JP5858734B2 - 新規なフレキシブルプリント配線基板およびその作成方法 - Google Patents

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Description

本願発明は、微細加工性、低反り性、柔軟性、耐折れ性に優れたフレキシブルプリント配線基板およびその作成方法に関するものである。
従来、フレキシブルプリント配線基板の絶縁膜には、電気絶縁信頼性、耐熱性、耐薬品性及び機械特性に優れるポリイミドフィルム等の成形体に接着剤を塗布して得られるカバーレイフィルムを位置合わせした後に熱プレス等で熱圧着する方法、ポリイミド樹脂等を有機溶媒に溶解させた溶液を配線回路上に直接塗布した後に溶媒を乾燥させた後に硬化させることにより得られるカバーコートを用いる方法、また、酸変性エポキシアクリレートやエポキシ樹脂等を主体とした感光性熱硬化性樹脂組成物を回路上に直接塗布した後にフォトリソグラフィーにより開口部の微細加工を施した後に硬化させる感光性ソルダーレジストを用いる方法がとられてきた。
しかし、カバーレイフィルムを用いる方法の場合、薄いフィルムに高精度な開口部を設けることは困難であり、また、張り合わせ時の位置合わせは手作業で行われる場合が多いため、位置精度が悪く、張り合わせの作業性も悪く、コスト高となっていた。また、カバーコートを用いる方法の場合、スクリーン印刷などの印刷技術により開口部とその他の部分を塗り分ける必要があるため高精度な開口部を設けることは困難であった(例えば、特許文献1参照。)。また、感光性ソルダーレジストを用いる方法の場合、フォトリソグラフィーにより開口部を形成できるため微細加工性に優れるものの、屈曲性等の柔軟性が悪く、硬化収縮が大きいためフレキシブルプリント配線板などの薄くて柔軟性に富む回路基板に積層した場合、基板の反りが大きくなる問題があった。(例えば、特許文献2参照。)。とりわけ、携帯電話やデジタルカメラのような電子機器は小型軽量化、高機能化、高密度化のために、回路や配線に残されたスペースは極めて僅かになり、この限られたスペースを有効に利用できるように高い微細加工性を保持したままで、低反り性、柔軟性、耐折れ性に優れる絶縁配線材料が求められている。
国際公開第2007/125806号 特開2000−241969号公報
実装スペースの縮小に伴い、近年のフレキシブルプリント配線基板には微細加工性に加えて、低反り性、柔軟性、耐折れ性などの搭載性が求められている。一般的に感光性ソルダーレジストを用いて微細加工するためには、感光性熱硬化性樹脂組成物に紫外線を照射することで露光(UV硬化)部及び未露光部を作った後、希アルカリ水溶液で未露光部を現像する。この際、露光硬化によって感光性熱硬化性樹脂組成物の架橋密度が増加するために必然的に絶縁膜は脆くなる。この理由で、感光性ソルダーレジストを用いた、従来のフレキシブルプリント配線基板の作成方法では微細加工性と低反り性、柔軟性、耐折れ性の両立は非常に困難であった。
本願発明者らは、上記課題について鋭意研究した結果、同一のフレキシブルプリント配線基板上の絶縁膜が、露光硬化及び熱硬化された第一の箇所、及び露光硬化せずに熱硬化された第二の箇所を有することで、微細加工性、低反り性、柔軟性、耐折れ性に優れたフレキシブルプリント配線基板を得ることが可能であり、その上、第一の箇所及び第二の箇所が一種類の感光性熱硬化性樹脂組成物を塗工することにより得られることから、感光性樹脂組成物及び熱硬化性樹脂組成物を塗り分けるフレキシブルプリント配線基板の製造方法に比べて、より簡便で生産性が向上する製造方法を見出した。
すなわち、本願発明は同一のフレキシブルプリント配線基板上の絶縁膜が、露光硬化及び熱硬化された第一の箇所、及び露光硬化せずに熱硬化された第二の箇所を有し、かつ第一の箇所及び第二の箇所が同一の感光性熱硬化性樹脂組成物から得られることを特徴とするフレキシブルプリント配線基板に関する。
また、上記感光性熱硬化性樹脂組成物が少なくとも(A)ベースポリマー、(B)ラジカル重合性化合物、(C)光重合開始剤及び(D)熱硬化性樹脂を含有することが好ましい。
また、上記、第一の箇所がパターン化されていることが好ましい。
また、上記、第一の箇所がアルカリ現像されていることが好ましい。
また、本願の別の発明は、感光性熱硬化性樹脂組成物をフレキシブルプリント配線基板上に塗布・乾燥した後、第一の箇所を露光硬化した後に、次いで第一の箇所及び第二の箇所を熱硬化させることによって絶縁膜を形成することを特徴とするフレキシブルプリント配線基板の製造方法に関する。
また、本願の別の発明は、感光性熱硬化性樹脂組成物をフレキシブルプリント配線基板上に塗布・乾燥した後、第二の箇所を熱硬化した後に、次いで第一の箇所を露光硬化し、さらに、第一の箇所及び第二の箇所を熱硬化することによって絶縁膜を形成することを特徴とするフレキシブルプリント配線基板の製造方法に関する。
本願発明のフレキシブルプリント配線基板は、以上のように、同一のフレキシブルプリント配線基板上の絶縁膜が、露光硬化及び熱硬化された第一の箇所、及び露光硬化せずに熱硬化された第二の箇所を有し、かつ第一の箇所及び第二の箇所が同一の感光性熱硬化性樹脂組成物から得られるため、微細加工性、低反り性、柔軟性、耐折れ性に優れたフレキシブルプリント配線基板を得ることが可能である。その上、第一の箇所及び第二の箇所が一種類の感光性熱硬化性樹脂組成物を塗工することにより得られることから、感光性樹脂組成物及び熱硬化性樹脂組成物を塗り分けるフレキシブルプリント配線基板の製造方法に比べて、より簡便で生産性が向上する製造方法である。従って、本願発明のフレキシブルプリント配線基板およびその作成方法は、種々の回路基板およびその作成方法に使用でき、優れた効果を奏するものである。
同一のフレキシブルプリント配線板上における第一の箇所及び第二の箇所の一例を示す図である。 第一の箇所を露光硬化した後に、次いで第一の箇所及び第二の箇所を熱硬化させることによって絶縁膜を形成するフレキシブルプリント配線基板の製造方法の一例を示す図である。 第二の箇所を熱硬化した後に、次いで第一の箇所を露光硬化し、さらに、第一の箇所及び第二の箇所を熱硬化することによって絶縁膜を形成するフレキシブルプリント配線基板の製造方法の一例を示す図である。 櫛型パターン上に第一の箇所及び第二の箇所を形成したことを示す図である。 屈曲性試験をしている模式図である。
以下、本願発明について、感光性熱硬化性樹脂組成物、及び同一のフレキシブルプリント配線板上に第一の箇所及び第二の箇所を形成する方法について詳細に説明する。
[感光性熱硬化性樹脂組成物]
本願発明の感光性熱硬化性樹脂組成物とは、感光性及び熱硬化性を有する樹脂組成物であれば特に限定はされないが、好ましくは少なくとも(A)ベースポリマー、(B)ラジカル重合性化合物、(C)光重合開始剤、及び(D)熱硬化性樹脂を含有する樹脂組成物である。また、本願発明における感光性熱硬化性樹脂組成物とは、硬化した絶縁膜として求められる機能を果たすことが出来る材料であれば限定されるものではない。ここで、上記求められる機能としては、低温(200℃以下)で硬化可能であり、柔軟性に富み、電気絶縁信頼性、ハンダ耐熱性、耐有機溶剤性、難燃性に優れ、硬化後の基板の反りが小さい事が挙げられる。
ここで、本願発明の絶縁膜は、各種特性に優れる事を、本発明者らは見出したが、これは、以下の理由によるのではないかと推測している。
