JP7071178B2 - ゲル化食品用粉末油脂およびこれを含有するゲル化食品 - Google Patents
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(1)油脂および乳蛋白質を含有する粉末油脂であって、乳蛋白質/油脂の質量比が0.031~0.280であることを特徴とする。
(2)上記発明(1)において、乳蛋白質の含有量が4.61質量%以下であることが好ましく考慮される。
(3)上記発明(1)または(2)において、さらに乳化剤を含有することが好ましく考慮される。
(4)上記発明(3)において、さらに乳化剤を含有し、乳蛋白質/乳化剤の質量比が0.20~5.0であることが好ましく考慮される。
(5)上記発明(3)または(4)において、乳化剤が、グリセリン脂肪酸エステル、グリセリン有機酸脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステルおよびショ糖脂肪酸エステルからなる群より選択される少なくとも1種を含有することが好ましく考慮される。
本発明のゲル化食品は、以下の点を特徴とする。
(6)上記発明(1)から(5)のいずれかに記載のゲル化食品用粉末油脂を含有することを特徴とする。
本発明のゲル化食品の保形性を向上させる方法は、以下の点を特徴とする。
(7)上記発明(1)から(5)のいずれか一項に記載のゲル化食品用粉末油脂を用いて、ゲル化食品の保形性を向上させることを特徴とする。
1.油脂
本発明のゲル化食品用粉末油脂は、油脂および乳蛋白質を含有する粉末油脂であって、乳蛋白質/油脂の質量比が0.031~0.280であることを特徴としている。
本発明のゲル化食品用粉末油脂は、前記のとおり乳蛋白質を必須の成分として含有している。乳蛋白質は、粉末油脂の賦形剤であるとともに、乳化安定剤として機能する。本発明のゲル化食品用粉末油脂は、乳蛋白質/油脂の質量比が0.031~0.280であることにより、ゲル化食品の保形性を向上させつつ、飲み込み易い食感を付与することができる。乳蛋白質/油脂の質量比のより好ましい範囲は、0.033~0.250、さらに好ましい範囲は、0.035~0.210である。なお、乳蛋白質/油脂の質量比の好ましい範囲内において、乳蛋白質および油脂の含有量を適宜選択することが好ましく考慮される。
本発明のゲル化食品用粉末油脂においては、さらに乳化剤を含有することが好ましい。乳蛋白質/乳化剤の質量比は、0.2~5.0であることが好ましく、0.3~4.5であることがより好ましく、0.7~4.0がさらに好ましい。乳化剤を用いることで、再溶解後の乳化安定性が向上し、オイルアップを抑制することができる。粉末油脂に乳化剤を配合する場合、通常は、油溶性乳化剤は油相に、水溶性乳化剤は水相に配合する。なお、乳蛋白質/乳化剤の質量比の好ましい範囲内において、乳蛋白質および乳化剤の含有量を適宜選択することが好ましく考慮される。
以下に、本発明のゲル化食品用粉末油脂の一例について説明する。
本発明のゲル化食品は、上記のゲル化食品用粉末油脂を含有するゲル化食品である。ゲル化食品用粉末油脂は、ゲル化食品の原材料であるゼリー液や液状食品に配合して用いられる。ゲル化食品に配合する本発明のゲル化食品用粉末油脂の配合量としては、製品の種類や目的によっても異なるが、例えば、1.0~16.0質量%が挙げられ、4.0~12.5質量%が好ましく、7.0~9.0質量%がより好ましい。
i) 製品や、一般家庭や介護施設、病院などにおいてゲル化食品を調理、作製した際における最終形態として、ゲル化食品の外観が視認し得る使用態様
ii) 成形容器などの一定形状の容器に入れ、上面などの容器の一部が開口しゲル化食品の外観が視認し得るか、容器が透明で内部に収容されたゲル化食品の外観が視認し得る使用態様
iii) 容器から取り出した後にも形状を保つこと、例えば容器内での形状を保ったまま器などに取り出して使用することが可能な使用態様
(1)ゲル化食品用粉末油脂の作製
表1に記載の油脂を単独でまたは乳化剤を添加し70℃に加熱し撹拌後、油相とした。表1の合計質量と同量の温水(60℃)に比較例1以外は乳蛋白質、および糖質を添加し70℃に加熱し、水相とした。水相と油相をホモミキサーで攪拌混合し予備乳化した後、圧力式ホモジナイザーを用いて150kgf/cm2の圧力で均質化し、水中油型乳化物を得た。得られた水中油型乳化物を、ノズル式スプレードライヤーを用いて噴霧乾燥し、水分1.5質量%の粉末油脂を得た(噴霧乾燥条件:入口温度210℃)。
