JP5579336B2 - 避難用シェルター及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、地震、崖崩れ、洪水、津波等の災害時のほか、紛争、テロ、事故等から被災者・被害者が避難するための避難用シェルターに係り、特に、強度があって水に浮き、脱出が容易な避難用シェルター及びその製造方法に関する。
[従来の技術]
記憶に新しい災害として、2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震がある。崩れて来た屋根の下敷きになったり、崖崩れの土砂に埋もれたりして、人命が落されている。地震による津波は多くの人の命を奪った。原子力発電所の事故から身を守る手段が必要であることも認識された。さらに海外では、紛争やテロが多発しており、また、核開発に伴う災害リスクが増大している。
これらの様々な災害の中でも、地震発生時に、倒壊した家屋に押し潰されて圧死したり、あるいは、家屋や瓦礫等の落下物の下敷きとなって窒息死したりして、犠牲になるのを防止するための地震対策用の装置としては、例えば、特許文献1に開示された地震用シェルターが知られている。
特許文献1に記載されているような地震用シェルター(以下、「従来のシェルター」という)は、出入口を有するドーム本体から基本構成され、出入口を下側に配置したときにシェルターを構成するようになっている。従来のシェルターの本体は、強化プラスチック(FRP[Fiber Reinforced Plastics]樹脂)製の外壁部と、発泡スチロール等の内壁部と、からなる二重構造になっている。
また、特許文献2に記載されている耐震用カプセル(以下、「従来のカプセル」という)は、従来のシェルターと同様の外観を備え、その本体は、内側から構造体と内部被覆と外部被覆とによって積層構成されている。
従来のカプセルの構造体は、強化繊維プラスチックの成形体からなる外殻と、金属製もしくは繊維強化プラスチック製のフレーム材からなる内部補強枠とから構成され、フレーム材同士の固定は、それぞれから内側に引き出されたフランジ部同士を、固定するボルトによって行うようになっている。
内部被覆は、耐火性ゴム発泡体などのクッション材よりなり、外部被覆は、内装と外装の積層構造になっている。この内装は、グラスウール、石膏ボード、耐火セメント、ロックウール等の耐火・耐熱性材料で形成されている。また、この外装は、難燃加工を施したゴム製の被覆材で構成されている。
実用新案登録第3144746号公報(段落0032〜0034、図1) 特許第4320358号公報(段落0017〜0018、図4)
しかしながら、上述した従来のシェルター及び従来のカプセルは、いずれもその強度と強度を保つための構造に問題があった。
すなわち、従来のシェルターは、強化プラスチックを採用しているものの、それを単層としただけであるから強度的に不十分である。層厚を厚くすれば強度が増すことは自明であるが、厚くすればするほど重くなり、また、加工性が低下しコスト高になってしまうので、実現性が極めて低い。発泡スチロール等からなる内壁部は、避難者との衝突による衝撃を和らげることを目的とするものであってシェルター自体の強度を高めるためのものではない。
従来のカプセルは、外殻と内部補強材を併用しているので、ある程度の強度が期待できるが、まず、構造が複雑であること、そして、内側に突き出したフランジ部を被覆するために内装に相応の厚みが必要となるため壁全体が厚くなってしまうという問題がある。
さらに、従来のシェルターも従来のカプセルは、災害等から人体を守るためにたいへん有用であるが、その一方で、平常時の置き場に困るのも現実である。万が一の備えをしたいが、平常時の生活空間も大事にしたい、という二律背反の要求を両立させることが、避難用シェルターによる身体保護という目的実現にとって考慮すべき問題である。
本発明は上記実情に鑑みて為されたもので、シンプルな構造でありながら、地震、水害、さらに紛争等が単独もしくは複合して発生した際に、確実な避難を可能とするために十分な強度を持った避難用シェルター及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記従来例の問題点を解決するための本発明は、避難用シェルターにおいて、強化プラスチックのシェルター本体がハッチを有する球形をしており、内側及び外側から開閉可能な採光窓をハッチの近辺に設け、ハッチのロック解除機構を採光窓側に設け、一端がシェルター本体の出入口の内側面に接続され、他端がハッチの内側面に接続されるヒンジを有することを特徴とする。
本発明は、上記避難用シェルターにおいて、収納可能な床板を有し、床板を特定方向にスイングさせてスライドさせ、ハッチを側面から上面に向くようにする移動構造を設けたことを特徴とする。
本発明は、上記避難用シェルターにおいて、側面に位置するハッチに対してシェルター本体の底部と上部を接続するよう垂直方向につかまり棒が形成され、床板にはつかまり棒に対する案内構造の溝が形成されていることを特徴とする。
本発明は、上記避難用シェルターにおいて、つかまり棒が接続する上部付近に換気口を設けたことを特徴とする。
本発明は、上記避難用シェルターにおいて、ハッチの内側面周縁又はシェルター本体の出入口の外側面周縁、若しくはハッチの内側面周縁とシェルター本体の出入口の外側面周縁との双方に環状のパッキンを形成したことを特徴とする。
本発明は、上記避難用シェルターにおいて、シェルター本体の出入口の内側面周縁に、又は当該出入口の外側面と内側面の間の内部に、若しくはハッチの内側面周縁に環状の補強部材を設けたことを特徴とする。
本発明は、上記避難用シェルターにおいて、シェルター本体の外側面にオーバーレイ接続された接続部と、ロープを結び付けるフック部とが一体に形成されたフックを設けたことを特徴とする。
本発明は、上記避難用シェルターにおいて、シェルター本体及びハッチに、ガラス繊維、カーボン繊維、アラミド繊維、バサルト繊維又はバイオマス繊維の繊維系強化材を、不飽和ポリエステル、ビニルエステル、エポキシ、フェノール、ポリイミド又はバイオマスの樹脂に含ませた強化プラスチックを用いたことを特徴とする。
本発明は、上記避難用シェルターにおいて、シェルター本体及びハッチの内部に、鉛フィルム層を設けたことを特徴とする。
本発明は、上記避難用シェルターにおいて、シェルター本体及びハッチは、樹脂で形成された樹脂層に対してロービングクロス層、チョップストランドマット層が順に繰り返し積層され、ロービングクロス層とチョップストランドマット層には樹脂を含浸させてあり、チョップストランドマット層の少なくとも1層が第1の繊維系強化材、発泡体又はコア材、第2の繊維系強化材の積層構造であることを特徴とする。
本発明は、上記避難用シェルターにおいて、複数積層されるチョップストランドマット層の内、少なくとも1層のチョップストランドマット層に代えてアラミド繊維層又はバサルト繊維層を積層したことを特徴とする。
本発明は、上記避難用シェルターにおいて、複数積層されるチョップストランドマット層の内、少なくとも1層のチョップストランドマット層に代えて互いに重ね貼りされた複数の鉛シート小片から構成された鉛シート層を積層したことを特徴とする。
本発明は、上記避難用シェルターにおいて、チョップストランドマット層は、綿状樹脂材のコア層を重ね貼りされたチョップストランドマット小片で挟み込んだ積層構造としたことを特徴とする。
本発明は、避難用シェルターにおいて強化プラスチックの球形のシェルター本体を、L−RTM成形装置を用いて下型と上型により製造する製造方法であって、下型の内面に樹脂層を形成し、樹脂層の表面にロービングクロス層とチョップストランドマット層を積層し、上型を真空圧で型締めし、上型と下型の間にある型内に樹脂材を注入して成形し、樹脂材が硬化したら上型を開いて成形品であるシェルター本体を下型から取り出すことを特徴とする。
本発明によれば、強化プラスチックのシェルター本体がハッチを有する球形をしており、内側及び外側から開閉可能な採光窓をハッチの近辺に設け、ハッチのロック解除機構を採光窓側に設け、一端がシェルター本体の出入口の内側面に接続され、他端がハッチの内側面に接続されるヒンジを有する避難用シェルターとしているので、強度があって、外側からも採光窓を開けてハッチのロック機構を解除できるので、救援作業を容易に行うことができ、ハッチを閉めた場合にヒンジがシェルター本体の内側に存在することになるので、ヒンジをシェルター本体の外側に設けた場合に比べてヒンジの破損を防止できる効果がある。
本発明によれば、避難用シェルターにおいて強化プラスチックの球形のシェルター本体を、L−RTM成形装置を用いて下型と上型により製造する製造方法であって、下型内面に樹脂層を形成し、樹脂層の表面にロービングクロス層とチョップストランドマット層を積層し、上型を真空圧で型締めし、上型と下型の間にある型内に樹脂材を注入して成形し、樹脂材が硬化したら上型を開いて成形品であるシェルター本体を下型から取り出すようにしているので、避難用シェルターの本体を容易に更に強固に形成できる効果がある。
ハッチが閉状態の本シェルターの正面図である。 本シェルターの背面図である。 ハッチが開状態の本シェルターの正面図である。 水中で姿勢を変更した状態の本シェルターの概略断面図である。 床板の平面図である。 フックの概略側面図である。 シェルター本体の積層構造を示す部分断面図である。 シェルター本体の製造方法を示すフロー図である。 シェルター本体の結合を示す部分断面図である。 避難用シェルターシステムの概略図である。 本積層構造の断面説明図である。 車両にけん引される第2のシュエルターの側面図である。 第2のシェルターの平面図である。 第2のシェルターの背面図である。 連結機構と解除機構を説明するための側面図である。 第3のシェルター(ユニットバス型シェルター)の断面説明図である。 ベッド型シェルター(第4のシェルター)の概略図である。 第4のシェルターの断面説明図である。 ベッド型シェルターの別の例(1)を示す概略図である。 ベッド型シェルターの別の例(2)を示す概略図である。 ベッド型シェルターの別の例(3)を示す概略図である。 ベッド型シェルターの別の例(4)を示す概略図である。 ベッド型シェルターの別の例(5)を示す概略図である。 コンテナ型シェルター(第5のシェルター)の概略図である。 コンテナ型シェルターの断面説明図である。 コンテナ型シェルターの別の例を示す概略図である。
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
[実施の形態の概要]
本発明の実施の形態に係る積層構造は、発泡体又はコア材を第1の繊維系強化材と第2の繊維系強化材で挟み込んで樹脂で接合して積層したものであり、発泡体として、硬質ウレタン、発泡スチロール、ポリエチレン、又はポリプロピレン等を用い、コア材として、ペーパーハニカム、アルミハニカム等を用い、繊維系強化材として、ガラス繊維、カーボン繊維、アラミド繊維、バサルト繊維又はバイオマス繊維等を用い、樹脂として、不飽和ポリエステル、ビニルエステル、エポキシ、フェノール、ポリイミド、バイオマス等を用い、L−RTM(Light-Resin Transfer Molding)形成法又はインフュージョン形成法で製造されるものとしているので、避難用シェルターに使用できる強度を持った構造とすることができるものである。
本発明の実施の形態に係る避難用シェルターは、強化プラスチックの球形をしており、内部及び外部から開閉可能な採光窓をハッチの近辺に設け、ハッチのロック機構を採光窓側に設けたものであり、ハッチ開閉のためのヒンジの一端がシェルター本体の出入口の内側に接続し、そのヒンジの他端がハッチの内側面に接続されているものであり、外部から採光窓を開けてその近傍にあるロック機構を外部から解除できるので、救援作業を容易に行うことができ、ハッチが閉じられた状態ではヒンジがシェルター本体の内部に存在することになるため、ヒンジがシェルター本体の外部に設けられている構成よりも強固なものとすることができる。
[本積層構造:図11]
本発明の実施の形態に係る積層構造(本積層構造)について図11を参照しながら説明する。図11は、本積層構造の断面説明図である。以下に説明する本シェルター及びその他のシェルターの本体に適用されるものであるが、本積層構造は、シェルター以外の住宅建造物、施設、建築物等の構造物について適用してもよい。
本積層構造は、図11に示すように、発泡体又はコア材(発泡体等とする)32を第1の強化材31aと第2の強化材31bで挟み込んで、樹脂によって接合して積層したサンドウィッチ構造(積層構造)としたものである。
強化材31a,31bは、ガラス繊維、カーボン繊維、アラミド繊維、バサルト繊維又はバイオマス繊維等の繊維系の強化材を用いている。
発泡体等32の発泡体は、硬質ウレタン、発泡スチロール、ポリエチレン、又はポリプロピレン等を用いている。
発泡体等32のコア材は、ペーパーハニカム、アルミハニカム等を用いている。
樹脂は、不飽和ポリエステル、ビニルエステル、エポキシ、フェノール、ポリイミド、バイオマス等を用いている。
[本積層構造の製造方法]
本積層構造は、L−RTM成形方法又はインフュージョン成形方法を用いて製造する。
本積層構造におけるL−RTM成形方法は、下型に第2の強化材31b、発泡体等32、第1の強化材31aを敷き詰め、上型を真空圧で型締めして、型内に樹脂を投入して成形するものである。
また、本積層構造におけるインフュージョン成形方法は、型に第2の強化材31b、発泡体等32、第1の強化材31aを重ねて置き、その上に各種の基材を載せ、最上層にフィルムを被せ、フィルムとの間を真空に吸引した後に、液状の樹脂を樹脂吸引口から吸い込ませ、硬化した後に、各種基材とフィルムを剥がして形成品を取り出すものである。
本積層構造で、L−RTM成形方法又はインフュージョン成形方法を用いるのは、金型を使わずFRP製の型が製造できるので、設備投資額が低く、プレス機を使用しないため大きさの制限がないなどの利点が得られるからである。
[本シェルターの設置:図1]
本発明の実施の形態に係る避難用シェルター(本シェルター又は第1のシェルター)について図1を参照しながら説明する。図1は、ハッチが閉状態の本シェルターの正面図である。
図1に示す本シェルター1は、地震発生時(または、予震発生時や、緊急地震速報装置のお知らせがあったとき)に直ぐに避難者Aが、本シェルター1に入り込むことができるように、家屋内や庭の片隅等の適宜な場所に配置しておく。または、地震発生時やその他の災害時に崖崩れや、土砂崩れや、頭上から落下物が落下する危険性が予想される場所に配置してもよい。
さらに、本シェルター1は、水に浮くように形成されているため、津波や、洪水時の河川の氾濫が予想される場所に配置してもよい。本シェルター1は、全体が略球状でコンパクトに形成されたことによって、地震、崖崩れ、水害等の災害の際に、外圧や強い衝撃に耐えるのに適した形状的な強度を備えた構造になっている。つまり、本シェルター1は、球型シェルターである。
なお、上述した家屋内等の生活空間に本シェルター1を設置するスペースがない場合、使用者が生活空間に設置を望まない場合、その他事情がある場合は、後述する避難用シェルターシステムを設置することが好ましい。
[本シェルターの概略構造:図1〜4]
本シェルターの構造について図1〜4を参照しながら説明する。図2は、本シェルターの背面図であり、図3は、ハッチが開状態の本シェルターの正面図であり、図4は、水中で姿勢を変更した状態の本シェルターの概略断面図である。
本シェルター1は、図1〜図4に示すように、シェルター本体3と、出入口7と、ハッチ9と、フック10と、固定構造11と、ウェイト13と、から基本構成されている。
設置台21は、本シェルター1を、その上に設置しておくためのものである。設置台21は、次に述べるように球体に構成された本シェルター1を安定設置しておくためのものであるが、不要であれば省略してもよい。
次に、本シェルターの各部について具体的に説明する。
[シェルター本体3の構造]
シェルター本体3は、強化プラスチック製で、全体としてほぼ球形であって、内部に避難空間5(図4)を備え、避難空間5は、外から水が浸入しないように水密閉鎖されている。水害によって流された場合等における避難空間5の安全確保のためである。
ここで、シェルター本体3とハッチ9は、ガラス繊維、カーボン繊維、アラミド繊維、バサルト(玄武岩)繊維又はバイオマス繊維(麻や竹などの天然繊維)等を不飽和ポリエステル、ビニルエステル、フェノール樹脂に含ませた強化プラスチックを用いている。特に、バサルト繊維は、玄武岩より溶融紡糸された環境にやさしい高強度の繊維であって、抗張力、耐熱性、耐紫外線性、耐酸・アルカリ性に優れ、アラミド繊維に匹敵する強度を有する。
シェルター本体3の形状をほぼ球形としたのは、シンプルかつ衝撃に強い形状だから、崩れてきた瓦礫等の下敷きになったとしても容易に壊れることがなく、避難空間5内に避難した避難者Aを確実に守ることができるからである。
さらに、水害に遭った時に、押し流される瓦礫など引っかかって水没せずにすり抜けやすい形状だからである。
シェルター本体3の大きさは、一度に収容する避難者Aの人数にもよって様々である。ただ、シェルター本体3を大きくすればその分、重量が増加し占有面積も増大するので、運搬や設置の手間を考え、数人用とするのが好ましい。数人用としておけば、平均的な家族全員が避難できる大きさである。避難は迅速に行われるべきであるが人数が多すぎると順番待ち現象が生じて迅速性が害されるので注意が必要である。上述した理由から、大家族の家庭に設置するのであれば、複数個の本シェルター1を設置することが好ましい。
[つかまり棒6]
図3に示すつかまり棒6は、避難空間5内の避難者Aが、自分の体を保持するためにつかまるための棒である。つかまり棒6は、シェルター本体3の縦方向に延び、上下端それぞれがシェルター本体3の内壁に固定されている。
尚、つかまり棒6に、中空の金属(例えば、ステンレス等)製の棒(パイプ)を用いた場合に、強度を向上させるために、つかまり棒6の内部にモルタル等を詰めるようにしてもよい。
つかまり棒6は、避難者Aが本シェルター1(シェルター本体3)の重心を移動させるためにシェルター本体3の内壁上を歩行する際に取っ手としても機能する。すなわち、シェルター本体3の重心を移動させようとする避難者Aは、つかまり棒6につかまることにより、シェルター本体3内を歩行(膝立ち歩行や尻のずらし等を含む)するときの起点を確保することができる。起点を確保した避難者Aは、確保がなければ難しいシェルター本体内の所望位置に足先や膝等を移動することが容易になる。これによって、シェルター本体3の重心を任意に制御することができる。つまり、シェルター本体3の姿勢を迅速かつ容易に任意の状態に保持することが可能になる。
[出入口7]
出入口7は、設置したときのシェルター本体3の側方に形成された円形の開口であって、避難者Aが避難空間5内に避難したり退出したりするためのものである。したがって、出入口7の直径は、強度を極端に落とさず大人一人が出入り可能な寸法、たとえば、500〜600ミリメートル程度が好ましい。
また、出入口7の形状について、円形以外の形状を選択してもよいが、本実施形態では、応力集中を可及的に避けシェルター本体3の強度を保つために円形とした。また、強度確保のために出入口7は1個としてある。2個以上の出入口を設ける場合は、シェルター本体3の全体強度に留意し、必要に応じて補強構造を設けるとよい。
[出入口7周囲の補強]
出入口7は人が出入りするための空間であるから、外力が加わったときに変形が生じる恐れがまったくないというわけではない。そこで、本実施形態では、好ましい一態様として、シェルター本体3において避難空間5側の出入口7の周縁には、出入口7の周囲を囲む補強枠板4を貼着固定してある(図1、図4)。
補強枠板4が環状に形成してあるのは、出入口7が円形だからであり、出入口7が円形以外の形状であるなら、これに合わせた形状に形成するとよい。
補強枠板4は、2mm程度の鉄板で構成したが、他の金属や強化プラスチックなどで構成してもよい。
尚、補強枠板4は、シェルター本体3の内面側から取り付けて貼り付けるようにしているが、シェルター本体3の外側面と内側面との間の内部に形成してもよい。
さらに、出入口7の周りだけでなく、後述する採光窓17、換気口15等が取り付けられる孔の周りなどにも補強枠板を設けてもよい(図示は省略)。
[ハッチ9の構造,ヒンジ9b]
図3及び図4に示すように、ハッチ9は、出入口7より僅かに大きな円形に形成され、シェルター本体3内に一端が固定されたヒンジ9bの他端に固定されている。ヒンジ9bの機能により、ハッチ9は、シェルター本体3に対し外開きに開放可能に出入口7を閉鎖するようになっている。
つまり、ヒンジ9bは、一端がシェルター本体3の出入口7の内側面周縁に固定され、他端がハッチ9の内側面周縁に固定されている。
また、ハッチ9の内側面周縁にリング状(環状)の凸形状の凸部を形成し、その凸部が出入口7に挿入されて噛み込む構造にしてもよい。凸部に厚みを持たせれば、ハッチ9の座屈防止の強化部品とすることができる。
[パッキン9a]
ハッチ9内側面周縁と出入口7の外側面周縁の間には、環状のパッキン9aが介在され、閉鎖時に両者間の水密性をしっかりと保つように構成されている。パッキン9aは、シェルター本体3側に固定してあるが、ハッチ9側に固定してもよいし、2つのパッキンを両者それぞれに固定するようにしてもよい。
[ロック機構9c]
シェルター本体3の内部には、ロック機構9cが設けられていて(図3)、避難者Aが内部から操作しハッチ9をシェルター本体3に対しロックもしくはその解除が行えるようになっている。
ロックしたとき、パッキン9との協働により、シェルター本体3とハッチ9との間の水密が砲保されることは言うまでもない。
[ハッチ9のその他の構成]
ハッチ9を構成する素材については別項で述べるが、その一部(たとえば、中央部分)を透明な合成樹脂や強化ガラスなどで構成してもよい。避難者Aが外を見られるように、また、外部の光を避難空間5内へ導くことができるようにするためである。
シェルター本体3に取り付ける補強枠板4のような補強枠板(図示を省略)をハッチの内側(避難空間5側)に設けることも可能である。
[固定構造11とウェイト]
[床板11a:図4、図5]
シェルター本体3は、その設置時の底部上に、円板状の床板11aが固定されている(図4)。
床板11aについて図4,5を参照しながら説明する。図5は、床板の平面図である。
床板11aは、シェルター本体3の球状の内壁面を平面化し、その上で避難者Aが膝を折ってしゃがめるようにするためのものである。床板11aには、開口11bが形成されている。開口11bは蓋11dによって開放可能に閉鎖され、床板11aの下側に設けられた収納空間11cの上部開口となっている。
[収納空間11c、蓋11d]
収納空間11c内には、飲料水の入ったペットボトル(液体容器、図4にWと表示)を収納してある。このペットボトルは、シェルター本体3を設置状態に保つためのウェイトとしての役割を担っている。ペットボトルは、ウェイトとして必要重量を得るために複数本としてもよい。床板11aと収納空間11cと、蓋11dは、本実施形態におけるウェイト(ペットボトル)13の固定構造11を構成している。固定構造11から取り出したペットボトルは、これを他の固定構造(収納空間、図示を省略)に移動させればシェルター本体3の重心を移動させることが可能になる。
蓋11dは、床板11aの中心に対して左右に方形で形成されているが、床板11aの1/4の扇形状とし、図5の床板11aの上側半面に2つの1/4円の蓋を配置するようにしてもよい。この場合、床板11aの水平方向の直径部分で蓋が開閉可能に固定される。
[移動構造]
シェルター本体3の内壁曲率とほぼ同じ曲率の外壁を持った球形の一部を、ある平面(床板11aと同じ面積とする)を境に切り落としたとして、その切り落とした椀状部分と同じ形状の収納庫を形成し、それを床板11aの代わりに設置するようにしてもよい(図4)。この場合、上面は床板11aの代わりとなる。このとき、椀状の収納庫の底面はシェルター本体3の内壁面と面接触するので、シェルター本体3に対し安定した設置を行うことができ、移動構造を形成できる。この移動構造により重心を移動させるためのシェルター本体3に対する移動も簡単になる。
尚、椀状の収納庫の底面に凹形状の溝を形成し、それに対応してシェルター本体3の内壁面に凸形状のガイドを形成して、移動構造として移動し易くすることもできる。また、椀状の収納庫の底面に凸形状とし、シェルター本体3の内壁面に凹形状としてもよい。
[溝12(案内構造)]
尚、シェルター本体3と収納庫との問に、移動方向を案内するための案内構造(図5に示す溝12)と、任意の位置で固定構造11を半固定可能とするための固定構造(図示を省略)を設けておくこともできる。
案内構造として機能する溝12は、床板11aの中心から半径方向に切りぬき形成され、その中心に、つかまり棒6が挿入されている。図4及び図5に示すように固定構造11は、シェルター本体3が、図3に示す状態から姿勢を変えず図4に示す状態になる際に、図4の11a(1)→11a(2)のように紙面垂直の状態から同水平状態へ移動する。この移動によって、つかまり棒6は、溝12に案内され、姿勢変更後は図5に示すように、紙面垂直方向に延びた状態になる。
[換気口15]
シェルター本体3には、図2に示すように、避難用空間5内の換気を行うための換気口15が貫通形成されている。
換気口15は、これに逆止弁を設けたり、開閉蓋を設けたりすることにより、水が入らないように構成する。また、その設ける位置は、シェルター本体3が水中浮遊したときに水面より高い位置に設けることが好ましい。浮遊時でも換気ができるようにするためである。
[採光窓17]
ハッチ9は、避難空間5内において施錠解錠可能なロック機構9cによってシェルター本体3に対しロック可能であることは前述した。採光窓17は、シェルター本体3を貫通する窓孔(図示を省略)に、たとえば、ローレットネジによって差し込み固定してあり、外部から取り外し可能に構成してある(図4で2点鎖線の矢印で示すように、紙面の裏側に取り外す)。
また、採光窓17を透明な円盤形状とし、その側面にネジ山を設け、窓孔の内側部分にはネジ山に対応したネジ溝を形成し、採光窓17を回転させることで、窓孔に取り付け、取り外しができるようにしてもよい。
採光窓17は、外側と内側から開閉できるように、外側面と内側面の双方に指を差し込む凹部が形成されている。更に、採光窓17を開状態にすると、シェルター本体3の内側には取り外せるものの、外側には取り出せない構成となっている。つまり、窓孔の開口部の外側部分は、採光窓17の直径より小さく形成されている。
そして、この窓孔は、シェルター本体3の外にいる者(たとえば、救助者)が、腕を入れることにより直接的(救助者の手が届く)もしくは間接的(道具を介して届く)にロック機構9cを解錠できる位置および形状に構成されている。
避難空間5内に避難者が覚醒状態にあれば密閉時に中に入っている人は、当然の如くロック機構9cを解除しハッチ3を開けて外に出ることができる。一方、避難空間5内に避難した者が非力な子供やお年寄りのみである場合、大人であっても気絶してしまって解除できない場合等は、それができない恐れがある。そこで本シェルター1では、救助者が採光窓7を外から外し、その窓孔から手を入れてロック機構9cを解除しハッチ3を開放できるようになっている。
[フック10:図2、図4、図6]
次に、シェルター本体3の表面に形成されたフックについて図2、図4、図6を参照しながら説明する。図6は、フックの概略側面図である。
フック10は、図2、図4に示すように、シェルター本体3において、ハッチ9とは反対側の位置に形成されている。
フック10に、小型船舶用のフォールディングアンカー等を、アンカーロープを介して接続するようにしておけば、本シェルター1が津波の引き波で沖合に流されないようにすることができる。
アンカーロープは、危険回避のため、強度を必要以上に強くせず、数百kg程度の荷重で切れる強度とする。
更に、フック10は、図6に示すように、フック部10aと、接合部10bとから構成されている。
フック部10aは、アンカーロープを接続するためにU字形又はコの字形をしており、その両端が接合部10bに固定されている。尚、フック部10aと接合部10bは、例えば、金属等により一体に形成されている。
また、接合部10bは、シェルター本体3に対してオーバーレイ接合で取り付けられており、ネジやビスを用いることがないため、シェルター本体3にドリルで穴を開ける必要ががくなり、強度を損なうことがない。オーバーレイ接合は、接合部10bをシェルター本体3にテープ等で貼り付け、樹脂で脱泡するという、シェルター本体3の外側面に対してハンドレイアップで貼り付ける接合である。更に、シェルター1が水没しかねない危険な状況となった場合、接合部10bがシェルター本体3から剥離して、シェルター本体3がアンカーロープとフォールディングアンカーとから離脱できる。
[シェルター本体3の構造:図7]
シュエルター本体3の構造は、図11に示した第1の強化材31aと発泡体等32と第2の強化材31bの積層構造を用いるものであるが、以下に示す構造であってもよい。
シェルター本体3の構造について図7を参照しながら説明する。図7は、シェルター本体の積層構造を示す部分断面図である。