感光性熱硬化性樹脂組成物を露光硬化せずに熱硬化することで、絶縁膜の架橋密度が低下し、ガラス転移温度(T)が下がる、さらには未硬化の感光性樹脂が絶縁膜中で可塑剤として作用するために、露光硬化及び熱硬化した絶縁膜で達成困難な、低反り、柔軟性、耐折れ性を達成したものと推測している。以下、各種成分について詳細に記載する。
[(A)ベースポリマー]
本願発明に用いられる(A)ベースポリマーとは、有機溶媒に対して可溶性であり、2つ以上のモノマーが重合反応してできる化合物であって、分子量1,000以上、1,000,000以下のポリマーであれば特に限定されるものではない。
上記有機溶媒とは、特に限定されないが、例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミドなどのホルムアミド系溶媒、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミドなどのアセトアミド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドンなどのピロリドン系溶媒、あるいはヘキサメチルホスホルアミド、γ−ブチロラクトンなどを挙げることができる。さらに必要に応じて、これらの有機極性溶媒とキシレンあるいはトルエンなどの芳香族炭化水素とを組み合わせて用いることもできる。
更に、例えばメチルモノグライム(1,2-ジメトキシエタン)、メチルジグライム(ビス(2-メトキシエテル)エーテル)、メチルトリグライム(1,2-ビス(2-メトキシエトキシ)エタン)、メチルテトラグライム(ビス[2-(2-メトキシエトキシエチル)]エーテル)、エチルモノグライム(1,2-ジエトキシエタン)、エチルジグライム(ビス(2-エトキシエチル)エーテル)、ブチルジグライム(ビス(2-ブトキシエチル)エーテル)等の対称グリコールジエーテル類、メチルアセテート、エチルアセテート、イソプロピルアセテート、n―プロピルアセテート、ブチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(別名、カルビトールアセテート、酢酸2-(2-ブトキシエトキシ)エチル))、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールジアセテート、1,3―ブチレングリコールジアセテート等のアセテート類や、ジプロピレングリコールメチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールn−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールn−プロピルエーテル、プロピレングリコールn−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテル、トリピレングリコールn−プロピルエーテル、プロピレングリコールフェニルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、1,3―ジオキソラン、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールものエチルエーテル等のエーテル類の溶剤が挙げられる。
有機溶媒に対して可溶性となる指標である有機溶媒溶解性は、有機溶媒100重量部に対して溶解する樹脂の重量部として測定することが可能であり、有機溶媒100重量部に対して溶解する樹脂の重量部が5重量部以上であれば有機溶媒に対して可溶性とすることができる。有機溶媒溶解性測定方法は、特に限定されないが、例えば、有機溶媒100重量部に対して樹脂を5重量部添加し、40℃で1時間攪拌後、室温まで冷却して24時間以上放置し、不溶解物や析出物の発生なく均一な溶液であることを確認する方法で測定することができる。
本願発明の(A)ベースポリマーの重量平均分子量は、例えば、以下の方法で測定することができる。
(重量平均分子量測定)
使用装置:東ソーHLC−8220GPC相当品
カラム :東ソー TSK gel Super AWM−H(6.0mmI.D.×15cm)×2本
ガードカラム:東ソー TSK guard column Super AW−H
溶離液:30mM LiBr+20mM H3PO4 in DMF
流速:0.6mL/min
カラム温度:40℃
検出条件:RI:ポラリティ(+)、レスポンス(0.5sec)
試料濃度:約5mg/mL
標準品:PEG(ポリエチレングリコール)
上記範囲内に重量平均分子量を制御することにより、得られる絶縁膜の柔軟性、耐薬品性が優れるため好ましい。重量平均分子量が1,000以下の場合は、柔軟性や耐薬品性が低下する場合があり、重量平均分子量が1,000,000以上の場合は樹脂組成物の粘度が高くなる場合がある。
上記重合反応としては例えば、連鎖重合、逐次重合、リビング重合、付加重合、重縮合、付加縮合、ラジカル重合、イオン重合、カチオン重合、アニオン重合、配位重合、開環重合、共重合などが挙げられる。また、このような重合反応で得られたバインダーポリマーとしては例えば、例えば、ポリウレタン系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン系樹脂等が挙げられる。
[(B)ラジカル重合性化合物]
本願発明に用いられる(B)ラジカル重合性化合物とは光や熱によって発生したラジカルにより化学結合が形成される化合物である。その中でも(C)光重合開始剤により化学結合が形成される化合物であり、分子内に不飽和二重結合を少なくとも1つ有する化合物であることが好ましい。さらには、上記不飽和二重結合は、アクリル基(CH=CH−基)、メタアクリロイル基(CH=C(CH)−基)もしくはビニル基(−CH=CH−基)であることが好ましい。
かかる(2)ラジカル重合性化合物としては、例えばビスフェノールF EO変性(n=2〜50)ジアクリレート、ビスフェノールA EO変性(n=2〜50)ジアクリレート、ビスフェノールS EO変性(n=2〜50)ジアクリレート、ビスフェノールF EO変性(n=2〜50)ジメタクリレート、ビスフェノールA EO変性(n=2〜50)ジメタクリレート、ビスフェノールS EO変性(n=2〜50)ジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、テトラメチロールプロパンテトラアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、テトラメチロールプロパンテトラメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、メトキシジエチレングリコールメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート、β−メタクリロイルオキシエチルハイドロジェンフタレート、β−メタクリロイルオキシエチルハイドロジェンサクシネート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシジエチレングリコールアクリレート、フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、β−アクリロイルオキシエチルハイドロジェンサクシネート、ラウリルアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジメタクリロキシプロパン、2,2−ビス[4−(メタクリロキシエトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