JP5892295B2 - 粉末油脂組成物およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、難消化性デキストリンおよびカゼイン塩を含有し、風味、食感、流動性、水への分散性に優れると共に、作業性および使用性が良好な粉末油脂組成物、その製造方法及び、それを含有する飲食品に関する。また、難消化性デキストリンおよびカゼイン塩を有効成分とする粉末油脂化基材、及びそれを用いた粉末油脂組成物からの油脂の染み出しの抑制方法にも関する。
油脂加工食品を製造する場合、取扱い性、作業性、種々の食品形態の多様化への対応のし易さの観点から、油脂そのものを用いるだけでなく、粉末化した油脂を用いたいという要望がある。このため、従来から、主にトリグリセリドを対象とした油脂に関する粉末化技術が多数開示されている。
油脂を粉末化するための基材としては、カゼイン塩、ゼラチン、脱脂粉乳などのタンパク質、デキストリン、乳糖、還元麦芽糖などの炭水化物、および、微結晶セルロースなどの繊維質が知られている(特許文献1)。
しかし、上記のような種々の粉末化基材が検討されてきているものの、実際には粉末油脂の流動性を高めると水への分散性が悪くなることや、油脂含量が多くすると得られた粉末油脂からの油脂の染み出しが生じることなどから、作業性および使用性が良くない場合が見られた。そのため、食品原料としての作業性と使用性を考えた場合には、これまでのように単に粉末化基材に包含させるのみではなく、油脂分を封じ込める更なる技術の開発が望まれていた。
粉末油脂の流動性を得るためには、油脂の染み出しを防ぐべく蛋白質で被膜を強固にする必要があるが、それでは水への分散性が悪くなる。その一方で、水への分散性を高めたい場合には、蛋白質を出来るだけ少量にする必要があるが、それでは油脂の染み出しが多くなる。また、蛋白質で油脂の水への親和力を高めた場合には、油脂の染み出しは減少するが、保存中に吸湿しやすく、ブロッキングを起こし、水への分散性が悪くなる。このように、粉末油脂の流動性と油脂の染み出しに対する水への分散性は相反するものである。
これまで粉末化基材として用いているデキストリンに対して、高分岐環状デキストリンをスプレードライ法より得られる粉末油脂に使用し、流動性と水への分散性を持たせた技術がある(特許文献2)。さらに、高分岐環状デキストリンを用いた粉末油脂で、上記特性に加え、酸化安定性と風味の維持に優れた粉末油脂を得る技術がある(特許文献3)。
一方、これらの分岐デキストリンとは異なる分岐構造をもつデキストリンとして、難消化性デキストリンが知られている。なお、この難消化性デキストリンとは、デキストリンが生体内ではアミラーゼによってマルトースに分解され、最終的にグルコースとなるが、一部、アミラーゼによって分解しにくい成分があり、これを精製して得られるものである。
難消化性デキストリンは、非消化性の水溶性食物繊維の1種であることから、多様な飲食品に配合されて使用されており、ケール乾燥粉末の造粒物の製造における結合剤として用いられたことは知られている(特許文献4)。しかし、これは粉末油脂の結合剤として使われたものではなく、植物(ケール)の粉末化に使用されただけであり、本発明とは関係がないものである。
本発明は、難消化性デキストリンおよびカゼイン塩を含む粉末油脂に使用した場合に、流動性、水への分散性、作業性および使用性に優れた点を見出したものであり、それに関する報告はこれまでにない。
特開昭50−110403号公報 特開2003−49190号公報 特許第3865294号公報 特開2003−250479号公報
本発明の課題は、粉末油脂組成物において油脂の染み出しがなく、風味、食感、流動性、水への分散性に優れた粉末油脂組成物、及びその製造方法などを提供することである。
