JP5615057B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、空気入りタイヤに関する。
タイヤは、一対のビードと、両ビードに架け渡されたカーカスとを備えている。図9に示されているのは、カーカス2の断面図である。カーカス2は、プライ4からなる。プライ4は、多数のコード6を含んでいる。コード6の傾斜方向、コード6の材質等の調整により、タイヤ性能が制御されうる。プライ4は、後述するシートが適切な長さに裁断されて得られる。
図10に示されているのは、プライ4の形成に用いられるシート8の一部である。シート8は、すだれ織物10と、トッピングゴム12とからなる。すだれ織物10は、並列された多数のコード6と、これらコード6を編み列ねる多数の緯糸14とから構成される。各緯糸14は、すだれ織物10の形状維持に寄与しうる。
低コストで得られ、かつ旋回性能に優れるレーシングカート用タイヤが、特開2006−76442公報に開示されている。このタイヤでは、カーカスに含まれるコードの傾斜角度は、25°から38°である。このコードは、ポリエチレンナフタレート繊維からなる。
特開2006−76442公報
図9に示されているように、緯糸14はプライ4に含まれる各コード6を編み列ねている。この緯糸14は、各コード6の動きを拘束しうる。
タイヤの製造方法では、シート8を裁断してプライ4が形成される。このプライ4は、フォーマーにおいて他の部材と組み合わされる。この組み合わせにより、ローカバー(未架橋タイヤとも称される。)が形成される。このローカバーがモールド内で加圧及び加熱され、タイヤが得られる。
タイヤの製造に際して、プライ4の形態はシート状からトロイダル状に変化する。前述したように、プライ4に含まれる緯糸14はコード6の動きを拘束しうる。このため、プライ4の形態変化に追従してコード6が移動できず、その並列状態に特異な部分が形成されることがある。このようなタイヤには、コード6に均一に力が掛からず、十分な耐久性が得られないという問題がある。
操縦安定性の観点から、多数のコードが赤道面に対して傾斜して並列されたプライがカーカスに用いられることがある。しかし、この赤道面に対して傾斜したコードには疲労破断が生じやすいという問題がある。このプライは、タイヤの耐久性に影響する。
タイヤのカーカスが2枚のプライから構成されることがある。この場合、一のプライ(以下、第一プライ)の外側に他のプライ(以下、第二プライ)が積層される。通常、第一プライ及び第二プライには同等の構成を有するものが用いられる。このタイヤでは、内側に位置する第一プライに含まれる第一コードに疲労破断が生じやすいという問題がある。この第一プライは、タイヤの耐久性に影響する。
本発明の目的は、操縦安定性及び耐久性に優れる空気入りタイヤの提供にある。
本発明に係る空気入りタイヤは、一対のビードと、両ビードの間に架け渡されたカーカスと、このカーカスの軸方向外側に位置する一対のサイドウォールとを備えている。このカーカスは、第一プライと、この第一プライの外側に位置する第二プライとを備えている。この第一プライは、並列された多数の第一コードを備えている。各第一コードは、赤道面に対して傾斜している。この第一コードは、ポリエチレンナフタレート繊維からなる3本の第一ヤーンが撚られて形成されている。この第二プライは、並列された多数の第二コードを備えている。各第二コードは、赤道面に対して傾斜している。この第二コードは、ポリエチレンナフタレート繊維からなる3本の第二ヤーンが撚られて形成されている。この第一コードの撚り数は、この第二コードの撚り数よりも多い。タイヤの、最大幅を示す部分の厚みは、5mm以上10mm以下である。
好ましくは、この空気入りタイヤでは、上記第一プライは上記多数の第一コードを編み列ねる第一緯糸をさらに備えている。この第一緯糸は、その一部において切断されている。
好ましくは、この空気入りタイヤでは、上記多数の第一コードが緯糸で編み列ねることなく並列されている。
好ましくは、この空気入りタイヤでは、上記第二プライは上記多数の第二コードを編み列ねる第二緯糸をさらに備えている。この第二緯糸は、その一部において切断されている。
好ましくは、この空気入りタイヤでは、上記多数の第二コードは緯糸で編み列ねることなく並列されている。
好ましくは、この空気入りタイヤは、上記カーカスの半径方向外側に位置するベルトをさらに備えている。このベルトは、赤道面に対して傾斜するベルトコードを含んでいる。このベルトコードは、アラミド繊維又はスチールからなる。このベルトコードの傾斜角度の絶対値は、18°以上28°以下である。上記第一コードの傾斜角度の絶対値は、50°以上88°以下である。上記第二コードの傾斜角度の絶対値は、50°以上88°以下である。
好ましくは、この空気入りタイヤでは、上記第一コードの傾斜角度の絶対値は25°以上38°以下である。上記第二コードの傾斜角度の絶対値は、25°以上38°以下である。
本発明に係る空気入りタイヤでは、最大幅を示す部分の厚みは薄い。このタイヤでは、質量が軽減されうる。このタイヤでは、第一コード及び第二コードは赤道面に対して傾斜している。このタイヤは、操縦安定性に優れる。このタイヤでは、第一コード及び第二コードがポリエチレンナフタレート繊維からなる3本のヤーンを撚り合わせて形成されている。このタイヤは、第一コード及び第二コードが赤道面に対して傾斜しているにもかかわらず、耐久性に優れる。しかも、第一コードの撚り数が第二コードの撚り数よりも多いので、この第一コードの疲労破断が抑制されている。このタイヤのカーカスは、耐久性の向上に寄与しうる。このタイヤは、操縦安定性及び耐久性に優れる。
