JP5835117B2 - 内燃機関の燃料供給制御装置 - Google Patents

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Description

この発明は、内燃機関の燃料供給制御装置に係り、特に、高圧燃料ポンプを利用する燃料噴射システムに適用するうえで好適な内燃機関の燃料供給制御装置に関する。
従来、例えば特許文献1には、燃料噴射弁に供給される燃料を加圧する高圧燃料ポンプを備える内燃機関が開示されている。高圧燃料ポンプは、当該高圧燃料ポンプからの燃料吐出量を調整する流量制御弁、および、この流量制御弁を駆動するソレノイドなどを備えている。特許文献1には、高圧燃料ポンプの故障の態様として、ソレノイドの通電を制御する電気回路(電気配線)上で短絡故障が発生した場合に、ソレノイドが常に通電状態となって高圧燃料ポンプから過剰な量の燃料が吐出され続け、燃料噴射弁に供給される燃料圧力が過度に高くなってしまうという故障モードが存在することが記載されている。
特開2009−052541号公報 特開2003−184616号公報 特開平08−028381号公報 特開2007−327404号公報
燃料噴射弁は、一般的に、供給される燃料圧力の上昇に伴い大きな開弁駆動力を必要とするように構成されている。このため、高圧燃料ポンプに対して上記のような故障が発生することで燃料圧力が過上昇した場合には、燃料噴射弁を作動させて燃料噴射を行うことが難しくなる。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、故障により燃料噴射弁に供給される燃料圧力が過上昇した場合であっても、燃料噴射を良好に継続させることのできる内燃機関の燃料供給制御装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、内燃機関の筒内に燃料を噴射する燃料噴射弁と、
前記燃料噴射弁に供給される燃料を加圧する高圧燃料ポンプと、
前記燃料噴射弁の駆動電流を制御する電気駆動ユニットと、
を備え、
前記燃料噴射弁に供給される燃料圧力が高い場合には、当該燃料圧力が低い場合よりも当該燃料噴射弁の駆動電流のピーク値が高くなるように設定された内燃機関の燃料供給制御装置であって、
前記燃料供給制御装置は、燃料圧力が所定の圧力制御範囲を超えて過上昇したときに、前記燃料噴射弁の駆動電流のピーク値を、所定の電流制御範囲内の最大値に設定する、もしくは、前記過上昇が認められた時の値よりも高くするものであって、
前記電気駆動ユニットは、複数の前記燃料噴射弁の駆動電流を制御するものであって、
前記燃料供給制御装置は、燃料圧力が前記圧力制御範囲を超えて過上昇したときに、前記複数の燃料噴射弁による燃料噴射の開始時期を固定することを特徴とする。
また、第の発明は、第1、第4〜第6の発明の何れか1つにおいて、
燃料圧力が前記圧力制御範囲を超えて過上昇したときにエンジン回転数が所定回転数よりも高い場合には、前記燃料噴射弁による燃料噴射を禁止することを特徴とする。
また、第の発明は、内燃機関の筒内に燃料を噴射する燃料噴射弁と、
前記燃料噴射弁に供給される燃料を加圧する高圧燃料ポンプと、
前記燃料噴射弁の駆動電流を制御する電気駆動ユニットと、
を備え、
前記燃料噴射弁に供給される燃料圧力が高い場合には、当該燃料圧力が低い場合よりも当該燃料噴射弁の駆動電流のピーク値が高くなるように設定された内燃機関の燃料供給制御装置であって、
前記燃料供給制御装置は、燃料圧力が所定の圧力制御範囲を超えて過上昇したときに、前記燃料噴射弁の駆動電流のピーク値を、所定の電流制御範囲内の最大値に設定する、もしくは、前記過上昇が認められた時の値よりも高くするものであって、
前記電気駆動ユニットは、複数の前記燃料噴射弁の駆動電流を制御するものであって、
前記燃料供給制御装置は、燃料圧力が前記圧力制御範囲を超えて過上昇したときに、前記複数の燃料噴射弁の噴射間隔が前記電気駆動ユニットの過熱限界となる限界噴射間隔よりも短くならないように、前記複数の燃料噴射弁の噴射時間を制限することを特徴とする。
また、第の発明は、第の発明において、
前記複数の燃料噴射弁の噴射間隔が前記限界噴射間隔よりも短くならないように前記複数の燃料噴射弁の噴射時間が制限されているときに、制限された噴射時間の下での空燃比が所定値よりもリーンである場合に前記燃料噴射弁による燃料噴射を禁止することを特徴とする。
また、第の発明は、第1〜第の発明の何れか1つにおいて、
燃料圧力が前記圧力制御範囲を超えて過上昇したときに、前記燃料噴射弁が前記内燃機関の1サイクル中に複数回に分割して燃料を噴射することを禁止することを特徴とする。
また、第の発明は、内燃機関の筒内に燃料を噴射する燃料噴射弁と、
前記燃料噴射弁に供給される燃料を加圧する高圧燃料ポンプと、
前記燃料噴射弁の駆動電流を制御する電気駆動ユニットと、
を備え、
前記燃料噴射弁に供給される燃料圧力が高い場合には、当該燃料圧力が低い場合よりも当該燃料噴射弁の駆動電流のピーク値が高くなるように設定された内燃機関の燃料供給制御装置であって、
前記燃料供給制御装置は、燃料圧力が所定の圧力制御範囲を超えて過上昇したときに、前記燃料噴射弁の駆動電流のピーク値を、所定の電流制御範囲内の最大値に設定する、もしくは、前記過上昇が認められた時の値よりも高くするものであって、
前記燃料供給制御装置は、外気温度が所定値以下であるときに、エンジン冷却水温度が所定値に達するまで、前記燃料噴射弁の駆動電流のピーク値を所定の電流制御範囲内の最大値に設定し、かつ、要求燃料圧力を所定の圧力制御範囲内の最大値に設定することを特徴とする。
また、第の発明は、内燃機関の筒内に燃料を噴射する燃料噴射弁と、
前記燃料噴射弁に供給される燃料を加圧する高圧燃料ポンプと、
前記燃料噴射弁の駆動電流を制御する電気駆動ユニットと、
を備え、
前記燃料噴射弁に供給される燃料圧力が高い場合には、当該燃料圧力が低い場合よりも当該燃料噴射弁の駆動電流のピーク値が高くなるように設定された内燃機関の燃料供給制御装置であって、
前記燃料供給制御装置は、燃料圧力が所定の圧力制御範囲を超えて過上昇したときに、前記燃料噴射弁の駆動電流のピーク値を、所定の電流制御範囲内の最大値に設定する、もしくは、前記過上昇が認められた時の値よりも高くするものであって、
燃料圧力が高くなるにつれ、少なくとも2段階で前記燃料噴射弁の駆動電流のピーク値が段階的に高くなるように設定されており、
実燃料圧力および要求燃料圧力のうちの何れか一方が閾値を上回った場合に前記燃料噴射弁の駆動電流のピーク値が高められ、一方、実燃料圧力および要求燃料圧力の双方が所定の閾値を下回った場合に前記燃料噴射弁の駆動電流のピーク値が下げられることを特徴とする。
また、第の発明は、第の発明において、
前記燃料噴射弁の駆動電流のピーク値が低い場合には、当該ピーク値が高い場合に比して、要求燃料噴射量の下限値が小さくなるように制御されることを特徴とする。
