JP4156465B2 - 燃料噴射弁制御装置 - Google Patents

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Description

この発明は、車両用内燃機関に使用され、高圧燃料ポンプから吐出される燃料の圧力に対応して燃料噴射用電磁弁を高速駆動する燃料噴射弁制御装置に関するものである。
車両用内燃機関に燃料を供給する燃料噴射装置としては、内燃機関の運転状態を検出するセンサ群の信号に基づいて供給する燃料噴射量を演算し、燃料噴射弁の開弁時期と開弁期間とを決定して開弁信号を出力する開弁信号発生手段と、この開弁信号発生手段の信号に応じて燃料噴射弁の駆動用電磁コイルに高電圧を印加して急速開弁駆動した後に低電流により開弁保持を行う給電制御手段と、定圧リリーフ弁により制限された可変圧力の高圧燃料を燃料噴射弁から内燃機関に供給する燃料ポンプと、センサ群や制御手段などに電力を供給する主電源と、この主電源の電圧を昇圧して開弁時に燃料噴射弁の電磁コイルに電流を供給する補助電源などから構成されるものが広く使用されている。
例えば、特許文献1〜特許文献3に開示された技術もこのようなものであり、特許文献1のインジェクタ駆動回路に開示された技術は、インジェクタを駆動するとき、駆動当初のみソレノイドに高電圧を印加して大電流を通電し、ソレノイドの電流が一定の閾値を超えた後には小電流で開弁保持を行うものにおいて、駆動当初の高電圧は大容量のコンデンサを用いて矩形波の定電圧を得るように構成すると共に、燃料の圧力を検知する燃料圧センサを備えて駆動当初の高電圧を燃料の圧力に対応して変化させることにより、開弁時間を速めるようにしたものである。
また、特許文献2の燃料噴射制御装置に開示された技術は、噴射燃料の燃料圧を調整する燃圧レギュレータと、インジェクタの電磁コイルに通電して弁体を開閉駆動するインジェクタ駆動手段と、内燃機関の回転速度と吸気量と燃圧とに応じて燃圧レギュレータとインジェクタ駆動手段とを制御する噴射制御手段とを備えており、噴射制御手段は電磁コイルの励磁時間を設定する噴射タイマと、通電の初期に過励磁電流を供給する過励磁タイマと、燃圧に応じて過励磁タイマを可変設定する過励磁期間制御部とを有し、燃圧が高くなるほど通電期間が長くなるように過励磁期間を可変設定するようにしたものである。
さらに、特許文献3の燃料噴射制御装置に開示された技術は、噴射燃料の燃料圧を調整する燃圧レギュレータ手段と、燃圧を検出する燃圧センサなどの各センサ類と、インジェクタの電磁コイルに通電して弁体を開閉駆動するインジェクタ駆動手段と、内燃機関の運転状態に対応して燃圧レギュレータ手段とインジェクタ駆動手段とを制御する噴射制御手段とを備えたものにおいて、噴射制御手段はインジェクタの保持電流を可変設定する保持電流値制御部と過励磁を行う過励磁期間制御部とを有し、燃圧に応じて過励磁時間を制御すると共に、保持電流値制御部は燃圧が低いほど保持電流を小さくするように可変設定するようにしたものである。
さらにまた、特許文献4の車両用制御装置に開示された技術は、内燃機関の吸気量を制御するスロットルバルブ系に制御不能が生じたとき、スロットルバルブが全閉に近い位置での制御不能時はアクセル操作量に比例してアイドルスピードコントロールバルブにより吸気量を制御するようにし、スロットルバルブが全閉に近い位置以外での制御不能時はアクセル開度に基づきマップによる休筒制御を行い、異常時における待避運転を可能にしたものである。
また、特許文献5の内燃機関の高圧燃料供給装置に開示された技術は、高圧燃料ポンプによりデリバリパイプ内の燃料を高圧に保持してその圧力に応じて燃料噴射を行う燃料供給装置において、燃料圧を計測する燃圧センサに異常が生じた場合には高圧燃料ポンプによる加圧を停止し、異常発生直前の燃料圧を初期値とし、燃料噴射毎に低下するデリバリパイプ内の燃圧を演算推定しながら燃料噴射時間を制御することにより待避運転を可能にしたものである。
特開平11−351039号公報(第4頁〜第6頁、第1図〜第7図) 特開2000−30388号公報(第4頁〜第5頁、第1図〜第4図) 特開2001−132524号公報(第6頁〜第7頁、第1図〜第2図) 特開平06−249015号公報(第3頁〜第5頁、第1図〜第5図) 特開平11−210532号公報(第3頁〜第7頁、第1図〜第5図)
以上のように特許文献1から特許文献3に開示された技術は、燃料圧の上昇に伴い大きな開弁駆動力を必要とする構成の燃料噴射弁において、燃料噴射弁の電磁ソレノイドに供給する駆動電流を、燃料圧を検出して燃料圧に応じて可変設定すると共に、駆動電流を必要最小限の値に設定することにより、節電や燃料噴射弁の応答遅れ時間を短縮するようにしたものである。しかし、燃料噴射弁に燃料を供給する燃料ポンプや燃料圧を制御する燃圧制御手段に異常が生じ、燃料圧が異常上昇した場合には開弁駆動力が不足して燃料噴射が行えなくなるか、もしくは過大な開弁駆動電流が必要となって駆動制御回路や電磁弁自体の焼損につながる可能性を内在するものであった。
また、特許文献4と特許文献5とは異常時における待避運転に関する技術であるが、特許文献4に開示された技術はスロットル制御系の異常に関するもので、燃料圧力の異常時における待避運転ではなく、特許文献5に開示された技術は燃料圧力の異常時における待避運転であるが、デリバリパイプ内に残った燃料や、フィードポンプにより待避運転するものであり、待避運転に限界が生ずるものであった。
この発明は、このような課題を解決するためになされたもので、燃圧制御手段に異常が生じた場合でも燃料噴射が可能であり、焼損事故が発生しないように待避運転を行うことが可能な燃料噴射弁制御装置を得ることを目的とするものである。
この発明に係る燃料噴射弁制御装置は、内燃機関の運転状態に基づき燃料噴射弁に対する燃料供給量を演算して開弁期間を設定するための開弁信号を出力する開弁信号発生手段、車両に搭載された主電源からの電圧を昇圧して高電圧を出力する補助電源、前記開弁信号発生手段の信号により開弁時期に補助電源から前記燃料噴射弁の電磁ソレノイドに急速給電する第一の開閉素子、前記急速給電に続いて前記主電源からの電圧を前記電磁ソレノイドに持続給電すると共に、前記持続給電後の開弁期間中は開弁保持に必要な帰還制御された開弁保持電流を前記電磁ソレノイドに給電する第二の開閉素子、前記内燃機関の吸気量を制御する吸気量制御手段、前記燃料噴射弁に供給される燃料の圧力を検出する燃料圧検出手段、前記補助電源の出力電圧が所定時間内に所定値に達しないことを検出する補助電源異常検出手段、この補助電源異常検出手段が異常を検出したときに動作する補助電源異常処理手段を備え、前記燃料圧検出手段の検出する燃料圧力の変化に対して前記急速給電の電流値と前記開弁保持の電流値の少なくとも一方の電流値を変更することにより、開弁力と開弁保持力の少なくとも一方を変化させ、前記燃料圧検出手段の検出する燃料圧力が所定値以上であって前記内燃機関の回転速度が所定値以上であるときには、燃料供給量、または、吸気量の少なくとも一方を抑制制御すると共に、前記補助電源異常処理手段は前記補助電源異常検出手段の信号により、前記開弁駆動信号の終了時期を遅延させるか、または、前記開弁信号の出力時期を早めて前記開弁駆動信号の終了時期を遅延させるようにしたものである。
この発明の燃料噴射弁制御装置は、燃料圧力の変化に対して急速給電の電流値と開弁保持の電流値の少なくとも一方の電流値を変更して、開弁力と開弁保持力の少なくとも一方を変化させると共に、燃料圧力が所定値以上であって内燃機関の回転速度が所定値以上であるときには、燃料供給量、または、吸気量の少なくとも一方を抑制制御する。このために、燃料圧力が異常上昇しても充分な開弁力や開弁保持力を維持することができ、高圧燃料系のリリーフ弁が動作している状態、または、それ以上の燃料圧に対しても急速開弁動作や開弁保持して車両の運転を可能にすると共に、このような燃料圧異常時においては内燃機関の回転速度が通常走行時の回転速度以上に上昇することがなく、従って燃料噴射弁の電磁ソレノイドや制御用の開閉素子の焼損を防止しながら安定した運転にて待避運転を行うことができるものである。
実施の形態1.
