JP3377034B2 - 蓄圧式燃料噴射装置 - Google Patents

蓄圧式燃料噴射装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蓄圧式燃料噴射装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】ディーゼルエンジンの燃料噴射装置とし
て、蓄圧器に蓄圧した高圧燃料をエンジンの各気筒に安
定に供給して低速域から高速域までの広い運転領域にお
いてエンジン性能を向上可能とする蓄圧式燃料噴射装置
(コモンレールシステム)がある。このような燃料噴射
装置を用いた場合でも、燃料噴射開始直後における燃料
噴射率が過大であると、燃焼の初期に急激な爆発燃焼が
行われ、エンジン騒音が増大するばかりでなく排気ガス
中の窒素酸化物(NOx)が増大する。
【0003】このような不具合を解消するため、各回の
燃料噴射サイクルの初期段階において、低めの燃料噴射
率で燃料を噴射する蓄圧式燃料噴射装置が提案されてい
る。この提案に係わる燃料噴射装置は、例えば、低圧燃
料を貯溜する低圧蓄圧器と、高圧燃料を貯溜する高圧蓄
圧器と、低圧蓄圧器又は高圧蓄圧器をインジェクタ(燃
料噴射ノズル)に選択的に連通させて燃料噴射率を切り
換える切換弁と、インジェクタの圧力制御室と燃料タン
クとを連通・遮断して燃料噴射時期を制御する開閉弁と
を備えている。
【0004】蓄圧器での燃圧形成に関して、例えば、エ
ンジンにより夫々駆動される低圧燃料ポンプ及び高圧燃
料ポンプを用いて低圧及び高圧の燃料を得るもの、或い
は、高圧燃料ポンプにより高圧燃料を得ると共に低圧蓄
圧器へ導入した高圧燃料を調圧して低圧燃料を得るもの
がある(例えば、特開平6−93936)。また、高圧
蓄圧器の高圧燃料から低圧蓄圧器の低圧燃料を得るタイ
プの蓄圧式燃料噴射装置(例えば、WO98/0906
8)では、例えば、各気筒のインジェクタに対応して設
置してある燃料噴射時期制御用の開閉弁を閉弁すると共
に燃料噴射率切換用の切換弁を低圧側へ切り換えること
により、インジェクタの燃料室(燃料溜まり)に低圧燃
料を満たすと共にインジェクタを閉弁状態に保持し、燃
料噴射開始時期が到来した時に開閉弁を開弁させてイン
ジェクタを開弁させて低圧燃料をノズルから噴射させて
低圧初期噴射(以下「低圧噴射」という)を行い、低圧
噴射期間が経過した時に切換弁を高圧側へ切り換え、高
圧蓄圧器からの高圧燃料をノズルから噴射させて高圧主
噴射(以下「高圧噴射」という)を行い、噴射終了時期
が到来すると切換弁を低圧側へ切り換えると共に開閉弁
を閉弁する。即ち、切換弁により低圧蓄圧器と高圧蓄圧
器を燃料噴射中に切り換えて燃料の噴射波形の制御を行
う。
【0005】低圧蓄圧器では、前記切換弁が閉弁した後
当該切換弁とインジェクタの燃料室との間に溜まった高
圧燃料を調圧して低圧燃料を得る。即ち、低圧蓄圧器と
燃料タンクとの燃料通路に接続されている低圧蓄圧器の
圧力制御弁をデューティ制御して、低圧蓄圧器内の燃料
圧が所定圧となるように当該低圧蓄圧器内の燃料を燃料
タンク(大気開放側)に排出する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、低圧蓄
圧器と高圧蓄圧器を燃料噴射中に切り換えて噴射波形の
制御を行う上記構成の蓄圧式燃料噴射装置において、各
気筒のインジェクタに対応して設置してある燃料噴射率
を切り換える切換弁が故障した場合、例えば、6気筒中
又は4気筒中の1気筒の切換弁が故障した場合、当該気
筒の燃料噴射圧力、燃料噴射量が残りの他の気筒と比べ
て異常となるため、エンジン出力の低下、トルク変動の
増大等を招き、正常にはエンジンを運転することができ
なくなる。また、このような異常な状態でエンジンの運
転を続けた場合、過負荷、排気温度の上昇等により、エ
ンジンひいては車両に損傷を与える場合が生ずる等の問
題がある。
【0007】また、低圧蓄圧器に設置してある圧力制御
弁が故障した場合、閉弁故障時には低圧蓄圧器の燃料圧
が上昇し、最終的には高圧蓄圧器の燃料圧と等しくな
る。それにより、噴射初期から高圧噴射となり、燃料噴
射量が増大して過負荷運転となるため、そのままの異常
な状態でエンジン運転を続けると、エンジンひいては車
両に損傷を与える場合が生ずる。また、低圧蓄圧器は、
高圧蓄圧器に対して、許容耐圧(許容圧力)が低く設定
されているため、低圧蓄圧器内の燃料圧の過度な圧力上
昇は、低圧蓄圧器の損傷、燃料漏れ等を招く虞がある。
【0008】また、前記圧力制御弁が開弁故障時には、
低圧噴射が不可能となり、高圧噴射(主噴射)のみとな
るため、着火時期が遅れ、排気音度の上昇、トルク不足
を招き、エンジンに悪影響を及ぼす。また、低圧蓄圧器
の圧力を上げようとするため、高圧燃料供給ポンプが過
剰な燃料圧送を繰り返し、当該高圧燃料供給ポンプの故
障を招く虞がある。
【0009】このため、本発明では、各気筒の燃料噴射
ノズルに対応して設置されている燃料噴射率を切り換え
る切換弁の故障判定、低圧蓄圧器の圧力を制御する圧力
制御弁の故障判定を行い、故障時にはエンジン運転領域
を限定したリンプホームモード制御を行い、エンジン故
