JP5775812B2 - 放射線画像検出装置およびその駆動方法 - Google Patents

放射線画像検出装置およびその駆動方法 Download PDF

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Description

本発明は、放射線画像検出装置およびその駆動方法に関する。
医療分野において、放射線、例えばX線を利用したX線撮影システムが知られている。X線撮影システムは、X線を発生するX線発生装置と、X線を受けてX線画像を撮影するX線撮影装置とからなる。X線発生装置は、X線を被検体に向けて照射するX線源、X線源の駆動を制御する線源制御装置、およびX線の照射開始指示を入力するための照射スイッチを有している。X線撮影装置は、被検体を透過したX線を受けてX線画像を検出するX線画像検出装置、およびX線画像検出装置の駆動を制御するとともにX線画像に各種画像処理を施すコンソールを有している。
最近のX線撮影システムの分野では、X線フイルムやイメージングプレート(IP)に代わり、フラットパネルディテクタ(FPD;flat panel detector)を検出パネルとして用いたX線画像検出装置が普及している。FPDには、X線の到達線量に応じた信号電荷を蓄積する画素がマトリックス状に配列されている。FPDは、画素毎に信号電荷を蓄積し、蓄積した信号電荷を信号処理回路で電圧信号に変換することで、被検体の画像情報を表すX線画像を検出し、これをデジタルな画像データとして出力する。
FPDを直方体形状の筐体に内蔵した電子カセッテ(可搬型のX線画像検出装置)も実用化されている。電子カセッテは、撮影台に据え付けられて取り外し不可なタイプと違って、フイルムカセッテやIPカセッテ用の既存の撮影台や専用の撮影台に着脱可能に取り付けて使用される他、据え付け型では撮影困難な部位を撮影するためにベッド上に置いたり被検体自身に持たせたりして使用される。また、自宅療養中の高齢者や、事故、災害等による急病人を撮影するため、撮影台の設備がない病院外に持ち出して使用されることもある。
特許文献1、2には、一つの画素を開口面積が大きいフォトダイオード(主画素)と小さいフォトダイオード(副画素)とで構成し、それぞれ別個に蓄積電荷を読み出すことが可能なFPDが記載されている。主画素および副画素からの蓄積電荷を混合または加算して一つの画素の画像信号とすることで、画素のダイナミックレンジを広げることができる。
ところで、FPDではX線画像へのノイズの影響を最小にするために、暗電流や前回の撮影の残留電荷等による画素の不要蓄積電荷を掃き出すリセット動作を定期的に行っている。従って一般的にFPDを有するX線画像検出装置の場合、X線の照射開始タイミングと、リセット動作を終了して蓄積動作を開始するタイミングとの同期をとる必要があり、例えば線源制御装置とX線画像検出装置に相互通信可能なインターフェース(I/F)を設け、線源制御装置がX線の照射を開始するタイミングを照射開始信号としてX線画像検出装置に送り、X線画像検出装置では照射開始信号をトリガに蓄積動作に移行する処理が行われる。
また、被検体を透過したX線の線量を検出する線量検出センサを設けて、線量検出センサで検出した線量の積算値(累積線量)が予め設定した閾値に達したらX線源によるX線の照射を停止させ、X線画像検出装置では蓄積動作から読み出し動作に移行させる自動露出制御(AEC;Automatic Exposure Control)も行われている。
さらに、線源制御装置との間に通信機能がない場合に対応するため、線量検出センサで検出した線量の積算値が閾値に達したらX線の照射開始および/または終了と判断し、照射開始と判断したときには蓄積動作を開始し、照射終了と判断したときには蓄積動作から読み出し動作に移行する機能をもつX線画像検出装置もある。
特許文献3には、配列画素の一部を線量検出センサとして利用するX線診断装置が記載されている。X線の照射中に線量検出用の画素から信号を繰り返し読み出し、該信号に基づいてAECを行っている。線量検出用の画素の信号は読み出す毎に加算されてメモリに記憶され、この記憶された信号とX線照射停止後に全画素から読み出した信号からX線画像を生成している。
特開2009−018154号公報 特開2009−078143号公報 特開平07−201490号公報
特許文献1、2に記載の副画素を線量検出用の画素とすることが提案されている。副画素を線量検出に用いた場合は副画素の蓄積電荷は画像生成に寄与しないため画質が劣化する。この問題は特許文献3に記載の発明のように線量検出用の画素の信号を加算して一時記憶する構成を用意すれば一応解決する。しかしながら上記構成が必要となりコストが高くなる。また、信号を読み取る際に電荷蓄積が中断されるため信号を読み取る間は画素にとって不感時間となり、閾値を超えるまで不定回数読み出し加算していくと、読み出し回数に応じて信号の総和が実際よりも低く検出されてしまうためにかえって画質が劣化するおそれもある。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたもので、簡易な構成かつ処理で画素を線量検出に用いたことによる画質劣化を防ぐことができる放射線画像検出装置およびその駆動方法を提供することを目的とする。
本発明の放射線画像検出装置は、放射線源から照射された放射線の到達線量に応じた電荷を蓄積し、隣接する複数の画素を、電荷を別々に信号線に読み出すことが可能な主画素と副画素に分けて一つの画素と見なした複合画素を含む画素が配列された検出パネルと、前記副画素の蓄積電荷に基づく電圧信号である線量検出信号の積算値と予め設定された閾値との比較結果に応じて前記検出パネルの動作を制御する制御手段であり、放射線の照射中は前記複合画素以外の画素および前記主画素に電荷を蓄積させるとともに前記副画素から定期的に線量検出信号を読み出し、放射線の照射終了後に前記複合画素および前記複合画素以外の画素の全画素から蓄積電荷に基づく電圧信号である画像信号を読み出す制御手段と、前記複合画素の画像信号が前記複合画素以外の画素から出力されたと同じになるように補正する第一補正手段とを備え、前記複合画素以外の画素の画像信号および前記第一補正手段で補正された前記複合画素の画像信号を元に放射線画像を生成することを特徴とする。
前記第一補正手段は、前記主画素と前記副画素を合わせた前記複合画素のトータルの開口面積と前記主画素の開口面積の比を前記主画素の画像信号に乗算する。あるいは、ある条件下で照射された放射線に対する前記主画素と前記副画素を合わせた前記複合画素のトータルの出力と前記主画素の出力の比を前記主画素の画像信号に乗算する。
前記信号線を介して入力された電荷を積算してアナログ電圧信号に変換するゲイン可変型の積分アンプを備える場合、前記第一補正手段は、前記主画素の画像信号を読み出す際の前記積分アンプのゲインを、前記主画素と前記副画素を合わせた前記複合画素のトータルの開口面積と前記主画素の開口面積の比、あるいはある条件下で照射された放射線に対する前記主画素と前記副画素を合わせた前記複合画素のトータルの出力と前記主画素の出力の比に応じた値に設定する。
被検体がいない状態で放射線を照射して前記検出パネルから読み出した画像を元に生成した感度補正データに基づき、前記検出パネルの各部の特性ばらつきを補正する感度補正手段を備える場合、前記第一補正手段は、前記主画素と前記副画素を合わせた前記複合画素のトータルの開口面積と前記主画素の開口面積の比、あるいはある条件下で照射された放射線に対する前記主画素と前記副画素を合わせた前記複合画素のトータルの出力と前記主画素の出力の比を前記感度補正データの前記複合画素の部分に織り込む。
前記副画素から線量検出信号を出力する前記複合画素を選択する選択手段を備えることが好ましい。前記第一補正手段は、前記選択手段で選択された前記複合画素の前記主画素の画像信号に対してのみ稼働する。前記制御手段は、前記選択手段で選択されなかった前記複合画素の前記副画素を前記複合画素以外の画素および前記主画素と同様に扱う。
前記開口面積の比、あるいは前記出力の比を織り込まない第一の感度補正データと、織り込んだ第二の感度補正データとを用意することが好ましい。前記第一補正手段は、前記選択手段で選択されなかった前記複合画素の前記主画素の画像信号には前記第一の感度補正データを適用し、前記選択手段で選択された前記複合画素の前記主画素の画像信号には前記第二の感度補正データを適用する。
前記選択手段は、前記副画素から線量検出信号を出力する前記複合画素の手動入力を受け付ける。前記副画素から線量検出信号を出力する前記複合画素を撮影部位毎に記憶する記憶手段を備える場合、前記選択手段で撮影部位を指定する。
