JP5608974B2 - 車両用開閉体制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両に備えられる開閉体の制御装置に関し、詳しくは、直流モータによって駆動される車両用開閉体を低速で開閉開始するように制御する車両用開閉体制御装置に関する。
車両には、サンルーフ、パワーウィンドウ、サンシェードなど種々の開閉体が装備されている。それら開閉体はモータによって作動されており、モータの回転駆動力がワイヤ、アーム等を介して開閉機構に伝達されることにより開閉体が開閉移動される。車両用の開閉体の駆動には、低コストで制御が容易な直流モータが多用されている。そして、さまざまな環境条件、走行条件等の下で負荷の大きさが変化しても確実に開閉体を作動させることができるように、一般に発生トルクの大きな直流モータが使用されている。
直流モータは大きなトルクを発生するという特長があるが、直流モータに単に規定の電圧を印加して開閉体を駆動した場合には、開閉開始時に急に大きなトルクが発生するため滑らかな起動ができないという問題があった。また、開閉体の速度が速くなるため、操作スイッチによる微小な開閉コントロールが容易でないという問題があった。
従来、上記のような問題を解決するために開閉体の速度制御方法が提案されている。
パワーウィンドウについて、従来例では、窓ガラスの開閉開始時の操作スイッチによる微小な開閉コントールを容易にし、窓ガラスの高速起動や急停止によって発生する音を防止するため、車両の走行状況に応じて窓ガラスの開閉開始及び開閉終了時の速度を低下させる制御装置が知られている(特許文献1を参照)。
また、他の従来例では、窓ガラスの開閉開始時にモータに所定時間だけ一定の起動電圧を印加した後、窓ガラスの開閉速度を所定の加速目標速度とするように階段状にモータの速度制御が行われる(特許文献2を参照)。
特開平7−18947号公報 実用新案登録第2577092号公報
パワーウィンドウの制御についての前記従来例では、図6に示すように、操作スイッチが投入されて開閉指示が与えられると開閉体を緩やかに加速(スローアップ制御)した後所定の速度で移動させ、全開・全閉時等には減速(スローダウン制御)して停止させるような制御が行われている。このスローアップ制御によって、発生トルクの大きなモータが使用されていても開閉開始時には低速で作動させることができる。
しかしながら、直流モータを小型化して開閉体を低い速度から開閉開始させようとすると、開閉体の静止摩擦が大きい場合に直流モータの起動トルクが不足して起動できないという問題点がある。一方、小型のモータの起動を確実にするために起動時に大きな駆動電力を供給した場合には、開閉体が急速に高速作動するためスローアップ制御が困難であるという問題があった。
また、前記他の従来例では、窓ガラスの位置によって、起動時に所定時間だけ一定の起動電圧を印加する制御が行われている。
しかし、同じ開閉体であっても環境条件等によって起動負荷が変動するため、予定された滑らかな加速が実現されないという問題点、小型のモータを使用した場合に起動トルクが十分に得られないという問題点がある。また、開閉体の位置を基準にして制御モードが定められるため、その位置や開閉方向に関わらず開閉体を低速から起動する制御は考慮されていない。
車両の開閉体の駆動に用いられるモータは可能な限り小型軽量であることが望まれる。しかし、モータの起動に要するトルクは開閉体の静止摩擦に依存する。静止摩擦は、開閉体や案内部材等の経年変化ばかりでなく、温度や氷結等環境条件の変化によっても変化するため、開閉体を再起動するときの負荷が変動する。このため、とくにサンルーフ、サンルーフ部のサンシェード、可動ルーフ等、重量が重く静止摩擦も大きな開閉体を確実に起動して低速から開閉開始するには発生トルクの大きな直流モータを使用する必要があり、直流モータを小型化することが困難であった。
さらに、最近では車両に備えられた開閉体の作動に高級感が求められるようになり、このために開閉体の起動を滑らかにし、開閉速度のスローアップ制御やスローダウン制御を幅広く適用することが必要となっている。
本発明は、上記の問題に鑑み、小型の直流モータを使用した場合にも車両用開閉体を確実に起動して低速で開閉開始することができ、スローアップ制御により操作性及び高級感に優れた開閉体の作動を行うことができる車両用開閉体制御装置を提供することを目的とする。
