JP5486373B2 - 乗物用シート - Google Patents

乗物用シート Download PDF

Info

Publication number
JP5486373B2
JP5486373B2 JP2010074369A JP2010074369A JP5486373B2 JP 5486373 B2 JP5486373 B2 JP 5486373B2 JP 2010074369 A JP2010074369 A JP 2010074369A JP 2010074369 A JP2010074369 A JP 2010074369A JP 5486373 B2 JP5486373 B2 JP 5486373B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
damper
shaft
vehicle seat
seating
rotation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2010074369A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011207257A (ja
Inventor
大祐 荻野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TS Tech Co Ltd
Original Assignee
TS Tech Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TS Tech Co Ltd filed Critical TS Tech Co Ltd
Priority to JP2010074369A priority Critical patent/JP5486373B2/ja
Publication of JP2011207257A publication Critical patent/JP2011207257A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5486373B2 publication Critical patent/JP5486373B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Seats For Vehicles (AREA)

Description

本発明は、車両用シートなどの乗物用シートに関し、特に、着座部が乗物本体に対し回動可能な乗物用シートに関する。
乗物用シート、特に車両用シートにおいては、乗物内で移動させることにより乗車や収納などの使い勝手を変更するように設置されていることがある。シートレイアウトの変更形態は、これまで多様なものがあり、例えば、特許文献1に開示されたように、着座部が回動部材(21c)を介して車両の床に連結され、前方へ起こし上げて収納状態に移動できるものが知られている。
そして、特許文献1に記載の車両用シートでは、回動部材(21c)が車両の床に結合される支点に粘性ダンパー(24)が設けられ、シートを起こし上げる際にゆっくりと動作するようになっている。
特開2007−216704号公報(図1〜図4)
しかし、特許文献1の車両用シートでは、シートの着座部が起こし上げられる回動支点にダンパが設けられているため、回動支点の周囲のスペースが無い場合や、回動支点が移動可能な場合などは、ダンパを設けるのが困難である。また、車両の床に近いため砂埃などの影響を受けやすいという問題がある。
そこで、本発明は、上記のような不都合を解消してダンパの設置の自由度を向上した乗物用シートを提供することを目的とする。
前記した課題を解決するため、本発明は、乗物本体に対し、回動軸回りに着座部が回動することにより着座部を起こし上げることが可能な乗物用シートであって、所定の抵抗力をもって相対的に回転可能な第1部分および第2部分を有するダンパと、前記第1部分と前記第2部分の一方を前記着座部に係止する固定部と、前記第1部分と前記第2部分の他方に固定された減衰回転軸とを備え、前記減衰回転軸は、前記回動軸から離れて配置され、前記回動軸回りの前記着座部の回動を前記着座部に対する前記減衰回転軸の回転に変換する変換機構を備えることを特徴とする。
このような構成によれば、ダンパの第1部分および第2部分の他方に固定される減衰回転軸は、シートの着座部が回動する回動軸から離れて配置されており、回動軸回りの着座部の回動は、変換機構により減衰回転軸の回転に変換されるので、回動軸の周囲に十分なスペースが無かったとしても、ダンパを配置することができる。このようにダンパの設置位置について設計の自由度が増すので、ダンパの大きさの選択にも余裕ができ、ダンパの容量を十分大きく取ることも可能である。また、回動軸から離れてダンパが設置されることで、砂埃などの塵埃の影響も受けにくい。この観点からは、減衰回転軸は、回動軸より上方に離れて配置されるのが望ましい。このようにすれば、塵埃の影響をより受けにくくしてダンパの作動を安定させることができる。
