JP6379326B2 - 津波避難用浮遊体 - Google Patents

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Description

本発明は、巨大地震の5分後に来襲する大きな津波に、個人が危険な状態ながらも迅速に避難できるとした直近、安全、簡易、安価な津波避難用浮遊体に関する。
来たる日本海巨大津波、南海トラフ巨大津波では、地域により最短5分後には高さ10m以上の津波が襲うと想定され、第2波はその30分後に20m以上とされて、最高高さは34.4mで、死者も32万人以上と予想されている。とはいえ衆知を集め、限りなく犠牲者ゼロを目指さなくてはならない。津波の激しさ、漂流物との衝突から想定すると、外出時の生身の状態が最も危険でひとたまりもない。次には、木端微塵となる木造家屋内の状態も津波に破壊され弱い。それでも、安全、かつ迅速に避難できるためには、まず1人1人が機敏に逃げる必要がある。すなわち、個人用、次に小さな子供を抱いたまま入れる親子用、小家族用の小型の避難体が要求される。大人数の家族用として、大型で、浮力を利用して水上に浮上する密閉式の球体が提案されている。ところが住宅スペースの問題、取り扱い易さの問題から津波の急襲地域に適しているとは言えない。大きな球体は増水した河川の横断橋の桁下に激突も想定される。密閉構造が衝突や刺し傷で破れると一挙に空気が抜け生存の余地がなくなる、まさしく大きな密閉構造では、立体の表面積が大きく、衝突、損傷の確率が高く一か八か、一蓮托生で致命傷となる。いずれにしても浮力がなければ水上に浮かないことも確かであるので課題が山積だ。さらに、外出用の携帯型とするなら軽量、コンパクトに折りたたむので、球体の外殻は薄肉としなければならない。先の東日本の津波で転覆した列車、バスなどの閉じ込められた移動体内は、ともかく外に脱出して装着する必要がある。木造家屋では持ち運び、移動をする必要がないので、据え置き型で避難体の外殻は肉厚とすることができる。特許情報プラットフォームで、津波シェルターのキーワードで検索した結果、26件あり、うち折りたたみ式津波シェルターとして(特許文献1)、津波、浮き袋のキーワードで検索した結果、11件あり、うち救命具として(特許文献2)、津波、浮き輪のキーワードで検索した結果、7件あり、うち携帯救命ボートとして(非特許文献1)を挙げる。津波、空気袋のキーワードで検索した結果、1件あり、該当なしであった。(特許文献1)折りたたみ式津波シェルターでは、(0008)と(0010)で、骨格部材と外膜で球体が形成され、折りたたみ収納でき、戸外へ持ち出すとしているが、家の人が外に避難する居住用の大型であり、人が携帯用として常時携行することはできない。(特許文献2)救命具では、図4に体形に合わせて全体を包み込む空気袋が描かれているが、漂流物の衝突に耐えきれそうにない。図1には直径約2mの球体状に膨らませた空気袋の中に立った人が描かれているが、空気量が多すぎのため、水上に浮上するまで弾丸のような激しさ、速度であり、浮上と同時に空中ジャンプさえも連想され、浮上途上の漂流物の衝突に耐えきれそうにない。体重100kgの人と仮定すると、水面下に沈む部分が18cmと少なく、残りの182cmは水面上に突出しているため、あまりにも不安定で立っていること容易でなく、水上に浮上したといえど津波の激しさに大回転するか水面上を滑走、疾走することになり、加速して障害物との直接の激突が容易に想定される。当然穴が開くと空気が抜け、しぼんで沈没する。(非特許文献1)携帯救命ボートでは、ボートとテントとを合体しガス気体充填室で海上に浮かせるものだが、いつ来襲するか分からない津波に対して、腰に毎日携帯できるものか、漂流物の衝突に耐えられるものかどうか、空気袋に穴が開く危険もいっぱいといえる。
特開2015−110351 特開2014−124955
実用新案登録第3202381号 文部科学省「学校保健統計調査−結果の概要(平成27年度)」
来たる日本海巨大津波、南海トラフ巨大津波では、地域により最短5分後には高さ10m以上の津波が襲うと想定されて、第2波はその30分後に20m以上とされ、最高高さは34.4mで、死者も32万人以上、負傷者63万人以上と予想されている。津波の急襲地域は、避難困難地域といわれ、避難場所は遠く、かといって10m、20mの防潮堤、河川堤防の早期整備が困難である。すなわち、個人個人の人命に直結するため有効な対策を模索することが急務であるという課題がある。将来の津波来襲時に人はどこにいるか不明であるが、来襲時の最も危険な状態が生身での外出時である。通学、通勤時の無防備の状態が危険で、1日24時間のうち、その朝夕に占める時間割合も少なくない。無視できないほどに確率が高いといえる。さらに移動手段に乗った通勤、通学の列車、バス内でも身動き取れず集団で一蓮托生の危険がある。散歩中、買い物中、営業活動中、旅行者なども危険にさらされるといえる。次に危険なのが、木端微塵となる木造家屋内である。住人は帰宅すれば家で過ごすことになり、主婦とかは在宅時間も長いので危険に遭遇する確率はさらに高くなる。乳児や在宅の介護家族であれば抱きかかえて一緒に避難しなければならない。いずれにしても、津波の急襲地域では、弱者は自分の命は自分で守る必要があり、避難体を身にまとうか、移動体の中の備品としてもらい脱出後に装着するか、身近の家屋、建物内外に設置するかである。24時間の生活パターンの多くの時間帯で、身近で5分以内に安全、迅速に避難できるという課題を解決する必要がある。逆に言えば、1日のあらゆる時間帯に対応しなければ人は助かるといえない。津波の激しさ、漂流物との衝撃から、まず避難体は破壊、飛散に対する耐性が求められる。そして、自分自身の外出中の護身用として、ランドセル、通勤バッグ、防災リュックあるいは袋に入れ、吊り下げて常に携行しなければならない。毎日の携帯が出来るにはコンパクトさ、軽さが必要といえる。列車、バス等の公共移動体、あるいは公民館、病院、学校、職場などには常時の収納備品として備えてもらい、さらに自動車等の移動体のトランク中にも常時備品として、またそのときには、備品用には棚、座席シートやドア近辺の空間、自家用車ならトランクに収まるコンパクトさ要求される。いずれも個人用、親子用の少人数用の小型とし、折りたたみとすることで嵩張ることの問題が解決できる。木端微塵となる木造家屋の住人用には、生活場所が固定されているので、移動する必要がないため多少重くてもよく、丈夫な肉厚で、据え置き型で小家族用の小型とすれば日常生活の邪魔にならず、設置による室内スペース不足の問題を解決できる。避難体の大きさは、必要とする空気量、すなわち空気の漏れない密閉か、空気の漏れる非密閉かの構造系でも異なる。最大34.4mの津波としても、水中での空気保有体は、ピンポン玉や釣りの浮きのように数秒で水面上に、はじき出されるように浮上すると考えられる。津波来襲の直前に開口を閉めれば、呼吸のための必要容量、すなわち球体としての空間容量はさほど必要でない。人が入った残りの隙間程度で十分である。できるだけ直径が小さいほど、浮上時に、体重と浮力の関係からのバランスがいい。例えば70cmほどの大きさとすれば、半分程度が水面以下、半分程度が水面上となりバランスよく安定する。流速は水面近辺が極端に速く、水面下が少ないと氷の上を滑走するのと同じで危険。天地逆転、すってんころりとなる。増水で桁下空間の少ない橋桁に衝突する危険性も高い。水面下が多いほど漂流物と同じ流速となり、むやみな衝突を繰り返す機会が減る。すなわち、人数、体重に対して過剰に大きな容量だと、浮上後の危険が一杯ということである。浮遊体の容量、直径をできるだけ小さくバランスのいい小型とすることで危険回避の課題を解決できる。いずれにしても、ライフジャケットのように一部露出して身にまとうものでは、漂流物の激しい衝突には耐えがたい。津波に遭遇する出発点は、海ではなく陸の地上である。ボートのような浮体も、水の無いところ、着装点の多くは地上から浮上するので、水中では水をかぶり、上下回転で転覆、無用となる。津波対策として、球体状の避難浮遊体が考えられ、まずは漂流物による破壊、飛散に対する耐性が求められる。体全体が包まれ、水上に浮かぶ形態が必要条件といえる。着地状態から水中の浮力で水上に浮上できなければならない。浮上後、漂流中も浮力を保たなければならない。浮力と体重が等しいと沈みもせず浮上もせずで、水中を漂うままとなる。空気は水の比重に比べて軽く、水中で上昇する性質がある。その浮上する空気体積を殻に閉じ込めると、水中ではその体積分の水を排除することで浮力が生まれる。避難人員と浮遊体の総重量を上回る浮力、すなわち外殻で囲う立体の全体積の浮力を確保できれば水中から浮上し、かつ浮上後は開口部の蓋を開けた状態でその時に排除する水体積分の浮力、すなわち浮遊体の外殻の水面下の体積の浮力で漂流することができ、浮かぶ課題の解決となる。空気体積の大きい立体形状の代表が球体である。立体形状を構成する囲いとなる外殻を皮状とし、その形状を保持できれば、水中では全立体体積が水を排除する浮力となりピンポン玉のように勢いよく浮上する。浮上後は体重と浮力が等しくなる位置が水面位置となる。その水面位置を立体体積の半分の高さを目安とすれば、蓋を開けて漂流するときに安定する。すなわち総重量の2倍の浮力となる立体の大きさを目安とすれば、適切な大きさと定員の関係が決める課題が解決できる。漂流中は、様々な衝突で危険がいっぱい。空気を含む立体浮遊体は、破れると空気が抜けて沈没するので、内側に空気袋を内設したり、外殻自体を水に浮く中空構造としたりで、2重、3重の対策を講じることで安全性の課題を解決できる。開口部の蓋は面ファスナー、ボタンなどによる取り付け方式とすれば、空気の泡がある程度抜け、そのことで避難浮遊体の外殻には特別な圧力差がかからず耐衝撃性以外の密閉構造体のような耐圧、曲げ強度を必要としない。浮上後は、首を出し、茶碗に乗った一寸法師のように漂流物と一緒にもまれながら、あるいはその間隙をぬって意外とスイスイ漂流する。