図1ないし図3は、この発明の実施の形態1による燃料噴射弁制御装置を説明するもので、図1は燃料噴射弁制御装置の構成を説明する全体回路図、図2は動作を説明するタイムチャート、図3は動作を説明するフローチャートである。図1において、燃料噴射弁や制御装置などには主電源1からキースイッチ2を介して電力が供給される。主電源1は例えば12V系の車載バッテリであり、車両の運転状態の変化により実働電圧が最低値Vbminの約10Vから最高値Vbmaxの約16Vまで変動するものである。
主電源1の電力は定電圧電源3に供給され、ここで例えばDC5Vの安定した定電圧に変換されてCPU4aに供給される。CPU4aはフラッシュメモリなど不揮発プログラムメモリF−MEMや演算処理用のRAMなどを備えており、内燃機関の運転状態を検出するセンサ群5aからの情報入力を受け制御条件を演算する。センサ群5aは、例えば回転センサ、クランク角センサ、エアフローセンサAFS、燃料圧センサ、空燃比センサA/F、アクセルポジションセンサAPS、スロットルポジションセンサTPS、水温センサなど、多数のON−OFFセンサやアナログセンサから構成され、これらの出力は図示しない入力インターフェイスやA/D変換器を介してCPU4aに入力される。
電気負荷群5bはCPU4aから図示しないインターフェイス回路を介して駆動されるものであり、内燃機関がガソリンエンジンの場合の点火コイル、吸気用のスロットル弁を駆動するアクチュエータ(例えば電動機)、燃料ポンプに設けられた燃料圧制御用の電磁スピル弁などがある。また後述するように、燃料噴射弁に設けられた電磁弁を開閉駆動する電磁ソレノイド6もCPU4aからの信号により駆動されるものであり、CPU4aは内燃機関の各種の制御を行うと共に、以下に説明するように、燃料噴射を制御する機能を有するものである。
すなわち、CPU4aはセンサ群5aを構成する各種センサからの情報入力と上記の不揮発メモリF−MEMに記憶されたプログラムとに基づき、後述するように図2の特性(a)と(b)とに示す開弁信号PL1と開弁駆動信号PL2とを出力する開弁信号発生手段の機能を有するものである。この開弁信号PL1は直接噴射方式の内燃機関では内燃機関の圧縮行程で生成され、内燃機関の回転速度や供給すべき燃料の量および燃料圧に対応して燃料噴射弁の開弁時期から閉弁時期までの全期間において論理レベルがHになり、また、開弁駆動信号PL2は、開弁信号PL1がHレベルになってから所定の期間Tkの間において論理レベルがHになるものであって、開弁駆動信号PL2は後述する急速給電期間と持続給電期間との合計期間において論理レベルがHとなるものである。
図1に点線で囲った補助電源7は誘導素子8とダイオード9と高圧用コンデンサ10と励磁用開閉素子11と電流検出抵抗12とゲート回路13と駆動抵抗14と判定回路15とから構成された高電圧用の補助電源であり、誘導素子8には主電源1から励磁用開閉素子11と電流検出抵抗12とを介して給電がなされ、励磁用開閉素子11の開路により誘導素子8に蓄積された電磁エネルギーがダイオード9を介して高圧用コンデンサ10に放出され、高圧用コンデンサ10には高電圧が充電されるように構成されている。また、ゲート回路13には上記した開弁駆動信号PL2を入力する反転論理素子16の出力が入力され、開弁駆動信号PL2がHレベルにあるとき、すなわち後述する急速給電期間と持続給電期間との間、反転論理素子16の論理出力がLレベルとなってゲート回路13に入力され、励磁用開閉素子11の導通が禁止されるように構成されている。
判定回路15は電流検出抵抗12の両端電圧が所定値以下であるときに通電指令を出力してゲート回路13と駆動抵抗14とを介して励磁用開閉素子11を導通させると共に、電流検出抵抗12の両端電圧が所定値以上となった後の所定期間は通電指令を解除して励磁用開閉素子11の駆動を停止し、この駆動停止期間中に高圧用コンデンサ10を充電する。このようにして励磁用開閉素子11のON−OFF動作を繰り返すことにより高圧用コンデンサ10を充電し、充電電圧が所定の最大値Vpmaxに達すると判定回路15がこれを検出して励磁用開閉素子11に対する通電指令を停止し、高圧用コンデンサ10への充電を停止する。
CPU4aから出力される開弁信号PL1と開弁駆動信号PL2とは給電を制御する論理回路17に与えられ、論理回路17はこれらの信号に基づく制御信号Aと制御信号Bと制御信号Cとの三つの制御信号を出力する。制御信号Aはベース抵抗18と駆動トランジスタ19と駆動抵抗20とを介して第一の開閉素子21に与えられ、制御信号Bはベース抵抗22と駆動トランジスタ23と駆動抵抗24とを介して第二の開閉素子25に与えられ、制御信号Cは駆動抵抗26を介して第三の開閉素子27に与えられる。
第一の開閉素子21と第二の開閉素子25と第三の開閉素子27とはバイポーラ型、または、電界効果型のパワートランジスタにより構成されており、第三の開閉素子27は補助電源7の昇圧された最大出力電圧より高い値の遮断電圧制限機能を有するものである。また、論理回路17は各開閉素子の電流を制御する通電制御手段としての機能を与えられている。
第一の開閉素子21は高圧用コンデンサ10の充電電圧を燃料噴射弁の電磁ソレノイド6に供給し、高圧用コンデンサ10の電圧が高電圧であるために制御信号AがHレベルになると共に電磁ソレノイド6には急速給電がなされる。第二の開閉素子25は逆流阻止ダイオード28を介して電磁ソレノイド6に接続され、制御信号AがLレベルに転じ、制御信号BがHレベルの期間においては電磁ソレノイド6に主電源1からの持続給電がなされる。第三の開閉素子27は電磁ソレノイド6の電流を遮断制御するものであり、制御信号CがHレベルの期間においてのみ電磁ソレノイド6に対する通電を可能にする。電磁ソレノイド6の通電電流は第三の開閉素子27と電流検出抵抗29とを介して通電され、電磁ソレノイド6と第三の開閉素子27と電流検出抵抗29とには並列に転流ダイオード30が接続されている。
電流検出抵抗29の端子間電圧は増幅回路31とA/D変換器32とを介して論理回路17に与えられ、これらにより電流検出手段が構成される。論理回路17は上記の各制御信号A、B、Cを出力すると共に、後述するエラー信号ERをCPU4aに対して出力する。リセット信号発生回路35はキースイッチ2が閉路したときにリセット信号RSTを出力してCPU4aと異常記憶回路33とに与え、両者をリセットさせる。論理積素子36は後述するように回転速度制御手段となるものである。
増幅回路31は、増幅器37と、増幅器37の正入力端子と電流検出抵抗29との間に接続された抵抗38と、増幅器37の出力端子に接続され、互いに直列接続された分圧抵抗39、40、41と、分圧抵抗39と40との接続点に接続された側路分圧抵抗42と、側路分圧抵抗42に直列接続されたトランジスタ43と、CPU4aの異常表示信号出力DERをトランジスタ43に与える駆動抵抗44と、トランジスタ43のベースエミッタ間に接続される開路用安定抵抗44aとから構成されている。
分圧抵抗41の両端電圧は増幅器37の負入力端子に接続されてフィードバック電圧が入力されるように構成されており、異常表示信号出力DERが論理レベルHになるとトランジスタ43が導通駆動して側路分圧抵抗42が接地され、分圧抵抗41による増幅器37に対するフィードバック電圧が低下するように構成されており、電流検出抵抗29による電流検出値の判定閾値を設定変更するように構成されている。
CPU4aは、センサ群5aの燃料圧センサが検出する燃料圧が所定値以上になったとき異常表示信号DERを出力し、この異常表示信号DERと上記したエラー信号ERとにより異常記憶回路33がセットされる。またCPU4aは、内燃機関の回転速度が所定値を超えたとき制限回転信号RPMを出力し、論理積素子36はこの制限回転信号RPMと異常記憶回路33のセット出力との論理積出力である燃料カット信号STPを出力して論理回路17に与える。なお、上記の論理回路17が出力する各制御信号A、B、Cは図2の特性(e)〜(g)に示すものである。
各種信号と通電の状態は図2に示すとおりであり、開弁信号PL1は開弁駆動期間(急速給電+持続給電)と開弁保持期間との間においてHレベルとなり、開弁駆動信号PL2は開弁駆動期間においてHレベルとなる。制御信号Aは、開弁駆動信号PL2の前半期間において論理レベルがHとなり、この期間において第一の開閉素子21が導通し、急速給電が行われる。その結果、図2の(c)に示す通り、電磁ソレノイド6の励磁電流が立ち上がってピーク値Iaに到達し、電流検出抵抗29と増幅回路31と論理回路17とからなるピーク電流検出手段により制御信号Aの論理レベルがLに復帰して急速給電が停止される。ピーク電流検出手段は、例えば電磁ソレノイド6の励磁電流と第一の閾値(すなわち、所定のピーク電流値Ia)とを比較する比較手段から構成することができる。
また、制御信号Bは図2の(f)に示すように開弁駆動信号PL2のHレベルにおける全期間で論理レベルがHとなって持続給電が行われると共に、開弁信号PL1の開弁保持期間では論理レベルが繰り返して変化し、開弁保持電流の制御が行われる。制御信号Aが開弁駆動信号PL2の持続給電期間において論理レベルがLとなることにより、第一の開閉素子21はOFF状態となるが、第二の開閉素子25は制御信号Bにより導通を維持するので図2の(c)に示すとおり電磁ソレノイド6の励磁電流はピーク値Iaから減衰を始め、持続給電の最終時期においては電流がIbまで減衰する。
開弁信号PL1の後半期間、すなわち、開弁保持期間における制御信号Bの変化は図2の(f)に示す通りである。すなわち、図2の(c)に示すように、電磁ソレノイド6の励磁電流が帰還制御の目標上限値(保持電流上限値)Idを超えると論理レベルがLとなり、電磁ソレノイド6の励磁電流が帰還制御の目標下限値(保持電流下限値)Ie未満になると論理レベルHとなる。さらに、制御信号Cは、図の(g)に示す通り開弁駆動信号PL2が論理レベルHからLに変化した直後の一時期と、開弁信号PL1が論理レベルLであるときに論理レベルLとなる。
