以下、図1〜図14を用いて、本発明に係る車両用サスペンションシートの一実施形態について説明する。なお、図中矢印FRは車両前方向を示し、矢印UPは車両上方向を示し、矢印Wは車両幅方向(車両左右方向)を示している。また、本実施形態に係る車両用サスペンションシートの前後左右上下の方向性は、車両の方向性と一致している。以下の説明で使用する前後左右上下の方向性は、車両に対する方向性である。
図1〜図4に示すように、本実施形態に係る車両用サスペンションシート1は、乗員が着座するシート本体2と、当該シート本体2を上下動可能に支持するエアサスペンション式シート支持装置3(以下、シート支持装置3という)と、シート本体2とシート支持装置3との間に配置されたチルト機構4と、を備えている。上記シート支持装置3は、本願出願人の出願に係る特願2011−123190号の明細書に記載された車両用エアサスペンション式シート支持装置と基本的に同様の構成のものが採用されている。先ず、このシート支持装置3について説明する。なお、本実施形態の要部に関する説明は、段落[0064]以降である。
<シート支持装置3の構成>
(1)基本構成
図7はシート支持装置3の全体を示す斜視図であり、図8は平面図、図9は側面図である。このシート支持装置3は、シート本体2に着座する乗員の荷重をエアスプリング41で緩衝的に受けるエアサスペンション機構5と、このエアサスペンション機構5に組み込まれ、バルブ70によりエアスプリング41に対し給排気を行ってシート本体2の高さ位置を調節し、かつシート本体2の高さを一定に保持するハイト装置(シート高さ調節手段)50とを備えている。
エアサスペンション機構5は、互いに平行なロアフレーム10およびアッパフレーム20と、ロアフレーム10上にアッパフレーム20を上下動可能に支持するX型のリンク機構30と、エアスプリング41とを主体としている。アッパフレーム20上には、シート本体2のシートクッション200(図1〜図4参照)が設置される。アッパフレーム20とロアフレーム10との間には、アッパフレーム20が上方から受ける荷重を受ける上記エアスプリング41と、このエアスプリング41の振動を吸収する油圧シリンダ式のダンパ42が配設されている。
ロアフレーム10は、前後方向に延びる左右一対のレールメンバー11と、レールメンバー11の前端どうし、および後端どうしを連結する左右方向に延びる前後一対の横メンバー12とを備えている。ロアフレーム10は、図示しない車体フロア上に、シートレール15(図1〜図4参照)を介して前後方向に移動可能に支持されており、ロアフレーム10の下方から前方に延びるスライドレバー16(図1〜図4参照)を操作することにより、シート本体2の前後位置を調整することができるようになっている。また、アッパフレーム20は、前後方向に延びる左右一対のレールメンバー21と、各レールメンバー21の外側に配されシート本体2を保持する強度メンバー24と、レールメンバー21および強度メンバー24の前端どうし、および後端どうしを連結する左右方向に延びる前後一対の横メンバー22とを備えている。レールメンバー21の中間には、左右方向に延びる強度メンバー23が架け渡されて固定されている。
リンク機構30は、2本のリンクアーム31,32がリンク軸33を介してX状に組まれた左右一対のXリンク34と、前側の上下の可動軸36,38とを備えている。Xリンク34は、前上がりに傾斜するリンクアーム31と前下がりに傾斜するリンクアーム32の中間部がリンク軸33を介してX状に組まれ、リンク軸33を支点として相対回転可能とされたものである。左右のXリンク34はリンク軸33を共有しており、換言すると、1本のリンク軸33の両端部に、Xリンク34の2本のリンクアーム31,32がそれぞれ回転可能に支持されている。
図9に示すように、左右のXリンク34における前上がり側のリンクアーム31は、後端部が左右方向に延びる固定軸35を介してロアフレーム10の各レールメンバー11の後端部に回転可能に支持され、またこれと同様に、前下がり側のリンクアーム32は、後端部が左右方向に延びる固定軸37を介してアッパフレーム20の各レールメンバー21の後端部に回転可能に支持されている。アッパフレーム20側の固定軸37は、左右一対のレールメンバー21の後端部に架け渡されてこれらレールメンバー21に回転自在に支持されており、ロアフレーム10側の固定軸35は、左右一対のレールメンバー11の後端部に架け渡されて回転自在に支持されている。
一方、各リンクアーム31,32の前端部は、可動軸36,38を介して、それぞれアッパフレーム20およびロアフレーム10の各レールメンバー21,11に沿って前後方向に移動可能に支持されている。アッパフレーム20側の可動軸36は、左右一対のレールメンバー21の前端部に架け渡され、両端部に装着された転動ローラ36aを介してレールメンバー21に沿って前後方向に移動可能に支持されている。また、ロアフレーム10側の可動軸38は、左右一対のレールメンバー11の前端部に架け渡され、両端部に装着された転動ローラ38aを介してレールメンバー11に沿って前後方向に移動可能に支持されている。
