JP5707063B2 - 新規なカテコール誘導体、それを含有する医薬組成物およびそれらの用途 - Google Patents
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R1およびR2は、それぞれ独立して、水素原子、低級アシル基、低級アルコキシカルボニル基、アラルキルカルボニル基または−C(O)NR11R12を表すか、あるいはR1およびR2が一緒になって−C(O)−または低級アルキレン基を形成し;
R3は、以下のa)〜s):
a)ハロ低級アルキル基、
b)低級アシル基、
c)ハロ低級アルキルカルボニル基、
d)シクロアルキルカルボニル基、
e)非置換もしくは以下からなる群:ハロゲン原子、低級アルキル基、ハロ低級アルキル基、低級アルコキシ基、シクロアルキル低級アルコキシ基、水酸基、低級アルコキシカルボニル基、−C(O)NR11R12およびシアノ基から独立して選択される1〜5個の基で環が置換されるアリールカルボニル基、
f)非置換もしくは以下からなる群:ハロゲン原子、低級アルキル基、ハロ低級アルキル基、および低級アルコキシ基から独立して選択される1〜3個の基で環が置換されるヘテロアリールカルボニル基、
g)非置換もしくは以下からなる群:ハロゲン原子、低級アルキル基、ハロ低級アルキル基、および低級アルコキシ基から独立して選択される1〜5個の基で環が置換されるアラルキルカルボニル基、
h)非置換もしくは以下からなる群:ハロゲン原子、低級アルキル基、ハロ低級アルキル基、および低級アルコキシ基から独立して選択される1〜5個の基で環が置換されるアリールオキシ低級アルキルカルボニル基、
i)低級アルコキシカルボニル基、
j)シクロアルキルオキシカルボニル基、
k)低級アルコキシ低級アルコキシカルボニル基、
l)カルボキシ基、
m)シアノ基、
n)−C(O)NR11R12、
o)−C(O)C(O)NR11R12、
p)低級アルキルスルホニル基、
q)非置換もしくは以下からなる群:ハロゲン原子、低級アルキル基、ハロ低級アルキル基、および低級アルコキシ基から独立して選択される1〜3個の基で環が置換されるアリールスルホニル基、
r)−SO2NR11R12、または
s)非置換もしくは以下からなる群:ハロゲン原子、低級アルキル基、ハロ低級アルキル基、および低級アルコキシ基から独立して選択される1〜3個の基で環が置換されるヘテロアリール基であり;
R4は、非置換もしくは以下からなる群:
a)低級アルキル基、
b)ハロ低級アルキル基、
c)シクロアルキル基、
d)ヘテロシクロアルキル基、
e)低級アルコキシ低級アルキル基、
f)アリールオキシ低級アルキル基、
g)低級アルコキシカルボニル低級アルキル基、および
h)ヒドロキシ低級アルキル基、
から独立して選択される1〜3個の基で環が置換されるヘテロアリール基であり、但し、該ヘテロアリール基は[1,2,4]オキサジアゾール−3−イルでなく;
R11およびR12は、それぞれ独立して、水素原子、低級アルキル基、シクロアルキル基、橋かけ環状炭化水素基、フェニル基またはアラルキル基を表すか、あるいはR11およびR12が、それらが結合している窒素原子と一緒になって、環状アミノ基を形成する〕
で表される化合物またはその薬理学的に許容される塩に関する。
R1およびR2は、好ましくは、水素原子であり;あるいは
R3は、好ましくは以下のa)〜c):
a)非置換もしくは以下からなる群:ハロゲン原子、低級アルキル基、ハロ低級アルキル基、および低級アルコキシ基から独立して選択される1〜5個の基で環が置換されるアリールカルボニル基、
b)低級アルコキシカルボニル基、または
c)非置換もしくは以下からなる群:ハロゲン原子、低級アルキル基、ハロ低級アルキル基、および低級アルコキシ基から独立して選択される1〜3個の基で環が置換されるアリールスルホニル基である。
R1およびR2は、好ましくは、水素原子である。
R1およびR2は、好ましくは、水素原子であり、
R3が、以下のa)〜c):
a)非置換もしくは以下からなる群:ハロゲン原子、低級アルキル基、ハロ低級アルキル基、および低級アルコキシ基から独立して選択される1〜5個の基で環が置換されるアリールカルボニル基、
b)低級アルコキシカルボニル基、または
c)非置換もしくは以下からなる群:ハロゲン原子、低級アルキル基、ハロ低級アルキル基、および低級アルコキシ基から独立して選択される1〜3個の基で環が置換されるアリールスルホニル基である。
6−ベンゾチアゾール−2−イル−3,4−ジヒドロキシ−2−ニトロ安息香酸メチル;
3,4−ジヒドロキシ−6−(3−メチルイソオキサゾール−5−イル)−2−ニトロ安息香酸メチル;
3,4−ジヒドロキシ−6−(5−メチルオキサゾール−2−イル)−2−ニトロ安息香酸メチル;
3,4−ジヒドロキシ−2−ニトロ−6−チアゾール−2−イル安息香酸メチル;
3,4−ジヒドロキシ−2−ニトロ−6−オキサゾール−2−イル安息香酸メチル;
(6−ベンゾチアゾール−2−イル−3,4−ジヒドロキシ−2−ニトロフェニル)フェニルメタノン;
1−(6−ベンゾチアゾール−2−イル−3,4−ジヒドロキシ−2−ニトロフェニル)エタノン;および
3,4−ジヒドロキシ−6−(3−メチル−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル)−2−ニトロ安息香酸メチル。
化合物(X)と、トリブチルスズ誘導体(XI)とを、不活性溶媒中、金属触媒の存在下に縮合させることにより、化合物(XII)が得られる。本反応に用いられる不活性溶媒としては、例えば、1,4−ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、1,2−ジメトキシエタン、トルエンなどが挙げられる。金属触媒としては、例えば、酢酸パラジウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)などが挙げられる。その反応温度は、通常、80℃〜200℃であり、反応時間は、使用する原料物質や溶媒、反応温度等により異なるが、通常、5分〜24時間である。
化合物(XII)のベンジル基を、不活性溶媒(例えば、エタノール、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフランなど)中、水素雰囲気下、金属触媒(例えば、パラジウム炭素、酸化白金など)の存在下に除去することにより、フェノール誘導体(XIII)が得られる。その反応温度は、通常、室温〜80℃であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度等により異なるが、通常、30分〜12時間である。
また、この脱ベンジル化は、化合物(XII)を、不活性溶媒(例えば、塩化メチレン、トルエンなど)中、酸またはルイス酸(例えば、臭化水素、塩化アルミニウム、四塩化チタンなど)を用いて処理することによっても行うこともできる。その反応温度は、通常、0℃〜80℃であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度等により異なるが、通常15分〜24時間である。
フェノール誘導体(XIII)を、不活性溶媒中、ニトロ化剤を用いニトロ化することにより、ニトロフェノール誘導体(XIV)が得られる。本反応に用いられる不活性溶媒としては、例えば、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、酢酸エチル、酢酸、テトラヒドロフラン、無水酢酸などが挙げられる。ニトロ化剤としては、例えば、硝酸、発煙硝酸、テトラフルオロホウ酸ニトロニウムなどが挙げられる。その反応温度は、通常、−40℃〜80℃であり、反応時間は、使用する原料物質や溶媒、反応温度などにより異なるが、通常、5分〜12時間である。また、本反応は必要に応じて、硫酸などの添加剤を加えて行ってもよい。
ニトロフェノール誘導体(XIV)を、不活性溶媒中、脱メチル化剤を用いて脱メチル化することにより、化合物(Ia)が得られる。本反応に用いられる不活性溶媒としては、例えば、酢酸エチル、ピリジン、1,4−ジオキサンなどが挙げられる。脱メチル化剤としては、例えば、塩化アルミニウム−ピリジン、三臭化ほう素などが挙げられる。その反応温度は、通常、−20℃〜120℃であり、反応時間は、使用する原料物質や溶媒、反応温度などにより異なるが、通常、1時間〜24時間である。