開弁駆動信号PL2が論理レベルHからLに変化した直後においては、電磁ソレノイド6の励磁電流は図2の(c)に示した持続給電の最終値Ibから減衰判定電流Icに減衰するまでの間、第二の開閉素子25と第三の開閉素子27とは不導通であり、特に、高速遮断が行える第三の開閉素子27が不導通となることにより電磁ソレノイド6の励磁電流は急速に減衰し、電磁ソレノイド6の温度上昇を抑制する。電磁ソレノイド6の電流がIcまで減衰すると第三の開閉素子27はONとなり、転流ダイオード30に流れる循環電流の効果で励磁電流の減衰は緩やかとなる。なお、図2の(c)において各電流値は、励磁電流のピーク値Ia>持続給電最終電流値Ib>減衰判定電流値Ic>帰還制御電流の目標下限値Ieの関係となる。
開弁信号PL1が論理レベルHからLに変化した後は第二の開閉素子25と第三の開閉素子27とは遮断状態となるが、特に第三の開閉素子27の遮断により電磁ソレノイド6の転流ダイオード30による転流がなくなるので励磁電流は急速減衰し、燃料噴射弁は急速閉弁動作が行われる。内燃機関の運転状態によっては図2の(a)に示した開弁保持期間が極めて短い場合もあり得ることであるが、このような場合においても開弁駆動信号PL2が論理レベルHからLに変化した直後における第三の開閉素子27の高速遮断は急速閉弁動作を行うことに寄与するものである。図2の(h)は第三の開閉素子27が遮断されたときにその両端に発生するサージ電圧の波形を示したものであり、このサージ電圧の最大値は第三の開閉素子27の遮断電圧制限特性により決定されるものである。
図2の(d)は補助電源7の電圧特性を示したもので、制御信号AがHレベルとなり第一の開閉素子21がON状態となった急速給電期間においてはゲート回路13により高圧用コンデンサ10の充電は禁止されており、一方で高圧用コンデンサ10の電荷が第一の開閉素子21を介して電磁ソレノイド6に放出されるので、補助電源7の出力電圧は充電終期の最大電圧Vpmaxから放電終期の最小電圧Vpminまで減衰する。制御信号AがLレベルになって第一の開閉素子21がOFFになると高圧用コンデンサ10の放電は停止するが、充電はまだ開始されずに電圧Vpminを維持する。開弁駆動信号PL2がLレベルになり、持続給電期間が終了すると補助電源7の励磁用開閉素子11の開閉動作が開始され、高圧用コンデンサ10は徐々に充電されて電圧が上昇し、やがて最大電圧Vpmaxに到達すると励磁用開閉素子11の動作が停止し、次回の放電に備える。
なお、補助電源7の最小電圧Vpminは主電源1の電圧最大値Vbmaxより大きな値になるよう設定されており、電磁ソレノイド6の開弁駆動のための給電エネルギー全てが補助電源7の高圧用コンデンサ10に蓄積されていた電荷の一部により賄われるため、この間に主電源1からは電磁ソレノイド6にエネルギーが供給されず、エネルギーの分担が確定する。また、急速給電期間と持続給電期間とを合わせた開弁駆動期間中は補助電源7の昇圧動作が停止され、開弁駆動期間が過ぎると直ちに高圧用コンデンサ10に対する充電が開始されるので、次回の急速給電までには確実に所定電圧Vpmaxが確保されることになり、急速給電中における昇圧回路の過負荷が防止できると共に安定して高電圧を得ることができる。
主電源1の出力電圧は上記したように、車両の運転状態の変化により最低値の約10V(Vbmin)から最高値の約16V(Vbmax)まで変動するが、電圧が最小値のVbminであっても燃料噴射弁の開弁駆動は可能なように電磁ソレノイド6の仕様が設定されており、図2の(c)における開弁保持電流Ih=(Id+Ie)/2に対応した開弁保持電圧Vh=Ih×R(ただしRは電磁ソレノイド6の巻線抵抗)は小さな値となり、主電源1の電圧が最大値VbmaxであるときにはVbmaxとVhとの比は非常に大きくなり、後述する開弁保持電流の閾値変化に対して余裕を有するものである。
このように、高い電源電圧状態(Vbmax)で小さな開弁保持電圧Vhを安定的に得るために、第二の開閉素子25がOFFしたときに電磁ソレノイド6の励磁電流が緩慢に減衰するように設けられた転流ダイオード30が重要な役割を持つと共に、第二の開閉素子25のON−OFF周期は電磁ソレノイド6の誘導時定数(インダクタンスと巻線抵抗の比率)に比べて充分短い時間となるよう設定されている。すなわち、転流ダイオード30の存在のために第二の開閉素子25がOFFしたときの励磁電流の減衰が緩やかなものとなり、保持電流の上限値Idを比較的小さな値に選定しても開弁保持力の維持ができ、電磁ソレノイド6の温度が抑制できることになる。
以上のように構成されたこの発明の実施の形態1による燃料噴射弁制御装置において、図2と図3とに基づきその動作を説明すると次の通りである。図において、キースイッチ2がONされるとCPU4aが動作を開始し、図2の(a)と(b)とに示す開弁信号PL1と開弁駆動信号PL2とを出力する。この信号により論理回路17が動作して図2の(e)〜(g)に示す制御信号A〜Cが出力され、図1における第一の開閉素子21と第二の開閉素子25と第三の開閉素子27との導通が制御されると共に、開弁駆動信号PL2が論理レベルLとなっている期間においては補助電源7の高圧用コンデンサ10が所定電圧まで充電される。高圧用コンデンサ10に対する充電は急速給電の開始と共に停止されるが、急速給電の開始は反転論理素子16に開弁駆動信号PL2が与えられることにより検知され、従って、反転論理素子16は急速給電検出手段として機能する。
第1の開閉素子21は電磁ソレノイド6に急速給電を行うものであり、開弁駆動信号PL2が論理レベルHになると共に制御信号Aは論理レベルHとなり、第一の開閉素子21がONして電磁ソレノイド6に対する急速給電が開始されるもので、制御信号Aが論理レベルHとなることにより燃料噴射弁の開弁動作が開始されるものである。制御信号Bの論理レベルが継続的に「H」となっている期間中は、第一の開閉素子21がOFFした後も第二の開閉素子25がONしており、この期間中は電磁ソレノイド6に対する持続給電が行われ、持続給電期間中においては燃料噴射弁の開弁動作状態が維持される。
開弁動作が終了した後の開弁保持期間においては制御信号Bの論理レベルがHとLとを交互に変化して第二の開閉素子24がON−OFF動作を行い、電磁ソレノイド6に対する開弁保持電流が供給され、この開弁保持電流は電磁ソレノイド6が開弁保持しておくことが可能な最小電流値以上のなるべく小さな電流値に設定される。第三の開閉素子27は制御信号Cによって導通制御され、開弁保持期間後における余剰な減衰電流を速やかに減衰させたり、漸減減衰電流による閉弁動作遅れを低減して急速閉弁動作を行うように構成されている。
センサ群5aに含まれている燃圧センサにより検出された燃料圧力が所定値を超過するとCPU4aは異常表示信号DERを出力し、異常記憶回路33を介して警報表示器34を動作させるが、異常表示信号DERにより増幅回路31のトランジスタ43がONすると増幅器37の負入力端子の電圧が低下し、増幅回路31のフィードバックゲインは増大する。これにより、図2の判定閾値となるピーク電流Iaと、減衰判定電流Icと、開弁保持の上限電流Idと、下限電流Ieなどは異常発生前より一律に大きな値に設定変更される。従って、燃料圧力が高くなっても電磁ソレノイド6による開弁力と開弁保持力とは補償されることになる。また、異常表示信号DERはキースイッチのOFFでリセットされるので、もしノイズ誤動作などがあっても正常復帰させることができる。
さらに、内燃機関の回転速度が例えば2000rpm以上になった場合にはCPU4aが制限回転信号RPMを出力し、これが論理積素子36を介して論理回路17に与えられるので、制御信号A、B、Cの論理レベルがLとなって電磁ソレノイド6による燃料噴射は停止される。従って、燃料圧力が所定値を超過した場合には内燃期間は所定の回転速度以下(例えば2000rpm以下)に回転制御されることになり、例えば降坂時など軽負荷時においても確実に内燃機関の回転抑制を行って電磁ソレノイドや制御用の開閉素子の焼損を防止することができる。
論理回路17の論理動作と等価な動作を図3のフローチャートに基づき説明すると、ステップ300にて周期的に活性化される動作を開始し、続くステップ301にて燃料カット信号STPが入力されたかどうかにより燃料噴射を停止するかどうかを判定する。ここで燃料噴射を停止しないと判定されるとステップ302に進み、開弁信号PL1と開弁駆動信号PL2とが共に論理レベルLからHに変化したかどうかを判定し、論理レベルHに変化しておればステップ303にて開弁駆動信号PL2が論理レベルHからLに変化したかどうかを判定する。ここでLレベルに変化していなければステップ304に進んで制御信号AをHレベルに、制御信号BをHレベルに、制御信号CをHレベルに設定する。
ステップ304の設定により、第一の開閉素子21と第三の開閉素子27とがONして電磁ソレノイド6に急速給電が行われることになる。なお、第二の開閉素子25もこのとき制御信号BによりONするが、第一の開閉素子21側が高電位であるため第二の開閉素子25からの給電は行われない。続くステップ305では電磁ソレノイド6の通電電流が所定のピーク電流Iaに到達したかどうかが判定され、Iaに到達しておればステップ306に進み制御信号Aが論理レベルHからLに変更され、制御信号BとCとはHレベルに維持される。従って、このステップ306では第一の開閉素子21が0FFになり、第二の開閉素子25と第三の開閉素子27とがONを継続して電磁ソレノイド6には第二の開閉素子25から持続給電が行われることになる。
なお、ステップ305で電磁ソレノイド6の通電電流が所定のピーク電流Iaに到達していなければステップ303に戻ってステップ303〜ステップ305を繰り返し、電磁ソレノイド6の通電電流が所定のピーク電流Iaに到達するのを待つことになるが、補助電源7の出力電圧不足や第一の開閉素子21が導通不能などの異常によりステップ305の判定がYESとなる前にステップ303の判定がYESとなり、開弁駆動信号PL2が論理レベルLになったときにはステップ307に進んでエラー信号出力ERがセットされる。従って、ステップ303は急速給電の異常を判定する急速給電異常判定手段となり、ステップ307が後述するようにその処理を行う急速給電異常処理手段となる。
