JP5608969B2 - 化合物半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、窒化物半導体等を用いた化合物半導体装置及びその製造方法等に関する。
近年、基板上に、窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)/GaNヘテロ構造を結晶成長し、GaN層を電子走行層として機能させる電子デバイスの開発が活発に行われている。このような電子デバイスとしては、例えば、高電子移動度トランジスタ(HEMT:high electron mobility transistor)が知られている。GaNのバンドギャップは3.4eVであり、GaAsの1.4eVと比較して大きい。このため、GaNは、高耐圧の電子デバイスを実現しうる半導体材料として期待されている。
そして、HEMTの基板の材料としては、炭化珪素(SiC)及び窒化ガリウム(GaN)が好適であると考えられている。これは、SiC及びGaNの格子定数がGaN系結晶の格子定数に近く、転位が少ないGaN系結晶層を成長しやすいからである。しかし、現状では、SiC基板及びGaN基板の作製は容易ではなく、これらの基板の価格が高い。無線LAN(local area network)及び携帯電話の基地局用増幅器には、普及しやすくするために、低コスト化が求められている。更に、民生応用の電力用途デバイスにおける低コスト化の要求もある。
そこで、SiC基板及びGaN基板に代わる基板として、これらよりも安価なサファイア基板及びシリコン(Si)基板の使用についての検討も行われている。
しかしながら、従来の方法でサファイア基板及びシリコン(Si)基板上に転位が少ないGaN系結晶層を成長させることは困難である。また、サファイア基板の熱伝導性は低く、GaN系結晶層を含むHEMT等から発生する熱を逃がし難い。このため、サファイア基板をHEMTの基板に用いると、電流・電圧積の大きい高パワー領域において自己発熱効果により、出力が低下しやすくなってしまう。また、Si基板においても、SiC基板に比較すると、その上部に形成されたGaN系HEMTの素子特性は熱の影響で低下してしまう。
特開2007−250727号公報 特開2006−351762号公報 特開2005−167275号公報 特開2007−158274号公報
本発明の目的は、安価な基板を用いて製造することができ、良好な特性を得ることができる化合物半導体装置及びその製造方法を提供することにある。
本願発明者は、上記課題を解決すべく、鋭意検討を重ねた結果、以下に示す発明の諸態様に想到した。
化合物半導体装置の一態様には、第1導電型の第1の半導体層と、前記第1の半導体層上に形成され、空乏化された第2導電型の第2の半導体層と、前記第2の半導体層上に形成された第3の半導体層と、が設けられている。更に、前記第3の半導体層上に形成された活性層と、前記活性層上に形成された電極層と、が設けられている。前記第1の半導体層は、p型GaN層であり、前記第2の半導体層は、n型GaN層である。
化合物半導体装置の製造方法の一態様では、基板上に分離層を形成し、その後、前記分離層上に第1導電型の第1の半導体層を形成する。次に、前記第1の半導体層上に、空乏化された第2導電型の第2の半導体層を形成する。次に、前記第2の半導体層上に、第3の半導体層を形成する。次に、前記第3の半導体層上に、活性層を形成する。次に、前記活性層上に、電極層を形成する。そして、前記分離層を除去することで基板を除去する。前記第1の半導体層は、p型GaN層であり、前記第2の半導体層は、n型GaN層である。
上記の化合物半導体装置等によれば、サファイア基板等の安価な基板を用いても良好な結晶性の活性層を得ることができる。従って、良好な特性を得ることができる。また、化合物半導体装置の外部への電流の漏れ出しを抑制することもできる。
(第1の実施形態)
先ず、第1の実施形態について説明する。図1は、第1の実施形態に係るGaN系HEMT(化合物半導体装置)実装体の構造を示す断面図である。
