JP5398754B2 - ウレタン樹脂、それを含有する熱硬化性樹脂組成物及びその硬化物 - Google Patents

ウレタン樹脂、それを含有する熱硬化性樹脂組成物及びその硬化物 Download PDF

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Description

本発明は、基材との密着性、耐折性、低反り性、はんだ耐熱性、無電解金めっき耐性、電気絶縁性等に優れた可撓性の被膜形成に適したフェノール性ヒドロキシル基を有するウレタン樹脂及びそれを含有する熱硬化性樹脂組成物、並びにその硬化物からなる保護膜や絶縁材料に関し、プリント配線板の製造、特にフレキシブルプリント配線板の製造やテープキャリアパッケージの製造に用いられるソルダーレジストや層間絶縁膜等の保護膜や絶縁層、又は液晶ディスプレイのバックライトや情報表示用のディスプレイ等に使用されるエレクトロルミネッセントパネルの背面電極用保護膜や、携帯電話、時計、カーステレオ等の表示パネルの保護膜、ICや超LSI封止材料などに有用である。
フレキシブルプリント配線板やテープキャリアパッケージの製造に用いられるソルダーレジストとしては、カバーレイフィルムと呼ばれるポリイミドフィルムをパターンに合わせた金型で打ち抜いた後、接着剤を用いて貼り付けるタイプや、可撓性を有する被膜を形成する紫外線硬化型、熱硬化型のソルダーレジストインキをスクリーン印刷により塗布するタイプや、可撓性を有する被膜を形成する液状フォトソルダーレジストインキのタイプが用いられている。
しかしながら、カバーレイフィルムでは、銅箔との追随性に問題があるため、高精度なパターンを形成することができない。一方、紫外線硬化型ソルダーレジストインキ及び液状フォトソルダーレジストインキでは、基材のポリイミドとの密着性が悪く、充分な可撓性が得られない。また、ソルダーレジストインキの硬化収縮及び硬化後の冷却収縮が大きいため反りが生じてしまい、問題となっている。
また、従来の熱硬化型ソルダーレジストインキとしては、特公平5−75032号(特許文献1)に開示されているようなエポキシ樹脂と二塩基酸無水物を必須成分とするエポキシ樹脂系レジストインキ組成物があるが、形成される被膜に可撓性を付与するように調整した場合、基材のポリイミドとの密着性が悪くなり、耐めっき性、PCT耐性並びにはんだ耐熱性が低下するという問題がある。
そこで、特開2006−117922号(特許文献2)では、(A)1分子中に2個以上のカルボキシル基を有し、かつポリカーボネートジオール(a)とポリイソシアネート(b)との反応で形成されるウレタン結合を有するポリウレタン、及び(B)熱硬化性成分を含む熱硬化性樹脂組成物が提案されている。熱硬化性成分としてのエポキシ樹脂と組み合わせてこのようなカルボキシル基含有ウレタン樹脂を用いることにより、前記した従来のソルダーレジストインキの問題点は解決できるが、はんだ耐熱性等の特性において未だ改良すべき点が残されていた。
特公平5−75032号公報(特許請求の範囲) 特開2006−117922号公報(特許請求の範囲)
従って、本発明の目的は、前述したような従来技術の問題点を解決し、基材との密着性、耐折性、低反り性、はんだ耐熱性、無電解金めっき耐性、電気絶縁性等に優れた可撓性の被膜形成に適したウレタン樹脂及びそれを含有する熱硬化性樹脂組成物を提供し、もって比較的低コストでその硬化物からなる保護膜や絶縁層を形成したプリント配線板、特にフレキシブルプリント配線板や、テープキャリアパッケージ等の部品もしくは製品を提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明によれば、フェノール性ヒドロキシル基を有することを特徴とするウレタン樹脂が提供される。また、カルボキシル基とフェノール性ヒドロキシル基とを有するウレタン樹、より好ましくはフェノール性ヒドロキシル基を末端に有するウレタン樹脂が提供される。
即ち、基本的な態様においては、(a)ポリイソシアネートと、(b)2つ以上のアルコール性ヒドロキシル基を有する化合物と、(c)1分子中に1つのアルコール性ヒドロキシル基及び1つ以上のフェノール性ヒドロキシル基を有する化合物とを反応させて得られるウレタン樹脂であって、上記(b)成分が、
(b−1)1種又は2種以上の直鎖状脂肪族ジオールに由来の繰り返し単位を構成単位として含むポリカーボネートジオール、
(b−2)1種又は2種以上の脂環式ジオールに由来の繰り返し単位を構成単位として含むポリカーボネートジオール、及び
(b−3)フェノール性ヒドロキシル基及び2つ以上のアルコール性ヒドロキシル基を有する化合物
よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、ウレタン樹脂が提供される。
また本発明によれば、(A)前記フェノール性ヒドロキシル基を有するウレタン樹脂と、(B)熱硬化性化合物とを含有することを特徴とする熱硬化性樹脂組成物が提供される。
好適な態様においては、上記熱硬化性化合物(B)はエポキシ樹脂であり、また、さらに(C)硬化促進剤を含有することが好ましい。さらに無機及び/又は有機フィラーを含有することもでき、必要に応じて有機溶媒を含有することもできる。
さらに本発明によれば、前記熱硬化性樹脂組成物を硬化してなる硬化物や、該硬化物で、面の一部又は全部が被覆されたプリント配線基板も提供される。
本発明のウレタン樹脂は、フェノール性ヒドロキシル基を有するか、もしくはカルボキシル基とフェノール性ヒドロキシル基とを有することを特徴とする。その結果、熱硬化の際にこのカルボキシル基やフェノール性ヒドロキシル基が熱硬化性化合物の官能基、例えばエポキシ樹脂のエポキシ基と架橋反応を起こすため、はんだ耐熱性等の特性を向上させることができる。