ステップ306にて制御信号Aが変更された後にはステップ308に進んで開弁駆動信号PL2が論理レベルHからLに変化したかどうかが判定され、変化していなければステップ306に戻る。変化しておればステップ309に進み、制御信号AがLレベルを維持すると共に、制御信号BとCが論理レベルLに変更される。ステップ307の完了後もこのステップ309に進むことになるが、このステップ309では第一の開閉素子21はOFFを継続し、第二の開閉素子25と第三の開閉素子27もOFFとなって電磁ソレノイド6に対する励磁電流は高速遮断されることになる。続くステップ310では電磁ソレノイド6の励磁電流が減衰判定電流Ic以下になったかどうかが判定され、励磁電流が減衰判定電流Ic以下になっていなければステップ309に戻ってステップ309と310とを繰り返す。このステップ310は減衰電流判定手段となるものである。
ステップ310で励磁電流が減衰判定電流Ic以下になっておれば(すなわち、減衰完了)ステップ311に進み、開弁信号PL1が論理レベルHからLに復帰したかどうかが判定される。開弁信号PL1が論理レベルLに復帰しておれば後述するステップ317にジャンプするが、開弁信号PL1が論理レベルHのままであればステップ312に進んで電磁ソレノイド6の励磁電流が帰還制御の下限値であるIe以下になったかどうかを判定し、Ie以下になっておればステップ313に進んで制御信号Aは論理レベルLを維持して制御信号BとCは論理レベルHに変更される。なお、制御信号Cは開弁信号PL1が論理レベルHであるとき、ステップ310の判定がYESであるときにHレベルとなるものであるが便宜上一括表示したものである。
これにより、第一の開閉素子21は開路を継続し、第二の開閉素子25と第三の開閉素子27とはONとなって電磁ソレノイド6には開弁保持給電が行われて励磁電流を下限値のIe以上にする。ステップ312にて励磁電流がIe以下に減少していないとき、および、ステップ313の処理完了後はステップ314に進み、電磁ソレノイド6の励磁電流が帰還制御の上限値であるId以上になったかどうかを判定し、Id以上になっておればステップ315にて制御信号Aは論理レベルLを維持し、制御信号Bは論理レベルLに、制御信号Cは論理レベルHとする。このステップにより第一の開閉素子21は開路の継続となり、第二の開閉素子25は開路し、第三の開閉素子27は閉路のままで、電磁ソレノイド6の励磁電流は転流ダイオード30の効果によりなだらかに減少する。
ステップ314にて励磁電流が帰還制御の上限値であるId以上になっていないとき、および、ステップ315の処理完了後はステップ311に戻り、ステップ311で開弁信号PL1が論理レベルHである間は図3に点線で囲んだステップ312からステップ315を繰り返して実行し、ステップ311で開弁信号PL1が論理レベルLになればステップ317に進むことになる。図3の点線枠内すなわちステップ316(ステップ312からステップ315)は開弁保持電流の制御に関する帰還制御手段となるものであり、電磁ソレノイド6の励磁電流は図2のIeからIdの間に保持されるように制御されるものである。
ステップ317は、ステップ301にて燃料噴射停止と判定されたとき、または、ステップ302にて開弁信号PL1と開弁駆動信号PL2とが共に論理レベルLのままであるとき、または、ステップ311にて開弁信号PL1が論理レベルLに変化したときに実行されるもので、制御信号A、B、Cの全てを論理レベルLにするものである。従って、このステップでは第一の開閉素子21、第二の開閉素子25、第三の開閉素子27の全てがOFFとなり、電磁ソレノイド6に対する給電は停止状態となる。
ステップ317完了後はステップ318に進み、キースイッチ2の投入後所定時間でタイムアップ信号を出力する図示しない電源タイマの監視を行い、所定の時間が経過したかどうかを判定する。この所定の時間は、例えば主電源1の電圧が最低値であるVbminであるときに補助電源7の高圧用コンデンサ10が初期値の0Vから最大電圧まで充電されるのに必要な時間に設定される。所定の時間が経過しておればステップ319に進み、高圧用コンデンサ10の充電電圧が所定の最小電圧Vpmin以上になっているかどうかを判定し、所定の電圧に達しておればステップ321にてルーチンを完了してステップ300に戻る。
ステップ319にて所定の電圧に達していなければ、ステップ320にてエラー信号ERを出力し、ルーチンを完了する。ステップ318にて所定の時間が経過していないときにもステップ321にてルーチンを完了してステップ300に戻ることになり、ステップ321では論理回路17がその他の制御を行うための待機を行った後にステップ300に復帰するようになっている。このステップ319の機能は補助電源7の異常検出手段であり、次に説明するステップ320は補助電源異常処理手段として機能するものである。
すなわち、ステップ307またはステップ320でエラー信号ERがセットされるとCPU4aは開弁信号PL1の出力時期を早めるか、開弁駆動信号PL2の終了時期を遅くして開弁駆動信号PL2の出力期間を延長するように動作すると共に、警報表示器34を作動させる。その結果、急速給電の異常(第一の開閉素子21の短絡など)や補助電源7の異常があって充分な出力電圧が得られない場合でも主電源1から第二の開閉素子25と逆流阻止ダイオード28を介して電磁ソレノイド6に給電が行われ、応答遅れが発生するものの燃料噴射弁を動作せしめて待避運転を行うことができる。なお、エラー信号ERが発生した場合には開弁駆動信号を延長するだけではなく、異常記憶回路33の出力により燃料カット信号STPが有効となり、内燃機関の回転が抑制されるので充分な開弁駆動期間を確保することができ、主電源1でも充分に開弁動作ができるものである。
また、実施の形態1では電磁ソレノイド6に対して第一の開閉素子21(補助電源7による急速給電回路)と第二の開閉素子25(持続給電回路)とが並列に接続され、第三の開閉素子27がこれらと直列に接続された方式を示したが、第三の開閉素子27は高速遮断用であり、第一の開閉素子21と第二の開閉素子25とが短絡して開路できないときにも第三の開閉素子27の遮断により電磁ソレノイド6の焼損が防止できると共に、第二の開閉素子25は急速給電を通電しないので温度上昇の抑制ができるものである。第一の開閉素子21は急速給電の期間を電流検出抵抗29の電流値で遮断するので、開弁駆動用のエネルギーが電磁ソレノイド6に蓄積された時点で速やかに通電を停止し、電磁ソレノイド6の温度上昇を抑制する。また開弁駆動信号PL2により第一の開閉素子21と第二の開閉素子25とが共にONするので、第一の開閉素子21が異常のとき、直ちに第二の開閉素子25からの通電が開始され、開弁動作をさせることができる。
実施の形態2.
図4ないし図8は、この発明の実施の形態2による燃料噴射弁制御装置を説明するもので、図4は全体構成を説明する回路図、図5と図6とは動作を説明する特性図、図7は制御動作の構成を説明するブロック図、図8は動作を説明するフローチャートであり、実施の形態2による燃料噴射弁制御装置の説明は、実施の形態1による燃料噴射弁制御装置との相違点を中心に説明する。
図4におけるCPU4bはフラッシュメモリなど不揮発プログラムメモリF−MEMや演算処理用のRAMなどを備えており、内燃機関の運転状態を検出するセンサ群5aからの情報入力を受け、この入力情報と記憶されたプログラムとにより制御条件を演算して開弁信号PL1を出力するものである。なお、不揮発プログラムメモリF−MEMは後述する回転速度制御手段や閾値補正手段となるプログラムを内蔵しており、RAMは燃料圧異常記憶手段としても使用されるものである。
リセットパルス発生開路35はキースイッチ2が閉路したときにリセット信号RSTを出力してCPU4bやRAM内の異常記憶をリセットし、警報表示器45は後述するエラー信号ERが出力されたとき、または燃料圧異常記憶手段が燃料圧の異常を記憶したときに動作するもので、警報表示器45はこの実施の形態ではCPU4bから駆動されるように構成されている。増幅回路46は一対の比較増幅器47aおよび47bと、入力抵抗48aおよび48bと、閾値信号発生手段49aおよび上限閾値発生手段49bと、正帰還抵抗50aおよび50bとから構成され、入力抵抗48aおよび48bは電磁ソレノイド6に直列接続された電流検出抵抗29の両端電圧を比較増幅器47aおよび47bの正側入力端子に入力すると共に、比較増幅器47aおよび47bの出力端子は論理回路51に入力される。
閾値信号発生手段49aは、図5の(c)におけるピーク電流Iaが電磁ソレノイド6に通電したとき電流検出抵抗29に発生する両端電圧に相当する閾値電圧を発生し、電磁ソレノイド6の励磁電流がIa以上になると比較増幅器47aの出力が論理レベルHとなるように設定されている。また、比較増幅器47aの出力が一旦論理レベルHとなると正帰還抵抗50aの作用により電磁ソレノイド6の励磁電流が図5(c)の減衰判定電流Ic以下になるまでは論理レベルHを維持するように設定されている。なお、これらの値は後述するように燃料圧力により設定変更されるものである。
また、上限閾値発生手段49bの出力電圧は、図5(c)の開弁保持期間における開弁保持電流(帰還電流)の上限電流Idが通電したときの電流検出抵抗29に発生する両端電圧に相当する閾値電圧となっており、電磁ソレノイド6の励磁電流が上限電流Id以上になると比較増幅器47bの出力が論理レベルHとなるように設定され、比較増幅器47bの出力が一旦論理レベルHとなると正帰還抵抗50bの作用により電磁ソレノイド6の励磁電流が図5(c)の下限電流Ie以下になるまでは論理レベルHを維持するように設定されている。従って、比較増幅器47bは励磁電流IdとIeとの検出手段となる。なお、これらの値も後述するように燃料圧力により設定変更されるものである。