第1の発明によれば、故障により燃料噴射弁に供給される燃料圧力が過上昇した場合であっても、燃料噴射を良好に継続させることができる。また、本発明によれば、複数の燃料噴射弁による燃料噴射の開始時期が噴射条件によってばらつくのを防止することができる。その結果、噴射間隔が過渡的に狭くなるのを回避することができるので、燃料噴射弁のための電気駆動ユニットの冷却時間が過渡的に短くなってしまうのを防止することができる。このため、電気駆動ユニットの過熱による故障を防止できるようになる。
の発明によれば、エンジン回転数が高いことで噴射間隔が狭くなり、電気駆動ユニットの過熱を避けることが難しい状況下において、電気駆動ユニットの故障を回避できるようになる。
第2の発明によれば、故障により燃料噴射弁に供給される燃料圧力が過上昇した場合であっても、燃料噴射を良好に継続させることができる。また、本発明によれば、電気駆動ユニットの過熱防止を図ることができる。
の発明によれば、噴射間隔が短い状況下であっても、限界噴射間隔を確保した状態での空燃比が上記リーン判定値を超えて大きくリーンにならない間は、理論空燃比よりもリーンな空燃比でリーン運転が実行される領域が設けられる。これにより、エンジン回転数の高低に基づいて燃料カットの実施の判断を行う上記第の発明の手法と比べ、燃料カットを行う領域を狭くすることができる(燃料カットを行う機会を減らすことができる)ので、退避走行時の車速を上げることが可能となる。
の発明によれば、分割噴射によって噴射間隔が狭くなるのを回避することで、電気駆動ユニットの過熱による故障を防止することができる。
第4の発明によれば、故障により燃料噴射弁に供給される燃料圧力が過上昇した場合であっても、燃料噴射を良好に継続させることができる。また、本発明によれば、低外気温度時に燃料噴射弁の駆動電流のピーク値を最大値に設定し、かつ、要求燃料圧力を最大値に設定することにより、高電流の使用によって燃料噴射弁の開閉の動作性を確実に確保しつつ、高燃料圧力化による噴射燃料の微粒化によって筒内の壁面への燃料の付着を抑制することができる。これにより、エンジンオイルの燃料希釈を抑制することができる。更に、本発明によれば、低外気温度下における駆動電流のピーク値と要求燃料圧力の上記制御は、エンジン冷却水温度が上記所定値に達するまでしか行われない。すなわち、上記制御の実施が、外気温度が低く、かつ、電気駆動ユニット自体の温度も低い状態での低温始動時に限定されているので、過熱による電気駆動ユニットの故障を回避しつつ、燃料希釈を抑制できるようになる。
第5の発明によれば、故障により燃料噴射弁に供給される燃料圧力が過上昇した場合であっても、燃料噴射を良好に継続させることができる。また、本発明によれば、より高い値への駆動電流のピーク値の切り替えは、実燃料圧力および要求燃料圧力という2つの情報のうちのどちらかが第1閾値を上回ったことを条件として直ちに実施(許可)される。これにより、実燃料圧力や要求燃料圧力の変化に対して駆動電流が高く確保され易くすることができる。このため、実燃料圧力の変動に対し、駆動電流の不足によって燃料噴射が不能となるのを防止することができる。また、より低い値への駆動電流のピーク値の切り替えは、実燃料圧力および要求燃料圧力の双方が第2閾値を下回ったことを条件として実施(許可)される。このように、実燃料圧力および要求燃料圧力の双方が確実に下がったことを確認したうえで駆動電流が下げられる。これにより、駆動電流の切り替えのハンチングを防止することができる。また、実燃料圧力の変動に対し、駆動電流の不足によって燃料噴射が不能となるのを防止することができる。
の発明によれば、駆動電流は高いが要求燃料噴射量は少ない状況下において、要求された量での燃料噴射ができなくなるのを防止することができる。
本発明の実施の形態1に係る燃料供給制御装置を備える内燃機関のシステム構成を説明するための図である。 本発明の実施の形態1に係る燃料供給制御装置の主要な構成を説明するための図である。 燃料圧力(燃圧)の変化に対する燃料噴射弁の駆動電流(ピーク値)の設定例を表した図である。 本発明の実施の形態1において実行されるメインルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態1において実行される燃料カット処理サブルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態2において実行される燃料カット処理サブルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態3において実行されるルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態4において実行されるルーチンのフローチャートである。
実施の形態1.
[実施の形態1のシステム構成]
図1は、本発明の実施の形態1に係る燃料供給制御装置を備える内燃機関10のシステム構成を説明するための図である。内燃機関10は、直列4気筒型のガソリンエンジン(一例)であり、車両に搭載され、その動力源とされているものとする。内燃機関10の燃焼室には、吸気通路12および排気通路14が連通している。
吸気通路12の入口近傍には、エアクリーナ16が配置されている。エアクリーナ16の下流側の吸気通路12には、吸気通路12に吸入される空気の流量に応じた信号を出力するエアフローメータ18が設けられている。エアフローメータ18よりも下流側の吸気通路12には、ターボ過給機20のコンプレッサ20aが配置されている。ターボ過給機20のタービン20bは排気通路14に配置されている。
コンプレッサ20aよりも下流側の吸気通路12には、コンプレッサ20aにより圧縮された空気を冷却するインタークーラ22が配置されている。インタークーラ22よりも下流側の吸気通路12には、電子制御式のスロットルバルブ24が設けられている。内燃機関10の各気筒には、燃料を筒内(燃焼室内)に直接噴射するための電磁駆動式の燃料噴射弁26が設置されている。各気筒の燃料噴射弁26は、共通のデリバリパイプ28に接続されている。デリバリパイプ28内には、高圧燃料ポンプ30(図2参照)によって加圧された高圧の燃料が供給され、そして、このデリバリパイプ28から各気筒の燃料噴射弁26へ燃料が供給されるようになっている。
図2は、本発明の実施の形態1に係る燃料供給制御装置の主要な構成を説明するための図である。
図2に示すように、高圧燃料ポンプ30の吸入口30aには、低圧燃料ポンプ(フィードポンプ)32によって汲み上げられた燃料タンク34内の燃料が燃料パイプ36を介して供給される。高圧燃料ポンプ30の吐出口30bとデリバリパイプ28とは、燃料パイプ38によって接続されている。
