JP5721930B2 - 開口および支持部材を備える自動車用装飾部品 - Google Patents

Description

本発明は、自動車用の装飾部品、特には自動車の室内装飾部品であって、可視側および後ろ側を有しており、キャリアを備えており、前記可視側に装飾材料を有しており、前記キャリアが開口を有しており、前記装飾材料が当該装飾部品の前記後ろ側において前記開口の領域に曲げ丸み縁を形成すべく曲げて丸められている装飾部品に関する。

このような装飾部品は、自動車の構成において、特には電動スライディングルーフのための開口を製作するために広く知られている。例えば、スライディングルーフを備える自動車の屋根構造を、スライディングルーフに起因して屋根構造の安定性が低下することがないような特別なやり方で構成することが、独国特許第３２２２４１９Ｃ１号から知られている。自動車用の公知の設計の部品においては、屋根内張りとスライディングルーフとの間の変わり目が可能な限り審美的に感じのよい構成を有することができるよう、屋根内張りのキャリア材料に開口を設け、次いでキャリア部品材料に設けられた開口の周囲に、例えば装飾された布または合成皮革材料などの装飾材料を曲げることが通例である。これまでの自動車用装飾部品における問題は、屋根内張りを安定させるためのキャリア材料の例えばスライディングルーフのための開口の効率的かつ費用対効果に優れた製造を、大きな公差が存在する場合でなければ実現することができず、したがってスライディングルーフのための枠が挿入されたときに、室内装飾部品とスライディングルーフとの間の寸法公差に関して、容認できない精度不足が生じる。この問題を解決するために、従来技術においては、屋根内張りのキャリア材料へと開口を導入するときの精度を高めることが提案されている。しかしながら、これは、特別な設備を使用しなければならず、あるいは手作業で実行される再加工を屋根内張りの内側の開口について形成しなければならないため、かなりの追加のコストを必要とする。

したがって、本発明の目的は、開口を有する自動車用の装飾部品であって、開口の寸法について従来技術において可能な寸法精度よりも大幅に高い寸法精度を、低いコスト支出で実現する自動車用の装飾部品を提供することにある。

この目的は、自動車の装飾部品、特には自動車の室内装飾部品であって、可視側および後ろ側を有しており、キャリアを備えており、前記可視側に装飾材料を有しており、前記キャリアが開口を有しており、前記装飾材料が当該装飾部品の前記後ろ側において前記開口の領域に曲げ丸み縁を形成するように曲げて丸められて設けられており、さらに前記キャリアへと接続された支持部材が、前記開口の領域に設けられ、該支持部材が、前記装飾材料の前記曲げ丸み縁を形成するように設けられている装飾部品によって達成される。これにより、本発明によれば、装飾部品の表面の大部分について、キャリアを重量などの点に関するすべての利点を備えている装飾部品の安定化部材とすることができる一方で、キャリアを支持部材へと接続することによって、開口の領域において高い寸法公差または寸法精度を達成することが、好都合に可能である。結果として、自動車の装飾部品、特には車両のスライディングルーフのための開口の領域における車両の屋根内張りについて、きわめて効率的かつ費用対効果に優れた実現が可能である。

本発明によれば、前記支持部材が、前記開口において枠の形態で周状に設けられることが好ましい。結果として、開口を正確に定めるために、このキャリアに対して支持部材を１回だけ配置すればよいため、支持部材の取り付けが、一方ではきわめて少ない支出にて可能であり、他方ではきわめて高い配置の精度にて可能である。さらに、装飾部品が、開口の領域において、枠の形態で設けられる支持部材によって機械的に補強される。