図6の(a)は、閾値信号発生手段49aが出力する閾値電圧と燃料圧との関係を示すものであり、燃料圧がMP1からMP2に増加する間は閾値電圧がIp1からIp2に漸増し、燃料圧MP2においては閾値電圧がIp3に急増するように設定されている。なお、燃料圧MP3は定圧リリーフ弁により規制された燃料圧の上限値である。図6の(b)は、上限閾値発生手段49bの電圧値と燃料圧との関係を示したものであり、燃料圧がMP1からMP2に増加する間は閾値電圧がIh1からIh2に漸増し、燃料圧MP2においては閾値電圧がIh3に急増するように設定されている。
図6の(a)と(b)とに示した燃料圧力対閾値電圧特性の近似演算式は不揮発プログラムメモリF−MEMに内蔵されており、燃料圧センサにより検出された燃料圧力に対応した閾値はCPU4bにより演算算出されて設定信号出力SE1とSE2とから比較増幅器47aと47bに対する比較入力として出力されるように構成されている。なお、図6の(a)と(b)とにおけるMP1からMP2に至る漸増部は、多段階の折れ線状に増加する特性により代替し、近似演算に替わってデータテーブルを不揮発プログラムメモリに格納しておくこともできる。また、このMP1からMP2に至る漸増部は閾値補正手段に相当し、MP2における急増部は設定変更手段に相当するものである。
論理回路51は、図5の(a)に示したCPU4bからの開弁信号PL1に応動して図5の(b)に示す開弁駆動信号PL2を生成すると共に、制御信号A、B、Cとエラー信号ERを生成する。比較器16bは急速給電検出手段となるものであり、比較器16bの入力抵抗52は第一の開閉素子21の出力電圧を負側入力端子に加えるものであり、入力抵抗53はキースイッチ2を介して主電源1の電圧を比較器16bの正側入力端子に加えるものである。比較器16bの出力はゲート回路13に与えられ、第一の開閉素子21がONしているときにはゲート回路13を介して励磁開閉素子11が不導通となるように構成されている。
第二の開閉素子25bはバイポーラ型または電界効果型のパワートランジスタであり、第一の開閉素子21と第二の開閉素子25bと逆流阻止ダイオード28bとは実施の形態1の場合と接続が変更されており、電磁ソレノイド6に対して第一の開閉素子21と第二の開閉素子25bとが直列に接続されている。そのために、補助電源7から電磁ソレノイド6に急速給電するときには第一の開閉素子21と第二の開閉素子25bと第三の開閉素子27とを全て導通させる必要があり、この状態で第一の開閉素子21のみを開路すると持続給電の状態となるものである。
図5に示したタイムチャートは実施の形態1の図2とほぼ同一であるが、図5の(b)に示した開弁駆動信号PL2がCPU4bではなく論理回路51により生成される点と、(d)に示す補助電源7の充放電特性とが異なるものである。すなわち、補助電源7の充放電特性は、第一の開閉素子21が閉路する急速給電期間においては補助電源7の昇圧動作が停止して電磁ソレノイド6に対する放電が行われ、急速給電期間が終了して第一の開閉素子21の出力電圧が主電源1の電圧より低くなると、直ちに補助電源7の昇圧動作が開始されるようにされている。このために急速給電の電圧立ち上がりが早くなり、高速時においても充分な急速給電ができると共に、第一の開閉素子21の短絡異常に対しては昇圧動作が停止され、電磁ソレノイド6の焼損が防止できる。
上記したようにこの実施の形態においては第一の開閉素子21と第二の開閉素子25bと電磁ソレノイド6と第三の開閉素子27とが直列に接続されるように構成されている。従って、実施の形態1では第一の開閉素子21に短絡事故が発生した場合、第三の開閉素子27を開路して電磁ソレノイド6の焼損を防止したが、この実施の形態では第二の開閉素子25bまたは第三の開閉素子27のいずれを開路しても電磁ソレノイド6の焼損を防止することができる。また、この実施の形態では第一の開閉素子21が短絡異常となった場合、上記したように比較器16bの検出により補助電源7の昇圧動作が停止される構成となっているので、第二の開閉素子25bによる開弁動作が開弁信号の立ち上がりと同時に可能になる。
続いて図7により制御の構成を説明すると次の通りである。図7において点線枠にて囲んだ部分の一方が燃料噴射弁の制御装置100を示すものであり、制御装置100には運転情報としてアクセルポジションセンサ101によるアクセルペダルの踏み込み度合と、水温センサ102による内燃機関の冷却水温と、エアフローセンサ103による内燃機関の吸気量と、空燃比センサ104の排気ガス成分を測定した結果による空燃比と、回転センサ105による内燃機関の回転によりON−OFFする信号と、クランク軸の回転角を検出するクランク角センサ106の信号とが入力される。
アクセルポジションセンサ101による信号と水温センサ102による信号とは補正信号生成ブロック107に入力されて補正信号が生成され、目標スロットルポジション生成ブロック108にてアクセルポジションセンサ101の検出信号と補正信号生成ブロック107による補正信号とが加算されて目標スロットル開度信号が生成される。この目標スルットル開度信号はモータ制御回路ブロック109に与えられるが、モータ制御回路ブロック109は例えばパワートランジスタによりON/OFF比率制御が行われるものであり、その出力は内燃機関のスロットル弁を開閉駆動するモータ110に与えられる。
スロットル弁にはスロットル弁開度を検出するスロットルポジションセンサ111が設けられており、モータ制御回路ブロック109は目標スロットルポジション生成ブロック108とスロットルポジションセンサ111の検出値とが一致するようにモータ110を可逆駆動する。なお、スロットル弁は図示しないが、このモータ制御回路ブロック109により開度を制御されるスロットル弁が吸気量制御手段となるものである。
空燃比センサ104の信号を入力する補正信号生成ブロック112では補正信号が生成され、この補正信号とエアフローセンサ103の信号が目標噴射量生成ブロック113に加算されて入力され、目標とする燃料噴射量が設定される。開弁時期と開弁期間とを設定する開弁信号生成ブロック114は目標噴射量生成ブロック113の目標噴射量出力とクランク角センサ106の信号に応動して開弁信号PL1を生成し、給電制御回路ブロック115はこの開弁信号PL1に応動して電磁ソレノイド6に給電し、燃料噴射弁116を駆動する。従って、給電制御回路ブロック115は図4における論理回路51と第一の開閉素子21と第二の開閉素子25bと第三の開閉素子27などを包含したものとなる。なお、開弁信号生成ブロック114は後述する燃料圧センサ132で検出された燃料圧力により燃料噴射期間を補正したり、燃料カット信号STPにより開弁信号PL1を停止したりするものである。
回転速度算出ブロック117は回転センサ105のパルス密度から内燃機関の回転速度を算出し、回転速度制限閾値設定ブロック118は異常発生時の待避運転における内燃機関の上限回転速度を設定するものである。回転速度算出ブロック117と回転速度制限閾値設定ブロック118の出力は比較増幅器119に与えられ、比較増幅器119は現在の回転速度と回転速度制限閾値とを入力して比較し、例えば現在の回転速度が2000rpmを超過しているときには制限回転信号RPMを出力する。異常記憶手段120は後述する異常表示信号出力DERの動作を記憶するものであり、異常記憶手段120が異常状態を記憶しているときには吸気補正スイッチ121と燃料カットスイッチ122を閉路すると共に、警報表示器45を動作させる。なお、異常記憶手段120はCPU4bに備えられた演算処理用RAMの一部でありエラー信号ERの動作も記憶する。
吸気補正スイッチ121が閉路すると、回転速度算出ブロック117により算出された現在の回転速度の上昇に伴って目標スロットルポジション生成ブロック108による目標スルットル開度が補正され、内燃機関の回転速度の上昇に対する目標スロットル開度が抑制されるように構成されている。すなわち、回転速度の上昇に伴ってアクセルペダルの踏み込み量に対するスロットル開度が抑制され、この吸気補正スイッチ121は吸気量抑制手段として機能する。また、燃料カットスイッチ122が閉路すると制限回転信号RPMが燃料カット信号STPとして開弁信号生成ブロック114に供給され、開弁信号PL1の生成が停止される。比較増幅器123は後述する燃料圧センサ132により検出された現在の燃料圧力と上限閾値設定ブロック124に設定された上限燃料圧とを比較し、異常表示信号DERを発生するものである。
燃料噴射弁116は、図7内に点線で囲った他方の枠内に示す燃料供給機構134から燃料の供給を受ける。燃料供給機構134は内燃機関に駆動されるピストン機構を有する燃料ポンプ130と、燃料ポンプ130に吸入された燃料の圧縮タイミングを補正して吐出燃料圧を調整する電磁スピル弁131と、図示しないデリバリパイプ内の燃料圧力を測定する燃料圧センサ132と、図示しないデリバリパイプ内に設けられた定圧リリーフ弁133と図示しないデリバリパイプなどから構成される。
また、制御装置100には、回転速度算出ブロック117により算出された内燃機関の回転速度と、スロットルポジションセンサ111により検出されたスロットル弁開度、または、アクセルポジションセンサ101により検出されたアクセルペダルの踏み込み度合に応動して目標燃料圧を設定する目標燃料圧生成ブロック125と、スピル弁制御回路ブロック126とを有しており、スピル弁制御回路ブロック126は目標燃料圧生成ブロック125により設定された目標燃料圧と燃料圧センサ132により検出された燃料圧力とが等しくなるように電磁スピル弁131の開弁期間を制御する。従って、回転速度などの上昇に伴って燃料圧は変化し、短い開弁期間でも充分な燃料供給が可能となる。