浮遊体の立体形状は、効率的に空気体積を確保できれば浮力と中の定員、余裕の関係を解決できる。球体状、ドラム缶のような円筒状、樽状、箱状、立方体状、直方体状、多面体状などがある。携帯用、備品用には折りたたみ易さ、折りたたんだ時の形状、重なり具合、最大方向寸法、収納・携帯のし易さ、人の入り心地、座り心地、衝突抵抗などニーズからも多種多様である。据え置き型には成形品とすることができるため立体形状は自在である。平時は、防災グッズや衣類などの収納に役立つ。避難時には衣類は瞬時に放り出す。津波の前の地震で転げないために浮遊体の外に座布団台座、拘束するひもなどが必要である。
浮遊体の外殻の材料は、漂流物の衝突に強く、水中での防水性があれば耐性の課題の解決ができる。漂流物等の衝突に大きく破損しない耐破損性能および防水性が必要で、内部の人の防護、盾となる、いわゆる鎧、甲冑の役割を果たす。また、携帯用、備品用の用途からは、なるべく軽いものとして、その厚みが決まる。さらに折りたたみ易さ、折り重なり厚さからも決まる。幼い小学生用には、中空構造とした外殻自体で浮くことができると親は安心できる。収納スペースに余裕があり嵩張っても良い場合は、外殻を中空とする方法、その中に隔壁を設ける成形性からも決まる。材料は、強化樹脂製、樹脂製、繊維製、または弾力性のあるゴム製等の強度、柔軟性などから選ぶ。曲面となる部材は板状に薄く加工できることが必要である。板材、シート材、布材、それらの多層複合材、または形状記憶材、それらの組み合せに仕上げる。一例には、炭素繊維シート、補強メッシュ入りシートとなる強化樹脂製、もしくは弾力性のある弾性材が考えられ、折り目を含めた加工も容易である。さらに、それらシートにしわ、ひだを設け、あるいは形状記憶材とすれば、折りたたんだ平面シート状から人が入る立体形成体としての曲面に伸ばすことができる。小さく折りたたむに伴い嵩張り、折りたたみづらくなるので、折り目部分を溝とするか、変形追従性材、柔軟材とし合成とすることも考えられる。逆に、折り目に硬質の骨材とすれば形状保持に役立つ。曲面を持つ立体形成体で、折りたたむ薄肉の場合は薄いシート状、据え置きの厚肉の場合は成形品となる。
浮遊体の大きさは、できるだけ表面積が小で、小型とすれば危険回避の課題が解決できる。概ね浮力と中の定員、総重量の関係、座高で代表する体格による中の居住性、および呼吸のための酸素の空気体積から決まる。加えて、浮上後の水面上での浮遊体バランスも大切である。携帯性、移動性からは小型、軽量、住宅事情からも玄関から搬入できる小型であることが望まれる。当然、急襲する津波に、必要とする人数が安全、かつ迅速にその中に避難できなくてはならない。津波の来る前、水中となる前に、浮遊体の中に避難するので1人1人が機敏に飛び込みむように中に入る必要があり、人数は極力絞った方がいい。立体の適切な大きさを見つけることが課題で、主に個人用、次に小さな子供、介護弱者を抱いたまま入れる少人数用が要求されるところ。個人用、親子用、少人数用に絞ることで小型とすることができる。立体を球体として体積換算したときの直径は、着座した人の座高からおよその大きさが求まる。人の体重、座高は千差万別であるが、年齢によりある程度の想定、グループ分けが可能である。通学用は個人用1人分だが、小学生、中学生、高校生の体格が大きく異なるので使い分けが必要となる。通勤用は大人1人分、列車や幼稚園児、保育園児の送迎には付き添いの大人と一緒に入る必要がある。文部科学省「学校保健統計調査−結果の概要(平成27年度)」によれば、表1のとおりで小学1年から高校3年までの男子平均座高は、64.8cm〜92.1cmであり、表外の成人は体重70kg、座高は95cm、身長171.0cmと仮定する。これらよりさらに小さい体格の女子、子供も考慮して、中の居住性から球体として体積換算直径の大きさで50cm〜100cm、110cmといえる。これ以上小さいと、1人での判断能力が未熟な児童で無理と考える。これ以上大きいと、特別体格や、大家族でどうしても一緒という場合には特別仕立てとなりやむを得ない。窮屈は我慢するとして、身をかがめて入る大きさで、できるだけ小さい方が望ましい。小さい方が表面積も小さく、漂流物に衝突して傷つく確率は低くなる。球体を極力小さくするとすれば、自ずと呼吸するための空気体積は少なくなる。
Figure 0006379326
それでも呼吸のための酸素の空気体積は人の体積を差し引いた残りの隙間の大きさで十分である。すなわち、水中で空気を含む浮力の優る球体は、水中からピンポン玉のように数秒で水面に跳ね上がり、浮上する。したがって、安全のためには無駄となる空気体積は必要としない、最少でよい、身を屈めた残りの空間の空気があれば呼吸に十分である。首をすくめるのも一時の短い時間、命が助かるのだからこれくらいは我慢する。浮上後すぐに開口部を開ければ新鮮な空気が入る。水面に浮上したときに開口部がすぐ開くよう、開口部は球体の上部に位置すること、その確認ができることが肝要で、着座は下に来る。さらに、浮上後の水面上でのバランスも大切である。浮力を必要とするため空気体積を有する立体となるが、中の総重量より無駄に大きいと表面積が増え衝突、ひっかきの確率は高くなる。かつ、体重に比べて空気体積が大きいと水面以下の部分が少なく、水面上に大きく露出するため重心が高く下を支点として上が揺れやすく不安定で、氷の上を滑走、疾走するのと同じで危険。天地逆転、すってんころりとなる。河川の増水で桁下空間の少ない橋桁に衝突する危険性も高い。逆に、総体重に対して球体があまりに小さすぎると、水面下より下に大きく沈むことになり不安になるし、開口部から首を出した時に高波やしぶきを浴びる。立体の中の人の体重と立体空間体積のバランス、すなわち、沈む力と浮き上がる浮力の大きさのバランスが大切である。一方で、水中からいち早く浮上するためには、浮力と内の総体重との差が大きいことが必要で、立体体積による浮力と体重とが等しい場合は浮上できず水中を漂うことになる。ここでは、水面以下と水面上の体積を等しくする、いいかえれば、空気体積による浮力が体重の2倍を目安とする。不安定の解消のほか、いち早い浮上も期待できる。適切な大きさを見つける尺度は、水上に浮上したときの水面位置が浮遊体の半分が水面下、半分が水面上となる総重量と立体の大きさの関係を目安とすれば浮遊体は安定しているといえ不安定となる課題を解決できる。以下の表2に、浮遊体を球体とした場合の直径の大きさと、空気体積、避難できる人数分の総体重の関係を示す。避難できる人数分の総体重は一見大きそうだが、水上に浮上したときには開口部の蓋を開けるので、半分が水中、半分が水面上の状態がバランスがよく、水面で水を排除した体積、すなわち蓋を閉じた水中の全浮力の半分が体重分と釣り合っているといえる。避難できる総体重、総重量は、水中の全浮力の半分、すなわち全空気体積の半分となる。
Figure 0006379326