そこで、本発明者らは、粉末油脂組成物の製造方法について鋭意研究を行った結果、難消化性デキストリンおよびカゼイン塩を併用することにより、本課題が解決できることを見いだした。これにより、水への分散性、風味、食感が良好でありながらも、流動性、油脂の染み出しの少なく、良好な作業性および使用性の粉末油脂組成物が得られることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の一態様によれば、食用油脂、難消化性デキストリン、およびカゼイン塩を必須してなる粉末油脂組成物を提供することができる。この場合、さらに食用乳化剤を必須して含有するのが好ましい。
本発明の好ましい態様によれば、上記粉末油脂組成物中に食用油脂を5〜84.9質量%、難消化性デキストリンを5〜85質量%、およびカゼイン塩を0.1〜10質量%含有する、粉末油脂組成物を提供することができる。この場合、さらに食用乳化剤を0.1〜2質量%を含有するのが好ましい。
本発明の好ましい態様によれば、上記粉末油脂組成物を効率的に製造できる製造方法である、食用油脂からなる液状油相と、難消化性デキストリンとカゼイン塩を含有してなる水相を混合して、水中油型乳化物を得た後、噴霧乾燥により粉末化することを特徴とする上記粉末油脂組成物の製造方法を提供することができる。この製造方法において、液状油相と水相との混合を、食用乳化剤の存在下で行うのが好ましい。
本発明の好ましい態様によれば、上記粉末油脂組成物を使用して製造した飲食品を提供することができる。
本発明の好ましい態様によれば、上記粉末油脂組成物を原料として使用する、飲食品の製造方法を提供することができる。
また、本発明の一態様によれば、難消化性デキストリンおよびカゼイン塩を有効成分とする、好ましくはこれらからなる粉末油脂化基材を提供することができる。
本発明の好ましい態様によれば、上記粉末油脂化基材を用い、それと油脂を含む原料と混合し、乾燥する、粉末油脂組成物からの油脂の染み出しの制御方法を提供することができる。
本発明によれば、水への分散性などに優れた粉末油脂組成物でありながらも、従来の粉末油脂組成物と比較して油脂の染み出しが少ないことから、作業性と使用性にも優れた粉末油脂組成物とその製造方法を提供できる。また、難消化性デキストリンおよびカゼイン塩を有効成分とする粉末化基材、及びそれを用いた粉末油脂組成物からの油脂の染み出し制御方法を提供することができる。これまで、これ程作業性及び使用性に優れた粉末油脂は存在していないから、新たな需要を満たすことができる。
以下、本発明の粉末油脂組成物について順を追って記述する。
本発明の粉末油脂組成物における油脂の含有量は特に制限されないが、例えば、油脂を5〜84.9質量%含有することが好ましい。さらに、本発明の粉末油脂組成物類の油脂含量は、好ましくは10〜80質量%であり、より好ましくは15〜80質量%であり、20〜80質量%であることがさらに好ましい。特に、油脂の含有量は50質量%以上であるのが好ましく、さらに60質量%以上や65質量%以上であるのが好ましい。
本発明に用いる食用油脂は、どのような油脂原料を使用してもよい。具体的には、大豆油、菜種油、コーン油、綿実油、紅花油、オリーブ油、米油、パーム油、パーム分別油、これらの油の水添油、前記何れかの油のエステル交換油等から選ばれる1種又は2種以上を使用することができる。特に、炭素数6〜12の中鎖脂肪酸を含む油脂を使用することが望ましい。この食用油脂は、構成脂肪酸が炭素数6〜12の中鎖脂肪酸のみからなるトリアシルグリセロールであってもよいし、構成脂肪酸として炭素数6〜12の中鎖脂肪酸と他の脂肪酸とを含む混酸基トリアシルグリセロールであってもよい。ここで、各々の中鎖脂肪酸のグリセリンへの結合位置は、特に限定されない。また、混酸基トリアシルグリセロールである場合には、構成脂肪酸の一部に炭素数6〜12以外の脂肪酸を含んでいてもよく、例えば、長鎖脂肪酸を含んでいてもよい。ここで、炭素数6〜12の中鎖脂肪酸は、直鎖状の飽和脂肪酸であることが好ましい。