図1は、本発明の一実施形態に係る空気入りタイヤの一部が示された断面図である。 図2は、図1のタイヤのカーカスの一部が示された拡大平面図である。 図3は、図2のIII線に沿った断面図である。 図4は、図2のIV線に沿った断面図である。 図5は、本発明の他の実施形態に係る空気入りタイヤの一部が示された断面図である。 図6は、図5のタイヤのカーカスの一部が示された拡大平面図である。 図7は、図6のVII線に沿った断面図である。 図8は、図6のVIII線に沿った断面図である。 図9は、従来のタイヤのカーカスを構成するプライの断面図である。 図10は、図9のプライの形成に用いられるシートの一部が示された模式図である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1には、乗用車に装着される空気入りタイヤ16が示されている。このタイヤ16は、チューブレスタイプである。このタイヤ16は、図1中の一点鎖線CLを中心としたほぼ左右対称の形状を呈する。この一点鎖線CLは、タイヤ16の赤道面を表す。このタイヤ16は、トレッド18、サイドウォール20、ビード22、カーカス24、ベルト26、バンド28、インナーライナー30及びチェーファー32を備えている。なお、この図1において、上下方向が半径方向であり、左右方向が軸方向であり、紙面との垂直方向が周方向である。
トレッド18は、耐摩耗性に優れた架橋ゴムからなる。トレッド18は、半径方向外向きに凸な形状を呈している。トレッド18は、トレッド面34を備えている。トレッド面34は、路面と接地する。トレッド面34には、溝は刻まれていない。このタイヤ16は、いわゆるスリックタイヤである。このトレッド面34が、溝、ブロック等からなるトレッドパターンを備えてもよい。
サイドウォール20は、トレッド18の端から半径方向略内向きに延びている。サイドウォール20は、カーカス24の軸方向外側に位置している。サイドウォール20は、架橋ゴムからなる。サイドウォール20は、撓みによって路面からの衝撃を吸収する。さらにサイドウォール20は、カーカス24の外傷を防止する。このタイヤ16のサイドウォール20は、従来のタイヤのそれと比べて薄い。このサイドウォール20は、タイヤ16の質量軽減に寄与しうる。
ビード22は、サイドウォール20よりも半径方向略内側に位置している。ビード22は、コア36と、このコア36から半径方向外向きに延びるエイペックス38とを備えている。コア36は、リング状である。コア36は、複数本の非伸縮性ワイヤー(典型的にはスチール製ワイヤー)を含む。エイペックス38は、半径方向外向きに先細りである。エイペックス38は、高硬度な架橋ゴムからなる。
カーカス24は、ラジアル構造を有している。このカーカス24は、第一プライ40a及び第二プライ40bからなる。第一プライ40a及び第二プライ40bは、両側のビード22の間に架け渡されており、トレッド18及びサイドウォール20の内側に沿っている。第一プライ40a及び第二プライ40bは、コア36の周りを、軸方向内側から外側に向かって折り返されている。このタイヤ16のトレッド18の部分において、この第二プライ40bは第一プライ40aの半径方向外側に位置している。
ベルト26は、トレッド18の半径方向内側に位置している。ベルト26は、カーカス24の半径方向外側に位置している。ベルト26は、カーカス24と積層されている。ベルト26は、カーカス24を補強する。ベルト26は、内側層42a及び外側層42bからなる。
内側層42aは、カーカス24の半径方向外側に位置している。内側層42aは、カーカス24の第二プライ40bに積層されている。図示されていないが、内側層42aは並列された多数のベルトコードとトッピングゴムとからなる。各ベルトコードは、赤道面に対して傾斜している。内側層42aがカーカス24を効果的に補強しうるという観点から、このベルトコードの傾斜角度の絶対値は18°以上が好ましく28°以下が好ましい。効果的な補強の観点から、この内側層42aには、アラミド繊維からなるベルトコード又はスチール製のベルトコードが用いられるのが好ましい。
外側層42bは、内側層42aの半径方向外側に積層されている。図示されていないが、外側層42bは並列された多数のベルトコードとトッピングゴムとからなる。各ベルトコードは、赤道面に対して傾斜している。このベルトコードの傾斜方向は、内側層42aのベルトコードの傾斜方向とは逆である。外側層42bがカーカス24を効果的に補強しうるという観点から、このベルトコードの傾斜角度の絶対値は18°以上が好ましく28°以下が好ましい。効果的な補強の観点から、この外側層42bには、アラミド繊維からなるベルトコード又はスチール製のベルトコードが用いられるのが好ましい。
バンド28は、ベルト26を覆っている。図示されていないが、バンド28は、バンドコードとトッピングゴムとからなる。バンドコードは実質的に周方向に延びており、螺旋状に巻かれている。バンド28は、いわゆるジョイントレス構造を有する。このバンドコードによりベルト26が拘束されるので、ベルト26のリフティングが抑制される。バンドコードは、通常は有機繊維からなる。好ましい有機繊維としては、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維及びアラミド繊維が例示される。
図2は、図1のタイヤ16のカーカス24の一部が示された拡大平面図である。この図2には、第一プライ40a及び第二プライ40bが示されている。なお、図中、一点鎖線CLは赤道面を表している。
第一プライ40aは、多数の第一コード44aとトッピングゴム46aとからなる。各第一コード44aは、赤道面に対して傾斜している。この第一プライ40aは、タイヤ16の剛性に寄与しうる。このタイヤ16は、大きなコーナリングフォースを発生しうる。このタイヤ16は、操縦安定性に優れる。
第二プライ40bは、多数の第二コード44bとトッピングゴム46bとからなる。各第二コード44bは、赤道面に対して傾斜している。この第二プライ40bは、タイヤ16の剛性に寄与しうる。このタイヤ16は、大きなコーナリングフォースを発生しうる。このタイヤ16は、操縦安定性に優れる。図示されているように、この第二コード44bの傾斜方向は第一コード44aの傾斜方向とは逆である。
図3は、図2のIII線に沿った断面図である。この図3に示されているのは、第一プライ40aの断面である。この第一プライ40aは、従来のタイヤのカーカスを構成するプライのように、緯糸を含まない。換言すれば、第一プライ40aに含まれる多数の第一コード44aは、緯糸で編み列ねることなく並列されている。なお、図2において、III線は第一コード44aの長手方向に対して垂直な直線である。
図示されていないが、このタイヤ16では、第一コード44aは3本の第一ヤーンを撚り合わせて形成される。この第一コード44aの耐久性は、第一ヤーンを2本撚り合わせて形成されるコードのそれに比して優れている。このタイヤ16は、第一コード44aが赤道面に対して傾斜しているにもかかわらず、耐久性に優れる。この第一コード44aは、第一ヤーンを4本撚り合わせて形成されるコードよりも軽量である。この第一コード44aは、質量の軽減に寄与しうる。
このタイヤ16では、質量の軽減に寄与しうるとの観点から、第一コード44aを構成する第一ヤーンの繊度は2100dtex以下が好ましい。耐久性の向上に寄与しうるとの観点から、第一ヤーンの繊度は1100dtex以上が好ましい。特に好ましい繊度は、1670dtexである。
このタイヤ16では、第一コード44aを構成する第一ヤーンはポリエチレンナフタレート繊維からなる。この第一コード44aのモジュラスは、ポリエステル繊維、ナイロン繊維又はレーヨン繊維からなるコードのモジュラスよりも大きい。この第一コード44aは、タイヤ16の剛性向上に寄与しうる。このタイヤ16は、大きなコーナリングフォースを発生しうる。このタイヤ16は、操縦安定性に優れる。この第一コード44aのモジュラスは、アラミド繊維からなるコードのモジュラスよりも小さい。この第一コード44aは、タイヤ16の剛性過大を抑制しうる。このタイヤ16では、乗り心地が維持されうる。
図4は、図2のIV線に沿った断面図である。この図4に示されているのは、第二プライ40bの断面である。この第二プライ40bは、従来のタイヤのカーカスを構成するプライのように、緯糸を含まない。換言すれば、第二プライ40bに含まれる多数の第二コード44bは、緯糸で編み列ねることなく並列されている。なお、この図2において、IV線は第二コード44bの長手方向に対して垂直な直線である。
図示されていないが、このタイヤ16では、第二コード44bは3本の第二ヤーンを撚り合わせて形成される。この第二コード44bの耐久性は、第二ヤーンを2本撚り合わせて形成されるコードのそれに比して優れている。このタイヤ16は、第二コード44bが赤道面に対して傾斜しているにもかかわらず、耐久性に優れる。この第二コード44bは、第二ヤーンを4本撚り合わせて形成されるコードよりも軽量である。この第二コード44bは、質量の軽減に寄与しうる。
このタイヤ16では、質量の軽減に寄与しうるとの観点から、第二コード44bを構成する第二ヤーンの繊度は2100dtex以下が好ましい。耐久性の向上に寄与しうるとの観点から、第二ヤーンの繊度は1100dtex以上が好ましい。特に好ましい繊度は、1670dtexである。
このタイヤ16では、第二コード44bを構成する第二ヤーンはポリエチレンナフタレート繊維からなる。この第二コード44bのモジュラスは、ポリエステル繊維、ナイロン繊維又はレーヨン繊維からなるコードのモジュラスよりも大きい。この第二コード44bは、タイヤ16の剛性向上に寄与しうる。このタイヤ16は、大きなコーナリングフォースを発生しうる。このタイヤ16は、操縦安定性に優れる。この第二コード44bのモジュラスは、アラミド繊維からなるコードのモジュラスよりも小さい。この第二コード44bは、タイヤ16の剛性過大を抑制しうる。このタイヤ16では、乗り心地が維持されうる。
このタイヤ16の製造方法では、緯糸で編み列ねることなく並列された多数のコード44にトッピングゴム46が貼り合わされて、シートが形成される。このシートを裁断して、プライ40が形成される。プライ40がトレッド18、サイドウォール20等の他の部材と組み合わされ、ローカバー(未架橋タイヤとも称される。)が得られる。このローカバーは、モールドに投入される。ローカバーは、モールド内で加圧される。同時にローカバーは、加熱される。加圧と加熱とによりゴム組成物が流動する。加熱によりゴムが架橋反応を起こし、タイヤ16が得られる。
タイヤ16の製造に際して、第一プライ40a及び第二プライ40bの各形態はシート状からトロイダル状に変化する。前述したように、各プライ40に含まれる多数のコード44は、緯糸で編み列ねることなく並列されている。このため、各コード44はプライ40の形態変化に追従して移動しうる。このタイヤ16では、各プライ40におけるコード44の並列状態に特異な部分は形成されない。各コード44に均一に力が掛かるので、このタイヤ16のカーカス24は耐久性の向上に寄与しうる。このタイヤ16は、耐久性に優れる。
前述したように、第一コード44aは3本の第一ヤーンを撚り合わせて形成される。これら第一ヤーンの撚り合わせの回数が、第一コード44aの撚り数である。第二コード44bは3本の第二ヤーンを撚り合わせて形成される。これら第二ヤーンの撚り合わせの回数が、第二コード44bの撚り数である。このタイヤ16では、この第一コード44aの撚り数は第二コード44bの撚り数よりも多い。このため、第二プライ40bの内側に位置する第一プライ40aにおいて、この第一コード44aの疲労破断が効果的に抑制されている。このタイヤ16の耐久性は、効果的に向上されている。なお、第一コード44a及び第二コード44bそれぞれの撚り数は、JIS−L1017に準じて計測される。この撚り数は、上撚り数とも称される。