球体の直径が0.8mとすると内空体積は0.2679m3で、水中の全浮力が267.9kgなので、外殻の重さを無視すればおよそ大人3〜4人分の体重とバランスしているがその時は全体が水中であり、浮力に余裕がなく水中でさまようことになる。半分が水面以下の水中で半分が水面上とすると半分の134kgで、1.5人〜2人分すなわち、大人1人+子供1〜2人分といえる。座高標準では、70cm〜95cm程度であるので多少窮屈だが身を屈んで、園児は、ひざと胸との空間に横向きで抱えるとよい。数秒で浮上するので、開口部から頭、首、肩まで出すことができ、水中の数秒間の我慢だ。絶対的大きさは、屈める限界の座高から決まるといえる。幼稚園児は別々で漂流すると危険なので大人同伴の同じ球体に入る。通勤時や通学時は、一人単独とし、携帯すると仮定する。直径が0.7mとすると内空体積は0.1795m3で、全浮力が179.5kgなので、およそ2〜3人分を浮かせることができるが、半分を水上、半分を水中とすると89.8kgで大人1人分といえる。座高標準では、70cm〜95cm程度であるので多少窮屈だが我慢だ。子供用で直径が0.6mとすると内空体積は0.1130m3で、全浮力が113.0kgなので、外殻の重さを無視すればおよそ1〜2人分を浮かせることができ、半分を水上、半分を水中とすると56.5kgで中学生1人分といえる。座高標準では、70cm〜90cm程度であるので多少窮屈だが身を屈んで我慢だ。直径が0.5mとすると内空体積は0.0654m3で、全浮力が65.4kgなので、およそ子供1〜2人分を浮かせることができるが、半分を水上、半分を水中とすると32.7kgで低学年1人分といえる。座高標準では、60cm〜80cm程度であるので多少窮屈だが若いので身を屈んで、我慢だ。毎日の携帯には小さい方が便利だ。通学用のランドセルに常時携帯する低学年は、1人の行動を前提とするので自分単独で避難しなければならない。子供1人用では取扱い、呼吸法など十分な訓練を要する。水中では回転があるので大きさに余裕があるほど逆に内部の取っ手が必須となる。1人分では直径50cm〜80cmが津波避難用浮遊体の計算上の概ねの大きさといえる。体の大きい人にはこれに準じた考え方で大きくしたらよい。当然、人が中に入る大きさが必要であり、備品用、携帯用では収納、持ち運び、移動ができる大きさ、軽さということも重要な要因となる。そのままの大きさ、例えば80cmのままでは持ち運びに不便であるが、これには、折りたたみ、縮小することで収め方、携帯性の問題を解決できる。折りたたんだ浮遊体の中に入り、かがんだ状態から外殻の一部、または取っ手を持って背伸びすれば立体形状に拡張、復元され、浮上に必要な概ねの空気体積が確保できる。携帯用はおおむね1人用であるので、大きさは個人の体格に応じて選定するものの、年々の成長期にはバトンタッチしていくことも考えなくてはならない。備品用はある程度の余裕を持った品ぞろえとなる。据え置き用では、家族構成から、介護家族、幼児のいる家族、バラバラになりたくない家族とかがあり、特別に肥満の人は大きさも特注となることもある。最終的に2個に分散する場合でも、判断能力のある人がそれぞれに1人ずつ入る必要がある。結果、特別にサイズの大きい人、子供連れ、どうしても家族一緒という場合、および内部の空気袋の膨らみによる空間余裕を考慮して、かつ、据え置き用の球体の重さ60kgとしても、球体としての体積換算した直径が概ね50cm〜100cmの大きさ、特別に110cmまでとすれば過剰に大きくなることによる不安定さの問題を解決できる。ここで、球体の半分、1/2の高さを目安とした水面位置は、正確には総重量との関係であり、中の人の総体重と外殻の重さ、中に持ち込む荷物の重さからも変化する。直径100cmで総重量が262kgの計算で半分が水面以下となるが、外殻の重さを60kgとすると、262−60=202kgが人の体重となる。誤差の範囲として、202/262=0.77から(262+60)/262=1.23が許容範囲と考えられる。すなわち、262kgが半分の目安とした水面位置の設計は、半分の1/2の位置を中心として上下に25%の範囲、半径の1/4の高さ範囲といえる。直径高さとして表現すれば、水面位置は直径高さの3/8〜5/8の範囲に来るように適切な大きさを設定することが望ましい。
開口部の位置は、浮遊体の上部に設けることで、浮上後すぐの空気取り入れの課題を解決できる。開口部の大きさは、円形状の蓋として、子供用で直径30cmの場合、円周長は94.2cm、大人用で直径60cmの場合、円周長は188.4cmであるのでウエスト、肩回りの大きい人でも楽に出入りできる。開口部の位置は、浮遊体の上部とし、浮上後にすぐふたを開けて新鮮な空気を入れる。全開せずとも少し開けるだけでもいい空気は入る。直ぐ開けるためには、浮上時に開口部が上となる位置関係を確保しなければならない。上下姿勢を確認できる取っ手、つかまり棒、つり革、またはシートベルトが頼りになる。当然それは、水中で激しく揉まれて回転する場合のつかまり手ともなる。開口周囲には欠損部としての水圧がかかるが、密閉構造とすると設計に限度がなく無理が生じる。ここでは、浸水を許す非密閉構造として対処する。開口部の継ぎ目部は、折りたたみ方法にもよるが、ファスナーで開閉、あるいは蓋を別個のものとして面ファスナー、フック、ボタンとかで避難時に取り付ける。別個とした方が蓋の分の面積が減り、折りたたむときに重ならない利点がある。厚肉の場合は構造的工夫ができる。2段構造、内外で半径の異なる円としたテーパー式、ねじ式、嵌合式とかがある。パッキン、ゴム層とかで取り合うとある程度の防水となる。いずれも、蓋が紛失したり、流されたりしないよう本体と内側でひも付けする必要がある。この本体と蓋裏を結ぶひもを取っ手とすれば、つかまる力が水圧と同じ方向の浮遊体内側方向に作用し、浮遊中に蓋が外れにくく、かつ浮上時に蓋が上に位置していることの確認ともなる。浮遊体の中に避難後は蓋を閉めるが、特に空気袋を膨らませる作業がある場合は、直前まで蓋を開けておく必要がある。あるいは、津波到達が遅れる場合があるので、こまめに開けて空気を入れ替える必要がある。水中での空気保有体は、ピンポン玉や釣りの浮きのように数秒で水面上にはじき出されるように浮上する、あるいは波に乗ってサーフィンのように先頭になって運ばれる。ファスナー等の継ぎ目部から浸水するが、浮上までは数秒なので、ある程度濡れることについては仕方ない、我慢が必要だ。浮上途中にファスナーの隙間から空気が水泡となって逃げるが、徐々であるので浮上までのわずかの時間は大丈夫といえる。面ファスナーとすれば大きな空気の塊、泡の抜けがより少なくなる。開口部の蓋は、透明材、半透明材とすると採光にもなり、浮上後の外部の様子が中からうかがえ、蓋を全開するタイミングを計れる。浮上後は開口部を開ければいくらでも新鮮な空気を吸える。濡れるのが嫌な人は、中からファスナー部を粘着テープで目張りすると良い。ただし、浮上後は直ちにはがさなければ酸欠するので注意を要する。粘着テープで目張りすると、いわゆる密閉構造体となり、全体に大きな水圧がかかり、体積が縮小するので、結果、粘着テープ程度では圧力に抵抗しきれない、すなわちテープがはがれ浸水することで空気が水泡となって抜け圧力のバランスが取れる。この圧力は、津波高さ相当分の全圧がかかるが数秒で水面に浮上してゼロへと解消される。その数秒間の圧力変動には浮遊体は耐えるものである。また津波の先頭に持ち上げられて走らされると、速度は大きいが大きな圧力はかかってない。津波には第2波が予想されている。その時にはまた開口部を閉じて中に避難する必要がある。
さらに、浮遊体の外殻を、比重1.0以下の、水に浮く軽い材木板や気泡の多い発砲スチロール板、多孔性のプラスチック板、中空のプラスチック板、中空に隔壁を設けたプラスチック板の複数枚で構成すると、2重の安全性の課題が解決できる。浮遊体が刺し傷で浸水したときでも、水に浮く材料で外殻を構成した場合は、浮遊体自体、囲い自体が沈まず浮いてくれる。それに加えて、空気袋を内部沿いに設けると人間1人分の浮き袋となり、囲いの中で浮くことができる。さらに、浸水したことが逆に幸いして、浮遊体内部に満たされた水体積の反発力、弾力性が効果的に作用し、衝撃のクッションの役割を果たしてくれる。外殻を折りたたむ場合、4角の板で構成すると立体形状が限られ、かつ嵩張るので、立体形は曲面がない面で構成されるサイコロのような立方体、直方体となる。この場合、その底面は折りたたんだ対角線が√2分と長くなるので、しわしわとなる柔軟材料とかで内側に余分に長く織り込んでおく必要がある。上面も対角分が長くなるが、開口部を上手に利用して収める必要がある。上面を着脱式とすれば本体が折りたたみ易い。水に浮く比重のさらに軽い中空板は有効に働く。中空の板の場合、中の空気体積が浮力の助けとなり、中空板自体を人間の浮き袋とすることで沈むことへの安全性がさらに高まる。中空板だけで体重以上の空気体積、その浮力を確保すれば中空板だけで浮上が可能となる。外殻が中空板の場合や成形品の厚肉の中空外殻とする場合は、中に隔壁を設けると、たとえ損傷したとしても仕切られた隔室だけの空気ロスに抑えることができ、このことは危険分散となりさらに増して安全が確保できる。外殻に鋭い刺し傷で一部に穴が開いたとしても、あるいは衝撃で一部ひび割れ損傷したとしても断面欠落に至らなければ、全体の囲いで衝撃緩和の機能が維持されており衝撃から守ってくれる。浸水の水体積が強力なクッション、ショックアブソーバーになる。例えば70cm*70cm*70cmの立方体とすれば、立体の空気体積は0.343m3で、球体に換算すると直径が87cm相当となる。立体が浸水しなければ総体重171kgの避難ができる。次に、一部損傷し浸水するとして、材料厚、材料重量を無視して簡易計算をする。中空の外殻が浮き袋として働く。側面の4面が5cm厚の中空の板とした場合、外殻中空の空気体積は、4*0.7*0.7*0.05=0.098m3となり、中空板には隔壁を設けるとして8割が破損しないで有効に残っているとすれば約78kgの体重を浮かせて、安心。7cm厚とすれば0.137m3で、8割が有効なら109kgの体重に対応できる。