障等を未然に防止するようにした蓄圧式燃料噴射装置を
提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の請求項1では、燃料ポンプで加圧された高
圧燃料は、第1蓄圧器に貯溜され、第1制御弁、燃料通
路を介してエンジンの燃焼室内に噴射する燃料噴射ノズ
ルに供給されると共に、前記燃料通路に分岐通路を介し
て接続され、前記第1蓄圧器内の燃圧よりも低圧の第2
蓄圧器に供給されて貯溜される。この第2蓄圧器の燃圧
は、当該第2蓄圧器内の燃料を大気開放側へ排出する第
2制御弁により制御される。制御手段は、前記第1蓄圧
器内の高圧燃料を前記第2蓄圧器に向かって排出すべく
前記第1制御弁を開弁制御し、且つ前記第2蓄圧器の燃
料圧を設定圧にすべく前記第2制御弁を開弁制御する。
【0011】制御手段は、複数の第1制御弁の少なくと
も1つが故障したと判定したとき、又は第2制御弁が閉
弁状態で故障したと判定したときには、燃料ポンプの吐
出圧力を第2蓄圧器の許容圧以下に設定する。この結
果、燃料ポンプにより第2蓄圧器の許容圧以下の燃料噴
射を行うことができる。請求項2の発明では、制御手段
は、第2制御弁が開弁状態で故障したと判定したときに
は、燃料ポンプの吐出圧を第2蓄圧器の許容圧以下に設
定し、且つ第1制御弁の開弁時間を燃料噴射ノズルの開
弁時期より前に設定する。これにより、燃料噴射ノズル
の開弁時期に燃料噴射を開始することができ、低圧噴射
ができなくなったために生じた噴射時期の遅れを防止す
る。請求項3の発明では、制御手段は、複数の第1制御
弁の少なくとも1つが開弁状態で故障したと判定したと
きには、燃料ポンプの吐出圧を第2蓄圧器の許容圧以下
に設定すると共に、故障した第1制御弁以外の正常な第
1制御弁の開弁時間を燃料噴射ノズルの開弁時期より前
に設定する。これにより、第1制御弁が故障した気筒
と、第1制御弁が正常な他の気筒の燃料噴射圧が同一と
なる。即ち、第1制御弁が正常な気筒は、全噴射期間中
に亘って前記第1制御弁が故障している気筒と同じ条件
となり、全気筒の噴射波形を揃えることができ、気筒間
のトルク差がなくなり、トルク変動が抑制されて、エン
ジン振動が抑制される
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の好
適な実施例を例示的に詳しく説明する。図1は、本発明
の実施形態としての蓄圧式燃料噴射装置の概略構成図、
図2は、図1に示す燃料噴射装置の主要要素とエンジン
の各気筒のインジェクタとの接続を示す概略図である。
【0013】図1及び図2において、蓄圧式燃料噴射装
置は、例えば、直列6気筒のディーゼルエンジン(図示
せず)に搭載されるもので、高圧燃料ポンプ1は、例え
ば、図3に示すようなプランジャポンプ20を2つ備
え、各プランジャポンプ20は、前記直列6気筒エンジ
ンの前3気筒と後3気筒に夫々対応しており、前3気筒
のプランジャ21、後3気筒のプランジャ21を駆動す
る各カム22は、夫々3つの山を備えており、高圧燃料
ポンプ軸が1回転する間に各プランジャ21が3回の圧
送ストロークを実施して燃料を圧送するようになってい
る。圧送ストロークの調整は、プンランジャポンプ20
の吐出側に設けられている電磁弁23の閉弁時期を調整
することにより行われ、この電磁弁23が開弁している
間は、プランジャポンプ20の圧送動作が無効になるよ
うになっている。電磁弁23は、後述する電子制御装置
8により制御される。
【0014】図1に戻り、蓄圧式燃料噴射装置の制御手
段としての電子制御装置(ECU)8は、エンジン回転
センサ8aにより検出されたエンジン回転数Neと、ア
クセル開度センサ(図示せず)により検出されたアクセ
ルペダル踏込量(アクセル開度)Accとに応じて高圧燃
料ポンプ1の電磁弁23を制御して圧送ストロークを可
変調整し、更に、高圧蓄圧器(第1蓄圧器)3に設けら
れている圧力センサ(第1燃圧検出手段)3aにより検
出された燃料圧PHPに応じて圧送ストローク(吐出圧)
をフィードバック制御することにより、エンジン運転状
態に適合する高圧燃料を得るようになっている。
【0015】高圧燃料ポンプ1により加圧された燃料
は、高圧蓄圧器3に貯溜される。この高圧蓄圧器3は、
各気筒に共通するものであり、燃料通路10aに連通し
ている。燃料通路10aの途中には、例えば、二方電磁
弁から成る燃料噴射率切換用の切換弁(第1制御弁)5
が各気筒毎に設けられ(図2)、当該切換弁5の直ぐ下
流に上流側から下流側にのみ燃料の流れを許容する逆止
弁32が設けられている。
【0016】燃料通路10aには、逆止弁32の下流に
おいて当該燃料通路10aから分岐した燃料通路10b
を介して各気筒に共通の低圧蓄圧器(第2蓄圧器)4が
接続されている。燃料通路10bの途中には逆止弁6
と、当該逆止弁6をバイパスするバイパス通路が設けら
れており、このバイパス通路にオリフィス6aが設けら
れている。逆止弁6は、低圧蓄圧器4から燃料通路10
a方向にのみ燃料の流れを許容する。燃料通路10a内
の燃料圧が燃料通路10b内の燃料圧よりも高い場合、
燃料通路10a内の燃料がオリフィス6aを通して燃料