リンク機構33によれば、ロアフレーム10側の固定軸35を支点として左右のXリンク34が同期して伸縮し、伸縮に伴ってアッパフレーム20が昇降する。すなわち、リンクアーム31,32が開くようにして立ち上がるとXリンク34が上方に伸張してアッパフレーム20が上昇し、逆に、リンクアーム31,32が閉じるように折り畳まれるとXリンク34が下方に縮小してアッパフレーム20が下降する。このようにリンク機構33が作動してアッパフレーム20が上昇する際には、各リンクアーム31,32の前端部は可動軸36,38とともに後方の固定軸37,35にそれぞれ接近し、縮小してアッパフレーム20が下降する際には、各リンクアーム31,32の前端部は可動軸36,38とともに固定軸37,35から離間する。
上記エアスプリング41は、ロアフレーム10内の後側のスペースに配置されており、その上端部が、左右の前上がり側のリンクアーム31間にわたって固定されリンク機構33の作動に伴って昇降する受圧板13に固定されている。エアスプリング41には、例えば車両のエアブレーキ装置を構成するエアコンプレッサ(空気供給源)から圧縮空気が供給されるようになっている。エアスプリング41は、空気が供給されると上方に膨出し、排気されると下方に縮小する。
アッパフレーム20上に設置されたシート本体2に着座する乗員の荷重は、受圧板13を介してエアスプリング41で受けられ、ダンパ42の振動吸収作用とともに緩衝される。また、エアスプリング41は、空気が供給されると上方に膨出し、これによりアッパフレーム20が上昇してシート本体2が高く調整され、排気されると下方に縮小し、これによりアッパフレーム20が下降してシート本体2が低く調整される。
上記ハイト装置50は、バルブ70により、上記空気供給源から送られる空気をエアスプリング41に供給したり、エアスプリング41内の空気を排出したりするものである。バルブ70が給気状態になってエアスプリング41に空気が供給されるとアッパフレーム20が上昇させられ、シート本体2が上昇するようになっている。また、バルブ70が排気状態になると、シート本体2に着座する乗員の荷重によりエアスプリング41から空気が排出され、これによりシート本体2が下降するようになっている。
以上が、シート支持装置3の基本構成である。このシート支持装置3においては、アッパフレーム20内の前側のスペースに、バルブ70の開閉によってシート高さを調節するハイト装置50が配設されている。以下、このハイト装置50について説明する。
(2)ハィト装置
図10に示すように、ハイト装置50は、アッパフレーム20の前部下方に配設されたバルブフレーム51を有している。このバルブフレーム51は全体が前後方向に長い平面視長方形状で、前上がり側のリンクアーム31の前端間に架け渡された上側の可動軸(以下、上側可動軸36)の下方に水平に配されている。バルブフレーム51は、下板51Aの上方にスペースを空けて上板51Bが平行に組み合わされて互いに固定されたもので、上板51Bの前端部がアッパフレーム20の前側の横メンバー22に固定され、上板51Bの後端部がブラケット52を介して強度メンバー23に固定されている。上板51Bの幅方向中央には、長手方向の中央から後端にわたって前後方向に延びる長孔51bが形成されている。
上記バルブ70は、バルブフレーム51の内部、すなわち下板51Aと上板51Bとの間のスペースの後部に配されている。バルブ70は、図11〜図13に示すように直方体状の筺体71を有しており、筺体71の内部には、図13に示すように給気弁72および排気弁73が前後に配列されている。図11に示すように、バルブ70の筺体71は、バルブフレーム51に設けられた前後方向に延びるガイドロッド53に沿って前後方向に移動可能となっており、かつ、ガイドロッド53に外装された圧縮コイルばね53aによって常に前方に付勢されている。
バルブ70の右側(図13で上側)の側面の前側(図13で左側)には、給気弁72を開く給気弁棒72Aが突出しており、後側には、排気弁73を開く排気弁棒73Aが突出している。これら弁棒72A,73Aは常に右側に突出する方向に付勢されており、付勢力に抗して内部方向に押し込まれることによって給気弁72および排気弁73は開状態となる。また、バルブ70の左側の側面(図13で下側)の前側には、上記空気供給源から圧縮空気をバルブ70内に導入する配管が接続される給気口72Bが設けられており、後側には、空気を排出して上記エアスプリング41に空気を送出する配管が接続される排気口73Bが設けられている。
バルブ70の筐体71上には、軸線が上下方向に延びる第1カム軸55aを介して第1カム(カム部材)55が回転可能に支持されている。第1カム55は、図13(c)に示すように前後対称の形状であって、第1カム軸55aを中心にして前方および後方に延びる前後の翼部55cと、第1カム軸55aの右側に突出するカム部55dとを有している。前後の翼部55cは、前方および後方に向かうにしたがって斜め左側に延びている。これら翼部55cの基端部には、上下方向および左側に開放する円弧状の凹部55eが形成されており、この凹部55eに、上下方向に延びる位置伝達ピン(位置伝達部材)56が係脱可能に係合するようになっている。カム部55dの先端は、円弧状の曲面に形成されている。
