JP5768297B2 - シュリンクラベル - Google Patents

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Description

本発明は、シュリンクラベルに関する。より詳しくは、基材、特に、ポリエステル系フィルム基材と印刷層との密着性に優れ、なおかつ印刷層の印刷性にも優れたシュリンクラベルに関する。
現在、お茶や清涼飲料水等の飲料用容器として、PETボトルなどのプラスチック製ボトルや、ボトル缶等の金属製ボトル等が広く用いられている。これらの容器には、表示や装飾性、機能性の付与のためプラスチックラベルを装着する場合が多く、例えば、装飾性、加工性(容器への追従性等)、広い表示面積等のメリットから、シュリンクラベルが広く使用されている。このようなシュリンクラベルとしては、基材上に印刷インキから形成された印刷層が設けられたものが広く用いられている。上記基材としては、要求特性や用途に応じて、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂やポリスチレン系樹脂などからなるフィルムが用いられている。
中でも、特にポリエステル系樹脂からなるフィルム(ポリエステル系フィルム)は印刷インキの密着性に劣り、基材と印刷層との密着性の優れたシュリンクラベルを得ることが困難であった。このため、ポリエステル系フィルムに対して優れた密着性を有する印刷層、さらには、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂やポリスチレン系樹脂などの様々な樹脂からなる基材に対して優れた密着性を有する、汎用性に優れた印刷層が求められていた。
かかる要求を満足する印刷インキとしては、例えば、特定比率のアクリル系樹脂とセルロース系樹脂、及び、特定の溶剤を含有する印刷インキが知られている(特許文献1参照)。しかし、該印刷インキでも、特にインキ密着性の悪い薄肉のPETフィルムなどに対しては密着性が十分ではないという問題があった。さらに、ニトロセルロースとポリウレタン樹脂とを含有するアンカーコート剤からなるアンカーコート層上に、特定のセルロース系樹脂とアクリル系樹脂とを含有する印刷層を設ける収縮ラベル用印刷物の製造方法が知られている(特許文献2参照)。しかし、該製造方法では、非常に燃えやすいニトロセルロースを比較的多量に使用するため、安全、管理上問題があった。
上記のように、比較的安全なアクリル系樹脂を用い、特に、幅広い厚み(様々な厚み)のポリエステル系フィルムに対する密着性に優れた印刷層を有するシュリンクラベルは得られていないのが現状である。
特開2008−163215号公報 特許第3895253号明細書
本発明者らは、ウレタンアクリル系樹脂及びアクリル系樹脂を含む印刷層が、シュリンクラベルに汎用的に用いられる多くの基材に優れた密着性を示し、特に幅広い厚みのポリエステル系フィルムに対しても密着性に優れることを見出した。さらに、上記印刷層を有するシュリンクラベルを見出した。
しかしながら、上記ウレタンアクリル系樹脂及びアクリル系樹脂を含む印刷層(又は該印刷層を形成する印刷インキ)は、顔料を含む場合(特に酸化チタンを含む場合)には、印刷性が不十分であり、特に、階調(グラデーション)表現のデザインなどの表現性が不十分であった。
従って、本発明の目的は、シュリンクラベルに汎用的に用いられる多くの基材に優れた密着性を示し、特に幅広い厚みのポリエステル系フィルムに対する密着性に優れており、なおかつ、印刷性(特にグラデーションデザインなどの表現性)にも優れた印刷層を有するシュリンクラベルを提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、基材の少なくとも片面側に、ウレタンアクリル系樹脂、アクリル系樹脂、顔料、並びに、ラクトン系化合物に由来する構成単位およびリン酸基を含有する重合体を含み、さらに必要に応じてセルロース系樹脂を含み、ラクトン系化合物に由来する構成単位およびリン酸基を含有する重合体の含有量が特定範囲に制御された印刷層を設けることにより、基材、特に幅広い厚みのポリエステル系フィルム基材と印刷層の密着性に優れ、なおかつ、印刷層の印刷性にも優れたシュリンクラベルを得ることができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、基材の少なくとも片面側に、ウレタンアクリル系樹脂、アクリル系樹脂、顔料、並びに、ラクトン系化合物に由来する構成単位およびリン酸基を含有する重合体を含み、さらにセルロース系樹脂を含む又は含まない印刷層を有し、前記印刷層中の、前記ウレタンアクリル系樹脂、前記アクリル系樹脂及び前記セルロース系樹脂の総重量100重量部に対する、前記ラクトン系化合物に由来する構成単位およびリン酸基を含有する重合体の含有量が1〜20重量部であることを特徴とするシュリンクラベルを提供する。
さらに、本発明は、前記印刷層中の、前記ウレタンアクリル系樹脂、前記アクリル系樹脂及び前記セルロース系樹脂の総重量100重量%に対する、前記ウレタンアクリル系樹脂の含有量が4〜40重量%、前記アクリル系樹脂の含有量が40〜96重量%及び前記セルロース系樹脂の含有量が0〜20重量%である前記のシュリンクラベルを提供する。
前記印刷層は、溶剤、ウレタンアクリル系樹脂、アクリル系樹脂、顔料、並びにラクトン系化合物に由来する構成単位およびリン酸基を含有する重合体を含有する、又は、溶剤、ウレタンアクリル系樹脂、アクリル系樹脂、顔料、ラクトン系化合物に由来する構成単位およびリン酸基を含有する重合体、並びにセルロース系樹脂を含有する印刷インキを前記基材の表面上に、塗布、乾燥することにより設けられた印刷層であることが好ましい。
前記顔料が酸化チタンであり、酸化チタンの含有量が、前記印刷層の総重量(100重量%)に対して30〜90重量%であることが好ましい。
本発明のシュリンクラベルは、印刷層を形成する樹脂成分としてアクリル系樹脂を用いている。このため、比較的安全に硬い印刷層を形成しうる。また、印刷層を形成する樹脂成分として、ウレタンアクリル系樹脂を用いている。このため、特にポリエステル系フィルム基材に対しても、基材と印刷層との密着性が向上する。これにより、シュリンクラベルの耐剥離性、耐スクラッチ性、耐もみ性や、シュリンク加工時のインキ割れ抑止性(耐インキ割れ性)が向上する。
さらに、本発明のシュリンクラベルは、印刷層にラクトン系化合物に由来する構成単位およびリン酸基を含有する重合体を特定量含有している。このため、上記印刷層の印刷性が向上し、例えば、印刷層によるグラデーションデザインの表現性に優れている。
本発明のシュリンクラベルは、基材の少なくとも片面側に、ウレタンアクリル系樹脂、アクリル系樹脂、顔料、並びに、ラクトン系化合物に由来する構成単位およびリン酸基を含有する重合体を含み、さらにセルロース系樹脂を含む又は含まない印刷層であって、該印刷層中の、上記ウレタンアクリル系樹脂、上記アクリル系樹脂及び上記セルロース系樹脂の総重量100重量部に対する、上記ラクトン系化合物に由来する構成単位およびリン酸基を含有する重合体の含有量が1〜20重量部である印刷層を有する。本明細書においては、上記印刷層を、「本発明の印刷層」と称する場合がある。
本明細書においては、本発明の印刷層における、上記「ウレタンアクリル系樹脂」を「ウレタンアクリル系樹脂(A)」又は「成分(A)」、上記「アクリル系樹脂」を「アクリル系樹脂(B)」又は「成分(B)」、上記「セルロース系樹脂」を「セルロース系樹脂(C)」又は「成分(C)」、上記「顔料」を「顔料(D)」又は「成分(D)」、上記「ラクトン系化合物に由来する構成単位およびリン酸基を含有する重合体」を「ラクトン系重合体(E)」又は「成分(E)」と、それぞれ称する場合がある。なお、「ラクトン系化合物に由来する構成単位およびリン酸基を含有する重合体」を「リン酸基を含有するラクトン系重合体」と称する場合もある。
さらに、本発明の印刷層中における、ウレタンアクリル系樹脂(A)、アクリル系樹脂(B)及びセルロース系樹脂(C)を合わせて、「特定樹脂」と称する場合がある。本発明の印刷層中にセルロース系樹脂(C)が含まれない場合には、ウレタンアクリル系樹脂(A)及びアクリル系樹脂(B)が「特定樹脂」であり、本発明の印刷層中にセルロース系樹脂(C)が含まれる場合には、ウレタンアクリル系樹脂(A)、アクリル系樹脂(B)及びセルロース系樹脂(C)が「特定樹脂」である。
[本発明の印刷層]
本発明の印刷層は、本発明のシュリンクラベルにおける必須の印刷層である。本発明の印刷層は、ウレタンアクリル系樹脂(A)、アクリル系樹脂(B)、顔料(D)およびラクトン系重合体(E)を必須の成分として含有する。また、本発明の印刷層は、セルロース系樹脂(C)を含有してもよいし含有しなくてもよいが、セルロース系樹脂(C)を含有することが好ましい。さらに、本発明の印刷層は、成分(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)以外の成分(添加剤)を含有してもよい。上記の成分(A)、成分(B)、成分(C)、成分(D)、成分(E)や添加剤は、それぞれ1種ずつを用いてもよいし、それぞれ2種以上を用いてもよい。
(ウレタンアクリル系樹脂(A))
上記ウレタンアクリル系樹脂(A)は、特に限定されないが、ウレタン成分とアクリル成分を必須の構成成分として構成された重合体(共重合体)である。言い換えると、ウレタンアクリル系樹脂(A)は、分子内に、ウレタン結合を有するウレタン成分部分と、(メタ)アクリロイル基を有するモノマーに由来する構成単位(構造単位)を含むアクリル成分部分とを含む重合体である。ウレタンアクリル系樹脂(A)は、特に限定されないが、本発明の印刷層と基材との密着性を向上させる役割を担う樹脂成分である。なお、「(メタ)アクリロイル基」とは、「アクリロイル基[CH2=CHCO−]」及び/又は「メタクリロイル基[CH2=C(CH3)CO−]」を表す。(メタ)アクリロイル基を有するモノマーは、分子内に[CH2=CHCO−]及び/又は[CH2=C(CH3)CO−]の構造を有する。また、「(メタ)アクリル」とは「アクリル」及び/又は「メタクリル」(アクリル及びメタクリルのうちのいずれか一方又は両方)を表す。
なお、上記ウレタンアクリル系樹脂(A)には、成分(E)に該当するウレタンアクリル系樹脂は含まれないものとする。即ち、上記ウレタンアクリル系樹脂(A)からは、分子内にラクトン系化合物に由来する構成単位およびリン酸基を含有するウレタンアクリル系樹脂は除かれる。
上記ウレタンアクリル系樹脂(A)におけるアクリル成分は、(メタ)アクリロイル基を有するモノマー(単量体)を必須のモノマー成分として構成される。即ち、上記アクリル成分及びウレタンアクリル系樹脂(A)は、(メタ)アクリロイル基を有するモノマーに由来する構成単位を少なくとも有する。上記アクリル成分を構成するモノマー成分には(メタ)アクリロイル基を有するモノマー以外のモノマー成分が含まれていてもよいが、アクリル成分を構成するモノマー成分は(メタ)アクリロイル基を有するモノマーのみからなることが好ましい。