前記選択手段は、線量検出信号の積算値と予め設定された閾値とを比較し、該比較結果に基づき放射線が被検体を透過せずに前記検出パネルに直接照射される素抜け領域、または診断時に最も注目すべき関心領域のうちの少なくともいずれかを特定し、特定した領域に存在する前記複合画素を選択する。
前記選択手段は、放射線源から放射線の照射が開始された直後で前記到達線量が増加している期間に領域を特定する。あるいは、前記到達線量が一定の値になってから領域を特定してもよい。
前記制御手段は、前記選択手段による領域の特定後、前記選択手段で選択されなかった前記複合画素の前記副画素に電荷を蓄積させる。この場合、前記選択手段で選択されなかった前記複合画素の前記副画素の画像信号が、放射線の照射が開始された直後に電荷を蓄積させた場合と同じになるように補正する第二補正手段を備えることが好ましい。
放射線源の制御装置と通信する通信手段と、線量検出信号の積算値と予め設定された閾値とを比較し、該比較結果に基づき前記到達線量の累積値が目標値に達したか否かを判断する自動露出制御手段とを備えることが好ましい。前記通信手段は、前記自動露出制御手段で前記到達線量の累積値が目標値に達したと判断したとき、放射線源による放射線の照射を停止させるための照射停止信号を放射線源の制御装置に送信する。この場合、診断時に最も注目すべき関心領域に存在する前記複合画素が前記副画素から線量検出信号を出力する複合画素として選択される。
あるいは、線量検出信号の積算値と予め設定された閾値とを比較し、該比較結果に基づき放射線源からの放射線の照射が開始および/または終了されたことを検出する照射開始および/または終了検出手段を備えることが好ましい。この場合、放射線が被検体を透過せずに前記検出パネルに直接照射される素抜け領域に存在する前記複合画素が前記副画素から線量検出信号を出力する複合画素として選択される。
さらには、前記信号線を介して入力された電荷を積算してアナログ電圧信号に変換するゲイン可変型の積分アンプと、線量検出信号の積算値と予め設定された閾値とを比較し、該比較結果に基づき画像信号を読み出すときの前記積分アンプのゲインを設定するゲイン設定手段とを備えることが好ましい。この場合、診断時に最も注目すべき関心領域に存在する前記複合画素が前記副画素から線量検出信号を出力する複合画素として選択される。
前記主画素は前記副画素よりも開口面積が大きく、前記主画素と前記副画素を合わせた前記複合画素のトータルの開口面積は前記複合画素以外の画素のそれとほぼ等しい。または、前記複合画素は開口面積が同じ複数の画素から構成されている。
前記検出パネルが可搬型の筐体に収納された電子カセッテであることが好ましい。
また、本発明の放射線画像検出装置の駆動方法は、放射線源から照射された放射線の到達線量に応じた電荷を蓄積し、隣接する複数の画素を、電荷を別々に信号線に読み出すことが可能な主画素と副画素に分けて一つの画素と見なした複合画素を含む画素が配列された検出パネルを備える放射線画像検出装置の駆動方法であって、前記副画素の蓄積電荷に基づく電圧信号である線量検出信号の積算値と予め設定された閾値との比較結果に応じて前記検出パネルの動作を制御する制御ステップであり、放射線の照射中は前記複合画素以外の画素および前記主画素に電荷を蓄積させるとともに前記副画素から定期的に線量検出信号を読み出し、放射線の照射終了後に前記複合画素および前記複合画素以外の画素の全画素から蓄積電荷に基づく電圧信号である画像信号を読み出す制御ステップと、前記複合画素の画像信号が前記複合画素以外の画素から出力されたと同じになるように補正する補正ステップと、前記複合画素以外の画素の画像信号および前記第一補正手段で補正された前記複合画素の画像信号を元に放射線画像を生成する画像生成ステップとを備えることを特徴とする。
本発明は、複合画素の副画素を線量検出に用いた場合に、複合画素の画像信号が複合画素以外の画素から出力されたと同じになるように補正を施し、補正後の画像信号と複合画素以外の画素の画像信号から放射線画像を生成するので、簡易な構成かつ処理で画素を線量検出に用いたことによる画質劣化を防ぐことができる。
X線撮影システムの構成を示す概略図である。 線源制御装置の内部構成と線源制御装置と他の装置との接続関係を示す図である。 電子カセッテの内部構成を示すブロック図である。 検出画素の配置を説明するための図である。 電子カセッテの制御部の内部構成を示すブロック図である。 電子カセッテのAEC部および通信部の内部構成を示すブロック図である。 コンソールで設定される撮影条件を示す図である。 X線撮影におけるFPDの動作の推移を示す図である。 X線撮影の処理の流れを示すフローチャートである。 採光野選択回路の内部構成を示すブロック図である。 各領域を特定するタイミングを説明するための図である。 X線撮影におけるFPDの動作の推移を示す図である。 照射開始検出部を設けた例を示す図である。 読み出し動作時の積分アンプのゲインを設定する場合の構成を示す図である。 開口面積が同じ複数の画素で複合画素を構成した例を示す図である。
図1において、X線撮影システム2は、X線を放射するX線管を内蔵したX線源10と、X線源10の動作を制御する線源制御装置11と、X線の照射開始を指示するための照射スイッチ12と、被検体を透過したX線を検出してX線画像を出力する電子カセッテ13と、電子カセッテ13の動作制御やX線画像の画像処理を担うコンソール14と、被検体を立位姿勢で撮影するための立位撮影台15と、臥位姿勢で撮影するための臥位撮影台16とを有する。X線源10、線源制御装置11、および照射スイッチ12はX線発生装置2a、電子カセッテ13、およびコンソール14はX線撮影装置2bをそれぞれ構成する。この他にもX線源10を所望の方向および位置にセットするための線源移動装置(図示せず)等が設けられている。
X線源10は、X線を放射するX線管と、X線管が放射するX線の照射野を限定する照射野限定器(コリメータ)とを有する。X線管は、熱電子を放出するフィラメントからなる陰極と、陰極から放出された熱電子が衝突してX線を放射する陽極(ターゲット)とを有している。照射野限定器は、例えば、X線を遮蔽する複数枚の鉛板を井桁状に配置し、X線を透過させる照射開口が中央に形成されたものであり、鉛板の位置を移動することで照射開口の大きさを変化させて、照射野を限定する。
図2に示すように、線源制御装置11は、トランスによって入力電圧を昇圧して高圧の管電圧を発生し、高電圧ケーブルを通じてX線源10に供給する高電圧発生器20と、X線源10が照射するX線のエネルギースペクトルを決める管電圧、単位時間当たりの照射量を決める管電流、およびX線の照射時間を制御する制御部21と、コンソール14との主要な情報、信号の送受信を媒介する通信I/F22とを備える。
制御部21には照射スイッチ12とメモリ23とタッチパネル24が接続されている。照射スイッチ12は、放射線技師等のオペレータによって操作される例えば二段階押しのスイッチであり、一段階押しでX線源10のウォームアップを開始させるためのウォームアップ開始信号を発生し、二段階押しでX線源10に照射を開始させるための照射開始信号を発生する。これらの信号は信号ケーブルを通じて線源制御装置11に入力される。制御部21は、照射スイッチ12から照射開始信号を受けたときに高電圧発生器20からX線源10への電力供給を開始させる。
メモリ23は、管電圧、管電流といった撮影条件を予め数種類格納している。撮影条件はタッチパネル24を通じてオペレータにより手動で設定される。線源制御装置11は、設定された撮影条件の管電圧や管電流照射時間積でX線を照射しようとする。AECはこれに対して必要十分な線量に到達したことを検出すると、線源制御装置11側で照射しようとしていた管電流照射時間積(照射時間)以下であってもX線の照射を停止するように機能する。目標線量に達してAECによる照射停止の判断がされる前にX線の照射が終了して線量不足に陥ることを防ぐために、X線源10の撮影条件には管電流照射時間積(照射時間でも可)の最大値が設定される。なお、設定される管電流照射時間積は、撮影部位に応じた値とすることが好ましい。
照射信号I/F25は、電子カセッテ13の複合画素58の副画素58b(図3参照)の出力を元にX線の照射停止タイミングを規定する場合に電子カセッテ13と接続される。この場合、制御部21は、照射スイッチ12からウォームアップ開始信号を受けたときに、照射信号I/F25を介して問い合わせ信号を電子カセッテ13に送信させる。電子カセッテ13は問い合わせ信号を受信すると自身が撮影可能な状態かどうかチェックを行い、撮影可能な状態である場合は照射許可信号を送信する。制御部21は、照射許可信号を照射信号I/F25で受け、さらに照射スイッチ12から照射開始信号を受けたときに高電圧発生器20からX線源10への電力供給を開始させる。また、制御部21は、電子カセッテ13から発せられる照射停止信号を照射信号I/F25で受けたときに、高電圧発生器20からX線源10への電力供給を停止させ、X線の照射を停止させる。