位置伝達ピン56は、バルブフレーム51上に前後方向に沿って移動可能に支持されたスライダ57に貫通して下端部がスライダ57の下面から突出している。位置伝達ピン56は、上端に一体に形成されたボルト部がスライダ57にねじ込まれることにより、スライダ57に固定されている。
バルブフレーム51の上板51Bの左右両側には、前後方向に延びるガイド壁部58Aと折り曲げ部58Bとがそれぞれ設けられ、スライダ57は、これらガイド壁部58Aと折り曲げ部58Bにガイドされて前後方向に移動可能に支持されている。スライダ57の上面の、位置伝達ピン56の前方には、上方に開放して左右方向に延びる溝57bが形成されており、この溝57bに、上記リンク機構33の上側可動軸36が回転摺動自在に嵌め込まれて連結されている。
溝57bの深さは、上側可動軸36が確実に嵌め込まれるように上側可動軸36の半径よりも長い寸法を有するものとなっており、また、溝57bの底面と上側可動軸36との問には、上下方向の寸法誤差等を吸収するための隙間が形成される。図示例では溝57bの底面は上側可動軸36の外周面に沿った湾曲面に形成されているが、底面形状はこれに限られず、例えば水平な平面であってもよい。また、溝57bの幅は、上側可動軸36が嵌め込まれることが可能な寸法であることは勿論であるが、上側可動軸36の前後移動がダイレクトにスライダ57に伝達させることができる観点から、上側可動軸36の直径と同等で、上側可動軸36の外周面が溝57bの前後の内面と隙闌なく接触する状態が達成され得る寸法が望ましい。
上記のように溝57bに上側可動軸36が嵌め込まれることにより、エアサスペンション機構5が伸張・縮小するとスライダ57および位置伝達ピン56は上側可動軸36と一体に前後移動する。エアサスペンション機構5が伸張・縮小する際には、上側可動軸36はスライダ57の溝57b内である程度回転する。位置伝達ピン56が前後移動すると、第1カム55は位置伝達ピン56に押し引きされて図13に示すように第1カム軸55aを支点として回転する。第1カム55は図13(c)に示すようにカム部55dが左右方向に平行で前後対称の時が中立状態とされる。
図13に示すように、バルブ70の筺体71上における各弁棒72A,73Aの間には、第1カム軸55aと前後方向の位置が同じであって軸線が上下方向に延びる第2カム軸59aを介して、第2カム59(カム部材)が回転可能に支持されている。この第2カム59は前後対称な形状であって、第2カム軸59aの両側(前後)に、各弁棒72A,73Aの先端に対向し、かつ第2カム59の回転に応じて各弁棒72A,73Aを押す押し部59cがそれぞれ形成されている。
第2カム59の左側(図13で下側)の端部には、第1カム55のカム部55dの先端が摺動可能に嵌合する円弧状の凹部59bが形成されている。第1カム55が、図13(c)に示す中立状態の時には第2カム59も中立状態となり、この時、前後の押し部59cは突出状態の各弁棒72A,73Aの先端に接触するのみの状態となる。そして、第1カム55が中立状態から図13で時計回りに回転すると、図13(b)に示すようにカム部55dに押されて第2カム59が第2カム軸59aを支点に反転させられ、給気弁棒72Aが押し部59cに押されてバルブ70は給気状態となる。また、第1カム55が中立状態から反時計回りに回転すると、図13(d)に示すようにカム部55dによって第2カム59が逆方向に反転させられ、排気弁棒73Aが押し部59cに押されてバルブ70は排気状態となる。
図11および図12に示すように、バルブ70の筺体71の左側(図11および図12で下側)の前部には係止片71aが形成されており、この係止片71aに、後方に延びるケーブル81が係止されている。このケーブル81が引っ張られるとバルブ70は圧縮コイルばね53aに抗して後方に動かされ、ケーブル81を引っ張る力を緩めると圧縮コイルばね53aによってバルブ70は前方に移動する。ケーブル81の操作は、アッパフレーム20の右側の強度メンバー24に取り付けられた図7および図8に示すレバー(操作部〉61を乗員が操作することによってなされる。レバー61には、押したり引いたりする回動操作を停止した位置で回動を停止させるブレーキ機構が設けられており、レバー61の操作を停止するとケーブル81が固定されてバルブ70の前後移動が停止するようになされている。
このようにケーブル81によってバルブ70が前後移動することによっても、バルブ70は給気や排気の状態になる。すなわち、バルブ70が前方に移動すると、第1カム軸55aが前方に移動するため第1カム55が図13(d)に示すように反時計回りに回転し、反転した第2カム59の押し部59cで排気弁棒73Aが押されてバルブ70は排気状態となる。また、バルブ70が後方に移動すると、第1カム軸55aが後方に移動するため第1カム55が図13(b)に示すように時計回りに回転し、反転した第2カム59の押し部59cで給気弁棒72Aが押されてバルブ70は給気状態となる。