上記(メタ)アクリロイル基を有するモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシルなどの直鎖又は分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル[好ましくは(メタ)アクリル酸C1-12アルキルエステル等];(メタ)アクリル酸;カルボキシエチルアクリレートなどのカルボキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル;2−ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレートなどのヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル[好ましくは(メタ)アクリル酸ヒドロキシC1-8アルキルエステル等];(メタ)アクリル酸シクロヘキシルなどの(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル;N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミドなどの(メタ)アクリル酸アミド誘導体;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノプロピル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸ジアルキルアミノアルキルエステル類などが挙げられる。上記(メタ)アクリロイル基を有するモノマーは、単独で又は二以上を組み合わせて使用できる。上記の中でも、(メタ)アクリロイル基を有するモノマーとしては、アクリル系樹脂(B)との相溶性の観点から、直鎖又は分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル[中でも、(メタ)アクリル酸C1-12アルキルエステル]、(メタ)アクリル酸が好ましく、より好ましくは、メタクリル酸メチル(MMA)、メタクリル酸ブチル(BMA)である。
上記(メタ)アクリロイル基を有するモノマー以外のアクリル成分を構成するモノマー成分としては、特に限定されないが、例えば、クロトン酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸などのカルボキシル基含有重合性不飽和化合物又はその無水物;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレンなどのスチレン系化合物;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル類;塩化ビニルなどのハロゲン化ビニル;メチルビニルエーテルなどのビニルエーテル類;(メタ)アクリロニトリルなどのシアノ基含有ビニル化合物;エチレン、プロピレンなどが挙げられる。
上記アクリル成分を構成するモノマー成分全量中の(メタ)アクリロイル基を有するモノマーの含有量、即ち、ウレタンアクリル系樹脂(A)におけるアクリル成分(全アクリル成分)(100重量%)中の(メタ)アクリロイル基を有するモノマーに由来する構成単位の含有量は、特に限定されないが、アクリル系樹脂(B)との相溶性の観点から、80重量%以上(80〜100重量%)が好ましく、より好ましくは90重量%以上(90〜100重量%)である。
上記ウレタンアクリル系樹脂(A)におけるウレタン成分は、特に限定されないが、例えば、ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物を原料成分として構成される。即ち、上記ウレタン成分は、ポリイソシアネート化合物に由来する構成単位とポリオール化合物に由来する構成単位を有する。中でも、上記ウレタン成分は、本発明の印刷層とポリエステル系フィルム(基材)との密着性向上の観点から、ポリオール化合物としてポリエステルポリオールを必須の原料成分として構成されることが好ましい。即ち、上記ウレタン成分及びウレタンアクリル系樹脂(A)は、ポリエステルポリオールに由来する構成単位を少なくとも有することが好ましい。
上記ポリイソシアネート化合物としては、例えば、芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート等の公知のジイソシアネート類が挙げられる。上記ジイソシアネート類としては、例えば、トリレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどが挙げられる。上記ジイソシアネート類は、単独で又は二以上を組み合わせて使用できる。また、必要に応じて3官能以上のポリイソシアネート類やポリイソシアネートアダクト体を上記ジイソシアネート類と組み合わせて用いることもできる。中でも、ポリエステル系フィルム(基材)との密着性向上の観点から、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)が好ましい。
上記ポリエステルポリオールは、分子内(1分子内)に2個以上の水酸基を有するポリエステル化合物であり、中でも、分子内に2個の水酸基を有するポリエステルジオールが好ましい。上記ポリエステルポリオールは、特に限定されないが、ジカルボン酸成分とジオール成分を必須の構成成分として構成された重合体であることが好ましい。即ち、上記ポリエステルポリオールは、ジカルボン酸に由来する構成単位とジオールに由来する構成単位を少なくとも有することが好ましい。
上記ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、2,5−ジメチルテレフタル酸、5−t−ブチルイソフタル酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、トランス−3,3’−スチルベンジカルボン酸、トランス−4,4’−スチルベンジカルボン酸、4,4’−ジベンジルジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、2,2,6,6−テトラメチルビフェニル−4,4’−ジカルボン酸、1,1,3−トリメチル−3−フェニルインデン−4,5−ジカルボン酸、1,2−ジフェノキシエタン−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、2,5−アントラセンジカルボン酸、2,5−ピリジンジカルボン酸、及びこれらの置換体等の芳香族ジカルボン酸;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、ヘプタデカン二酸、オクタデカン二酸、ノナデカン二酸、イコサン二酸、ドコサン二酸、1,12−ドデカンジオン酸、及びこれらの置換体等の脂肪族ジカルボン酸;1,4−デカヒドロナフタレンジカルボン酸、1,5−デカヒドロナフタレンジカルボン酸、2,6−デカヒドロナフタレンジカルボン酸、シス−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、トランス−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、及びこれらの置換体等の脂環式ジカルボン酸などが挙げられる。中でも、芳香族ジカルボン酸が好ましく、より好ましくはテレフタル酸(TPA)、イソフタル酸(IPA)である。上記ジカルボン酸は、単独で又は二以上を組み合わせて使用できる。
上記ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(ネオペンチルグリコール)、1,6−ヘキサンジオール、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、1,8−オクタンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2,4−ジメチル−1,3−ヘキサンジオール、1,10−デカンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の脂肪族ジオール;1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール等の脂環式ジオール;2,2−ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホン等のビスフェノール系化合物のエチレンオキシド付加物、キシリレングリコール等の芳香族ジオールなどが挙げられる。中でも、脂肪族ジオールが好ましく、より好ましくはネオペンチルグリコール(NPG)、エチレングリコール(EG)である。上記ジオールは単独で又は二以上を組み合わせて使用できる。
上記ポリエステルポリオールは、上記以外にも、p−オキシ安息香酸、p−オキシエトキシ安息香酸等のオキシカルボン酸;安息香酸、ベンゾイル安息香酸等のモノカルボン酸;トリメリット酸等の多価カルボン酸;ポリアルキレングリコールモノメチルエーテル等の1価アルコール;グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン等の多価アルコールなどに由来する構成単位を含んでいてもよい。
上記ポリエステルポリオール(好ましくはポリエステルジオール)は、特に芳香族ポリエステル系フィルム(PETフィルム等)と本発明の印刷層との密着性向上の観点から、ジカルボン酸成分として芳香族ジカルボン酸(中でも、テレフタル酸、イソフタル酸)を含むことが好ましい。さらに、ジオール成分としては、水酸基が結合している炭素原子の間の鎖長の比較的短いジオールである、ネオペンチルグリコール(NPG)やエチレングリコール(EG)を含むことが好ましい。NPGやEGを用いることにより、特に、芳香族ジカルボン酸と共重合した際に、芳香環の密度を比較的高くできるためと推定されるが、芳香族ポリエステル系フィルムと本発明の印刷層との密着性がさらに向上する。従って、上記ポリエステルポリオールは、芳香族ジカルボン酸(特に、テレフタル酸及び/又はイソフタル酸)に由来する構成単位、並びに、ネオペンチルグリコール(NPG)及び/又はエチレングリコール(EG)に由来する構成単位を有するポリエステルポリオール(特に、ポリエステルジオール)が特に好ましい。
上記ウレタン成分におけるポリオール化合物は、上記ポリエステルポリオール以外のポリオール化合物を含んでいてもよい。上記のポリエステルポリオール以外のポリオール化合物としては、特に限定されないが、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、プロピレングリコール(1,2−プロパンジオール)、ブタンジオール(1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール等)、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノールなどの低分子量グリコール類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテルジオール等の公知のジオール類や、3官能以上のポリオール化合物(ポリエーテルポリオール等)などが挙げられる。
上記ウレタン成分におけるポリオール化合物中のポリエステルポリオールの含有量、即ち、ウレタンアクリル系樹脂(A)中のポリオール(全ポリオール)に由来する構成単位(100重量%)中のポリエステルポリオールに由来する構成単位の含有量は、特に限定されないが、本発明の印刷層と基材(特にポリエステル系フィルム)との密着性向上の観点から、80重量%以上(80〜100重量%)が好ましく、より好ましくは90重量%以上(90〜100重量%)である。