高圧燃料ポンプ30は、吸入口30aと吐出口30bに選択的に連通可能な燃料加圧室30cと、吸入口30aを開閉する電磁スピル弁30dと、内燃機関10のカム軸40に固定された加圧用カム30eと、加圧用カム30eの回転に伴って往復移動することで燃料加圧室30cの容積を変化させるプランジャ30fと、プランジャ30fを加圧用カム30eに向けて付勢する圧接ばね30gと、吐出口30bに配置された逆止弁30hとを備えている。電磁スピル弁30dは、内蔵するソレノイド30d1への通電がOFFとされた場合には付勢ばね30d2の付勢力によって開弁し、一方、ソレノイド30d1への通電がONとされた場合にはソレノイド30d1の吸引力が付勢ばね30d2のばね力などの抗力に打ち勝つことで閉弁するように構成されている。逆止弁30hは、吐出口30bを通って燃料加圧室30cから燃料が吐出されるのを許容し、かつ吐出口30bから燃料加圧室30cへの燃料の逆流を防止するように構成されている。
図1を再び参照して、内燃機関10のシステム構成の説明を継続する。
図1に示すシステムは、ECU(Electronic Control Unit)50を備えている。ECU50の入力部には、上述したエアフローメータ18に加え、燃料圧力センサ52、A/Fセンサ54、クランク角センサ56および冷却水温度センサ58等の内燃機関10の運転状態を検出するための各種センサが接続されている。燃料圧力センサ52は、各気筒の燃料噴射弁26に供給される燃料圧力を検出するためにデリバリパイプ28に取り付けられている。A/Fセンサ54は、排気通路14を流れる排気ガスの空燃比を検出するためのセンサであり、クランク角センサ56は、エンジン回転数を検出するためのセンサであり、冷却水温度センサ58は、エンジン冷却水温度を検出するためのセンサである。また、ECU50の入力部には、外気温度を検出するための外気温度センサ60が接続されている。一方、ECU50の出力部には、上述したスロットルバルブ24、燃料噴射弁26および電磁スピル弁30dに加え、混合気に点火するための点火プラグ62等の内燃機関10の運転を制御するための各種のアクチュエータが接続されている。より具体的には、各気筒の燃料噴射弁26は、当該燃料噴射弁26を駆動するための電気駆動ユニット(以下、「EDU(Electrical Driver Unit)」と称する)64を介してECU50に接続されている。ECU50は、それらのセンサ出力と所定のプログラムとに従って上記各種のアクチュエータを駆動することにより、内燃機関10の運転状態を制御するものである。
[高圧燃料ポンプの基本動作]
次に、以上説明した構成を有する高圧燃料ポンプ30が正常に機能している場合の高圧燃料ポンプ30の基本動作について説明する。以下の説明では、燃料加圧室30c内の容積が最も減少した際(すなわち、図2においてプランジャ30fが最も上昇した際)のプランジャ30fの位置を「プランジャ30fの上死点」と称し、逆に、燃料加圧室30c内の容積が最も拡大した際(すなわち、図2においてプランジャ30fが最も下降した際)のプランジャ30fの位置を「プランジャ30fの下死点」と称する。
図2に示す構成の高圧燃料ポンプ30では、加圧用カム30eが一回転する間に、プランジャ30fが燃料加圧室30c内を2回往復する。高圧燃料ポンプ30では、プランジャ30fが下降して燃料加圧室30cの容積が拡大する期間中には、ソレノイド30d1への通電がOFFとされる。その結果、電磁スピル弁30dが開き、吸入側の燃料パイプ36と燃料加圧室30cとが連通する。この状態でプランジャ30fが下降すると、燃料加圧室30c内の圧力が下がるので、燃料が燃料加圧室30c内に吸入される。
燃料加圧室30c内に吸入された燃料は、電磁スピル弁30dが開弁した状態でプランジャ30fが下死点を過ぎて再び上昇し始めると、吸入側の燃料パイプ36に逆流するようになる。より具体的には、吸入側の燃料パイプ36内の圧力の方が吐出側の燃料パイプ38内の圧力よりも低いため、燃料は燃料パイプ36側に逆流する。この際、電磁スピル弁30dには、燃料加圧室30cから燃料パイプ36に向けて逆流する燃料の流体力が作用する。付勢ばね30d2のばね力は、この流体力によって電磁スピル弁30dが閉弁しないように設定されている。
プランジャ30fの上昇中もしくは上昇開始時にソレノイド30d1への通電が行われると、ソレノイド30d1の吸引力が付勢ばね30d2のばね力に打ち勝ち、電磁スピル弁30dが閉弁する。その結果、プランジャ30fの上昇に伴って燃料加圧室30c内の燃料が加圧されていく。そして、燃料加圧室30c内の燃料圧力が吐出側の燃料パイプ38内の燃料圧力よりも高くなると、逆止弁30hが開き、燃料がデリバリパイプ28側(燃料噴射弁26側)に圧送される。したがって、プランジャ30fが下死点に位置しているときに電磁スピル弁30dを閉弁させれば、最大量の燃料を吐出することができる。そして、プランジャ30fの上昇中において、電磁スピル弁30dの閉弁タイミングを遅らせるほど、デリバリパイプ28への燃料吐出量を少なく調整することができる。
以上のように、プランジャ30fの上昇期間においてソレノイド30d1への通電による電磁スピル弁30dの閉弁タイミングを変更することにより、燃料吐出量を調整することができる。内燃機関10の運転中には、燃料圧力センサ52が検出した値に基づいて、燃料噴射弁26に供給される燃料圧力が狙いとする値となるように、電磁スピル弁30dが制御される。より具体的には、燃料圧力は、基本的に、内燃機関10の負荷が高くなるほど高くなるように所定の圧力制御範囲内で制御される。
[燃料噴射弁の駆動電流と燃料圧力との関係]
図3は、燃料圧力(燃圧)の変化に対する燃料噴射弁26の駆動電流(ピーク値)の設定例を表した図である。
図3(A)に示すように、本実施形態のシステムでは、燃料噴射弁26の駆動電流のピーク値は、所定の電流制御範囲内で、燃料圧力に応じて変化するように設定されている。図3(A)では、燃料圧力が高くなるほど、燃料噴射弁26の駆動電流のピーク値がlow、HighおよびMaxの三段階で高くなるように設定されている。尚、駆動電流の最大値(Max)は、内燃機関10の環境条件を加味し、所定のエンジン回転数以下の領域ではEDU64が故障に至らないように予め設定された値である。
上記のような設定に代え、図3(B)に示す設定が用いられていてもよい。図3(B)では、Maxを使用する高燃料圧力領域よりも燃料圧力が低い領域においては、燃料圧力が高くなるほど駆動電流のピーク値が連続的に高くなるように設定されている。図3(A)または図3(B)に示すような手法で、燃料圧力に対して燃料噴射弁26の駆動電流を可変とすることで、低燃料圧力時に燃料噴射弁26から噴射される最小燃料量を低減させることができる。
尚、ここでいう駆動電流のピーク値とは、1回の燃料噴射弁26の開弁動作(すなわち、1回の燃料噴射)のために、燃料噴射弁26に駆動電流が供給されている期間中の駆動電流のピーク値である。一般に、燃料噴射弁26では、素早く開弁させることを目的として、(燃料噴射弁26が備えるソレノイドへの)通電初期に相対的に高い電流が供給され、その後、開弁状態を維持するために相対的に低い電流が供給されるので、通常、駆動電流値は通電初期においてピークを示す。また、ECU50は、駆動電流を検知するための電流検知部(図示省略)を備えているものとする。