上記のように位置伝達ピン56はバルブ70に対し前後方向に相対的に移動し、これによって第1カム55を介して第2カム59が回転してバルブ70が開閉する。位置伝達ピン56は、図13(a)、(e)に示すようにバルブ70に対して前後に大きく相対移動した時には第1カム55の凹部55eから抜け出て第1カム55の翼部55cの左側面である空走面55fを摺動する。この時、空走面55fは前後方向にほぼ沿った状態となって第1カム55は回転せず、したがって第2カム59によるそれ以上の各弁棒72A,73Aの押し動作は起こらないようになっている。
図11および図12に示すように、バルブ70の筺体71の後端部にはステー部71cが突設されており、このステー部71c上に、バルブフレーム51の上板51Bの上方に配される円板ギヤ54が、軸線が上下方向に延びる回転軸54aを介して回転自在に支持されている。円板ギヤ54は上記ガイド壁部58Aと折り曲げ部58Bとの間に配されており、左側のガイド壁部58Aの内面に形成された前後方向に延びるラックギヤ58aに噛み合っている。円板ギヤ54はバルブ70と一体に前後移動し、前後移動する時には外周面の歯がラックギヤ58aに噛み合うことにより転動ずる。
上側可動軸36が嵌合し、位置伝達ピン56が固定されたスライダ57は、円板ギヤ54の前方に配されており、スライダ57の後端には、円板ギヤ54の歯に噛合可能な左右方向に延びるラック状のロックギヤ57aが設けられている。
図12(a),(b)に示すように、ロックギヤ57aと円板ギヤ54との間には上側可動軸36の前後方向の位置に応じた所定の間隙が空くように設定されているが、エアサスペンション機構5が急激に伸張した場合には、上側可動軸36が急激に後退してスライダ57のロックギヤ57aが円板ギヤ54に噛み合う。すると、回転する円板ギヤ54の回転力がロックギヤ57aからスライダ57に伝わり、スライダ57は折り曲げ部58Bによって阻止される。これにより、スライダ57の後退が規制され、上側可動軸36の後退も規制される。その結果、エアサスペンション機構5がロックし、それ以上のシート本体2の上昇が抑えられるようになっている。
本実施形態では、バルブフレーム51と、このバルブフレーム51に組み込まれたバルブ70、スライダ57、第1カム55、第2カム59、円板ギヤ54を主体として、ハイト装置50が構成されている。続いて、このハイト装置50の作用を説明する。
(3)ハイト装置の機能
ハイト装置50によると、シート本体2を所望の高さに設定することができる“シート高さ設定機能"と、シート本体2の高さが自動的に一定高さに保たれる“シート高さ一定機能"を有している。
(3−1)シート高さ設定機能
シート高さ設定機能は、レバー61を押したり引いたりして操作し、ケーブル81を介してバルブ70を前後方向に移動させる(操作する)ことにより実行させることができる。すなわち、レバー61を引くと、ケーブル81が引っ張られてバルブ70が後方に移動させられる。これにより第1カム軸55aが後方に移動し、第1カム55が図13(b)に示すように時計回りに回転して反転した第2カム59の押し部59cで給気弁棒72Aが押され、バルブ70が給気状態となる。バルブ70が給気状態になるとエアスプリング41に空気が供給され、エアサスペンション機構5が上方に伸張してシート本体2が上昇する。レバー61の引き操作を止めると、シート本体2はその時の高さに保持される。
一方、シート本体2を低くしたい時にはレバー61を押してケーブル81による引っ張りカを緩める。すると、バルブ70が圧縮コイルばね53aによって前方に移動させられる。これにより第1カム軸55aが前方に移動し、第1カム55が図13(d)に示すように反時計回りに回転して反転した第2カム59の押し部59cで排気弁棒73Aが押され、バルブ70が排気状態となる。バルブ70が排気状態になるとエアスプリング41内の空気がバルブ70から排出され、エアサスペンション機構5が下方に縮小してシート本体2が下降する。レバー61の回転操作を止めると、シート本体2はその時の高さに保持される。
(3−2)シート高さ一定機能
次に、シート高さ一定機能は、シート本体2に乗員が着座した状態でシート本体2が一定高さに保たれる機能である。すなわち、シート本体2に乗員が着座すると、アッパフレーム20から下方に荷重を受けたエアサスペンション機構5が下方に縮小し、これに伴って上側可動軸36が前進する。すると、上側可動軸36にスライダ57を介して連結されている位置伝達ピン56も前進する。
位置伝達ピン56が前進すると、図13(b)に示すように第1カム55が中立状態から時計回りに回転し、カム部55dで押された第2カム59が第2カム軸59aを支点に反転させられ、給気弁棒72Aが押し部59cに押されてバルブ70が給気状態となる。これによりエアスプリング41に空気が供給され、エアサスペンション機構5が伸張してシート本体2が上昇する。
シート本体2が上昇したら上側可動軸36は後退し、今度は逆に図13(d)に示すように位置伝達ピン56で後方に押された第1カム55が反時計回りに回転する。これにより反転した第2カム59の押し部59cで排気弁棒73Aが押されて排気状態となり、エアスプリング41内の空気はバルブ70から排出され、エアサスペンション機構5が下方に縮小してシート本体2が下降する。