前記した乗物用シートにおいては、前記着座部を前記乗物本体の床上で支持するための脚部をさらに備え、前記回動軸は、前記脚部における前記着座部の前縁の下方において左右方向に延びるように配置され、前記減衰回転軸は、前記着座部の側部に配置されたサイドメンバにおいて前記回動軸より上で回転可能に支持された構成とすることができる。
このような構成によれば、脚部における着座部の前縁下方の回動軸を中心に着座部を前方へ起こすタンブル動作が可能な乗物用シートにおいて、ダンパを脚部の下方から離して上部に設けることで、比較的スペースに余裕を持ってダンパを配置可能である。また、乗物の床からダンパが上方に離れることで、塵埃の影響を受けにくくなる。
前記した各乗物用シートにおいては、前記ダンパは、前記固定部に対し前記減衰回転軸の回転方向における所定幅で遊びをもって係合しており、前記着座部を回動させはじめてから所定角度範囲では前記遊びの範囲で前記第1部分と前記第2部分が一体に回転し、前記着座部を、所定角度範囲を超えて回動させると前記第1部分と前記第2部分の一方が前記着座部に対して係止されることが望ましい。
このような構成によれば、着座部を起こし始めるときや、倒し始めるときには固定部とダンパの第1部分および第2部分の一方とが、遊びの範囲で自由に(ダンパの抵抗を受けず)に回動するので、着座部の作動開始時にはダンパの抵抗が働かず、容易に着座部を動かし始めることができる。そして、所定角度範囲を超えて着座部を回動させると、第1部分と第2部分の一方が着座部に対して係合するので、ダンパの抵抗が働いて、ゆっくりと着座部の回動動作の後半部分を実行することができる。
この構成においては、タンブル時のシートの重心が、回動軸のほぼ真上または真上よりも前に位置したとき、より望ましくほぼ真上に来たときに第1部分と第2部分の一方が着座部に対して係合するように構成するのが望ましい。このようにすることで、シートを持ち上げている最中は、ダンパが働かないので、軽い力でシートを持ち上げることができる。
前記した脚部を有する乗物用シートにおいては、前記減衰回転軸は、2本の軸部材が継ぎ手によって1本に連結されるとともに、左右の前記サイドメンバの間で掛け渡されるように配置され、前記ダンパの前記第1部分と前記第2部分の他方は、前記2本の軸部材の継ぎ目よりも前記変換機構が設けられた側に固定される構成とすることができる。
このような構成によれば、減衰回転軸の捩れの影響を極力少なくし、タンブル動作時および回復動作時の剛性感を高くすることができる。また、変換機構の近くにダンパを配置することでダンパの動作が安定する。
前記した乗物用シートにおいては、前記ダンパの前記第1部分と前記第2部分の他方は、前記減衰回転軸の末端に固定された構成とすることができる。
このような構成によれば、減衰回転軸へのダンパの取り付けのために減衰回転軸を2本に分ける必要が無く、容易にダンパを取り付けることができる。
前記した脚部を有する乗物用シートにおいては、左右の前記サイドメンバの間で掛け渡されるように固定され、前記減衰回転軸と平行に延びるように設けられた連結部材をさらに備え、前記ダンパの前記第1部分と前記第2部分の一方は、前記連結部材に係止された構成とすることができる。
このような構成により、連結部材により、シートの剛性を高めつつ、ダンパの設置が可能である。
そして、この構成においては、前記連結部材は、板状であり、前記ダンパが固定された位置よりも、前記サイドメンバに結合される部分の方が、幅が狭い構成とするのが望ましい。
このような構成によれば、変換機構をシートのサイドメンバ付近に設けても、連結部材と変換機構が干渉しにくくなるので、動く部材のコンパクトな配置が可能となる。
請求項1に記載の構成によれば、回動軸の周囲に十分なスペースが無かったとしても、ダンパを配置することができ、乗員の足下も広くできる。また、回動軸から離れてダンパが設置されることで、砂埃などの塵埃の影響も受けにくい。
請求項2に記載の構成によれば、ダンパを脚部の下方から離して上部に設けることで、比較的スペースに余裕を持ってダンパを配置可能である。また、乗物の床からダンパが上方に離れることで、塵埃の影響を受けにくくなる。
請求項3に記載の構成によれば、簡易な構成でありながら、着座部の作動開始時にダンパの抵抗力が働かず、着座部を容易に動かし始めることができる。
請求項4に記載の構成によれば、減衰回転軸の捩れの影響を極力少なくし、タンブル動作時および回復動作時の剛性感を高くすることができる。
請求項5に記載の構成によれば、減衰回転軸を2本に分けることなく、容易にダンパを取り付けることができる。