このタイヤ16では、第一コード44aの撚り数は、40回/10cm以上70回/10cm以下が好ましい。この撚り数が40回/10cm以上に設定された第一コード44aを含んだ第一プライ40aは、タイヤ16の耐久性に寄与しうる。この観点から、この撚り数は45回/cm以上がより好ましい。この撚り数が70回/10cm以下に設定された第一コード44aを含んだ第一プライ40aは、タイヤ16の剛性に適切に寄与しうる。このタイヤ16は、優れた乗り心地を損なうことなく操縦安定性に優れる。この観点から、この撚り数は65回/10cm以下がより好ましい。
このタイヤ16では、第二コード44bの撚り数は、30回/10cm以上60回/10cm以下が好ましい。この撚り数が30回/10cm以上に設定された第二コード44bを含んだ第二プライ40bは、タイヤ16の耐久性に寄与しうる。この観点から、この撚り数は35回/cm以上がより好ましい。この撚り数が60回/10cm以下に設定された第一コード44aを含んだ第一プライ40aは、タイヤ16の剛性に適切に寄与しうる。このタイヤ16は、優れた乗り心地を損なうことなく操縦安定性に優れる。この観点から、この撚り数は55回/10cm以下がより好ましい。
このタイヤ16では、耐久性の観点から、第一コード44aの撚り数と第二コード44bの撚り数との差は5回/10cm以上が好ましい。操縦安定性の観点から、この差は10回/10cm以下が好ましい。
図1において、点PAはタイヤ16の最大幅を示す位置である。両矢印線TAは、タイヤ16の、この点PAにおける厚みを表している。換言すれば、この両矢印線TAは、このタイヤ16の、最大幅を示す部分の厚みを表している。このタイヤ16の、最大幅を示す部分の厚みは薄い。薄い厚みは、タイヤ16の質量軽減に寄与しうる。
このタイヤ16では、厚みTAは5mm以上10mm以下である。この厚みTAが5mm以上に設定されることにより、タイヤ16の剛性が適切に維持されうる。このタイヤ16は、大きなコーナリングフォースが発生しうる。このタイヤ16は、操縦安定性に優れる。この観点から、この厚みTAは6mm以上がより好ましい。この厚みTAが10mm以下に設定されることにより、タイヤ16の質量への影響が抑制されうる。この観点から、この厚みTAは9mm以下がより好ましい。
図2において、角度αは、第一コード44aが赤道面に対してなす角度(傾斜角度)を表している。角度βは、第二コード44bが赤道面に対してなす角度(傾斜角度)を表している。
このタイヤ16では、第一コード44aの傾斜角度αの絶対値は50°以上88°以下が好ましい。この角度αが50°以上に設定されたタイヤ16は、第一コード44aが赤道面に対して傾斜しているにもかかわらず、耐久性に優れる。この観点から、この角度αは55°以上がより好ましい。この角度αが88°以下に設定されたタイヤ16は、第一コード44aが剛性向上に寄与しうるので、大きなコーナリングフォースを発生しうる。このタイヤ16は、操縦安定性に優れる。この観点から、この角度αは70°以下がより好ましく、60°以下が特に好ましい。
このタイヤ16では、第二コード44bの傾斜角度βの絶対値は50°以上88°以下が好ましい。この角度βが50°以上に設定されたタイヤ16は、第二コード44bが赤道面に対して傾斜しているにもかかわらず、耐久性に優れる。この観点から、この角度βは55°以上がより好ましい。この角度βが88°以下に設定されたタイヤ16は、第二コード44bが剛性向上に寄与しうるので、大きなコーナリングフォースを発生しうる。このタイヤ16は、操縦安定性に優れる。この観点から、この角度βは70°以下がより好ましく、60°以下が特に好ましい。
このタイヤ16では、第一プライ40aのトッピングゴム46aの硬度は50以上80以下が好ましい。この硬度が50以上に設定されることにより、第一プライ40aがタイヤ16の剛性に適切に寄与しうる。このタイヤ16は、大きなコーナリングフォースを発生しうる。このタイヤ16は、操縦安定性に優れる。この観点から、この硬度は60以上がより好ましい。この硬度が80以下に設定されることにより、タイヤ16の剛性過大が抑制されうる。このタイヤ16では、乗り心地が維持されうる。この観点から、この硬度は70以下がより好ましい。
本発明において硬度は、JIS−K6253に準じて、タイプAのデュロメータによって測定される。この測定には、第一プライ40aのトッピングゴム46aを構成するゴム組成物が架橋されることにより形成される試験片が用いられる。温度が160℃である金型内でゴム組成物が10分間保持されることで、この試験片は得られる。この硬度は、温度が23℃である条件下で測定される。なお、後述する、第二プライ40bのトッピングゴム46bの硬度も同様にして測定される。
このタイヤ16では、第二プライ40bのトッピングゴム46bの硬度は50以上80以下が好ましい。この硬度が50以上に設定されることにより、第二プライ40bがタイヤ16の剛性に適切に寄与しうる。このタイヤ16は、大きなコーナリングフォースを発生しうるので、操縦安定性に優れる。この観点から、この硬度は60以上がより好ましい。この硬度が80以下に設定されることにより、タイヤ16の剛性過大が抑制されうる。このタイヤ16では、乗り心地が維持されうる。この観点から、この硬度は70以下がより好ましい。
本発明では、タイヤ16および後述するタイヤの各部材の寸法及び角度は、タイヤ16が正規リムに組み込まれ、正規内圧となるようにタイヤ16に空気が充填された状態で測定される。測定時には、タイヤ16には荷重がかけられない。本明細書において正規リムとは、タイヤ16が依拠する規格において定められたリムを意味する。JATMA規格における「標準リム」、TRA規格における「Design Rim」、及びETRTO規格における「Measuring Rim」は、正規リムである。本明細書において正規内圧とは、タイヤ16が依拠する規格において定められた内圧を意味する。JATMA規格における「最高空気圧」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に掲載された「最大値」、及びETRTO規格における「INFLATION PRESSURE」は、正規内圧である。乗用車用タイヤの場合は、内圧が180kPaの状態で、寸法及び角度が測定される。