さらに、本発明によれば、前記支持部材が、第１の材料からもたらされ、装飾部品の前記キャリアが、第２の材料からもたらされ、通常の寸法公差が、前記第１の材料において前記第２の材料よりも小さいことが好ましい。これにより、精度の大幅な向上を、支持部材を使用して、前記開口の領域において達成することができる。好ましくは、第１の材料は金属材料であり、特には確立済みの製造方法によって寸法に関してきわめて高い寸法精度または小さな公差にて製造できるプレスによる金属材料（例えば、鋼板など）である。さらには、第２の材料が、好ましくは天然および／または合成繊維の繊維部分を有するプラスチック材料であることが好ましい。第２の材料は、例えば、プラスチック部分を有し、天然または再生可能な原材料から製造された部分を有する複合材料である。

さらに、本発明によれば、公差補償すき間が、前記開口の領域の前記キャリアの縁と前記支持部材との間に設けられることが好ましい。これにより、本発明によれば、たとえ装飾部品の例えばキャリアの成形における公差が比較的大きくても、全体として達成できる精度を大幅に改善することが好都合に可能であり、したがって費用対効果に優れた製造が可能になる。さらに、本発明によれば、装飾材料が、公差補償すき間を美観を損なうことなく埋めることができるよう、装飾層を有することが好ましい。

さらに、本発明によれば、前記支持部材が、実質的にＬ字形の断面であるように設けられることが好ましい。これにより、支持部材をきわめて簡単に成形することができ、支持部材の費用対効果に優れた製造に貢献でき、したがって全体として、装飾部品の費用対効果に優れた製造に貢献できる。

以下で、本発明を、図面に示した典型的な実施形態によってさらに詳しく説明する。

図１および４は、本発明による装飾部品１の断面図を図式的に示している。装飾部品１は、キャリア部品またはキャリア成形品とも称されるキャリア３を有している。キャリア３は、特には、装飾部品１の意図される用途にあわせて最適化され、特には比較的軽量であり、さらには例えば燃えにくさなどといった他の要件を有している第２の材料から製造される。キャリア３は、キャリア３の可視側１１へと取り付けられる装飾材料３１を審美的に満足できるように配置するための基礎として提供される。さらに、キャリア３は、可視側１１の反対側に位置する側に、後ろ側１２を有している。さらに、キャリア３は、特にはキャリア３内に周状に設けられた開口２を有している。しかしながら、本発明によれば、開口をキャリア３の縁に位置させることも可能である。開口２の領域において、キャリア３は、縁６または切断縁６を有している。開口２が、切断縁６または縁６によってキャリア３へと導入され、したがって装飾部品１へと導入される。そのとき、本発明によれば、キャリア３の第２の材料を小さな寸法公差または高い寸法精度にて製造することが、比較的高い支出においてのみ可能である。これは、例えば、キャリア３に使用される材料が、依然としてさらなる製造プロセスの際にひずみまたは同様の形状変化にさらされる可能性があるという事実に関係している。この理由のため、少なくとも経済性の点で、開口２の寸法を定めるために縁６のみを使用することは、便宜的に不可能である。本発明によれば、開口２の領域においてキャリア３へと支持部材４が接続される。この接続は、リベット止め、ねじ止め、接着剤による接合、などといった従来からの接続技法によってもたらすことができる。さらには、支持部材４を、例えばキャリア３を成形するための金型へと直接導入して、キャリア３の最終的な成形の際にキャリア３へと固定または接続するなど、例えばキャリア３の成形のプロセスへと直接取り入れることも可能である。本発明によれば、公差の補償のためのギャップ７が、キャリア３の縁６または切断縁６と支持部材４の前縁５との間に残される。このギャップは、キャリア３の縁６または切断縁６の実際の寸法に応じて、より大きなサイズまたはより小さなサイズであってよい。ギャップ７は、以下では、公差補償すき間７とも称される。本発明によれば、支持部材４が、第１の材料から製造され、あるいは第１の材料を実質的に完全に有している。この第１の材料は、特には金属材料としてもたらされ、特には比較的少ない支出で、確立済みの技法によって、キャリア３の寸法精度に比べて大幅に小さい寸法公差またはきわめて高い寸法精度にて製造できる金属薄板プレス部品などとしてもたらされる。結果として、支持部材の前縁５を、開口２を寸法に関して正確に定めるために最終的に使用することができる。装飾材料３１が、開口２の領域において、この支持部材４の前縁５の周囲へと曲げられる。これが、装飾部品１と例えば開口２へと挿入される電動スライディングルーフとの間に、審美的に感じのよい変わり目をもたらす。