上記ウレタンアクリル系樹脂(A)におけるウレタン成分(ウレタン成分の含有量)とアクリル成分(アクリル成分の含有量)の比[ウレタン成分:アクリル成分](重量比)は、1:9〜9:1が好ましく、より好ましくは3:7〜7:3である。[ウレタン成分:アクリル成分]が1:9よりもウレタン成分が少なくなると、印刷層と基材の密着性が低下する場合がある。一方、[ウレタン成分:アクリル成分]が9:1よりもアクリル成分が少なくなると、ブロッキングが生じやすくなったり、印刷層形成時の印刷性が低下する(版かぶりが生じやすくなる)場合がある。
上記ウレタンアクリル系樹脂(A)(100重量%)中の、上記(メタ)アクリロイル基を有するモノマーに由来する構成単位の含有量は、特に限定されないが、10〜90重量%が好ましく、より好ましくは30〜70重量%である。上記含有量が10重量%未満では、ウレタンアクリル系樹脂(A)中のアクリル成分が少なく、ブロッキングが生じやすくなったり、印刷層形成時の印刷性が低下する(版かぶりが生じやすくなる)場合がある。一方、上記含有量が90重量%を超えると、ウレタンアクリル系樹脂(A)中のウレタン成分が少なく、印刷層と基材(特にポリエステル系フィルム)との密着性が低下する場合がある。
ウレタンアクリル系樹脂(A)、アクリル系樹脂(B)およびラクトン系重合体(E)を構成する構成単位(単量体成分)や該構成単位の含有量の分析・測定は、特に限定されないが、例えば、核磁気共鳴(NMR)、ガスクロマトグラフ質量分析計(GCMS)などにより行うことができる。
上記ウレタンアクリル系樹脂(A)のガラス転移温度(Tg)は、特に限定されないが、耐スクラッチ性、耐インキ割れ性向上の観点から、−30〜100℃が好ましく、より好ましくは0〜70℃である。なお、本明細書において、Tgは、例えば、DSC(示差走査熱量測定)により測定することができる。DSC測定は、特に限定されないが、例えば、セイコーインスツルメンツ(株)製、示差走査熱量計「DSC6200」を用いて、昇温速度10℃/分の条件で行うことができる。
上記ウレタンアクリル系樹脂(A)の重量平均分子量(Mw)は、特に限定されないが、収縮追従性(シュリンク加工時の収縮変形に対する印刷層の追従性)の向上、本発明の印刷層と基材との密着性の向上及びブロッキング防止の観点から、20000〜100000が好ましく、より好ましくは25000〜80000、さらに好ましくは30000〜60000である。なお、本明細書において、Mwは、例えば、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定することができる。
上記ウレタンアクリル系樹脂(A)の酸価は、特に限定されないが、本発明の印刷層を形成する印刷インキの保存安定性(顔料(特に酸化チタン)の凝集抑止性)の観点から、0〜20mgKOH/gが好ましく、より好ましくは0.3〜5mgKOH/gである。なお、本明細書において、酸価は、JIS K 5601−2−1(滴定法)に準拠して求められる。
上記ウレタンアクリル系樹脂(A)は、市販品を用いることも可能である。例えば、大成ファインケミカル(株)製「アクリット 8UA−140」、「アクリット 8UA−357」などが市場で入手可能である。
(アクリル系樹脂(B))
上記アクリル系樹脂(B)は、特に限定されず、公知乃至慣用の印刷インキ用のアクリル系樹脂を用いることができる。上記アクリル系樹脂(B)は、特に限定されないが、本発明の印刷層を形成する主たる樹脂成分としての役割を担う。アクリル系樹脂(B)としては、アクリル系モノマーを必須のモノマー成分として構成された重合体、即ち、(メタ)アクリロイル基を有するモノマーに由来する構成単位を少なくとも有する重合体(共重合体)が挙げられる。上記アクリル系樹脂(B)を構成するモノマー成分には(メタ)アクリロイル基を有するモノマー以外のモノマー成分が含まれていてもよいが、アクリル系樹脂(B)を構成するモノマー成分は(メタ)アクリロイル基を有するモノマーのみからなることが好ましい。
なお、アクリル系樹脂(B)には、成分(A)や成分(E)に該当するアクリル系樹脂は含まれないものとする。即ち、上記アクリル系樹脂(B)からは、分子内にウレタン結合を有するアクリル系樹脂、並びに、分子内にラクトン系化合物に由来する構成単位およびリン酸基を含有するアクリル系樹脂は除かれる。
上記(メタ)アクリロイル基を有するモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシルなどの直鎖又は分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル[好ましくは(メタ)アクリル酸C1-12アルキルエステル等];(メタ)アクリル酸;カルボキシエチルアクリレートなどのカルボキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル;2−ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレートなどのヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル[好ましくは(メタ)アクリル酸ヒドロキシC1-8アルキルエステル等];(メタ)アクリル酸シクロヘキシルなどの(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル;N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミドなどの(メタ)アクリル酸アミド誘導体;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノプロピル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸ジアルキルアミノアルキルエステル類などが挙げられる。上記(メタ)アクリロイル基を有するモノマーは、単独で又は二以上を組み合わせて使用できる。
上記(メタ)アクリロイル基を有するモノマー以外のアクリル系樹脂(B)を構成するモノマー成分としては、特に限定されないが、例えば、クロトン酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸などのカルボキシル基含有重合性不飽和化合物又はその無水物;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレンなどのスチレン系化合物;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル類;塩化ビニルなどのハロゲン化ビニル;メチルビニルエーテルなどのビニルエーテル類;(メタ)アクリロニトリルなどのシアノ基含有ビニル化合物;エチレン、プロピレンなどが挙げられる。
アクリル系樹脂(B)としては、上記の中でも、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸イソブチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル及びメタクリル酸からなる群より選ばれた(メタ)アクリロイル基を有するモノマーに由来する構成単位を主たる構成単位とするアクリル系樹脂が特に好ましい。
上記アクリル系樹脂(B)を構成するモノマー成分全量(100重量%)中の(メタ)アクリロイル基を有するモノマーの含有量、即ち、アクリル系樹脂(B)(100重量%)中の(メタ)アクリロイル基を有するモノマーに由来する構成単位の含有量は、特に限定されないが、本発明の印刷層と基材(特にポリエステル系フィルム)との密着性の観点から、80重量%以上(80〜100重量%)が好ましく、より好ましくは90重量%以上(90〜100重量%)である。
上記アクリル系樹脂(B)の重量平均分子量(Mw)は、特に限定されないが、本発明の印刷層と基材との密着性の向上、印刷性の向上及びブロッキング防止の観点から、10000〜150000が好ましく、より好ましくは20000〜80000、さらに好ましくは30000〜60000である。
上記アクリル系樹脂(B)のガラス転移温度(Tg)は、特に限定されないが、本発明の印刷層の耐スクラッチ性、耐熱性、耐インキ割れ性向上の観点から、30〜105℃が好ましく、より好ましくは40〜80℃である。
上記アクリル系樹脂(B)の酸価は、本発明の印刷層を形成する印刷インキの保存安定性(顔料(特に酸化チタン)の凝集抑止性)の観点から、1〜40mgKOH/gが好ましく、より好ましくは2〜20mgKOH/gである。
上記アクリル系樹脂(B)は、市販品を用いることも可能である。例えば、東亞合成(株)製「ARUFONシリーズ」、三菱レイヨン(株)製「ダイヤナールシリーズ(BRシリーズ、LRシリーズ等)」などが市場で入手可能である。
(セルロース系樹脂(C))
上記セルロース系樹脂(C)は、特に限定されず、公知乃至慣用の印刷インキ用のセルロース系樹脂を用いることができる。セルロース系樹脂(C)としては、例えば、ニトロセルロース(硝化綿)や、セルロースアセテートブチレート(CAB)、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)等のエステル化されたセルロース樹脂が好ましい。これらは単独で又は二以上を組み合わせて使用できる。中でも、セルロースアセテートブチレート(CAB)、ニトロセルロースが特に好ましい。
上記セルロース系樹脂(C)は、特に限定されないが、印刷層を形成するための樹脂組成物(「印刷インキ」と称する場合がある)の粘度を調整する効果や、印刷層に硬さを付与する効果を発揮する。印刷インキの粘度が低い場合には、セルロース系樹脂(C)を加えて粘度を高くすることにより、塗布性(塗工性)を向上させることができるため好ましい。
上記セルロース系樹脂(C)の重量平均分子量は、特に限定されないが、1万〜15万が好ましく、より好ましくは2万〜10万である。上記重量平均分子量が1万未満では印刷インキの粘度が上がらない場合がある。一方、15万を超えるとセルロース系樹脂の溶解性が悪くなる場合がある。また、グラビア印刷の際に糸引き現象が起きる場合があり好ましくない。
上記セルロース系樹脂(C)は、市販品を用いることも可能である。例えば、イーストマンケミカル社製「CAB−381−20、CAB−381−0.5、CAB−551−0.1」、ベルジュラックNC社製「HIGシリーズ」、「LIGシリーズ」などが市場で入手可能である。
(顔料(D))