本発明のウレタン樹脂は、より好ましくはフェノール性ヒドロキシル基を末端に有することを特徴とする。これにより、末端に存在するフェノール性ヒドロキシル基は、主鎖中に存在するフェノール性ヒドロキシル基と比較してエポキシ基等との反応性が高くなり、はんだ耐熱性等の特性をさらに一層向上させることができる。
また、本発明のウレタン樹脂は、基本的な態様として、(a)ポリイソシアネートと、(b)2つ以上のアルコール性ヒドロキシル基を有する化合物と、(c)1分子中に1つのアルコール性ヒドロキシル基及び1つ以上のフェノール性ヒドロキシル基を有する化合物とを反応させて得られるものである。こうして得られるウレタン樹脂は、フェノール性ヒドロキシル基を末端に有するため、上述したようにはんだ耐熱性等の特性を向上させることができる。
従って、本発明のウレタン樹脂は、基材との密着性、耐折性、低反り性、はんだ耐熱性、無電解金めっき耐性、電気絶縁性等に優れた可撓性の被膜形成に適している。
本発明において、このフェノール性ヒドロキシル基あるいはさらにカルボキシル基を有するウレタン樹脂を熱硬化性化合物と共に含有する熱硬化性樹脂組成物は、可撓性に優れたフレキシブルプリント配線板やテープキャリアパッケージの製造に用いられるソルダーレジスト等の保護膜や絶縁樹脂材料として有用である。また、このような熱硬化性樹脂組成物から得られる被膜は、熱硬化後に反りがないため、フレキシブルプリント配線板やテープキャリアパッケージへの部品又はチップの装着が容易である。従って、本発明の熱硬化性樹脂組成物は、密着性、耐折性、低反り性、無電解金めっき耐性、はんだ耐熱性、電気絶縁性等の諸特性に優れた可撓性の保護膜を低コストで生産性良く形成できる。
合成例1で製造されたフェノール性ヒドロキシル基を有するウレタン樹脂のIRスペクトルを示すグラフである。
本発明者らは、前記した課題を達成すべく鋭意研究した結果、フェノール性ヒドロキシル基を有するウレタン樹脂、即ち、(a)ポリイソシアネートと、(b)2つ以上のアルコール性ヒドロキシル基を有する化合物と、(c)1分子中に1つのアルコール性ヒドロキシル基及び1つ以上のフェノール性ヒドロキシル基を有する化合物とを反応させて得られる、フェノール性ヒドロキシル基を有するウレタン樹脂は、熱硬化の際にこのフェノール性ヒドロキシル基が熱硬化性化合物の官能基、例えばエポキシ樹脂のエポキシ基と架橋反応を起こし、はんだ耐熱性等の特性を向上できることを見出した。一般に、樹脂の架橋密度が低くなる程、形成される被膜の可撓性が増大し、熱硬化後の被膜の反りは少なくなる。しかしながら、架橋密度が低くなると、得られる被膜のはんだ耐熱性、めっき耐性、耐薬品性等の特性も低下し易くなる。本発明では、ウレタン樹脂にフェノール性ヒドロキシル基を導入したことにより、特にウレタン樹脂の構成成分の一つとして、1分子中に1つのアルコール性ヒドロキシル基及び1つ以上のフェノール性ヒドロキシル基を有する化合物(c)を用い、末端にフェノール性ヒドロキシル基を導入したことにより、これらの相反する特性をバランスさせ、得られる被膜のはんだ耐熱性等の特性を向上させることができた。
以下、本発明のフェノール性ヒドロキシル基を有するウレタン樹脂及びそれを含有する熱硬化性樹脂組成物の各成分について詳細に説明する。
まず、本発明のウレタン樹脂(A)は、ポリイソシアネート(a)と、2つ以上のアルコール性ヒドロキシル基を有する化合物(b)と、反応停止剤としても機能する前記1分子中に1つのアルコール性ヒドロキシル基及び1つ以上のフェノール性ヒドロキシル基を有する化合物(c)との反応により、末端に導入されたフェノール性ヒドロキシル基を有するウレタン樹脂であることが好ましいが、これ以外にも、ポリイソシアネート(a)と、2つ以上のアルコール性ヒドロキシル基を有する化合物(b)との反応により得られ、該化合物(b)として、フェノール性ヒドロキシル基及び2つ以上のアルコール性ヒドロキシル基を有する化合物を用いて分子側鎖にフェノール性ヒドロキシル基を導入したウレタン樹脂、あるいはさらにカルボキシル基及び2つ以上のアルコール性ヒドロキシル基を有する化合物を用いて分子側鎖にカルボキシル基を導入したウレタン樹脂などを含む。後者のウレタン樹脂においては、末端封止剤(反応停止剤)として、上記1分子中に1つのアルコール性ヒドロキシル基及び1つ以上のフェノール性ヒドロキシル基を有する化合物(c)を用いることができるほか、脂肪族アルコールやモノヒドロキシモノ(メタ)アクリレート化合物等のモノヒドロキシル化合物や、アルコール性ヒドロキシル基、アミノ基、チオール基等のイソシアネート基と付加反応又は縮合反応し得る官能基を有するモノカルボン酸など、従来公知の各種反応停止剤を用いることができる。
前記ウレタン樹脂(A)は、例えば、ポリイソシアネート(a)と、2つ以上のアルコール性ヒドロキシル基を有する化合物(b)と、1分子中に1つのアルコール性ヒドロキシル基及び1つ以上のフェノール性ヒドロキシル基を有する化合物(c)とを一括混合して反応させてもよく、あるいは上記ポリイソシアネート(a)と、ポリオール(b)とを反応させ、続いて反応停止剤としても機能する上記1分子中に1つのアルコール性ヒドロキシル基及び1つ以上のフェノール性ヒドロキシル基を有する化合物(c)を反応させてもよい。また、前記した他のウレタン樹脂の場合、ポリイソシアネート(a)と、フェノール性ヒドロキシル基及び/又はカルボキシル基と2つ以上のアルコール性ヒドロキシル基を有する化合物(b)と、反応停止剤とを一括混合して反応させてもよいが、分子量調整の点からは、上記ポリイソシアネート(a)とポリオール(b)とを反応させ、続いて反応停止剤を反応させることが好ましい。
前記反応は、室温〜100℃で撹拌・混合することにより無触媒で進行するが、反応速度を高めるために70〜100℃に加熱することが好ましい。また、上記(a)〜(c)成分の反応比率(モル比)としては、(a):(b)=1:1〜2:1、好ましくは1:1〜1.5:1、(a+b):(c)=1:0.01〜0.5、好ましくは0.02〜0.3の割合が適当である。
前記ポリイソシアネート(a)としては、従来公知の各種ポリイソシアネートを使用でき、特定の化合物に限定されない。ポリイソシアネート(a)の具体例としては、例えば、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメチレンジイソシアネート、(o,m,又はp)−キシレンジイソシアネート、(o,m,又はp)−水添キシレンジイソシアネート、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,3−ジメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジメチレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート等のジイソシアネートが挙げられる。具体的にはトルエンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートが好ましい。これらのジイソシアネートを使用した場合、はんだ耐熱性に優れた硬化物を得ることができる。
次に、2つ以上のアルコール性ヒドロキシル基を有する化合物(b)としては、ポリカーボネートジオール等のポリカーボネート系ポリオール、カルボキシル基及びアルコール性ヒドロキシル基を有する化合物、フェノール性ヒドロキシル基及びアルコール性ヒドロキシル基を有する化合物等を好適に用いることができる。ポリカーボネートジオールとしては、1種又は2種以上の直鎖状脂肪族ジオールに由来の繰り返し単位を構成単位として含むポリカーボネートジオール(b−1)、1種又は2種以上の脂環式ジオールに由来の繰り返し単位を構成単位として含むポリカーボネートジオール(b−2)等が挙げられる。また、フェノール性ヒドロキシル基及び2つ以上のアルコール性ヒドロキシル基を有する化合物(b−3)、更にカルボキシル基及び2つ以上のアルコール性ヒドロキシル基を有する化合物(b−4)等を用いた場合、分子側鎖に官能基(フェノール性ヒドロキシル基やカルボキシル基)を持たせることができる。これらの化合物(b−1)〜(b−3)は、単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
前記、1種又は2種以上の直鎖状脂肪族ジオールに由来の繰り返し単位を構成単位として含むポリカーボネートジオール(b−1)の具体例としては、例えば、1,6−ヘキサンジオールから誘導されるポリカーボネートジオール、1,5−ペンタンジオールと1,6−ヘキサンジオールから誘導されるポリカーボネートジオール、1,4−ブタンジオールと1,6−ヘキサンジオールから誘導されるポリカーボネートジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオールと1,6−ヘキサンジオールから誘導されるポリカーボネートジオール等が挙げられる。
前記、1種又は2種以上の脂環式ジオールに由来の繰り返し単位を構成単位として含むポリカーボネートジオール(b−2)の具体例としては、例えば、1,4−シクロヘキサンジメタノールから誘導されるポリカーボネートジオール等が挙げられる。
必要に応じて、直鎖状脂肪族ジオールと脂環式ジオールの両方のジオールに由来の繰り返し単位を構成単位として含むポリカーボネートジオール、例えば、1,6−ヘキサンジオールと1,4−シクロヘキサンジメタノールから誘導されるポリカーボネートジオール等を用いることができる。
前記、カルボキシル基及び2つ以上のアルコール性ヒドロキシル基を有する化合物(b−4)の具体例としては、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸等が挙げられる。これらのカルボキシル基及び2つ以上のアルコール性ヒドロキシル基を有する化合物を使用することによって、ウレタン樹脂中に容易にカルボキシル基を導入することができる。
前記、フェノール性ヒドロキシル基及び2つ以上のアルコール性ヒドロキシル基を有する化合物(b−3)の具体例としては、6−ヒドロキシ−5−メチル−1,3−ベンゼンジメタノール、2,4−ジ(ヒドロキシメチル)−6−シクロヘキシルフェノール、3,3’−メチレンビス(2−ヒドロキシ−5−メチル−ベンゼンメタノール)、4,4’−(1−メチルエチリデン)ビス[2−メチル−6−ヒドロキシメチルフェノール]、4,4’−[1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)ビス[2−メチル−6−ヒドロキシメチルフェノール]、2−ヒドロキシ−5−フルオロ−1,3−ベンゼンジメタノール、4,4’−メチレンビス(2−メチル−6−ヒドロキシメチルフェノール)、4,4’−メチレンビス(2,5−ジメチル−3−ヒドロキシメチルフェノール)、4,4’−シクロヘキシリデンビス(2−メチル−6−ヒドロキシメチルフェノール)、4,4’−シクロヘキシリデンビス(2−シクロヘキシル−6−ヒドロキシメチルフェノール)、2,6−ビス[(2−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−5−メチルフェニル)メチル]−4−メチルフェノール、2−ヒドロキシ−5−エチル−1,3−ベンゼンジメタノール、2−ヒドロキシ−4,5−ジメチル−1,3−ベンゼンジメタノール、2−ヒドロキシ−5−(1−メチルプロピル)−1,3−ベンゼンジメタノール、4−(1,1−ジメチルエチル)−2−ヒドロキシ−1,3−ベンゼンジメタノール、2−ヒドロキシ−5−シクロヘキシル−1,3−ベンゼンジメタノール、2−ヒドロキシ−5−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−1,3−ベンゼンジメタノール、2,6−ビス[(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−2,5−ジメチルフェニル)メチル]−3,4−ジメチルフェノール、2,6−ビス[(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−2,5−ジメチルフェニル)メチル]−4−シクロヘキシルフェノール、2−ヒドロキシ−1,3,5−ベンゼントリメタノール、3,5−ジメチル−2,4,6−トリヒドロキシメチルフェノール、4,4’,4”−エチリジントリス(2−メチル−6−ヒドロキシメチルフェノール)、2,3,5,6−テトラ(ヒドロキシメチル)−1,4−ベンゼンジオール、4,4’−メチレンビス[2,6−ビス(ヒドロキシメチル)フェノール]等が挙げられる。これらのフェノール性ヒドロキシル基及びアルコール性ヒドロキシル基を有する化合物を使用することによって、ウレタン樹脂中に容易にフェノール性ヒドロキシル基を導入することができる。
前記直鎖状脂肪族ジオールに由来の繰り返し単位を構成単位として含むポリカーボネートジオールは、低反り性や可撓性に優れる傾向がある。また、脂環式ジオールに由来の繰り返し単位を構成単位として含むポリカーボネートジオールは、結晶性が高くなり、耐錫めっき性、はんだ耐熱性に優れる傾向にある。以上の観点から、これらポリカーボネートジオールは2種以上を組み合わせて用いるか、あるいは必要に応じて直鎖状脂肪族ジオールと脂環式ジオールの両方のジオールに由来の繰り返し単位を構成単位として含むポリカーボネートジオールを用いることができる。低反り性や可撓性と、はんだ耐熱性や耐錫めっき性とをバランスよく発現させるには、直鎖状脂肪族ジオールと脂環式ジオールの共重合割合が質量比で3:7〜7:3のポリカーボネートジオールを用いるのが好ましい。
前記ポリカーボネートジオールは、数平均分子量200〜5,000のものが好ましいが、ポリカーボネートジオールが構成単位として直鎖状脂肪族ジオールと脂環式ジオールに由来の繰り返し単位を含み、直鎖状脂肪族ジオールと脂環式ジオールの共重合割合が質量比で3:7〜7:3である場合は、数平均分子量が400〜2,000のものが好ましい。
前記1分子中に1つのアルコール性ヒドロキシル基及び1つ以上のフェノール性ヒドロキシル基を有する化合物(c)は、ポリウレタンにフェノール性ヒドロキシル基を導入させる目的で用いられ、ポリウレタンの末端封止剤としても機能し、特に分子中にイソシアネートと反応し得る1つのアルコール性ヒドロキシル基及びフェノール性ヒドロキシル基を有する化合物であれば反応停止剤として機能する。このような化合物(c)の具体例としては、例えばヒドロキシメチルフェノール、ヒドロキシメチルクレゾール、ヒドロキシメチル−ジ−t−ブチルフェノール、p−ヒドロキシフェニル−2−メタノール、p−ヒドロキシフェニル−3−プロパノール、p−ヒドロキシフェニル−4−ブタノール、ヒドロキシエチルクレゾール、2,6−ジメチル−4−ヒドロキシメチルフェノール、2,4−ジメチル−6−ヒドロキシメチルフェノール、2,3,6−トリメチル−4−ヒドロキシメチルフェノール、2−シクロヘキシル−4−ヒドロキシメチル−5−メチルフェノール、4−メチル−6−ヒドロキシメチルベンゼン−1,2−ジオール、4−(1,1−ジメチルエチル)−6−ヒドロキシメチルベンゼン−1,2−ジオール等のヒドロキシアルキルフェノール又はヒドロキシアルキルクレゾール;ヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシフェニル安息香酸、あるいはヒドロキシフェノキシ安息香酸等のカルボキシル基含有置換基を有するフェノールと、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等とのエステル化物;ビスフェノールのモノエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールのモノプロピレンオキサイド付加物、p−ヒドロキシフェネチルアルコール等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの化合物(c)は、単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
前記フェノール性ヒドロキシル基を有するウレタン樹脂(A)の重量平均分子量は500〜100,000であることが好ましく、8,000〜50,000がさらに好ましい。ここで、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算の値である。フェノール性ヒドロキシル基を有するウレタン樹脂(A)の重量平均分子量が500未満では、硬化膜の伸度、可撓性、並びに強度を損なうことがあり、一方、100,000超えると溶媒への溶解性が低くなる上に、溶解しても粘度が高くなりすぎるために、使用面で制約が大きくなる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物において、前記フェノール性ヒドロキシル基を有するウレタン樹脂(A)と共に配合される熱硬化性化合物(B)としては、前記(A)成分であるウレタン樹脂のフェノール性ヒドロキシル基(あるいはさらにカルボキシル基)と反応し得るエポキシ基、オキセタニル基等を1分子中に2個以上有するエポキシ樹脂やオキセタン化合物を好適に使用できるが、特にエポキシ樹脂が好ましい。
