JP5741145B2 - 着色組成物、カラーフィルタ、液晶表示装置及び有機el表示装置 - Google Patents
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Description
例えば、カラー液晶表示装置には、一例として、ブラックマトリックス、複数の色(通常、赤(R)、緑(G)、青(B)の3原色)からなる着色層、透明電極および配向層を備えたカラーフィルタ基板と、薄膜トランジスタ(TFT素子)、画素電極および配向層を備えた対向電極基板と、これら両基板を所定の間隙をもたせて対向させ、シール部材で密封して、上記間隙に液晶材料を注入して形成された液晶層とから概略構成された透過型の液晶表示装置がある。また、上記のカラーフィルタの基板と着色層との間に反射層を設けた反射型の液晶表示装置もある。
また、(2)の白色有機ELとカラーフィルタとの組み合わせ方式および(3)のCCM方式では、同じ色に発光する有機EL素子を一種類使用すればよいので、上記(1)の方式の有機EL表示装置におけるように、各色の有機EL素子の特性を揃える必要が無く、製造コスト面でも工程数および材料の削減等が可能となり、注目を集めているフルカラー化方式である。
この様な顔料分散法によるカラーフィルタの製造方法としては、感光性樹脂溶液中に赤色、青色または緑色の顔料を粒径1μm以下に微分散したものをガラス基板上に塗布した後、フォトリソグラフィ法により所望のパターンで画素を形成する方法が一般的である(特許文献1及び2)。
しかし、該文献記載の染料を使用したカラーフィルタは、透過率(輝度)、耐熱性ともに不十分であるという問題があった。
しかし、該文献記載の染料を使用したカラーフィルタは、透過率(輝度)、コントラストには優れるものの耐熱性が不十分であるという問題があった。
しかし、これらの文献に記載の染料を使用したカラーフィルタは、透過率(輝度)、コントラストには優れるものの耐熱性が不十分であるという問題があった。
しかし、該文献記載の組成物を使用したカラーフィルタは、コントラストには優れるものの、透過率(輝度)、耐熱性が不十分であるという問題があった。
本発明はまた、このような着色組成物を用いることにより、特に、青色画素の色純度および透過率に優れたカラーフィルタを提供すると共に、このようなカラーフィルタを用いて、高色再現性および高輝度を両立した有機EL表示装置並びに液晶表示装置を提供することを目的とする。
すなわち本発明の要旨は、(A)色材、(B)溶剤及び(C)バインダー樹脂を含有し、該(A)色材として下記式(I)で表される化合物と、銅フタロシアニン顔料及び/又はジオキサジン顔料を含有する着色組成物、カラーフィルタ、液晶表示装置及び有機EL表示装置に存する。
Z−A+ (I)
(上記式(I)中、Z−は、ジスルホニルイミドアニオンを表す。
A+は、カチオン染料を表す。)
また「全固形分」とは、後記する溶剤成分以外の本発明の着色組成物の全成分を意味するものとする。
C.I.とは、カラーインデックスを意味する。
Z−A+ (I)
(上記式(I)中、Z−は、ジスルホニルイミドアニオンを表す。
A+は、カチオン染料を表す。)
[色材]
本発明の着色組成物は、色材として、前記式(I)で表される化合物(以下、化合物(I)と称する場合がある)と、銅フタロシアニン顔料および/またはジオキサジン顔料を含有する。
即ち、本発明の着色組成物は、色材として、染料である化合物(I)と、顔料である銅フタロシアニン顔料および/またはジオキサジン顔料とを併用するものである。
(式(I)で表される化合物)
化合物(I)中、Aは、カチオン染料を表す。
カチオン染料としは、本発明の効果を行わない限り特に制限はないが、例えば、「Industrial Dyes -Chemistry, Properties, Applications-(Wiley-VCH, 2003年、Klaus Hunger編集)」等に記載されている色素が挙げられる。より具体的には、トリアリールメタン類、シアニン類、スチリル類、アジン類等の色素骨格(Chromophore)を有する化合物が挙げられ、所望する色により適宜選択することができる。
特に、青色(Blue)を所望する場合、色濃度、輝度、及び耐熱性が優れる点からトリアリールメタン類が好ましく、紫色(Violet)を所望する場合は、色濃度、輝度、及び耐熱性が優れる点からトリアリールメタン類、シアニン類が特に好ましい.
また、本発明に用いられるカチオン染料は、有機溶剤に対して可溶であることが好ましい。
本発明における前記式(I)で表される化合物は、対イオンを形成している。
対イオンを形成している色材では、カチオン及びアニオンの性質が、物性、特に耐熱性に影響する。これは、中性分子に比べて、電荷の偏りがあるカチオン及びアニオンの反応性がそれぞれ高いことに起因する。
その為、カチオン及びアニオンの反応性を低下させることで、色材の耐熱性を向上することができると推測される。つまり、カチオン及びアニオンにおいて、電荷を非局在化することにより該反応性を低下させ,耐熱性の向上に繋がるものと考えられる。
ここで、前記式(I)で表される化合物は、アニオンとして、ジスルホニルイミドアニオンを含む。
ジスルホニルイミドアニオンは、イオン種が、スルホンアミド基であるため、製造が容易である。また負電荷が非局在化しているため、アニオンが比較的安定である。さらに、ジスルホンアミドにフッ素含有の置換基を有することで、フッ素含有置換基側へアニオンが引っ張られることにより、分子全体として電荷が分散されて、より安定な構造となると考えられる。
また、本発明におけるアニオンは、いずれも可視光波長領域に吸収がない。その為、得られる画素の色純度に影響を及ぼすことがない。
前記式(I)で表される化合物は、色素の色濃度、輝度及び耐熱性が優れる点で、下記式(II)で表される化合物であることが好ましい。
尚、R11及びR12は、互いに結合して環を形成していてもよい。
A+は、前記式(I)におけると同義である。)
該置換基としては、下記(置換基群W)の項で記載したものが挙げられる。
フッ素原子、塩素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数2〜8のアルケニル基、炭素数1〜8のアルコキシル基、フェニル基、メシチル基、トリル基、ナフチル基、シアノ基、アセチルオキシ基、炭素数2〜9のアルキルカルボキシル基、スルホン酸アミド基、炭素数2〜9のスルホンアルキルアミド基、炭素数2〜9のアルキルカルボニル基、フェネチル基、ヒドロキシエチル基、アセチルアミド基、炭素数1〜4のアルキル基が結合してなるジアルキルアミノエチル基、トリフルオロメチル基、炭素数1〜8のトリアルキルシリル基、ニトロ基、炭素数1〜8のアルキルチオ基。
これらの内、特に、R11及びR12におけるアルキル基、アルケニル基又はシクロアルキル基は、アニオンの電荷がより非局在化して、色材の耐熱性が向上する点で、少なくとも一つがフッ素原子を置換基として有することが好ましい。
R11及びR12は、アニオンの電荷が分散されて、アニオンが安定化する点で、炭素数1〜8のパーフルオロアルキル基が特に好ましい。
より具体的には、前記式(II)で表される化合物は、下記式(II−1)で表される化合物であることが好ましい。
A+は、前記式(II)におけると同義である。)
n及びn’は、通常1〜8、好ましくは1〜4の整数である。
n及びn’は、同じでもよく、また異なっていてもよい。
nとn’とが同じである場合のスルホニルイミドアニオンの具体例としては、ビス(トリフルオロメタンスルホン)イミド、ビス(ペンタフルオロエタンスルホン)イミド、ビス(ペンタフルオロブタンスルホン)イミド等が挙げられる。
nとn’とが違う場合のスルホニルイミドアニオンの具体例としては、ペンタフルオロエタンスルホントリフルオロメタンスルホンイミド、トリフルオロメタンスルホンヘプタフルオロプロパンスルホンイミド、フルオロブタンスルホントリフルオロメタンスルホンイミド等が挙げられる。
上記の中でも、アニオンが最も安定化するとの理由から、n=n’=2である、ビス(ペンタフルオロエタンスルホン)イミドが特に好ましい。
一方、R11及びR12は、互いに結合して環を形成していてもよい。
環を形成している場合、R11及びR12は、特に炭素数2〜12のフルオロアルキレン基であることが好ましい。
つまり、前記式(II)で表される化合物は、更に、下記式(II−2)で表される化合物であることが好ましい。
Aは、前記式(II)におけると同義である。)
n’’は、耐熱性の点で,好ましくは2〜8であり,さらに好ましくは3である。
n’’の数が小さい分子ほど、立体反発の影響が小さくなり、より強い相互作用が可能となる。即ち、n’’が小さいほど、アニオンとカチオンの相互作用が大きくなり、イオン対が安定化して耐熱性が向上するものと推測される。
以下に、前記式(I)中の、アニオン、つまり、Z−の好ましい具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<アニオンの具体例>
また、前記式(II)で表される化合物は、カチオン、つまり式(II)中のA+からリンカーを伸ばして、2量体や3量体などを形成していてもよい。
[式(III)で表される化合物について]
前記式(II)で表される化合物は、耐熱性に優れ、また得られるカラーフィルタの、特に青色純度及び透過率が優れる点で、下記式(III)で表される化合物であることが好ましい。
R1〜R6は、各々独立に、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基、又は置換基を有していてもよい芳香族環基を表す。隣接するR1〜R6同士が結合して環を形成してもよい。
R7及びR8は、水素原子、又は任意の置換基を表す。R7及びR8は、互いに連結して環を形成していてもよい。
R101及びR102は、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜6のアルケニル基、置換基を有していてもよい芳香族環基、又はフッ素原子を表す。R101とR102とが結合し、環を形成していてもよい。
また、上記式(III)中のベンゼン環は、更に任意の置換基を有していてもよい。)
R1〜R6は、各々独立に、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基、又は置換基を有していてもよい芳香族環基を表す。
R1〜R6におけるアルキル基としては、直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基であって、その炭素数が通常1以上、また、通常8以下、好ましくは5以下のものが挙げられる。具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、2−プロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
R1〜R6における芳香族環基としては、芳香族炭化水素環基及び芳香族複素環基が挙げられる。
芳香族炭化水素環基としては、単環であっても縮合環であってもよく、環を形成する炭素数が5〜18であれば特に制限はないが、例えば、1個の遊離原子価を有する、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、アセナフテン環、フルオランテン環、フルオレン環などの基が挙げられる。
また、芳香族複素環基としては、単環であっても縮合環であってもよく、環を形成する炭素数が3〜10であれば特に制限はないが、例えば、1個の遊離原子価を有する、フラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環、インドール環、カルバゾール環、ピロロイミダゾール環、ピロロピラゾール環、ピロロピロール環、チエノピロール環、チエノチオフェン環、フロピロール環、フロフラン環、チエノフラン環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、シノリン環、キノキサリン環、フェナントリジン環、ベンゾイミダゾール環、ペリミジン環、キナゾリン環、キナゾリノン環、アズレン環などの基が挙げられる。
隣接するR1〜R6同士が結合して環を形成してもよく、更に該環は、置換基を有していてもよい。
隣接するR1〜R6同士が結合して環を形成する場合、これらはヘテロ原子で架橋された環であってもよい。この環の具体例として、例えば以下のものが挙げられる。これらの環は置換基を有していてもよい。
R1〜R6が、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基である場合、超共役によりカチオン内の電荷が分散し、カチオンが安定化するものと推測される。
また、R1〜R6が、置換基を有していてもよいフェニル基である場合、共役系を延長することで、カチオン内の電荷が分散することで、カチオンが安定化するものと推測される。このように、カチオンが安定化した結果、得られるカラーフィルタの耐光性がより優れるものとなると考えることができる。
R1〜R6におけるアルキル基、芳香族炭化水素環基、及び隣接するR1〜R6同士が結合して形成される環が有していてもよい置換基としては、例えば、下記(置換基群W)のものが挙げられる。
フッ素原子、塩素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数2〜8のアルケニル基、炭素数1〜8のアルコキシル基、フェニル基、メシチル基、トリル基、ナフチル基、シアノ基、アセチルオキシ基、炭素数2〜9のアルキルカルボキシル基、スルホン酸アミド基、炭素数2〜9のスルホンアルキルアミド基、炭素数2〜9のアルキルカルボニル基、フェネチル基、ヒドロキシエチル基、アセチルアミド基、炭素数1〜4のアルキル基が結合してなるジアルキルアミノエチル基、トリフルオロメチル基、炭素数1〜8のトリアルキルシリル基、ニトロ基、炭素数1〜8のアルキルチオ基。
R7及びR8は、水素原子、又は任意の置換基を表す。該任意の置換基としては、例えば、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基、置換基を有していてもよい芳香族環基などが挙げられる。
アルキル基及び芳香族環基としては、前記(R1〜R6について)の項で記載したものが挙げられる。
また、R7及びR8は、互いに連結して環を形成していてもよい。
R7及びR8同士が結合して環を形成する場合、これらはヘテロ原子で架橋された環であってもよい。この環の具体例として、例えば以下のものが挙げられる。これらの環は置換基を有していてもよい。
また、紫色の染料を所望の場合、色純度が高く、更に高輝度である点から、互いに連結して環を形成している方が好ましい。
R101及びR102は、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜6のアルケニル基、置換基を有していてもよい芳香族環基、又はフッ素原子を表す。
アルキル基及び芳香族環基としては、前記(R1〜R6について)の項で記載したものが挙げられる。
アルケニル基としては、炭素数が通常2以上、通常6以下のものが挙げられる。具体例としては、ビニル基、アリル基、1−ブテニル基等が挙げられる。
又、R101とR102とが結合し、環を形成していてもよい。
R101とR102とが結合して形成される環の具体例としては、例えば以下のものが挙げられる。
該置換基としては、例えば、前記(置換基群W)の項で記載したものが挙げられる。
また、上記式(III)中のベンゼン環は、更に任意の置換基を有していてもよい。
該ベンゼン環が有していてもよい置換基としては、例えば、前記(置換基群W)の項で記載したものが挙げられる。
R21及びR22は、各々、前記式(II)におけるR11及びR12と同様である。好ましい態様も同様である。
つまり、前記式(III)において、前記式(II−1)で表される化合物のアニオンに変えたもの、又は前記式(II−2)で表される化合物のアニオンに変えたものも同様に好ましい。
また、前記式(III)で表される化合物は、例えば、R1〜R6並びにR101及びR102から、リンカーを伸ばして、2量体や3量体などを形成していてもよい。
前記式(III)で表される化合物は、例えばJ.Chem.Soc.,PerkinTrans.1998,2,297.、国際公開第2006/120205号公報及び国際公開第2009/107734号公報に記載の方法に準じて合成することができる。
(式(III)で表される化合物の具体例)
前記式(III)で表される化合物中、好ましい具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
前記式(II)で表される化合物は、下記式(IV)で表される化合物であることが、耐光性及び耐熱性、高い透過率を有する点で好ましい。
R47及びR48は、各々独立に、水素原子、又は任意の置換基を表す。R47及びR48は、互いに結合して環を形成していてもよい。
又、上記式(III)中のベンゼン環及びインドール環は更に任意の置換基を有していてもよい。)
R41〜R46は、各々独立に、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基、又は置換基を有していてもよい芳香族環基を表す。
炭素数1〜8のアルキル基及び芳香族環基としては、前記(R1〜R6について)の項で記載したものと同様である。
また、隣接するR41〜R46同士、つまり、R41とR42、R43とR44及びR45とR46は、各々互いに結合して環構造を形成していてもよく、更に該環は置換基を有していてもよい。
隣接するR41〜R44同士が結合して環を形成する場合、これらはヘテロ原子で架橋された環であってもよい。この環の具体例として、例えば以下のものが挙げられる。これらの環は置換基を有していてもよい。
R41〜R46が、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基である場合、超共役によりカチオン内の電荷が分散し、カチオンが安定化するものと推測される。また、R41〜R46が、置換基を有していてもよいフェニル基である場合、共役系を延長することで、カチオン内の電荷が分散することで、カチオンが安定化するものと推測される。このように、カチオンが安定化した結果、得られるカラーフィルタの耐光性がより優れるものとなると考えることができる。
R41〜R46におけるアルキル基又は芳香族環基、並びに、隣接するR41〜R46同士が結合して形成される環が有していてもよい置換基としては、例えば、前記(置換基群W)の項で記載したものが挙げられる。
R47及びR48は、水素原子、又は任意の置換基を表す。該任意の置換基としては、前記(R1〜R6についで)に記載のものと同様である。
また、R47及びR48は、互いに連結して環を形成していてもよい。
R47及びR48同士が結合して環を形成する場合、これらはヘテロ原子で架橋された環であってもよく、その具体例は、前記(R7及びR8について)の項で記載のものと同様である。これらの環は置換基を有していてもよい。
紫色の染料を所望の場合、色純度が高く、更に高輝度である点から、R47及びR48同士は互いに連結して環を形成していない方が好ましい。
また、赤色の染料を所望の場合、色純度が高く、更に高輝度である点から、R47及びR48同士は互いに連結して環を形成している方が好ましい。
尚、R41〜R48が有する置換基としては、前記(置換群W)の項に記載のものが挙げられる。
また、本発明においては、R41〜R48の少なくとも一つが、フッ素原子を置換基として有する、炭素数1〜8のアルキル基であることが、得られるカラーフィルタの耐光性が優れる点で特に好ましい。
これは、フッ素原子が分子内における正電荷領域と分子内での静電相互作用することで、カチオンがより安定化したことによるものと推測される。このことは、電気陰性度が高い基であるフッ素原子が、結合している炭素の電子を局所的に引き付け、僅かに正電荷を帯びた炭素原子を生じさせて、カチオンが不安定化するとの予測に反するものである。
隣接するR41〜R48同士が結合して形成される環が有する置換基としては、好ましくは炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシル基、シリル基、カルボキシル基、シアノ基、スルホン酸アミド基などが挙げられる。
このような置換基としては、前記(置換基群W)の項に記載の置換基が挙げられる。
なお、式(IV)中のベンゼン環において、トリアリールメチン構造の中央に位置する炭素原子との結合に対し、o−位に嵩高い基が結合すると、分子の平面性が阻害され、化合物の色純度が低下する場合がある。従って、o−位には置換基を有さないか、又はハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基で置換されていることが好ましい。
また、前記式(IV)で表される化合物は、例えば、R41〜R48から、リンカーを伸ばして、2量体や3量体などを形成していてもよい。
前記式(IV)で表される化合物は、例えばJ.Chem.Soc.,PerkinTrans.1998,2,297.、国際公開第2006/120205号公報及び国際公開第2009/107734号公報に記載の方法に準じて合成することができる。
(具体例)
前記式(IV)で表される化合物中、好ましい具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明において、前記式(II)で表される化合物は、得られる画素の耐熱性及び耐光性、透過率の点で、下記式(V)で表される化合物であることが好ましい。
Ar1及びAr2は、各々独立に、置換基を有していてもよい含窒素複素環基を表す。
nは、1〜5の整数を表す。)
Ar1及びAr2は、各々独立に、置換基を有していてもよい含窒素複素環基を表す。
含窒素複素環基としては、例えば、1個の遊離原子価を有する、インドール環、ベンゾインドール環、インドレニン環、ベンゾインドレニン環、オキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾイミダゾール環やキノリン環の基が挙げられる。
中でも、輝度が高い点で、1個の遊離原子価を有する、インドール環、ベンゾインドール環、インドレニン環、ベンゾインドレニン環が好ましく、インドール環、ベンゾインドレニン環の基がより好ましい。
フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、キシリル基、メシチル基、o−クメニル基、m−クメニル基、p−クメニル基などの芳香族炭化水素環基;
メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基などのアルコキシ基;
フェノキシ基などのアリールオキシ基;
ベンジルオキシ基などのアラルキルオキシ基;
メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基などのエステル結合を有する基;
メチルスルファモイル基、ジメチルスルファモイル基、エチルスルファモイル基、ジエチルスルファモイル基、n−プロピルスルファモイル基、ジ−n−プロピルスルファモイル基、イソプロピルスルファモイル基、ジイソプロピルスルファモイル基、n−ブチルスルファモイル基、ジ−n−ブチルスルファモイル基などのアルキルスルファモイル基;
メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、n−ブチルスルホニル基、イソブチルスルホニル基、sec−ブチルスルホニル基、tert−ブチルスルホニル基などのアルキルスルホニル基;
フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子;
ニトロ基、シアノ基が挙げられる。
上記式(V)で表される化合物は、カチオン部位において、シス−トランス異性体が存在するが、いずれの異性体であってもよい。
R51及びR52は、各々、前記式(II)におけるR11及びR12と同義である。好ましい態様も同様である。
前記式(V)で表される化合物は、輝度及び耐熱性が高い点で、下記式(V−1)で表される化合物がより好ましい。
また、nは、前記式(V)におけると同義である。
R301及びR302は、各々独立に、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基を表す。
R61及びR62は、各々独立に、−O−、−S−、−N−、−Se−又は−CR303R304−を表す。
R303及びR304は、各々独立に,水素原子、又は炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基を表す。
但し、R61及びR62が、−CR303R304−である場合、R303同士が、互いに結合して、環を形成していてもよい。該環は、置換基を有していてもよい。
環Y1及びY2は、各々独立に、置換基を有してもよいベンゼン環、又は置換基を有していてもよいナフタレン環を表す。)
脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、ビニル基、エチニル基、プロピル基、イソプロピル基、イソプロペニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−プロピニル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、2−ブテニル基、1,3−ブタジエニル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、2−ペンテン−4−イニル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、5−メチルヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基が挙げられる。
また、脂肪族炭化水素基が有していてもよい置換基としては、例えば、フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、キシリル基、メシチル基、o−クメニル基、m−クメニル基、p−クメニル基などの芳香族炭化水素環基;
メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、フェノキシ基、ベンジルオキシ基などのアルコキシ基;
フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基などのハロゲン基;
さらには、カルボキシ基、ニトロ基、シアノ基が挙げられる。
R301及びR302は、それぞれ、炭素数1〜8のアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜5のアルキル基であることがより好ましい。
R61及びR62は、各々独立に、−O−、−S−、−N−、−Se−又は−CR303R304−を表す。
R303及びR304は、各々独立に,水素原子、又は炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基を表す。
但し、R31及びR32が、−CR303R304−である場合、R303同士が、互いに結合して、環を形成していてもよい。
R61とR62とが互いに結合して形成していてもよい環の、好ましい具体例としては、例えば以下のものが挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
R303及びR304における脂肪族炭化水素基、R61及びR62が互いに結合して形成していてもよい環、並びに環Y1及びY2におけるベンゼン環及びナフタレン環が有していてもよい置換基としては、前記R301及びR302における脂肪族炭化水素基が有していてもよい置換基が挙げられる。
R51及びR52は、各々、前記式(II)におけるR11及びR12と同義である。好ましい態様も同様である。
つまり、前記式(V)で表される化合物におけるアニオンは、前記式(II−1)で表される化合物のアニオンに変えたもの、又は前記式(II−2)で表される化合物のアニオンに変えたものも同様に好ましい。
また、前記式(V)で表される化合物は、例えば、R301〜R302並びにR61及びR62から、リンカーを伸ばして、2量体や3量体などを形成していてもよい。
前記式(III)で表される化合物は、例えばJ.Chem.Soc.,PerkinTrans.1998,2,297.、特開2008−242324、特開2009−235392、国際公開第2006/120205号公報及び国際公開第2009/107734号公報に記載の方法に準じて合成することができる。
(具体例)
前記式(V)で表される化合物中、好ましい具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明の着色組成物は、顔料として、銅フタロシアニン顔料および/またはジオキサジン顔料を用いる。
C.I.Pigment Blue15,15:1,15:2,15:3,15:4,15:6,
C.I.Pigment Green7,36
C.I.Pigment Violet23,37
まず、顔料をクロロホルム中に超音波分散し、コロジオン膜貼り付けメッシュ上に滴下して、乾燥させ、透過電子顕微鏡(TEM)観察により、顔料の一次粒子像を得る。この像から、個々の顔料粒子の粒径を、同じ面積となる円の直径に換算した面積円相当径として、複数個(通常200〜300個程度)の顔料粒子についてそれぞれ粒径を求める。
得られた一次粒径の値を用い、下式の計算式の通り個数平均値を計算し、平均粒径を求める。
個々の顔料粒子の粒径:X1,X2,X3,X4,・・・・,Xi,・・・・・・Xm
本発明において、着色組成物中の銅フタロシアニン顔料およびジオキサジン顔料の総含有量は、化合物(I)の総含有量の通常5重量%以上、好ましくは10重量%以上、更に好ましくは20重量%以上、また通常2000重量%以下、好ましくは1000重量%以下、更に好ましくは500重量%以下である。
着色組成物中の(A)色材の含有量を上述の上限値以下とすることにより、より高い感度を維持しつつ、現像残渣の発生を抑え、良好な製版性を確保することが可能となる。また、上述の下限値以上とすることにより、十分な色濃度を確保できるため、画素膜厚を薄くしても色再現性が良好となるため好ましい。
本発明の着色組成物は、(B)溶剤を含有する。(B)溶剤は、着色組成物に含まれる各成分を溶解または分散させ、粘度を調節する機能を有する。
該(B)溶剤としては、着色組成物を構成する各成分を溶解または分散させることができるものであればよく、沸点が100〜200℃の範囲のものを選択するのが好ましい。より好ましくは120〜170℃の沸点をもつものである。
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコール−モノt−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、メトキシメチルペンタノール、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、3−メチル−3−メトキシブタノール、トリプロピレングリコールモノメチルエーテルのようなグリコールモノアルキルエーテル類;
エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテルのようなグリコールジアルキルエーテル類;
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、メトキシブチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、メトキシペンチルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテートのようなグリコールアルキルエーテルアセテート類;
ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジアミルエーテル、エチルイソブチルエーテル、ジヘキシルエーテルのようなエーテル類;
アセトン、メチルエチルケトン、メチルアミルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソアミルケトン、ジイソプロピルケトン、ジイソブチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、エチルアミルケトン、メチルブチルケトン、メチルヘキシルケトン、メチルノニルケトンのようなケトン類;
エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリンのような1価または多価アルコール類;
n−ペンタン、n−オクタン、ジイソブチレン、n−ヘキサン、ヘキセン、イソプレン、ジペンテン、ドデカンのような脂肪族炭化水素類;
シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、メチルシクロヘキセン、ビシクロヘキシルのような脂環式炭化水素類;
ベンゼン、トルエン、キシレン、クメンのような芳香族炭化水素類;
アミルホルメート、エチルホルメート、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、酢酸アミル、メチルイソブチレート、エチレングリコールアセテート、エチルプロピオネート、プロピルプロピオネート、酪酸ブチル、酪酸イソブチル、イソ酪酸メチル、エチルカプリレート、ブチルステアレート、エチルベンゾエート、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸プロピル、3−メトキシプロピオン酸ブチル、γ−ブチロラクトンのような鎖状または環状エステル類;
3−メトキシプロピオン酸、3−エトキシプロピオン酸のようなアルコキシカルボン酸類;
ブチルクロライド、アミルクロライドのようなハロゲン化炭化水素類;
メトキシメチルペンタノンのようなエーテルケトン類;
アセトニトリル、ベンゾニトリルのようなニトリル類:
上記範囲内であると、インク液滴からの溶剤の蒸発防止効果が有効に発揮される為好ましい。
上記範囲内であると、塗布膜を形成するのに十分でるため好ましい。
また、(B)溶剤の含有量の下限値は、塗布に適した粘性等を考慮して、通常75重量%、好ましくは80重量%、更に好ましくは82重量%である。
本発明における(D)分散剤は、顔料が分散し、安定を保つことができれば特に種類を問わない。
例えば、カチオン系、アニオン系、ノニオン系や両性等の分散剤を使用することができるが、ポリマー分散剤が好ましい。具体的には、ブロック共重合体、ポリウレタン、ポリエステル、高分子共重合体のアルキルアンモニウム塩又はリン酸エステル塩、カチオン性櫛型グラフトポリマー等を挙げることができる。これら分散剤の中で、ブロック共重合体、ポリウレタン、カチオン性櫛型グラフトポリマーが好ましい。特にブロック共重合体が好ましく、この中でも親溶剤性を有するAブロック及び窒素原子を含む官能基を有するBブロックからなるブロック共重合体が好ましい。
具体的には、窒素原子含有官能基を有するBブロックとして、側鎖に4級アンモニウム塩基、及び/又はアミノ基を有する単位構造が挙げられ、一方、親溶剤性のAブロックとして、4級アンモニウム塩基及びアミノ基を有さない単位構造が挙げられる。
又、係るBブロックとして、4級アンモニウム塩基を有する場合、当該4級アンモニウム塩基は、直接主鎖に結合していてもよいが、2価の連結基を介して主鎖に結合していてもよい。又、このような4級アンモニウム塩基としては、特に下記式(VI)で表される部分構造を含有するものが好ましい。
又、R501、R502及びR503は、それぞれ独立して、炭素数1〜10のアルキル基、置換されていてもよい炭素数6〜15の芳香族炭化水素環基、置換されていてもよい炭素数7〜20のアラルキル基等が好ましい。
又、上記式(VI)において、2価の連結基X1としては、例えば、炭素数1〜10のアルキレン基、アリーレン基、−CONH−R505−、−COO−R506−(但し、R505及びR506は、それぞれ独立に、直接結合、炭素数1〜10のアルキレン基、又は炭素数1〜10のエーテル基(−R507−O−R508−:R507及びR508は、各々独立にアルキレン基を表す。)等が挙げられ、好ましくは−COO−R506−である。
又、上記特定の4級アンモニウム塩基を含有する部分構造は、1つのBブロック中に2種以上含有されていてもよい。その場合、2種以上の4級アンモニウム塩基含有部分構造は、当該Bブロック中において、ランダム共重合又はブロック共重合の何れの態様で含有されていてもよい。更に、当該4級アンモニウム塩基を含有しない部分構造が、Bブロック中に含まれていてもよく、又、当該部分構造の例としては、後述の(メタ)アクリル酸エステル系モノマー由来の部分構造等が挙げられる。4級アンモニウム塩基を含まない部分構造のBブロック中の含有量は、好ましくは0〜50重量%、より好ましくは0〜20重量%であるが、4級アンモニウム塩基非含有部分構造はBブロック中に含まれないことが最も好ましい。
一方、係るアクリル系ブロック共重合体を構成するBブロックとして、1〜3級アミノ基を含む場合、当該1〜3級アミノ基を有する単量体の含有割合は、当該共重合体を構成する単量体組成において、20モル%以上であることが好適であり、より好ましくは50モル%以上である。
中でも、R601及びR602はメチル基が好ましく、R603はメチレン基、エチレン基が好ましく、R604は水素原子もしくはメチル基であるのが好ましい。このような部分構造としては下記式で表されるジメチルアミノエチルアクリレートやジメチルアミノエチルメタアクリレート由来の構造等が、特に好適に用いられる。
更に、上記アミノ基を含有する部分構造は、1つのBブロック中に2種以上含有されていてもよい。その場合、2種以上のアミノ基含有部分構造は、該Bブロック中においてランダム共重合又はブロック共重合の何れの態様で含有されていてもよい。又、アミノ基を含有しない部分構造が、Bブロック中に一部含まれていてもよく、そのような部分構造の例としては、(メタ)アクリル酸エステル系モノマー由来の部分構造等が挙げられる。係るアミノ基を含まない部分構造の、Bブロック中の含有量は、好ましくは0〜50重量%、より好ましくは0〜20重量%であるが、係るアミノ基非含有部分構造はBブロック中に含まれないことが最も好ましい。
上記式(VIII)で表される部分構造は、当該(メタ)アクリル系共重合体を構成する単量体換算で1分子中に3〜20モル%含まれていることが好ましく、3〜10モル%含まれていることが最も好ましい。
前記式(VIII)で表わされる部分構造は、1つのAブロック中に2種以上含有されていてもよい。勿論、当該Aブロックは、更にこれら以外の部分構造を含有していてもよい。2種以上のモノマー由来の部分構造がAブロック中に存在する場合、各部分構造は該Aブロック中においてランダム共重合又はブロック共重合の何れの態様で含有されていてもよい。
リビング重合法にはアニオンリビング重合法、カチオンリビング重合法、ラジカルリビング重合法がある。具体的には、例えば特開2007−270147号公報に記載の方法が挙げられる。
即ち、(D)分散剤のABブロック共重合体及びABAブロック共重合体の、Bブロックが4級アンモニウム塩基を有する場合、当該共重合体1g中の4級アンモニウム塩基の量は、0.1〜10mmolであることが好ましい。この範囲外では、良好な耐熱性と分散性を兼備することができない場合がある。このようなブロック共重合体中には、製造過程で生じたアミノ基が含有される場合があり、そのアミン価は、通常、共重合体1gあたり1〜100mgKOH/g程度、好ましくは1〜50mgKOH/g、より好ましくは1〜30mgKOH/gである。
又、このブロック共重合体の酸価は、該酸価の元となる酸性基の有無及び種類にもよるが、一般に低い方が好ましく、通常100mgKOH/g以下であり、好ましくは50mgKOH/g以下、より好ましくは40mgKOH/g以下、最も好ましくは30mgKOH/g以下である。又、その分子量は、GPCで測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)で通常1000以上、100,000以下の範囲である。
分散剤の含有量を上述の上限値以下とすることにより、化合物(I)の耐熱性に影響を及ぼすことなく、良好な顔料分散性を確保することができ、また上述の下限値以上とすることにより、分散安定性がより良好となる。
また、本発明の着色組成物において、分散剤の含有割合は、顔料の分散性と、着色組成物のアルカリ現像性を両立しうることから、顔料全量に対して好ましくは5重量%以上、更に好ましくは10重量%以上、また通常200重量%以下、更に好ましくは100重量%以下である。
尚、前記化合物(I)に対する含有量範囲を超えないことが好ましい。
本発明の着色組成物には、分散助剤を含有していてもよい。ここでいう分散助剤は、顔料誘導体であってもよく、顔料誘導体としては、例えば特開2001−220520号公報、特開2001−271004号公報、特開2002−179976号公報、特開2007−113000号公報、及び特開2007−186681号公報等に記載の各種化合物等を使用することができる。
上記範囲内であると、分散助剤としての効果が有効に得られ、分散性及び分散安定性が良好である点で好ましい。
その他の分散助剤を含有する場合も、分散助剤の添加量の合計が上記範囲内となるようにする。
尚、本発明の着色組成物が分散助剤を含有する場合、該分散助剤としては本発明の添加剤から含まれるのが好ましい。
本発明の着色組成物には、後述する(C)バインダー樹脂もしくはその他のバインダー樹脂から選ばれた樹脂の一部又は全部を下記の分散樹脂として含有していてもよい。
具体的には、後述する分散処理工程において、前述の(D)分散剤等の成分とともに、(C)バインダー樹脂を含有させることにより、該(C)バインダー樹脂が、(D)分散剤との相乗効果で(A)色材として含有される顔料の分散安定性に寄与する。結果として(D)分散剤の添加量を減らせる可能性があるため好ましい。又、現像性が向上し、基板の非画素部に未溶解物が残存せず、画素の基板への密着性が向上する、といった効果も奏するため好ましい。
分散樹脂としては、後述する各種(C)バインダー樹脂を使用することができる。
分散樹脂の酸価は0.5mgKOH/g以上が好ましく、1mgKOH/g以上がより好ましく、5mgKOH/g以上が最も好ましく、また300mgKOH/g以下が好ましく、200mgKOH/g以下がより好ましく、150mgKOH/g以下が最も好ましい。酸価を上記の範囲に制御することにより、アルカリ現像性が良好となり、合成上等においても、取り扱いやすくなる。
(C)バインダー樹脂は、硬化手段により好ましい樹脂は異なる。
本発明の着色組成物が光重合性樹脂組成物である場合、(C)バインダー樹脂としては、例えば特開平7−207211号、特開平8−259876号、特開平10−300922号、特開平11−140144号、特開平11−174224号、特開2000−56118号、特開2003−233179号などの各公報等に記載される高分子化合物を使用することができるが、中でも好ましくは下記(C−1)〜(C−5)の樹脂などが挙げられる。
(C−2):カルボキシル基含有直鎖状アルカリ可溶性樹脂(C−2)(以下、「樹脂(C−2)」と称す場合がある。)
(C−3):前記樹脂(C−2)のカルボキシル基部分に、エポキシ基含有不飽和化合物を付加させた樹脂(以下「樹脂(C−3)」と称す場合がある。)
(C−4):(メタ)アクリル系樹脂(以下、「樹脂(C−4)」と称す場合がある。)
(C−5):カルボキシル基を有するエポキシアクリレート樹脂(以下「樹脂(C−5)と称す場合がある。)
このうち特に好ましくは樹脂(C−1)が挙げられ、以下該樹脂について説明する。
樹脂(C−1)の特に好ましい樹脂の一つとして、エポキシ基含有(メタ)アクリレート5〜90モル%と、他のラジカル重合性単量体10〜95モル%との共重合体に対し、該共重合体が有するエポキシ基の10〜100モル%に不飽和一塩基酸を付加させてなる樹脂、或いは該付加反応により生じた水酸基の10〜100モル%に多塩基酸無水物を付加させて得られるアルカリ可溶性樹脂が挙げられる。
下記式(7)で表される構造を有するモノ(メタ)アクリレートに由来する繰返し単位は、「他のラジカル重合性単量体」に由来する繰返し単位中、5〜90モル%含有するものが好ましく、10〜70モル%含有するものが更に好ましく、15〜50モル%含有するものが特に好ましい。
R96とR98が連結して形成される環は、脂肪族環であるのが好ましく、飽和又は不飽和のいずれでもよく、更に炭素数は5〜6であることが好ましい。
具体例としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、o−、m−、p−ビニル安息香酸、α−位がハロアルキル基、アルコキシル基、ハロゲン原子、ニトロ基、又はシアノ基などで置換された(メタ)アクリル酸等のモノカルボン酸等が挙げられる。中でも好ましくは(メタ)アクリル酸である。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
このような成分を付加させることにより、本発明で用いるバインダー樹脂に重合性を付与することができる。
例えば、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水クロレンド酸等の二塩基酸無水物;無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、ビフェニルテトラカルボン酸無水物等の三塩基以上の酸の無水物が挙げられる。中でも、無水コハク酸及びテトラヒドロ無水フタル酸が好ましい。これらの多塩基酸無水物は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
このような成分を付加させることにより、本発明で用いるバインダー樹脂にアルカリ可溶性を付与することができる。
上記範囲内であると、現像時の残膜率及び溶解性が十分であるため好ましい。
尚、該水酸基に多塩基酸無水物を付加させる方法としては、公知の方法を採用することができる。
なお、バインダー樹脂(C−1)の酸価は、通常10〜200mg−KOH/g、好ましくは15〜150mg−KOH/g、更に好ましくは25〜100mg−KOH/gである。
上記範囲内であると、現像液に対する溶解性が良好で、また膜荒れなどが生じ難いため好ましい。
また、(C)バインダー樹脂の含有量は、全固形分中、通常0.1〜80重量%、好ましくは1〜60重量%である。
上記範囲内であると、基板への密着性が良好であり、また露光部への現像液の浸透性が適度で、画素の表面平滑性や感度が良好である点で好ましい。
[(E)重合性モノマー]
本発明の着色組成物は、(E)重合性モノマーを含有することが好ましい。(E)重合性モノマーは、重合可能な低分子化合物であれば特に制限はないが、エチレン性二重結合を少なくとも1つ有する付加重合可能な化合物(以下、「エチレン性化合物」と言う場合がある。)が好ましい。
これらの単量体は1種を単独で用いてもよいが、製造上、単一の化合物を得ることは難しいことから、2種以上の混合物を使用してもよい。
また、必要に応じて(E)重合性モノマーとして酸基を有しない多官能モノマーと酸基を有する多官能モノマーを併用してもよい。
上記範囲内であると、現像溶解特性が低下しにくく、また製造や取り扱いが容易である。更に、光重合性能が落ち難く、画素の表面平滑性等の硬化性が良好であるため好ましい。
また、(E)重合性モノマーの全色材に対する比率は、通常1重量%以上、好ましくは5重量%以上、更に好ましくは10重量%以上、特に好ましくは20重量%以上であり、また、通常200重量%以下、好ましくは150重量%以下、更に好ましくは110重量%以下である。
[(F)光重合開始系及び/又は熱重合開始系]
本発明の着色組成物は、塗膜を硬化させる目的で、(F)光重合開始系及び/又は熱重合開始系を含むことが好ましい。ただし、硬化の方法はこれらの開始剤によるもの以外でもよい。
本発明の着色組成物は、光重合開始系を含有することが好ましい。光重合開始系は、通常、(F1)光重合開始剤、及び必要に応じて添加される(F2)重合加速剤、(F3)増感色素等の付加剤との混合物として用いられ、光を直接吸収し、或いは光増感されて分解反応又は水素引き抜き反応を起こし、重合活性ラジカルを発生する機能を有する成分である。
これら光重合開始剤の中では、α−アミノアルキルフェノン誘導体類、オキシムエステル系誘導体類、ビイミダゾール誘導体類、アセトフェノン誘導体類、及びチオキサントン誘導体類がより好ましい。
本発明の着色組成物に含有されていてもよい熱重合開始系(熱重合開始剤)の具体例としては、アゾ系化合物、有機過酸化物及び過酸化水素等が挙げられる。これらのうち、アゾ系化合物が好適に用いられる。より具体的には、例えば国際公開第2009/107734号パンフレット等に記載の熱重合開始剤を用いることができる。
これらの熱重合開始剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の着色組成物は、前記各成分の外に、界面活性剤、有機カルボン酸および/または有機カルボン酸無水物、可塑剤、前記本発明に係る色材以外の染料、熱重合防止剤、保存安定剤、表面保護剤、密着向上剤、現像改良剤等を含有していても良い。これら任意成分としては、例えば特開2007−113000号公報記載の各種化合物を使用することができる。
次に、本発明の着色組成物を調製する方法を説明する。
先ず前記色材を、必須成分であるバインダー樹脂および溶剤、場合によっては、任意成分である分散剤やモノマー、光重合開始系および/または熱重合開始系、界面活性剤、およびそれら以外の成分と混合し、均一な溶液とすることにより、着色組成物を得る。混合に際しては、化合物(I)等の染料が十分に溶解するまで攪拌することが好ましい。また、混合等の各工程において、微細なゴミが混入することがあるため、得られたインキ状液体をフィルター等によって濾過処理することが好ましい。
ただし、本発明の着色組成物中に、化合物(I)は溶解状態で存在することが好ましい。
本発明の着色組成物は、通常、すべての構成成分が溶剤中に溶解又は分散された状態である。この着色組成物が基板上へ供給され、カラーフィルタや液晶表示装置、有機EL表示装置などの構成部材が形成される。
以下、本発明の着色組成物の応用例として、カラーフィルタとしての応用、及びそれらを用いた液晶表示装置(パネル)及び有機EL表示装置について、説明する。
本発明のカラーフィルタは、本発明の着色組成物から形成された画素を有するものである。
以下に、本発明のカラーフィルタを形成する方法について説明する。
カラーフィルタの画素は、様々な方法で形成することができる。ここでは光重合性の着色組成物を使用してフォトリソグラフィ法にて形成する場合を例に説明するが、製造方法はこれに限定されるものではない。
まず、基板の表面上に、必要に応じて、画素を形成する部分を区画するようにブラックマトリックスを形成し、この基板上に、本発明の着色組成物を塗布したのち、プレベークを行って溶剤を蒸発させ、塗膜を形成する。次いで、この塗膜にフォトマスクを介して露光したのち、アルカリ現像液を用いて現像して、塗膜の未露光部を溶解除去し、その後ポストベークすることにより、赤色、緑色、青色の各画素パターンを形成して、カラーフィルタを作製することができる。
また、これらの基板には、所望により、シランカップリング剤やウレタン系樹脂などによる薄膜形成処理、コロナ放電処理やオゾン処理などの表面処理等、適宜前処理を施してもよい。
着色組成物を基板に塗布する際には、スピナー法、ワイヤーバー法、フローコート法、スリット・アンド・スピン法、ダイコート法、ロールコート法、スプレーコート法等が挙げられる。中でも、スリット・アンド・スピン法、及びダイコート法が好ましい。
塗布膜の厚さは、乾燥後の膜厚として、通常、0.2〜20μm、好ましくは0.5〜10μm、特に好ましくは0.8〜5.0μmである。
上記範囲内であると、パターン現像や液晶セル化工程でのギャップ調整が容易であり、また所望の色発現がし易い点で好ましい。
画像露光に使用される、波長190〜450nmの放射線を用いるための光源は、特に限定されるものではないが、例えば、キセノンランプ、ハロゲンランプ、タングステンランプ、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、中圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、蛍光ランプ等のランプ光源;アルゴンイオンレーザー、YAGレーザー、エキシマレーザー、窒素レーザー、ヘリウムカドミニウムレーザー、半導体レーザー等のレーザー光源等が挙げられる。特定の波長の光を照射して使用する場合には、光学フィルターを利用することもできる。
放射線の露光量は、10〜10,000J/m2が好ましい。
また、前記アルカリ現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、メタ珪酸ナトリウム、燐酸ナトリウム、燐酸カリウム、燐酸水素ナトリウム、燐酸水素カリウム、燐酸二水素ナトリウム、燐酸二水素カリウム、水酸化アンモニウム等の無機アルカリ性化合物;モノ−・ジ−・又はトリ−エタノールアミン、モノ−・ジ−・又はトリ−メチルアミン、モノ−・ジ−・又はトリ−エチルアミン、モノ−・又はジ−イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノ−・ジ−・又はトリ−イソプロパノールアミン、エチレンイミン、エチレンジイミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、コリン等の有機アルカリ性化合物等の水溶液が好ましい。
前記アルカリ現像液には、例えばイソプロピルアルコール、ベンジルアルコール、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、フェニルセロソルブ、プロピレングリコール、ジアセトンアルコール等の水溶性有機溶剤や界面活性剤等を適量添加することもできる。なお、アルカリ現像後は、通常、水洗する。
現像処理法としては、浸漬現像法、スプレー現像法、ブラシ現像法、超音波現像法等の何れかの方法によることができる。現像条件は、室温(23℃)で5〜300秒が好ましい。
本発明の液晶表示装置は、上述の本発明のカラーフィルタを用いたものである。本発明の液晶表示装置の型式や構造については特に制限はなく、本発明のカラーフィルタを用いて常法に従って組み立てることができる。
例えば、「液晶デバイスハンドブック」(日刊工業新聞社、1989年9月29日発行、日本学術振興会第142委員会著)に記載の方法で、本発明の液晶表示装置を形成することができる。
本発明のカラーフィルタを含む有機EL表示装置を作成する場合、例えば図1に示すように、透明支持基板10上に、本発明の着色組成物により画素20が形成された青色カラーフィルタ上に有機保護層30及び無機酸化膜40を介して有機発光体500を積層することによって多色の有機EL素子を作製する。
有機発光体500の積層方法としては、カラーフィルタ上面へ透明陽極50、正孔注入層51、正孔輸送層52、発光層53、電子注入層54、及び陰極55を逐次形成していく方法や、別基板上へ形成した有機発光体500を無機酸化膜40上に貼り合わせる方法などが挙げられる。このようにして作製された有機EL素子100は、パッシブ駆動方式の有機EL表示装置にもアクティブ駆動方式の有機EL表示装置にも適用可能である。
<染料の合成>
[染料(A)の合成]
[染料(B)の合成]
[染料(C)の合成]
[染料(D)の合成]
[染料(E)の合成]
[染料(F)の合成]
[染料(G)の合成]
[染料(H)の合成]
(樹脂Aの合成)
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(145重量部)を窒素置換しながら攪拌し、120℃に昇温した。ここにスチレン(10重量部)、グリシジルメタクリレート(85.2重量部)およびトリシクロデカン骨格を有するモノアクリレート(66重量部)(FA−513M:日立化成社製)を滴下し、および2.2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル(8.47重量部)を3時間かけて滴下し、更に90℃で2時間攪拌し続けた。次に反応容器内を空気置換に変え、アクリル酸(43.2重量部)にトリスジメチルアミノメチルフェノール(0.7重量部)およびハイドロキノン(0.12重量部)を投入し、100℃で12時間反応を続けた。その後、テトラヒドロ無水フタル酸(THPA)(56.2重量部)、トリエチルアミン(0.7重量部)を加え、100℃3.5時間反応させた。こうして得られたバインダ樹脂のGPCにより測定した重量平均分子量は約8400、酸価80mgKOH/gであった。
[1]青色顔料分散液(1)の調製
青色顔料としてC.I.ピグメントブルー15:6を11.36重量部、溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート57.5重量部、分散剤として「ディスパービック2000」(ビックケミー社製)を固形分換算で3.02重量部、径0.5mmのジルコニアビーズ215.7重量部をステンレス容器に充填し、ペイントシェーカーにて6時間分散させて青色顔料分散液(1)を調製した。
青色顔料としてC.I.ピグメントブルー15:6とバイオレット23を9.20:3.81となる重量比で11.36重量部、溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート57.5重量部、分散剤として「ディスパービック2000」(ビックケミー社製)を固形分換算で3.02重量部、径0.5mmのジルコニアビーズ215.7重量部をステンレス容器に充填し、ペイントシェーカーにて6時間分散させて青色顔料分散液を調製した。
<着色組成物の調製>
表1に、実施例1〜6、並びに比較例1及び3で用いた染料(色素)を示す。
混合に際しては、各成分が十分に混合するまで1時間以上攪拌し、最後に5μmの駒型フィルターによって濾過し、異物を取り除いた。
尚、表2中の数値は、いずれも添加する各成分の重量部を表す。
5cm角に切断したガラス基板上に、上記各着色組成物をスピンコート法により乾燥後のy値が0.120となるように塗布し、減圧乾燥させた後、ホットプレート上にて80℃3分間プリベークした。その後、60mJ/cm2の露光量にて全面露光して、着色樹脂膜を作成した。
その後、分光光度計U−3310(日立製作所製)にて、分光透過率を測定し、XYZ表色系における色度(C光源)を算出した(加熱前の色特性)。
続いて、クリーンオーブンにて230℃30分焼成し、分光光度計U−3310(日立製作所製)にて、同様に分光透過率を測定し、XYZ表色系における色度(C光源)を算出した(加熱後の色特性)。
この結果を、表3に示す。
表3に示すが如く、本発明の着色組成物を用いて得られた画素は、加熱前後での輝度低下が小さく、また輝度が高い。これより、例えば、フォトリソグラフィー法で、赤、緑、青の画素を形成する際の加熱工程での輝度落ちが小さい為、本発明のカラーフィルタを有する液晶表示装置及び有機EL表示装置は高品質である。
20 画素
30 有機保護層
40 無機酸化膜
500 有機発光体
51 正孔注入層
54 電子注入層
Claims (11)
- (A)色材、(B)溶剤及び(C)バインダー樹脂を含有し、
該(A)色材として、下記式(III)で表される化合物と、
銅フタロシアニン顔料及び/又はジオキサジン顔料を含有することを特徴とする、着色組成物。
R 1 〜R 6 は、各々独立に、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基、又は置換基を有していてもよい芳香族環基を表す。隣接するR 1 〜R 6 同士が結合して環を形成してもよい。
R 7 は、水素原子を表す。R 8 は、任意の置換基を表す。
R 101 及びR 102 は、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜6のアルケニル基、置換基を有していてもよい芳香族環基、又はフッ素原子を表す。R 101 とR 102 とが結合し、環を形成していてもよい。
また、上記式(III)中のベンゼン環は、更に任意の置換基を有していてもよい。) - 前記R 8 が、ハロゲン原子、又は置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基であることを特徴とする、請求項1に記載の着色組成物。
- (A)色材、(B)溶剤及び(C)バインダー樹脂を含有し、
該(A)色材として、下記式(IV)で表される化合物と、
銅フタロシアニン顔料及び/又はジオキサジン顔料を含有することを特徴とする、着色組成物。
R41〜R46は、各々独立に、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基、又は置換基を有していてもよい芳香族環基を示す。隣接するR41〜R46同士が結合して環を形成していてもよい。
R47及びR48は、各々独立に、水素原子、又は任意の置換基を表す。R47及びR48は、互いに結合して環を形成していてもよい。
又、上記式(IV)中のベンゼン環及びインドール環は更に任意の置換基を有していてもよい。) - 前記R 21 及びR 22 の少なくとも一つ、前記R 31 及びR 32 の少なくとも一つ、又は前記R 51 及びR 52 の少なくとも一つが、フッ素原子を含有する基であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の着色組成物。
- 銅フタロシアニン顔料及びジオキサジン顔料の総含有量が、前記式(III)、(IV)又は(V)で表される化合物の総含有量の5重量%以上、2000重量%以下であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の着色組成物。
- 銅フタロシアニン顔料を含み、該銅フタロシアニン顔料の80重量%以上が、C.I.ピグメントブルー15:6であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の着色組成物。
- ジオキサジン顔料を含み、該ジオキサジン顔料の80重量%以上が、C.I.ピグメントバイオレット23であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の着色組成物。
- 請求項1〜8のいずれか一項に記載の着色組成物を用いて形成された画素を有することを特徴とする、カラーフィルタ。
- 請求項9に記載のカラーフィルタを有することを特徴とする、液晶表示装置。
- 請求項9に記載のカラーフィルタを有することを特徴とする、有機EL表示装置。
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