JP5724171B2 - 光学素子およびその製造方法、原盤およびその製造方法、ならびに表示装置 - Google Patents
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Description
(1)構造体の底面の大きさが、最小距離Rm以上、最大距離RM以下(但し、最小距離Rm:構造体の底面の重心から、底面の周縁までの最短距離の最小値、最大距離RM:構造体の底面の重心から、底面の周縁までの最大距離の最大値)の範囲内でランダムに変化する。
(2)構造体の底面同士が、接するまたはほぼ接する関係にある。
(3)構造体の底面の最小距離Rmと最大距離RMが、Rm/RM≦0.9の関係を満たす。
この発明は以上の検討に基づいて案出されたものである。
凸部である複数の構造体が表面に形成された基材と、
基材上に形成されたハードコート層と
を備え、
基材の表面には、構造体により凹凸形状が形成され、
ハードコート層の表面には、基材の凹凸形状に倣った凹凸形状が形成され、
ハードコート層の表面の凹凸形状は、基材の凹凸形状よりもなだらかであり、
構造体の底面の大きさが、最小距離Rm以上、最大距離RM以下(但し、最小距離Rm:構造体の底面の重心から、底面の周縁までの最短距離の最小値、最大距離RM:構造体の底面の重心から、底面の周縁までの最大距離の最大値)の範囲内でランダムに変化し、
複数の構造体のうち、隣り合う構造体の底面同士が、接するまたはほぼ接する関係にあり、
最小距離Rmと最大距離RMが、Rm/RM≦0.9の関係を満たし、
基材の凹凸形状の表面に、複数の微細構造体が形成されている光学素子である。
凹部である複数の転写用構造体を表面に形成することにより、凹凸形状を表面に有する原盤を形成する工程と、
原盤の凹凸形状を基材表面に転写することにより、凹凸形状を表面に有する基材を形成する工程と、
基材の凹凸形状上にハードコート層を形成する工程と
を備え、
転写用構造体の底面の大きさが、最小距離Rm以上、最大距離RM以下(但し、最小距離Rm:転写用構造体の底面の重心から、底面の周縁までの最短距離の最小値、最大距離RM:転写用構造体の底面の重心から、底面の周縁までの最大距離の最大値)の範囲内でランダムに変化し、
複数の転写用構造体のうち、隣り合う転写用構造体の底面同士が、接するまたはほぼ接する関係にあり、
最小距離Rmと最大距離RMが、Rm/RM≦0.9の関係を満たし、
ハードコート層の表面には、基材の凹凸形状に倣った凹凸形状が形成され、
ハードコート層の表面の凹凸形状は、基材の凹凸形状よりもなだらかであり、
原盤の凹凸形状の表面に、複数の微細構造体が形成されている光学素子の製造方法である。
凹部である複数の転写用構造体を表面に備え、
表面には、転写用構造体により凹凸形状が形成され、
転写用構造体の底面の大きさが、最小距離Rm以上、最大距離RM以下(但し、最小距離Rm:転写用構造体の底面の重心から、底面の周縁までの最短距離の最小値、最大距離RM:転写用構造体の底面の重心から、底面の周縁までの最大距離の最大値)の範囲内でランダムに変化し、
複数の転写用構造体のうち、隣り合う転写用構造体の底面同士が、接するまたはほぼ接する関係にあり、
最小距離Rmと最大距離RMが、Rm/RM≦0.9の関係を満たし、
凹凸形状の表面に、複数の微細構造体が形成されている原盤である。
レーザー加工、またはエッチング処理により、複数の凹部を原盤の表面に形成する工程と、
複数の凹部が形成された原盤の表面全体に対して、エッチング処理を施し、複数の転写用構造体を形成する工程と
を備え、
転写用構造体の底面の大きさが、最小距離Rm以上、最大距離RM以下(但し、最小距離Rm:転写用構造体の底面の重心から、底面の周縁までの最短距離の最小値、最大距離RM:転写用構造体の底面の重心から、底面の周縁までの最大距離の最大値)の範囲内でランダムに変化し、
複数の転写用構造体のうち、隣り合う転写用構造体の底面同士が、接するまたはほぼ接する関係にあり、
最小距離Rmと最大距離RMが、Rm/RM≦0.9の関係を満たし、
凹部が形成された原盤の表面に、複数の微細構造体が形成されている原盤の製造方法である。
(1)第1の実施形態(レーザー加工によりエンボスロールを作製した例)
(1.1)液晶表示装置の構成
(1.2)光学フィルムの構成
(1.3)エンボス転写装置
(1.4)転写ロールへの円の配置方法
(1.5)ランダムドット生成アルゴリズムについて
(1.5.1)X軸上データの生成方法1
(1.5.2)X軸上データの生成方法2
(1.5.3)円の充填方法1
(1.5.4)円の充填方法2
(1.5.5)タイリング方法
(1.6)パターン生成装置
(1.7)光学フィルムの製造方法
(2)第2の実施形態(エッチングによりエンボスロールを作製した例)
(3)第3の実施形態(帯電防止層をさらに形成した例)
(4)第4の実施形態(表面に反射防止層をさらに形成した例)
(5)第5の実施形態(ANRフィルムの第1の例)
(6)第6の実施形態(ANRフィルムの第2の例)
(7)第7の実施形態(2回のエッチングによりエンボスロールを作製した例)
(8)第8の実施形態(2種の構造体により基材の凹凸面が形成された光学フィルムの例)
(9)第9の実施形態(基材の凹凸面に微細構造体が形成された光学フィルムの例)
(10)第10の実施形態(構造体の側面にステップを形成した光学フィルムの例)
[1.1.液晶表示装置の構成]
図1は、この発明の第1の実施形態による液晶表示装置の構成の一例を示す断面図である。この液晶表示装置は、図1に示すように、光を出射するバックライト3と、バックライト3から出射された光を時間的空間的に変調して画像を表示する液晶パネル2とを備える。液晶パネル2の両面にはそれぞれ、偏光子2a、2bが設けられている。液晶パネル2の表示面側に設けられた偏光子2bには、光学フィルム(光学素子)1が設けられている。ここでは、フィルムには、従来、フィルムと称されるもののみならず、シートと称されるものも含むものと定義する。また、光学フィルム1またはハードコート層12が一主面に形成された偏光子2bを防眩性偏光子4と称する。
図2は、この発明の第1の実施形態による光学フィルムの構成の一例を示す断面図である。この光学フィルム1は、図2に示すように、凹部または凸部である構造体11aが表面に形成された基材11と、この基材11上に形成されたハードコート層12とを備える。なお、図2では、構造体11aが凸部である例が示されている。この光学フィルムは、表面に凹凸形状を有し、この凹凸形状により反射光を散乱させる防眩性フィルムである。ハードコート層12の表面には、基材11の凹凸形状に倣った凹凸形状が形成されている。ハードコート層12の表面の凹凸形状は、基材11の凹凸形状よりもなだらかである。
(1)構造体11aの底面の大きさが、最小距離Rm以上、最大距離RM以下(但し、最小距離Rm:構造体の底面の重心から、底面の周縁までの最短距離の最小値、最大距離RM:構造体の底面の重心から、底面の周縁までの最大距離の最大値)の範囲内でランダムに変化する。
(2)構造体11aの底面同士が、接するまたはほぼ接する関係にある。
(3)構造体11aの底面の最小距離Rmと最大距離RMは、Rm/RM≦0.9の関係を満たす。
(1)の関係を満たさず、構造体11aの底面の大きさがランダムに変化しない場合には、モアレが発生してしまう。(2)の関係を満たさず、構造体11aの底面同士が、接するまたはほぼ接する関係にない場合には、充填率が低下し、防眩性が低下する。(3)の関係を満たさず、0.9を超えると配置が規則的になり、モアレが発生しやすくなる。ここで、構造体11aの底面同士がほぼ接するとは、構造体11aの底面同士が5μm以上40μm以下の範囲内で隣接していることを意味する。
ハードコート層12は、基材11の表面、すなわち光学フィルムや表示装置などの表面に耐擦傷性と防眩性とを併せて付与するためのものであり、例えば、基材11より硬い高分子樹脂層である。ハードコート層表面には、基材11の構造体11aに倣って連続的な波面が形成されている。ハードコート層12の凹部および凸部の位置はそれぞれ、基材11の凹部および凸部の位置と対応している。ハードコート層表面の凹凸量は基材表面の凹凸量より小さくなり、ハードコート層の塗布厚が厚いほど凹凸量が小さくなる。任意の方向に切断したときのハードコート層断面が、連続波形状であることが好ましい。これにより、ハードコート層表面に滑らかなうねりを形成し、このうねりにより光を拡散することができる。ここで、連続的な波面とは、ハードコート層表面に不連続点や段差がなく滑らかにつながっており、具体的には、ハードコート層表面の任意の点において微分可能であることを示す。
次に、図6を参照して、上述の構成を有する基材11を成形するエンボス転写装置について説明する。図6に示すように、このエンボス転写装置は、円柱状を有するエンボスロール21およびバックロール22を備える。
以下、転写ロールへの構造体21aの配置方法を具体的に説明する。ここでは、円形状の底面を有する構造体21aを配置する場合を例として説明するが、構造体21aの形状はこれに限定されるものではない。また、「転写ロールへの円の配置方法」、「ランダムドット生成アルゴリズム」は、以下に説明する例に限定されるものではなく、これ以外のものを用いることも可能である。特に、X軸上(最下段)のデータ生成方法、円の充填方法2、タイリング方法は、他の方法を用いることも可能である。また、以下に示す方法は、CPU(Central Processing Unit)などの制御部を有する電子計算機によって実行されるものである。
・原点(0,0)に半径R0(Rm≦R0≦RMの範囲でランダムに決定)の円C0を描く。
・円C1の半径R1をRm≦R1≦RMの範囲でランダムに決定する。
