JP5885609B2 - 油性食品及び該油性食品を使用した複合食品 - Google Patents

油性食品及び該油性食品を使用した複合食品 Download PDF

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Description

本発明は、高水分食品と低水分食品を組み合わせた複合食品に使用することに適した油性食品及び該油性食品を使用した複合食品に関するものである。
食品には、2種以上の食品(食品素材)を組み合わせた複合食品が存在する。複合食品は、水分含量の高い高水分食品(高水分食品素材)と水分含量の低い低水分食品(低水分食品素材)とを組み合わせる場合がある。
高水分食品と低水分食品とを組み合わせた複合食品は、主に高水分食品の水分が経時的に低水分食品に移行することにより、低水分食品部分が吸湿することが知られている。複合食品の低水分食品部分が吸湿すると、低水分食品部分の本来の食感が失われる。
高水分食品と低水分食品とを組み合わせた複合食品としては、例えば、高水分食品である冷菓(アリスクリーム等)と低水分食品であるモナカ皮や冷菓用コーン(アリスクリームコーン等)とを組み合わせた複合冷菓が挙げられる。冷菓とモナカ皮や冷菓用コーンとを組み合わせたものは、工場で大量生産した後、包装袋に入れて、長期間保存される場合が多い。従って、冷菓とモナカ皮や冷菓用コーンとを組み合わせた複合冷菓の場合、主に冷菓の水分が経時的にモナカ皮や冷菓用コーンに移行することにより、モナカ皮や冷菓用コーンが吸湿してしまい、モナカ皮又は冷菓用コーンのパリパリとした食感が失われるという問題があった。
高水分食品(冷菓等)から低水分食品(モナカ皮、冷菓用コーン等)への経時的な水分の移行による低水分食品の吸湿を抑制する方法としては、例えば、高水分食品と低水分食品との間にチョコレート等の油性物質を被覆することが提案されている(例えば、特許文献1〜3)。この方法は、高水分食品と低水分食品との間に油性物質を介在させることで、油性物質が高水分食品から低水分食品への経時的な水分の移行をバリアするものである。特許文献1、2の油性物質は、ある程度の効果を有するが、まだ満足できるものではなかった。また、特許文献3の油性物質は、油性物質をエアインすることが必要であり、手間がかかるという問題があった。
従って、高水分食品と低水分食品を組み合わせた複合食品において、より簡便で、低水分食品の吸湿をより抑制することのできる方法の開発が望まれていた。
特開平9−9940号公報 特開平10−179027号公報 特開2011−205958号公報
本発明の目的は、高水分食品と低水分食品を組み合わせた複合食品において、低水分食品の吸湿を抑制することのできる油性食品を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、油脂中のトリグリセリドが特定の条件を満たす油性食品を用いることで、高水分食品と低水分食品を組み合わせた複合食品において、低水分食品の吸湿を抑制することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の発明は、油性食品に含まれる油脂が下記(a)から(e)の条件を満たす油性食品である。
(a)X3含量が5質量%以下
(b)X2U含量が10〜50質量%
(c)XU2含量が30〜70質量%
(d)U3含量が1〜25質量%
(e)XXUとUXUの合計含量が6.5〜40質量%
(上記の(a)から(e)の条件において、X、U、X3、X2U、XU2、U3、XXU及びUXUはそれぞれ以下のものを示す。
X:炭素数16〜20の飽和脂肪酸
U:炭素数18の不飽和脂肪酸
X3:Xが3分子結合しているトリグリセリド
X2U:Xが2分子、Uが1分子結合しているトリグリセリド
XU2:Xが1分子、Uが2分子結合しているトリグリセリド
U3:Uが3分子結合しているトリグリセリド
XXU:1位と3位にXとUがそれぞれ一つずつ、2位にXが結合しているトリグリセリド
UXU:1位と3位にU、2位にXが結合しているトリグリセリド)
本発明の第2の発明は、前記油性食品が油性食品以外の食品と組み合わせて使用される第1の発明に記載の油性食品である。
本発明の第3の発明は、前記油性食品以外の食品が高水分食品及び低水分食品を併用する第2の発明に記載の油性食品である。
本発明の第4の発明は、前記高水分食品が冷菓であり、前記低水分食品がモナカ皮又は冷菓用コーンである第3の発明に記載の油性食品である。
本発明の第5の発明は、前記油性食品がチョコレートである第1の発明〜第4の発明のいずれか1つの発明に記載の油性食品である。
本発明の第6の発明は、第1の発明〜第5の発明のいずれか1つの発明に記載の油性食品と油性食品以外の食品とを組み合わせた複合食品である。
本発明の第7の発明は、前記油性食品以外の食品が高水分食品及び低水分食品を併用した複合食品であって、前記油性食品が高水分食品と低水分食品の間に存在する第6の発明に記載の複合食品である。
本発明の第8の発明は、前記高水分食品が冷菓であり、前記低水分食品がモナカ皮又は冷菓用コーンである第7の発明に記載の複合食品である。
本発明の第9の発明は、前記油性食品がチョコレートである第6の発明〜第8の発明のいずれか1つの発明に記載の複合食品である。