(メタクリロキシ・ジエトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(メタクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル]プロパン、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,2−ビス[4−(アクリロキシ・ジエトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(アクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル]プロパン、2−ヒドロキシ−1−アクリロキシ−3−メタクリロキシプロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、メトキシジプロピレングリコールメタクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコールアクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレングリコールアクリレート、1 − アクリロイルオキシプロピル−2−フタレート、イソステアリルアクリレート、ポリオキシエチレンアルキルエーテルアクリレート、ノニルフェノキシエチレングリコールアクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジメタクリレート、1,6−メキサンジオールジメタクリレート、1,9−ノナンジオールメタクリレート、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオールジメタクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールジメタクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、2,2−水添ビス[4−(アクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(アクリロキシ・ポリプロポキシ)フェニル]プロパン、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオールジアクリレート、エトキシ化トチメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシ化トチメチロールプロパントリアクリレート、イソシアヌル酸トリ(エタンアクリレート)、ペンタスリトールテトラアクリレート、エトキシ化ペンタスリトールテトラアクリレート、プロポキシ化ペンタスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールポリアクリレート、イソシアヌル酸トリアリル、グリシジルメタクリレート、グリシジルアリルエーテル、1,3,5−トリアクリロイルヘキサヒドロ−s−トリアジン、トリアリル1,3,5−ベンゼンカルボキシレート、トリアリルアミン、トリアリルシトレート、トリアリルフォスフェート、アロバービタル、ジアリルアミン、ジアリルジメチルシラン、ジアリルジスルフィド、ジアリルエーテル、ザリルシアルレート、ジアリルイソフタレート、ジアリルテレフタレート、1,3−ジアリロキシ−2−プロパノール、ジアリルスルフィドジアリルマレエート、4,4’−イソプロピリデンジフェノールジメタクリレート、4,4’−イソプロピリデンジフェノールジアクリレート、等が好ましいが、これらに限定されない。特に、ジアクリレートあるいはメタアクリレートの一分子中に含まれるEO(エチレンオキサイド)の繰り返し単位が、2〜50の範囲のものが好ましく、さらに好ましくは2〜40である。EOの繰り返し単位が2〜50の範囲の物を使用することにより、樹脂組成物のアルカリ水溶液に代表される水系現像液への溶解性が向上し、現像時間が短縮される。更に、感光性熱硬化性樹脂組成物を硬化した絶縁膜中に応力が残りにくく、例えばプリント配線板の中でも、ポリイミド樹脂を基材とするフレキシブルプリント配線板上に積層した際に、プリント配線板のカールを抑えることができるなどの特徴を有する。
特に、上記EO変性のジアクリレート或いは、ジメタクリレートと、アクリル基もしくは、メタクリル基を3以上有するアクリル樹脂を併用することが現像性を高める上で特に好ましく、例えばエトキシ化イソシアヌル酸EO変性トリアクリレート、エトキシ化イソシアヌル酸EO変性トリメタクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、プロポキシ化ペンタエリストールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、2,2,2−トリスアクリロイロキシメチルエチルコハク酸、2,2,2−トリスアクリロイロキシメチルエチルフタル酸、プロポキシ化ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、プロポキシ化ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレート、ε−カプロラクトン変性トリス−(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレート、カプロラクトン変性ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、下記一般式(1)
(式中、a+b=6、n=12である。)で表される化合物、下記一般式(2)
(式中、a+b=4、n=4である。)で表される化合物、下記式(3)
で表される化合物、下記一般式(4)
(式中、m=1、a=2、b=4もしくは、m=1、a=3、b=3もしくは、m=1、a=6、b=0もしくは、m=2、a=6、b=0である。)で表される化合物、下記一般式(5)
(式中、a+b+c=3.6である。)で表される化合物、下記式(6)
で表される化合物、下記一般式(7)
(式中、m・a=3、a+b=3、ここで「m・a」は、mとaとの積である。)で表される化合物等のアクリル樹脂が好適に用いられる。
また、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチルアクリレート、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノアクリレート、アクリル酸ダイマー、ペンタエスリトールトリ及びテトラアクリレート等の分子構造中にヒドロキシル基、カルボニル基を有する物も好適に用いられる。
この他、エポキシ変性のアクリル(メタクリル)樹脂や、ウレタン変性のアクリル(メタクリル)樹脂、ポリエステル変性のアクリル(メタクリル)樹脂等どのようなラジカル重合性化合物を用いてもよい。
尚、ラジカル重合性化合物としては、1種を使用することも可能であるが、2種以上を併用することが、光硬化後の絶縁膜の耐熱性を向上させる上で好ましい。
本願発明におけるラジカル重合性化合物は、(A)成分、(C)成分、(D)成分、及びその他の成分の合計100重量部に対して、10〜200重量部となるように配合されていることが、感光性樹脂組成物の感光性が向上する点で好ましい。