上記顔料(D)は、特に限定されず、印刷インキ用に用いられる公知乃至慣用の顔料を用いることができる。上記顔料(D)は、特に限定されないが、本発明の印刷層に色彩を与える役割を担う。上記顔料(D)としては、無機顔料、有機顔料が挙げられる。上記無機顔料としては、酸化チタン(白色顔料)、カーボン(黒色顔料・墨顔料)、パール顔料、金属(銀色顔料)などが挙げられ、より具体的には、例えば、酸化チタン(二酸化チタン)、べんがら等の酸化物;硫酸バリウム(例えば、沈降性硫酸バリウム)等の硫酸塩;炭酸カルシウム(例えば、沈降性炭酸カルシウム)等の炭酸塩;含水珪酸塩、無水珪酸塩等の珪酸塩;アルミニウム粉、アルミニウムフレーク等の金属粉;カーボンブラック;パール顔料などが挙げられる。上記有機顔料としては、例えば、アゾ顔料、多環色顔料が挙げられる。上記アゾ顔料としては、例えば、カーミン6B(PR−57)、レッド2B(PR−48)等のアゾレーキ(溶性アゾ)顔料;モノアゾエロー(PY−1、PY−3)、ジスアゾエロー(PY−12、PY−13、PY−14、PY−17、PY−83)、ピラゾロンオレンジ(PO−13、PO−34)、バルカンオレンジ(PO−16)等の不溶性アゾ顔料;クロモフタルエロー(PY−93、PY−95)、クロモフタルレッド(PR−144、PR−166)等の縮合アゾ系顔料などが挙げられる。上記多環色顔料としては、例えば、銅フタロシアニンブルー(PB−15、PB−15:1、PB−15:3)、銅フタロシアニングリーン(PG−7)等のフタロシアニン系顔料;ジオキサジンバイオレット(PV−23)等のジオキサジン系顔料;イソインドリノンエロー(PY−109、PY−110)等のイソインドリノン系顔料;ペリレン、ペリノン、フラバントロン、チオインジゴ等のスレン系顔料などが挙げられる。上記の中でも、顔料(D)としては、酸化チタンが好ましい。
上記酸化チタンは、特に限定されず、印刷インキ用に用いられる公知乃至慣用の酸化チタン(二酸化チタン)を用いることができる。酸化チタンとしては、例えば、ルチル型(正方晶高温型)、アナターゼ型(正方晶低温型)、ブルッカイト型(斜方晶)の酸化チタンが挙げられる。また、酸化チタンは、アルミナ、シリカ、亜鉛、ジルコニウムからなる群より選ばれた少なくとも1種で表面処理された酸化チタンであってもよい。
上記酸化チタンの平均粒径(平均粒子径)(凝集体を形成している場合には、凝集体の粒径、いわゆる2次粒径)は、特に限定されないが、例えば、0.1〜1μmが好ましく、より好ましくは0.1〜0.5μm、さらに好ましくは0.2〜0.4μmである。上記平均粒径が0.1μm未満では、印刷時に酸化チタン粒子がドクターでかきとられずに、すり抜けてしまう、印刷不良(いわゆる「かぶり」)が発生する場合があり、また、白濃度が低くなり、隠蔽性が低下する場合がある。一方、1μmを超えると印刷インキ中で酸化チタン粒子が沈降しやすくなり印刷インキの保存安定性(貯蔵安定性とも称する)が低下する場合があり、また、この場合にも白濃度が低下する場合がある。
上記顔料(D)は、市販品を用いることも可能である。例えば、テイカ(株)製、酸化チタン「JRシリーズ(JR−809、JR−708、JR−707等)」などが入手可能である。
(ラクトン系重合体(E))
上記ラクトン系重合体(E)は、ラクトン系化合物に由来する構成単位およびリン酸基を含有する重合体である。即ち、上記ラクトン系重合体(E)は、分子内に少なくとも1つのリン酸基を含有する、ラクトン系化合物を必須の原料成分として構成された重合体である。上記ラクトン系重合体(E)により、本発明の印刷層の印刷性(印刷インキの印刷性)が向上する。
上記ラクトン系重合体(E)としては、例えば、リン酸基を含有する、ラクトン系化合物の単独重合体;リン酸基を含有する、2以上のラクトン系化合物の共重合体;リン酸基を含有する、ラクトン系化合物とラクトン系化合物以外の化合物との共重合体などが挙げられる。より具体的には、ラクトン系重合体(E)としては、例えば、リン酸基を含有する、ポリラクトン鎖を主鎖とする重合体(リン酸基を含有するポリラクトン);リン酸基を含有し、ポリラクトン鎖及びポリエーテル鎖を有する共重合体;リン酸基を含有し、ポリラクトン鎖及びポリアクリル鎖を有する共重合体(ラクトン系化合物に由来する構成単位およびリン酸基を含有するアクリル系共重合体)などが挙げられる。
上記ラクトン系重合体(E)が共重合体である場合、共重合の形態は特に限定されず、ランダム共重合、ブロック共重合、グラフト共重合などが挙げられる。また、ラクトン系重合体(E)は、ラクトン系化合物から構成された分子鎖(ポリラクトン鎖)を主鎖に含む共重合体であってもよいし、ラクトン系化合物から構成された分子鎖(ポリラクトン鎖)を側鎖に含む共重合体であってもよい。
上記ラクトン系化合物(ラクトン類)としては、特に限定されず、公知乃至慣用のラクトン(γ−ラクトン、δ−ラクトン等)が挙げられる。中でも、ラクトン系化合物としては、例えば、γ−ペンタラクトン、γ−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、δ−カプロラクトン、ε−カプロラクトン(2−オキセパノン)が好ましい。上記ラクトン系化合物は単独で又は二以上を組み合わせて使用できる。
上記ラクトン系重合体(E)を構成する原料成分として用いられる、ラクトン系化合物以外の化合物としては、特に限定されないが、(メタ)アクリロイル基を有するモノマー、ポリオール化合物などが挙げられる。これらは単独で又は二以上を組み合わせて使用できる。
上記(メタ)アクリロイル基を有するモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシルなどの直鎖又は分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル[好ましくは(メタ)アクリル酸C1-12アルキルエステル等];(メタ)アクリル酸;カルボキシエチルアクリレートなどのカルボキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル;2−ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレートなどのヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル[好ましくは(メタ)アクリル酸ヒドロキシC1-8アルキルエステル等];(メタ)アクリル酸シクロヘキシルなどの(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル;フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等の芳香族(メタ)アクリレート;N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミドなどの(メタ)アクリル酸アミド誘導体;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノプロピル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸ジアルキルアミノアルキルエステル類などが挙げられる。上記の中でも、(メタ)アクリロイル基を有するモノマーとしては、直鎖又は分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル[中でも、(メタ)アクリル酸C1-12アルキルエステル]、(メタ)アクリル酸、芳香族(メタ)アクリレートが好ましく、より好ましくは、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ベンジルである。
上記ポリオール化合物としては、特に限定されないが、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、プロピレングリコール(1,2−プロパンジオール)、ブタンジオール(1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール等)、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノールなどの低分子量グリコール類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテルジオール等の公知のジオール類や、3官能以上のポリオール化合物(ポリエーテルポリオールなど)などが挙げられる。
上記ラクトン系重合体(E)は、分子内に少なくとも1つのリン酸基を有する。
上記ラクトン系重合体(E)は、顔料(D)(特に、酸化チタン)への吸着性向上の観点から、アミノ基を有していてもよい。
上記ラクトン系重合体(E)の重量平均分子量(Mw)は、特に限定されないが、ラクトン系重合体(E)のブリードアウト防止や顔料(D)の分散性向上の観点から、300〜10000が好ましく、より好ましくは500〜5000である。
上記ラクトン系重合体(E)の酸価は、特に限定されないが、10〜150mgKOH/gが好ましく、より好ましくは15〜100mgKOH/gである。上記酸価が10mgKOH/g未満では、ラクトン系重合体(E)の顔料(D)(特に、酸化チタン)への吸着性が低下し、顔料(D)の分散性が低下する場合がある。一方、上記酸価が150mgKOH/gを超えると、印刷インキ中で顔料(D)(特に、酸化チタン)が凝集し易くなり、印刷インキの保存安定性が低下する場合がある。また、印刷性が低下する場合がある。
上記ラクトン系重合体(E)のアミン価は、特に限定されないが、顔料(D)の分散性の観点から、0〜50mgKOH/gが好ましく、より好ましくは0〜30mgKOH/gである。
上記ラクトン系重合体(E)は、市販品を用いることも可能である。例えば、BYK−Chemie(ビックケミー)社製「DISPERBYK−111」、「DISPERBYK−2001」などが市場で入手可能である。
(添加剤)
本発明の印刷層は、成分(A)、成分(B)、成分(C)、成分(D)及び成分(E)以外の成分(添加剤)を、本発明の効果を損なわない範囲内で含有していてもよい。上記添加剤としては、特に限定されないが、成分(A)、成分(B)、成分(C)及び成分(E)以外の樹脂、染料、可塑剤、滑剤、沈降防止剤、分散剤、安定剤、硬化剤、消泡剤、充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、色別れ防止剤、香料、消臭剤等が挙げられる。上記添加剤は単独で又は二以上を組み合わせて使用できる。
上記滑剤としては、例えば、ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレン系ワックス等のポリオレフィン系ワックス、脂肪酸アマイド、脂肪酸エステル、パラフィンワックス、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)ワックス、カルナウバワックス等の各種ワックス(ワックス類)が挙げられる。
本発明の印刷層中の、上記の特定樹脂(ウレタンアクリル系樹脂(A)、アクリル系樹脂(B)及びセルロース系樹脂(C))の含有量(即ち、成分(A)の含有量、成分(B)の含有量及び成分(C)の含有量の合計量)は、本発明の印刷層の総重量(100重量%)に対して、5〜50重量%であることが好ましく、より好ましくは10〜40重量%、さらに好ましくは20〜30重量%である。特定樹脂の含有量が5重量%未満では、印刷層と基材との密着性が低下する場合があり、特に、耐スクラッチ性、耐もみ性が低下する場合がある。
本発明の印刷層中において、特定樹脂の総重量[即ち、ウレタンアクリル系樹脂(A)、アクリル系樹脂(B)及びセルロース系樹脂(C)の総重量(合計重量)](100重量%)に対する、ウレタンアクリル系樹脂(A)の含有量は、4〜40重量%が好ましく、より好ましくは5〜30重量%、さらに好ましくは6〜20重量%である。また、特定樹脂の総重量(100重量%)に対する、アクリル系樹脂(B)の含有量は、40〜96重量%が好ましく、より好ましくは55〜95重量%、さらに好ましくは70〜94重量%である。