本発明の第10の発明は、下記の(f)から(j)の条件を満たす油性食品用油脂組成物である。
(f)X3含量が2質量%以下
(g)X2U含量が15〜37質量%
(h)XU2含量が47〜70質量%
(i)U3含量が1〜25質量%
(j)XXUとUXUの合計含量が20〜40質量%
(上記の(f)から(j)の条件において、X、U、X3、X2U、XU2、U3、XXU及びUXUはそれぞれ以下のものを示す。
X:炭素数16〜20の飽和脂肪酸
U:炭素数18の不飽和脂肪酸
X3:Xが3分子結合しているトリグリセリド
X2U:Xが2分子、Uが1分子結合しているトリグリセリド
XU2:Xが1分子、Uが2分子結合しているトリグリセリド
U3:Uが3分子結合しているトリグリセリド
XXU:1位と3位にXとUがそれぞれ一つずつ、2位にXが結合しているトリグリセリド
UXU:1位と3位にU、2位にXが結合しているトリグリセリド)
本発明によると、高水分食品と低水分食品を組み合わせた複合食品において、低水分食品の吸湿を抑制することのできる油性食品を提供することができる。
本発明の油性食品は、油性食品に含まれる油脂が下記の(a)から(e)の条件を満たすものである。
(a)X3含量が5質量%以下
(b)X2U含量が10〜50質量%
(c)XU2含量が30〜70質量%
(d)U3含量が1〜25質量%
(e)XXUとUXUの合計含量が6.5〜40質量%
(上記の(a)から(e)の条件において、X、U、X3、X2U、XU2、U3、XXU及びUXUはそれぞれ以下のものを示す。
X:炭素数16〜20の飽和脂肪酸
U:炭素数18の不飽和脂肪酸
X3:Xが3分子結合しているトリグリセリド
X2U:Xが2分子、Uが1分子結合しているトリグリセリド
XU2:Xが1分子、Uが2分子結合しているトリグリセリド
U3:Uが3分子結合しているトリグリセリド
XXU:1位と3位にXとUがそれぞれ一つずつ、2位にXが結合しているトリグリセリド
UXU:1位と3位にU、2位にXが結合しているトリグリセリド)
本発明において、油性食品とは、油脂を含み、油脂が連続相である加工食品のことを言う。本発明の油性食品は、好ましくは糖類を含むものである。油性食品の具体例としては、チョコレート、ショートニング、バタークリーム等が挙げられる。
本発明において、油性食品に含まれる油脂とは、油性食品中の全油脂分のことであり、配合される油脂の他に、含油原料(カカオマス、ココアパウダー等)中の油脂(ココアバター等)も含むものである。
本発明において、Xは、炭素数が16〜20の飽和脂肪酸のことである。また、トリグリセリド(トリグリセリドとは、グリセロールに3分子の脂肪酸が結合したトリアシルグリセロールのことである。)に2つ又は3つのXが結合する場合、Xは同一のものであってもよいし、異なるものであってもよい。具体的には、Xとしては、パルミチン酸(16)、ステアリン酸(18)、アラキジン酸(20)が挙げられる。なお、上記の数値表記は、脂肪酸の炭素数である。また、本発明において、炭素数はCと記載することもある(例えば、炭素数16〜20は、C16〜20と記載することもある。)。また、本発明において、Pはパルミチン酸、Stはステアリン酸のことである。
本発明において、Uは、炭素数が18の不飽和脂肪酸のことである。また、トリグリセリド分子に2つ又は3つのUが結合する場合、Uは同一のものであってもよいし、異なるものであってもよい。具体的には、Uとしては、オレイン酸(18:1)、リノール酸(18:2)、リノレン酸(18:3)が挙げられる。なお、上記の数値表記は、脂肪酸の炭素数と二重結合数の組み合わせである。
本発明の油性食品は、油性食品に含まれる油脂中のX3含量(条件(a))が5質量%以下であり、好ましくは3質量%以下であり、より好ましくは1質量%以下である。なお、本発明において、X3はXが3分子結合しているトリグリセリド(XXX)である。
本発明の油性食品は、油性食品に含まれる油脂中のX2U含量(条件(b))が10〜50質量%であり、好ましくは15〜45質量%であり、より好ましくは20〜35質量%である。なお、本発明において、X2UはXが2分子、Uが1分子結合しているトリグリセリド(XXU+XUX+UXX)である。
本発明の油性食品は、油性食品に含まれる油脂中のXU2含量(条件(c))が30〜70質量%であり、好ましくは35〜67質量%であり、より好ましくは40〜65質量%である。なお、本発明において、XU2はXが1分子、Uが2分子結合しているトリグリセリド(XUU+UXU+UUX)である。
本発明の油性食品は、油性食品に含まれる油脂中のU3含量(条件(d))が1〜25質量%であり、好ましくは3〜20質量%であり、より好ましくは5〜18質量%である。なお、本発明において、U3はUが3分子結合しているトリグリセリド(UUU)である。
本発明の油性食品は、油性食品に含まれる油脂中のXXUとUXUの合計含量(条件(e))が6.5〜40質量%であり、好ましくは7.0〜37質量%であり、より好ましくは15〜35質量%である。なお、本発明において、XXUは1位と3位にXとUがそれぞれ1分子、2位にXが結合しているトリグリセリド(XXU+UXX)である。UXUは、1位と3位にUが、2位にXが結合しているトリグリセリドである。