請求項6に記載の構成によれば、連結部材により、シートの剛性を高めつつ、ダンパの設置が可能である。
シートレイアウトの変更形態を説明する車両の平面図である。 シートフレームの斜視図である。 シートレイアウトの変更形態を説明する側面図である。 車両用シートの前脚およびリンク装置を前方から見た図である。 シートフレームのタンブル動作を後脚に伝えるリンク機構の一部を分解して示す斜視図である。 ダンパの動作を説明する図である。 シートフレームの右側の構成を説明する側面図である。 シートフレームの左側の構成を説明する側面図である。 車両用シートをタンブル動作させたときの、シートフレームの右側の構成を説明する側面図である。 車両用シートをタンブル動作させたときの、シートフレームの左側の構成を説明する側面図である。 (a)は、ダンパの取付位置の変形例を示す斜視図であり、(b)は、(a)のY−Y断面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態について説明する。
本実施形態においては、本発明の乗物におけるシートとして、乗用車の後部座席に設けられる車両用シートを例にして説明する。
[車両用シートの概略構成]
図1に示す車両用シート1R,1Lは、車両2の後部座席である。この後部座席は、左右に2分割されて構成され、一方の座席、例えば右側の車両用シート1Rの背もたれB1を前に倒した後、着座部C1を前方に起こし上げ(この動作を「タンブル」という。図3も参照。)て、右側後部の荷室を拡大できるようにしたものである。このようなシートレイアウトの変更をすることで、車両後部右側に、前後に長い収納空間Sを確保できるようになっている。また、左後部座席にあたる車両用シート1Lも、タンブル動作させることで、左側後部の荷室を拡大することができる。
なお、本明細書において、「着座状態」とは、車両用シート1R,1Lに乗員が着座できる通常のシートの姿勢にある場合を意味し、「収納状態」とは、車両用シート1R,1Lをタンブルさせて、収納した場合を意味する。また、前後左右は、車両用シート1R,1Lに座る乗員を基準とし、タンブル動作によりシートの向きは変わるが、収納した場合の説明に用いる前後および上下も、特に断りがなければ着座状態(収納前)の向きのまま用いるものとする。さらに、R,Lの符号は、それぞれ右および左を意味するものとして、数字の符号に付加して用いる。
右の車両用シート1Rと、左の車両用シート1Lとは、互いに左右対称な構成であるので、以下では、右の車両用シート1Rのみを採り上げて説明する。
図2に示すように、車両用シート1Rのシートフレーム10は、公知のシートフレームと同様に、クッションフレーム11、シートバックフレーム12および左右に一対設けられた前後スライドレール13を有し、図示しないリクライニング機構などにより、シートバックフレーム12を図2に示す着座状態から、前に倒した状態(図示せず)に変位させることができるようになっている。また、座席後部を支える、左側の後脚30と右側の後ブラケット15Rには、それぞれロック機構90(図7,8参照)が設けられている。このロック機構90は、公知のワイヤを用いたロック解除機構により、ロックアーム91を床面に設けられたストライカ98から外すことができ、ロックアーム91をストライカ98から外すとクッションフレーム11とシートバックフレーム12を前方へタンブルさせることができるようになっている。なお、図7に示すように、車両用シート1Rの右後ろには後脚30は無く、床面から盛り上がったタイヤハウス3の上にストライカ98が設けられている。
左右に一対設けられた前後スライドレール13の下には、車両用シート1Rの荷重を床に伝えるブラケットとして下方に開口したU字形の前ブラケット14R,14Lと、後ブラケット15R,15Lが固定されている。
図4に示すように、左右の前ブラケット14R,14Lには、これらを繋ぐように前脚20が一体に固定されている。前脚20は、スチール製のパイプをU字形に曲げたもので、下辺部21と、下辺部21の両端から立ち上がるポスト22とを有して構成されている。なお、前脚20および後脚30は、着座部C1を乗物本体の床上で支持するための脚部の一例である。前脚20の下辺部21の左右には、取付ブラケット60が固定されている。図2および図7に示すように取付ブラケット60は、車両2の床に固定されている。また、取付ブラケット60は、ブラケット62を介して前脚20の下辺部21に固定されており、ブラケット62は、前脚20における着座部C1の下方で左右方向に延びる回動軸63において取付ブラケット60に対し回動可能に連結されている。
[後脚30を作動させるリンク機構40]
次に、後脚30をタンブル動作に連動して作動させるリンク機構40について説明する。