本発明は、以下の通りである。
1.車両に装備される開閉体を直流モータによって駆動し、該開閉体を低速で開閉開始してその後定常移動するように制御する車両用開閉体制御装置であって、該直流モータの駆動電圧を制御するための駆動信号を送出する制御手段と、該駆動信号に応じて該直流モータに該駆動電圧を印加する駆動回路と、該直流モータの回転に応じた回転信号を該制御手段に出力する回転センサと、を備え、該制御手段は、操作スイッチからの開閉指示を受けてから所定数の該回転信号を検出するまでの起動期間においては該駆動電圧を該開閉体の定常移動時の駆動電圧よりも高い該直流モータの略定格電圧とし、該起動期間終了時に該駆動電圧を低減することによって該開閉体を該低速で開閉開始させることを特徴とする車両用開閉体制御装置。
2.前記制御手段は、前記起動期間の長さによって該起動期間終了時の前記駆動電圧を設定する前記1.記載の車両用開閉体制御装置。
3.前記制御手段は、前記起動期間終了時の前後で前記開閉体の速度が略同一となるように該起動期間終了時に前記駆動電圧を低減する前記1.又は2.に記載の車両用開閉体制御装置。
4.前記開閉体は、パワーウィンドウ又はサンシェードのいずれかである前記1.乃至3.のいずれかに記載の車両用開閉体制御装置。
5.前記開閉体は、サンルーフ又は可動ルーフのいずれかである前記1.乃至3.のいずれかに記載の車両用開閉体制御装置。
直流モータを起動してから所定数の回転信号を検出するまでの起動期間においては該直流モータの駆動電圧を該開閉体の定常移動時の駆動電圧よりも高い該直流モータの略定格電圧とし、該起動期間終了時に該駆動電圧を低減することによって該開閉体を該低速で開閉開始させるように制御する本発明の車両用開閉体制御装置によって、開閉体の起動負荷が大きい場合にも起動期間において直流モータに十分な駆動電力を供給することができるため、小型の直流モータの性能をフルに活用して開閉体を確実に起動することができる。そして、起動期間終了時に駆動電力を低減することにより開閉体を低速からスローアップ制御することができるので、開閉の操作性がよく高級感のある開閉動作を実現することができる。
前記起動期間の長さによって前記起動期間終了時の前記駆動電圧を設定すれば、直流モータの起動後所定の回転が確認されるまでの時間によって負荷の大きさを判断し、負荷の大きさに応じた値に駆動電圧を低減することができるため、開閉体を確実に低速から作動させることができる。
さらに、前記起動期間終了時の前後で前記開閉体の速度が略同一となるように該起動期間終了時に前記駆動電圧を低減すれば、開閉体の開閉開始の作動をより滑らかにすることができる。
本車両用開閉体制御装置をパワーウィンドウ又はサンシェードのいずれかに適用すれば、その開閉体を駆動するために使用する直流モータを従来に比べて小型化することができるとともに、操作性及び高級感に優れた開閉動作を実現することができる。
また、本車両用開閉体制御装置をサンルーフ、可動ルーフのいずれかに適用すれば、その開閉体の質量が大きく静止摩擦が大きい場合であっても確実に起動でき、使用する直流モータを小型化することができるとともに、操作性及び高級感に優れた開閉動作を実現することができる。
本発明の車両用開閉体制御装置は、車両に装備される開閉体を直流モータを使用して駆動し、開閉体を低速で開閉開始させる速度制御であって、起動期間に大きな駆動電力を直流モータに供給することにより確実に起動させ、然る後に駆動電力を低減して、開閉体の静止摩擦が大きい場合であっても開閉体を低速で開閉開始させることを特徴とする。
上記起動期間は、操作スイッチが投入されることによって開閉指示がされてから直流モータが所定の回転をしたことが確認されるまでの短い時間である。当該起動期間の制御動作を、以下、「起動フェーズ」という。この起動期間の後に実行される速度制御として、開閉体を低速から緩やかに加速させるスローアップ制御が挙げられるが、起動期間の終了後に開閉体の開閉速度を変化させる態様は特に限定されるものではない。
本車両用開閉体制御装置の制御対象である開閉体は、車両に装備され直流モータによって駆動されるあらゆる開閉体とすることができる。例えば、窓ガラスを昇降させるパワーウィンドウ、サンルーフ部や窓部に設けられる電動式のサンシェード等が挙げられる。
また、車両のルーフに開口部を設けたサンルーフ、車両ルーフの全体又は一部を電動で開閉する可動ルーフ(格納式ルーフ)等、質量や静止摩擦が大きい開閉体に適用することができる。
(構成)
本車両用開閉体制御装置は図1に示すように構成され、車両用の開閉体8は直流モータ1によって駆動される。本車両用開閉体制御装置は、少なくとも直流モータ1を制御するための制御手段7、駆動回路5及び回転センサ2を備える。
本車両用開閉体制御装置を構成する内部回路には、車両のバッテリから給電を受ける電源回路(図示せず)によって、所定の電圧により必要な電力が供給される。
直流モータ1は、駆動回路5によりモータ用電源3から電力の供給を受けることによって回転し、その回転駆動により開閉体8を開閉動作させる。モータ用電源3は、前記電源回路によって生成される直流電源であり、電圧値は使用する直流モータ1の定格に応じて決められる(例えばDC12〜15V)。
直流モータ1の定格電圧とは、本来最も効率のよい出力と回転数(定格出力、定格回転数)で直流モータ1を運転するために必要な電圧であり、直流モータ1を駆動する基準となる電圧である。
回転センサ2は、直流モータ1の回転状態を検出するために備えられる。好適には、モータの軸とともに回転する磁石による磁界の変化を複数のホール素子で検出することにより、直流モータ1の一定の回転角毎にパルス状の回転信号を出力するように構成することができる。モータの回転を検出することが可能であれば、エンコーダその他公知の手段を用いた回転センサを使用してもよい。回転センサ2は、直流モータ1の回転と同期した回転信号rを制御手段7へ出力する。
開閉体8の開閉(移動)速度は直流モータ1の回転速度に略比例するため、制御手段7は回転信号rの周期によって直流モータ1の回転速度を計測し、開閉体8の移動速度を求めることができる。また、開閉体8の移動量は直流モータ1が回転した数に略比例するため、回転信号rの数をカウントすることによって開閉体8の移動距離又は位置を算出することができる。
なお、直流モータ1の回転方向を検出するために複数の回転センサを設けてもよいし、開閉体8の位置を検出するために開閉体の位置センサが別途に設けられてもよい。
制御手段7は、本車両用開閉体制御装置による制御を掌るものである。その制御機能はハードウェア、ソフトウェアのいずれによって実現されてもよく、好適には、CPU、メモリ(ROM、RAM)、入出力回路等を備えるマイクロコントローラ(マイクロコンピュータ)及び周辺回路によって構成することができる。これに限らず、プログラム可能な論理回路、ゲートアレーその他の論理回路によって構成されてもよい。
制御手段7には、車両のユーザが開閉体8を開又は閉動作させるために備えられた操作スイッチ6の信号が接続され、制御手段7は操作スイッチ6からの開閉指示を受ける。本発明においては開閉体の開閉の指示を受けることができればよいので、操作スイッチ6の構成や機能は任意である。例えば、図1において「開」又は「閉」スイッチ(6a、6b)が投入されたとき、制御手段7は開閉指示を受け取る。制御手段7は、その開閉指示が「開」又は「閉」のいずれの指示であるかに基づき、直流モータ1を正回転させるための正転信号又は逆回転させるため逆転信号を極性切換回路4へ出力する。
また、制御手段7には、回転センサ2から出力される回転信号rが入力される。回転信号rの周期(間隔)によって直流モータ1の回転速度を計測するため、制御手段7はタイマを備える。
制御手段7は、直流モータ1に対する駆動電圧を制御するため、駆動回路5に駆動信号dを出力する。好適には、パルス幅変調(PWM)制御によって直流モータ1に対する駆動電圧を制御することができる。PWM制御は、デューティ比(パルス信号の周期に対するオン時間の比)を変えることによりモータに印加する電圧の平均値を変化させ、それによってモータの回転速度を変化させる制御方法であり、制御手段7によりパルス幅変調された駆動信号dが駆動回路5に送られる。
駆動回路5は、極性切換回路4を介して直流モータ1と直列に接続される。トランジスタ、FET等によって構成され、制御手段7から出力される駆動信号dに対応して直流モータ1に駆動電圧を印加する回路である。駆動電圧の大きさを変化させることにより直流モータ1へ供給される駆動電力が調整される。
PWM制御においては、駆動信号dによって駆動回路5を構成するトランジスタ等スイッチ素子がスイッチングされることにより、モータ用電源3が断続的に直流モータ1に印加される。この駆動信号dのデューティ比に応じて直流モータ1に印加される電圧が変化するため、直流モータ1の駆動電力が調整される。
極性切換回路4は、直流モータ1への電力供給の極性を切り換える回路であり、制御手段7から正転信号が出力されたときは直流モータ1が正回転するように電力を供給し、逆転信号が出力されたときは直流モータ1が逆回転するように電力を供給する。この極性切換回路4はリレーを用いて構成することができる。また、駆動用ICやFET回路等を用いて駆動回路5と一体で構成されてもよい。
(制御及び動作)
次に、本車両用開閉体制御装置の制御動作について説明する。本車両用開閉体制御装置による制御は、直流モータ1の起動時に、図2に示すような起動フェーズを備えることを特徴とする。図2では、起動フェーズの後、開閉体8を低速から緩やかに加速し(加速フェーズ)、一定の速度で移動させた後減速する動作の例を示す。通常、操作スイッチによって設定される自動、手動等の開閉モードや操作スイッチの投入解除による開閉中止等については、本発明に関係しないため考慮しないこととする。
本車両用開閉体制御装置による上記起動フェーズ及び加速フェーズの動作は、開閉体8を全閉状態から開方向に動かす場合又は全開状態から閉方向に動かす場合に限らず、全閉と全開の間の位置にある開閉体を開又は閉方向に動かす場合にも適用することができる。開閉体の移動距離は、回転信号rの数によって制御することができる。必要な場合には、開閉体8の位置センサを別途に備えることによって開閉体の位置が直接に検出されてもよい。
図2の横軸は、操作スイッチ6が投入されることにより開閉指示がされてからの時間Tである。また、図2の縦軸は、直流モータ1に供給される駆動電圧Vを表す。
PWM制御では駆動電圧Vはデューティ比に対応する。したがって、図2の縦軸はデューティ比に対応している。通常の動作(図2においては破線で示す動作)においては、目標とする直流モータ1の回転速度に対応するデューティ比によって駆動することにより、直流モータ1の回転速度を制御することができる。
図3を参照して上記起動フェーズにおける制御を説明する。電圧Vは直流モータ1へ印加される駆動電圧であり、回転信号rは直流モータ1の回転に伴って回転センサ2から出力される信号を表す。
先ず、操作スイッチ6が投入されて開閉指示が与えられると、極性切替回路4によって直流モータ1の回転方向が設定された後、駆動回路5によって駆動電圧VD0が供給される(T=0)。駆動電圧VD0は、直流モータ1の定格電圧に略等しい値とすることができる。開閉体8の質量及び静止摩擦が大きい場合であっても、その負荷に見合った起動トルクを得るため、起動フェーズの間、直流モータ1に駆動電圧VD0が印加される。駆動回路5を駆動するPWM信号は、起動フェーズの間、この駆動電圧VD0に対応するデューティ比とすればよい。
駆動電圧VD0が印加されると、直流モータ1に大きなトルク(起動トルク)が発生する。起動後、直流モータ1には大きな起動電流が流れ、その後電流値は漸減する。起動フェーズの間、略定格電圧が印加されることにより十分な駆動電力が直流モータ1に供給され、直流モータ1の性能をフルに活用することが可能になる。
直流モータ1が回転を開始すると回転センサ2から回転信号r、r、r・・・が出力されるため、制御手段7は直流モータ1の回転が開始されたことを確認することができる。制御手段7は所定の数nの回転信号を検出したとき、起動フェーズを終了させる(t)。例えば、回転センサ2が直流モータ1の1回転当たり4個の回転信号rを出力する場合、12個の回転信号を検出したとき、すなわち直流モータ1が3回転したときに起動フェーズが終了される。起動フェーズの期間(T=0〜t)は、数十〜数百ms程度とすることができる。
上記所定の数nは、起動時の負荷及びその変動範囲、直流モータ1の特性等によって適切に定められればよい。
ただし、起動フェーズの開始後、直流モータ1の負荷が軽いと判断される場合には、起動フェーズの終了時まで直流モータ1に略定格電圧VD0を印加し続ける必要はなく、駆動電圧を順次低減することも可能である。起動フェーズの開始後に到来する回転信号rの間隔(周期)は、制御手段7に備えられるタイマによって計時することができる。直流モータ1の回転速度(単位時間当りの回転数)もこれによって求められる。したがって、制御手段7は、起動フェーズを開始してから所定の時間よりも早く回転速度が所定の値に達した場合には直流モータ1の負荷が小さいと判断できるため、起動フェーズの途中で駆動電圧を略定格電圧から順次減らすように制御してもよい。
次に、起動フェーズ終了時の制御について説明する。
図3に示すように、制御手段7は起動フェーズの終了時に直流モータ1の駆動電圧をVDSに低減することにより、開閉体8が低速で移動するように制御する。制御手段7は、駆動信号dを駆動電圧VDSに対応するデューティ比に変更すればよい。
起動フェーズ終了時に駆動電圧をVD0からVDSに低減させても、直流モータ1及び開閉体8の慣性によって直流モータ1が停止することはなく、開閉体を低い速度で移動させることが可能な状態を得ることができる。
駆動電圧VDSの値は、負荷の大きさや直流モータ1の特性等によって、例えば定格電圧の30〜50%程度の範囲で適切に定めることができる。
上記の起動フェーズ終了時の駆動電圧VDSは、起動フェーズに引き続く速度制御の初期値となる。起動フェーズの終了後は、別途定められる速度制御パターンに従って制御を行うことができる。速度制御パターンとは、開閉体8の移動速度、すなわち直流モータ1の回転速度の時間的変化のパターンである。制御手段7は、メモリに格納された速度制御パターンに従って、当該速度に対応する駆動電圧を供給するように制御することができる。
例えば、図3の加速フェーズに示すように、起動フェーズの終了時に駆動電圧をVDSに設定し、その後駆動電圧を漸増させることによって直流モータ1の回転速度を緩やかに上昇(スローアップ)させることができる。具体的には、制御手段7は目標とする回転速度に対応するようにPWM信号のデューティ比を調整すればよい。例えば、起動フェーズにおいて直流モータ1に略定格電圧を印加するためのデューティ比が0.7であった場合、起動フェーズの終了時にデューティ比を0.3に低減し、加速フェーズにおいて0.4〜0.5程度まで漸増させることによって、開閉体8を低速で開閉開始させることができる。
上記の起動フェーズ終了時の駆動電圧VDSの値は、あらかじめ定めた値とすることもできるし、直流モータ1の回転が立ち上がるまでの時間、すなわち起動フェーズの長さによって調整するようにしてもよい。
前記の通り、制御手段7は起動フェーズの開始後に到来する回転信号rの周期を計時することができ、起動フェーズを開始してから所定数の回転信号を検出するまでの時間を計測することができる。そして、この時間が所定の時間より短い場合には直流モータ1の負荷が小さく、長い場合には負荷が大きいと判断することができるため、負荷の軽重に応じて起動フェーズ終了時の駆動電圧を設定し、また、それ以後の速度制御パターンを選択することも可能となる。
例えば、図4(a)に示すように、r〜rのn個の回転信号rが受け取られたときに起動フェーズを終了し(tS1)、直流モータ1の駆動電圧VをVDS1に設定して加速フェーズに移行する。これに対して、同図(b)に示すように、n個の回転信号rが前記tS1よりも短い時間(tS2)内に受け取られた場合には、負荷が軽いと判断して前記VDS1よりも小さい駆動電圧VDS2に設定して加速フェーズに移行することができる。さらに、負荷の軽重に応じて、引き続く加速フェーズにおいて駆動電圧を漸増する比率を変えることもできる。これらの制御によって、開閉体8の質量や静止摩擦の大きさ及びその変化に関わらず、開閉体8を低速から確実に加速することができる。
また、上記の起動フェーズ終了時の駆動電圧VDSの値は、直流モータ1の回転速度が起動フェーズの終了前後で大きく変化しないように調整されてもよい。制御手段7は、起動フェーズに到来する回転信号rの周期を計測することによって起動フェーズ終了時の直流モータ1の回転速度を知ることができるので、起動フェーズ終了の前後で直流モータ1の回転速度が大きく変化しないように駆動電圧VDSの値を調整することが可能である。制御手段7は、例えば起動フェーズ終了時の回転速度に応じてあらかじめ定められた駆動電圧VDSに設定してもよいし、起動フェーズ終了後に回転信号rの周期によって駆動電圧を調整するようにしてもよい。
(制御方法)