またこの脱メチル化は、ニトロフェノール誘導体(XIV)を、酢酸溶媒中、臭化水素酸またはヨウ化水素酸で処理することによっても行うことができる。その反応温度は、通常、20℃〜還流温度であり、反応時間は、使用する原料物質、反応温度などにより異なるが、通常、1時間〜24時間である。
化合物(Ia)を、アシル化剤を用いてアシル化することにより、化合物(Ib)が得られる。このようなアシル化は、当業者には周知であり、例えば、T.W.GreeneおよびP.G.H.Wuts,「Protective Groups in Organic Synthesis」第4版に記載された方法に従って行うことができる。
化合物(XV)を不活性溶媒中、有機マグネシウム試薬と反応させ、その後N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)と反応させることにより、アルデヒド誘導体(XVI)が得られる。本反応に用いられる不活性溶媒としては、例えば、テトラヒドロフランなどが挙げられる。有機マグネシウム試薬としてはイソプロピルマグネシウムクロリドなどが挙げられる。その反応温度は通常−78℃〜10℃であり、反応時間は、使用する原料物質や溶媒、反応温度などにより異なるが、通常15分〜2時間である。
アルデヒド誘導体(XVI)を不活性溶媒中(テトラヒドロフランなど)、有機マグネシウム試薬(XVII)または有機リチウム試薬(XVIII)と反応させることにより、ベンジルアルコール誘導体(XIX)が得られる。その反応温度は通常−78℃〜10℃であり、反応時間は、使用する原料物質や溶媒、反応温度などにより異なるが、通常15分〜2時間である。
化合物(XV)を不活性溶媒中、有機マグネシウム試薬と反応させ、その後アルデヒド(XX)と反応させることにより、ベンジルアルコール誘導体(XIX)が得られる。本反応に用いられる不活性溶媒としては、例えば、テトラヒドロフランなどが挙げられる。有機マグネシウム試薬としてはイソプロピルマグネシウムクロリドなどが挙げられる。その反応温度は通常−78℃〜10℃であり、反応時間は、使用する原料物質や溶媒、反応温度などにより異なるが、通常15分〜2時間である。
ベンジルアルコール誘導体(XIX)を適切な溶媒中、酸化剤を用いて酸化することによりケトン誘導体(XXI)が得られる。本反応に用いられる溶媒としては、たとえば、塩化メチレン、アセトニトリルなどが挙げられる。酸化剤としては二酸化マンガン、三酸化硫黄ピリジン錯体−ジメチルスルホキシド、4−メチルモルホリン−N−オキシドなどが挙げられる。その反応温度は、通常、0℃〜30℃ であり、反応時間は、使用する原料物質や溶媒、酸化剤、反応温度によって異なるが、通常15分〜3日である。
化合物(XV)を不活性溶媒中、有機マグネシウム試薬と反応させ、その後、酸無水物(XXII)、または酸ハライド若しくはN−メトキシ−N−メチルアミド(XXIII)と反応させることにより、ケトン誘導体(XXI)が得られる。本反応に用いられる不活性溶媒としては、例えば、テトラヒドロフランなどが挙げられる。有機マグネシウム試薬としてはイソプロピルマグネシウムクロリドなどが挙げられる。その反応温度は通常−78℃〜50℃であり、反応時間は、使用する原料物質や溶媒、反応温度などにより異なるが、通常15分〜2時間である。
化合物(XV)およびアルコール(XXII)を、不活性溶媒中、一酸化炭素雰囲気下、塩基、パラジウム触媒およびリン配位子の存在下に縮合させることにより、エステル誘導体(XXIII)が得られる。本反応に用いられる不活性溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、トルエンなどが挙げられる。塩基としては、例えば、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミンなどが挙げられる。パラジウム触媒としては、例えば、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、酢酸パラジウムなどが挙げられる。配位子としては、例えば、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、トリフェニルホスフィンなどが挙げられる。その反応温度は、通常、80℃〜110℃であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度等により異なるが、通常、1時間〜24時間である。
アルデヒド誘導体(XVI)を不活性溶媒中、酸化剤を用いて酸化することによりカルボン酸誘導体(XXIV)が得られる。本反応に用いられる溶媒として、塩化メチレン、アセトニトリル、水、メタノールなどが挙げられる。酸化剤として、過マンガン酸カリウム、二酸化マンガン、亜塩素酸ナトリウム−過酸化水素、亜塩素酸ナトリウム−ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。その反応温度は、通常、0℃〜80℃ であり、反応時間は、使用する原料物質や溶媒、酸化剤、反応温度によって異なるが、通常15分〜3日である。また、本反応は必要に応じて、リン酸水素ナトリウム、硫酸などの添加剤を加えて行ってもよい。
カルボン酸誘導体(XXIV)を不活性溶媒中、塩基の存在下、アルキルハライド(XXV)と反応させることにより、エステル誘導体(XXIII)が得られる。本反応に用いられる不活性溶媒としては、例えば、1,4−ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフランなどが挙げられる。塩基としては、例えば、ナトリウムtert−ブトキシド、カリウムtert−ブトキシド、炭酸カリウムなどが挙げられる。その反応温度は、通常、0℃〜100℃であり、反応時間は、使用する原料物質や溶媒、反応温度などにより異なるが、通常、5分〜24時間である。
また、エステル誘導体(XXIII)は、カルボン酸誘導体(XXIV)およびアルコール(XXVI)を、不活性溶媒中(例えば、塩化メチレン、N,N−ジメチルホルムアミドなど)、縮合剤(例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩、シアノリン酸ジエチル、アジ化ジフェニルホスホリルなど)の存在下に縮合させることによっても得ることができる。また、本反応は必要に応じて、トリエチルアミンなどの塩基を加えて行ってもよい。
カルボン酸誘導体(XXIV)を、不活性溶媒中、(例えば、塩化メチレン、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフランなど)、縮合剤(例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩、シアノリン酸ジエチル、アジ化ジフェニルホスホリルなど)の存在下にアミン(XXVII)と縮合させることにより、アミド誘導体(XXVIII)が得られる。その反応温度は通常−20℃〜還流温度であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度等により異なるが、通常、15分〜24時間である。また、本反応は必要に応じて、トリエチルアミンなどの添加剤を加えて行ってもよい。
化合物(XV)およびトリイソプロピルシランチオール(XXIX)を、不活性溶媒中、塩基、パラジウム触媒およびリン配位子の存在下に縮合させることにより、トリイソプロピルシリルフェニルチオエーテル誘導体(XXX)が得られる。本反応に用いられる不活性溶媒としては、例えば、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシメタンなどが挙げられる。塩基としては、ナトリウムヘキサメチルジシラジド、リチウムヘキサメチルジシラジド、カリウムtert−ブトキシドなどが挙げられる。パラジウム触媒としては、例えば、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)、酢酸パラジウムなどが挙げられる。配位子としては、例えば、(オキシジ−2,1−フェニレン)ビス(ジフェニルホスフィン)などが挙げられる。その反応温度は、通常、60℃〜110℃であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度等により異なるが、通常、1時間〜24時間である。