[高圧燃料ポンプに生じ得る故障について]
高圧燃料ポンプ30に生じ得る故障態様の1つとして、例えば、電磁スピル弁30dのソレノイド30d1の通電を制御する電気回路上で短絡故障が発生することによりソレノイド30d1が常に通電状態となってしまうというものがある。このような状態となると、プランジャ30fが下降する行程においては、ソレノイド30d1が電動スピル弁30dを閉弁させようとする力が作用していても、この力よりも、吸入口30a側から電動スピル弁30dを開弁する方向に加わる吸入燃料の圧力と、付勢ばね30d2のばね力と、プランジャ30fの下降に伴って燃料加圧室30c内に発生する負圧との合力が大きくなる。その結果、プランジャ30fの下降行程において電動スピル弁30dが開いたままとなり、燃料加圧室30c内に燃料が吸入されることになる。そして、その後にプランジャ30fが下死点に到達すると、燃料加圧室30cに燃料が流入しなくなるため、ソレノイド30d1が発する力が付勢ばね30d2のばね力に打ち勝ち、電動スピル弁30dが閉弁される。このため、最大量で燃料が吐出される。このような動作によって、上記故障が生じた場合には、高圧燃料ポンプ30からの燃料の吐出量が最大値で固定された状態で、高圧燃料ポンプ30から過剰な量の燃料が吐出され続けることになる。
燃料噴射弁26は、一般的に、供給される燃料圧力の上昇に伴い大きな開弁駆動力を必要とするように構成されている。このため、高圧燃料ポンプ30に対して上記のような故障が発生することで燃料圧力が過上昇した場合には、燃料噴射弁を作動させて燃料噴射を行うことが難しくなる。
[実施の形態1における特徴的な制御]
そこで、本実施形態では、高圧燃料ポンプ30への故障発生により燃料圧力が上記圧力制御範囲を超えて過上昇したときに、各気筒の燃料噴射弁26の駆動電流のピーク値を、上記電流制御範囲内の最大値(Max)に設定(固定)するようにした。より具体的には、燃料圧力が過上昇したと判定された時点の駆動電流のピーク値がLowやHighに制御されていた状況であれば、駆動電流のピーク値が最大値(Max)となるように高められる。また、燃料圧力が過上昇したと判定された時点の駆動電流のピーク値が既に最大値(Max)に制御されていた状況であれば、駆動電流のピーク値が最大値(Max)で維持される。
本実施形態では、燃料圧力が過上昇したときには、上記のように駆動電流のピーク値を最大値(Max)で固定したうえで、更に、EDU(インジェクタドライバ)64によって制御される各気筒の燃料噴射弁26による燃料噴射の開始時期が固定されるようにした。
また、本実施形態では、燃料圧力が過上昇したときには、上記のように駆動電流のピーク値を最大値(Max)で固定したうえで、更に、各気筒の燃料噴射弁26が内燃機関10の1サイクル中に複数回に分割して燃料を噴射すること(以下、単に「分割噴射」と称する)が禁止されるようにした。
また、本実施形態では、燃料圧力が過上昇したときには、上記のように駆動電流のピーク値を最大値(Max)で固定したうえで、更に、エンジン回転数が所定回転数よりも高い場合には各気筒の燃料噴射弁26による燃料噴射が禁止される(すなわち、燃料カットが実行される)ようにした。
図4は、本発明の実施の形態1においてECU50が実行するメインルーチンを示すフローチャートである。尚、本ルーチンは、所定の制御周期毎に繰り返し実行されるものとする。
図4に示すメインルーチンでは、先ず、クランク角センサ56を利用して現在のエンジン回転数NEが取得される(ステップ100)。次いで、EDU64により制御されている現在の燃料噴射弁(インジェクタ)26の駆動電流Iが上記電流検知部を利用して取得される(ステップ102)。次いで、燃料圧力センサ52を利用して現在の燃料圧力(以下、「燃圧PR」と称することがある)が取得される(ステップ104)。
次に、高圧ポンプフェール状態(高圧燃料ポンプ30に故障が生じている状態)が成立するときにONとされ、高圧燃料ポンプ30が正常であるときにOFFとされる高圧ポンプフェール状態フラグexfpmpが取得される(ステップ106)。ECU50は、本ルーチンと同期して起動するルーチン(図示省略)によって、高圧ポンプフェール状態の成立の有無を常時判定している。具体的には、燃圧PRが上記圧力制御範囲を超えて過上昇したことを燃料圧力センサ52を用いて検出したときに、高圧ポンプフェール状態フラグexfpmpがONとされる。次いで、前回の(制御周期到来時の)高圧ポンプフェール状態フラグexfpmpoが取得される(ステップ108)。
次に、前回の高圧ポンプフェール状態フラグexfpmpoがOFFであるか否かが判定される(ステップ110)。その結果、本判定が成立する場合には、現在の(今回の制御周期到来時に対応する)高圧ポンプフェール状態フラグexfpmpがOFFであるか否かが判定される(ステップ112)。
ステップ112の判定が成立する場合(すなわち、前回および今回の双方において高圧燃料ポンプ30に故障(燃圧PRの過上昇)が生じていないと判断された場合)には、前回の高圧ポンプフェール状態フラグexfpmpoに現在(今回)のフェール状態を記憶させることによって当該フラグexfpmpoが更新される(ステップ114)。この場合であれば、当該フラグexfpmpoはOFFとされる。
一方、ステップ110の判定が不成立となる場合には、ステップ112と同様に、現在の高圧ポンプフェール状態フラグexfpmpがOFFであるか否かが判定される(ステップ116)。
ステップ112の判定が不成立となる場合(すなわち、前回には高圧燃料ポンプ30に故障が生じていなかったが今回の制御周期到来時には故障が生じたと判断された場合)、または、ステップ116の判定が不成立となる場合(すなわち、前回および今回の双方において高圧燃料ポンプ30に故障が生じたと判断された場合)には、ステップ118の処理が実行される。ステップ118では、燃圧PRが過上昇している高燃圧状態、例えば、燃圧PRが22MPaよりも高い状態が継続しているか否かが判定される(ステップ118)。
その結果、ステップ118において高燃圧状態が継続していると判定された場合には、燃料噴射弁26の駆動電流目標値Itが最大値(Max)に設定(固定)される(ステップ120)。更に、この場合には、各気筒の燃料噴射弁26の燃料噴射の開始時期INJtが所定時期(例えば、360°BTDC(圧縮上死点基準))に固定される(ステップ122)。
また、ステップ118の判定が成立する場合には、更に、ステップ124、126および114の処理が順に実行される。ステップ124では、各気筒の燃料噴射弁26による分割噴射が禁止される(ステップ124)。ステップ126では、後述の図5に示す燃料カット処理サブルーチンが実行される。そして、この場合に実行されるステップ114では、前回の高圧ポンプフェール状態フラグexfpmpoはONに更新される。
図5は、本発明の実施の形態1においてECU50が実行する燃料カット処理サブルーチンを示すフローチャートである。