このようにエアサスペンション機構5の伸縮に追従してエアスプリング41に対する空気の供給/排出が繰り返されることにより、シート本体2は上下に振動しながら自動的に一定高さに保たれる。シート本体2が一定高さに保たれている時には、図7(c)に示すように第1カム55は中立となってエアスプリング41に対する給排気はほとんど行われない状態となる。
また、シート本体2から乗員が立ち上がって負荷が無くなった時、エアスプリング41の力でエアサスペンション機構5は上方に伸張してシート本体2が上昇するが、スライダ57のロックギヤ57aが円板ギヤ54に噛合することによりシート本体2の上昇高さが規制される。このため、シート本体2から乗員が立ち上がる際に急激にシート本体2が上昇して乗員に当たるといった不快な動きが防止される。
<シート本体2の構成>
次に、シート本体2の構成について説明する。図1〜図4に示すように、シート本体2は、乗員の臀部及び大腿部を支持するシートクッション200と、乗員の背部を支持するシートバック202と、によって構成されている。シートバック202は、骨格部材である金属製のシートバックフレーム204を備えており、当該シートバックフレーム204には、シートカバーによって覆われたシートバックパッド(何れも図示省略)が支持されている。
シートバックフレーム204の下端側におけるシート幅方向両外側には、左右一対の連結ブラケット206が配置されている。これらの連結ブラケット206は、板金材料によって形成されており、長手方向が略上下方向に沿う状態で配置されている。なお、本実施形態では、周辺部材との関係で連結ブラケット206の形状が左右で若干異なっている。
シート左側の連結ブラケット206(図1及び図2参照)は、下端部が図示しないボルト及びナットによってシート左側の強度メンバー24の後端部に締結固定されている。シート右側の連結ブラケット206(図3参照)は、下端部がボルト207及び図示しないナットによってシート右側の強度メンバー24の後端部に締結固定されている。また、左右の連結ブラケット206の上端部には、ボルト209(図1参照)及び図示しないナットによってシートバックフレーム204の下端部が連結されており、シートバックフレーム204とシート右側の連結ブラケット206との間には、図示しないリクライニング機構が配設されている。また、図1及び図2に示すように、シート左方側の連結ブラケット206のシート幅方向外側には、車両用シートベルト装置の構成部材であるバックル208が配置されている。このバックル208は、ボルト211及び図示しないナットによって、連結ブラケット206の下端部に締結されている。
一方、シートクッション200は、シート支持装置3の上方に配置されており、骨格部材である金属製のパンフレーム210を備えている。このパンフレーム210は、板金材料によって略角皿状に形成されており、発泡体等からなるシートクッションパッド212を下方側から支持している。このシートクッションパッド212には、図示しないシートカバーが被せられている。
上記パンフレーム210に対応してアッパフレーム20の後部側には、左右一対の上方延出部214(図1〜4,7〜9参照)が設けられている。これらの上方延出部214は、アッパフレーム20の左右の強度メンバー24から上方側へ延びており、上部側に円形の軸受孔216(図4,7,9参照)が形成されている。これらの軸受孔216には、樹脂等からなるブッシュ218(図4,7〜9以外では図示省略)が嵌入されている。パンフレーム210の後部は、左右の上方延出部214における上部間に配置されており、左右の軸受孔216にシート幅方向外側から挿入された左右一対の段付ボルト220(連結軸:以下、単にボルト220という)がパンフレーム210の後部側におけるシート幅方向両端部に溶接されたウェルドナット(図示省略)に螺合している。これにより、パンフレーム210の後部が左右のボルト220を介してアッパフレーム20の後部に連結されている。各ボルト220は、軸線方向がシート幅方向に沿う状態で同軸的に配置されており、パンフレーム210すなわちシートクッション200は、左右のボルト220回りに回転可能とされている。
<チルト機構4の構成>
次に、チルト機構4の構成について説明する。チルト機構4は、パンフレーム210の前端部とアッパフレーム20の前端部との間に配置されており、図3〜図5に示すように入力部222と機構部224とによって構成されている。機構部224は、アッパフレーム20の前端部におけるシート幅方向両端側にそれぞれ取り付けられた左右一対の取付ブラケット226を備えている。これらの取付ブラケット226は、板金材料によって略矩形の板状に形成されており、板厚方向がシート幅方向に沿う状態でアッパフレーム20のシート幅方向外側に配置されている。各取付ブラケット226には、一対の貫通孔228(円孔)が形成されており、これらの貫通孔228には、シート幅方向外側からボルト230が挿入されている。これらのボルト230は、アッパフレーム20の強度メンバー24の前端部に形成された一対の貫通孔232(図4及び図5参照)に挿入されると共に、強度メンバー24のシート幅方向内側面に溶接されたウェルドナット234(図5,7,8参照)に螺合している。これにより、取付ブラケット226は、下部側が強度メンバー24のシート幅方向外側面に当接した状態で強度メンバー24に締結されている。