トリイソプロピルシリルフェニルチオエーテル誘導体(XXX)を不活性溶媒(例えば、1,4−ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフランなど)中、アルキルハライド(XXV)、塩基(例えば、フッ化セシウム、テトラブチルアンモニウムフルオリドなど)の存在下トリイソプロピルシリル基をアルキル基(R30)に変換することによりアルキルフェニルチオエーテル誘導体が得られる。その反応温度は通常、0℃〜100℃であり、反応時間は、使用する原料物質や溶媒、反応温度などにより異なるが、通常、5分〜24時間である。
アルキルフェニルチオエーテル誘導体を、適切な溶媒中、酸化剤を用いて酸化することにより、スルホン誘導体(XXXI)が得られる。本反応に用いられる溶媒としては、例えば、塩化メチレン、アセトン、酢酸、水などが挙げられる。酸化剤としては、例えば、m−クロロ過安息香酸、オキソン(登録商標)、過酸化水素水、過ホウ酸ナトリウムなどが挙げられる。その反応温度は、通常、0℃〜80℃であり、反応時間は、使用する原料物質や溶媒、反応温度などにより異なるが、通常、5分〜24時間である。
トリイソプロピルシリルフェニルチオエーテル誘導体(XXX)を不活性溶媒中(例えば、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミドなど)、塩化スルフリルおよび硝酸塩(例えば、硝酸カリウム、硝酸ナトリウム、硝酸銀など)の存在下に反応させることにより、スルホニルクロリド誘導体が得られる。その反応温度は通常0℃〜40℃であり、反応時間は、使用する原料物質や溶媒、反応温度などにより異なるが、通常、5分〜5時間である。
スルホニルクロリド誘導体を、不活性溶媒中(例えば、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、酢酸エチル、塩化メチレンなど)、塩基(例えば、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミンなど)の存在下アミン(XXVII)と縮合させることにより、スルホンアミド誘導体(XXXII)が得られる。その反応温度は通常0℃〜40℃であり、反応時間は、使用する原料物質や溶媒、反応温度などにより異なるが、通常、5分〜5時間である。
アルデヒド誘導体(XVI)を不活性溶媒中(例えば、アセトニトリル、塩化メチレン、ジエチルエーテルなど)、酢酸の存在下、イソシアニド(XXXIII)と縮合させることにより、エステル誘導体(XXXIV)が得られる。その反応温度は通常、20℃〜100℃であり、反応時間は、使用する原料物質や溶媒、反応温度などにより異なるが、通常、5分〜24時間である。また、本反応は必要に応じて、四塩化チタンなどの添加剤を加えて行ってもよい。
エステル誘導体(XXXIV)を適切な溶媒中(例えば、テトラヒドロフラン、メタノール、エタノール、水など)、塩基(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなど)の存在下、加水分解することにより、アルコール誘導体(XXXV)が得られる。その反応温度は通常、20℃〜100℃であり、反応時間は、使用する原料物質や溶媒、反応温度などにより異なるが、通常、5分〜24時間である。
アルコール誘導体(XXXV)を工程2−4と同様にして酸化することにより、ケトン誘導体(XXXVI)が得られる。
また、必要に応じて、COMT阻害剤およびL−ドパ以外のパーキンソン治療剤をさらに組み合わせて使用してもよい。このようなパーキンソン病治療薬としては、例えば、ドロキシドパ、メレボドパ、スレオドプス;ドパミンD2受容体アゴニスト(例えば、カベルゴリン、メシル酸ブロモクリプチン、テルグリド、塩酸タリペキソール、塩酸ロピニロール、メシル酸ペルゴリド、塩酸プラミペキソール、ロチゴチンなど);抗コリン剤(例えば、プロフェナミン、塩酸トリヘキシフェニジル、塩酸マザチコール、ピペリデン、塩酸ピロヘプチン、塩酸メチキセンなど);アデノシンA2A拮抗剤(例えば、イストラデフィリンなど);NMDA拮抗剤(例えば、ブジピンなど);モノアミンオキシダーゼB阻害剤(例えば、塩酸セレギリン、メシル酸ラサギリン、メシル酸サフィナミドなど);ゾニサミド;塩酸アマンタジンなどが挙げられる。
4−ベンジルオキシ−2−ヨード−5−メトキシベンズアルデヒド
4−ベンジルオキシ−3−メトキシベンズアルデヒド(10g)、トリフルオロ酢酸銀(11.4g)および塩化メチレン(105mL)の混合物にヨウ素(13.1g)を室温下加えた。2時間撹拌した後、混合物をセライト(登録商標)層を通して濾過した。濾液を亜硫酸水素ナトリウム水溶液および食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。残渣をメタノール:水=4:1にて粉砕し、表題化合物(13.2g)を得た。
1H-NMR(CDCl3)δ ppm:3.91(3H, s), 5.19(2H, s), 7.30-7.50(7H, m), 9.86(1H, s)
4−ベンジルオキシ−2−ヨード−5−メトキシ安息香酸
4−ベンジルオキシ−2−ヨード−5−メトキシベンズアルデヒド(参考例1−1)(20g)、ジメチルスルホキシド(19mL)、濃硫酸(3mL)、水(30mL)およびアセトニトリル(181mL)の混合物に亜塩素酸ナトリウム(9.8g)および水(30mL)の混合物を加えた。室温で30分撹拌した後、混合物に水を加えた。不溶物を濾取し、表題化合物(20.3g)を得た。
1H-NMR(CDCl3)δ ppm:3.88(3H, s), 5.15(2H, s), 7.31-7.46(6H, m), 7.56(1H, s)
4−ベンジルオキシ−2−ヨード−5−メトキシ−N−(2−オキソプロピル)ベンザミド
4−ベンジルオキシ−N−(2−ヒドロキシプロピル)−2−ヨード−5−メトキシベンズアミド(参考例5−2)(1.15g)、トリエチルアミン(0.9mL)およびジメチルスルホキシド(12mL)の混合物にスルファトリオキシドピリジン錯体(621mg)およびジメチルスルホキシド(12mL)の混合物を氷冷下加えた。室温で2時間撹拌した後、混合物に水および酢酸エチルを加えた。分取した有機層を水、食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。残渣をヘキサン/酢酸エチルで粉砕し、表題化合物(596mg)を得た。
1H-NMR(CDCl3)δ ppm:2.28(3H, s), 3.87(3H, s), 4.35(2H, d, J=4.3Hz), 5.13(2H, s), 6.55-6.70(1H, m), 7.03(1H, s), 7.25-7.50(7H, m)
2−(4−ベンジルオキシ−2−ヨード−5−メトキシフェニル)−5−メチルオキサゾール
4−ベンジルオキシ−2−ヨード−5−メトキシ−N−(2−オキソプロピル)ベンザミド(参考例3−1)(572mg)、トルエン(13mL)およびオキシ塩化リン(0.364mL)の混合物を5時間還流下撹拌した。室温に冷却した後、混合物を氷水に注いだ。混合物を酢酸エチルにて抽出した。分取した有機層を水、食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(溶出溶媒:0%−20% 酢酸エチル/ヘキサン、グラディエント溶出)で精製し、表題化合物(114mg)を得た。
1H-NMR(CDCl3)δ ppm:2.35-2.45(3H, m), 3.91(3H, s), 5.15(2H, s), 6.85-6.95(1H, m), 7.30-7.50(7H, m)
N'−[(4−ベンジルオキシ−3−メトキシ−5−ヨードベンゾイル)オキシ]アセトアミジン