ラジカル重合性化合物が上記範囲よりも少ない場合には、絶縁膜の耐アルカリ性が低下すると共に、露光・現像したときのコントラストが付きにくくなる場合がある。また、ラジカル重合性樹脂が上記範囲よりも多い場合には、感光性樹脂組成物を基材上に塗布し、溶媒を乾燥させることにより得られる塗膜のべたつきが大きくなるため生産性が低下し、また架橋密度が高くなりすぎることにより絶縁膜が脆く割れやすくなる場合がある。上記範囲内にすることで露光・現像時の解像度を最適な範囲にすることが可能となる。
[(C)光重合開始剤]
本願発明における光重合開始剤とは、露光などのエネルギーによって活性化し、光重合反応を開始・促進させる化合物である。かかる光重合開始剤としては、例えば、ミヒラ−ズケトン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’,4’’−トリス(ジメチルアミノ)トリフェニルメタン、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ジイミダゾール、アセトフェノン、ベンゾイン、2−メチルベンゾイン、ベンゾインメチルエ−テル、ベンゾインエチルエ−テル、ベンゾインイソプロピルエ−テル、ベンゾインイソブチルエ−テル、2−t−ブチルアントラキノン、1,2−ベンゾ−9,10−アントラキノン、メチルアントラキノン、チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ジアセチルベンジル、ベンジルジメチルケタ−ル、ベンジルジエチルケタ−ル、2(2’−フリルエチリデン)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−S−トリアジン、2[2’(5’’−メチルフリル)エチリデン]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−S−トリアジン、2(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−S−トリアジン、2,6−ジ(p−アジドベンザル)−4−メチルシクロヘキサノン、4,4’−ジアジドカルコン、ジ(テトラアルキルアンモニウム)−4,4’−ジアジドスチルベン−2,2’−ジスルフォネ−ト、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−ケトン、ビス(n5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]、ヨード二ウム,(4−メチルフェニル)[4−(2−メチルプロピル)フェニル]−ヘキサフルオロフォスフェート(1−)、エチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、2−エチルヘキシル−4−ジメチルアミノベンゾエート、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシオム)などが挙げられる。上記、光重合開始剤は適宜選択することが望ましく、1種以上を混合させて用いることが望ましい。
本願発明における光重合開始剤は、(A)成分、(B)成分、(C)成分、及びその他の成分の合計100重量部に対して、0.1〜50重量部となるように配合されていることが好ましい。
上記配合割合にすることで樹脂組成物の感光性が向上するので好ましい。
光重合開始剤成分が上記範囲よりも少ない場合には、光照射時のラジカル重合性基の反応が起こりにくく、硬化が不十分となることが多い場合がある。また、光重合開始剤成分が上記範囲よりも多い場合には、光照射量の調整が難しくなり、過露光状態となる場合がある。そのため、光硬化反応を効率良く進めるためには上記範囲内に調整することが好ましい。
[(D)熱硬化性樹脂]
本願発明における(D)熱硬化性樹脂とは、加熱により架橋構造を生成し、熱硬化剤として機能する化合物である。例えば、エポキシ樹脂、ビスマレイミド樹脂、ビスアリルナジイミド樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ヒドロシリル硬化樹脂、アリル硬化樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂;高分子鎖の側鎖又は末端にアリル基、ビニル基、アルコキシシリル基、ヒドロシリル基、等の反応性基を有する側鎖反応性基型熱硬化性高分子等を用いることができる。これらを単独で又は2種類以上を組み合わせて使用できる。
本願発明における(D)熱硬化性樹脂としては、この中でも、エポキシ樹脂を用いることが好ましい。本願発明におけるエポキシ樹脂は分子中に少なくとも1つ以上のエポキシ基を有していれば、分子量を問わず、モノマー、オリゴマー、及びポリマーなどの全てを含み、加熱により架橋構造を生成し、熱硬化剤として機能する化合物である。エポキシ樹脂を含有することにより、樹脂組成物を硬化させて得られる絶縁膜に対して耐熱性を付与できると共に、金属箔等の導体や回路基板に対する接着性を付与することができる。上記エポキシ樹脂とは、分子内に少なくとも2個のエポキシ基を含む化合物であり、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、ジャパンエポキシレジン株式会社製の商品名jER828、jER1001、jER1002、株式会社ADEKA製の商品名アデカレジンEP−4100E、アデカレジンEP−4300E、日本化薬株式会社製の商品名RE−310S、RE−410S、大日本インキ株式会社製の商品名エピクロン840S、エピクロン850S、エピクロン1050、エピクロン7050、東都化成株式会社製の商品名エポトートYD−115、エポトートYD−127、エポトートYD−128、ビスフェノールF型エポキシ樹脂としては、ジャパンエポキシレジン株式会社製の商品名jER806、jER807、株式会社ADEKA製の商品名アデカレジンEP−4901E、アデカレジンEP−4930、アデカレジンEP−4950、日本化薬株式会社製の商品名RE−303S、RE−304S、RE−403S,RE−404S、DIC株式会社製の商品名エピクロン830、エピクロン835、東都化成株式会社製の商品名エポトートYDF−170、エポトートYDF−175S、エポトートYDF−2001、ビスフェノールS型エポキシ樹脂としては、DIC株式会社製の商品名エピクロンEXA−1514、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、ジャパンエポキシレジン株式会社製の商品名jERYX8000、jERYX8034,jERYL7170、株式会社ADEKA製の商品名アデカレジンEP−4080E、DIC株式会社製の商品名エピクロンEXA−7015、東都化成株式会社製の商品名エポトートYD−3000、エポトートYD−4000D、ビフェニル型エポキシ樹脂としては、ジャパンエポキシレジン株式会社製の商品名jERYX4000、jERYL6121H、jERYL6640、jERYL6677、日本化薬株式会社製の商品名NC−3000、NC−3000H、フェノキシ型エポキシ樹脂としては、ジャパンエポキシレジン株式会社製の商品名jER1256、jER4250、jER4275、ナフタレン型エポキシ樹脂としては、DIC株式会社製の商品名エピクロンHP−4032、エピクロンHP−4700、エピクロンHP−4200、日本化薬株式会社製の商品名NC−7000L、フェノールノボラック型エポキシ樹脂としては、ジャパンエポキシレジン株式会社製の商品名jER152、jER154、日本化薬株式会社製の商品名EPPN−201