本発明の油性食品に含まれる油脂が条件(a)〜(d)の範囲を満たすと、油性食品が冷菓との組み合わせに適したものとなる。また、本発明の油性食品に含まれる油脂が条件(e)の範囲を満たすと、高水分食品及び低水分食品を併用した複合食品において、低水分食品の吸湿を抑制することができる。
本発明の油性食品は、油性食品に含まれる油脂中のXXU含量が好ましくは15質量%未満であり、より好ましくは1〜14質量%であり、さらに好ましくは2〜14質量%である。
本発明の油性食品は、油性食品に含まれる油脂中のStU2/XU2の質量比が好ましくは0.12〜0.35であり、より好ましくは0.13〜0.30であり、さらに好ましくは0.15〜0.27である。なお、本発明において、StU2/XU2の質量比は、XU2含量(質量%)に対するStU2含量(質量%)の比のことである。また、本発明において、StU2はStが1分子、Uが2分子結合しているトリグリセリドである。
本発明の油性食品は、油性食品に含まれる油脂の構成脂肪酸中のトランス脂肪酸含量が好ましくは5質量%以下であり、より好ましくは3質量%以下であり、さらに好ましくは1.5質量%以下である。
本発明の油性食品は、油性食品に含まれる油脂の構成脂肪酸中のSt/Pの質量比が好ましくは0.12以上であり、より好ましくは0.13〜0.35であり、さらに好ましくは0.15〜0.33である。なお、本発明において、St/Pの質量比は、P含量(質量%)に対するSt含量(質量%)の比のことである。
本発明の油性食品は、油性食品に含まれる油脂の構成脂肪酸中の炭素数16以上の脂肪酸含量(好ましくは炭素数16〜24の脂肪酸含量)が、好ましくは70質量%以上であり、より好ましくは80質量%以上であり、さらに好ましくは90質量%以上である。
本発明の油性食品は、油性食品に含まれる油脂の構成脂肪酸中の炭素数16以上の飽和脂肪酸含量(好ましくは炭素数16〜24の飽和脂肪酸含量)が、好ましくは15〜50質量%であり、より好ましくは20〜45質量%、さらに好ましくは25〜40質量%である。
本発明の油性食品は、油性食品に含まれる油脂の構成脂肪酸中の炭素数16以上の不飽和脂肪酸含量(好ましくは炭素数16〜24の不飽和脂肪酸含量)が、好ましくは30〜70質量%であり、より好ましくは35〜65質量%、さらに好ましくは40〜65質量%である。
脂肪酸含量及びトランス脂肪酸含量は、AOCS Ce1f−96に準じて測定することができる。X3含量、X2U含量、XU2含量、U3含量及びStU2含量は、ガスクロマトグラフ法(JAOCS,vol70,11,1111−1114(1993)に準じて測定することができる。XXU含量は、XUX/X2U比をJ.High Resol.Chromatogr.,18,105−107(1995)に準じた方法で測定し、この値とX2U含量を基に算出することができる。UXU含量はUXU/XU2比をJ.High Resol.Chromatogr.,18,105−107(1995)に準じた方法で測定し、この値とXU2含量を基に算出することができる。ヨウ素価は、「基準油脂分析試験法(社団法人日本油化学会編)」の「2.3.4.1−1996 ヨウ素価(ウィイス−シクロヘキサン法)」に準じて測定することができる。
本発明の油性食品は、油性食品に含まれる油脂のトリグリセリドの組成、構成脂肪酸の組成等が上記範囲であれば、特に制限されることなく、通常の食用油脂を使用して製造することができる。本発明の油性食品は、例えば、下記油性食品用油脂組成物を原料として用いることができる。
本発明の油性食品用油脂組成物は、下記の(f)から(j)の条件を満たすものである。
(f)X3含量が2質量%以下
(g)X2U含量が15〜37質量%
(h)XU2含量が47〜70質量%
(i)U3含量が1〜25質量%
(j)XXUとUXUの合計含量が20〜40質量%
(上記の(f)から(j)の条件において、X、U、X3、X2U、XU2、U3、XXU及びUXUはそれぞれ以下のものを示す。
X:炭素数16〜20の飽和脂肪酸
U:炭素数18の不飽和脂肪酸
X3:Xが3分子結合しているトリグリセリド
X2U:Xが2分子、Uが1分子結合しているトリグリセリド
XU2:Xが1分子、Uが2分子結合しているトリグリセリド
U3:Uが3分子結合しているトリグリセリド
XXU:1位と3位にXとUがそれぞれ一つずつ、2位にXが結合しているトリグリセリド
UXU:1位と3位にU、2位にXが結合しているトリグリセリド)
本発明の油性食品用油脂組成物は、X3含量(条件(f))が2質量%以下であり、好ましくは1.5質量%以下であり、より好ましくは1質量%以下である。
本発明の油性食品用油脂組成物は、X2U含量(条件(g))が15〜37質量%であり、好ましくは17〜35質量%であり、より好ましくは20〜33質量%である。
本発明の油性食品用油脂組成物は、XU2含量(条件(h))が47〜70質量%であり、好ましくは50〜68質量%であり、より好ましくは52〜65質量%である。
本発明の油性食品用油脂組成物は、U3含量(条件(i)が1〜25質量%であり、好ましくは3〜20質量%であり、より好ましくは5〜15質量%である。
本発明の油性食品用油脂組成物は、XXUとUXUの合計含量(条件(j))が20〜40質量%であり、好ましくは22〜38質量%であり、より好ましくは25〜35質量%である。
本発明の油性食品用油脂組成物が条件(f)〜(j)の範囲を満たすと、本発明の油性食品の調製が容易なものとなる。
本発明の油性食品用油脂組成物は、XXU含量が好ましくは15質量%未満であり、より好ましくは1〜14質量%であり、さらに好ましくは5〜14質量%である。
本発明の油性食品用油脂組成物は、StU2/XU2の質量比が好ましくは0.12〜0.32であり、より好ましくは0.12〜0.30であり、さらに好ましくは0.15〜0.28である。
本発明の油性食品用油脂組成物は、構成脂肪酸中のトランス脂肪酸含量が好ましくは5質量%以下であり、より好ましくは3質量%以下であり、さらに好ましくは1質量%以下である。
本発明の油性食品用油脂組成物は、構成脂肪酸中のSt/Pの質量比が好ましくは0.15〜0.40であり、より好ましくは0.17〜0.38であり、さらに好ましくは0.20〜0.35である。
本発明の油性食品用油脂組成物は、構成脂肪酸中の炭素数16以上の脂肪酸含量、好ましくは炭素数16〜24の脂肪酸含量が、好ましくは90質量%以上であり、より好ましくは95質量%以上であり、さらに好ましくは97質量%以上である。
本発明の油性食品用油脂組成物は、構成脂肪酸中の炭素数16以上の飽和脂肪酸含量(好ましくは炭素数16〜24の飽和脂肪酸含量)が、好ましくは25〜45質量%であり、より好ましくは27〜43質量%、さらに好ましくは30〜40質量%である。
本発明の油性食品用油脂組成物は、構成脂肪酸中の炭素数16以上の不飽和脂肪酸含量(好ましくは炭素数16〜24の不飽和脂肪酸含量)が、好ましくは50〜70質量%であり、より好ましくは52〜68質量%、さらに好ましくは55〜65質量%である。
本発明の油性食品用油脂組成物は、本発明の油性食品の原料として使用することができる。すなわち、上記の油性食品用油脂組成物は、チョコレート、ショートニング、バタークリーム等の油性食品の原料油脂として使用することができる。
本発明の油性食品用油脂組成物は、下記油脂Aを分別して高融点部を除去することで低融点部を得て、さらに得られた低融点部を分別して高融点部を除去し低融点部を得ることで製造することができる。また、本発明の油性食品用油脂組成物は、下記油脂Aを分別して高融点部を除去することで低融点部を得ることで製造することもできる。
本発明の油性食品用油脂組成物を得るための分別方法は、特に限定はなく、ドライ分別(自然分別)、乳化分別(界面活性剤分別)、溶剤分別等の通常の方法により行うことができる。本発明の油性食品用油脂組成物を得るための分別方法は、ドライ分別、溶剤分別が好ましい。ドライ分別は、一般的には槽内で攪拌しながら分別原料油脂を冷却し、結晶を析出させた後、圧搾及び/又はろ過することで高融点部(硬質部又は結晶画分とも言う。)と低融点部(軟質部又は液状画分とも言う。)に分けることによって行うことができる。溶剤分別は、アセトン、ヘキサン等の溶剤に分別原料油脂を溶解し、その溶液を冷却し、結晶を析出させた後、ろ過することで高融点部と低融点部に分けることによって行うことができる。分別温度は求められる分別油脂の性状によっても異なる。ドライ分別の分別温度は、好ましくは33〜45℃であり、より好ましくは35〜43℃、さらに好ましくは35〜40℃である。溶剤分別の分別温度は、好ましくは−10〜10℃であり、より好ましくは−8〜8℃、さらに好ましくは−6〜5℃である。本発明の油性食品用油脂組成物は、通常の食用油脂の製造と同様に精製処理(脱酸、脱色、脱臭等)を行うこともできる。
本発明で使用する油脂Aは、好ましくは構成脂肪酸中のパルミチン酸含量が25〜60質量%、ステアリン酸含量が1〜29質量%、オレイン酸含量が20〜60質量%、リノール酸及びリノレン酸の合計含量が20質量%以下であり、より好ましくは構成脂肪酸中のパルミチン酸含量が30〜57質量%、ステアリン酸含量が2〜29質量%、オレイン酸含量が20〜50質量%、リノール酸及びリノレン酸の合計含量が15質量%以下であり、さらに好ましくは構成脂肪酸中のパルミチン酸含量が35〜55質量%、ステアリン酸含量が3〜25質量%、オレイン酸含量が25〜45質量%、リノール酸及びリノレン酸の合計含量が12質量%以下である。
本発明で使用する油脂Aは、好ましくは下記エステル交換油Aと下記エステル交換油Bとの混合油を使用することができる。下記エステル交換油Aと下記エステル交換油Bとの混合油は、質量比(エステル交換油A:エステル交換油B)が好ましくは30:70〜50:50であり、より好ましくは33:67〜47:53であり、さらに好ましくは35:65〜45:55である。混合は通常の方法により行うことができる。本発明で使用する油脂Aが下記エステル交換油Aと下記エステル交換油Bとの混合油である場合、本発明の油性食品用油脂組成物は、好ましくは油脂Aを分別して高融点部を除去することで低融点部を得て、さらに得られた低融点部を分別して高融点部を除去し低融点部を得ることで製造する。