通路10bに流入し、更に低圧蓄圧器4に流入する。燃
料通路10bの低圧蓄圧器4と燃料タンク17との間に
は電子制御装置8の制御下で動作して低圧蓄圧器4の燃
料圧を制御する圧力制御弁(第2制御弁)34が設けら
れている。また、図2に示すように低圧蓄圧器4には当
該低圧蓄圧器4内の燃圧PLPを検出する圧力センサ4a
(第2燃圧検出手段)が設けられている。
【0017】電子制御装置8は、低圧蓄圧器4内の燃圧
が、エンジン回転数Neとアクセルペダル踏込量Accと
によって表されるエンジン運転状態に適合した圧力にな
るように、圧力センサ4aにより検出した実圧力PLP
基づいて圧力制御弁34を制御する。エンジンの各気筒
に設けられている燃料噴射ノズルとしてのインジェクタ
9は、燃料通路10aにオリフィス15を介して接続さ
れた圧力制御室11及び燃料室(燃料溜まり)12を有
し、圧力制御室11は、オリフィス16、燃料戻り通路
10cを介して燃料タンク17に接続されている。そし
て、燃料戻り通路10cの途中に例えば、二方電磁弁か
らなる燃料噴射時期制御用の開閉弁7が接続されてい
る。尚、開閉弁7は、インジェクタ内に設置されていて
もよい。
【0018】インジェクタ9は、ノズル(噴孔)9aを
開閉するニードル弁13と、圧力制御室11内に摺動可
能に収納された油圧ピストン14とを有し、ニードル弁
13は、スプリング(図示せず)によりノズル9a側に
付勢されて閉弁されている。燃料通路10aから圧力制
御室11と燃料室12とに燃料が供給されると共に噴射
時期制御用の開閉弁7を閉弁されている場合前記スプリ
ングのばね力と燃料圧との合力がニードル弁13に加わ
り、当該ニードル弁13は、燃料室12内の燃料圧に抗
してノズル9aを閉塞する。開閉弁7が開弁して圧力制
御室11内の燃料が燃料タンク17側(大気開放側)へ
排出されると、燃料室12内の燃料圧によりニードル弁
13が前記スプリングのばね力に抗して油圧ピストン1
4側へ移動してノズル9aが開口し、燃料室12内の燃
料がノズル9aからエンジンの燃焼室へ噴射される。
【0019】以下、上記構成の燃料噴射装置の通常モー
ドでの動作を説明する。電子制御装置8の制御下で、高
圧蓄圧器3内の燃料圧及び低圧蓄圧器4内の燃料圧がエ
ンジン運転状態に適合するように制御され、エンジン運
転状態(エンジン回転数、アクセルペダル踏込量等)に
応じて燃料噴射期間(燃料噴射開始・終了時期)及び低
圧噴射期間が設定される。
【0020】図4に示すように、燃料噴射開始時期が到
来するまでの間、切換弁5及び開閉弁7は、共に閉弁さ
れており、切換弁5の下流側の燃料通路10aには低圧
蓄圧器4から低圧燃料が供給され、この低圧燃料がイン
ジェクタ9の圧力制御室11及び燃料室12に供給され
る。開閉弁7が閉弁されていることで圧力制御室11内
に供給された燃圧が油圧ピストン14を介してニードル
弁13に加わり、当該ニードル弁13によりノズル9a
が閉塞されて閉弁されている。
【0021】燃料噴射開始時期になると、開閉弁7のみ
が開弁され、インジェクタ9の圧力制御室11内の低圧
燃料がオリフィス16及び燃料戻り通路10cを通して
燃料タンク17に排出される。これにより油圧ピストン
14を介してニードル弁13に加わる燃圧とスプリング
のばね力との合力が、当該ニードル弁13を押し上げる
ように作用する燃料室12内の燃圧よりも小さくなった
時点でニードル弁13が上昇してノズル9aが開口さ
れ、ノズル9aから低圧燃料が噴射される。即ち、噴射
初期において比較的小さい燃料噴射率(単位時間当たり
の燃料噴射量)での低圧噴射が実行される。この低圧噴
射により、燃料噴射期間の初期段階での燃焼は、比較的
緩慢に行われ、排気ガス中のNOx量の低減が図られ
る。
【0022】低圧噴射を開始してから所定時間が経過す
ると、噴射時期制御用の開閉弁7が開弁された状態のま
ま、噴射率切換用の切換弁5が開弁され、燃料室12に
高圧燃料が供給され、インジェクタ9から高圧燃料が噴
射される。即ち、低圧噴射での燃料噴射率よりも大きい
噴射率での高圧噴射が実行される。そして、燃料噴射終
了時期になると、噴射時期制御用の開閉弁7が閉弁さ
れ、燃料通路10aからオリフィス15を通して圧力制
御室11に供給された高圧燃料が油圧ピストン14を介
してニードル弁13に作用し、当該ニードル弁13がノ
ズル9aを閉塞し、ノズル9aからの燃料噴射が終了す
る。燃料噴射終了時点で燃料噴射率が急速に立ち下がっ
てエンジンからの黒煙(スモーク)やパティキュレート
(粒状物質PM)の排出量が低減される。噴射率切換用
の切換弁5は、燃料噴射終了時期における開閉弁7の閉
弁と同時に閉弁され、或いは、燃料噴射時期終了時期か
ら所定時間が経過した時点で閉弁される。
【0023】図5に示すようにインジェクタ9の燃料室
12と噴射率切換用の切換弁5との間において、燃料通
路10a内の高圧燃料は、燃料通路10bのオリフィス
6aを通して低圧蓄圧器4に流入し、これにより、燃料
通路10a内の燃料圧は、各回の燃料噴射サイクルでの
燃料噴射が終了した時点から漸減して、次回の燃料噴射
サイクルでの燃料噴射が開始されるまでに圧力制御弁3
