JP2015113421A - 着色樹脂組成物、カラーフィルタ、液晶表示装置および有機el表示装置 - Google Patents

着色樹脂組成物、カラーフィルタ、液晶表示装置および有機el表示装置 Download PDF

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Yohei Kosaka
洋平 小坂
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政昭 西村
Masaaki Nishimura
政昭 西村
市野澤 晶子
Akiko Ichinosawa
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Abstract

【課題】色純度および輝度が高く、耐熱性および耐光性を満足する着色樹脂組成物、並びに、前記組成物を用いたカラーフィルタ、液晶表示装置及び有機EL表示装置の提供。
【解決手段】着色樹脂組成物は、(A)色材、(B)溶剤及び(C)バインダー樹脂を含有し、(A)色材が式(I)で表されるトリアリールメタン系化合物を含有する。亦、色材が顔料として、金属フタロシアニンを含む着色樹脂組成物。
Figure 2015113421

(An−はアニオンであり、イミドアニオンである)
【選択図】図1

Description

本発明は、着色樹脂組成物、カラーフィルタ、液晶表示装置および有機EL表示装置に存する。
液晶表示装置および有機EL(Electroluminescence)表示装置を始めとするフラットパネルディスプレイは、幅広く使用されており、これらのディスプレイにはカラーフィルタが使用されている。
省エネルギー化という時代の流れを汲んで、カラーフィルタとしては更なる高輝度化および高コントラスト化が求められている。
カラーフィルタ形成用材料は、顔料を用いた着色樹脂組成物が主に使用されているが、高輝度および高コントラストとするために、例えば、非特許文献1では顔料粒子の粒径をその呈色波長の1/2以下にまで微分散する方法が開示されている。
一方、カラーフィルタ用着色樹脂組成物に用いられる色材として、染料の開発も行われている。
例えば、特許文献1では、トリアリールメタン誘導体を染料として用いることが開示されている。また、特許文献2、3および4では、トリアリールメタン塩において、更にアニオンを特定構造にしたトリアリールメタン化合物を用いることが開示されている。
特開2008−304766号公報 国際公開第2011/152379号パンフレット 特開2012−83652号公報 特開2013−079370号公報
橋爪清、「色材協会誌」、1967年12月、p608
しかしながら、非特許文献1に開示される方法は、特に青色顔料は他の赤色、緑色顔料に比較して呈色波長が短いため、さらなる微分散を必要とし、コストアップ並びに分散後の安定性が問題となる。
また、本発明者らの検討によると、特許文献1に記載されているカチオン構造を有するトリアリールメタン系化合物を用いた場合には、輝度(透過率)は顔料を色材とした従来の材料に比べて向上するものの、カラーディスプレイ製造工程で要求される230℃での焼成における耐熱性が不十分であることが見出された。
一方、特許文献2〜4に記載のカチオン構造を有するトリアリールメタン系化合物を用いた場合でも、カラーディスプレイ製造工程で要求される230℃での焼成における耐熱性と、カラーディスプレイの長期信頼性で要求される耐光性の両特性を満足することが困難であることが見出された。
そこで本発明は、色純度および輝度が高く、カラーディスプレイ製造工程で要求される耐熱性およびカラーディスプレイの長期信頼性で要求される耐光性を満足する着色組成物
を提供することを課題とする。さらに、色純度および輝度が高く、耐熱性および耐光性を満足するカラーフィルタ、並びに液晶表示装置および有機EL表示装置を提供することを課題とする。
本発明者らが鋭意検討を行った結果、特定の構造を有する新規なトリアリールメタン系化合物を用いることで、上記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は以下を要旨とする。
[1](A)色材、(B)溶剤および(C)バインダー樹脂を含有し、
(A)色材が、下記式(I)で表されるトリアリールメタン系化合物を含有することを特徴とする、着色樹脂組成物。
Figure 2015113421
(上記式(I)中、
[An−]は、n価のアニオンを表す。
〜Rは、各々独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、または置換基を有していてもよい芳香族環基を示す。
ただし、RおよびRのうち少なくとも1つは置換基を有していてもよい、第二級炭素を有するアルキル基である。
とR、RとR、およびRとRからなる群から選ばれる少なくとも1つの組み合わせは、互いに連結して環を形成していてもよく、該環は置換基を有していてもよい。
およびRのうちいずれか一方は置換基を有していてもよいアルキル基またはハロゲン原子であり、他方は水素原子である。
又、上記式(I)中のベンゼン環およびナフタレン環は更に任意の置換基を有していてもよい。
nは、1〜4の整数を表し、nが2〜4の場合、1分子中に含まれる複数の下記式(I)CAで表されるカチオンは、各々独立に、同じ構造であっても、異なる構造であってもよい。)
Figure 2015113421
[2]前記アニオンが、イミドアニオンであることを特徴とする、[1]に記載の着色樹脂組成物。
[3]前記アニオンが、下記式(II)で表されることを特徴とする、[1]または[2]に記載の着色樹脂組成物。
Figure 2015113421
(上記式(II)中、R11およびR12は、各々独立に、置換基を有していてもよいアルキル基、または置換基を有していてもよいアルケニル基を表す。
尚、R11およびR12は、互いに連結して環を形成していてもよく、該環は置換基を有していてもよい。)
[4]前記R11およびR12の少なくとも一つが、フッ素原子を有する基である、[3]に記載の着色樹脂組成物。
[5]前記式(I)で表されるトリアリールメタン系化合物の含有割合が、全固形分中、0.01質量%以上であることを特徴とする、[1]〜[4]のいずれか一つに記載の着色樹脂組成物。
[6]更に、(D)重合性モノマーを含有することを特徴とする、[1]〜[5]のいずれか一つに記載の着色樹脂組成物。
[7]更に、(E)光重合開始成分および/または(E’)熱重合開始成分を含有することを特徴とする、[1]〜[6]のいずれか一つに記載の着色樹脂組成物。
[8]更に、(A)色材が顔料を含有することを特徴とする、[1]〜[7]のいずれか一つに記載の着色樹脂組成物。
[9]前記顔料が金属フタロシアニンであることを特徴とする[8]に記載の着色樹脂組成物。
[10](A)色材中における前記式(I)で表される化合物の含有割合が色材の総質量に対して50質量%以上であることを特徴とする[8]または[9]に記載の着色樹脂組成物。
[11]前記[1]〜[10]のいずれか一つに記載の着色樹脂組成物を用いて形成された画素を有することを特徴とする、カラーフィルタ。
[12]前記[11]に記載のカラーフィルタを有することを特徴とする、液晶表示装置。
[13]前記[11]に記載のカラーフィルタを有することを特徴とする、有機EL表示
装置。
[14]下記式(I)で表されるトリアリールメタン系化合物。
Figure 2015113421
(上記式(I)中、
[An−]は、n価のアニオンを表す。
〜Rは、各々独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、または置換基を有していてもよい芳香族環基を示す。
ただし、RおよびRのうち少なくとも1つは置換基を有していてもよい、第二級炭素を有するアルキル基である。
とR、RとR、およびRとRからなる群から選ばれる少なくとも1つの組み合わせは、互いに連結して環を形成していてもよく、該環は置換基を有していてもよい。
およびRのうちいずれか一方は置換基を有していてもよいアルキル基またはハロゲン原子であり、他方は水素原子である。
又、上記式(I)中のベンゼン環およびナフタレン環は更に任意の置換基を有していてもよい。
nは1〜4の整数を表し、nが2〜4の場合、1分子中に含まれる複数の下記式(I)CAで表されるカチオンは、各々独立に、同じ構造であっても、異なる構造であってもよい。)
Figure 2015113421
[15]前記アニオンが、イミドアニオンであることを特徴とする、[14]に記載のトリアリールメタン系化合物。
[16]前記アニオンが、下記式(II)で表されることを特徴とする、[14]または[15]に記載のトリアリールメタン系化合物。
Figure 2015113421
(上記式(II)中、R11およびR12は、各々独立に、置換基を有していてもよいアルキル基、または置換基を有していてもよいアルケニル基を表す。
尚、R11およびR12は、互いに連結して環を形成していてもよく、該環は置換基を有していてもよい。)
[17]前記[14]〜[16]のいずれか一つに記載のトリアリールメタン系化合物からなる染料。
本発明によれば、色純度および輝度に優れ、カラーディスプレイ製造工程で要求される耐熱性を有し、長期信頼性で要求される耐光性を満足する着色樹脂組成物を提供することができる。
更に、本発明によれば、色純度および輝度が高く、耐熱性および耐光性を満足するカラーフィルタ、並びに液晶表示装置および有機EL表示装置を提供することができる。
図1は、本発明のカラーフィルタを有する有機EL素子の一例を示す断面概略図である。 図2は、実施例で使用した偏光板の透過率を示すグラフである。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明するが、以下の記載は本発明の実施態様の一例であり、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。
なお、本発明において「(メタ)アクリル」、「(メタ)アクリレート」等は、「アクリルおよびメタクリルのうち少なくとも一方」、「アクリレートおよびメタクリレートのうち少なくとも一方」等を意味するものとし、例えば「(メタ)アクリル酸」は「アクリル酸およびメタクリル酸のうち少なくとも一方」を意味するものとする。
また「全固形分」とは、後記する溶剤成分以外の本発明の着色樹脂組成物の全成分を意味するものとする。
更に、「芳香族環」とは、「芳香族炭化水素環」および「芳香族複素環」の双方を意味するものとする。
また、「C.I.ピグメントグリーン」等の用語は、カラーインデックス(C.I.)所収の色材名称を意味する。
本発明の着色樹脂組成物は、(A)色材、(B)溶剤および(C)バインダー樹脂を含有し、(A)色材が、後述の式(I)で表されるトリアリールメタン系化合物を含有することを特徴とするものである。さらに、(D)重合性モノマー、並びに(E)光重合開始成分および(E’)熱重合開始成分のうち少なくとも一方を含有することが好ましく、必要に応じてその他の成分を含んでいてもよい。
[(A)色材]
(一般式(I)で表される化合物)
本発明の着色樹脂組成物に含まれる(A)色材は、下記一般式(I)で表されるトリアリールメタン系化合物を含有する。
Figure 2015113421
上記式(I)中、
[An−]は、n価のアニオンを表す。
〜Rは、各々独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、または置換基を有していてもよい芳香族環基を示す。
ただし、RおよびRのうち少なくとも1つは置換基を有していてもよい、第二級炭素を有するアルキル基である。
とR、RとR、およびRとRからなる群から選ばれる少なくとも1つの組み合わせは、互いに連結して環を形成していてもよく、該環は置換基を有していてもよい。
およびRのうちいずれか一方は置換基を有していてもよいアルキル基またはハロゲン原子であり、他方は水素原子である。
又、上記式(I)中のトリアリールメタン骨格を形成するベンゼン環およびナフタレン環は更に任意の置換基を有していてもよい。
nは、1〜4の整数を表し、nが2〜4の場合、1分子中に含まれる下記式(I)CAで表されるカチオンは、各々独立に、同じ構造であっても、異なる構造であってもよい。
Figure 2015113421
(R〜R
〜Rは、各々独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基または置換基を有していてもよい芳香族環基を表す。
ただし、RおよびRのうち少なくとも1つは置換基を有していてもよい、第二級炭素を有するアルキル基である。RおよびRのうち少なくとも1つを、置換基を有していてもよい、第二級炭素を有するアルキル基とし、かつ、RおよびRのうちいずれか一方を、置換基を有していてもよいアルキル基とし、他方を水素原子とすることにより、500nm付近の吸収波形の急峻さ、つまり高輝度を保ちながらも、式(I)で表される分子の熱や光での分解の原因となる、他分子からの攻撃に対して、これらの置換基が阻害する効果と、式(I)で表される分子同士が会合して阻害する効果により、諸物性の向上に寄与するものと考えられる。
また、RおよびRの両方を、置換基を有していてもよい、第二級炭素を有するアルキル基としてもよく、また、RおよびRのうちいずれか一方を、置換基を有していてもよい、第二級炭素を有するアルキル基とし、他方を置換基を有していてもよい、第二級炭素を有するアルキル基以外の基としてもよい。RおよびRの置換基が大きいと立体障害となって式(I)で表される分子同士の会合やアニオンとの静電相互作用を阻害し、耐熱性が低下する場合があると考えられることから、RおよびRのうちいずれか一方を置換基を有していてもよい、第二級炭素を有するアルキル基とし、他方を置換基を有していてもよい、第二級炭素を有するアルキル基以外の基とすることが好ましく、いずれか一方を置換基を有していてもよい、第二級炭素を有するアルキル基とし、他方を水素原子とすることがさらに好ましい。
なお、「RおよびRのうち少なくとも1つは置換基を有していてもよい、第二級炭素を有するアルキル基である」とは、RまたはRのうち少なくとも1つが、置換基を有していてもよい、下記式(III)で表される基を有するアルキル基であることをいう。なお、式中の*は結合手を意味する。
下記式(III)中のα、βは、各々独立に、置換基を有していてもよいアルキル基、または置換基を有していてもよい芳香族環基を表す。C−α結合は、炭素原子と置換基αの有する炭素原子との結合を表しており、C−β結合も同様に炭素原子と置換基βが有する炭素原子との結合を表している。なお、αとβは連結して環を形成してもよく、更に該環は、置換基を有していてもよい。
Figure 2015113421
置換基を有していてもよい、第二級炭素を有するアルキル基は、上記式(III)で表される基を有すれば何ら限定されない。例えば、上記式(III)で表される基そのものであってもよいし、置換基を有していてもよいアルキレン基に上記式(III)で表される基が結合したものであってもよい。窒素原子周辺を嵩高くするとの観点からは、上記式(III)で表される基そのものであることが好ましい。すなわち、置換基を有していてもよい、第二級炭素を有するアルキル基が上記式(III)で表される基そのものであり、かつRおよびRのうちいずれか一方は置換基を有していてもよいアルキル基であり、他方は水素原子とすることにより、光での分解の原因となる、他分子からの攻撃をこの置換基が阻害するため、諸物性の向上に寄与する傾向がある。
αおよびβにおけるアルキル基としては、直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基が挙げられる。その炭素数は、αおよびβを炭素数に含めて、30以下であることが好ましく、12以下であることがより好ましく、8以下であることがさらに好ましく、6以下であることが最も好ましく、通常1以上である。前記上限値以下とすることで、着色樹脂組成物中において、式(I)の溶媒への溶解度を適切に調整することができるとともに、式(I)で表される分子同士の会合やカチオンとアニオンとの効果的な相互作用が生じるために耐熱性および耐光性が向上する傾向がある。
αおよびβにおけるアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、2−プロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルエチル基、フェネチル基、3−メチルブチル基、2−エトキシエチル基等が挙げられる。これらの中でも式(I)で表される分子同士の会合やアニオンとの静電相互作用の観点から、直鎖状のアルキル基が好ましい。
αおよびβにおける芳香族環基としては、芳香族炭化水素環基および芳香族複素環基が挙げられる。その炭素数は28以下であることが好ましく10以下であることがより好ましく、6以下であることがさらに好ましい。前記上限値以下とすることで、式(I)の溶媒への溶解度を適切に調整することができるとともに、式(I)で表される分子同士の会合やカチオンとアニオンとの効果的な相互作用が生じるために耐熱性および耐光性が向上する傾向がある。
αおよびβのおける芳香族炭化水素環基は、単環であっても縮合環であってもよく、例えば、1個の遊離原子価を有する、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、アセナフテン環、フルオランテン環、フルオレン環などの基が挙げられる。
また、芳香族複素環基は、単環であっても縮合環であってもよく、例えば、1個の遊離原子価を有する、フラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環、インドール環、カルバゾール環、ピロロイミダゾール環、ピロロピラゾール環、ピロロピロール環、チエノピロール環、チエノチオフェン環、フロピロール環、フロフラン環、チエノフラン環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリジン環、ピラ
ジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、シノリン環、キノキサリン環、フェナントリジン環、ベンゾイミダゾール環、ペリミジン環、キナゾリン環、キナゾリノン環、アズレン環などの基が挙げられる。
αとβは連結して環を形成してもよく、更に該環は、置換基を有していてもよい。また、該環はヘテロ原子で架橋された環であってもよい。該環の炭素数(ただし、αおよびβと結合したC原子、αおよびβを含む)は30以下であることが好ましく12以下であることがより好ましく、8以下であることがさらに好ましく、通常3以上である。前記上限値以下とすることで、式(I)の溶媒への溶解度を適切に調整することができるとともに、式(I)で表される分子同士の会合やカチオンとアニオンとの効果的な相互作用が生じるために耐熱性および耐光性が向上する傾向がある。
αとβが連結して環を形成する場合において、第二級炭素を有するアルキル基の具体例としては、例えば以下の構造が挙げられる。
Figure 2015113421
αおよびβにおけるアルキル基が有していてもよい置換基としては、例えば、下記の置換基群W1のものが挙げられる。また、芳香族環基が有していてもよい置換基としては、例えば、下記の置換基群W2のものが挙げられる。さらに、互いに連結して形成される環が有していてもよい置換基としては、例えば、下記の置換基群W3のものが挙げられる。
αおよびβとして好ましくは、αおよびβを炭素数に含めて、各々独立に、置換基を有していてもよい炭素数1〜12の直鎖状のアルキル基またはαおよびβが互いに連結して環を形成する場合である。より好ましくは置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基または炭素数が3〜12の隣接するαおよびβが互いに連結して環を形成する場合である。これらの置換基であると、化合物(I)同士の会合やカチオンとアニオンとの効果的な相互作用が生じるために耐熱性および耐光性が向上する傾向がある。
およびRにおける第二級炭素を有するアルキル基における炭素数の総和は30以下であることが好ましく、12以下であることがより好ましく、8以下であることがさらに好ましく、6以下であることが最も好ましい。通常3以上であり、好ましく4以上であり、さらに好ましくは5以上である。前記範囲内とすることで、着色樹脂組成物中において、式(I)で表される分子間の相互作用や、式(I)で表される化合物において分子内でのカチオンとアニオンの静電相互作用が適切となり、耐久性が向上できる傾向がある。
第二級炭素を有するアルキル基の具体例としては、イソプロピル基、s−ブチル基、1−メチルプロピル基、1−エチルプロピル基、1−メチルブチル基、シクロペンチル基、1−メチルペンチル基、1−エチルブチル基、1−プロピルブチル基、1−エチルペンチル基、1−プロピルペンチル基、1−ブチルペンチル基、1−メチルヘキシル基、1−エチルヘキシル基、1−プロピルヘキシル基、1−ブチルヘキシル基、1−プロピルヘキシル基、シクロへキシル基、2−メチルシクロへキシル基、2−エチルシクロヘキシル基、2−プロピルシクロヘキシル基、2−イソプロピルシクロヘキシル基、2−シクロプロピルシクロヘキシル基、2−ブチルシクロヘキシル基、2−s−ブチルシクロヘキシル基、2−t−ブチルシクロヘキシル基、2−イソブチルシクロヘキシル基、2−シクロブチルシクロヘキシル基、2−ペンチルシクロヘキシル基、2−シクロペンチルシクロヘキシル基、2−シクロヘキシルシクロヘキシル基、3−メチルシクロへキシル基、4−メチルシ
クロへキシル基、2,6−ジメチルシクロへキシル基、2,4−ジメチルシクロへキシル基、3,5−ジメチルシクロへキシル基、2,5−ジメチルシクロへキシル基、2,3−ジメ
チルシクロへキシル基、3,3,5−トリメチルシクロへキシル基、4−t−ブチルシクロへキシル基、1−エチルヘプチル基、1−メチルヘプチル基、1−プロピルヘプチル基、1−ブチルヘプチル基、1−ペンチルヘプチル基、1−ヘキシルヘプチル基、シクロヘプチル基、2−メチルシクロヘプチル基、3−メチルシクロヘプチル基、4−メチルシクロヘプチル基、2,7−ジメチルシクロヘプチル基、1−シクロヘキシルエチル基、1−メチルオクチル基、1−エチルオクチル基、1−プロピルオクチル基、1−ブチルオクチル基、1−ペンチルオクチル基、1−ヘキシルオクチル基、1−ヘプチルオクチル基、シクロオクチル基、1−メチルシクロオクチル基、2−メチルシクロオクチル基、3−メチルシクロオクチル基、4−メチルシクロオクチル基、2−アダマンチル基等が挙げられる。
これらの中でも、式(I)で表される分子同士の会合やアニオンとの静電相互作用による耐久性向上の観点から、イソプロピル基、s−ブチル基、1−メチルプロピル基、1−エチルプロピル基、1−メチルブチル基、1−エチルブチル基、1−プロピルブチル基、シクロヘキシル基、2−メチルシクロヘキシル基、3−メチルシクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、4−t−ブチルシクロヘキシル基、シクロペンチル基、またはシクロオクチル基が好ましい。
〜Rにおけるアルキル基としては、直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基が挙げられる。その炭素数は30以下であることが好ましく、12以下であることがより好ましい。前記上限値以下とすることで、着色樹脂組成物中において、トリアリールメタン系化合物の溶解度を適切に調整することができるとともに、カチオンとアニオンとの効果的な相互作用が生じるために耐熱性および耐光性が向上する傾向がある。
〜Rにおけるアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、2−プロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルエチル基、フェネチル基、3−メチルブチル基、2−エトキシエチル基等が挙げられる。これらの中でも式(I)で表される分子同士の会合やアニオンとの静電相互作用の観点から、直鎖状のアルキル基が好ましい。
〜Rにおける芳香族環基としては、芳香族炭化水素環基および芳香族複素環基が挙げられる。その炭素数は30以下であることが好ましく12以下であることがより好ましい。前記上限値以下とすることで、共役長が適切となり、500nm付近の吸収波形が急峻となるために高輝度化する傾向が見られるとともに、着色樹脂組成物中において、トリアリールメタン系化合物と、組成物を構成する他の化合物との相互作用が適当となるために、溶解度を適切に調整できる傾向がある。
芳香族炭化水素環基としては、単環であっても縮合環であってもよく、例えば、1個の遊離原子価を有する、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、アセナフテン環、フルオランテン環、フルオレン環などの基が挙げられる。
また、芳香族複素環基としては、単環であっても縮合環であってもよく、例えば、1個の遊離原子価を有する、フラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環、インドール環、カルバゾール環、ピロロイミダゾール環、ピロロピラゾール環、ピロロピロール環、チエノピロール環、チエノチオフェン環、フロピロール環、フロフラン環、チエノフラン環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、シノリン環、キノキサリン環、フェナントリジン環、ベンゾイミダゾール環、ペリミ
ジン環、キナゾリン環、キナゾリノン環、アズレン環などの基が挙げられる。
隣接するR〜R同士(具体的には、RとR、RとR)は連結して環を形成してもよく、更に該環は、置換基を有していてもよい。
また、該環はヘテロ原子で架橋された環であってもよく、この具体例として、例えば以下の構造が挙げられる。
Figure 2015113421
化学的安定性の点から、R〜Rとして好ましくは、各々独立に、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基または置換基を有していてもよいフェニル基であるか、或いは隣接するR〜Rが互いに連結して環を形成する場合である。これらの置換基は輝度の点でも好ましい。化合物(I)の耐熱性を向上し、得られるカラーフィルタの耐熱性が優れる点で、より好ましくは置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基または置換基を有していてもよいフェニル基である。
〜Rが、置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基である場合、超共役によりカチオン内の電荷が分散し、カチオンが安定化するものと推測される。
より具体的には、R〜Rにおけるアルキル基の炭素数は、トリアリールメタン骨格のコンフォメーションに影響し難い点(輝度への影響が少ない)および窒素上の置換基が脱離し難い点(化合物(I)が安定である)で、好ましくは8以下、更に好ましくは4以下、また好ましくは2以上である。
また、隣接するR〜Rが互いに連結して環を形成する場合、N上の置換基が脱離しにくいため安定である傾向がある。
〜Rが、置換基を有していてもよいフェニル基である場合、共役系が延長する為、カチオン内の電荷が分散して、カチオンが安定化すると考えられる。このように、カチオンが安定化した結果、得られるカラーフィルタの耐熱性がより優れるものとなると考えることができる。
一方で、RおよびRのうちいずれか一方を、第二級炭素を有するアルキル基とし、他方を第二級炭素を有するアルキル基以外の基とした場合、第二級炭素を有するアルキル基以外の基としては、例えば水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基等の炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基等の炭素数1〜5のヒドロキシアルキル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基、エトキシプロピル基、ブトキシエチル基等の炭素数1〜5のアルコキシアルキル基、2−ヒドロキシエトキシ基等の炭素数1〜5のヒドロキシアルコキシ基、2−メトキシエトキシ基、2−エトキシエトキシ基等の炭素数1〜5のアルコキシ(炭素数1〜5の)アルコキシ基、2−スルホエチル基、カルボキシエチル基、シアノエチル基等が挙げられる。
また、RおよびRは、互いに連結して環を形成してもよく、更に該環は、置換基を有していてもよい。また、該環はヘテロ原子で架橋された環であってもよい。
〜Rにおけるアルキル基が有していてもよい置換基としては、例えば、下記の置換基群W1のものが挙げられる。また、芳香族環基が有していてもよい置換基としては、例えば、下記の置換基群W2のものが挙げられる。さらに、互いに連結して形成される環が有していてもよい置換基としては、例えば、下記の置換基群W3のものが挙げられる。
また、式(I)中のトリアリールメタン骨格を形成するベンゼン環およびナフタレン環が有していてもよい任意の置換基としては下記の置換基群W2のものが挙げられる。
(置換基群W1)
フッ素原子、塩素原子、炭素数2〜8のアルケニル基、炭素数1〜8のアルコキシル基、フェニル基、メシチル基、トリル基、ナフチル基、シアノ基、アセチルオキシ基、炭素数2〜9のアルキルカルボニルオキシ基、スルファモイル基、炭素数2〜9のアルキルスルファモイル基、炭素数2〜9のアルキルカルボニル基、フェネチル基、ヒドロキシエチル基、アセチルアミド基、炭素数1〜4のアルキル基が結合してなるジアルキルアミノエチル基、トリフルオロメチル基、炭素数1〜8のトリアルキルシリル基、ニトロ基、炭素数1〜8のアルキルチオ基。
中でも、好ましくは炭素数1〜8のアルコキシル基、シアノ基、アセチルオキシ基、炭素数2〜8のアルキルカルボキシル基、スルファモイル基、炭素数2〜9のアルキルスルファモイル基、およびフッ素原子である。
(置換基群W2)
フッ素原子、塩素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数2〜8のアルケニル基、炭素数1〜8のアルコキシル基、フェニル基、メシチル基、トリル基、ナフチル基、シアノ基、アセチルオキシ基、炭素数2〜9のアルキルカルボニルオキシ基、スルファモイル基、炭素数2〜9のアルキルスルファモイル基、炭素数2〜9のアルキルカルボニル基、ヒドロキシエチル基、アセチルアミド基、炭素数1〜4のアルキル基が結合してなるジアルキルアミノエチル基、トリフルオロメチル基、炭素数1〜8のトリアルキルシリル基、ニトロ基、炭素数1〜8のアルキルチオ基。
中でも、好ましくは炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシル基、シアノ基、アセチルオキシ基、炭素数2〜8のアルキルカルボキシル基、スルファモイル基、炭素数2〜9のアルキルスルファモイル基、およびフッ素原子である。
(置換基群W3)
フッ素原子、塩素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数2〜8のアルケニル基、炭素数1〜8のアルコキシル基、フェニル基、メシチル基、トリル基、ナフチル基、シアノ基、アセチルオキシ基、炭素数2〜9のアルキルカルボニルオキシ基、スルファモイル基、炭素数2〜9のアルキルスルファモイル基、炭素数2〜9のアルキルカルボニル基、フェネチル基、ヒドロキシエチル基、アセチルアミド基、炭素数1〜4のアルキル基が結合してなるジアルキルアミノエチル基、トリフルオロメチル基、炭素数1〜8のトリアルキルシリル基、ニトロ基、炭素数1〜8のアルキルチオ基。
中でも、好ましくは炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシル基、シアノ基、アセチルオキシ基、炭素数2〜8のアルキルカルボキシル基、スルファモイル基、炭素数2〜9のアルキルスルファモイル基、およびフッ素原子である。
(RおよびRについて)
およびRのうちいずれか一方は置換基を有していてもよいアルキル基またはハロゲン原子であり、他方は水素原子である。RおよびRのうち少なくとも1つを置換基を有していてもよい、第二級炭素を有するアルキル基とし、かつ、RおよびRのうちいずれか一方を、置換基を有していてもよいアルキル基またはハロゲン原子とし、他方を水素原子とすることにより、500nm付近の吸収波形の急峻さ、つまり高輝度を保ちながらも、式(I)で表される分子の熱や光での分解の原因となる、他分子からの攻撃に対して、これらの置換基が阻害する効果と、式(I)で表される分子同士が会合して阻害する効果により、諸物性の向上に寄与するものと考えられる。
およびRにおけるアルキル基としては、直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル
基が挙げられる。分子コンフォメーション変化による吸収スペクトル変化、およびこれによる得られる画素の輝度低下が起き難くなる点から、アルキル基の炭素数は、好ましくは8以下、更に好ましくは6以下、特に好ましくは4以下、また通常1以上である。
およびRにおけるアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、2−プロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルエチル基、フェネチル基等が挙げられる。立体保護および吸収スペクトルの形状の観点からは、Rが水素原子、Rがアルキル基であることが好ましく、特に好ましくはRが水素原子、Rがメチル基であることが好ましい。
なお、RおよびRにおけるアルキル基が有していてもよい置換基は、好ましくはハロゲン原子である。つまり、トリフルオロメチル基などのフルオロメチル基に代表されるフルオロアルキル基が好ましく挙げられる。
また、RおよびRにおけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられ、原子の大きさに由来する分子のコンフォメーション変化による輝度の観点とカチオン分子の電荷安定性の観点からは、フッ素原子または塩素原子であることが好ましく、塩素原子であることがより好ましい。
これらの中でもカチオンの正電荷を安定させるとの観点からは、RおよびRのうちいずれか一方が、電子供与性基となる、置換基を有していても良いアルキル基であることが好ましい。
(R〜Rの組み合わせ)
〜Rとしては、上述したものから適宜選択すればよい。組み合わせの具体例としては例えば表1に記載するものが挙げられる。なお、下表に挙げられているアルキル基、芳香環および複素環はさらに任意の置換基を含んでいても良い。また表中のCは、炭素数を意味する。
〜Rの組み合わせとしては、500nm付近の吸収波形の急峻さ、つまり高輝度化の観点からは、R〜Rのうち2か所以上が置換基を有していてもよいアルキル基である組み合わせが好ましい。さらに、着色樹脂組成物中でのカチオンおよびアニオンとの静電相互作用による安定化、分子同士の相互作用によるエネルギー緩和などを考慮すると、R〜Rの全箇所が置換基を有していてもよいアルキル基、である、または2か所が置換基を有していてもよいアリール基であり、かつ、他の2か所が置換基を有していてもよいアルキル基の組み合わせである、1〜16が望ましい。特に、耐熱性を向上する観点を組み合わせると、1〜8の組み合わせが最も好ましい。
この1〜8の組合せであれば、式(I)で表される分子の熱や光での分解の原因となる、他分子からの攻撃を阻害しつつも、置換基の立体障害により式(I)で表される分子同士の会合やアニオンとの静電相互作用を低下させることもなく、耐熱性、耐光性が良好となる傾向がある。特に、Rが水素原子であり、Rが置換基を有していてもよい、第二級炭素を有する炭素数3〜12の直鎖状アルキル基または環状アルキル基であり、Rが水素原子であり、かつ、Rが置換基を有していてもよい炭素数1〜4のアルキル基であることが好ましい。また、色材としての観点からは、式(I)で表される化合物の有するR〜Rの置換基が小さいと、立体障害によりトリアリールメタン骨格の3つのアリール環に広がる共役の寄与が大きくなり、好ましい青色色材としての機能を果たすことができる傾向がある。この観点からは、R〜Rが置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基、フェニル基または置換基を有する炭素数6〜12のフェニル基であり、Rが水素原子であり、Rが置換基を有していてもよい、第二級炭素を有する炭素数3〜12のアルキル基または環状アルキル基であり、Rが水素原子であり、Rが置換基を有していてもよい炭素数1〜4のアルキル基であることが好ましい。
Figure 2015113421
([An−]およびnについて)
式(I)において、[An−]はn価のアニオンを表し、nは1〜4の整数を表す。ここで、Aは、アニオンを構成する原子または原子団を表す。
nはカチオンとの相互作用の観点からは、4以下であることが好ましく、2以下である
ことがより好ましく、1であることがさらに好ましい。前記上限値以下とすることで、アニオンとカチオンが近くに配置されるため、耐熱性、耐光性などの物性を向上することができる傾向がある。
トリアリールメタンカチオンの対アニオンは、本発明の効果を損なわない限り特に制限はない。その具体例としては、スルホネート、ホスホネート、ボレート、イミドアニオン、メチドアニオン、アルコキシド、カルボキシラート、ハロゲンアニオン、金属アニオンを含む化合物が挙げられる。これらの中でも対アニオンの電荷が非局在化しやすい観点から、イミドアニオンを含む化合物であることが好ましい。すなわち、アニオンの電荷が非局在化することにより、対アニオンがトリアリールメタンカチオンと熱および光で反応することを抑制できるため、耐久性が向上する傾向にある。
製造が容易である、負電荷が非局在化していることでアニオンが安定である点、負電荷が非局在化していることでトリアリールメタンカチオンとの静電相互作用が適切となる点で、ジスルホニルイミドアニオンであることが好ましい。ジスルホニルイミドアニオンの構造については特に限定されないが、例えば、下記式(II)で表されるものが挙げられる。
Figure 2015113421
11およびR12は、各々独立に、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、または置換基を有していてもよいシクロアルキル基を表す。
尚、R11およびR12は、互いに連結して環を形成していてもよく、該環は置換基を有していてもよい。
(R11およびR12について)
11およびR12は、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基を表す。
11およびR12におけるアルキル基としては、直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基が挙げられる。その炭素数は30以下であることが好ましく12以下であることがより好ましく、また、直鎖状または分岐鎖状アルキルの炭素数は通常1以上であり、環状アルキル基の炭素数は通常3以上である。前記範囲内とすることにより、カチオンとアニオンの静電相互作用が適切となり、耐久性向上ができる傾向にある。
11およびR12におけるアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、2−プロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルエチル基、フェネチル基、3−メチルブチル基、2−エトキシエチル基、トリフルオロメチル基、炭素数1〜12のパーフルオロアルキル基等が挙げられる。
11およびR12におけるアルケニル基としては、直鎖状、分岐鎖状または環状のアルケニル基が挙げられる。その炭素数は6以下であることが好ましく、また通常2以上である。前記範囲内とすることにより、トリアリールメタン系化合物の分子間相互作用が適切となり、耐久性が向上する傾向にある。
11およびR12におけるアルケニル基の具体例としては、ビニル基、アリル基、1
−プロペニル基、2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基等が挙げられる。
これらの基が有していてもよい置換基としては、前述の置換基群W1、W2にて記載したものが挙げられる。
これらの内、特に、R11およびR12におけるアルキル基、またはアルケニル基が有する置換基としては、アニオンの電荷がより非局在化して、色材の耐熱性が向上する傾向がある点で、フッ素原子を置換基として有することが好ましい。
つまり、R11およびR12は、アニオンの電荷が分散されて、アニオンが安定化する傾向がある点で、炭素数1〜12のパーフルオロアルキル基が好ましい。
より具体的には、式(II)で表されるアニオンは、下記式(II−1)で表されるものであることが好ましい。
Figure 2015113421
上記式(II−1)中、mおよびm’は、各々独立に、1〜8の整数を表す。
mおよびm’は、1〜8の整数であるが、好ましくは1〜4の整数である。mおよびm’は、同じでもよく、また異なっていてもよい。
mとm’とが同じである場合のスルホニルイミドアニオンの具体例としては、ビス(トリフルオロメタンスルホン)イミド、ビス(ペンタフルオロブタンスルホン)イミド等が挙げられる。
mとm’とが異なる場合のスルホニルイミドアニオンの具体例としては、ペンタフルオロエタンスルホントリフルオロメタンスルホンイミド、トリフルオロメタンスルホンヘプタフルオロプロパンスルホンイミド、フルオロブタンスルホントリフルオロメタンスルホンイミド等が挙げられる。
上記の中でも、アニオンが最も安定化するとの理由から、m=m’=2である、ビス(ペンタフルオロエタンスルホン)イミドが特に好ましい。
一方、式(II)において、R11およびR12は、互いに連結して環を形成していてもよい。
環を形成している場合、R11およびR12が連結して形成される基は、特に炭素数2〜12のフルオロアルキレン基であることが好ましい。
つまり、式(II)で表されるアニオンは、下記式(II−2)で表されるアニオンであることが好ましい。
Figure 2015113421
上記式(II−2)中、m’’は、2〜12の整数を表す。
m’’は、耐熱性が良好である点で、好ましくは2〜8の整数であり、さらに好ましくは3である。
m’’の数が小さいアニオンほど、立体反発の影響が小さくなり、より強い相互作用が可能となる傾向がある。即ち、m’’が小さいほど、アニオンとカチオンの相互作用が大きくなり、対イオンが安定化して染料の耐熱性が向上するものと推測される。
尚、前記式(I)で表される化合物は、例えば、R〜Rから、リンカーを伸ばして、2量体や3量体などを形成していてもよい。
また、着色樹脂組成物中における、前記式(I)で表されるトリアリールメタン系化合物の存在形態については特に限定されず、染料および/または顔料であってもよいが、着色樹脂組成物への溶解性が十分であるとの観点からは染料の形態で存在することが好ましい。
(分子量)
前記一般式(I)で表されるトリアリールメタン系化合物において、トリアリールメタンカチオンの分子量は、270以上であることが好ましく、470以上であることがより好ましく、また、通常1970以下である。上記範囲内であると、着色樹脂組成物への溶解性が十分である点、着色樹脂組成物での含有量を少なくすることができるために硬化性を十分に担保できる点で好ましい。
カチオンとアニオンの合計分子量は、300以上であることが好ましく、500以上であることがより好ましく、また、通常2000以下である。上記範囲内であると、着色樹脂組成物への溶解性が十分である点、着色樹脂組成物での含有量を少なくすることができるために硬化性を十分に担保できる点で好ましい。
(式(I)で表される化合物の具体例)
前記式(I)で表される化合物としては、例えば以下に挙げられるものを用いることができる。
Figure 2015113421
Figure 2015113421
Figure 2015113421
Figure 2015113421
Figure 2015113421
Figure 2015113421
Figure 2015113421
Figure 2015113421
Figure 2015113421
Figure 2015113421
Figure 2015113421
(式(I)で表される化合物の合成方法)
前記式(I)で表されるトリアリールメタン系化合物は、例えば「総説合成染料」(堀口博著、三共出版、1968年)、「理論製造 染料化学」(細田豊著、技報堂、1957年)、国際公開第2009/107734号パンフレットに記載の方法に準じて合成することができるが、この方法に限らない。
(式(I)で表される化合物の着色樹脂組成物中の含有割合)
本発明の着色樹脂組成物中には、(A)色材中に式(I)で表される化合物が1種のみ含まれていてもよく、2種以上含まれていてもよい。式(I)で表される化合物を全固形分中、好ましくは、0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、さらに好ましくは1質量%以上、よりさらに好ましくは5質量%以上、特に好ましくは8質量%以上、また好ましくは70質量%以下、より好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下、特に好ましくは20質量%以下の割合で含有することができる。
上記上限値以下であると、塗膜の硬化性が低下し難く、膜強度が十分である傾向があるため好ましい。また、上記下限値以上であると、着色力が十分であることから、所望の濃度の色度が得られ易く、また膜厚が厚くなり難いため好ましい。
(式(I)で表される化合物の色材中での含有割合)
また、(A)色材中における式(I)で表される化合物の含有割合は特に限定されないが、(A)色材に対して、0.01質量%以上であることが好ましく0.1質量%以上であることがより好ましく、1質量%以上であることがさらに好ましく、5質量%以上であることがよりさらに好ましく、20質量%以上であることが特に好ましく、50質量%以上であることが最も好ましい。また、通常100質量%以下であり、99質量%以下であることが好ましく、95質量%以下であることがより好ましく、90質量%以下であることがさらに好ましい。上記上限値以下であると、塗膜の硬化性が低下し難く、膜強度が十分であるため好ましい。また、上記下限値以上であると、着色力が十分であることから、所望の濃度の色度が得られ易く、また膜厚が厚くなり難いため好ましい。
(その他の色材)
本発明の着色樹脂組成物に含まれる(A)色材は、式(I)で表されるトリアリールメタン系化合物を含有するが、本発明の効果を損なわない限り、さらにその他の色材を含有してもよい。色材としては染料や顔料が挙げられる。
(着色樹脂組成物および色材中におけるその他の色材の含有割合)
本発明の着色樹脂組成物は、式(I)で表されるトリアリールメタン系化合物以外の色材を含んでいてもよく、その含有割合は特に限定されないが、全固形分中、好ましくは70質量%以下、より好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下である。また、(A)色材に対する含有割合は、好ましくは50質量%以下、より好ましくは30質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下である。上記範囲内とすることで、着色樹脂組成物中における吸収波形および輝度に大きな影響を与えることなく、得られる画素の色調、耐熱性、耐光性がより良好になり易い点で好ましい。
(その他の染料)
その他の染料としては、例えば、アゾ系染料、アントラキノン系染料、フタロシアニン系染料、キノンイミン系染料、キノリン系染料、ニトロ系染料、カルボニル系染料、メチン系染料、シアニン系染料、トリアリールメタン系染料、ジピロメテン系染料、キサンテン系染料等が好ましく挙げられる。
アゾ系染料としては、例えば、C.I.アシッドイエロー11、C.I.アシッドオレンジ7、C.I.アシッドレッド37、C.I.アシッドレッド180、C.I.アシッドブルー29、C.I.ダイレクトレッド28、C.I.ダイレクトレッド83、C.I.ダイレクトイエロー12、C.I.ダイレクトオレンジ26、C.I.ダイレクトグリーン28、C.I.ダイレクトグリーン59、C.I.リアクティブイエロー2、C.I.リアクティブレッド17、C.I.リアクティブレッド120、C.I.リアクティブブラック5、C.I.ディスパースオレンジ5、C.I.ディスパースレッド58、C.I.ディスパースブルー165、C.I.ベーシックブルー41、C.I.ベーシックレッド18、C.I.モルダントレッド7、C.I.モルダントイエロー5、C.I.モルダントブラック7等が挙げられる。
アントラキノン系染料としては、例えば、C.I.バットブルー4、C.I.アシッドブルー25、C.I.アシッドブルー40、C.I.アシッドブルー80、C.I.アシッドグリーン25、C.I.リアクティブブルー19、C.I.リアクティブブルー49、C.I.ディスパースレッド60、C.I.ディスパースブルー56、C.I.ディスパースブルー60等が挙げられる。
この他、フタロシアニン系染料として、例えば、C.I.ダイレクトブルー86、C.I.ダイレクトブルー199、C.I.バットブルー5、特開2002−14222号公報、特開2005−134759号公報、特開2010−191358号公報、特開2011−148950号公報に記載のもの等が、キノンイミン系染料として、例えば、C.I.ベーシックブルー3、C.I.ベーシックブルー9等が、キノリン系染料として、例えば、C.I.ソルベントイエロー33、C.I.アシッドイエロー3、C.I.ディスパースイエロー64等が、ニトロ系染料として、例えば、C.I.アシッドイエロー1、C.I.アシッドオレンジ3、C.I.ディスパースイエロー42等が挙げられる。
また、トリアリールメタン系染料としては、例えば、C.I.アシッドブルー86、C.I.アシッドブルー88、C.I.アシッドブルー108、国際公開第2009/107734号パンフレット、国際公開第2011/162217号パンフレットなどに記載のものが挙げられる。
更に、シアニン系染料としては、例えば、国際公開第2011/162217号パンフ
レットに記載のものが挙げられ、好ましい態様も同様である。
ジピロメテン系染料としては、例えば、特開2008−292970号公報、特開2010−84009号公報、特開2010−84141号公報、特開2010−85454号公報、特開2011−158654号公報、特開2012−158739号公報、特開2012−224852号公報、特開2012−224849号公報、特開2012−224847号公報、特開2012−224846号公報などに記載のものが挙げられる。
キサンテン系染料としては、例えば、C.I.アシッドレッド50、C.I.アシッドレッド52、C.I.アシッドレッド289、特許第3387541号公報、特開2010−32999号公報、特許第4492760号公報、「総説合成染料」(堀口博著、三共出版、1968年)326頁〜348頁に記載のものなどが挙げられる。
特に青色画素を形成する際には、キサンテン系染料、トリアリールメタン系染料、アントラキノン系染料、アゾ系染料、ジピロメテン系染料、シアニン系染料、フタロシアニン系染料が好ましい。
本発明の着色樹脂組成物中には、(A)色材として、一般式(I)で表される化合物が1種だけ含まれていてもよく、2種以上含まれていてもよい。
同様に、その他の染料も1種だけ含まれていてもよく、2種以上含まれていてもよい。
(その他の顔料)
顔料としては、例えばカラーフィルタの画素等を形成する場合には、青色、紫色等各種の色の顔料を使用することができる。また、その化学構造としては、例えばフタロシアニン系、キナクリドン系、ベンツイミダゾロン系、ジオキサジン系、インダンスレン系、ペリレン系等の有機顔料が挙げられる。この他に種々の無機顔料等も利用可能である。以下、使用できる顔料の具体例をピグメントナンバーで示す。
青色顔料としては、例えばC.I.ピグメントブルー1、1:2、9、14、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17、19、25、27、28、29、33、35、36、56、56:1、60、61、61:1、62、63、66、67、68、71、72、73、74、75、76、78、79などを挙げることができる。
これらの中でも、中心金属を有するフタロシアニン顔料が好ましく、特に青色の銅フタロシアニン顔料が好ましい。該銅フタロシアニン顔料としては、C.I.ピグメントブルー15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6などが好ましく挙げられ、最も好ましくはC.I.ピグメントブルー15:6である。
この為、本発明の着色樹脂組成物が、青色顔料を含む場合、青色顔料の全含有量に対して、80質量%以上、特に90質量%以上、とりわけ95〜100質量%が、C.I.ピグメントブルー15:6であることが好ましい。
紫色顔料としては、例えばC.I.ピグメントバイオレット1、1:1、2、2:2、3、3:1、3:3、5、5:1、14、15、16、19、23、25、27、29、31、32、37、39、42、44、47、49、50などを挙げることができる。
これらの中でも、紫色のジオキサジン顔料が好ましく、該ジオキサジン顔料として、C.I.ピグメントバイオレット19、23などが好ましく挙げられ、更に好ましくはC.I.ピグメントバイオレット23である。
この為、本発明の着色樹脂組成物が、紫色顔料を含む場合、紫色顔料の全含有量に対して、80質量%以上、特に90質量%以上、とりわけ95〜100質量%が、C.I.ピグメントバイオレット23であることが好ましい。
これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で混合して用いてもよい。
本発明の着色樹脂組成物に用いることのできる顔料は、高いコントラストの画素を形成しうる点から平均一次粒径の小さいものが好ましく、具体的には、平均一次粒径が40nm以下であることが好ましく、35nm以下であることがより好ましい。
特に、青色の銅フタロシアニン顔料についても同様に、好ましくは平均一次粒径が40nm以下であり、より好ましくは35nm以下、更に好ましくは20〜30nmである。
また、ジオキサジン顔料については、平均一次粒径は好ましくは40nm以下、より好ましくは25〜35nmである。着色樹脂組成物中で顔料が凝集し難い点からは、平均一次粒径が小さすぎない方が好ましい。
なお、ここで、顔料の平均一次粒径は以下の方法により測定・算出された値とすることができる。
まず、顔料をクロロホルム中に超音波分散し、コロジオン膜貼り付けメッシュ上に滴下して、乾燥させ、透過電子顕微鏡(TEM)観察により、顔料の一次粒子像を得る。この像から、個々の顔料粒子の粒径を、同じ面積となる円の直径に換算した面積円相当径として、複数個(通常200〜300個程度)の顔料粒子についてそれぞれ粒径を求める。
得られた一次粒径の値を用い、下式の計算式の通り個数平均値を計算し、平均粒径を求める。
個々の顔料粒子の粒径:X、X、X、X、・・・・、X、・・・・・・X(mは粒子の個数)
Figure 2015113421
[(B)溶剤]
本発明の着色樹脂組成物に含有される(B)溶剤は、着色樹脂組成物に含まれる各成分を溶解または分散させ、粘度を調節する機能を有する。
(B)溶剤としては、着色樹脂組成物を構成する各成分を溶解または分散させることができるものであればよく、沸点が100〜200℃の範囲のものを選択するのが好ましい。より好ましくは120〜170℃の沸点をもつものである。
このような溶剤としては、例えば、次のようなものが挙げられる。
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコール−モノt−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、メトキシメチルペンタノール、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、3−メチル−3−メトキシブタノール、トリプロピレングリコールモノメチルエーテルのようなグリコールモノアルキルエーテル類;
エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテルのようなグリコールジアルキルエーテル類;
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、メトキシブチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、メトキシペンチルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテートのようなグリコールアルキルエーテルアセテート類;
ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジアミルエーテル、エチルイソブチルエーテル、ジヘキシルエーテルのようなエーテル類;
アセトン、メチルエチルケトン、メチルアミルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソアミルケトン、ジイソプロピルケトン、ジイソブチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、エチルアミルケトン、メチルブチルケトン、メチルヘキシルケトン、メチルノニルケトンのようなケトン類;
エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリンのような1価または多価アルコール類;
n−ペンタン、n−オクタン、ジイソブチレン、n−ヘキサン、ヘキセン、イソプレン、ジペンテン、ドデカンのような脂肪族炭化水素類;
シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、メチルシクロヘキセン、ビシクロヘキシルのような脂環式炭化水素類;
ベンゼン、トルエン、キシレン、クメンのような芳香族炭化水素類;
アミルホルメート、エチルホルメート、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、酢酸アミル、酢酸シクロヘキシル、メチルイソブチレート、エチレングリコールアセテート、エチルプロピオネート、プロピルプロピオネート、酪酸ブチル、酪酸イソブチル、イソ酪酸メチル、エチルカプリレート、ブチルステアレート、エチルベンゾエート、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸プロピル、3−メトキシプロピオン酸ブチル、γ−ブチロラクトンのような鎖状または環状エステル類;
3−メトキシプロピオン酸、3−エトキシプロピオン酸のようなアルコキシカルボン酸類;
ブチルクロライド、アミルクロライドのようなハロゲン化炭化水素類;
メトキシメチルペンタノンのようなエーテルケトン類;
アセトニトリル、ベンゾニトリルのようなニトリル類:
これらの溶剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記溶剤中、基板と塗布膜の密着性、塗布膜が均一な膜厚を形成できる観点からから、グリコールモノアルキルエーテル類を含有することが好ましい。中でも、特に着色樹脂組成物中の各種構成成分の溶解性の点からプロピレングリコールモノメチルエーテルが特に好ましい。
また、例えば任意成分として前述の顔料を含む場合には、塗布性、表面張力などのバランスがよく、着色樹脂組成物中の構成成分の溶解度が比較的高い点からは、溶剤としてさらにグリコールアルキルエーテルアセテート類を混合して使用することがより好ましい。尚、顔料を含む着色樹脂組成物中では、グリコールモノアルキルエーテル類は極性が高く、顔料を凝集させる傾向があり、着色樹脂組成物の粘度を上げる等、保存安定性を低下させる場合がある。このため、グリコールモノアルキルエーテル類の使用量は過度に多くない方が好ましく、(B)溶剤中のグリコールモノアルキルエーテル類の割合は5〜50質量%が好ましく、5〜30質量%がより好ましい。
また、最近の大型基板等に対応したスリットコート方式への適性という観点からは、150℃以上の沸点をもつ溶剤を併用することも好ましい。この場合、このような高沸点溶剤の含有量は、(B)溶剤全体に対して3〜50質量%が好ましく、5〜40質量%がより好ましく、5〜30質量%が特に好ましい。高沸点溶剤の量が少なすぎると、例えばスリットノズル先端で染料成分などが析出・固化して異物欠陥を惹き起こす可能性があり、また多すぎると組成物の乾燥速度が遅くなり、後述するカラーフィルタ製造工程における、減圧乾燥プロセスのタクト不良や、プリベークのピン跡といった問題を惹き起こすことが懸念される。
なお、沸点150℃以上の溶剤は、グリコールアルキルエーテルアセテート類であっても、またグリコールアルキルエーテル類であってもよく、この場合は、沸点150℃以上の溶剤を別途含有させなくてもかまわない。
本発明の着色樹脂組成物は、インクジェット法によるカラーフィルタ製造に供してもよいが、インクジェット法によるカラーフィルタ製造においては、ノズルから発せられるインクは数〜数十pLと非常に微小であるため、ノズル口周辺あるいは画素バンク内に着弾する前に、溶剤が蒸発してインクが濃縮・乾固する傾向がある。これを回避するためには溶剤の沸点は高い方が好ましく、具体的には、(B)溶剤が沸点180℃以上の溶剤を含むことが好ましい。特に、沸点が200℃以上、とりわけ沸点が220℃以上の溶剤を含有することが好ましい。また、沸点180℃以上である高沸点溶剤は、(B)溶剤中50質量%以上であることが好ましい。このような高沸点溶剤の割合が50質量%未満である場合には、インク液滴からの溶剤の蒸発防止効果が十分に発揮されないおそれがある。
本発明の着色樹脂組成物において、(B)溶剤の含有量に特に制限はないが、その上限は着色樹脂組成物の総量に対して通常99質量%とする。組成物中の(B)溶剤の含有量が99質量%を超える場合は、(B)溶剤を除く各成分の濃度が小さくなり過ぎて、塗布膜を形成し難くなる場合がある。一方、(B)溶剤の含有量の下限値は、塗布に適した粘性等を考慮して、通常75質量%、好ましくは80質量%、更に好ましくは82質量%である。
[(C)バインダー樹脂]
(C)バインダー樹脂は、着色樹脂組成物の硬化手段により好ましいものが異なる。
本発明の着色樹脂組成物が光重合性樹脂組成物である場合、(C)バインダー樹脂としては、例えば特開平7−207211号公報、特開平8−259876号公報、特開平10−300922号公報、特開平11−140144号公報、特開平11−174224号公報、特開2000−56118号公報、特開2003−233179号公報などの各公報等に記載される高分子化合物を使用することができるが、中でも好ましくは下記(C−1)〜(C−5)の樹脂などが挙げられる。
(C−1):エポキシ基含有(メタ)アクリレートと、他のラジカル重合性単量体との共重合体に対し、該共重合体が有するエポキシ基の少なくとも一部に不飽和一塩基酸を付加させてなる樹脂、または該付加反応により生じた水酸基の少なくとも一部に多塩基酸無水物を付加させて得られる、アルカリ可溶性樹脂(以下、「樹脂(C−1)」と称す場合がある。)
(C−2):カルボキシル基含有直鎖状アルカリ可溶性樹脂(C−2)(以下、「樹脂(C−2)」と称す場合がある。)
(C−3):前記樹脂(C−2)のカルボキシル基部分に、エポキシ基含有不飽和化合物を付加させた樹脂(以下「樹脂(C−3)」と称す場合がある。)
(C−4):(メタ)アクリル系樹脂(以下、「樹脂(C−4)」と称す場合がある。)
(C−5):カルボキシル基を有するエポキシアクリレート樹脂(以下「樹脂(C−5)と称す場合がある。)
このうち特に好ましくは樹脂(C−1)が挙げられ、以下該樹脂について説明する。
尚、樹脂(C−2)〜(C−5)は、アルカリ性の現像液によって溶解され、目的とする現像処理が遂行される程度に溶解性を有するものであれば何でもよく、各々、特開2009−025813号公報の同項目として記載のものと同様である。好ましい態様も同様である。
(C−1):エポキシ基含有(メタ)アクリレートと、他のラジカル重合性単量体との共重合体に対し、該共重合体が有するエポキシ基の少なくとも一部に不飽和一塩基酸を付加させてなる樹脂、或いは該付加反応により生じた水酸基の少なくとも一部に多塩基酸無水物を付加させて得られるアルカリ可溶性樹脂
樹脂(C−1)の特に好ましい樹脂の一つとして、エポキシ基含有(メタ)アクリレート5〜90モル%と、他のラジカル重合性単量体10〜95モル%との共重合体に対し、該共重合体が有するエポキシ基の10〜100モル%に不飽和一塩基酸を付加させてなる樹脂、或いは該付加反応により生じた水酸基の10〜100モル%に多塩基酸無水物を付加させて得られるアルカリ可溶性樹脂が挙げられる。
そのエポキシ基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、3、4−エポキシブチル(メタ)アクリレート、(3、4−エポキシシクロヘキシル)メチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル等が例示できる。中でもグリシジル(メタ)アクリレートが好ましい。これらのエポキシ基含有(メタ)アクリレートは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記エポキシ基含有(メタ)アクリレートと共重合させる他のラジカル重合性単量体としては、本発明の効果を損わない限り特に制限はなく、例えば、ビニル芳香族類、ジエン類、(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリル酸アミド類、ビニル化合物類、不飽和ジカルボン酸ジエステル類、モノマレイミド類などが挙げられるが、特に下記式(IV)で表される構造を有するモノ(メタ)アクリレートが好ましい。
下記式(IV)で表される構造を有するモノ(メタ)アクリレートに由来する繰返し単位は、「他のラジカル重合性単量体」に由来する繰返し単位中、5〜90モル%含有するものが好ましく、10〜70モル%含有するものが更に好ましく、15〜50モル%含有するものが特に好ましい。
Figure 2015113421
上記式(IV)中、R89は水素原子またはメチル基を示し、R90は下記式(V)で表される構造を示す。
Figure 2015113421
上記式(V)中、R91〜R98は、各々独立に、水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表す。尚、R96とR98とが、互いに連結して環を形成していてもよい。
96とR98が連結して形成される環は、脂肪族環であるのが好ましく、飽和または不飽和のいずれでもよく、更に炭素数は5〜6であることが好ましい。
中でも、式(V)で表される構造としては、特に下記構造式(Va)、(Vb)、または(Vc)で表されるものが好ましい。
Figure 2015113421
尚、前記式(V)で表される構造を有するモノ(メタ)アクリレートは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記式(V)で表される構造を有するモノ(メタ)アクリレート以外の、「他のラジカル重合性単量体」としては、着色樹脂組成物に優れた耐熱性および強度を向上しうる点で、スチレン、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸−tert−ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボロニル、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、が挙げられる。
上記モノマー群から選択された少なくとも1種に由来する繰返し単位の含有量が、1〜70モル%であるものが好ましく、3〜50モル%であるものが更に好ましい。
尚、前記エポキシ基含有(メタ)アクリレートと、前記他のラジカル重合性単量体との
共重合反応には、公知の溶液重合法が適用される。
本発明において、前記エポキシ基含有(メタ)アクリレートと前記他のラジカル重合性単量体との共重合体としては、エポキシ基含有(メタ)アクリレートに由来する繰返し単位5〜90モル%と、他のラジカル重合性単量体に由来する繰返し単位10〜95モル%と、からなるものが好ましく、前者20〜80モル%と、後者80〜20モル%とからなるものが更に好ましく、前者30〜70モル%と、後者70〜30モル%とからなるものが特に好ましい。
上記範囲内であると、後述の重合性成分およびアルカリ可溶性成分の付加量が十分であり、また、耐熱性や膜の強度が十分であるため好ましい。
上記の様に合成された、エポキシ基含有共重合体のエポキシ基部分に、不飽和一塩基酸(重合性成分)と、更に多塩基酸無水物(アルカリ可溶性成分)とを反応させる。
ここで、エポキシ基に付加させる不飽和一塩基酸としては、公知のものを使用することができ、例えば、エチレン性不飽和二重結合を有する不飽和カルボン酸が挙げられる。
具体例としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、o−、m−、p−ビニル安息香酸、α−位がハロアルキル基、アルコキシル基、ハロゲン原子、ニトロ基、またはシアノ基などで置換された(メタ)アクリル酸等のモノカルボン酸等が挙げられる。中でも好ましくは(メタ)アクリル酸である。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
このような成分を付加させることにより、本発明で用いるバインダー樹脂に重合性を付与することができる。
これらの不飽和一塩基酸は、通常、前記共重合体が有するエポキシ基の10〜100モル%に付加させるが、好ましくは30〜100モル%、より好ましくは50〜100モル%に付加させる。前記範囲内であると、着色樹脂組成物の経時安定性に優れるため好ましい。尚、共重合体のエポキシ基に不飽和一塩基酸を付加させる方法としては、公知の方法を採用することができる。
更に、共重合体のエポキシ基に不飽和一塩基酸を付加させたときに生じる水酸基に付加させる多塩基酸無水物としては、公知のものが使用できる。
例えば、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水クロレンド酸等の二塩基酸無水物;無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、ビフェニルテトラカルボン酸無水物等の三塩基以上の酸の無水物が挙げられる。中でも、無水コハク酸およびテトラヒドロ無水フタル酸が好ましい。これらの多塩基酸無水物は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
このような成分を付加させることにより、本発明で用いるバインダー樹脂にアルカリ可溶性を付与することができる。
これらの多塩基酸無水物は、通常、前記共重合体が有するエポキシ基に、不飽和一塩基酸を付加させることにより生じる水酸基の10〜100モル%に付加させるが、好ましくは20〜90モル%、より好ましくは30〜80モル%に付加させる。
上記範囲内であると、現像時の残膜率および溶解性が十分であるため好ましい。
尚、当該水酸基に多塩基酸無水物を付加させる方法としては、公知の方法を採用することができる。
更に、光感度を向上させるために、前述の多塩基酸無水物を付加させた後、生成したカルボキシル基の一部にグリシジル(メタ)アクリレートや重合性不飽和基を有するグリシジルエーテル化合物を付加させてもよい。このような樹脂の構造に関しては、例えば特開
平8−297366号公報や特開2001−89533号公報に記載されている。
上述のバインダー樹脂(C)の、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、3000〜100000が好ましく、5000〜50000が特に好ましい。上記範囲内であると、耐熱性や膜強度、更に現像液に対する溶解性が良好である点で好ましい。
また、分子量分布の目安として、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)の比は、2.0〜5.0が好ましい。
なお、バインダー樹脂(C)の酸価は、通常10〜200mg−KOH/g、好ましくは15〜150mg−KOH/g、更に好ましくは25〜100mg−KOH/gである。酸価が低くなりすぎると、現像液に対する溶解性が低下する場合がある。逆に、高すぎると、膜荒れが生じることがある。
着色樹脂組成物における(C)バインダー樹脂の含有割合は、全固形分中、通常0.1〜80質量%、好ましくは1〜60質量%である。
上記範囲内であると、基板への密着性が良好であり、また露光部への現像液の浸透性が適度で、画素の表面平滑性や感度が良好である点で好ましい。
[(D)重合性モノマー]
本発明の着色樹脂組成物は、さらに(D)重合性モノマーを含有することができる。
(D)重合性モノマーは、重合可能な低分子化合物であれば特に制限はないが、エチレン性二重結合を少なくとも1つ有する付加重合可能な化合物(以下、「エチレン性化合物」と言う場合がある。)が好ましい。
エチレン性化合物は、本発明の着色樹脂組成物が活性光線の照射を受けた場合、後述する光重合開始成分の作用により付加重合し、硬化するようなエチレン性二重結合を有する化合物である。尚、本発明における(D)重合性モノマーは、いわゆる高分子物質に相対する概念を意味し、狭義の単量体以外に二量体、三量体、オリゴマーも包含する。
(D)重合性モノマーにおけるエチレン性化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸;モノヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステル;脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステル;芳香族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステル;不飽和カルボン酸と多価カルボン酸および前述の脂肪族ポリヒドロキシ化合物、芳香族ポリヒドロキシ化合物等の多価ヒドロキシ化合物とのエステル化反応により得られるエステル;ポリイソシアネート化合物と(メタ)アクリロイル基含有ヒドロキシ化合物とを反応させたウレタン骨格を有するエチレン性化合物;等が挙げられる。
脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステルとしては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。また、これら(メタ)アクリル酸エステルの(メタ)アクリル酸部分を、イタコン酸部分に代えたイタコン酸エステル、クロトン酸部分に代えたクロトン酸エステル、或いは、マレイン酸部分に代えたマレイン酸エステル等が挙げられる。
芳香族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステルとしては、ハイドロキノ
ンジ(メタ)アクリレート、レゾルシンジ(メタ)アクリレート、ピロガロールトリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
不飽和カルボン酸と多価カルボン酸および多価ヒドロキシ化合物とのエステル化反応により得られるエステルは、単一物であってもよく、混合物であってもよい。代表例としては、(メタ)アクリル酸、フタル酸、およびエチレングリコールの縮合物;(メタ)アクリル酸、マレイン酸、およびジエチレングリコールの縮合物;(メタ)アクリル酸、テレフタル酸、およびペンタエリスリトールの縮合物;(メタ)アクリル酸、アジピン酸、ブタンジオール、およびグリセリンの縮合物等が挙げられる。
ポリイソシアネート化合物と(メタ)アクリロイル基含有ヒドロキシ化合物とを反応させたウレタン骨格を有するエチレン性化合物としては、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート;シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネート;トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネートと、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシ〔1,1,1−トリ(メタ)アクリロイルオキシメチル〕プロパン等の(メタ)アクリロイル基含有ヒドロキシ化合物との反応物が挙げられる。
その他、本発明に用いられるエチレン性化合物の例としては、エチレンビス(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類;フタル酸ジアリル等のアリルエステル類;ジビニルフタレート等のビニル基含有化合物等が挙げられる。
これらの中では脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステルが好ましく、ペンタエリスリトールまたはジペンタエリスリトールの(メタ)アクリル酸エステルがより好ましく、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが特に好ましい。
また、エチレン性化合物は酸価を有するモノマーであってもよい。酸価を有するモノマーとしては、例えば、脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステルであり、脂肪族ポリヒドロキシ化合物の未反応のヒドロキシル基に非芳香族カルボン酸無水物を反応させて酸基を持たせた多官能単量体が好ましく、特に好ましくは、このエステルにおいて、脂肪族ポリヒドロキシ化合物がペンタエリスリトールおよびジペンタエリスリトールのうち少なくとも一方であるものである。
これらの単量体は1種を単独で用いてもよいが、製造上、単一の化合物を得ることは難しいことから、2種以上の混合物を使用してもよい。
また、必要に応じて(D)重合性モノマーとして酸基を有しない多官能モノマーと酸基を有する多官能モノマーを併用してもよい。
酸基を有する多官能モノマーの好ましい酸価としては、0.1〜100mg−KOH/gであり、特に好ましくは5〜80mg−KOH/gである。
上記範囲内であると、現像溶解特性が低下しにくく、また製造や取り扱いが容易である。更に、光重合性能が落ち難く、画素の表面平滑性等の硬化性が良好であるため好ましい。
本発明において、より好ましい酸基を有する多官能モノマーは、例えば、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートのコハク酸エステルを主成分とする混合物である。この多官能モノマーと他の多官能モノマーを組み合わせて使用することもできる。
本発明の着色樹脂組成物において、これらの(D)重合性モノマーの含有割合は、全固形分中、通常1質量%以上、好ましくは5質量%以上、更に好ましくは10質量%以上であり、また、通常80質量%以下、好ましくは70質量%以下、より好ましくは50質量
%以下、さらに好ましくは40質量%以下、よりさらに好ましくは30質量%以下、特に好ましくは20質量%以下である。
また、(D)重合性モノマーの前記(A)色材100質量部に対する含有割合は、通常1質量部以上、好ましくは5質量部以上、より好ましくは10質量部以上、さらに好ましくは20質量部以上、よりさらに好ましくは50質量部以上であり、また、通常200質量部以下、好ましくは100質量部以下、更に好ましくは80質量部以下である。
上記範囲内であると、光硬化が適度であり、現像時の密着不良が起き難く、また現像後の断面が逆テーパー形状になり難く、更に溶解性低下による剥離現象・抜け不良が起き難いため好ましい。
[(E)光重合開始成分、(E’)熱重合開始成分]
本発明の着色樹脂組成物は、塗膜を硬化させる目的で、(E)光重合開始成分および(E’)熱重合開始成分のうち少なくとも一方を含むことが好ましい。ただし、硬化の方法はこれらの開始剤によるもの以外でもよい。
特に、本発明の着色樹脂組成物が、(C)成分としてエチレン性二重結合を有する樹脂を含む場合や、(D)成分としてエチレン性化合物を含む場合には、光を直接吸収し、または光増感されて分解反応または水素引き抜き反応を起こし、重合活性ラジカルを発生する機能を有する光重合開始成分および熱によって重合活性ラジカルを発生する熱重合開始成分のうち少なくとも一方を含有することが好ましい。なお、本発明において光重合開始成分としての(E)成分とは、光重合開始剤(以下、任意に「(E1)成分」とも称する)に重合加速剤(以下、任意に「(E2)成分」とも称する)、増感色素(以下、任意に「(E3)成分」とも称する)などの付加剤が併用されている混合物を意味する。
[(E)光重合開始成分]
本発明における(E)光重合開始成分は、通常、(E1)光重合開始剤、および必要に応じて添加される(E2)重合加速剤および(E3)増感色素等の付加剤との混合物として用いられ、光を直接吸収し、或いは光増感されて分解反応または水素引き抜き反応を起こし、重合活性ラジカルを発生する機能を有する成分である。
光重合開始成分を構成する(E1)光重合開始剤としては、例えば、特開昭59−152396号公報、特開昭61−151197号公報等に記載のチタノセン誘導体類;特開平10−300922号公報、特開平11−174224号公報、特開2000−56118号公報等に記載されるヘキサアリールビイミダゾール誘導体類;特開平10−39503号公報等に記載のハロメチル化オキサジアゾール誘導体類、ハロメチル−s−トリアジン誘導体類、N−フェニルグリシン等のN−アリール−α−アミノ酸類、N−アリール−α−アミノ酸塩類、N−アリール−α−アミノ酸エステル類等のラジカル活性剤、α−アミノアルキルフェノン誘導体類;特開2000−80068号公報等に記載のオキシムエステル系誘導体類等が挙げられる。
具体的には、例えば国際公開第2009/107734号パンフレット等に記載の光重合開始剤等が挙げられる。
これら光重合開始剤の中では、α−アミノアルキルフェノン誘導体類、オキシムエステル系誘導体類、ビイミダゾール誘導体類、アセトフェノン誘導体類、およびチオキサントン誘導体類がより好ましい。
また、オキシムエステル系誘導体類としては、2−(ベンゾイルオキシイミノ)−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1−オクタノン、O−アセチル−1−[6−(2−メチルベンゾイル)−9−エチル−9H−カルバゾール−3−イル]エタノンオキシムおよび下記式(VI)で表される化合物等が挙げられる。
Figure 2015113421
式(VI)中、R101は、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜25のアルケニル基、炭素数3〜20のヘテロアリール基または炭素数4〜25のヘテロアリールアルキル基を示し、これらはいずれも置換基を有していてもよい。あるいは、R101はXまたはZと結合し、環を形成していてもよい。
102は、炭素数2〜20のアルカノイル基、炭素数3〜25のアルケノイル基、炭素数4〜8のシクロアルカノイル基、炭素数7〜20のアリーロイル基、炭素数2〜10のアルコキシカルボニル基、炭素数7〜20のアリールオキシカルボニル基、炭素数2〜20のヘテロアリール基、炭素数3〜20のヘテロアリーロイル基または炭素数2〜20のアルキルアミノカルボニル基を示し、これらはいずれも置換基を有していてもよい。
Xは、置換基を有していてもよい、2個以上の環が縮合してなる、2価の芳香族炭化水素環基および芳香族複素基のうち少なくとも一方を示す。
Zは、置換基を有していてもよい芳香族環基を示す。
なお、前記式(VI)で表される化合物の中でも、Xが置換基を有していてもよいカルバゾール環である化合物が好ましく、具体的には下記式(VII)で表される化合物などが挙げられ、中でも下記式(VIII)で表される化合物が特に好ましい。
Figure 2015113421
式(VII)中、R101、R102およびZは、前記式(VI)における定義と同義である。R103〜R109は各々独立に水素原子または任意の置換基を示す。)
Figure 2015113421
式(VIII)中、R101aは、炭素数1〜3のアルキル基、または下記式(VIIIa)で表される基を示す。
Figure 2015113421
式(VIIIa)中、R110およびR111は各々独立に、水素原子、フェニル基またはN−アセチル−N−アセトキシアミノ基を示す。*は、結合部位を表す。
102aは、炭素数2〜4のアルカノイル基を示し、Xは、窒素原子が1〜4のアルキル基で置換されていてもよい3,6−カルバゾリル基を示す。Zは、アルキル基で置換されていてもよいフェニル基またはモルホリノ基で置換されていてもよいナフチル基を示す。)
オキシム系開始剤としては市販品を用いてもよい。市販品の例としては、OXE−01、OXE―02(BASF社製)、TRONLYTR−PBG−304、TRONLYTR−PBG−309、TRONLYTR−PBG−305、TRONLYTR−PBG−314(常州強力電子新材料有限公司社(CHANGZHOU TRONLY NEW ELECTRONIC MATERIALS CO.,LTD)製)が挙げられる。
光重合開始剤としては、その他に、ベンゾインアルキルエーテル類、アントラキノン誘導体類;2−メチル−(4’−メチルチオフェニル)−2−モルホリノ−1−プロパノン等のアセトフェノン誘導体類、2−エチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン誘導体類、安息香酸エステル誘導体類、アクリジン誘導体類、フェナジン誘導体類、アンスロン誘導体類等も挙げられる。これらの開始剤として市販品を用いてもよい。
市販品としては、例えば、IRGACURE 651、IRGACURE 184、DAROCURE 1173、IRGACURE 2959、IRGACURE 127、IRGACURE 907、IRGACURE 369、IRGACURE 379EG、LUCIRIN TPO、IRGACURE 819、IRGACURE 784(いずれも、BASF社製)等が挙げられる。
これら光重合開始剤の中では、α−アミノアルキルフェノン誘導体類、チオキサントン誘導体類、オキシムエステル系誘導体類がより好ましい。特に、オキシムエステル系誘導体類が好ましい。
必要に応じて用いられる(E2)重合加速剤としては、例えば、N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル等のN,N−ジアルキルアミノ安息香酸アルキルエステル類;2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール等の複素環を有するメルカプト化合物;脂肪族多官能メルカプト化合物等のメルカプト化合物類等が挙げられる。
これらの(E1)光重合開始剤および(E2)重合加速剤は、それぞれ1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、必要に応じて感応感度を高める目的で、(E3)増感色素が用いられる。増感色素は、画像露光光源の波長に応じて、適切なものが用いられるが、例えば特開平4−221958号公報、特開平4−219756号公報等に記載のキサンテン系色素;特開平3−239703号公報、特開平5−289335号公報等に記載の複素環を有するクマリン系色素;特開平3−239703号公報、特開平5−289335号公報等に記載の3
−ケトクマリン系色素;特開平6−19240号公報等に記載のピロメテン系色素;特開昭47−2528号公報、特開昭54−155292号公報、特公昭45−37377号公報、特開昭48−84183号公報、特開昭52−112681号公報、特開昭58−15503号公報、特開昭60−88005号公報、特開昭59−56403号公報、特開平2−69号公報、特開昭57−168088号公報、特開平5−107761号公報、特開平5−210240号公報、特開平4−288818号公報等に記載のジアルキルアミノベンゼン骨格を有する色素等が挙げられる。
(E3)増感色素もまた1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の着色樹脂組成物において、これらの(E)光重合開始成分の含有割合は、全固形分中、通常0.1質量%以上、好ましくは0.2質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、さらに好ましくは1質量%以上、よりさらに好ましくは5質量%以上、特に好ましくは10質量%以上、また、通常40質量%以下、好ましくは30質量%以下、更に好ましくは20質量%以下の範囲である。
上記範囲内であると、露光光線に対する感度が良好で、また未露光部分の現像駅に対する溶解性も良好で、現像不良などを誘起し難い点で好ましい。
[(E’)熱重合開始成分]
本発明の着色樹脂組成物に含有されていてもよい(E’)熱重合開始成分の具体例としては、アゾ系化合物、有機過酸化物および過酸化水素等が挙げられる。これらのうち、アゾ系化合物が好適に用いられる。より具体的には、例えば国際公開第2009/107734号パンフレット等に記載の熱重合開始成分を用いることができる。
これらの熱重合開始成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
[その他の任意成分]
本発明の着色樹脂組成物は、前記各成分の外に、界面活性剤、有機カルボン酸および有機カルボン酸無水物のうち少なくとも一方、熱硬化性化合物、可塑剤、熱重合防止剤、保存安定剤、表面保護剤、密着向上剤、現像改良剤等を含有していてもよい。これら任意成分としては、例えば特開2007−113000号公報記載の各種化合物を使用することができる。また、顔料を含有する場合には、分散剤や分散助剤を含有してもよい。
[分散剤]
本発明の着色樹脂組成物が、顔料を含む場合、更に分散剤を含有することが好ましい。
本発明における分散剤は、顔料が分散し、安定を保つことができれば特に種類を問わない。
例えば、カチオン系、アニオン系、ノニオン系や両性等の分散剤を使用することができるが、ポリマー分散剤が好ましい。具体的には、ブロック共重合体、ポリウレタン、ポリエステル、高分子共重合体のアルキルアンモニウム塩またはリン酸エステル塩、カチオン性櫛型グラフトポリマー等を挙げることができる。これら分散剤の中で、ブロック共重合体、ポリウレタン、カチオン性櫛型グラフトポリマーが好ましい。特にブロック共重合体が好ましく、この中でも親溶剤性を有するAブロックおよび窒素原子を含む官能基を有するBブロックからなるブロック共重合体が好ましい。
具体的には、窒素原子含有官能基を有するBブロックとして、側鎖に4級アンモニウム塩基およびアミノ基のうち少なくとも一方を有する単位構造が挙げられ、一方、親溶剤性のAブロックとして、4級アンモニウム塩基およびアミノ基を有さない単位構造が挙げられる。
係るアクリル系ブロック共重合体を構成するBブロックは、4級アンモニウム塩基およびアミノ基のうち少なくとも一方を有する単位構造を有し、顔料吸着機能を持つ部位である。
又、係るBブロックとして、4級アンモニウム塩基を有する場合、当該4級アンモニウム塩基は、直接主鎖に結合していてもよいが、2価の連結基を介して主鎖に結合していてもよい。
このようなブロック共重合体としては、例えば、特開2009−025813号公報に記載のものが挙げられる。
また、本発明の着色樹脂組成物は、上記した以外の分散剤を含んでいてもよい。その他の分散剤としては、例えば、特開2006−343648号公報に記載のものが挙げられる。
本発明の着色樹脂組成物が、顔料を含有する場合、分散剤の全固形分中の含有割合は、顔料の総含有量を100質量部とした場合、2〜1000質量部、特に5〜500質量部、とりわけ10〜250質量部の範囲内となるように用いることが好ましい。
上記範囲内とすることで、式(I)で表されるトリアリールメタン系化合物の耐熱性に影響を及ぼすことなく、良好な顔料分散性を確保することができ、また顔料の分散安定性がより良好となる点で好ましい。
[分散助剤]
本発明の着色樹脂組成物には、分散助剤を含有していてもよい。ここでいう分散助剤は、顔料誘導体であってもよく、顔料誘導体としては、例えば特開2001−220520号公報、特開2001−271004号公報、特開2002−179976号公報、特開2007−113000号公報、および特開2007−186681号公報等に記載の各種化合物等を使用することができる。
尚、本発明の着色樹脂組成物における分散助剤の含有割合は、顔料の総固形分量に対して通常0.1質量%以上、又、通常30質量%以下、好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下、更に好ましくは5質量%以下である。添加量を上記の範囲に制御することにより、分散助剤としての効果が発揮され、又、分散性および分散安定性がより良好である点で好ましい。
[分散樹脂]
本発明の着色樹脂組成物には、前記(C)バインダー樹脂もしくはその他のバインダー樹脂から選ばれた樹脂の一部または全部を下記の分散樹脂として含有していてもよい。
具体的には、後述する[着色樹脂組成物の調製方法]において、前述の分散剤等の成分とともに、(C)バインダー樹脂を含有させることにより、該(C)バインダー樹脂が、分散剤との相乗効果で顔料の分散安定性に寄与する。結果として分散剤の添加量を減らせる可能性があるため好ましい。又、現像性が向上し、基板の非画素部に未溶解物が残存せず、画素の基板への密着性が向上する、といった効果も奏するため好ましい。
このように、分散処理工程に使用される(C)バインダー樹脂を、分散樹脂と称することがある。分散樹脂は、着色樹脂組成物中の顔料全量に対して0〜200質量%程度使用することが好ましく、10〜100質量%程度使用することがより好ましい。
[着色樹脂組成物の調製方法]
本発明において、着色樹脂組成物は、適宜の方法により調製することができるが、例えば、化合物(I)を含む(A)色材および(C)バインダー樹脂を、(B)溶剤および必要に応じて用いられる任意成分と共に混合することで調製できる。
また、化合物(I)を含む(A)色材および(B)溶剤を含む色材含有液を準備し、そこに(C)バインダー樹脂および任意の成分を共に混合してもよい。
また、顔料を含む場合の調製方法としては、顔料を含む溶剤中、分散剤および必要に応
じて添加する分散助剤の存在下で、場合により(C)バインダー樹脂の一部と共に、例えば、ペイントシェイカー、サンドグラインダー、ボールミル、ロールミル、ストーンミル、ジェットミル、ホモジナイザー等を用いて、粉砕しつつ混合・分散して顔料分散液を調製する。該顔料分散液に、化合物(I)を含む(A)色材、(C)バインダー樹脂、必要に応じて、(D)重合性モノマー、(E)光重合開始成分および熱重合開始成分のうち少なくとも一方、などを添加し、混合することにより調製する方法を挙げることができる。
一方で、顔料を含まない場合、例えば色材として染料のみを用いる場合の調製方法としては、分散剤や分散錠剤を必要とせず、また煩雑な顔料の分散工程が不要であるため、着色組成物を安価に製造することができる。
[着色樹脂組成物の応用]
本発明の着色樹脂組成物は、通常、すべての構成成分が溶剤中に溶解或いは分散された状態である。このような着色樹脂組成物が基板上へ供給され、カラーフィルタや液晶表示装置、有機EL表示装置などの構成部材が形成される。
以下、本発明の着色樹脂組成物の応用例として、カラーフィルタの画素としての応用、およびそれらを用いた液晶表示装置(パネル)および有機EL表示装置について、説明する。
<カラーフィルタ>
本発明のカラーフィルタは、本発明の着色樹脂組成物から形成された画素を有するものである。
以下に、本発明のカラーフィルタを形成する方法について説明する。
カラーフィルタの画素は、様々な方法で形成することができる。ここでは光重合性の着色樹脂組成物を使用してフォトリソグラフィー法にて形成する場合を例に説明するが、製造方法はこれに限定されるものではない。
まず、基板の表面上に、必要に応じて、画素を形成する部分を区画するようにブラックマトリックスを形成し、この基板上に、本発明の着色樹脂組成物を塗布したのち、プレベークを行って溶剤を蒸発させ、塗膜を形成する。次いで、この塗膜にフォトマスクを介して露光したのち、アルカリ現像液を用いて現像して、塗膜の未露光部を溶解除去し、その後ポストベークすることにより、赤色、緑色、青色の各画素パターンを形成して、カラーフィルタを作製することができる。
本発明では特に、本発明の着色樹脂組成物を用いて形成された画素が、青色の画素であることが好ましい。
画素を形成する際に使用される基板としては、透明で適度な強度を有するものであれば特に限定されないが、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂、熱可塑性樹脂製シート、エポキシ樹脂、熱硬化性樹脂、各種ガラスなどが挙げられる。
また、これらの基板には、所望により、シランカップリング剤やウレタン系樹脂などによる薄膜形成処理、コロナ放電処理やオゾン処理などの表面処理等、適宜前処理を施してもよい。
着色樹脂組成物を基板に塗布する際には、スピナー法、ワイヤーバー法、フローコート法、スリット・アンド・スピン法、ダイコート法、ロールコート法、スプレーコート法等が挙げられる。中でも、スリット・アンド・スピン法、およびダイコート法が好ましい。
塗布膜の厚さは、乾燥後の膜厚として、通常、0.2〜20μm、好ましくは0.5〜10μm、特に好ましくは0.8〜5.0μmである。
上記範囲内であると、パターン現像や液晶セル化工程でのギャップ調整が容易であり、また所望の色発現がし易い点で好ましい。
露光の際に使用される放射線としては、例えば、可視光線、紫外線、遠紫外線、電子線、X線等を使用することができるが、波長が190〜450nmの範囲にある放射線が好ましい。
画像露光に使用される、波長190〜450nmの放射線を用いるための光源は、特に限定されるものではないが、例えば、キセノンランプ、ハロゲンランプ、タングステンランプ、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、中圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、蛍光ランプ等のランプ光源;アルゴンイオンレーザー、YAGレーザー、エキシマレーザー、窒素レーザー、ヘリウムカドミニウムレーザー、半導体レーザー等のレーザー光源等が挙げられる。特定の波長の光を照射して使用する場合には、光学フィルターを利用することもできる。
放射線の露光量は、10〜10,000J/mが好ましい。
また、前記アルカリ現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、メタ珪酸ナトリウム、燐酸ナトリウム、燐酸カリウム、燐酸水素ナトリウム、燐酸水素カリウム、燐酸二水素ナトリウム、燐酸二水素カリウム、水酸化アンモニウム等の無機アルカリ性化合物;モノ−エタノールアミン、ジ−エタノールアミン、トリ−エタノールアミン、モノ−メチルアミン、ジ−メチルアミン、トリ−メチルアミン、モノ−エチルアミン、ジ−エチルアミン、トリ−エチルアミン、モノ−イソプロピルアミン、ジ−イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノ−イソプロパノールアミン、ジ−イソプロパノールアミン、トリ−イソプロパノールアミン、エチレンイミン、エチレンジイミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、コリン等の有機アルカリ性化合物等の水溶液が好ましい。
前記アルカリ現像液には、例えばイソプロピルアルコール、ベンジルアルコール、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、フェニルセロソルブ、プロピレングリコール、ジアセトンアルコール等の水溶性有機溶剤や界面活性剤等を適量添加することもできる。なお、アルカリ現像後は、通常、水洗する。
現像処理法としては、浸漬現像法、スプレー現像法、ブラシ現像法、超音波現像法等の何れかの方法によることができる。現像条件は、室温(23℃)で5〜300秒が好ましい。
現像処理の条件には特に制限はないが、現像温度は通常10℃以上、中でも15℃以上、更には20℃以上、また、通常50℃以下、中でも45℃以下、更には40℃以下の範囲が好ましい。
現像方法は、浸漬現像法、スプレー現像法、ブラシ現像法、超音波現像法等の何れかの方法によることができる。
このようにして作製されたカラーフィルタを液晶表示装置に使用する場合には、このままの状態で画像上にITO等の透明電極を形成して、カラーディスプレイ、液晶表示装置等の部品の一部として使用されるが、表面平滑性や耐久性を高めるため、必要に応じ、画像上にポリアミド、ポリイミド等のトップコート層を設けることもできる。また、一部、平面配向型駆動方式(IPSモード)等の用途においては、透明電極を形成しないこともある。また、垂直配向型駆動方式(MVAモード)では、リブを形成することもある。また、ビーズ散布型スペーサに代わり、フォトリソグラフィー法による柱構造(フォトスペーサー)を形成することもある。
<液晶表示装置>
本発明の液晶表示装置は、上述の本発明のカラーフィルタを用いたものである。本発明
の液晶表示装置の型式や構造については特に制限はなく、本発明のカラーフィルタを用いて常法に従って組み立てることができる。
例えば、「液晶デバイスハンドブック」(日刊工業新聞社、1989年9月29日発行、日本学術振興会第142委員会著)に記載の方法で、本発明の液晶表示装置を形成することができる。
<有機EL表示装置>
本発明のカラーフィルタを有する有機EL表示装置を作成する場合、例えば図1に示すように、透明支持基板10上に、本発明の着色樹脂組成物により画素20が形成された青色カラーフィルタ上に有機保護層30および無機酸化膜40を介して有機発光体500を積層することによって多色の有機EL素子を作製する。
有機発光体500の積層方法としては、カラーフィルタ上面へ透明陽極50、正孔注入層51、正孔輸送層52、発光層53、電子注入層54、および陰極55を逐次形成していく方法や、別基板上へ形成した有機発光体500を無機酸化膜40上に貼り合わせる方法などが挙げられる。このようにして作製された有機EL素子100は、パッシブ駆動方式の有機EL表示装置にもアクティブ駆動方式の有機EL表示装置にも適用可能である。
次に、合成例、実施例および比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
<染料の合成>
(合成例1:染料Aの合成)
Figure 2015113421
1−ヨードナフタレン(化合物1、15.0g、20mmol、東京化成工業社製)、
シクロヘキシルアミン(化合物2a、4.0g、40mmol、東京化成工業社製)、ナ
トリウムーt−ブトキシド(2.3g、24mmol、東京化成工業社製)、トリス(ジ
ベンジリデンアセトン)(クロロホルム)ジパラジウム(0)(54mg、0.050mmol)、2,2’−(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル(98mg、0
.16mmol)、トルエン(50mL)の混合物を、窒素雰囲気下100℃で1時間加
熱攪拌した。室温に冷却後、濾別し、濾液を飽和塩化アンモニウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=100/0〜95/5(体積比))で精製し、化合物3aを4.0g、収率89%で得た。
Figure 2015113421
化合物4(1.5g,4.4mmol、国際公開第2009/107734号パンフレットに記載の方法で合成)、化合物 3a(1.0g、4.5mmol)およびトルエン
(16mL)を加え、溶解するまで室温で撹拌した。オキシ塩化リン(1.8g、12mmol、キシダ化学社製)を滴下し、90−95℃まで昇温した。5.5時間加熱撹拌をおこなった後、室温まで放冷した。水(15mL)を添加し、室温で1時間撹拌した後、クロロホルム(30mL)を加えて撹拌し、静置した。有機層を抽出し、水(45mL)を加えて分液操作をおこない、得られた有機層の溶媒を留去した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=100/0〜4/1(体積比))で精製し、化合物5aを0.88g、収率34%にて得た。
Figure 2015113421
化合物5a(0.88g、1.5mmol)、メタノール(9.0mL)および化合物6(0.46g、1.5mmol、東京化成工業社製)の混合溶液を外温50℃にて1.5時間加熱撹拌した。室温に冷却し、水中に放出した。得られた沈殿を酢酸エチルに溶かして水洗後、溶媒留去、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/酢酸エチル=100/0〜1/7(体積比))で精製し、染料Aを0.82g、収率66%にて得た。
染料Aをプロピレングリコールモノメチルアセテート(PGMEA)/プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)=35/65(体積比)に10質量ppmだけ溶解させた。このときの極大吸収波長(λmax)およびグラム吸光係数(g)のデータを下表に示す。また、液体クロマトグラフ−質量分析(条件:ESI、posi)の結果(m/z)も併せて示す。なお、このときの質量は、トリアリールメタンカチオン部位の質量を示している。
Figure 2015113421
(合成例2:染料Bの合成)
Figure 2015113421
化合物1(5.0g、20mmol、東京化成工業社製)、3−アミノヘプタン(化合
物2b、3.4g、40mmol、東京化成工業社製)、ナトリウムt−ブトキシド(2
.3g、24mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)(クロロホルム)ジパラジ
ウム(0)(51mg、0.050mmol)、2,2’−(ジフェニルホスフィノ)−
1,1’−ビナフチル(92mg、0.15mmol)、トルエン(50mL)の混合物
を、窒素雰囲気下100℃で1時間加熱攪拌した。室温に冷却後、濾別し、濾液を飽和塩化アンモニウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=100/0〜95/5(体積比))で精製し、化合物3bを3.0g、収率72%にて得た。
Figure 2015113421
化合物4(2.6g、5.3mmol、国際公開第2009/107734号パンフレットに記載の方法で合成)、化合物3b(1.5g、7.0mmol)およびトルエン(30mL)を加え、溶解するまで室温で撹拌した。オキシ塩化リン(1.7g、11mmol、キシダ化学社製)を滴下し、80−85 ℃まで昇温した。6時間加熱撹拌をおこ
なった後、室温まで放冷した。水(30mL)を添加し、室温で1時間撹拌した後、クロロホルム(30mL)を加えて撹拌し、静置した。有機層を抽出し、水(30mL)で2回洗浄をおこない、得られた有機層の溶媒を留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィークロロホルム/メタノール=100/0〜6/1(体積比))で精製し、化合物5bを2.5g、収率62%にて得た。
Figure 2015113421
化合物5b(2.5g、4.4mmol)、メタノール(25mL)および化合物6(1.3g、4.4mmol、東京化成工業社製)の混合溶液を外温50 ℃にて1.5 時間加熱撹拌した。室温まで放冷した後に、溶媒を留去し、メタノール/水=1/2(体積比)の混合溶液(30mL)を残渣に加え、ろ過した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=13/1〜6/1(体積比))で得られた固体にメタノール/水=1/2(体積比)の混合溶液(30mL)を加え、ろ過をして得られた固体を乾燥することにより、染料Bを2.7g、収率76%にて得た。
染料Bをプロピレングリコールモノメチルアセテート(PGMEA)/プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)=35/65(体積比)に10質量ppmだけ溶解させた。このときの極大吸収波長(λmax)およびグラム吸光係数(g)のデータを下表に示す。また、液体クロマトグラフ−質量分析(条件:ESI、posi)の結果(m/z)も併せて示す。なお、このときの質量は、トリアリールメタンカチオン部位の質量を示している。
Figure 2015113421
(合成例3:染料Cの合成)
Figure 2015113421
化合物1(5.1g、20mmol、東京化成工業社製)、2−メチルシクロヘキシル
アミン(化合物2c、4.7g、41mmol、東京化成工業社製)、ナトリウムt−ブ
トキシド(2.4g,25mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)(クロロホル
ム)ジパラジウム(0)(52mg、0.050mmol)、2,2’−(ジフェニルホ
スフィノ)−1,1’−ビナフチル(96mg、0.15mmol)、トルエン(50m
L)の混合物を、窒素雰囲気下100℃で2.5時間加熱攪拌した。室温に冷却後、濾別し、濾液を飽和塩化アンモニウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=100/0〜95/5(体積比))で精製し、化合物3cを3.6g、収率75%にて得た。
Figure 2015113421
化合物4(2.5g、7.5mmol、国際公開第2009/107734号パンフレットに記載の方法で合成)、化合物3c(1.8g、7.5mmol)およびトルエン(32mL)を加え、溶解するまで室温で撹拌した。オキシ塩化リン(1.7g、11mmol、キシダ化学社製)を滴下し、80−85℃まで昇温した。7時間加熱撹拌をおこなった後、室温まで放冷した。水(32mL)を添加し、室温で1時間撹拌した後、クロロホルム(20mL)を加えて撹拌し、静置した。有機層を抽出し、水(30mL)で2回洗浄をおこない、得られた有機層の溶媒を留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=100/0〜5/1(体積比))で精製し、化合物5cを3.5g、収率78%にて得た。
Figure 2015113421
化合物5c(3.5g、5.8mmol)、メタノール(33mL)および化合物6(1.7g、5.8mmol、東京化成工業社製)の混合溶液を外温50℃にて1.5時間加熱撹拌した。室温まで放冷した後に、溶媒を留去し、メタノール/水=1/2(体積比)の混合溶液(30mL)を残渣に加え、ろ過した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=7/1〜5/1(体積比))後に得られた固体にメタノール/水=1/2(体積比)の混合溶液(30mL)を加え、ろ過をして得られた固体を乾燥することにより、染料Cを3.2g、収率67%にて得た。
染料Cをプロピレングリコールモノメチルアセテート(PGMEA)/プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)=35/65(体積比)に10質量ppmだけ溶
解させた。このときの極大吸収波長(λmax)およびグラム吸光係数(g)のデータを下記に示す。また、液体クロマトグラフ−質量分析(条件:ESI、posi)の結果(m/z)も併せて示す。なお、このときの質量は、トリアリールメタンカチオン部位の質量を示している。
Figure 2015113421
(合成例4:染料Dの合成)
Figure 2015113421
化合物1(5.0g、20mmol、東京化成工業社製)、2−アミノブタン(化合物
2d、2.9g、40mmol、東京化成工業社製)、ナトリウムt−ブトキシド(2.
3g、24mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)(クロロホルム)ジパラジウ
ム(0)(52mg、0.050mmol)、2,2’−(ジフェニルホスフィノ)−1
,1’−ビナフチル(96mg、0.15mmol)、トルエン(50mL)の混合物を
、窒素雰囲気下95℃で2時間加熱攪拌した。室温に冷却後、濾別し、濾液を飽和塩化アンモニウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=100/0〜95/5(体積比))で精製し、化合物3dを3.6g、収率90%にて得た。
Figure 2015113421
化合物4(1.5g、4.5mmol、国際公開第2009/107734号パンフレットに記載の方法で合成)、化合物3d(0.90g、4.6mmol)およびトルエン(18mL)を加え、溶解するまで室温で撹拌した。オキシ塩化リン(1.8g、11mmol、キシダ化学社製)を滴下し、85−90℃まで昇温した。6時間加熱反応をおこなった後、室温に冷却し、水を加え、クロロホルムで抽出した。クロロホルム層を減圧濃
縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=15/1〜10/1(体積比))で精製し、化合物5dを1.9g、収率75%にて得た。
Figure 2015113421
化合物5d(1.9g、3.4mmol)、化合物6(1.0g、3.5mmol、東京化成工業社製)、メタノール(22mL)の混合物を60℃で2時間撹拌した後、室温に冷却し、水中に放出した。得られた沈殿を酢酸エチルに溶かして水洗後、溶媒留去、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶剤:クロロホルム/メタノール=15/1〜10/1(体積比))で精製し、染料Dを1.4g、収率53%にて得た。
染料Dをプロピレングリコールモノメチルアセテート(PGMEA)/プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)=35/65(体積比)に10質量ppmだけ溶解させた。このときの極大吸収波長(λmax)およびグラム吸光係数(g)のデータを下記に示す。また、液体クロマトグラフ−質量分析(条件:ESI、posi)の結果(m/z)も併せて示す。なお、このときの質量は、トリアリールメタンカチオン部位の質量を示している。
Figure 2015113421
(合成例5:染料Eの合成)
Figure 2015113421
化合物1(5.0g、20mmol、東京化成工業社製)、2−アミノプロパン(化合
物2e、2.6g、44mmol、東京化成工業社製)、ナトリウムt−ブトキシド(2
.4g、25mmol、東京化成工業社製)、トリス(ジベンジリデンアセトン)(クロ
ロホルム)ジパラジウム(0)を(55mg、0.050mmol)、2,2’−(ジフ
ェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル(99mg、0.16mmol)、トルエン
(45mL)の混合物を、窒素雰囲気下85−90℃で2時間加熱攪拌した。室温に冷却後、濾別し、濾液を飽和塩化アンモニウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=100/0〜19/1(体積比))で精製し、化合物3eを3.1g、収率85%にて得た。
Figure 2015113421
化合物4(1.8g、5.4mmol、国際公開第2009/107734号パンフレットに記載の方法で合成)、化合物3e(1.0g、5.4mmol)およびトルエン(23mL)を加え、溶解するまで室温で撹拌した。オキシ塩化リン(1.2g、8.1mmol、キシダ化学社製)を滴下し、80−85℃まで昇温した。5時間加熱撹拌をおこなった後、室温まで放冷した。水(23mL)を添加し、室温で1時間撹拌した後、クロロホルム(23mL)を加えて撹拌し、静置した。有機層を抽出し、水(30mL)で3回洗浄をおこない、得られた有機層の溶媒を留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=100/0〜3/1(体積比))で精製し、化合物5eを1.8g、収率63%にて得た。
Figure 2015113421
化合物5e(1.8g、3.4mmol)、メタノール(19mL)および化合物6(0.97g、3.4mmol、東京化成工業社製)の混合溶液を外温50℃にて1.5時間加熱撹拌した。室温まで放冷した後に、溶媒を留去し、メタノール/水=1/2(体積比)の混合溶液(30mL)を残渣に加え、ろ過した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=10/1〜5/1(体積比))後に得られた固体にメタノール/水=1/2(体積比)の混合溶液(30mL)を加え、ろ過をした得られた固体を乾燥することにより、染料Eを2.0g、収率75%にて得た。
染料Eをプロピレングリコールモノメチルアセテート(PGMEA)/プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)=35/65(体積比)に10質量ppmだけ溶解させた。このときの極大吸収波長(λmax)およびグラム吸光係数(g)のデータを
下表に示す。また、液体クロマトグラフ−質量分析(条件:ESI、posi)の結果(m/z)も併せて示す。なお、このときの質量は、トリアリールメタンカチオン部位の質量を示している。
Figure 2015113421
(合成例6:染料Fの合成)
Figure 2015113421
化合物1(5.0g、20mmol、東京化成工業社製)、4−アミノヘプタン(化合
物2f、4.6g、40mmol、東京化成工業社製)、ナトリウムt−ブトキシド(2
.3g、24mmol、東京化成工業社製)、トリス(ジベンジリデンアセトン)(クロ
ロホルム)ジパラジウム(0)を(53mg、0.050mmol)、2,2’−(ジフ
ェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル(97mg、0.16mmol)、トルエン
(50mL)の混合物を、窒素雰囲気下95℃で2時間加熱攪拌した。室温に冷却後、濾別し、濾液を飽和塩化アンモニウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=100/0〜19/1(体積比))で精製し、化合物3fを3.0g、収率62%にて得た。
Figure 2015113421
化合物4(1.5g、4.5mmol、国際公開第2009/107734号パンフレットに記載の方法で合成)、化合物3f(1.1g、4.5mmol)、およびトルエン(18mL)を加え、溶解するまで室温で撹拌した。オキシ塩化リン(1.7g、11mmol、キシダ化学社製)を滴下し、85−90℃まで昇温した。7.5時間加熱反応をおこなった後、室温に冷却し、水を加え、クロロホルムで抽出した。クロロホルム層を減
圧濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=15/1〜10/1(体積比))で精製し、化合物5fを1.6g、収率60%にて得た。
Figure 2015113421
化合物5f(1.6g、2.7mmol)、化合物6(0.8g、2.8mmol、東京化成工業社製)、メタノール(24mL)の混合物を60℃で2時間撹拌した後、室温に冷却し、水中に放出した。得られた沈殿を酢酸エチルに溶かして水洗後、溶媒留去、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=15/1〜10/1(体積比))で精製し、染料Fを1.2g、収率53%にて得た。
染料Fをプロピレングリコールモノメチルアセテート(PGMEA)/プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)=35/65(体積比)に10質量ppmだけ溶解させた。このときの極大吸収波長(λmax)およびグラム吸光係数(g)のデータを下記に示す。また、液体クロマトグラフ−質量分析(条件:ESI、posi)の結果(m/z)も併せて示す。なお、このときの質量は、トリアリールメタンカチオン部位の質量を示している。
Figure 2015113421
(合成例7:染料Gの合成)
Figure 2015113421
化合物1(5.0g、20mmol、東京化成工業社製)、化合物2g(6.2g、4
0mmol、東京化成工業社製)、ナトリウムt−ブトキシド(2.3g、24mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)(クロロホルム)ジパラジウム(0)を(53mg
、0.050mmol)、2,2’−(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル
(0.10g、0.16mmol)、トルエン(50mL)の混合物を、窒素雰囲気下9
5℃で2時間加熱攪拌した。室温に冷却後、濾別し、濾液を飽和塩化アンモニウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。ヘキサンを添加し濾過することにより、化合物3gを1.7g、収率30%にて得た。
Figure 2015113421
化合物4(1.53g、4.52mmol、国際公開第2009/107734号パンフレットに記載の方法で合成)、化合物3g(1.3g、4.5mmol)およびトルエン(18mL)を加え、溶解するまで室温で撹拌した。オキシ塩化リン(1.7g、11mmol、キシダ化学社製)を滴下し、85−90℃まで昇温した。7時間加熱反応をおこなった後、室温に冷却し、水を加え、クロロホルムで抽出した。クロロホルム層を減圧濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=15/1〜10/1(体積比))で精製し、化合物5gを1.0g、収率36%にて得た。
Figure 2015113421
化合物5g(1.0g、1.6mmol)、4−t−ブチルシクロヘキシルアミン(化合物6、0.5g、1.8mmol、東京化成工業社製)、メタノール(18mL)の混合物を60℃で2時間撹拌した後、室温に冷却し、水中に放出した。得られた沈殿を酢酸エチルに溶かして水洗後、溶媒留去、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=15/1〜10/1(体積比))で精製し、染料Gを0.60g、収率43%にて得た。
染料Gをプロピレングリコールモノメチルアセテート(PGMEA)/プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)=35/65(体積比)に10質量ppmだけ溶解させた。このときの極大吸収波長(λmax)およびグラム吸光係数(g)のデータを下記に示す。また、液体クロマトグラフ−質量分析(条件:ESI、posi)の結果(
m/z)も併せて示す。なお、このときの質量は、トリアリールメタンカチオン部位の質量を示している。
Figure 2015113421
(合成例8:染料Hの合成)
Figure 2015113421
化合物7(6.0g、25mmol、国際公開第2008/003604号パンフレットに記載の方法で合成)、1,1,1−トリフルオロー4−ヨードブタン(化合物8、6.4mL、50mmol、東京化成工業社製)、炭酸カリウム(6.9g、50mmol)、N−メチル−2−ピロリドン(25mL)の混合物を110〜125℃で4時間加熱撹拌した。室温に冷却後水を加え、トルエンで抽出し、トルエン層を希塩酸および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。エタノール(40mL)に溶解し、水酸化ナトリウム(2.0g、52mmol)の水溶液(25mL)を加え、85℃で1時間撹拌した。放冷して、トルエンで抽出し、トルエン層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=3/1(体積比))で精製し、化合物3hを6.0g、収率94%で得た。
Figure 2015113421
化合物4(1.5g、4.3mmol、国際公開第2009/107734号パンフレットに記載の方法で合成)、化合物3h(1.1g、4.3mmol)およびトルエン(
30mL)を加え、溶解するまで室温で撹拌した。オキシ塩化リン(1.0g、6.6mmol、キシダ化学社製)滴下し、85−90℃まで昇温した。4時間加熱反応をおこなった後、室温に冷却し、水を加え、クロロホルムで抽出した。クロロホルム層を減圧濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=15/1〜10/1(体積比))で精製し、得られた固体をヘキサンで洗浄して化合物5hを1.3g、収率50%にて得た。
Figure 2015113421
化合物5h(8.9g、15mmol)、化合物6(4.2g、15mmol、東京化成工業社製)、メタノール(50mL)の混合物を50℃で1.5時間撹拌した後、減圧濃縮した。得られた固体をメタノール/水=1/2(体積比)で洗浄し、染料Hを11.5g、収率92%にて得た。
染料Hをプロピレングリコールモノメチルアセテート(PGMEA)/プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)=35/65(体積比)に10質量ppmだけ溶解させた。このときの極大吸収波長(λmax)およびグラム吸光係数(g)のデータを下記に示す。また、液体クロマトグラフ−質量分析(条件:ESI、posi)の結果(m/z)も併せて示す。なお、このときの質量は、トリアリールメタンカチオン部位の質量を示している。
Figure 2015113421
(合成例9:染料Iの合成)
Figure 2015113421
化合物9(0.50g、1.4mmol、特開2012−113218号公報に記載の方法で合成)、化合物3a(0.32g、1.4mmol)およびトルエン(30mL)を加え、溶解するまで室温で撹拌した。オキシ塩化リン(0.32g、2.1mmol、キシダ化学社製)を滴下し、90−95℃まで昇温した。14時間加熱反応をおこなった後、室温まで放冷した。水(10mL)を添加し、室温で1時間撹拌した後、クロロホルム(100mL)を加えて撹拌し、静置した。有機層を抽出し、水(20mL)を加えて分液操作をおこない、得られた有機層の溶媒を留去した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=100/0〜7/1(体積比))で精製し、化合物5Iを0.08g、収率9%にて得た。
Figure 2015113421
化合物5I(0.08g、0.13mmol)、メタノール(30mL)および化合物6(0.04g、0.14mmol、東京化成工業社製)の混合溶液を外温50℃にて1時間加熱撹拌した。室温まで放冷した後に、溶媒を留去し、水(100mL)にて洗浄した。得られた固体を乾燥することにより、染料Iを0.09g、収率83%にて得た。
染料Iをプロピレングリコールモノメチルアセテート(PGMEA)/プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)=35/65(体積比)に10質量ppmだけ溶解させた。このときの極大吸収波長(λmax)およびグラム吸光係数(g)のデータを下記に示す。また、液体クロマトグラフ−質量分析(条件:ESI、posi)の結果(m/z)も併せて示す。なお、このときの質量は、トリアリールメタンカチオン部位の質量を示している。
Figure 2015113421
(合成例10:染料Jの合成)
Figure 2015113421
化合物10(1.24g、4.0mmol、東京化成工業社製)、化合物3c(0.96g、4.0mmol)およびトルエン(17mL)を加え、溶解するまで室温で撹拌した。オキシ塩化リン(0.92g、6.0mmol、キシダ化学社製)を滴下し、80−85℃まで昇温した。5.5時間加熱反応をおこなった後、室温まで放冷した。水(15mL)を添加し、室温で1時間撹拌した後、クロロホルム(10mL)を加えて撹拌し、静置した。有機層を抽出し、水(15mL)を加えて分液操作をおこない、得られた有機層の溶媒を留去した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=100/0〜3/1(体積比))で精製し、化合物5Jを2.0g、収率86%にて得た。
Figure 2015113421
化合物5J(2.0g、3.4mmol)、メタノール(20mL)および化合物6(0.99g、3.4mmol、東京化成工業社製)の混合溶液を外温50℃にて1.5時間加熱撹拌した。室温まで放冷した後に、溶媒を留去し、メタノール/水=1/2(体積比)の混合溶液(30mL)を残渣に加え、ろ過した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=10/1〜5/1(体積比))で得られた固体にメタノール/水=1/2(体積比)の混合溶液(30mL)を加え、ろ過をして得られた固体を乾燥することにより、染料Jを1.8g、収率63%にて得た。
染料Jをプロピレングリコールモノメチルアセテート(PGMEA)/プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)=35/65(体積比)に10質量ppmだけ溶解させた。このときの極大吸収波長(λmax)およびグラム吸光係数(g)のデータを下記に示す。また、液体クロマトグラフ−質量分析(条件:ESI、posi)の結果(m/z)も併せて示す。なお、このときの質量は、トリアリールメタンカチオン部位の質量を示している。
Figure 2015113421
(合成例11:樹脂Aの合成)
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)145質量部を窒素置換しながら攪拌し、120℃に昇温した。ここにスチレン5.2質量部、グリシジルメタクリレート132質量部、トリシクロデカン骨格を有するモノアクリレートFA−513M(日立化成社製)4.4質量部および2.2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル8.47質量部の混合液を3時間かけて滴下し、更に90℃で2時間攪拌し続けた。次に反応容器内を空気置換に変え、アクリル酸67.0質量部にトリスジメチルアミノメチルフェノール1.1質量部およびハイドロキノン0.19質量部を投入し、100℃で12時間反応を続けた。その後、テトラヒドロ無水フタル酸(THPA)15.2質量部、トリエチルアミン0.2質量部を加え、100℃で3.5時間反応させた。こうして得られた樹脂溶液のGPCにより測定したポリスチレン換算の重量平均分子量Mwは約9000、酸価25mg−KOH/gであった。この樹脂溶液に固形分が40質量%になるようプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加えて、樹脂Aとして用いた。
(合成例12:樹脂Bの合成)
「NC3000H」(エポキシ当量288、軟化点69℃)(日本化薬社製)400質量部、アクリル酸102質量部、p−メトキシフェノール0.3質量部、トリフェニルホスフィン5質量部、およびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)264質量部を反応容器に仕込み、95℃で酸価が3mg−KOH/g以下になるまで撹拌した。酸価が目標に達するまで9時間を要した(酸価2.2mg−KOH/g)。次いで、更にテトラヒドロ無水フタル酸151質量部を添加し、95℃で4時間反応させ、酸価102mg−KOH/g、GPCで測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)3900の樹脂溶液を得た。この樹脂溶液に固形分が44質量%になるようプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加えて、樹脂Bとして用いた。
(合成例13:顔料分散液Jの調製)
C.I.ピグメントブルー15:6を12.4質量部、分散剤にBYK−LPN21116(ビックケミー社製)を分散剤固形分換算で7.2質量部、更に合成例10で作製した樹脂Bを固形分換算で0.8質量部、溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを79.6質量部を混合し、攪拌機で3時間攪拌して固形分濃度が20.4質量%のミルベースを調製した。このミルベースを600質量部の0.5mmφのジルコニアビーズを用いビーズミル装置にて周速10m/s、滞留時間3時間で分散処理を施し、青色顔料分散液Jを得た。このときの青色顔料分散液Jの固形分濃度は20.4質量%であった。
(合成例14:開始剤の合成)
国際公開第2009/131189号パンフレット記載の方法で3−(2−アセトキシイミノ−1,5−ジオキソ−5−メトキシペンチル)−9−エチル−6−(o−トルオイル)−9H−カルバゾールを合成した。
[着色樹脂組成物の調製1]
前記合成例1〜7で得られた染料A〜G、合成例8〜10で得られた染料H〜J、並びに合成例11および12で得られた樹脂AおよびBを下記表12に記載された組成となるように他の成分と混合して、着色樹脂組成物を調製した。
尚、表12の上段の数値は、いずれも添加する各成分の着色樹脂組成物中の含有割合(質量%)を表し、下段の数値は各成分の全固形分中の含有割合(質量%)を表す。
混合に際しては、各成分が十分に混合するまで1時間以上攪拌し、最後に5μmの駒型フィルターによって濾過し、異物を取り除いた。
実施例1〜8の着色樹脂組成物には染料A〜Gを用い、比較例1〜3の着色樹脂組成物には染料H〜Jを用いた。
Figure 2015113421
尚、表12中の各化合物は、各々以下の通りである。
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
PGME:プロピレングリコールモノメチルエーテル
F559:パーフルオロアルキル基含有オリゴマー
Irganox1010:ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジーtert−ブチルー4−ヒドロキシフェニル)プロピネート]
JPP−100:テトラフェニルジプロピレングリコールジフォスファイト
[着色樹脂膜の製造および、耐熱性の評価]
5cm角に切断したガラス基板上に、上記[着色樹脂組成物の調製1]にて調製した各着色樹脂組成物をスピンコート法により下記の焼成後のy値が0.120となるように塗布し、減圧乾燥させた後、ホットプレート上にて80℃で3分間プリベークした。その後、60mJ/cmの露光量にて全面露光した後に、クリーンオーブンにて230℃で60分間焼成した。得られた膜の分光透過率を分光光度計U−3310(日立製作所製)にて光透過率を測定し、XYZ表色系における色度(C光源)および輝度を算出した。
Figure 2015113421
230℃、60分後の加熱において、実施例1〜7では、式(1)におけるRおよびRが第二級炭素を有さない染料を用いた比較例1よりも高い輝度を示し、耐熱性が向上したことがわかる。また、式(1)におけるRが水素原子であり、かつ、Rがアルキル基である染料を用いた実施例1は、式(1)におけるRとRの両方がアルキル基である染料を用いた比較例2よりも高耐熱性であることがわかる。
次に、実施例3、実施例4、比較例3の着色樹脂組成物を5cm角に切断したガラス基板上にスピンコート法により塗布し、減圧乾燥させた後、ホットプレート上にて80℃で3分間プリベークした。その後、60mJ/cmの露光量にて全面露光し、クリーンオーブンにて230℃で30分間焼成した。このとき、クリーンオーブンにて230℃で30分間焼成したときのy値が0.120であるように調整した。得られた膜の分光透過率を分光光度計U−3310(日立製作所製)にて光透過率を測定した(A)。さらに、クリーンオーブンにて230℃で30分間焼成し、得られた膜の分光透過率を分光光度計U−3310(日立製作所製)にて光透過率を測定した(B)。
このとき、La*b*表色系における(A)から(B)への色の変化△E*abの結果を表14に示す。
Figure 2015113421
実施例3、実施例4の色変化△E*abは、RおよびRにアルキル基を有しない比較例3よりも小さな値を示した。本発明の着色樹脂組成物を使用することにより、カラーディスプレイ製造工程において実施される長時間の高温焼成を経た後でも、色変化の小さい、カラーフィルタおよびそれを用いた液晶表示装置、有機EL表示装置を提供することが可能である。
[着色樹脂組成物の調製2]
前記合成例2および3で得られた染料BおよびC、合成例8で得られた染料H、合成例11〜13で得られた樹脂AおよびB、並びに顔料分散液Jを下表に記載された組成となるように他の成分と混合して、着色樹脂組成物を調製した。尚、下表の上段の数値は、いずれも添加する各成分の着色樹脂組成物中の含有割合(質量%)を表し、下段の数値は各成分の全固形分中の含有割合(質量%)を表す。
混合に際しては、各成分が十分に混合するまで1時間以上攪拌し、最後に5μmの駒型フィルターによって濾過し、異物を取り除いた。
実施例8および9の着色樹脂組成物には、それぞれ染料BおよびCを用い、比較例3の着色樹脂組成物には染料Hを用いた。
Figure 2015113421
尚、表15中の各化合物は、各々以下の通りである。
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
PGME:プロピレングリコールモノメチルエーテル
F559:パーフルオロアルキル基含有オリゴマー
Irganox1010:ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジー
tert−ブチルー4−ヒドロキシフェニル)プロピネート]
JPP−100:テトラフェニルジプロピレングリコールジフォスファイト
[着色樹脂膜の製造および、耐光性の評価]
5cm角に切断したガラス基板上に、上記[着色樹脂組成物の調製2]にて調製した各着色樹脂組成物をスピンコート法により塗布をし、減圧乾燥させた後、ホットプレート上にて80℃で3分間プリベークした。その後、60mJ/cmの露光量にて全面露光し、クリーンオーブンにて230℃で30分間焼成した。このとき、クリーンオーブンにて230℃で30分間焼成したときのy値が0.120であるように調整した。得られた膜の分光透過率を分光光度計U−3310(日立製作所製)にて光透過率を測定し、輝度を算出した。図2に示した透過率を有する偏光板を介して、ウエザオメータCi4000(アトラス社製)にセットし、擬似太陽光を20時間照射した。照射前後の色差(ΔE*a
b)を耐光性として測定し、評価結果を表16に纏めた。
Figure 2015113421
実施例8および9は、高い輝度を示すのに加えて、高耐光性をも示す着色樹脂組成物であるため、カラーフィルタおよびそれを用いた液晶表示装置、有機EL表示装置に好適である。
本発明によれば、輝度が高く、耐熱性および耐光性を満足する着色組成物を提供することが可能となる。また本発明によれば、輝度が高く、耐熱性および耐光性を満足するカラーフィルタ、並びに高品質な液晶表示装置および有機EL表示装置を提供することが可能となる。したがって本発明は、カラーフィルタ、並びに液晶表示装置および有機EL表示装置等への応用において有用である。
100 有機EL素子
10 透明支持基板
20 画素
30 有機保護層
40 無機酸化膜
50 透明陽極
500 有機発光体
51 正孔注入層
52 正孔輸送層
53 発光層
54 電子注入層
55 陰極

Claims (17)

  1. (A)色材、(B)溶剤および(C)バインダー樹脂を含有し、
    (A)色材が、下記式(I)で表されるトリアリールメタン系化合物を含有することを特徴とする、着色樹脂組成物。
    Figure 2015113421
    (上記式(I)中、
    [An−]は、n価のアニオンを表す。
    〜Rは、各々独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、または置換基を有していてもよい芳香族環基を示す。
    ただし、RおよびRのうち少なくとも1つは置換基を有していてもよい、第二級炭素を有するアルキル基である。
    とR、RとR、およびRとRからなる群から選ばれる少なくとも1つの組み合わせは、互いに連結して環を形成していてもよく、該環は置換基を有していてもよい。
    およびRのうちいずれか一方は置換基を有していてもよいアルキル基またはハロゲン原子であり、他方は水素原子である。
    又、上記式(I)中のベンゼン環およびナフタレン環は更に任意の置換基を有していてもよい。
    nは、1〜4の整数を表し、nが2〜4の場合、1分子中に含まれる複数の下記式(I)CAで表されるカチオンは、各々独立に、同じ構造であっても、異なる構造であってもよい。)
    Figure 2015113421
  2. 前記アニオンが、イミドアニオンであることを特徴とする、請求項1に記載の着色樹脂組成物。
  3. 前記アニオンが、下記式(II)で表されることを特徴とする、請求項1または2に記載の着色樹脂組成物。
    Figure 2015113421
    (上記式(II)中、R11およびR12は、各々独立に、置換基を有していてもよいアルキル基、または置換基を有していてもよいアルケニル基を表す。
    尚、R11およびR12は、互いに連結して環を形成していてもよく、該環は置換基を有していてもよい。)
  4. 前記R11およびR12の少なくとも一つが、フッ素原子を有する基である、請求項3に記載の着色樹脂組成物。
  5. 前記式(I)で表されるトリアリールメタン系化合物の含有割合が、全固形分中、0.01質量%以上であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の着色樹脂組成物。
  6. 更に、(D)重合性モノマーを含有することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の着色樹脂組成物。
  7. 更に、(E)光重合開始成分および/または(E’)熱重合開始成分を含有することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の着色樹脂組成物。
  8. 更に、(A)色材が顔料を含有することを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の着色樹脂組成物。
  9. 前記顔料が金属フタロシアニンであることを特徴とする請求項8に記載の着色樹脂組成物。
  10. (A)色材中における前記式(I)で表される化合物の含有割合が色材の総量に対して50質量%以上であることを特徴とする請求項8または9に記載の着色樹脂組成物。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の着色樹脂組成物を用いて形成された画素を有することを特徴とする、カラーフィルタ。
  12. 請求項11に記載のカラーフィルタを有することを特徴とする、液晶表示装置。
  13. 請求項11に記載のカラーフィルタを有することを特徴とする、有機EL表示装置。
  14. 下記式(I)で表されるトリアリールメタン系化合物。
    Figure 2015113421
    (上記式(I)中、
    [An−]は、n価のアニオンを表す。
    〜Rは、各々独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、または置換基を有していてもよい芳香族環基を示す。
    ただし、RおよびRのうち少なくとも1つは置換基を有していてもよい、第二級炭素を有するアルキル基である。
    とR、RとR、およびRとRからなる群から選ばれる少なくとも1つの組み合わせは、互いに連結して環を形成していてもよく、該環は置換基を有していてもよい。
    およびRのうちいずれか一方は置換基を有していてもよいアルキル基またはハロゲン原子であり、他方は水素原子である。
    又、上記式(I)中のベンゼン環およびナフタレン環は更に任意の置換基を有していてもよい。
    nは1〜4の整数を表し、nが2〜4の場合、1分子中に含まれる複数の下記式(I)CAで表されるカチオンは、各々独立に、同じ構造であっても、異なる構造であってもよい。)
    Figure 2015113421
  15. 前記アニオンが、イミドアニオンであることを特徴とする、請求項14に記載のトリアリールメタン系化合物。
  16. 前記アニオンが、下記式(II)で表されることを特徴とする、請求項14または15に記載のトリアリールメタン系化合物。
    Figure 2015113421
    (上記式(II)中、R11およびR12は、各々独立に、置換基を有していてもよいアルキル基、または置換基を有していてもよいアルケニル基を表す。
    尚、R11およびR12は、互いに連結して環を形成していてもよく、該環は置換基を有していてもよい。)
  17. 請求項14〜16のいずれか一項に記載のトリアリールメタン系化合物からなる染料。
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