本発明で使用するエステル交換油Aは、好ましくは構成脂肪酸中のパルミチン酸含量が15〜35質量%、ステアリン酸含量が30〜55質量%、オレイン酸含量が15〜35質量%、リノール酸及びリノレン酸の合計含量が10質量%未満である原料油脂に、ランダムエステル交換反応を行うことにより得られる油脂である。
本発明で使用するエステル交換油Aの原料油脂は、好ましくは構成脂肪酸中のパルミチン酸含量が15〜35質量%、ステアリン酸含量が30〜55質量%、オレイン酸含量が15〜35質量%、リノール酸及びリノレン酸の合計含量が10質量%未満であり、より好ましくは構成脂肪酸中のパルミチン酸含量が17〜33質量%、ステアリン酸含量が32〜53質量%、オレイン酸含量が17〜33質量%、リノール酸及びリノレン酸の合計含量が8質量%未満であり、さらに好ましくは構成脂肪酸中のパルミチン酸含量が20〜30質量%、ステアリン酸含量が35〜50質量%、オレイン酸含量が20〜30質量%、リノール酸及びリノレン酸の合計含量が6質量%未満である。
本発明で使用するエステル交換油Aの原料油脂の具体例としては、例えば、リノール酸及びリノレン酸合計含量が10質量%未満の油脂、パーム油、ヨウ素価25〜48のパーム分別油、ヨウ素価5以下かつ炭素数16以上の飽和脂肪酸含量が90質量%以上の油脂等を含む混合油等が挙げられる。
リノール酸及びリノレン酸合計含量が10質量%未満の油脂は、好ましくはオレイン酸含量が50質量%以上である。リノール酸及びリノレン酸合計含量が10質量%未満の油脂の具体例としては、例えば、ハイオレイックヒマワリ油等が挙げられる。
パーム分別油はパーム油を分別して得られる油脂である。パーム分別油を分別して得られる油脂もパーム分別油である。ヨウ素価25〜48のパーム分別油の具体例としては、例えば、パームステアリン(パーム油を分別して得られる高融点部)、パーム中融点部(パーム油を分別して得られる低融点部をさらに分別して得られる高融点部)、ハードPMF(パーム中融点部をさらに分別して得られる高融点部)等が挙げられる。ヨウ素価25〜48のパーム分別油は、ヨウ素価が好ましくは28〜40であり、より好ましくは30〜40である。
ヨウ素価5以下かつ炭素数16以上の飽和脂肪酸含量が90質量%以上の油脂の具体例としては、大豆油、菜種油、綿実油、ヒマワリ油、紅花油、コーン油、パーム油、パーム分別油等の極度硬化油が挙げられる。
本発明で使用するエステル交換油Bは、好ましくは構成脂肪酸中のパルミチン酸含量が27〜60質量%、ステアリン酸含量が1〜15質量%、オレイン酸含量が20〜60質量%、リノール酸及びリノレン酸の合計含量が20質量%以下である原料油脂に、ランダムエステル交換反応を行うことにより得られる油脂である。
本発明で使用するエステル交換油Bの原料油脂は、好ましくは構成脂肪酸中のパルミチン酸含量が27〜60質量%、ステアリン酸含量が1〜15質量%、オレイン酸含量が20〜60質量%、リノール酸及びリノレン酸の合計含量が20質量%以下であり、より好ましくは構成脂肪酸中のパルミチン酸含量が32〜57質量%、ステアリン酸含量が2〜10質量%、オレイン酸含量が23〜50質量%、リノール酸及びリノレン酸の合計含量が15質量%以下であり、さらに好ましくは構成脂肪酸中のパルミチン酸含量が40〜55質量%、ステアリン酸含量が3〜8質量%、オレイン酸含量が25〜45質量%、リノール酸及びリノレン酸の合計含量が12質量%以下である。
本発明で使用するエステル交換油Bの原料油脂の具体例としては、例えば、ヨウ素価25〜48のパーム分別油、パーム油等を含む混合油やヨウ素価53〜70のパーム分別油等が挙げられる。ヨウ素価25〜48のパーム分別油は上記した通りである。ヨウ素価53〜70のパーム分別油の具体例としては、例えば、パームオレイン(パーム油を分別して得られる低融点部)、パームスーパーオレイン(パーム油を分別して得られる低融点部をさらに分別して得られる低融点部)等が挙げられる。ヨウ素価53〜70のパーム分別油は、ヨウ素価が好ましくは53〜68であり、より好ましくは54〜60である。
本発明で使用する油脂Aは、好ましくは上記エステル交換油Bを使用することができる。本発明で使用する油脂Aが上記エステル交換油Bである場合、本発明の油性食品用油脂組成物は、好ましくは油脂Aを分別して高融点部を除去することで低融点部を得ることで製造する。
本発明で使用するエステル交換油A及びエステル交換油Bを得るためのエステル交換反応は、ランダムエステル交換反応(非選択的エステル交換反応又は位置特異性の低いエステル交換反応とも言う。)であれば特に制限はなく、通常の方法により行うことができる。ランダムエステル交換反応は、ナトリウムメトキシド等の合成触媒を使用した化学的エステル交換、リパーゼ(位置特異性の低いリパーゼ)を触媒とした酵素的エステル交換のどちらの方法でも行うことができる。
化学的エステル交換は、例えば、原料油脂を十分に乾燥させ、ナトリウムメトキシドを
原料油脂に対して0.1〜1質量%添加した後、減圧下、80〜120℃で0.5〜1時
間攪拌しながら反応を行うことができる。
酵素的エステル交換は、例えば、リパーゼ粉末又は固定化リパーゼを原料油脂に対して
0.02〜10質量%、好ましくは0.04〜5質量%添加した後、40〜80℃、好ましくは40〜70℃で0.5〜48時間、好ましくは0.5〜24時間攪拌しながら反応
を行うことができる。
