JP5768297B2 - シュリンクラベル - Google Patents
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Description
前記印刷層は、溶剤、ウレタンアクリル系樹脂、アクリル系樹脂、顔料、並びにラクトン系化合物に由来する構成単位およびリン酸基を含有する重合体を含有する、又は、溶剤、ウレタンアクリル系樹脂、アクリル系樹脂、顔料、ラクトン系化合物に由来する構成単位およびリン酸基を含有する重合体、並びにセルロース系樹脂を含有する印刷インキを前記基材の表面上に、塗布、乾燥することにより設けられた印刷層であることが好ましい。
前記顔料が酸化チタンであり、酸化チタンの含有量が、前記印刷層の総重量(100重量%)に対して30〜90重量%であることが好ましい。
さらに、本発明のシュリンクラベルは、印刷層にラクトン系化合物に由来する構成単位およびリン酸基を含有する重合体を特定量含有している。このため、上記印刷層の印刷性が向上し、例えば、印刷層によるグラデーションデザインの表現性に優れている。
さらに、本発明の印刷層中における、ウレタンアクリル系樹脂(A)、アクリル系樹脂(B)及びセルロース系樹脂(C)を合わせて、「特定樹脂」と称する場合がある。本発明の印刷層中にセルロース系樹脂(C)が含まれない場合には、ウレタンアクリル系樹脂(A)及びアクリル系樹脂(B)が「特定樹脂」であり、本発明の印刷層中にセルロース系樹脂(C)が含まれる場合には、ウレタンアクリル系樹脂(A)、アクリル系樹脂(B)及びセルロース系樹脂(C)が「特定樹脂」である。
本発明の印刷層は、本発明のシュリンクラベルにおける必須の印刷層である。本発明の印刷層は、ウレタンアクリル系樹脂(A)、アクリル系樹脂(B)、顔料(D)およびラクトン系重合体(E)を必須の成分として含有する。また、本発明の印刷層は、セルロース系樹脂(C)を含有してもよいし含有しなくてもよいが、セルロース系樹脂(C)を含有することが好ましい。さらに、本発明の印刷層は、成分(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)以外の成分(添加剤)を含有してもよい。上記の成分(A)、成分(B)、成分(C)、成分(D)、成分(E)や添加剤は、それぞれ1種ずつを用いてもよいし、それぞれ2種以上を用いてもよい。
上記ウレタンアクリル系樹脂(A)は、特に限定されないが、ウレタン成分とアクリル成分を必須の構成成分として構成された重合体(共重合体)である。言い換えると、ウレタンアクリル系樹脂(A)は、分子内に、ウレタン結合を有するウレタン成分部分と、(メタ)アクリロイル基を有するモノマーに由来する構成単位(構造単位)を含むアクリル成分部分とを含む重合体である。ウレタンアクリル系樹脂(A)は、特に限定されないが、本発明の印刷層と基材との密着性を向上させる役割を担う樹脂成分である。なお、「(メタ)アクリロイル基」とは、「アクリロイル基[CH2=CHCO−]」及び/又は「メタクリロイル基[CH2=C(CH3)CO−]」を表す。(メタ)アクリロイル基を有するモノマーは、分子内に[CH2=CHCO−]及び/又は[CH2=C(CH3)CO−]の構造を有する。また、「(メタ)アクリル」とは「アクリル」及び/又は「メタクリル」(アクリル及びメタクリルのうちのいずれか一方又は両方)を表す。
上記アクリル系樹脂(B)は、特に限定されず、公知乃至慣用の印刷インキ用のアクリル系樹脂を用いることができる。上記アクリル系樹脂(B)は、特に限定されないが、本発明の印刷層を形成する主たる樹脂成分としての役割を担う。アクリル系樹脂(B)としては、アクリル系モノマーを必須のモノマー成分として構成された重合体、即ち、(メタ)アクリロイル基を有するモノマーに由来する構成単位を少なくとも有する重合体(共重合体)が挙げられる。上記アクリル系樹脂(B)を構成するモノマー成分には(メタ)アクリロイル基を有するモノマー以外のモノマー成分が含まれていてもよいが、アクリル系樹脂(B)を構成するモノマー成分は(メタ)アクリロイル基を有するモノマーのみからなることが好ましい。
上記セルロース系樹脂(C)は、特に限定されず、公知乃至慣用の印刷インキ用のセルロース系樹脂を用いることができる。セルロース系樹脂(C)としては、例えば、ニトロセルロース(硝化綿)や、セルロースアセテートブチレート(CAB)、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)等のエステル化されたセルロース樹脂が好ましい。これらは単独で又は二以上を組み合わせて使用できる。中でも、セルロースアセテートブチレート(CAB)、ニトロセルロースが特に好ましい。
上記顔料(D)は、特に限定されず、印刷インキ用に用いられる公知乃至慣用の顔料を用いることができる。上記顔料(D)は、特に限定されないが、本発明の印刷層に色彩を与える役割を担う。上記顔料(D)としては、無機顔料、有機顔料が挙げられる。上記無機顔料としては、酸化チタン(白色顔料)、カーボン(黒色顔料・墨顔料)、パール顔料、金属(銀色顔料)などが挙げられ、より具体的には、例えば、酸化チタン(二酸化チタン)、べんがら等の酸化物;硫酸バリウム(例えば、沈降性硫酸バリウム)等の硫酸塩;炭酸カルシウム(例えば、沈降性炭酸カルシウム)等の炭酸塩;含水珪酸塩、無水珪酸塩等の珪酸塩;アルミニウム粉、アルミニウムフレーク等の金属粉;カーボンブラック;パール顔料などが挙げられる。上記有機顔料としては、例えば、アゾ顔料、多環色顔料が挙げられる。上記アゾ顔料としては、例えば、カーミン6B(PR−57)、レッド2B(PR−48)等のアゾレーキ(溶性アゾ)顔料;モノアゾエロー(PY−1、PY−3)、ジスアゾエロー(PY−12、PY−13、PY−14、PY−17、PY−83)、ピラゾロンオレンジ(PO−13、PO−34)、バルカンオレンジ(PO−16)等の不溶性アゾ顔料;クロモフタルエロー(PY−93、PY−95)、クロモフタルレッド(PR−144、PR−166)等の縮合アゾ系顔料などが挙げられる。上記多環色顔料としては、例えば、銅フタロシアニンブルー(PB−15、PB−15:1、PB−15:3)、銅フタロシアニングリーン(PG−7)等のフタロシアニン系顔料;ジオキサジンバイオレット(PV−23)等のジオキサジン系顔料;イソインドリノンエロー(PY−109、PY−110)等のイソインドリノン系顔料;ペリレン、ペリノン、フラバントロン、チオインジゴ等のスレン系顔料などが挙げられる。上記の中でも、顔料(D)としては、酸化チタンが好ましい。
上記ラクトン系重合体(E)は、ラクトン系化合物に由来する構成単位およびリン酸基を含有する重合体である。即ち、上記ラクトン系重合体(E)は、分子内に少なくとも1つのリン酸基を含有する、ラクトン系化合物を必須の原料成分として構成された重合体である。上記ラクトン系重合体(E)により、本発明の印刷層の印刷性(印刷インキの印刷性)が向上する。
本発明の印刷層は、成分(A)、成分(B)、成分(C)、成分(D)及び成分(E)以外の成分(添加剤)を、本発明の効果を損なわない範囲内で含有していてもよい。上記添加剤としては、特に限定されないが、成分(A)、成分(B)、成分(C)及び成分(E)以外の樹脂、染料、可塑剤、滑剤、沈降防止剤、分散剤、安定剤、硬化剤、消泡剤、充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、色別れ防止剤、香料、消臭剤等が挙げられる。上記添加剤は単独で又は二以上を組み合わせて使用できる。
ウレタンアクリル系樹脂(A)の含有量が4重量%未満の場合やアクリル系樹脂(B)の含有量が96重量%を超える場合には、印刷層と基材(特にポリエステル系フィルム基材)との密着性が悪くなり、シュリンク加工の前後のいずれにおいても耐剥離性が低下したり、シュリンクラベルの製造、加工工程や流通過程で印刷層の剥離が生じやすくなったりする場合がある。また、印刷層の耐スクラッチ性が低下し、シュリンクラベル表面に傷がつきやすくなる場合がある。さらに、印刷層が脆くなり、耐もみ性が低下し、シュリンク加工時や流通過程で、印刷層の割れや剥離が生じやすくなる場合がある。
一方、ウレタンアクリル系樹脂(A)の含有量が40重量%を超える場合には、印刷層がやわらかくなりすぎ、シュリンク加工の際にシール部分の印刷層が引っ張られて縦筋状に割れやすくなり、シュリンク適性が低下する場合がある。また、印刷インキが高価となりコスト面で不利となる場合がある。さらに、印刷において版かぶりが生じやすくなる場合がある。
本発明のシュリンクラベルにおける基材は、印刷層の支持体となり、ラベルの強度、剛性や収縮特性に主たる影響を及ぼす。上記基材は、シュリンクフィルム(熱収縮性フィルム)であり、特に限定されないが、公知のシュリンクラベルの基材として用いられるシュリンクフィルムを用いることができる。上記シュリンクフィルムを形成する樹脂の種類は、要求物性、用途、コストなどに応じて、適宜選択することが可能であり、特に限定されないが、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、アラミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、アクリル系樹脂等の樹脂が挙げられる。これらの樹脂は1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。さらに、同種又は異種の樹脂を積層して積層フィルムとして用いてもよい。中でも、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂が好ましい。即ち、上記シュリンクフィルムは、ポリエステル系樹脂からなるポリエステル系フィルム、ポリスチレン系樹脂からなるポリスチレン系フィルム、ポリオレフィン系樹脂からなるポリオレフィン系フィルム、ポリエステル系樹脂を外層とし、ポリオレフィン系樹脂又はポリスチレン系樹脂を内層とした異種積層フィルムが好ましい。上記の中でも、透明性の観点から、特にポリエステル系フィルムが好ましい。また、本発明の印刷層は、一般的な印刷インキ及び印刷層に対しては密着性が低下しやすいポリエステル系フィルムの基材に対しても、優れた密着性を発揮する。上記のポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂としては、例えば、特開2008−170822号公報、特開2008−170697号公報、特開2008−163215号公報、特開2008−163231号公報に記載のポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂などを用いることができる。
本発明のシュリンクラベルは、上記基材の少なくとも片面側に、上記の本発明の印刷層を有する。本発明の印刷層は、シュリンクラベル表面の全面に設けられてもよいし、シュリンクラベル表面の一部分にのみ設けられてもよい。本発明の印刷層は、アンカーコート層などの他の層を介さずに基材上に直接設けても、十分な密着性を発揮できる。このため、生産性、コスト面で有利である。なお、本発明の印刷層は、必要に応じて、アンカーコート層を介して基材上に設けられていてもよい。
本発明のシュリンクラベルの積層構成は、特に限定されないが、例えば、表側(ラベルの表側)から、基材/本発明の印刷層、本発明の印刷層/基材からなる2層積層構成;本発明の印刷層/基材/本発明の印刷層等の多層積層構成が挙げられる。
さらに、印刷層が柔軟となる効果により印刷層の強靱性が増すため、ラベルの製造工程や加工工程において、印刷層が割れて、ガイドに粉が吹くなどの問題が生じず、生産性も向上する。
これに対して、本発明は、特定のラクトン系重合体(E)を添加することにより印刷層の印刷性を向上させた。本発明におけるラクトン系重合体(E)は、分子中に、ラクトン系化合物に由来する構成単位及びリン酸基を含有している。これにより、リン酸基部分が顔料(特に、酸化チタン)に対して吸着性を有し、ラクトン系化合物に由来する構成単位の部分(ポリラクトン部分等)が特定樹脂に対して親和性を有し、印刷インキ中及び印刷層中の顔料の分散性を向上させるためと考えられるが、印刷インキの塗布性及び本発明の印刷層の印刷性が向上する。このため、本発明の印刷層は、顔料を含んでいながら、グラデーション表現のデザインなどの表現性にも優れている。
本発明のシュリンクラベルの製造方法及び加工方法(筒状シュリンクラベルの加工方法)の例を下記に示す。
本発明の印刷層を形成するための樹脂組成物(印刷インキ)は、上記特定樹脂(ウレタンアクリル系樹脂(A)、アクリル系樹脂(B)、及び、必要に応じてセルロース系樹脂(C))、顔料(D)、ラクトン系重合体(E)及び溶剤と、必要に応じて、添加剤を混合することにより製造される。混合は、公知慣用の混合方法により行うことができ、特に限定されないが、例えば、ペイントシェイカー、バタフライミキサー、プラネタリーミキサー、ポニーミキサー、ディゾルバー、タンクミキサー、ホモミキサー、ホモディスパーなどのミキサーや、ロールミル、サンドミル、ボールミル、ビーズミル、ラインミルなどのミル、ニーダーなどが用いられる。混合の際の混合時間(滞留時間)は、特に限定されないが、10〜120分が好ましい。
上記の印刷インキの配合組成は、用いた商品の重量基準の配合量(重量部)で示した。また、印刷層中の特定樹脂の含有量(印刷インキの不揮発分中の特定樹脂の含有量と等しい)は、印刷層中(印刷インキの全不揮発分中)のウレタンアクリル系樹脂、アクリル系樹脂及びセルロース系樹脂の合計含有量(不揮発分換算の含有量)(重量%)である。さらに、特定樹脂の総重量に対するウレタンアクリル系樹脂、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、リン酸基を含有するラクトン系重合体、リン酸基を含有するラクトン系重合体以外の分散剤の含有量は、不揮発分換算の含有量(重量部又は重量%)で示した。
なお、上記のウレタンアクリル系樹脂やアクリル系樹脂には、分散剤(a)〜(e)は含まれない。
<1H−NMR分析条件>
EXMOD(測定方法) : non(水素原子核の影響を残している状態で測定すること)
OBNUC(観測原子核) : 1H
IRNUC(照射核) : 1H
CTEMP(設定温度) : 22.9℃
SLVNT(測定溶媒) : CDCl3(重クロロホルム)
(印刷インキ)
ウレタンアクリル系樹脂(a)として、ウレタンアクリル系樹脂溶液(大成ファインケミカル(株)製、商品名「アクリット8UA−140」、不揮発分濃度:40重量%)2重量部(ウレタンアクリル系樹脂として、0.8重量部)を用いた。なお、上記ウレタンアクリル系樹脂溶液(アクリット8UA−140)は、表3に示すとおり、ネオペンチルグリコール8.1重量%、エチレングリコール3.3重量%、テレフタル酸12.9重量%、イソフタル酸12.9重量%、イソホロンジイソシアネート17.2重量%、メタクリル酸n−ブチル30.9重量%、メタクリル酸メチル14.7重量%を単量体成分(構成単位の由来する化合物)として構成された、重量平均分子量40000、酸価2.5mgKOH/gのポリエステルジオール系のウレタンアクリル系樹脂の溶液(溶剤:酢酸エチル99重量%とイソプロピルアルコール1重量%の混合溶剤、不揮発分濃度:40重量%)である。
アクリル系樹脂(a)として、アクリル系樹脂(三菱レイヨン(株)製、商品名「ダイヤナール BR−113」、不揮発分濃度:100重量%)10重量部を用いた。
アクリル系樹脂(b)として、アクリル系樹脂(三菱レイヨン(株)製、商品名「ダイヤナール BR−116」、不揮発分濃度:100重量%)2重量部を用いた。
セルロース系樹脂として、CAB樹脂(イーストマンケミカル社製、商品名「CAB−381−20」、不揮発分濃度:100重量%)0.5重量部を用いた。
酸化チタン(顔料)として、酸化チタン(テイカ(株)製、商品名「JR−707」、不揮発分濃度:100重量%)37重量部を用いた。
分散剤(a)として、リン酸基を含有するラクトン系重合体の溶液(BYK−Chemie(ビックケミー)社製、商品名「DISPERBYK−111」、不揮発分濃度:95重量%)0.2重量部(リン酸基を含有するラクトン系重合体として0.19重量部)を用いた。
上記のウレタンアクリル系樹脂(a)、アクリル系樹脂(a)、アクリル系樹脂(b)、セルロース系樹脂、酸化チタン、分散剤(a)に、沈降防止剤(伊藤製油(株)製、商品名「ASA−TS−021」、不揮発分濃度:20重量%)0.5重量部、ワックス(サゾール社製、商品名「SPRAY105」、不揮発分濃度:100重量%)2重量部、酢酸エチル9重量部、酢酸n−プロピル13重量部、プロピルセロソルブ5重量部およびイソプロピルアルコール(IPA)19重量部を加えて、印刷インキ(100.2重量部)を作製した。
上記印刷インキ中における特定樹脂(ウレタンアクリル系樹脂、アクリル系樹脂及びセルロース系樹脂)の総重量(100重量%)に対する、ウレタンアクリル系樹脂の含有量は6.0重量%、アクリル系樹脂の含有量は90.2重量%、セルロース系樹脂の含有量は3.8重量%であった。また、上記印刷インキ中における特定樹脂の総重量(100重量部)に対する、リン酸基を含有するラクトン系重合体の含有量は1.4重量部であった。
なお、上記の印刷インキ中の各樹脂及び重合体の含有量の割合は、シュリンクラベルの印刷層中の各樹脂及び重合体の含有量の割合と等しい。
上記の印刷インキを、ポリエステル(PET)系シュリンクフィルム(東洋紡績(株)製、商品名「SV808」、厚み:30μm、主配向方向(幅方向)の熱収縮率(90℃、10秒):50%)の片面に、彫刻70線/インチのグラビア版を用いて、全面グラビア印刷を施し、熱風乾燥機を用いて50℃の条件で乾燥して、印刷層を形成し、シュリンクラベルを得た。なお、乾燥後の印刷層の厚みは約3μmであった。
また、基材を、ポリエステル(PET)系シュリンクフィルム(三菱樹脂(株)製、商品名「LX−61S」、厚み:45μm、主配向方向(幅方向)の熱収縮率(90℃、10秒):81%)に変更した以外は上記と同様にして、シュリンクラベルを得た。乾燥後の印刷層の厚みは約3μmであった。
表1に示すように、リン酸基を含有するラクトン系重合体(分散剤)の配合量などを変更して、実施例1と同様にして、印刷インキおよびシュリンクラベルを作製した。
表1に示すように、リン酸基を含有するラクトン系重合体(分散剤)の種類、配合量などを変更して、実施例1と同様にして、印刷インキおよびシュリンクラベルを作製した。
表1に示すように、ウレタンアクリル系樹脂、リン酸基を含有するラクトン系重合体を含む分散剤を用いずに、実施例1と同様にして、印刷インキおよびシュリンクラベルを作製した。
表1に示すように、リン酸基を含有するラクトン系重合体を含む分散剤を用いずに、実施例1と同様にして、印刷インキおよびシュリンクラベルを作製した。
表1に示すように、リン酸基を含有するラクトン系重合体を含む分散剤を用いずに、リン酸基を含有するラクトン系重合体以外の化合物を含む分散剤を用いて、実施例1と同様にして、印刷インキおよびシュリンクラベルを作製した。
実施例および比較例で得られたシュリンクラベルの、耐剥離性(テープ剥離試験)、耐スクラッチ性(スクラッチ試験)、耐もみ性(もみ試験)、シュリンク適性(インキ割れ試験)、主配向方向の熱収縮率(90℃、10秒)について、以下の方法で評価、試験を行った。
なお、テープ剥離試験(耐剥離性)、スクラッチ試験(耐スクラッチ性)、もみ試験(耐もみ性)には、東洋紡積(株)製、商品名「SV808」(薄肉タイプのPETフィルム)を基材とするシュリンクラベルを用い、インキ割れ試験(シュリンク適性)には、三菱樹脂(株)製、商品名「LX−61S」(高収縮タイプのPETフィルム)を基材とするシュリンクラベルを用いた。
また、テープ剥離試験(耐剥離性)、スクラッチ試験(耐スクラッチ性)、もみ試験(耐もみ性)は、製造直後のシュリンクラベルについて、試験を行った。
碁盤目のクロスカットを入れない以外は、JIS K 5600−5−6に準じて、試験を行った。実施例及び比較例で得られたシュリンクラベルの印刷層の表面に、幅18mmの粘着テープ(ニチバン(株)製、商品名「セロテープ(登録商標)」)を貼り付け、この粘着テープを90度方向に剥離した。
粘着テープを貼り付けた印刷層表面のうち、5mm(長手方向;主配向方向に対して直交方向)×5mm(幅方向;主配向方向)の領域において、印刷層の残存面積(割合)を目視で観察し、下記の基準で判断した。
印刷層の残存面積が90%以上である。 : 耐剥離性良好(○)
印刷層の残存面積が80%以上、90%未満である。 : 耐剥離性はやや不良であるが使用可能なレベル(△)
印刷層の残存面積が80%未満である。 : 耐剥離性不良(×)
実施例及び比較例で得られたシュリンクラベルから、100mm(長手方向;主配向方向に対して直交方向)×100mm(幅方向;主配向方向)の測定用サンプルを採取した。測定用サンプルを平滑なテーブルの上に置き、印刷層を設けた側の表面を、手の爪の甲の部分で、10往復(長手方向20mmの区間)こすった後に表面を観察し、下記の基準で判断した。
印刷層は全く剥離していない。 : 耐スクラッチ性良好(○)
印刷層に一部剥離がみられる。 : 耐スクラッチ性はやや不良であるが使用可能なレベル(△)
印刷層が著しく剥離している。 : 耐スクラッチ性不良(×)
実施例及び比較例で得られたシュリンクラベルから、100mm(長手方向;主配向方向に対して直交方向)×100mm(幅方向;主配向方向)の測定用サンプルを採取した。測定用サンプルの両端を両手でつかみ、10回手でもんだ。印刷層を設けた側の表面の印刷層の残存面積(割合)を目視で観察し、下記の基準で評価した。
印刷層の残存面積が90%以上である。 : 耐もみ性良好(○)
印刷層の残存面積が80%以上、90%未満である。 : 耐もみ性はやや不良であるが使用可能なレベル(△)
印刷層の残存面積が80%未満である。 : 耐もみ性不良(×)
実施例及び比較例で得られたシュリンクラベルから、110mm(長手方向;主配向方向に対して直交方向)×210mm(幅方向;主配向方向)の測定用サンプルを採取した。測定用サンプルを、測定用サンプルの主配向方向(シュリンクフィルムの主配向方向)が周方向、印刷層を設けた側の表面が内側となるように筒状にして、その両端を重ね合わせた後、その重ね合わせ部を熱溶着で接合して、筒状のシュリンクラベルを得た(周長:200mm)。
また、直径62mm(周長194mm)、高さ108mmの円筒状ガラス瓶を準備した。さらに、110mm(長手方向;主配向方向に対して直交方向)×10mm(幅方向;主配向方向)のシュリンクフィルム(商品名「LX−61S」、三菱樹脂(株)製、厚み:45μm)の短冊を準備した。
上記短冊の幅方向(主配向方向)が上記円筒状ガラス瓶の周方向となるように位置合わせをして、短冊の上下端と円筒状ガラス瓶の上下端とをセロファン粘着テープで固定した(上下端を除く短冊中央部では、短冊と円筒状ガラス瓶とは非接着である)。次いで、該円筒状ガラス瓶(短冊付き)の上から、印刷層が短冊に対面するように、上記の筒状のシュリンクラベルをかぶせ、90℃の熱水に20秒間浸漬させて、シュリンクラベルを熱収縮させ(この時、短冊も幅方向に熱収縮する)、ラベル付き容器を得た。
得られたラベル付き容器のラベルの外観(外側)を観察し、さらに、筒状シュリンクラベルをはがしてラベルの内側を観察し、短冊に沿ってインキ割れ(容器の高さ方向に筋状のインキはがれ)が発生していないかを、目視にて観察した。下記の基準で評価した。
外側からも、ラベルをはがして内側からも、インキ割れは見られない。 : シュリンク適性良好(○)
外側から観察してもインキ割れは見られないが、ラベルをはがすとラベルの内側にインキ割れが見られる。 : シュリンク適性はやや不良であるが使用可能なレベル(△)
外側からインキ割れが見られる。 : シュリンク適性不良(×)
実施例及び比較例で得られたシュリンクラベルから、測定方向(主配向方向)に長さ200mm(標線間隔150mm)、幅10mmの長方形の測定用サンプルを切り出した。
上記測定用サンプルを、90℃の温水中で、10秒熱処理(無荷重下)し、熱処理前後の標線間隔の差を読み取り、以下の計算式で熱収縮率を算出する。
熱収縮率(%) = (L0−L1)/L0×100
L0 : 熱処理前の標線間隔
L1 : 熱処理後の標線間隔
なお、実施例及び比較例においては、主配向方向はシュリンクラベルの幅方向である。
また、主配向方向と直交する方向の熱収縮率(90℃、10秒)は、測定方向を主配向方向と直交する方向に変更して、上記と同様に測定することができる。
(シュリンク処理前のグラデーション表現性)
実施例及び比較例で得られた印刷インキを、PET系シュリンクフィルム(東洋紡績(株)製、商品名「SV808」、厚み:30μm)の片面に、階調版[(株)カスタムグラビア製、彫刻70線/cm、角度0]を用いて、工程速度200m/分の条件でグラビア印刷を施し、熱風乾燥機を用いて50℃の条件で乾燥して、シュリンクラベルを得た。
なお、上記階調版は、色濃度が100%、50%、20%、5%となっている。
上記で得られたシュリンクラベルの印刷部分(グラデーション印刷部分)を、目視にて観察し、以下の基準で評価した。
色濃度20%の部分まで(少なくとも100%、50%、20%の部分で)、印刷インキがシュリンクフィルムに転移している(印刷できている)。:印刷性(グラデーション表現性)良好(○)
色濃度20%の部分は、印刷インキがシュリンクフィルムに転移していないが、色濃度50%の部分まで、印刷インキがシュリンクフィルムに転移している。:印刷性(グラデーション表現性)はやや不良であるが使用可能なレベル(△)
色濃度50%の部分でも、印刷インキがシュリンクフィルムに転移していない。:印刷性(グラデーション表現性)不良(×)
上記で得られたシュリンクラベル(グラデーション印刷部分を含むシュリンクラベル)から、グラデーション印刷部分を含むラベル片[100mm(長手方向;主配向方向に対して直交方向)×150mm(幅方向;主配向方向)]を切り出した。上記ラベル片を、該ラベル片の主配向方向(幅方向)に100mm長さの部分を70mm間隔に固定できる治具に固定した(ラベル片の主配向方向の両端からそれぞれ25mmの位置を70mm間隔に固定している。シュリンク処理前はたるんだ状態である)。上記治具に固定したラベル片を、90℃の熱水に20秒間浸漬させて処理し、主配向方向に30%熱収縮させた(シュリンク処理)。このようにして、主配向方向に30%熱収縮させたラベル片を得た。
上記の方法でシュリンク処理した、上記主配向方向に30%熱収縮させたラベル片の印刷部分(グラデーション印刷部分)を、目視にて観察し、以下の基準で評価した。
色濃度20%の部分まで(少なくとも100%、50%、20%の部分で)、印刷インキがシュリンクフィルムに転移している(印刷できている)。:印刷性(グラデーション表現性)良好(○)
色濃度20%の部分は、印刷インキがシュリンクフィルムに転移していないが、色濃度50%の部分まで、印刷インキがシュリンクフィルムに転移している。:印刷性(グラデーション表現性)はやや不良であるが使用可能なレベル(△)
色濃度50%の部分でも、印刷インキがシュリンクフィルムに転移していない。:印刷性(グラデーション表現性)不良(×)
実施例及び比較例で得られた印刷インキをポリプロピレンボトル中で、常温(23℃)にて1週間静置した。その後、印刷インキの性状を観察し、以下の基準で評価した。
酸化チタンの凝集及び沈降がない。:保存安定性良好(○)
可逆的な、酸化チタンの凝集又は沈降が発生する。:保存安定性はやや不良であるが使用可能なレベル(△)
不可逆的な、酸化チタンの凝集又は沈降が発生する。:保存安定性不良(×)
一方、印刷層にウレタンアクリル系樹脂を添加しない場合(比較例1)には、印刷層と基材の密着性が低下し、耐剥離性などが劣っていた。また、印刷層にラクトン系化合物に由来する構成単位およびリン酸基を含有する重合体(リン酸基を含有するラクトン系重合体)を添加しない場合(比較例2、4〜6)には、印刷インキ及び印刷層の印刷性が低下した。さらに、印刷インキ及び印刷層中のリン酸基を含有するラクトン系重合体の含有量が多すぎる場合(比較例3)には、顔料(酸化チタン)が凝集しやすくなり、印刷インキの保存安定性が低下し、また印刷層の耐剥離性が低下した。
なお、実施例及び比較例で得られたシュリンクラベル(基材がSV808のもの)の主配向方向の熱収縮率(90℃、10秒)は50%であり、シュリンクラベル(基材がLX−61Sのもの)の主配向方向の熱収縮率(90℃、10秒)は81%であった。
Claims (4)
- 基材の少なくとも片面側に、ウレタンアクリル系樹脂、アクリル系樹脂、顔料、並びに、ラクトン系化合物に由来する構成単位およびリン酸基を含有する重合体を含み、さらにセルロース系樹脂を含む又は含まない印刷層を有し、
前記印刷層中の、前記ウレタンアクリル系樹脂、前記アクリル系樹脂及び前記セルロース系樹脂の総重量100重量部に対する、前記ラクトン系化合物に由来する構成単位およびリン酸基を含有する重合体の含有量が1〜20重量部であることを特徴とするシュリンクラベル。 - 前記印刷層中の、前記ウレタンアクリル系樹脂、前記アクリル系樹脂及び前記セルロース系樹脂の総重量100重量%に対する、前記ウレタンアクリル系樹脂の含有量が4〜40重量%、前記アクリル系樹脂の含有量が40〜96重量%及び前記セルロース系樹脂の含有量が0〜20重量%である請求項1に記載のシュリンクラベル。
- 前記印刷層が、溶剤、ウレタンアクリル系樹脂、アクリル系樹脂、顔料、並びにラクトン系化合物に由来する構成単位およびリン酸基を含有する重合体を含有する、又は、溶剤、ウレタンアクリル系樹脂、アクリル系樹脂、顔料、ラクトン系化合物に由来する構成単位およびリン酸基を含有する重合体、並びにセルロース系樹脂を含有する印刷インキを前記基材の表面上に、塗布、乾燥することにより設けられた印刷層である請求項1又は2に記載のシュリンクラベル。
- 前記顔料が酸化チタンであり、酸化チタンの含有量が、前記印刷層の総重量(100重量%)に対して30〜90重量%である請求項1〜3のいずれか1項に記載のシュリンクラベル。
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