4−ベンジルオキシ−2−ヨード−5−メトキシ安息香酸(870mg) およびN,N−ジメチルホルムアミド(5mL)の混合物に室温下、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(518mg)および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(420mg)を加えた。15分間撹拌した後、混合物にN−ヒドロキシアセトアミジン(839mg)およびトリエチルアミン(0.95mL)を加えた。3時間撹拌した後、混合物に水を加えた。不溶物を濾取し、表題化合物(961mg)を得た。
1H-NMR(CDCl3)δ ppm:1.81(3H, s), 3.82(3H, s), 5.17(2H, s), 6.40(2H, brs), 7.30-7.50(6H, m), 7.50-7.55(1H, m)
4−ベンジルオキシ−N−(2−ヒドロキシプロピル)−2−ヨード−5−メトキシベンズアミド
N−ヒドロキシアセトアミジンの代わりに1−アミノ−2−プロパノールを用い参考例5−1と同様の方法により、表題化合物を合成した。
1H-NMR(CDCl3)δ ppm:1.28(3H, d, J=6.3Hz), 3.24-3.31(1H, m), 3.62-3.69(1H, m), 3.86(3H, s), 4.06-4.14(1H, m), 5.11(2H, s), 7.01(1H, s), 7.29-7.46(6H, m)
2−ベンゼンスルフィニル−4−ベンジルオキシ−5−メトキシ安息香酸N'−アセチルヒドラジド
4−ベンジルオキシ−2−ヨード−5−メトキシ安息香酸およびN−ヒドロキシアセトアミジンの代わりに2−ベンゼンスルフィニル−4−ベンジルオキシ−5−メトキシ安息香酸(参考例11−4)および酢酸ヒドラジド を用い参考例5−1と同様の方法により、表題化合物を合成した。
5−(4−ベンジルオキシ−2−ヨード−5−メトキシフェニル)−3−メチル[1,2,4]オキサジアゾール
N'−[(4−ベンジルオキシ−3−メトキシ−5−ヨードベンゾイル)オキシ]アセトアミジン(参考例5−1)(961mg)およびテトラヒドロフラン(4mL)の混合物に室温下、テトラブチルアンモニウムフルオリド(1mol/L、テトラヒドロフラン溶液、6.6mL)を加えた。3日間撹拌した後、混合物に水を加えた。不溶物を濾取して表題化合物(480mg)を得た。
1H-NMR(CDCl3)δ ppm:2.49(3H, s), 3.92(3H, s), 5.17(2H, s), 7.30-7.30(7H, m)
5−(4−ベンジルオキシ−2−ヨード−5−メトキシフェニル)−3−メチルイソキサゾール
アセトンオキシム(302mg)およびテトラヒドロフラン(20mL)の混合物にアルゴン雰囲気氷例下、n−ブチルリチウム(1.65mol/L ヘキサン溶液、5mL)を加えた。室温で30分撹拌した後、混合物に4−ベンジルオキシ−2−ヨード−5−メトキシ安息香酸メチル(参考例12−3)(1.075g)を加えた。60℃で2時間撹拌した後、混合物に氷冷下、濃硫酸(2.15mL)を加えた。室温で15分撹拌した後、混合物に5mol/L水酸化ナトリウム水溶液(10mL)を加えた。混合物を1時間撹拌した。分取した有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(溶出溶媒:5%−50% 酢酸エチル/ヘキサン、グラディエント溶出)で精製し、表題化合物(414mg)を得た。
1H-NMR(CDCl3)δ ppm:2.38(3H, s), 3.90(3H, s), 5.15(2H, s), 6.72(1H, s), 7.25-7.50(7H, m)
2−(4−ベンジルオキシ−2−ヨード−5−メトキシフェニル)ベンズチアゾール
4−ベンジルオキシ−2−ヨード−5−メトキシ安息香酸(参考例2−1)(0.5g)、塩化チオニル(3.8mL)およびN,N−ジメチルホルムアミド(1滴)の混合物を80℃で2時間撹拌した。混合物を減圧下濃縮し、クルードの4−ベンジルオキシ−2−ヨード−5−メトキシベンゾイルクロライドを得た。
クルードの4−ベンジルオキシ−2−ヨード−5−メトキシベンゾイルクロライド、2−アミノチオフェノール(0.15mL)およびN−メチルピロリジノン(10mL)の混合物を100℃で4時間撹拌した。室温に冷却後、混合物に水、酢酸エチルを加えた。分取した有機層を水、食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(溶出溶媒:0%−50% 酢酸エチル/ヘキサン、グラディエント溶出)で精製し、表題化合物(375mg)を得た。
1H-NMR(CDCl3)δ ppm:3.93(3H, s), 5.18(2H, s), 7.30-7.60(9H, m), 7.93(1H, d, J=7.8Hz), 8.12(1H, d, J=8.1Hz)
5−ベンジルオキシ−4−メトキシ−2−(3−メチルイソキサゾール−5−イル)ベンズアルデヒド
5−(4−ベンジルオキシ−2−ヨード−5−メトキシフェニル)−3−メチルイソキサゾール(参考例7−1)(410mg)およびテトラヒドロフラン(5mL)の混合物に氷塩浴アルゴン雰囲気下、イソプロピルマグネシウムクロリド(2.0mol/L テトラヒドロフラン溶液、0.6mL)を加えた。0℃で1時間撹拌した後、N,N−ジメチルホルムアミド(0.485mL)を加えた。室温で7時間撹拌した後、混合物に水および酢酸エチルを加えた。分取した有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。残渣を酢酸エチルおよびヘキサンで粉砕し表題化合物(310mg)を得た。
1H-NMR(CDCl3)δ ppm:2.39(3H, s), 4.00(3H, s), 5.24(2H, s), 6.29(1H, s), 7.10-7.20(1H, m), 7.25-7.50(5H, m), 7.60-7.64(1H, m), 10.17(1H, s)
1H-NMR(CDCl3)δ ppm:4.03(3H, s), 5.28(2H, s), 7.27(1H, s), 7.31-7.58(7H, m), 7.69(1H, s), 7.95(1H, d, J=8.0Hz), 8.11(1H, d, J=8.0Hz), 10.51(1H, s)
1H-NMR(CDCl3)δ ppm:2.25(3H, s), 3.99(3H, s), 5.24(2H, s), 7.17(1H, s), 7.20(1H, s), 7.30-7.54(7H, m), 7.92(1H, d, J=8.0Hz), 8.05(1H, d, J=8.0Hz)
1H-NMR(CDCl3)δ ppm:4.04(3H, s), 5.21(2H, s), 7.11(1H, s), 7.20-7.51(11H, m), 7.67-7.71(2H, m), 7.74(1H, d, J=8.0Hz), 7.82(1H, d, J=8.0Hz)
1H-NMR(CDCl3)δ ppm:2.50(3H, s), 4.03(3H, s), 5.27(2H, s), 7.30-7.50(5H, m), 7.55-7.60(1H, m), 7.65-7.70(1H, m), 10.80(1H, s)
5−ベンジルオキシ−4−メトキシ−2−チアゾール−2−イル安息香酸メチル
5−ベンジルオキシ−2−ブロモ−4−メトキシ安息香酸メチル(参考例12−2)(1.2g)、2−トリブチルスタニルチアゾール(1.53g)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(479mg)およびトルエン(10mL)の混合物を撹拌しながらマイクロ波を照射し、210℃で10分間加熱した。混合物を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(溶出溶媒:10%−100%酢酸エチル/ヘキサン、グラディエント溶出)で精製し、表題化合物(910mg)を得た。
1H-NMR(CDCl3)δ ppm:3.71(3H, s), 3.95(3H, s), 5.22(2H, s), 7.10(1H, s), 7.30-7.49(7H, m), 7.85(1H, d, J=3.3Hz)
5−ベンジルオキシ−4−メトキシ−2−オキサゾール−2−イル安息香酸メチル
2−トリブチルスズチアゾールの代わりに2−トリブチルスズオキサゾールを用い参考例10−1と同様の方法により表題化合物を合成した。