ウレタンアクリル系樹脂(A)の含有量が4重量%未満の場合やアクリル系樹脂(B)の含有量が96重量%を超える場合には、印刷層と基材(特にポリエステル系フィルム基材)との密着性が悪くなり、シュリンク加工の前後のいずれにおいても耐剥離性が低下したり、シュリンクラベルの製造、加工工程や流通過程で印刷層の剥離が生じやすくなったりする場合がある。また、印刷層の耐スクラッチ性が低下し、シュリンクラベル表面に傷がつきやすくなる場合がある。さらに、印刷層が脆くなり、耐もみ性が低下し、シュリンク加工時や流通過程で、印刷層の割れや剥離が生じやすくなる場合がある。
一方、ウレタンアクリル系樹脂(A)の含有量が40重量%を超える場合には、印刷層がやわらかくなりすぎ、シュリンク加工の際にシール部分の印刷層が引っ張られて縦筋状に割れやすくなり、シュリンク適性が低下する場合がある。また、印刷インキが高価となりコスト面で不利となる場合がある。さらに、印刷において版かぶりが生じやすくなる場合がある。
本発明の印刷層中において、特定樹脂の総重量(100重量%)に対する、セルロース系樹脂(C)の含有量は、0〜20重量%が好ましく、より好ましくは0〜15重量%、さらに好ましくは3〜10重量%である。セルロース系樹脂(C)の含有量が20重量%を超えると、印刷層と基材との密着性が低下して、特に耐剥離性が悪くなり、シュリンクラベルの製造、加工工程や流通過程で印刷層の剥離が生じやすくなる場合がある。また、印刷インキが高粘度となりすぎて塗布性が低下する場合がある。
本発明の印刷層中の、顔料(D)の含有量は、特に限定されないが、本発明の印刷層の総重量(100重量%)に対して、5〜90重量%が好ましい。特に、顔料(D)が酸化チタンの場合には、本発明の印刷層中の、酸化チタンの含有量は、特に限定されないが、隠蔽性や印刷適性の観点から、本発明の印刷層の総重量(100重量%)に対して、30〜90重量%が好ましく、より好ましくは40〜80重量%、さらに好ましくは50〜70重量%である。
本発明の印刷層中において、ラクトン系重合体(E)の含有量は、特定樹脂の総重量(100重量部)に対して、1〜20重量部であり、1.3〜15重量部が好ましい。上記成分(E)の含有量が1重量部未満の場合には、印刷層の印刷性が低下する場合がある。一方、上記成分(E)の含有量が20重量部を超える場合には、顔料(D)(特に、酸化チタン)が凝集する。
本発明の印刷層(100重量%)中の、上記の滑剤(特にワックス)の含有量は、特に限定されないが、0.1〜10重量%が好ましく、さらに好ましくは2〜7重量%である。
本発明の印刷層の厚みは、特に限定されないが、耐摩耗性や隠蔽性の観点から、0.5〜5μmが好ましく、より好ましくは1〜4μmである。
[基材]
本発明のシュリンクラベルにおける基材は、印刷層の支持体となり、ラベルの強度、剛性や収縮特性に主たる影響を及ぼす。上記基材は、シュリンクフィルム(熱収縮性フィルム)であり、特に限定されないが、公知のシュリンクラベルの基材として用いられるシュリンクフィルムを用いることができる。上記シュリンクフィルムを形成する樹脂の種類は、要求物性、用途、コストなどに応じて、適宜選択することが可能であり、特に限定されないが、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、アラミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、アクリル系樹脂等の樹脂が挙げられる。これらの樹脂は1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。さらに、同種又は異種の樹脂を積層して積層フィルムとして用いてもよい。中でも、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂が好ましい。即ち、上記シュリンクフィルムは、ポリエステル系樹脂からなるポリエステル系フィルム、ポリスチレン系樹脂からなるポリスチレン系フィルム、ポリオレフィン系樹脂からなるポリオレフィン系フィルム、ポリエステル系樹脂を外層とし、ポリオレフィン系樹脂又はポリスチレン系樹脂を内層とした異種積層フィルムが好ましい。上記の中でも、透明性の観点から、特にポリエステル系フィルムが好ましい。また、本発明の印刷層は、一般的な印刷インキ及び印刷層に対しては密着性が低下しやすいポリエステル系フィルムの基材に対しても、優れた密着性を発揮する。上記のポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂としては、例えば、特開2008−170822号公報、特開2008−170697号公報、特開2008−163215号公報、特開2008−163231号公報に記載のポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂などを用いることができる。
上記ポリエステル系フィルムに用いられるポリエステル系樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)系樹脂やポリ(エチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート)(PEN)、ポリ乳酸(PLA)等を用いることができ、中でも好ましくはポリエチレンテレフタレート(PET)系樹脂である。上記PET系樹脂としては、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸を用い、ジオール成分としてエチレングリコールを用いたポリエチレンテレフタレート(PET);ジカルボン酸成分としてテレフタル酸を用い、ジオール成分としてエチレングリコールを主成分、1,4−シクロヘキサンジメタノール(CHDM)を共重合成分として用いた共重合ポリエステル(CHDM共重合PET)、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸を用い、ジオール成分としてエチレングリコールを主成分、ネオペンチルグリコール(NPG)を共重合成分として用いた共重合ポリエステル(NPG共重合PET)、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸を用い、ジオール成分としてエチレングリコールを主成分、ジエチレングリコールを共重合成分として用いた共重合ポリエステルなどのジオール変性PET;ジカルボン酸変性PET(ジカルボン酸成分において、テレフタル酸を主成分にイソフタル酸及び/又はアジピン酸で変性)などが挙げられる。
上記ポリスチレン系フィルムに用いられるポリスチレン系樹脂としては、構成モノマーとして、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレン、p−イソブチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、クロロメチルスチレン等のスチレン系単量体を1種又は2種以上含む樹脂が挙げられる。具体的には、例えば、一般ポリスチレン、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SBS)、スチレン−ブタジエン・イソプレン−スチレン共重合体(SBIS)、スチレン−アクリル酸エステル共重合体等が好ましく例示される。
上記ポリオレフィン系フィルムに用いられるポリオレフィン系樹脂としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、メタロセン触媒系LLDPE(mLLDPE)などのポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン、プロピレン−α−オレフィン共重合体などのポリプロピレン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、環状オレフィン樹脂等が挙げられる。特に、ポリオレフィン系フィルムとしては、環状オレフィン樹脂を外層とするものが好ましい。例えば、環状オレフィン樹脂を外層とし、ポリエチレン系樹脂又はポリプロピレン系樹脂を内層(中心層)とするものが好ましい。
本発明における基材は単層構成であってもよいし、積層構成を有していてもよい。即ち、上記シュリンクフィルムは、単層フィルムであってもよいし、要求物性、用途などに応じて、複数のフィルム層を積層した積層フィルムであってもよい。また、積層フィルムの場合、同種の樹脂からなるフィルム層を積層していてもよいし、異なる樹脂からなるフィルム層を積層していてもよい。積層フィルムの場合、ポリエステル系樹脂を外層とし、ポリオレフィン系樹脂又はポリスチレン系樹脂を内層とした積層フィルムや、環状オレフィン樹脂を外層とし、ポリエチレン系樹脂又はポリプロピレン系樹脂を内層とした積層フィルムが好ましい。
上記基材として用いられるシュリンクフィルムは、シュリンク特性を発揮する観点から、1軸、2軸または多軸に配向したフィルムであることが好ましい。シュリンクフィルムが積層フィルムの場合には、積層フィルム中の少なくとも1層のフィルム層が配向していることが好ましい。全てのフィルム層が無配向の場合には、十分なシュリンク特性を発揮できない場合がある。シュリンクフィルムとしては、特に1軸または2軸配向フィルムが好ましく、中でも、フィルムの1軸方向に強く配向しているフィルム(実質的に1軸延伸されたフィルム)がより好ましい。特に幅方向に1軸延伸されたフィルムが好ましい。
上記シュリンクフィルムは、溶融製膜または溶液製膜などの慣用の方法によって作製することができる。また、市販のシュリンクフィルムを用いることも可能である。シュリンクフィルムの表面には、必要に応じて、コロナ放電処理やプライマー処理等の慣用の表面処理が施されていてもよい。積層構成のシュリンクフィルムを作製する場合、積層の方法としては、慣用の方法、例えば、共押出法、ドライラミネート法などを用いることが可能である。シュリンクフィルムに配向を施す方法としては、長手方向(フィルムの製造ライン方向。縦方向又はMD方向とも称する)および幅方向(長手方向と直交する方向。横方向又はTD方向とも称する)の2軸延伸、長手方向又は幅方向の1軸延伸等を用いることができる。延伸方式は、例えば、ロール方式、テンター方式、チューブ方式等を用いることができる。例えば、幅方向に実質的に1軸延伸されたフィルムの延伸処理は、70〜100℃程度の温度で、必要に応じて長手方向に例えば1.01〜1.5倍、好ましくは1.05〜1.3倍程度延伸した後、幅方向に3〜6倍、好ましくは4〜5.5倍程度延伸することにより行うことができる。
上記シュリンクフィルムの、主配向方向の、90℃、10秒における熱収縮率(「熱収縮率(90℃、10秒)」と称する場合がある)は、特に限定されないが、15〜90%が好ましく、より好ましくは20〜85%である。上記シュリンクフィルムの、主配向方向と直交する方向の熱収縮率(90℃、10秒)は、特に限定されないが、−3〜10%が好ましい。なお、上記「主配向方向」とは主に延伸処理が施された方向(最も熱収縮率が大きい方向)であり、一般的には長手方向又は幅方向であり、例えば、幅方向に実質的に1軸延伸されたフィルムの場合には幅方向である。
