JP5761057B2 - ブレーキ制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車輪に付与する制動力を制御するブレーキ制御装置に関し、特に、ホイールシリンダの目標液圧を嵩上げして車輪に付与する制動力を制御するブレーキ制御装置に関する。
従来から、運転者によるブレーキペダルの操作量であるペダルストロークや踏力に応じた液圧を液圧回路内に発生させ、その液圧を各車輪のホイールシリンダに供給することにより車輪に制動力を付与するブレーキ制御装置はよく知られている。このようなブレーキ制御装置における液圧回路には、作動液を汲み上げるモータ駆動の昇圧ポンプ及び昇圧ポンプによって昇圧された作動液の液圧を蓄圧するアキュムレータを含んで構成される液圧源が設けられており、各車輪のホイールシリンダと液圧源との間に設けられた増圧弁や減圧弁等の制御弁を開閉制御することによって各車輪のホイールシリンダの液圧を目標液圧となるように制御するようになっている。
そして、このようなブレーキ制御装置として、例えば、下記特許文献1に示されたブレーキ装置が知られている。この従来のブレーキ装置は、ブレーキペダルの踏力が所定踏力に達すると制動力が一気に立ち上がるジャンプイン制動力を発生させるようになっており、例えば、このジャンプイン制動力の大きさを、運転席のシートのシート位置が後方にあって運転者の下腿が水平に近づくためにブレーキペダルを踏み難いときに増加方向に補正することによって、制動初期の応答感(食い付き感)の不足を補って制動フィーリングを高めるようになっている。
又、例えば、下記特許文献2には、ホイールシリンダ圧の制御中にレギュレータを併用するレギュレータアシスト制御、又は制動力を嵩上げするブレーキアシスト制御を実行する制御部を備えたブレーキ制御装置が示されている。この従来のブレーキ制御装置においては、制御部が、レギュレータアシスト制御が実行されていないときは液圧センサの測定値に基づいてブレーキアシスト開始条件が成立したか否かを判定し、レギュレータアシスト制御の実行中はストロークセンサの測定値に基づいてブレーキアシスト開始条件が成立したか否かを判定するようになっている。
更に、例えば、下記特許文献3には、マスタシリンダと、ストロークシミュレータと、ストロークシミュレータにおける液圧を利用して目標減速度を算出する制御部とを備えたブレーキ制御装置が示されている。この従来のブレーキ制御装置においては、マスタシリンダにおける液圧を測定するマスタシリンダ圧センサを備えることができ、制御部は、マスタシリンダ圧センサの測定値に基づいて算出されるストロークシミュレータにおける液圧の推定値を利用して目標減速度を算出することができるようになっている。
特開2006−76376号公報 特開2010−234915号公報 特開2007−185999号公報
上記従来の各装置においては、ブレーキペダルの踏み込み操作(具体的には、運転者によって入力される踏力)に起因してマスタシリンダから出力される作動液の液圧(マスタシリンダ圧)に基づいて、例えば、ホイールシリンダの目標液圧を嵩上げする、言い換えれば、車輪に発生させる制動力を嵩上げするようになっている。ところで、運転者によるブレーキペダルの踏み込み操作に起因して発生する液圧(マスタシリンダ圧)を検出する液圧センサやマスタシリンダ圧センサ(言い換えれば、発生する圧力を運転者によってブレーキペダルに入力される踏力として検出する踏力センサ)においては、例えば、圧力を検出するときの作動液又は雰囲気の温度変化や長期使用に伴う経年変化に伴って、圧力を検出する基準点(0点)が変動(ドリフト)する場合がある。このように、液圧センサやマスタシリンダ圧センサ(踏力センサ)において0点のドリフトが発生すると、運転者によるブレーキペダルの踏み込み操作が同じであっても、ホイールシリンダの目標液圧の嵩上げ(すなわち、制動力の嵩上げ)を、例えば、運転者が意図する適切なタイミングによって実施する場合と実施しない場合とが発生する可能性がある。
本発明は、上記した問題に対処するためになされたものであり、その目的の一つは、運転者の意思を反映して制動力の嵩上げを確実に実施することができるブレーキ制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明によるブレーキ制御装置は、運転者によるブレーキペダルの踏み込み操作に応じた液圧を出力するマスタシリンダと、昇圧ポンプによって昇圧された液圧を蓄圧するアキュムレータを有する液圧源と、前記マスタシリンダ又は前記液圧源からの前記液圧を受けて車輪に制動力を与えるホイールシリンダと、前記マスタシリンダ又は前記液圧源と前記ホイールシリンダとの間に配置されて前記ホイールシリンダに伝達される前記液圧を調整する制御弁とを有するブレーキ装置に適用される。そして、本発明によるブレーキ制御装置は、ストローク検出手段と、圧力検出手段と、制御手段とを備えている。
前記ストローク検出手段は、運転者による前記ブレーキペダルのペダルストロークを検出する。
前記圧力検出手段は、運転者による前記ブレーキペダルの踏み込み操作に応じて前記マスタシリンダから出力される前記液圧を連続的に検出する。
前記制御手段は、前記ストローク検出手段によって検出された前記ペダルストローク及び前記圧力検出手段によって検出された前記マスタシリンダから出力される前記液圧に基づいて前記車輪に制動力を与えるために設定される前記ホイールシリンダの目標液圧を嵩上げして前記車輪の制動力を制御する。
本発明によるブレーキ制御装置の特徴の一つは、前記制御手段が、前記ストローク検出手段によって検出された前記ペダルストロークが予め設定された所定のペダルストローク以上になると、前記車輪の制動開始を判定し、前記液圧検出手段によって連続的に検出された前記マスタシリンダから出力される前記液圧のうち、少なくとも前記車輪の制動開始を判定した時点以降の時点から予め設定された時間だけ遡った時点で前記液圧検出手段によって検出された第1の液圧の大きさと、前記車輪の制動開始を判定した時点以降の時点で前記液圧検出手段によって検出された第2の液圧の大きさとを比較して、前記第2の液圧の大きさが前記第1の液圧の大きさよりも大きいときに前記ホイールシリンダの目標液圧を嵩上げすることにある。尚、この場合、前記制御手段が、前記ストローク検出手段によって検出された前記ペダルストロークが予め設定された所定のペダルストローク以上になると、前記車輪の制動開始を判定する制動開始判定手段と、前記液圧検出手段によって連続的に検出された前記マスタシリンダから出力される前記液圧のうち、少なくとも前記車輪の制動開始を判定した時点以降の時点から予め設定された時間だけ遡った時点で前記液圧検出手段によって検出された第1の液圧の大きさと、前記車輪の制動開始を判定した時点以降の時点で前記液圧検出手段によって検出された第2の液圧の大きさとを比較する液圧比較判定手段とを備えることも可能である。
この場合、前記制御手段は、例えば、前記第1の液圧の大きさを基準としたときの前記第2の液圧の大きさの変化量の大きさに基づいて、前記ホイールシリンダの目標液圧を嵩上げすることが可能であり、又、前記制御手段は、例えば、前記第2の液圧の大きさから前記第1の液圧の大きさを減じた差分値の大きさが予め設定された所定値の大きさよりも大きいときに、前記ホイールシリンダの目標液圧を嵩上げすることが可能である。ここで、前記制御手段は、前記ストローク検出手段によって検出された前記ペダルストロークが予め設定された所定のペダルストローク以上になると、前記車輪の制動開始を判定すると、例えば、前記液圧検出手段によって連続的に検出された前記マスタシリンダから出力される前記液圧のうち、少なくとも前記車輪の制動開始を判定した時点以降の時点から予め設定された時間だけ遡った時点で前記液圧検出手段によって検出された第1の液圧の大きさと、前記車輪の制動開始を判定した時点以降の時点で前記液圧検出手段によって検出された第2の液圧の大きさとを比較して、前記第2の液圧の大きさから前記第1の液圧の大きさを減じた差分値の大きさが予め設定された所定値の大きさよりも大きいときに、前記ストローク検出手段によって検出された前記ペダルストローク及び前記圧力検出手段によって検出された前記マスタシリンダから出力される前記液圧に基づいて前記車輪に制動力を与えるために設定される前記ホイールシリンダの目標液圧よりも大きくなる一定の目標液圧を設定し、この設定した目標液圧を所定時間だけ継続させて前記ホイールシリンダの目標液圧を嵩上げすることが可能である。
これらによれば、例えば、液圧検出手段がマスタシリンダから出力される液圧を検出するときの基準点(0点)が作動液又は雰囲気の温度変化や長期使用に伴う経年変化に伴って変動(ドリフト)した場合であっても、この変動(ドリフト)した基準点(0点)に従って所定の時間だけ遡った過去の時点で検出された第1の液圧と現在の時点で検出された第2の液圧とを比較することにより、運転者による制動力の嵩上げの意思を的確に判定することができる。従って、運転者によるブレーキペダルの踏み込み操作が同じであれば、液圧検出手段が検出に用いる基準点(0点)が変動(ドリフト)していても、ホイールシリンダの目標液圧の嵩上げ(すなわち、制動力の嵩上げ)を運転者が意図する適切なタイミングによって確実に実施することができる。これにより、運転者は、良好な応答感を知覚することができて、良好なブレーキフィーリングを得ることができる。
又、本発明によるブレーキ制御装置の他の特徴は、前記液圧検出手段によって検出された前記第1の液圧の大きさとして、前記予め設定された時間だけ遡った時点と、この遡った時点から更に所定時間だけ遡った時点との間に前記液圧検出手段によって連続的に検出された前記液圧の大きさをフィルタ処理したものとすることにもある。この場合、より具体的に、前記フィルタ処理を、例えば、前記予め設定された時間だけ遡った時点と、この遡った時点から更に所定時間だけ遡った時点との間に前記液圧検出手段によって連続的に検出された前記液圧の大きさを平均化するフィルタ処理とすることができる。
これらによれば、圧力検出手段によって検出された液圧に対してフィルタ処理(具体的には、平均化するフィルタ処理)を施すことができるため、例えば、検出された液圧を表す信号に対してノイズ等が重畳している場合であっても、これらノイズを適切に排除することができる。これにより、ホイールシリンダの目標液圧の嵩上げ(すなわち、制動力の嵩上げ)の判定をより精度よく実行することができ、その結果、運転者が意図する適切なタイミングによってホイールシリンダの目標液圧の嵩上げ(すなわち、制動力の嵩上げ)を確実に実施することができる。従って、運転者は、良好な応答感を知覚することができて、良好なブレーキフィーリングを得ることができる。
更に、本発明によるブレーキ制御装置の他の特徴は、運転者による前回のブレーキペダルに対する踏み込み操作が終了してから予め設定された所定時間が経過する前に、運転者によってブレーキペダルに対する新たな踏み込み操作がなされたとき、前記制御手段は、前記液圧検出手段によって連続的に検出された前記マスタシリンダから出力される前記液圧のうち、前回のブレーキペダルに対する踏み込み操作に起因して前記液圧検出手段によって検出された前記第1の液圧の大きさと、今回のブレーキペダルに対する踏み込み操作に起因して前記液圧検出手段によって検出された前記第2の液圧の大きさとを比較して、前記ホイールシリンダの目標液圧を嵩上げすることにもある。
これによれば、前回のブレーキペダルに対する踏み込み操作に起因してマスタシリンダから出力される液圧が増加していると、所定時間が経過するまでは、運転者によるブレーキペダルの踏み込み操作が解除された後であっても液圧が減少していない可能性がある。そして、この場合には、液圧検出手段によって検出される第1の液圧が無用に大きくなる場合があり、その結果、第1の液圧の大きさを基準とした第2の液圧の大きさの変化量の大きさ(差分値の大きさ)が適切に得られない可能性がある。このような場合であっても、前回のブレーキペダルに対する踏み込み操作に起因して液圧検出手段によって検出された第1の液圧の大きさと、今回のブレーキペダルに対する踏み込み操作に起因して液圧検出手段によって検出された第2の液圧の大きさとを比較することにより、第1の液圧の大きさに対する第2の液圧の大きさの変化量の大きさ(差分値の大きさ)を適切に判定することができる。これにより、ホイールシリンダの目標液圧の嵩上げ(すなわち、制動力の嵩上げ)の判定をより精度よく実行することができ、その結果、運転者が意図する適切なタイミングによってホイールシリンダの目標液圧の嵩上げ(すなわち、制動力の嵩上げ)を確実に実施することができる。従って、運転者は、良好な応答感を知覚することができて、良好なブレーキフィーリングを得ることができる。
本発明の実施形態におけるブレーキ制御装置の概略システム図である。 図1のブレーキECU及びその周辺の電気的構成を示す概略的なブロック図である。 0点ドリフトの発生に伴ってホイールシリンダにおける目標液圧の嵩上げが実施される場合と実施されない場合とを説明するための図である。 図1のブレーキECUによって実行されるプログラムを表すフローチャートである。 図4のプログラムを実行することにより、0点ドリフトが発生した場合であってもホイールシリンダにおける目標液圧の嵩上げが実施されることを説明するための図である。
以下、本発明の一実施形態に係る車両のブレーキ制御装置について図面を用いて説明する。図1は、本実施形態に係る車両のブレーキ制御装置の概略システム構成図である。
本実施形態のブレーキ制御装置10は、車両用の電子制御式ブレーキシステム(ECB)を構成しており、車両に設けられた4つの車輪に付与される制動力を制御する。ブレーキ制御装置10は、例えば、走行駆動源として電動モータと内燃機関とを備えるハイブリッド車両に搭載される。このようなハイブリッド車両においては、車両の運動エネルギーを電気エネルギーに回生することによって車両を制動する回生制動と、ブレーキ制御装置10による液圧制動とのそれぞれを車両の制動に用いることができる。本実施形態に係るブレーキ制御装置10が搭載される車両は、これらの回生制動と液圧制動とを併用して所望の制動力を発生させるブレーキ回生協調制御を実行することができる。
ブレーキペダル12は、運転者による踏み込み操作に応じて昇圧された作動液を送り出すマスタシリンダ14に接続されている。ブレーキペダル12には、その踏み込みストロークを検出するためのストローク検出手段としてのストロークセンサ46が設けられている。
マスタシリンダ14の第1出力ポート14aには、運転者によるブレーキペダル12の踏力に応じたペダルストロークを創出するストロークシミュレータ24が接続されている。マスタシリンダ14とストロークシミュレータ24とを接続する流路の中途には、シミュレータカット弁23が設けられている。シミュレータカット弁23は、通常時通電することにより開弁し、異常時等非通電時に閉弁する常閉型の電磁開閉弁である。又、マスタシリンダ14には、作動液を貯留するためのリザーバタンク26が接続されている。
又、マスタシリンダ14の第1出力ポート14aには、右前輪用のブレーキ液圧制御管16が接続されている。ブレーキ液圧制御管16は、図示しない車両の右前輪に対して制動力を付与する右前輪用のホイールシリンダ20FRに接続されている。一方、マスタシリンダ14の第2出力ポート14bには、左前輪用のブレーキ液圧制御管18が接続されている。ブレーキ液圧制御管18は、図示しない車両の左前輪に対して制動力を付与する左前輪用のホイールシリンダ20FLに接続されている。
右前輪用のブレーキ液圧制御管16の中途には、制御弁としての右電磁開閉弁22FRが設けられており、左前輪用のブレーキ液圧制御管18の中途には、制御弁としての左電磁開閉弁22FLが設けられている。これらの右電磁開閉弁22FR及び左電磁開閉弁22FLは、何れも、非通電時に開状態にあり、通電時に閉状態に切り替えられる常開型の電磁開閉弁である。尚、以下の説明においては、右電磁開閉弁22FRと左電磁開閉弁22FLとを総称して、単に、「電磁開閉弁22」とも称呼する。
又、右前輪用のブレーキ液圧制御管16の中途には、右前輪側のマスタシリンダ圧を検出する圧力検出手段としての右マスタ圧力センサ48FRが設けられており、左前輪用のブレーキ液圧制御管18の途中には、左前輪側のマスタシリンダ圧を計測する圧力検出手段としての左マスタ圧力センサ48FLが設けられている。ブレーキ制御装置10では、運転者によってブレーキペダル12が踏み込まれた際、ストロークセンサ46によりその踏み込み操作量であるペダルストロークが検出されるが、これらの右マスタ圧力センサ48FR及び左マスタ圧力センサ48FLによって検出されるマスタシリンダ圧からもブレーキペダル12の踏み込み操作力(踏力)を求めることができる。このように、ストロークセンサ46の故障を想定して、マスタシリンダ圧を2つの圧力センサ48FR及び48FLによって監視することは、フェールセーフの観点からみて好ましい。尚、以下の説明においては、右マスタ圧力センサ48FR及び左マスタ圧力センサ48FLを総称して、単に、「マスタシリンダ圧センサ48」とも称呼する。
一方、リザーバタンク26には、液圧給排管28の一端が接続されており、この液圧給排管28の他端には、モータ32により駆動される昇圧ポンプとしてのオイルポンプ34の吸込口が接続されている。オイルポンプ34の吐出口は、高圧管30に接続されており、この高圧管30には、液圧源の蓄圧部としてのアキュムレータ50とリリーフバルブ54とが接続されている。尚、オイルポンプ34としては、例えば、モータ32によってそれぞれ往復移動させられる図示省略の2体以上のピストンを備えた往復動ポンプ等を採用することができる。又、アキュムレータ50としては、例えば、作動液の圧力エネルギーを窒素等の封入ガスの圧力エネルギーに変換して蓄えるものが採用される。
アキュムレータ50は、通常、オイルポンプ34によって所定液圧範囲にまで昇圧された作動液を蓄える。又、リリーフバルブ54の弁出口は、液圧給排管28に接続されており、アキュムレータ50における作動液の圧力が異常に高まると、リリーフバルブ54が開弁し、高圧の作動液は液圧給排管28へと戻される。更に、高圧管30には、アキュムレータ50の出口圧力、すなわち、アキュムレータ50における作動液の圧力を検出するアキュムレータ圧センサ52が設けられている。
そして、高圧管30は、制御弁としての増圧弁40FR,40FL,40RR,40RLを介して右前輪用のホイールシリンダ20FR、左前輪用のホイールシリンダ20FL、右後輪用のホイールシリンダ20RR、左後輪用のホイールシリンダ20RLに接続されている。尚、以下の説明においては、これらホイールシリンダ20FR〜20RLを総称して、単に、「ホイールシリンダ20」とも称呼し、増圧弁40FR〜40RLを総称して、単に、「増圧弁40」とも称呼する。増圧弁40は、何れも、非通電時は閉じた状態にあり、必要に応じてホイールシリンダ20の増圧に利用される常閉型の電磁弁(リニア弁)である。ここで、図示を省略する車両の各車輪に対しては、ディスクブレーキユニットが設けられており、各ディスクブレーキユニットは、ホイールシリンダ20の作用によってブレーキパッドをディスクに押し付けることで制動力を発生する。
又、図1に示すように、右前輪用のホイールシリンダ20FRと左前輪用のホイールシリンダ20FLとは、それぞれ制御弁としての減圧弁42FR又は減圧弁42FLを介して液圧給排管28に接続されている。減圧弁42FR及び減圧弁42FLは、必要に応じてホイールシリンダ20FR,20FLの減圧に利用される常閉型の電磁弁(リニア弁)である。一方、右後輪用のホイールシリンダ20RRと左後輪用のホイールシリンダ20RLとは、常開型の電磁弁(リニア弁)である減圧弁42RR又は減圧弁42RLを介して液圧給排管28に接続されている。尚、以下の説明においては、減圧弁42FR〜42RLを総称して、単に、「減圧弁42」とも称呼する。
右前輪用、左前輪用、右後輪用及び左後輪用のホイールシリンダ20FR〜20RL付近には、それぞれ対応するホイールシリンダ20に作用する作動液の圧力であるホイールシリンダ圧を検出するホイールシリンダ圧センサ44FR,44FL,44RR及び44RLが設けられている。尚、以下の説明においては、ホイールシリンダ圧センサ44FR〜44RLを総称して、単に、「ホイールシリンダ圧センサ44」とも称呼する。
上述した電磁開閉弁22、増圧弁40、減圧弁42、モータ32等は、図1に示すように、ブレーキ制御装置10の液圧アクチュエータ80を構成する。そして、この液圧アクチュエータ80は、ブレーキ電子制御ユニット100(以下、「ブレーキECU100」と称呼する。)によって制御される。
ブレーキECU100は、ホイールシリンダ20におけるホイールシリンダ圧を制御する(より具体的には、後述するように嵩上げする)ことにより車輪の制動力を制御する制御手段として機能する。ブレーキECU100は、各種演算処理を実行するCPU、後述するプログラムを含む各種制御プログラムを格納するROM、データ格納やプログラム実行のためのワークエリアとして利用されるRAM、エンジン停止時にも記憶内容を保持できるバックアップRAM等の不揮発性メモリ、入出力インターフェース、各種センサ等から入力されたアナログ信号をデジタル信号に変換して取り込むためのA/Dコンバータ等を備える。
ブレーキECU100には、図1に示すように、シミュレータカット弁23及び液圧アクチュエータ80が電気的に接続されている。更に詳しく、ブレーキECU100には、図2に示すように、液圧アクチュエータ80を構成する電磁開閉弁22、モータ32、増圧弁40、減圧弁42等が電気的に接続されている。又、ブレーキECU100は、図示を省略する他の電子制御ユニット(例えば、上位のハイブリッドECU等)と通信可能とされている。
更に、ブレーキECU100には、制御に用いるための信号を出力する各種センサやスイッチ類が電気的に接続されるようになっている。すなわち、ブレーキECU100には、図2に示すように、電気的に接続されたホイールシリンダ圧センサ44から、ホイールシリンダ20におけるホイールシリンダ圧Pwcを表す信号が入力される。又、ブレーキECU100には、図2に示すように、電気的に接続されたストロークセンサ46から、ブレーキペダル12のペダルストロークStrkを表す信号が入力される。又、ブレーキECU100には、図2に示すように、電気的に接続されたマスタシリンダ圧センサ48から、マスタシリンダ圧Pmcを表す信号が連続的に入力される。又、ブレーキECU100には、図2に示すように、電気的に接続されたアキュムレータ圧センサ52から、アキュムレータ圧Paccを表す信号が入力される。
尚、図示はしないが、ブレーキECU100には、上述した各センサ以外に、各車輪ごとに設置された車輪速センサから各車輪の車輪速度を表す信号が入力されたり、ヨーレートセンサからヨーレートを表す信号が入力されたり、加速度センサから車両の加速度を表す信号が入力されたり、或いは、舵角センサからステアリングホイールの操舵角を表す信号が入力されたりしている。
このように構成されるブレーキ制御装置10においては、上述したようにブレーキ回生協調制御を実行することができる。具体的に、ブレーキ制御装置10は、制動要求を受けて制動を開始する。制動要求は、例えば、運転者がブレーキペダル12を操作した場合等、車両に制動力を付与すべきときに生成される。制動要求を受けて、ブレーキECU100は要求制動力を演算し、要求制動力から回生による制動力を減じることによりブレーキ制御装置10により発生させるべき制動力である要求液圧制動力を算出する。ここで、回生による制動力の情報は、図示を省略する上位のハイブリッドECUからブレーキECU100に供給される。ブレーキECU100は、算出した要求液圧制動力に基づいて各ホイールシリンダ20の目標液圧である目標ホイールシリンダ圧Pwcmを算出する。ブレーキECU100は、ホイールシリンダ圧センサ44から入力されるホイールシリンダ圧Pwcが目標ホイールシリンダ圧Pwcmとなるように、フィードバック制御により増圧弁40や減圧弁42に供給する制御電流の値を決定する。
これにより、ブレーキ制御装置10においては、高圧の作動液がアキュムレータ50から各増圧弁40を介して各ホイールシリンダ20に供給され、車輪に制動力が付与される。又、各ホイールシリンダ20から作動液が減圧弁42を介して必要に応じて排出され、車輪に付与される制動力が調整される。ここで、本実施形態においては、アキュムレータ50、増圧弁40、減圧弁42等を含んで、ブレーキペダル12の操作から独立してホイールシリンダ20のホイールシリンダ圧Pwcを制御し得るホイールシリンダ圧制御系統が構成されている。従って、ホイールシリンダ圧制御系統により、所謂、ブレーキバイワイヤ方式の制動力制御が行われる。
一方、このときには電磁開閉弁22FR及び22FLは閉状態とされ、シミュレータカット弁23は開状態とされる。このため、運転者によるブレーキペダル12の踏み込みによりマスタシリンダ14から送出された作動液は、シミュレータカット弁23を通ってストロークシミュレータ24に流入する。
又、アキュムレータ圧Paccが予め設定された蓄圧設定範囲の下限値以下であるときには、ブレーキECU100によりモータ32に電流が供給され、オイルポンプ34が駆動されてアキュムレータ圧Paccが昇圧される。この昇圧によってアキュムレータ圧Paccがその蓄圧設定範囲に入りその上限値に達すると、モータ32への給電が停止される。
次に、本実施形態のブレーキ制御方法の主要部について説明する。上述したように、従来から、運転者によるブレーキペダルの操作状態に応じて、各ホイールシリンダにおけるホイールシリンダ圧を嵩上げして制動力を一気に立ち上げさせ、制動初期の応答感(食いつき感)の不足を補って制動フィーリングを高めることが積極的に実施されている。この場合、一般的なブレーキバイワイヤ方式の制動力制御が可能なブレーキ制御装置においては、具体的に、運転者によるブレーキペダルの操作状態として、ペダルストロークが所定のペダルストローク(閾値)を超えており、マスタシリンダ圧が所定のマスタシリンダ圧(閾値)を超えている、或いは、マスタシリンダ圧の時間変化勾配(時間レート)が所定の変化勾配よりも大きい操作状態であるときに、ブレーキペダルのペダルストローク及びマスタシリンダ圧に基づいて決定されたホイールシリンダ圧を所定時間、所定圧力だけ嵩上げし、制動力を一気に立ち上げるようにする。尚、以下の説明においては、このようなホイールシリンダ圧の嵩上げを「嵩上げ作動」とも称呼する。
ところで、このように、少なくとも、マスタシリンダ圧の変化に基づいて嵩上げ作動を実施するか否かを判断する場合、例えば、マスタシリンダ圧センサが温度変化や経年変化等の影響を受けると、マスタシリンダ圧を検出するときの基準点である0点が変動(ドリフト)する可能性がある。そして、このような0点のドリフト(以下、この0点のドリフトを「0点ドリフト」と称呼する。)が発生すると、運転者が同様にブレーキペダルを踏み込み操作しても、嵩上げ作動が実施されたり実施されなかったりする。このことを、具体的に、図3を用いて説明する。尚、以下の説明においては、理解を容易とするために、上述したブレーキ制御装置10のブレーキECU100に接続される各センサ44,46,48,52と同様のセンサを備えるブレーキ制御装置を想定して説明する。
従来のブレーキ制御装置においては、ブレーキECUが、図3に示すように、ストロークセンサによって検出される運転者によるブレーキペダルのペダルストロークStrkが、車輪に対して制動力付与を開始するか否かを判定するために予め設定されている所定のペダルストロークを表す制動判定ON閾値以上となった時に車輪の制動開始を表す制動判定フラグをONとする。尚、以下の説明においては、制動判定フラグがONとなった状態を「制動判定ON」と称呼する。そして、ブレーキECUは、嵩上げ作動を実施するか否かの判定時(以下、「嵩上げ実施判定時」と称呼する。)にマスタシリンダ圧センサによって検出されるマスタシリンダ圧Pmc(以下、この嵩上げ実施判定時のマスタシリンダ圧Pmcを「実マスタシリンダ圧Pmcj」と称呼する。)が、目標ホイールシリンダ圧Pwcmの嵩上げを実施するか否かを判定するために設定されている嵩上げ実施閾値を超えていれば、目標ホイールシリンダ圧Pwcmを嵩上げする。
ところが、図3に示すように、マスタシリンダ圧センサが温度変化や経年劣化等の影響を受けていると、0点ドリフトが発生する可能性がある。この場合、0点ドリフトの発生方向として、マスタシリンダ圧センサによって検出されるマスタシリンダ圧が実際値よりも常に大きくなるすなわち0点がプラス方向にドリフトすると、図3に示すように、制動判定ONと判定した時点(すなわち、嵩上げ実施判定時)では既にマスタシリンダ圧が嵩上げ実施閾値を超えているため、ブレーキECUは嵩上げ作動を実施する。しかし、0点ドリフトの発生方向として、マスタシリンダ圧センサによって検出されるマスタシリンダ圧が実際値よりも常に小さくなるすなわち0点がマイナス方向にドリフトすると、制動判定ONと判定した時点(すなわち、嵩上げ実施判定時)では未だマスタシリンダ圧が嵩上げ実施閾値を超えていないため、ブレーキECUは嵩上げ作動を実施しない(嵩上げ非作動)。すなわち、運転者が同様にブレーキペダルを操作しても(具体的には、同じペダルストロークStrkを生じさせても)、マスタシリンダ圧センサに発生した0点ドリフト次第で嵩上げ作動が実施されたり、実施されなかったりする。
そこで、本実施形態においては、ブレーキ制御装置10のブレーキECU100は、ストロークセンサ46によって検出されたペダルストロークStrkが予め設定された所定のペダルストロークである制動判定ON閾値以上となって制動判定ONとなっている状態であれば、嵩上げ実施判定時に、この判定時点から所定時間だけ遡った時点までにマスタシリンダ圧センサ48によって検出されたマスタシリンダ圧Pmcをフィルタ処理して演算した第1の液圧であるフィルタリング値Pmcjf(絶対値)と第2の液圧である実マスタシリンダ圧Pmcj(絶対値)との差分値(Pmcj−Pmcjf)を用いて嵩上げ作動を実施するか否かを決定するようにしている。具体的には、ブレーキECU100は、制動判定ONとなると、図4に示すプログラムを実行し、上述した差分値(Pmcj−Pmcjf)が予め設定された所定値Pmc0よりも大きいときに嵩上げ作動を実施し、上述した差分値(Pmcj−Pmcjf)が所定値Pmc0以下であるときに嵩上げ作動を実施しない。以下、このブレーキECU100が実行するプログラムを詳細に説明する。
ブレーキECU100(より詳しくは、CPU)は、図4に示すように、ステップS10にてプログラムの実行を開始し、続くステップS11にて、少なくとも制動判定ONとなった以降の時点、より詳しくは、嵩上げ実施判定時点から予め設定された時間Tαだけ前(遡った)時点から更に所定時間Aだけ遡った時点までの間にマスタシリンダ圧センサ48によって検出された複数のマスタシリンダ圧Pmcを、自身のRAM或いは不揮発性メモリの所定記憶位置に形成されたバッファーに保存する。そして、ブレーキECU100は、ステップS12に進む。
ステップS12においては、ブレーキECU100は、前記ステップS11にてバッファーに保存した複数のマスタシリンダ圧Pmcについて、所定のフィルタ処理(例えば、平均化フィルタ処理等)を施し、嵩上げ実施判定時点から時間Tαだけ前(遡った)時点における複数のマスタシリンダ圧Pmcのフィルタリング値Pmcjfを演算する。このように、バッファーに保存した複数のマスタシリンダ圧をPmcの平均値を表すフィルタリング値Pmcjfを演算すると、ブレーキECU100はステップS13に進む。ここで、このように、バッファーに保存した複数のマスタシリンダ圧Pmcに対して平均化フィルタ処理を施すことにより、例えば、検出されたマスタシリンダ圧Pmcを表す信号に対してノイズ等が重畳している場合であっても、これらノイズを適切に排除することができる。従って、より精度よくかつ正確なフィルタリング値Pmcjfを演算することができる。
ステップS13においては、ブレーキECU100は、前回、運転者によるブレーキペダル12の踏み込み操作に応じて制動力制御を実行し、その後、運転者によるブレーキペダル12の踏み込み操作が解除された、すなわち、前回の制動力制御が終了(前回制動OFF)してから予め設定された所定時間B以上が経過しているか否かを判定する。すなわち、ブレーキECU100は、前回制動OFFの時点から所定時間B以上が経過していなければ、「No」と判定してステップS14に進む。一方、ブレーキECU100は、前回制動OFFの時点から所定時間B以上が経過していれば、「Yes」と判定してステップS15に進む。
ステップS14においては、ブレーキECU100は、前回制動OFFの時点から所定時間B以上が経過していないため、後述するステップS16の判定処理にて採用するフィルタリング値Pmcjfとして、前回の制動力制御に伴うプログラム実行時に演算した値を採用する。すなわち、ブレーキECU100は、前回制動OFFの時点から所定時間B以上が経過していないときには、今回のプログラムの実行において、前記ステップS12にてフィルタリング値Pmcjfを演算したにも関わらず前回の制動力制御に伴うプログラム実行時に演算したフィルタリング値Pmcjfを更新することなく採用する。これは、前記ステップS11にて説明したように、ブレーキECU100は、時間Tα前の時点までのマスタシリンダ圧Pmcをバッファーに保存しており、この保存しているマスタシリンダ圧Pmcを用いてフィルタリング値Pmcjfを演算する。
すなわち、前回の制動力制御に伴ってマスタシリンダ圧Pmcが増加していると、運転者によるブレーキペダル12の踏み込み操作が解除された後に速やかにマスタシリンダ圧Pmcが大気圧まで減少していない可能性があるため、バッファーに保存されるマスタシリンダ圧Pmcが高い圧力として保存される場合がある。従って、前記ステップS12にて演算されるフィルタリング値Pmcjfも大きな値として演算される場合があり、その結果、後述するステップS16にて用いる差分値(Pmcj−Pmcjf)が小さくなって適切に嵩上げ作動の実施判定がされ難い状況が生じる可能性がある。このため、ブレーキECU100は、前回制動OFFの時点から所定時間B以上が経過していないときには、制動力制御に伴って増加したマスタシリンダ圧Pmcの影響を排除するために、前回の制動力制御に伴うプログラム実行時に演算したフィルタリング値Pmcjfを採用する。このように、今回のプログラム実行により演算したフィルタリング値Pmcjfに更新することなく、前回の制動力制御に伴うプログラム実行時に演算したフィルタリング値Pmcjfを採用すると、ブレーキECU100はステップS16に進む。
一方、ステップS15においては、ブレーキECU100は、運転者によってブレーキペダル12が踏み込み操作されて制動判定ONとした時点から経過した時間が所定時間C以内であるか否かを判定する。すなわち、ブレーキECU100は、制動判定ONとした時点から経過した時間が所定時間C以内であれば、「Yes」と判定してステップS16に進む。一方、制動判定ONとした時点から経過した時間が所定時間C以内でなければ、ブレーキECU100は「No」と判定してステップS18に進む。この場合には、何らかの事情によって制動判定ONとした時点から既に所定時間Cよりも長い時間が経過しており、ホイールシリンダ圧Pwc(目標ホイールシリンダ圧Pwcm)を嵩上げする(増加させる)ことが不適切である可能性がある。このために、ステップS18にて嵩上げ非作動として嵩上げ作動を実施しない。
ステップS16においては、ブレーキECU100は、マスタシリンダ圧センサ48から入力した実マスタシリンダ圧Pmcjの大きさと前記ステップS12にて演算したフィルタリング値Pmcjfの大きさ、又は、前記ステップS14にて更新することなく前回の値に維持したフィルタリング値Pmcjfの大きさとを比較し、実マスタシリンダ圧Pmcjの大きさからフィルタリング値Pmcjfの大きさを減じた差分値(Pmcj−Pmcjf)の大きさが所定値Pmc0の大きさよりも大きいか否かを判定する。すなわち、ブレーキECU100は、差分値(Pmcj−Pmcjf)の大きさが所定値Pmc0の大きさよりも大きければ、「Yes」と判定してステップS17に進む。一方、差分値(Pmcj−Pmcjf)の大きさが所定値Pmc0の大きさ以下であれば、ブレーキECU100は「No」と判定してステップS18に進む。
ステップS17においては、ブレーキECU100は、ストロークセンサ46から入力したペダルストロークStrkの大きさと、マスタシリンダ圧センサ48から入力したマスタシリンダ圧Pmcの大きさとを用いて、予め設定された所定の関係に基づいて決定される各ホイールシリンダ20の目標ホイールシリンダ圧Pwcmの大きさに対し、所定の圧力分だけ加えて(嵩上げして)、最終的な目標ホイールシリンダ圧Pwcmを算出する。そして、ブレーキECU100は、ホイールシリンダ圧センサ44から入力されるホイールシリンダ圧Pwcが上述した最終的な目標ホイールシリンダ圧Pwcmとなるように、フィードバック制御により増圧弁40や減圧弁42に供給する制御電流の値を決定する。これにより、ブレーキ制御装置10においては、例えば、制動初期におけるホイールシリンダ圧Pwcを適切に嵩上げすることができ、その結果、運転者は、良好な応答感を知覚することができて、良好なブレーキフィーリングを得ることができる。
ステップS18においては、ブレーキECU100は、ストロークセンサ46から入力したペダルストロークStrkの大きさと、マスタシリンダ圧センサ48から入力したマスタシリンダ圧Pmcの大きさとを用いて、予め設定された所定の関係に基づいて各ホイールシリンダ20の目標ホイールシリンダ圧Pwcmを算出する。そして、ブレーキECU100は、ホイールシリンダ圧センサ44から入力されるホイールシリンダ圧Pwcが目標ホイールシリンダ圧Pwcmとなるように、フィードバック制御により増圧弁40や減圧弁42に供給する制御電流の値を決定する。すなわち、このステップS18においては、ブレーキECU100は、目標ホイールシリンダ圧Pwcmの大きさに対し、嵩上げしない(嵩上げ非作動)。