本発明の油性食品用油脂組成物は、添加剤等の油脂以外の成分を加えることもできる。添加剤の具体例としては、例えば、乳化剤(レシチン、リゾレシチン、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル(モノグリセライド)、グリセリン有機酸脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル等が挙げられる。)、トコフェロール、茶抽出物(カテキン等)、ルチン等の酸化防止剤、香料等が挙げられる。本発明の油性食品用油脂組成物は、油脂以外の成分含量が好ましくは5質量%以下であり、より好ましくは3質量%以下であり、さらに好ましくは1質量%以下である。
本発明の油性食品は、油性食品に含まれる油脂中の上記の油性食品用油脂組成物の配合量が好ましくは20〜100質量%であり、より好ましくは50〜100質量%であり、さらに好ましくは70〜100質量%である。
本発明の油性食品に配合されるその他油脂としては、例えば、ラウリン系油脂、パーム系油脂、ココアバター、液状油やこれらの混合油、加工油脂等が挙げられる。ラウリン系油脂としては、好ましくはヤシ油、ヤシ硬化油等が挙げられる。パーム系油脂としては、ヨウ素価53〜70のパーム分別油等が挙げられる。液状油としては、大豆油、菜種油等が挙げられる。液状油は、好ましくは20℃で液状である。
本発明の油性食品は、冷菓(アイスクリーム、アイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイス、シャーベット、氷菓、ソフトクリーム等)用に適している。
本発明の油性食品は、好ましくはチョコレートである。本発明においてチョコレートとは、「チョコレート類の表示に関する公正競争規約」(全国チョコレート業公正取引協議会)乃至法規上の規定により限定されるものではなく、食用油脂、糖類を主原料とし、必要によりカカオ成分(カカオマス、ココアパウダー等)、乳製品、香料、乳化剤等を加え、チョコレート製造の工程(混合工程、微粒化工程、精練工程、冷却工程等)を経て製造されたもののことである。また、本発明におけるチョコレートは、ダークチョコレート、ミルクチョコレートの他に、ホワイトチョコレート、カラーチョコレートも含むものである。
本発明の油性食品は、油脂含量が好ましくは35〜75質量%、より好ましくは40〜70質量%、さらに好ましくは45〜65質量%である。
本発明の油性食品は、油脂以外に、糖類(砂糖等)、カカオ成分(カカオマス、ココアパウダー等)、乳化剤(レシチン等)、乳製品(全脂粉乳、脱脂粉乳等)、香料等の一般に油性食品に使用される食品材料を配合することもできる。
本発明の油性食品は、水分含量が好ましくは3質量%以下、より好ましくは1質量%以下である。
本発明の油性食品は、油性食品に含まれる油脂が前記条件を満たす以外、通常の製造方法(通常のチョコレート、ショートニング、バタークリーム等の製造方法)により製造することができる。
本発明の油性食品は、好ましくは複合食品用として油性食品以外の食品と組み合わせて使用される。本発明の油性食品を油性食品以外の食品と組み合わせる場合、本発明の油性食品はチョコレート、ショートニング、バタークリーム等の形態で組み合わせることができる。本発明の油性食品を油性食品以外の食品と組み合わせる方法は、特に制限されないが、被覆、塗布、載置、挟む等である。なお、本発明において、複合食品とは、種類の異なる食品を複数組み合わせた食品のことである。また、複合食品の例としては、例えば、アイスクリームをチョコレートでコーティングしたチョコレートアイスクリーム等が挙げられる。
本発明で使用する油性食品以外の食品としては、例えば、高水分食品(高水分食品素材)、低水分食品(低水分食品素材)が挙げられ、好ましくは高水分食品及び低水分食品を併用する。なお、本発明において、高水分食品とは、水分含量が15質量%以上の食品のことである。本発明で使用する高水分食品は、水分含量が好ましくは40質量%以上であり、より好ましくは50質量%以上である。また、本発明において、低水分食品とは、水分含量が5質量%未満の食品のことである。
本発明で使用する高水分食品としては、例えば、冷菓(アイスクリーム、アイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイス、シャーベット、氷菓、ソフトクリーム等)、カスタードプリン等が挙げられ、好ましくは冷菓である。
本発明で使用する低水分食品としては、例えば、モナカ皮、冷菓用コーン(アイスクリームコーン、シュガーコーン、ワッフルコーン、ソフトクリームコーン等)、ウエハース、シリアルフレーク、ビスケット、クッキー、クラッカー、サブレ、シュー皮等が挙げられ、好ましくはモナカ皮、冷菓用コーンである。
本発明の油性食品は、好ましくは高水分食品と低水分食品との間に存在(介在)させて使用する。本発明の油性食品を高水分食品と低水分食品との間に存在させて使用すると、低水分食品の吸湿を抑制することができ、低水分食品の本来の食感(例えば、パリパリした食感)を維持することができる。