上記シュリンクフィルムが透明フィルムの場合、シュリンクフィルムのヘイズ値(%)(JIS K 7105準拠)は、10%未満が好ましく、より好ましくは5.0%未満、さらに好ましくは2.0%未満である。ヘイズ値が10%以上の場合には、シュリンクフィルムを通して印刷を見せる場合に、印刷が曇り、装飾性が低下することがある。
上記基材の厚みは、特に限定されないが、10〜100μmが好ましく、より好ましくは12〜80μm、さらに好ましくは15〜60μmである。基材厚みが薄い場合(例えば、10〜45μm程度)には、詳細は不明であるが、一般的に、製膜時に基材の結晶性が高くなるため、印刷層と基材の密着性が低下しやすい傾向にあるが、本発明の印刷層は、かかる厚みの薄い、いわゆる薄肉の基材(特に薄肉のポリエステル系フィルム)に対しても、優れた密着性を発揮できるため好ましい。
上記基材として用いられるシュリンクフィルムは、市販品を用いることも可能である。例えば、東洋紡績(株)製「スペースクリーン S7042」、「SV−808」、三菱樹脂(株)製「LX−10S」、「LX−61S」(以上、ポリエステル系フィルム);シーアイ化成(株)製「ボンセット」、グンゼ(株)製「GMLS」(以上、ポリスチレン系フィルム);グンゼ(株)製「FL」(ポリオレフィン系フィルム);三菱樹脂(株)製「エコロージュ」(ポリ乳酸系フィルム);三菱樹脂(株)製「DL」、グンゼ(株)製「HGS」(以上、表層がポリエステル系樹脂、中心層がポリスチレン系樹脂の積層フィルム)等が挙げられる。
[シュリンクラベル]
本発明のシュリンクラベルは、上記基材の少なくとも片面側に、上記の本発明の印刷層を有する。本発明の印刷層は、シュリンクラベル表面の全面に設けられてもよいし、シュリンクラベル表面の一部分にのみ設けられてもよい。本発明の印刷層は、アンカーコート層などの他の層を介さずに基材上に直接設けても、十分な密着性を発揮できる。このため、生産性、コスト面で有利である。なお、本発明の印刷層は、必要に応じて、アンカーコート層を介して基材上に設けられていてもよい。
本発明の印刷層は、例えば、図、デザインや背景等の意匠印刷層(カラー印刷層や白色印刷層等)として用いられる。
さらに、本発明のシュリンクラベルには、基材、本発明の印刷層の他にも、接着剤層、紫外線防止層、印刷保護層、アンカーコート層、プライマーコート層、本発明の印刷層以外の印刷層(「他の印刷層」と称する場合がある)、不織布、紙等の層を必要に応じて設けてもよい。
本発明のシュリンクラベルにおいて、本発明の印刷層は、ラベルの内側になるように設けられてもよいし、ラベルの外側になるように設けられてもよい。
本発明のシュリンクラベルの積層構成は、特に限定されないが、例えば、表側(ラベルの表側)から、基材/本発明の印刷層、本発明の印刷層/基材からなる2層積層構成;本発明の印刷層/基材/本発明の印刷層等の多層積層構成が挙げられる。
なお、本明細書において、シュリンクラベルの「表側」とは、ラベルのデザインを見る側(デザインが正しく見える方の面側)を意味し、シュリンクラベルの「裏側」とは、前記の「表側」の反対側を意味する。また、シュリンクラベルの「外側」とは、シュリンクラベルを容器に装着する場合に、容器とは接しない側(容器とは反対側)を意味し、シュリンクラベルの「内側」とは、容器と接する側(容器側)を意味する。
本発明のシュリンクラベルの、主配向方向の、90℃、10秒における熱収縮率(熱収縮率(90℃、10秒))は、特に限定されないが、15%以上(例えば、15〜90%)が好ましく、より好ましくは20〜85%である。熱収縮率(90℃、10秒)が15%未満では、シュリンク加工の際に、ラベルを装着する容器等の形状に対する追従性が不十分であり、美麗な仕上がりが得られない場合がある。本発明のシュリンクラベルの、主配向方向と直交する方向の熱収縮率(90℃、10秒)は、特に限定されないが、−3〜10%が好ましい。なお、上記「主配向方向」とは、主に延伸処理が施された方向(最も熱収縮率が大きい方向)であり、シュリンクラベルが筒状シュリンクラベルの場合には、一般に周方向である。
本発明のシュリンクラベルにおいては、本発明の印刷層を形成する樹脂成分としてアクリル系樹脂(B)を用いている。このため、比較的安全である。さらに、本発明の印刷層は、ウレタンアクリル系樹脂(A)を含有するため、基材との密着性が高く、さらに適度な柔軟性を有している。よって、本発明のシュリンクラベルは、印刷層が剥離しにくく、印刷層の耐もみ性、耐スクラッチ性などにも優れる。従って、安全で、かつ、一般的な印刷層に対しては密着性が低下しやすい、ポリエステル系フィルム、特に薄肉(薄膜)のポリエステル系フィルムを基材とすることが可能である。また、本発明の印刷層は、ポリエステル系、ポリスチレン系、ポリオレフィン系などの様々な種類かつ様々な厚みの基材に対して設けることが可能であり、言い換えると、本発明のシュリンクラベルは、基材の種類、厚みなどを幅広く変更することが可能であり、優れた汎用性を有する。
さらに、印刷層が柔軟となる効果により印刷層の強靱性が増すため、ラベルの製造工程や加工工程において、印刷層が割れて、ガイドに粉が吹くなどの問題が生じず、生産性も向上する。
しかしながら、ウレタンアクリル系樹脂を含有する印刷インキは、顔料を含む場合(特に、酸化チタンを含む場合)には、塗布(塗工)性が不十分となる傾向にあり、その結果、該印刷インキから形成された印刷層は印刷性が不十分となり、特に階調(グラデーション)表現のデザインなどの表現性が不十分となる傾向にあった。
これに対して、本発明は、特定のラクトン系重合体(E)を添加することにより印刷層の印刷性を向上させた。本発明におけるラクトン系重合体(E)は、分子中に、ラクトン系化合物に由来する構成単位及びリン酸基を含有している。これにより、リン酸基部分が顔料(特に、酸化チタン)に対して吸着性を有し、ラクトン系化合物に由来する構成単位の部分(ポリラクトン部分等)が特定樹脂に対して親和性を有し、印刷インキ中及び印刷層中の顔料の分散性を向上させるためと考えられるが、印刷インキの塗布性及び本発明の印刷層の印刷性が向上する。このため、本発明の印刷層は、顔料を含んでいながら、グラデーション表現のデザインなどの表現性にも優れている。
これにより、本発明のシュリンクラベルは、顔料(特に、酸化チタン)を含む印刷層を有しながら、基材と印刷層との密着性および印刷層の印刷性を高いレベルで両立させている。
本発明のシュリンクラベルは、筒状ラベル、巻き付けラベル等、特に限定されないが、デザイン性(加飾性)や容器形状に対する追従性に優れる観点からは、筒状のシュリンクラベル(筒状シュリンクラベル)が好ましい。
本発明のシュリンクラベルは、特に限定されないが、飲料用容器などの容器に装着して、ラベル付き容器として用いられる。なお、本発明のシュリンクラベルは、容器以外の被着体に用いられてもよい。
本発明のシュリンクラベル(特に本発明の筒状シュリンクラベル)を、例えば、表側が容器と反対側にくるように配置させ熱収縮させることによって容器に装着することにより、ラベル付き容器(本発明のシュリンクラベルを有するラベル付き容器)が得られる。上記容器には、例えば、PETボトルなどのソフトドリンク用ボトル、牛乳瓶、調味料などの食品用容器、アルコール飲料用ボトル、医薬品容器、洗剤、スプレーなどの化学製品の容器、カップ麺容器などが含まれる。上記容器の形状としては、特に限定されないが、例えば、円筒状、角形等のボトルタイプや、カップタイプなどの様々な形状が挙げられる。また、上記容器の材質としては、特に限定されないが、例えば、PETなどのプラスチック、ガラス、金属などが挙げられる。
[シュリンクラベルの製造方法、加工方法]
本発明のシュリンクラベルの製造方法及び加工方法(筒状シュリンクラベルの加工方法)の例を下記に示す。
本発明の印刷層を形成するための樹脂組成物(印刷インキ)は、上記特定樹脂(ウレタンアクリル系樹脂(A)、アクリル系樹脂(B)、及び、必要に応じてセルロース系樹脂(C))、顔料(D)、ラクトン系重合体(E)及び溶剤と、必要に応じて、添加剤を混合することにより製造される。混合は、公知慣用の混合方法により行うことができ、特に限定されないが、例えば、ペイントシェイカー、バタフライミキサー、プラネタリーミキサー、ポニーミキサー、ディゾルバー、タンクミキサー、ホモミキサー、ホモディスパーなどのミキサーや、ロールミル、サンドミル、ボールミル、ビーズミル、ラインミルなどのミル、ニーダーなどが用いられる。混合の際の混合時間(滞留時間)は、特に限定されないが、10〜120分が好ましい。
本発明の印刷層中の、各成分(成分(A)、(B)、(C)、(D)、(E)等)の含有量を制御するためには、上記印刷インキの不揮発分中のそれぞれの成分の含有量が、印刷層中の所望の含有量になるように印刷インキを調製すればよい。なお、一般的に、印刷インキの全不揮発分中の各成分(不揮発分)の含有量(重量%)は、シュリンクラベルの本発明の印刷層中の各成分の含有量(重量%)と等しくなる。
上記溶剤としては、グラビア印刷やフレキソ印刷等の印刷インキに通常用いられる有機溶剤等を用いることができ、例えば、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチルなどの酢酸エステル類;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;ヘキサン、オクタンなどの脂肪族炭化水素類;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの脂環式炭化水素類;エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類;エチレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等のグリコールエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコールエーテルエステル類などが例示される。これらの中でも、溶解性、安全性の観点から、酢酸エステル類、アルコール類が好ましい。上記溶剤は単独で又は2種以上を混合して使用できる。上記溶剤は、印刷インキを基材に塗布した後、乾燥により除去することができる。なお、上記溶剤(溶媒)には、「分散媒」の意味も含む。
上記印刷インキの粘度(23±2℃)は、特に限定されないが、例えば、グラビア印刷により塗工される場合には、10〜1000mPa・sが好ましく、より好ましくは20〜500mPa・sである。粘度が1000mPa・sを超える場合には、例えばグラビア印刷性が低下し、「かすれ」や「版かぶり」などが生じて、希望のデザイン通りに印刷できなくなる場合がある。また、粘度が10mPa・s未満の場合には、顔料や添加剤が沈降しやすくなる等、保存安定性が低下したり、「およぎ」が発生して印刷ムラが生じ、希望のデザイン通りの印刷が出来なくなる場合がある。印刷インキの粘度は、特定樹脂やその他の各成分の種類や配合量(含有量)、増粘剤、減粘剤等によって制御することが可能である。特に、セルロース系樹脂(C)を添加することで粘度を適切な範囲に制御しやすくなるため好ましい。なお、本明細書中、「粘度」とは、特に限定しない限り、E型粘度計(円錐平板形回転粘度計)を用い、23±2℃、円筒の回転速度50rpmの条件下、JIS Z 8803に準じて測定した値を意味している。
