JP5803632B2 - 着色樹脂組成物、カラーフィルタ、液晶表示装置及び有機el表示装置 - Google Patents
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Description
省エネルギー化という時代の流れを汲んで、カラーフィルタとしては更なる高輝度化及び高コントラスト化が求められている。
カラーフィルタには顔料を用いた着色樹脂組成物が主に使用されているが、高輝度及び高コントラストとするために、例えば、非特許文献1では顔料粒子の粒径をその呈色波長の1/2以下にまで微分散する方法が開示されている。
一方、着色剤として、染料の開発も行われている。
例えば、特許文献1では、トリアリールメタン誘導体を染料として用いることが開示されている。また、特許文献2及び3では、トリアリールメタン塩において、更にアニオンを特定構造することについて開示されている。
尚、本発明におけるITO耐性とは、下記のことを意味する。
ITO耐性とは、画素の上にITOを成膜した後でも、色特性を維持する性能を意味する。
れる場合には、ITO耐性ΔE*abは、ほぼITOによる色変化の程度に相当する。
上記を鑑み、本発明では、ITO耐性が良好であるカラーフィルタを得られる着色樹脂組成物を提供することを課題とする。
即ち、本発明は、(A)染料、(B)溶剤及び(C)バインダー樹脂を含有し、(A)染料が、下記式(I)で表される化合物(以下、「化合物(I)」と称する場合がある)を含有することを特徴とする着色樹脂組成物、カラーフィルタ、液晶表示装置及び有機EL表示装置に存する。
[An−]は、n価のアニオンを表す。
nは、1〜4の整数を表す。
R1及びR2は、各々独立に、原子数4以上の母体鎖である基を表す。
R3及びR4は、各々独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよい芳香族環基を示す。
R5及びR6は、互いに連結して環を形成していてもよく、該環は置換基を有していてもよい。
又、上記式(I)中のベンゼン環及びインドール環は更に任意の置換基を有していてもよい。
本発明はまた、前記着色樹脂組成物を用いて形成されるカラーフィルタ、並びに高品質の液晶表示装置及び有機EL表示装置を提供することが可能である。
なお、本発明において「(メタ)アクリル」、「(メタ)アクリレート」等は、「アクリル及び/又はメタクリル」、「アクリレート及び/又はメタクリレート」等を意味するものとし、例えば「(メタ)アクリル酸」は「アクリル酸及び/又はメタクリル酸」を意味するものとする。
更に、「芳香族環」とは、「芳香族炭化水素環」及び「芳香族複素環」の双方を意味するものとする。
又、「C.I.ピグメントグリーン」等の用語は、カラーインデックス(C.I.)を意味する。
まず、本発明における化合物(I)について詳説する。
[化合物(I)について]
[An−]は、n価のアニオンを表す。
nは、1〜4の整数を表す。
R1及びR2は、各々独立に、原子数4以上の母体鎖である基を表す。
R3及びR4は、各々独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよい芳香族環基を示す。
R5及びR6は、互いに連結して環を形成していてもよく、該環は置換基を有していてもよい。
又、上記式(I)中のベンゼン環及びインドール環は更に任意の置換基を有していてもよい。
[構造上の特徴]
R1及び/又はR2が、原子数4以上の母体鎖である基であると、窒素原子周辺の立体障害が大きくなる。これにより、着色樹脂組成物にて形成された塗布膜を焼成する際に、化合物(I)と周辺分子、例えば、バインダー樹脂や重合性モノマーなどとの反応が抑制される。その為、焼成によるスペクトル変化が抑えられる。以上から、本発明の着色樹脂
組成物を用いて形成された画素は、ITO耐性が向上する、と推測される。
R1及びR2は、各々独立に、原子数4以上の母体鎖である基を表す。
原子数4以上の母体鎖である基とは、少なくとも4つの原子が直鎖で繋がっていることを意味する。例えば、ブチル基を例とすると、n−ブチル基は原子数4以上の母体鎖である基であるが、sec−ブチル基やiso−ブチル基は原子数3の母体鎖である基であり、またtert−ブチル基は原子数2の母体鎖である基となる。
尚、母体鎖をカウントする原子として、水素原子は除く。
母体鎖を構成する原子は、周辺分子との反応性が低く、且つ合成が容易である点で、炭素原子、酸素原子及び窒素原子などが好ましい。
R1及びR2におけるアルキル基及びアルコキシ基が有していてもよい置換基としては、例えば、下記[置換基群W1]の項に記載のものが挙げられる。
炭素数1〜8のアルキル基、炭素数2〜8のアルケニル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数6〜15のアリール基、炭素数2〜9のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数7〜16のアリールカルボニルオキシ基、炭素数2〜9のアルコキシカルボニル基、炭素数7〜16のアリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、炭素数2〜9のアルキルカルバモイル基、炭素数7〜16のアリールカルバモイル基、スルファモイル基、炭素数1〜8のアルキルスルファモイル基、炭素数6〜15のアリールスルファモイル基、炭素数2〜9のアルキルカルボニル基、炭素数7〜16のアリールカルボニル基、炭素数1〜8のアルキルスルホニル基、炭素数1〜8のアルキルスルホニルアミノ基、炭素数6〜15のアリールスルホニルアミノ基、アミノ基、炭素数1〜8のアルキル基が結合してなるアルキルアミノ基、炭素数1〜4のアルキル基が結合してなるジアルキルアミノ基、炭素数6〜15のアリールアミノ基、炭素数6〜15のアリール基と炭素数1〜4のアルキルが結合してなるアリールアルキルアミノ基、炭素数6〜15のアリール基が結合してなるジアリールアミノ基、フェネチル基、ヒドロキシエチル基、炭素数1〜8のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数7〜16のアリールカルボニルアミノ基、炭素数1〜4のアルキル基が結合してなるジアルキルアミノエチル基、トリフルオロメチル基、炭素数1〜8のトリアルキルシリル基、炭素数1〜8のアルキルチオ基、炭素数6〜15のアリールチオ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシ基、スルホ基、フッ素原子及び塩素原子等のハロゲン原子。