このように、ブレーキECU100は、前記ステップS17又は前記ステップS18のステップ処理を実行すると、ステップS19に進み、本プログラムの実行を一旦終了する。そして、所定の短い時間の経過後、ブレーキECU100は、再び、ステップS10にて本プログラムの実行を開始し、ステップS11以降の各ステップ処理を実行する。
このように、ブレーキECU100が嵩上げ作動を実施するか否かを精度よく確実に判定することにより、ホイールシリンダ圧Pwc(すなわち、目標ホイールシリンダ圧Pwcm)を必要に応じて適切に嵩上げすることができて、車輪に適切な制動力を発生させることができる。このことを、図5を用いて具体的に説明する。
本実施形態におけるブレーキ制御装置10においても、ブレーキECU100が、図5に示すように、ストロークセンサ46によって検出される運転者によるブレーキペダル12のペダルストロークStrkが予め設定されている制動判定ON閾値(ペダルストローク)を超えたときに、この制動開始判定に従って制動判定フラグをONとする。そして、本実施形態におけるブレーキECU100は、嵩上げ実施判定時点よりも時間Tα秒だけ遡った時点から更に所定時間Aだけ遡った時点との間にマスタシリンダ圧センサ48によって検出された複数のマスタシリンダ圧Pmc、すなわち、バッファーに保存されている複数のマスタシリンダ圧Pmcを取得する。尚、図5においては、制動判定ONとするとほぼ同時に嵩上げ実施判定が実行される。
このように、取得した複数のマスタシリンダ圧Pmcについて、ブレーキECU100は、平均化フィルタ処理を実行し、複数のマスタシリンダ圧Pmcの平均値を表すフィルタリング値Pmcjfを算出する。ここで、ブレーキECU100は、図5にて一点鎖線により示す+側に0点ドリフトしたマスタシリンダ圧Pmc及び図5にてに点鎖線により示す−側に0点ドリフトしたマスタシリンダ圧Pmcについて、全く同様に平均化フィルタ処理を実行しフィルタリング値Pmcjfを算出する。
そして、ブレーキECU100は、マスタシリンダ圧検出センサ48によって検出された実マスタシリンダ圧Pmcjの大きさと平均化フィルタ処理によって算出したフィルタリング値Pmcjfの大きさとの差分値(Pmcj−Pmcjf)(すなわち、第1の液圧であるフィルタリング値Pmcjfを基準としたときの第2の液圧である実マスタシリンダ圧Pmcjの変化量)が予め設定された所定値Pmc0よりも大きいとき、図5に示すように、ホイールシリンダ20の目標液圧である目標ホイールシリンダ圧Pwcmの嵩上げ、言い換えれば、車輪に付与する制動力の嵩上げを実施する。これにより、ブレーキECU100は、増圧弁40を開弁してホイールシリンダ20とアキュムレータ50とを連通状態とし、ホイールシリンダ圧センサ44から入力されるホイールシリンダ圧Pwcに基づき、目標ホイールシリンダ圧Pwcmに対して予め設定された嵩上げ量(嵩上げ液圧)が加算された液圧となるまで、ホイールシリンダ20を加圧する。これに伴って、対応する車輪の制動力も嵩上げされる。従って、本実施形態においては、マスタシリンダ圧Pmcの検出における0点が+側にドリフトした場合であっても、−側にドリフトした場合であっても、ブレーキペダル12を介して示される運転者の意図に応じて、或いは、運転者が意図するタイミングにより、ホイールシリンダ20の目標液圧Pwcmの嵩上げ、言い換えれば、車輪に付与する制動力の嵩上げを実施することができる。
以上の説明からも理解できるように、上記実施形態によれば、マスタシリンダ圧センサ48がマスタシリンダ圧Pmcを検出するときの0点が温度変化や経年変化に伴ってドリフトした場合であっても、このドリフトした0点に従って過去に検出された第1の液圧としてのフィルタリング値Pmcjfと現在検出された第2の液圧としての実マスタシリンダ圧Pmcjとを比較することにより、運転者による制動力の嵩上げの意思を的確に判定することができる。従って、運転者によるブレーキペダル12の踏み込み操作が同じであれば、0点ドリフトが生じていても、ホイールシリンダ20の目標液圧である目標ホイールシリンダ圧Pwcmの嵩上げ(すなわち、制動力の嵩上げ)を運転者が意図する適切なタイミングによって確実に実施することができる。これにより、運転者は、良好な応答感を知覚することができて、良好なブレーキフィーリングを得ることができる。
本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。
例えば、上記実施形態においては、ブレーキECU100がフィルタリング値Pmcjfとして、複数のマスタりシリンダ圧Pmcに対して平均化フィルタ処理を施した平均値を用いるように実施した。この場合、このような複数のマスタシリンダ圧Pmcにフィルタ処理を施すことに代えて、嵩上げ実施判定時点から時間Tαだけ遡った時点でマスタシリンダ圧センサ48によって検出されたマスタシリンダ圧Pmcをフィルタリング値として用いるように実施することも可能である。この場合には、ノイズ等の影響を排除することができないが、より簡便にかつより高速に嵩上げ実施判定を行うことができる。
更に、上記実施形態においては、ブレーキECU100が、制動判定ONとした時点の直後に嵩上げ実施判定を行うようにした。この場合、ブレーキECU100は、制動判定ONとした時点から、上述した所定時間Cが経過するまでの間に嵩上げ実施判定を行うように、時間差を設けて判定するように実施可能であることは言うまでもない。この場合であっても、上述した所定時間Cが経過する前であれば、運転者の意思を反映して嵩上げ作動を行うことができる。
10…ブレーキ制御装置、12…ブレーキペダル、14…マスタシリンダ、20…ホイールシリンダ、22…電磁開閉弁(制御弁)、32…モータ、34…オイルポンプ(昇圧ポンプ)、40…増圧弁(制御弁)42…減圧弁(制御弁)、44…ホイールシリンダ圧センサ、46…ストロークセンサ(ストローク検出手段)、48…マスタシリンダ圧センサ(圧力検出手段)、50…アキュムレータ、80…液圧アクチュエータ、100…ブレーキECU(制御手段)

Claims (7)