−L、DIC株式会社製の商品名エピクロンN−740、エピクロンN−770、東都化成株式会社製の商品名エポトートYDPN−638、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂としては、日本化薬株式会社製の商品名EOCN−1020、EOCN−102S、EOCN−103S、EOCN−104S、DIC株式会社製の商品名エピクロンN−660、エピクロンN−670、エピクロンN−680、エピクロンN−695、トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂としては、日本化薬株式会社製の商品名EPPN−501H、EPPN−501HY、EPPN−502H、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂としては、日本化薬株式会社製の商品名XD−1000、DIC株式会社製の商品名エピクロンHP−7200、アミン型エポキシ樹脂としては、東都化成株式会社の商品名エポトートYH−434、エポトートYH−434L、可とう性エポキシ樹脂としては、ジャパンエポキシレジン株式会社製の商品名jER871、jER872、jERYL7175、jERYL7217、DIC株式会社製の商品名エピクロンEXA−4850、ウレタン変性エポキシ樹脂としては、株式会社ADEKA製の商品名アデカレジンEPU−6、アデカレジンEPU−73、アデカレジンEPU−78−11、ゴム変性エポキシ樹脂としては、株式会社ADEKA製の商品名アデカレジンEPR−4023、アデカレジンEPR−4026、アデカレジンEPR−1309、キレート変性エポキシ樹脂としては、株式会社ADEKA製の商品名アデカレジンEP−49−10、アデカレジンEP−49−20等が挙げられる。上記、これらを単独で又は2種類以上を組み合わせて使用できる。
本願発明におけるエポキシ樹脂の硬化剤としては特に限定されないが、例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ナフタレン型フェノール樹脂等のフェノール樹脂、アミノ樹脂、ユリア樹脂、メラミン、ジシアンジアミド等が挙げられ、これらを単独で又は2種類以上を組み合わせて使用できる。
また、硬化促進剤としては、特に限定されないが、例えば、トリフェニルホスフィン等のホスフィン系化合物;3級アミン系、トリメタノールアミン、トリエタノールアミン、テトラエタノールアミン等のアミン系化合物;1,8−ジアザ−ビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウムテトラフェニルボレート等のボレート系化合物等、イミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−イソプロピルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール類;2−メチルイミダゾリン、2−エチルイミダゾリン、2−イソプロピルイミダゾリン、2−フェニルイミダゾリン、2−ウンデシルイミダゾリン、2,4−ジメチルイミダゾリン、2−フェニル−4−メチルイミダゾリン等のイミダゾリン類;2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−ウンデシルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン等のアジン系イミダゾール類等が挙げられ、これらを単独で又は2種類以上を組み合わせて使用できる。
本願発明における(D)熱硬化性樹脂成分は、(A)〜(C)成分、及びその他の成分の合計100重量部に対して、好ましくは0.5〜100重量部、さらに好ましくは、1〜50重量部、特に好ましくは、5〜20重量部である。上記範囲内に熱硬化性樹脂成分の量を調整することにより、樹脂組成物を硬化させることにより得られる絶縁膜の耐熱性、耐薬品性、電気絶縁信頼性を向上することができるので好ましい。
熱硬化性樹脂成分が上記範囲よりも少ない場合には、樹脂組成物を硬化させることにより得られる絶縁膜の耐熱性、電気絶縁信頼性に劣る場合がある。また、熱硬化性樹脂成分が上記範囲よりも多い場合には、樹脂組成物を硬化させることにより得られる絶縁膜が脆くなり柔軟性に劣り、絶縁膜の反りも大きくなる場合がある。
[その他の成分]
本願発明における感光性熱硬化性樹脂組成物は(A)ベースポリマー、(B)ラジカル重合性化合物、(C)光重合開始剤、及び(D)熱硬化性樹脂に加えて、必要に応じてフィラー、難燃剤、着色剤、密着付与剤、重合禁止剤、及び有機溶媒等の添加剤を含有してもよい。
本願発明に用いられるフィラーとは、フィラーとは有機フィラー、無機フィラー、有機−有機複合化微粒子、及び有機−無機複合化微粒子と呼ばれるものであれば特に限定されないが、形状としては球状、粉状、繊維状、針状、鱗片状などが挙げられる。有機フィラーとしては、例えば、ポリエチレン、ベンゾグアナミン、メラミン、フタロシアニン粉等の他、シリコーン、アクリル、スチレンブ−タジエンゴム、ブタジエンゴム等を用いた多層構造のコアシェル等が挙げられる。無機フィラーとしてはシリカ、酸化チタン、アルミナ、窒化珪素、窒化ホウ素、炭酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸カルシウム、雲母などが挙げられる。これらを単独で又は2種類以上を組み合わせて使用できる。また、摺動性、熱伝導性、導電性、耐コロナ性、ループスティフネス等のその他特性を制御する目的で、各種フィラーを添加してもよい。
また、フィラーの平均粒子径としては0.1μmから25μmであることが特に好ましい。この範囲を下回るとフィラーによる改質効果が現れにくく、さらに分散性や分散液の安定性が著しく損なわれる可能性がある。また、この範囲を上回るとパターニング性や絶縁膜の機械特性が大きく損なわれる可能性がある。
また、フィラーの添加量は、本願発明の絶縁膜におけるフィラー以外の成分の合計100重量部に対して、0.01から50重量部、好ましくは1から30重量部、更に好ましくは5から20重量部である。フィラー添加量がこの範囲を下回るとフィラーによる改質効果が現れにくく、この範囲を上回ると絶縁膜の機械的特性が大きく損なわれる可能性がある。
フィラーの添加方法は、
1.重合前又は途中に重合反応液に添加する方法
2.重合完了後、3本ロールなどを用いてフィラーを混錬する方法
3.フィラーを含む分散液を用意し、これを樹脂組成物溶液に混合する方法
などいかなる方法を用いてもよい。上記フィラーは適宜選択することが望ましく、1種以上を混合させて用いることもできる。また、フィラーを良好に分散させ、また分散状態を安定化させるために分散剤、増粘剤等をフィルム物性に影響を及ぼさない範囲内で用いることもできる。
本願発明における難燃剤とは、絶縁膜を難燃化するために用いられる化合物のことである。例えば、リン酸エステル系化合物、含ハロゲン系化合物、金属水酸化物、有機リン系化合物、シリコーン系等を用いることができ、使用方法としては添加型難燃剤、反応型難燃剤として用いることができる。また、難燃剤は、1種又は2種以上を適宜組み合わせて用いても良い。難燃剤としては、この中でも、非ハロゲン系化合物を用いることが環境汚染の観点からより好ましく、特にリン系難燃剤が好ましい。