球体を折りたたむ方法には、工夫を要する。外殻が硬質材なら折り目に溝や弾性材を用い折りやすく薄くするか、硬質材にひだや、しわを入れて曲面を平面状に伸ばしやすく、たたみやすくする。逆に、蛇腹式とか、提灯式の折り方では折り目に硬質の骨材とすれば形状保持に役立つ。メロンの皮のように2層とした柔軟性材や、平面が曲面に復元できる形状記憶材、その積層を用いることも有効である。収納するランドセル、通勤カバン、防災バッグの大きさにも配慮する。A4サイズは可能として、おおむね30cm*20cmを目指して折りたたむことになる。浮遊体を球体とすれば、どうしても曲面が残る。しかし、100円ショップや昔懐かしい万屋、雑貨屋での紙風船には、球体を平面状に折りたたむ工夫をして販売している。すなわち、紙風船の曲面部の途中で伸縮となるひだや、しわを設け、曲面を平面状に伸ばし折り曲げ、折重ねた結果、平面に近づける方法である。しわくちゃのワイシャツにアイロン掛けし、折りたたむ要領に似ている。この場合も、球の円の直径の長さが残るので、収納にはさらに1/2や1/3に折り重ねる必要がある。そのほかの折りたたみ方は、折り重ねた曲面間に相互の接触、破損、怪我を避ける綿などのクッション材を入れ、全体を保護収納材で包み込む方法もある。球体や樽状、円筒状の浮遊体の提灯式、蛇腹式の折りたたみ方では、浮遊体を薄くぺっしゃんこに圧縮できるが直径の大きさがそのまま残る。そのことから、収納に余裕のある列車等の移動体の備品用として適しているといえる。円周方向の折り目に骨材、リング材またはその機能を持たせると、折りたたみが容易となり、しっかりした形状保持に役立つ。携帯用に小さくするには、さらに半円、1/4円に折り重ねなければならないのでこの折り方では備品用に適しているといえる。直方体とした浮遊体では、板状に折り重ねる。60cm*60cm*40cmで外殻板の厚み0.2cmで折り目部を薄い防水材でつないだ浮遊体を、30cm*20cmの板片とした折りたたみ方では、折り返しによる折りたたみが容易である。すなわち、直方体の4側面に4枚の板で折り込む例では、折り重ねが16回となり、厚みは16倍の3.2cmとなる。この程度の厚みなら、ランドセルや、通勤カバンに入り携帯性に優れるといえる。気泡性の板で厚み1cmとすれば、折り重なり厚みは16cmとなる。すなわち30cm*20cm*16cmのブロック状に仕上がり、たとえば家の塀囲いのコンクリートブロック1個の感じであり、この程度でも軽量、コンパクトなので防災バッグで持ち歩いても携帯性に支障はない。逆に移動体の備品として収納空間に積み重ねやすい。いずれも、底面を風呂敷のように広げた防水面材とすれば、しわしわにたたむことができる。上面は風呂敷のように広げた防水面材の中央をくりぬいた開口部とし、または上面全体を開口部の蓋として、面ファスナー、フック、ボタンなどで閉じる。さらに、幼い小学校生用には、浸水したとしても中空の外殻自体で浮く浮遊体が安心である。そこで、立方体を縦40cm*横40cm*高さ40cmとし、側面の4面で中空外殻とし、厚みを5cmとした浮遊体とすれば、中空外殻の空気体積は4面*0.4*0.4*0.05=0.032m3であり、およそ体重30kgの平均的小学4年生までに有効となる。40cm*40cmの板片とした折りたたみ方では、同じく立方体の4側面の4枚で折り込むことになり、浮遊体の厚みは4倍の20cmとなる。軽いので、別途ひも付きの専用バッグに入れて肩に携帯してもよく、まさに親も安心できる。スペースの取れる備品用では、立方体を菱形に押しつぶして2枚合わせとすることができる。立方体で60cm*60cm*60cm、厚み1cmの起泡性の板とすれば、2枚合わせで折りたたんだ場合、幅120cm、厚み2cmとなり大人にも対応できる。外殻だけで浮くことができるとすると、中空外壁とし中空の厚みを6cmとすれば、中空外殻の空気体積は、4*0.6*0.6*0.06=0.086m3で、およそ80kgの体重相当の浮力が期待できる。2枚合わせで折りたたんだ場合、幅は120cm、厚み12cmとなり、浮遊体を上下に重ね置きしたり、座席の後方のデッキ側、座席の下、網棚にも収納したりで工夫すれば十分可能といえる。
漂流中は、様々な衝突が予想され、衝撃、浸水、浮上、漂流に対して、安全対策が必要だ。薄肉材の場合は、特に内部にクッションが必要である。浮遊体の外殻が破損すれば浸水するので、あわてないためにも、損傷して浸水したときの2重、3重の安全対策が課題で、外殻を中空とすること、または空気袋、浮き輪を内装すること、それらの組み合わせで浸水中の囲いの中で浮かぶことができれば浸水による不安を解決できる。さらには防水性の薄膜、ポリ袋を外殻沿い内部に敷設することで一時的には濡れなくて済む。水中での空気の逸脱防止に役立つ。加えて、海水浴用の浮き輪を中に準備しておくと安心できる。立体形状となる外殻に沿わせて内部に、大風呂敷状の空気袋、または水平方向に環状とした浮き輪を配置すれば、空気を吹き込む膨張によって、しっかりとした立体形状が確保できる。その円環を膨らませる時に外側方向に膨張力が働き、空気袋、浮き輪の外側の外殻へ圧力が伝達され、外殻の立体形状保持に有効に働く。浮き輪間を防水性面材で面連結していれば、内部空間まで浸水しない。また、津波避難用浮遊体が鋭利なものに部分的に突き刺さり破損する可能性があるため、その時に浸水があっても浮かぶために空気袋が必要となる。すなわち、浸水を前提として安全対策を考える。ただし、破損が空気袋、または連結面材に及ぶと浸水する。そこで、複数の空気袋、隔壁で分割した空気袋とすれば、空気袋のいくつかが破れたとしても、残りの空気袋が体重分を上回る浮力で浮き輪となり2重3重の安全機能を発揮する。当然、外殻は、ひびわれ、一部破れたといえどもなお衝撃防止としての重要な役割、保護囲いの役割を果たし続ける。球体に沿った空気袋、浮き輪は外殻に漂流物が衝突した時のクッションの役割も兼ねることができる。かつ、浸水することで意外にも囲いの中の内部の水体積が反発を伴うクッションとなる。空気袋は、複数の独立した空気袋、または隔壁を設けた空気袋、あるいは隔壁に逆流防止弁がついた空気袋が危険分散に考えられる。できればその1個1個が体重を浮かせるだけの空気容量、例えば海水浴の浮き輪の空気容量があることが望ましい。浮き輪の内径は開口部の直径以上に大きくすれば、また、浮き輪間を防水面材で面連結しておけば開口部から逸脱することはない。空気袋は、格子状に上下左右方向、または斜め45度方向に交差する空気袋とした場合、浮遊体の形状保持は勝るといえるが、水中での浮力確保には水平とした浮き輪が勝るといえる。空気袋、浮き輪が膨らむと、身をかがめてさらに窮屈だが、人の体重の寄りかかる部分の空気袋、浮き輪はさほど膨らまず、空気が袋内で内部移動して外殻の他の部分に拡張圧力として働くと考えられる。膨らませるのは、内部に避難した後でも良く、中に入る前に膨らませると中が狭くなる。第一そんな時間余裕はない。素早く中に避難した後、屈んだ後に膨らませた方が作業は楽である。ただし、開口部の蓋を開けた状態は危険なので8割方は閉めておくとかのすぐ閉じられる体勢が必要である。着座部や天井の蓋部には円状の空気袋を下に敷けば楽、上の蓋に空気袋をつければヘルメット代わりとなる。空気袋、浮き輪を膨らませる方法は、基本的には海水浴の時の浮き輪と同じで、息を吹き込んで膨らませる要領で、何回かに分けて肺活量が必要である。注入には息を吹き込む方法、簡易空気ポンプで送り込む方法、圧縮ボンベから送り込む方法があり、隔室への注入には各隔室の注入口に直接注入する方法、分岐したチューブを介して送り込む方法、あるいは隔壁に逆流防止弁を設けると吹き込み口は一箇所となり簡単で時間短縮となる。備品用には取扱いに馴れないので、地元高校生の先導的訓練が必要で、にわかに操作要領を得るには時間がなくボンベ等のひもを引っ張れば注入する程度の簡便さが必要である。とくに通学中の低学年の児童には、空気ポンプとか簡易空気注入器を用意することを考える。
球体内部の空気袋の大きさは、浸水したとして空気体積による全浮力が体重、外殻の重さを加えた総重量より大でなければならない。ここでは、目安として次の、球体内面全体に貼り付くとした大風呂敷状、曲面状の空気袋とした場合、複数を並行で例えば3個の水平な浮き輪を内接して上下に並べた場合、幅広で帯状の水平な浮き輪を内接した場合の3ケースで簡易に求める。第1ケースの球体内面全体に貼り付くとした大風呂敷状の空気袋とした場合で、浮遊体の球体直径0.8m、空気袋の厚み、空間幅t=6cmとすれば、空気袋体積は、空気袋中心での球表面積*空気袋の空間幅t=4π*(0.8/2ーt/2)*(0.8/2ーt/2)*t=0.103m3となり、大人1人子供1人の70kg+30kg=100kg体重に対して、6cm幅の大風呂敷状の空気袋の浮力が体重に優っていると計算できる。この場合、開口部の蓋の裏側にも空気袋があると計算上仮定している。球体直径0.7m、空気袋の空間幅をt=6cmとすれば、空気袋体積は、空気袋中心での球表面積*空気袋の空間幅t=4π*(0.7/2ーt/2)*(0.7/2ーt/2)*t=0.077m3となり、大人1人標準70kg体重に対して6cm厚の風呂敷状の空気袋であれば浮力が優っていると計算できる。子供1人用には球体直径0.6m、空気袋の空間幅をt=6cmとすれば、空気袋体積は、空気袋中心での球表面積*空気袋の空間幅t=4π*(0.6/2ーt/2)*(0.6/2ーt/2)*t=0.055m3となり、13歳以下の子供1人50kg体重に対して6cm厚の大風呂敷状の空気袋であれば浮力が優っていると計算できる。子供1人用には球体直径0.5m、空気袋の空間幅をt=6cmとすれば、空気袋体積は、空気袋中心での球表面積*空気袋の空間幅t=4π*(0.5/2ーt/2)*(0.5/2ーt/2)*t=0.036m3となり、9歳以下の子供1人31kg体重に対して6cm厚の大風呂敷状の空気袋であれば浮力が優っていると計算できる。大風呂敷上の空気袋とすれば、危険防止のため、隔壁で分割する必要がある。取っ手の取り付け位置を考えなければならない。このケースでは開口部周辺に設けることになる。第2ケースの複数を並行で例えば3個の水平な浮き輪を内接して上中下に並べた場合、直径0.8mの球体に内接する浮き輪の直径を15cm、円環状の中心輪の直径が0.65mとすると、空気体積は、3個*中心輪の円周(π*0.65)*断面積(π*0.075*0.075)=0.108cm3、すなわち70kgと30kgの大人1子供1人分となる。直径0.7mの球体に内接する浮き輪の直径を15cm、円環状の中心輪の直径が0.65mとすると、空気体積は、3個*中心輪の円周(π*0.55)*断面積(π*0.075*0.075)=0.092cm3、すなわち90kgまでの大人1人分となる。直径0.6mの球体に内接する浮き輪の直径を15cm、円環状の中心輪の直径が0.45mとすると、空気体積は、3個*中心輪の円周(π*0.45)*断面積(π*0.075*0.075)=0.075cm3、すなわち70kgの大人1人分となる。直径0.5mの球体に内接する浮き輪の直径を15cm、円環状の中心輪の直径が0.35mとすると、空気体積は、3個*中心輪の円周(π*0.35)*断面積(π*0.075*0.075)=0.058cm3、すなわち13歳以下の50kgの子供1人分となる。ただし、球形の直径が小さくなるほど内接円環の直径は小さく、複数個とすればさらに小さくなるため再度の計算が必要である。第3ケースの幅広で帯状の水平な浮き輪を内接した場合、直径0.8mの球体に内接する浮き輪の帯の横幅を15cm、帯の上下幅を40cm、円環状の中心輪の直径が0.65mとすると、空気体積は、中心輪の円周(π*0.65)*断面積(0.15*0.40)=0.122cm3、すなわち70kgと30kgの大人1子供1人分となる。直径0.7mの球体に内接する浮き輪の帯の横幅を10cm、帯の上下幅を40cm、円環状の中心輪の直径が0.60mとすると、空気体積は、中心輪の円周(π*0.60)*断面積(0.10*0.40)=0.075cm3、すなわち70kgの大人1人分となる。直径0.6mの球体に内接する浮き輪の浮き袋部の帯の横幅を10cm、帯の上下幅を40cm、円環状の中心輪の直径が0.50mとすると、空気体積は、中心輪の円周(π*0.50)*断面積(0.10*0.40)=0.063cm3、すなわち13歳50kg以下の子供1人分となる。直径0.5mの球体に内接する浮き輪の浮き袋部の帯の横幅を10cm、帯の上下幅を40cm、円環状の中心輪の直径が0.40mとすると、空気体積は、中心輪の円周(π*0.40)*断面積(0.10*0.40)=0.050cm3、すなわち11歳40kg以下の子供1人分となる。
防水性の薄膜、ポリ袋を、浮遊体の外殻に内接して敷設しておくとさらに安心できる。外殻と、膨らませる空気袋や浮き輪との隙間に敷設する。水中浮上中の浮遊避難体に損傷が生じると、空気が抜け出す可能性がある。空気は下には抜けづらいので呼吸には困らないとしても空気が減ると、その分、浮力が減り浮上までの時間が長くなる可能性がある。その可能性に対しても備えるために、外殻内部周辺沿いに密着する空気袋や浮き輪との間に、面状の防水性の薄幕を敷設しておく、もしくは、空気袋、浮き輪を防水性の薄膜で連結することが考えられる。このことで、一次的にも空気の抜けが抑えられ、濡れなくて済む。外殻と薄膜との隙間の水がクッションの役割をする。安全にはきりがないが、空気袋や浮き輪の球体中心側にも面状の防水性の薄幕を設けると更なる効果が期待できる。ただし、嵩張りすぎると携帯用、備品用の折りたたみに支障をきたすことのバランスを計らなくてはならないが、中心側の防水性の薄膜、ポリ袋は、避難時に後付けセットすることとすれば折り重ね時に嵩張らないといえる。
その他として、内部が真っ暗では不安が募るし、少しの作業もできない。少なくとも内側の蛍光塗料で、開口部の蓋が判別できれば上下関係が確認できる。蓋をすぐ開けるとしても外の様子が分からないと不安でもあり、蓋を透明性のものとすると昼間の光、月夜の光でも安心できる。内部の採光については、蓋の透明化のほか、手巻き式充電の懐中電灯、ラジオも役立つ。漂流中の浮遊体は、途中の高い建物の人から助けてもらうか、高いところ、木の根元につかまり昇るか、救助ヘリに発見してもらうかであろう。外殻の外表面には目立つ黄色のペンキ、夜光塗料を塗布しておくと良い。平時はその中に座布団、衣類、防災バッグを収納でき、生活スペースの負担とならない工夫ができる。中に用意すべき品としては、海水浴用浮き輪、懐中電灯、ラジオ、簡易空気ポンプ、簡易ヘルメット、ひも、ロープ、黄色い旗、手漕ぎオール、粘着テープ、洗面器、ポリ袋、携帯電話、手を振って上空に合図を送るためのタオルなど中に必要に応じて用意しておけば思わぬ備えとなる。GPS携帯電話も役立つ。一次浸水には、洗面器があるとかき出すことができ、30分後といわれる第2波の襲来に備えることができる。
このような課題を解決するために、本発明の携帯用または備品用の1人用、もしくは少人数用の小型の津波避難用浮遊体は、津波の来襲に備えて、中に人が避難できる球体状、円筒状、樽状、箱状、立方体状、直方体状、多面体状またはそれらに類似の空間のある立体形状を形成し、立体を形成する外殻の材料は、耐破損性および防水性に優れた強化樹脂製、樹脂製、繊維製、ゴム製、またはそれらの合成、メッシュ補強したものとし、立体形成体の大きさは、球体として体積換算した直径が50cm〜110cmとし、水中時に収容人の体重を含む総重量より大きな浮力となる立体空間体積を有することとし、浮上時に前記立体形成体の直径を高さとすると周辺水面高さがその3/8から5/8の範囲となる総重量と大きさの関係とし、外殻の機能は漂流物等の直接衝撃から内部の人を保護することとし、外殻の上部に開口部と蓋部を設け、開口部は密閉構造とせず、浮上時に上下姿勢を確認したのちに開いて空気を取り入れることとし、外殻の構成材は、薄肉状の板材、シート材、布材、それらの多層複合材、形状記憶材、または比重が1.0より軽い材木板、発砲スチール板材、気泡性板材、多孔性板材、それらと薄肉材との多層複合材、あるいは中空構造、隔壁のある中空構造とした板材とし、携帯用として、または列車、バス、自家用車等の移動体や学校、職場等の備品用として、軽量で、折りたたみ、縮小して整形することを特徴とする。
また、本発明の携帯用または備品用の1人用、もしくは少人数用の小型の津波避難用浮遊体は、前記津波避難用浮遊体の外殻の内部に設けた立体内面沿いの空気袋、水平方向沿いの浮き輪、または隔壁のあるそれら空気袋、浮き輪を内面側に密着して膨らませることで、あるいは外殻の中空構造、隔壁のある中空構造とした板材で、さらにはこれらの合計で、立体形状を形成、保持することとし、水中で人の体重と立体形成体の自重より大きな浮力で浮くとし、衝撃に対するクッションも兼ねるとし、たとえ外殻が衝撃を受け、または鋭利な刺し傷などを受け部分損傷し立体形成体の内部に浸水した場合でも、外殻の囲いと内部浸水の反発力とが内部の人を保護する機能を維持し、人がその囲いの中の浸水水中で浮かぶことができるとしたことを特徴とする。
また、本発明の据え置き用の1人用、もしくは少人数用の小型の津波避難用浮遊体は、津波の来襲に備えて、中に人が避難できる球体状、円筒状、樽状、箱状、立方体状、直方体状、多面体状またはそれらに類似の空間のある立体形状を形成し、立体を形成する外殻の材料は、耐破損性および防水性に優れた強化樹脂製、樹脂製、繊維製、ゴム製、またはそれらの合成、メッシュ補強したものとし、立体形成体の大きさは、球体として体積換算した直径が50cm〜110cmとし、水中時に収容人の体重を含む総重量より大きな浮力となる立体空間体積を有することとし、浮上時に前記立体形成体の直径を高さとすると周辺水面高さがその3/8から5/8の範囲となる総重量と大きさの関係とし、外殻の機能は漂流物等の直接衝撃から内部の人を保護することとし、外殻の上部に開口部と蓋部を設け、開口部は密閉構造とせず、浮上時に上下姿勢を確認したのちに開いて空気を取り入れることとし、外殻の構成材は、厚肉材、または気泡性材、多孔性材、あるいは中空構造、隔壁のある中空構造とした板材の厚肉の成形品とし、家屋、建物内またはその周辺に据え置くとしたことを特徴とする。
また、本発明の据え置き用の1人用、もしくは少人数用の小型の津波避難用浮遊体は、前記津波避難用浮遊体の外殻の内部に設けた立体内面沿いの空気袋、水平方向沿いの浮き輪、または隔壁のあるそれら空気袋、浮き輪を内面側に密着して膨らませることで、あるいは外殻の中空構造、隔壁のある中空構造とした板材で、さらにはこれらの合計で、たとえ外殻が衝撃を受け、または鋭利な刺し傷などを受け部分損傷し立体形成体の内部に浸水した場合でも、外殻の囲いと内部浸水の反発力とが内部の人を保護する機能を維持し、人がその囲いの中の浸水水中で浮かぶことができるとしたことを特徴とする。
また、本発明の1人用、もしくは少人数用の小型の津波避難用浮遊体は、前記津波避難用浮遊体の外殻の内面沿いに、または外殻の内面と空気袋、浮き輪との間に、あるいは空気袋、浮き輪の浮遊体の中心内側に、袋状の防水性の薄膜袋を敷設すること、もしくは浮き輪間を防水性の面材で連結し外殻の内面沿いの袋状にすること、さらにはこれらの組み合わせとしたことを特徴とする。
津波到達時間が5分、津波高さが10mという急襲の予想地域では、避難困難地域とされ、とにかく逃げ切れとか、自分の命は自分で守れ、とかいわれ多くの人は諦め、絶望しているところである。特に、無防備の生身となる通学、通勤途上、列車、バスの移動体の閉塞された中、先の東日本の津波でも漂流して沈んだ多くの自動車内、さらには、木端微塵となる木造家屋内が最も危険といえる。いずれも個人単位の日常生活、社会生活の最中のリスクであり24時間の生活時間帯で、途切れない対策が24時間連続しなければ、言い換えれば抜けている時間帯があると人は希望がなく絶望感に浸されたままにあるといえる。本発明は、その場面を想定して対策を講じるもので、まず、外出中には常に携帯できること、閉じ込められた移動体に乗る時は備品として整えてもらい、すぐ脱出後身に着けることができること、家にいる時は玄関まで出る時間、靴を履く時間もないので常備することができることであり、訓練すれば個人で迅速な避難が可能となる。諦めていた避難困難地域の多くの人命が助かるので、これ以上の効果はない。特に、個人は常に弱者で犠牲になる一番候補だが、その個人の犠牲を減らすことで限りなく犠牲者数ゼロを目指すことができる。個人用の小型、軽量の避難浮遊体を常に携帯していれば、躊躇せず対応できる。折りたたんだ大きさは、ランドセル、通勤カバン、防災リュックに収まり、あるいはバッグ、袋に入れ背中に吊り下げることができ、かつ軽量なので持ち運び、携帯とするのに苦にならない。特に低学年の小学生には、携行させると親は安心できる。もちろん取り扱いだけでなく日頃の訓練が重要である。これで、一応は24時間通じて一つの対策を持ったとはいえる。通勤、通学の沿岸地域部の列車、バス内も集団の命が丸呑みされる危険にさらされているが、網棚、座席シートの下とかに備品として備えてもらえれば、巨大地震で脱線するであろう、あるいは停電で停車した列車から、そこの閉塞された空間は危険なのですぐ脱出し、すぐに装着する。列車の通学の生徒が操作訓練をすれば他の乗客も参加しやすい。バス、列車などの移動体では常時備品として多人数分を携行、収納できるので、旅行者、観光客に対しても公共としての責任を果たせる。先の東日本大震災の津波では自動車が沈没して多くの犠牲者が出たがトランクに常備していれば助かる。自家用車のトランクに常時備品とすれば業務中も、レジャー中も安心。公民館、病院などの備品としてもらえば、建物の3階など低い屋上にはそれ以上の高さに逃げられない恐怖を味わうことなく余裕をもって脱出、避難の頃合いを計れる。本発明は、開口部を剛にしないので空気が多少泡となって逃げて密閉構造体とならず、部材には特別な圧力がかからず衝突以外の強度を必要としない。浮き袋を備えておけば2重に安心。浮上すれば茶碗に乗った一寸法師のようにそのまま漂流物の間をスイスイと漂流することができる。漂流物との衝撃には、避難浮遊体の外殻が直接の衝突から保護し、さらに内部の空気袋がクッションの役割となる。2重の安全弁として、外殻が損傷して内部浸水しても、内側沿いの空気袋を複数化、隔室部屋とすること、外殻を中空構造とすることで浮力が人の体重を上回り、避難浮遊体自体は沈まず、その囲いの中で人が浮いていることができる。加えて、外殻内部沿いに袋状の防水性の薄膜袋、ポリ袋を敷設すれば、水中での破損時の空気漏れ、浸水時に濡れないなどの効果が期待できる。津波避難用浮遊体は材料費が安いので、価格も格安で個人で全額負担できる程度である。少しでも補助金が出れば準備は加速度的に促進される。据え置き型では平時は中に防災グッズを収納できるので意外と役に立つ。日本の狭い住宅事情には大切なポイントとなる。第一、大きいと玄関から入らない可能性がある。従来対策の10mの防潮堤では海風を遮断し日本中の夏が蒸し熱くなる危機、地球温暖化を招かなくて済む。日本中を万里の長城で取り囲むような莫大な借金をしなくて済む。しかも、海にそそぐ河川部では、防波堤が途切れるため河川堤防、横断道路橋、横断鉄道橋、そのアプローチ部を津波第2波の20mに嵩上げすると天文学的数字になりそうで長期間を要する。30年以内に津波の来襲が予測されているというのに。津波はそんなことにはお構いなしで容赦もなく明日にも襲う。高台移転、津波避難ビルでも、想定外の津波高さに対して安全に際限がない。なおさら、個人個人で対策を用意しておく必要がある。5分で高いところに逃げられる人も、その高さに安全は保障されない。防災には、公助、共助、自助があるといわれているが、自助がしっかりできれば、捜索、葬儀もいらず社会の役にも立つ。本発明は、個人の生活パターンの多くの時間帯、24時間対応であり、身近で、操作が簡単なので、命が助かる可能性が見え、生きられる希望とともに、自分の命は自分で守る決意から常時、防災意識が働き、機敏に行動する意欲が湧き、準備万端となれば精神的な不安が解消され、多くの人が安心して日々を暮らせる。幼児や、要介護者、弱者も一緒に入って助かる。24時間のあらゆる時間帯において身近に避難できるので、地震津波の避難警報のたびに、特に夜間の警報には精神的肉体的負担大きい妊婦、高齢者には助かる。入浴中、晩酌中、就寝中とかの生活パターンを脅かされなくて済む。順次、個人個別に、さらに地域として少しでも多くの、2重3重の、多岐にわたる選択肢の多い準備をすれば早期に避難困難地域が解消されるといえる。また、本発明は、来る南海トラフ巨大地震、日本海巨大地震の津波、さらに津波以外にも、高潮や大雨時の洪水、鬼怒川など堤防決壊による河川氾濫時、海抜以下や天井川沿い地域の防災対策の一助としても有効である。
携帯用の球体状の津波避難用浮遊体を、紙風船式の折りたたみ方のように曲面を平面状に折りたたんだ要領図。上部の蓋部は本体と別途とすれば折りやすい。 携帯用の縦60cm*横60cm*高さ50cmの直方体の浮遊体を、30cm*25cmの板片に16重ねで折りたたむ要領図。底面と、上面は柔らかいとして4側面を折りたたむ例では、まず、菱形をつぶすようにA1、B1、C1、D1面と隣接横のA2、B2、C2、D2面を、A3、B3、C3、D3面と隣接横のA4、B4、C4、D4面を2重に重ねる。次に、A1、B1、A2、B2、A3、B3、A4、B4面をC1、D1、C2、D2、C3、D3、C4、D4面に折り重ね4重とする。その次に、4重の4面をさらに4重に折り重ねて1面とすれば、1/16のコンパクトな大きさとなる。ただし、厚みは16倍となる。 小学1年生の携帯用に、外殻だけで子供が浮くとした、中空構造の厚さ4cmの板材とし、縦41cm*横41cm*高さ41cmの立方体の浮遊体を、対面の2側面の中央を内側に折りたたむ要領図。隅は角落しをする。 列車、バス、自動車の備品用の球体状の浮遊体を、提灯式で折りたたむ要領図 備品用の樽状の浮遊体を、蛇腹式で折りたたんだ中に人が入って、伸び上がって樽状に成形する要領図 球体状の浮遊体の内部に屈んで入った親子が、本体上部に設けた開口部とその蓋裏を結ぶ取っ手ひもにつかまっている様子と、浮上時の周辺水面高さを示す。周辺水面高さは球体高さの約半分となる。 水面浮上後に開口部の蓋を開け、新鮮な空気を入れ、頭を出し漂う様子、および周辺水面高さとの関係。開口部は面ファスナーの例と、浮き輪の浮遊体中心側に防水性の薄膜袋で、浮遊体の開口部と同じ大きさの穴開きとしたポリ袋を配した例。 備品用で、側方4面の外殻を中空構造の板とした立方体状の浮遊体を、菱形を押しつぶすように2面に折りたたむ要領図。折り重ねた厚みは2倍で収まる。ただし、長さが2倍辺長となる。 据え置き型で、厚肉の中空構造としたとした外殻の球体状の浮遊体。取っ手は本体と蓋の裏側に連結している。中に、袋状の防水性の薄膜袋を配している。開口部はテーパー受け構造の例。 据え置き型で、球体状の厚肉の中空構造とした外殻内部沿いの全体に隔壁を有する大風呂敷の袋状、曲面状の空気袋を配置した例。開口部は2段受け構造の例。 据え置き型で、球体状の浮遊体の厚肉とした外殻内部沿いに3本の水平方向の浮き輪を配した例。開口部はねじ構造の例。浮き輪間を連結する防水性の面材を袋状に配している。 据え置き型で、球体状の厚肉の外殻内部沿いに水平方向の帯状の浮き輪とした例 立方体状の外殻内部沿いに、1平面の4隅に膨張圧を伝える4角の空気袋、浮き輪とした例 津波避難用浮遊体の外殻および空気袋の一部が損傷して浸水した場合でも、内部で残りの浮き輪で人が浮いている様子。浸水した水位は周辺外水位と同じ。
津波には、水を伴う大きなエネルギーがあり、正対せずにかわすことを考えなければならない。また、人間は水中で息ができないので、2重3重の安全対策が必要である。前者には、うまく水にのること、衝突に耐えること、後者には破損しても沈まないこと、浮き袋を備えておくことが上げられる。いずれにしても、基本的に衝突耐性と浮力が必要である。
津波はいつどこで来襲するかわからない。自分だけは助かると思っている人でも、急襲されるとあきらめが先行する。とにかく5分で避難できる対策が必要である。かつ、24時間の生活パターンのそれぞれの継ぎ合わせで連続する時間帯を避難できなくてはならない。少なくとも外出時、在宅時に分けられ、外出時の生身の状態、列車、バスの移動体に多人数、団体で閉じ込められた状態、在宅時の木造家屋内の個別の時間帯に対応できなければ24時間、日々の安心ができない。まず、避難体に逃げるとして身近になければならない。常に携帯できること、備品で備えられていること、室内外に据え置かれていることが1分1秒を争って避難できる条件といえる。設計の目安は、避難する人の総体重と球体の自重の和と、立体容積の浮力の関係から、水面に浮上後の周辺水面高さが、球体の高さすなわち直径の半分、4/8の高さをバランス良しとし、必要とする球体の大きさが求まる。避難する人の人数が時と共に、また事情などと共に変化するので、その前後の3/8〜5/8の範囲に水面高さが位置することを念頭に置くこととする。中空構造の浮かぶ外殻板とするときは、立体を形成するには平面の板状の組み合わせとなり、立方体に近い立体となり、折り目には折りやすいように薄い弾性の防水面材を横側面の縦方向の4隅に用い、底面には全体的に畳める風呂敷の様な面材とする。いずれにしても、開口部は浮遊体の上部に設ける。蓋となる天井面はボタン、面ファスナー、フックなどによる別途取り付ける面とすると本体の折りたたみが楽となる。2つ折りに畳めば厚みも嵩張らず備品収納も簡単となる。さらに携帯性には板厚が嵩張らないよう浮き袋との浮力バランスに配慮する。
通学、通勤の個人用、携帯用の球体状の浮遊体を紙風船の要領で折りたたむ場合は、球体状の曲面をできるだけ平面状に折りたたむ必要があり、外殻の曲面となるシートには、ひだ、しわ、折り目の溝、または骨材で工夫するとともに、さらには外殻を薄肉としたり、柔らかい材料としたり、柔らかい材料と薄肉材との積層、多層とすることが考えられる。メロンのような変形性の皮を伸ばした感じで多層材とすれば変形させやすい。立方体とする場合は、収納の大きさにあわせて折り重ねる必要があり、16回の折り重ねだと、厚みが少なくとも16倍に増すので収納ができなくなることを考慮しなければならない。また、軽量で持ち運びできなくてはならない。折りたたんだ時にはコンパクトさが求められる。ランドセル、ビジネスカバン、防災リュックに収納できる大きさとなれば携帯に便利で望ましい。浮上後すぐに蓋を開け空気を取り入れなければならないので開口部を浮遊体の上部とする。その蓋を別途の取り付けとすれば、嵩張りが減り、折りたたみ易くなる。蓋部の一部を半透明、透明とすれば、内部の採光や外部の様子が分かることで落ち着くことができる。黄色い着色や夜光塗料を塗ればヘリコプターから発見しやすい。
外出時の携帯用とした縦60cm*横60cm*高さ50cmの直方体の避難体を、30
cm*25cmの板片に折りたたむ例では、4側面を薄肉シートとし、底面と上面はさらに薄い風呂敷状としても、16枚に重ねる必要がある。3mm厚シートとなら4.8cm厚に、2mm厚シートなら3.2cm厚となるため、専用バッグを用意する。列車、バス、自動車の備品用にはもう少し厚くても、コンクリートブロック程度なら可能な大きさといえる。折りやすいように隅の折り目部分、溝部分に弾力性のある防水性の薄い面材で連絡する必要がある。
操作に慣れない小学低学年には、水に浮く中空構造の外殻のブロック板片だけで子供を浮かせるとすれば親も安心。41cm*41cm*41cmの立方体とし、側面4枚の中空構造のブロック板片の材料厚を省略して簡易計算をする。空気層厚さを4cmとして、空気体積は4*0.41*0.41*0.04=0.026m3で、小学1年生用とすることができる。この場合、折りたたみは対面の2側面の中央を内側に折り込むので、たたんだ厚みは4倍の16cmとなる。ランドセルに収まらないが、軽いので背中にぶら下げることも考えられる。あるいは、約半分を内設する空気袋の分担とすれば半分の8cmの厚みとなり、嵩張りが軽減される。小学生中高学年にはもう少し大きくなるが携帯はできるといえる。折りやすいように隅の折り目部分、溝部分に弾力性のある防水性の薄い面材で連絡する必要がある。
蛇腹式や提灯式の折りたたみ方法の場合は、球体状、樽状、円筒状であれば円状に押しつぶすように折りたたむので、薄く縮小されやすいが、その円の直径の大きさが依然残る。折り目部に円状の骨材を入れると、立体に展開するときの形状保持に役立つ。さらに、中央の折り目部に沿わせて、2、3本の骨材を忍ばせておくと、拡張時に直交する骨組みとなり球状の立体形状が保持されやすい。開口部を浮遊体の上部とする。比較的大きな空間のある列車、バスの備品用では座席下、網棚、デッキスペースに多人数分を用意することができる。自動車ではトランクの収納に適している。公民館、駅の待合所などでも備品になる。
比重1.0以下の水に浮く軽い1cm厚の外殻材片を用いるとすれば、面構成の立方体状、直方体状となり、60cm*60cm*50cmの直方体に空気袋と内設することとして、簡易計算で空気袋の厚みを省略することとして、30cm*25cmに16回の折り畳むと、嵩張る厚さは16cmとなる。一つのコンクリートブロックのようで、同じく列車、バス、自家用車の移動体用の備品用、公民館、駅の待合所などの備品用では、積み重ね収納に適しているといえ。一つの選択肢となる。
薄肉の外殻の上部に設ける円状開口部の閉じ方は、面ファスナー、ファスナー、ボタン、フック、厚肉の外殻では、2段としたパッキン式、外から内に円の直径を変化させ勾配を付けたテーパー式、ねじ込式、嵌合式などがある。密閉構造ではないので、大きな圧力を受けると空気が泡となって抜けるが、浮上まで数秒なので浸水により濡れることはやむを得ない。内側から、粘着テープで目張りをすると水の侵入は防げるが、球体全体に水圧を受け圧縮されるため、浮上後の開口部を開けることに手間取り空気の取得が遅れることにならないよう注意を要する。浮上後は開口部を上部に確認してすぐ蓋を開ける。蓋を紛失すると第2波に備えての避難浮遊体にならないので、蓋の内側と本体の内側をひも付きとする。浮上中はその連結ひもが回転時の取っ手として、また、蓋が外れないよう内側に引っ張る力が働き、さらに浮上時の上下位置の確認に役立つ。
津波避難用浮遊体の内部に屈んで入った状態で、水中でもまれ、回転しながら、浮上時に開口部が上の位置となる確認のためにも、内部に取っ手を設ける。取っ手には、つかまりひも、つかまり棒、吊り革、シートベルトなどがある。水面浮上後に開口部の蓋を開け、新鮮な空気を入れ、頭を出し、漂う。このときの水面高さとの関係が重要で、半分が水面以下、半分が水上となる目安、すなわち、総重量と、立体の空気体積の1/2による浮力、いいかえれば立体形状が排除する水体積に相当する浮力とが、バランスしていることが望ましい。この真ん中の高さが、高波を受けにくく漂流も安定しているといえる。
外殻を中空の板で構成する場合は、厚みが増し、曲面とするには難しいので4側面が板状の、例えば縦60cm、横60cm、高さ60cm、厚み7cmの立方体形状となるが、それ自身で浮き袋となるように設計できるので波の高い海上では安心感がある。底部と上部は嵩張ると畳めないので、かつ折りたたむと一方の対角線長が長くなるので、弛んだ薄く柔らかい材料となる。菱形を2つ合わせで折りたたむ要領、あるいは4角形の対面する2辺の中間を内側に折りたたむ要領がある。底部には着座用の別途空気シートを設けるなどの工夫が必要だ。この場合は、重ねた厚み部が2倍の14cmになるのみだが、長さが2倍の120cmになるのでスペースに余裕のある列車のドア近くの座席後ろに立てかけて備品としておくことが可能といえる。高さはそのままの60cmである。立方体形状の4隅の角部を角落ししておくことが漂流物との接触損傷を少なくする工夫となる。この場合、上からの平面は、4角形から8角形状になる。
据え置き用で厚肉とする場合は、形状は自在である。外殻を隔壁を有する中空構造とすると、一部破損して浮遊体内部に浸水しても、残りの中空構造で浮遊体自体が浮くことができるので、安全度が飛躍的に向上する。
浮遊体の内部に接して空気袋、浮き輪を設けると2重、3重の安全が高まる。とりあえず急いで中に避難して、その後空気注入する。肺活量の少ない小学生には、簡易空気ポンプを用意する。浮き袋に空気を入れなければならないので、開口部の蓋は、ある程度開けてすぐ閉まる体勢が必要だ。空気袋には、外殻沿いの全体内面に、隔壁を有する曲面状、大風呂敷状の空気袋とする例、外殻の内部周囲沿いの水平方向の浮き輪を上下数段に複数とする例、同じく帯状の浮き輪とする例がある。底部にも同心円状、渦巻き状の浮き輪とすれば座り心地がよい。立体形状の浮遊体には水平方向の4隅の外側への膨張圧が伝わりやすいように4角の空気袋などの工夫が必要だ。隔壁を設けたり、逆流防止弁、複数個としたりで危険分散することが安全度を高める。外殻の一部が損傷して浸水した場合でも、依然として内部の囲いの中で漂流物の衝突から保護されているため、さらに内部の浸水体積がショックアブソーバーとして働き、空気袋、浮き輪が一部破裂しても浮遊体の内部の残りの空気袋、浮き輪で人が浮いていることができるので安心できる。最終的安全度を高めるために内部に個人用、海水浴用の浮き輪を準備、いざという時に膨らませる。