図5は、本発明の他の実施形態に係る空気入りタイヤ48の一部が示された断面図である。この図5において、上下方向が半径方向であり、左右方向が軸方向であり、紙面との垂直方向が周方向である。このタイヤ48は、図5中の一点鎖線CLを中心としたほぼ左右対称の形状を呈する。この一点鎖線CLは、タイヤ48の赤道面を表す。このタイヤ48は、レーシングカートに装着される。このタイヤ48の外径は、300mm以下である。このタイヤ48は、トレッド50、サイドウォール52、ビード54、カーカス56及びインナーライナー58を備えている。このタイヤ48は、チューブレスタイプである。
トレッド50は、耐摩耗性に優れた架橋ゴムからなる。トレッド50は、半径方向外向きに凸な形状を呈している。トレッド50は、トレッド面60を備えている。このトレッド面60は、路面と接地する。トレッド面60には、溝は刻まれていない。このタイヤ48は、いわゆるスリックタイヤである。このトレッド面60が、溝、ブロック等からなるトレッドパターンを備えてもよい。
サイドウォール52は、トレッド50の端から半径方向略内向きに延びている。サイドウォール52は、カーカス56の軸方向外側に位置している。サイドウォール52は、架橋ゴムからなる。サイドウォール52は、撓みによって路面からの衝撃を吸収する。さらにサイドウォール52は、カーカス56の外傷を防止する。このタイヤ48のサイドウォール52は、従来のタイヤのそれと比べて薄い。このサイドウォール52は、タイヤ48の質量軽減に寄与しうる。
ビード54は、サイドウォール52よりも半径方向略内側に位置している。ビード54は、コア62と、このコア62から半径方向外向きに延びるエイペックス64とを備えている。コア62は、リング状である。コア62は、複数本の非伸縮性ワイヤー(典型的にはスチール製ワイヤー)を含む。エイペックス64は、半径方向外向きに先細りである。エイペックス64は、高硬度な架橋ゴムからなる。
カーカス56は、バイアス構造を有している。このカーカス56は、第一プライ66a及び第二プライ66bからなる。第一プライ66a及び第二プライ66bは、両側のビード54の間に架け渡されており、トレッド50及びサイドウォール52の内側に沿っている。第一プライ66a及び第二プライ66bは、コア62の周りを、軸方向内側から外側に向かって折り返されている。このタイヤ48のトレッド50の部分において、この第二プライ66bは第一プライ66aの半径方向外側に位置している。
図6は、図5のタイヤ48のカーカス56の一部が示された拡大平面図である。この図6には、第一プライ66a及び第二プライ66bが示されている。なお、図中、一点鎖線CLは赤道面を表している。
第一プライ66aは、並列された多数の第一コード68aとトッピングゴム70aとからなる。各第一コード68aは、赤道面に対して傾斜している。この第一プライ66aは、タイヤ48の剛性に寄与しうる。このタイヤ48は、大きなコーナリングフォースを発生しうる。このタイヤ48は、操縦安定性に優れる。
第二プライ66bは、並列された多数の第二コード68bとトッピングゴム70bとからなる。各第二コード68bは、赤道面に対して傾斜している。この第二プライ66bは、タイヤ48の剛性に寄与しうる。このタイヤ48は、大きなコーナリングフォースを発生しうる。このタイヤ48は、操縦安定性に優れる。図示されているように、この第二コード68bの傾斜方向は、第一コード68aの傾斜方向とは逆である。
図7は、図6のVII−VII線に沿った断面図である。この図7に示されているのは、第一プライ66aの断面である。この第一プライ66aは、多数の第一コード68aを編み列ねる第一緯糸72aをさらに備えている。この第一緯糸72aは、その一部において切断されている。なお、図6において、VII−VII線は第一コード68aの長手方向に対して垂直な直線である。
図示されていないが、このタイヤ48では、第一コード68aは3本の第一ヤーンを撚り合わせて形成される。この第一コード68aの耐久性は、第一ヤーンを2本撚り合わせて形成されるコードのそれに比して優れている。このタイヤ48は、第一コード68aが赤道面に対して傾斜しているにもかかわらず、耐久性に優れる。この第一コード68aは、第一ヤーンを4本撚り合わせて形成されるコードよりも軽量である。この第一コード68aは、質量の軽減に寄与しうる。
このタイヤ48では、質量の軽減に寄与しうるとの観点から、第一コード68aを構成する第一ヤーンの繊度は2100dtex以下が好ましい。耐久性の向上に寄与しうるとの観点から、第一ヤーンの繊度は1100dtex以上が好ましい。特に好ましい繊度は、1670dtexである。
このタイヤ48では、第一コード68aを構成する第一ヤーンはポリエチレンナフタレート繊維からなる。この第一コード68aのモジュラスは、ポリエステル繊維、ナイロン繊維又はレーヨン繊維からなるコードのモジュラスよりも大きい。この第一コード68aは、タイヤ48の剛性向上に寄与しうる。このタイヤ48は、大きなコーナリングフォースを発生しうる。このタイヤ48は、操縦安定性に優れる。この第一コード68aのモジュラスは、アラミド繊維からなるコードのモジュラスよりも小さい。この第一コード68aは、タイヤ48の剛性過大を抑制しうる。このタイヤ48では、乗り心地が維持されうる。
図8は、図6のVIII−VIII線に沿った断面図である。この図8に示されているのは、第二プライ66bの断面である。この第二プライ66bは、多数の第二コード68bを編み列ねる第二緯糸72bをさらに備えている。この第二緯糸72bは、その一部において切断されている。なお、この図6において、VIII−VIII線は第二コード68bの長手方向に対して垂直な直線である。