図7および図9に示すように、取付ブラケット60は、タンブル動作の前後で姿勢の変化は無い。本実施形態では、車両用シート1R,1Lの各部位が、タンブル動作の前後で取付ブラケット60との位置関係が変わることを利用し、この位置関係の変化を、リンク機構40により後脚30に伝えている。
図4に示すように、シャフト43は、着座部C1の側部に配置されたサイドメンバの一例としての左右の前ブラケット14R,14Lにより支持されており、前ブラケット14R,14Lに対し回転可能である。詳細には、図5に示すように前ブラケット14Rには、貫通孔14Hが設けられ、この貫通孔14Hに、両端にセレーション部46A,46Bが形成されたセレーションシャフト46が貫通して挿入される。セレーションシャフト46の左端のセレーション部46Aは、揺動アーム42に設けられた歯付孔42Cに挿入されている。さらに、シャフト43の右端部はセレーションシャフト46内に圧入されて、セレーションシャフト46、揺動アーム42およびシャフト43は一体に回動するようになっている。なお、シャフト43とセレーションシャフト46は、減衰回転軸の一例であり、上述の説明から分かるように、回動軸63から上方に離れた位置で支持されている。
シャフト43の左端部は、図5のように分解しては示さないが、図4に示す右端部と同様にリンク44を介してセレーションシャフト46と結合され、シャフト43、リンク44およびセレーションシャフト46が一体に回動するようになっている。
図5および図7に示すように、揺動アーム42は、着座状態において前方斜め下向きに延びている。揺動アーム42の先端部には係合孔42Dが形成されている。
揺動アーム42の係合孔42Dには、上下に延びるロッド41の上端部がピン41Aにより回動可能に結合されている。ロッド41は、その下端部が、ピン41Bにより、右の取付ブラケット60の右側部(外側の側部)に形成されたロッド接続孔60Aに回動可能に結合されている。
なお、取付ブラケット60、ブラケット62、前脚20、揺動アーム42およびロッド41は、いわゆる4節リンクを構成して回動軸63回りの着座部C1の回動を着座部C1に対するシャフト43およびセレーションシャフト46の回転に変換する変換機構の一例である。
図8に示すように、リンク44は、シャフト43から後斜め下方に延びている。そして、リンク44は、その下端で、前後に延びる前後リンク45の前端部と節点を形成するように互いに回動可能に結合されている。
前後リンク45の後端部は、後脚30の中央よりやや上の部分に回動可能に結合されている。
後脚30は、後ブラケット15Lに、揺動軸35の回りで揺動可能なように結合されている。
後ブラケット15Lと前後リンク45とには、スプリング87が常時引っ張られた状態で掛けられている。スプリング87の後端は、後ブラケット15Lの係合部87Aに係合され、スプリング87の前端は、前後リンク45の係合部87Bに係合されている。係合部87Aと係合部87Bとは、後脚30が収納される前において、係合部87Aと係合部87Bを結ぶ線分が、側面視において揺動軸35の後側にあり、後脚30が収納された後において(図10を参照)、係合部87Aと係合部87Bを結ぶ線分が、側面視において揺動軸35の前側にあるように配置されている。これにより、通常時は、スプリング87により後脚30が後方へ(使用時の方向へ)付勢され、収納時は、スプリング87により後脚30が前方に付勢される。
[ダンパ47の周囲の構成]
図5に示すように、前ブラケット14R(固定部の一例である)の右側(外側)には、ダンパ47が配置されている。ダンパ47は、図6に簡略化して構造を示すように第1部分の一例としての内筒部47Aと第2部分の一例としての外筒部47Bとを有し、内筒部47Aにセレーションシャフト46の右端のセレーション部46Bの末端が係合されている。そして、外筒部47Bと一体になっている取付板47Cには、円弧状の長孔47Dが前後に一対設けられ、この長孔47Dに前ブラケット14Rの右側壁に突出するように設けられた一対の係合ピン48が挿通されている。これにより、係合ピン48は、長孔47Dが許容する、シャフト43の回転方向における所定幅の遊びの範囲で自由に動くことができる。2つの係合ピン48には、それぞれナット49が螺合されて、ダンパ47が前ブラケット14Rから外れないようになっている。ダンパ47の内筒部47Aと外筒部47Bとは、互いに回転可能であるが、図示しない流体の抵抗により、所定の抵抗力を持って相対的に回転するようになっている。
図6(a)に示すように、側面視において、係合ピン48はセレーションシャフト46と同じ高さで前後に1つずつ配置されており、着座状態においては、前側の長孔47Dの上端と、後側の長孔47Dの下端に位置している。一方、収納状態においては、セレーションシャフト46が前ブラケット14Rに対して回ることで、図6(b)に示すように、係合ピン48は、前側の長孔47Dの下端と、後側の長孔47Dの上端に位置する。この間の動作の詳細については後述する。