以上のように構成されたこの発明の実施の形態2による燃料噴射弁制御装置において、図5と図6とに基づきその動作を説明すると次の通りである。図において、キースイッチ2がONされるとCPU4bが動作を開始し、図5の(a)に示す開弁信号PL1を出力する。この信号により論理回路51が動作して図5の(b)と(e)〜(g)に示すような開弁駆動信号PL2と制御信号A〜Cとを出力する。これらの信号により第一の開閉素子21と第二の開閉素子25bと第三の開閉素子27がON−OFF制御されると共に第一の開閉素子21がOFFしている期間には、補助電源7内の高圧用コンデンサ10が所定の電圧まで充電される。
急速給電期間においては、開弁信号PL1、開弁駆動信号PL2、制御信号A〜Cの全てが論理レベルHとなり、第一の開閉素子21と第二の開閉素子25bと第三の開閉素子27とが全てONとなり、高圧用コンデンサ10から第一の開閉素子21と第二の開閉素子25bと第三の開閉素子27とを介して電磁ソレノイド6に急速給電が行われ、燃料噴射弁の開弁動作が行われる。電磁ソレノイド6の電流がIaに達すると比較増幅器47aが検知して論理回路51が制御信号Aのみを論理レベルLとする結果、第一の開閉素子21がOFFとなって主電源1から逆流阻止ダイオード28bを介して電磁ソレノイド6には持続給電が行われる。なお、この実施の形態において急速給電電流の検出に比較増幅器47aを使用するのは燃料圧力による制御を容易とするためである。
続く開弁保持期間においては、開弁駆動信号PL2がLレベルに転じ、制御信号Bが比較増幅器47bの動作により論理レベルHとLに交互に変化して第二の開閉素子25bが断続動作することにより、電磁ソレノイド6には開弁保持電流が供給されることになる。なお、開弁保持電流は電磁ソレノイド6による開弁保持の可能な、なるべく小さな電流値に設定される。燃料供給の終了は制御信号Cが論理レベルLに転ずることのより行われ、開弁駆動期間終了時の所定時間、また開弁保持期間の終了と共に制御信号Cが論理レベルLに転ずることにより第三の開閉素子27がOFFして余剰な減衰電流を速やかに減衰させたり、漸減減衰電流による閉弁動作の遅れを低減して急速閉弁動作を行う。
電磁ソレノイド6の励磁電流が図5(c)に示すIaを超過したときに比較増幅器47aの出力論理レベルがHとなり、Ic以下になるとLに復帰するが、ピーク電流Iaの閾値は図6の(a)に示す特性に基づき、CPU4bの設定信号SE1により燃料圧に応じて閾値信号発生手段49aに書き込み設定される。また、電磁ソレノイド6の励磁電流が図5(c)の上限電流Idを超えたときに比較増幅器47bの出力論理レベルがHとなり、下限電流Ie以下になると論理レベルがLに復帰するが、この上限電流Idの閾値は図6(b)に示す特性に基づき、CPU4bの設定信号SE2により燃料圧に応じて上限閾値発生手段49bに書き込み設定される。従って、設定信号SE1と閾値信号発生手段49a、SE2と上限閾値発生手段49bは、燃料圧に応じて急速給電と開弁保持電流を設定変更する設定変更手段となる。
このように燃料圧力に応じて急速給電の電流値ピーク値Iaと開弁保持電流の上限値Idとを信号SE1とSE2とにより変化させるが、これにより、燃料圧力が上昇しても充分な開弁力と開弁保持力とが得られると共に、燃料圧力が低い間においては急速給電と開弁保持の電流を低下させることができ、特に急速給電電流の低下は電磁ソレノイド6や第一の開閉素子21との温度抑制に効果的である。
なお、燃料噴射弁、従って、電磁ソレノイド6は複数気筒の各気筒に設けられ、第三の開閉素子27は各電磁ソレノイド6に対して個別に設けられるものであるが、第一の開閉素子21と第二の開閉素子25bは相互に連続して燃料噴射が行われない一対の電磁ソレノイド6に対して共用され、補助電源7は全ての電磁ソレノイド6に対して共用されるようにされる。従って、四気筒内燃機関の場合であれば電磁ソレノイド6と第三の開閉素子27とは各四個使用され、第一の開閉素子21と第二の開閉素子25bとは各二個使用され、補助電源7は一個の使用となる。
また、論理回路51は四気筒内燃機関の各電磁ソレノイド6に対して制御信号A、B、Cを個別に出力することになる(例えば、A1〜A4、B1〜B4、C1〜C4、)が、制御信号A1とA3とを論理和してA13とし、制御信号A2とA4とを論理和してA24として一対の第一の開閉素子21を制御する。同様に制御信号B1とB3とを論理和してB13とし、制御信号B2とB4とを論理和してB24として一対の第二の開閉素子25bを制御する。
図7の制御ブロック図において、スロットル弁を駆動するモータ110は、アクセルポジションセンサ101や水温センサ102に応動する目標スロットルポジション生成ブロック108の目標スロットル開度信号とスロットルポジションセンサ111によるスロットル弁開度とが一致するようにモータ制御回路ブロック109から駆動される。開弁信号生成ブロック114は、エアフローセンサ103や空燃比センサ104に応動して目標燃料噴射量を設定する目標噴射量生成ブロック113から指令された目標燃料噴射量とクランク角センサ106からのクランク角信号とに基づき開弁信号PL1を生成する。
なお、噴射燃料の圧力は目標燃料圧生成ブロック125により設定され、電磁スピル弁131と燃料圧センサ132とにより帰還制御されるが、燃料噴射弁116の開弁時期を一定にした場合の燃料噴射量は燃料圧の平方根にほぼ比例する関係にあり、内燃機関の回転速度が低くて軽負荷であれば、すなわちスロットル弁の開度が小さいときには燃料圧を下げて燃料噴射の開弁期間を大きくし、高回転で高負荷運転時には限られた開弁期間内で必要量の燃料噴射を行うために燃料圧を高めるような制御が行われる。開弁信号PL1に応動する給電制御回路ブロック115の動作については図8に基づき後述する。
燃料圧センサ132による燃料圧が図6に示したMP2を超えると比較増幅器123が異常表示信号DERを出力し、異常記憶手段120がこれを記憶して警報表示器45が動作する。なお、異常記憶手段120はエラー信号ERの動作も記憶するものであり、上記したように異常記憶手段120が異常記憶を行うと吸気補正スイッチ121と燃料カットスイッチ122とが閉路する。吸気補正スイッチ121が閉路すると回転速度算出ブロック117が演算する内燃機関の回転速度の上昇に伴って目標スロットルポジション生成ブロック108による回転速度に対する目標スロットル開度を減少させ、内燃機関の回転速度を抑制するように動作する。
この動作は燃料カットではないために内燃機関の振動などが防止でき、後述するように低回転運転であるために第一の開閉素子21の異常に対しても確実に走行することができる。しかし、降坂運転時などの軽負荷時では内燃機関の回転速度抑制ができないので、回転速度制限閾値設定ブロック118で設定された回転速度を超えたときには比較増幅器119が制限回転信号RPMを出力し、燃料カットスイッチ122を介して燃料カット信号STPを開弁信号生成ブロック114に与えて開弁信号PL1を停止する。
続いて論理回路51の論理動作と等価な動作を図8のフローチャートに基づき説明すると、図8のステップ800は周期的に活性化されて動作を開始するステップであり、ステップ801では開弁信号PL1が論理レベルLからHに変わったかどうかを判定する。ここでPL1がHレベルになっておればステップ802に進んで開弁駆動期間を設定するタイマTkを起動させ(開弁駆動信号PL2をHレベルとし)、続くステップ803では起動されたタイマTkがタイムアップしたかどうかを判定する。タイマTkがタイムアップしていなければステップ804に進み、制御信号A、制御信号B、制御信号Cを論理レベルHにする。これにより、第一の開閉素子21と第二の開閉素子25bと第三の開閉素子27とが全てONとなり電磁ソレノイド6に対する急速給電が開始される。
続くステップ805では比較増幅器47aの出力が論理レベルHであることを監視して電磁ソレノイド6の励磁電流がピーク電流Iaに達したかどうかを判定する。ピーク電流Iaに達していなければステップ803に戻ってステップ805までを繰り返し、励磁電流がピーク電流Iaに達するのを待つと共にピーク電流Iaに達するとステップ806に進み、制御信号Aを論理レベルLにし、制御信号Bと制御信号Cとは論理レベルHを継続する。従って、このステップでは第一の開閉素子21が開路し、第二の開閉素子25bと第三の開閉素子27とはONを継続して電磁ソレノイド6に対する持続給電が行われることになる。なお、ステップ805にて補助電源7の電圧不足や第一の開閉素子21のトラブルなどでピーク電流Iaに達する前にステップ803でタイムアップになったときにはステップ807に移行してエラー信号ERが出力される。
ステップ806の処理が完了するとステップ808に進み、このステップではステップ803で起動されたタイマTkがタイムアップしたかどうかを判定し、タイムアップしていなければステップ806とステップ808とを繰り返すと共に、タイムアップしておればステップ809に進んでタイマTkをリセットする。なお、ステップ807にてエラー信号ERを出力した後もステップ809にてタイマTkをリセットする。タイマTkをリセットした後はステップ810に進み、制御信号Aは論理レベルLを維持し、制御信号Bと制御信号Cとを論理レベルHからLに変更する。従って、このステップでは第一の開閉素子21は開路を継続し、第二の開閉素子25bと第三の開閉素子27も開路して電磁ソレノイド6の励磁電流は高速遮断される。
続くステップ811では比較増幅器47aの出力が論理レベルLであるかどうかを監視しながら電磁ソレノイド6の励磁電流が減衰判定電流値のIc以下になったかどうかを判定し、Ic以下でなければステップ810とステップ811を繰り返し、Ic以下になればステップ812に進んで開弁信号PL1の論理レベルがHからLに復帰したかどうかを判定する。そして論理レベルがLに復帰していなければ次のステップ813に進む。従って、このステップ811は減衰電流判定手段となるものであり、この減衰電流判定手段の出力により制御信号Cが再び立ち上がって第三の開閉素子27が閉路する。