エポキシ樹脂の具体例としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、N−グリシジル型エポキシ樹脂、ビスフェノールAのノボラック型エポキシ樹脂、ビキシレノール型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂、キレート型エポキシ樹脂、グリオキザール型エポキシ樹脂、アミノ基含有エポキシ樹脂、ゴム変性エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンフェノリック型エポキシ樹脂、ジグリシジルフタレート樹脂、ヘテロサイクリックエポキシ樹脂、テトラグリシジルキシレノイルエタン樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂、ε−カプロラクトン変性エポキシ樹脂などが挙げられる。また、難燃性付与のために、塩素、臭素等のハロゲンや燐等の原子がその構造中に導入されたものを使用してもよい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物において、前記熱硬化性化合物(B)は、単独で又は2種以上の混合物として用いられる。その配合量は、前記(A)成分であるフェノール性ヒドロキシル基を有するウレタン樹脂100質量部に対し、5〜150質量部、好ましくは10〜80質量部の割合であることが望ましい。5質量部未満では、熱硬化性樹脂組成物の硬化被膜のはんだ耐熱性が不充分となる場合があり、一方、150質量部を超えると、フレキシブルプリント配線基板(FPC)の絶縁保護膜として使用した場合の諸特性、特に電気絶縁性が悪化する傾向がある。
本発明で用いる硬化促進剤(C)は、熱硬化反応を促進させるものであり、密着性、耐薬品性、耐熱性等の特性をより一層向上させるために使用される。このような硬化促進剤の具体例としては、イミダゾール及びその誘導体(例えば、四国化成工業(株)製、2MZ、2E4MZ、C11Z、C17Z、2PZ、1B2MZ、2MZ−CN、2E4MZ−CN、C11Z−CN、2PZ−CN、2PHZ−CN、2MZ−CNS、2E4MZ−CNS、2PZ−CNS、2MZ−AZINE、2E4MZ−AZINE、C11Z−AZINE、2MA−OK、2P4MHZ、2PHZ、2P4BHZ等);アセトグアナミン、ベンゾグアナミン等のグアナミン類;ジアミノジフェニルメタン、m−フェニレンジアミン、m−キシレンジアミン、ジアミノジフェニルスルフォン、ジシアンジアミド、尿素、尿素誘導体、メラミン、多塩基ヒドラジド等のポリアミン類;これらの有機酸塩及び/又はエポキシアダクト;三フッ化ホウ素のアミン錯体;エチルジアミノ−S−トリアジン、2,4−ジアミノ−S−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−キシリル−S−トリアジン等のトリアジン誘導体類;トリメチルアミン、トリエタノールアミン、N,N−ジメチルオクチルアミン、N−ベンジルジメチルアミン、ピリジン、N−メチルモルホリン、ヘキサ(N−メチル)メラミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノフェノール)、テトラメチルグアニジン、m−アミノフェノール等のアミン類;ポリビニルフェノール、ポリビニルフェノール臭素化物、フェノールノボラック、アルキルフェノールノボラック等のポリフェノール類;トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリス−2−シアノエチルホスフィン等の有機ホスフィン類;トリ−n−ブチル(2,5−ジヒドロキシフェニル)ホスホニウムブロマイド、ヘキサデシルトリブチルホスホニウムクロライド等のホスホニウム塩類;ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、フェニルトリブチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩類;前記多塩基酸無水物;ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボロエート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、2,4,6−トリフェニルチオピリリウムヘキサフルオロホスフェート、チバ・ガイギー社製、イルガキュアー261、旭電化(株)製、オプトマ−SP−170等の光カチオン重合触媒;スチレン−無水マレイン酸樹脂;フェニルイソシアネートとジメチルアミンの等モル反応物や、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の有機ポリイソシアネートとジメチルアミンの等モル反応物等の公知慣用である硬化促進剤あるいは硬化剤類が挙げられる。
これら硬化促進剤(C)は、単独で又は2種以上混合して用いることができる。硬化促進剤(C)の使用は必須ではないが、特に硬化を促進したい場合には、前記熱硬化性化合物(B)100質量部に対して好ましくは0.1〜25質量部の範囲で用いることができる。25質量部を超えるとその硬化物からの昇華性成分が多くなるので好ましくない。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、前記フェノール性ヒドロキシル基を有するウレタン樹脂(A)、熱硬化性化合物(B)及び必要に応じて硬化促進剤(C)を、混合機、例えばディスパー、ニーダー、3本ロールミル、ビーズミル等を用いて、溶解又は分散することにより得られる。その際、エポキシ基やフェノール性ヒドロキシル基に対して不活性な溶剤を使用してもよい。このような不活性溶剤としては有機溶剤が好ましい。