本発明に用いる難消化性デキストリンとしては、デンプンに加熱処理及び酵素処理を施して得られる難消化性部分を分離精製したものであれば特に制限されない。例えば、難消化性デキストリンは、澱粉を酸性下で加熱処理して得られる焙焼デキストリンを、α−アミラーゼで加水分解処理し、さらに、グルコアミラーゼ処理、イオン交換樹脂クロマトグラフィー処理などの精製処理などを施して得ることができる。また、本発明の難消化デキストリンとしては、水素添加処理が施された還元難消化性デキストリンを含む。これら難消化性デキストリンは、粉末、細粒、顆粒などの形態で市販されており、いずれの形態のものも使用できる。本発明の粉末油脂組成物に含まれる難消化性デキストリンの含量は、好ましくは5〜85質量%であり、より好ましくは10〜80質量%であり、さらに好ましくは15〜70質量%である。特に、40質量%以下、さらに35質量%以下や30質量%以下が好ましい。
本発明に用いるカゼイン塩としては、カゼイン塩の市販品を用いることができ、例えば、カゼインナトリウム、カゼインカルシウム等が例示できる。本発明の粉末油脂組成物に含まれるカゼイン塩の含量は、好ましくは0.1〜10質量%であり、より好ましくは1〜7.5質量%であり、さらに好ましくは2〜5質量%である。
本発明の食品用乳化剤としては、一般的に用いられるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、レシチン、酵素分解レシチン等を使用することができる。本発明の粉末油脂組成物に含まれる食品用乳化剤の含量は、好ましくは0.1〜2質量%であり、より好ましくは0.2〜1.5質量%であり、さらに好ましくは0.3〜1質量%である。
ところで、以上述べたように、本発明に用いる難消化性デキストリンおよびカゼイン塩は、粉末油脂組成物の味、食感、水への分散性に優れると共に、油脂の染み出しの少なく、良好な作業性および使用性を有することから、本発明は、難消化性デキストリンおよびカゼイン塩を有効成分とする、粉末油脂化基材、及び、それと油脂を含む原料と混合し、乾燥する、粉末油脂組成物からの油脂の染み出しの制御方法にも関する。以下に示すように、本発明の難消化性デキストリンおよびカゼイン塩を粉末油脂組成物に配合することにより、粉末油脂組成物の油脂の染み出しを制御する効果を得ることができる。
また、本発明の粉末油脂組成物は、食用油脂、難消化性デキストリン、カゼイン塩および食用乳化剤から本質的になるものであってもよいが、この他に本発明の効果を損なわない範囲で、デキストリン、澱粉等の賦形剤、他の品質改良剤等、香料、色素や調味料などを含有させたものであってもよい。
本発明の粉末油脂組成物の粒径は任意であり、食品用に用いられている紛末と同様の大きさとすることができるが、レーザー回折・散乱法により測定した平均粒径が10〜100μmであるのが好ましい。
油脂組成物を粉末化する製造方法としては、一般的な方法で行えばよく、何ら制限させるものではない。
前記方法としては、例えば、噴霧式、粉砕式及びコーティング式等があげられ、好ましくは噴霧式がのぞましい。
これらのうち、食用油脂を含有してなる液状油相と、難消化性デキストリンとカゼイン塩を含有してなる水相に対し、食用乳化剤を混合して、水中油型乳化物を得た後、噴霧乾燥により粉末化する工程を含む粉末油脂組成物の製造方法が好ましい。ここで、液状油相と水相を加温された状態で混合するのが好ましく、例えば、50〜90℃であるのが好ましく、特に、50〜70℃が好ましい。また、本発明において、食用乳化剤は、油相及び水相の両方、又はいずれか一方に添加することができるが、液状油相に予め添加しておくことが好ましい。