図示されていないが、このタイヤ48では、第二コード68bは3本の第二ヤーンを撚り合わせて形成される。この第二コード68bの耐久性は、第二ヤーンを2本撚り合わせて形成されるコードのそれに比して優れている。このタイヤ48は、第二コード68bが赤道面に対して傾斜しているにもかかわらず、耐久性に優れる。この第二コード68bは、第二ヤーンを4本撚り合わせて形成されるコードよりも軽量である。この第二コード68bは、質量の軽減に寄与しうる。
このタイヤ48では、質量の軽減に寄与しうるとの観点から、第二コード68bを構成する第二ヤーンの繊度は2100dtex以下が好ましい。耐久性の向上に寄与しうるとの観点から、第二ヤーンの繊度は1100dtex以上が好ましい。特に好ましい繊度は、1670dtexである。
このタイヤ48では、第二コード68bを構成する第二ヤーンはポリエチレンナフタレート繊維からなる。この第二コード68bのモジュラスは、ポリエステル繊維、ナイロン繊維又はレーヨン繊維からなるコードのモジュラスよりも大きい。この第二コード68bは、タイヤ48の剛性向上に寄与しうる。このタイヤ48は、大きなコーナリングフォースを発生しうる。このタイヤ48は、操縦安定性に優れる。この第二コード68bのモジュラスは、アラミド繊維からなるコードのモジュラスよりも小さい。この第二コード68bは、タイヤ48の剛性過大を抑制しうる。このタイヤ48では、乗り心地が維持されうる。
このタイヤ48の製造方法では、並列された多数のコード68を緯糸72で編み列ねたすだれ織物が準備される。このすだれ織物にトッピングゴム70が貼り合わされて、シートが形成される。切断具を用いて、このシートに含まれる緯糸72が所定の切断ピッチで切断される。この工程において、緯糸72がその一部において切断される。このシートを裁断して、プライ66が形成される。プライ66がトレッド50、サイドウォール52等の他の部材と組み合わされ、ローカバー(未架橋タイヤとも称される。)が得られる。このローカバーが、モールドに投入される。ローカバーは、モールド内で加圧される。同時にローカバーは、加熱される。加圧と加熱とによりゴム組成物が流動する。加熱によりゴムが架橋反応を起こし、タイヤ48が得られる。
タイヤ48の製造に際して、第一プライ66a及び第二プライ66bの各形態はシート状からトロイダル状に変化する。前述したように、各プライ66に含まれる多数のコード68を編み列ねる緯糸72は、その一部において切断されている。このため、各コード68はプライ66の形態変化に追従して移動しうる。このタイヤ48では、各プライ66におけるコード68の並列状態に特異な部分は形成されない。各コード68に均一に力が掛かるので、このタイヤ48のカーカス56は耐久性の向上に寄与しうる。このタイヤ48は、耐久性に優れる。
前述したように、第一コード68aは3本の第一ヤーンを撚り合わせて形成される。これら第一ヤーンの撚り合わせの回数が、第一コード68aの撚り数である。第二コード68bは3本の第二ヤーンを撚り合わせて形成される。これら第二ヤーンの撚り合わせの回数が、第二コード68bの撚り数である。このタイヤ48では、この第一コード68aの撚り数は第二コード68bの撚り数よりも多い。このため、第二プライ66bの内側に位置する第一プライ66aにおいて、この第一コード68aの疲労破断が効果的に抑制されている。このタイヤ48の耐久性は、効果的に向上されている。
このタイヤ48では、第一コード68aの撚り数は、40回/10cm以上70回/10cm以下が好ましい。この撚り数が40回/10cm以上に設定された第一コード68aを含んだ第一プライ66aは、タイヤ48の耐久性に寄与しうる。この観点から、この撚り数は45回/cm以上がより好ましい。この撚り数が70回/10cm以下に設定された第一コード68aを含んだ第一プライ66aは、タイヤ48の剛性に適切に寄与しうる。このタイヤ48は、優れた乗り心地を損なうことなく操縦安定性に優れる。この観点から、この撚り数は65回/10cm以下がより好ましい。
このタイヤ48では、第二コード68bの撚り数は、30回/10cm以上60回/10cm以下が好ましい。この撚り数が30回/10cm以上に設定された第二コード68bを含んだ第二プライ66bは、タイヤ48の耐久性に寄与しうる。この観点から、この撚り数は35回/cm以上がより好ましい。この撚り数が60回/10cm以下に設定された第一コード68aを含んだ第一プライ66aは、タイヤ48の剛性に適切に寄与しうる。このタイヤ48は、優れた乗り心地を損なうことなく操縦安定性に優れる。この観点から、この撚り数は55回/10cm以下がより好ましい。
このタイヤ48では、耐久性の観点から、第一コード68aの撚り数と第二コード68bの撚り数との差は5回/10cm以上が好ましい。操縦安定性の観点から、この差は10回/10cm以下が好ましい。
図5において、点PBはタイヤ48の最大幅を示す位置である。両矢印線TBは、タイヤ48の、この点PBにおける厚みを表している。換言すれば、この両矢印線TBは、このタイヤ48の、最大幅を示す部分の厚みを表している。このタイヤ48の、最大幅を示す部分の厚みは薄い。薄い厚みは、タイヤ48の質量軽減に寄与しうる。
このタイヤ48では、厚みTBは5mm以上10mm以下である。この厚みTBが5mm以上に設定されることにより、タイヤ48の剛性が適切に維持されうる。このタイヤ48は、大きなコーナリングフォースが発生しうる。このタイヤ48は、操縦安定性に優れる。この観点から、この厚みTBは6mm以上がより好ましい。この厚みTBが10mm以下に設定されることにより、タイヤ48の質量への影響が抑制されうる。この観点から、この厚みTBは9mm以下がより好ましい。
図6において、角度γは、第一コード68aが赤道面に対してなす角度(傾斜角度)を表している。角度ηは、第二コード68bが赤道面に対してなす角度(傾斜角度)を表している。