有機溶剤は、前記フェノール性ヒドロキシル基を有するウレタン樹脂(A)、熱硬化性化合物(B)を容易に溶解又は分散させるため、あるいは塗工に適した粘度に調整するために使用する。有機溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ニトロベンゼン、シクロヘキサン、イソホロン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、カルビトールアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート、メトキシプロピオン酸メチル、メトキシプロピオン酸エチル、エトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソアミル、乳酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、γ−ブチロラクトン、ジメチルスルホキシド、クロロホルム及び塩化メチレン等を挙げることができる。有機溶剤の配合量は、所望の粘度に応じて適宜設定できる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、ポリイミド等の基材との密着性を向上させるために、公知慣用のメルカプト化合物を含有することができる。メルカプト化合物としては、2−メルカプトプロピオン酸、トリメチロールプロパントリス(2−チオプロピオネート)、2−メルカプトエタノール、2−アミノチオフェノール、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、3−メルカプト−プロピルトリメトキシシランなどのメルカプト基含有シランカップリング剤などが挙げられる。これらは、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。その配合量は、前記フェノール性ヒドロキシル基を有するウレタン樹脂(A)100質量部当たり、10質量部以下の範囲が適当である。メルカプト化合物の配合量が上記範囲を越えた場合、架橋反応に必要な前記エポキシ樹脂のエポキシ基を消費し(エポキシ基と反応し)、架橋密度が下がるため好ましくない。
本発明の熱硬化性樹脂組成物には、さらに必要に応じて、密着性、硬度、耐熱性等の特性を上げる目的で、無機及び/又は有機フィラーを含有することができる。無機フィラーとしては、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、チタン酸バリウム、酸化珪素、無定形シリカ、タルク、クレー、雲母粉等が挙げられ、有機フィラーとしては、シリコンパウダー、ナイロンパウダー、フッ素パウダー等が挙げられる。上記フィラーの中でも、低吸湿性、低体積膨張性に特に優れるのは、シリカである。シリカは溶融、結晶性を問わず、これらの混合物であってもかまわないが、特にカップリング剤等で表面処理したシリカの場合、電気絶縁性を向上させることができるので好ましい。フィラーの平均粒径は、25μm以下、より好ましくは10μm以下、さらに好ましくは3μm以下であることが望ましい。これら無機及び/又は有機フィラーの配合量は、前記フェノール性ヒドロキシル基を有するウレタン樹脂(A)100質量部当たり、300質量部以下が適当であり、好ましくは5〜150質量部の割合である。フィラーの配合量が上記割合を越えると、硬化被膜の耐折性が低下し、好ましくない。
さらに本発明の熱硬化性樹脂組成物中には、本発明の効果を損なわない限り、前記成分以外の他の添加剤、着色剤を添加してもよい。添加剤としては、アスベスト、オルベン、ベントンなどの増粘剤、シリコーン系、フッ素系の消泡剤、レベリング剤、ガラス繊維、炭素繊維、窒化ホウ素繊維等の繊維強化材などが挙げられ、着色剤としては、フタロシアニン・ブルー、フタロシアニン・グリーン、アイオジン・グリーン、ジスアゾイエロー、酸化チタン、カーボンブラックなどが挙げられる。さらに、必要に応じて、公知慣用の熱重合禁止剤、紫外線吸収剤、シランカップリング剤、可塑剤、発泡剤、難燃剤、帯電防止剤、老化防止剤、抗菌・防黴剤等を添加できる。
以上のような組成を有する熱硬化性樹脂組成物は、カーテンコーティング法、ロールコーティング法、スプレーコーティング法及びディップコーティング法など従来公知の種々の方法でプリント基板に塗布することができる他、ドライフィルム又はプリプレグ等様々の形態、用途に使用することができる。その使用方法や用途により様々な溶剤を用いることができるが、場合によっては良溶媒だけでなく貧溶剤を用いることも差し支えない。
また、本発明の熱硬化性樹脂組成物は、回路形成されたフレキシブルプリント配線板やテープキャリアパッケージ又はエレクトロルミネッセントパネルにスクリーン印刷法により塗布し、例えば120〜180℃の温度に加熱して熱硬化させることにより、硬化収縮及び冷却収縮による反りがなく、基材に対する密着性、耐折性、低反り性、無電解金めっき耐性、はんだ耐熱性、電気絶縁性等に優れたソルダーレジスト膜や保護膜が形成される。
以下に実施例及び比較例を示して本発明について具体的に説明する。なお、以下において「部」及び「%」とあるのは、特に断りのない限り全て質量基準である。
合成例1