第1の実施形態では、図1(a)に示すように、p型GaN層2上にn型GaN層3が形成され、n型GaN層3上にアンドープのGaN層4が形成されている。例えば、p型GaN層2の厚さは0.5μm程度であり、p型GaN層2には、Mgが1×1018〜1×1020/cm3の濃度で含まれている。例えば、n型GaN層3の厚さは0.5μm程度であり、n型GaN層3には、Siが1×1016〜1×1018/cm3の濃度で含まれている。そして、本実施形態では、pn接合間の拡散電位により、n型GaN層3が空乏化されている。また、アンドープのGaN層4の厚さは、例えば30μm〜100μm程度である。また、本実施形態では、GaN層4上に活性層5及び電極層6がこの順で形成されている。活性層5及び電極層6の詳細については、図1(b)を参照しながら説明する。
第1の実施形態におけるHEMT1には、これらのp型GaN層2、n型GaN層3、GaN層4、活性層5及び電極層6が含まれており、このHEMT1がペースト22により実装基板21に実装されている。例えば、実装基板21は金属製であり、ペースト22はAuSnペーストである。
ここで、活性層5及び電極層6について説明する。図1(b)に示すように、GaN層4上に、電子走行層7、電子供給層8及び保護層9が形成されている。電子走行層7は、例えば、厚さが1μm〜3μm程度のアンドープのGaN層である。電子走行層7は極力、不純物の少ないGaNが好ましい。電子供給層8は、例えば、厚さが10nm〜30nmのn型AlGaN層である。電子供給層8の上部又は下部に付加的にアンドープのAlGaN層を配置してもよい。保護層9は、例えば厚さが3nm〜8nm程度のn型GaN層である。n型AlGaN層及びn型GaN層には、例えば1×1018〜5×1018/cm3のキャリア濃度でSiを不純物としている。保護層9には、ソース電極用の開口部及びドレイン電極用の開口部が形成されており、これらの開口部内にソース電極11s及びドレイン電極11dが夫々形成されている。ソース電極11s及びドレイン電極11dには、チタン(Ti)膜とその上に形成されたアルミニウム(Al)膜とが含まれている。また、保護層9上にソース電極11s及びドレイン電極11dを覆うSiN膜10が形成されている。SiN膜10には、ゲート電極用の開口部10aが形成されている。そして、開口部10a内からSiN膜10上まで拡がるゲート電極11gが形成されている。ゲート開口部を設けないでゲート電極11gを形成してもよい。ゲート電極11gには、ニッケル(Ni)膜とその上に形成された金(Au)膜とが含まれており、ゲート電極11gは保護層9にショットキー接合されている。電子走行層7、電子供給層8及び保護層9が活性層5に含まれ、ソース電極11s、ドレイン電極11d、ゲート電極11g及びSiN膜10が電極層6に含まれている。
なお、電極層6のレイアウトは、例えば図2のようになる。つまり、ゲート電極11g、ソース電極11s及びドレイン電極11dの平面形状が櫛歯状となっており、ソース電極11s及びドレイン電極11dが交互に配置されている。そして、これらの間にゲート電極11gが配置されている。このようなマルチフィンガーゲート構造を採用することにより、出力を向上させることができる。なお、図1(b)に示す断面図は、図2中のI−I線に沿った断面図である。また、活性層5の周囲がイオン注入又はメサエッチング等により不活性領域とされている。例えば、不活性領域には、例えば、保護層9、電子供給層8及び電子走行層7を貫いてGaN層4まで達する溝内に埋め込まれた絶縁膜が含まれている。
このような第1の実施形態では、ウルツ鉱型結晶配置による自発分極効果に加え、電子供給層8の電子走行層7との界面近傍に、格子歪みに起因するピエゾ分極効果が生じる。このため、正の分極電荷が現れ、電子走行層7の電子供給層8との界面近傍に電子が誘起される。この結果、2次元電子ガス層(2DEG)が現れる。
また、GaN層4の活性層5とは逆側にn型GaN層3及びp型GaN層2が設けられている。このため、活性層5に高電界が印加されて、バッファ層として機能するGaN層4の下部まで電流20が流れ込んだとしても、図3に示すように、この電流20が実装基板21まで漏れ出すことが抑制される。