1H-NMR(CDCl3)δ ppm:3.79(3H, s), 3.96(3H, s), 5.21(2H, s), 7.24(1H, d, J=0.8Hz), 7.29(1H, s), 7.30-7.49(6H, m), 7.71(1H, d, J=0.8Hz)
2−ベンゾチアゾール−2−イル−5−ベンジルオキシ−4−メトキシ安息香酸
2−ベンゾチアゾール−2−イル−5−ベンジルオキシ−4−メトキシベンズアルデヒド(参考例9−2)(297mg)、りん酸二水素ナトリウム二水和物(494mg)、アセトニトリル(7.5mL)および水(1.5mL)の混合物に0℃で30%過酸化水素水(0.358mL)および亜塩素酸ナトリウム(286mg)を順次加えた。室温で5時間撹拌した後、混合物に1mol/L塩酸を加えた。不溶物を濾取し、表題化合物(251mg)を得た。
1H-NMR(CDCl3)δ ppm:4.03(3H, s), 5.30(2H, s), 7.20-7.65(8H, m), 7.85-8.00(1H, m), 8.00-8.10(1H, m), 8.17(1H, s)
1H-NMR(CDCl3)δ ppm:2.36(3H, s), 3.95(3H, s), 5.22(2H, s), 6.30(1H, s), 7.05-7.10(1H, m), 7.25-7.50(6H, m), 7.55-7.65(1H, m)
1H-NMR(CDCl3)δ ppm:2.53(3H, s), 4.01(3H, s), 5.28(2H, s), 7.30-7.50(6H, m), 7.95-8.05(1H, m)
7.05-7.10(1H, m), 7.25-7.50(6H, m), 7.55-7.65(1H, m)
1H-NMR(DMSO-d6)δ ppm:3.86(3H, s), 5.30-5.40(2H, m), 7.00-8.50(12H, m), 13.47(1H, brs)
2−ベンゾチアゾール−2−イル−5−ベンジルオキシ−4−メトキシ安息香酸メチル
2−ベンゾチアゾール−2−イル−5−ベンジルオキシ−4−メトキシ安息香酸(参考例11−1)(251mg)およびN,N−ジメチルホルムアミド(3mL)の混合物にヨードメタン(0.06mL)および炭酸カリウム(133mg)を室温下加えた。1時間撹拌した後、混合物に水および酢酸エチルを加えた。分取した有機層を水、食塩水で順次洗浄した後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(溶出溶媒:0%−30% 酢酸エチル/ヘキサン、グラディエント溶出)で精製し、表題化合物(196mg)を得た。
1H-NMR(CDCl3)δ ppm:3.69(3H, s), 3.96(3H, s), 5.24(2H, s), 7.17(1H, s), 7.30-7.60(8H, m), 7.85-7.95(1H, m), 8.00-8.15(1H, m)
1H-NMR(CDCl3)δ ppm:3.89(3H, s), 3.91(3H, s), 5.13(2H, s), 7.12(1H, s), 7.30-7.46(5H, m), 7.49(1H, s)
1H-NMR(CDCl3)δ ppm:3.89 (3H, s), 3.91 (3H, s), 5.15 (2H, s), 7.32-7.46 (7H, m)
1H-NMR(CDCl3)δ ppm:2.36(3H, s), 3.79(3H, s), 3.94(3H, s), 5.21(2H, s), 6.24(1H, s), 7.05-7.10(1H, m), 7.25-7.50(6H, m)
1H-NMR(CDCl3)δ ppm:2.48(3H, s), 3.81(3H, s), 3.96(3H, s), 5.23(2H, s), 7.20-7.25(1H, m), 7.30-7.50(6H, m)
5−ベンジルオキシ−4−メトキシ−2−(5−メチルオキサゾール−2−イル)安息香酸メチル
トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(54mg)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(66mg)およびN,N−ジメチルホルムアミド(7mL)の混合物をアルゴン雰囲気下20分撹拌した。混合物に2−(4−ベンジルオキシ−2−ヨード−5−メトキシフェニル)−5−メチルオキサゾール(参考例4−1)(250mg)、メタノール(3mL)およびトリエチルアミン(0.248mL)を加えた。一酸化炭素雰囲気下に置換した後、混合物を90℃で終夜撹拌した。室温まで冷却した後、混合物に酢酸エチルおよびシリカゲルを加えた。混合物をセライト(登録商標)層に通した。濾液を1mol/L塩酸、水、食塩水で順次洗浄し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(溶出溶媒:0%−40% 酢酸エチル/ヘキサン、グラディエント溶出)で精製し、表題化合物(114mg)を得た。
1H-NMR(CDCl3)δ ppm:2.36(3H, d, J=1.0Hz), 3.79(3H, s), 3.96(3H, s), 5.20(2H, s), 6.80-6.90(1H, m), 7.26(1H, s), 7.30-7.55(6H, m)
6−ベンゾチアゾール−2−イル−5−ヒドロキシ−4−メトキシ安息香酸メチル
2−ベンゾチアゾール−2−イル−5−ベンジルオキシ−4−メトキシ安息香酸メチル(参考例12−1)(196mg)および塩化メチレン(5mL)の混合物に四塩化チタン(0.107mL)を室温で加えた。15分間撹拌した後、混合物に1mol/L塩酸および酢酸エチルを加えた。分取した有機層を1mol/L塩酸、食塩水で順次洗浄した後、減圧下濃縮した。残渣をヘキサン−酢酸エチルにて粉砕して、表題化合物(147mg)を得た。
1H-NMR(CDCl3)δ ppm:3.73(3H, s), 3.99(3H, s), 5.84(1H, s), 7.17(1H, s), 7.35-7.55(3H, m), 7.85-7.95(1H, m), 8.00-8.10(1H, m)
1H-NMR(CDCl3)δ ppm:2.35(3H, s), 3.81(3H, s), 3.97(3H, s), 5.91(1H, s), 6.24(1H, s), 7.05-7.10(1H, m), 7.40-7.50(1H, m)
1H-NMR(CDCl3)δ ppm:2.35(3H, d, J=1.0Hz), 3.81(3H, s), 3.98(3H, s), 5.83(1H, s), 6.80-6.85(1H, m), 7.29(1H, s), 7.32(1H, s)
1H-NMR(CDCl3)δ ppm:3.73(3H, s), 3.96(3H, s), 7.09(1H, s), 7.40(1H, d, J=3.4Hz), 7.42(1H, s), 7.84(1H, d, J=3.4Hz)
1H-NMR(CDCl3)δ ppm:3.81(3H, s), 3.98(3H, s), 7.23(1H, d, J=0.8Hz), 7.29(1H, s), 7.37(1H, s), 7.71(1H, d, J=0.8Hz)
1H-NMR(CDCl3)δ ppm:4.06(3H, s), 7.11(1H, s), 7.25-7.31(3H, m), 7.33-7.40(2H, m), 7.41(1H, s), 7.72-7.84(4H, m)
1H-NMR(CDCl3)δ ppm:2.36(3H, s), 4.00(3H, s), 7.18(1H, s), 7.19(1H, s), 7.37-7.53(3H, m), 7.90(1H, d, J=7.9Hz), 8.04(1H, d, J=7.9Hz)
1H-NMR(CDCl3)δ ppm:2.47(3H, s), 3.83(3H, s), 3.99(3H, s), 6.00(1H, s), 7.25-7.30(1H, m), 7.40-7.45(1H, m)
6−ベンゾチアゾール−2−イル−3−ヒドロキシ−4−メトキシ−2−ニトロ安息香酸メチル