本発明によれば、装飾材料３１に例えば発泡層などといったクッション層（図１および４には示されていない）を備えることが、好都合に可能である。その結果、この発泡層またはクッション層は、装飾材料３１とキャリア部品３との間の領域において、装飾層または装飾材料３１の一部を呈する。

支持部材４は、特には、装飾材料３１を曲げによる丸みまたは曲げ丸み縁８を形成すべく効果的かつ確実に後ろ側１２へと固定できるように、曲げによる丸みまたは曲げ丸み縁８が支持部材４の前縁５において装飾材料３１を破損することなく可能であるようなやり方で、前縁５の領域においてＬ字形の様相に曲げられている。

図３は、車両の屋根の概略の上面図を示しており、開口２が自動車の装飾部品１の一例として示されている屋根内張り１に導入されている。開口２の周囲を枠の形態で周状に延びている支持部材４が、図式的に示されている。

図２は、装飾部品１のさらなる断面図を示しており、開口２の両側が、この断面図に取り入れられている。

図２の図を、断面線ＩＩに沿った断面として解釈できる一方で、図１および図４の図を、図３の断面線Ｉに沿った断面図と解釈することができる。

本発明による装飾部品の開口の領域の断面図を示している。 図式的に示された装飾部品の開口の領域の開口全体を含む断面図である。 本発明による装飾部品を備える自動車の屋根の上面視の概略図を示している。 装飾部品の開口の領域における装飾部品のさらなる断面図を示している。

符号の説明

１ 装飾部品
２ 開口
３ キャリア
４ 支持部材
５ 前縁
６ 縁
７ 公差補償すき間
８ 曲げ丸み縁
１１ 可視側
１２ 後ろ側
３１ 装飾材料

Claims (5)

1. 可視側（１１）および後ろ側（１２）を有しており、キャリア（３）を備えており、前記可視側（１１）に装飾材料（３１）を有しており、前記キャリア（３）が開口（２）を有しており、前記装飾材料（３１）が装飾部品（１）の前記後ろ側（１２）において前記開口（２）の領域に曲げ丸み縁（８）を形成するように曲げて丸められて設けられている自動車用装飾部品（１）であって、
   前記キャリア（３）へと接続された支持部材（４）が、前記開口（２）の領域に設けられ、前記支持部材（４）が、前記装飾材料（３１）の前記曲げ丸み縁（８）を形成するように設けられ、
   前記装飾材料（３１）は発泡層を含み、前記支持部材（４）が、第１の材料から製造され、前記装飾部品（１）の前記キャリア（３）が、第２の材料から製造され、前記第１の材料に対する寸法公差が、前記第２の材料に対する寸法公差よりも小さく、
   前記第２の材料に対する寸法公差を補償するすき間が、前記開口の領域の前記キャリアの縁と前記支持部材との間に設けられ、前記支持部材（４）は前記開口（２）において枠の形態で周状に設けられ、前記第２の材料は天然または合成繊維の繊維部分を有するプラスチック材料であり、前記第１の材料は鋼板であることを特徴とする装飾部品（１）。
2. 前記支持部材（４）が、Ｌ字形の断面であるように設けられていることを特徴とする請求項１に記載の装飾部品（１）。
3. 前記第２の材料が、プラスチック部分を有し、天然または再生可能な原材料から製造された部分を有する複合材料であることを特徴とする請求項１または２に記載の装飾部品（１）。
4. 前記装飾部品（１）が、車両の屋根内張りであることを特徴とする請求項１から３のいずれか一項に記載の装飾部品（１）。
5. 前記開口（２）が、車両のスライディングルーフのための開口であることを特徴とする請求項１から４のいずれか一項に記載の装飾部品（１）。

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