各実施例および比較例の粉末油脂を用いて、下記に示す配合で、混合し撹拌しながらIHヒーターで85℃に加熱して調製したゼリー液に、蒸発分の水(湯)を加えた後、70gずつゼリー型である樹脂製カップに分注した。粗熱を取った後、冷蔵庫(5℃)で一晩静置、保管することによりゼリーを得た。
水 240質量部
上白糖 33質量部
粉末油脂 24質量部
ゼラチン 3質量部
合計 300質量部
作製したゼリーについて外観、保形性および食感について試験、評価した。
得られたゼリーを冷蔵庫から取り出し、ゼリーの表面のオイルアップや油分の分離による層分離を目視にて以下の基準により評価した。
評価基準
◎:ゼリーの表面にオイルアップまたは油分の分離がほとんどない。
○:ゼリーの表面にオイルアップまたは油分の分離がわずかにある。
△:ゼリーの表面にオイルアップまたは油分の分離が見られる。
×:ゼリーの表面にオイルアップまたは油分の分離が目立つ。
得られたゼリーを冷蔵庫から取り出し、このゼリーを容器から取り出して、20℃で1時間および3時間静置した後、ゼリーの保形性を目視にて以下の基準により評価した。
評価基準
◎:ゼリーを容器から取り出して静置後、立体的な形状をほぼ保っている。
○:ゼリーを容器から取り出して静置後、立体的な形状がわずかにゆがむ。
△:ゼリーを容器から取り出して静置後、立体的な形状が崩れ始めている。
×:ゼリーを容器から取り出して静置後、立体的な形状をほとんど保っていない。
得られたゼリーを冷蔵庫から取り出し、パネル20名により喫食し、適度な硬さを有する食塊の有無と、飲み込み易さが良好であるかどうかについて以下の基準で官能評価した。
パネルは、五味(甘味、酸味、塩味、苦味、うま味)の識別テスト、味の濃度差識別テスト、食品の味の識別テスト、基準嗅覚テストを実施し、その各々のテストで適合と判断された20~40代の男性10名、女性10名を選抜した。
評価基準
◎:20名中16名以上が、適度な硬さの食塊があり、しかもノドゴシが滑らかがあるため、食感が良好であると評価した。
○:20名中10名~15名が、適度な硬さの食塊があり、しかもノドゴシが滑らかがあるため、食感が良好であると評価した。
△:20名中6名~9名が、適度な硬さの食塊があり、しかもノドゴシが滑らかがあるため、食感が良好であると評価した。
×:20名中5名以下が、適度な硬さの食塊があり、しかもノドゴシが滑らかがあるため、食感が良好であると評価した。
実施例1~10および比較例1~3のゲル化食品用粉末油脂を用いたゼリーについて、以上の各評価の結果を表1に示した。
また、実施例1および比較例1のゲル化食品用粉末油脂を用いたゼリーの外観について、図1に示した。
前記(1)のゲル化食品用粉末油脂の作製において、実施例2~4の乳蛋白質であるカゼインナトリウムを水相タンクに仕込んだ後、完全に溶解する時間を目視にて以下の基準により評価した。
評価基準
◎:原料投入後、5分以上の攪拌が必要。
〇:原料投入後、10分以上の攪拌が必要。
△:原料投入後、15分以上の攪拌が必要。
×:原料投入後、20分以上の攪拌が必要。
前記(1)のゲル化食品用粉末油脂の作製において、60%固形分に調整した実施例2~4のスラリーの噴霧乾燥時における、ノズル先端へのスラリーの付着し難さを目視にて以下の基準により評価した。
評価基準
◎:ノズル先端にスラリーの付着がほとんどない。
〇:ノズル先端にスラリーの付着が僅かにある。
△:ノズル先端にスラリーの付着が見られる。
×:ノズル先端にスラリーの付着が目立つ。
Claims (5)
- 油脂、乳蛋白質および乳化剤を含有する粉末油脂であって、乳蛋白質/油脂の質量比が0.033~0.250であり、前記乳蛋白質の含有量が5.56質量%以下であり、乳蛋白質/乳化剤の質量比が0.2~5.0である、ゲル化食品用粉末油脂。
- 前記乳蛋白質の含有量が4.61質量%以下である請求項1に記載のゲル化食品用粉末油脂。
- 前記乳化剤が、グリセリン脂肪酸エステル、グリセリン有機酸脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステルおよびショ糖脂肪酸エステルからなる群より選択される少なくとも1種を含有する請求項1または2に記載のゲル化食品用粉末油脂。
- 請求項1から3のいずれか一項に記載のゲル化食品用粉末油脂を含有するゲル化食品。
- 請求項1から3のいずれか一項に記載のゲル化食品用粉末油脂を用いて、ゲル化食品の保形性を向上させる方法。
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