電子カセッテ13は、FPD35(図3参照)とFPD35を収容する可搬型の筐体(図示せず)とからなる。電子カセッテ13の筐体はほぼ矩形状で偏平な形状を有し、平面サイズはフイルムカセッテやIPカセッテ(CRカセッテとも呼ばれる)と同様の大きさ(国際規格ISO4090:2001に準拠した大きさ)である。このため、フイルムカセッテやIPカセッテ用の既存の撮影台にも取り付け可能である。
電子カセッテ13はX線撮影システム2が設置される撮影室一部屋に複数台、例えば立位撮影台15、臥位撮影台16用に二台配備される。電子カセッテ13は、FPD35の撮像面37(図3参照)がX線源10と対向する姿勢で保持されるよう、立位撮影台15、臥位撮影台16のホルダ15a、16aに着脱自在にセットされる。電子カセッテ13は、立位撮影台15や臥位撮影台16にセットするのではなく、被検体が仰臥するベッド上に置いたり被検体自身に持たせたりして単体で使用することも可能である。
コンソール14は、有線方式や無線方式により電子カセッテ13と通信可能に接続されており、キーボード等の入力デバイス14aを介したオペレータからの入力操作に応じて電子カセッテ13の動作を制御する。具体的には、電子カセッテ13の電源のオンオフ、待機モードや撮影モードへのモード切替等の制御を行う。
電子カセッテ13からのX線画像はコンソール14のディスプレイ14bに表示される他、そのデータがコンソール14内のストレージデバイスやメモリ、あるいはコンソール14とネットワーク接続された画像蓄積サーバといったデータストレージに記憶される。
コンソール14は、患者の性別、年齢、撮影部位、撮影目的といった情報が含まれる検査オーダの入力を受け付けて、検査オーダをディスプレイ14bに表示する。検査オーダは、HIS(病院情報システム)やRIS(放射線情報システム)といった患者情報や放射線検査に係る検査情報を管理する外部システムから入力されるか、オペレータにより手動入力される。検査オーダには、頭部、胸部、腹部等の撮影部位、正面、側面、斜位、PA(X線を被検体の背面から照射)、AP(X線を被検体の正面から照射)といった撮影方向が含まれる。オペレータは、検査オーダの内容をディスプレイ14bで確認し、その内容に応じた撮影条件をディスプレイ14bに映された操作画面を通じて入力する。
図3において、電子カセッテ13には、コンソール14と有線方式または無線方式で通信するための通信部30、およびバッテリ31が内蔵されている。通信部30は、コンソール14と制御部32の画像データを含む各種情報、信号の送受信を媒介する。バッテリ31は、電子カセッテ13の各部を動作させるための電力を供給する。バッテリ31は、薄型の電子カセッテ13内に収まるよう比較的小型のものが使用される。また、バッテリ31は、電子カセッテ13から外部に取り出して専用のクレードルにセットして充電することも可能である。バッテリ31を無線給電可能な構成としてもよい。
通信部30は、バッテリ31の残量不足等で電子カセッテ13とコンソール14との無線通信が不可能になった場合にコンソール14と有線接続される。通信部30にコンソール14からのケーブルを接続した場合、コンソール14との有線通信が可能になる。この際、コンソール14から電子カセッテ13に給電してもよい。
FPD35は、TFTアクティブマトリクス基板を有し、この基板上にX線の到達線量に応じた電荷を蓄積する複数の画素36を配列してなる撮像面37を備えている。複数の画素36は、所定のピッチで二次元にn行(x方向)×m列(y方向)のマトリクス状に配列されている。
FPD35は、X線を可視光に変換するシンチレータ(蛍光体)を有し、シンチレータによって変換された可視光を画素36で光電変換する間接変換型である。シンチレータは、CsI:Tl(タリウム賦活ヨウ化セシウム)やGOS(GdS:Tb、ガドリウムオキシサルファイド)等からなり、画素36が配列された撮像面37の全面と対向するように配置されている。なお、シンチレータとTFTアクティブマトリクス基板は、X線の入射する側からみてシンチレータ、基板の順に配置されるPSS(Penetration Side Sampling)方式でもよいし、逆に基板、シンチレータの順に配置されるISS(Irradiation Side sampling)方式でもよい。また、シンチレータを用いず、X線を直接電荷に変換する変換層(アモルファスセレン等)を用いた直接変換型のFPDを用いてもよい。
画素36は複合画素以外の画素に相当し、可視光の入射によって電荷(電子−正孔対)を発生する光電変換素子であるフォトダイオード38、フォトダイオード38が発生した電荷を蓄積するキャパシタ(図示せず)、および薄膜トランジスタ(TFT)39を備える。
フォトダイオード38は、電荷を発生する半導体層(例えばPIN型)とその上下に上部電極および下部電極を配した構造を有している。フォトダイオード38は、下部電極にTFT39が接続され、上部電極にはバイアス線が接続されている。バイアス線は撮像面37内の画素36の行数分(n行分)設けられて一本の結線に結束されている。結線はバイアス電源に繋がれている。結線とバイアス線を通じて、バイアス電源からフォトダイオード38の上部電極にバイアス電圧が印加される。バイアス電圧の印加により半導体層内に電界が生じ、光電変換により半導体層内で発生した電荷(電子−正孔対)は、一方がプラス、他方がマイナスの極性をもつ上部電極と下部電極に移動し、キャパシタに電荷が蓄積される。
TFT39は、ゲート電極が走査線40に、ソース電極が信号線41に、ドレイン電極がフォトダイオード38にそれぞれ接続される。走査線40と信号線41は格子状に配線されており、走査線40は撮像面37内の画素36の行数分(n行分)、信号線41は画素36の列数分(m列分)それぞれ設けられている。走査線40はゲートドライバ42に接続され、信号線41は信号処理回路45に接続される。
ゲートドライバ42は、TFT39を駆動することにより、X線の到達線量に応じた信号電荷を画素36に蓄積する蓄積動作と、画素36から信号電荷を読み出す読み出し(本読み)動作と、リセット(空読み)動作とを行わせる。制御部32は、ゲートドライバ42によって実行される上記各動作の開始タイミングを制御する。
蓄積動作ではTFT39がオフ状態にされ、その間に画素36に信号電荷が蓄積される。読み出し動作では、ゲートドライバ42から同じ行のTFT39を一斉に駆動するゲートパルスG1〜Gnを順次発生して、走査線40を一行ずつ順に活性化し、走査線40に接続されたTFT39を一行分ずつオン状態とする。画素36のキャパシタに蓄積された電荷は、TFT39がオン状態になると信号線41に読み出されて、信号処理回路45に入力される。
信号処理回路45は、積分アンプ46、CDS回路(CDS)47、マルチプレクサ(MUX)48、およびA/D変換器(A/D)49等を備える。積分アンプ46は、各信号線41に対して個別に接続される。積分アンプ46は、オペアンプ46aとオペアンプ46aの入出力端子間に接続されたキャパシタ46bとからなり、信号線41はオペアンプ46aの一方の入力端子に接続される。オペアンプ46aのもう一方の入力端子はグランド(GND)に接続される。キャパシタ46bにはリセットスイッチ46cが並列に接続されている。積分アンプ46は、信号線41から入力される電荷を積算し、アナログ電圧信号V1〜Vmに変換して出力する。各列のオペアンプ46aの出力端子には、増幅器50、CDS47を介してMUX48が接続される。MUX48の出力側には、A/D49が接続される。
CDS47はサンプルホールド回路を有し、積分アンプ46の出力電圧信号に対して相関二重サンプリングを施してノイズを除去するとともに、サンプルホールド回路で積分アンプ46の出力電圧信号を所定期間保持(サンプルホールド)する。MUX48は、シフトレジスタ(図示せず)からの動作制御信号に基づき、パラレルに接続される各列のCDS47から順に一つのCDS47を電子スイッチで選択し、選択したCDS47から出力される電圧信号V1〜VmをシリアルにA/D49に入力する。A/D49は、入力された電圧信号V1〜Vmをデジタル電圧信号に変換して、電子カセッテ13に内蔵されるメモリ51またはAEC部52に出力する。なお、MUX48とA/D49の間に増幅器を接続してもよい。
