐために、線源制御装置14に設定される照射時間または管電流照射時間積には余裕を持った値が設定される。線源制御装置14において安全規制上撮影部位に応じて設定されている照射時間の最大値を設定してもよい。なお、撮影条件は、通信I/F26を介してコンソール21から送信されてきたものを設定するようにしてもよい。
照射信号I/F31は、電子カセッテ20のAEC機能を用いる場合に電子カセッテ20と接続される。この場合、制御部25は、照射スイッチ18からウォームアップ開始信号を受けたときに、照射信号I/F31を介して、X線の照射を開始してよいかを問い合わせる照射開始要求信号を電子カセッテ20に送信する。電子カセッテ20は照射開始要求信号を受信すると準備処理を行う。電子カセッテ20は、準備処理が完了して撮影可能な状態になった場合に照射許可信号を線源制御装置14に送信する。制御部25は、電子カセッテ20から照射許可信号を照射信号I/F31で受け、さらに照射スイッチ18から照射開始信号を受けたときに、高電圧発生器24からX線源16に対して、電力供給を開始させる。また、制御部25は、電子カセッテ20から発せられる照射停止信号を照射信号I/F31で受けたときに、高電圧発生器24からX線源16への電力供給を停止させ、X線の照射を停止させる。さらに、制御部25は、照射停止信号の受信を契機にX線の照射を停止させる機能だけでなく、設定された照射時間となったらX線の照射を停止させるためのタイマーを内蔵している。
図4において、電子カセッテ20には、アンテナ37及びバッテリ38が内蔵されており、コンソール21との無線通信が可能である。アンテナ37は、無線通信のための電波をコンソール21との間で送受信する。バッテリ38は、電子カセッテ20の各部を動作させるための電力を供給する。バッテリ38は、薄型の電子カセッテ20内に収まるよう比較的小型のものが使用される。また、バッテリ38は、電子カセッテ20から外部に取り出して専用のクレードルにセットして充電することも可能である。バッテリ38を無線給電可能な構成としてもよい。
電子カセッテ20には、アンテナ37に加えてソケット39が設けられている。ソケット39はコンソール21と有線接続するために設けられており、バッテリ38の残量不足等で電子カセッテ20とコンソール21との無線通信ができなくなった場合に使用される。ソケット39にコンソール21からのケーブルを接続すると、コンソール21との有線通信が可能になる。その際に、ソケット39に接続されたケーブルを介して、コンソール21から電子カセッテ20に給電してもよい。
アンテナ37およびソケット39は、通信部40に設けられている。通信部40は、アンテナ37またはソケット39と制御部41、メモリ42間の画像データを含む各種情報、信号の送受信を媒介する。
画像検出部35は、検出パネル35aと検出パネル35aの駆動を制御する回路部とで構成される。検出パネル35aは、TFT(Thin Film Transistor)アクティブマトリクス基板を有し、この基板上にX線の入射量に応じた信号電荷を蓄積する複数の画素45を配列してなる撮像面36を備えている。複数の画素45は、所定のピッチで二次元にn行(X方向)×m列(Y方向)のマトリクス状に配列されている。
検出パネル35aはさらに、X線を可視光に変換するシンチレータ(図示せず)を有し、シンチレータによって変換された可視光を画素45で光電変換する間接変換型である。シンチレータは、CsI:Tl(タリウム賦活ヨウ化セシウム)やGOS(GdS:Tb、テルビウム賦活ガドリウムオキシサルファイド)等からなり、画素45が配列された撮像面36の全面と対向するように配置されている。なお、シンチレータとTFTアクティブマトリクス基板との配置は、X線の入射する側からみてシンチレータ、基板の順に配置されるPSS(Penetration Side Sampling)方式を用いてもよいし、逆に基板、シンチレータの順に配置されるISS(Irradiation Side sampling)方式を用いてもよい。また、シンチレータを用いず、X線を直接電荷に変換する変換層(アモルファスセレン等)を用いた直接変換型の検出パネル35aを用いてもよい。
画素45は、可視光の入射によって電荷(電子−正孔対)を発生する光電変換素子であるフォトダイオード46、およびスイッチング素子としてTFT47を備える。
フォトダイオード46は、電荷を発生する半導体層(例えばPIN(p-intrinsic-n)型)と、その上下に上部電極および下部電極を配した構造を有している。フォトダイオード46は、下部電極にTFT47が接続され、上部電極にはバイアス線48が接続されており、バイアス線48は撮像面36内の画素45の行数分(n行分)設けられて母線49に結束されている。母線49はバイアス電源50に繋がれている。母線49とその子線のバイアス線48を通じて、バイアス電源50からフォトダイオード46の上部電極にバイアス電圧Vbが印加される。バイアス電圧Vbの印加により半導体層内に電界が生じ、光電変換により半導体層内で発生した電荷(電子−正孔対)は、一方がプラス、他方がマイナスの極性を持つ上部電極と下部電極に移動し、フォトダイオード46に電荷が蓄積される。
TFT47は、ゲート電極が走査線51に、ソース電極が信号線52に、ドレイン電極がフォトダイオード46にそれぞれ接続される。走査線51と信号線52は格子状に配線されており、走査線51は撮像面36内の画素45の行数分(n行分)、信号線52は画素45の列数分(m列分)それぞれ設けられている。走査線51はゲートドライバ53に接続され、信号線52は信号処理回路54に接続される。
画像検出部35は、制御部41、ゲートドライバ53、信号処理回路54などの回路部を有する。制御部41は、ゲートドライバ53を通じて、TFT47を駆動することにより、X線の入射量に応じた信号電荷を画素45に蓄積する蓄積動作と、画素45から信号電荷を読み出す読み出し(本読み)動作と、リセット(空読み)動作とを検出パネル35aに行わせる。
蓄積動作ではTFT47がオフ状態にされ、その間に画素45に信号電荷が蓄積される。読み出し動作では、ゲートドライバ53から同じ行のTFT47を一斉に駆動するゲートパルスG1〜Gnを順次発生して、走査線51を一行ずつ順に活性化し、走査線51に接続されたTFT47を一行分ずつオン状態とする。オン状態となる時間は、ゲートパルスのパルス幅で規定されており、TFT47はパルス幅で規定された時間が経過するとオフ状態に復帰する。画素45のフォトダイオード46に蓄積された電荷は、TFT47がオン状態になると信号線52に読み出されて、信号処理回路54に入力される。
信号処理回路54は、積分アンプ60、マルチプレクサ(MUX)61、およびA/D変換器(A/D)62等を備える。積分アンプ60は、各信号線52に対して個別に接続される。積分アンプ60は、オペアンプ60aとオペアンプ60aの入出力端子間に接続されたキャパシタ60bとからなり、信号線52はオペアンプ60aの一方の入力端子に接続される。オペアンプ60aのもう一方の入力端子はグランド(GND)に接続される。キャパシタ60bにはリセットスイッチ60cが並列に接続されている。積分アンプ60は、信号線52から入力される電荷を積算し、電圧信号D1〜Dmに変換して出力する。各列のオペアンプ60aの出力端子には、増幅器63、サンプルホールド(S/H)部64を介してMUX61が接続される。MUX61の出力側には、A/D変換器62が接続される。