シェルター本体3は、図7(a)に示すように、多層構造になっている。すなわち、樹脂層(たとえば、ビニルエステル樹脂層)3aの一方の面(図7(a)の下面)に、ロービングクロス層3b、チョップストランドマット層3c、ロービングクロス層3d、チョップストランドマット層3e、ロービングクロス層3f、そしてチョップストランドマット層3gの順でロービングクロス層とチョップストランドマット層とを互い違いに複数回繰り返して積層してなる構造である。ロービングクロス層とチョップストランドマット層による積層の繰り返しは、本実施形態では3回としたが、求める強度などに適応できればその増減を妨げない。
ここで、ロービングクロス層、チョップストランドマット層はガラス繊維であって、携帯電話又は無線機等の電波の透過性が高い素材である。
[ロービングクロス層3b,3d,3f]
ロービングクロス層3b,3d,3fは、詳細な図示は省略するが、枠体に貼り付けて張り子を作る紙片、もしくはパッチワークのために縫い合わせる布片のような、部分的に重ね貼りされた複数のロービングクロス小片から構成されている。
このロービングクロス小片は、その大きさや形状に制限はなく各々は同じでもよい、し互いに違えてもよい。たとえば、一辺が10cm程度の矩形小片により構成することができるが、複雑な形状の層を形成するのであれば小径としたり小片の形状を工夫したりするとよい。必要であれば、貼り付けに接着剤を用いてもよい。貼り合わせには高度かつ繊細な技術が必要であるため熟練工による手作業が基本であるが、機械等による自動化を妨げる趣旨ではない。
[チョップストランドマット層3c,3e,3g]
チョップストランドマット層3c,3e,3gも、上記と同様に部分的に重ね貼りされた複数のチョップストランドマット小片から構成されている。チョップストランドマット小片の大きさや形状、さらに貼り付け法等については、上記したロービングクロス小片のそれらと異ならない。
尚、ロービングクロス層およびチョップストランドマット層には、それぞれ樹脂を含浸させてある。各層の厚みは、たとえば、0.4mm程度が好ましい。
[コア層]
尚、上述したチョップストランドマット小片それぞれの厚み方向途中には、樹脂を含侵させたコア層を設けることが好ましい。すなわち、図7(a)に示すチョップストランドマット層3c,3e,3gの代わりに、図7(b)に示すチョップストランドマット層3c'(3e',3g')を採用することができる。チョップストランドマット層3c'(3e',3g')を構成するチョップストランドマット小片それぞれは、チョップトランドマット層3cp(3ep,3gp)と他のチョップトストランドマット層3cr(3er,3gr)との間に、コア層3cq(3eq,3gq)が設けられている。
コア層3cq(3eq,3gq)の素材は、そのままなら樹脂を流通しやすいが樹脂流通後の型締め(後述)により強固になる素材、たとえば、綿状の樹脂材(たとえば、PP(ポリプロピレン))が好適である。その理由は、次の積層構造の製造方法において行う樹脂注入に係り、注入する樹脂がチョップストランドマット層3cp(3ep,3gp),3cr(3er,3gr)の流通を促進して全体に行きわたりやすくし、これによって均一で強固な積層構造を製造するためである。
ここで、図7(b)に示したチョップストランドマット層3c'(3e',3g')を、図11に示した三層の積層構造としてもよく、その場合、チョップトランドマット層3cp(3ep,3gp)が第1の繊維系強化材31aに、コア層3cq(3eq,3gq)が発泡体又はコア材32に、チョップトストランドマット層3cr(3er,3gr)が第2の繊維系強化材31bに相当するものとなる。
尚、シェルター本体3は、図11の積層構造を用いることなく、発泡体(発泡材)又はコア材を入れずに、樹脂層の下面に、ロービングクロス層、チョップストランドマット層を単に繰り返し積層した構造であってもよい。
[シェルター本体3の製造方法:図7、図8、図9]
シェルター本体3の製造方法について図7〜図9を参照にしながら説明する。図8は、シェルター本体の製造方法を示すフロー図であり、図8は、シェルター本体の結合を示す部分断面図であり、図9は、シェルター本体の結合を示す部分断面図である。
まず、L−RTM(Light-Resin Transfer Molding)成形装置を用意する。ここで、L−RTMとは、下型に基材を敷詰め、上型を真空圧で型締めして、型内に樹脂材料を注入・成形する工法で、通常のハンドレイアップ成形法やスプレーアップ成形法によって成形したG−FRP(Glass-Fiber Reinforced Plastics)製品と異なり裏表とも平滑面となることに特長がある。
一方、上述した通常のハンドレイアップ成形法は、繊維強化剤に樹脂を染み込ませ手作業で貼り付け、脱泡作業を行うものであるが、この成形法によって製造する製品は技術者の熟練度や製造姿勢などの差が製品の均質化の妨げになるといわれている。ハンドレイアップ工法は、手作業で行うことから繊細な形状をも実現可能であるなどの利点があるが、脱泡作業が不十分であると空気が層の中に残ってしまい、これは、製品の強度や安全性に脅威となりかねないという問題がある。そこで、本願発明者らは、ハンドレイアップ工法の利点を踏襲しつつその欠点を補うためにL−RTM成形法を併用する手法を考案した。
図8に戻り説明を続ける。まず、下型内面に樹脂(本実施形態では着色された塗膜樹脂)をスプレーして樹脂層3aを形成する(S1)。次に、樹脂層3aの表面に、強化基材であるロービングクロス層3b,3d,3fとチョップストランドマット層3c,3e,3g(3c'(3e',3g'))を互い違いに積層する(S3)。この作業は、複数のロービングクロス小片および複数のチョップストランドマット小片を、それぞれ部分的に重ね貼りする作業である。
積層を終了したら、これをさらに、上型を真空圧で型締めし(S5)、上型と下型の間である型内に樹脂材(本実施形態では、ビニルエステル樹脂)を注入して成形する(S7)。各層に含侵させた樹脂が硬化したら上型を開いて、成形品であるシェルター本体3を下型から取り出す(S9)。以上により、シェルター本体3の製造を完了する。
尚、シェルター本体3は球形であるから、縦半分のものを2つ製造し、その一方に周縁に径が僅かに大径の重なり部3sを形成し、その中に他方の周縁を入れ、接着固定するようになっている(図9)。
本実施形態に係る製造方法によれば、L−RTM成形装置を用いて、型締めを行っているので、小片を部分的に重ね貼りした各層がしっかりと締められるので圧縮強度が飛躍的に向上しており、かつ、真空圧により樹脂が層の中に確実に含侵されているため、層の内面を平滑面とすることができる。
また、本実施形態に係る製造方法によれば、脱泡が確実に行われることから避難用シェルターとして十分な強度と均一性を実現することができる。
また、ハッチ9は、上述したシェルター本体3の製造方法と同じ製造方法によって同積層構造と同じ構造に構成することが好ましい。シェルター本体3と同様な強度を確保するためである。
更に、図示は省略するが、シェルター本体3の内面に緩衝材を設けることが好ましい。緩衝材を設けるのは、シェルター本体3が大きな衝撃を受けても、その影響ができるだけ避難者Aに及ばないようにするためである。本実施形態では採用していないが、避難者Aの身体をシェルター本体3に固定するためのシートベルト(図示を省略)、腰を下ろすためのクッション(図示を省略)などを取り付けておくこともできる。なお、上記緩衝材は、ハッチ9にも適用することができる。
尚、図示は省略するが、上記した各層間の内、いずれかの層間には、金属板(たとえば、厚さ2mm程度の鉄板小片)を挿入することもできる。また、その金属板にネジ穴を形成することにより、たとえば、シェルター本体3の外側面又は内側面に取っ手やヒンジなどを確実にネジ固定できるようになる。
[本実施形態の変形例]
シェルター本体3及びハッチ9には、防弾・防爆風効果を高めるためのアラミド繊維を含む層、もしくは、簡易核防護効果を高めるための鉛フィルム層を含めることができる。すなわち、図7に示す、たとえば、チョップストランドマット層3b,3dの代わりにアラミド繊維層等や鉛などの放射線遮断効果の高い部材のフィルム層若しくはコーティング層を積層することもできる。
アラミド繊維層を設けることにより、防弾・防爆風効果を高めることができるので、その際の避難用シェルター1は、紛争地域等で使用したときにその効果を発揮する。
また、鉛などの放射線遮断効果の高い部材のフィルム層若しくはコーティング層を設けて核防護効果を高めることにより、原子力被害想定地域において、その被害軽減が期待できる。すなわち、原子力被害発生時に、短時間で半減期を迎える放射性物質への対策のため、当該短時間を放射線的に隔離された避難用シェルター1内で緊急避難的な滞在ができるようにするためである。放射線から防護するための防護服やマスク等を予め用意しておけば、避難者の安全をより確実に確保することができる。
[避難用シェルターの使用方法]
地震災害の場合を例にして説明する。大きな予震が発生したときや、緊急地震速報装置のお知らせがあったときには、大地震が発生するまでに10秒〜数十秒程度の時間がある。大きな地震の予震やお知らせがあった場合の避難者Aは、ハッチ9を開放し出入口7から避難空間5内に入り込む(図1、図3)。
避難した避難者Aは、ハッチ9を閉めロック機構9cでロックすれば避難を完了する。避難者Aの呼吸は、換気口15の働きにより確保される。家屋が倒壊したり土砂が崩れてきたりしても、避難者Aは避難用シェルター1に保護され、それらによって押しつぶされることはない。なお、設置時のハッチ9は、図3に示すように、開放状態にしておいてもよい。避難を迅速に行えるようにするためである。
尚、ハッチ9を外側から閉じておくことができるように、出入口7の周縁とハッチ9の周縁を固定するパチン錠を設けるようにしてもよい。その設置位置は、図1において採光窓17に近い所とする。パチン錠は、ロックが解除されると、バネの力により、施錠されなくなるが、何かがそこに引っ掛かったりした場合に、採光窓17を開けてシェルター本体3の内部から手で取り除くことができる。
本シェルター1(シェルター本体3)は、水密になっているので、そのまま津波などに流されても沈むことはない。また、瓦礫等との衝突から避難者Aを守ってくれる。津波にのまれた直後の本シェルター1は、その勢いや他の流出物との衝突などにより衝撃を受けたり回転したりするが、避難者Aは、安全にこれらから避難することができる。
津波が落ち着いたら、ウェイト13や避難者A自身の移動によりシェルター本体3の重心を変え、ハッチ9が最上部に来るように水中姿勢を制御するとよい。ハッチ9を開けることができるので、外気を取り入れることができ、また、避難者A自身が出入口7から顔を出して周囲の様子を見ることなどが可能になる(図4)。
例えば、避難用シェルター1の収納庫の中には、簡易トイレ、ヘルメット、緊急呼び出し用のホイッスルや発煙筒、懐中電灯、ラジオ、太陽電池その他の簡易発電機、飲食物、医療品等の防災用品を備蓄しておくとよい。更に、これらとともに、もしくは、これらの代わりに、前述した防護服やマスクなどを必要に応じて収納しておくこともできる。
尚、本シェルター1では、収容人数は4人程度であるが、階段の下等に設置されていれば、災害時に入り易いものである。
[避難用シェルターシステムの構成:図10]
次に、本発明の実施の形態に係る避難用シェルターシステムについて図10を参照しながら説明する。図10は、避難用シェルターシステムの概略図である。
避難用シェルター1は、災害時の被災者が避難空間を確保する上で意義あるものである。しかし、家屋内等の生活空間51に避難用シェルター1を設置するスペースがない場合、使用者が生活空間51に設置を望まない場合等があることが事実である。そこで、平常時の生活空間を確保しつつ非常時の避難を可能とするのが、この避難用シェルターシステム101である。
避難用シェルターシステム101は、使用者の生活空間51の上方もしくは下方に設けられた当該避難用シェルターを収納するための収納空間(上方収納空間53もしくは下方収納空間55)と、この収納空間に収納された避難用シェルター1を下降もしくは上昇させて生活空間51へ移送するための移送手段103と、によって構成されている。
移送手段103は、避難用シェルター1を載せる置き台105と、置き台105を吊り下げる吊り下げ機構107と、吊り下げ機構107を下降もしくは上昇させるための昇降機構109から概略構成してある。
昇降機構109は、たとえば、屋根裏のスペースのような上方収納空間53に収納してある避難用シェルター1を、非常時に駆動して生活空間51へ下降させ、または平常時にその逆の動作を行う。たとえば、地下室のような下方収納空間55に収納してある避難用シェルター1は、非常時と平常時に上述した動作と逆の動作で生活空間51へ避難用シェルター1を移送する。
避難用シェルターシステム101によれば、生活空間51を確保しつつ万が一の備えとして避難ンシェルター1を使用者の身近に設置しておくことができる。
[別の避難用シェルターシステムの構成]
次に、別の避難用シェルターシステムについて説明する。
別の避難用シェルターシステムは、一般住宅の階段下に避難用シェルター1の収納スペースを設けるもので、生活空間を極力阻害しないようにしたものである。
避難用シェルター1は、階段下の開放された空間側にハッチ9が向くように配置される。
一般的な木造家屋では、階段幅がせいぜい90cm程度であるので、完全に収納しきれず、ハッチ9が開放空間側に少しせり出すことになるが、階段下のスペースを有効に利用できる。
尚、収納スペースに余裕があれば、設置台21を設置し、その上に避難用シェルター1を載せてもよいが、収納スペースに余裕がなければ、シェルター本体3の球形に対応した凹部を床に形成し、その凹部に避難用シェルター1をはめ込むようにしてもよい。
[第2のシェルター:図12〜15]<キャンピングトレーラータイプ>
次に、本発明における第2の実施の形態に係る避難用シェルター(第2のシェルター)について図12〜図15を参照しながら説明する。図12は、車両にけん引される第2のシュエルターの側面図であり、図13は、第2のシェルターの平面図であり、図14は、第2のシェルターの背面図であり、図15は、連結機構と解除機構を説明するための側面図である。
[第2のシェルターの概略構造]
図12及び図13に示すように、第2のシェルター41は、浮遊シェルター43と、連結構造45と、解除機構40(図15)とを備え、キャンピングトレーラー型シェルターとなっている。第2のシェルターの収容人数は、10〜20人程度である。
浮遊シェルター43は、連結構造45によって、けん引用の車両111と連結される。連結構造45の連結は、解除機構40によって解除可能に構成されている。
尚、浮遊シェルター43は、キャンピングトレーラーの箱型形状の外壁を成すものである、
[浮遊シェルター43の概略構造]
浮遊シェルター43は、全体として水密に構成されたシェルター本体43aと、シェルター本体43aを載置固定させる車台43bによって構成され、可動式かつ水中浮遊可能になっている。
シェルター本体43aは、その形状や大きさに制限はないが、本実施形態では各辺が丸みを帯びた横長の直方体形状に形成されている。丸みを帯びさせたのは、シェルター本体3aの強度を保ちやすいからである。また、横長直方体形状が選択されたのは、本実施形態では省略してあるが、たとえば、ベッド、ダイニングテーブル、キッチン、トイレ、シャワーなど生活に必要な装備を室内に設置することによりキャンピングトレーラー(トラベルトレーラー、キャラバン)として使用できるようにするためである。非常用の食料の他、緊急信号灯や緊急電波発信装置等を設置しておくこともよい。
キャンプのようなアウトドアだけでなく、たとえば、自宅においてリビングや子供の勉強部屋として、さらにカラオケ室や楽器練習室等として活用することを妨げない。なお、上記の装備を設置した際でも、シェルター本体43aの中にいる避難者(通常時の使用者も含む、以下、同じ)状態の浮遊シェルター43が、図12に示すように、地上載置時と同じ姿勢で浮遊可能となるように全重量や重心位置を設定しておく。水中浮遊時のシェルター本体43の横転から避難者を確実に保護するためである。
[シェルター本体43aの構造]
シュエルター本体43aの構造は、図11に示した第1の強化材31aと発泡体等32と第2の強化材31bの積層構造を用いるものであるが、以下に示す構造であってもよい。
シェルター本体43aの構造は、図12に丸で囲んだ拡大部分断面図に示すように、外側FRP層43pと内側FRP層43qの間に浮力材層43rを挟んだ三層構造になっている。外側側FRP層43pと内側FRP層43qは、それぞれ繊維強化プラスチックにより構成され、浮力材層43rは、発泡ウレタンフォーム等の高浮力材から構成されている。
シェルター本体43aは、キャンピングトレーラータイプであり、重くなることが予想されるため、発泡体(発泡材)を入れるのは必須である。
FRP層を二重としたのは、災害時の外力に十分に対抗可能な強度を得るためであり、浮力材層を介在させたのは、何らかの不測の事態によりシェルター本体43a内に浸水があったとしても、浮遊シェルター43全体が直ちに水没しないようにするためである。内側FRP層43qの内側に、さらに、発泡ウレタンフォーム等により構成したクッション層(図示を省略)を設けてもよい。クッション層は、たとえば浮遊時におけるシェルター本体43aの揺れた際に転倒した避難者を保護するためのものである。
シェルター本体43aの側面には、少なくとも1か所の水密ドア43dと、複数の覗き窓43wとが設けられている。水密ドア43dは、シェルター本体43aの室内に出入りする避難者が使用するドアであり、外方向へ開放するように構成されていることが好ましい。外方向開放とするのは、内方向開放に比べ、津波等の災害に遭遇したときにシェルター本体43aが受ける外圧に対し強いからである。
覗き窓43wには、災害遭遇時でも容易に破損しない強化ガラスが水密設置され、シェルター43aの室内外からそれぞれ反対側が見られるようになっている。覗き窓43wの形状は、強度保持の観点から円形であることが好ましい。また、覗き窓43wの大きさは、形状も含め複数あるもののすべてを同じに設定する必要はないが、いずれにしろ災害遭遇時に対応可能な最低限の強度を備えるように設計することが必要である。
覗き窓43wそれぞれの位置は、避難用シェルター41が浮遊するときに、その総排水量や重量等との関係から水没しない高さにあることが望ましい。図14に示すシェルター本体43aの正面に設けられている覗き窓43wは、シェルター本体43aの中で解除機構40を操作しようとする避難者が連結機構45を目視できるようにするために重要である。
水密ドア43wは、上述したように外方向開放であるので、水難や土砂崩れに遭遇したときの水や土砂に邪魔されて開放できない場合が想定される。そのような場合に備え、シェルター本体43aには、その天板に脱出用ハッチ43hが、外開放可能かつ水密に設けられている。
脱出用ハッチ43hは、図14に示す完全開放状態とは別に、半開き状態にする構造(図示を省略)を設けておくとよい。通常使用時はもとより災害遭遇時であって可能なとき、脱出用ハッチ43hを半開き状態にしておくとシェルター本体43内の換気ができるし、避難者が顔を出して外の様子を伺うことができるからである。
雨水、水害の水、土砂等が入り込むため脱出ハッチ43hを半開き状態にできないときのために、シェルター本体43aの天板の脱出ハッチ43h隣に換気装置43kが設けられている。換気装置43kは自然換気でも換気扇等による強制換気でもよいが、シェルター本体43aの水密機能を害さない構造である必要がある。換気装置43kには、塵や埃の侵入を防ぐ防塵フィルターや放射能の侵入を阻止する除染フィルター等を取り付けておくことが好ましい。塵埃や放射能等から避難者を保護し、健康を害さずに避難等ができるようにするためである。
シェルター本体43aの天板の外側には、さらに、太陽光発電をするための太陽光パネル43sと、浮遊シェルター43を吊り下げるための複数の留め具43fとが取り付けられている。太陽光パネル43sは、太陽光発電によりシャルター本体43a内の蓄電池(図示を省略)に電源を供給するためのものであり、蓄電池に蓄えた電気は、特に避難時に避難者のライフラインの一つとなる。太陽光パネル43sの形状や個数は、可能な範囲で適宜設定することができる。太陽光パネルは、シェルター本体43aの側面等にも設置可能であることは言うまでもない。
留め具43fは、本実施形態では、逆さU字形状のものが4個となっており、シェルター本体43aの天板の四隅にそれぞれ設けられている。これらの留め具43fは、吊り下げワイヤーを引っ掛けて、クレーンやヘリコプターによって浮遊シェルター43を吊り下げ、被災地から安全な場所へ移動したり、いずれかの目的地へ運搬したりするときに使用する。したがって、留め具43f各々は浮遊シェルター43として想定される最大重量(生活装備や避難者等の重量が含まれる)に十分に耐えられる強度を備えていなければならない。
シェルター本体43aの側面には、さらに、少なくとも1個の救命具43eを取り外し可能に取り付けておくことを推奨する。救命具43aは、水難に遭遇したとき、シェルター本体43a内にいた避難者がそこを離れるときに使用すること、また、外にいる他の避難者の救助に用いることができる。さらに、側面に取り付けられた状態の救命具43eは、船舶を岸壁との衝突から保護するためのタイヤフェンダーと同様に、浮遊時に他の浮遊物との直接衝突からシェルター本体43aを保護する機能も有している。これに加え、図示は省略するが、シェルター本体43aの側面に、天板上に昇降するためのハシゴを設けることが好ましい。
[連結構造の構造]
図14及び図15を参照しながら、連結構造の一例について説明する。
連結機構45は、車両111側に設けられた被係合部材115と解除可能に係合する係合部材45aと、被係合部材115に係合した係合部材45aが外れないようにするための可動外れ阻止部材45bにより構成されている。
被係合部材115は、車両111の後端から水平に伸びる細い平板状の部材であって、上下方向に貫通する係合孔115hを備えている。
係合部材45aは、逆さL字状の棒材であって、その縦棒部を上から係合孔115hに挿入して係合させるようになっている。このとき、係合部材45aは、その縦棒部先端がわずかに被係合部材115の下端から突き出すように構成されている。
可動外れ防止部材45bは、図15に示すように、基部が車台43bにヒンジ固定され、解除時(未連結時)には、下方に向いている開放端(実線で表示)が回動して横方向に向き(破線で表示)、このときに係合部材45aの開放端と縦棒部先端とが接触もしくは近接することによって係合外れを阻止するようになっている。係合阻止を行うのは、被係合部材115と係合部材45aの係合が移動時の上下動によって外れるおそれがあるので、外れないようにするためである。
尚、可動外れ阻止部材45bは、横方向(係合阻止方向)に向かってバネ(図示を省略)により付勢されている。したがって、後述する係合解除する際の係合外れ阻止部材45bの回動は、このバネの力に抗しながら行われることになる。
[解除機構の構造]
図15に示すように、解除機構40には、浮遊シェルター43(シェルター本体43a)内に設置された操作部40aと、操作部40aの操作に連動して可動外れ阻止部材45bを解除方向に移動させる動力伝達部40bとが設けられている。
動力伝達部40bは、ブレーキワイヤーで構成され、避難者による操作部40aの操作がフレキシブルチューブ内を長さ方向に移動するワイヤーによって動力伝達されるようになっている。避難者による操作部40aの操作は、動力となって動力伝達部40bを介し連結機構45の可動外れ阻止部材45bを駆動し、これによって可動外れ阻止部材5bはバネ力に抗しながら解除方向に回動するように構成されている。
解除機構40は、避難者の操作により駆動するのが原則であるが、たとえば津波のような水難に遭遇した場合、中にいる避難者がパニックに陥っていたり、浮遊シェルター43の浮遊によって避難者が解除機構40に手が伸ばすことができなかったりすることも想定される。このような場合、避難用シェルター41は浮遊しようとするもけん引する車両111は水没しようとするので、両者には上下反対方向の力が作用する。ここで、避難用シェルター41の高さより津波の水深が深いと(浅ければ完全水没はしない)、駆動しない解除機構40は避難用シェルター1を車両111の完全水没の道連れとしてしまうおそれがある。これを防ぐため、解除機構40の可動外れ阻止部材45bは、下方に回動するように構成されている。
つまり、車両111が水没するも避難用シェルター41が浮遊することによって両者間には上下方向に大きな位置的格差が生じることになるが、この格差が可動外れ阻止部材45bをバネ力に抗しながら下方に回動させて係合を自動解除し、これによって、浮遊シェルター43は水没しようとする車両111から解放され、そのまま浮遊し続けられるようになっている。
[車台の構成]
図12〜図14に示すように、車台43bは、シェルター本体43aを上に載置固定可能に構成され、下方には車輪43tが設けられている。車台43bは、水中浮遊時にシェルター本体43aから切り離すように構成することもできるが、本実施形態では、これを切り離さず水中バランサーとしての機能を持たせてある。
すなわち、車台43bがシェルター本体43aの下部に位置することにより、水中浮遊時の避難用シェルター41を、地上載置時と同じ姿勢で浮遊可能となるように調整する役目を担っている。水中浮遊時の避難用シェルター41の横転から避難者を確実に保護するためである。つまり、車台43bは、ウェイト部の役割を果たしている。
[第2のシェルター特有の作用効果]
避難用シェルター41の構成、作用効果によって、避難用シェルター41が水難に遭遇したとき、避難者による操作部40aの操作により、場合によっては自動で、一体であれば共に水没するだろう車両111との連結が解除され、浮遊シェルター43は水中浮遊が可能になる。
これにより、避難者の安全が確保される。水中浮遊している避難用シェルター41は、たとえば、船舶によって移送することにより、避難者を安全な場所に避難させることができる。また、吊り下げワイヤーでクレーンやヘリコプターから吊り下げ移動することもできる。
[第3のシェルター:図16]<ユニットバスタイプ>
次に、本発明における第3の実施の形態に係る避難用シュエルター(第3のシュエルター)について図16を参照しながら説明する。図16は、第3のシェルター(ユニットバス型シェルター)の断面説明図である。
第3のシェルターにおけるシュエルター本体61の構造は、図11に示した第1の強化材31aと発泡体等32と第2の強化材31bの積層構造を用いるものである。
第3のシェルターは、ユニットバス自体を避難用シェルターとするもので、津波等の被害にあっても、強度が十分であって気密性に優れ、ハッチ62が上側に向くことになるものである。
第3のシェルターは、図16に示すように、シェルター本体61と、ハッチ62と、ウェイト部63と、天井部64と、床部65と、浴槽66と、配水管67と、排水口68と、換気管69と、換気口70と、採光窓71とから構成されている。
シェルター本体61は、箱型の底面部と、箱型を逆さにした上面部と、四面の側面を備える側面部とを備え、各部は内側に引き出した張出部でボルトとナットで固定され、接続面には防水処理が施されている。つまり、シェルター本体61は、ユニットバスの外壁を成すものである。
ハッチ62は、ユニットバスの出入口となっており、内側から開閉する開閉機構と、ハッチ62をロックするロック機構を備えている。
採光窓71は、ハッチ62の周辺で、例えば、上側又は下側、若しくは上側と下側の両方に設けられ、内側及び外側の両方から開閉できる回転ネジ型の透明部材(例えば、透明の強化プラスチック等)の窓となっている。尚、採光窓71は、開状態の場合、シュエルター本体61の内側に外れる構成となっている。
そして、採光窓71のシュエルター本体61の内側にハッチ62のロック機構を解除する手段が設けられ、シェルターとして機能した場合に、救助員が外から採光窓71を開けてハッチ62のロック機構を解除して開閉機構を開とし、ハッチ62を開くことができるようになっている。
ウェイト部63は、ハッチ62が設けられた側面とは反対側の側面にモルタル等で形成されている。ウェイト部63は、津波によって水に浮いた場合に、重しの役目を果たし、ウェイト部63がある図16の左側が下側に向き、ハッチ62が上側に向くようになっている。
その場合、浴槽66は、踏み台となって、採光窓71を開けたり、ハッチ62を開けたりするのに使用する。
天井部64は、ユニットバスの天井を構成するもので、床部65は、ユニットバスの床を構成するものである。
配水管67は、ユニットバスの配水管であり、排水口68は、外部に排水する排水口である。
換気管69は、ユニットバスの換気管であり、換気口70は、換気を行うための換気口である。
尚、排水口68と換気口70は、災害発生時で津波発生の予報が出された時には、それぞれを塞ぐための蓋が設けられている。蓋は、スライド式、シャッター式であっても、回転ネジ式であってもよい。但し、外部からの浸水を防ぐために気密性のある構造が必要である。
第3のシェルターであれば、収容人数が8人程度である。第3のシェルターは、構成が大掛かりであるため、新築の住宅、改築の住宅に設置するのに適している。
シェルター本体61は、ユニットバスタイプであり、重くなることが予想されるため、発泡体(発泡材)を入れるのが望ましいが、発泡体を入れなくて形成してもよい。
[第4のシェルター:図17,18]<ベッドタイプ>
次に、本発明における第4の実施の形態に係る避難用シェルター(第4のシェルター)について図17、図18を参照しながら説明する。図17は、ベッド型シェルター(第4のシェルター)の概略図であり、図18は、第4のシェルターの断面説明図である。
第4のシェルターは、図17、図18に示すように、シェルター本体75と、ハッチ76と、採光窓77と、ウェイト部78とを備え、ベッド型シェルターとなっている。第4のシェルターの収容人数は、1〜4人程度である。
シェルター本体75とハッチ76の構造は、図11に示した第1の強化材31aと発泡体等32と第2の強化材31bの積層構造を用いている。尚、シェルター本体75とハッチ76の構造に発泡体(発泡材)を入れない構成とし、樹脂層に繊維系強化材を複数積層する構成であってもよい。
シェルター本体75とハッチ76との開閉機構は、シェルター本体75の一辺でハッチ76の一辺が開閉自在に接続し、当該接続部分は浸水しないよう防水構造となっている。
シェルター本体75は、寝具等を収納する収納部であり、その収納部に人が横たわるようになっている。
ハッチ部76は、閉じられた状態で、接続部分とは反対側のシェルター本体75の他辺とハッチ76の他辺とが密着し、当該他辺でロックされるロック機構を備えている。当該ロックにより、シェルター本体75とハッチ76とが密着し、気密性が保たれるようになっている。
採光窓77は、ハッチ76に設けられ、ハッチ76が閉じた状態で真上となるよう設けるのが望ましい。採光窓77は、内側及び外側から開閉できる構造で、回転ネジ式の透明部材で構成されている。
そして、採光窓77を開いた状態にすると、シェルター本体75の外側からのロック機構を解除できるよう、ロック解除の機構が採光窓77の近くに設けられている。採光窓77は、複数個設けられていてもよい。
また、採光窓77は、換気口としても利用される。
ウェイト部78は、シェルター本体75の収納部の底面に重み付けするためのおもしであって、水に浮いた場合に、ハッチ76が上側を向くようになっている。
図17では、ウェイト部78の上に寝具が敷かれ、シェルター本体75の収納部の内部に固定ベルト、非常食、発信器、酸素ボンベ等を備えるようにしてもよい。
[第4のシェルターにおける別の例:図19〜23]
次に、第4のシェルターにおける別の例について図19〜23を参照しながら説明する。図19は、ベッド型シェルターの別の例(1)を示す概略図であり、図20は、ベッド型シェルターの別の例(2)を示す概略図であり、図21は、ベッド型シェルターの別の例(3)を示す概略図であり、図22は、ベッド型シェルターの別の例(4)を示す概略図であり、図23は、ベッド型シェルターの別の例(5)を示す概略図である。
尚、第4のシェルターにおける別の例(1)〜(5)では、ベッド型シェルターの形状について主に説明しているが、シェルター本体とハッチの構造は、図11に示した第1の強化材31aと発泡体等32と第2の強化材31bの積層構造を用いるものである。
また、図19〜23では説明していないが、ハッチは閉状態においてシェルター本体内に浸水しないよう気密性が保持されるものであり、シェルター本体内部にロック機構が設けられている。
更に、ハッチには採光窓が設けられ、内側及び外側から採光窓を取り外すことができるようになっており、採光窓を開状態とした場合に、外側からシェルター本体内部のロック機構を解除できるようになっている。採光窓は、複数個設けてあってもよい。
図19に示すように、第4のシェルターにおけるベッド型シェルターの別の例(1)は、かまぼこ型の形状で、板状のシェルター本体75bにかまぼこ型のハッチ76bが取り付けられている。
ハッチ76bは、図17,18と同様にシェルター本体75bの長辺を軸として開閉可能であってもよいし、シェルター本体75bの短辺を軸として開閉可能であってもよい。
図20に示すように、第4のシェルターにおけるベッド型シェルターの別の例(2)は、ハッチ76cを箱型とせずに、長辺の側面を台形にして角部に丸みを持たせた形状としてもよい。
この場合のハッチ76cは、シェルター本体75cの長辺を軸として開閉可能であってもよいし、シェルター本体75cの短辺を軸として開閉可能であってもよい。
図21に示すように、第4のシェルターにおけるベッド型シェルターの別の例(3)は、ハッチ76dが長辺側面と上面で構成され、短辺側面はシェルター本体75dに取り付けられた構成となっている。
ハッチ76dは、シェルター本体75dの長辺でハッチ76dと接続し、長辺を軸としてハッチ76dが開閉可能となっている。
図22に示すように、第4のシェルターにおけるベッド型シェルターの別の例(4)は、図21のシェルターに似た形状であるが、ハッチ76eの一部がシャッターのように動いて開閉するシャッター部79を備えるものである。
この場合、採光窓は、シャッター部79ではないハッチ76eに設けられる。
図23に示すように、第4のシェルターにおけるベッド型シェルターの別の例(5)は、観音開きのハッチ76fがシェルター本体75fに取り付けられている。
図23のベッド型シェルターであれば、ハッチ76fが両方に開くので、ベッドとして使用する場合に、ハッチ76fが比較的に邪魔にならない。
図17〜23に示した第4のシェルターは、留め具等をシェルター本体の外側に形成して、船舶等にけん引可能としてもよい。
また、第4のシェルターを横方向に連結する連結部を設け、第4のシェルターを横方向に複数連結させて安定化させるようにしてもよい。
第4のシェルターであるベッド型シェルターは、寝たきり老人宅や病院には昇降するベッドがあるので、その昇降するベッドの規格に合わせたシェルターを作成することにより、寝たきり老人がいる家では第1のシェルターである球型シェルターではなく、ベッド型シェルターを購入してもらい、家族(4人以内)が災害時に入って避難し、病院では、医師と看護師が災害時に第1〜3のシェルター又は第5のシェルターに入って避難し、患者は第4のシェルターに入って避難することが望まれる。
第4のシェルターは、昇降型とはせず、普通のベッドにマットをどかして据え付けてもよい。そうすれば、生活空間の邪魔にならない。
[第5のシェルター:図24〜26]<コンテナタイプ>
次に、本発明における第5の実施の形態に係る避難用シェルター(第5のシェルター)について図24〜26を参照しながら説明する。図24は、コンテナ型シェルター(第5のシェルター)の概略図であり、図25は、コンテナ型シェルターの断面説明図であり、図26は、コンテナ型シェルターの別の例を示す概略図である。
第5のシェルターでは、既存のコンテナを改造してシェルター用としたものである。
具体的には、図24に示すように、第5のシェルターは、シェルター本体81の側面に、出入口の扉82が形成され、上面にハッチ83と採光窓84が形成されている。
扉82は、気密性を保つために、観音開きにはせず、短辺側面の半分で片方にのみ開閉する構造としている。
また、図25に示すように、床にウェイト部85が形成されている。
ウェイト部85は、モルタル等で重しの役割を果たして、水に浮いた場合に、ハッチ83が上側になるようにするためのものである。尚、ウェイト部85を収納部とし、水、食料、簡易トイレ、懐中電灯、ラジオ、簡易発電機、医療品等の防災用品を備蓄するものであってもよい。
シェルター本体81は、一般的なコンテナの鋼鉄、アルミニウム等の素材に対して内壁面又は外壁面、若しくは両壁面に防水性の強化プラスチック(FRP)製の積層面をハンドレイアップ法で形成したものである。
尚、鋼鉄、アルミニウム等の素材にFRP製の積層面を形成した構成に代えて、シェルター本体81、扉82、ハッチ83の構造は、図11に示した第1の強化材31aと発泡体等32と第2の強化材31bの積層構造を用いてもよい。
また、より具体的に、図26に示すように、コンテナ型シェルターの別の例は、シェルター本体81bの短辺側面に扉82bが形成され、シェルター本体81の上面にはハッチ83bが形成され、シェルター本体81の長辺側面上部に採光窓84bが複数設けられている。
シェルター本体81bの底面には、収納部85bが形成され、扉82bの入口から収納部85bの床面まで階段が形成されている。
収納部85bは、複数の小部屋に区切られるようにして、防災用品を区分けして収納するようにしてもよい。
また、シェルター本体81bの天板に登ってハッチ83bを開けることができるように、シェルター本体81bの側面にはしご86が取り付けられている。
図24〜26のシェルターで、ハッチ83,83bは、内側から開閉できる機構であってもよいし、内側と外側の両方から開閉できる機構であってもよい。
ハッチ83,83bが、内側からのみ開閉できる構造であれば、採光窓84,84bは外側からの取り外すことができて、その採光窓84,84bからシェルター本体81,81bに手を差し込んでハッチ83,83bのロックを解除して開閉機構を開とし、ハッチ83,83bを外側から開けることができる構成としておく。
第5のシェルターにおいても、シェルター本体81,81bの外側に留め具等を複数取り付けておき、船舶等でけん引可能とし、クレーンで吊り下げ可能として、円滑に救助できるようにしてもよい。
尚、第5のシェルターの収容人数は10〜20人程度である。第5のシェルターは、高台への避難場所が遠い海岸沿いの広場、公園、空き地等に設置しておき、災害発生時は直ちに避難できるようにしておくとよい。
[実施の形態の効果]