液状油相と水相の混合は、ホモミキサー行うのが好ましく、水中油型に乳化させた後、ホモジナイザーで均質化するのが好ましい。この際、50kg/cm2〜300kg/cm2の圧力をかけてホモジナイザーで均質化するのが好ましい。
水相を形成するのに用いる水の量は、使用する油の量を100質量部とする場合、90〜1000質量部であるのが好ましい。
本発明の飲食品としては、特に限定されるものではないが、粉末油脂組成物を含有してなる、乾燥食品等の固形状食品、サプリメント、清涼飲料、嗜好飲料等の液状食品が挙げられる。
前記固形状食品としては、例えば、練り製品、大豆加工品、ムース、ゼリー、ヨーグルト、冷菓、飴、チョコレート、ガム、クラッカー、ビスケット、クッキー、ケーキ、パン等が挙げられる。一方、前記液状食品としては、例えば、緑茶、ウーロン茶、紅茶、ハーブティー等の茶類、濃縮果汁、濃縮還元ジュース、ストレートジュース、果実ミックスジュース、果粒入り果実ジュース、果汁入り飲料、果実・野菜ミックスジュース、野菜ジュース、炭酸飲料、清涼飲料、乳飲料、豆乳、さらにペットフード、動物用飼料等が挙げられる。
次に、実施例および比較例を挙げ、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらに何ら制限されるものではない。
以下において「%」とは、特別な記載がない場合、質量%を示す。
<粉末油脂組成物の製造>
実施例、比較例は、表1に示す配合により粉末油脂組成物を製造した。油相は、油脂75gを60℃に調温後、食用乳化剤を添加し調製した。水相は、水100gを60℃に調温し、それぞれの配合に応じて、難消化性デキストリン、デキストリン、カゼインナトリウムを添加し調製した。油相を60℃で、水相を60℃で保持し、ホモミキサーで攪拌しながら水相に油相の全量を添加し、水中油型に乳化させた後、ホモジナイザーで150kg/cm2の圧力をかけて均質化し、均質化後、噴霧乾燥により粉末化し、粉末油脂組成物を得た(レーザー回折・散乱法により測定した平均粒径が42.0μm)。
<原料>
食用油脂は、トリアシルグリセロールを構成する脂肪酸がn−オクタン酸(炭素数8)とn−デカン酸(炭素数10)であり、トリグリセリドを構成する脂肪酸の割合がn−オクタン酸:n−デカン酸=30:70であるMCT(日清オイリオグループ株式会社製、商品名:MCT−C10R)を用いた。難消化性デキストリン、デキストリン、カゼインナトリウム、及びグリセリン脂肪酸エステルタイプの食用乳化剤は市販品を用いた。
Figure 0005892295
<粉末油脂組成物の評価方法>
このようにして得られた粉末油脂組成物の評価について、風味、食感、流動性、水への分散性は、粉末油脂組成物の特性から評価を行った。また、作業性および使用性は、荷重や振動と摩擦の2つの方法における、油脂の染み出しの割合から評価を行った。
(1)粉末油脂組成物の特性の評価
粉末油脂組成物の特性は、風味、食感、流動性、水への分散性について評価を行い、その結果を表2に示した。
粉末油脂組成物の風味および食感は、粉末油脂組成物の10倍量の水に粉末油脂組成物を添加して攪拌した後、水溶液を10人のパネラーが試飲し、風味と食感について官能評価を行い、以下の基準で評価した。
◎:10人中8人以上が良好であると判断した。
○:10人中5〜7人が良好であると判断した。
×:10人中4人以下が良好であると判断した。
粉末油脂組成物の流動性は、50mlの蓋付透明プラスチックチューブに約5gの粉末油脂組成物を入れ密閉し、天地上下に反転させた時の分散状態を目視確認し、以下の基準で評価した。
◎:滑らかに粉末が移動し、流動性が良い。
○:粉末の移動が滑らかでなく、流動性がやや悪い。
×:粉末の移動の際にブロック状やダマ状になり、流動性が悪い。