[シートレイアウトの変更動作]
以上のように構成された車両用シート1R,1Lのシートレイアウトの変更の動作について説明する。
右の車両用シート1Rを着座状態から収納する場合、図7および図8に示す状態から図示しないリクライニング機構を操作して、背もたれB1を前方に倒し、着座部C1の上に載せて折りたたむ(図示せず)。そして、ロック機構90のロックを解除するロック解除機構を操作して各ロックアーム91を各ストライカ98から外し、さらに着座部C1を持ち上げて図9および図10に示すように、車両用シート1Rをタンブルさせる。
このとき、車両用シート1Rは、取付ブラケット60の回動軸63を中心に前方へ回動する。回動軸63の位置は、ロッド41の下端を軸支しているロッド接続孔60Aの位置と少しずれているので、ロッド41の上端は、揺動アーム42を前方へ押す。これにより、揺動アーム42は、前ブラケット14Rに対し、前方(図7〜図10において反時計回り)に揺動する。
揺動アーム42が揺動するとき、揺動アーム42と一体にされているシャフト43およびセレーションシャフト46が同じ回転角だけ回動する。シャフト43の回動は、図8および図10に示すように左側のリンク44を揺動させる。
リンク44の前方(タンブル後は下方)への回動は、前後リンク45を介して、後脚30を前方へ回動させる。これにより、図10に示すように後脚30が、着座部C1に近づくように収納される。このとき、スプリング87が後ブラケット15Lにある揺動軸35よりも前になるため、スプリング87の付勢力は、後脚30を前方、つまり、収納する方向に付勢し、後脚30を着座部C1に極力近づけてコンパクトにするとともに、後脚30のがたつきを抑えて、車両走行時の振動による騒音を抑えることができる。
車両用シート1Rのタンブル動作時において、前ブラケット14Rのセレーションシャフト46に対する回動は、図6(a),(b)に示すようにダンパ47の内筒部47Aを回動させる。ダンパ47が図6(a)の時計回りに回動すると、係合ピン48が長孔47Dの反時計回り方向の端部(前の長孔47Dについては下の端部、後の長孔47Dについては上の端部)に当たって係止されるまでの間、ダンパ47は、内筒部47Aと外筒部47Bとが互いにずれることなく、取付板47Cを含めて全体が一体となって回動する。そして、図6(b)に示すように、係合ピン48が長孔47Dの時計回り方向の端部に当たって係止されると、取付板47Cおよび外筒部47Bの回動が規制されて、外筒部47Bに対し、所定の抵抗力を持って内筒部47Aが回動する。すなわち、車両用シート1Rのタンブル動作時において、動かしはじめにはダンパ47の抵抗力が働かず、軽い力で車両用シート1Rを前に起こし始めることができ、タンブル動作の途中から終了までの間、ダンパ47の抵抗力が働いて、車両用シート1Rをゆっくりと動かすことができる。
上述のように、タンブル動作の初期においてダンパ47の抵抗力を働かせず、軽い力で車両用シート1Rを持ち上げるようにするには、望ましくは、タンブル時のシートの重心が、回動軸63のほぼ真上または真上より前に位置したときに、係合ピン48が長孔47Dに係合する(係止される)ように設定するのが望ましい。より望ましくは、タンブル時のシートの重心が、回動軸63のほぼ真上に来たときに係合ピン48が長孔47Dに係合する(係止される)ように設定するのが望ましい。
なお、車両用シート1Rの回復動作時(タンブル動作の逆の動作時)には、図6(b)の状態から図6(a)の状態へと移るので、タンブル動作時とは逆に、車両用シート1Rを後へ動かし始める当初はダンパ47全体が回動して抵抗力が働かず、ある程度、車両用シート1Rを後へ戻して、図6(a)のように係合ピン48が長孔47Dの時計回り方向の端部に当たった後にダンパ47の抵抗力が働いて、車両用シート1Rを車両2の床までゆっくりと降ろすことができる。
そして、図9,10の位置にある車両用シート1Rを後へ倒すと、タンブル時とは逆の動作により、後脚30が後方へ揺動して、ダンパ47の抵抗力によって着座部C1と後脚30がゆっくりと動作し、図8に示す状態になる。そして、各ロック機構90のロックアーム91がストライカ98と係合して車両用シート1Rが着座状態にロックされる。
左の車両用シート1Lを収納、回復動作させる場合も、右の車両用シート1Rを収納、回復動作させるのと左右が逆なだけですべて同じである。