4により設定される低圧噴射に適合する燃料圧に低下
し、次回の低圧噴射での噴射率は、所要のものとなる。
【0024】既に説明したように、各気筒のインジェク
タに対応して設置してある燃料噴射率を切り換える切換
弁が故障した場合例えば、図2に示す6気筒中の第1気
筒の切換弁5-1が故障した場合には、当該第1気筒への
燃料噴射圧力及び燃料噴射量が、残りの他の気筒と比べ
て異常となるため、エンジン出力の低下、トルク変動の
増大等を来たし、正常にはエンジンを運転することがで
きなくなる。
【0025】即ち、インジェクタ・切換弁の制御におい
て、第1気筒の切換弁5-1が閉弁状態で故障した場合の
噴射波形は、図6に示すように切換弁が正常な他の気筒
の噴射波形(点線で示す)に対して高圧噴射が行われな
い低圧噴射のみの異常な噴射となる。従って、切換弁5
-1の第1気筒だけ高圧噴射ができなくなり、他の気筒に
比べて燃料噴射量が少なくなる。このように6気筒中1
気筒だけ燃料量が少なくなるためにトルク変動が大きく
なり、エンジンの振動が大きくなる。図6は、図2の切
換弁5-1が閉弁状態で故障した場合の燃料噴射波形、イ
ンジェクタ9及び切換弁5-1の駆動を示すタイミングチ
ャートを示す。
【0026】また、切換弁5-1が開弁状態で故障した場
合の噴射波形は、図7に示すように切換弁が正常な気筒
の噴射波形(点線で示す)に対して低圧噴射が行われな
い高圧噴射のみの波形となる。従って、当該切換弁5-1
の第1気筒だけ他の気筒よりも燃料量が多くなる。この
ように6気筒中1気筒だけ燃料量が多くなくためにトル
ク変動が大きくなり、エンジンの振動が大きくなる。し
かも、切換弁5-1が故障した第1気筒だけ設定燃料量を
超えて燃料を噴射することとなり、当該第1気筒だけが
過負荷となり、エンジンが焼き付く虞がある。図7は、
図2の切換弁5-1が開弁状態で故障した場合の燃料噴射
波形、インジェクタ9及び切換弁5-1の駆動を示すタイ
ミングチャートを示す。
【0027】このようにどの切換弁5が閉弁状態又は開
弁状態の何れの状態で故障した場合でも、低圧噴射と高
圧噴射の組合せができなくなり、切換弁が正常な他の気
筒に対して噴射量が異常となる。そこで、本発明の蓄圧
式燃料噴射装置では、電子制御装置8は、図9に示す切
換弁故障判定ルーチンを所定周期で実行する。この判定
ルーチンにおいて、高圧燃料と低圧燃料の噴射を切り換
える噴射率切換用の切換弁5が正常か否かを判定し(ス
テップS1)、正常であるときには通常制御モードに移
行し(ステップS2)、故障しているときには故障時制
御モード(リンプホームモード)に移行する(ステップ
S3)。
【0028】ステップS1における切換弁5の故障判定
は、電子制御装置8により低圧蓄圧器4の燃料圧を制御
する圧力制御弁34の負荷状態をモニタして判定する。
この切換弁5の故障判定は、閉弁状態で故障している場
合と、開弁状態で故障している場合との2通りを判定す
る。切換弁5-1が閉弁状態で故障した場合には、燃料通
路10aから低圧蓄圧器4への高圧燃料の供給が、当該
切換弁5-1を通して供給される分だけ少なくなる。この
ため、低圧蓄圧器4の燃料圧を制御する圧力制御弁34
(図1、図2)のデューティ比(開弁率)を通常状態よ
りも小さくして(閉弁時間を長くして)燃料タンク17
に排出される燃料量を少なくしないと、低圧蓄圧器4の
燃料圧が設定圧力にならない。このため圧力制御弁34
のデューティ比(負荷)が小さくなる。
【0029】また、切換弁5-1が開弁状態で故障した場
合には、燃料通路10aから低圧蓄圧器4への高圧燃料
の供給量が、当該切換弁5-1を通して供給される分だけ
増大するために当該低圧蓄圧器4の燃料圧を制御する圧
力制御弁34のデューティ比を通常状態よりも大きくし
て(開弁時間を長くして)多量の燃料を燃料タンク17
に排出しないと、低圧蓄圧器4の燃料圧が設定圧力にな
らない。このため圧力制御弁34のデューティ比(負
荷)が大きくなる。
【0030】図10は、低圧蓄圧器4の指示圧力と圧力
制御弁34のデューティ比(負荷)の関係を示す。図1
0において、実線は、切換弁5が正常な状態における圧
力制御弁34のデューティ比の基準値(理論開弁率)を
示し、その両側にデューティ比許容値(ヒステリシス)
が設定されて基準領域Iとされている。基準領域Iの下
側の領域IIは、圧力制御弁34のデューティ比が小さい
即ち、負荷が小さい領域、上側の領域IIIは、圧力制御
弁34のデューティ比が大きい即ち、負荷が大きい領域
である。
【0031】電子制御装置8は、圧力制御弁34のデュ
ーティ比(負荷)をモニタして、図10の基準領域Iを
逸脱した領域IIにある場合には切換弁5が閉弁状態で故
障しているものと判定し、領域IIIにある場合には切換
弁5が開弁状態で故障しているものと判定する。切換弁
5の故障としては、高圧燃料に晒されることに起因する
スプールのスティック等の機械的な故障と、ソレノイド
の断線による電気的な故障がある。また、他にオリフィ
ス6aの詰まり等に起因する故障もある。切換弁5のソ
レノイドが断線している場合には、電子制御装置8は、
断線判定により切換弁5の故障を判定する。
【0032】電子制御装置8は、図9のステップS3の
切換弁の故障時制御モード(リンプホームモード)にお
いて、燃料噴射量、噴射圧力、インジェクタ9及び燃料
噴射率を切り換え制御する切換弁5の各制御マップを故
障モード用に切り換えて制御する。即ち、図11に実線
で示すように燃料噴射量制御は、点線で示す通常モード
(最大値)に対して最大噴射量・エンジンの最高回転数
(最大値)を制限する。図11は、エンジン回転数と燃
料噴射量との関係を示す特性図である。
【0033】更に、電子制御装置8は、図12に実線で
示すように高圧蓄圧器3と低圧蓄圧器4の最高圧力(燃
料圧)を所定圧(以下「設定圧」という)に制御する。
この設定圧は、最大圧力が点線で示す通常制御時におけ
る高圧蓄圧器4の燃料圧よりも低く、通常制御時におけ
る低圧蓄圧器4の燃料圧よりも高く、且つ低圧蓄圧器4
の許容耐圧(許容圧力)以下とされている。この設定圧
は、高圧燃料ポンプ1のプランジャ21(図1)の圧送
ストロークの有効区間を調整して高圧蓄圧器3の燃料圧
を制御すると共に、圧力制御弁34のデューティ比を制
御して低圧蓄圧器4の燃料圧を制御し、これら高圧蓄圧
器3と低圧蓄圧器4の燃料圧が同一となるように制御す
る。このように高圧蓄圧器3の最大圧力(燃料圧)を低
圧蓄圧器4の許容耐圧以下とすることで、低圧蓄圧器4
の損傷や、燃料漏れ等が防止される。図12は、エンジ
ン回転数と高圧蓄圧器3及び低圧蓄圧器4の各燃料圧と
の関係を示す特性図である。
【0034】このように高圧蓄圧器3の最大圧力(燃料
圧)を低圧蓄圧器4の許容耐圧以下とすることで、切換
弁5が故障した気筒と、切換弁5が正常な他の気筒の燃
料噴射圧が同一となり、気筒間のトルク差が無くなり、
トルク変動が抑制され、エンジン振動が抑制される。図
8は、切換弁5の故障モード時における燃料噴射波形、
インジェクタ9及び切換弁5の駆動を示すタイミングチ
ャートを示す。図8に示すように、インジェクタ9の開
弁時期即ち、噴射時期を制御する開閉弁7の制御は、通
常制御と同一のマップを使用して制御の簡略化を図る。
また、正常な切換弁5の開弁時期は、インジェクタ9の
開弁時期(開閉弁7の開弁時期)よりも進め(進角)に
設定する。これにより、切換弁5の閉弁故障時には高圧
蓄圧器3の燃料圧(PHP)=低圧蓄圧器4の燃料圧(P
LP)に制御している状態であるから、切換弁5が閉弁故
障している気筒は、他の切換弁5が正常な気筒と同一圧
力の燃料を低圧蓄圧器4から供給されて、全気筒の噴射
波形を揃えることができる。また、或る切換弁5が開弁
故障時には、他の切換弁5が正常な気筒は、全噴射期間
中に亘って切換弁5が開弁していることになり、前記切
換弁5が開弁故障している気筒と同じ条件となるため、
全気筒の噴射波形を揃えることができる。
【0035】このように、電子制御装置8により燃料噴
射率を切り換える切換弁5の故障を判定し、故障時には
リンプホームモードに設定することで、エンジン本体の
損傷、ひいてはエンジン本体の過負荷、排気温度の上昇
等に伴う車両の損傷を回避することができる。また、切
換弁故障時には、リンプホームモードで適正な制御を行
うことで、エンジンの過負荷運転、回転変動等を抑制し
て、修理工場まで自走することが可能となる。
【0036】また、低圧蓄圧器4の圧力を制御する圧力
制御弁34が故障した場合、閉弁故障時には低圧蓄圧器
4の燃料圧が上昇し、最終的には高圧蓄圧器3の燃料圧
と等しくなる。圧力制御弁34が閉弁状態で故障した場
合の噴射波形は、図13に示すように圧力制御弁34が
正常な場合(点線で示す)に対して噴射初期から高圧噴
射のみの異常な噴射となる。従って、燃料噴射量が増大
して過負荷運転となるため、このままの異常な状態でエ
ンジン運転を続けると、エンジンひいては車両に損傷を
与える場合が生ずる。また、低圧蓄圧器4は、高圧蓄圧
器3に対して、許容耐圧が低く設定されているため、低
圧蓄圧器4内の燃料圧の過度な圧力上昇は、低圧蓄圧器
4の損傷、燃料漏れ等を来す虞がある。図13は、圧力
制御弁34が閉弁状態で故障した場合の燃料噴射波形、
インジェクタ9及び切換弁5の駆動を示すタイミングチ
ャートを示す。
【0037】圧力制御弁34が開弁故障時には、低圧噴
射が不可能となり、噴射波形は、図14に示すように切
換弁が正常な気筒の噴射波形(点線で示す)に対して低
圧噴射(初期噴射)が行われない高圧噴射(主噴射)の
みの波形となる。このため、着火時期が遅れ、排気温度
の上昇、トルク不足を招き、エンジンに悪影響を及ぼ
す。また、低圧蓄圧器4の圧力を上げようとするため、
高圧燃料ポンプ1が過剰な燃料圧送を繰り返し、当該高
圧燃料ポンプ1の故障を招く虞がある。図14は、圧力
制御弁34が開弁状態で故障した場合の燃料噴射波形、
インジェクタ9及び切換弁5の駆動を示すタイミングチ
ャートを示す。
【0038】このように圧力制御弁34が閉弁状態又は
開弁状態の何れの状態で故障した場合でも、低圧噴射と
高圧噴射の組合せができなくなり、圧力制御弁34が正
常な場合に対して噴射量が異常となる。そこで、本発明
の蓄圧式燃料噴射装置では、電子制御装置8は、図15
に示す低圧蓄圧器の圧力制御弁故障判定ルーチンを所定
周期で実行する。この判定ルーチンにおいて、低圧蓄圧
器4の燃圧を制御する圧力制御弁34が正常か否かを判
定し(ステップS11)、正常であるときには通常制御
モードに移行し(ステップS12)、故障しているとき
には故障時制御モード(リンプホームモード)に移行す
る(ステップS13)。
【0039】ステップS11における圧力制御弁34の
故障判定は、電子制御装置8により、低圧蓄圧器4の燃
料圧を検出する圧力センサ4aが検出した実圧力と電子
制御装置8による指示圧力との、或る一定値以上の差圧
が継続する時間をモニタして判定する。この圧力制御弁
34の故障判定は、閉弁状態で故障している場合と、開
弁状態で故障している場合との2通りを判定する。
【0040】圧力制御弁34が閉弁状態で故障した場合
には、燃料通路10aから低圧蓄圧器4に供給された高
圧燃料が、燃料タンク7側(大気開放側)に排出されな
いために、当該低圧蓄圧器4内の燃料圧が高くなる。電
子制御装置8は、圧力センサ4aが検出した低圧蓄圧器
4の(実圧力)が(指示圧力+α)よりも高い状態(実
圧力>指示圧力+α)が一定時間以上継続した場合に
は、圧力制御弁34が閉弁状態で故障したと判定する。
一定時間は、圧力差を正確にモニタするための追従時間
である。
【0041】また、圧力制御弁34が開弁状態で故障し
た場合には、燃料通路10aから低圧蓄圧器4に供給さ
れた高圧燃料が、燃料タンク7側(大気開放側)に全て
排出されてしまうために、当該低圧蓄圧器4内の燃料圧
が低くなる。電子制御装置8は、圧力センサ4aが検出
した低圧蓄圧器4の(実圧力)が(指示圧力−α)より
も低い状態(実圧力<指示圧力−α)が一定時間以上継
続した場合には、圧力制御弁34が開弁状態で故障した
と判定する。
【0042】図16は、低圧蓄圧器4の指示圧力と圧力
センサ4aの出力(実圧力)との関係を示す。図16に
おいて、実線は、圧力制御弁34が正常な状態基準値を
示し、その両側に許容値(ヒステリシス)が設定されて
基準領域Iとされている。基準領域Vの下側の領域VI
は、実圧力が指示圧力よりも小さい領域、上側の領域VI
Iは、実圧力が指示圧力よりも大きい領域である。
【0043】電子制御装置8は、実圧力と指示圧力(設
定圧)とをモニタして図16の基準領域Vを逸脱した領
域VIにある場合には圧力制御弁34が開弁状態で故障し
ているものと判定し、領域VIIにある場合には圧力制御
弁34が閉弁状態で故障しているものと判定する。圧力
制御弁34の故障としては、スプールのスティック等の
機械的な故障と、ソレノイドの断線による電気的な故障
がある。圧力制御弁34のソレノイドが断線している場
合には、電子制御装置8は、断線判定により圧力制御弁
34の故障を判定する。
【0044】電子制御装置8は、図15のステップS1
3の圧力制御弁34の故障時制御モード(リンプホーム
モード)において、燃料噴射量、噴射圧力、インジェク
タ9及び燃料噴射率を切り換え制御する切換弁5の各制
御マップを故障モード用に切り換えて制御する。即ち、
図11に実線で示すように燃料噴射量制御は、点線で示
す通常モード(最大値)に対して最大噴射量・エンジン
の最高回転数(最大値)を制限する。
【0045】更に、電子制御装置8は、前述した切換弁
5の故障時と同様に、図12に実線で示すように高圧蓄
圧器3と低圧蓄圧器4の燃料圧を所定の設定圧に制御す
る。この設定圧は、最大圧力が点線で示す通常制御時に
おける高圧蓄圧器4の燃料圧よりも低く、通常制御時に
おける低圧蓄圧器4の燃料圧よりも高く、且つ低圧蓄圧
器4の許容耐圧(許容圧力)以下とすることで、圧力制
御弁34が故障した場合に低圧蓄圧器の損傷や、燃料漏
れ等が防止される。この設定圧は、高圧燃料ポンプ1
(図1)のプランジャ21の圧送ストロークの有効区間
を調整して高圧蓄圧器3の圧力(燃圧)を制御する。こ
れにより圧力制御弁34が閉弁故障した場合には高圧蓄
圧器3と低圧蓄圧器4の圧力が同一となる。また、圧力
制御弁34が開弁故障した場合は、高圧蓄圧器3のみが
所定圧となり、低圧蓄圧器4は、設定圧よりも低い値、
例えば、殆ど大気圧に近い圧力となる。
【0046】圧力制御弁34の故障モード時におけるイ
ンジェクタ9及び切換弁5の駆動は、前述した切換弁5
の1つ(切換弁5-1)が故障した場合と同様に行う。即
ち、図8に示すように、インジェクタ9の開弁時期即
ち、噴射時期を制御する開閉弁7の制御は、通常制御と
同一のマップを使用して制御の簡略化を図る。また、切
換弁5の開弁時期は、インジェクタ9の開弁時期(開閉
弁7の開弁時期)よりも進める方向(進角)に設定す
る。これにより圧力制御弁34の閉弁故障時、開弁故障
時の何れの場合も、インジェクタ9の開弁時期に燃料噴
射を開始することができる。従って、高圧蓄圧器3の圧
力の抑制(且つ、圧力制御弁34の閉弁故障時には高圧
蓄圧器3の燃料圧(PHP)=低圧蓄圧器4の燃料圧(P
LP)に制御)との組合せにより、圧力制御弁34の閉弁
故障時には、過剰噴射量を防止し、開弁故障時には、噴
射時期の遅れを防止する。
【0047】このように、電子制御装置8により低圧蓄
圧器4の圧力を制御する圧力制御弁34の故障を判定
し、故障時にはリンプホームモードに設定することで、
エンジン本体の損傷、ひいてはエンジン本体の過負荷運
転、排気温度の上昇等に伴う車両の損傷を回避すること
ができる。また、圧力制御弁34の故障時には、リンプ
ホームモードで適正な制御を行うことで、エンジンの過
負荷運転、回転変動等を抑制して、修理工場まで自走す
ることが可能となる。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、請求項1の発明では、
第1制御弁が閉弁状態で故障した場合には、故障した第
1制御弁に対応した気筒の高圧噴射が行われないが、正
常な第1制御弁から吐出される燃料圧(高圧燃料ポンプ
により圧力制御)を第2蓄圧器許容圧力以下のある燃料
圧とすることで、燃料通路内は、常に第2蓄圧器許容圧
力以下のある燃料圧に維持され、故障した第1制御弁に
対応した気筒においても噴射ノズルの開弁時から許容圧
噴射が可能となる。
【0049】また、第1制御弁が開弁状態で故障した場
合には、全気筒で高圧噴射のみが行われてしまい、第2
蓄圧器に許容圧以上の圧力がかかってしまうが、それを
防ぐため高圧燃料ポンプにより第2蓄圧器の許容圧以下
の燃料噴射が供給される。また、第2制御弁が閉弁状態
で故障した場合には、第2蓄圧器の燃料を制御できず、
高圧となってしまうが、それを防ぐため高圧燃料ポンプ
により第2蓄圧器の許容圧以下の燃料噴射が供給され
る。これにより、エンジンの故障や車両の損傷等を未然
に防止することができる。
【0050】請求項2の発明では、第2制御弁が開弁状
態で故障した場合には、全気筒で高圧噴射のみが行われ
てしまい、第2蓄圧器に許容圧以上の圧力がかかってし
まうが、それを防ぐため高圧燃料ポンプにより第2蓄圧
器の許容圧以下の燃料噴射が供給される。また、第2制
御弁が閉弁状態で故障した場合には、第2蓄圧器の燃料
を制御することができず高圧となってしまうが、それを
防ぐため高圧燃料ポンプにより第2蓄圧器の許容圧以下
の燃料噴射が供給される。これにより、エンジンの故障
や車両の損傷等を未然に防止することができる。請求項
3の発明では、制御手段は、複数の第1制御弁の少なく
とも1つが開弁状態で故障したときには、燃料ポンプの
吐出圧を第2蓄圧器の許容圧以下に設定すると共に、故
障した第1制御弁以外の正常な第1制御弁の開弁時間を
燃料噴射ノズルの開弁時期より前に設定する。これによ
り、第1制御弁が故障した気筒と、第1制御弁が正常な
他の気筒の燃料噴射圧が同一となる。即ち、第1制御弁
が正常な気筒は、全噴射期間中に亘って前記第1制御弁
が故障している気筒と同じ条件となり、全気筒の噴射波
形を揃えることができ、気筒間のトルク差がなくなり、
トルク変動が抑制されて、エンジン振動が抑制される
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る蓄圧式燃料噴射装置
を示す概略図である。
【図2】図1に示す燃料噴射装置の主要要素とエンジン
の各気筒のインジェクタとの接続を示す概略図である。
【図3】図1に示す高圧燃料ポンプの概略図である。
【図4】通常モードで実施される一燃料噴射サイクルに
おける、時間経過に伴う噴射率の変化並びに噴射率切換
用の切換弁及び噴射時期制御用の開閉弁の各開閉状態の
変化を示す図である。
【図5】通常モードで実施される一燃料噴射サイクルに
おける、時間経過に伴うインジェクタと切換弁との間の
燃料通路内の燃料圧力の変化を示す図である。
【図6】切換弁が閉弁状態で故障した場合の燃料噴射波
形、インジェクタ及び切換弁の駆動を示すタイミングチ
ャートである。
【図7】切換弁が開弁状態で故障した場合の燃料噴射波
形、インジェクタ及び切換弁の駆動を示すタイミングチ
ャートである。
【図8】切換弁の故障モード時における燃料噴射波形、
インジェクタ及び切換弁の駆動を示すタイミングチャー
トである。
【図9】図1に示す蓄圧式燃料噴射装置の切換弁故障判
定ルーチンのフローチャートである。
【図10】低圧蓄圧器の指示圧力と圧力制御弁のデュー
ティ比(負荷)の関係を示す特性図である。
【図11】エンジン回転数と燃料噴射量との関係を示す
特性図である。
【図12】エンジン回転数と高圧及び低圧蓄圧器の圧力
(燃圧)との関係を示す特性図である。
【図13】圧力制御弁が閉弁状態で故障した場合の燃料
噴射波形、インジェクタ及び切換弁の駆動を示すタイミ
ングチャートである。
【図14】圧力制御弁が開弁状態で故障した場合の燃料
噴射波形、インジェクタ及び切換弁の駆動を示すタイミ
ングチャートである。
【図15】図1に示す蓄圧式燃料噴射装置の切換弁故障
判定ルーチンのフローチャートである。
【図16】低圧蓄圧器の指示圧力と実圧力との関係を示
す特性図である。
【符号の説明】
1 高圧燃料ポンプ 3 高圧蓄圧器(第1蓄圧器) 4 低圧蓄圧器(第2蓄圧器) 3a 圧力センサ(第1燃圧検出手段) 4a 圧力センサ(第2燃圧検出手段) 5 高圧・低圧蓄圧器(燃料噴射率)切換用の切換弁