また、難燃剤の添加量は、本願発明の絶縁膜における難燃剤以外の成分の合計100重量部に対して、1〜100重量部となるように配合されていることが好ましい。上記配合割合にすることで得られる絶縁膜の耐折れ性を損なうことなく、難燃性が向上するので好ましい。難燃剤成分が上記範囲よりも少ない場合には、絶縁膜の難燃性が不十分となる場合がある。
本願発明における着色剤としては、フタロシアニン系化合物、アゾ系化合物、カーボンブラック、酸化チタン、密着性付与剤としては、シランカップリング剤、トリアゾール系化合物、テトラゾール系化合物、トリアジン系化合物、重合禁止剤としては、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル等が挙げられ、これらを単独で又は2種類以上を組み合わせて使用できる。
本願発明における溶媒としては、樹脂組成物成分を溶解させることができる溶媒であれば良い。例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶媒、メチルモノグライム(1,2-ジメトキシエタン)、メチルジグライム(ビス(2-メトキシエテル)エーテル)、メチルトリグライム(1,2-ビス(2-メトキシエトキシ)エタン)、メチルテトラグライム(ビス[2-(2-メトキシエトキシエチル)]エーテル)、エチルモノグライム(1,2-ジエトキシエタン)、エチルジグライム(ビス(2-エトキシエチル)エーテル)、ブチルジグライム(ビス(2-ブトキシエチル)エーテル)等の対称グリコールジエーテル類、γ―ブチロラクトン、メチルアセテート、エチルアセテート、イソプロピルアセテート、n―プロピルアセテート、ブチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(別名、カルビトールアセテート、酢酸2-(2-ブトキシエトキシ)エチル))、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールジアセテート、1,3―ブチレングリコールジアセテート等のアセテート類や、ジプロピレングリコールメチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールn−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールn−プロピルエーテル、プロピレングリコールn−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテル、トリピレングリコールn−プロピルエーテル、プロピレングリコールフェニルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、1,3―ジオキソラン、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等のエーテル類等を挙げることができ、これらは単独であるいは2種類以上を組み合わせて用いることができる。本願発明における溶媒の量は、感光性熱硬化性樹脂組成物における溶剤以外の成分の合計100重量部に対して、10〜400重量部が好ましく、より好ましくは、20〜200重量部、特に好ましくは、40〜100重量部である。上記範囲内に溶媒の量を調整することにより、樹脂組成物の粘度や粘性をスクリーン印刷などの塗工に適切な範囲内に調整することができるので好ましい。溶媒が上記範囲よりも少ない場合には、樹脂組成物の粘度が非常に高くなり、塗工が困難となり、塗工時の泡の巻き込み、レベリング性に劣る場合がある。また、溶媒が上記範囲よりも多い場合には、樹脂組成物の粘度が非常に低くなってしまい、塗工が困難となり、回路の被覆性に劣る場合がある。
[同一のフレキシブルプリント配線基板上に第一の箇所及び第二の箇所を形成する方法]
以下、本願発明の同一のフレキシブルプリント配線基板上に第一の箇所A及び第二の箇所B(図1参照)を形成する方法を図面に基づいて詳細に説明するが、少なくとも一枚のフレキシブルプリント配線板2上に露光硬化及び熱硬化される第一の箇所A、及び露光硬化せずに熱硬化される第二の箇所Bが存在し、かつ第一の箇所A及び第二の箇所Bが同一の感光性熱硬化性樹脂組成物1から得られているのであれば特に限定されるものではない。
[第一の箇所Aを露光硬化した後に、次いで第一の箇所A及び第二の箇所Bを熱硬化させることによって絶縁膜を形成する方法](図2参照)
<工程1>
感光性熱硬化性樹脂組成物1をフレキシブルプリント配線基板2に塗布し乾燥する。フレキシブルプリント配線基板2への塗布はスクリ−ン印刷、カ−テンロ−ル、リバ−スロ−ル、スプレーコーティング、スピンナーを利用した回転塗布等により行うことができる。塗布膜(好ましくは厚み:5〜100μm、特に10〜100μm)の乾燥は120℃以下、好ましくは40〜100℃で行う。
<工程2>
乾燥塗布膜にネガ型のフォトマスク3を置き、紫外線、可視光線、電子線などの活性光線4を照射して露光硬化する。
<工程3>
ネガ型のフォトマスク3を取り外し、第二の箇所Bをポリイミドテープ6によりマスクする。この際、第二の箇所Bのマスクに用いるものは第二の箇所Bを現像<工程4>から保護可能であれば特に限定されないが、<工程5>において塗膜表面を傷つけずに剥がすことができるものが好ましい。
<工程4>
未露光部分をシャワー、パドル、浸漬又は超音波等の各種方式を用い、現像液で現像する。なお、現像装置の噴霧圧力や流速、エッチング液の温度によりパターンが露出するまでの時間が異なる為、適宜最適な装置条件を見出すことが望ましい。
上記現像液としては、アルカリ水溶液を使用することが好ましい。この現像液には、メタノ−ル、エタノ−ル、n−プロパノ−ル、イソプロパノ−ル、N−メチル−2−ピロリドン等の水溶性有機溶媒が含有されていてもよい。上記のアルカリ水溶液を与えるアルカリ性化合物としては、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属又はアンモニウムイオンの、水酸化物又は炭酸塩や炭酸水素塩、アミン化合物などが挙げられ、具体的には水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素アンモニウム、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトライソプロピルアンモニウムヒドロキシド、N−メチルジエタノ−ルアミン、N−エチルジエタノ−ルアミン、N,N−ジメチルエタノ−ルアミン、トリエタノ−ルアミン、トリイソプロパノ−ルアミン、トリイソプロピルアミンなどを挙げることができ、水溶液が塩基性を呈するものであればこれ以外の化合物も当然使用することができる。また、現像液の温度は樹脂組成物の組成や、アルカリ現像液の組成に依存しており、一般的には0℃以上80℃以下、より一般的には、10℃以上60℃以下で使用することが好ましい。
上記現像工程によって形成した微細開口部は、リンスして不用な残分を除去する。リンス液としては、水、酸性水溶液などが挙げられる。
ここで、フレキシブルプリント配線基板の絶縁膜における第一の箇所Aがアルカリ現像などされることによってパターン化される。
<工程5>
第二の箇所Bをマスクしていたポリイミドテープ6を剥がす。この際、製造されたフレキシブルプリント配線基板の特性に影響が出ない範囲のものであれば被覆したままでもよいし、または、熱硬化<工程6>の後にマスクしていたポリイミドテープ6を剥がしてもよい。
<工程6>