  1. 運転者によるブレーキペダルの踏み込み操作に応じた液圧を出力するマスタシリンダと、昇圧ポンプによって昇圧された液圧を蓄圧するアキュムレータを有する液圧源と、前記マスタシリンダ又は前記液圧源からの前記液圧を受けて車輪に制動力を与えるホイールシリンダと、前記マスタシリンダ又は前記液圧源と前記ホイールシリンダとの間に配置されて前記ホイールシリンダに伝達される前記液圧を調整する制御弁とを有するブレーキ装置に適用されて、運転者による前記ブレーキペダルのペダルストロークを検出するストローク検出手段と、運転者による前記ブレーキペダルの踏み込み操作に応じて前記マスタシリンダから出力される前記液圧を連続的に検出する圧力検出手段と、前記ストローク検出手段によって検出された前記ペダルストローク及び前記圧力検出手段によって検出された前記マスタシリンダから出力される前記液圧に基づいて前記車輪に制動力を与えるために設定される前記ホイールシリンダの目標液圧を嵩上げして前記車輪の制動力を制御する制御手段とを備えたブレーキ制御装置であって、
    前記制御手段は、
    前記ストローク検出手段によって検出された前記ペダルストロークが予め設定された所定のペダルストローク以上になると、前記車輪の制動開始を判定し、
    前記液圧検出手段によって連続的に検出された前記マスタシリンダから出力される前記液圧のうち、少なくとも前記車輪の制動開始を判定した時点以降の時点から予め設定された時間だけ遡った時点で前記液圧検出手段によって検出された第1の液圧の大きさと、前記車輪の制動開始を判定した時点以降の時点で前記液圧検出手段によって検出された第2の液圧の大きさとを比較して、前記第2の液圧の大きさが前記第1の液圧の大きさよりも大きいときに前記ホイールシリンダの目標液圧を嵩上げすることを特徴とするブレーキ制御装置。
  2. 請求項1に記載したブレーキ制御装置において、
    前記制御手段は、
    前記第1の液圧の大きさを基準としたときの前記第2の液圧の大きさの変化量の大きさに基づいて、前記ホイールシリンダの目標液圧を嵩上げすることを特徴とするブレーキ制御装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載したブレーキ制御装置において、
    前記制御手段は、
    前記第2の液圧の大きさから前記第1の液圧の大きさを減じた差分値の大きさが予め設定された所定値の大きさよりも大きいときに、前記ホイールシリンダの目標液圧を嵩上げすることを特徴とするブレーキ制御装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のうちのいずれか一つに記載したブレーキ制御装置において、
    前記液圧検出手段によって検出された前記第1の液圧の大きさは、
    前記予め設定された時間だけ遡った時点と、この遡った時点から更に所定時間だけ遡った時点との間に前記液圧検出手段によって連続的に検出された前記液圧の大きさをフィルタ処理したものであることを特徴とするブレーキ制御装置。
  5. 請求項4に記載したブレーキ制御装置において、
    前記フィルタ処理は、
    前記予め設定された時間だけ遡った時点と、この遡った時点から更に所定時間だけ遡った時点との間に前記液圧検出手段によって連続的に検出された前記液圧の大きさを平均化するフィルタ処理あることを特徴とするブレーキ制御装置。
  6. 請求項1ないし請求項5のうちのいずれか一つに記載したブレーキ制御装置において、
    前記制御手段は、
    運転者による前回のブレーキペダルに対する踏み込み操作が終了してから予め設定された所定時間が経過する前に、運転者によってブレーキペダルに対する新たな踏み込み操作がなされたとき、
    前記液圧検出手段によって連続的に検出された前記マスタシリンダから出力される前記液圧のうち、前回のブレーキペダルに対する踏み込み操作に起因して前記液圧検出手段によって検出された前記第1の液圧の大きさと、今回のブレーキペダルに対する踏み込み操作に起因して前記液圧検出手段によって検出された前記第2の液圧の大きさとを比較して、前記ホイールシリンダの目標液圧を嵩上げすることを特徴とするブレーキ制御装置。
  7. 運転者によるブレーキペダルの踏み込み操作に応じた液圧を出力するマスタシリンダと、昇圧ポンプによって昇圧された液圧を蓄圧するアキュムレータを有する液圧源と、前記マスタシリンダ又は前記液圧源からの前記液圧を受けて車輪に制動力を与えるホイールシリンダと、前記マスタシリンダ又は前記液圧源と前記ホイールシリンダとの間に配置されて前記ホイールシリンダに伝達される前記液圧を調整する制御弁とを有するブレーキ装置に適用されて、運転者による前記ブレーキペダルのペダルストロークを検出するストローク検出手段と、運転者による前記ブレーキペダルの踏み込み操作に応じて前記マスタシリンダから出力される前記液圧を連続的に検出する圧力検出手段と、前記ストローク検出手段によって検出された前記ペダルストローク及び前記圧力検出手段によって検出された前記マスタシリンダから出力される前記液圧に基づいて前記車輪に制動力を与えるために設定される前記ホイールシリンダの目標液圧を嵩上げして前記車輪の制動力を制御する制御手段とを備えたブレーキ制御装置であって、
    前記制御手段は、
    前記ストローク検出手段によって検出された前記ペダルストロークが予め設定された所定のペダルストローク以上になると、前記車輪の制動開始を判定し、
    前記液圧検出手段によって連続的に検出された前記マスタシリンダから出力される前記液圧のうち、少なくとも前記車輪の制動開始を判定した時点以降の時点から予め設定された時間だけ遡った時点で前記液圧検出手段によって検出された第1の液圧の大きさと、前記車輪の制動開始を判定した時点以降の時点で前記液圧検出手段によって検出された第2の液圧の大きさとを比較して、前記第2の液圧の大きさから前記第1の液圧の大きさを減じた差分値の大きさが予め設定された所定値の大きさよりも大きいときに、前記ストローク検出手段によって検出された前記ペダルストローク及び前記圧力検出手段によって検出された前記マスタシリンダから出力される前記液圧に基づいて前記車輪に制動力を与えるために設定される前記ホイールシリンダの目標液圧よりも大きくなる一定の目標液圧を設定し、この設定した目標液圧を所定時間だけ継続させて前記ホイールシリンダの目標液圧を嵩上げすることを特徴とするブレーキ制御装置。
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