(第1制御弁) 7 噴射時期制御用の開閉弁 8 電子制御装置(制御手段) 9 インジェクタ(燃料噴射ノズル) 10a、10b 燃料通路 20 プランジャポンプ 21 プランジャ 22 カム 34 低圧蓄圧器の圧力制御弁(第2制御弁)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F02M 63/00 F02M 63/00 C (56)参考文献 特開 昭63−90658(JP,A) 特開 平6−93936(JP,A) 特開 平6−323220(JP,A) 特開 平7−49067(JP,A) 特開 平8−68368(JP,A) 特開 平8−291777(JP,A) 特開 平10−77892(JP,A) 特開 平10−238431(JP,A) 国際公開98/9068(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02M 47/00 F02M 47/02 F02M 45/00 F02M 45/04 F02M 55/02 310 F02M 55/02 350 F02M 61/20 F02M 63/00 F02D 41/22 375

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料ポンプにより加圧された高圧の燃料
    を貯溜する第1蓄圧器と、 前記第1蓄圧器から各気筒に向かって延設される複数の
    燃料通路と、 前記燃料通路端部に接続され燃料を各気筒の燃焼室内に
    噴射する燃料噴射ノズルと、 前記各燃料通路に配置され前記第1蓄圧器内の高圧燃料
    を前記燃料通路下流側へ排出制御する複数の第1制御弁
    と、 前記第1蓄圧器内の高圧燃料よりも低圧の燃料を貯溜し
    前記第1制御弁より下流側の前記燃料通路に分岐通路を
    介して接続される第2蓄圧器と、 前記第2蓄圧器内の燃料を大気開放側へ排出し、前記第
    2蓄圧器内の燃料圧力を制御する第2制御弁と、 通常運転時に、前記燃料噴射ノズルの開弁期間の途中で
    前記第1制御弁を開弁させ、且つ前記燃料噴射ノズルの
    閉弁に合わせて前記第1制御弁を閉弁させる制御を行う
    とともに、前記複数の第1制御弁の少なくとも1つが故
    障したと判定したとき、又は前記第2制御弁が閉弁状態
    で故障したと判定したときに、前記燃料ポンプの吐出圧
    力を前記第2蓄圧器の許容圧力以下に設定する燃料制御
    手段とを有したことを特徴とする蓄圧式燃料噴射装置。
  2. 【請求項2】 燃料ポンプにより加圧された高圧の燃料
    を貯溜する第1蓄圧器と、 前記第1蓄圧器から各気筒に向かって延設される複数の
    燃料通路と、 前記燃料通路端部に接続され燃料を各気筒の燃焼室内に
    噴射する燃料噴射ノズルと、 前記各燃料通路に配置され前記第1蓄圧器内の高圧燃料
    を前記燃料通路下流側へ排出制御する複数の第1制御弁
    と、 前記第1蓄圧器内の高圧燃料よりも低圧の燃料を貯溜し
    前記第1制御弁より下流側の前記燃料通路に分岐通路を
    介して接続される第2蓄圧器と、 前記第2蓄圧器内の燃料を大気開放側へ排出し、前記第
    2蓄圧器内の燃料圧力を制御する第2制御弁と、前記分岐通路の前記第2蓄圧器の上流側に 配設された絞
    りと、 通常運転時に、前記燃料噴射ノズルの開弁期間の途中で
    前記第1制御弁を開弁させ、且つ前記燃料噴射ノズルの
    閉弁に合わせて前記第1制御弁を閉弁させる制御を行う
    とともに、前記第2制御弁が開弁状態で故障したと判定
    したときに、前記燃料ポンプの吐出圧力を前記第2蓄圧
    器の許容圧力以下に設定し、且つ前記第1制御弁の開弁
    時期を燃料噴射ノズルの開弁時期より前に設定する燃料
    制御手段とを有したことを特徴とする蓄圧式燃料噴射装
    置。
  3. 【請求項3】 燃料ポンプにより加圧された高圧の燃料
    を貯溜する第1蓄圧器と、 前記第1蓄圧器から各気筒に向かって延設される複数の
    燃料通路と、 前記燃料通路端部に接続され燃料を各気筒の燃焼室内に
    噴射する燃料噴射ノズルと、 前記各燃料通路に配置され前記第1蓄圧器内の高圧燃料
    を前記燃料通路下流側へ排出制御する複数の第1制御弁
    と、 前記第1蓄圧器内の高圧燃料よりも低圧の燃料を貯溜し
    前記第1制御弁より下流側の前記燃料通路に分岐通路を
    介して接続される第2蓄圧器と、 前記第2蓄圧器内の燃料を大気開放側へ排出し、前記第
    2蓄圧器内の燃料圧力を制御する第2制御弁と、 通常運転時に、前記燃料噴射ノズルの開弁期間の途中で
    前記第1制御弁を開弁させ、且つ前記燃料噴射ノズルの
    閉弁に合わせて前記第1制御弁を閉弁させる制御を行う
    とともに、前記複数の第1制御弁の少なくとも1つが開
    弁故障したと判定したとき、前記燃料ポンプの吐出圧力
    を前記第2蓄圧器の許容圧力以下に設定すると共に故障
    した第1制御弁以外の正常な第1制御弁の開弁時期を燃
    料噴射ノズルの開弁時期より前に設定する燃料制御手段
    を有したことを特徴とする蓄圧式燃料噴射装置。
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