本発明の複合食品は、本発明の油性食品と油性食品以外の食品を組み合わせることを特徴とする。本発明で使用する油性食品以外の食品は前記した通りである。また、本発明の複合食品において、本発明の油性食品を油性食品以外の食品を組み合わせる形態及び組み合わせる方法は前記した通りである。また、本発明の複合食品は、本発明の油性食品が好ましくはチョコレートである。
本発明の複合食品において、油性食品以外の食品は、好ましくは高水分食品及び低水分食品を併用する。また、本発明の複合食品は、好ましくは本発明の油性食品が高水分食品と低水分食品の間に存在する。本発明の複合食品に使用する高水分食品及び低水分食品は前記した通りである。本発明の複合食品において、本発明の油性食品が高水分食品と低水分食品との間に存在すると、低水分食品の吸湿を抑制することができ、低水分食品の本来の食感(例えば、パリパリした食感)を維持することができる。
次に実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
〔分析方法〕
脂肪酸含量及びトランス脂肪酸含量は、AOCS Ce1f−96に準拠した方法で測定した。X3含量、X2U含量、XU2含量、U3含量及びStU2は、ガスクロマトグラフ法(JAOCS,vol70,11,1111−1114(1993)に準拠した方法で測定した。XXU含量は、XUX/X2U比をJ.High Resol.Chromatogr.,18,105−107(1995)に準拠した方法で測定し、この値とX2U含量を基に算出した。UXU含量はUXU/XU2比をJ.High Resol.Chromatogr.,18,105−107(1995)に準拠した方法で測定し、この値とXU2含量を基に算出した。ヨウ素価は、「基準油脂分析試験法(社団法人日本油化学会編)」の「2.3.4.1−1996 ヨウ素価(ウィイス−シクロヘキサン法)」に準じて測定した。
〔エステル交換油A1の製造〕
ハイオレイックヒマワリ油(オレイン酸含量85.1質量%、リノール酸含量6.6質量%、リノレン酸含量0.1質量%)22質量部とパームステアリン(ヨウ素価36.1)31質量部と大豆油の極度硬化油(ヨウ素価1.1、炭素数16以上の飽和脂肪酸含量99.5質量%)47質量部を混合した。得られた混合油(パルミチン酸含量24.7質量%、ステアリン酸43.0質量%、オレイン酸26.7質量%、リノール酸3.8質量%、リノレン酸0.1質量%、トランス脂肪酸0質量%)を、ランダムエステル交換反応を行うことにより、エステル交換油A1を得た。エステル交換反応は、常法に従い、原料油脂を十分に乾燥させ、ナトリウムメトキシドを原料油脂に対して0.2質量%添加した後、減圧下、120℃で0.5時間攪拌しながら反応を行った。
〔エステル交換油B1の製造〕
パームステアリン(ヨウ素価36.1)60質量部とパーム油(ヨウ素価52.0)40質量部を混合した。得られた混合油(パルミチン酸含量51.7質量%、ステアリン酸4.6質量%、オレイン酸33.2質量%、リノール酸8.0質量%、リノレン酸0.2質量%、トランス脂肪酸0質量%)を、ランダムエステル交換反応を行うことにより、エステル交換油B1を得た。エステル交換反応は、上記エステル交換油A1と同様の方法で行った。
〔実施例1の油脂組成物の製造〕
40質量部のエステル交換油A1と60質量部のエステル交換油B1を混合した(パルミチン酸含量40.9質量%、ステアリン酸20.3質量%、オレイン酸30.2質量%、リノール酸6.5質量%、リノレン酸0.1質量%、トランス脂肪酸0質量%)。得られた混合油を36〜38℃でドライ分別し、高融点部を除去することで低融点部を得た。得られた低融点部を0〜2℃で溶剤分別(アセトン使用)し、高融点部を除去することで低融点部を得て、これに脱臭処理を行ったものを実施例1の油脂組成物(X3含量:0.1質量%、X2U含量:25.1質量%、XU2含量:59.9質量%、U3含量:10.9質量%、XXU+UXU含量:29.8質量%、XXU含量:13.5質量%、St2U/XU2質量比:0.203、St/P質量比:0.274、トランス脂肪酸含量:0.7質量%、C16〜24の脂肪酸含量:98.7質量%、C16〜24の飽和脂肪酸含量:36.3質量%、C16〜24の不飽和脂肪酸含量:62.4質量%)とした。
〔比較例1〜2の油脂組成物の準備〕
比較例1〜2として、下記の油脂組成物を準備した。
・比較例1の油脂組成物:パームオレイン(ヨウ素価:56、日清オイリオグループ(株)製、X3含量:1.4質量%、X2U含量:46.6質量%、XU2含量:41.8質量%、U3含量:5.8質量%、XXU+UXU含量:6.0質量%、XXU含量:5.0質量%、St2U/XU2質量比:0.105、St/P質量比:0.108、トランス脂肪酸含量:0.7質量%、C16〜24の脂肪酸含量:98.8質量%、C16〜24の飽和脂肪酸含量:44.9質量%、C16〜24の不飽和脂肪酸含量:53.8質量%)
・比較例2の油脂組成物:パームスーパーオレイン(ヨウ素価:67、日清オイリオグループ(株)製、X3含量:0質量%、X2U含量:23.5質量%、XU2含量:63.0質量%、U3含量:9.1質量%、XXU+UXU含量:3.9質量%、XXU含量:2.3質量%、St2U/XU2質量比:0.100、St/P質量比:0.109、トランス脂肪酸含量:0.9質量%、C16〜24の脂肪酸含量:98.6質量%、C16〜24の飽和脂肪酸含量:35.5質量%、C16〜24の不飽和脂肪酸含量:63.0質量%)