このように、本実施形態の車両用シート1R,1Lによれば、ダンパ47が結合される減衰回転軸であるシャフト43およびセレーションシャフト46は、回動軸63から離れているので、回動軸63の周囲に十分なスペースが無かったとしても、ダンパ47を配置することができる。そして、ダンパ47は、車両2の床から上方に離れており、車両2の床にある砂埃などの塵埃の影響を受けにくいので安定した動作が可能である。また、本実施形態の車両用シート1R,1Lは、変換機構を介して取付ブラケット60から離れた位置でダンパ47が作用するように構成されているので、ダンパ47が足下のスペースを占有せず、乗員の足下を広くすることができる。
そして、ダンパ47は、長孔47Dにおいてシャフト43の回転方向に遊びをもって係合ピン48と係合しているので、タンブル動作および回復動作の初期において軽い力で車両用シート1R,1Lを動かし始めることができる。
以上に本発明の実施形態について説明したが、本発明は、前記した実施形態に限定されることなく、適宜変形して実施することができる。
例えば、前記した実施形態においては、ダンパ47は、前ブラケット14Rに取り付けられ、その内筒部は、セレーションシャフト46の末端に固定されていたが、図11に示す変形例のように、ダンパ147を、両側の前ブラケット14R,14Lに掛け渡されるシャフト143の途中に設けてもよい。この変形例について説明すると、ダンパ147は、図11(b)に示すように、内径部147Aと、外径部147Bを有する。図11(a)に示すように、前ブラケット14R,14Lの間には、板状の連結部材の一例として連結板148がシャフト143と平行に掛け渡されるように配置されている。詳しくは、連結板148の両端(一端のみ図示)は、後方に折り曲げられた接続片148Cを有し、左右の接続片148Cが、それぞれ前ブラケット14R,14Lに溶接またはボルト締めなどにより結合されている。連結板148の左右の両端部148Bは、中央部148Aよりも幅が狭くなっており、両端部148Bと中央部148Aの幅の違いにより、下方に切欠148Dが形成されている。この切欠148Dは、揺動アーム42やロッド41が作動するときの逃げとして機能しており、これにより、揺動アーム42やロッド41などの動く部品を左右の端に寄せることができ、中央部の足下の空間を広くとることができている。シャフト143は、右の第1シャフト143Aと左の第2シャフト143Bの2本から構成されており、これらが継ぎ手144により一体に連結されている。継ぎ手144により継がれた継ぎ目よりもロッド41(変換機構の一部)が設けられた側、つまり、第1シャフト143Aに、ダンパ147の内径部147Aが固定されている。ダンパ147の外径部147Bは、着座部C1に対し回転しないように、ボルト149により連結板148に固定(係止)されている。
このように、シートの左右の部品を連結する連結板148により、シートの剛性を高めつつ、ダンパ147を設置することが可能である。そして、シャフト143の継ぎ目よりも変換機構が設けられた側にダンパ147が設けられることで、ダンパ147の作動がシャフト143の捩れの影響を受けにくく、タンブル動作時および回復動作時に、高い剛性感を確保することができる。
なお、この変形例において、連結板148をパイプ状に構成するなど、板以外の形状にしても構わない。
前記実施形態においては、ダンパ47の内筒部47Aが、減衰回転軸に固定され、外筒部47Bが着座部C1に係止されていたが、これは逆でも良く、減衰回転軸の形状を筒状にして外筒部47Bとおよそ形状が合うようにして、ダンパ47の内筒部47Aが着座部C1に係止され、外筒部47Bが減衰回転軸に固定されるように構成してもよい。
前記実施形態においてはダンパ47が結合される減衰回転軸は、左右のサイドメンバに掛け渡されるように設けられていたが、一方のサイドメンバにのみ支持されていても良い。また、サイドメンバは、着座部C1自体や、着座部C1の下方の部品などで、着座部C1の側部に設けられていれば、前ブラケット14R,14Lには限られず、他の部品でも構わない。
前記実施形態においては、回動軸63の上方に減衰回転軸を設けたが、減衰回転軸の位置は、必ずしも回動軸63の上方である必要はなく、例えば、同じ高さで後方に設けても良い。この場合にも、ダンパ47を設けるための十分なスペースを確保することができ、使用者の足が位置する前脚20の下部に比較して塵埃も少ないので、ダンパ47が塵埃の影響を受けにくい
また、前記実施形態において乗物用シートとして、車両用のシートを一例に挙げたが、本発明は、船舶、航空機、鉄道車両など、他の乗物用シートにも適用することができる。
1R,1L 車両用シート
2 車両
10 シートフレーム
11 クッションフレーム
12 シートバックフレーム
13 前後スライドレール
14R,14L 前ブラケット
15R,15L 後ブラケット
20 前脚
30 後脚
41 ロッド
42 揺動アーム
43 シャフト
44 リンク
45 前後リンク
46 セレーションシャフト
47 ダンパ
47D 長孔
48 係合ピン
60 取付ブラケット
87 スプリング
90 ロック機構