このタイヤ48では、第一コード68aの傾斜角度γの絶対値は25°以上38°以下が好ましい。この角度γが25°以上に設定されたタイヤ48は、第一コード68aが赤道面に対して傾斜しているにもかかわらず耐久性に優れる。この観点から、この角度γは30°以上がより好ましい。この角度γが38°以下に設定されたタイヤ48は、第一コード68aが剛性向上に寄与しうるので、大きなコーナリングフォースを発生しうる。このタイヤ48は、操縦安定性に優れる。この観点から、この角度αは35°以下がより好ましい。
このタイヤ48では、第二コード68bの傾斜角度ηの絶対値は25°以上38°以下が好ましい。この角度ηが25°以上に設定されたタイヤ48は、第二コード68bが赤道面に対して傾斜しているにもかかわらず耐久性に優れる。この観点から、この角度ηは30°以上がより好ましい。この角度ηが38°以下に設定されたタイヤ48は、第二コード68bが剛性向上に寄与しうるので、大きなコーナリングフォースを発生しうる。このタイヤ48は、操縦安定性に優れる。この観点から、この角度βは35°以下がより好ましい。
このタイヤ48では、第一プライ66aのトッピングゴム70aの硬度は50以上80以下が好ましい。この硬度が50以上に設定されることにより、第一プライ66aがタイヤ48の剛性に適切に寄与しうる。このタイヤ48は、大きなコーナリングフォースを発生しうる。このタイヤ48は、操縦安定性に優れる。この観点から、この硬度は60以上がより好ましい。この硬度が80以下に設定されることにより、タイヤ48の剛性過大が抑制されうる。このタイヤ48では、乗り心地が維持されうる。この観点から、この硬度は70以下がより好ましい。
このタイヤ48では、第二プライ66bのトッピングゴム70bの硬度は50以上80以下が好ましい。この硬度が50以上に設定されることにより、第二プライ66bがタイヤ48の剛性に適切に寄与しうる。このタイヤ48は、大きなコーナリングフォースを発生しうるので、操縦安定性に優れる。この観点から、この硬度は60以上がより好ましい。この硬度が80以下に設定されることにより、タイヤ48の剛性過大が抑制されうる。このタイヤ48では、乗り心地が維持されうる。この観点から、この硬度は70以下がより好ましい。
このタイヤ48では、トレッド50の300%伸長時の引張応力は1.5MPa以上5.0MPa以下が好ましい。この引張応力が1.5MPa以上に設定されることにより、トレッド50がタイヤ48の剛性に適切に寄与しうる。このタイヤ48は、大きなコーナリングフォースを発生しうる。このタイヤ48は、操縦安定性に優れる。この観点から、この引張応力は2.0MPa以上がより好ましい。この引張応力が5.0MPa以下に設定されることにより、タイヤ48の剛性過大が抑制されうる。このタイヤ48では、乗り心地が維持されうる。この観点から、この引張応力は、4.0MPa以下がより好ましい。
本発明において、300%伸張時の引張応力は、「JIS−K 6251」の規定に準拠して、下記に示される条件で測定される。
引張試験機:東洋精機製作所の商品名「ストログラフT型」
試験片形状:ダンベル3号
引張速度:500mm/min
この試験片は、トレッド50から切り出される。切り出しが困難な場合は、トレッド50のゴム組成物と同一のゴム組成物からなるスラブから試験片が打ち抜かれる。温度が160℃である金型内でゴム組成物が10分間保持されることで、このスラブは得られる。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実施例1]
図1に示された基本構成を備え、下記表1に示された仕様を備えた実施例1の空気入りタイヤを得た。このタイヤサイズは、245/40R18である。このタイヤのカーカスは、第一プライ及び第二プライからなる。第一プライは、ポリエチレンナフタレート繊維からなる3本の第一ヤーンを撚り合わせて形成される第一コードを含んでいる。第一ヤーンの繊度は、1670dtexである。第一コードの撚り数は、40回/10cmである。第一コードの傾斜角度αは、70°である。第二プライは、ポリエチレンナフタレート繊維からなる3本の第二ヤーンを撚り合わせて形成される第二コードを含んでいる。第二ヤーンの繊度は、1670dtexである。第一コードの撚り数は、30回/10cmである。第二コードの傾斜角度βは、−70°である。タイヤの、最大幅を示す部分の厚みTAは、7mmである。各プライに含まれる多数のコードは、緯糸で編み列ねることなく並列されている。各プライは、緯糸を含んでいない。この緯糸を含んでいないことが、表中、「緯糸」の欄に「A」で示されている。
[実施例2及び3並びに比較例2及び3]
最大幅の厚みTAを下記表1の通りとした他は実施例1と同様にして、タイヤを得た。
[比較例1及び4]
各プライに含まれるコードを構成するヤーンの本数を下記表1の通りとした他は実施例1と同様にして、タイヤを得た。
[実施例4−6及び比較例5−8]
各プライに含まれるコードの撚り数を下記表2の通りとした他は実施例1と同様にして、タイヤを得た。
[実施例7及び8]
各プライに含まれるコードを構成するヤーンの繊度を下記表3の通りとした他は実施例1と同様にして、タイヤを得た。
[比較例9及び10]
各プライに含まれるコードの撚り数及びこのコードを構成するヤーンの繊度を下記表3の通りとした他は実施例1と同様にして、タイヤを得た。
[実施例9]
各プライがコードを編み列ねる緯糸を含んでいる他は実施例1と同様にして、タイヤを得た。このプライでは、緯糸は切断されていない。この緯糸が切断されていないことが、表3中、「緯糸の切断」の欄に「N」で示されている。
[実施例10]
各プライがコードを編み列ねる緯糸を含んでおり、この緯糸がその一部において切断されている他は実施例1と同様にして、タイヤを得た。表3中、「緯糸」の欄に、この緯糸を含んでいることが「B」で示されている。緯糸がその一部において切断されていることが、「緯糸の切断」の欄に「G」で示されている。
[耐久性評価]
試作タイヤがドラム耐久試験機のリムに装着されて、JIS D 4230の規格に準拠して高速耐久性が評価された。この評価結果が、比較例7を100とした指数値で表されている。この値が大きいほど、良好であることが示される。この結果が、下記の表1、表2及び表3に示されている。なお、リムは9.5J−18.0、内圧は200kPa、荷重は7.84kN、スリップ角は0°そして速度は100km/hとされた。