撹拌装置、温度計、コンデンサーを備えた反応容器に、2つ以上のアルコール性ヒドロキシル基を有する化合物として1,5−ペンタンジオールと1,6−ヘキサンジオールから誘導されるポリカーボネートジオール(宇部興産(株)製、PCDL800、数平均分子量800)を360g(0.45mol)、ジメチロールブタン酸を81.4g(0.55mol)、及び1分子中に1つのアルコール性ヒドロキシル基及び1つ以上のフェノール性ヒドロキシル基を有する化合物としてヒドロキシフェニルエチルアルコール22.1g(0.16mol)を投入した。次に、ポリイソシアネートとしてトリレンジイソシアネート187.9g(1.08mol)を投入し、撹拌しながら60℃まで加熱して停止し、反応容器内の温度が低下し始めた時点で再度加熱して80℃で撹拌を続け、赤外線吸収スペクトルでイソシアネート基の吸収スペクトル(2280cm−1)が消失したことを確認して反応を終了した。次いで、固形分が50wt%となるようにカルビトールアセテートを添加し、希釈剤を含有する粘稠液体のフェノール性ヒドロキシル基を有するウレタン樹脂(ワニスA)を得た。得られたウレタン樹脂の固形分の酸価は50.1mgKOH/gであった。得られたフェノール性ヒドロキシル基を有するウレタン樹脂のIRスペクトルを図1に示す。
合成例2
撹拌装置、温度計、コンデンサーを備えた反応容器に、2つ以上のアルコール性ヒドロキシル基を有する化合物として1,5−ペンタンジオールと1,6−ヘキサンジオールから誘導されるポリカーボネートジオール(宇部興産(株)製、PCDL800、数平均分子量800)を360g(0.45mol)、ジメチロールブタン酸を81.4g(0.55mol)、及び1分子中に1つのアルコール性ヒドロキシル基及び1つ以上のフェノール性ヒドロキシル基を有する化合物としてヒドロキシフェニルエチルアルコール22.1g(0.16mol)を投入した。次に、ポリイソシアネートとしてトリレンジイソシアネート83.5g(0.48mol)とトリメチルヘキサメチレンジイソシアネート111.6(0.60mol)を投入し、撹拌しながら60℃まで加熱して停止し、反応容器内の温度が低下し始めた時点で再度加熱して80℃で撹拌を続け、赤外線吸収スペクトルでイソシアネート基の吸収スペクトル(2280cm−1)が消失したことを確認して反応を終了した。次いで、固形分が50wt%となるようにカルビトールアセテートを添加し、希釈剤を含有する粘稠液体のフェノール性ヒドロキシル基を有するウレタン樹脂(ワニスB)を得た。得られたウレタン樹脂の固形分の酸価は49.2mgKOH/gであった。
合成例3
撹拌装置、温度計、コンデンサーを備えた反応容器に、2つ以上のアルコール性ヒドロキシル基を有する化合物として1,5−ペンタンジオールと1,6−ヘキサンジオールから誘導されるポリカーボネートジオール(宇部興産(株)製、PCDL800、数平均分子量800)を800g(1.00mol)、及び1分子中に1つのアルコール性ヒドロキシル基及び1つ以上のフェノール性ヒドロキシル基を有する化合物としてヒドロキシフェニルエチルアルコール22.1g(0.16mol)を投入した。次に、ポリイソシアネートとしてトリレンジイソシアネート187.9g(1.08mol)を投入し、撹拌しながら60℃まで加熱して停止し、反応容器内の温度が低下し始めた時点で再度加熱して80℃で撹拌を続け、赤外線吸収スペクトルでイソシアネート基の吸収スペクトル(2280cm−1)が消失したことを確認して反応を終了した。次いで、固形分が50wt%となるようにカルビトールアセテートを添加し、希釈剤を含有する粘稠液体のフェノール性ヒドロキシル基を有するウレタン樹脂(ワニスC)を得た。
ワニスD:
ダイセル化学工業(株)製のアクリル共重合樹脂;サイクロマーACA Z250(固形分酸価70.0mgKOH/g)をワニスDとして用いた。
実施例1〜4及び比較例1
表1に示す各成分及び配合割合で、室温にて三本ロールにより混合し、熱硬化性樹脂組成物を調製した。得られた熱硬化性樹脂組成物をスクリーン印刷にて膜厚約15μmとなるように基板に塗工し、150℃で60分間熱硬化を行なった。
Figure 0005398754
前記各熱硬化性樹脂組成物の硬化被膜について、以下のような種々の特性について下記の方法で評価した。その結果を表2に示す。
(1)密着性
上記実施例1〜4及び比較例1の各熱硬化性樹脂組成物をそれぞれカプトン200H(東レ・デュポン(株)製ポリイミドフィルム、厚さ50μm)にスクリーン印刷で全面印刷し、150℃で60分間熱硬化させた(乾燥膜厚15μm)。その硬化被膜の密着性を、JIS D 0202に従い、以下の基準で評価した。
○:碁盤目の数が完全に残った場合
△:碁盤目の数が100個未満、60個以上残った場合
×:碁盤目の数が60個未満しか残らなかった場合
(2)耐折性
上記実施例1〜4及び比較例1の各熱硬化性樹脂組成物をそれぞれカプトン200H(東レ・デュポン(株)製ポリイミドフィルム、厚さ50μm)にスクリーン印刷で全面印刷し、150℃で60分間熱硬化させた(乾燥膜厚15μm)。得られた硬化被膜を180゜折り曲げ、以下の基準で評価した。
○:硬化被膜にクラックがないもの
△:硬化被膜に若干クラックがあるもの
×:硬化被膜にクラックがあるもの
(3)低反り性
上記実施例1〜4及び比較例1の各熱硬化性樹脂組成物をそれぞれカプトン200H(東レ・デュポン(株)製ポリイミドフィルム、厚さ50μm)にスクリーン印刷で全面印刷し、150℃で60分間熱硬化させた(乾燥膜厚15μm)。冷却後、得られた硬化被膜を50×50mmに切り出し、反りを以下の基準で評価した。
○:反りがないもの
△:若干反りがあるもの
×:反りがあるもの
(4)無電解金めっき耐性
上記実施例1〜4及び比較例1の各熱硬化性樹脂組成物をそれぞれプリント回路基板(厚さ1.6mm)上にパターン印刷し、150℃で60分間熱硬化させて試験片を得た(乾燥膜厚15μm)。得られた試験片を用いて、後述する工程で無電解金めっきを行ない、無電解金めっき耐性を以下の基準で評価した。
○:硬化被膜にふくれ、剥がれ、変色がないもの
△:硬化被膜に若干ふくれ、剥がれ、変色があるもの
×:硬化被膜にふくれ、剥がれ、変色があるもの
無電解金めっき工程:
1.脱脂:試験片を、30℃の酸性脱脂液((株)日本マクダーミッド製、MetexL−5Bの20vol%水溶液)に3分間、浸漬した。
2.水洗:試験片を、流水中に3分間、浸漬した。
3.ソフトエッチ:試験片を、14.3wt%の過硫酸アンモン水溶液に室温で1分間、浸漬した。
4.水洗:試験片を、流水中に3分間、浸漬した。
5.酸浸漬:試験片を、10vol%の硫酸水溶液に室温で1分間、浸漬した。
6.水洗:試験片を、流水中に30秒〜1分間、浸漬した。
7.触媒付与:試験片を、30℃の触媒液((株)メルテックス製、メタルプレートアクチベーター350の10vol%水溶液)に3分間、浸漬した。
8.水洗:試験片を、流水中に3分間、浸漬した。
9.無電解ニッケルめっき:試験片を、85℃、pH=4.6のニッケルめっき 液((株)メルテックス製、メルプレートNi−865M、20vol%水溶液)に30分間、浸漬した。
10.酸浸漬:試験片を、10vol%の硫酸水溶液に室温で1分間、浸漬した。
11.水洗:試験片を、流水中に30秒〜1分間、浸漬した。
12.無電解金めっき:試験片を、85℃、pH=6の金めっき液((株)メルテックス製、オウロレクトロレスUP15vol%、シアン化金カリウム3wt%水溶液)に30分間、浸漬した。
13.水洗:試験片を、流水中に3分間、浸漬した。
14.湯洗:試験片を、60℃の温水に浸漬し、3分間充分に水洗した後、水を良くきり乾燥した。
(5)はんだ耐熱性
上記実施例1〜4及び比較例1の各熱硬化性樹脂組成物をそれぞれプリント回路基板(厚さ1.6mm)上にパターン印刷し、150℃で60分間熱硬化させた(乾燥膜厚15μm)。得られた硬化被膜にロジン系フラックスを塗布し、260℃のはんだ槽に10秒間浸漬し、硬化被膜の状態を以下の基準で評価した。
○:硬化被膜にふくれ、剥がれ、変色がないもの
△:硬化被膜に若干ふくれ、剥がれ、変色があるもの
×:硬化被膜にふくれ、剥がれ、変色があるもの
(6)電気絶縁性
上記実施例1〜4及び比較例1の各熱硬化性樹脂組成物をそれぞれL/S=20/20μmのポリイミド基板(東レ・デュポン(株)製カプトンEN、エスパネックス)上に塗膜を作成し、150℃で60分間熱硬化させた(乾燥膜厚15μm)。得られた硬化被膜の電気絶縁性を以下の基準にて評価した。
加湿条件:温度120℃、湿度85%RH、0.17MPa、印加電圧60V、100時間
測定条件:測定時間60秒、印加電圧60V
○:加湿後の絶縁抵抗値10Ω以上、銅のマイグレーションなし
△:加湿後の絶縁抵抗値10Ω以上、銅のマイグレーションあり
×:加湿後の絶縁抵抗値10Ω以下、銅のマイグレーションあり
Figure 0005398754
上記表2に示す結果から明らかなように、本発明の熱硬化性樹脂組成物から形成した硬化被膜は、基材への密着性、耐折性、低反り性、無電解金めっき耐性、はんだ耐熱性に優れていた。また、絶縁信頼性においても良好な結果であった。これに対して、アクリル共重合系のカルボキシル基含有樹脂(ワニスD)を用いた比較例1の場合、基材への密着性、無電解金めっき耐性、電気絶縁性には問題なかったが、耐折性及び低反り性に劣っていた。

Claims (8)

  1. (a)ポリイソシアネートと、(b)2つ以上のアルコール性ヒドロキシル基を有する化合物と、(c)1分子中に1つのアルコール性ヒドロキシル基及び1つ以上のフェノール性ヒドロキシル基を有する化合物とを反応させて得られるウレタン樹脂であって、上記(b)成分が、
    (b−1)1種又は2種以上の直鎖状脂肪族ジオールに由来の繰り返し単位を構成単位として含むポリカーボネートジオール、
    (b−2)1種又は2種以上の脂環式ジオールに由来の繰り返し単位を構成単位として含むポリカーボネートジオール、及び
    (b−3)フェノール性ヒドロキシル基及び2つ以上のアルコール性ヒドロキシル基を有する化合物
    よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含み、
    上記(c)成分の反応比率(モル比)が、(a+b):(c)=1:0.01〜0.5である、ウレタン樹脂。
  2. 前記(b)成分が、さらに(b−4)カルボキシル基及び2つ以上のアルコール性ヒドロキシル基を有する化合物を含む、請求項1に記載のウレタン樹脂。
  3. (A)請求項1又は2に記載のウレタン樹脂と、(B)熱硬化性化合物とを含有することを特徴とする熱硬化性樹脂組成物。
  4. 前記熱硬化性化合物(B)がエポキシ樹脂であることを特徴とする請求項3に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  5. さらに(C)硬化促進剤を含有することを特徴とする請求項3又は4に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  6. さらに無機及び/又は有機フィラーを含有することを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  7. 前記請求項3〜6のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物を硬化してなる硬化物。
  8. 前記請求項3〜6のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物の硬化物で、面の一部又は全部が被覆されたプリント配線基板。
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