次に、第1の実施形態に係るGaN系HEMT(化合物半導体装置)実装体を製造する方法について説明する。図4A乃至図4Eは、第1の実施形態に係るGaN系HEMT(化合物半導体装置)実装体の製造方法を工程順に示す断面図である。
第1の実施形態では、先ず、図4Aに示すように、サファイア基板31上にアンドープのAlN(窒化アルミニウム)層32を分離層として形成する。AlN層32の厚さは、例えば1μm程度とする。次いで、AlN層32上に、p型GaN層2、n型GaN層3、及びアンドープのGaN層4をこの順で形成する。AlN層32、p型GaN層2、n型GaN層3、及びGaN層4の形成方法は特に限定されず、例えばハイドライド気相成長(HVPE:hydride vapor phase epitaxy)により形成する。分子線エピタキシー(MBE:molecular beam epitaxy)法又は有機金属化学気相成長(MOCVD:metal organic chemical vapor deposition)法により形成してもよいが、HVPE法が高速成長の点で優れている。本実施形態では、厚さが30μm〜100μm程度のGaN層4を形成するため、高速成長が可能な方法が好ましい。
その後、GaN層4上に活性層5及び電極層6を形成する。ここで、活性層5及び電極層6を形成する方法について説明する。図5A乃至図5Eは、活性層5及び電極層6の形成方法を工程順に示す断面図である。
先ず、図5Aに示すように、GaN層4上に、電子走行層7、電子供給層8及び保護層9をこの順で形成する。電子走行層7、電子供給層8及び保護層9の形成方法は特に限定されず、例えば減圧式のMOCVD法、HVPE法又はMBE法等により形成する。
減圧式のMOCVD法によりこれらの層を形成する場合、例えば、原料ガスとしてトリメチルアルミニウム、トリメチルガリウム、及びアンモニアガスを用いる。また、形成しようとする層の組成に応じて、Al源であるトリメチルアルミニウム、及びGa源であるトリメチルガリウムの供給の有無及び流量を適宜設定する。また、共通原料であるアンモニアガスの流量は、例えば100cc/分〜10リットル/分とする。また、例えば、成長圧力は6.7kPa〜40kPa(50Torr〜300Torr)程度とし、成長温度は1000℃〜1200℃程度とする。また、電子供給層8としてn型AlGaN層を形成する場合、及び保護層9としてn型GaN層を形成する場合には、上記の原料ガスと共に、希釈したシラン(SiH4)を数cc/分の流量で供給する。この結果、n型AlGaN層及びn型GaN層にSiが添加される。
電子走行層7、電子供給層8及び保護層9を形成した後には、保護層9上に、ソース電極11s及びドレイン電極11dを形成する予定の領域を開口するレジストパターンを形成する。次いで、レジストパターンをマスクとして用いて、保護層9のエッチングを行うことにより、図5Bに示すように、保護層9に、ソース電極用の開口部及びドレイン電極用の開口部を形成する。このエッチングとしては、例えば塩素系ガスを用いたドライエッチングを行う。なお、これらの開口部の深さに関し、保護層9の一部を残してもよく、また、電子供給層8の一部を除去してもよい。つまり、開口部の深さが保護層9の厚さと一致している必要はない。その後、これらの開口部内に、夫々ソース電極11s及びドレイン電極11dをリフトオフ法により形成する。ソース電極11s及びドレイン電極11dの形成では、Ti及びAlの蒸着を行い、その後、レジストパターン上に付着しているTi及びAlをレジストパターンごと除去する。そして、窒素雰囲気中で400℃〜1000℃、例えば550℃で熱処理を行い、オーミック特性を確立する。
続いて、図5Cに示すように、全面に、プラズマCVD法により、SiN膜10を形成する。
次いで、SiN膜10上に、開口部10aを形成する予定の領域を開口するレジストパターンを形成する。その後、レジストパターンをマスクとして用いて、SiN膜10のエッチングを行うことにより、図5Dに示すように、SiN膜10に開口部10aを形成する。そして、レジストパターンを除去する。
続いて、ゲート電極11gを形成する予定の領域を開口するレジストパターンを形成し、Ni及びAuの蒸着を行い、その後、レジストパターン上に付着しているNi及びAuをレジストパターンごと除去する。つまり、リフトオフの処理により、図5Eに示すように、ゲート電極11gを形成する。
このようにして、活性層5及び電極層6が形成される。
活性層5及び電極層6の形成後には、図4Bに示すように、ダイシングライン33に沿って、サファイア基板31及びその上の各層を切断し、個々のチップのサイズに細分化(ダイシング)する。この切断では、例えばダイヤモンド・ソー等を用いた機械的加工を行う。切断の前にサファイア基板31の裏面を研削して、サファイア基板31を薄くしておいてもよい。
次いで、細分化後のサファイア基板31等を、例えば熱りん酸に浸漬する。この結果、図4Cに示すように、分離層であるアンドープのAlN層32が徐々に除去されていく。そして、AlN層32が消失すると、図4Dに示すように、HEMT1がサファイア基板31から分離される。
このようにして、HEMT1が得られる。
その後、各HEMT1をピンセット等でピックアップし、図4Eに示すように、ペースト22を用いてパッケージ内の実装基板21に実装する。
このようにして、図1及び図2に示すGaN系HEMT実装体が得られる。
このような製造方法では、サファイア基板31を用いているので、コストを低減することができる。また、サファイア基板31を用いつつも、活性層5の下方に厚いGaN層4を設けているので、活性層5の結晶性を良好なものとすることができる。つまり、転位が少ない活性層5を形成することができる。
また、サファイア基板31をGaN層4から分離するので、サファイア基板31の低い放熱性がHEMT1の動作に影響を及ぼすことはなく、良好な放熱性を確保することができる。従って、電流・電圧積の大きい高パワー領域において発熱しても、高い出力を維持することができる。また、HEMT1の分離後には、上述のように、ピンセット等を用いたピックアップを行うが、厚いGaN層4が設けられているため、ピックアップ及び実装時のハンドリング性が高い。
なお、サファイア基板31上に直接GaN層4を形成した場合には、上述のように、活性層5に高電界が印加されたときに実装基板21までリーク電流が漏れ出す可能性がある。しかし、本実施形態では、GaN層4の形成前にp型GaN層2及びn型GaN層3を形成して、電位を持ち上げているため、上述のように、リーク電流の漏れ出しを抑制することができる。
また、GaN層4の厚さは30μm以上とすることが好ましい。これは、GaN層4の厚さが30μm未満の場合、転位の重合が十分に進まず、活性層5に多数の転位が生じる可能性があるからである。そして、活性層5に多数の転位が存在すると、電子移動度が低下しやすくなる。また、GaN層4の厚さが薄いほど、ピックアップ時のハンドリング性が低くなってしまう。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は、HEMT1を製造する方法が第1の実施形態と相違している。図6A乃至図6Cは、第2の実施形態に係るGaN系HEMT(化合物半導体装置)実装体の製造方法を工程順に示す断面図である。
第2の実施形態では、先ず、第1の実施形態と同様に、電極層6の形成までの処理を行う(図4A参照)。次いで、図6Aに示すように、ダイシングライン33に沿って、電極層6、活性層5、GaN層4、n型GaN層3及びp型GaN層2に溝34を形成し、アンドープのAlN層32の表面を部分的に露出する。溝34の形成では、例えばレジストパターンを用いたドライエッチングを行う。また、ハーフカットのダイシングにより機械的に形成することも可能である。溝34の形成の前にサファイア基板31の裏面を研削して、サファイア基板31を薄くしておいてもよい。溝34がAlN層32の途中まで達していてもよい。
次いで、サファイア基板31等を、例えば熱りん酸に浸漬する。この結果、図6Bに示すように、アンドープのAlN層32がその露出している面から徐々に除去されていく。そして、AlN層32が消失すると、図6Cに示すように、HEMT1がサファイア基板31から分離される。
このようにして、HEMT1が得られる。
その後、第1の実施形態と同様にして、各HEMT1をピンセット等でピックアップし、ペースト22を用いてパッケージ内の実装基板21に実装する(図4E参照)。
このようにして、第2の実施形態によっても、図1及び図2に示すGaN系HEMT実装体が得られる。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。第3の実施形態は、HEMT1を製造する方法が第1及び第2の実施形態と相違している。図7A乃至図7Eは、第3の実施形態に係るGaN系HEMT(化合物半導体装置)実装体の製造方法を工程順に示す断面図である。
第3の実施形態では、先ず、第1の実施形態と同様に、電極層6の形成までの処理を行う(図4A参照)。次いで、図7Aに示すように、電極層6上に、接着剤42を用いて支持基板41を貼り付ける。例えば、支持基板41の厚さは500μm程度である。支持基板41は透明であることが好ましい。
その後、サファイア基板31等を、例えば熱りん酸に浸漬する。この結果、図7Bに示すように、アンドープのAlN層32が徐々に除去されていく。そして、AlN層32が消失すると、図7Cに示すように、支持基板41に支持されている電極層6、活性層5、GaN層4、n型GaN層3及びp型GaN層2の積層体がサファイア基板31から分離される。
続いて、図7Dに示すように、ダイシングライン33に沿って、支持基板41及び上記の積層体を切断し、個々のチップのサイズに細分化(ダイシング)する。この切断では、例えばダイヤモンド・ソー等を用いる。
次いで、溶剤を用いて接着剤42の接着力を低下させ、図7Eに示すように、HEMT1を支持基板41から分離する。
このようにして、HEMT1が得られる。
その後、第1の実施形態と同様にして、各HEMT1をピンセット等でピックアップし、ペースト22を用いてパッケージ内の実装基板21に実装する(図4E参照)。
このようにして、第3の実施形態によっても、図1及び図2に示すGaN系HEMT実装体が得られる。
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態について説明する。第4の実施形態は、HEMT1を製造する方法が第1〜第3の実施形態と相違している。図8A乃至図8Cは、第4の実施形態に係るGaN系HEMT(化合物半導体装置)実装体の製造方法を工程順に示す断面図である。
第4の実施形態では、先ず、第3の実施形態と同様に、支持基板41の接着までの処理を行う(図7A参照)。次いで、図8Aに示すように、ダイシングライン33に沿って、サファイア基板31、AlN層32、p型GaN層2及びn型GaN層3に溝35を形成する。溝35の形成では、例えばダイヤモンド・ソー等を用いた機械的加工を行う。溝35の形成の前にサファイア基板31の裏面を研削して、サファイア基板31を薄くしておいてもよい。溝35がGaN層4の途中まで達していてもよい。
その後、サファイア基板31等を、例えば熱りん酸に浸漬する。この結果、図8Bに示すように、アンドープのAlN層32がその露出している面から徐々に除去されていく。そして、AlN層32が消失すると、図8Cに示すように、支持基板41に支持されている電極層6、活性層5、GaN層4、n型GaN層3及びp型GaN層2の積層体がサファイア基板31から分離される。
その後、第3の実施形態と同様に、細分化等を行うことによりHEMT1を取得し、更に、第1の実施形態と同様にして、各HEMT1をピンセット等でピックアップし、ペースト22を用いてパッケージ内の実装基板21に実装する(図4E参照)。
このようにして、第4の実施形態によっても、図1及び図2に示すGaN系HEMT実装体が得られる。
(第5の実施形態)
次に、第5の実施形態について説明する。第5の実施形態では、サファイア基板31とp型GaN層2との間に設ける層が第4の実施形態と相違している。図9は、第5の実施形態に係るGaN系HEMT(化合物半導体装置)実装体の製造方法を示す断面図である。
図9に示すように、第5の実施形態では、第1〜第4の実施形態におけるアンドープのAlN層32に代えて、分離層としてInGaN層36を用いる。InGaN層36は、光電気化学(PEC:photo electro chemical)エッチングにより除去することができる。そこで、第5の実施形態では、第1〜第4の実施形態における熱りん酸を用いたAlN層32のウェットエッチングに代えて、光電気化学エッチングによるInGaN層36の除去を行う。他の処理は、第1〜第4の実施形態と同様である。
このような第5の実施形態によっても、図1及び図2に示すGaN系HEMT実装体が得られる。
なお、いずれの実施形態においても、サファイア基板31に代えて、シリコン基板、SiC基板、GaN基板又はGaAs基板等を用いてもよい。また、これらの基板は、導電性、半絶縁性又は絶縁性のいずれであってもよい。SiC基板は高価であるが、第2及び第3の実施形態ではSiC基板の加工は必要とされないため、再利用が可能である。
また、ゲート電極11g、ソース電極11s及びドレイン電極11dの構造は上述の実施形態のものに限定されない。例えば、これらが単層から構成されていてもよい。また、これらの形成方法はリフトオフ法に限定されない。更に、オーミック特性が得られるのであれば、ソース電極11s及びドレイン電極11dの形成後の熱処理を省略してもよい。また、ゲート電極11gに対して熱処理を行ってもよい。
また、各層の厚さ及び材料等も上述の実施形態のものに限定されない。また、HEMTの構造として、ショットキー型に代えてMIS(metal insulator semiconductor)型を採用してもよい。
次に、本願発明者らが行ったシミュレーションについて説明する。このシミュレーションでは、GaN層の厚さと高周波特性との関係について検証した。図10(a)は、シミュレーションの対象の構造を示す断面図であり、図10(b)は、シミュレーションの結果を示すグラフである。
図10(a)に示すように、シミュレーションの対象には、GaN層54、電子走行層57、電子供給層58及び保護層59が、第1の実施形態のGaN層4、電子走行層7、電子供給層8及び保護層9と同様に設けられている。また、ゲート電極61g、ソース電極61s、ドレイン電極61d及びSiN膜60が、第1の実施形態のゲート電極11g、ソース電極11s、ドレイン電極11d及びSiN膜10と同様に設けられている。そして、このように構成されたHEMTが、ペースト72を用いて実装基板71に実装されている。なお、実装基板71の抵抗率は0.05Ω・cmである。この値はn型SiC基板のものと同程度である。また、ゲート幅は36mmである。
図10(b)に示すように、GaN層54の厚さが10μm以上であれば高い利得を得ることができ、15μm以上であれば高い利得を安定して得ることができる。
次に、本願発明者らが行った実験について説明する。この実験では、GaN層の厚さと活性層の結晶性との関係について検証した。図11は、実験の結果を示すグラフである。図11の縦軸は、GaNの(0002)面からのX線回折の半値幅を示しており、単位はarcsecである。X線回折の半値幅は、結晶中に存在する転位の密度によって変化し、転位が少ない程、半値幅は狭くなる。
図11に示すように、サファイア基板上に成長させたGaN層の厚さが30μm以上であれば、SiC基板上にエピタキシャル成長させたGaN層と同等以上の結晶性が得られることが判明した。
第1の実施形態に係るGaN系HEMT(化合物半導体装置)実装体の構造を示す断面図である。 第1の実施形態に係るGaN系HEMTの構造を示すレイアウト図である。 第1の実施形態に係るGaN系HEMTのバンド構造を示すバンド図である。 第1の実施形態に係るGaN系HEMTを製造する方法を示す断面図である。 図4Aに引き続き、第1の実施形態に係るGaN系HEMTを製造する方法を示す断面図である。 図4Bに引き続き、第1の実施形態に係るGaN系HEMTを製造する方法を示す断面図である。 図4Cに引き続き、第1の実施形態に係るGaN系HEMTを製造する方法を示す断面図である。 図4Dに引き続き、第1の実施形態に係るGaN系HEMTを製造する方法を示す断面図である。 活性層5及び電極層6の形成方法を示す断面図である。 図5Aに引き続き、活性層5及び電極層6の形成方法を示す断面図である。 図5Bに引き続き、活性層5及び電極層6の形成方法を示す断面図である。 図5Cに引き続き、活性層5及び電極層6の形成方法を示す断面図である。 図5Dに引き続き、活性層5及び電極層6の形成方法を示す断面図である。 第2の実施形態に係るGaN系HEMTを製造する方法を示す断面図である。 図6Aに引き続き、第2の実施形態に係るGaN系HEMTを製造する方法を示す断面図である。 図6Bに引き続き、第2の実施形態に係るGaN系HEMTを製造する方法を示す断面図である。 第3の実施形態に係るGaN系HEMTを製造する方法を示す断面図である。 図7Aに引き続き、第3の実施形態に係るGaN系HEMTを製造する方法を示す断面図である。 図7Bに引き続き、第3の実施形態に係るGaN系HEMTを製造する方法を示す断面図である。 図7Cに引き続き、第3の実施形態に係るGaN系HEMTを製造する方法を示す断面図である。 図7Dに引き続き、第3の実施形態に係るGaN系HEMTを製造する方法を示す断面図である。 第4の実施形態に係るGaN系HEMTを製造する方法を示す断面図である。 図8Aに引き続き、第4の実施形態に係るGaN系HEMTを製造する方法を示す断面図である。 図8Bに引き続き、第4の実施形態に係るGaN系HEMTを製造する方法を示す断面図である。 第5の実施形態に係るGaN系HEMTを製造する方法を示す断面図である。 シミュレーションの対象の構造及び結果を示す図である。 実験の結果を示す図である。
符号の説明
1:HEMT
2:p型GaN層
3:n型GaN層
4:GaN層
5:活性層
6:電極層
7:電子走行層
8:電子供給層
9:保護層
10:SiN膜
10a:開口部
11d:ドレイン電極
11g:ゲート電極
11s:ソース電極
21:実装基板
22:ペースト
31:サファイア基板
32:AlN層
33:ダイシングライン
34、35:溝
36:InGaN層
41:支持基板
42:接着剤

Claims (7)

  1. 第1導電型の第1の半導体層と、
    前記第1の半導体層上に形成され、空乏化された第2導電型の第2の半導体層と、
    前記第2の半導体層上に形成された第3の半導体層と、
    前記第3の半導体層上に形成された活性層と、
    前記活性層上に形成された電極層と、
    を有し、
    前記第1の半導体層は、p型GaN層であり、
    前記第2の半導体層は、n型GaN層であることを特徴とする化合物半導体装置。
  2. 前記第3の半導体層の厚さは、30μm以上であることを特徴とする請求項1に記載の化合物半導体装置。
  3. 前記第1の半導体層側から実装基板に実装されることを特徴とする請求項1又は2に記載の化合物半導体装置。
  4. 記第3の半導体層は、アンドープのGaN層であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の化合物半導体装置。
  5. 前記第3の半導体層は、厚さが30μm以上のアンドープのGaN層であり、
    前記活性層は、
    前記GaN層上方に形成された電子走行層と、
    前記電子走行層上方に形成された電子供給層と、
    を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の化合物半導体装置。
  6. 基板上に分離層を形成する工程と、
    前記分離層上に第1導電型の第1の半導体層を形成する工程と、
    前記第1の半導体層上に、空乏化された第2導電型の第2の半導体層を形成する工程と、
    前記第2の半導体層上に、第3の半導体層を形成する工程と、
    前記第3の半導体層上に、活性層を形成する工程と、
    前記活性層上に、電極層を形成する工程と、
    前記分離層を除去する工程と、
    を有し、
    前記第1の半導体層は、p型GaN層であり、
    前記第2の半導体層は、n型GaN層であることを特徴とする化合物半導体装置の製造方法。
  7. 前記分離層として、AlN層又はInGaN層を形成することを特徴とする請求項6に記載の化合物半導体装置の製造方法。
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