6−ベンゾチアゾール−2−イル−5−ヒドロキシ−4−メトキシ安息香酸メチル(参考例14−1)(147mg)および塩化メチレン(35mL)の混合物に室温下、発煙硝酸(0.031mL)を加えた。15分間撹拌した後、混合物に水および酢酸エチルを加えた。分取した有機層を水、食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。残渣をヘキサンおよび酢酸エチルで粉砕し、表題化合物(129mg)を得た。
1H-NMR(DMSO-d6)δ ppm:3.66(3H, s), 4.05(3H, s), 7.40-7.65(3H, m), 8.00-8.10(1H, m), 8.10-8.25(1H, m), 11.00-12.00(1H, br)
1H-NMR(DMSO-d6)δ ppm:2.35(3H, s), 3.93(3H, s), 4.03(3H, s), 6.30(1H, s), 7.48(1H, s), 10.60(1H, s)
1H-NMR(DMSO-d6)δ ppm:2.36(3H, d, J=1.4Hz), 3.73(3H, s), 4.00(3H, s), 6.95-7.05(1H, m), 7.54(1H, s), 11.30-11.60(1H, br)
1H-NMR(CDCl3)δ ppm:3.91(3H, s), 4.04(3H, s), 7.44(1H, d, J=3.3Hz), 7.53(1H, s), 7.89(1H, d, J=3.3Hz), 10.50(1H, s)
1H-NMR(CDCl3)δ ppm:4.00(3H, s), 4.06(3H, s), 7.25-7.27(1H, m), 7.73(1H, d, J=0.8Hz), 7.79(1H, s)
1H-NMR(CDCl3)δ ppm:4.12(3H, s), 7.30-7.50(5H, m), 7.73(1H, s), 7.75-7.87(4H, m)
1H-NMR(CDCl3)δ ppm:2.23(3H, s), 4.06(3H, s), 7.50-7.60(3H, m), 8.02(1H, d, J=7.9Hz), 8.22(1H, d, J=7.9Hz), 11.54(1H, br)
1H-NMR(CDCl3)δ ppm:2.46(3H, s), 4.01(3H, s), 4.07(3H, s), 7.77(1H, s), 10.75(1H, s)
4−ベンジルオキシ−5−メトキシ−2−フェニルスルファニルベンズアルデヒド
トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(12mg)、(オキシジ−2,1−フェニレン)ビス(ジフェニルホスフィン)(15mg)およびトルエン(1.2mL)の混合物をアルゴン雰囲気下10分撹拌した。混合物に4−ベンジルオキシ−2−ヨード−5−メトキシベンズアルデヒド(参考例1−1)(0.1g)、チオフェノール (33mg)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.093mL)を順次加えた。混合物を80℃で1時間撹拌した。室温まで冷却し、混合物にトルエン、フロリジル(登録商標)を加えた。1時間撹拌した後、混合物をセライト(登録商標)層に通した。濾液を減圧濃縮した。残渣をメタノールで粉砕し、表題化合物(50mg)を得た。
1H-NMR(CDCl3)δ ppm:3.95(3H, s), 5.09(2H, s), 6.86(1H, s), 7.00-7.40(10H, m), 7.47(1H, s), 10.40(1H, s)
2−(2−ベンゼンスルフィニル−4−ベンジルオキシ−5−メトキシフェニル)−5−メチル−[1,3,4]オキサジアゾール
トリフェニルホスフィン(561mg)、四塩化炭素(1.05g)および塩化メチレン(8.6mL)の混合物を室温で20分間撹拌した。トリエチルアミン(0.477mL)および2−ベンゼンスルフィニル−4−ベンジルオキシ−5−メトキシ安息香酸N'−アセチルヒドラジド(参考例5−3)(376mg)を加えて、混合物を18時間撹拌した。混合物に酢酸エチルおよび2mol/L塩酸を加えた。分取した有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および食塩水にて順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(溶出溶媒:50%−66%酢酸エチル/ヘキサン、グラディエント溶出)で精製し、表題化合物(400mg)を得た。
2−(2−ベンゼンスルホニル−4−ベンジルオキシ−5−メトキシフェニル)−5−メチル−[1,3,4]オキサジアゾール
2−(2−ベンゼンスルフィニル−4−ベンジルオキシ−5−メトキシフェニル)−5−メチル−[1,3,4]オキサジアゾール(参考例17−1)(400mg)および塩化メチレン(9.6mL)の混合物に、水冷撹拌下、m−クロロ過安息香酸(382mg)を加え、同温にて3時間撹拌した。混合物に酢酸エチルおよび1mol/Lチオ硫酸ナトリウム水溶液を加えた。分取した有機層を、2mol/L水酸化ナトリウム水溶液、食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(溶出溶媒:50%−66%酢酸エチル/ヘキサン、グラディエント溶出)で精製し、表題化合物(250mg)を得た。
1H-NMR(CDCl3)δ ppm:2.58(3H, s), 3.94(3H, s), 5.33(2H, s), 7.15(1H, s), 7.30-7.70(10H, m), 7.76(1H, s)
6−ベンゾチアゾール−2−イル−3,4−ジヒドロキシ−2−ニトロ安息香酸メチル(化合物1−1)
6−ベンゾチアゾール−2−イル−3−ヒドロキシ−4−メトキシ−2−ニトロ安息香酸メチル(参考例15−1)(128mg)および酢酸エチル(6mL)の混合物に塩化アルミニウム(149mg)およびピリジン(0.3mL)を加えた。還流下1.5時間撹拌した後、混合物を室温まで冷却し、混合物に1mol/L塩酸および酢酸エチルを加えた。分取した有機層を1mol/L塩酸、水、食塩水で順次洗浄し、減圧下濃縮し表題化合物(100mg)を得た。
1H-NMR(DMSO-d6)δ ppm:3.66(3H, s), 7.41(1H, s), 7.45-7.60(2H, m), 7.95-8.05(1H, m), 8.10-8.20(1H, m)
1H-NMR(DMSO-d6)δ ppm:2.27(3H, s), 3.69(3H, s), 6.54(1H, s), 7.21(1H, s), 11.31(1H, brs)
1H-NMR(DMSO-d6)δ ppm:2.30-2.40(3H, m), 3.71(3H, s), 6.90-7.05(1H, m), 7.44(1H, s)
1H-NMR(DMSO-d6)δ ppm:3.62(3H, s), 7.32(1H, s), 7.83(1H, d, J=3.2Hz), 7.89(1H, d, J=3.2Hz), 11.27(1H, br)
1H-NMR(DMSO-d6)δ ppm:3.71(3H, s), 7.37(1H, d, J=0.8Hz), 7.47(1H, s), 8.22(1H, d, J=0.8Hz), 11.31(1H, br)
1H-NMR(DMSO-d6)δ ppm:7.25-7.43(5H, m), 7.51(1H, s), 7.60-7.70(3H, m), 8.00(1H, d, J=7.8Hz)
1H-NMR(DMSO-d6)δ ppm:2.25(3H, s), 7.44(1H, s), 7.48-7.60(2H, m), 8.00(1H, d, J=8.1Hz), 8.18(1H, d, J=8.1Hz), 11.22(1H, br)
1H-NMR(DMSO-d6)δ ppm:2.40(3H, s), 3.73(3H, s), 7.50(1H, s), 11.60(1H, brs)
1H-NMR(MeOH-d4)δ ppm:2.55(3H, s), 7.08(1H, s), 7.30-7.80(3H, m), 7.80-8.00(2H, m)
ヒトCOMT阻害活性
1)組換えヒトCOMTの調製
(1)組換えヒトカテコール−O−メチルトランスフェラーゼの調製