MUX48によって積分アンプ46からの一行分の電圧信号V1〜Vmが読み出されると、制御部32は、積分アンプ46に対してリセットパルスRSTを出力し、リセットスイッチ46cをオンする。これにより、キャパシタ46bに蓄積された一行分の信号電荷が放電されてリセットされる。積分アンプ46をリセットした後、再度リセットスイッチ46cをオフして所定時間経過後にCDS47のサンプルホールド回路の一つをホールドし、積分アンプ46のkTCノイズ成分をサンプリングする。その後、ゲートドライバ42から次の行のゲートパルスが出力され、次の行の画素36の信号電荷の読み出しを開始させる。さらにゲートパルスが出力されて所定時間経過後に次の行の画素36の信号電荷をCDS47のもう一つのサンプルホールド回路でホールドする。これらの動作を順次繰り返して全行の画素36の信号電荷を読み出す。
全行の読み出しが完了すると、一画面分のX線画像を表す画像データがメモリ51に記録される。この画像データはメモリ51から読み出され、通信部30を通じてコンソール14に出力される。こうして被検体のX線画像が検出される。
フォトダイオード38の半導体層には、X線の入射の有無に関わらず暗電荷が発生する。この暗電荷はバイアス電圧が印加されているために画素36のキャパシタに蓄積される。画素36において発生する暗電荷は、画像データに対してはノイズ成分となるので、これを除去するために所定時間間隔でリセット動作が行われる。リセット動作は、画素36において発生する暗電荷を、信号線41を通じて掃き出す動作である。
リセット動作は、例えば、一行ずつ画素36をリセットする順次リセット方式で行われる。順次リセット方式では、信号電荷の読み出し動作と同様、ゲートドライバ42から走査線40に対してゲートパルスG1〜Gnを順次発生して、画素36のTFT39を一行ずつオン状態にする。TFT39がオン状態になっている間、画素36から暗電荷が信号線41を通じて積分アンプ46のキャパシタ46bに流れる。リセット動作では、読み出し動作と異なり、MUX48によるキャパシタ46bに蓄積された電荷の読み出しは行われず、各ゲートパルスG1〜Gnの発生と同期して、制御部32からリセットパルスRSTが出力されてリセットスイッチ46cがオンされ、キャパシタ46bに蓄積された電荷が放電されて積分アンプ46がリセットされる。
順次リセット方式に代えて、配列画素の複数行を一グループとしてグループ内で順次リセットを行い、グループ数分の行の暗電荷を同時に掃き出す並列リセット方式や、全行にゲートパルスを入れて全画素の暗電荷を同時に掃き出す全画素リセット方式を用いてもよい。並列リセット方式や全画素リセット方式によりリセット動作を高速化することができる。
FPD35は、上述のようにゲートドライバ42および走査線40により駆動されるTFT39が接続された通常の画素36の他に、複合画素58を同じ撮像面37内に複数備えている。複合画素58は撮像面37内の画素36の数ppm〜数%程度を占める。複合画素58は、二つのフォトダイオード59a、59b、およびTFT60a、60bを備える。フォトダイオード59a、59bは、二つ合わせて画素36のフォトダイオード38とほぼ同じ開口面積になる大きさを有し、フォトダイオード59aのほうがフォトダイオード59bよりも大きく形成されている。TFT60a、60bは、ドレイン電極がフォトダイオード59a、59bにそれぞれ接続され、ソース電極はともに信号線41に接続されている。一方ゲート電極は、TFT60aがTFT39と同様に走査線40に接続されているのに対し、TFT60bは走査線40とは別の走査線61に接続されている。走査線61はゲートドライバ42とは別のゲートドライバ62に接続されており、TFT60bはゲートドライバ62からのゲートパルスg1〜gnによりオンする。以下、フォトダイオード59aとTFT60aの組を主画素58a、フォトダイオード59bとTFT60bの組を副画素58bという。
副画素58bは、画素36および主画素58aとは独立して蓄積電荷を信号線41から読み出すことが可能である。リセット動作や読み出し動作では、ゲートドライバ42のゲートパルスと同期してゲートドライバ62から同じ行のゲートパルスを発する。こうすると主画素58aと副画素58bの蓄積電荷を足したものが信号線41に流れる。副画素58bは、撮像面37へのX線の到達線量を検出するために利用される画素であり、AECセンサとして機能する。
図4に示すように、複合画素58は、撮像面37内で局所的に偏ることなく撮像面37内に満遍なく散らばるよう、撮像面37の中心に関して左右対称な点線で示す波形の軌跡63に沿って設けられている。複合画素58は、同じ信号線41が接続された画素36の列に一個ずつ設けられ、複合画素58が設けられた列は、複合画素58が設けられない列を例えば二〜三列挟んで設けられる。複合画素58の位置はFPD35の製造時に既知であり、FPD35は全複合画素58の位置(座標)を不揮発性のメモリ(図示せず)に予め記憶している。なお、同じ列に複数個複合画素58を設けたり、本実施形態とは逆に複合画素58を局所に集中して配置してもよく、複合画素58の配置は適宜変更可能である。例えば***を撮影対象とするマンモグラフィ装置では胸壁側に集中して複合画素58を配置するとよい。
ゲートドライバ62からゲートパルスを発生してTFT60bをオンすると、複合画素58の副画素58bで発生した信号電荷は信号線41に読み出される。画素36および主画素58aとは別の駆動源であるため、同列にある画素36および主画素58aがTFT39、60aをオフ状態とされ、信号電荷を蓄積する蓄積動作中であっても副画素58bの信号電荷を読み出すことが可能である。このとき副画素58bが接続された信号線41上の積分アンプ46のキャパシタ46bには、副画素58bで発生した電荷が流入する。画素36および主画素58aの蓄積動作時、TFT60bがオンされて積分アンプ46に蓄積された副画素58bからの電荷は、所定のサンプリング周期でA/D49に出力される。
図5において、制御部32には、メモリ51のX線画像データに対してオフセット補正、感度補正、および欠陥補正の各種画像処理を施す回路65、66、67が設けられている。オフセット補正回路65は、X線を照射せずにFPD35から取得したオフセット補正画像をX線画像から画素単位で差し引くことで、信号処理回路45の個体差や撮影環境に起因する固定パターンノイズを除去する。
感度補正回路66はゲイン補正回路とも呼ばれ、複合画素58を含む各画素36のフォトダイオード38の感度のばらつきや信号処理回路45の出力特性のばらつき等を補正する。感度補正は被検体がいない状態で所定の線量のX線を照射して得た画像から上記オフセット補正画像を差し引いた画像を元に生成した感度補正データに基づき行う。感度補正データは、被検体がいない状態で所定の線量のX線を照射したときに、オフセット補正後のX線画像に乗算することで各画素出力が一律同じになるよう、基準値からのずれを補正する係数を画素毎にもつ。例えば画素Aの出力が基準の1であるのに対して画素Bの出力が0.8であった場合、画素Bの係数は1.25(1/0.8=1.25)となる。
欠陥補正回路67は、出荷時に添付される欠陥画素情報に基づき、欠陥画素の画素値を周囲の正常な画素の画素値で線形補間する。
オフセット補正画像、感度補正データは、例えば電子カセッテ13の出荷時に取得されるか、定期メンテナンス時にメーカのサービスマンが、あるいは病院の始業時間帯にオペレータが取得し、制御部32の内部メモリに記録されて補正時に読み出される。複合画素58のオフセット補正画像、感度補正データは、主画素58aと副画素58bに分けるのではなく複合画素58を一つの画素とみなして、一つの複合画素58に対して一つずつ割り当てられている。なお、上記の各種画像処理回路65〜67をコンソール14に設け、各種画像処理をコンソール14で行ってもよい。
制御部32には、各種画像処理回路65〜67の他に乗算回路68が設けられている。乗算回路68は、コンソール14から送られる撮影条件の採光野の情報に基づき、感度補正回路66から送られる採光野内の複合画素58の主画素58aの画像信号に、主画素58aと副画素58bを足し合わせた複合画素58トータルの開口面積と主画素58aの開口面積の比を乗算する。より具体的には、主画素58aと副画素58bの開口面積Sa、Sbとした場合、(Sa+Sb)/Saを乗算する。乗算回路68は、採光野外の複合画素58の画像信号に対しては稼働しない。
AEC部52は、制御部32により駆動制御される。AEC部52は、副画素58bが接続された信号線41からのデジタル電圧信号(以下、線量検出信号という)をA/D49から取得し、取得した線量検出信号に基づいてAECを行う。
図6において、AEC部52は、積分回路75、比較回路76、および閾値発生回路77を有する。積分回路75は、採光野内の副画素58bからの線量検出信号の平均値、最大値、最頻値、または合計値を積算する。比較回路76は、リセット動作を繰り返す待機モードから蓄積動作を開始する撮影モードに切り替わったときに積分回路75からの線量検出信号の積算値のモニタリングを開始する。そして、積算値と閾値発生回路77から与えられる照射停止閾値とを適宜のタイミングで比較する。積算値が閾値に達したとき、比較回路77は照射停止信号を出力する。