次いで、上記印刷インキを、基材(シュリンクフィルム)の表面上に、塗布、乾燥することにより本発明の印刷層を設け、本発明のシュリンクラベルを作製することができる。上記の塗布、乾燥工程は、シュリンクフィルムの製造工程中に行われてもよいし(インラインコート)、シュリンクフィルム製膜後に行われてもよい(オフラインコート)が、生産性や加工性の観点から、オフラインコートが好ましい。また、必要に応じて、本発明の印刷層以外の層等を設けてもよい。
上記の印刷インキを塗布する方法としては、コストや生産性、印刷の装飾性などの観点から、グラビア印刷方式、フレキソ印刷方式、凸版輪転印刷方式が好ましく、中でも、グラビア印刷方式が特に好ましい。また、塗布された印刷インキ層(塗布層)を加熱等により、乾燥する際には、印刷装置上で加熱が可能な、一般的な加熱装置を好ましく用いることができる。安全性の観点から、好ましくは、熱風ヒーターなどを用いることができる。
上記シュリンクラベルは筒状ラベルに加工してもよい。例えば、シュリンクラベルの主配向方向が周方向となるように円筒状に成形する。具体的には、主配向方向に所定幅を有するシュリンクラベルを、シュリンクラベルの外面(外側)が表側となるように主配向方向の両端を重ね合わせて筒状に形成し、ラベルの一方の側縁部に、帯状に約2〜4mm幅で、テトラヒドロフラン(THF)などの溶剤や接着剤(以下接着剤等)を内面に塗布し、該接着剤等塗布部を、他方の側縁部の外面に接着し、筒状のシュリンクラベルを得る。なお、上記の接着剤等を塗工する部分及び接着する部分には、印刷層が設けられていないことが好ましい。
なお、筒状シュリンクラベルにラベル切除用のミシン目を設ける場合は、所定の長さ及びピッチのミシン目を周方向と直交する方向に形成する。ミシン目は慣用の方法(例えば、周囲に切断部と非切断部とが繰り返し形成された円板状の刃物を押し当てる方法やレーザーを用いる方法等)により施すことができる。ミシン目を施す工程段階は、印刷工程の後や、筒状加工工程の前後など、適宜選択することができる。
筒状シュリンクラベルは容器に装着してラベル付き容器とすることができる。例えば、筒状シュリンクラベルを、所定の容器に外嵌した後、加熱処理によって、ラベルを熱収縮させ、容器に追従密着させることによってラベル付き容器を作製する。上記加熱処理としては、例えば、80〜100℃のスチームで処理する(スチームおよび湯気が充満した加熱トンネルを通過させる)ことなどが例示される。なお、本発明のシュリンクラベルは、本発明の印刷層が内側となるように容器に装着されていることが好ましい。
以下に、実施例に基づいて、本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
表1には、実施例、比較例で用いた印刷インキの配合組成(配合量)、印刷インキ及び印刷層中の特定樹脂の含有量、特定樹脂の総重量に対するウレタンアクリル系樹脂、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、ラクトン系化合物に由来する構成単位およびリン酸基を含有する重合体(リン酸基を含有するラクトン系重合体)、リン酸基を含有するラクトン系重合体以外の分散剤(不揮発分)の含有量、並びに、得られたシュリンクラベルの評価結果等を示した。
上記の印刷インキの配合組成は、用いた商品の重量基準の配合量(重量部)で示した。また、印刷層中の特定樹脂の含有量(印刷インキの不揮発分中の特定樹脂の含有量と等しい)は、印刷層中(印刷インキの全不揮発分中)のウレタンアクリル系樹脂、アクリル系樹脂及びセルロース系樹脂の合計含有量(不揮発分換算の含有量)(重量%)である。さらに、特定樹脂の総重量に対するウレタンアクリル系樹脂、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、リン酸基を含有するラクトン系重合体、リン酸基を含有するラクトン系重合体以外の分散剤の含有量は、不揮発分換算の含有量(重量部又は重量%)で示した。
なお、上記のウレタンアクリル系樹脂やアクリル系樹脂には、分散剤(a)〜(e)は含まれない。
また、表2には印刷インキに用いた商品(樹脂等)の詳細を示した。
さらに、表3には、ウレタンアクリル系樹脂(a)として用いたウレタンアクリル系樹脂溶液(大成ファインケミカル(株)製、商品名「アクリット8UA−140」)に含まれる樹脂の種類、構造[樹脂を構成する構成単位の由来する化合物(樹脂を構成する単量体成分)と各構成単位の重量百分率(樹脂中の割合)]、酸価及び重量平均分子量を示した。また、上記溶液の溶剤組成(溶剤の種類および含有割合)及び不揮発分濃度を示した。なお、上記の樹脂の構造は、1H−NMR分析及び熱分解分析により測定した。1H−NMR分析は、NMR(500MHz)[日本電子(株)製、「JNM−LA500」]を用いて下記条件で行った。また、熱分解分析は、ガスクロマトグラフ質量分析計[島津製作所(株)製、「GCMS−QP2010」]、中極性カラム[Restek社製、「Rtx−200」]、微極性カラム[フロンティアラボ社製、「UltraALLOY−5」]およびポータブルパイロライザー[日本分析工業(株)製、「JCI−22」]を用いて行った。
1H−NMR分析条件>
EXMOD(測定方法) : non(水素原子核の影響を残している状態で測定すること)
OBNUC(観測原子核) : 1
IRNUC(照射核) : 1
CTEMP(設定温度) : 22.9℃
SLVNT(測定溶媒) : CDCl3(重クロロホルム)
実施例1
(印刷インキ)
ウレタンアクリル系樹脂(a)として、ウレタンアクリル系樹脂溶液(大成ファインケミカル(株)製、商品名「アクリット8UA−140」、不揮発分濃度:40重量%)2重量部(ウレタンアクリル系樹脂として、0.8重量部)を用いた。なお、上記ウレタンアクリル系樹脂溶液(アクリット8UA−140)は、表3に示すとおり、ネオペンチルグリコール8.1重量%、エチレングリコール3.3重量%、テレフタル酸12.9重量%、イソフタル酸12.9重量%、イソホロンジイソシアネート17.2重量%、メタクリル酸n−ブチル30.9重量%、メタクリル酸メチル14.7重量%を単量体成分(構成単位の由来する化合物)として構成された、重量平均分子量40000、酸価2.5mgKOH/gのポリエステルジオール系のウレタンアクリル系樹脂の溶液(溶剤:酢酸エチル99重量%とイソプロピルアルコール1重量%の混合溶剤、不揮発分濃度:40重量%)である。
アクリル系樹脂(a)として、アクリル系樹脂(三菱レイヨン(株)製、商品名「ダイヤナール BR−113」、不揮発分濃度:100重量%)10重量部を用いた。
アクリル系樹脂(b)として、アクリル系樹脂(三菱レイヨン(株)製、商品名「ダイヤナール BR−116」、不揮発分濃度:100重量%)2重量部を用いた。
セルロース系樹脂として、CAB樹脂(イーストマンケミカル社製、商品名「CAB−381−20」、不揮発分濃度:100重量%)0.5重量部を用いた。
酸化チタン(顔料)として、酸化チタン(テイカ(株)製、商品名「JR−707」、不揮発分濃度:100重量%)37重量部を用いた。
分散剤(a)として、リン酸基を含有するラクトン系重合体の溶液(BYK−Chemie(ビックケミー)社製、商品名「DISPERBYK−111」、不揮発分濃度:95重量%)0.2重量部(リン酸基を含有するラクトン系重合体として0.19重量部)を用いた。
上記のウレタンアクリル系樹脂(a)、アクリル系樹脂(a)、アクリル系樹脂(b)、セルロース系樹脂、酸化チタン、分散剤(a)に、沈降防止剤(伊藤製油(株)製、商品名「ASA−TS−021」、不揮発分濃度:20重量%)0.5重量部、ワックス(サゾール社製、商品名「SPRAY105」、不揮発分濃度:100重量%)2重量部、酢酸エチル9重量部、酢酸n−プロピル13重量部、プロピルセロソルブ5重量部およびイソプロピルアルコール(IPA)19重量部を加えて、印刷インキ(100.2重量部)を作製した。
上記印刷インキ中における特定樹脂(ウレタンアクリル系樹脂、アクリル系樹脂及びセルロース系樹脂)の総重量(100重量%)に対する、ウレタンアクリル系樹脂の含有量は6.0重量%、アクリル系樹脂の含有量は90.2重量%、セルロース系樹脂の含有量は3.8重量%であった。また、上記印刷インキ中における特定樹脂の総重量(100重量部)に対する、リン酸基を含有するラクトン系重合体の含有量は1.4重量部であった。
なお、上記の印刷インキ中の各樹脂及び重合体の含有量の割合は、シュリンクラベルの印刷層中の各樹脂及び重合体の含有量の割合と等しい。
(シュリンクラベル)
上記の印刷インキを、ポリエステル(PET)系シュリンクフィルム(東洋紡績(株)製、商品名「SV808」、厚み:30μm、主配向方向(幅方向)の熱収縮率(90℃、10秒):50%)の片面に、彫刻70線/インチのグラビア版を用いて、全面グラビア印刷を施し、熱風乾燥機を用いて50℃の条件で乾燥して、印刷層を形成し、シュリンクラベルを得た。なお、乾燥後の印刷層の厚みは約3μmであった。
また、基材を、ポリエステル(PET)系シュリンクフィルム(三菱樹脂(株)製、商品名「LX−61S」、厚み:45μm、主配向方向(幅方向)の熱収縮率(90℃、10秒):81%)に変更した以外は上記と同様にして、シュリンクラベルを得た。乾燥後の印刷層の厚みは約3μmであった。
実施例2〜4、比較例3
表1に示すように、リン酸基を含有するラクトン系重合体(分散剤)の配合量などを変更して、実施例1と同様にして、印刷インキおよびシュリンクラベルを作製した。
実施例5
表1に示すように、リン酸基を含有するラクトン系重合体(分散剤)の種類、配合量などを変更して、実施例1と同様にして、印刷インキおよびシュリンクラベルを作製した。
比較例1
表1に示すように、ウレタンアクリル系樹脂、リン酸基を含有するラクトン系重合体を含む分散剤を用いずに、実施例1と同様にして、印刷インキおよびシュリンクラベルを作製した。
比較例2
表1に示すように、リン酸基を含有するラクトン系重合体を含む分散剤を用いずに、実施例1と同様にして、印刷インキおよびシュリンクラベルを作製した。
比較例4〜6
表1に示すように、リン酸基を含有するラクトン系重合体を含む分散剤を用いずに、リン酸基を含有するラクトン系重合体以外の化合物を含む分散剤を用いて、実施例1と同様にして、印刷インキおよびシュリンクラベルを作製した。
(評価)
実施例および比較例で得られたシュリンクラベルの、耐剥離性(テープ剥離試験)、耐スクラッチ性(スクラッチ試験)、耐もみ性(もみ試験)、シュリンク適性(インキ割れ試験)、主配向方向の熱収縮率(90℃、10秒)について、以下の方法で評価、試験を行った。
なお、テープ剥離試験(耐剥離性)、スクラッチ試験(耐スクラッチ性)、もみ試験(耐もみ性)には、東洋紡積(株)製、商品名「SV808」(薄肉タイプのPETフィルム)を基材とするシュリンクラベルを用い、インキ割れ試験(シュリンク適性)には、三菱樹脂(株)製、商品名「LX−61S」(高収縮タイプのPETフィルム)を基材とするシュリンクラベルを用いた。
また、テープ剥離試験(耐剥離性)、スクラッチ試験(耐スクラッチ性)、もみ試験(耐もみ性)は、製造直後のシュリンクラベルについて、試験を行った。
(1)耐剥離性(テープ剥離試験)