〔チョコレートの製造〕
実施例1の油脂組成物及び比較例1〜2の油脂組成物を使用し、表1の配合で実施例2のチョコレート及び比較例3〜4のチョコレートを製造した。なお、チョコレートの油脂含量は全て56.0質量%であり、チョコレートの水分含量は全て1質量%以下であった。チョコレートに含まれる油脂中のトリグリセリド組成、脂肪酸組成を表2に示す(含量の単位は質量%である。)。
Figure 0005885609
Figure 0005885609
〔アイスクリームモナカの製造及び評価〕
直径60mm×高さ8mm×厚さ1.5mmのモナカ皮の内側全面に、実施例2のチョコレート及び比較例3〜4のチョコレートを被覆し、チョコレートが乾いた後に、アイスクリーム35gを充填することで、アイスクリーム充填モナカ皮を得た。同じ大きさのモナカ皮の内面全面に同じチョコレートを被覆することで、チョコレート被覆モナカ皮を得た。アイスクリーム充填モナカ皮に、チョコレート被覆モナカ皮を被せることで、実施例3のアイスクリームモナカ及び比較例5〜6のアイスクリームモナカを製造した。
実施例3のアイスクリームモナカ及び比較例5〜6のアイスクリームモナカを−20℃の冷凍庫に6週間保存し、経時的にアイスクリームモナカを食した時のモナカ皮の食感を評価した。評価は、10名が5段階(1点〜5点)の点数を付け、その平均値で行った。食感の評価は、点数が高いほど食感がパリパリしていることを示しており、6週間保存後の平均点が3点以上である場合を良好であると判断した。
評価結果を表3に示す。
Figure 0005885609
表3から分かるように、実施例のアイスクリームモナカは、モナカ皮の吸湿が抑制され、食感が良好であった。
一方、表3から分かるように、比較例のアイスクリームモナカは、モナカ皮が吸湿してしまい、モナカ皮のパリパリした食感が失われた。

Claims (10)

  1. 油性食品に含まれる油脂が下記(a)から(e)の条件を満たす油性食品。
    (a)X3含量が5質量%以下
    (b)X2U含量が10〜50質量%
    (c)XU2含量が30〜70質量%
    (d)U3含量が1〜25質量%
    (e)XXUとUXUの合計含量が6.5〜40質量%
    (上記の(a)から(e)の条件において、X、U、X3、X2U、XU2、U3、XXU及びUXUはそれぞれ以下のものを示す。
    X:炭素数16〜20の飽和脂肪酸
    U:炭素数18の不飽和脂肪酸
    X3:Xが3分子結合しているトリグリセリド
    X2U:Xが2分子、Uが1分子結合しているトリグリセリド
    XU2:Xが1分子、Uが2分子結合しているトリグリセリド
    U3:Uが3分子結合しているトリグリセリド
    XXU:1位と3位にXとUがそれぞれ一つずつ、2位にXが結合しているトリグリセリド
    UXU:1位と3位にU、2位にXが結合しているトリグリセリド)
  2. 前記油性食品が油性食品以外の食品と組み合わせて使用される請求項1に記載の油性食品。
  3. 前記油性食品以外の食品が高水分食品及び低水分食品を併用する請求項2に記載の油性食品。
  4. 前記高水分食品が冷菓であり、前記低水分食品がモナカ皮又は冷菓用コーンである請求項3に記載の油性食品。
  5. 前記油性食品がチョコレートである請求項1〜4のいずれか1項に記載の油性食品。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の油性食品と油性食品以外の食品とを組み合わせた複合食品。
  7. 前記油性食品以外の食品が高水分食品及び低水分食品を併用した複合食品であって、前記油性食品が高水分食品と低水分食品の間に存在する請求項6に記載の複合食品。
  8. 前記高水分食品が冷菓であり、前記低水分食品がモナカ皮又は冷菓用コーンである請求項7に記載の複合食品。
  9. 前記油性食品がチョコレートである請求項6〜8のいずれか1項に記載の複合食品。
  10. 下記の(f)から(j)の条件を満たす油性食品用油脂組成物。
    (f)X3含量が2質量%以下
    (g)X2U含量が15〜37質量%
    (h)XU2含量が47〜70質量%
    (i)U3含量が1〜25質量%
    (j)XXUとUXUの合計含量が20〜40質量%
    (上記の(f)から(j)の条件において、X、U、X3、X2U、XU2、U3、XXU及びUXUはそれぞれ以下のものを示す。
    X:炭素数16〜20の飽和脂肪酸
    U:炭素数18の不飽和脂肪酸
    X3:Xが3分子結合しているトリグリセリド
    X2U:Xが2分子、Uが1分子結合しているトリグリセリド
    XU2:Xが1分子、Uが2分子結合しているトリグリセリド
    U3:Uが3分子結合しているトリグリセリド
    XXU:1位と3位にXとUがそれぞれ一つずつ、2位にXが結合しているトリグリセリド
    UXU:1位と3位にU、2位にXが結合しているトリグリセリド)
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