完全長のヒトカテコール−O−メチルトランスフェラーゼ(以下、COMT)をコードする、NCBI(National Center for Biotechnology Information)上に登録されている受入番号BC011935のDNA配列に基づき、配列番号1記載の組換えヒトCOMTをコードするDNA配列を増幅するために2つのオリゴヌクレオチドプライマーを設計した。5’プライマーの配列を配列番号3に、3’プライマーの配列を配列番号4に示した。これらのプライマーは、所望のベクター中に該当PCR産物を挿入しやすくするために制限酵素部位(5’側はBamH I、3’側はEcoR I)を含んでいる。
配列番号3記載の5’プライマーおよび配列番号4記載の3’プライマーの各々を、TE緩衝液で希釈して15pmol/μL溶液とした。H2O(PCR用, 34.8μL)、25mmol/L MgSO4(2.0μL)、2mmol/L dNTPs(5.0μL)、10倍濃縮のDNAポリメラーゼ KOD plus緩衝液(5.0μL、東洋紡)を混合し、PCR反応用混合物を調製した。次いでヒト肝臓cDNA(5.0μL、Clontech)、更に各々のプライマー対(1μL、15pmol)を上記混合物に加え、最後に1.0μLのKOD plus(東洋紡)を加えた。その後、PCR反応を行った。PCR反応は94℃2分間の処置後、94℃15秒間、59℃30秒間、68℃1分間でこのサイクルを40サイクル行った。次いで68℃5分間、4℃10分間で終了した。
PCR産物をQIAquick PCR Purification Kit(QIAGEN)にて精製した。所望のインサートDNAは同キットのEB緩衝液(30μL)で溶出した。
組換えヒトCOMTインサートDNA(1.5μg)に、10倍濃縮のEcoR I緩衝液(3.0μL、New England Biolab)、H2O(11.1μL)、BamH I(1.5μL、15U、10U/μL)とEcoR I(1.0μL、15U、10U/μL)を加え混合した。その混合溶液を37℃で1.5時間加熱した。更にその溶液に10倍濃縮のローディング緩衝液を加えた。混合溶液を電気泳動にて分離し、当該消化断片を有するDNAを含むゲルの部分を切り出し、MinElute Gel Extraction Kit(QIAGEN)を使用して精製した。 pGEX−2TベクターDNA(1.5μg、Amersham)についても同様に二重消化を行い精製した。
二重消化したpGEX−2Tベクター(2.0μL、50ng)およびインサートDNA(1.24μL、33.4ng)を、2倍濃縮のライゲーション緩衝液(3.24μL、Promega)に加えて混合した。次いで、T4リガーゼ(1.0μL、3U/μL、Promega)を混合溶液に加え、その混合物を25℃で1時間インキュベーションした。次に、大腸菌JM109(100μL)を0℃にて溶解し、リガーゼで反応させた上記混合溶液(5μL)をJM109懸濁液に加え、穏やかに混合し、0℃で30分間静置した。この混合物に強く振盪すること無しに42℃で40秒間の熱ショックを与え、0℃で10分間冷却した。次いで、450μLのSOC溶液を熱ショック後の溶液に加え37℃で1時間振盪した。振盪後、混合溶液の50μLと200μLを、LB−アンピシリン培地のプレート上(直径9cm、アンピシリン濃度100μg/mL)にそれぞれ播種し、37℃で16時間の静置培養を行った。その結果、プレート上にはコロニーが出現していた。
上記の静置培養後のプレートから適当数のコロニーを選択し、それらを滅菌爪楊枝にてLB−アンピシリン液体培地(各2mL、アンピシリン濃度100μg/mL)に植菌し、37℃で16時間振盪培養した。それぞれから200μLを1.5mLマイクロチューブに分取し、フェノール抽出法によってプラスミドを抽出した。抽出されたプラスミドは、TE緩衝液に再溶解し、電気泳動に供した。検出されたバンドの泳動位置が、インサートDNAのないpGEX−2Tベクターのそれと近いものを一次陽性コロニーと判定し、以下の制限酵素二重消化による再確認を行った。
上記の一次陽性コロニー由来のDNA溶液(各7μL)を、10倍濃縮のEcoR I緩衝液(0.9μL、New England Biolab)と混和し、次いでBamH I(0.5μL、10U/μL) とEcoR I(0.5μL、15U/μL)を添加した。その溶液は、37℃で1時間加温した後、電気泳動を行った。およそ670bpの位置にバンドが検出された試料が由来するコロニーを、二次陽性コロニーと判定した。
(4)で二次陽性コロニーと判定された、GST融合組換えヒトCOMTプラスミドでの形質転換JM109の培養液は、一部(100μL)をグリセロールストックとし、残りの培養液は12000rpmで10分間遠心を行い、大腸菌ペレットを得た。得られた大腸菌ペレットから、QIAGEN Plasmid mini kit(QIAGEN)を用いてプラスミドDNAを精製した。その濃度はOD260nmによって決定され247ng/μLであった。常法に従い配列確認を行なったところ、配列番号2のDNA配列が所望の位置に挿入されていた。
(5)で精製され配列確認が終了したGST融合組換えヒトCOMTプラスミドDNA1μL(1ng/μL)を0℃で融解した大腸菌BL21 CODON PLUS (DE3)RP細胞懸濁液50μLに加え、(3)と同様に形質転換を行い、プレート培養を行った。
形質転換後の大腸菌BL21 CODON PLUS (DE3)RPのプレートからコロニーを拾い上げ、5mLのLB−アンピシリン培地(アンピシリン濃度100μg/mL)に投入し、37℃にて15時間振盪培養を行った。培養液の一部50μLをグリセロールストックとし、−80℃で保存した。使用時にこのグリセロールストックの一部を150mLのLB−アンピシリン培地(アンピシリン濃度100μg/mL)に植菌し、37℃にて16時間振盪培養を行った。この培養液を500mLずつ7本のLB−アンピシリン培地(アンピシリン濃度100μg/mL)で希釈し、20℃にて4.5時間振盪培養を行った。培養液の600nm吸光度が0.44となっていることを確認した後、各50μLのイソプロピル−β−D−チオガラクトピラノシド(1mol/L)を添加し,20℃にて18時間振盪培養を行った。この培養液を9000rpmで20分間遠心して大腸菌ペレットを回収し,4gずつ4本に分けて使用時まで−80℃で凍結保存した。
(7)から得られた大腸菌ペレットに40mLのBugBuster溶液(Novagen)、30μLのBenzonase(Novagen)および1μLのrLysozyme(Novagen)を添加し、15分間室温にて穏やかに撹拌しながら処理した。得られたライゼートを12000rpm、4℃、20分間遠心し、上澄み液を回収した。次いで、予めD−PBS(Dulbecco’s Phosphate Buffered Saline)にて平衡化し、D−PBSで50%に再懸濁させた、20mLのグルタチオン4BSepharose(レジンベッドボリューム10mL)を上記上澄み溶液に加え、得られた混合物を4℃にて1時間振盪した。振盪後の混合物をフィルターによりレジンと濾液に分別した。得られたレジンを30mLのD−PBSで5回洗浄し、30mLのトロンビン処理用緩衝液(150mmol/L NaCl、50mmol/L Tris−HCl、pH8.0、10%glycerol、2.5mmol/L CaCl2、0.5% β−オクチル−D−グルコピラノシド)で3回洗浄した。次いで、レジンにトロンビン処理用緩衝液を加え30mLとし、トロンビン(アマシャムバイオサイエンス)30ユニットを加えた。レジン混合液を4℃で15時間穏やかに撹拌した後、レジンを濾過し、濾液として得られた組換えヒトCOMTの溶液を使用時まで−80℃で保管した。