図5に示すサブルーチンでは、エンジン回転数NEが所定回転数(例えば、4000rpm)よりも高いか否かが判定される(ステップ200)。その結果、本判定が成立する高エンジン回転数時である場合には、各気筒に対して燃料カットが実行される(ステップ202)。
図4に示すメインルーチンでは、ステップ116の判定が成立する場合(すなわち、前回には高圧燃料ポンプ30に故障が生じていたが今回の制御周期到来時には故障が生じていない(解消した)と判断された場合)には、各気筒の燃料噴射弁26の駆動電流目標値Itが、高圧燃料ポンプ30が正常である時の値(図3に示す燃圧PRに応じた値)に戻される(ステップ128)。この場合には、次いで、ステップ130、132および114の処理が順に実行される。
ステップ130では、各気筒の燃料噴射弁26による燃料噴射の開始時期INJtが正常時の値に戻される。ステップ132では、上記燃料カット処理サブルーチンの実行が中止される。このため、このサブルーチンの処理によって燃料カットが実行されていた場合には、燃料カットが中止される。そして、この場合に実行されるステップ114では、前回の高圧ポンプフェール状態フラグexfpmpoはOFFに更新される。
以上説明した図4に示すメインルーチンによれば、燃圧PRが過上昇している高燃圧状態が成立する場合には、各気筒の燃料噴射弁26の駆動電流目標値Itが最大値(Max)に設定される。これにより、高圧燃料ポンプ30の故障により燃圧PRが過上昇したときであっても、燃料噴射弁26による燃料噴射が不能となるのを回避させることができる。また、燃圧PRの過上昇によって燃料噴射不能とまではならない状況であっても、燃料噴射弁26の開弁動作性の確保によって燃料噴射量の制御精度を極力確保できるようになる。
その一方で、燃圧PRの過上昇時の対策として上記のように駆動電流Iを最大値に制御した場合には、発熱量が大きくなるため、EDU64が過熱し、熱に弱い電子部品に故障が生じてしまうことが懸念される。このような課題に対し、上記メインルーチンによれば、燃圧PRが過上昇したときには、EDU64によって制御される各気筒の燃料噴射弁26による燃料噴射の開始時期が固定される。これにより、各気筒の燃料噴射の開始時期INJtが噴射条件によってばらつくのを防止することができる。その結果、噴射間隔が過渡的に狭くなるのを回避することができるので、EDU64の冷却時間が過渡的に短くなってしまうのを防止することができる。このため、EDU64の過熱による故障を防止できるようになる。
また、駆動電流Iを最大値に制御したことに伴うEDU64の過熱への懸念は、噴射間隔が短くなる分割噴射の実行時にはEDU64の冷却時間が不足し易くなるため、より顕著となる。このような課題に対し、上記メインルーチンによれば、燃圧PRが過上昇したときには、分割噴射が禁止される。これにより、分割噴射によって噴射間隔が狭くなるのを回避することができるので、EDU64の過熱による故障を防止することができる。より具体的には、分割噴射の禁止によってEDU64が過熱しない領域を拡大することができるので、高圧燃料ポンプ30の故障に伴う、車両の退避走行時の車速を上げることができるようになる。
また、エンジン回転数が高くなると、噴射間隔(時間ベース)が短くなるため、駆動電流Iが最大値に制御されていると、EDU64が過熱し易くなる。このような課題に対し、燃圧PRが過上昇した状況下において、図5に示すサブルーチンによれば、エンジン回転数が所定回転数よりも高い場合には、燃料カットが実行される。これにより、エンジン回転数が高いことでEDU64の過熱を避けることが難しい状況下において、EDU64の故障を回避できるようになる。
ところで、上述した実施の形態1においては、燃圧PRが過上昇したときに、各気筒の燃料噴射弁26の駆動電流目標値It(ピーク値)を所定の電流制御範囲内の最大値(Max)に設定するようにした。しかしながら、本発明において燃料圧力が過上昇したときに行われる燃料噴射弁の駆動電流の制御は、上記の態様に限らず、燃圧PRの過上昇が認められたときの値よりも駆動電流のピーク値を高くするものであってもよい。また、燃圧PRの過上昇が認められたときの値よりも駆動電流のピーク値を高くするという態様は、正常時の電流制御範囲内で上記ピーク値を高めるものに限られるものではなく、正常時の電流制御範囲内の最大値よりも高い値(一時的に付与可能な値)に向けて上記ピーク値を高くするものも含まれ得る。
実施の形態2.
次に、図6を主に参照して、本発明の実施の形態2について説明する。
本実施形態のシステムは、図1および図2に示すハードウェア構成、並びに図3(A)または図3(B)に示す駆動電流と燃圧との関係を用いるものであって、ECU50に図4に示すメインルーチンとともに、図5に示すサブルーチンに代えて後述の図6に示すサブルーチンを実行させることにより実現することができるものである。
すなわち、本実施形態のシステムは、燃圧PRが過上昇したときには、実施の形態1において上述したように駆動電流のピーク値を最大値(Max)で固定したうえで、更に、各気筒の燃料噴射弁26の噴射間隔(時間ベース)がEDU64の過熱限界となる限界噴射間隔よりも短くならないように、各気筒の燃料噴射弁26の噴射時間が制限されるようにしたという点に特徴を有している。
図6は、本発明の実施の形態2においてECU50が実行する燃料カット処理サブルーチンを示すフローチャートである。尚、本ルーチンは、各気筒における燃料噴射の終了時期が到来した直後のタイミングで繰り返し起動されるものとする。
図6に示すサブルーチンでは、先ず、本ルーチンの起動時の直前に燃料噴射が終了した気筒(以下、説明の便宜上「前噴射気筒」と称する)における燃料噴射の噴射終了時期EOIOが取得される(ステップ300)。次いで、「次噴射気筒」、すなわち、前噴射気筒の次に燃料噴射が予定されている気筒の燃料噴射の噴射開始時期SOIが取得される(ステップ302)。尚、各気筒の燃料噴射の開始時期および終了時期は、内燃機関10の運転状態などとの関係で予め設定された噴射条件に基づいて決定されるものである。
次に、前噴射気筒と次噴射気筒との間での燃料噴射の噴射間隔INTが、上記のように取得された噴射開始時期SOIから噴射終了時期EOIOを引いて得られる差として算出される(ステップ304)。
次に、算出された噴射間隔INTが所定時間(例えば、4000μsec)よりも短いか否かが判定される(ステップ306)。本ステップ306において用いられる所定時間は、EDU64の過熱限界となる(より具体的には、EDU64の過熱を抑制するという観点で限界となる)限界噴射間隔として予め設定された値である。
ステップ306の判定が成立する場合、すなわち、次噴射気筒の噴射開始時期SOIに対して何らかの補正がなされないと噴射間隔INTが限界噴射間隔よりも短くなってしまうと判断された場合には、ステップ308〜318が順に実行される。また、この場合には、ステップ318の成立を条件としてステップ320が実行される。
ステップ308では、前噴射気筒と次噴射気筒との間の噴射間隔INTとして限界噴射間隔(ここでは、4000μsec)を確保するために必要な噴射開始時期SOI'が、演算式(SOI'=SOI−INT+4000)を用いて算出される。尚、算出された噴射開始時期SOI'は、以下のステップ318の判定が成立する場合を除き、次噴射気筒において使用されることになる。
ステップ310では、エアフローメータ18を利用して取得される現在の吸入空気量の下で理論空燃比を実現するために必要な燃料噴射量を、現在の燃圧PRとの関係で実現する噴射時間TAUSTIが算出される。次いで、ステップ312では、現在の噴射条件に従った次噴射気筒の噴射時間TAUが取得される。
ステップ314では、次噴射気筒とその次の噴射気筒との間の噴射間隔INTとして限界噴射間隔(ここでは、4000μsec)を確保するために必要な噴射時間TAU 'が、演算式(TAU'=TAU+INT−4000)を用いて算出される。次いで、ステップ316では、上記噴射時間TAU'の下での空燃比ABYF'が、演算式(ABYF'=14.5×TAUSTI÷TAU')を用いて算出される。尚、算出された噴射時間TAU'は、以下のステップ318の判定が成立する場合を除き、次噴射気筒において使用されることになる。
次に、ステップ318では、算出された空燃比ABYF'が所定のリーン判定値(例えば、17)よりも大きい(リーンである)か否かが判定される。その結果、本判定が成立する場合には、ステップ320において、次噴射気筒を対象とした燃料カットが実行される。
以上説明した図6に示すサブルーチンによれば、前噴射気筒と次噴射気筒との間の噴射間隔INTが限界噴射間隔よりも短い場合には、限界噴射間隔が確保されるように次噴射気筒の噴射開始時期SOIが噴射開始時期SOI'に修正される。また、この場合には、次噴射気筒とその次の噴射気筒との間の噴射間隔INTとして限界噴射間隔が確保されるように噴射時間TAUが噴射時間TAU'に修正される。このような処理によれば、爆発順序が隣り合う気筒間での噴射間隔INTが、EDU64の過熱限界となる限界噴射間隔を超えないように噴射時間TAUを制限することができる。これにより、EDU64の過熱防止を図ることができる。
更に、上記サブルーチンによれば、EDU64の過熱防止のために制限した噴射間隔TAU'の下での空燃比ABYF'が所定のリーン判定値よりもリーンとなる場合には、次噴射気筒を対象とした燃料カットが実行される。言い換えれば、このような処理によれば、噴射間隔INTが短い状況下であっても、限界噴射間隔を確保した状態での空燃比ABYF'が上記リーン判定値を超えて大きくリーンにならない間は、理論空燃比よりもリーンな空燃比でリーン運転が実行される領域が設けられる。これにより、エンジン回転数の高低に基づいて燃料カットの実施の判断を行う実施の形態1の手法と比べ、燃料カットを行う領域を狭くすることができる(燃料カットを行う機会を減らすことができる)ので、退避走行時の車速を上げることが可能となる。
実施の形態3.
次に、図7を主に参照して、本発明の実施の形態3について説明する。
本実施形態のシステムは、図1および図2に示すハードウェア構成、並びに図3(A)または図3(B)に示す駆動電流と燃圧との関係を用いるものであって、ECU50に後述の図7に示すルーチンを実行させることにより実現することができるものである。尚、本実施形態の制御は、上述した実施の形態1または2の制御と並行して実機上で実行可能なものである。
具体的には、本実施形態では、外気温度が所定値(例えば、−20℃)以下となる低外気温度時に、エンジン冷却水温度が所定値(例えば、60℃)に達するまで、各気筒の燃料噴射弁26の駆動電流目標値It(ピーク値)が所定の電流制御範囲(例えば、図3に示す電流制御範囲)内の最大値に設定され、かつ、要求燃圧PRtが所定の圧力制御範囲内の最大値に設定されることを特徴としている。
図7は、本発明の実施の形態3においてECU50が実行するルーチンを示すフローチャートである。尚、本ルーチンは、所定の制御周期毎に繰り返し実行されるものとする。
図7に示すルーチンでは、先ず、外気温度センサ60を利用して現在の外気温度THAMが取得される(ステップ400)。次いで、取得された外気温度THAMが所定値(例えば、−20℃)以下であるか否かが判定される(ステップ402)。
ステップ402において低外気温度時ではないと判定された場合には、各気筒の燃料噴射弁26の駆動電流目標値It(ピーク値)は、通常時の値(すなわち、現在の燃圧PRに応じた値)に設定される(ステップ404)。次いで、要求燃圧PRtが通常時の値(すなわち、現在の内燃機関10の運転状態(負荷など)に応じた値)に設定される(ステップ406)。
一方、ステップ402において低外気温度時であると判定された場合には、次いで、冷却水温度センサ58を利用して現在のエンジン冷却水温度THWが取得される(ステップ408)。次いで、取得された冷却水温度THWが所定値(例えば、60℃)以下であるか否かが判定される(ステップ410)。EDU64は、内燃機関10が発する熱の影響を受ける場所(エンジンルーム)に配置されている。このため、本ステップ410における所定値は、内燃機関10の暖機の進行によってEDU64の雰囲気温度が高くなった状況下において高電流の使用中のEDU64が過熱することがないようにできる値として予め設定された値である。
ステップ410においてエンジン冷却水温度THWが上記所定値以下であると判定された場合には、各気筒の燃料噴射弁26の駆動電流目標値It(ピーク値)が最大値(Max)に設定(固定)される(ステップ412)。この場合には、更に、要求燃圧PRtが最大値(例えば、22MPa)に設定される(ステップ414)。一方、内燃機関10の暖機が進行したことによってステップ410の判定が不成立となった場合には、ステップ404および406による通常時の処理が実行される。
低外気温度下において内燃機関10が冷えている状態での低温始動時には、燃料噴射弁26によって噴射された燃料が筒内の壁面に付着し易く、その結果、付着した燃料によってオイルが希釈され易くなる。このような課題に対し、以上説明した図7に示すルーチンによれば、低外気温度時に燃料噴射弁26の駆動電流目標値It(ピーク値)を最大値に設定し、かつ、要求燃圧PRtを最大値に設定することにより、高電流の使用によって燃料噴射弁26の開閉の動作性を確実に確保しつつ、高燃圧化による噴射燃料の微粒化によって筒内の壁面への燃料の付着を抑制することができる。これにより、エンジンオイルの燃料希釈を抑制することができる。更に、上記ルーチンによれば、低外気温度下における駆動電流目標値Itと要求燃圧PRtの上記制御は、エンジン冷却水温度THWが上記所定値に達するまでしか行われない。すなわち、上記制御の実施が、外気温度が低く、かつ、EDU64自体の温度も低い状態での低温始動時に限定されているので、過熱によるEDU64の故障を回避しつつ、燃料希釈を抑制できるようになる。
実施の形態4.