芳香族炭化水素環基としては、単環であっても縮合環であってもよく、環を形成する炭素数が5〜18であれば特に制限はないが、例えば、1個の遊離原子価を有する、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、アセナフテン環、フルオランテン環、フルオレン環などの基が挙げられる。
ン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環、インドール環、カルバゾール環、ピロロイミダゾール環、ピロロピラゾール環、ピロロピロール環、チエノピロール環、チエノチオフェン環、フロピロール環、フロフラン環、チエノフラン環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、シノリン環、キノキサリン環、フェナントリジン環、ベンゾイミダゾール環、ペリミジン環、キナゾリン環、キナゾリノン環、アズレン環などの基が挙げられる。
中でも、R1及びR2におけるアルキル基及びアルコキシアルキル基が有していてもよい置換基として、好ましくは炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、フェニル基、トリル基、炭素数2〜9のアルキルカルボニルオキシ基、カルバモイル基、スルファモイル基、炭素数1〜8のアルキルスルファモイル基、トリフルオロメチル基、シアノ基及びフッ素原子である。
R3及びR4は、各々独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよい芳香族環基を示す。
R3及びR4におけるアルキル基としては、直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基であって、その炭素数が通常1以上、また、通常8以下、好ましくは5以下のものが挙げられる。具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、2−プロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
芳香族炭化水素環基としては、単環であっても縮合環であってもよく、環を形成する炭素数が5〜18であれば特に制限はないが、例えば、1個の遊離原子価を有する、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、アセナフテン環、フルオランテン環、フルオレン環などの基が挙げられる。
隣接するR3及びR4同士は連結して環を形成してもよく、更に該環は、置換基を有し
ていてもよい。
化合物(I)の耐熱性を向上し、得られるカラーフィルタの耐熱性が優れる点で、より好ましくは置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基又は置換基を有していてもよいフェニル基である。
また、R3及びR4が、置換基を有していてもよいフェニル基である場合、共役系が延長する為、カチオン内の電荷が分散して、カチオンが安定化する。このように、カチオンが安定化した結果、得られるカラーフィルタの耐熱性がより優れるものとなると考えることができる。
R3及びR4におけるアルキル基、芳香族環基及び互いに連結して形成される環が有していてもよい置換基としては、例えば、下記(置換基群W)のものが挙げられる。
フッ素原子、塩素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数2〜8のアルケニル基、炭素数1〜8のアルコキシル基、フェニル基、メシチル基、トリル基、ナフチル基、シアノ基、アセチルオキシ基、炭素数2〜9のアルキルカルボニルオキシ基、スルホン酸アミド基、炭素数2〜9のスルホンアルキルアミド基、炭素数2〜9のアルキルカルボニル基、フェネチル基、ヒドロキシエチル基、アセチルアミド基、炭素数1〜4のアルキル基が結合してなるジアルキルアミノエチル基、トリフルオロメチル基、炭素数1〜8のトリアルキルシリル基、ニトロ基、炭素数1〜8のアルキルチオ基。
R5及びR6は、水素原子、又は任意の置換基を表す。該任意の置換基としては、例えば、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基、置換基を有していてもよい芳香族環基などが挙げられる。
式(I)中のベンゼン環において、トリアリールメチン構造の中央に位置する炭素原子との結合に対し、o−位に嵩高い基が結合すると、分子の平面性が阻害され、化合物(I)の色純度が低下する場合がある。従って、o−位には置換基を有さないか、又はハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基で置換されていることが好ましい。
また、R5及びR6は、互いに連結して環を形成していてもよく、該環は置換基を有していてもよい。該置換基としては、例えば、前記(置換基群W)の項に記載のものが挙げられる。
R5及びR6の連結部分の構造として、例えば以下のものが挙げられる。これらの連結部分の構造は置換基を有していてもよい。
尚、R1b及びR2bは、(I)CAの分子平面性が高く、分子同士が会合しやすく耐熱性が高い点で水素原子またはメチル基であることが好ましい。
得られるカラーフィルタが紫色である場合に、高輝度である点から、R7及びR8同士は互いに連結して環を形成していない方が好ましい。
尚、式(I)中のベンゼン環及びインドール環は更に任意の置換基を有してもよい。式(I)中のベンゼン環及びインドール環が有してもよい置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数2〜8のアルケニル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数1〜10のアルキルアミノ基等が挙げられる。
nは、1〜4の整数を表す。
化合物(I)の有機溶剤に対する溶解性が良好である点で、nは1〜3であることが好ましい。
[An−について]
[An−]は、n価のアニオンを表す。
即ち、化合物(I)の中でも、下記式(II)で表される化合物(以下、「化合物(II)」と称する場合がある)であることが好ましい。
[化合物(II)について]
R11及びR12は、各々独立に、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜6のアルケニル基、又は置換基を有していてもよい炭素数3〜8のシクロアルキル基を表す。
尚、R11及びR12は、互いに連結して環を形成していてもよく、該環は置換基を有していてもよい。)