ステップ813では比較増幅器47bの出力が論理レベルLであるかどうかを監視して電磁ソレノイド6の励磁電流が帰還制御の下限値Ie以下になったかどうかを判定し、Ie以下であればステップ814に進んで制御信号Aは論理レベルLを維持し、制御信号Bと制御信号CとをLレベルからHレベルに変更する。従って、このステップでは第一の開閉素子21は開路を継続し、第二の開閉素子25bと第三の開閉素子27はOFFからONに転じて電磁ソレノイド6に対する開弁保持給電が開始され、励磁電流を下限値Ie以上にすることになる。従って、第二の開閉素子25bは比較増幅器47b一個の出力信号により確実にON−OFFし、回路構成を単純化できる。なお、制御信号Cは開弁信号PL1が論理レベルHであるとき、ステップ811の判定がYESであるときにHレベルとなるものであるが便宜上一括表示したものである。
続くステップ815にはステップ814の完了後とステップ813にて電磁ソレノイド6の励磁電流が帰還制御の下限値Ie以下になっていないときに進み、ここでは比較増幅器47bの出力が論理レベルHであるかどうかを監視して電磁ソレノイド6の励磁電流が帰還制御の上限値Id以上になったかどうかを判定する。ここで、励磁電流がId以上になっておればステップ816に進み、制御信号AはLを維持し、制御信号BはHからLに変更し、制御信号CはHを維持するか、ステップ813にて励磁電流がIe以上であった場合はLからHに変化させる。このステップにより第一の開閉素子21は開路を継続し、第二の開閉素子25bは開路し、第三の開閉素子27はONして電磁ソレノイド6の励磁電流はなだらかに減衰する。
ステップ815にて励磁電流がId以上になっていないとき、および、ステップ816の完了後はステップ812に戻って開弁信号PL1の論理レベルHである間はステップ813からステップ816、すなわち点線で囲ったステップ817を繰り返して実行し、電磁ソレノイド6の励磁電流がIeからIdまでの範囲に維持されるように制御する。このステップ817は図5に示した開弁保持期間に相当し、保持電流制御に関する帰還制御手段となるものである。
ステップ818にはステップ801にて開弁信号PL1が論理レベルLであった場合、または、ステップ812にて開弁信号PL1がHレベルからLレベルに変化した場合に進み、ここでは制御信号A〜Cの全てが論理レベルLとなり、第一の開閉素子21と第二の開閉素子25bと第三の開閉素子27の全てがOFFとなって電磁ソレノイド6に対する給電が停止される。続くステップ819ではキースイッチ2が投入されてから所定時間後にタイムアップ信号を出力する図示しない電源タイマの動作を監視して所定時間が経過したかどうかを判定する。この所定時間は例えば主電源1の電圧が最小値Vbminであるときに、補助電源7の高圧用コンデンサ10が0Vから最大値のVpmaxまで充電されるのに必要な時間に設定されている。
ステップ819にて所定時間が経過しておればステップ820に進んで例えば補助電源7の出力電圧が所定の最小電圧Vpmin以上になっているかどうかを判定する。この判定は論理回路51に接続された図示しない比較回路を監視することにより行われる。ここで、判定がNOであり、所定電圧に達していなければステップ821に進んでエラー信号ERを出力してステップ822に進む。ステップ819での判定がNOであったとき、およびステップ820での判定がYESであったときにもステップ822に進むが、このステップ822は動作終了のステップであり、論理回路51がその他の制御を行うための待機を行ってからステップ800の動作開始ステップに復帰する。
ステップ807、または、ステップ821にてエラー信号ERがセットされるとCPU4bは開弁信号PL1の出力時期を早めたり、論理回路51が開弁駆動信号PL2の終了時期を遅らせたりして開弁駆動信号PL2の発生期間を延長すると共に、警報表示器45を動作させる。ステップ803の動作は急速給電異常検出手段として、また、ステップ820の動作は補助電源異常検出手段としての機能であり、ステップ807は急速給電処理手段としての、また、ステップ821は補助電源異常処理手段としての機能を有するものである。
従って、補助電源7が異常となって電圧が充分立ち上がらない場合、または、第一の開閉素子21が短絡して急速給電ができない場合であっても逆流阻止ダイオード28bから第二の開閉素子25bを介して主電源1からの電流を電磁ソレノイド6に給電することができ、応答遅れが発生するものの燃料噴射弁を動作させて待避運転を行うことができるものである。なお、ステップ807と821でエラー信号ERが発生した場合には、開弁駆動期間を延長するのみでなく、図7に示した異常記憶手段120の出力により高速回転時の燃料カット信号STPが有効となって内燃期間の回転速度が抑制されるので、充分な開弁時間を確保することができるものである。
以上の通りこの発明による燃料噴射弁制御装置は、車両用内燃機関の燃料噴射弁制御装置、特に、高圧燃料ポンプから吐出される燃料圧力に応動して燃料噴射用電磁弁を高速駆動するものであり、燃料圧制御手段が異常となっても燃料噴射が可能であり、しかも焼損事故が発生せずに待避運転を可能にするものである。待避運転手段としてモータによるスロットル弁開度制御手段を有する内燃機関の場合、まずスッロトル弁開度の抑制が行われるが、それでも回転速度の抑制ができない軽負荷運転時の場合や、モータによるスロットル弁開度制御手段を持たない内燃機関の場合には、燃料カット運転が行われるようになっている。燃料カット運転としては複数の気筒の内、一部の気筒にのみ燃料カットを行い、それでも回転抑制ができない場合にはさらに多くの気筒に対する燃料カットを行うような制御を付加することができる。
また、燃料圧が過大であるときには図1に示した増幅回路31のトランジスタ43により電流検出のフィードバック値を変更してピーク電流Iaや開弁保持電流Icを増加させたり、図4の閾値や上限閾値を設定する設定信号SE1やSE2の内容を図6のピーク電流閾値IP3や保持電流閾値Ih3のように急増させると共に、内燃機関の回転速度が抑制されるようにしたので、電磁ソレノイド6や各開閉素子に対する平均電流が抑制されて焼損が防止されるものであるが、例えば燃料圧が正常時であっても保持電流閾値を大きな値のIh3に固定しておくことも可能であり、燃料圧が過大時には急速給電におけるピーク電流の閾値または保持電流の上限閾値のいずれか一方の設定変更を行うようにしてもよい。この場合、正常燃料圧で正常運転しているときには不必要に大きな励磁電流が流れることになるが、急速給電電流または開弁保持電流の一方、特に急速給電電流が低減されておれば正常運転時における電磁ソレノイド6や各開閉素子の温度上昇は大幅に抑制することができるものである。
以上に説明した各実施の形態では燃料圧が過大になったときの待避運転について説明したが、燃料圧が過小となった場合には燃料噴射量が不足して内燃機関の異常回転上昇はないので燃料カットの制御は不要である。しかし、スロットル弁開度が大でしかも燃料圧が過小であるときには異常記憶手段を動作させて警報表示器を動作させることが望ましい。また、ウオッチドッグタイマを設けてCPUの暴走監視を行い暴走異常発生時にも異常記憶手段を動作させて警報表示器を動作させると共に、吸気抑制や燃料カット運転を行うようにすることもできる。
この発明による燃料噴射弁制御装置は、高圧燃料ポンプを持つ内燃機関、直噴式のガソリンエンジンの他、ジーゼルエンジンの燃料噴射装置にも適用できるものである。
この発明の実施の形態1による燃料噴射弁制御装置の構成を説明する全体回路図である。 この発明の実施の形態1による燃料噴射弁制御装置の動作を説明するタイムチャートである。 この発明の実施の形態1による燃料噴射弁制御装置の動作を説明するフローチャートである。 この発明の実施の形態2による燃料噴射弁制御装置の構成を説明する全体回路図である。 この発明の実施の形態2による燃料噴射弁制御装置の動作を説明するタイムチャートである。 この発明の実施の形態2による燃料噴射弁制御装置の動作を説明する特性図である。 この発明の実施の形態2による燃料噴射弁制御装置の制御動作を説明するブロック図である。 この発明の実施の形態2による燃料噴射弁制御装置の動作を説明するフローチャートである。
符号の説明
1 主電源、2 キースイッチ、3 定電圧電源、
4a、4b CPU、5a センサ群、5b 電気負荷群、
6 電磁ソレノイド、7 補助電源、8 誘導素子、
9 ダイオード、10 高圧用コンデンサ、11 励磁用開閉素子、
12 電流検出抵抗、13 ゲート回路、
14、20、24、26 駆動抵抗、15 判定回路、
16 反転論理素子、16a 比較器、17、51 論理回路、
18、22 ベース抵抗、19、23、43 駆動トランジスタ
21 第一の開閉素子、25、25b 第二の開閉素子、
27 第三の開閉素子、28、28b 逆流阻止ダイオード、
29 電流検出抵抗、30 転流ダイオード、31 増幅回路、
32 A/D変換器、33 異常記憶回路、34、45 警報表示器、
35 リセット信号発生回路、36 論理積素子(回転速度制御手段)、
37 増幅器、38 抵抗、39、40、41 分圧抵抗、
42 側路分圧抵抗、44 駆動抵抗、44a 開路用安定抵抗、
46 増幅回路、47a、47b 比較増幅器、
48a、48b 入力抵抗、49a 閾値信号発生手段、
49b 上限閾値発生手段、50a、50b 正帰還抵抗、
100 制御装置、101 アクセルポジションセンサ、
102 水温センサ、103 エアフローセンサ、
104 空燃比センサ、105 回転センサ、
106 クランク角センサ、107 補正信号生成ブロック、
108 目標スロットルポジション生成ブロック、
109 モータ制御回路ブロック、110 モータ、
111 スロットルポジションセンサ(吸気量制御手段)、
112 補正信号生成ブロック、113 目標噴射量生成ブロック、
114 開弁信号生成ブロック、115 給電制御回路ブロック、
116 燃料噴射弁、117 回転速度算出ブロック、