図5は、本車両用開閉体制御装置の起動フェーズにおける制御方法の一例を示すフローチャートであり、制御手段7はPWM制御により直流モータ1を制御する。
開閉体8が全閉状態で開スイッチ6aが押されたとき又は開閉体8が全開状態で閉スイッチ6bが押されたとき、又は開閉体8が中間位置にあるときにいずれかのスイッチが押されたとき、開閉指示がされる(S10、S11)。
開閉指示が開閉体を開方向に移動させるか閉方向に移動させるかによって、極性切換回路4に正転信号又は逆転信号を出力して直流モータ1の回転方向を設定する(S12)。
次に、直流モータ1の略定格電圧である駆動電圧VD0を供給するためのデューティ比Dによって駆動信号dを出力する(S13)。これによって直流モータ1が起動される。駆動信号dは、起動フェーズの間デューティ比Dによって出力される。
上記駆動を開始すると同時にタイマをスタートさせて計時を開始する(S14)。直流モータ1が回転を開始することにより回転センサ2から出力される回転信号rを検出し(S15)、回転信号rの数をカウントして直流モータ1が所定回数だけ回転するまで待つ(S16)。
上記タイマにより所定数nの回転信号rが検出されるまでに要した時間(t)を計測し、前記の通り、その時間によって起動フェーズ終了時における直流モータ1の駆動電圧VDSを設定することができる。具体的には、その駆動電圧VDSに対応するデューティ比Dを選定する(S17)。例えば、上記時間tが500msであった場合にはデューティ比をDS1、200msであればDS2と選定する(DS1>DS2)。
そして、選定されたデューティ比Dにより駆動信号dを出力する(S18)。
以上の起動フェーズに続く加速フェーズにおいては、デューティ比を時間とともに増すことによって駆動電圧を増し、それに伴って直流モータ1の回転速度を上昇させて開閉体8を加速することができる。
直流モータ1の起動後、起動フェーズ(起動期間)は数十〜数百ms、加速フェーズの時間は数秒程度とすることができる。
本発明の車両用開閉体制御装置の構成を示すブロック図である。 本車両用開閉体制御装置による起動フェーズ及びその後の直流モータの駆動電圧の制御パターン例を説明するためのグラフである。 本車両用開閉体制御装置の起動フェーズにおける制御動作を説明するためのグラフである。 本車両用開閉体制御装置の起動期間の長さによって起動フェーズ終了時の駆動電圧を設定する制御例を説明するためのグラフである。 本車両用開閉体制御装置の起動フェーズにおける制御例を示すフローチャートである。 従来の車両用開閉体の速度制御パターン例を示すグラフである。
符号の説明
1;直流モータ、2;回転センサ、3:モータ用電源、4;極性切換回路、5;駆動回路、6;操作スイッチ、7;制御手段、8;開閉体、d;駆動信号、r;回転信号、V;駆動電圧。

Claims (5)

  1. 車両に装備される開閉体を直流モータによって駆動し、該開閉体を低速で開閉開始してその後定常移動するように制御する車両用開閉体制御装置であって、
    該直流モータの駆動電圧を制御するための駆動信号を送出する制御手段と、
    該駆動信号に応じて該直流モータに該駆動電圧を印加する駆動回路と、
    該直流モータの回転に応じた回転信号を該制御手段に出力する回転センサと、
    を備え、
    該制御手段は、操作スイッチからの開閉指示を受けてから所定数の該回転信号を検出するまでの起動期間においては該駆動電圧を該開閉体の定常移動時の駆動電圧よりも高い該直流モータの略定格電圧とし、該起動期間終了時に該駆動電圧を低減することによって該開閉体を該低速で開閉開始させることを特徴とする車両用開閉体制御装置。
  2. 前記制御手段は、前記起動期間の長さによって該起動期間終了時の前記駆動電圧を設定する請求項1記載の車両用開閉体制御装置。
  3. 前記制御手段は、前記起動期間終了時の前後で前記開閉体の速度が略同一となるように該起動期間終了時に前記駆動電圧を低減する請求項1又は2に記載の車両用開閉体制御装置。
  4. 前記開閉体は、パワーウィンドウ又はサンシェードのいずれかである請求項1乃至3のいずれかに記載の車両用開閉体制御装置。
  5. 前記開閉体は、サンルーフ又は可動ルーフのいずれかである請求項1乃至3のいずれかに記載の車両用開閉体制御装置。
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