粉末油脂組成物の水への分散性は、粉末油脂組成物の10倍量の水に粉末油脂組成物を添加して攪拌し、分散状態を目視確認し、以下の基準で評価した。
◎:攪拌しても均一分散する。
○:攪拌すると分散するのが速やかではない。
×:攪拌すると一部塊が残る。
Figure 0005892295
(2)粉末油脂組成物の荷重による油脂の染み出しの結果
直径90mmのろ紙2枚の間に、約1gの粉末油脂組成物を直径30mmの面積とし、挟んだ。なお、1gの粉末油脂組成物を正確に測定することが困難であるため、油脂の染み出し率は、用いた粉末油脂組成物の重量で補正している。そこに上から21.5kgの荷重を1.5時間かけ、ろ紙に染み出した油量を重さから測定した。同じ操作を独立した4回の実験で行った。それらの平均値を表3に示す。
Figure 0005892295
粉末油脂組成物に荷重による負荷をかけた際に、実施例の油脂染み出し率を100%とした時、比較例の油脂染み出し率は126.8%であった。これにより難消化性デキストリンを含む粉末油脂化基材を用いた場合には、デキストリンを含むそれを用いた場合と比較して、粉末油脂組成物からの油脂の染み出しが有意に抑制された。よって、実施例の粉末油脂組成物の作業性および使用性は、比較例よりも優れていた。
(3)粉末油脂組成物の振動と摩擦による油脂の染み出しの結果
直径90mmのろ紙を15mlの蓋付透明プラスチック遠心管の内壁に配置し、約1gの粉末油脂組成物を入れ、250rpmで2.5時間の振動運動を与えた。なお、1gの粉末油脂組成物を正確に測定することが困難であるため、油脂の染み出し率は、用いた粉末油脂組成物の重量で補正している。ろ紙に染み出した油量を重さから測定した。同じ操作を独立した5回の実験で行った。それらの平均値を表4に示す。
Figure 0005892295
粉末油脂組成物に振動と摩擦による負荷をかけた際に、実施例の油脂染み出し率を100%とした時、比較例の油脂染み出し率は132.0%であった。これにより難消化性デキストリンを含む粉末油脂化基材として用いた場合には、デキストリンを含むそれを用いた場合と比較して、粉末油脂組成物からの油脂の染み出しが有意に抑制された。よって、実施例の粉末油脂組成物の作業性および使用性は、比較例よりも優れていた。

Claims (8)

  1. 食用油脂を50〜80質量%、難消化性デキストリンを5〜35質量%、およびカゼイン塩を必須成分として含有してなる油脂の染み出しが抑制された粉末油脂組成物。
  2. さらに食用乳化剤を必須成分として含有する請求項1に記載の粉末油脂組成物。
  3. 食用油脂を50〜8質量%、難消化性デキストリンを5〜35質量%、カゼイン塩を0.1〜10質量%および食用乳化剤を0.1〜2質量%含有することを特徴とする請求項2に記載の粉末油脂組成物。
  4. 食用油脂を含有してなる液状油相と、難消化性デキストリンとカゼイン塩を含有してなる水相を混合して、水中油型乳化物を得た後、噴霧乾燥により粉末化することを特徴とする請求項1に記載の粉末油脂組成物の製造方法。
  5. 食用油脂を含有してなる液状油相と、難消化性デキストリンとカゼイン塩を含有してなる水相を食用乳化剤の存在下で混合して、水中油型乳化物を得た後、噴霧乾燥により粉末化することを特徴とする請求項2又は3に記載の粉末油脂組成物の製造方法。
  6. 液状油相に予め食用乳化剤が添加されている請求項5に記載の製造方法。
  7. 液状油相と水相を加温された状態で混合する請求項5又は6記載の製造方法。
  8. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の粉末油脂組成物を原料として使用することを特徴とする、飲食品の製造方法。
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