118 回転速度制限閾値設定ブロック、
119、123 比較増幅器、120 異常記憶手段、
121 吸気補正スイッチ、122 燃料カットスイッチ、
124 上限閾値設定ブロック、125 目標燃料圧生成ブロック、
126 スピル弁制御回路ブロック、130 燃料ポンプ、
131 電磁スピル弁、132 燃料圧センサ、
133 定圧リリーフ弁、134 燃料供給機構。

Claims (17)

  1. 内燃機関の運転状態に基づき燃料噴射弁に対する燃料供給量を演算して開弁期間を設定するための開弁信号を出力する開弁信号発生手段、車両に搭載された主電源からの電圧を昇圧して高電圧を出力する補助電源、前記開弁信号発生手段の信号により開弁時期に補助電源から前記燃料噴射弁の電磁ソレノイドに急速給電する第一の開閉素子、前記急速給電に続いて前記主電源からの電圧を前記電磁ソレノイドに持続給電すると共に、前記持続給電後の開弁期間中は開弁保持に必要な帰還制御された開弁保持電流を前記電磁ソレノイドに給電する第二の開閉素子、前記内燃機関の吸気量を制御する吸気量制御手段、前記燃料噴射弁に供給される燃料の圧力を検出する燃料圧検出手段、前記補助電源の出力電圧が所定時間内に所定値に達しないことを検出する補助電源異常検出手段、この補助電源異常検出手段が異常を検出したときに動作する補助電源異常処理手段を備え、前記燃料圧検出手段の検出する燃料圧力の変化に対して前記急速給電の電流値と前記開弁保持の電流値の少なくとも一方の電流値を変更することにより、開弁力と開弁保持力の少なくとも一方を変化させ、前記燃料圧検出手段の検出する燃料圧力が所定値以上であって前記内燃機関の回転速度が所定値以上であるときには、燃料供給量、または、吸気量の少なくとも一方を抑制制御すると共に、前記補助電源異常処理手段は前記補助電源異常検出手段の信号により、前記開弁駆動信号の終了時期を遅延させるか、または、前記開弁信号の出力時期を早めて前記開弁駆動信号の終了時期を遅延させることを特徴とする燃料噴射弁制御装置。
  2. 内燃機関の運転状態に基づき燃料噴射弁に対する燃料供給量を演算して開弁期間を設定するための開弁信号を出力する開弁信号発生手段、車両に搭載された主電源からの電圧を昇圧して高電圧を出力する補助電源、前記開弁信号発生手段の信号により開弁時期に補助電源から前記燃料噴射弁の電磁ソレノイドに急速給電する第一の開閉素子、前記急速給電に続いて前記主電源からの電圧を前記電磁ソレノイドに持続給電すると共に、前記持続給電後の開弁期間中は開弁保持に必要な帰還制御された開弁保持電流を前記電磁ソレノイドに給電する第二の開閉素子、前記内燃機関の吸気量を制御する吸気量制御手段、前記燃料噴射弁に供給される燃料の圧力を検出する燃料圧検出手段、前記第一の開閉素子が導通後所定の時間が経過しても前記急速給電の電流値が所定値に達しないことを検出する急速給電異常検出手段、この急速給電異常検出手段が異常を検出したときに動作する急速給電異常処理手段を備え、前記燃料圧検出手段の検出する燃料圧力の変化に対して前記急速給電の電流値と前記開弁保持の電流値の少なくとも一方の電流値を変更することにより、開弁力と開弁保持力の少なくとも一方を変化させ、前記燃料圧検出手段の検出する燃料圧力が所定値以上であって前記内燃機関の回転速度が所定値以上であるときには、燃料供給量、または、吸気量の少なくとも一方を抑制制御すると共に、前記急速給電異常処理手段は、前記急速給電異常検出手段の信号により、前記開弁駆動信号の終了時期を遅延させるか、または、前記開弁信号発生手段による開弁信号の出力時期を早めて前記開弁駆動信号の終了時期を遅延させることを特徴とする燃料噴射弁制御装置。
  3. 燃料圧力が所定の制御範囲から逸脱したことを記憶する燃料圧異常記憶手段を備えており、前記燃料圧異常記憶手段が異常を記憶している間は警報を表示すると共に、前記燃料圧異常記憶手段はキースイッチ再投入などの運転者の操作により記憶のリセットが可能であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の燃料噴射弁制御装置。
  4. 前記燃料圧異常記憶手段が異常を記憶しており、前記内燃機関の回転速度が所定値を超えたとき、前記燃料噴射弁の電磁ソレノイドに対する給電が停止されることを特徴とする請求項記載の燃料噴射弁制御装置。
  5. アクセルの操作量に対応して吸気量を制御する吸気量制御手段と、この吸気量を抑制する吸気量抑制手段とを備えており、前記吸気量抑制手段は、前記燃料圧異常記憶手段が異常を記憶しているときに動作し、前記内燃機関の回転速度の上昇に伴ってアクセル操作量の増加に対する吸気の増加量を抑制することを特徴とする請求項3または請求項4のいずれか一項に記載の燃料噴射弁制御装置。
  6. 前記補助電源は誘導素子と励磁用開閉素子とからなる昇圧回路とこの昇圧回路により充電されるコンデンサとからなり、前記昇圧回路は前記急速給電の期間、または、前記急速給電と前記持続給電の期間においては昇圧動作を停止することを特徴とする請求項3〜請求項5のいずれか一項に記載の燃料噴射弁制御装置。
  7. 前記補助電源は誘導素子と励磁用開閉素子とからなる昇圧回路とこの昇圧回路により充電されるコンデンサとからなり、前記コンデンサの充電電圧が所定値に達することにより前記昇圧回路の昇圧動作を停止すると共に、前記第一の開閉素子の出力電圧と前記主電源の電圧とを比較して前記第一の開閉素子の出力電圧が前記主電源の電圧より高いときには前記昇圧回路の昇圧動作を停止することを特徴とする請求項3〜請求項5のいずれか一項に記載の燃料噴射弁制御装置。
  8. 前記第一の開閉素子と前記第二の開閉素子とは前記電磁ソレノイドに対して並列に接続されると共に、これらとは直列に高速遮断機能を持つ第三の開閉素子が接続されており、前記第二の開閉素子には逆流阻止用のダイオードが直列接続され、前記急速給電時には前記第一の開閉素子と前記第二の開閉素子とが共に導通し、前記持続給電時には前記第一の開閉素子のみが不導通となるように構成したことを特徴とする請求項3〜請求項7のいずれか一項に記載の燃料噴射弁制御装置。
  9. 前記第一の開閉素子と前記第二の開閉素子と前記第三の開閉素子とが前記電磁ソレノイドに対して直列に接続され、前記第一の開閉素子と前記第二の開閉素子との接続点と前記主電源との間には逆流阻止用のダイオードが接続されており、前記急速給電時には前記第一の開閉素子と前記第二の開閉素子とが共に導通し、前記持続給電時には前記第一の開閉素子のみが不導通となるように構成したことを特徴とする請求項3〜請求項7のいずれか一項に記載の燃料噴射弁制御装置。
  10. 前記電磁ソレノイドと前記第三の開閉素子との直列回路には還流回路をなす転流ダイオードが接続されており、前記第三の開閉素子は前記補助電源の最大出力電圧より高い耐電圧制限特性を有することを特徴とする請求項3〜請求項9のいずれか一項に記載の燃料噴射弁制御装置。
  11. 前記急速給電時における通電電流が所定の閾値を超えたことを検出して判定信号を出力する電流検出手段を備えており、前記第一の開閉素子は前記開弁信号により導通して前記急速給電を行うと共に、前記電流検出手段の信号により前記急速給電を停止することを特徴とする請求項3〜請求項10のいずれか一項に記載の燃料噴射弁制御装置。
  12. 前記燃料圧検出手段の検出する燃料圧力が所定の制御範囲内にあるとき、燃料圧力に対応して急速給電時における通電電流の前記閾値を補正する閾値補正手段を備えており、前記閾値補正手段は燃料圧力の低下と共に前記急速給電を停止するための閾値電圧を低下させることを特徴とする請求項11に記載の燃料噴射弁制御装置。
  13. 前記開弁信号と同時に立ち上がり、前記燃料噴射弁が開弁動作を完了するまでの期間において開弁駆動信号を出力する開弁駆動信号出力手段を有しており、前記第二の開閉素子は開弁駆動信号出力期間中において前記第一の開閉素子と共に閉路し、前記第一の開閉素子が閉路後は前記第二の開閉素子が前記電磁ソレノイドに対して持続給電を行うことを特徴とする請求項3〜請求項12のいずれか一項に記載の燃料噴射弁制御装置。
  14. 前記開弁駆動信号の終了に伴って第二の開閉素子が開路した後、前記電磁ソレノイドの通電電流が所定の値まで減衰したことを検出して判定信号を出力する減衰電流判定手段を有しており、前記第三の開閉素子は前記開弁駆動信号の終了に伴って一時的に開路すると共に、前記判定信号により再度閉路することを特徴とする請求項13に記載の燃料噴射弁制御装置。
  15. 前記開弁駆動信号の終了に伴って前記第二の開閉素子が開路した後、前記電磁ソレノイドの通電電流が前記燃料噴射弁の開弁可能な最低電流値である保持電流下限値まで減衰したことを検知する電流値検出手段と、前記最低電流値より所定値大きな保持電流上限値を検知する電流値検出手段とを備えており、前記第二の開閉素子は前記開弁信号の継続中において、前記保持電流下限値の検出信号により閉路し、前記保持電流上限値の検出信号により開路してこの開閉動作を繰り返すように構成したことを特徴とする請求項13または請求項14に記載の燃料噴射弁制御装置。
  16. 前記保持電流下限値を検知する電流値検出手段と、前記保持電流上限値を検知する電流値検出手段とが一つの比較増幅器から構成されており、この比較増幅器は、前記電磁ソレノイドの通電電流が前記保持電流上限値を超えたときに動作信号を出力し、前記保持電流下限値にて動作復帰することを特徴とする請求項15に記載の燃料噴射弁制御装置。
  17. 前記燃料圧検出手段の検出する燃料圧力が所定の制御範囲内にあるとき、燃料圧力に対応して前記保持電流上限値または前記保持電流下限値を補正する閾値補正手段を備えており、この閾値補正手段の出力が比較増幅器に与えられると共に、前記閾値補正手段は燃料圧力の低下と共に前記保持電流上限値または前記保持電流下限値を低下させることを特徴とする請求項16に記載の燃料噴射弁制御装置。
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