通信部30には、照射信号I/F78が設けられている。照射信号I/F78には線源制御装置11の照射信号I/F25が接続される。照射信号I/F78は、問い合わせ信号の受信、問い合わせ信号に対する照射許可信号の送信、照射開始信号の受信、比較回路76の出力、すなわち照射停止信号の送信を行う。
図7に示すように、コンソール14では入力デバイス14aにより撮影部位毎に撮影条件を設定可能である。撮影条件には、管電圧、管電流、採光野、および副画素58bの線量検出信号の積算値と比較してX線の照射停止を判断するための照射停止閾値等が記憶されている。撮影条件の情報はストレージデバイスに格納されており、入力デバイス14aで指定された撮影部位に対応する撮影条件がストレージデバイスから読み出されて電子カセッテ13に提供される。線源制御装置11の撮影条件は、オペレータがこのコンソール14の撮影条件を参照して同様の撮影条件を手動設定する。
採光野はAECに用いる複合画素58の領域を示し、診断時に最も注目すべき関心領域にあたり、且つ線量検出信号を安定して得られる部分が撮影部位毎に設定されている。例えば撮影部位が胸部の場合は、図4に点線で囲んだa、bで示すように左右の肺野の部分が採光野として設定されている。採光野はxy座標で表されており、本例のように採光野が矩形の場合は例えば対角線で結ぶ二点のxy座標が記憶されている。xy座標は、電子カセッテ13の複合画素58も含む画素36の撮像面37内における位置と対応しており、走査線40に平行な方向をx軸、信号線41に平行な方向をy軸とし、左上の画素の座標を原点(0、0)において表現する。
図8において、撮影前、FPD35は、画素36、複合画素58の別なくリセット動作を繰り返し実行する待機モードで動作している。照射開始信号を照射信号I/F78で受信したとき、制御部32は、FPD35にリセット動作を終えさせて蓄積動作を開始させ、待機モードから撮影モードに切り替える。ただし、撮影条件で設定された採光野内にある複合画素58の副画素58bに限っては、TFT60bをオンして線量検出信号を出力させる線量検出動作を開始させる。
AEC部52の比較回路76で線量検出信号の積算値が閾値に達したと判断したとき、制御部32は、画素36、採光野外の複合画素58、採光野内の複合画素58に関わらずFPD35の動作を蓄積動作から読み出し動作へ移行させる。これにて一回の撮影が終了する。FPD35は待機モードに戻る。
ただしこうすると、採光野外の複合画素58は主画素58aと副画素58bともにX線の到達線量に応じた電荷が蓄積されて読み出し動作で通常の画素36と同等の電圧信号が出力されるが、採光野内の複合画素58から読み出し動作で出力される電圧信号には、副画素58bの蓄積電荷はAECのために線量検出信号として出力してしまっているので主画素58aに生じた電荷しか反映されない。従って通常の画素36の場合よりも副画素58bの分だけ値が減少する。そこで、X線照射停止後の読み出し動作で採光野内の複合画素58の主画素58aから出力される画像信号に、面積比(Sa+Sb)/Saを乗算回路68で乗算して補正する。例えばSa:Sb=4:1(主画素58aの開口面積が副画素58bの四倍)であった場合、採光野内の主画素58aから出力される画像信号を(4+1)/4=1.25倍する。採光野外の複合画素58はもちろん、採光野内の複合画素58もX線画像の生成に役立てることができる。
次に、図9のフローチャートを参照して、X線撮影システム2においてX線撮影を行う場合の手順を説明する。まず、被検体を立位撮影台15の前の所定の位置に立たせるか臥位撮影台16に仰臥させ、立位または臥位のいずれかの撮影台15、16にセットされた電子カセッテ13の高さや水平位置を調節して、被検体の撮影部位と位置を合わせる。また、電子カセッテ13の位置および撮影部位の大きさに応じて、X線源10の高さや水平位置、照射野の大きさを調整する。次いで線源制御装置11とコンソール14に撮影条件を設定する。
ステップ10(S10)において、X線撮影前の待機モードでは、制御部32はFPD35にリセット動作を繰り返し行わせている。照射スイッチ12が二段階押しされて線源制御装置11から照射開始信号が出力され、これが照射信号I/F78で受信されると(S11でYES)、画素36、採光野外の複合画素58の主画素58aと副画素58b、および採光野内の複合画素58の主画素58aがリセット動作から蓄積動作に移行され、撮影モードに切り替えられる。一方採光野内の複合画素58の副画素58bはTFT60bがオンされて線量検出動作に移行される(S12)。
X線源10によるX線の照射に伴い発生した電荷は、画素36、採光野外の複合画素58、および採光野内の複合画素58の主画素58aの場合はフォトダイオード38、59a、59bに蓄積され、採光野内の複合画素58の副画素58bの場合は信号線41を通じて積分アンプ46に流れ込み、線量検出信号として積分アンプ46から所定のサンプリング周期でA/D49、AEC部52に出力される。
採光野内の副画素58bからの線量検出信号はAEC部52の積分回路75に出力され、積分回路75で積算される(S13)。閾値発生回路77は、コンソール14から与えられた照射停止閾値を発生し、これを比較回路76に出力する。比較回路76は、積分回路75からの線量検出信号の積算値と閾値発生回路77からの照射停止閾値とを比較(S14)し、積算値が閾値に達したとき(S15でYES)に照射停止信号を出力する。照射停止信号は照射信号I/F78を介して線源制御装置11の照射信号I/F25に向けて送信される。また、FPD35の動作が蓄積動作から読み出し動作に移行される(S16)。
照射信号I/F25で照射停止信号を受けると、線源制御装置11では、制御部21により高電圧発生器20からX線源10への電力供給が停止され、これによりX線の照射が停止される。
制御部32の各種画像処理回路65〜67によりメモリ51のX線画像データに対して各種画像処理が行われる。このとき、採光野の情報に基づき、採光野内の複合画素58にあたる画像信号に対して(Sa+Sb)/Saが乗算回路68で乗算されて補正される。採光野外の複合画素58の画像信号は乗算回路68を素通りする。こうして一枚分のX線画像が生成される(S17)。X線画像は通信部30を介してコンソール14に有線または無線送信され、ディスプレイ14bに表示されて診断に供される。
以上説明したように、本発明によれば、副画素58bの出力をAECに利用した場合、その複合画素58の画像信号に面積比を乗算して補正し、X線画像の生成に用いるので、副画素58bの出力をAECに利用することによる画質劣化を防ぐことができる。画像信号に面積比を乗算するだけで補正が済むので大掛かりな構成がいらず簡便である。
採光野外の複合画素58の副画素58bにも電荷を蓄積させて画像生成に役立てるので、複合画素58を配したことによる画質劣化はほとんどないといってもいい。
採光野の情報に応じて乗算回路68の稼働を動的に変更するので、採光野内、外の複合画素58からの画像信号に対してそれぞれ的確な補正を施すことができ、採光野内、外の差がほとんどない画質が均一なX線画像を生成することが可能となる。
なお、上記実施形態の面積比の代わりに、主画素58aと副画素58bを合わせた複合画素58全体の出力と主画素58aの出力の比を採光野内の主画素58aの画像信号に乗算して補正してもよい。感度補正データを取得するときと同じ要領で、被検体がいない状態で所定の線量のX線を照射し、そのときの主画素58aと副画素58bの出力電圧信号Va、Vbを元に出力比を算出する。具体的には(Va+Vb)/Vaを採光野内の主画素58aの画像信号に乗算する。なお、出力比は全複合画素58の平均値や最頻値でもよいし、複合画素58毎に出力比を算出してその結果を複合画素58の位置情報とともにストックしておき、採光野の情報と照合して当該複合画素58に対応した出力比を読み出してもよい。
上記実施形態では、撮影条件に予め採光野を記憶させているが、線量検出信号をモニタすることで採光野やその他の領域を特定してもよい。この場合、図10に示す採光野選択回路80をAEC部52の積分回路75の前段に設ける。採光野選択回路80は、撮像面37内の全複合画素58のうち、どの複合画素58の副画素58bの線量検出信号をAECに用いるかを選択する。撮影開始前はどの副画素58bをAECに用いるかは不定であり、照射開始信号の受信後、全複合画素58の副画素58bが線量検出動作に移行する。採光野選択回路80には全複合画素58の副画素58bの線量検出信号が出力される。