本積層構造によれば、発泡体又はコア材32を第1の繊維系強化材31aと第2の繊維系強化材31bで挟み込んで樹脂で接合して積層したものであり、発泡体として、硬質ウレタン、発泡スチロール、ポリエチレン、又はポリプロピレンを用い、コア材として、ペーパーハニカム、アルミハニカム等を用い、繊維系強化材として、ガラス繊維、カーボン繊維、アラミド繊維、バサルト繊維又はバイオマス繊維等を用い、樹脂として、不飽和ポリエステル、ビニルエステル、エポキシ、フェノール、ポリイミド、バイオマス等を用い、L−RTM形成法又はインフュージョン形成法で製造されるものとしているので、避難用シェルターに使用できる強度を持った構造とすることができる効果がある。
本シェルター(第1のシェルター)1によれば、強化プラスチックの球形をしており、内部及び外部から開閉可能な採光窓17をハッチ9の近辺に設け、ハッチ9のロック機構9cを採光窓17側に設けたものであり、ハッチ9の開閉のためのヒンジ9bの一端がシェルター本体3の出入口7の内側に接続し、そのヒンジ9bの他端がハッチ9の内側面に接続されている球型シェルターであり、外部から採光窓17を開けてその近傍にあるロック機構9cを外部から解除できるので、救援作業を容易に行うことができ、ハッチ9が閉じられた状態ではヒンジ9bがシェルター本体3の内部に存在することになるため、ヒンジ9bがシェルター本体3の外部に設けられている構成よりも強固なものとすることができる効果がある。
第2のシェルターによれば、シェルター本体43aが防水性と十分な強度を備えて水に浮く構成とし、水没するけん引車に対して連結構造がシェルター本体43aからけん引車を離脱させるキャンピングトレーラー型シェルターとしているので、けん引車両と一緒に水没するのを防止でき、より確実に避難できる効果がある。
第3のシェルターによれば、シェルター本体61において、ハッチ62の反対側の側面にウェイト部63を設けたユニットバス型シェルターとしているので、津波等の被害が発生してもウェイト部63が下側に向き、ハッチ62が上側を向いて、更に採光窓71を外側からも開けてハッチ62のロック機構を解除でき、救助をしやすくできる効果がある。
第4のシェルターによれば、シェルター本体75に蓋状のハッチ76を取り付け、シェルター本体75の底面にウェイト部78を設けたベッド型シェルターとしているので、水に浮いた時にもハッチ76が上側を向くようにすることができ、救助し易いという効果がある。
第5のシェルターによれば、既存のコンテナを利用して、シェルター本体81,81bについてコンテナ素材の内壁面又は外壁面、若しくは両壁面に防水性の強化プラスチック製の積層面を形成するようにして、ハッチ83,83bを設けたコンテナ型シェルターとしているので、コストを掛けずに多くの人員を救助できる効果がある。
本発明は、シンプルな構造でありながら、地震、水害、さらに紛争等が単独もしくは複合して発生した際に、確実な避難を可能とするために十分な強度を持った避難用シェルター及びその製造方法に好適である。
1...避難用シェルター、 3...シェルター本体、 3a...樹脂層、 3b,3d,3f...ロービングクロス層、 3c,3e,3g...チョップストランドマット層、 4...補強枠板、 5...避難空間、 6...つかまり棒、 7...出入口、 9...ハッチ、 9a...パッキン、 9b...ヒンジ、 9c...ロック機構、 10...フック、 11...固定構造、 11a...床板、 11b...開口、 11c...収納空間、 11d...蓋、 13...ウェイト(容器入り飲料水)、 15...換気口、 17...採光窓、 21...設置台、 31a...第1の強化材、 31b...第2の強化材、 32...発泡体等、 40...解除機構、 40a...操作部、 40b...動力伝達部、41...避難用シェルター、 43...浮遊シェルター、 43a...シェルター本体、 43b...車台、 43d...水密ドア、 43e...救命具、 43f...留め具、 43k...換気装置、 43h...脱出用ハッチ、 43p...外側FRP層、 43q...内側FRP層、 43r...浮力材層、 43s...太陽光パネル、 43w...覗き窓、 45...連結機構、 45a...係合部材、 45b...可動外れ阻止部材、 51...生活空間、 53...上方収納空間、 55...下方収納空間、 61...シェルター本体、 62...ハッチ、 63...ウェイト部、 64...天井部、 65...床部、 66...浴槽、 67...配水管、 68...排水口、 69...換気管、 70...換気口、 71...採光窓、 75,75b〜f...シェルター本体と、 76,76b〜f...ハッチ、 77...採光窓、 78...ウェイト部、 79...シャッター部、 81,81b...シェルター本体、 82,82b...扉、 83,83b...ハッチ、 84,84b...採光窓、 85...ウェイト部、 85b...収納部、 86...はしご、 101...避難用シェルターシステム、 103...移送手段、 105...置き台、 107...吊り下げ機構、 109...昇降機構、 111...車両

Claims (14)

  1. 避難用シェルターにおいて、
    強化プラスチックのシェルター本体がハッチを有する球形をしており、
    内側及び外側から開閉可能な採光窓を前記ハッチの近辺に設け、
    前記ハッチのロック解除機構を前記採光窓側に設け、
    一端が前記シェルター本体の出入口の内側面に接続され、他端が前記ハッチの内側面に接続されるヒンジを有することを特徴とする避難用シェルター。
  2. 収納可能な床板を有し、前記床板を特定方向にスイングさせてスライドさせ、ハッチを側面から上面に向くようにする移動構造を設けたことを特徴とする請求項1記載の避難用シェルター。
  3. 側面に位置するハッチに対してシェルター本体の底部と上部を接続するよう垂直方向につかまり棒が形成され、床板にはつかまり棒に対する案内構造の溝が形成されていることを特徴とする請求項2記載の避難用シェルター。
  4. つかまり棒が接続する上部付近に換気口を設けたことを特徴とする請求項3記載の避難用シェルター。
  5. ハッチの内側面周縁又はシェルター本体の出入口の外側面周縁、若しくは前記ハッチの内側面周縁と前記シェルター本体の出入口の外側面周縁との双方に環状のパッキンを形成したことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか記載の避難用シェルター。
  6. シェルター本体の出入口の内側面周縁に、又は当該出入口の外側面と内側面の間の内部に、若しくはハッチの内側面周縁に環状の補強部材を設けたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか記載の避難用シェルター。
  7. シェルター本体の外側面にオーバーレイ接続された接続部と、ロープを結び付けるフック部とが一体に形成されたフックを設けたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか記載の避難用シェルター。
  8. シェルター本体及びハッチに、ガラス繊維、カーボン繊維、アラミド繊維、バサルト繊維又はバイオマス繊維の繊維系強化材を、不飽和ポリエステル、ビニルエステル、エポキシ、フェノール、ポリイミド又はバイオマスの樹脂に含ませた強化プラスチックを用いたことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか記載の避難用シェルター。
  9. シェルター本体及びハッチの内部に、鉛フィルム層を設けたことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか記載の避難用シェルター。
  10. シェルター本体及びハッチは、樹脂で形成された樹脂層に対してロービングクロス層、チョップストランドマット層が順に繰り返し積層され、前記ロービングクロス層と前記チョップストランドマット層には樹脂を含浸させてあり、前記チョップストランドマット層の少なくとも1層が第1の繊維系強化材、発泡体又はコア材、第2の繊維系強化材の積層構造であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか記載の避難用シェルター。
  11. 複数積層されるチョップストランドマット層の内、少なくとも1層のチョップストランドマット層に代えてアラミド繊維層又はバサルト繊維層を積層したことを特徴とする請求項10記載の避難用シェルター。
  12. 複数積層されるチョップストランドマット層の内、少なくとも1層のチョップストランドマット層に代えて互いに重ね貼りされた複数の鉛シート小片から構成された鉛シート層を積層したことを特徴とする請求項10記載の避難用シェルター。
  13. チョップストランドマット層は、綿状樹脂材のコア層を重ね貼りされたチョップストランドマット小片で挟み込んだ積層構造としたことを特徴とする請求項10乃至12のいずれか記載の避難用シェルター。
  14. 避難用シェルターにおいて強化プラスチックの球形のシェルター本体を、L−RTM成形装置を用いて下型と上型により製造する製造方法であって、
    前記下型の内面に樹脂層を形成し、
    前記樹脂層の表面にロービングクロス層とチョップストランドマット層を積層し、
    前記上型を真空圧で型締めし、
    前記上型と前記下型の間にある型内に樹脂材を注入して成形し、
    前記樹脂材が硬化したら前記上型を開いて成形品であるシェルター本体を前記下型から取り出すことを特徴とする製造方法。
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