ヒトCOMT阻害作用の測定は、Zurcher Gらの方法(J. Neurochem., 1982年, 38巻, P.191-195)を一部改変して実施した。1)で調製した組換えヒトCOMT(約1mg/mL)0.25μL、リン酸カリウム緩衝液(500mmol/L、pH7.6)40μL、塩化マグネシウム(100mmol/L)10μL、ジチオスレイトール(62.5mmol/L)10μL、アデノシンデアミナーゼ(2550ユニット/mL)0.5μLと試験化合物の混合物を37℃で5分間プレインキュベートした。対照サンプルは同様の方法で調製したが、試験化合物の代わりにジメチルスルホキシド(5μL)を加えた。[3H]-S-アデノシル-L-メチオニン(12.5mmol/L、1.2Ci/mol;アマシャムバイオサイエンス社製)20μLの添加後、カテコール基質(7mmol/L)25μLを加えることにより反応を開始した。反応混合液(終容量0.25mL)は、37℃で30分間インキュベートした。反応は氷冷した0.1g/Lのグアイアコールを含む1mol/L塩酸(0.25mL)を加えることで停止させた。シンチレーター(オプティフロー(登録商標)0;パッカード社製)2.5mLを加え、次いで1分間勢い良く振とうした後、パッカード社製液体シンチレーションカウンター(TRICARB 1900CA)で有機層に存在する放射活性を直接計数した。ブランクはカテコール基質の非存在下でインキュベートした(基質を反応停止後に加えた)。IC50値は酵素活性を50%阻害するのに要した濃度を示す。比較例として、トルカポンおよびエンタカポンを同様に試験した。これらの結果を表7に示した。
脱共役活性の測定
1)ラット肝臓由来ミトコンドリア画分の調製
ラット肝臓由来ミトコンドリア画分は、Nissinenらの方法(Eur. J. Pharmacol.,1997年,340巻,P.287-294)に従って得られた。すなわち、肝臓は4倍容量の氷冷したバッファーA(0.25 mol/Lショ糖,2 mmol/Lトリスヒドロキシメチルアミノメタン−塩酸 (pH6.8)及び0.1mmol/Lエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム(EDTA))中にてホモジナイズした。粗ミトコンドリア画分は1000 ×g、10分間、4℃で遠心後上清として得た。この画分は8200×g、10分間、4℃で遠心して沈殿させ、再度同量のバッファーAに分散させ、同条件で遠心した。得られた沈殿物は10mgタンパク/mLとなるようバッファーAに再懸濁させてミトコンドリア画分とした。
2)脱共役活性の測定
脱共役活性の測定はHaasioらの方法(Eur. J. Pharmacol., 2002年, 453巻, P.21-26)に改変を加えて実施した。バッファーB(0.22 mol/Lマンニトール、0.05 mol/L ショ糖、5mmol/L 塩酸カリウム、5mmol/L リン酸二水素カリウム、1mmol/L EDTA、3mmol/L 塩化マグネシウム、及び0.01 mol/L 3−モルフォリノプロパンスルホン酸の混合液を水酸化カリウムでpH7.4に調整)150μLに対し、0.3 mmol/L 2,8−ジメチルフェノサフラニン(サフラニンO,バッファーBに溶解)20μL及びミトコンドリア画分8μLを混合し、暗所にて20分間室温で静置した。静置後、基底の膜ポテンシャルを得るためマイクロプレートリーダーで蛍光(励起波長 520 nm及び蛍光波長 570 nm)を測定した。0.1 mol/L コハク酸ナトリウム二塩基六水和物(バッファーBに溶解)20μLを添加し、6分後に蛍光を測定して最大膜ポテンシャルを得た。その後、試験化合物およびジメチルスルホキシドの混合物を2μLずつ添加し、直ちに混合して蛍光測定を開始した。最終の蛍光測定は、試験化合物添加10分後に行った。ジメチルスルホキシドのみの膜ポテンシャルの基底時及び最大の差を100%と設定し、これを50%低下させた濃度をEC50として表した。これらの結果を表8に示した。
配列番号1は、組換えヒトカテコール−O−メチルトランスフェラーゼの配列である。
<配列番号2>
配列番号2は、配列番号1の組換えヒトカテコール−O−メチルトランスフェラーゼを発現するように配列番号3および4のプライマーを用いて増幅されたDNA配列である。
<配列番号3>
配列番号3は、配列番号2のDNAを増幅するために使用された5’プライマーの配列である。
<配列番号4>
配列番号4は、配列番号2のDNAを増幅するために使用された3’プライマーの配列である。
Claims (5)
- 一般式(I):
R3は、以下のa)〜s):
a)ハロC 1−6 アルキル基、
b)(C 1−6 アルキル)−CO−、
c)(ハロC 1−6 アルキル)−C(O)−、
d)シクロアルキルカルボニル基、
e)非置換もしくは以下からなる群:ハロゲン原子、C 1−6 アルキル基、ハロC 1−6 アルキル基、C 1−6 アルコキシ基、シクロアルキルC 1−6 アルコキシ基、水酸基、(C 1−6 アルコキシ)−C(O)−、−C(O)NR11R12およびシアノ基から独立して選択される1〜5個の基で環が置換されるアリールカルボニル基、
f)非置換もしくは以下からなる群:ハロゲン原子、C 1−6 アルキル基、ハロC 1−6 アルキル基、およびC 1−6 アルコキシ基から独立して選択される1〜3個の基で環が置換されるヘテロアリールカルボニル基、
g)非置換もしくは以下からなる群:ハロゲン原子、C 1−6 アルキル基、ハロC 1−6 アルキル基、およびC 1−6 アルコキシ基から独立して選択される1〜5個の基で環が置換されるアラルキルカルボニル基、
h)非置換もしくは以下からなる群:ハロゲン原子、C 1−6 アルキル基、ハロC 1−6 アルキル基、およびC 1−6 アルコキシ基から独立して選択される1〜5個の基で環が置換される(アリールオキシC 1−6 アルキル)−C(O)−、
i)(C 1−6 アルコキシ)−C(O)−、
j)シクロアルキルオキシカルボニル基、
k)(C 1−6 アルコキシC 1−6 アルコキシ)−C(O)−、
l)カルボキシ基、
m)シアノ基、
n)−C(O)NR11R12、
o)−C(O)C(O)NR11R12、
p)(C 1−6 アルキル)−SO 2 −、
q)非置換もしくは以下からなる群:ハロゲン原子、C 1−6 アルキル基、ハロC 1−6 アルキル基、およびC 1−6 アルコキシ基から独立して選択される1〜3個の基で環が置換されるアリールスルホニル基、
r)−SO2NR11R12、または
s)非置換もしくは以下からなる群:ハロゲン原子、C 1−6 アルキル基、ハロC 1−6 アルキル基、およびC 1−6 アルコキシ基から独立して選択される1〜3個の基で環が置換されるヘテロアリール基であり;
R4は、非置換もしくは以下からなる群:
a)C 1−6 アルキル基、
b)ハロC 1−6 アルキル基、
c)シクロアルキル基、
d)ヘテロシクロアルキル基、
e)C 1−6 アルコキシC 1−6 アルキル基、
f)アリールオキシC 1−6 アルキル基、
g)(C 1−6 アルコキシ)−C(O)−C 1−6 アルキル、および
h)ヒドロキシC 1−6 アルキル基、
から独立して選択される1〜3個の基で環が置換されるヘテロアリール基であり、但し、該ヘテロアリール基は[1,2,4]オキサジアゾール−3−イルでなく;
R11およびR12は、それぞれ独立して、水素原子、C 1−6 アルキル基、シクロアルキル基、橋かけ環状炭化水素基、フェニル基またはアラルキル基を表すか、あるいはR11およびR12が、それらが結合している窒素原子と一緒になって、環状アミノ基を形成する〕
で表される化合物またはその薬理学的に許容される塩。 - R1およびR2が、水素原子である、請求項1に記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩。
- R3が、以下のa)〜c):
a)非置換もしくは以下からなる群:ハロゲン原子、C 1−6 アルキル基、ハロC 1−6 アルキル基、およびC 1−6 アルコキシ基から独立して選択される1〜5個の基で環が置換されるアリールカルボニル基、
b)(C 1−6 アルコキシ)−C(O)−、または
c)非置換もしくは以下からなる群:ハロゲン原子、C 1−6 アルキル基、ハロC 1−6 アルキル基、およびC 1−6 アルコキシ基から独立して選択される1〜3個の基で環が置換されるアリールスルホニル基である、請求項2に記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩と、L−ドパおよび芳香族L−アミノ酸デカルボキシラーゼ阻害剤から選択される少なくとも1種とを組み合わせてなる医薬。
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