第一の箇所A及び第二の箇所Bに熱風8を当て熱硬化を行う。熱硬化を行うことにより、耐熱性・耐薬品性に富む絶縁膜を得ることができる。絶縁膜の厚みは、フレキシブルプリント配線基板の厚み等を考慮して決定されるが、2〜50μm程度であることが好ましい。このときの最終加熱処理温度は配線等の酸化を防ぎ、フレキシブルプリント配線基板との密着性を低下させないことを目的として100℃以上250℃以下であることが好ましく、更に好ましくは120℃以上200℃以下であり、特に好ましくは130℃以上180℃以下である。加熱処理温度が高くなると配線等の酸化劣化が進み、基材との密着性が低下する場合がある。
ここで、露光硬化及び熱硬化された第一の箇所、及び露光硬化せずに熱硬化された第二の箇所を有し、かつ第一の箇所及び第二の箇所が同一の感光性熱硬化性樹脂組成物から得られる絶縁膜を有するフレキシブルプリント配線基板が製造される。
[第二の箇所Bを熱硬化した後に、次いで第一の箇所Aを露光硬化し、さらに、第一の箇所A及び第二の箇所Bを熱硬化することによって絶縁膜を形成する方法](図3参照)
<工程1>
感光性熱硬化性樹脂組成物1をフレキシブルプリント配線基板2に塗布し乾燥する。フレキシブルプリント配線基板2への塗布はスクリ−ン印刷、カ−テンロ−ル、リバ−スロ−ル、スプレーコーティング、スピンナーを利用した回転塗布等により行うことができる。塗布膜(好ましくは厚み:5〜100μm、特に10〜100μm)の乾燥は120℃以下、好ましくは40〜100℃で行う。
<工程2>
第二の箇所Bの熱硬化を行う。この際、第一の箇所Aの未露光部分の溶解性を損なわず、かつ、第二の箇所Bが現像<工程4>において現像されない範囲で熱硬化することが望ましい。このような熱硬化方法としては、例えば、ドライヤー又はヒートガンなどの温風で熱硬化する方法や、乾燥塗膜表面にテフロン(登録商標)シートを乗せ、加熱した金属などを接触して熱硬化する方法などがある。また、第一の箇所Aの熱硬化を防ぐために第一の箇所Aを放熱板などで保護してもよい。
<工程3>
乾燥塗布膜にネガ型のフォトマスク3を置き、紫外線、可視光線、電子線などの活性光線4を照射して露光硬化する。
<工程4>
ネガ型のフォトマスク3を取り外し、未露光部分をシャワー、パドル、浸漬又は超音波等の各種方式を用い、現像液で現像する。なお、現像装置の噴霧圧力や流速、エッチング液の温度によりパターンが露出するまでの時間が異なる為、適宜最適な装置条件を見出すことが望ましい。
上記現像液としては、アルカリ水溶液を使用することが好ましい。この現像液には、メタノ−ル、エタノ−ル、n−プロパノ−ル、イソプロパノ−ル、N−メチル−2−ピロリドン等の水溶性有機溶媒が含有されていてもよい。上記のアルカリ水溶液を与えるアルカリ性化合物としては、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属又はアンモニウムイオンの、水酸化物又は炭酸塩や炭酸水素塩、アミン化合物などが挙げられ、具体的には水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素アンモニウム、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトライソプロピルアンモニウムヒドロキシド、N−メチルジエタノ−ルアミン、N−エチルジエタノ−ルアミン、N,N−ジメチルエタノ−ルアミン、トリエタノ−ルアミン、トリイソプロパノ−ルアミン、トリイソプロピルアミンなどを挙げることができ、水溶液が塩基性を呈するものであればこれ以外の化合物も当然使用することができる。また、現像液の温度は樹脂組成物の組成や、アルカリ現像液の組成に依存しており、一般的には0℃以上80℃以下、より一般的には、10℃以上60℃以下で使用することが好ましい。
上記現像工程によって形成した微細開口部は、リンスして不用な残分を除去する。リンス液としては、水、酸性水溶液などが挙げられる。
ここで、フレキシブルプリント配線基板の絶縁膜における第一の箇所Aがアルカリ現像などされることによってパターン化される。
また、第一の箇所Aの未露光部分の溶解性を損なわず、かつ、第二の箇所Bが現像<工程4>において現像されない範囲で熱硬化されているために先の方法とは異なり、未露光部である第二の箇所Bをポリイミドテープなど用いてマスクする必要はない。
<工程5>
第一の箇所A及び第二の箇所Bに熱風8を当て熱硬化を行う。熱硬化を行うことにより、耐熱性・耐薬品性に富む絶縁膜を得ることができる。絶縁膜の厚みは、フレキシブルプリント配線基板の厚み等を考慮して決定されるが、2〜50μm程度であることが好ましい。このときの最終加熱処理温度は配線等の酸化を防ぎ、フレキシブルプリント配線基板との密着性を低下させないことを目的として100℃以上250℃以下であることが好ましく、更に好ましくは120℃以上200℃以下であり、特に好ましくは130℃以上180℃以下である。加熱処理温度が高くなると配線等の酸化劣化が進み、基材との密着性が低下する場合がある。
ここで、露光硬化及び熱硬化された第一の箇所、及び露光硬化せずに熱硬化された第二の箇所を有し、かつ第一の箇所及び第二の箇所が同一の感光性熱硬化性樹脂組成物から得られる絶縁膜を有するフレキシブルプリント配線基板が製造される。
以下、本願発明を実施例により具体的に説明するが本願発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
<ベースポリマーの合成>
(合成例1)
攪拌機、温度計、滴下漏斗、還流管および窒素導入管を備えたセパラブルフラスコ中に、重合溶媒として1,2−ビス(2−メトキシエトキシ)エタン17.5gを仕込み、次いでノルボルネンジイソシアナート(分子量:206.4g)20.6gを仕込み80℃に加熱して溶解させた。この溶液にポリカーボネートジオール(旭化成株式会社製:商品名PCDL T5652、平均分子量2000)を50.0gおよびジメチロールブタン酸(分子量:148.2g)8.1gを1,2−ビス(2−メトキシエトキシ)エタン50.0gに溶解した溶液を1時間かけて添加した後、5時間加熱還流を行い、中間体を得た。その後、メタノール1gを添加し5時間攪拌を行い、重量平均分子量10,000のポリウレタン樹脂50重量%を含む溶液を得た。
<感光性熱硬化性樹脂組成物の調製>
(A)ベースポリマー、(B)ラジカル重合性化合物、(C)光重合開始剤、及び(D)熱硬化性樹脂及びその他の成分を添加して感光性樹脂組成物を作製した。それぞれの構成原料の樹脂固形分での配合量及び原料の種類を表1に記載する。なお、表中の溶媒である1,2-ビス(2-メトキシエトキシ)エタンは上記合成例で合成した樹脂溶液等に含まれる溶剤等も含めた全溶剤量である。混合溶液を脱泡装置で溶液中の泡を完全に脱泡して下記評価を実施した。
また、感光性熱硬化性樹脂組成物の感光性は、25μm厚みのポリイミドフィルム(株式会社カネカ製アピカル25NPI)表面に調製した感光性熱硬化性樹脂組成物を塗工し、80℃のオーブン中で30分間乾燥し、次いで、ライン幅/スペース幅=100/100μmのネガマスクを置いて、全面に300mJ/cmの積算露光量の紫外線を照射して露光し、30℃の1重量%の炭酸ナトリウム水溶液で90秒間現像を行った後、150℃のオーブンの中で30分間かけて熱硬化して得られた絶縁膜の表面観察を行い、ライン幅/スペース幅=100/100μmの感光パターンが描けており、ライン部の剥離に伴うラインの揺れが発生しておらず、スペース部にも溶解残りが無いことを観察した。
<1>日本化薬株式会社製 ラジカル重合性化合物(ウレタン変性エポキシ(メタ)アクリレート、固形分酸価97.7mgKOH/g)の製品名