[コーナリングフォースの計測]
試作タイヤがコーナリング試験機のリムに装着されて、コーナリングフォースが計測された。この計測で得られるスリップ角とコーナリングフォースとの関係から得られるコーナリングパワーに基づいて、評価を行った。この評価結果が、比較例7を100とした指数値で表されている。この値が大きいほど、良好であることが示される。この結果が、下記の表1、表2及び表3に示されている。なお、リムは9.5J−18.0、内圧は200kPa、荷重は490kNそして速度は10km/hとされた。
[トラクション性能]
試作タイヤを、排気量が3000ccである乗用車(FR車)に装着した。なお、このタイヤの内圧を200kPaとした。リムのサイズは、9.5J−18.0である。この乗用車でサーキットコースを走行して、トラクション性能についてドライバーによる官能評価を行った。この結果が、比較例7を100とした指数値で表されている。この値が大きいほど、良好であることが示される。この結果が、下記の表1、表2及び表3に示されている。
[質量の評価]
タイヤの質量を計測した。この計測結果が、比較例7を100とした指数値で下記の表1、表2及び表3に示されている。この数値が小さいほど、軽量であることを表している。
Figure 0005615057
Figure 0005615057
Figure 0005615057
表1、表2及び表3に示されるように、実施例の空気入りタイヤは、比較例の空気入りタイヤに比べて評価が高い。実施例のタイヤは、操縦安定性及び耐久性に優れる。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
以上説明された空気入りタイヤは、種々の車両に装着されうる。
16、48・・・タイヤ
18、50・・・トレッド
20、52・・・サイドウォール
22、54・・・ビード
24、56・・・カーカス
40a、40b、40、66a、66b、66・・・プライ
44a、44b、44、68a、68b、68・・・コード
72a、72b、72・・・緯糸

Claims (9)

  1. 一対のビードと、両ビードの間に架け渡されたカーカスと、このカーカスの軸方向外側に位置する一対のサイドウォールとを備えており、
    このカーカスが、第一プライと、この第一プライの外側に位置する第二プライとを備えており、
    この第一プライが、並列された多数の第一コードを備えており、
    各第一コードが、赤道面に対して傾斜しており、
    この第一コードが、ポリエチレンナフタレート繊維からなる3本の第一ヤーンが撚られて形成されており、
    この第二プライが、並列された多数の第二コードを備えており、
    各第二コードが、赤道面に対して傾斜しており、
    この第二コードが、ポリエチレンナフタレート繊維からなる3本の第二ヤーンが撚られて形成されており、
    この第一コードの撚り数が、この第二コードの撚り数よりも多く、
    タイヤの、最大幅を示す部分の厚みが、5mm以上10mm以下であり、
    上記第一ヤーンの繊度が上記第二ヤーンの繊度と同等である空気入りタイヤ。
  2. 上記第一プライが、上記多数の第一コードを編み列ねる第一緯糸をさらに備えており、
    この第一緯糸が、その一部において切断されている請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 上記多数の第一コードが、緯糸で編み列ねることなく並列されている請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  4. 上記第二プライが、上記多数の第二コードを編み列ねる第二緯糸をさらに備えており、
    この第二緯糸が、その一部において切断されている請求項1から3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  5. 上記多数の第二コードが、緯糸で編み列ねることなく並列されている請求項1から3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  6. 上記カーカスの半径方向外側に位置するベルトをさらに備えており、
    このベルトが、赤道面に対して傾斜するベルトコードを含んでおり、
    このベルトコードが、アラミド繊維又はスチールからなり、
    このベルトコードの傾斜角度の絶対値が、18°以上28°以下であり、
    上記第一コードの傾斜角度の絶対値が、50°以上88°以下であり、
    上記第二コードの傾斜角度の絶対値が、50°以上88°以下である請求項1から5のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  7. 上記第一コードの傾斜角度の絶対値が、25°以上38°以下であり、
    上記第二コードの傾斜角度の絶対値が、25°以上38°以下である請求項1から5のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  8. 上記タイヤの、最大幅を示す部分の厚みが、7mm以上である請求項1から7のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  9. 上記第一ヤーンの繊度が、1670dtex以上2100dtex以下であり、
    上記第二ヤーンの繊度が、1670dtex以上2100dtex以下である請求項1から8のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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