次に、図8を主に参照して、本発明の実施の形態3について説明する。
本実施形態のシステムは、図1および図2に示すハードウェア構成、並びに図3(A)に示す駆動電流と燃圧との関係を用いるものであって、ECU50に後述の図8に示すルーチンを実行させることにより実現することができるものである。尚、本実施形態の制御は、上述した実施の形態1、2または3の制御に並行して実機上で実行可能なものである。
ところで、燃料噴射弁の駆動電流Iを下げることで、燃料噴射弁によって噴射可能な最小噴射量(噴射量下限値)を低下させることができるため、常用する燃圧PRを上げることが可能となる。しかしながら、駆動電流Iを下げたことによって、燃料を噴射可能な最大燃圧も低下してしまう。この対策としては、上記図3(A)に一例として示すように、燃圧PRの上昇に応じて段階的(少なくとも2段階)に燃料噴射弁26の駆動電流I(ピーク値)を高くする設定を用いることが好適である。そして、このような設定を備えている場合において、燃圧PRに応じて駆動電流Iを切り替える際に、マップなどによって予め設定された要求(目標)燃圧PRtを用いることとすると、実燃圧PRが大きく変動している状況下では、次のような不具合が生ずることが懸念される。すなわち、駆動電流Iの切り替えの際に、要求燃圧PRtに対して実燃圧PRが高い方にばらついた場合には、実燃圧PRの下で燃料噴射弁26を開閉させるための駆動電流Iが低すぎて噴射不能となる事態が生ずることが懸念される。
そこで、本実施形態では、燃圧PRの上昇に応じて燃料噴射弁26の駆動電流I(ピーク値)が段階的に高くなる設定(一例として、図3(A)に示す設定)を備える内燃機関10において、次のような制御が行われる。すなわち、駆動電流Iのピーク値のLowからHighへの切り替えが、実燃圧PRおよび要求(目標)燃圧PRtのうちの何れか一方が所定の第1閾値を上回った場合に実施される。一方、駆動電流Iのピーク値のHighからLowへの切り替えが、実燃圧PRおよび要求(目標)燃圧PRtの双方が所定の第2閾値を下回った場合に実施される。
更に、本実施形態では、要求燃料噴射量の下限値QMINが燃料噴射弁26の駆動電流Iのピーク値に応じて可変とされる。より具体的には、噴射量下限値QMINは、駆動電流Iのピーク値が低いほど小さくなるように変更される。
図8は、本発明の実施の形態4においてECU50が実行するルーチンを示すフローチャートである。尚、本ルーチンは、所定の制御周期毎に繰り返し実行されるものとする。
図8に示すルーチンでは、先ず、燃料圧力センサ52を利用して現在の実燃圧PRが取得される(ステップ500)。次いで、所定のマップ(図示省略)に従って現在の噴射条件に応じた要求燃圧PRtが取得される(ステップ502)。
次に、実燃圧PRが所定の第1閾値(例えば、8MPa)を上回ったか否かが判定される(ステップ504)。この第1閾値は、駆動電流I(ピーク値)をLowからHighに切り替える際の判断材料として用いられる値である。本ステップ504の判定が成立する場合には、本ルーチンの処理がステップ508に進められる。逆に、ステップ504の判定が不成立となる場合には、要求燃圧PRtが上記第1閾値を上回ったか否かが判定される(ステップ506)。その結果、本ステップ506の判定が成立する場合には、本ステップ506の処理がステップ508に進められる。
上記のように、ステップ508の処理は、ステップ504および506のうちの何れか一方の判定が成立した場合に実行されることになる。ステップ508では、各気筒の燃料噴射弁26の駆動電流目標値ItがLowからHighに変更される(高められる)。
一方、ステップ504または506の判定が不成立となる場合には、実燃圧PRが所定の第2閾値(例えば、7MPa)を下回ったか否かが判定される(ステップ510)。この第2閾値は、駆動電流I(ピーク値)をHighからLowに切り替える際の判断材料として用いられる値である。本ステップ510の判定が成立する場合には、要求燃圧PRtが上記第2閾値を下回ったか否かが判定される(ステップ512)。
その結果、ステップ510および512の判定が共に成立する場合には、各気筒の燃料噴射弁26の駆動電流目標値ItがHighからLowに変更される(下げられる)(ステップ514)。このステップ514または508の処理が実行された後には、或いは、ステップ510またはステップ512の判定が不成立となる場合には、本ルーチンの処理がステップ516に進められる。
ステップ516では、要求燃料噴射量の下限値QMINが算出される。この下限値QMINは、燃料噴射弁26の駆動電流目標値It(ピーク値)の関数として定められている。より具体的には、噴射量下限値QMINは、駆動電流目標値It(ピーク値)が低いほど小さくなるように設定されている。次いで、現在の燃料噴射量QINJ(現在の噴射条件に従った要求値)が取得される(ステップ518)。
次に、ステップ516および518の処理によって得た値を用いて、現在の燃料噴射量QINJが噴射量下限値QMINよりも少ないか否かが判定される(ステップ520)。その結果、本判定が成立する場合には、燃料噴射量QINJが噴射量下限値QMINとなるように修正される(ステップ522)。
以上説明した図8に示すルーチンによれば、駆動電流I(目標値It)のピーク値のLowからHighへの切り替えは、実燃圧PRおよび要求燃圧PRtという2つの情報のうちのどちらかが第1閾値を上回ったことを条件として直ちに実施(許可)される。これにより、実燃圧PRや要求燃圧PRtの変化に対して駆動電流Iが高く確保され易くすることができる。このため、実燃圧PRの変動に対し、駆動電流Iの不足によって燃料噴射が不能となるのを防止することができる。また、駆動電流Iのピーク値のHighからLowへの切り替えは、実燃圧PRおよび要求燃圧PRtの双方が(第1閾値よりも小さい)第2閾値を下回ったことを条件として実施(許可)される。このように、実燃圧PRおよび要求燃圧PRtの双方が確実に下がったことを確認したうえで駆動電流Iが下げられる。これにより、駆動電流Iの切り替えのハンチングを防止することができる。また、実燃圧PRの変動に対し、駆動電流Iの不足によって燃料噴射が不能となるのを防止することができる。
また、上記ルーチンによれば、要求燃料噴射量の下限値QMINが、駆動電流I(目標値It)のピーク値が低いほど小さくなるように変更される。そして、現在の要求燃料噴射量QINJが噴射量下限値QMINよりも少ない場合には、実燃料噴射量が当該下限値QMINを下回らないようにするために、現在の要求燃料噴射量QINJが噴射量下限値QMINとなるように修正される。ここで、上記ステップ504〜508の処理によれば、要求燃圧PRtおよび実燃圧PRのうちの要求燃圧PRtのみが第1閾値を上回った状況下においても、駆動電流IがHighに変更されることになる。この状況では、実燃圧PRが低いため、燃料噴射量QINJとしては少ない量が要求され得るが、駆動電流Iが高いため、そのような少ない量で精度良く燃料噴射を行うことが難しい。上記ルーチンによれば、噴射量下限値QMINが駆動電流I(目標値It)のピーク値が低いほど小さくされるため、このような状況下(すなわち、駆動電流Iは高いが、要求燃料噴射量QINJは少ない状況下)において、要求された(微小)量での燃料噴射ができなくなるのを防止することができる。