Claims (6)

  1. 乗物本体に対し、回動軸回りに着座部が回動することにより着座部を起こし上げることが可能な乗物用シートであって、
    所定の抵抗力をもって相対的に回転可能な第1部分および第2部分を有するダンパと、
    前記第1部分と前記第2部分の一方を前記着座部に係止する固定部と、
    前記第1部分と前記第2部分の他方に固定された減衰回転軸とを備え、
    前記減衰回転軸は、前記回動軸から離れて配置され、前記回動軸回りの前記着座部の回動を前記着座部に対する前記減衰回転軸の回転に変換する変換機構を備えることを特徴とする乗物用シート。
  2. 前記着座部を前記乗物本体の床上で支持するための脚部をさらに備え、
    前記回動軸は、前記脚部における前記着座部の前縁の下方において左右方向に延びるように配置され、
    前記減衰回転軸は、前記着座部の側部に配置されたサイドメンバにおいて前記回動軸より上で回転可能に支持されたことを特徴とする請求項1に記載の乗物用シート。
  3. 前記ダンパは、前記固定部に対し前記減衰回転軸の回転方向における所定幅で遊びをもって係合しており、前記着座部を回動させはじめてから所定角度範囲では前記遊びの範囲で前記第1部分と前記第2部分が一体に回転し、前記着座部を、所定角度範囲を超えて回動させると前記第1部分と前記第2部分の一方が前記着座部に対して係止されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の乗物用シート。
  4. 前記減衰回転軸は、2本の軸部材が継ぎ手によって1本に連結されるとともに、左右の前記サイドメンバの間で掛け渡されるように配置され、
    前記ダンパの前記第1部分と前記第2部分の他方は、前記2本の軸部材の継ぎ目よりも前記変換機構が設けられた側に固定されたことを特徴とする請求項2に記載の乗物用シート。
  5. 前記ダンパの前記第1部分と前記第2部分の他方は、前記減衰回転軸の末端に固定されたことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の乗物用シート。
  6. 左右の前記サイドメンバの間で掛け渡されるように固定され、前記減衰回転軸と平行に延びるように設けられた連結部材をさらに備え、
    前記ダンパの前記第1部分と前記第2部分の一方は、前記連結部材に係止されたことを特徴とする請求項2または請求項4に記載の乗物用シート。
JP2010074369A 2010-03-29 2010-03-29 乗物用シート Expired - Fee Related JP5486373B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010074369A JP5486373B2 (ja) 2010-03-29 2010-03-29 乗物用シート