<2>日立化成工業株式会社製 ラジカル重合性化合物(EO変性ビスフェノールAジメタクリレート、固形分酸価0.11mgKOH/g)の製品名
<3>BASFジャパン社製 光重合開始剤の製品名
<4>ジャパンエポキシレジン株式会社製 ビスフェノールA型のエポキシ樹脂(エポキシ当量188g/eq)の製品名
<5>日本アエロジル株式会社製 フィラーの製品名
<6>チバ・ジャパン株式会社製 着色剤の製品名
<7>共栄社化学株式会社製 消泡剤の製品名
(実施例1)
<第一の箇所を露光硬化した後に、次いで第一の箇所及び第二の箇所を熱硬化させることによって絶縁膜を形成する方法>
上記、感光性熱硬化樹脂組成物を、ベーカー式アプリケーターを用いて、櫛型のフレキシブルプリント配線基板上に銅箔上の乾燥厚みが20μmになるように塗布し、その後、80℃のオーブン中で20分間乾燥させた。
なお、上記、櫛型のフレキシブル回路基板は、株式会社カネカ製ポリイミドフィルム(アピカル25NPI)に厚み12μmの銅箔をポリイミド系接着剤で接着した後、ライン幅/スペース幅=100μm/100μmになるように銅エッチングして作製したものを、10容量%の硫酸水溶液中に1分間浸漬した後、純水で洗浄し、銅箔の表面処理を行ったものを使用した。
次いで、銅配線上の乾燥塗膜の半分が露光できるようにネガマスクを置いて全面に300mJ/cmの積算露光量の紫外線を照射して露光した。その後、残りの半分にポリイミドテープを貼り、30℃の1重量%の炭酸ナトリウム水溶液で90秒間現像を行った。その後、ポリイミドテープを剥がし150℃のオーブンの中で30分間かけて熱硬化した。(図4参照)。
(実施例2)
<第二の箇所を熱硬化した後に、次いで第一の箇所を露光硬化し、さらに、第一の箇所及び第二の箇所を熱硬化することによって絶縁膜を形成する方法>
上記、実施例1と同様に、感光性熱硬化樹脂組成物を、ベーカー式アプリケーターを用いて、櫛型のフレキシブルプリント配線基板上に銅箔上の乾燥厚みが20μmになるように塗布し、その後、80℃のオーブン中で20分間乾燥させた。
次いで、銅配線上の乾燥塗膜の半分にテフロン(登録商標)シートを乗せ、その上から塗膜表面の温度が160℃となるようにシリコンラバーヒーターを用いて30分間かけて熱硬化した。塗膜表面の温度は熱電対を用いて測定した。
その後、銅配線上の残り半分の塗膜が露光できるようにネガマスクを置いて、全面に300mJ/cmの積算露光量の紫外線を照射して露光し、30℃の1重量%の炭酸ナトリウム水溶液で90秒間現像を行った後、150℃のオーブンの中で30分間かけて熱硬化した。
実施例1、2の評価を以下の通り実施し、結果を表2に記載する。
(i)絶縁信頼性
作製した絶縁膜を、85℃、85%RHの環境試験機中で試験片の両端子部分に100Vの直流電流を印加し、絶縁抵抗値の変化やマイグレーションの発生などを観察した。
○:試験開始後、1000時間で10の8乗以上の抵抗値を示し、マイグレーション、デンドライトなどの発生が無いもの。
×:試験開始後、1000時間でマイグレーション、デンドライトなどの発生があるもの。
(ii)屈曲性
作製した絶縁膜の第二の箇所を櫛型パターンに垂直に180°に10回折り曲げて塗膜を目視で確認してクラックの確認を行った。(図5参照。)
○:絶縁膜にクラックが無いもの。
×:絶縁膜にクラックがあるもの。
(iii)耐溶剤性
作製した絶縁膜を25℃のメチルエチルケトン中に15分間浸漬した後風乾し、フィルム表面の状態を観察した。
○:塗膜に異常がない。
×:塗膜に膨れや剥がれなどの異常が発生する。
(比較例1)
<全面を露光硬化した後、全面を熱硬化することによって絶縁膜を形成する方法>
実施例1と同様に、感光性熱硬化樹脂組成物を、ベーカー式アプリケーターを用いて、櫛型のフレキシブルプリント配線基板上に銅箔上の乾燥厚みが20μmになるように塗布し、その後、80℃のオーブン中で20分間乾燥させた。
次いで、銅配線上の乾燥塗膜の全面に300mJ/cmの積算露光量の紫外線を照射して露光した。その後、30℃の1重量%の炭酸ナトリウム水溶液で90秒間現像を行った後、150℃のオーブンの中で30分間かけて熱硬化した。
(比較例2)
<全面を熱硬化した後、全面を露光硬化することによって絶縁膜を形成する方法>
実施例1と同様に、感光性熱硬化樹脂組成物を、ベーカー式アプリケーターを用いて、櫛型のフレキシブルプリント配線基板上に銅箔上の乾燥厚みが20μmになるように塗布し、その後、80℃のオーブン中で20分間乾燥させた。
次いで、乾燥塗膜を150℃のオーブン中で30分間かけて熱硬化した。その後、絶縁膜全面に300mJ/cmの積算露光量の紫外線を照射して露光し、30℃の1重量%の炭酸ナトリウム水溶液で90秒間現像を行った後、150℃のオーブンの中で30分間かけて熱硬化した。
比較例1、2の評価を実施例と同様に実施し、結果を表2に記載する。
A 第一の箇所
B 第二の箇所
1 感光性熱硬化性樹脂組成物
2 フレキシブルプリント配線基板
3 ネガマスク
4 活性光線
5 第一の箇所における露光部分
6 ポリイミドテープ
7 熱硬化前の第二の箇所
8 熱風
9 露光硬化及び熱硬化された部分
10 露光硬化せずに熱硬化された部分
11 銅配線
12 ポリイミドフィルム
13 櫛型パターン上の第一の箇所
14 櫛型パターン上の第二の箇所

Claims (7)

  1. 同一のフレキシブルプリント配線基板上の絶縁膜が、露光硬化及び熱硬化された第一の箇所、及び露光硬化せずに熱硬化された第二の箇所を有し、かつ第一の箇所及び第二の箇所が同一の感光性熱硬化性樹脂組成物から得られたものであることを特徴とするフレキシブルプリント配線基板。
  2. 上記感光性熱硬化性樹脂組成物が少なくとも(A)ベースポリマー、(B)ラジカル重合性化合物、(C)光重合開始剤及び(D)熱硬化性樹脂を含有することを特徴とする請求項1記載のフレキシブルプリント配線基板。
  3. 上記第一の箇所がパターン化されていることを特徴とする請求項1または2に記載のフレキシブルプリント配線基板。
  4. 感光性熱硬化性樹脂組成物をフレキシブルプリント配線基板上に塗布・乾燥した後、第一の箇所を露光硬化した後に、次いで第一の箇所及び第二の箇所を熱硬化させることによって絶縁膜を形成することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のフレキシブルプリント配線基板の製造方法。
  5. 上記第一の箇所を露光硬化した後に、上記第一の箇所をアルカリ現像し、次いで上記第一の箇所及び上記第二の箇所を熱硬化させることによって絶縁膜を形成することを特徴とする請求項4に記載のフレキシブルプリント配線基板の製造方法。
  6. 感光性熱硬化性樹脂組成物をフレキシブルプリント配線基板上に塗布・乾燥した後、第二の箇所を熱硬化した後に、次いで第一の箇所を露光硬化し、さらに、第一の箇所及び第二の箇所を熱硬化することによって絶縁膜を形成することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のフレキシブルプリント配線基板の製造方法。
  7. 上記第一の箇所を露光硬化した後に、上記第一の箇所をアルカリ現像し、さらに、上記第一の箇所及び上記第二の箇所を熱硬化することによって絶縁膜を形成することを特徴とする請求項6に記載のフレキシブルプリント配線基板の製造方法。
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