採光野選択回路80は、照射野特定部81、被検体領域特定部82、および採光野領域特定部83を備えている。照射野特定部81は、照射野限定器の照射開口、および撮像面37からX線原10のX線管の焦点までの距離SID(Source Image Distance)で決まる撮像面37上のX線の照射野を特定する。具体的には、線量検出信号と閾値th0を比較することにより照射野を特定する。X線が当たらない非照射野は線量検出信号がほぼゼロとなるため、閾値th0にはゼロに近い値を設定する。そして、線量検出信号が閾値th0以下の領域を非照射と特定し、残りの領域を照射野と特定する。照射野特定部81は、副画素58bから出力される線量検出信号のうち、照射野に存在する副画素58bの線量検出信号をピックアップする。言い換えれば、非照射野の部分に存在する副画素58bを採光野の候補から除外する。
被検体領域特定部82は、照射野に存在する副画素58bから出力される線量検出信号のうち、被検体を透過したX線が照射される被検体領域に存在する副画素58bの線量検出信号をピックアップする。つまり被検体を透過せずにX線が直接入射する素抜け領域に存在する副画素58bを採光野の候補から除外する。
被検体領域特定部82は、線量検出信号と閾値th1を比較することにより被検体領域を特定する。閾値th1は、例えばNDD法(Numerical Dose Determination method)による面積線量計算式を用いて求められる。高電圧発生器20の整流方式(インバータ、単相、三相)に応じて決定される定数をT、管電圧補正係数をC_kV、X線源10に設置する各種フィルタの厚さに対する管電圧の補正係数をC_Fil、管電流照射時間積をmAs、後方散乱補正係数をBSF、撮像面37上のX線の照射野をAREAとした場合、面積線量Dは、
D=T×C_kV×C_Fil×mAs×(1/SID)×BSF×AREA ・・・式(1)
を計算することで求められる。上記T、C_kV等はコンソール14のストレージデバイスにデータテーブル形式で格納されており、X線源10や高電圧発生器20の仕様に応じた値をストレージデバイスから読み出して閾値th1を計算し、これを電子カセッテ13に提供する。
被検体領域特定部82は、線量検出信号が閾値th1以上の副画素58bを素抜け領域に存在する副画素58bと特定し、それ以外を被検体領域に存在するものと特定する。もしくは、線量検出信号が閾値th1を中心値とする所定の範囲(閾値th1±α)に収まる副画素58bを素抜け領域に存在する副画素58bと特定してもよい。こうして、照射野特定部81および被検体領域特定部82により、全複合画素58の副画素58bのうち、非照射野および素抜け領域に存在する副画素58bを採光野の候補から除外する。
採光野領域特定部83は、閾値th2と、照射野かつ被検体領域に存在する副画素58bからの線量検出信号の大小を比較する。閾値th2は、採光野内に到達するであろうX線の線量であり、被検体として典型的な成人男性の体型に基づき予め実験やシミュレーションにより求められる。閾値th2は例えばコンソール14のストレージデバイスに撮影条件とともに記憶されており、設定された撮影部位に応じて値が変更される。採光野領域特定部83は、線量検出信号が閾値th2を中心値とする所定の範囲(閾値th2±α)に収まる副画素58bを所望の採光野領域に存在する副画素58bと特定する。これらの照射野、被検体領域、および採光野領域の特定(非照射野および素抜け領域の採光野の候補からの除外)は線量検出動作で送られてくる副画素58bからの線量検出信号に対してリアルタイムで行う。採光野選択回路80は、各特定部81、82、83で採光野領域に存在すると特定した副画素58bの線量検出信号を最終的に積分回路75に出力する。
なお、図10では、胸部を撮影した際、撮像面37の両端の非照射野の部分の副画素58bの線量検出信号を照射野特定部81で除外し、さらに被検体の腕と胴の間の素抜け領域の副画素58bの線量検出信号を被検体領域特定部82で除外し、最後に採光野領域特定部83で採光野領域である左右の肺野に存在する副画素58bを特定する様子を示している。
採光野選択回路80の各特定部81、82、83で照射野、被検体領域、および採光野領域を特定するタイミングとしては、図11に示すようにX線の照射が開始されて撮像面37へのX線の到達線量が増加している期間Ta、またはX線源10の駆動が安定化し、到達線量が飽和して一定値に落ち着いてからの期間Tbのいずれでもよい。期間Ta、Tbとも各領域の到達線量の変化の仕方は違うので、いずれの期間でも問題なく各領域を特定することが可能である。
到達線量が増加している期間Taに各領域を特定する場合は、線量検出信号の値が比較的小さいためにノイズの影響を受けやすいが、X線の照射開始とほぼ同時に各領域の特定を終えることができ、スムーズにAECの予想時間の算出に移ることができる。
到達線量が飽和してからの期間Tbに各領域を特定する場合は、前回のサンプリングで得た線量検出信号を一時的に記憶しておき、今回得た線量検出信号と比較する。そして、前回と今回の線量検出信号が等しくなったら到達線量が飽和したと判断し、各領域の特定を開始する。到達線量が飽和するまで待つ分時間は掛かるが、期間Tbでは期間Taよりも線量検出信号の出力が安定してS/Nがよいので、各領域の特定結果への信頼性を高めることができる。
期間Taに各領域を特定する場合と期間Tbに各領域を特定する場合とでは、非照射野領域を特定するための閾値th0、素抜け領域を特定するための閾値th1、および採光野領域を特定するための閾値th2は当然異なる値が設定され、二点鎖線で示すように期間Taに各領域を特定する場合のほうが一点鎖線で示す期間Tbに各領域を特定する場合よりも設定される値は低くなる。
採光野選択回路80で採光野領域に存在すると特定した以外の領域の副画素58bは、各領域の特定後も線量検出動作を続行する。従ってこの場合は採光野内、外に関わらず、全ての複合画素58の主画素58aからの画像信号に乗算回路68で面積比または出力比を乗算して補正する。
あるいは図12に示すように、各領域の特定後、採光野外の副画素58bのTFT60bをオフして線量検出動作から直ちに蓄積動作に移行させてもよい。期間Taに各領域を特定する場合は、採光野外の副画素58bの線量検出動作による電荷ロスは微々たるものであるため、特に補正はせずに上記実施形態の採光野外の複合画素58と同等に扱ってもよい。もちろん、主画素58aと副画素58bの蓄積電荷を別々のタイミングで読み出すようにし、画素36および主画素58aの画像信号の電荷蓄積時間Tcと、各領域を特定して線量検出動作から蓄積動作に移行し、読み出し動作を開始するまでの時間、すなわち採光野外の副画素58bの画像信号の電荷蓄積時間Tdを制御部32で計時し、乗算回路68で採光野外の副画素58bの画像信号にTc/Tdを乗算して、電荷ロスを厳密に補正してもよい。期間Tbに各領域を特定する場合は電荷ロスは無視できない大きさになるため、乗算回路68で採光野外の副画素58bの電圧信号にTc/Tdを乗算して補正する。そして、補正後の副画素58bの画像信号と主画素58aの画像信号を加算してその複合画素58の画像信号とする。
前述のように、感度補正はX線画像の各画素値に係数を掛ける処理であるため、乗算回路68で採光野内の主画素58aの画像信号に面積比や出力比を乗算するのとやっていることは同じである。そこで、採光野内の複合画素58にあたる感度補正データの係数に面積比または出力比を乗算し、感度補正と上記実施形態の乗算回路68による補正を同時に済ませてもよい。こうすれば乗算回路68が必要なくなり、さらにコストを安くすることができる。
また、複合画素58の係数に面積比または出力比を乗算していない第一の感度補正データと、複合画素58の係数に面積比または出力比を乗算した第二の感度補正データの二種類を用意し、採光野の情報に応じて、採光野外の複合画素58の場合は第一、採光野内の場合は第二の感度補正データに切り替えるといった処理をしてもよい。
なお、X線撮影システムには、上記実施形態のように線源制御装置11と電子カセッテ13の間に通信機能がないものもある。この場合は図13に示すように、AEC部52の代わりに照射開始検出部85を設け、該検出部85で線量検出信号を元にX線の照射開始を検出してもよい。X線の照射開始を検出するときには、コンソール14に撮影条件を設定したときに画素36をリセット動作から蓄積動作、複合画素58の副画素58bをリセット動作から線量検出動作にそれぞれ移行させ、照射開始検出部85で線量検出信号の検出を開始する。線量検出信号を積算して予め設定された照射開始閾値と比較し、積算値が照射開始閾値に達したらX線の照射開始と判断する。照射開始と判断したら画素36および主画素58aに蓄積動作を開始させる。副画素58bには線量検出動作を続行させる。
上の説明からも分かるように、照射開始検出部85は、線量検出信号の積算値と比較する閾値が異なるだけで、基本的な構成はAEC部52と同じである。照射開始検出部85は、素抜け領域に存在する複合画素58の副画素58bからの線量検出信号をX線の照射開始の判断に用いる。素抜け領域は被検体領域よりもX線の到達線量が多く、到達線量の単位時間当たりの変化量も大きいため、X線の照射開始を判断するのに十分なS/Nの線量検出信号を短時間で得ることができる。従って正確かつ迅速な判断が可能となる。
素抜け領域の特定は、オペレータの手動入力に頼ってもよいし、図10の被検体領域特定部82を用いてもよい。あるいは、とにかく最大値を示す線量検出信号をX線の照射開始の判断に用いてもよい。この場合は素抜け領域の特定を行わない分、判断に掛かる時間を短縮化することができる。
X線の照射開始を検出する代わりに、あるいは加えて、線量検出信号と閾値との比較結果に基づきX線の照射終了を検出してもよい。この場合はX線の照射終了を検出したら、制御部32はFPD35を蓄積動作から読み出し動作に移行させる。
また、線量検出信号をX線の照射開始または終了検出、AECに用いる他に、線量検出信号に基づき読み出し動作時の積分アンプのゲインを切り替えてもよい。この場合は図14に示すように、積分アンプ46に代えてゲイン可変型の積分アンプ90を用いる。
図14において、積分アンプ90は、積分アンプ46と同様にオペアンプ90aとリセットスイッチ90cとを備える。オペアンプ90aの入出力端子間には、二つのキャパシタ90b、90dが接続され、キャパシタ90dにはゲイン切替スイッチ90eが接続されている。ゲイン切替スイッチ90eがオンのとき、積分アンプからの出力電圧信号VはV=q/(C1+C2)、ゲイン切替スイッチ90eがオフのときはV=q/C1となる。ただしqは蓄積電荷、C1、C2はそれぞれキャパシタ90b、90dの容量である。このようにゲイン切替スイッチ90eのオン/オフを切り替えることで、積分アンプ90のゲインを変化させることができる。なお、ここではキャパシタを二個接続して二段階でゲインを切り替える例を示すが、キャパシタを二個以上接続して、あるいはキャパシタに容量可変コンデンサを用い、ゲインを二段階以上変化可能に構成することが好ましい。
ゲイン設定部91は、AEC部52や照射開始検出部85の代わりにFPD35に設けられる。ゲイン設定部91は、FPD35が蓄積動作を開始したときに動作し、読み出し動作時のゲイン切替スイッチ90eの動作を制御する。ゲイン設定部91には、信号処理回路45から定期的に線量検出信号が入力される。ゲイン設定部91は、線量検出信号が飽和しないよう、線量検出信号を出力するときは積分アンプ90のゲインを最小値に設定する。本例の場合はゲイン切替スイッチ90eをオンさせる。
ゲイン設定部91は、AECの場合と同様に、採光野内の複合画素58の副画素58bからの線量検出信号の合計値、平均値、最大値、または最頻値を所定回数積算し、その積算値と予め設定された閾値とを比較する。積算値が閾値よりも大きい場合、ゲイン設定部91は、読み出し動作時にゲイン切替スイッチ90eをオンさせる。一方、撮像面37の採光野にあたる部分への到達累積線量が低く積算値が閾値以下であった場合は、読み出し動作時にゲイン切替スイッチ90eをオフさせて積分アンプ90のゲインを高くする。より具体的には、採光野の出力電圧信号Vの最大値および最小値がA/D変換のレンジの最大値および最小値に合うよう積分アンプ90のゲインを設定する。
X線の累積線量を低く設定した撮影では電圧信号Vの最大値と最小値の幅がA/D変換のレンジに対して狭く、こうした場合に得られるX線画像はノイズが目立つ不鮮明なものとなってしまうが、上記のように採光野にあたる部分への到達累積線量が低いときに積分アンプのゲインを高くすれば、ノイズが目立たない良好な画質のX線画像を得ることができる。このためX線源に設定する照射線量を抑制することができ、結果として患者の被曝線量を少なくすることができるという特段の効果が得られる。また、AECの照射停止閾値を低く設定しておいて早めにX線の照射を停止させ、足りない分は積分アンプのゲインを高くして補うことも可能であり、こうした場合も患者の被曝線量を低減することができる。
ゲイン可変型の積分アンプを用いる場合、ゲイン設定部で積分アンプのゲインを調整して上記実施形態の乗算回路68による補正を代わりに行ってもよい。具体的には、読み出し動作時に採光野内の複合画素58の主画素58aからの電荷を積分アンプで積算する際に、面積比または出力比に相当するゲインとなるよう積分アンプのゲインを調整する。感度補正データの係数に面積比または出力比を織り込む場合と同様に、乗算回路68を省ける分低コスト化することができる。
図10の採光野選択回路80を用いて各領域を特定した後、図12のように採光野外の副画素58bのTFT60bをオフして線量検出動作から直ちに蓄積動作に移行させる場合、乗算回路68で採光野外の副画素58bの画像信号にTc/Tdを乗算する代わりに、ゲイン可変型の積分アンプのゲインをTc/Tdに応じた値に設定してもよい。また、段落[0098]で説明したのと同様に、感度補正データの係数にTc/Tdを織り込んでもよい。
なお、X線の照射開始または終了検出、AEC、および積分アンプのゲイン設定を複合して行ってもよい。これらの機能のいずれを実行するかをオペレータが設定可能に構成してもよい。どの機能も実行しない選択がされた場合は、全複合画素58を通常の画素36として扱う。この場合、当然乗算回路68は稼働しない。
上記実施形態では、AEC等に使用する画素として複合画素58の副画素58bを例示しているが、開口面積が同じ隣接する複数の画素をビニング(画素加算)する構成についても本発明は上記実施形態と同様に適用可能である。例えば図15に示すように、隣接する九個の画素100を一つの画素と見なしてビニングする構成で、太枠で示す六個の画素100aを上記実施形態の主画素58aと同様画像検出に用い、ハッチングで示す三個の画素100bを副画素58bと同様にAEC等に使用する場合、六個の画素100aの画像信号を1.5倍(面積比の場合)して補正する。
ビニングを実行することで、その後の画像処理で取り扱う画像データのデータ容量を大幅に削減することができ処理を高速化することができる。また、複数の画素を一つの画素と見なすので、FPDの見かけ上の感度も向上する。このため低線量で連続的に複数回撮影を行う動画撮影等に好適である。
なお、ビニングには上記実施形態のようにFPD(ゲートドライバ)の動作を制御して隣接する複数の画素の電荷を一度に信号線に読み出して加算するハードウェアビニングと、デジタル変換後の画像信号を加算するソフトウェアビニングとがあるが、本発明はどちらにも適用することができる。
上記実施形態では、コンソール14と電子カセッテ13が別体である例で説明したが、コンソール14は独立した装置である必要はなく、電子カセッテ13にコンソール14の機能を搭載してもよい。同様に線源制御装置11とコンソール14を一体化した装置としてもよい。また、可搬型のX線画像検出装置である電子カセッテに限らず、撮影台に据え付けるタイプのX線画像検出装置に適用してもよい。
さらに本発明は、X線に限らず、γ線等の他の放射線を使用する撮影システムにも適用することができる。
2 X線撮影システム
10 X線源
11 線源制御装置
13 電子カセッテ
14 コンソール
14a 入力デバイス
30 通信部
32 制御部
35 FPD
36、100、100a、100b 画素
39、60a、60b TFT
40、61 走査線
41 信号線
42、62 ゲートドライバ
46、90 積分アンプ
52 AEC部
58 複合画素
58a、58b 主画素、副画素
66 感度補正回路
68 乗算回路
76 比較回路
78 照射信号I/F
80 採光野選択回路
85 照射開始検出部
91 ゲイン設定部

Claims (24)

  1. 放射線源から照射された放射線の到達線量に応じた電荷を蓄積し、隣接する複数の画素を、電荷を別々に信号線に読み出すことが可能な主画素と副画素に分けて一つの画素と見なした複合画素を含む画素が配列された検出パネルと、
    前記副画素の蓄積電荷に基づく電圧信号である線量検出信号の積算値と予め設定された閾値との比較結果に応じて前記検出パネルの動作を制御する制御手段であり、
    放射線の照射中は前記複合画素以外の画素および前記主画素に電荷を蓄積させるとともに前記副画素から定期的に線量検出信号を読み出し、放射線の照射終了後に前記複合画素および前記複合画素以外の画素の全画素から蓄積電荷に基づく電圧信号である画像信号を読み出す制御手段と、
    前記複合画素の画像信号が前記複合画素以外の画素から出力されたと同じになるように補正する第一補正手段とを備え、
    前記複合画素以外の画素の画像信号および前記第一補正手段で補正された前記複合画素の画像信号を元に放射線画像を生成することを特徴とする放射線画像検出装置。
  2. 前記第一補正手段は、前記主画素と前記副画素を合わせた前記複合画素のトータルの開口面積と前記主画素の開口面積の比、あるいは、ある条件下で照射された放射線に対する前記主画素と前記副画素を合わせた前記複合画素のトータルの出力と前記主画素の出力の比を前記主画素の画像信号に乗算することを特徴とする請求項1に記載の放射線画像検出装置。
  3. 前記信号線を介して入力された電荷を積算してアナログ電圧信号に変換するゲイン可変型の積分アンプを備え、
    前記第一補正手段は、前記主画素の画像信号を読み出す際の前記積分アンプのゲインを、前記主画素と前記副画素を合わせた前記複合画素のトータルの開口面積と前記主画素の開口面積の比、あるいはある条件下で照射された放射線に対する前記主画素と前記副画素を合わせた前記複合画素のトータルの出力と前記主画素の出力の比に応じた値に設定することを特徴とする請求項1に記載の放射線画像検出装置。
  4. 被検体がいない状態で放射線を照射して前記検出パネルから読み出した画像を元に生成した感度補正データに基づき、前記検出パネルの各部の特性ばらつきを補正する感度補正手段を備え、
    前記第一補正手段は、前記主画素と前記副画素を合わせた前記複合画素のトータルの開口面積と前記主画素の開口面積の比、あるいはある条件下で照射された放射線に対する前記主画素と前記副画素を合わせた前記複合画素のトータルの出力と前記主画素の出力の比を前記感度補正データの前記複合画素の部分に織り込むことを特徴とする請求項1に記載の放射線画像検出装置。
  5. 前記副画素から線量検出信号を出力する前記複合画素を選択する選択手段を備え、
    前記第一補正手段は、前記選択手段で選択された前記複合画素の前記主画素の画像信号に対してのみ稼働することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の放射線画像検出装置。
  6. 前記制御手段は、前記選択手段で選択されなかった前記複合画素の前記副画素を前記複合画素以外の画素および前記主画素と同様に扱うことを特徴とする請求項5に記載の放射線画像検出装置。
  7. 被検体がいない状態で放射線を照射して前記検出パネルから読み出した画像を元に生成した感度補正データに基づき、前記検出パネルの各部の特性ばらつきを補正する感度補正手段を備え、
    前記主画素と前記副画素を合わせた前記複合画素のトータルの開口面積と前記主画素の開口面積の比、あるいはある条件下で照射された放射線に対する前記主画素と前記副画素を合わせた前記複合画素のトータルの出力と前記主画素の出力の比を織り込まない第一の感度補正データと、織り込んだ第二の感度補正データとを用意し、
    前記第一補正手段は、前記選択手段で選択されなかった前記複合画素の前記主画素の画像信号には前記第一の感度補正データを適用し、前記選択手段で選択された前記複合画素の前記主画素の画像信号には前記第二の感度補正データを適用することを特徴とする請求項5または6に記載の放射線画像検出装置。
  8. 前記選択手段は、前記副画素から線量検出信号を出力する前記複合画素の手動入力を受け付けることを特徴とする請求項5ないし7のいずれか一項に記載の放射線画像検出装置。
  9. 前記副画素から線量検出信号を出力する前記複合画素を撮影部位毎に記憶する記憶手段を備え、
    前記選択手段で撮影部位を指定することを特徴とする請求項8に記載の放射線画像検出装置。
  10. 前記選択手段は、線量検出信号の積算値と予め設定された閾値とを比較し、該比較結果に基づき放射線が被検体を透過せずに前記検出パネルに直接照射される素抜け領域、または診断時に最も注目すべき関心領域のうちの少なくともいずれかを特定し、特定した領域に存在する前記複合画素を選択することを特徴とする請求項5ないし7のいずれか一項に記載の放射線画像検出装置。
  11. 前記選択手段は、放射線源から放射線の照射が開始された直後で前記到達線量が増加している期間に領域を特定することを特徴とする請求項10に記載の放射線画像検出装置。
  12. 前記選択手段は、前記到達線量が一定の値になってから領域を特定することを特徴とする請求項10に記載の放射線撮影システム。
  13. 前記制御手段は、前記選択手段による領域の特定後、前記選択手段で選択されなかった前記複合画素の前記副画素に電荷を蓄積させることを特徴とする請求項10ないし12のいずれか一項に記載の放射線画像検出装置。
  14. 前記選択手段で選択されなかった前記複合画素の前記副画素の画像信号が、放射線の照射が開始された直後に電荷を蓄積させた場合と同じになるように補正する第二補正手段を備えることを特徴とする請求項13に記載の放射線画像検出装置。
  15. 放射線源の制御装置と通信する通信手段と、
    線量検出信号の積算値と予め設定された閾値とを比較し、該比較結果に基づき前記到達線量の累積値が目標値に達したか否かを判断する自動露出制御手段とを備え、
    前記通信手段は、前記自動露出制御手段で前記到達線量の累積値が目標値に達したと判断したとき、放射線源による放射線の照射を停止させるための照射停止信号を放射線源の制御装置に送信することを特徴とする請求項1ないし14のいずれか一項に記載の放射線画像検出装置。
  16. 診断時に最も注目すべき関心領域に存在する前記複合画素が前記副画素から線量検出信号を出力する複合画素として選択されることを特徴とする請求項15に記載の放射線画像検出装置。
  17. 線量検出信号の積算値と予め設定された閾値とを比較し、該比較結果に基づき放射線源からの放射線の照射が開始および/または終了されたことを検出する照射開始および/または終了検出手段を備えることを特徴とする請求項1ないし16のいずれか一項に記載の放射線画像検出装置。
  18. 放射線が被検体を透過せずに前記検出パネルに直接照射される素抜け領域に存在する前記複合画素が前記副画素から線量検出信号を出力する複合画素として選択されることを特徴とする請求項17に記載の放射線画像検出装置。
  19. 前記信号線を介して入力された電荷を積算してアナログ電圧信号に変換するゲイン可変型の積分アンプと、
    線量検出信号の積算値と予め設定された閾値とを比較し、該比較結果に基づき画像信号を読み出すときの前記積分アンプのゲインを設定するゲイン設定手段とを備えることを特徴とする請求項1ないし18のいずれか一項に記載の放射線画像検出装置。
  20. 診断時に最も注目すべき関心領域に存在する前記複合画素が前記副画素から線量検出信号を出力する複合画素として選択されることを特徴とする請求項19に記載の放射線画像検出装置。
  21. 前記主画素は前記副画素よりも開口面積が大きく、前記主画素と前記副画素を合わせた前記複合画素のトータルの開口面積は前記複合画素以外の画素のそれとほぼ等しいことを特徴とする請求項1ないし20のいずれか一項に記載の放射線画像検出装置。
  22. 前記複合画素は開口面積が同じ複数の画素から構成されていることを特徴とする請求項1ないし20のいずれか一項に記載の放射線画像検出装置。
  23. 前記検出パネルが可搬型の筐体に収納された電子カセッテであることを特徴とする請求項1ないし22のいずれか一項に記載の放射線画像検出装置。
  24. 放射線源から照射された放射線の到達線量に応じた電荷を蓄積し、隣接する複数の画素を、電荷を別々に信号線に読み出すことが可能な主画素と副画素に分けて一つの画素と見なした複合画素を含む画素が配列された検出パネルを備える放射線画像検出装置の駆動方法であって、
    前記副画素の蓄積電荷に基づく電圧信号である線量検出信号の積算値と予め設定された閾値との比較結果に応じて前記検出パネルの動作を制御する制御ステップであり、
    放射線の照射中は前記複合画素以外の画素および前記主画素に電荷を蓄積させるとともに前記副画素から定期的に線量検出信号を読み出し、放射線の照射終了後に前記複合画素および前記複合画素以外の画素の全画素から蓄積電荷に基づく電圧信号である画像信号を読み出す制御ステップと、
    前記複合画素の画像信号が前記複合画素以外の画素から出力されたと同じになるように補正する補正ステップと、
    前記複合画素以外の画素の画像信号および前記第一補正手段で補正された前記複合画素の画像信号を元に放射線画像を生成する画像生成ステップとを備えることを特徴とする放射線画像検出装置の駆動方法。
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