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010074369A JP5486373B2 (ja) 2010-03-29 2010-03-29 乗物用シート

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011207257A JP2011207257A (ja) 2011-10-20
JP5486373B2 true JP5486373B2 (ja) 2014-05-07

Family

ID=44938830

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010074369A Expired - Fee Related JP5486373B2 (ja) 2010-03-29 2010-03-29 乗物用シート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5486373B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014166819A (ja) * 2013-02-28 2014-09-11 Daihatsu Motor Co Ltd 車両用シート
US10086792B1 (en) 2017-03-30 2018-10-02 Ts Tech Co., Ltd. Vehicle Seat
US10086723B1 (en) 2017-03-30 2018-10-02 Ts Tech Co., Ltd. Vehicle seat
US10183596B2 (en) 2017-03-30 2019-01-22 Ts Tech Co., Ltd. Vehicle seat

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4352629B2 (ja) * 2001-04-26 2009-10-28 オイレス工業株式会社 自動車シート用のダンパ及びこのダンパを具備した自動車シート
JP2006035965A (ja) * 2004-07-26 2006-02-09 Suzuki Motor Corp 車両用シート構造
JP2007050765A (ja) * 2005-08-18 2007-03-01 Toyota Boshoku Corp 車両シート用ダンパーの取り付け構造
JP4857068B2 (ja) * 2006-10-06 2012-01-18 トヨタ紡織株式会社 車両用シートの回動機構

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011207257A (ja) 2011-10-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1729997B1 (en) Fold in floor seat assembly having retracting front leg linkage assembly
JP5880312B2 (ja) 車両用シート
JP5998883B2 (ja) 乗物用シート
JP6794905B2 (ja) 乗物用シート
JP6060826B2 (ja) シートバック連動式オットマン装置
WO2015098040A1 (ja) 乗物用シート
JP2009173067A (ja) 車両用格納シート
JP5486373B2 (ja) 乗物用シート
JP6237467B2 (ja) 乗物用シート
KR101268179B1 (ko) 차량 시트의 폴딩 겸용 워크인 장치
JP4515300B2 (ja) 車両用シート装置
JP4096731B2 (ja) 車両用シート
JP2012030742A (ja) バックル結合体を装備した車両用シート
KR20120072601A (ko) 차량 시트의 폴딩 겸용 워크인 장치
JP5446739B2 (ja) 乗物シート用リクライニング装置
JP4002197B2 (ja) リア・シート・フート・レスト
JP7365274B2 (ja) 車両用シート
JP4179995B2 (ja) 横跳ね上げシート
JP3645127B2 (ja) シートバックのアームレスト取付構造
CN109228972A (zh) 座椅和汽车
JP7423698B2 (ja) 車両用シートフレーム及び車両用シート
CN112238800B (zh) 具有自动收起功能的扶手
JP4889374B2 (ja) シートバックの荷重調整構造を備えたシートリクライニング装置
JP5317725B2 (ja) 乗物用シート
JP4753422B2 (ja) 車両用横跳ね格納シート

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120905

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20131107

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20131112

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140110

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140212

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140221

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5486373

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees