本発明のシュリンクラベルは、シュリンクフィルムの少なくとも一方の面に印刷層を有するシュリンクラベルであって、前記印刷層が、アクリル系樹脂を主鎖とし、活性エネルギー線重合性基を有するウレタン系オリゴマーを側鎖とする高分子化合物(X)を含有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物層を活性エネルギー線により硬化させて得られた印刷層であることを特徴とする。なお、本明細書では、上記印刷層を、「本発明の印刷層」と称する場合がある。本発明のシュリンクラベルは、本発明の効果を損なわない範囲内で、上記シュリンクフィルム、本発明の印刷層以外の層(他の層)を含んでいてもよい。
[本発明の印刷層]
本発明の印刷層は、本発明のシュリンクラベルにおける必須の層であり、シュリンクフィルムの少なくとも一方の面に設けられている。本発明の印刷層は、アクリル系樹脂を主鎖とし、活性エネルギー線重合性基を有するウレタン系オリゴマーを側鎖とする高分子化合物を必須成分として含有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物層を活性エネルギー線により硬化させて得られた印刷層である。なお、本明細書では、上記「アクリル系樹脂を主鎖とし、活性エネルギー線重合性基を有するウレタン系オリゴマーを側鎖とする高分子化合物」を、「高分子化合物(X)」と称する場合がある。また、本明細書では、高分子化合物(X)の主鎖であるアクリル系樹脂を、「アクリル系樹脂(M)」と称する場合がある。また、本明細書では、上記活性エネルギー線重合性基を有するウレタン系オリゴマーを、「本発明のウレタン系オリゴマー」と称する場合がある。また、本明細書では、アクリル系樹脂を主鎖とし、活性エネルギー線重合性基を有するウレタン系オリゴマーを側鎖とする高分子化合物を必須成分として含有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物層、即ち、高分子化合物(X)を含有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物層を、「本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物層」と称する場合がある。
本発明の印刷層は、本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物層が活性エネルギー線照射により硬化することによって形成される。具体的には、活性エネルギー線が照射されることにより、本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物層に含まれる高分子化合物(X)中の活性エネルギー線重合性基が、相互に、又は他の活性エネルギー線重合性モノマー若しくは活性エネルギー線重合性オリゴマーと重合・結合して、本発明の印刷層が形成される。
本明細書において、上記活性エネルギー線は、特に限定されないが、例えば、可視光、紫外線、電子線などが挙げられる。中でも、紫外線、電子線が好ましい。
<本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物層>
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物層は、高分子化合物(X)を必須成分として含有する。
(高分子化合物(X))
高分子化合物(X)は、主鎖であるアクリル系樹脂(アクリル系樹脂(M))に、活性エネルギー線重合性基を有するウレタン系オリゴマーを側鎖として有する。高分子化合物(X)は、特に限定されないが、本発明の印刷層を形成する主たる樹脂成分としての役割を担う。高分子化合物(X)は、1種のみを使用してもよいし、2種以上を使用してもよい。
上記アクリル系樹脂(M)としては、アクリル系モノマーを必須のモノマー成分として構成された重合体、即ち、アクリル系モノマーに由来する構成単位を少なくとも有する重合体(共重合体)が挙げられる。上記アクリル系樹脂(M)を構成するモノマー成分にはアクリル系モノマー以外のモノマー成分が含まれていてもよい。
本明細書において、アクリル系モノマーは、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル等の直鎖又は分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル;(メタ)アクリル酸;カルボキシエチルアクリレート等のカルボキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル;2−ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、パラクミルフェノールEO変性アクリレート等のヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、イソボルニル(メタ)アクリレート等の脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル;フェニル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等の芳香族炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル;N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、アクリロイルモルホリン等の(メタ)アクリル酸アミド誘導体;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノプロピル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸ジアルキルアミノアルキルエステル類などが挙げられる。上記アクリル系モノマーは、1種のみを使用してもよいし、2種以上を使用してもよい。なお、「(メタ)アクリル」とは「アクリル」及び/又は「メタクリル」(アクリル及びメタクリルのうちのいずれか一方又は両方)を意味する。
上記アクリル系モノマー以外のアクリル系樹脂(M)を構成するモノマー成分(「他のモノマー成分」と称する場合がある)としては、特に限定されないが、例えば、クロトン酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸等のカルボキシル基含有重合性不飽和化合物又はその無水物;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等のスチレン系化合物;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;塩化ビニル等のハロゲン化ビニル;メチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;(メタ)アクリロニトリル等のシアノ基含有ビニル化合物;エチレン、プロピレン等のα−オレフィンなどが挙げられる。
上記アクリル系樹脂(M)を構成するモノマー成分全量(100重量%)中のアクリル系モノマーの含有量、即ち、アクリル系樹脂(M)(100重量%)中のアクリル系モノマーに由来する構成単位の含有量は、特に限定されないが、化学成分に対する耐性、印刷インキの安定性の観点から、70重量%以上(例えば、70〜100重量%)が好ましく、より好ましくは80重量%以上である。
上記アクリル系樹脂(M)の重量平均分子量(Mw)は、特に限定されないが、化学成分に対する耐性、印刷インキの粘度、印刷適性の観点から、5,000〜20万が好ましく、より好ましくは4万〜19万、さらに好ましくは9万〜18万である。なお、本明細書において、重量平均分子量(Mw)は、特に限定されないが、例えば、GPCにより、標準物質としてポリスチレンを用いて測定することができる。また、高分子化合物(X)は、例えば、少なくともアクリル系樹脂(M)を構成するアクリル系樹脂及び本発明のウレタン系オリゴマーを構成するウレタン系オリゴマーを用いて製造することができるが、上記アクリル系樹脂(M)の重量平均分子量は、高分子化合物(X)の原料となる、上記アクリル系樹脂(M)を構成するアクリル系樹脂の重量平均分子量を測定して得たものを採用してもよい。
高分子化合物(X)の側鎖である本発明のウレタン系オリゴマーは、活性エネルギー線重合性基を有する。高分子化合物(X)が本発明のウレタン系オリゴマーを側鎖に有することにより、硬化後においても印刷層の柔軟性が向上し、収縮白化を抑制することができる。また、ウレタン系オリゴマーが活性エネルギー線重合性基を有することにより、高分子化合物(X)を含有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物層が活性エネルギー線照射によって硬化するため、安定して化学成分に対する耐性に優れ、収縮白化しにくい印刷層が得られる。本発明のウレタン系オリゴマー中における上記活性エネルギー線重合性基の位置は特に限定されないが、中でも、ウレタン系オリゴマーの柔軟性を十分に活用できる観点から、ウレタン系オリゴマーの末端(主鎖と結合する側とは反対側の末端)が好ましい。即ち、本発明のウレタン系オリゴマーは、末端に活性エネルギー線重合性基を有することが好ましい。
上記活性エネルギー線重合性基は、活性エネルギー線照射により重合することが可能な基であれば特に限定されない。上記活性エネルギー線重合性基としては、特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニル基等の炭素−炭素不飽和結合を含む基(ラジカル重合性基を含む基);エポキシ基、オキセタニル基等のカチオン重合性基を含む基などが挙げられる。中でも、ラジカル重合性基を含む基であることが好ましい。なお、「(メタ)アクリロイル基」とは、「アクリロイル基[CH2=CHCO−]」及び/又は「メタクリロイル基[CH2=C(CH3)CO−]」を表す。
本発明のウレタン系オリゴマーは、活性エネルギー線重合性基を有するウレタン系オリゴマーであれば特に限定されず、例えば、ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物とを反応させて得られるオリゴマーであって、活性エネルギー線重合性基を有するものが挙げられる。即ち、本発明のウレタン系オリゴマーは、ポリイソシアネート化合物に由来する構成単位とポリオール化合物に由来する構成単位を有するオリゴマーであって、活性エネルギー線重合性基を有するものが挙げられる。
上記ポリイソシアネート化合物としては、例えば、芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート等の公知のジイソシアネート類が挙げられる。上記ジイソシアネート類としては、例えば、トリレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどが挙げられる。また、必要に応じて3官能以上のポリイソシアネート類やポリイソシアネートアダクト体を上記ジイソシアネート類と組み合わせて用いることもできる。中でも、印刷層の変色(黄変)を抑制する観点から、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートが好ましい。上記ポリイソシアネート化合物は、1種のみを使用してもよいし、2種以上を使用してもよい。
上記ポリオール化合物としては、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリラクトンポリオール、ポリオレフィンポリオール、多価アルコールなどが挙げられる。中でも、印刷層の柔軟性の観点から、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオールが好ましい。上記ポリオール化合物は、1種のみを使用してもよいし、2種以上を使用してもよい。
上記ポリエステルポリオールは、分子内(1分子内)に2個以上の水酸基を有するポリエステル化合物であり、中でも、分子内に2個の水酸基を有するポリエステルジオールが好ましい。上記ポリエステルポリオールは、特に限定されないが、ジカルボン酸とジオールを必須の構成成分として構成された重合体であることが好ましい。即ち、上記ポリエステルポリオールは、ジカルボン酸に由来する構成単位とジオールに由来する構成単位を少なくとも有することが好ましい。また、必要に応じて上記のジオールと、3官能以上のポリオール化合物(ポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールなど)とを混合して用いることもできる。
上記ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、2,5−ジメチルテレフタル酸、5−t−ブチルイソフタル酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、トランス−3,3’−スチルベンジカルボン酸、トランス−4,4’−スチルベンジカルボン酸、4,4’−ジベンジルジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、2,2,6,6−テトラメチルビフェニル−4,4’−ジカルボン酸、1,1,3−トリメチル−3−フェニルインデン−4,5−ジカルボン酸、1,2−ジフェノキシエタン−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、2,5−アントラセンジカルボン酸、2,5−ピリジンジカルボン酸、及びこれらの置換体等の芳香族ジカルボン酸;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、ヘプタデカン二酸、オクタデカン二酸、ノナデカン二酸、イコサン二酸、ドコサン二酸、1,12−ドデカンジオン酸、及びこれらの置換体等の脂肪族ジカルボン酸;1,4−デカヒドロナフタレンジカルボン酸、1,5−デカヒドロナフタレンジカルボン酸、2,6−デカヒドロナフタレンジカルボン酸、シス−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、トランス−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、及びこれらの置換体等の脂環式ジカルボン酸などが挙げられる。中でも、印刷層の変色(黄変)を抑制する観点から、脂肪族ジカルボン酸、脂環式ジカルボン酸が好ましく、より好ましくはコハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、シス−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、トランス−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸である。上記ジカルボン酸は、1種のみを使用してもよいし、2種以上を使用してもよい。
上記ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(ネオペンチルグリコール)、1,6−ヘキサンジオール、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、1,8−オクタンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2,4−ジメチル−1,3−ヘキサンジオール、1,10−デカンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の脂肪族ジオール;1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール等の脂環式ジオール;2,2−ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホン等のビスフェノール系化合物のエチレンオキシド付加物、キシリレングリコール等の芳香族ジオールなどが挙げられる。中でも、脂肪族ジオールが好ましく、より好ましくはネオペンチルグリコール(NPG)、エチレングリコール(EG)である。上記ジオールは1種のみを使用してもよいし、2種以上を使用してもよい。
上記ポリエステルポリオールは、上記ジカルボン酸、上記ジオール以外にも、p−オキシ安息香酸、p−オキシエトキシ安息香酸等のオキシカルボン酸;安息香酸、ベンゾイル安息香酸等のモノカルボン酸;トリメリット酸等の多価カルボン酸;ポリアルキレングリコールモノメチルエーテル等の1価アルコール;グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン等の多価アルコールなどに由来する構成単位を含んでいてもよい。
上記ポリエーテルポリオールとしては、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドや、テトラヒドロフラン等の環状エーテルをモノマー成分とするポリエーテルポリオールなどが挙げられる。具体的には、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールや、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合体などのアルキレンオキサイド共重合体などが挙げられる。また、上記ポリエーテルポリオールとしては、ビスフェノール類(例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD等)やジヒドロキシベンゼン系化合物(例えば、カテコール、レゾルシン、ハイドロキノン等)を開始剤やモノマー成分として用いられているポリエーテルジオールなども挙げられる。上記ポリエーテルポリオールは、1種のみを使用してもよいし、2種以上を使用してもよい。
上記ポリラクトンポリオールとしては、例えば、ポリカプロラクトンジオール、ポリバレロラクトンジオール、ラクトンブロック共重合ジオールなどが挙げられる。上記ポリラクトンポリオールは、1種のみを使用してもよいし、2種以上を使用してもよい。
上記多価アルコールとしては、例えば、上記ジオールの他、2−メチル−1,8−オクタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、1,4−シクロヘキサン
ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ダイマー酸ジオール、クオドロール、ビスフェノールA、ペンタエリスリトール、アラビトール、ソルビトールなどの2価以上のアルコールが挙げられる。
上記活性エネルギー線重合性基の導入は、特に限定されないが、例えば、ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物とを反応させて得られるオリゴマーと、ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレートやイソシアネート基を有する(メタ)アクリレートとを反応させて行うことができる。上記ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどの炭素数2〜10(好ましくは、炭素数4〜10)のヒドロキシアルキル基を有するヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。上記イソシアネート基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネートなどが挙げられる。
本発明のウレタン系オリゴマーは、特に限定されないが、主鎖であるアクリル系樹脂(M)に、ポリプロピレンオキシド鎖などのポリアルキレンオキシド鎖を介して導入されていてもよい。全ての本発明のウレタン系オリゴマーがポリアルキレンオキシド鎖を介して主鎖であるアクリル系樹脂(M)に導入されていてもよいし、一部の本発明のウレタン系オリゴマーのみがポリアルキレンオキシド鎖を介して主鎖であるアクリル系樹脂(M)に導入されていてもよい。
本発明のウレタン系オリゴマーの重量平均分子量(Mw)(1つあたりの本発明のウレタン系オリゴマーの重量平均分子量)は、特に限定されないが、化学成分に対する耐性、収縮白化の抑制の観点から、200〜1万が好ましく、より好ましくは250〜7,000、さらに好ましくは300〜5,000である。また、高分子化合物(X)は、例えば、少なくともアクリル系樹脂(M)を構成するアクリル系樹脂及び本発明のウレタン系オリゴマーを構成するウレタン系オリゴマーを用いて製造することができるが、本発明のウレタン系オリゴマーの重量平均分子量は、高分子化合物(X)の原料となる、本発明のウレタン系オリゴマーを構成するウレタン系オリゴマーの重量平均分子量を測定して得たものを採用してもよい。なお、本発明のウレタン系オリゴマーが主鎖であるアクリル系樹脂(M)にポリアルキレンオキシド鎖を介して導入されている場合、上記重量平均分子量には、上記ポリアルキレンオキシド鎖の重量平均分子量は含まれない。
高分子化合物(X)は、特に限定されないが、本発明のウレタン系オリゴマー以外の側鎖(他の側鎖)を有していてもよい。上記他の側鎖としては、例えば、活性エネルギー線重合性基を有しないウレタン系オリゴマー、活性エネルギー線重合性基を有していてもよいウレタン系樹脂(例えば、重量平均分子量(Mw)が1万〜5万である、分子内にウレタン結合を有する樹脂)などが挙げられる。なお、上記他の側鎖も、主鎖であるアクリル系樹脂(M)に、ポリアルキレンオキシド鎖を介して導入されていてもよい。なお、本明細書において、オリゴマーは、例えば、重合度が2〜100程度の重合体であってもよく、樹脂は、例えば、重合度が100程度以上の重合体であってもよい。
高分子化合物(X)中の、上記アクリル系樹脂(M)と本発明のウレタン系オリゴマーの含有比率[アクリル系樹脂(M):本発明のウレタン系オリゴマー](重量比)は、特に限定されないが、10:1〜2:1であることが好ましく、より好ましくは9:1〜3:1、さらに好ましくは8:1〜3:1である。上記アクリル系樹脂(M)が10:1より少ないと、印刷層の柔軟性が低下することを防ぎ、より効果的に収縮白化を抑制できるため、好ましい。また、印刷層の柔軟性が向上し、インキ割れが発生しにくくなり、好ましい。上記ウレタン系オリゴマーが2:1より少ないと、印刷層の耐熱性が向上し、インキ割れが発生しにくくなり、好ましい。なお、上記含有比率は、高分子化合物(X)中のアクリル系樹脂(M)の全重量と、高分子化合物(X)に含まれる全ての本発明のウレタン系オリゴマーの重量の合計の比率である。また、高分子化合物(X)は、例えば、少なくともアクリル系樹脂(M)を構成するアクリル系樹脂及び本発明のウレタン系オリゴマーを構成するウレタン系オリゴマーを用いて製造することができるが、上記含有比率は、高分子化合物(X)の原料となる、アクリル系樹脂(M)を構成するアクリル系樹脂の重量及び本発明のウレタン系オリゴマーを構成するウレタン系オリゴマーの重量を測定して得たものを採用してもよい。
高分子化合物(X)中の上記アクリル系樹脂(M)と本発明のウレタン系オリゴマーの合計の含有量は、特に限定されないが、高分子化合物(X)の総重量(100重量%)に対して、70重量%以上(例えば、70〜100重量%)が好ましく、より好ましくは80重量%以上、さらに好ましくは90重量%以上である。上記含有量が70重量%以上であると、化学成分に対する耐性、印刷インキの安定性がより向上し、好ましい。
高分子化合物(X)の重量平均分子量(Mw)は、特に限定されないが、5,200〜30万が好ましく、より好ましくは5万〜28万、さらに好ましくは10万〜25万である。上記Mwが5,200以上であると、化学成分に対する耐性がより向上し、好ましい。上記Mwが30万以下であると、印刷インキの粘度が良好となり、また印刷適性がより向上し、好ましい。
高分子化合物(X)は、特に限定されないが、高分子化合物(X)中の二重結合当量が、300〜3,000g/molであることが好ましく、より好ましくは500〜2,500g/mol、さらに好ましくは600〜2,000g/molである。上記二重結合当量が300g/mol以上であると、印刷層が十分な硬さを有するようになるため、化学成分に対する耐性がより向上し、好ましい。上記二重結合当量が3,000g/mol以下であると、印刷層が硬くなりすぎず、収縮白化が起こりにくくなり、好ましい。
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物層(100重量%)中の高分子化合物(X)の含有量、即ち、本発明の印刷層(100重量%)中の高分子化合物(X)に由来する構成単位の含有量は、特に限定されないが、30重量%以上が好ましく、より好ましくは40重量%以上、さらに好ましくは50重量%以上、特に好ましくは60重量%以上、最も好ましくは70重量%以上である。上記含有量が30重量%以上であると、化学成分に対する耐性がより向上し、好ましい。上記含有量の上限は、100重量%であってもよく、100重量%未満であってもよい。また、本発明の印刷層が着色顔料を含む場合、上記高分子化合物(X)の含有量は、特に限定されないが、15〜50重量%がより好ましく、15〜35重量%がさらに好ましい。
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物層は、特に限定されないが、高分子化合物(X)以外に、アクリル系樹脂を含んでいてもよい。なお、本明細書では、アクリル系樹脂(M)と明確に区別する観点から、上記アクリル系樹脂を、「アクリル系樹脂(N)」と称する場合がある。
上記アクリル系樹脂(N)は、上記アクリル系モノマーを必須の単量体成分として構成された樹脂、即ち、上記アクリル系モノマーに由来する構成単位(構造単位)を少なくとも含む樹脂である。上記アクリル系樹脂(N)を構成するモノマー成分にはアクリル系モノマー以外のモノマー成分が含まれていてもよい。なお、本明細書では、上記アクリル系樹脂(N)には、高分子化合物(X)は含まれない。
上記アクリル系モノマー以外のアクリル系樹脂(N)を構成するモノマー成分としては、特に限定されないが、上記アクリル系樹脂(M)における他のモノマー成分として例示及び説明されたモノマー成分などが挙げられる。
上記アクリル系樹脂(N)を構成するモノマー成分全量(100重量%)中のアクリル系モノマーの含有量、即ち、アクリル系樹脂(N)(100重量%)中のアクリル系モノマーに由来する構成単位の含有量は、特に限定されないが、透明性の向上、収縮白化の抑制、化学成分に対する耐性、印刷インキの安定性の観点から、50重量%以上(例えば、50〜100重量%)が好ましく、より好ましくは70重量%以上、さらに好ましくは80重量%以上である。
上記アクリル系樹脂(N)の重量平均分子量(Mw)は、特に限定されないが、印刷層の透明性、印刷インキの粘度、印刷適性の観点から、1万〜10万が好ましく、より好ましくは1万〜8万である。
上記アクリル系樹脂(N)のガラス転移温度(Tg)は、特に限定されないが、本発明の印刷層の透明性、耐摩耗性、耐熱性向上の観点から、30〜120℃が好ましく、より好ましくは50〜100℃である。
本明細書において、樹脂のガラス転移温度(Tg)は、例えば、JIS K 7121に準拠して、DSC(示差走査熱量測定)により測定することができる。DSC測定は、特に限定されないが、例えば、セイコーインスツル(株)製、示差走査熱量計「DSC6200」を用いて、昇温速度10℃/分の条件で行うことができる。
上記アクリル系樹脂(N)は、市販品を用いることも可能である。例えば、東亞合成(株)製「ARUFONシリーズ」、三菱レイヨン(株)製「ダイヤナールシリーズ」などが市場で入手可能である。
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物層が上記アクリル系樹脂(N)を含む場合、本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物層(100重量%)中の上記アクリル系樹脂(N)の含有量、即ち、本発明の印刷層(100重量%)中の上記アクリル系樹脂(N)の含有量は、特に限定されないが、透明性の向上、収縮白化の抑制の観点から、0重量%を超えて50重量%以下が好ましく、より好ましくは0重量%を超えて30重量%以下である。
本発明の印刷層は、本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物層を活性エネルギー線照射により硬化させて形成される。また、本発明の印刷層を形成する本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物層は、例えば、シュリンクフィルムの少なくとも一方の表面上に、印刷インキを塗布し、必要に応じて乾燥又は乾燥固化することにより形成される。
上記印刷インキは、特に限定されないが、溶剤乾燥型の印刷インキであってもよいし、活性エネルギー線硬化型の印刷インキであってもよい。溶剤乾燥型の印刷インキを用いる場合には、本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物層は、例えば、シュリンクフィルムの少なくとも一方の表面上に、印刷インキを塗布し、加熱等により乾燥固化して溶剤を除去することにより形成される。一方、活性エネルギー線硬化型の印刷インキを用いる場合には、本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物層は、例えば、シュリンクフィルムの少なくとも一方の表面上に、印刷インキを塗布し、必要に応じて溶剤などを揮発させて形成される。
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物層が活性エネルギー線硬化型の印刷インキにより形成されたものである場合、本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物層は、特に限定されないが、さらに、活性エネルギー線重合性モノマーや、当該活性エネルギー線重合性モノマーの低重合度の重合体であるオリゴマー(活性エネルギー線重合性オリゴマー)を含んでいてもよい。また、上記活性エネルギー線重合性オリゴマーの重合度は、特に限定されないが、2〜20程度が好ましく、より好ましくは5〜15程度である。上記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物層が高分子化合物(X)とともに活性エネルギー線重合性モノマーや活性エネルギー線重合性オリゴマーを含むと、活性エネルギー線照射により活性エネルギー線重合性モノマー、活性エネルギー線重合性オリゴマー、及び高分子化合物(X)が相互に重合してポリマーを形成するため、本発明の印刷層の柔軟性が向上し、本発明のシュリンクラベルが十分な熱収縮性、透明性を保持しつつ耐ブロッキング性に優れることとすることができる。
上記活性エネルギー線重合性モノマーは、分子中に活性エネルギー線重合性官能基を少なくとも1つ有するモノマーである。上記活性エネルギー線重合性官能基としては、活性エネルギー線ラジカル重合性基が好ましく、エチレン性不飽和基(活性エネルギー線ラジカル重合性のエチレン性不飽和基)がより好ましい。より具体的には、例えば、ビニル基、プロペニル基、イソプロペニル基、(メタ)アクリロイル基(アクリロイル基、メタクリロイル基)などが挙げられる。
上記活性エネルギー線重合性モノマーは、単官能モノマーや多官能モノマーが挙げられる。上記単官能モノマーは、分子中に活性エネルギー線重合性官能基を1つのみ有するモノマーである。また、上記多官能モノマーは、分子中に活性エネルギー線重合性官能基を2以上有するモノマーである。
上記単官能モノマーとしては、公知のエチレン性不飽和基を有する単官能モノマーが挙げられ、特に限定されないが、例えば、上記アクリル系モノマー;クロトン酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸などのカルボキシル基含有重合性不飽和化合物又はその無水物;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレンなどのスチレン系化合物;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル類;塩化ビニルなどのハロゲン化ビニル;メチルビニルエーテルなどのビニルエーテル類;(メタ)アクリロニトリルなどのシアノ基含有ビニル化合物;エチレン、プロピレンなどのα−オレフィン類;N−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミドなどが挙げられる。上記の中でも、印刷層の柔軟性の観点から、ホモポリマーを形成した際のガラス転移温度(Tg)が、例えば、−100〜100℃、好ましくは−50〜50℃の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましい。
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物層が活性エネルギー線重合性モノマーや活性エネルギー線重合性オリゴマーを含有する場合、本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物層(100重量%)中の上記活性エネルギー線重合性モノマー及び上記活性エネルギー線重合性オリゴマーの含有量の合計、即ち、本発明の印刷層(100重量%)中の上記活性エネルギー線重合性モノマーに由来する構成単位及び上記活性エネルギー線重合性オリゴマーに由来する構成単位の含有量の合計は、特に限定されないが、60重量%以下(例えば、0重量%を超えて60重量%以下)が好ましく、より好ましくは0重量%を超えて50重量%以下、さらに好ましくは0重量%を超えて30重量%以下、特に好ましくは0重量%を超えて20重量%以下である。上記含有量が60重量%以下であると、耐ブロッキング性を高くすることができ、好ましい。
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物層が活性エネルギー線硬化型の印刷インキにより形成されたものであり、本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物層が活性エネルギー線重合性モノマーを含有する場合、本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物層としては、中でも、高分子化合物(X)を40重量%以上含有し、活性エネルギー線重合性モノマーを、0重量%を超えて60重量%以下含有することが特に好ましい。この場合の本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物層を、「活性エネルギー線硬化性樹脂組成物層(P)」と称する場合がある。
上記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物層(P)における本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物層(100重量%)中の高分子化合物(X)の含有量、即ち、本発明の印刷層(100重量%)中の高分子化合物(X)に由来する構成単位の含有量は、40重量%以上(例えば、40重量%以上100重量%未満)であり、好ましくは50重量%以上100重量%未満、より好ましくは60重量%以上100重量%未満、さらに好ましくは70重量%以上100重量%未満である。上記含有量が40重量%以上であると、より安定した化学成分に対する耐性が得られ、また透明性が向上し、好ましい。
上記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物層(P)における本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物層(100重量%)中の上記活性エネルギー線重合性モノマーの含有量、即ち、本発明の印刷層(100重量%)中の上記活性エネルギー線重合性モノマーに由来する構成単位の含有量は、0重量%を超えて60重量%以下であり、好ましくは0重量%を超えて50重量%以下、より好ましくは0重量%を超えて40重量%以下、さらに好ましくは0重量%を超えて30重量%以下である。上記含有量が0重量%を超えると、熱収縮性、透明性、印刷適性が向上し、好ましい。上記含有量が60重量%以下であると、耐ブロッキング性を高くすることができ、好ましい。
上記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物層(P)における活性エネルギー線重合性モノマーとしては、特に限定されないが、単官能モノマーが好ましく、より好ましくは、アクリロイルモルホリン、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、N−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド、イソボルニルアクリレートからなる群より選択された1以上の単官能モノマーである。アクリロイルモルホリン、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、N−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド、及びイソボルニルアクリレートは、共通して活性エネルギー線照射による反応性が高く、これらの単官能モノマーを含む活性エネルギー線硬化性樹脂組成物層を重合・硬化させて得られる印刷層は、印刷層中に未硬化(未反応)の残存モノマーが少なくなり、また、これらの単官能モノマーを硬化させて形成したアクリル系樹脂のガラス転移温度(Tg)は比較的高くなるため、印刷層の耐ブロッキング性を向上できるという共通の性質を有しているため、好ましい。さらに、アクリロイルモルホリン、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、N−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド、及びイソボルニルアクリレートには、アクリロイル基という共通の化学構造が存在し、アクリロイル基は活性エネルギー線硬化により重合するための重要な共通の化学構造要素が存在する。
上記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物層(P)が高分子化合物(X)を含むことにより、印刷層中のバインダー樹脂を構成するための単官能モノマーを多量に含有する必要が無いため、多官能モノマーよりも反応性が低い単官能モノマーが硬化後の印刷層に残存しにくく、耐ブロッキング性に優れる。また、上記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物層(P)は、シリカ、アクリルビーズ、酸化チタンなどのブロッキング防止剤を添加しなくても耐ブロッキング性に優れるため、印刷層の透明性を保持することができる。従って、上記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物層(P)を用いた場合、本発明のシュリンクラベルは、十分な熱収縮性、透明性を保持しつつ耐ブロッキング性に優れることとすることができる。
(他の成分)
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物層は、特に限定されないが、高分子化合物(X)、上記アクリル系樹脂(N)、上記活性エネルギー線重合性モノマー、上記活性エネルギー線重合性オリゴマー以外の成分(他の成分)を、本発明の効果を損なわない範囲内で含有していてもよい。上記他の成分としては、特に限定されないが、高分子化合物(X)や上記アクリル系樹脂(N)以外の樹脂(例えば、ウレタンアクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、セルロース系樹脂等)、着色顔料、染料、重合開始剤(熱重合開始剤、光重合開始剤)、酸化防止剤、沈降防止剤、滑剤、顔料分散剤、シリコーンオイル、硬化剤、ワックス、可塑剤、安定剤、消泡剤、充填剤、紫外線吸収剤、色別れ防止剤、香料、消臭剤、ブロッキング防止剤(例えば、シリカ、酸化チタン等の無機粒子;アクリルビーズ等の樹脂ビーズなど)などが挙げられる。上記他の成分は1種のみを使用してもよいし、2種以上を使用してもよい。
上記光重合開始剤としては、特に限定されないが、公知乃至慣用の光重合開始剤が使用できる。上記光重合開始剤としては、特に限定されないが、光ラジカル重合開始剤が好ましい。上記光ラジカル重合開始剤としては、特に限定されないが、例えば、ベンゾインエーテル系光重合開始剤、アセトフェノン系光重合開始剤、α−ケトール系光重合開始剤、芳香族スルホニルクロリド系光重合開始剤、光活性オキシム系光重合開始剤、ベンゾイン系光重合開始剤、ベンジル系光重合開始剤、ベンゾフェノン系光重合開始剤、ケタール系光重合開始剤、チオキサントン系光重合開始剤等などが挙げられる。上記光重合開始剤は1種のみを使用してもよいし、2種以上を使用してもよい。上記光重合開始剤の含有量は、特に限定されないが、本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物層の総重量(100重量%)に対して、1〜5重量%が好ましく、より好ましくは1〜3重量%である。
上記光重合開始剤としては、市販品を用いることも可能であり、例えば、BASFジャパン(株)製、商品名「ダルキュアシリーズ」、「イルガキュアシリーズ」などが挙げられる。
上記着色顔料としては、特に限定されず、例えば、公知乃至慣用の印刷層において用いられる着色顔料を用いることができる。上記着色顔料は、例えば、酸化チタン(二酸化チタン)等の白顔料、銅フタロシアニンブルー等の藍顔料、カーボンブラック、アルミフレーク、雲母(マイカ)、その他着色顔料等を用途に合わせて選択、使用できる。また、上記着色顔料として、その他にも、光沢調整などの目的で、アルミナ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、シリカ、アクリルビーズ等の体質顔料も使用できる。本発明の印刷層が着色顔料を含む場合、上記着色顔料の含有量は、特に限定されないが、高分子化合物(X)の総重量(100重量部)に対して、5〜100重量部が好ましく、より好ましくは10〜70重量部である。
本発明の印刷層の厚みは、特に限定されないが、例えば、0.1〜10μmが好ましく、より好ましくは0.3〜5μmである。上記厚みが0.1μm未満では、印刷層を均一に設けることが困難である場合があり、部分的な「かすれ」が起こり、装飾性が損なわれる場合や、デザイン通りの印刷が困難となる場合がある。また、上記厚みが10μmを超えると、印刷インキを多量に消費するため、コストが高くなったり、均一に塗布することが困難となったり、印刷層がもろくなり剥離しやすくなったりする場合や、筒状シュリンクラベルのシュリンク加工時にシュリンクフィルムの熱収縮に印刷層が追従しにくくなる場合がある。
[シュリンクフィルム]
本発明のシュリンクラベルにおけるシュリンクフィルムは、本発明の印刷層の支持体となり、ラベルの強度、剛性やシュリンク特性(収縮特性)に主たる影響を及ぼす。上記シュリンクフィルム(熱収縮性フィルム)は、特に限定されないが、公知のシュリンクラベルのラベル基材として用いられるシュリンクフィルムを用いることができる。上記シュリンクフィルムを形成する樹脂の種類は、要求物性、用途、コストなどに応じて、適宜選択することが可能であり、特に限定されないが、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、アラミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、アクリル系樹脂等の樹脂が挙げられる。これらの樹脂は1種のみを使用してもよいし、2種以上を使用してもよい。さらに、同種又は異種の樹脂を積層して積層フィルムとして用いてもよい。中でも、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂が好ましい。上記シュリンクフィルムは、ポリエステル系樹脂からなるポリエステル系フィルム、ポリオレフィン系樹脂からなるポリオレフィン系フィルム、ポリスチレン系樹脂からなるポリスチレン系フィルム、ポリエステル系樹脂を外層とし、ポリオレフィン系樹脂又はポリスチレン系樹脂を内層とした異種積層フィルムが好ましい。上記のポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂としては、例えば、特開2008−170822号公報、特開2008−170697号公報、特開2008−163215号公報、特開2008−163231号公報に記載のポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂などを用いることができる。
上記ポリエステル系フィルムに用いられるポリエステル系樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)系樹脂やポリ(エチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート)(PEN)、ポリ乳酸(PLA)等を用いることができ、中でも好ましくはポリエチレンテレフタレート(PET)系樹脂である。上記PET系樹脂としては、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸を用い、ジオール成分としてエチレングリコールを用いたポリエチレンテレフタレート(PET);ジカルボン酸成分としてテレフタル酸を用い、ジオール成分としてエチレングリコールを主成分、1,4−シクロヘキサンジメタノール(CHDM)を共重合成分として用いた共重合ポリエステル(CHDM共重合PET)、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸を用い、ジオール成分としてエチレングリコールを主成分、ネオペンチルグリコール(NPG)を共重合成分として用いた共重合ポリエステル(NPG共重合PET)、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸を用い、ジオール成分としてエチレングリコールを主成分、ジエチレングリコールを共重合成分として用いた共重合ポリエステルなどのジオール変性PET;ジカルボン酸変性PET(ジカルボン酸成分において、テレフタル酸を主成分にイソフタル酸及び/又はアジピン酸で変性)などが挙げられる。
上記ポリオレフィン系フィルムに用いられるポリオレフィン系樹脂としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、メタロセン触媒系LLDPE(mLLDPE)などのポリエチレン系樹脂;ポリプロピレン、プロピレン−α−オレフィン共重合体などのポリプロピレン系樹脂;エチレン−酢酸ビニル共重合体;環状オレフィン樹脂等が挙げられる。特に、ポリオレフィン系フィルムとしては、環状オレフィン樹脂を外層とするものが好ましい。例えば、環状オレフィン樹脂を外層とし、ポリエチレン系樹脂又はポリプロピレン系樹脂を内層(中心層)とするものが好ましい。
上記ポリスチレン系フィルムに用いられるポリスチレン系樹脂としては、構成モノマーとして、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレン、p−イソブチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、クロロメチルスチレン等のスチレン系単量体を1種又は2種以上含む樹脂が挙げられる。具体的には、例えば、汎用ポリスチレン、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SBS)、スチレン−ブタジエン・イソプレン−スチレン共重合体(SBIS)、スチレン−アクリル酸エステル共重合体等が好ましく例示される。
上記シュリンクフィルムは単層構成であってもよいし、積層構成を有していてもよい。即ち、上記シュリンクフィルムは、単層フィルムであってもよいし、要求物性、用途などに応じて、複数のフィルム層を積層した積層フィルムであってもよい。また、積層フィルムの場合、同種の樹脂からなるフィルム層を積層していてもよいし、異なる樹脂からなるフィルム層を積層していてもよい。積層フィルムの場合、ポリエステル系樹脂を外層とし、ポリオレフィン系樹脂又はポリスチレン系樹脂を内層とした積層フィルムや、環状オレフィン樹脂を外層とし、ポリエチレン系樹脂又はポリプロピレン系樹脂を内層とした積層フィルムが好ましい。
上記シュリンクフィルムは、シュリンク特性を発揮する観点から、少なくとも一方向に配向したフィルム(例えば、一方向に配向したフィルムや、一方向及び一方向と異なる方向に配向したフィルム)であることが好ましい。シュリンクフィルムが積層フィルムの場合には、積層フィルム中の少なくとも1層のフィルム層が配向していることが好ましく、全てのフィルム層が少なくとも一方向に配向したフィルムであることが好ましい。全てのフィルム層が無配向の場合には、十分なシュリンク特性を発揮できない場合がある。シュリンクフィルムとしては、特に一方向に配向したフィルム(1軸配向フィルム)又は一方向及び一方向と直交する方向に配向したフィルム(2軸配向フィルム)が用いられることが多く、中でも、1軸配向フィルム(一方向に主に延伸され、当該一方向と直交する方向にわずかに延伸された、実質的に一方向に延伸されたフィルムを含む)が一般的に用いられる。
上記少なくとも一方向に配向したフィルムは、未延伸フィルムを、少なくとも一方向に延伸することで得られる。例えば、上記少なくとも一方向に配向したフィルムが1軸配向フィルムである場合は未延伸フィルムを一方向に延伸することで得られ、2軸配向フィルムである場合は未延伸フィルムを一方向及び当該一方向と直交する方向に延伸することで得られる。なお、本発明のシュリンクラベルは、シュリンクフィルムの配向方向に主に熱収縮できる。
上記シュリンクフィルムは、溶融製膜または溶液製膜などの慣用の方法によって作製することができる。また、市販のシュリンクフィルムを用いることも可能である。シュリンクフィルムの表面には、必要に応じて、コロナ放電処理やプライマー処理等の慣用の表面処理が施されていてもよい。積層構成のシュリンクフィルムを作製する場合、積層の方法としては、慣用の方法、例えば、共押出法、ドライラミネート法などを用いることが可能である。シュリンクフィルムに配向を施す方法としては、例えば、長手方向(フィルムの製造ライン方向。縦方向又はMD方向とも称する)および幅方向(長手方向と直交する方向。横方向又はTD方向とも称する)の2方向への延伸、長手方向又は幅方向の一方向への延伸等を用いることができる。延伸方式は、例えば、ロール方式、テンター方式、チューブ方式等を用いることができる。例えば、幅方向に実質的に一方向に延伸されたフィルムの延伸処理は、70〜100℃程度の温度で、必要に応じて長手方向に例えば1.01〜1.5倍、好ましくは1.05〜1.3倍程度延伸した後、幅方向に3〜8倍、好ましくは4〜7倍程度延伸することにより行うことができる。
上記シュリンクフィルムの、主収縮方向の、90℃、10秒における熱収縮率(「熱収縮率(90℃、10秒)」と称する場合がある)は、特に限定されないが、20〜90%が好ましく、より好ましくは30〜85%、さらに好ましくは40〜80%である。上記シュリンクフィルムの、主収縮方向と直交する方向の熱収縮率(90℃、10秒)は、特に限定されないが、−3〜15%が好ましい。なお、上記「主収縮方向」とは最も熱収縮率が大きい方向であり、一般的には主に延伸処理された方向であり、例えば、幅方向に実質的に一方向に延伸されたフィルムの場合には幅方向である。
上記シュリンクフィルムが透明である場合には、上記シュリンクフィルムのヘイズ(ヘーズ)値[JIS K 7136準拠、厚み40μm換算、単位:%]は、特に限定されないが、10%以下が好ましく、より好ましくは7%以下、さらに好ましくは5%以下である。ヘイズ値が10%を超える場合には、シュリンクフィルムの内側(シュリンクラベルを容器に装着したときに容器側になる面側)に印刷を施し、シュリンクフィルムを通して印刷を見せるシュリンクラベル(裏印刷シュリンクラベル)用途においては、製品とした際に、印刷が曇り、装飾性が低下することがある。ただし、ヘイズ値が10%を超える場合であっても、シュリンクフィルムを通して印刷を見せる上記用途以外の用途(表印刷シュリンクラベル)においては不透明であってもよく、十分に使用可能である。また、不透明のシュリンクフィルムとしては、特に限定されないが、例えば、乳白フィルムなどを用いることができる。
上記シュリンクフィルムの厚みは、特に限定されないが、10〜100μmが好ましく、より好ましくは12〜80μm、さらに好ましくは15〜60μmである。
上記シュリンクフィルムは、市販品を用いることも可能である。例えば、東洋紡績(株)製「スペースクリーン S7042」、「SV−808」、三菱樹脂(株)製「LX−10S」、「LX−18S」、「LX−61S」(以上、ポリエステル系フィルム);シーアイ化成(株)製「ボンセット」、グンゼ(株)製「GMLS」(以上、ポリスチレン系フィルム);グンゼ(株)製「FL」(ポリオレフィン系フィルム);三菱樹脂(株)製「エコロージュ」(ポリ乳酸系フィルム);三菱樹脂(株)製「DL」、グンゼ(株)製「HGS」(以上、表層がポリエステル系樹脂、中心層がポリスチレン系樹脂の積層フィルム)等が挙げられる。
[他の層]
上記他の層(上記シュリンクフィルム、本発明の印刷層以外の層)は、特に限定されないが、例えば、本発明の印刷層以外の印刷層、接着剤層(感圧性接着剤層、感熱性接着剤層等)、アンカーコート層、プライマーコート層、コーティング層、インナーコート層、帯電防止層、金属や金属酸化物の蒸着層、遮光層、断熱層、バリア層などが挙げられる。
[シュリンクラベル]
本発明のシュリンクラベルは、上記シュリンクフィルムの少なくとも一方の面に、本発明の印刷層を有する。
本発明の印刷層は、特に限定されないが、例えば、商品名、イラスト、取り扱い注意事項等の図やデザインなどの意匠印刷層(カラー印刷層等)、白などの単一色で形成された背景印刷層、フィルムや印刷層を保護するために設けられる保護印刷層、フィルムと印刷層の密着性を高めるために設けられるプライマー印刷層などに用いることができる。また、本発明の印刷層は、耐ブロッキング性にも優れるため、ラベルの最表面(筒状シュリンクラベルとした際の最内面又は最外面)の層として用いられることが好ましい。本発明の印刷層は、特に限定されないが、シュリンクフィルムの片面側のみに設けられていてもよいし、シュリンクフィルムの両面側に設けられていてもよい。また、本発明の印刷層は、シュリンクフィルムの表面(例えば、本発明の印刷層が設けられる側の表面)の全面に設けられていてもよいし、一部に設けられていてもよい。さらに、本発明の印刷層は、特に限定されないが、単層であってもよいし、複層であってもよい。
本発明のシュリンクラベルは、例えば、ラベル両端を溶剤や接着剤でシールし筒状にして容器に装着されるタイプの筒状シュリンクラベルや、ラベルの一端を容器に貼り付け、ラベルを巻き回した後、他端を一端に重ね合わせて筒状にする巻き付け方式のシュリンクラベルとして用いることができる。本発明のシュリンクラベルは、安定して化学成分に対する耐性に優れ、且つ、収縮白化しにくいため、筒状シュリンクラベルに特に好ましく用いられる。即ち、本発明のシュリンクラベルは、筒状シュリンクラベルであることが好ましい。
図1〜4を用いて、本発明のシュリンクラベルの好ましい実施形態である筒状シュリンクラベルの一例について説明をする。図1に記載の本発明の筒状シュリンクラベル1は、矩形状に形成された、本発明の印刷層を含む本発明のシュリンクラベルを、当該シュリンクラベルの一端部の外側に他端部を重ね合わせて筒状とし、他端部の内面と一端部の外面とを溶剤又は接着剤で接合しシール部11が形成された筒状体である。筒状シュリンクラベル1は、シュリンクフィルムの主収縮方向が筒状シュリンクラベルの周方向Dとなるように筒状にされており、当該方向に熱収縮可能である。
図2〜4は、図1におけるA−A’断面、即ち、本発明の筒状シュリンクラベル1のシール部11付近の要部拡大図である。具体的には、図2〜4における本発明のシュリンクラベルは、シュリンクフィルム21の一方の面(筒状体の内面側の面)の他端部の端から所定幅の領域を除いた領域に意匠印刷層22が形成され、その意匠印刷層22を覆うように、シュリンクフィルム21の一方の面の他端部の端から所定幅の領域を除いた領域の略全域に背景印刷層23が形成されている。また、図3に示すように、背景印刷層23の表面の他端部の端から所定幅の領域を除いた領域に保護印刷層25が設けられていてもよい。また、図4に示すように、シュリンクフィルム21の他方の面(筒状体の外面側の面)の一端部の端から所定幅の領域を除いた領域に保護印刷層26が設けられていてもよい。このため、本発明のシュリンクラベルには、他端部の端から所定幅の領域は、意匠印刷層22及び背景印刷層23が形成されておらず、シュリンクフィルム21が露出し、フィルム露出面が形成されている。本発明の筒状シュリンクラベル1は、具体的には、本発明のシュリンクラベルの他端部の内面側に形成されたフィルム露出面と、一端部の外面側に形成されたフィルム露出面とを、溶剤又は接着剤によって接合されている。なお、上記意匠印刷層、背景印刷層、及び保護印刷層のうちの一部又は全部について、本発明の印刷層を用いることができる。なお、本発明のシュリンクラベルが耐ブロッキング性に優れる観点から、図2に示す本発明のシュリンクラベルにおいては背景印刷層23が、図3に示す本発明のシュリンクラベルにおいては保護印刷層25が、図4に示す本発明のシュリンクラベルにおいては背景印刷層23及び保護印刷層26が本発明の印刷層である。また、図2に示す本発明のシュリンクラベルにおける意匠印刷層22、図3に示す本発明のシュリンクラベルにおける意匠印刷層22及び背景印刷層23、図4に示す本発明のシュリンクラベルにおける意匠印刷層22は、それぞれ、本発明の印刷層であってもよいし、本発明の印刷層以外の印刷層であってもよい。
上記意匠印刷層は、特に限定されないが、例えば、商品名、イラスト、取り扱い注意事項等の所望の表示となるように着色顔料の異なる複数の印刷層を重ねて形成されている。上記意匠印刷層は、本発明の印刷層であってもよいし、本発明の印刷層以外の印刷層であってもよい。
上記背景印刷層は、本発明の筒状シュリンクラベルを筒の外側から観察したときの意匠印刷層の背景となる印刷層であり、例えば、着色顔料として酸化チタンを20〜60重量%含有する白色印刷層によって形成されている。なお、上記酸化チタンの含有量は、背景印刷層の総重量(100重量%)に対する含有量である。上記背景印刷層は、本発明の印刷層であってもよいし、本発明の印刷層以外の印刷層であってもよい。
上記意匠印刷層の厚みは、例えば、0.1〜5μmであり、上記背景印刷層の厚みは、例えば、0.5〜5μmであり、意匠印刷層と背景印刷層とで形成された印刷層は、全体として、例えば、1〜10μmに形成されている。
上記保護印刷層は、例えば、滑剤を0.1〜10重量%含有する印刷層であって、透明な層であっても不透明な層であってもよいが、図4において筒状体の外面側の面に設けられた保護印刷層は少なくとも筒の内面側に設けられた意匠印刷層の表示が目視できることが好ましい。なお、上記滑剤の含有量は、保護印刷層の総重量(100重量%)に対する含有量である。上記保護印刷層は、本発明の印刷層であってもよいし、本発明の印刷層以外の印刷層であってもよい。保護印刷層の厚みは、例えば、0.1〜10μmである。
上記シール部の幅は、特に限定されないが、0.5〜10mmが好ましく、より好ましくは1〜5mmである。
本発明のシュリンクラベルは、アクリル系樹脂(M)を主鎖とし、活性エネルギー線重合性基を有するウレタン系オリゴマーを側鎖とする高分子化合物(X)を含有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を、活性エネルギー線により硬化させて得られた印刷層を有する。これにより、柔軟でありながら、強靱な印刷層を得ることができる。このため、本発明のシュリンクラベルは、印刷層の収縮白化が起こりにくく、且つ安定して化学成分に対する耐性に優れる。
また、本発明の印刷層をラベルの最表面(筒状シュリンクラベルとした際の最内面又は最外面)の層として用いた場合、耐ブロッキング性にも優れる。さらに、本発明の印刷層は、高分子化合物(X)に由来する構成単位を含有することから、柔軟でありながら強靱であるため、耐摩耗性(耐スクラッチ性)、インキの密着性、シュリンク加工時の耐インキ割れ性、耐熱性に優れる。また、シュリンクラベルの生産工程などにおいて粉吹きを軽減することができる。
[本発明のシュリンクラベルの製造方法、加工方法]
本発明のシュリンクラベルの製造方法及び加工方法(筒状シュリンクラベルの加工方法)の例を下記に示す。
本発明の印刷層は、本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物層を活性エネルギー線照射により硬化させて形成される。また、本発明の印刷層を形成する本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物層は、シュリンクフィルムの少なくとも一方の表面上に、印刷インキを塗布し、必要に応じて乾燥又は乾燥固化することにより形成される。
上記印刷インキが溶剤乾燥型の印刷インキである場合、本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物層は、具体的には、上記溶剤乾燥型の印刷インキを塗布し、乾燥固化することにより形成される。一方、上記印刷インキが活性エネルギー線硬化型の印刷インキである場合、本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物層は、具体的には、上記活性エネルギー線硬化型の印刷インキを塗布し、必要に応じて乾燥することにより形成される。上記の印刷インキ(溶剤乾燥型の印刷インキ及び活性エネルギー線硬化型の印刷インキ)の塗布、乾燥又は乾燥固化は、シュリンクフィルムの製造工程中に行われてもよいし(インラインコート)、シュリンクフィルム製膜後に行われてもよい(オフラインコート)が、生産性や加工性の観点から、オフラインコートが好ましい。また、必要に応じて、本発明の印刷層以外の層等を設けてもよい。
上記印刷インキを塗布する方法としては、コストや生産性などの観点から、グラビア印刷方式、フレキソ印刷方式が好ましく、中でも、グラビア印刷方式が特に好ましい。また、塗布された印刷インキを加熱等により、乾燥又は乾燥固化する際には、印刷装置上で加熱が可能な、一般的な加熱装置を好ましく用いることができる。安全性の観点から、好ましくは、熱風ヒーターなどを用いることができる。本発明の印刷層が意匠印刷層である場合、上記印刷インキの塗布は、色ごとに行われ、複数の色の印刷層によって意匠印刷層が形成される。
上記溶剤乾燥型の印刷インキは、例えば、高分子化合物(X)、溶剤、必要に応じて、上記アクリル系樹脂(N)、及び他の成分を混合することによって製造される。また、上記活性エネルギー線硬化型の印刷インキは、例えば、高分子化合物(X)、必要に応じて、上記アクリル系樹脂(N)、上記活性エネルギー線重合性モノマー、上記活性エネルギー線重合性オリゴマー、溶剤及び他の成分を混合することにより製造される。混合は、公知乃至慣用の混合方法により行うことができ、特に限定されないが、例えば、ペイントシェイカー、バタフライミキサー、プラネタリーミキサー、ポニーミキサー、ディゾルバー、タンクミキサー、ホモミキサー、ホモディスパーなどのミキサーや、ロールミル、サンドミル、ボールミル、ビーズミル、ラインミルなどのミル、ニーダーなどの混合装置が用いられる。混合の際の混合時間(滞留時間)は、特に限定されないが、10〜120分が好ましい。得られた印刷インキは、必要に応じて、濾過してから用いてもよい。上記各成分(高分子化合物(X)、アクリル系樹脂(N)、活性エネルギー線重合性モノマー、活性エネルギー線重合性オリゴマー、溶剤、他の成分)は、それぞれ、1種のみを使用してもよいし、2種以上を使用してもよい。
上記溶剤(溶媒)としては、印刷インキに通常用いられる有機溶剤等を用いることができる。上記溶剤としては、例えば、酢酸エステル(酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等)などのエステル;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;ヘキサン、オクタンなどの脂肪族炭化水素;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの脂環式炭化水素;エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール;エチレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等のグリコールエーテル;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコールエーテルエステルなどが挙げられる。上記溶剤は、印刷インキをシュリンクフィルムに塗布した後、乾燥により除去することができる。なお、上記溶剤(溶媒)は、「分散媒」の意味も含む。
印刷インキの粘度(23±2℃)は、特に限定されないが、例えば、グラビア印刷により塗工される場合には、10〜1000mPa・sが好ましく、より好ましくは20〜500mPa・sである。上記印刷インキの粘度は、高分子化合物(X)、アクリル系樹脂(N)、活性エネルギー線重合性モノマー、活性エネルギー線重合性オリゴマーやその他の各成分の種類や配合量(含有量)、増粘剤、減粘剤等によって制御することが可能である。なお、本明細書では、「粘度」とは、特に限定しない限り、E型粘度計(円錐平板形回転粘度計)を用い、23±2℃、円筒の回転数50回転の条件下、JIS Z 8803に準じて測定した値を意味している。
上記のようにして、本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物層が形成される。なお、この段階における積層体は、活性エネルギー線照射前であるため、シュリンクフィルムの少なくとも一方の面に、アクリル系樹脂を主鎖とし、活性エネルギー線重合性基を有するウレタン系オリゴマーを側鎖とする高分子化合物(X)を含有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物層を有するシュリンクラベル用積層体である。当該シュリンクラベル用積層体は、活性エネルギー線照射によって本発明の印刷層が形成されることにより、安定して化学成分に対する耐性に優れ、且つ、収縮白化しにくい本発明のシュリンクラベルを得ることができる。
本発明の印刷層を形成する際の活性エネルギー線の照射は、特に限定されないが、本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物層を形成した後に行って、本発明の印刷層を形成する。なお、上記活性エネルギー線照射を行う段階は、本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物層を形成した後であればよく、例えば、筒状シュリンクラベルを製造する前、シュリンクラベル用積層体を筒状に成形した後であって当該筒状に成形したシュリンクラベル用積層体を容器等に装着する前、シュリンク加工を施して当該筒状に成形したシュリンクラベル用積層体を容器等に装着した後であってもよい。ただし、活性エネルギー線硬化型の印刷インキを用いる場合、形成された本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物層は流動性が高いため、本発明の印刷層を形成するための活性エネルギー線の照射は、本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物層を形成した後、筒状シュリンクラベルを製造する前に行って、本発明の印刷層を形成することが好ましい。また、複数の印刷インキを塗布して複数の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物層を形成する場合、活性エネルギー線の照射は、すべての活性エネルギー線硬化性樹脂組成物層が形成された後に行ってもよいし、1つの活性エネルギー線硬化性樹脂組成物層を形成する毎に行ってもよい。溶剤乾燥型の印刷インキを用いて複数の本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物層を形成する場合には、すべての活性エネルギー線硬化性樹脂組成物層が形成された後に活性エネルギー線の照射を行うのが簡便で好ましい。他方、活性エネルギー線硬化型の印刷インキを用いて複数の本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物層を形成する場合には、活性エネルギー線硬化型の印刷インキを塗布する(1つの活性エネルギー線硬化性樹脂組成物層を形成する)毎に、活性エネルギー線の照射を行うことが好ましい。
照射する活性エネルギー線は、特に限定されないが、例えば、可視光、紫外線、電子線などが挙げられる。中でも、紫外線、電子線が好ましい。紫外線照射は、具体的には、例えば、紫外線(UV)ランプ、紫外線LEDや紫外線レーザーなどを用いて行うことができる。照射する活性エネルギー線は、印刷インキの組成によっても異なり、特に限定されないが、硬化性の観点から、波長が200〜460nmの紫外線(近紫外線)が好ましく、また、積算光量は50〜2000mJ/cm2が好ましい。
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物層中の、高分子化合物(X)、アクリル系樹脂(N)、活性エネルギー線重合性モノマー、活性エネルギー線重合性オリゴマー等の成分の含有量を制御するためには、印刷インキの不揮発成分中のそれぞれの成分の含有量が、本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物層中の所望の含有量になるように印刷インキを調製すればよい。また、本発明の印刷層中のそれぞれの成分の含有量についても同様である。なお、一般的に、印刷インキの全不揮発成分中の各成分(不揮発成分)の含有量(重量%)は、本発明の活性エネルギー線重合性組成物層中の各成分の含有量(重量%)、及び本発明の印刷層中の各成分の含有量(重量%)と等しくなる。
上記のように、シュリンクフィルムに本発明の印刷層が形成されて、本発明のシュリンクラベルを作製することができる。また、必要に応じて、本発明の印刷層以外の層等を設けてもよい。
(筒状シュリンクラベルの製造方法)
本発明の筒状シュリンクラベルの製造方法は、特に限定されないが、例えば、下記の通りである。長尺状のシュリンクフィルムに、本発明の印刷層などを設けた後、所定の幅にスリットして、本発明のシュリンクラベルが長尺方向(長手方向)に複数個連なったラベル長尺体を得る。このラベル長尺体を、熱収縮可能な方向(即ち、シュリンクフィルムの熱収縮方向)が周方向となるように、他端部が一端部の外側になるように重ね合わせて筒状に形成し、当該重ね合わせた部分を帯状にシールして両端部を接合して、長尺筒状のラベル連続体(長尺筒状シュリンクラベル)を得ることができる。この長尺筒状シュリンクラベルを周方向に切断することで、高さ方向に所定の長さを有する1つの筒状シュリンクラベル(本発明の筒状シュリンクラベル)を得ることができる。なお、ラベル切除用のミシン目を設ける場合は、慣用の方法(例えば、周囲に切断部と非切断部とが繰り返し形成された円板状の刃物を押し当てる方法やレーザーを用いる方法等)により施すことができる。ミシン目を施す工程は、本発明の印刷層を設けた後や、筒状に加工する工程の前後など、適宜選択できる。
[ラベル付き容器]
本発明のシュリンクラベルは、特に限定されないが、容器に装着して、ラベル付き容器として用いられる。なお、本発明のシュリンクラベルは、容器以外の被着体に用いられてもよい。例えば、本発明のシュリンクラベル(特に、筒状シュリンクラベル)を容器の周りに、本発明のシュリンクラベルが筒状となるように配置し、熱収縮させることによって容器に装着することにより、ラベル付き容器(本発明のシュリンクラベルを有するラベル付き容器)が得られる。上記容器には、例えば、PETボトル、牛乳瓶、ボトル缶等の飲料用容器;調味料などの食品用容器;医薬品容器、洗剤、スプレー等のトイレタリー用の容器などが含まれる。上記容器の形状としては、特に限定されないが、例えば、円筒状、角形等のボトルタイプや、カップタイプなどの様々な形状が挙げられる。また、上記容器の材質としては、特に限定されないが、例えば、PETなどのプラスチック、ガラス、金属などが挙げられる。
上記ラベル付き容器は、例えば、筒状シュリンクラベルを、所定の容器に外嵌した後、加熱処理によって筒状シュリンクラベルを熱収縮させ、容器に追従密着させること(シュリンク加工)によって作製できる。上記加熱処理の方法としては、例えば、熱風トンネルやスチームトンネルを通過させる方法、赤外線などの輻射熱で加熱する方法等が挙げられる。特に、80〜100℃のスチームで処理する(スチームおよび湯気が充満した加熱トンネルを通過させる)方法が好ましい。また、101〜140℃のドライスチームを用いることもできる。上記加熱処理は、特に限定されないが、シュリンクフィルムの温度が85〜100℃(特に、90〜97℃)となる温度範囲で実施することが好ましい。本発明のシュリンクラベルが高温で加熱処理を行うことができる場合は、高収縮を要する容器に対する使用が可能となる。また、加熱処理の処理時間は、生産性、経済性の観点から、4〜20秒が好ましい。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。なお、表1に、実施例及び比較例で作製したシュリンクラベルの構成及び評価結果などを示した。また、表2には、実施例及び比較例で用いた印刷インキ(背景印刷層用印刷インキ、保護印刷層用印刷インキ)中の原料の配合量などを示した。また、表3には、実施例及び比較例で用いた印刷インキ中の原料の詳細(商品名、メーカー名、不揮発分、重量平均分子量など)などを示した。
実施例1
(背景印刷層用印刷インキ)
バインダー樹脂としてのアクリル系樹脂(三菱レイヨン(株)製、商品名「ダイヤナール BR−113」)13重量部及びセルロース系樹脂(Eastman Chemical(イーストマンケミカル)社製、商品名「CAP−482−20」)0.5重量部、酸化チタン37重量部、ワックス1.5重量部を、酢酸エチル13.5重量部、酢酸n−プロピル13.5重量部、イソプロピルアルコール(IPA)21重量部に混合し、ミキサーを用いて分散して、背景印刷層用印刷インキ(「背景印刷層用印刷インキ(a1)」と称する場合がある)を得た。
(保護印刷層用印刷インキ)
高分子化合物(X)の溶液として、商品名「アクリット 8BR−500」(大成ファインケミカル(株)製)55重量部、光重合開始剤(BASFジャパン(株)製、商品名「イルガキュア 127」)5重量部、ワックス1.5重量部を、トルエン19重量部、酢酸エチル19.5重量部に混合し、ミキサーを用いて分散して、本発明の印刷層である保護印刷層用の印刷インキ(「保護印刷層用印刷インキ(b1)」と称する場合がある)を得た。
(シュリンクラベル)
ポリエステル(PET)系フィルム(熱収縮性フィルム)(三菱樹脂(株)製、商品名「LX−18S」、厚み:40μm)の片面に、背景印刷層用印刷インキ(a1)を、粘度が15mPa・sとなるように酢酸エチルとIPAの混合溶媒(混合比率[酢酸エチル:IPA]=[6:4])で希釈し、卓上グラビア印刷機((株)日商グラビア製、商品名「GRAVO PROOF MINI」)を用いて塗布、乾燥固化し、シール部となる部分以外の全面に背景印刷層(背景印刷層(A1))を形成した。次いで、上記背景印刷層(A1)の表面に、保護印刷層用印刷インキ(b1)を、粘度が18mPa・sとなるように上記の酢酸エチルとIPAの混合溶媒で希釈し、卓上グラビア印刷機((株)日商グラビア製、商品名「GRAVO PROOF MINI」)を用いて塗布、乾燥固化し、シール部となる部分以外の全面に活性エネルギー線硬化性樹脂組成物層を形成し、シュリンクラベル用積層体を得た。
続いて、上記で得たシュリンクラベル用積層体の、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物層を塗布した面側から、紫外線照射装置(フュージョンUVシステムズジャパン(株)製、商品名「LIGHT HAMMER 10」、ランプ:H+、出力:80%)を用いて、コンベア速度30m/minの条件で紫外線照射(UV照射)を行い、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物層を硬化させて保護印刷層(保護印刷層(B1))を形成した。
上記のようにして、PET系フィルム(厚み:40μm)/背景印刷層(A1)(厚み:1μm)/保護印刷層(B1)(厚み:2μm)の積層構成を有するシュリンクラベルを得た。
実施例2
保護印刷層用印刷インキ(b1)の代わりに、表2に示す組成の保護印刷層用印刷インキ(b2)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、PET系フィルム(厚み:40μm)/背景印刷層(A1)(厚み:1μm)/保護印刷層(B2)(厚み:2μm)の積層構成を有するシュリンクラベルを得た。
実施例3
保護印刷層用印刷インキ(b1)の代わりに、表2に示す組成の保護印刷層用印刷インキ(b3)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物層を形成し、シュリンクラベル用積層体を得た。
続いて、上記で得たシュリンクラベル用積層体の、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物層を塗布した面側から、電子線照射装置((株)NHVコーポレーション製、商品名「EBC−200」、電圧:150kV、電子線密度:10kGy)を用いて、コンベア速度30m/minの条件で電子線照射(EB照射)を行い、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物層を硬化させて保護印刷層(保護印刷層(B3))を形成した。
上記のようにして、PET系フィルム(厚み:40μm)/背景印刷層(A1)(厚み:1μm)/保護印刷層(B3)(厚み:2μm)の積層構成を有するシュリンクラベルを得た。
実施例4
保護印刷層用印刷インキ(b3)の代わりに、表2に示す組成の保護印刷層用印刷インキ(b4)を用いたこと以外は実施例3と同様にして、PET系フィルム(厚み:40μm)/背景印刷層(A1)(厚み:1μm)/保護印刷層(B4)(厚み:2μm)の積層構成を有するシュリンクラベルを得た。
実施例5
保護印刷層用印刷インキ(b1)の代わりに、表2に示す組成の保護印刷層用印刷インキ(b5)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、PET系フィルム(厚み:40μm)/背景印刷層(A1)(厚み:1μm)/保護印刷層(B5)(厚み:2μm)の積層構成を有するシュリンクラベルを得た。
実施例6
保護印刷層用印刷インキ(b1)の代わりに、表2に示す組成の保護印刷層用印刷インキ(b6)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、PET系フィルム(厚み:40μm)/背景印刷層(A1)(厚み:1μm)/保護印刷層(B6)(厚み:2μm)の積層構成を有するシュリンクラベルを得た。
比較例1
電子線照射を行わず、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物層を保護印刷層(保護印刷層(B3’))として用いたこと以外は実施例3と同様にして、PET系フィルム(厚み:40μm)/背景印刷層(A1)(厚み:1μm)/保護印刷層(B3’)(厚み:2μm)の積層構成を有するシュリンクラベル用積層体を得、これをシュリンクラベルとした。
比較例2
電子線照射を行わず、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物層を保護印刷層(保護印刷層(B4’))として用いたこと以外は実施例4と同様にして、PET系フィルム(厚み:40μm)/背景印刷層(A1)(厚み:1μm)/保護印刷層(B4’)(厚み:2μm)の積層構成を有するシュリンクラベル用積層体を得、これをシュリンクラベルとした。
比較例3
(保護印刷層用印刷インキ)
バインダー樹脂としてのウレタン系樹脂(三洋化成工業(株)製、商品名「サンプレン IB−915」)67重量部及びセルロース系樹脂(Eastman Chemical社製、商品名「CAP−482−20」)0.5重量部、ワックス1.5重量部、硬化剤(DIC(株)製、商品名「CVLハードナー#10」)5重量部を、酢酸エチル17重量部、IPA9重量部に混合し、ミキサーを用いて分散して、保護印刷層用印刷インキ(「保護印刷層用印刷インキ(b7)」と称する場合がある)を得た。
(シュリンクラベル)
ポリエステル(PET)系フィルム(熱収縮性フィルム)(三菱樹脂(株)製、商品名「LX−18S」、厚み:40μm)の片面に、背景印刷層用印刷インキ(a1)を、粘度が15mPa・sとなるように上記の酢酸エチルとIPAの混合溶媒で希釈し、卓上グラビア印刷機((株)日商グラビア製、商品名「GRAVO PROOF MINI」)を用いて塗布、乾燥固化し、シール部となる部分以外の全面に背景印刷層(背景印刷層(A1))を形成した。次いで、上記背景印刷層(A1)の表面に、保護印刷層用印刷インキ(b7)を、粘度が18mPa・sとなるように上記の酢酸エチルとIPAの混合溶媒で希釈し、卓上グラビア印刷機((株)日商グラビア製、商品名「GRAVO PROOF MINI」)を用いて塗布、乾燥固化し、シール部となる部分以外の全面に保護印刷層(保護印刷層(B7))を形成した。
上記のようにして、PET系フィルム(厚み:40μm)/背景印刷層(A1)(厚み:1μm)/保護印刷層(B7)(厚み:2μm)の積層構成を有するシュリンクラベルを得た。
比較例4
保護印刷層用印刷インキ(b7)の代わりに、表2に示す組成の保護印刷層用印刷インキ(b8)を用いたこと以外は比較例3と同様にして、PET系フィルム(厚み:40μm)/背景印刷層(A1)(厚み:1μm)/保護印刷層(B8)(厚み:2μm)の積層構成を有するシュリンクラベルを得た。
比較例5
保護印刷層(B7)を設けなかったこと以外は比較例3と同様にして、PET系フィルム(厚み:40μm)/背景印刷層(A1)(厚み:1μm)の積層構成を有するシュリンクラベルを得た。
なお、上記背景印刷層用印刷インキ及び上記保護印刷層用印刷インキ中の不揮発成分の総重量(100重量%)に対する、高分子化合物(X)、単官能モノマー、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、セルロース系樹脂、酸化チタン、光重合開始剤、ワックス、及び硬化剤の不揮発成分の含有量の割合(不揮発分)は、シュリンクラベルの背景印刷層中及び保護印刷層中の高分子化合物(X)に由来する構成単位、単官能モノマーに由来する構成単位、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、セルロース系樹脂、酸化チタン、光重合開始剤、ワックス、及び硬化剤の含有量の割合と等しい。
(評価)
実施例および比較例で得られたシュリンクラベルについて、以下の評価を行った。評価結果は表1に示した。
(1)耐剥離性(テープ剥離試験)
碁盤目のクロスカットを入れない以外は、JIS K 5600−5−6に準じて、試験を行った。実施例及び比較例で得られたシュリンクラベルの印刷層を設けた側の表面に、幅18mmの粘着テープ(ニチバン(株)製、商品名「セロテープ(登録商標)」)を貼り付け、この粘着テープを90度方向に剥離した。
粘着テープを貼り付けた保護印刷層(比較例5の場合は背景印刷層)表面のうち、5mm(主収縮方向)×5mm(主収縮方向に対して直交方向)の領域において、保護印刷層(比較例5の場合は背景印刷層)の剥離面積(割合)を目視で観察し、下記の基準で判断した。
耐剥離性が良好(○) : 剥離なし(剥離面積が0%)
耐剥離性が使用可能なレベル(△) : 剥離面積が30%未満
耐剥離性が不良(×) : 剥離面積が30%以上
(2)耐スクラッチ性(スクラッチ試験)
実施例及び比較例で得られたシュリンクラベルから、100mm(主収縮方向)×100mm(主収縮方向に対して直交方向)の測定用サンプルを採取した。測定用サンプルを平滑なテーブルの上に置き、印刷層を設けた側の表面を、手の爪の甲の部分で、10往復(主収縮方向に対して直交方向20mmの区間)こする試験(通常試験)を行い、その後さらに、爪を立てて10往復(主収縮方向に対して直交方向20mmの区間)こする試験(強制試験)を行った後に表面を観察し、耐スクラッチ性を下記の基準で評価した。なお、本評価において、印刷層とは保護印刷層をいい、比較例5の場合は背景印刷層をいう。
耐スクラッチ性が良好(○) : 強制試験後の印刷層に剥離なし
耐スクラッチ性が使用可能なレベル(△) : 通常試験後の印刷層に剥がれはないが、強制試験後の印刷層に剥がれがある
耐スクラッチ性が不良(×) : 通常試験後の印刷層に剥がれがある
(3)耐もみ性(もみ試験)
実施例及び比較例で得られたシュリンクラベルから、100mm(主収縮方向)×100mm(主収縮方向に対して直交方向)の測定用サンプルを採取した。測定用サンプルの両端を両手でつかみ、10回手でもんだ。測定用サンプルの表面の印刷層を目視で観察し、耐もみ性を下記の基準で評価した。なお、本評価において、印刷層とは保護印刷層をいい、比較例5の場合は背景印刷層をいう。
耐もみ性が良好(○) : 剥離なし
耐もみ性が使用可能なレベル(△) : 皺に沿った剥がれがある
耐もみ性が不良(×) : 皺の周辺部にも剥がれがある
(4)化学成分に対する耐性(耐内容物試験)
実施例及び比較例で得られたシュリンクラベルの印刷層を設けた側の表面に、商品名「花王アタックneo」(花王(株)製)100μLを滴下し、40℃で24時間静置した。その後、上記シュリンクラベルの滴下した表面を水道水で洗い流した後のシュリンクラベルの状態を観察し、化学成分に対する耐性を下記の基準で判断した。なお、本評価において、印刷層とは保護印刷層をいい、比較例5の場合は背景印刷層をいう。
安定して化学成分に対する耐性が良好(○) : 滴下前後で変化なし
化学成分に対する耐性の安定性が使用可能なレベル(△) : 白化又は変色がある
安定した化学成分に対する耐性を有しない(×) : 印刷層の剥離がある
(5)化学成分に対する耐性(ラビング試験)
実施例及び比較例で得られたシュリンクラベルの印刷層を設けた側の表面を、酢酸エチルをしみこませた綿棒でこすった後、シュリンクラベル表面の状態を目視観察し、化学成分に対する耐性を下記の基準で評価した。
化学成分に対する耐性が良好(○) : 6回こすっても背景印刷層の剥がれがない
化学成分に対する耐性が使用可能なレベル(△) : 4〜6回こすって背景印刷層が剥がれ始める
化学成分に対する耐性が不良(×) : 1〜3回こすって背景印刷層が剥がれ始める
(6)保護印刷層のヘイズ値(未収縮)
実施例及び比較例で得られたシュリンクラベルの、背景印刷層を有しないものを作製し、150mm(主収縮方向)×100mm(主収縮方向に対して直交方向)の大きさのラベル片を切り出し、測定用サンプルを得た。
(株)東洋精機製作所製「ヘイズ−ガード II」を用いて、JIS K 7136に準拠して、上記測定用サンプルのヘイズ値を測定した。そして、保護印刷層のヘイズ値は、上記で測定した測定用サンプルのヘイズ値からシュリンクフィルムのヘイズ値を差し引くことで算出した。なお、上記ヘイズ値は、試験数(n数)は5(n=5)とし、平均値を評価結果とした。
(7)保護印刷層のヘイズ値(30%収縮)
実施例及び比較例で得られたシュリンクラベルの、背景印刷層を有しないものを作製し、150mm(主収縮方向)×100mm(主収縮方向に対して直交方向)の大きさのラベル片を切り出た。上記ラベル片を、該ラベル片の主収縮方向に100mm長さの部分を70mm間隔に固定できる治具に固定した(ラベル片の主収縮方向の両端からそれぞれ25mmの位置を固定し、その間の100mmの長さの部分を70mm間隔としている。熱収縮処理前はたるんだ状態である)。上記治具に固定したラベル片を、90℃の熱水に20秒間程度浸漬させて熱処理し、ラベル片を熱収縮処理前と比較して30%の長さになるように熱収縮させた(主収縮方向に30%熱収縮させた)。このようにして、主収縮方向に30%熱収縮させた測定用サンプルを得た。
(株)東洋精機製作所製「ヘイズ−ガード II」を用いて、JIS K 7136に準拠して、上記測定用サンプルのヘイズ値を測定した。そして、保護印刷層のヘイズ値は、上記で測定した測定用サンプルのヘイズ値から30%収縮後のシュリンクフィルムのヘイズ値を差し引くことで算出した。なお、上記ヘイズ値は、試験数(n数)は5(n=5)とし、平均値を評価結果とした。
評価結果からわかるとおり、本発明のシュリンクラベル(実施例)は、安定して化学成分に対する耐性に優れ、且つ、30%収縮後もヘイズ値の上昇は極めて小さく、収縮白化しにくかった。
一方、保護印刷層が、本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物層そのものであり、活性エネルギー線により硬化していない場合(比較例1、2)には、シュリンクラベルは安定した化学成分に対する耐性を有しなかった。また、保護印刷層が、本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物層を活性エネルギー線により硬化させて得られた印刷層でない場合(比較例3、4)には、シュリンクラベルが安定した化学成分に対する耐性を有さず、また、熱収縮前(未収縮)から30%収縮後の前後においてヘイズ値の上昇が大きく、収縮白化した。なお、本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物層を活性エネルギー線により硬化させて得られた印刷層を有しない場合(比較例5)には、シュリンクラベルは安定した化学成分に対する耐性を有しなかった。