R11及びR12は、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜6のアルケニル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜8のシクロアルキル基を表す。
該置換基としては、前記(置換基群W)の項で記載したものが挙げられる。
これらの内、特に、R11及びR12におけるアルキル基、アルケニル基又はシクロアルキル基が有する置換基としては、アニオンの電荷がより非局在化して、色材の耐熱性が向上する点で、フッ素原子を置換基として有することが好ましい。
つまり、R11及びR12は、アニオンの電荷が分散されて、アニオンが安定化する点で、炭素数1〜8のパーフルオロアルキル基が好ましい。
n及びn’は、1〜8の整数であり、好ましくは1〜4の整数である。
n及びn’は、同じでもよく、また異なっていてもよい。
nとn’とが同じである場合のスルホニルイミドアニオンの具体例としては、ビス(トリフルオロメタンスルホン)イミド、ビス(ペンタフルオロブタンスルホン)イミド等が挙げられる。
上記の中でも、アニオンが最も安定化するとの理由から、n=n’=2である、ビス(ペンタフルオロエタンスルホン)イミドが特に好ましい。
環を形成している場合、R21及びR22が連結して形成される基は、特に炭素数2〜
12のフルオロアルキレン基であることが好ましい。
つまり、下記式(II)Aで表されるアニオンは、下記式(II−2)Aで表されるアニオンであることが好ましい。
n’’は、耐熱性が良好である点で、好ましくは2〜8であり、さらに好ましくは3である。
n’’の数が小さい分子ほど、立体反発の影響が小さくなり、より強い相互作用が可能となる。即ち、n’’が小さいほど、アニオンとカチオンの相互作用が大きくなり、対イオンが安定化して染料の耐熱性が向上するものと推測される。
尚、前記式(I)で表される化合物は、例えば、R1〜R6から、リンカーを伸ばして、2量体や3量体などを形成していてもよい。
本発明における化合物(I)の分子量は、通常800以上、好ましくは950以上、また通常5000以下である。
上記範囲内であると、溶剤に対する溶解性が良好で且つ製造が容易である点で好ましい。
前記式(I)で表される化合物は、例えば国際公開第2009/107734号公報に記載の方法に準じて合成することができる。
以下に、本発明における式(I)で表される化合物の好ましい具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[化合物(I)の具体例]
本発明の着色樹脂組成物は、化合物(I)を全固形分中、好ましくは、0.01重量%以上、より好ましくは0.1重量%以上、特に好ましくは1重量%以上、また好ましくは50重量%以下、より好ましくは40重量%以下、特に好ましくは30重量%以下の割合で含有する。
本発明の着色樹脂組成物中には、(A)染料として、化合物(I)の1種のみが含まれていてもよく、2種以上が含まれていてもよい。
尚、本発明の着色樹脂組成物において、化合物(I)の含有量は、全(A)染料の固形分中、30重量%以上であることが好ましい。
本発明の着色樹脂組成物に含有される(B)溶剤は、着色樹脂組成物に含まれる各成分を溶解または分散させ、粘度を調節する機能を有する。
該(B)溶剤としては、着色樹脂組成物を構成する各成分を溶解または分散させることができるものであればよく、沸点が100〜200℃の範囲のものを選択するのが好ましい。より好ましくは120〜170℃の沸点をもつものである。
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコール−モノt−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、メトキシメチルペンタノール、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、3−メチル−3−メトキシブタノール、トリプロピレングリコールモノメチルエーテルのようなグリコールモノアルキルエーテル類;
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、メトキシブチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、メトキシペンチルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテートのようなグリコールアルキルエーテルアセテート類;
アセトン、メチルエチルケトン、メチルアミルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソアミルケトン、ジイソプロピルケトン、ジイソブチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、エチルアミルケトン、メチルブチルケトン、メチルヘキシルケトン、メチルノニルケトンのようなケトン類;
エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリンのような1価または多価アルコール類;
n−ペンタン、n−オクタン、ジイソブチレン、n−ヘキサン、ヘキセン、イソプレン、ジペンテン、ドデカンのような脂肪族炭化水素類;
シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、メチルシクロヘキセン、ビシクロヘキシルのような脂環式炭化水素類;
アミルホルメート、エチルホルメート、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、酢酸アミル、メチルイソブチレート、エチレングリコールアセテート、エチルプロピオネート、プロピルプロピオネート、酪酸ブチル、酪酸イソブチル、イソ酪酸メチル、エチルカプリレート、ブチルステアレート、エチルベンゾエート、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸プロピル、3−メトキシプロピオン酸ブチル、γ−ブチロラクトンのような鎖状または環状エステル類;
3−メトキシプロピオン酸、3−エトキシプロピオン酸のようなアルコキシカルボン酸類;
メトキシメチルペンタノンのようなエーテルケトン類;
アセトニトリル、ベンゾニトリルのようなニトリル類:
上記に該当する市販の溶剤としては、ミネラルスピリット、バルソル#2、アプコ#18ソルベント、アプコシンナー、ソーカルソルベントNo.1及びNo.2、ソルベッソ#150、シェルTS28 ソルベント、カルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、エチルセロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテート、ジグライム(いずれも商品名)などが挙げられる。
上記溶剤中、本発明における(A)染料の溶解性の点から、グリコールモノアルキルエーテル類が好ましい。中でも、特に着色樹脂組成物中の各種構成成分の溶解性の点からプロピレングリコールモノメチルエーテルが特に好ましい。
なお、沸点150℃以上の溶剤は、グリコールアルキルエーテルアセテート類であっても、またグリコールアルキルエーテル類であってもよく、この場合は、沸点150℃以上の溶剤を別途含有させなくてもかまわない。
(C)バインダー樹脂は、着色樹脂組成物の硬化手段により好ましいものが異なる。
本発明の着色樹脂組成物が光重合性樹脂組成物である場合、(C)バインダー樹脂としては、例えば特開平7−207211号公報、特開平8−259876号公報、特開平10−300922号公報、特開平11−140144号公報、特開平11−174224号公報、特開2000−56118号公報、特開2003−233179号公報などの各公報等に記載される高分子化合物を使用することができるが、中でも好ましくは下記(C−1)〜(C−5)の樹脂などが挙げられる。
(C−2):カルボキシル基含有直鎖状アルカリ可溶性樹脂(C−2)(以下、「樹脂(C−2)」と称す場合がある。)
(C−3):前記樹脂(C−2)のカルボキシル基部分に、エポキシ基含有不飽和化合物を付加させた樹脂(以下「樹脂(C−3)」と称す場合がある。)
(C−4):(メタ)アクリル系樹脂(以下、「樹脂(C−4)」と称す場合がある。)
(C−5):カルボキシル基を有するエポキシアクリレート樹脂(以下「樹脂(C−5)と称す場合がある。)
このうち特に好ましくは樹脂(C−1)が挙げられ、以下該樹脂について説明する。
(C−1):エポキシ基含有(メタ)アクリレートと、他のラジカル重合性単量体との共重合体に対し、該共重合体が有するエポキシ基の少なくとも一部に不飽和一塩基酸を付加させてなる樹脂、或いは該付加反応により生じた水酸基の少なくとも一部に多塩基酸無水物を付加させて得られるアルカリ可溶性樹脂
樹脂(C−1)の特に好ましい樹脂の一つとして、エポキシ基含有(メタ)アクリレート5〜90モル%と、他のラジカル重合性単量体10〜95モル%との共重合体に対し、該共重合体が有するエポキシ基の10〜100モル%に不飽和一塩基酸を付加させてなる樹脂、或いは該付加反応により生じた水酸基の10〜100モル%に多塩基酸無水物を付加させて得られるアルカリ可溶性樹脂が挙げられる。
R96とR98が連結して形成される環は、脂肪族環であるのが好ましく、飽和又は不飽和のいずれでもよく、更に炭素数は5〜6であることが好ましい。
中でも、式(8)で表される構造中、特に下記構造式(8a)、(8b)、又は(8c)で表されるものが好ましい。
前記式(8)で表される構造を有するモノ(メタ)アクリレート以外の、「他のラジカル重合性単量体」としては、着色樹脂組成物に優れた耐熱性及び強度を向上しうる点で、スチレン、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸−tert−ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボロニル、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、が挙げられる。
尚、前記エポキシ基含有(メタ)アクリレートと、前記他のラジカル重合性単量体との共重合反応には、公知の溶液重合法が適用される。
本発明において、前記エポキシ基含有(メタ)アクリレートと前記他のラジカル重合性単量体との共重合体としては、エポキシ基含有(メタ)アクリレートに由来する繰返し単位5〜90モル%と、他のラジカル重合性単量体に由来する繰返し単位10〜95モル%と、からなるものが好ましく、前者20〜80モル%と、後者80〜20モル%とからなるものが更に好ましく、前者30〜70モル%と、後者70〜30モル%とからなるものが特に好ましい。
上記の様に合成された、エポキシ基含有共重合体のエポキシ基部分に、不飽和一塩基酸(重合性成分)と、更に多塩基酸無水物(アルカリ可溶性成分)とを反応させる。
ここで、エポキシ基に付加させる不飽和一塩基酸としては、公知のものを使用することができ、例えば、エチレン性不飽和二重結合を有する不飽和カルボン酸が挙げられる。
どで置換された(メタ)アクリル酸等のモノカルボン酸等が挙げられる。中でも好ましくは(メタ)アクリル酸である。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの不飽和一塩基酸は、通常、前記共重合体が有するエポキシ基の10〜100モル%に付加させるが、好ましくは30〜100モル%、より好ましくは50〜100モル%に付加させる。前記範囲内であると、着色樹脂組成物の経時安定性に優れるため好ましい。尚、共重合体のエポキシ基に不飽和一塩基酸を付加させる方法としては、公知の方法を採用することができる。
例えば、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水クロレンド酸等の二塩基酸無水物;無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、ビフェニルテトラカルボン酸無水物等の三塩基以上の酸の無水物が挙げられる。中でも、無水コハク酸及びテトラヒドロ無水フタル酸が好ましい。これらの多塩基酸無水物は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの多塩基酸無水物は、通常、前記共重合体が有するエポキシ基に、不飽和一塩基酸を付加させることにより生じる水酸基の10〜100モル%に付加させるが、好ましくは20〜90モル%、より好ましくは30〜80モル%に付加させる。
尚、当該水酸基に多塩基酸無水物を付加させる方法としては、公知の方法を採用することができる。
更に、光感度を向上させるために、前述の多塩基酸無水物を付加させた後、生成したカルボキシル基の一部にグリシジル(メタ)アクリレートや重合性不飽和基を有するグリシジルエーテル化合物を付加させてもよい。このような樹脂の構造に関しては、例えば特開平8−297366号公報や特開2001−89533号公報に記載されている。
また、分子量分布の目安として、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)の比は、2.0〜5.0が好ましい。
着色樹脂組成物における(C)バインダー樹脂の含有量は、全固形分中、通常0.1〜80重量%、好ましくは1〜60重量%である。
上記範囲内であると、基板への密着性が良好であり、また露光部への現像液の浸透性が適度で、画素の表面平滑性や感度が良好である点で好ましい。
本発明の着色樹脂組成物は、(D)重合性モノマーを含有することが好ましい。
(D)重合性モノマーは、重合可能な低分子化合物であれば特に制限はないが、エチレン性二重結合を少なくとも1つ有する付加重合可能な化合物(以下、「エチレン性化合物」と言う場合がある。)が好ましい。
(D)重合性モノマーにおけるエチレン性化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸;モノヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステル;脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステル;芳香族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステル;不飽和カルボン酸と多価カルボン酸及び前述の脂肪族ポリヒドロキシ化合物、芳香族ポリヒドロキシ化合物等の多価ヒドロキシ化合物とのエステル化反応により得られるエステル;ポリイソシアネート化合物と(メタ)アクリロイル基含有ヒドロキシ化合物とを反応させたウレタン骨格を有するエチレン性化合物;等が挙げられる。
不飽和カルボン酸と多価カルボン酸及び多価ヒドロキシ化合物とのエステル化反応により得られるエステルは、単一物であってもよく、混合物であってもよい。代表例としては、(メタ)アクリル酸、フタル酸、及びエチレングリコールの縮合物;(メタ)アクリル酸、マレイン酸、及びジエチレングリコールの縮合物;(メタ)アクリル酸、テレフタル酸、及びペンタエリスリトールの縮合物;(メタ)アクリル酸、アジピン酸、ブタンジオール、及びグリセリンの縮合物等が挙げられる。
これらの中では脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステルが好ましく、ペンタエリスリトール又はジペンタエリスリトールの(メタ)アクリル酸エステルがより好ましく、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが特に好ましい。
また、必要に応じて(D)重合性モノマーとして酸基を有しない多官能モノマーと酸基を有する多官能モノマーを併用してもよい。
酸基を有する多官能モノマーの好ましい酸価としては、0.1〜40mg−KOH/gであり、特に好ましくは5〜30mg−KOH/gである。
本発明において、より好ましい酸基を有する多官能モノマーは、例えば、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートのコハク酸エステルを主成分とする混合物である。この多官能モノマーと他の多官能モノマーを組み合わせて使用することもできる。
また、(D)重合性モノマーの前記(A)染料に対する比率は、重量比で、通常1重量%以上、好ましくは5重量%以上、更に好ましくは10重量%以上、特に好ましくは20重量%以上であり、また、通常200重量%以下、好ましくは100重量%以下、更に好ましくは80重量%以下である。
上記範囲内であると、光硬化が適度であり、現像時の密着不良が置き難く、また現像後の断面が逆テーパー形状になり難く、更に溶解性低下による剥離現象・抜け不良が置き難いため好ましい。
本発明の着色樹脂組成物は、塗膜を硬化させる目的で、(E)光重合開始成分及び/又は熱重合開始成分を含むことが好ましい。ただし、硬化の方法はこれらの開始剤によるもの以外でもよい。
特に、本発明の着色樹脂組成物が、(C)成分としてエチレン性二重結合を有する樹脂を含む場合や、(D)成分としてエチレン性化合物を含む場合には、光を直接吸収し、又は光増感されて分解反応又は水素引き抜き反応を起こし、重合活性ラジカルを発生する機能を有する光重合開始成分及び/又は熱によって重合活性ラジカルを発生する熱重合開始
成分を含有することが好ましい。なお、本発明において光重合開始成分としての(E)成分とは、光重合開始剤(以下、任意に「(E1)成分」とも称する)に重合加速剤(以下、任意に「(E2)成分」とも称する)、増感色素(以下、任意に「(E3)成分」とも称する)などの付加剤が併用されている混合物を意味する。
本発明における(E)光重合開始成分は、通常、(E1)光重合開始剤、及び必要に応じて添加される(E2)重合加速剤及び(E3)増感色素等の付加剤との混合物として用いられ、光を直接吸収し、或いは光増感されて分解反応又は水素引き抜き反応を起こし、重合活性ラジカルを発生する機能を有する成分である。
これら光重合開始剤の中では、α−アミノアルキルフェノン誘導体類、オキシムエステル系誘導体類、ビイミダゾール誘導体類、アセトフェノン誘導体類、及びチオキサントン誘導体類がより好ましい。
R102は、炭素数2〜20のアルカノイル基、炭素数3〜25のアルケノイル基、炭素数4〜8のシクロアルカノイル基、炭素数7〜20のアリーロイル基、炭素数2〜10のアルコキシカルボニル基、炭素数7〜20のアリールオキシカルボニル基、炭素数2〜20のヘテロアリール基、炭素数3〜20のヘテロアリーロイル基または炭素数2〜20のアルキルアミノカルボニル基を示し、これらはいずれも置換基を有していてもよい。
素環基及び/または芳香族複素基を示す。
Zは、置換基を有していてもよい芳香族環基を示す。)
なお、前記式(XI)で表される化合物の中でも、Xが置換基を有していてもよいカルバゾール環である化合物が好ましく、具体的には下記式(XII)で表される化合物などが挙げられ、中でも下記式(XIII)で表される化合物が特に好ましい。
〜R109は各々独立に水素原子または任意の置換基を示す。)
*は、結合部位を表す。)
R102aは、炭素数2〜4のアルカノイル基を示し、Xaは、窒素原子が1〜4のア
ルキル基で置換されていてもよい3,6−カルバゾリル基を示す。Zaは、アルキル基で
置換されていてもよいフェニル基またはモルホリノ基で置換されていてもよいナフチル基を示す。)
その他に、ベンゾインアルキルエーテル類、アントラキノン誘導体類;2−メチル−(4’−メチルチオフェニル)−2−モルホリノ−1−プロパノン等のアセトフェノン誘導体類、2−エチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン誘導体類、安息香酸エステル誘導体類、アクリジン誘導体類、フェナジン誘導体類、アンスロン誘導体類等も挙げられる。
必要に応じて用いられる(E2)重合加速剤としては、例えば、N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル等のN,N−ジアルキルアミノ安息香酸アルキルエステル類;2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール等の複素環を有するメルカプト化合物;脂肪族多官能メルカプト化合物等のメルカプト化合物類等が挙げられる。
また、必要に応じて感応感度を高める目的で、(E3)増感色素が用いられる。増感色素は、画像露光光源の波長に応じて、適切なものが用いられるが、例えば特開平4−221958号、特開平4−219756号各公報等に記載のキサンテン系色素;特開平3−239703号、特開平5−289335号各公報等に記載の複素環を有するクマリン系色素;特開平3−239703号、特開平5−289335号各公報等に記載の3−ケトクマリン系色素;特開平6−19240号公報等に記載のピロメテン系色素;特開昭47−2528号、特開昭54−155292号、特公昭45−37377号、特開昭48−84183号、特開昭52−112681号、特開昭58−15503号、特開昭60−88005号、特開昭59−56403号、特開平2−69号、特開昭57−168088号、特開平5−107761号、特開平5−210240号、特開平4−288818号各公報等に記載のジアルキルアミノベンゼン骨格を有する色素等が挙げられる。
本発明の着色樹脂組成物において、これらの(E)光重合開始成分の含有量は、全固形分中、通常0.1重量%以上、好ましくは0.2重量%以上、更に好ましくは0.5重量%以上、また、通常40重量%以下、好ましくは30重量%以下、更に好ましくは20重量%以下の範囲である。
((E)熱重合開始成分)
本発明の着色樹脂組成物に含有されていてもよい(E)熱重合開始成分の具体例としては、アゾ系化合物、有機過酸化物及び過酸化水素等が挙げられる。これらのうち、アゾ系化合物が好適に用いられる。より具体的には、例えば国際公開第2009/107734号等に記載の熱重合開始成分を用いることができる。
[その他の任意成分]
本発明の着色樹脂組成物は、前記各成分の外に、界面活性剤、有機カルボン酸及び/又は有機カルボン酸無水物、熱硬化性化合物、可塑剤、熱重合防止剤、保存安定剤、表面保護剤、密着向上剤、現像改良剤等を含有していてもよい。また、後述の(F)顔料を含有する場合には、分散剤や分散助剤を含有してもよい。これら任意成分としては、例えば特開2007−113000号公報記載の各種化合物を使用することができる。
本発明の着色樹脂組成物は、得られるカラーフィルタの耐熱性の向上等の目的で、本発明の効果を損わない範囲で、(F)顔料を含有していてもよい。
(F)顔料としては、例えばカラーフィルタの画素等を形成する場合には、青色、紫色等各種の色の顔料を使用することができる。また、その化学構造としては、例えばフタロシアニン系、キナクリドン系、ベンツイミダゾロン系、ジオキサジン系、インダンスレン系、ペリレン系等の有機顔料が挙げられる。この他に種々の無機顔料等も利用可能である。以下、使用できる顔料の具体例をピグメントナンバーで示す。
この為、本発明の着色樹脂組成物が、青色顔料を含む場合、青色顔料の全含有量に対して、80重量%以上、特に90重量%以上、とりわけ95〜100重量%が、C.I.Pigment Blue15:6であることが好ましい。
これらの中でも、紫色のジオキサジン顔料が好ましく、該ジオキサジン顔料として、C.I.ピグメントバイオレット19、23などが好ましく挙げられ、更に好ましくはC.I.ピグメントバイオレット23である。
これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で混合して用いてもよい。
特に、青色の銅フタロシアニン顔料についても同様に、好ましくは平均一次粒径が40nm以下であり、より好ましくは35nm以下、更に好ましくは20〜30nmである。
なお、ここで、(F)顔料の平均一次粒径は以下の方法により測定・算出された値である。
に滴下して、乾燥させ、透過電子顕微鏡(TEM)観察により、顔料の一次粒子像を得る。この像から、個々の顔料粒子の粒径を、同じ面積となる円の直径に換算した面積円相当径として、複数個(通常200〜300個程度)の顔料粒子についてそれぞれ粒径を求める。
個々の顔料粒子の粒径:X1、X2、X3、X4、・・・・、Xi、・・・・・・Xm
本発明において、(F)顔料を含む場合、着色樹脂組成物における顔料の含有量は、全固形分中、通常80重量%以下、好ましくは50重量%以下である。
また、前記(A)染料100重量部に対する含有量は、通常2000重量部以下、好ましくは1000重量部以下である。
上記範囲内とすることで、化合物(I)による透過率に大きな影響をすることなく、得られる画素の耐熱性がより良好になり易い点で好ましい。
本発明の着色樹脂組成物が、(F)顔料を含む場合、更に分散剤を含有することが好ましい。
本発明における分散剤は、顔料が分散し、安定を保つことができれば特に種類を問わない。
係るアクリル系ブロック共重合体を構成するBブロックは、4級アンモニウム塩基、及び/又はアミノ基を有する単位構造を有し、顔料吸着機能を持つ部位である。
このようなブロック共重合体としては、例えば、特開2009−025813号公報に記載のものが挙げられる。
げられる。
本発明の着色樹脂組成物が、(F)顔料を含有する場合、分散剤の全固形分中の含有量は、(F)顔料の総含有量の2〜1000重量%、特に5〜500重量%、とりわけ10〜250重量%の範囲内となるように用いることが好ましい。
上記範囲内とすることで、化合物(I)の耐熱性に影響を及ぼすことなく、良好な顔料分散性を確保することができ、また顔料の分散安定性がより良好となる点で好ましい。
本発明の着色樹脂組成物には、分散助剤を含有していてもよい。ここでいう分散助剤は、顔料誘導体であってもよく、顔料誘導体としては、例えば特開2001−220520号公報、特開2001−271004号公報、特開2002−179976号公報、特開2007−113000号公報、及び特開2007−186681号公報等に記載の各種化合物等を使用することができる。
本発明の着色樹脂組成物には、前記(C)バインダー樹脂もしくはその他のバインダー樹脂から選ばれた樹脂の一部又は全部を下記の分散樹脂として含有していてもよい。
具体的には、後述する[着色樹脂組成物の調製方法]において、前述の分散剤等の成分とともに、(C)バインダー樹脂を含有させることにより、該(C)バインダー樹脂が、分散剤との相乗効果で(F)顔料の分散安定性に寄与する。結果として分散剤の添加量を減らせる可能性があるため好ましい。又、現像性が向上し、基板の非画素部に未溶解物が残存せず、画素の基板への密着性が向上する、といった効果も奏するため好ましい。
このように、分散処理工程に使用される(C)バインダー樹脂を、分散樹脂と称することがある。分散樹脂は、着色樹脂組成物中の顔料全量に対して0〜200重量%程度使用することが好ましく、10〜100重量%程度使用することがより好ましい。
本発明において、着色樹脂組成物は、適宜の方法により調製することができるが、例えば、化合物(I)を含む(A)染料及び(C)バインダー樹脂を、(B)溶剤及び必要に応じて用いられる任意成分と共に混合することで調製できる。
また、(F)顔料を含む場合の調製方法としては、(F)顔料を含む溶剤中、分散剤及び必要に応じて添加する分散助剤の存在下で、場合により(C)バインダー樹脂の一部と共に、例えば、ペイントシェイカー、サンドグラインダー、ボールミル、ロールミル、ストーンミル、ジェットミル、ホモジナイザー等を用いて、粉砕しつつ混合・分散して顔料分散液を調製する。該顔料分散液に、化合物(I)を含む(A)染料、(C)バインダー樹脂、必要に応じて、(D)重合性モノマー、(E)光重合開始成分及び/又は熱重合開始成分、などを添加し、混合することにより調製する方法を挙げることができる。
本発明の着色樹脂組成物は、通常、すべての構成成分が溶剤中に溶解或いは分散された状態である。このような着色樹脂組成物が基板上へ供給され、カラーフィルタや液晶表示装置、有機EL表示装置などの構成部材が形成される。
以下、本発明の着色樹脂組成物の応用例として、カラーフィルタの画素としての応用、及びそれらを用いた液晶表示装置(パネル)及び有機EL表示装置について、説明する。
本発明のカラーフィルタは、本発明の着色樹脂組成物から形成された画素を有するものである。
以下に、本発明のカラーフィルタを形成する方法について説明する。
カラーフィルタの画素は、様々な方法で形成することができる。ここでは光重合性の着色樹脂組成物を使用してフォトリソグラフィー法にて形成する場合を例に説明するが、製造方法はこれに限定されるものではない。
また、これらの基板には、所望により、シランカップリング剤やウレタン系樹脂などによる薄膜形成処理、コロナ放電処理やオゾン処理などの表面処理等、適宜前処理を施してもよい。
塗布膜の厚さは、乾燥後の膜厚として、通常、0.2〜20μm、好ましくは0.5〜10μm、特に好ましくは0.8〜5.0μmである。
露光の際に使用される放射線としては、例えば、可視光線、紫外線、遠紫外線、電子線、X線等を使用することができるが、波長が190〜450nmの範囲にある放射線が好ましい。
また、前記アルカリ現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、メタ珪酸ナトリウム、燐酸ナトリウム、燐酸カリウム、燐酸水素ナトリウム、燐酸水素カリウム、燐酸二水素ナトリウム、燐酸二水素カリウム、水酸化アンモニウム等の無機アルカリ性化合物;モノ−・ジ−・又はトリ−エタノール
アミン、モノ−・ジ−・又はトリ−メチルアミン、モノ−・ジ−・又はトリ−エチルアミン、モノ−・又はジ−イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノ−・ジ−・又はトリ−イソプロパノールアミン、エチレンイミン、エチレンジイミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、コリン等の有機アルカリ性化合物等の水溶液が好ましい。
現像処理法としては、浸漬現像法、スプレー現像法、ブラシ現像法、超音波現像法等の何れかの方法によることができる。現像条件は、室温(23℃)で5〜300秒が好ましい。
現像方法は、浸漬現像法、スプレー現像法、ブラシ現像法、超音波現像法等の何れかの方法によることができる。
本発明の液晶表示装置は、上述の本発明のカラーフィルタを用いたものである。本発明の液晶表示装置の型式や構造については特に制限はなく、本発明のカラーフィルタを用いて常法に従って組み立てることができる。
例えば、「液晶デバイスハンドブック」(日刊工業新聞社、1989年9月29日発行、日本学術振興会第142委員会著)に記載の方法で、本発明の液晶表示装置を形成することができる。
本発明のカラーフィルタを有する有機EL表示装置を作成する場合、例えば図1に示すように、透明支持基板10上に、本発明の着色樹脂組成物により画素20が形成された青色カラーフィルタ上に有機保護層30及び無機酸化膜40を介して有機発光体500を積層することによって多色の有機EL素子を作製する。
(カチオンの合成例)
「DMF」と称する)(20ml)に溶解し、氷浴で冷却下で内部温度を10℃以下に保ちつつ、t−ブトキシカリウム(6.88g、61.3mmol)を添加し、さらに内部温度を10℃以下に保ちつつ、化合物A(東京化成工業社製、3.34g、15.3mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(20 ml)溶液を滴下した。75℃で6時間
攪拌した後、トルエンで希釈し、水を加え、有機層を分離し、水で洗浄した後、減圧濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=10/1〜5/1)で精製した後、得られた固体をヘキサン及びメタノール/水で順次洗浄して、化合物C1(1.94g)を得た。
体として目的物(41.7g)を得た。
.7mmol、2.33g)を15分かけてゆっくり滴下した。滴下終了後、10℃にて5分間攪拌した後に、系を室温へと戻し、さらに50℃に昇温して、9時間加熱攪拌した。室温まで放冷後、トルエン(100mL)、蒸留水(100mL)を加え抽出を行い、有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムによって乾燥後、溶媒を減圧留去することで、粗生成物(14.5g)を得た。精製はカラムクロマトグラフィー(中性シリカ、ヘキサン:酢酸エチル=5:1〜3:1)にて行い、淡黄
色固体として目的物(2.25g)を得た。
して目的物(16.4g)を得た。
溶液を滴下した。そのまま2時間攪拌した後、さらに50℃で2.5時間撹拌した。トルエンで希釈し、水を加えて有機層を分離し、飽和食塩水で洗浄した後、減圧濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(1回目:ヘキサン/酢酸エチル=9/1、2回目:ヘキサン/酢酸エチル=20/1)で精製し、化合物C3(2.32g)を得た。
ml)に溶解し、氷浴で冷却して、t−ブトキシカリウム(115g)を少しずつ添加した。さらに化合物A(東京化成工業社製、37g)のN,N−ジメチルホルムアミド(180ml)溶液を氷浴で冷却下に30分かけて滴下した後、50℃で3時間攪拌した。水及びトルエンを加え、有機層を分離し、有機層を水で洗った。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル 15/1〜10/1)で精製し、化合物C0(63.6g)を薄黄色固体として得た。
(合成例1:染料1の合成)
れた固体を水/メタノール=2/1で洗浄して、染料1(0.54g)を褐色固体として
得た。
(合成例2:染料2の合成)
(合成例3:染料3の合成)
れた固体を水/メタノール=2/1で洗浄して、染料2(0.54g)を褐色固体として得た。
(参考合成例1:比較染料の合成)
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート145重量部を窒素置換しながら攪拌し、120℃に昇温した。ここにスチレン5.2重量部、グリシジルメタクリレート132重量部及びトリシクロデカン骨格を有するモノアクリレートFA−513M(日立化成社製)4.4重量部を滴下し、及び2.2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル8.47重量部を3時間かけて滴下し、更に90℃で2時間攪拌し続けた。次に反応容器内を空気置換に変え、アクリル酸67.0重量部にトリスジメチルアミノメチルフェノール1.1重量部及びハイドロキノン0.19重量部を投入し、100℃で12時間反応を続けた。その後、テトラヒドロ無水フタル酸(THPA)15.2重量部、トリエチルアミン0.2重量部を加え、100℃3.5時間反応させた。こうして得られた樹脂AのGPCにより測定した重量平均分子量Mwは約9000 酸価25mg−KOH/gであった。
「NC3000H」(エポキシ当量288、軟化点69℃)(日本化薬社製)400重量部、アクリル酸102重量部、p−メトキシフェノール0.3重量部、トリフェニルホスフィン5重量部、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート264重量部を反応容器に仕込み、95℃で酸価が3mg−KOH/g以下になるまで撹拌した。酸価が目標に達するまで9時間を要した(酸価2.2mg−KOH/g)。次いで、更にテトラヒドロ無水フタル酸151重量部を添加し、95℃で4時間反応させ、酸価102mg−KOH/g、GPCで測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)3900の樹脂Bを得た。
前記合成例1〜3で得られた染料1〜3、参考合成例1で得られた比較染料、並びに参考合成例2及び3で得られた樹脂A及びBを下記表1に記載された組成となるように他の成分を混合して、着色樹脂組成物を調製した。
尚、表1の数値は、いずれも添加する各成分の重量部を表す。
実施例1〜3で用いた着色樹脂組成物には、染料1〜3を用い、比較例1で用いた着色樹脂組成物には比較染料を用いた。
又、表1及び2中の各化合物は、各々以下の通りである。
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
PGME:プロピレングリコールモノメチルエーテル
5cm角に切断したガラス基板上に、上記[着色樹脂組成物の調製]にて調製した各着色樹脂組成物をスピンコート法により乾燥後のy値が0.120となるように塗布し、減圧乾燥させた後、ホットプレート上にて80℃で3分間プリベークした。その後、60mJ/cm2の露光量にて全面露光し後に,クリーンオーブンにて230℃で30分間焼成した。分光光度計U−3310(日立製作所製)にて分光透過率を測定した(透過スペクトル1)。
表2に纏めた。
これより、本発明の着色樹脂組成物を用いて形成された画素を有するカラーフィルタ、並びに該カラーフィルタを有する液晶表示装置及び有機EL表示装置は高品質である。
20 画素
30 有機保護層
40 無機酸化膜
500 有機発光体
51 正孔注入層
54 電子注入層
Claims (10)
- (A)染料、(B)溶剤及び(C)バインダー樹脂を含有し、
(A)染料が、下記式(I)で表される化合物を含有することを特徴とする、着色樹脂組成物。
[An−]は、n価のアニオンを表す。
nは、1〜4の整数を表す。
R1及びR2は、各々独立に、原子数4以上の母体鎖である基を表す。
R3及びR4は、各々独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよい芳香族環基を示す。
R5及びR6は、各々独立に、水素原子、又は任意の置換基を表す。
R5及びR6は、互いに連結して環を形成していてもよく、該環は置換基を有していてもよい。
又、上記式(I)中のベンゼン環及びインドール環は更に任意の置換基を有していてもよい。
尚、1分子中に複数の下記式(I)CAで表されるカチオン
- 前記R1及びR2が、各々独立に、置換基を有していてもよい炭素数4〜12のアルキル基又は置換基を有していてもよい炭素数3〜11アルコキシアルキル基であることを特徴とする、請求項1に記載の着色樹脂組成物。
- 前記n価のアニオンが、n価のジスルホニルイミドアニオンであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の着色樹脂組成物。
- 前記R11及びR12の少なくとも一つが、フッ素原子を含有する基である、請求項4に記載の着色樹脂組成物。
- 更に、(D)重合性モノマーを含有することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の着色樹脂組成物。
- 更に、(E)光重合開始成分及び/又は熱重合開始成分を含有することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の着色樹脂組成物。
- 請求項1〜7のいずれか一項に記載の着色樹脂組成物を用いて形成された画素を有することを特徴とする、カラーフィルタ。
- 請求項8に記載のカラーフィルタを有することを特徴とする、液晶表示装置。
- 請求項8に記載のカラーフィルタを有することを特徴とする、有機EL表示装置。
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