碁盤目のクロスカットを入れない以外は、JIS K 5600−5−6に準じて、試験を行った。実施例及び比較例で得られたシュリンクラベルの印刷層の表面に、幅18mmの粘着テープ(ニチバン(株)製、商品名「セロテープ(登録商標)」)を貼り付け、この粘着テープを90度方向に剥離した。
粘着テープを貼り付けた印刷層表面のうち、5mm(長手方向;主配向方向に対して直交方向)×5mm(幅方向;主配向方向)の領域において、印刷層の残存面積(割合)を目視で観察し、下記の基準で判断した。
印刷層の残存面積が90%以上である。 : 耐剥離性良好(○)
印刷層の残存面積が80%以上、90%未満である。 : 耐剥離性はやや不良であるが使用可能なレベル(△)
印刷層の残存面積が80%未満である。 : 耐剥離性不良(×)
(2)耐スクラッチ性(スクラッチ試験)
実施例及び比較例で得られたシュリンクラベルから、100mm(長手方向;主配向方向に対して直交方向)×100mm(幅方向;主配向方向)の測定用サンプルを採取した。測定用サンプルを平滑なテーブルの上に置き、印刷層を設けた側の表面を、手の爪の甲の部分で、10往復(長手方向20mmの区間)こすった後に表面を観察し、下記の基準で判断した。
印刷層は全く剥離していない。 : 耐スクラッチ性良好(○)
印刷層に一部剥離がみられる。 : 耐スクラッチ性はやや不良であるが使用可能なレベル(△)
印刷層が著しく剥離している。 : 耐スクラッチ性不良(×)
(3)耐もみ性(もみ試験)
実施例及び比較例で得られたシュリンクラベルから、100mm(長手方向;主配向方向に対して直交方向)×100mm(幅方向;主配向方向)の測定用サンプルを採取した。測定用サンプルの両端を両手でつかみ、10回手でもんだ。印刷層を設けた側の表面の印刷層の残存面積(割合)を目視で観察し、下記の基準で評価した。
印刷層の残存面積が90%以上である。 : 耐もみ性良好(○)
印刷層の残存面積が80%以上、90%未満である。 : 耐もみ性はやや不良であるが使用可能なレベル(△)
印刷層の残存面積が80%未満である。 : 耐もみ性不良(×)
(4)シュリンク適性(インキ割れ試験)
実施例及び比較例で得られたシュリンクラベルから、110mm(長手方向;主配向方向に対して直交方向)×210mm(幅方向;主配向方向)の測定用サンプルを採取した。測定用サンプルを、測定用サンプルの主配向方向(シュリンクフィルムの主配向方向)が周方向、印刷層を設けた側の表面が内側となるように筒状にして、その両端を重ね合わせた後、その重ね合わせ部を熱溶着で接合して、筒状のシュリンクラベルを得た(周長:200mm)。
また、直径62mm(周長194mm)、高さ108mmの円筒状ガラス瓶を準備した。さらに、110mm(長手方向;主配向方向に対して直交方向)×10mm(幅方向;主配向方向)のシュリンクフィルム(商品名「LX−61S」、三菱樹脂(株)製、厚み:45μm)の短冊を準備した。
上記短冊の幅方向(主配向方向)が上記円筒状ガラス瓶の周方向となるように位置合わせをして、短冊の上下端と円筒状ガラス瓶の上下端とをセロファン粘着テープで固定した(上下端を除く短冊中央部では、短冊と円筒状ガラス瓶とは非接着である)。次いで、該円筒状ガラス瓶(短冊付き)の上から、印刷層が短冊に対面するように、上記の筒状のシュリンクラベルをかぶせ、90℃の熱水に20秒間浸漬させて、シュリンクラベルを熱収縮させ(この時、短冊も幅方向に熱収縮する)、ラベル付き容器を得た。
得られたラベル付き容器のラベルの外観(外側)を観察し、さらに、筒状シュリンクラベルをはがしてラベルの内側を観察し、短冊に沿ってインキ割れ(容器の高さ方向に筋状のインキはがれ)が発生していないかを、目視にて観察した。下記の基準で評価した。
外側からも、ラベルをはがして内側からも、インキ割れは見られない。 : シュリンク適性良好(○)
外側から観察してもインキ割れは見られないが、ラベルをはがすとラベルの内側にインキ割れが見られる。 : シュリンク適性はやや不良であるが使用可能なレベル(△)
外側からインキ割れが見られる。 : シュリンク適性不良(×)
(5)主配向方向の熱収縮率(90℃、10秒)
実施例及び比較例で得られたシュリンクラベルから、測定方向(主配向方向)に長さ200mm(標線間隔150mm)、幅10mmの長方形の測定用サンプルを切り出した。
上記測定用サンプルを、90℃の温水中で、10秒熱処理(無荷重下)し、熱処理前後の標線間隔の差を読み取り、以下の計算式で熱収縮率を算出する。
熱収縮率(%) = (L0−L1)/L0×100
0 : 熱処理前の標線間隔
1 : 熱処理後の標線間隔
なお、実施例及び比較例においては、主配向方向はシュリンクラベルの幅方向である。
また、主配向方向と直交する方向の熱収縮率(90℃、10秒)は、測定方向を主配向方向と直交する方向に変更して、上記と同様に測定することができる。
実施例及び比較例で得られた印刷インキを用いて、以下の方法で、印刷性、印刷インキの保存安定性を試験・評価した。
(6)印刷性(グラデーション表現性)
(シュリンク処理前のグラデーション表現性)
実施例及び比較例で得られた印刷インキを、PET系シュリンクフィルム(東洋紡績(株)製、商品名「SV808」、厚み:30μm)の片面に、階調版[(株)カスタムグラビア製、彫刻70線/cm、角度0]を用いて、工程速度200m/分の条件でグラビア印刷を施し、熱風乾燥機を用いて50℃の条件で乾燥して、シュリンクラベルを得た。
なお、上記階調版は、色濃度が100%、50%、20%、5%となっている。
上記で得られたシュリンクラベルの印刷部分(グラデーション印刷部分)を、目視にて観察し、以下の基準で評価した。
色濃度20%の部分まで(少なくとも100%、50%、20%の部分で)、印刷インキがシュリンクフィルムに転移している(印刷できている)。:印刷性(グラデーション表現性)良好(○)
色濃度20%の部分は、印刷インキがシュリンクフィルムに転移していないが、色濃度50%の部分まで、印刷インキがシュリンクフィルムに転移している。:印刷性(グラデーション表現性)はやや不良であるが使用可能なレベル(△)
色濃度50%の部分でも、印刷インキがシュリンクフィルムに転移していない。:印刷性(グラデーション表現性)不良(×)
(シュリンク処理後のグラデーション表現性)
上記で得られたシュリンクラベル(グラデーション印刷部分を含むシュリンクラベル)から、グラデーション印刷部分を含むラベル片[100mm(長手方向;主配向方向に対して直交方向)×150mm(幅方向;主配向方向)]を切り出した。上記ラベル片を、該ラベル片の主配向方向(幅方向)に100mm長さの部分を70mm間隔に固定できる治具に固定した(ラベル片の主配向方向の両端からそれぞれ25mmの位置を70mm間隔に固定している。シュリンク処理前はたるんだ状態である)。上記治具に固定したラベル片を、90℃の熱水に20秒間浸漬させて処理し、主配向方向に30%熱収縮させた(シュリンク処理)。このようにして、主配向方向に30%熱収縮させたラベル片を得た。
上記の方法でシュリンク処理した、上記主配向方向に30%熱収縮させたラベル片の印刷部分(グラデーション印刷部分)を、目視にて観察し、以下の基準で評価した。
色濃度20%の部分まで(少なくとも100%、50%、20%の部分で)、印刷インキがシュリンクフィルムに転移している(印刷できている)。:印刷性(グラデーション表現性)良好(○)
色濃度20%の部分は、印刷インキがシュリンクフィルムに転移していないが、色濃度50%の部分まで、印刷インキがシュリンクフィルムに転移している。:印刷性(グラデーション表現性)はやや不良であるが使用可能なレベル(△)
色濃度50%の部分でも、印刷インキがシュリンクフィルムに転移していない。:印刷性(グラデーション表現性)不良(×)
(7)印刷インキの保存安定性(酸化チタンの凝集抑止性)
実施例及び比較例で得られた印刷インキをポリプロピレンボトル中で、常温(23℃)にて1週間静置した。その後、印刷インキの性状を観察し、以下の基準で評価した。
酸化チタンの凝集及び沈降がない。:保存安定性良好(○)
可逆的な、酸化チタンの凝集又は沈降が発生する。:保存安定性はやや不良であるが使用可能なレベル(△)
不可逆的な、酸化チタンの凝集又は沈降が発生する。:保存安定性不良(×)
Figure 0005768297
Figure 0005768297
Figure 0005768297
評価結果からわかるとおり、本発明のシュリンクラベル(実施例)は、印刷層を形成する主たる樹脂成分としてアクリル系樹脂を用いながら、印刷層と基材の密着性に優れており、良好な、耐剥離性、耐もみ性、耐スクラッチ性、シュリンク適性(シュリンク加工時のインキ割れの抑止性)を有していた。さらに、印刷層の印刷性(特にグラデーション印刷の表現性)にも優れたシュリンクラベルであった。
一方、印刷層にウレタンアクリル系樹脂を添加しない場合(比較例1)には、印刷層と基材の密着性が低下し、耐剥離性などが劣っていた。また、印刷層にラクトン系化合物に由来する構成単位およびリン酸基を含有する重合体(リン酸基を含有するラクトン系重合体)を添加しない場合(比較例2、4〜6)には、印刷インキ及び印刷層の印刷性が低下した。さらに、印刷インキ及び印刷層中のリン酸基を含有するラクトン系重合体の含有量が多すぎる場合(比較例3)には、顔料(酸化チタン)が凝集しやすくなり、印刷インキの保存安定性が低下し、また印刷層の耐剥離性が低下した。
なお、実施例及び比較例で得られたシュリンクラベル(基材がSV808のもの)の主配向方向の熱収縮率(90℃、10秒)は50%であり、シュリンクラベル(基材がLX−61Sのもの)の主配向方向の熱収縮率(90℃、10秒)は81%であった。

Claims (4)

  1. 基材の少なくとも片面側に、ウレタンアクリル系樹脂、アクリル系樹脂、顔料、並びに、ラクトン系化合物に由来する構成単位およびリン酸基を含有する重合体を含み、さらにセルロース系樹脂を含む又は含まない印刷層を有し、
    前記印刷層中の、前記ウレタンアクリル系樹脂、前記アクリル系樹脂及び前記セルロース系樹脂の総重量100重量部に対する、前記ラクトン系化合物に由来する構成単位およびリン酸基を含有する重合体の含有量が1〜20重量部であることを特徴とするシュリンクラベル。
  2. 前記印刷層中の、前記ウレタンアクリル系樹脂、前記アクリル系樹脂及び前記セルロース系樹脂の総重量100重量%に対する、前記ウレタンアクリル系樹脂の含有量が4〜40重量%、前記アクリル系樹脂の含有量が40〜96重量%及び前記セルロース系樹脂の含有量が0〜20重量%である請求項1に記載のシュリンクラベル。
  3. 前記印刷層が、溶剤、ウレタンアクリル系樹脂、アクリル系樹脂、顔料、並びにラクトン系化合物に由来する構成単位およびリン酸基を含有する重合体を含有する、又は、溶剤、ウレタンアクリル系樹脂、アクリル系樹脂、顔料、ラクトン系化合物に由来する構成単位およびリン酸基を含有する重合体、並びにセルロース系樹脂を含有する印刷インキを前記基材の表面上に、塗布、乾燥することにより設けられた印刷層である請求項1又は2に記載のシュリンクラベル。
  4. 前記顔料が酸化チタンであり、酸化チタンの含有量が、前記印刷層の総重量(100重量%)に対して30〜90重量%である請求項1〜3のいずれか1項に記載のシュリンクラベル。
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