左右の取付ブラケット226の上部側間には、回転部材としての長尺な円柱状のロッド236が掛け渡されている。このロッド236は、軸線方向がシート幅方向に沿う状態で配置されている。このロッド236の軸線方向両端部には、軸線方向中央側よりも小径な小径部236Aが形成されている。これらの小径部236Aは、左右の取付ブラケット226の上部側に形成された円形の軸受孔237に挿入されており、抜止部材238(例えばEリング)によって抜け止めがなされている。これにより、ロッド236は、左右の取付ブラケット226によってシート幅方向に沿った軸線回りに回転可能に支持されている。また、このロッド236は、左右の小径部236Aの長さ寸法が異なって設定されており、左右の取付ブラケット226のうちの一方(ここでは、シート左側に配置された取付ブラケット226)に対して、所定の範囲内(例えば、数ミリ程度の範囲内)で軸線方向に相対移動可能とされている。
また、ロッド236の軸線方向両端側には、それぞれロッド236の半径方向外側へ延びる左右一対のアーム部240が一体的に設けられている。これらのアーム部240は、板金材料によって形成されており、基端側がロッド236の外周面に溶接されている。これらのアーム部240は、左右一対のリンク部材242に対応している。左右のリンク部材242は、板金材料によって形成されており、一端側がアーム部240の先端側に円柱状のピン244によって回転可能に連結されている。これらのリンク部材242は、シートクッション200のパンフレーム210側に設けられた左右一対の連結金具246に対応している。
左右の連結金具246は、パンフレーム210の下面に図示しないボルト247(図4参照)及び図示しないナットによって締結された締結部246Aと、締結部246Aのシート幅方向外側端部から下方側へ延出された連結部246Bとを有しており、断面L字状に形成されている。各連結金具246の連結部246Bには、リンク部材242の他端側が円柱状のピン248によって回転可能に連結されている。上記のピン244、248は、軸線方向がシート幅方向に沿う状態で配置されており、各リンク部材242は、ロッド236及びパンフレーム210のそれぞれに対してシート幅方向に沿った軸線回りに回転可能とされている。
さらに、ロッド236の軸線方向一端側(シート右側)には、ドリブンギヤ250が設けられている。このドリブンギヤ250は、シート右側の取付ブラケット226に対してシート幅方向内側に近接して配置されており、基端側が溶接等の手段によってロッド236に固定されている。このドリブンギヤ250は、入力部222のピニオン262に対応している。
図6に示すように、入力部222は、シート右側の取付ブラケット226におけるシート幅方向外側に配置されたケース252を備えている。ケース252は、取付ブラケット226側が開口した有底円筒状に形成されており、開口側に設けられた複数の締結片が取付ブラケット226にネジ止めされている。このケース252の内部には、ブレーキ機構を構成するトーションスプリング254が収容されている。トーションスプリング254は、外周部をケース252の内周面に圧接させた状態で配置されており、ケース252との間に生じる摩擦力によってケース252に対する相対回転を規制されている。このトーションスプリング254の内側には、コア256と一体とされた円柱状のハンドル軸258が同軸的に配置されている。ハンドル軸258は、軸線方向一端側(コア256と反対側)がケース252の底壁に形成された軸受孔に回転可能に軸支されている。ケース252の外側に突出したハンドル軸258の軸線方向一端部には、セレーションが形成されており、操作ハンドル260(操作部)が相対回転不能に取り付けられている。
また、コア256には、切欠き256Aが形成されており、当該切欠き256Aの側端部256B、256Cがトーションスプリング254の両端に形成されたフック部254A、254Bと当接可能とされている。このコア256におけるハンドル軸258とは反対側の端部には、円柱状の支持軸256Dが同軸的かつ一体的に設けられており、当該支持軸256Dには、ピニオン262が回転可能に支持されている。このピニオン262の外周側には、コア256側へ延出されてフック部254A、254B間に配置された爪部262Aが設けられている。また、このピニオン262は、ピニオン刃が形成された本体部がシート右側の取付ブラケット226に形成された円形の貫通孔264を貫通して当該取付ブラケット226のシート幅方向内側へ突出している。このピニオン262は、図4に示すように、前述したドリブンギヤ250のギヤ部と噛み合っている。
ここで、前述した操作ハンドル260が回転操作されると、その回転方向で定まる何れかのフック部254A若しくは254Bに、コア256の側端部256B若しくは256Cが当接し、それを巻き込んでトーションスプリング254の外径が縮小する。これにより、ケース252へのトーションスプリング254の圧接が解除され、トーションスプリング254がコア256と共に回転し、コア256の側端部256B、256Cがピニオン262の爪部262Aを押してピニオン262が回転する。ピニオン262が回転すると、ピニオン262の回転力(トルク)がドリブンギヤ250に入力され、ドリブンギヤ250がロッド236の軸線回り一方又は軸線回り他方へ揺動する。これにより、ロッド236がアーム部240と共に回転され、アーム部240とパンフレーム210の連結金具246との間に掛け渡されたリンク部材242がリンク動作を行って、パンフレーム210の前部側すなわちシートクッション200の前部側がアッパフレーム20に対して左右のボルト220回りに上下動(昇降)する。これにより、シートクッション200の前部側の高さ位置(すなわちシートクッション200の傾斜角度)が調節される。
一方、操作ハンドル260の操作が解除されると、トーションスプリング254の外径が拡大し、トーションスプリング254の外周部が再びケース252の内周面に圧接される。この状態では、ケース252に対するトーションスプリング254の相対回転が規制されると共に、トーションスプリング254に対するピニオン262の相対回転が制限される。これにより、ドリブンギヤ250及びロッド236の回転が制限され、シートクッション200が上記調節後の位置に保持されるようになっている。
<本実施形態の作用及び効果>
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
上記構成の車両用サスペンションシート1では、シート本体2におけるパンフレーム210の後部側が、シート支持装置3におけるアッパフレーム20の後部側に対して、軸線方向がシート幅方向に沿ったボルト220回りに回転可能に連結されている。また、パンフレーム210の前部側とアッパフレーム20の前部側との間には、チルト機構4が設けられている。このチルト機構4の操作ハンドル260が回転操作されると、チルト機構4の機構部224によってパンフレーム210の前部側がアッパフレーム20の前部側に対して左右のボルト220回りに上下動される。これにより、シートクッション200の前部側の高さ位置を調節することができる。
ここで、本実施形態では、上述の如くパンフレーム210の後部側が左右のボルト220(連結軸)を介してシート支持装置3のアッパフレーム20の後部側に回転可能に連結されており、これらのボルト220がシートクッション200の回転中心とされている。このため、チルト機構4は、単にシートクッション200の前部側をアッパフレーム20に対してボルト220回りに上下動させることができるものであればよいため、図1〜図5に示すように構造が単純化されて小型化されている。つまり、本実施形態に係るチルト機構4は、背景技術の欄で説明したチルト機構のようにシートクッションフレームの左右の側板部(サイドフレーム)に組み込まれた複雑かつ重たい構成ではなく、上記サイドフレームが省略され、小型軽量な左右の取付ブラケット226に組み付けられた単純かつ小型な構成とされている。したがって、本車両用サスペンションシート1では、チルト機構4を備えた構成であっても、構造の単純化及び軽量化を図ることができると共に、コストの増加を抑制することができる。
しかも、この車両用サスペンションシート1では、シートクッション200のパンフレーム210が直接的にアッパフレーム20に連結されており、シートクッション200の骨格がパンフレーム210のみによって構成されている。これにより、大幅な軽量化を図ることができる。
また、この車両用サスペンションシート1では、シートバックフレーム204の下端部が、連結ブラケット206を介してシート支持装置3のアッパフレーム20の後端部に連結されている。このように、シートバックフレーム204の下端部がシートクッション200側に連結された構成ではないため、シートクッション200の骨格がパンフレーム210のみによって構成されていても、シートバックフレーム204をシート支持装置3側で強固に支持することができる。
さらに、チルト機構4の機構部224は、シート幅方向に延びるロッド236の回転力をリンク部材242を介してシートクッション200に伝達する構成であるため、シート前後方向に沿ったチルト機構4の大きさを小さく設定することができる。これにより、シートクッション200の前部側とアッパフレーム20の前端部との間にチルト機構4をコンパクトに配設することができる。しかも、このチルト機構4では、取付ブラケット226以外は、既存の部品を流用することができるので、極めて安価に製造することができる。
また、上述のロッド236は、一方の取付ブラケット226に対して所定の範囲内で軸線方向に相対移動可能とされている。このため、ロッド236が組み付けられた一対の取付ブラケット226をシート支持装置3のアッパフレーム20に取り付ける際には、一方の取付ブラケット226をロッド236の軸線方向に相対移動させることにより、アッパフレーム20におけるシート幅方向の寸法バラツキを吸収することができる。これにより、本車両用サスペンションシート1の製造作業を容易なものにすることができる。
また、本実施形態では、アッパフレーム20の後部側におけるシート幅方向両端側には、左右のボルト220を介してパンフレーム210の後部側が連結された左右の上方延出部214が設けられている。これらの上方延出部214は、アッパフレーム20から上方側へ延出されているため、これらの上方延出部214の高さ寸法を適宜設定変更することにより、車種の変更等に伴うシートクッション200の配置高さの変更に容易に対応することができる。
さらに、本実施形態では、チルト機構4は、取付ブラケット226に形成された貫通孔228にシート幅方向外側から挿入されたボルト230が、シート支持装置3のアッパフレーム20に溶接されたウェルドナット234に螺合されることによりアッパフレーム20に締結される。また、シートクッション200は、連結軸としてのボルト220が、アッパフレーム20の上方延出部214に形成された軸受孔216にシート幅方向外側から挿入されてパンフレーム210に溶接された図示しないウェルドナットに螺合することによりアッパフレーム20の後部側に連結される。このように、チルト機構4の締結用のボルト230及び連結軸としてのボルト220の挿入方向が統一されているため、本車両用サスペンションシート1の製造時における作業者の移動量を少なくすることができる。これにより、製造作業を一層容易なものにすることができる。
また、本実施形態では、シート支持装置3に設けられたハイト装置50のバルブ70をレバー61により操作してエアスプリング41に対する空気の供給・排出を行うことにより、ロアフレーム10に対するアッパフレームの高さ位置を調節することができる。これにより、アッパフレーム20に連結されたシート本体2の高さ位置を調節することができる(所謂ハイト機構と同様の機能)。これにより、乗員の快適性をより一層向上させることができる。しかも、シート支持装置3に既設されたハイト装置50のバルブ70の操作によってハイト機構と同様の機能を実現することができるので、コストや質量の増加を抑制しつつ、高機能な車両用サスペンションシートを提供することができる。
なお、従来は、車両用サスペンションシートにチルト機構及びハイト機構を追加する場合、図14に示すように、チルト機構300及びハイト機構302が一体的に組み込まれた枠体状のシートクッションフレーム304をパンフレーム210とシート支持装置(図14では図示省略)との間に配設することが行われていた(なお、図14では本実施形態と基本的に同様の構成については、本実施形態と同符号を付してある)。このような構成の場合、質量が大きいシートクッションフレーム304が追加されることにより、車両用サスペンションシートの質量が大幅に増加すると共に、ハイト機構302のリンク構造が複雑になるが、本実施形態では、上述の如き構成によりこれを回避することができる。
<実施形態の補足説明>
上記実施形態では、エアサスペンション式シート支持装置3のハイト装置50が、シート高さ設定機能を備えた構成にしたが、これに限らず、シート高さ設定機能が省略された構成にしてもよい。また、シート支持装置は、エアサスペンション式に限るものではなく、通常のスプリング(弾性部材)によってアッパフレームを弾性的に支持する構成のものでもよい。
また、上記実施形態では、シートクッション200の後部側がアッパフレーム20の後部側に設けられた上方延出部214に連結された構成にしたが、これに限らず、シートクッションの後部側とアッパフレームの後部側との連結構造は適宜変更することができるものであり、上方延出部214が省略された構成にしてもよい。
また、上記実施形態では、チルト機構4の取付ブラケット226をアッパフレーム20に締結するためのボルト230、及び連結軸としてのボルト220の挿入方向が統一された構成にしたが、これに限らず、上記各ボルトの挿入方向は適宜変更することができる。
また、上記実施形態では、ロッド236が一方の取付ブラケット226に対して所定の範囲内で軸線方向に相対移動可能とされた構成にしたが、これに限らず、当該相対移動が規制された構成にしてもよい。
また、上記実施形態では、チルト機構4の機構部224が、左右一対の取付ブラケット226、ロッド236及びリンク部材242を含んで構成された場合について説明したが、これに限らず、チルト機構の構成は適宜変更することができる。例えば、ネジを回転させることによりシートクッションを上下動させるようなチルト機構を採用してもよい。
また、上記実施形態では、チルト機構4の入力部222に設けられた操作ハンドル260が回転操作される構成にしたが、これに限らず、モータの駆動力が入力部に入力されることにより機構部が駆動される構成(電動チルト機構)にしてもよい。
また、上記実施形態では、シートクッション200の骨格がパンフレーム210のみによって構成された場合について説明したが、これに限らず、シートクッション200の骨格(フレーム)の構成は適宜変更することができる。
さらに、上記実施形態では、アッパフレーム20の後端部に固定された連結ブラケット206にシートバック202が連結された構成にしたが、これに限らず、シートバックがシートクッションのフレームに連結された構成にしてもよい。
その他、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施できる。また、本発明の権利範囲が上記各実施形態に限定されないことはいうまでもない。