・−45°≦θr≦45°の範囲のθrをランダムに決定する。
・円C0と円C1が接し、円C0と円C1の中心を結ぶ直線とX軸の角度がθrになるような円C1の中心座標を求める。
・次に、円C1に対する円C2を求め、これを必要な範囲まで繰り返す。
・y座標が最も小さい円を抽出しこの円Ciの中心座標を(xi,yi)、半径をRiとする。
・円Ci近傍で円Ciを除きy座標が最も小さい円を円Cjとし、この中心座標を(xj,yj) 、半径をRjとする。
Rk=Rm+(RM−Rm)×r
でRkを計算する。
cosθ={Ri 2−Rj 2+2(Ri−Rj)Rk+Lij 2}/{2(Ri+Rk)Lij}
∴θ=cos-1[{Ri 2−Rj 2+2(Ri−Rj)Rk+Lij 2}/{2(Ri+Rk)Lij}]
となる角度θを計算する。次に、この角度θを使って、中心座標(xk,yk)を下記式で計算する。
xk=xi−(Ri+Rk){(xi−xy)cosθ−(yi−yj)sinθ}/Lij・・・(1)
yk=yi−(Ri+Rk){(yi−yy)cosθ−(xi−xj)sinθ}/Lij・・・(2)
以下に、上述の式で用いられる記号を説明する。
・R:円の半径、Rm:最小の円の半径、RM:最大の円の半径
・ρ:0≦ρ≦1の値を一様に取る乱数
・r:0≦r≦1の値を取る乱数、rはρの関数r=f(ρ) であり、f(ρ)は図10Aに示すように、斜線の範囲内の値を取る任意の関数でよい。図10B〜図10C、および図11A〜図11Cに、乱数rおよび円の半径の例を示す。
・円Ci:座標(xi,yi)を中心とし、下記式で計算される半径Riの円
・Ri:円Ciの半径、Ri=Rm+(RM−Rm)×r
・Lij=√(xi−xj)2+(yi−yj)2
ここで、“√”は、“(xi−xj)2+(yi−yj)2”の平方根を意味する。
円Ciの中心座標(xi,yi)と、円Cjの中心座標(xj,yj)との間の距離
[1.5.1.X軸上データの生成方法1]
以下に計算条件設定値を示す。
Rm:円の最小半径(μm)
RM:円の最大半径(μm)
Xm:X座標の最小値(mm)
XM:X座標の最大値(mm)
θr:隣接する円の中心間を結ぶ直線とX軸の角度(−45°≦θr≦45°)
r:0.0〜1.0の範囲で得られる乱数値
算出された円中心座標値: P0(x0,y0;R0)、P1(x1,y1;R1)、・・・、Pn(xn,yn;Rn)
まず、ステップS1において、計算条件Rm、RM、Xm、XMを設定する。次に、ステップS2において、P0を座標原点(x0,y0)=(0.0、0.0)に置き半径R0=Rm+(RM−Rm)×rをランダムに決定する。
Rn=Rm+(RM−Rm)×r
xn=xn-1−(Rn+Rn-1)×cos(θr)
yn=yn-1−(Rn+Rn-1)×sin(θr)
以下に計算条件設定値を示す。
Rm:円の最小半径(μm)
RM:円の最大半径(μm)
Xm:X座標の最小値(mm)
XM:X座標の最大値(mm)
Yr:Y座標の振り幅(%)、但しYr<100
r:0.0〜1.0の範囲で得られる乱数値
算出された円中心座標値: P0(x0,y0;R0),P1(x1,y1;R1),・・・,Pn(xn,yn;Rn)
まず、ステップS11において、計算条件Rm、RM、Xm、XM、Yrを設定する。次に、座標P0(x0,y0;R0)を以下の式により求める。
R0=Rm+(RM−Rm)×r
Y0=Ym+(RM+Rm)×r×Yr
X0=Xm+R0×cos(asin(Y0/R0))
Rn=Rm+(RM−Rm)×r
Yn=Ym+(RM+Rm)×r×Yr
Xn=Xn-1+(Rn−Rn-1)×cos(asin(Yn−Yn-1)/(Rn−Rn-1))
以下に計算条件設定値を示す。
Rm:円の最小半径(μm)
RM:円の最大半径(μm)
Xm:X座標の最小値(mm)
XM:X座標の最大値(mm)
Ym:Y座標の最小値(mm)
YM:Y座標の最大値(mm)
r:0.0〜1.0の範囲で得られる乱数値
算出された円中心座標値: P0(x0,y0;R0),(x1,y1;R1),・・・,(xn,yn;Rn)
図15は、円の充填方法1について説明するためのフローチャートである。
まず、ステップS21において、計算条件Rm、RM、Xm、XM、Ym、YMを設定する。
次に、ステップS22において、中心円座標P0からPnのうちY座標値が最小な円Piを求める。次に、ステップS23において、Yi>YMである否かを判別する。ステップS23にてYi>YMであると判別された場合には、処理は終了となる。ステップS24において、Yi>YMでないと判別された場合には、Pi近傍でPiを除きY座標値が最小な円Pjを求める。次に、ステップS25において、PiとPjに接する円Pkの半径RkをRk=Rm+(RM−Rm)×rとし、Pkの座標を求める。
(*1)Y座標の最小値ではなく、Piにおけるyi+Riの値(円の上面)が最小の円を求める方法も有効である。
(*2)Pkの計算には、上述した式(1)、(2)を用いる。
図16は、円の充填方法2について説明するためのフローチャートである。
円の充填方法2は、ステップS31、ステップS32の追加処理をさらに行う点において、上述の円の充填方法1と異なっている。この方法は、ランダム性を多少犠牲にして、充填率を向上させる手法である。
大面積のランダムパターンを生成する場合、光学特性に影響を及ぼさなくなる程度に充分な大きさのパターンを繰り返し繋げて用いることで、製作を効率的に行うことができる。繰り返し繋げる場合、パターン開始部の直線と、パターン終了部の直線の配置が同一である必要がある(図12D中で上段と下段の斜線を付した円)。
まず、ステップS41において、X軸上のデータを上述の方法で生成する。次に、ステップS42において、座標列P0〜Pmについて、それぞれのy座標値にYMを加算した座標値を新たな円として、Pm以降に追加する。次に、ステップS43において、円の充填を上述の方法で行い、座標P0〜Pnを得る。
図18は、上述したランダムパターンの生成方法を実効するためのパターン生成装置の構成の一例を示すブロック図である。パターン生成装置は、例えば、一般的なパーソナルコンピュータや、コンピュータ装置に準じた構成の装置である。
次に、図19〜図21を参照して、上述の構成を有する光学フィルムの製造方法の一例について説明する。図19は、光学フィルムの作製工程を示す図である。なお、図19に示す一例の工程をインラインで行うことが可能である。ここでは、ランダムパターンが円形状である場合について光学フィルムの製造方法について説明するが、ランダムパターンの形状は円形状に限定されるものではない。
(2)塗料が、溶剤の揮発とともに構造粘性を発現し降伏値を持ちゲル化する特性を有する。
(3)塗料が、乾燥すると流動性を消失する(いわゆる乾燥硬化)する特性を有する。条件(2)を満たす塗料が、乾燥硬化する樹脂を含有していてもよい。
図19に示す工程に先だって、原盤であるエンボスロール21を以下のようにして作製する。まず、図20Aに示すように、被加工体であるロール23を準備する。このロールの表面は、例えば、金属により形成されている。次に、図20Bに示すように、例えばセラミック溶射によりセラミック層24を形成する。次に、図20Cに示すように、上述のようにして生成したパターンを、レーザー加工によりロール23の表面に形成する。具体的には、最小半径Rm以上、最大半径RM以下の範囲内で構造体(転写用構造体)21aの底面の大きさをランダムに変化させるとともに、構造体21aの底面同士を接するまたはほぼ接するようにしながら、凹部または凸部である構造体21aを形成する。また、構造体21aの底面の最小半径Rmと最大半径RMは、Rm/RM≦0.9の関係を満たすようにする。これにより、基材表面の凹凸形状を反転した凹凸形状を有するエンボスロール(ロール原盤)21が得られる。
次に、例えば、反物状に巻き取られた基材11を巻き出す。次に、図6に示したエンボス転写装置を用いて、エンボスロール21とバックロール22とをその間に基材11を挟んだ状態で連続的に回転しながら、基材11にエンボス形状を転写する。これにより、図21Aに示すように、基材11の表面に凹凸形状が形成される。このエンボス転写は、基材11を加熱および加圧して行うことが好ましい。低温および低圧の条件でエンボス転写を行うと、レーザー彫刻で形成した凹部の底までフィルムが達せず、凸部の山頂が平坦な高さの低い突起しかできない。一方、高温および高圧では、転写量は大きいものの基材が熱変形してしまい良好な基材11が得られない。線圧が高いほど転写量が増加するが、ロールの撓みが増大することで幅方向に均一な線圧が得られないことから、経済的な判断が伴う。従って、基材11の物性、寸法で最適なエンボス条件を見出すことが重要である。
次に、図21Bに示すように、ハードコート液13を基材11上に塗工する。塗工されたハードコート液13の液面はレベリングされているが、基材表面の凹凸形状との間の厚みが分布することから、乾燥時の体積変化によって滑らかな凹凸状の気液界面が形成される。これにより、ハードコート層12の表面凹凸量が基材11の表面凹凸量より小さい光学フィルム1を得ることができる。また、基材11の表面凹凸量は、例えば、塗工するハードコート液13の厚みによって制御できる。さらに、塗布から硬化に亘る全てのプロセスにおいて、非接触で表面形成できることから、欠陥のない品質の高い光学フィルム1を提供することができる。
次に、基材上に塗工されたハードコート液13を乾燥させることにより、溶剤を揮発させる。乾燥条件は特に限定されるものではなく、自然乾燥であっても、乾燥温度や乾燥時間などの調整による人工的乾燥であってもよい。但し、乾燥時に塗料表面に風を当てる場合、塗膜表面に風紋が生じないようすることが好ましい。風紋が生じると防眩層表面に所望のなだらかなウネリの微細凹凸形状が形成されにくくなる傾向があり、防眩性とコントラストとを両立することが困難になるからである。また、乾燥温度および乾燥時間はハードコート液中に含まれる溶剤の沸点によって適宜決定することが可能である。その場合、乾燥温度および乾燥時間は、基材11の耐熱性を配慮し、熱収縮により基材11の変形が起きない範囲で選定することが好ましい。
次に、図21Cに示すように、例えば電離放射線照射または加熱により、透明プラスチック基材上にて乾燥されたハードコート液13を硬化させる。これにより、エンボス形状を1つの山として、滑らかな微細凹凸形状を形成することができる。電離放射線としては、例えば、紫外線、可視光線、ガンマ線、電子線などを用いることができ、生産設備の観点から、紫外線が好ましい。積算照射量は、樹脂の硬化特性、樹脂や基材11の黄変抑制などを考慮して適宜選択することが好ましい。また、照射の雰囲気としては、樹脂硬化の具合に応じて適宜選択することができ、例えば、空気、窒素、アルゴンなどの不活性ガスの雰囲気が挙げられる。最後に、必要に応じて、光学フィルム1を反物状に巻き取る。
以上により、目的とする光学フィルム1が得られる。
第2の実施形態は、レーザー加工に代えて、エッチング処理によりエンボスロールを作製する点において、第1の実施形態とは異なっている。これ以外のことは、第1の実施形態と同様であるので、以下ではエンボスロールの作製工程について説明する。
(レジスト層形成工程)
まず、例えば、図22Aに示すように、被加工体であるロール23を準備する。次に、例えば、図22Bに示すように、ロール23の表面にレジスト層25を形成する。レジスト層25の材料としては、例えば、無機レジストおよび有機レジストのいずれも用いることができる。
次に、例えば、図22Cに示すように、レジスト層25にレーザー光Lを照射することにより、露光パターン25aをレジスト層25に形成する。この露光パターン25aは、第1の実施形態と同様にして生成したパターンに応じて形成される。露光パターン25aの形状としては、例えば、円形状、楕円形状、多角形状などを挙げることができる。具体的には、最小距離Rm以上、最大距離RM以下の範囲内で露光パターン25aの大きさをランダムに変化させるとともに、露光パターン25a同士を接するまたはほぼ接するようにしながら、レーザー光Lをレジスト層25に照射する。また、露光パターン25aの最小距離Rmと最大距離RMが、Rm/RM≦0.9の関係を満たすようにする。なお、露光パターン25aの底面が円形状である場合には、上述の各関係において、最小距離Rmは最小半径Rmであり、最大距離RMは最大半径RMである。また、露光パターン25aの底面が楕円形状である場合には、最小距離Rmは短軸長さ(短径)の最小値Rmであり、最大距離RMは長軸長さ(長径)の最大値RMである。
次に、例えば、露光パターン25aが形成されるレジスト層25を現像する。これにより、図23Aに示すように、露光パターン25aに応じた開口部25bがレジスト層25に形成される。なお、図23Aでは、レジストとしてポジ型レジストを用い、露光部に開口部25bを形成する例が示されているが、レジストはこの例に限定されるものではない。すなわち、レジストとしてネガ型レジストを用い、露光部を残すようにしてもよい。
次に、例えば、開口部25bが形成されたレジスト層25をマスクとして、ロール23の表面をエッチングする。これにより、図23Bに示すように、構造体21aが形成される。エッチングとしては、例えば、ドライエッチングおよびウエットエッチングのいずも用いることができるが、設備が簡易である点からすと、ウエットエッチングを用いることが好ましい。また、エッチングとしては、例えば、等方性エッチングおよび異方性エッチングのいずれも用いることができる。
次に、図23Cに示すように、例えば、アッシングなどにより、基材表面に形成されたレジスト層25を剥離する。これにより、基材11の表面の凹凸形状を反転した凹凸形状を有するエンボスロール(ロール原盤)21が得られる。
次に、図23Dに示すように、必要に応じて、エンボスロール21の表面にメッキ処理を施し、ニッケルメッキなどのメッキ層26を形成する。
以上により、目的とするエンボスロール21が得られる。
図24は、この発明の第3の実施形態による光学フィルムの構成の一例を示す断面図である。この光学フィルムは、図24に示すように、基材11とハードコート層12との間に帯電防止層14が設けられている点において、第1の実施形態のものとは異なっている。基材11、およびハードコート層12は、上述の第1の実施形態と同様であるので、同一の符号を付してその説明を省略する。
図25は、この発明の第4の実施形態による光学フィルムの構成の一例を示す断面図である。図25に示すように、この光学フィルム1は、ハードコート層12上に反射防止層15を備えている点において、第1の実施形態のものとは異なっている。基材11、およびハードコート層12は、上述の第1の実施形態と同様であるので、同一の符号を付してその説明を省略する。
この第5の実施形態は、上述の第1の実施形態において防眩性フィルムとして用いた光学フィルムを、アンチニュートンリング(Anti Newton-Ring:ANR)フィルムとして用いるものである。
図28は、この発明の第6の実施形態による表示装置の構成例を示す断面図である。この第6の実施形態は、表示部31と、この表示部31の裏面側に設けられた裏面部材38とを備え、表示部31の裏面側、および裏面部材38の前面側の少なくとも一方に、光学フィルム33を備える点において、第5の実施形態とは異なっている。
図29は、本発明の第7の実施形態による防眩性フィルムの製造方法の一例について説明するためのフローチャートである。図30〜図32は、この発明の第7の実施形態による光学フィルムの製造方法の一例を説明するための工程図である。この第7の実施形態は、複数の開口部を有するエッチングマスクを用いて、原盤の表面に対して第1のエッチング処理を施した後、エッチングマスクを原盤の表面から除去し、原盤の表面全体に対して、第2のエッチング処理を施す点において、第2の実施形態とは異なっている。
ここで第1のエッチング処理の深さD1とは、第1のエッチング処理により原盤表面に形成される凹状の構造体の中で最も深い値を指す。通常D1はエッチング液のエッチングレートとエッチング処理時間により決定される。同一のエッチング液を使用し、なおかつエッチング量がさほど多くない場合、D1はエッチング処理時間Te1に概略比例して増大する。
処理時間Te1のエッチングにて、第1のエッチング処理深さD1が得られた場合、このエッチング液のエッチングレートをD1/Te1として定義することができる。
第2のエッチング処理は、上記のようにして求めたエッチングレートD1/Te1のエッチング液を利用して、特定の時間Te2の間、ロール全表面をエッチングすることにより行われる。このとき上記エッチングレートD1/Te1にTe2を乗じた値を第2のエッチング処理の深さD2と定義する(D2=(D1/Te1)ラTe2)。
まず、ステップS101において、必要に応じて、被加工体である基材21の表面に、メッキ処理を施し、銅メッキなどのメッキ層を形成する。被加工体である基材21の形状としては、例えば、板状、シート状、フィルム状、ブロック状、円柱状、円筒状などが挙げられる。
次に、ステップS102において、基材21の表面上に、レジスト層22を形成する(図30A参照)。レジスト層22の材料としては、例えば、無機レジストおよび有機レジストのいずれも用いることができる。なお、基材21が円柱状または円筒状を有する場合には、それらの外周面にレジスト層22を形成することが好ましい。
次に、ステップS103において、例えば、レジスト層22にレーザー光L1を照射することにより、所定の露光パターンを有する複数の露光部22aをレジスト層22に形成する(図30B参照)。例えば、最小距離Rm以上、最大距離RM以下の範囲内で露光部22aの大きさをランダムに変化させるとともに、露光部22a同士を接するまたはほぼ接するようにしながら、レーザー光L1をレジスト層22に照射する。また、露光部22aの最小距離Rmと最大距離RMが、Rm/RM≦0.9の関係を満たすようにする。但し、最小距離Rm:露光部22aの重心から外周までの最短距離、最大距離RM:露光部22aの重心から外周までの最大距離である。露光部22aの形状としては、例えば、円形状、楕円形状、多角形状などを挙げることができる。なお、露光部22aが円形状である場合には、最小距離Rmは最小半径Rmであり、最大距離RMは最大半径RMである。また、露光部22aが楕円形状である場合には、最小距離Rmは短軸長さ(短径)の最小値Rmであり、最大距離RMは長軸長さ(長径)の最大値RMである。
次に、ステップS104において、複数の露光部22aが形成されたレジスト層22を現像する。これにより、露光部22aに応じた開口部22bがレジスト層22に形成される(図30C参照)。なお、図30Cでは、レジストとしてポジ型レジストを用い、露光部22aが開口部22bとなる例が示されているが、レジストはこの例に限定されるものではない。すなわち、レジストとしてネガ型レジストを用い、露光部22aを残すようにしてもよい。
次に、ステップS105において、複数の開口部22bが形成されたレジスト層22をエッチングマスクとして、基材21の表面にエッチング処理(第1のエッチング処理)を施す。これにより、凹部21aが形成される(図31A参照)。エッチングとしては、例えば、ドライエッチングおよびウエットエッチングのいずも用いることができるが、設備が簡易である点からすと、ウエットエッチングを用いることが好ましい。また、エッチングとしては、例えば、等方性エッチングおよび異方性エッチングのいずれも用いることができ、所望とする構造体11aの形状に応じて適宜選択することが好ましい。エッチング処理の深さD1は、0.5μm以上10μm以下であることが好ましい。0.5μm未満であると、防眩性を維持するにハードコート膜厚を薄くする必要があり、鉛筆硬度が劣化する傾向がある。または、再エッチング処理により、凹部の深さが浅くなる或いは平坦部が多くなり、防眩性が低下する傾向がある。一方、10μmを超えると、ハードコート塗布後にザラツキ感が生じる、または、白濁を小さくするためにハードコート厚みを厚くする必要があり、カールが大きくなる。また、転写速度が下がり、生産性が悪くなる傾向がある。エッチング液としては、例えば、塩化第二銅エッチング液(塩化第二銅、塩酸、水)を使用することができるが、これに限定されるわけではない。
次に、ステップS106において、アッシングなどにより、基材表面に形成されたレジスト層22を剥離する(図31B参照)。これにより、例えば同一深さを有する凹部21aが基材表面に形成される。すなわち、基材表面に凹凸面が形成される。
次に、ステップS107において、基材21の凹凸面全体に再エッチング処理(第2のエッチング処理)を施す。これにより、基材21の表面に形成された複数の凹部21aを、例えば円柱状からドーム状に変えることにより、滑らかな凹凸面を有する原盤23が得られる(図31C参照)。この原盤23の凹凸面は、基材11の凹凸面を反転したものであり、連続的な波面であることが好ましい。基材11に連続的な波面を転写することができるからである。ここで、連続的な波面とは、原盤表面に不連続点や段差がなく滑らかにつながっていると、具体的には、原盤表面の任意の点において微分可能であることを示す。この再エッチングの深さD2は、(D1×0.6)μm以上(D1×2)μm以下であることが好ましい。(D1×0.6)μm未満であると、ドーム形状などの形成が不十分となり、平坦部が残り、直線傾斜があり、防眩性の改善が不十分となる傾向がある。一方、(D1×2)μmを超えると、凹部の深さが浅くなり過ぎ、或いは平坦部が多くなり、防眩性が低下する傾向がある。
次に、ステップS108において、必要に応じて、原盤23の凹凸面にメッキ処理を施し、Crメッキなどのメッキ層を形成する。
次に、ステップS109において、基材11の平滑な表面に対して原盤23を押し当てるとともに、基材11を加熱することにより、原盤23の凹凸形状を基材11に転写する(図31D参照)。これにより、凹凸面を有する基材11が得られる。
次に、ステップS110において、樹脂組成物(以下、適宜塗料とも称する)13を基材11の凹凸面上に塗工する(図32A参照)。塗工方法は、特に限定されるものではなく、公知の塗工方法を用いることができる。公知の塗工方法としては、例えば、マイクログラビアコート法、ワイヤーバーコート法、ダイレクトグラビアコート法、ダイコート法、ディップ法、スプレーコート法、リバースロールコート法、カーテンコート法、コンマコート法、ナイフコート法、スピンコート法などが挙げられる。
樹脂組成物としては、後工程である乾燥工程(ステップS111)において、粘度が上昇し、流動性が失われる特性を有するものが好ましい。後工程である乾燥工程において、基材11の凹凸面に樹脂組成物を追随させることができるからである。樹脂組成物としては、製造の容易性の観点からすると、光または電子線などにより硬化する電離放射線硬化型樹脂、または熱により硬化する熱硬化型樹脂を用いることが好ましい。電離放射線硬化型樹脂としては、光により硬化する感光性樹脂組成物が好ましく、紫外線により硬化する紫外線硬化型樹脂組成物が最も好ましい。電離放射線硬化型樹脂、または熱硬化型樹脂は、粘度調整剤、および溶剤を含んでいることが好ましい。これらの材料を含むことで、後工程である乾燥工程において、基材11の凹凸面に樹脂組成物を追随させることができるからである。
紫外線硬化型樹脂組成物は、例えば、アクリレートと、光重合開始剤と、粘度調整剤と、溶剤とを含有している。また、紫外線硬化型樹脂組成物が、防汚性付与の観点から、防汚剤をさらに含有していることが好ましい。また、紫外線硬化型樹脂組成物が、基材11への濡れ性向上の観点から、レベリング剤をさらに含有することが好ましい。また、紫外線硬化型樹脂組成物が、帯電防止機能を防眩性フィルム1に付与する観点から、帯電防止剤をさらに含有することが好ましい。また、紫外線硬化型樹脂組成物が、必要に応じて、ハードコートに内部ヘイズを付与する有機または無機フィラーをさらに含有するようにしてもよい。このようにフィラーを含有させる場合、フィラーとマトリクスとの屈折率差は、0.01以上であることが好ましい。フィラーの平均粒径は、0.1〜1μmであることが好ましい。また、紫外線硬化型樹脂組成物が、必要に応じて、光安定剤、難燃剤および酸化防止剤などをさらに含有するようにしてもよい。
アクリレートとしては、2個以上の(メタ)アクリロイル基を有するモノマーおよび/またはオリゴマーを用いることが好ましい。このモノマーおよび/またはオリゴマーとしては、例えば、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリオール(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレートなどを用いることができる。ここで、(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基およびメタアクリロイル基のいずれかを意味するものである。ここで、オリゴマーとは、分子量500以上60000以下の分子をいう。
光重合開始剤としては、公知の材料から適宜選択したものを使用できる。公知の材料としては、例えば、ベンゾフェノン誘導体、アセトフェノン誘導体、アントラキノン誘導体などを単独で、または併用して用いることができる。重合開始剤の配合量は、固形分中0.1質量%以上10質量%以下であることが好ましい。0.1質量%未満であると、光硬化性が低下し、実質的に工業生産に適さない。一方、10質量%を超えると、照射光量が小さい場合に、塗膜に臭気が残る傾向にある。ここで、固形分とは、硬化後のハードコート層12を構成する全ての成分、例えば溶剤および粘度調整剤以外の全ての成分をいう。具体的には例えば、アクリレート、光重合開始剤、無機酸化物フィラー、帯電防止剤、レベリング剤、および防汚剤などを固形分という。
粘度調整材(構造粘性剤)としては、例えば、無機系および/または有機系の粘度調整剤を用いることができ、両者を併用することが好ましい。両者を併用すると、形状追随性が高まるからである。無機系の粘度調整剤としては、例えば、無機酸化物フィラーを用いることができる。無機酸化物フィラーとしては、例えば、シリカ、アルミナ、ジルコニア、五酸化アンチモン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化インジウム錫(Indium Tin Oxide:ITO)、酸化インジウム、アンチモンドープ酸化錫(Antimony-doped tin oxide:ATO)、酸化アルミニウム亜鉛(Alminum Zinc Oxide:AZO)などを用いることができる。無機酸化物フィラー表面は、末端に(メタ)アクリル基、ビニル基、またはエポキシ基などの官能基を有する有機系分散剤で表面処理されていることが好ましい。有機系分散剤としては、例えば、上記官能基を末端に有するシランカップリング剤が好適である。末端にアクリル基を有するシランカップリング剤としては、例えば、信越化学工業株式会社製KBM−5103を挙げることができる。末端にメタクリル基を有するシランカップリング剤としては、例えば、信越化学工業株式会社製KBM−502、KBM−503、KBE−502、KBE−503を挙げることができる。末端にビニル基を有するシランカップリング剤としては、例えば、信越化学工業株式会社製KA−1003、KBM−1003、KBE−1003を挙げることができる。末端にエポキシ基を有するシランカップリング剤としては、例えば、信越化学工業株式会社製KBM−303、KBM−403、KBE−402、KBE−403を挙げることができる。シランカップリング剤の他、有機カルボン酸を用いるようにしてもよい。このように表面処理された無機酸化物フィラーを用いることで、後述する塗膜の硬化工程において、無機酸化物フィラーがその周囲にある(メタ)アクリルモノマーおよび/またはオリゴマーなどのアクリレートと一体化し、塗膜硬度や可撓性が向上する。
溶剤としては、使用するアクリレートなどの樹脂原料を溶解すると共に、基材11との濡れ性が良好で、かつ、基材11を白化させないものが好ましい。このような溶剤としては、例えば、アセトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、メチルエチルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸イソプロピル、ギ酸ブチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸第二ブチル、酢酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸第二アミル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、酪酸エチル、乳酸メチルなどのケトン類またはカルボン酸エステル類、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノールなどのアルコール類、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソランなどのエーテル類を挙げることができる。これらの溶剤は単一でも2成分以上の混合物でもよく、さらに、上記に例示したもの以外の溶剤を樹脂原料の性能が損なわれない範囲で加えることもできる。
樹脂組成物は、上述のように、帯電防止剤をさらに含有することが好ましい。帯電防止剤としては、四級アンモニウム塩、導電性ポリマー、イオン性液体、および導電性微粒子の少なくとも1種を含んでいることが好ましい。
樹脂組成物は、上述のように、防汚剤をさらに含有することが好ましい。防汚剤としては、1個以上の(メタ)アクリル基、ビニル基、またはエポキシ基を有するシリコーンオリゴマーおよび/またはフッ素含有オリゴマーを用いることが好ましい。防眩性フィルム1に耐アルカリ性を付与する必要がある場合、フッ素含有オリゴマーを用いることが好ましい。上記シリコーンオリゴマーおよび/またはフッ素オリゴマーの配合量は、固形分の0.01質量%以上5質量%以下であることが好ましい。0.01質量%未満であると、防汚機能が不十分となる傾向がる。一方、5質量%を超えると、塗膜硬度が低下する傾向がある。防汚剤としては、例えば、DIC株式会社製のRS−602、RS−751−K、サートマー社製のCN4000、ダイキン工業株式会社製のオプツールDAC−HP、信越化学工業株式会社製のX−22−164E、チッソ株式会社製のFM−7725、ダイセル・サイテック株式会社製のEBECRYL350、デグサ社製のTEGORad2700などを用いることが好ましい。
紫外線硬化型樹脂組成物は、上述したように、基材11への濡れ性向上の観点から、公知のレベリング剤をさらに含有することが好ましい。レベリング剤の配合量は、固形分の0.01質量%以上5質量%以下であることが好ましい。0.01質量%未満であると、濡れ性の向上が不十分になる傾向がある。5質量%を超えると、塗膜硬度が低下する傾向がある。
次に、ステップS111において、基材11の凹凸面上に塗工された樹脂組成物13を乾燥させることにより、溶剤を揮発させる。乾燥条件は特に限定されるものではなく、自然乾燥であっても、乾燥温度や乾燥時間などを調整する人工的乾燥であってもよい。但し、乾燥時に塗料表面に風を当てる場合、塗膜表面に風紋が生じないようすることが好ましい。また、乾燥温度および乾燥時間は塗料中に含まれる溶剤の沸点によって適宜決定することが可能である。その場合、乾燥温度および乾燥時間は、基材11の耐熱性を配慮し、熱収縮により基材11の変形が起きない範囲で選定することが好ましい。
次に、ステップS112において、例えば電離放射線照射L2または加熱により、基材11の凹凸面上にて乾燥された樹脂組成物13を硬化させる。これにより、滑らかな凹凸形状を有するハードコート層12が形成される(図32C参照)。電離放射線としては、例えば、電子線、紫外線、可視光線、ガンマ線、電子線などを用いることができ、生産設備の観点から、紫外線が好ましい。積算照射量は、樹脂の硬化特性、樹脂や基材11の黄変抑制などを考慮して適宜選択することが好ましい。また、照射の雰囲気としては、樹脂組成物の種類に応じて適宜選択することが好ましく、例えば、空気、窒素、アルゴンなどの不活性ガスの雰囲気が挙げられる。
以上により、目的とする防眩性フィルム1が得られる。
[8.1.光学フィルムの構成]
図33は、この発明の第8の実施形態による光学フィルムに備えられる基材の凹凸面の形状の一例を示す平面図である。図33に示すように、第8の実施形態による光学フィルムは、構造体11が第1の構造体11a1と第2の構造体11a2とを含む点において、第1の実施形態のものとは異なっている。
この第8の実施形態により光学フィルムの製造方法は、以下に示す露光工程を備える以外の点において、第1の実施形態のものと異なっている。まず、上述の第1の実施形態と同様にして、第1の構造体11a1に対応する露光部を形成する。次に、この露光部の間の隙間に、第2の構造体11a2に対応する露光部を配置する。
エッチングプロセスによる原盤作製を行う場合、第1の凹部および第2の凹部の深さは、(1)凹部の底面の大きさ、(2)隣接する凹部の底面同士の間隔、(3)隣接する凹部の底面の大きさ、(4)その他原盤加工条件に依存してばらつく傾向にある。したがって、エッチングプロセスにより原盤を作製する際に、上記(1)〜(4)の条件を適宜調整することにより、第1の凹部、および第2の凹部の深さを意図的にばらつかせることができる。特に、第2の凹部の底面半径の最大値RMを第1の凹部の底面半径の最小値Rm以下に設定することにより、第2の凹部の深さを第1の凹部の深さよりも浅く設定することができる。なお、これらの第1の凹部、および第2の凹部をフィルムに転写すると、フィルム上に第1の構造体11a1、および第2の構造体11a2を形成することができる。
図34Aは、この発明の第9の実施形態による光学フィルムに備えられる基材の構成の第1の例を示す断面図である。図34Aに示すように、基体11は、ハードコート層12が形成される凹凸面に複数の微細構造体11cを備える点において、第1の実施形態とは異なっている。微細構造体11cは、例えば、構造体11aの表面のうちの少なくとも一部に形成される。ギラツキ低減の観点からすると、構造体11の表面全体に微細構造体11cを形成することが好ましい。微細構造体11cは、構造体11aよりも小さい凸部または凹部である。なお、微細構造体11cが基材11の凹凸面に形成されているか否かは、例えば以下のようにして確認することができる。すなわち、TACフィルムなどの基材11を溶剤により溶解し、ハードコート層12と基材11との界面を露出させ、この界面を顕微鏡を用いて観察することにより、微細構造体11cの形成の有無を確認できる。
図36は、この発明の第10の実施形態による光学フィルムの構成の一例を示す断面図である。第10の実施形態は、構造体11aが側面に1つまたは2つ以上のステップStを備え、構造体11aが2つまたは3つ以上の段構造体からなる段構造を有している点において、第1の実施形態とは異なっている。2つまたは3つ以上の段構造体は、基体側からハードコート層の表面側に向かって、小さくなるように構成されている。図36では、構造体11aが側面に1つのステップを備え、段構造が第1の段構造体16b、および第2の段構造体16aからなる例が示されている。構造体11aは、全体としてドーム形状を有することが好ましい。各段を形成する段構造体の底面の形状は、同一形状に限定されるものではなく、異なる形状としてもよい。
まず、エンボスロールを以下のようにして作製した。計算条件設定値(Rm:17.5μm、RM:25μm、Xm:0.0mm、XM:40.0mm、Ym:0.0mm、YM:40.0mm)の条件でパターンを生成した。図7は、このパターンを2mm×2mmの範囲で切り出した図である。
UV硬化ウレタンアクリルオリゴマー:100質量部
反応開始剤 IRG-184:5質量部
シリカゾル(粒径30nmのシリカを分散したMIBK分散液 固形分30%):500質量部
MIBK:85質量部
計算条件設定値(Rm:12μm、RM:17μm、Xm:0.0mm、XM:40.0mm、Ym:0.0mm、YM:40.0mm)の条件でパターンを生成し、この生成パターンをエッチングで彫刻し、エンボスロールを作製した。これ以外のことは、参考例1と同様にして、PVが0.27の防眩性フィルムを作製した。
計算条件設定値(Rm:49μm、RM:70μm、Xm:0.0mm、XM:40.0mm、Ym:0.0mm、YM:40.0mm)の条件でパターンを生成し、この生成パターンをエッチングで彫刻し、エンボスロールを作製した。これ以外のことは、参考例1と同様にして、PVが0.67の防眩性フィルムを作製した。
計算条件設定値(Rm:11μm、RM:25μm、Xm:0.0mm、XM:40.0mm、Ym:0.0mm、YM:40.0mm)の条件でパターンを生成し、この生成パターンをエッチングで彫刻し、エンボスロールを作製した。これ以外のことは、参考例1と同様にして、PVが0.30の防眩性フィルムを作製した。
計算条件設定値(Rm:21μm、RM:25μm、Xm:0.0mm、XM:40.0mm、Ym:0.0mm、YM:40.0mm)の条件でパターンを生成し、この生成パターンをエッチングで彫刻し、エンボスロールを作製した。これ以外のことは、参考例1と同様にして、PVが0.26の防眩性フィルムを作製した。
計算条件設定値(Rm:10μm、RM:11.1μm、Xm:0.0mm、XM:40.0mm、Ym:0.0mm、YM:40.0mm)の条件でパターンを生成し、この生成パターンをエッチングで彫刻し、エンボスロールを作製した。これ以外のことは、参考例1と同様にして、PVが0.23の防眩性フィルムを作製した。
計算条件設定値(Rm:67.5μm、RM:75μm、Xm:0.0mm、XM:40.0mm、Ym:0.0mm、YM:40.0mm)の条件でパターンを生成し、この生成パターンをエッチングで彫刻し、エンボスロールを作製した。これ以外のことは、参考例1と同様にして、PVが1.54の防眩性フィルムを作製した。
エンボスロールの表面形状をレーザー加工で作製した以外は参考例1と同様にして、PVが0.27の防眩性フィルムを作製した。
計算条件設定値(Rm:8μm、RM:11μm、Xm:0.0mm、XM:40.0mm、Ym:0.0mm、YM:40.0mm)の条件でパターンを生成し、この生成パターンをエッチングで彫刻し、エンボスロールを作製した。これ以外のことは、参考例1と同様にして、PVが0.23の防眩性フィルムを作製した。
計算条件設定値(Rm:56μm、RM:80μm、Xm:0.0mm、XM:40.0mm、Ym:0.0mm、YM:40.0mm)の条件でパターンを生成し、この生成パターンをエッチングで彫刻し、エンボスロールを作製した。これ以外のことは、参考例1と同様にして、PVが1.03の防眩性フィルムを作製した。
計算条件設定値(Rm:24μm、RM:25μm、Xm:0.0mm、XM:40.0mm、Ym:0.0mm、YM:40.0mm)の条件でパターンを生成し、この生成パターンをエッチングで彫刻し、エンボスロールを作製した。これ以外のことは、参考例1と同様にして、PVが0.39の防眩性フィルムを作製した。
参考例6の計算条件設定値でパターンを生成し、この生成パターンをエッチングで彫刻し、エンボスロールを作製した。このエンボスロールを使用しTAC表面に凹凸を形成した。これ以外のことは、参考例1と同様にして、PVが0.19の防眩性フィルムを作製した。
参考例7の計算条件設定値でパターンを生成し、この生成パターンをエッチングで彫刻し、エンボスロールを作製した。これ以外のことは、参考例1と同様にして、PVが1.68の防眩性フィルムを作製した。
#300のガラスビーズを使用してブラスト処理したロールをエンボスロールとして使用した。白濁が0.3となる塗布厚でハードコート液をTACフィルムの凹凸表面に塗布した。これ以外のことは、参考例1と同様にして、防眩性フィルムを作製した。
#400のガラスビーズを使用してブラスト処理したロールをエンボスロールとして使用した。白濁が0.3となる塗布厚でハードコート液をTACフィルムの凹凸表面に塗布した。これ以外のことは、参考例1と同様にして、防眩性フィルムを作製した。
同一半径25μmの円を格子状に配列させたパターンをエッチングで彫刻し、エンボスロールを作製した。このエンボスロールを使用しTAC表面に凹凸を形成した。これ以外のことは、参考例1と同様にして、防眩性フィルムを作製した。
同一半径25μmの円を千鳥状に配列させたパターンをエッチングで彫刻し、エンボスロールを作製した。このエンボスロールを使用しTAC表面に凹凸を形成した。これ以外のことは、参考例1と同様にして、防眩性フィルムを作製した。
充填率は生成した円の面積と区画面積の比で表す。円と円の隙間は平坦であり、充填率(1−充填率)は円が占める面積率を表している。区画面積は、パターンの全面積(円の面積とその間の隙間の面積とを加算した面積)である。平坦部が多いと、すなわち充填率が低いと防眩性が低下するので、高い充填率が要求される。ここで、充填率の基準として、比較例8(図38A)および比較例9(図38B)の充填率を示す。同一半径の円を格子状に配列させた場合の充填率(図38A参照)は、78.5%、同一半径の円を千鳥状に配列させた場合の充填率(図38B参照)は、90.7%である。
裏面反射の影響を抑えるため、防眩性フィルムは粘着剤を介して黒色アクリル板に貼合して評価サンプルとした。次に、エックスライト社製の積分球型分光測色計SP64を用い、拡散光を試料表面に照射して試料法線方向から8°方向に傾いた位置に存在する検出器で反射光を測定するd/8°光学系にて測定を行った。測定値は正反射成分を除き拡散反射成分のみ検出するSPEXモードを採用し、検出視野角2°にて行った。なお、本測定の白濁度は、視覚的に感じる白濁感と相関があることを実験により確認している。その結果を表1に示す。
黒板アクリル板:三菱レーヨン製 アクリライト黒502(3mm厚)
貼合するときに使用する粘着剤:巴川製紙所製 ノンサポート粘着フィルムTU41A
光学フィルムにむき出しの蛍光灯を写し、反射像のぼやけ方を下記の基準で評価した。その結果を表1に示す。
◎:蛍光灯の輪郭が分からない(2本の蛍光灯が1本に見える)
○:蛍光灯がある程度認識できるが、輪郭がぼやけている
×:蛍光灯がそのまま写りこむ
Laser tec社製のファイブラインコンフォーカル顕微鏡 OPTELIC S130を使用した。
試料:白濁測定と同様に黒色アクリル板にフィルムを貼って測定試料とした。
対物:50倍、接眼:10倍
Z軸方向にスキャンし、Z像を取り込む。
200μm×200μmの中に観察される凸部頂上を通るように計測断面位置を設定した。次に、その断面の段差から、凸部(構造体)の高さを測定した。この高さの測定を10箇所で行った後、測定値を加算平均して、凸部(構造体)の平均高さPVとした。その結果を表1に示す。
また、最も隣接した円と円との平均中心間距離PPを以下のようにして求めた。上述の計算条件設定値に基づき生成したパターンから中心間距離PPを10箇所で求めた後、加算平均して、平均中心間距離PPとした。その結果を表1に示す。
17インチのモニター(SXGA 1280x1024)に緑色の画像を出し、そこにフィルムをのせて、モアレが発生しているか、ぎらついて見えるかどうか目視で判断した。その結果を表1に示す。
参考例1〜8の防眩性フィルムでは、モアレおよびぎらつきの発生のない高コントラストな防眩性フィルムが得られる。また、参考例1〜8の防眩性フィルムは、(1)構造体の底面の大きさがランダムに変化し、(2)構造体の底面同士が接するまたはほぼ接する関係にあり、(3)構造体の底面の最小半径Rmと最大半径RMが、Rm/RM≦0.9の関係を満たしている。したがって、上記(1)〜(3)の関係を満たすことで、モアレ、ぎらつきの発生のない高コントラストな防眩性フィルムが得られることがわかる。
転写ロールを以下のようにして作製した。まず、転写ロールとしての鉄芯(φ100mm、面長300mm)の表面に銅メッキを施した。次に、銅メッキが施されたロール表面にフォトレジストを塗布し、フォトレジスト層を形成した。次に、このフォトレジスト層をレーザー露光し、格子パターンの露光部を形成した後、現像した。これにより、格子パターンの開口部がフォトレジスト層に形成され、エッチングマスクが得られた。次に、エッチングマスクが形成された転写ロールを回転させながら、その転写ロール表面に対してエッチング液を吹き付けることにより、転写ロール表面に対して第1のエッチング処理を行った。これにより、格子パターンに配置された多数の開口部がロール表面に形成された。次に、フォトレジスト層をロール表面から取り除いた後、ロール面全体を均一に再度エッチングすることにより、ロール表面に対して第2のエッチング処理を行った。エッチング液としては、塩化第二銅エッチング液(塩化第二銅、塩酸、水)を使用した。次に、ロール表面に硬質Crメッキを5μm施すことにより、目的とする転写ロールを得た。
(露光条件)
露光部の形状:円形
露光部の円直径:40μm、
露光パターン:格子パターン
隣接する露光部の円周の最小間隔(以下、最小露光部間隔と称する。):20μm(=D2×2.9)
(エッチング条件)
第1のエッチング処理の深さD1:7.5μm
第2のエッチング処理の深さD2:7μm(D2=D1×0.93)
なお、エッチング時間とエッチング深さとは比例するので、エッチング時間を合わせて、所定深さ分だけ全表面のエッチングを行った。
円直径35μm、最***間隔25μm(=D2×3.6)の格子パターンの露光部をフォトレジスト層に形成する以外は参考例1と同様にして、ロール表面にエッチングマスクを形成した。次に、このエッチングマスクを用いて以下の条件でエッチングする以外は比較例10と同様にして転写ロールを得た。
(エッチング条件)
第1のエッチング処理の深さD1:7.5μm
第2のエッチング処理の深さD2:7μm(D2=D1×0.93)
円形のランダムパターン(Rm:23.5μm、RM:38.5μm、最***間隔:2μm(=D2×0.29))の露光部をフォトレジスト層に形成する以外は参考例1と同様にして、ロール表面にエッチングマスクを形成した。次に、このエッチングマスクを用いて以下の条件でエッチングする以外は比較例10と同様にして転写ロールを得た。
(エッチング条件)
第1のエッチング処理の深さD1:7.5μm
第2のエッチング処理の深さD2:7μm(D2=D1×0.93)
(ハードコート塗料)
UV硬化ウレタンアクリルオリゴマー:100質量部
反応開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名:Irgacure184):5質量部
シリカゾル(粒径30nmのシリカを分散したメチルイソブチルケトン(MIBK)分散液、固形分30%):500質量部
メチルイソブチルケトン(MIBK):85質量部
円形のランダムパターン(Rm:23.5μm、RM:38.5μm、最***間隔:8μm(=D2×1.6))の露光部をフォトレジスト層に形成する以外は参考例9と同様にして、ロール表面にエッチングマスクを形成した。次に、このエッチングマスクを用いて以下の条件でエッチングする以外は参考例9と同様にして防眩性フィルムを得た。
(エッチング条件)
第1のエッチング処理の深さD1:5.5μm
第2のエッチング処理の深さD2:5μm(D2=D1×0.91)
円形のランダムパターン(Rm:12.5μm、RM:20μm、最***間隔:5μm(=D2×1))の露光部をフォトレジスト層に形成する以外は参考例9と同様にして、ロール表面にエッチングマスクを形成した。次に、このエッチングマスクを用いて以下の条件でエッチングする以外は参考例9と同様にして防眩性フィルムを得た。
(エッチング条件)
第1のエッチング処理の深さD1:4.1μm
第2のエッチング処理の深さD2:5μm(D2=D1×1.2)
参考例11では、参考例9、10と比べて原盤の穴径が小さく、転写速度をさらに上げ、生産性を向上できるとわかる。原盤の穴径が小さいほど、転写工程にてTACへ熱がより効率的に伝わるためと考えられる。
円直径30μm、最***間隔30μm(=D2×4.3)の格子パターンの露光部をフォトレジスト層に形成する以外は参考例1と同様にして、ロール表面にエッチングマスクを形成した。次に、このエッチングマスクを用いて以下の条件でエッチングする以外は参考例10と同様にして転写ロールを得た。
(エッチング条件)
第1のエッチング処理の深さD1:7.5μm
第2のエッチング処理の深さD2:7μm(D2=D1×0.93)
円形のランダムパターン(Rm:23.5μm、RM:38.5μm、最***間隔:5μm(=D2×1.7))の露光部をフォトレジスト層に形成する以外は参考例9と同様にして、ロール表面にエッチングマスクを形成した。次に、このエッチングマスクを用いて以下の条件でエッチングする以外は参考例9と同様にして防眩性フィルムを得た。
(エッチング条件)
第1のエッチング処理の深さD1:5.25μm
第2のエッチング処理の深さD2:3μm(D2=D1×0.57)
円形のランダムパターン(Rm:23.5μm、RM:38.5μm、最***間隔:2μm(=D2×0.13))の露光部をフォトレジスト層に形成する以外は参考例9と同様にして、ロール表面にエッチングマスクを形成した。次に、このエッチングマスクを用いて以下の条件でエッチングする以外は参考例9と同様にして防眩性フィルムを得た。
(エッチング条件)
第1のエッチング処理の深さD1:7.5μm
第2のエッチング処理の深さD2:16μm(D2=D1×2.1)
円形のランダムパターン(Rm:23.5μm、RM:38.5μm、最***間隔:1μm(=D2×2.5))の露光部をフォトレジスト層に形成する以外は参考例9と同様にして、ロール表面にエッチングマスクを形成した。次に、このエッチングマスクを用いて以下の条件でエッチングする以外は参考例9と同様にして防眩性フィルムを得た。
(エッチング条件)
第1のエッチング処理の深さD1:0.4μm
第2のエッチング処理の深さD2:0.4μm(D2=D1×1)
防眩性フィルムにむき出しの蛍光灯を写し、反射像のぼやけ方を下記の基準で評価した。
○:蛍光灯の輪郭が完全に見えない。
△:蛍光灯が霧状にぼけて見える中に、輪郭が薄く見える。
×:蛍光灯がぼけず、はっきり認識でき、輪郭も見える。
まず、裏面反射の影響を抑えるため、防眩性フィルムを粘着剤を介して黒色アクリル板に貼合して評価サンプルとした。次に、エックスライト社製の積分球型分光測色計SP64を用い、拡散光を試料表面に照射して試料法線方向から8°方向に傾いた位置に存在する検出器で反射光を測定するd/8°光学系にて測定を行った。測定値は正反射成分を除き拡散反射成分のみ検出するSPEXモードを採用し、検出視野角2°にて測定した。なお、本測定の白濁度は、視覚的に感じる白濁感と相関があることを実験により確認している。その結果を表2に示す。
黒板アクリル板:三菱レーヨン製 アクリライト黒502(3mm厚)
貼合するときに使用する粘着剤:巴川製紙所製 ノンサポート粘着フィルムTU41A
まず、Laser tec社製のファイブラインコンフォーカル顕微鏡OPTELIC S130を使用して以下のようにして測定した。Z軸方向にスキャンし、Z像を取り込んで、穴中心部を通るように直線を引き断面形状を測定した。以下に測定条件を示す。
試料:白濁測定と同様に黒色アクリル板にフィルムを貼って測定試料とした。
対物:50倍
接眼:10倍
転写ロールを以下のようにして作製した。まず、転写ロールとしての鉄芯(φ100mm、面長300mm)の表面に銅メッキを施した。次に、銅メッキが施されたロール表面にフォトレジストを塗布し、フォトレジスト層を形成した。
以上により、目的とする防眩性フィルムを得た。
(ハードコート塗料)
UV硬化ウレタンアクリルオリゴマー:100質量部
反応開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名:Irgacure184):5質量部
シリカゾル(粒径30nmのシリカを分散したメチルイソブチルケトン(MIBK)分散液、固形分30%):500質量部
メチルイソブチルケトン(MIBK):85質量部
下記のように、生成パターンの条件、およびハードコート塗料の塗布厚を調整する以外は参考例15と同様にして防眩性フィルムを得た。
(生成パターンの条件)
計算条件設定値(Rm:23.5μm、RM:38.5μm、Xm:0.0mm、XM:40.0mm、Ym:0.0mm、YM:40.0mm)で、円形パターンを生成した。なお、参考例15のように、円と円の隙間に円を配置する処理は省略した。
(ハードコート塗料の塗布厚)
乾燥後のハードコート層表面の平均凹凸高さPVが0.50μmとなるようにハードコート塗料の塗布厚を調整した。
下記のように、生成パターンの条件、およびハードコート塗料の塗布厚を調整する以外は参考例15と同様にして防眩性フィルムを得た。
(生成パターンの条件)
計算条件設定値(Rm:23.5μm、RM:38.5μm、Xm:0.0mm、XM:40.0mm、Ym:0.0mm、YM:40.0mm)で、円径パターンを生成した後に、円と円の隙間に半径7.5μm〜23.5μmの円を配置した。
(ハードコート塗料の塗布厚)
乾燥後のハードコート層表面の平均凹凸高さPVが0.25μmとなるようにハードコート塗料の塗布厚を調整した。
まず、形状転写の工程までの一連の工程を参考例16と同様に行い、凹凸表面に形成されたTACフィルムを得た。次に、下記の固形分25%の塗布液を調製し、この塗料をTACフィルム凹凸表面にPVが0.25μmとなるように塗布した。
紫外線硬化型アクリルオリゴマー(粘度5,000cps/25℃):100質量部
反応開始剤イルガキュアー184:5質量部
MIBK:315質量部
上述した参考例で使用した塗料の粘度特性の比較を表3に示す。
HAAKE RheoStress RS75を使用して測定した。
構造粘性を示す降伏値はCassonの式に基づき、せん断速度の平方根とせん断応力の平方根をプロットし切片から求めた。プロット例を図43に示す。
光学フィルムにむき出しの蛍光灯を写し、反射像のぼやけ方を下記の基準で評価した。
◎:蛍光灯の輪郭が完全に見えない。
○:蛍光灯が霧状にぼけて見える中に、輪郭が薄く見える。
×:蛍光灯がぼけず、はっきり認識でき、輪郭も見える。
黒板アクリル板に貼ったフィルムに蛍光灯を映しこみ、周囲の虹模様を観察し、下記の基準で評価した。
○:ごく浅い角度(斜め)から見て虹模様が見えない
△:ごく浅い角度から見ると虹模様が見える
×:正面から見ても、虹模様が見える
参考例15、16、17を比較すると、円と円の隙間に小さい円をさらに配置した参考例15、17は、円と円の隙間に小さい円を配置していない参考例16と比較して、原盤の凹凸面における凹部の充填率、すなわち防眩性フィルムの凹凸面における構造体の密度が高く、高い防眩性が得られることが分かる。
また、参考例15、17の方が、参考例16と比較して、より底面の小さい構造体を有しているため、防眩性フィルム上に形成される構造体の高さばらつきが大きく、結果として反射光の虹模様、すなわち分光が抑制されていることが分かる。
ハードコート層の膜厚(平均膜厚)は、厚み測定器(TESA株式会社製、電気マイクロメータ)を用いて以下のようにして求めたものである。まず、接触端子として6mmφの円筒形状のものを用い、ハードコート層が潰れない程度の低荷重で、円筒端子をハードコート層に接触させ、防眩性フィルムの厚さを任意の5点で測定した。次に、測定した防眩性フィルムの厚さを単純に加算平均し、防眩性フィルム総厚の平均値DAを求めた。次に、同一の防眩性フィルムの未塗布部の厚さを任意の5点で測定した。次に、測定した基材(転写基材)の厚さを単純に加算平均し、基材の平均厚みDBを求めた。次に、防眩性フィルム総厚の平均値DAから基材の平均厚みDBを差し引き、その値をハードコート層の膜厚とした。
転写基材、およびハードコート層の表面を、以下のようにして評価、および観察した。
表面粗さは、触針式表面粗さ測定器((株)小阪研究所製、サーフコーダET4000A)で評価した。走査速度を0.1mm/sec、評価長さを4mmとした。
表面形状観察は、Ryoka Systems Inc.非接触表面・層断面形状計測システム VertScan2.0で評価した。測定はVS-Measure(Version 1.0.2)で行った。520nmの波長フィルタ、X50倍の対物レンズ(或いは、X20倍の対物レンズ)を使用し、観察領域は190μmX140μm(或いは、520μmX390μm)とした。3D画像は、VS-Viewer(Version 4.2.2)にて表示した。
防眩性フィルムの全光線透過率Ttは、防眩性フィルムをそのままの状態で、JIS K7361に準拠した株式会社村上色彩技術研究所製のHM−150で評価した。
防眩性フィルムのトータルHAZEは、防眩性フィルムをそのままの状態で、JIS K7136に準拠した株式会社村上色彩技術研究所製のHM−150で評価した。
防眩性フィルムの内部HAZEは、ハードコート面にTACフィルム(富士写真フィルム株式会社製、フィルム厚:80μm)を光学的に透明な粘着剤を用いて貼合した試験片について、JIS K7136に準拠した株式会社村上色彩技術研究所製のHM−150で評価した。
白濁度の具体的な測定法を以下に示す。まず、防眩性フィルムの裏面に粘着剤を介して黒色アクリル板に貼合した。次に、積分球型分光測色計(エックスライト社製、商品名:SP64)を用い、拡散光を試料表面に照射して試料法線方向から8°方向に傾いた位置に存在する検出器で反射光を測定するd/8°光学系にて測定を行った。測定値は正反射成分を除き拡散反射成分のみ検出するSPEXモードを採用し、検出視野角2°にて行った。
防眩性フィルムの光沢度を以下のようにして測定した。防眩性フィルムを粘着剤により黒板アクリル板(三菱レイヨン株式会社製アクリライトL 502)に貼合し、Gardner社製マイクロトリグロスにより光沢度の測定を行った。なお、表5には20°光沢度を示した。
防眩性の評価は、防眩性フィルムを黒板アクリル板に粘着シートを介して貼り付け、自分の顔をフィルムから約30cmの位置から映し込み、瞳のぼやけ方を下記の基準で評価した。
◎:瞳がぼやけて、輪郭が見えない
○:瞳の輪郭が薄く見える
×:瞳がくっきりと映りこむ
黒さの評価は、防眩性フィルムを黒板アクリル板に粘着シートを介して貼り付け、むき出しの蛍光灯を映し込み、拡散光の広がりを下記の基準で評価した。
◎:拡散光の広がり範囲が狭く、広がった範囲を超えると突如黒い領域となる
○:拡散光の広がり範囲は狭いが、広がった範囲を超えた場所でうっすらと拡散光が確認できる
×:拡散光の広がり範囲が広く、白ちゃけて見える
ソニー製液晶テレビ BRAVIA KDL−40F1のパネル表面からアンチグレア付き偏光板を剥離し、アンチグレア処理のないTAC表面を有する偏光板を貼合した。その上に、参考例19、実施例20に係る防眩性フィルムを光学的に透明な粘着剤を用いて貼合した。次に、得られた液晶テレビを起動し、緑色表示状態にして下記の基準でギラツキを評価した。
◎:あらゆる角度から観察してギラツキが感じられない
○:正面から観察してギラツキがないが、斜めから観察してギラツキが少し感じられる
×:正面から観察してギラツキが感じられる
フォトリソグラフィー技術により、表面に凹凸形状を有する転写ロール原盤を以下のようにして作製した。まず、転写ロール原盤としての鉄芯(φ100mm、面長300mm)の表面に銅メッキを施した。次に、銅メッキが施されたロール表面にフォトレジストを塗布し、フォトレジスト層を形成した。
(サートマー製、商品名:CN9006)
・4官能アクリルモノマー:ペンタエリスリトールテトラアクリレート 7.19質量部
(新中村化学工業株式会社製、商品名:A−TMMT)
・無機系の粘度調整剤:シリカフィラー 16質量部
(日揮触媒化成株式会社製、OSCALシリーズの粒径25nm品。粒子表面を末端アクリル基を含有するシランカップリング剤(例えば、信越化学工業株式会社製KBM−5103)で処理した。)
・重合開始剤 2質量部
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名:Irgacure184)
・レベリング剤:有効成分(フッ化アクリルポリマー)30質量%の3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール溶液) 0.07質量部
(共栄社化学株式会社製、商品名:KL−600)
・防汚剤:フッ化アクリレート 1質量部
(DIC株式会社製、商品名:RS−751−K)
・有機系の粘度調整剤:カルボキシル基含有ポリマー変性物 0.03質量部
(共栄社化学株式会社製、商品名:G−700)
・溶剤:イソプロピルアルコール(IPA) 37.33質量部
・溶剤:1,3−ジオキソラン 21.99質量部
エッチング液に界面活性剤の添加する以外は参考例19と同様にして、防眩性フィルムを得た。なお、実施例20でも参考例19と同様に、防眩性フィルムの作製工程において、TACフィルム表面の凹凸形状を観察した。その結果を図44Bに示す。また、基材表面の凹凸形状の表面粗さ評価した。その結果、Ra(算術平均粗さ)=0.503μm、Rz(十点平均粗さ)=1.973μm、RSm(粗さ曲線要素の平均長さ)=74μmであった。
・エッチング液に界面活性剤を添加しなかった参考例19の防眩性フィルムでは、基材表面に微細構造体が形成されておらず、滑らかの表面を有している。これに対して、エッチング液に界面活性剤を添加した実施例20の防眩性フィルムでは、基材表面に微細構造体が形成されており、荒れた表面を有している。
・実施例20の防眩性フィルムでは、参考例19の防眩性フィルムに比してトータルヘイズ、および内部ヘイズが1%程度上昇している。これは、基材表面に微細構造体が形成されているためである。
・実施例20の防眩性フィルムでは、参考例19の防眩性フィルムに比してギラツキが低減されている。これは、微細構造体により内部ヘイズが付与されたためである。すなわち、微細構造体により基材表面に光散乱効果が付与されたためである。
・参考例19と実施例20とでは、上述のようにTACフィルムの表面形状に違いがあるが、ハードコート層の表面形状はほぼ同一である。このため、白濁、光沢、防眩性、および黒さの評価結果は、参考例19と実施例20とでほぼ同等である。
2 液晶パネル
2a、2b 偏光子
3 バックライト
4 防眩性偏光子
11 基材
11a 構造体
12 ハードコート層
13 ハードコート液
14 帯電防止層
15 反射防止層
21 エンボスロール
21a 構造体
22 バックロール
23 ロール
24 セラミック層
25 レジスト層
25a 露光パターン
25b 開口部
26 メッキ層
Claims (16)
- 凸部である複数の構造体が表面に形成された基材と、
上記基材上に形成されたハードコート層と
を備え、
上記基材の表面には、上記構造体により凹凸形状が形成され、
上記ハードコート層の表面には、上記基材の凹凸形状に倣った凹凸形状が形成され、
上記ハードコート層の表面の凹凸形状は、上記基材の凹凸形状よりもなだらかであり、
上記構造体の底面の大きさが、最小距離Rm以上、最大距離RM以下(但し、最小距離Rm:上記構造体の底面の重心から、底面の周縁までの最短距離の最小値、最大距離RM:上記構造体の底面の重心から、底面の周縁までの最大距離の最大値)の範囲内でランダムに変化し、
上記複数の構造体のうち、隣り合う上記構造体の底面同士が、接するまたはほぼ接する関係にあり、
上記最小距離Rmと上記最大距離RMが、Rm/RM≦0.9の関係を満たし、
上記基材の凹凸形状の表面に、複数の微細構造体が形成されている光学素子。 - 上記最大距離RMが、Rm<RM≦75μmの範囲内である請求項1記載の光学素子。
- 上記最大距離RMおよび最小距離Rmが、10μm≦Rm<RM≦75μmの関係を満たす請求項1記載の光学素子。
- 上記構造体は、第1の構造体と第2の構造体とを含み、
上記第1の構造体の底面の大きさが、10μm≦R1m<R1M≦75μm(但し、最小距離R1m:上記第1の構造体の底面の重心から、底面の周縁までの最短距離の最小値、最大距離R1M:上記第1の構造体の底面の重心から、底面の周縁までの最大距離の最大値)の範囲内でランダムに変化し、
上記第2の構造体の底面の大きさが、R2m<R2M≦R1m(但し、最小距離R2m:上記第2の構造体の底面の重心から、底面の周縁までの最短距離の最小値、最大距離R2M:上記第2の構造体の底面の重心から、底面の周縁までの最大距離の最大値)の範囲内でランダムに変化する請求項1記載の光学素子。 - 上記構造体は、
第1の構造体と、
上記第1の構造体間の隙間に配置された第2の構造体と
を含み、
上記第1の構造体の高さの最小値h1、および上記第2の構造体の高さの最大値h2が、h1≧h2の関係を満たし、
上記第1の構造体の底面の大きさが、R1m<R1M≦75μm(但し、最小距離R1m:上記第1の構造体の底面の重心から、底面の周縁までの最短距離の最小値、最大距離R1M:上記第1の構造体の底面の重心から、底面の周縁までの最大距離の最大値)の範囲内でランダムに変化し、
上記第2の構造体の底面の大きさが、R2m<R2M≦R1m(但し、最小距離R2m:上記第2の構造体の底面の重心から、底面の周縁までの最短距離の最小値、最大距離R2M:上記第2の構造体の底面の重心から、底面の周縁までの最大距離の最大値)の範囲内でランダムに変化する請求項1記載の光学素子。 - 上記第1の構造体の高さの最小値h1、および上記第2の構造体の高さの最大値h2が、h1≧h2の関係を満たすとともに、上記第1の構造体および上記第2の構造体の高さがばらついている請求項5記載の光学素子。
- 上記ハードコート層は、無機系および/または有機系の粘度調整剤を含有する請求項1記載の光学素子。
- 上記ハードコート層の表面の平均凹凸高さPVが、0.2μm≦PV≦1.6μmの範囲内である請求項1記載の光学素子。
- 上記ハードコート層の表面の十点平均粗さRzが、0.1μm≦Rz≦1.6μmの範囲内である請求項1記載の光学素子。
- 白濁度が、0.7%以下の範囲内である請求項1記載の光学素子。
- 上記構造体の底面の形状が、円形状、楕円形状、および多角形状の少なくとも1種である請求項1記載の光学素子。
- 上記構造体は、該構造体の上部から底部に向かって広がる側面を有し、
上記複数の構造体のうち、隣り合う上記構造体の底面同士が、接するまたはほぼ接する関係にある請求項1記載の光学素子。 - 請求項1〜12のいずれか1項に記載の光学素子を備える表示装置。
- 凹部である複数の転写用構造体を表面に形成することにより、凹凸形状を表面に有する原盤を形成する工程と、
上記原盤の凹凸形状を基材表面に転写することにより、凹凸形状を表面に有する基材を形成する工程と、
上記基材の凹凸形状上にハードコート層を形成する工程と
を備え、
上記転写用構造体の底面の大きさが、最小距離Rm以上、最大距離RM以下(但し、最小距離Rm:上記転写用構造体の底面の重心から、底面の周縁までの最短距離の最小値、最大距離RM:上記転写用構造体の底面の重心から、底面の周縁までの最大距離の最大値)の範囲内でランダムに変化し、
上記複数の転写用構造体のうち、隣り合う上記転写用構造体の底面同士が、接するまたはほぼ接する関係にあり、
上記最小距離Rmと上記最大距離RMが、Rm/RM≦0.9の関係を満たし、
上記ハードコート層の表面には、上記基材の凹凸形状に倣った凹凸形状が形成され、
上記ハードコート層の表面の凹凸形状は、上記基材の凹凸形状よりもなだらかであり、
上記原盤の凹凸形状の表面に、複数の微細構造体が形成されている光学素子の製造方法。 - 上記原盤の作製工程では、レーザー加工またはエッチング処理により、上記転写用構造体が形成される請求項14記載の光学素子の製造方法。
- 上記転写用構造体が、ロール状原盤表面に形成されている請求項14記載の光学素子の製造方法。
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