10 内燃機関
12 吸気通路
14 排気通路
16 エアクリーナ
18 エアフローメータ
20 ターボ過給機
22 インタークーラ
24 スロットルバルブ
26 燃料噴射弁
28 デリバリパイプ
30 高圧燃料ポンプ
30a 高圧燃料ポンプの吸入口
30b 高圧燃料ポンプの吐出口
30c 高圧燃料ポンプの燃料加圧室
30d 高圧燃料ポンプの電磁スピル弁
30d1 電磁スピル弁のソレノイド
30d2 電磁スピル弁の付勢ばね
30e 高圧燃料ポンプの加圧用カム
30f 高圧燃料ポンプのプランジャ
30g 高圧燃料ポンプの圧接ばね
30h 高圧燃料ポンプの逆止弁
34 燃料タンク
36、38 燃料パイプ
40 カム軸
50 ECU(Electronic Control Unit)
52 燃料圧力センサ
54 A/Fセンサ
56 クランク角センサ
58 冷却水温度センサ
60 外気温度センサ
62 点火プラグ
64 EDU(Electrical Driver Unit)

Claims (8)

  1. 内燃機関の筒内に燃料を噴射する燃料噴射弁と、
    前記燃料噴射弁に供給される燃料を加圧する高圧燃料ポンプと、
    前記燃料噴射弁の駆動電流を制御する電気駆動ユニットと、
    を備え、
    前記燃料噴射弁に供給される燃料圧力が高い場合には、当該燃料圧力が低い場合よりも当該燃料噴射弁の駆動電流のピーク値が高くなるように設定された内燃機関の燃料供給制御装置であって、
    前記燃料供給制御装置は、燃料圧力が所定の圧力制御範囲を超えて過上昇したときに、前記燃料噴射弁の駆動電流のピーク値を、所定の電流制御範囲内の最大値に設定する、もしくは、前記過上昇が認められた時の値よりも高くするものであって、
    前記電気駆動ユニットは、複数の前記燃料噴射弁の駆動電流を制御するものであって、
    前記燃料供給制御装置は、燃料圧力が前記圧力制御範囲を超えて過上昇したときに、前記複数の燃料噴射弁による燃料噴射の開始時期を固定することを特徴とする内燃機関の燃料供給制御装置。
  2. 内燃機関の筒内に燃料を噴射する燃料噴射弁と、
    前記燃料噴射弁に供給される燃料を加圧する高圧燃料ポンプと、
    前記燃料噴射弁の駆動電流を制御する電気駆動ユニットと、
    を備え、
    前記燃料噴射弁に供給される燃料圧力が高い場合には、当該燃料圧力が低い場合よりも当該燃料噴射弁の駆動電流のピーク値が高くなるように設定された内燃機関の燃料供給制御装置であって、
    前記燃料供給制御装置は、燃料圧力が所定の圧力制御範囲を超えて過上昇したときに、前記燃料噴射弁の駆動電流のピーク値を、所定の電流制御範囲内の最大値に設定する、もしくは、前記過上昇が認められた時の値よりも高くするものであって、
    前記電気駆動ユニットは、複数の前記燃料噴射弁の駆動電流を制御するものであって、
    前記燃料供給制御装置は、燃料圧力が前記圧力制御範囲を超えて過上昇したときに、前記複数の燃料噴射弁の噴射間隔が前記電気駆動ユニットの過熱限界となる限界噴射間隔よりも短くならないように、前記複数の燃料噴射弁の噴射時間を制限することを特徴とする内燃機関の燃料供給制御装置。
  3. 前記複数の燃料噴射弁の噴射間隔が前記限界噴射間隔よりも短くならないように前記複数の燃料噴射弁の噴射時間が制限されているときに、制限された噴射時間の下での空燃比が所定値よりもリーンである場合に前記燃料噴射弁による燃料噴射を禁止することを特徴とする請求項に記載の内燃機関の燃料供給制御装置。
  4. 内燃機関の筒内に燃料を噴射する燃料噴射弁と、
    前記燃料噴射弁に供給される燃料を加圧する高圧燃料ポンプと、
    前記燃料噴射弁の駆動電流を制御する電気駆動ユニットと、
    を備え、
    前記燃料噴射弁に供給される燃料圧力が高い場合には、当該燃料圧力が低い場合よりも当該燃料噴射弁の駆動電流のピーク値が高くなるように設定された内燃機関の燃料供給制御装置であって、
    前記燃料供給制御装置は、燃料圧力が所定の圧力制御範囲を超えて過上昇したときに、前記燃料噴射弁の駆動電流のピーク値を、所定の電流制御範囲内の最大値に設定する、もしくは、前記過上昇が認められた時の値よりも高くするものであって、
    前記燃料供給制御装置は、外気温度が所定値以下であるときに、エンジン冷却水温度が所定値に達するまで、前記燃料噴射弁の駆動電流のピーク値を所定の電流制御範囲内の最大値に設定し、かつ、要求燃料圧力を所定の圧力制御範囲内の最大値に設定することを特徴とする内燃機関の燃料供給制御装置。
  5. 内燃機関の筒内に燃料を噴射する燃料噴射弁と、
    前記燃料噴射弁に供給される燃料を加圧する高圧燃料ポンプと、
    前記燃料噴射弁の駆動電流を制御する電気駆動ユニットと、
    を備え、
    前記燃料噴射弁に供給される燃料圧力が高い場合には、当該燃料圧力が低い場合よりも当該燃料噴射弁の駆動電流のピーク値が高くなるように設定された内燃機関の燃料供給制御装置であって、
    前記燃料供給制御装置は、燃料圧力が所定の圧力制御範囲を超えて過上昇したときに、前記燃料噴射弁の駆動電流のピーク値を、所定の電流制御範囲内の最大値に設定する、もしくは、前記過上昇が認められた時の値よりも高くするものであって、
    燃料圧力が高くなるにつれ、少なくとも2段階で前記燃料噴射弁の駆動電流のピーク値が段階的に高くなるように設定されており、
    実燃料圧力および要求燃料圧力のうちの何れか一方が閾値を上回った場合に前記燃料噴射弁の駆動電流のピーク値が高められ、一方、実燃料圧力および要求燃料圧力の双方が所定の閾値を下回った場合に前記燃料噴射弁の駆動電流のピーク値が下げられることを特徴とする内燃機関の燃料供給制御装置。
  6. 前記燃料噴射弁の駆動電流のピーク値が低い場合には、当該ピーク値が高い場合に比して、要求燃料噴射量の下限値が小さくなるように制御されることを特徴とする請求項に記載の内燃機関の燃料供給制御装置。
  7. 前記燃料供給制御装置は、燃料圧力が前記圧力制御範囲を超えて過上昇したときにエンジン回転数が所定回転数よりも高い場合には、前記燃料噴射弁による燃料噴射を禁止することを特徴とする請求項1、4〜6の何れか1つに記載の内燃機関の燃料供給制御装置。
  8. 前記燃料供給制御装置は、燃料圧力が前記圧力制御範囲を超えて過上昇したときに、前記燃料噴射弁が前記内燃機関の1サイクル中に複数回に分割して燃料を噴射することを禁止することを特徴とする請求項1〜の何れか1つに記載の内燃機関の燃料供給制御装置。
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