MUX61は、パラレルに接続される複数の積分アンプ60から順に一つの積分アンプ60を選択し、選択した積分アンプ60から出力される電圧信号D1〜DmをシリアルにA/D変換器62に入力する。A/D変換器62は、入力された電圧信号D1〜Dmをデジタルデータに変換して、電子カセッテ20に内蔵されるメモリ42に出力する。なお、MUX61とA/D変換器62の間に増幅器を接続してもよい。
MUX61によって積分アンプ60から一行分の電圧信号D1〜Dmが読み出されると、制御部41は、積分アンプ60に対してリセットパルスRSTを出力し、リセットスイッチ60cをオンする。これにより、キャパシタ60bに蓄積された一行分の信号電荷が放電されてリセットされる。積分アンプ60がリセットされると、ゲートドライバ53から次の行のゲートパルスが出力され、次の行の画素45の信号電荷の読み出しを開始させる。これらの動作を順次繰り返して全行の画素45の信号電荷を読み出す。
全行の読み出しが完了すると、一画面分のX線画像を表す画像データがメモリ42に記録される。この画像データはメモリ42から読み出され、通信部40を通じてコンソール21に出力される。こうして患者のX線画像が検出される。
フォトダイオード46の半導体層には、X線の入射の有無に関わらず暗電荷が発生する。この暗電荷はバイアス電圧Vbが印加されているために画素45のフォトダイオード46に蓄積される。画素45において発生する暗電荷は、画像データに対してはノイズ成分となるので、これを除去するためにリセット動作が行われる。リセット動作は、画素45において発生する暗電荷を、信号線52を通じて掃き出す動作である。
リセット動作は、例えば、一行ずつ画素45をリセットする順次リセット方式で行われる。順次リセット方式では、信号電荷の読み出し動作と同様、ゲートドライバ53から走査線51に対してゲートパルスG1〜Gnを順次発生して、画素45のTFT47を一行ずつオン状態にする。TFT47がオン状態になっている間、画素45から暗電荷が信号線52を通じて積分アンプ60のキャパシタ60bに流れる。リセット動作では、読み出し動作と異なり、MUX61によるキャパシタ60bに蓄積された電荷の読み出しは行われず、各ゲートパルスG1〜Gnの発生と同期して、制御部41からリセットパルスRSTが出力されてリセットスイッチ60cがオンされ、キャパシタ60bに蓄積された電荷が放電されて積分アンプ60がリセットされる。
順次リセット方式に代えて、配列画素の複数行を一グループとしてグループ内で順次リセットを行い、グループ数分の行の暗電荷を同時に掃き出す並列リセット方式や、全行にゲートパルスを入れて全画素の暗電荷を同時に掃き出す全画素リセット方式を用いてもよい。並列リセット方式や全画素リセット方式によりリセット動作を高速化することができる。
制御部41は、線源制御装置14の制御部25からの照射開始要求信号を受信したタイミングで、検出パネル35aにリセット動作を行わせて線源制御装置14に照射許可信号を返信する。そして、照射開始信号を受信したタイミングで検出パネル35aの動作をリセット動作から蓄積動作へ移行させる。
画像検出部35は、上述のようにTFT47を介して信号線52に接続された通常の画素45の他に、TFT47を介さず信号線52に短絡して接続された検出画素65を同じ撮像面36内に複数備えている。検出画素65は、患者Mを透過して撮像面36に入射するX線の線量を検出するために利用される画素であり、線量検出センサとして機能する。検出画素65は撮像面36内の画素45の数%程度を占める。本実施形態の検出画素65は、フォトダイオード46などの基本的な構成は画素45と全く同じである。したがって両者はほぼ同様の製造プロセスで形成することができる。
図5に示すように、検出画素65は、撮像面36内で局所的に偏ることなく撮像面36内に満遍なく散らばるよう、撮像面36の中心に関して左右対称な点線で示す波形の軌跡66に沿って設けられている。検出画素65は、同じ信号線52が接続された画素45の列に一個ずつ設けられ、検出画素65が設けられた列は、検出画素65が設けられない列を例えば二〜三列挟んで設けられる。検出画素65の位置は画像検出部35の製造時に既知であり、画像検出部35は全検出画素65の位置(座標)を不揮発性のメモリ(図示せず)に予め記憶している。なお、ここで示した検出画素65の配置は一例であり、撮像面36内に検出画素65が分散配置可能であれば、別の配置規則にしたがって配置してもよい。
図4において、検出画素65は、信号線52との間にTFT47が設けられておらず、信号線52に直に接続されているので、検出画素65のフォトダイオード46で発生する信号電荷は、TFT47のオンオフに関わらず直ちに信号線52に流れ出す。同じ行にある通常の画素45がTFT47をオフ状態とされ、信号電荷を蓄積する蓄積動作中であっても同様である。このため検出画素65が接続された信号線52上の積分アンプ60のキャパシタ60bには、検出画素65のフォトダイオード46で発生した電荷が常に流入する。画像検出部35が蓄積動作中に、キャパシタ60bに蓄積された検出画素65からの電荷は、所定のサンプリング周期でMUX61を介して電圧値としてA/D変換器62に出力される。
A/D変換器62は、電圧値を、各検出画素65の線量検出信号としてメモリ42に出力する。線量検出信号は、単位時間当たりに照射されるX線の線量を表す。所定のサンプリング周期で出力される線量検出信号は、順次メモリ42に出力される。A/D変換器62が出力する各検出画素65の線量検出信号は、座標情報と対応付けてメモリ42に記録される。AEC部(自動露出制御部)67は、制御部41により駆動制御される。AEC部67は、メモリ65から各検出画素65の線量検出信号を読み出して、読み出した線量検出信号に基づいてAECを行う。
図6において、AEC部67は、採光野設定回路75、積分回路76、比較回路77、および閾値発生回路78を有する。採光野設定回路75は、コンソール21からの採光野の位置情報に基づき、撮像面36内に散らばった複数の検出画素65のうち、どの検出画素65をAECに用いるかを選択する。これにより、撮像面36内におけるAEC用の線量検出領域である採光野が設定される。AEC部67は、設定された採光野内の検出画素65の線量検出信号に基づいてAECを行う。
採光野設定回路75は、コンソール21から提供される採光野の初期位置に関する情報に基づいて、撮像面36において採光野の初期位置を選択する初期位置選択部75aと、コンソール21から提供される移動位置に関する情報に基づいて、初期位置選択部75aで選択された採光野の位置を移動する採光野移動部75bとを備えている。採光野の初期位置は、撮影部位毎に設定されており、コンソール21において設定された撮影部位に応じた初期位置が提供される。また、採光野の初期位置は、後述するように、電子カセッテ20に対して患者Mの撮影部位が適切にポジショニングされている場合を前提として設定されている。採光野移動部75bは、コンソール21から提供される移動位置に採光野の位置を移動する。
積分回路76は、採光野内の検出画素65の線量検出信号の平均値を求めてこれを積算する。平均値の算出及び平均値の積算は、線量検出信号がサンプリングされる毎に行われる。比較回路77は、積分回路76からの線量検出信号の積算値と閾値発生回路78から与えられる照射停止閾値とを比較する。積算値が閾値に達したとき、比較回路77は照射停止信号を出力する。
通信部40には、上述のアンテナ37とソケット39の他に照射信号I/F80が設けられている。照射信号I/F80には、線源制御装置14の照射信号I/F31が接続される。照射信号I/F80は、照射開始要求信号の受信、照射開始要求信号に対する照射許可信号の送信、照射開始信号の受信、比較回路77が出力する照射停止信号の送信を行う。
図7に示すように、コンソール21は、コンソール本体21a、ディスプレイ21b及びキーボード21cから構成されている。コンソール21は、有線方式や無線方式により電子カセッテ20と通信可能に接続されており、電子カセッテ20の動作を制御する。具体的には、電子カセッテ20に対して、採光野の初期位置や移動位置に関する情報を送信する。また、後述するように撮影条件には、管電圧や管電流などの照射条件が含まれており、照射条件に応じて、電子カセッテ20に対して、AECや画像検出部35の信号処理の条件(蓄積される信号電荷に応じた電圧を増幅するアンプのゲイン等)を設定させる。また、コンソール21は、電子カセッテ20の電源のオンオフ、省電力モードや撮影準備状態へのモード切り替え等の制御を行う。
コンソール21は、電子カセッテ20から送信されるX線画像データに対してオフセット補正やゲイン補正、欠陥補正等の各種画像処理を施す。欠陥補正では、検出画素65がある列の画素値を隣り合う検出画素65がない列の画素値で補間する。画像処理済みのX線画像はディスプレイ21bに表示される他、そのデータがコンソール本体21a内のストレージデバイス87やメモリ86、あるいはコンソール21とネットワーク接続された画像蓄積サーバといったデータストレージに記憶される。なお、上記の各種画像処理を電子カセッテ20で行ってもよい。
コンソール21は、患者の性別、年齢、撮影部位、撮影目的といった情報が含まれる検査オーダの入力を受け付けて、検査オーダをディスプレイ21bに表示する。検査オーダは、HIS(病院情報システム)やRIS(放射線情報システム)といった患者情報や放射線検査に係る検査情報を管理する外部システムから入力されるか、オペレータにより手動入力される。検査オーダには、頭部、胸部、腹部等の撮影部位、正面、側面、斜位、PA(X線を被検体の背面から照射)、AP(X線を被検体の正面から照射)といった撮影方向が含まれる。オペレータは、検査オーダの内容をディスプレイ21bで確認し、その内容に応じた撮影条件をキーボード21cにより入力する。
図8に示すように、コンソール21では撮影部位毎に撮影条件を設定可能である。撮影条件には、管電圧、管電流、検出画素65の採光野、検出画素65の線量検出信号の積算値と比較してX線の照射停止を判断するための照射停止閾値等が記憶されている。撮影条件の情報はストレージデバイス87に格納されている。線源制御装置14の撮影条件は、オペレータがコンソール21の撮影条件を参照して同様の撮影条件を手動設定する。
採光野は、撮像面36内の採光野の初期位置を指定する情報であり、例えば撮像面36内の領域をXY座標で指定する座標情報として記録されている。XY座標は、電子カセッテ20の画素45(検出画素65も含む)の撮像面36内における位置と対応しており、走査線51に平行な方向をX軸、信号線52に平行な方向をY軸とし、左上の画素45の座標を原点(0、0)として表現される。
図9A、図9Bは、それぞれ胸部撮影及び腹部撮影をする場合において、電子カセッテ20に対して患者Mの撮影部位が適切にポジショニングされている状態を示している。採光野は、撮影部位毎に診断時に最も注目すべき関心領域に設定される。例えば撮影部位が胸部の場合には、図9Aに2点鎖線で示すように、患者Mの肺野Ma、Mbに相当する領域が採光野80a、80bとして設定される。また、撮影部位が腹部の場合には、図9Bに2点鎖線で示すように、例えば、縦隔Mcに相当する領域が設定される。
採光野の初期位置は、図9A、図9Bに示すように、電子カセッテ20に対して患者Mの撮影部位が適切にポジショニングされている状態を前提として設定されている。採光野の初期位置を含む撮影条件を記憶するストレージデバイス87は、初期位置記憶部に相当する。
図7において、コンソール本体21aは、CPU85、メモリ86、ストレージデバイス87、通信I/F88及び入出力I/F89を備えている。これらはデータバス90を介して相互接続されている。ディスプレイ21b及びキーボード21cは、入出力I/F89を介してコンソール本体21aに接続されている。なお、キーボード21cとともにマウスやタッチパネル等を用いてもよい。
ストレージデバイス87は、例えばHDD(Hard Disk Drive)である。ストレージデバイス87には、制御プログラムやアプリケーションプログラム(以下、APという)92が記憶される。AP92は、検査オーダやX線画像の表示処理、X線画像に対する画像処理、撮影条件の設定等、X線撮影に関する様々な機能をコンソール21に実行させるためのプログラムである。
メモリ86は、CPU85が処理を実行するためのワークメモリである。CPU85は、ストレージデバイス87に記憶された制御プログラムをメモリ86へロードして、プログラムに従った処理を実行することにより、コンピュータの各部を統括的に制御する。通信I/F88は、RIS、HIS、画像蓄積サーバ、電子カセッテ20等の外部装置との無線または有線による伝送制御を行うネットワークインターフェースである。
図10において、コンソール21のCPU85は、AP92を起動すると、格納・検索処理部95、主制御部96、採光野位置決定部97及びおよびカセッテ制御部98として機能する。格納・検索処理部95は、各種データのストレージデバイス87への格納処理、およびストレージデバイス87に記憶された各種データの検索処理を実行する。主制御部96は、コンソール21の各部の動作を統括的に制御する。
採光野位置決定部97は、変位量検出部19から取得する変位量に基づいてX線源16と電子カセッテ20との現在相対位置を特定し、特定した現在相対位置に応じて、採光野の位置を決定する。採光野位置決定部97には、基準相対位置設定部97aが設けられている。基準相対位置設定部97aは、X線源16と電子カセッテ20の基準となる相対位置を、採光野の初期位置と対応付けて設定する。基準相対位置は、例えば、X線源16の主線17と電子カセッテ20の撮像面36とが直交し、主線17が入射する主線入射位置F(図11、12参照)と、撮像面36の中心Cとが一致する位置に設定される。
採光野を初期位置から移動する理由は、電子カセッテ20に対して患者Mの撮影部位が適切にポジショニングされていない状態において、採光野の初期位置と撮影部位内の関心領域の間に生じる位置ずれを解消するためである。そして、電子カセッテ20に対して患者Mの撮影部位が適切にポジショニングされていない場合には、X線源16の照射範囲の中心(主線入射位置Fに対応する)を撮影部位の中心に合わせるために、X線源16を変位させて、X線源16と電子カセッテ20の相対位置が変更される。
このように、電子カセッテ20に対して患者Mの撮影部位が適切にポジショニングされていない場合に、X線源16と電子カセッテ20の相対位置の変更が行われることを考慮して、採光野位置決定部97は、変位量検出部19からの変位量に基づいて、採光野の位置を決定する。
具体的には、図9に示すように、電子カセッテ20の撮像面36の中心Cと患者Mの撮影部位の中心とが一致するように適切にポジショニングされている場合には、採光野80a、80bの初期位置と、撮影部位の関心領域(撮影部位が胸部の場合には肺野Ma、Mb)は対面する。この状態では、X線源16と電子カセッテ20の相対位置を基準相対位置に合わせれば、X線源16の照射範囲の中心(主線17)を、患者Mの撮影部位の中心に合わせることができる。採光野の初期位置は基準相対位置と対応付けられているので、基準相対位置の状態で撮影が行われる場合には、採光野は移動されず、初期位置のままである。
これに対して、図11Aに示すように、電子カセッテ20の撮像面36の中心位置Cと患者Mの撮影部位の中心が一致せず、電子カセッテ20と患者Mの撮影部位の相対位置が適切にポジショニングされていない場合には、採光野80a、80bの初期位置と、患者Mの関心領域である肺野Ma、Mbの位置が対応しない。この状態では、X線源16と電子カセッテ20の相対位置が、撮像面36の中心Cと主線入射位置Fとが一致する基準相対位置のままだと、X線源16の照射範囲の中心(主線17)と、患者Mの撮影部位の中心がずれてしまう。
この場合には、患者Mの体勢を変更するなどして、電子カセッテ20と患者Mの撮影部位の相対位置を適切にポジショニングすることが一般的であるが、患者Mの容体によっては体勢を変更できず、適切にポジショニングできない場合もある。この状態で撮影を行う場合には、X線源16の照射範囲の中心(主線17)が患者Mの撮影部位の中心に合うように、X線源16を変位させることになる。X線源16を変位させると、図11Bに示すように、主線入射位置Fは、撮像面36の中心Cから外れる。しかし、X線源16を変位させても、図11Aに示すように、撮像面36内の採光野80a、80bの初期位置と、撮影部位内の関心領域Ma、Mbは対応しないため、図11Bに示すように、関心領域Ma、Mbの位置と対応するように、撮像面36内において採光野80a、80bを移動させることが必要になる。
図11Bに示すように、主線入射位置Fが患者Mの撮影部位の中心に位置するように、X線源16が変位されるため、主線入射位置Fの移動量を、採光野80a、80bの移動量として利用することができる。採光野位置決定部97は、変位量検出部19から取得した変位量に基づいて、X線源16と電子カセッテ20との現在相対位置を特定し、図11Aに示す基準相対位置における主線入射位置Fから、図11Bに示す現在相対位置における主線入射位置Fまでの移動量に基づいて、採光野80a、80bの初期位置からの移動先となる移動位置を決定する。
図12Aに示すように、主線入射位置Fは、X線源16が撮像面36と平行な水平方向の直線移動により変化する場合と、図12Bに示すように、X線源16の回転移動(首振り)により変化する場合がある。X線源16の高さ(Z方向の位置)は、X線源16と撮像面36の間の距離であり、一般にSID(Source Image receptor Distance)と呼ばれる。図12Bに示すように、X線源16が首振りする場合には、照射角度αが同じでも、SIDが変化すれば、主線入射位置Fも変化する。採光野位置決定部97は、変位量検出部19の各ポテンショメータ19a〜19dが出力する変位量を表す出力値に基づいて、X線源16の照射角度α、撮像面36と平行な面内の位置(X方向、Y方向の位置)及び高さ(Z方向の位置)で規定される現在相対位置を特定し、特定した現在相対位置における主線入射位置Fを判定する。
このように採光野位置決定部97は、各ポテンショメータ19a〜19dの出力値に基づいて照射角度αやSIDを考慮して、主線入射位置Fを判定し、主線入射位置Fの移動量に基づいて、採光野の移動位置を決定するため、X線源16が首振りする場合でも、適切な移動位置を決定することができる。
基準相対位置設定部97aは、キーボード21cからの操作指示に基づいて基準相対位置を設定する。例えば、X線源16と電子カセッテ20の相対位置を基準相対位置に合わせた状態で、キーボード21cから設定指示を入力すると、その時点における各ポテンショメータ19a〜19dからの出力値が基準相対位置設定部97aに入力される。基準相対位置設定部97aは、入力された各ポテンショメータ19a〜19dの出力値を、基準値として記憶する。電子カセッテ20は、X線発生装置11と独立しているため、電子カセッテ20を設置するベッド33の高さによってSIDは変化する。ベッド33に電子カセッテ20を設置した後に、基準相対位置の設定を行うことで、SIDを含めた、X線源16と電子カセッテ20の基準相対位置を設定することができる。
基準相対位置の設定後、採光野位置決定部97は、X線源16の変位量に応じて各ポテンショメータ19a〜19dから出力される出力値と、基準値とを比較することにより、現在相対位置を特定する。採光野位置決定部97は、基準相対位置における主線入射位置F(本例では撮像面36の中心Cと一致する)から、現在相対位置における主線入射位置Fまでの移動量を算出し、算出した移動量に基づいて、採光野80a、80bの移動位置を決定する。採光野位置決定部97は、採光野80a、80bの移動位置を撮像面36内の座標情報として出力する。採光野位置決定部97は、基準相対位置と現在相対位置の間に変化が無い場合には、移動位置を出力せず、変化が有る場合にのみ、移動位置を出力する。なお、基準相対位置と現在相対位置の間に変化が無い場合に、初期位置と同じ移動位置を出力してもよい。
図10において、採光野位置決定部97は、決定した採光野の移動位置を、カセッテ制御部98に入力する。カセッテ制御部98は、撮影部位に応じた採光野の初期位置と、採光野位置決定部97で決定した採光野の移動位置を、電子カセッテ20に送信する。採光野の移動位置は、基準相対位置と現在相対位置の間に変化が有る場合にのみ電子カセッテ20に送信される。また、カセッテ制御部98は、撮影部位に応じた照射停止閾値を、電子カセッテ20を送信する。格納・検索処理部95はストレージデバイス87にアクセスして、指定された撮影条件を検索して読み出す処理や、電子カセッテ20から送信されるX線画像の格納処理を行う。撮影条件には、撮影部位に応じた採光野の初期位置や照射停止閾値が含まれており、これらの情報は、格納・検索処理部95からカセッテ制御部98に入力される。
なお、コンソール21は、この他にも上述のオフセット補正、ゲイン補正、欠陥補正等の各種画像処理を行う画像処理部や、線源制御装置14、電子カセッテ20との間の通信を媒介する通信部がCPU85に構築される。なお、本例のように各部の機能をソフトウェアで実現するのではなく、各部を専用のハードウェアで構成してもよい。また、オフセット補正、ゲイン補正、欠陥補正の少なくとも1つを電子カセッテ20で行ってもよい。
次に、図13のフローチャートを参照して、X線撮影システム10によりX線撮影を行う場合の手順を説明する。
X線撮影室まで移動できない患者Mの撮影を行う場合には、X線発生装置11と電子カセッテ20を患者Mの病室に運んで、撮影が行われる。図1に示すように、X線発生装置11は、患者Mが寝ているベッド33の傍らに設置される。電子カセッテ20は、ベッド33に寝ている患者Mの身体の下に挿入されて設置される(S101)。例えば、撮影部位が胸部である場合には、電子カセッテ20は患者Mの胸部の下に挿入される。電子カセッテ20は、図9Aに示すように撮影部位である胸部の中心と撮像面36の中心Cが一致するように適切にポジショニングされるのが理想的である。しかし、患者Mの容体などにより体勢を大きく変更できない場合のように、適切なポジショニングができない場合には、図11Aに示すように、胸部の中心が撮像面36の中心Cから外れた位置にポジショニングされる。
X線発生装置11と電子カセッテ20の設置後、基準相対位置の設定が行われる(S102)。基準相対位置の設定では、X線源16の主線17と電子カセッテ20の撮像面36が直交するようにX線源16の照射角度を調整し、主線入射位置Fと撮像面36の中心Cが一致するようにX線源16のX−Y方向の位置を調整する(図11A、図12A参照)。そして、X線源16の高さ(Z方向の位置)を適宜の位置に調整する。この状態で、コンソール21のキーボード21cから設定指示を入力する。基準相対位置設定部97aは、設定指示を受け付けると、その時点での変位量検出部19の出力値を基準値と設定する。これにより、基準相対位置と採光野の初期値とが対応付けられる。
次いで電子カセッテ20の電源を投入し、コンソール21において、キーボード21cで撮影条件を設定する(S103)。胸部撮影の場合には、胸部撮影用の撮影条件を選択する。撮影条件を選択すると、カセッテ制御部98を介して電子カセッテ20に、採光野の初期値及び照射停止閾値を含む撮影条件が送信されて、電子カセッテ20に設定される。線源制御装置14に対しては、選択した撮影条件に応じて管電圧、管電流、照射時間あるいは管電流照射時間積などが設定される。
採光野設定回路75の初期位置選択部75aは、コンソール21から入力された採光野の初期位置に基づいて、撮影部位が胸部の場合には、図11Aに示すように、肺野Ma、Mbに相当する採光野80a、80bを初期位置に設定する(S104)。図11Aに示すように、電子カセッテ20と患者Mの相対位置が適切にポジショニングされていない場合には、採光野80a、80bの初期位置は、患者Mの肺野Ma、Mbからずれてしまう。また、X線源16と電子カセッテ20の相対位置は、基準相対位置にあるため、X線源16の照射範囲の中心(主線17)も、患者Mの胸部の中心からずれている。
そのため、X線源16の照射範囲の中心が、患者Mの胸部の中心と一致するように、X線源16の位置や角度を調節する。図12に示すように、X線源16が基準相対位置から変位すると、主線入射位置Fは撮像面36の中心Cから外れる。変位量検出部19は、X線源16の変位量を検出して、採光野位置決定部97に出力する。
採光野位置決定部97は、検出された変位量に基づいて、X線源16と電子カセッテ20の現在相対位置を特定する(S105)。採光野位置決定部97は、特定した現在相対位置について、基準相対位置からの変化があるか否かを判定する(S106)。そして、採光野位置決定部97は、基準相対位置からの変化が無い場合には(S106でNO)、移動位置の決定を行わない。この場合には、採光野は初期位置に設定される。現在相対位置と基準相対位置が一致している場合には、患者Mの撮影部位である胸部と電子カセッテ20のポジショニングが適切に行われていると考えられるため、採光野の初期位置と患者Mの肺野Ma、Mbが対面する。
一方、基準相対位置からの変化がある場合には(S106でYES)、採光野位置決定部97は、特定した現在相対位置における主線入射位置Fを判定し、基準相対位置における主線入射位置Fからの移動量を算出する。そして、算出した移動量に基づいて、採光野80a、80bの移動位置を決定する(S107)。採光野位置決定部97はカセッテ制御部98を介して、決定した移動位置を、電子カセッテ20に送信する。
採光野設定回路75の採光野移動部75bは、コンソール21から受信した採光野の移動位置に基づいて、図11Bに示すように、採光野80a、80bの位置を移動する(S108)。これにより、採光野80a、80bは、患者Mの肺野Ma、Mbに対面する。
撮影準備が完了すると、オペレータによって照射スイッチ18が一段階押しされる。これにより線源制御装置14にウォームアップ開始信号が送信されて、X線源16のウォームアップが開始される。所定時間経過後に照射スイッチ18が二段階押しされて線源制御装置14に照射開始信号が送信され、X線の照射が開始される(S109)。
X線の照射が開始される前、電子カセッテ20の画像検出部35ではリセット動作が行われている。線源制御装置14から照射開始信号を受信したときにリセット動作から蓄積動作に移行される。
電子カセッテ20では、画像検出部35の蓄積動作と同時にAEC部67で検出画素65の線量検出信号に基づくAECが開始される(S110)。AECにおいては、検出画素65の線量検出信号は、所定のサンプリング周期でサンプリングされて、逐次メモリ42に出力される。採光野設定回路75は、メモリ42内の複数の検出画素65の線量検出信号のうち、設定された採光野に存在する検出画素65からの線量検出信号を選別し、選別した線量検出信号を積分回路76に出力する。積分回路76では線量検出信号の平均値が積算される(S1101)。
閾値発生回路78は、カセッテ制御部98から与えられた照射停止閾値を発生し、これを比較回路77に出力する。比較回路77は、積分回路76からの線量検出信号の積算値と閾値発生回路78からの照射停止閾値とを比較(S1102)し、積算値が閾値に達したとき(S1103でYES)に照射停止信号を出力する(S1104)。照射停止信号は照射信号I/F80を介して線源制御装置14の照射信号I/F31に向けて送信される。
線源制御装置14は、照射停止信号を受信すると、X線源16への電力供給を停止して、X線の照射を停止する(S111)。電子カセッテ20は、照射停止信号を出力すると、蓄積動作を終了して読み出し動作に移行し、X線画像を読み出して、コンソール21に送信する(S112)。読み出し動作後、画像検出部35はリセット動作を再開する。コンソール21は、受信したX線画像に各種画像処理を施して、ディスプレイ21bに表示する。(S112)。
上記実施形態によれば、電子カセッテ20と患者Mの適切なポジショニングが行えず、患者Mの撮影部位の中心が画像検出部35の撮像面36の中心Cからずれている場合でも、主線17と患者Mの撮影部位の中心が一致するようにX線源16を変位させる操作に連動して、X線源16と電子カセッテ20との相対位置に応じて採光野の位置が移動される。そのため、患者Mの撮影部位と電子カセッテ20を適切にポジショニングできない場合でも、患者Mの撮影部位の関心領域に採光野を対面させることができる。これにより、適切なAECを行うことができる。採光野の移動は、X線源16を変位させる操作に連動して行われるため、操作も簡単である。
また、採光野の初期位置は撮影部位毎に設定されているので、採光野を、撮影部位に応じた関心領域に対応する位置に適切に合わせることができる。また、採光野の初期位置は撮影条件として設定されており、撮影条件の選択操作により自動的に設定されるため、操作も簡単である。
上記実施形態では、基準相対位置を設定する操作をマニュアル操作で行う例で説明しているが、基準相対位置を予め設定しておいてもよい。基準相対位置を予め設定する場合でも、基準相対位置としては、X線源16の主線17と撮像面36とが直交し、かつ、主線入射位置Fと撮像面36の中心Cとが一致する位置に設定されることが好ましい。といのも、採光野の初期位置は、主線17、撮像面36の中心C及び撮影部位の中心が一致した状態を前提に、撮像面36の中心Cを基準に設定されることが一般的であるからである。
上記実施形態では、主線入射位置の移動量を算出して、採光野の移動位置を決定しているが、主線入射位置に代えて、別の基準点の移動量から、採光野の移動位置を決定してもよい。
また、採光野の初期位置が、撮像面36の中心Cに対してオフセットされた位置に設定されている場合には、採光野の初期位置に合わせて、基準相対位置を設定してもよい。このように、採光野の初期位置に応じて基準相対位置は変化する場合もある。加えて、上述のとおり、電子カセッテ20の場合には、ベッド33の高さが変化することが考えられるため、X線源16との距離であるSIDも一定ではない。そのため、上記実施形態のように基準相対位置は任意の位置に設定できることが好ましい。
また、採光野の位置を、変位量検出部19が出力する変位量とは無関係に、マニュアル操作により調節できるようにしてもよい、この場合には、例えば、図14に示すように、コンソール21のディスプレイ21bに、採光野調節画面101を表示する。採光野調節画面101には、撮像面36内の中心Cの位置を示すマーカ102と、現在設定されている採光野の位置を示すマーカ103a、103bが表示される。マーカ103a、103bは、キーボード21bやマウスのポインタ104の操作により移動することが可能である。マーカ103a、103bの移動位置に応じて、コンソール21から電子カセッテ20に対して採光野の移動位置が送信される。
また、相対位置の変位と採光野の移動が常時連動していると、使い勝手が悪い場合もあるので、相対位置の変位と採光野の移動とを連動させるか否かを切り替えられるようにしてもよい。この場合には、コンソール21のキーボード21bやマウスの操作によって、採光野位置決定部97に切り替え指示を入力し、連動を有効にするか無効にするかが切り替えられる。
「第2実施形態」
また、図15に示すように、X線源16と電子カセッテ20の現在相対位置によっては、撮像面36の中心Cから主線入射位置Fの移動量が大きすぎて、二点鎖線で示す採光野80a、80bの移動位置が撮像面36の範囲外になってしまう場合もあり得る。この場合には、採光野80a、80bの移動が不可能となる。そのため、図16のフローチャートに示すように、採光野位置決定部97は、S107の移動位置決定後に、撮像面36の大きさに応じて、初期位置から移動位置への採光野の移動が可能な否かを判定し(S1071)、移動不可能と判定した場合には(S1071でNO)、その旨を報知する(S1072)ことが好ましい。
報知は、例えば、音声か、あるいは、コンソール21のディスプレイ21bを通じて行われる。報知メッセージには、例えば、採光野の移動量が大きすぎること、そのため、撮像面内に採光野を設定することができないこと、などが含まれる。光の点灯や点滅によって報知してもよい。このような報知がなされた場合には、撮影部位と電子カセッテ20のポジショニングをやり直し、再度、X線源16の位置を調節し直して撮影を行う。
採光野の移動が可能か否かは、撮影部位毎に設定される採光野の位置や大きさに応じて決まるので、採光野位置決定部97は、撮影部位毎に設定される採光野の初期位置に基づいて判定を行う。
「第3実施形態」
また、上記実施形態は、X線画像検出装置として可搬型の電子カセッテ20を例に説明したが、本発明は、図17に示すように、撮影台121に画像検出部35が内蔵された据え置き型のX線画像検出装置122を有するX線撮影システム120に適用することも可能である。撮影台121は、ベッド型の臥位用撮影台であり、撮影台121には、画像検出部35の水平方向に移動させる変位機構123と、変位機構123の変位量を検出する変位量検出部124とを有している。
この場合には、採光野位置決定部97は、変位量検出部19からX線源16の変位量を取得し、変位量検出部124から画像検出部35の変位量を取得する。そして、採光野位置決定部97は、上記実施形態と同様に基準相対位置の設定を行い、その後、取得した各変位量に基づいて、X線源16と画像検出部35の現在相対位置を特定する。ここで、例えば、X線源16と画像検出部35が水平方向(X方向)に同じ量だけ平行移動した場合には、主線入射位置Fは移動しないため、採光野位置決定部97は、基準相対位置に変化は無いと判定する。主線入射位置Fが移動した場合には、現在相対位置に応じて、採光野の移動位置を決定する。
また、X線撮影システム102のように、X線源16と画像検出部35の両方が変位する場合には、X線発生装置11の設置環境の制約や、撮影台121上で患者Mが仰臥する位置によって、画像検出部35を移動させるだけでは、画像検出部35の撮影部位の中心に合わせることができない場合がある。例えば、図17に示すように、X線源16については、主線17が患者M撮影部位の中心と一致するまで移動することができるが、画像検出部35については、移動可能範囲Rの端まで移動しても、画像検出部35の撮像面36の中心Cと撮影部位の中心を一致させることができない場合である。このように画像検出部35が移動可能範囲Rの端まで移動した状態を、変位限界に達した状態と呼ぶ。
画像検出部35が変位限界に達していない状態では、X線源16及び画像検出部35を変位させることで、X線源16の主線17、画像検出部35の撮像面36の中心C、患者Mの撮影部位の中心を一致させることができるため、採光野の移動は必ずしも必要ではない。
そこで、採光野位置決定部97は、画像検出部35が変位限界に達していない間は、相対位置の変位に連動した採光野の移動位置の決定を行わず、画像検出部35が変位限界に達した場合に、相対位置の変位に連動した採光野の移動位置の決定を行うようにしてもよい。この場合には、採光野位置決定部97に、画像検出部35が変位限界に達したか否かを判定する変位限界判定部97bが設けられる。変位限界判定部97bには、変位量検出部19及び変位量検出部124が出力する出力値の最大値や最小値など、変位限界判定において参照される情報を記憶している。
図18に示すように、採光野位置決定部97は、変位量検出部19及び変位量検出部124からの変位量に基づいて、画像検出部35が変位限界に達したか否かを判定する(1041)。画像検出部35が変位限界に達していない場合(S1041でNO)には、X線源16と画像検出部35の変位により、適切なポジショニングが可能であると考えられるので、採光野の移動は行われない。
一方、画像検出部35が変位限界に達した場合には(S1041でYES)、採光野位置決定部97は、変位量検出部19及び変位量検出部124からの変位量に基づいて、X線源16と画像検出部35の現在相対位置を特定する(S105)。そして、現在相対位置が基準相対位置から変化している場合には、採光野の移動位置を決定する(S107)。画像検出部35においては、決定した移動位置に基づいて採光野の移動が行われる(S108)。
なお、画像検出部35の変位限界のみを考慮して、採光野の移動を行うか否かを決定しているが、X線源16の変位限界については考慮する必要はない。というのは、X線源16が変位限界に達して、撮影部位にX線源16の照射位置を合わせることができない場合は、そもそも撮影部位にX線を照射できない状態であると考えられるからである。この場合には、X線源16の照射範囲に入るように患者Mの撮影部位を移動させて撮影が行われる。
また、上記第1及び第2実施形態では、基準相対位置の設定を行う例で説明しているが、回診車のような移動型のものではない固定式のX線発生装置と、据え置き型のX線画像検出装置とでX線撮影システムを構成する場合には、基準相対位置の設定を省いてもよい。固定式のX線発生装置や据え置き型のX線画像検出装置の場合には、設置位置が固定されているため、基準相対位置に変化がないためである。
「第4実施形態」
また、上記第1実施形態では、ポテンショメータを利用して変位量を検出し、X線源16と電子カセッテ20との相対位置を特定しているが、例えば、図19に示すように、X線源16に光学カメラ130を設けて電子カセッテ20を撮影し、その撮影した光学画像からX線源16と電子カセッテ20との相対位置を特定してもよい。
図19に示すように、X線源16内には、光学カメラ130と、X線に対しては透過性を有するが、可視光は反射するミラー131が設けられている。まず、X線源16と電子カセッテ20を基準相対位置に合わせて、光学カメラ130によって電子カセッテ20を撮影する。基準相対位置で撮影した光学画像を、採光野位置決定部97に送信する。そして、X線源16を変位させた後、再び光学カメラ130で撮影する。変位後の光学画像も採光野位置決定部97に送信される。変位前の光学画像と、変位後の光学画像では、各光学画像内の電子カセッテ20の位置が異なる。採光野位置決定部97は、各光学画像に対して画像処理を行って、電子カセッテ20の輪郭を抽出する。そして、変位前と変位後の光学画像から抽出したそれぞれの輪郭に基づいて変位量を検出して、変位量に基づいて現在相対位置を特定する。
このように、現在相対位置を判定する方法としては、光学カメラ130を用いることも可能であるが、光学カメラ130を用いる方法は、光学画像から電子カセッテ20の輪郭を抽出する画像処理が必要になる。光学画像には患者Mも写るため、精度の高い輪郭抽出を行うためには精緻な画像処理が必要になり、コストが大幅に増加する懸念もある。また、患者Mが電子カセッテ20の全面を覆ってしまうような場合には、光学画像から電子カセッテ20の輪郭を抽出することはできない。そのため、変位量検出部としては、ポテンショメータなどを利用することが好ましい。
「第5実施形態」
上記実施形態では、画像検出用の画素45と線量検出センサとして働く検出画素65が各々独立して存在するため、検出画素65がある列の画素値を隣り合う検出画素65がない列の画素値で補間する欠陥補正を行う必要がある。このためX線画像の画質低下を招くおそれがある。そこで、画像検出部を図20に示す画像検出部140のような構成とすることで、欠陥補正を不要とする。
図20において、画像検出部140は、画像検出専用の第1画素141と、画像検出とAECにおける線量検出を兼用する第2画素142とを備えている。第1、第2画素141、142は、上記実施形態の画素45と検出画素65と同様に、適当な割合でマトリクス状に配列されている。第1、第2画素141、142は、それぞれ二つのフォトダイオード143、144を有する。第1画素141のフォトダイオード143、144は並列に接続され、一端がTFT47を介して信号線52に接続されている。一方、第2画素142のフォトダイオード143は第1画素141と同様に一端がTFT47を介して信号線52に接続されているが、フォトダイオード144はTFT47を介さずに信号線52に直接接続されている。つまり第2画素142のフォトダイオード144は上記実施形態の検出画素65と同じ構成である。
第1画素141からは二つのフォトダイオード143、144で蓄積された電荷が読み出される。一方、第2画素142からはフォトダイオード143で蓄積された電荷のみが読み出される。第2画素142はフォトダイオード144がAECに用いられてX線画像の生成に寄与しない分、フォトダイオード143、144の開口面積が同じ場合は同じ入射線量では第1画素141よりも蓄積電荷量が略半分になるが、検出画素65の場所からは画素値が得られず、欠陥補正を行うしかない上記実施形態と比べれば、X線画像の画質劣化が抑えられる。フォトダイオード143、144の開口面積等に基づいて、第2画素142の画素値に乗算すると第1画素141の画素値相当になる係数等を予め求めておき、第2画素142の出力に該係数を乗算して補正すれば、欠陥補正を行わずにX線画像を生成することができ、画像検出部を構成する画素の一部をAEC用としたことによるX線画像の画質への悪影響を略完全に排除することができる。
上記実施形態では、線量検出センサとしてTFT47を介さず信号線52に短絡して接続された検出画素65を用いているが、例えば図21に示す検出画素150のように、通常の画素45とは別のゲートドライバ151および走査線152で駆動するTFT153を接続し、通常の画素45とは独立して蓄積電荷を読み出すことが可能な構成としてもよい。
また、各画素45にバイアス電圧Vbを供給するバイアス線48に画素45で発生する電荷に基づく電流が流れることを利用して、ある特定の画素45に繋がるバイアス線48の電流をモニタリングして線量を検出してもよく、全てのTFT47をオフ状態にしたときに画素45から漏れるバイアス電流に基づき線量を検出してもよい。この場合にはバイアス線48の電流を検出する電流計が線量検出センサとなる。さらに撮像面36内において、隣接する画素45間に線量検出センサを設けてもよい。
上記各実施形態では、コンソール21と電子カセッテ20が別体である例で説明したが、コンソール21は独立した装置である必要はなく、電子カセッテ20にコンソール21の機能を搭載してもよい。この場合には、採光野位置決定部97は電子カセッテ20に設けられる。同様に、線源制御装置14とコンソール21を一体化した装置としてもよい。
本発明は、上記各実施形態を組み合わせた形態など、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。また、X線に限らず、γ線等の他の放射線を使用する撮影システムにも適用することができる。
10 X線撮影システム
11 X線発生装置
12 X線撮影装置
16 X線源
18、123 変位機構
19、124 変位量検出部
20 電子カセッテ
21 コンソール
35 画像検出部
45 画素
65 検出画素
67 AEC部
75 採光野設定回路
80a、80b 採光野

Claims (18)

  1. 被写体に向けて放射線を照射する放射線源を有する放射線発生装置と、前記放射線を受けて電荷を蓄積する画素が二次元に配列された撮像面が形成され、被写体の放射線画像を検出する画像検出部を有する放射線画像検出装置とを備えた放射線撮影システムにおいて、
    前記撮像面に配置され、前記放射線画像の露出制御を行うために前記放射線の線量を検出する複数の線量検出センサと、
    前記複数の線量検出センサの少なくとも1つを選択することにより、前記撮像面において前記露出制御用の採光野を設定する採光野設定部と、
    前記放射線源と前記画像検出部の相対位置を変位させる変位機構と、
    前記相対位置の変位量を検出する変位量検出部と、
    前記変位量に基づいて前記相対位置の現在位置である現在相対位置を特定し、前記現在相対位置に応じて、前記採光野設定部が設定する前記採光野の位置を決定する採光野位置決定部と、を備えていることを特徴とする放射線撮影システム。
  2. 前記採光野の初期位置を記憶する初期位置記憶部と、
    前記採光野の初期位置と前記相対位置の基準となる基準相対位置とを対応付けて設定する基準相対位置設定部とを有しており、
    前記採光野位置決定部は、特定した前記現在相対位置に応じて、前記採光野の初期位置からの移動先となる移動位置を決定することを特徴とする請求の範囲第1項に記載の放射線撮影システム。
  3. 前記採光野位置決定部は、前記画像検出部の撮像面内における、前記放射線源が照射する放射線の線束の中心である主線が入射する主線入射位置について、前記基準相対位置における前記主線入射位置から前記現在相対位置における前記主線入射位置までの移動量を算出し、前記移動量に基づいて前記採光野の移動位置を決定することを特徴とする請求の範囲第2項に記載の放射線撮影システム。
  4. 前記基準相対位置設定部には、前記基準相対位置として、前記放射線源が照射する放射線の線束の中心である主線と前記画像検出部の前記撮像面とが直交し、かつ、前記撮像面において前記主線が入射する主線入射位置と前記撮像面の中心とが一致する位置が、予め設定されていることを特徴とする請求の範囲第2項に記載の放射線撮影システム。
  5. 前記基準相対位置設定部には、任意の基準相対位置が設定可能であることを特徴とする請求の範囲第2項に記載の放射線撮影システム。
  6. 前記初期位置記憶部は、前記採光野の初期位置を、前記被写体の撮影部位毎に記憶することを特徴とする請求の範囲第2項に記載の放射線撮影システム。
  7. 前記採光野位置決定部は、前記撮像面の大きさに基づいて、前記初期位置から前記移動位置への前記採光野の移動が可能か否かを判定し、
    前記採光野位置決定部が移動不可能であると判定した場合にその旨を報知する報知部を備えていることを特徴とする請求の範囲第2項に記載の放射線撮影システム。
  8. 前記初期位置記憶部は、前記採光野の初期位置を、前記被写体の撮影部位毎に記憶し、
    前記採光野位置決定部は、前記撮影部位毎に前記採光野の移動の可否を判定することを特徴とする請求の範囲第7項に記載の放射線撮影システム。
  9. 前記採光野設定部は、マニュアルによる操作指示を受け付けて、前記変位量とは無関係に、前記採光野の位置を調節可能であることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の放射線撮影システム。
  10. 前記変位機構は、前記放射線源を変位させる第1変位機構を含み、
    前記変位量検出部は、前記変位量として、前記第1変位機構による第1変位量を検出し、
    前記採光野位置決定部は、前記第1変位量に基づいて、前記採光野の移動位置を決定することを特徴とする請求の範囲第2項に記載の放射線撮影システム。
  11. 前記第1変位量には、前記放射線源の直線移動量及び回転角度の少なくとも1つが含まれることを特徴とする請求の範囲第10項に記載の放射線撮影システム。
  12. 前記変位機構は、前記放射線源を変位させる第1変位機構と、前記画像検出部を変位させる第2変位機構とを含み、
    前記変位量検出部は、前記第1変位機構の第1変位量と、前記第2変位機構の第2変位量を検出し、
    前記採光野位置決定部は、前記第1変位量及び前記第2変位量に基づいて、前記採光野の移動位置を決定することを特徴とする請求の範囲第2項に記載の放射線撮影システム。
  13. 前記第2変位量に基づいて、前記画像検出部が変位限界に達したか否かを判定する変位限界判定部を有しており、
    前記採光野位置決定部は、前記画像検出部が前記変位限界に達していない間は、前記相対位置の変位に連動した前記採光野の移動位置の決定を行わず、
    前記画像検出部が前記変位限界に達した場合に、前記相対位置の変位に連動した前記採光野の移動位置の決定を行うことを特徴とする請求の範囲第12項に記載の放射線撮影システム。
  14. 前記相対位置の変位と前記採光野の移動とを連動させるか否かを切り替え可能であることを特徴とする請求の範囲第2項に記載の放射線撮影システム。
  15. 前記線量検出センサは、前記撮像面内の画素の一部を利用した形態であることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の放射線撮影システム。
  16. 前記放射線画像検出装置を制御するコンソールを備えており、
    前記採光野位置決定部は、前記コンソールに設けられており、
    前記採光野設定部は、前記放射線画像検出装置に設けられていることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の放射線撮影システム。
  17. 前記放射線画像検出装置は、前記画像検出部を可搬型の筐体に収容した電子カセッテであることを特徴とする請求の範囲第16項に記載の放射線撮影システム。
  18. 被写体に向けて放射線を照射する放射線源を有する放射線発生装置と、
    前記放射線を受けて電荷を蓄積する画素が複数設けられた撮像面が形成され、被写体の放射線画像を検出する画像検出部、前記撮像面に配置され、前記放射線画像の露出制御を行うために前記放射線の線量を検出する複数の線量検出センサ、及び前記複数の線量検出センサのうち少なくとも1つを選択することにより、前記撮像面において前記露出制御用の採光野を設定する採光野設定部を有する放射線画像検出装置とを、備えた放射線撮影システムの作動方法において、
    前記放射線源と前記画像検出部の相対位置の変位量を検出する変位量検出ステップと、
    前記変位量に基づいて前記相対位置の現在位置である現在相対位置を特定し、前記現在相対位置に応じて、前記採光野設定部が設定する前記採光野の位置を決定する採光野位置決定ステップと、を備えていることを特徴とする放射線撮影システムの作動方法。
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