水中の浮遊避難体に損傷が生じると、空気が抜け出す可能性がある。空気は下には抜けづらいので呼吸には困らないとしても浮上までの時間が長くなる可能性がある。その可能性に対しても備えるために、防水性の薄幕、たとえばポリ袋を、浮遊体の外殻に内接して敷設する。空気袋や浮き輪があれば外殻との隙間に、面状の防水性の薄幕、ポリ袋を敷設する、もしくは、複数の浮き輪を防水性の薄幕で連結することが考えられる。このことで、一次的にも空気の抜けが抑えられ、濡れなくて済む。外殻と薄幕との隙間の水がクッションの役割をする。安全にはきりがないが、空気袋や浮き輪の球体中心側に設けること、さらに、これらの組み合わせで更なる効果が期待できる。据え置き用は時間的、空間的余裕があるとしても、携帯用、備品用には嵩張りすぎないことも重要である。中心側の防水性の薄幕、ポリ袋は、避難時に後付けでセットすることとすれば折り重ね時に嵩張らないといえる。後付けのポリ袋は浮遊体の開口部の大きさにあわせて開口としたタイプ、上部をファスナー、面ファスナーで閉じるとしタイプがある。
30年以内の連動地震による巨大津波が数分で来襲すると想定される南海トラフ、日本海沿岸地域においては、防潮堤など長期対策を待っている猶予はない。明日かもしれない来襲で、個人で我が身を守る危機意識が必要だ。身近に安価で、簡単、迅速に避難できる。本発明はあらゆる人、あらゆる場面で対応できるため、生きる希望が生まれ、沿岸人口分の大需要があるといえる。津波のほかに、高潮、洪水、竜巻など幅広い対策となり国土強靱化、地域防災対策との重ね合わせで、不安な生活から一変、より安全安心な日常生活を送ることが可能となる。
1携帯用で、紙風船式の折りたたみとした球体状の津波避難用浮遊体
2外殻
3本体部
4上部の開口部、蓋の取り付け部
5蓋部
6折り目とその溝、弾性ゴム材、骨材、防水面材
7しわ,ひだ
8携帯用、備品用で、16回の折り重ねとする立方体状の津波避難用浮遊体
9底部
10上面部、
11側面部、A1からD4
12折り重なる大きさが1/16になる外殻
13小学1年生の携帯用に、中空構造の板の外殻とした立方体状の津波避難用浮遊体
14中空構造の外殻、外殻板
15折り目の角落し部
16備品用で、提灯式の折りたたみとした球体状の津波避難用浮遊体
17備品用で、蛇腹式の折りたたみとした樽状の津波避難用浮遊体
18避難する人
19取っ手
20薄肉の外殻の球体状の津波避難用浮遊体
21避難する親子
22薄肉の外殻の内部水平方向沿い内面側に密着した5本の独立した浮き輪
23底部の同心円状、渦巻き状の着座用空気袋
24周辺の水面高さ
25外殻を中空構造の板とした4側面を、2つ折り重ねとする立方体状の津波避難用浮遊体
26外殻を中空構造とした外殻板
27外殻を中空構造の厚肉とした球体状の津波避難用浮遊体
28隔壁
29厚肉の外殻の球体状の津波避難用浮遊体
30外郭の内部周囲沿い内面側に密着した隔壁で分割された大風呂敷状の空気袋
31外郭の内部水平方向沿い内面側に密着した3本の独立した浮き輪
32外郭の内部水平方向沿い内面側に密着した隔壁で分割された帯状の浮き輪
33立方体状の津波避難用浮遊体
34外郭の内部水平方向沿い4隅に密着した、隔壁で分割された空気袋、浮き輪
35損傷した津波避難用浮遊体の囲いの中で浮いている人
36損傷部
37浸水、水位は周辺外水位と同じ
38薄肉の開口部の面ファスナー
39厚肉の開口部の2段受け構造
40厚肉の開口部のテーパー受け構造
41厚肉の開口部のねじ構造
42防水性の薄膜袋
43浮き輪間を連結する防水性の面材
44空気袋、浮き輪の浮遊体中心側に設置する防水性の薄膜袋で、浮遊体の開口部と同じ大きさの穴開きとしたポリ袋の例、
45空気袋、浮き輪の浮遊体中心側に設置する防水性の薄膜袋で、上部に面ファスナーとしたポリ袋の例
→折りたたみの方向、または伸ばす方向

Claims (5)

  1. 津波の来襲に備えて、中に人が避難できる球体状、円筒状、樽状、箱状、立方体状、直方体状、多面体状またはそれらに類似の空間のある立体形状を形成し、立体を形成する外殻の材料は、耐破損性および防水性に優れた強化樹脂製、樹脂製、繊維製、ゴム製、またはそれらの合成、メッシュ補強したものとし、立体形成体の大きさは、球体として体積換算した直径が50cm〜110cmとし、水中時に収容人の体重を含む総重量より大きな浮力となる立体空間体積を有することとし、浮上時に前記立体形成体の直径を高さとすると周辺水面高さがその3/8から5/8の範囲となる総重量と大きさの関係とし、外殻の機能は漂流物や浮遊中に支障となる電柱、電線、信号機、標識、樹木、建物、その看板、橋脚、橋桁等の固定物の直接衝撃から内部の人を保護することとし、外殻の上部に開口部と蓋部を設け、開口部は密閉構造とせず、浮上時に上下姿勢を確認したのちに開いて空気を取り入れることとし、外殻の構成材は、薄肉状の板材、シート材、布材、それらの多層複合材、形状記憶材、または比重が1.0より軽い材木板、発砲スチール板材、気泡性板材、多孔性板材、それらと薄肉材との多層複合材、あるいは中空板材とし、携帯用として、または列車、バス、営業用車、自家用車の移動体や学校、職場や病院、公民館、役場、駅、スーパー等の公共施設、商業施設、住居以外の不特定多数の利用する固定施設の備品用として、軽量で、折りたたみ、縮小して整形することを特徴とする携帯用、または備品用の1人用、もしくは少人数用の小型の津波避難用浮遊体
  2. 前記津波避難用浮遊体の外殻の内部に設けた立体内面沿いの空気袋、水平方向沿いの浮き輪、または隔壁のあるそれら空気袋、浮き輪を内面側に密着して膨らませることで、あるいは外殻を中空板材で、さらにはこれらの合計で、立体形状を形成、保持することとし、水中で人の体重と立体形成体の自重より大きな浮力で浮くとし、衝撃に対するクッションも兼ねるとし、たとえ外殻が衝撃を受け、または鋭利な傷を受け部分損傷し立体形成体の内部に浸水した場合でも、外殻の囲いと内部浸水の反発力とが内部の人を保護する機能を維持し、人がその囲いの中の浸水水中で浮かぶことができるとしたことを特徴とする請求項1に記載の携帯用または備品用の1人用、もしくは少人数用の小型の津波避難用浮遊体
  3. 津波の来襲に備えて、中に人が避難できる球体状、円筒状、樽状、箱状、立方体状、直方体状、多面体状またはそれらに類似の空間のある立体形状を形成し、立体を形成する外殻の材料は、耐破損性および防水性に優れた強化樹脂製、樹脂製、繊維製、ゴム製、またはそれらの合成、メッシュ補強したものとし、立体形成体の大きさは、球体として体積換算
    した直径が50cm〜110cmとし、水中時に収容人の体重を含む総重量より大きな浮力となる立体空間体積を有することとし、浮上時に前記立体形成体の直径を高さとすると周辺水面高さがその3/8から5/8の範囲となる総重量と大きさの関係とし、外殻の機能は漂流物や浮遊中に支障となる電柱、電線、信号機、標識、樹木、建物、その看板、橋脚、橋桁等の固定物の直接衝撃から内部の人を保護することとし、外殻の上部に開口部と蓋部を設け、開口部は密閉構造とせず、浮上時に上下姿勢を確認したのちに開いて空気を取り入れることとし、外殻の構成材は、厚肉材、または気泡性材、多孔性材、あるいは中空板材の厚肉の成形品とし、家屋、建物内またはその周辺に据え置くとしたことを特徴とする据え置き用の1人用、もしくは少人数用の小型の津波避難用浮遊体
  4. 前記津波避難用浮遊体の外殻の内部に設けた立体内面沿いの空気袋、水平方向沿いの浮き輪、または隔壁のあるそれら空気袋、浮き輪を内面側に密着して膨らませることで、あるいは外殻を中空板材で、さらにはこれらの合計で、たとえ外殻が衝撃を受け、または鋭利な傷を受け部分損傷し立体形成体の内部に浸水した場合でも、外殻の囲いと内部浸水の反発力とが内部の人を保護する機能を維持し、人がその囲いの中の浸水水中で浮かぶことができるとしたことを特徴とする請求項3に記載の据え置き用の1人用、もしくは少人数用の小型の津波避難用浮遊体
  5. 前記津波避難用浮遊体の外殻の内面沿いに、または外殻の内面と空気袋、浮き輪との間に、あるいは空気袋、浮き輪の浮遊体の中心内側に、袋状の防水性の薄膜袋を敷設すること、もしくは浮き輪間を防水性の面材で連結し外殻の内面沿いの袋状にすること、さらにはこれらの組み合わせとしたことを特徴とする請求項1から4に記載の1人用、もしくは少人数用の小型の津波避難用浮遊体











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