JP5541821B1 - 振幅検出回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】電源電圧変動、温度変動による振幅検出回路の出力変動を実用レベルに抑える。
【解決手段】振幅検出回路は、入力される差動信号PIT,PICの最大電圧を保持して出力する差動ピーク検出回路1と、差動信号PIT,PICの平均電圧を検出して出力する差動中心値検出回路2と、差動ピーク検出回路1の出力PKIと差動中心値検出回路2の出力CIとの差に比例する信号を出力する差分検出回路3とを備える。差分検出回路3は、差動ピーク検出回路1の出力PKIと差動中心値検出回路2の出力CIとの差に比例する信号を出力する差動増幅回路4と、差動増幅回路4の出力の電圧レベルをシフトさせて出力するレベルシフト回路5とから構成される。差動増幅回路4とレベルシフト回路5の各々の出力の温度依存性は逆特性である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば広帯域のベースバンド信号を扱う光通信、無線通信、ワイヤード通信において、入力される信号の振幅を検出してこのアナログ振幅に応じたアナログ電圧を出力する振幅検出回路に関するものである。
図13に振幅検出回路の従来例を示す。この振幅検出回路は、特許文献1に開示されているものである。振幅検出回路には差動信号PIT,PICが入力される。ピーク検出回路100は、差動信号の一方PITを入力とし、この信号PITのピーク電圧PKIを検出して出力する。一方、差動中心値検出回路101は、差動信号PIT,PICの両信号の平均電圧CIを検出して出力する。ピーク検出回路100の出力PKIと、差動中心値検出回路101の出力CIとの差を取り、この差を必要に応じて2倍することにより、入力される差動信号PIT,PICの振幅(振幅の最大レベルと振幅の最小レベルとの差)を検出することができる。なお、特許文献1では、ピーク検出回路100の出力PKIと差動中心値検出回路101の出力CIとの差分を取る回路である差分検出回路102については明示されていない。
図14に振幅検出回路の従来例のトランジスタレベルの回路を示す。ピーク検出回路100は、トランジスタQ100と、容量C100とから構成される。差動中心値検出回路101は、トランジスタQ101と、抵抗R100,R101と、容量C101とから構成される。ピーク検出回路100は、コレクタ接地(エミッタフォロア)の増幅器を基本とし、トランジスタQ100のベースに信号PITが入力され、エミッタに容量C100が接続されており、この容量C100の値を、検出したい入力信号周波数に対して十分に大きい値に選ぶことにより、信号PITのピーク電圧の検出が実現できるようになっている。
差動中心値検出回路101は、コレクタ接地(エミッタフォロア)の増幅器を基本とし、差動信号PIT,PIC間に同一の値の抵抗R100,R101が直列に接続され、抵抗R100,R101の接続点の電圧がトランジスタQ101のベースに入力され、エミッタに容量C101が接続されており、この容量C101の値を、検出したい入力信号周波数に対して十分に大きい値に選ぶことにより、差動信号PIT,PICの平均電圧の検出が実現できるようになっている。
図15に差分検出回路102の考え得る一般的な回路を示す。差分検出回路102は、差動増幅器で実現することができる。差動増幅器は、2つのエミッタ接地トランジスタQ102,Q103と、トランジスタQ102,Q103のコレクタに接続される抵抗R102,R103と、トランジスタQ102,Q103のエミッタに接続される抵抗R104,R105,R106とから構成される。この抵抗R104,R105,R106の値を適切に設計することにより、2つの信号PKI,CIの電圧差に比例した出力信号AMPを出力することができる。
特開2001−127566号公報
従来の振幅検出回路では、ピーク検出回路100と、差動中心値検出回路101とを同じ回路のコピーで対称的に実現することにより、ピーク検出回路100の出力PKIと、差動中心値検出回路101の出力CIとが電源電圧変動、温度変動に対して同様にシフトするようになっている。したがって、PKI,CI両信号の差信号を演算すれば、電源電圧変動、温度変動を低く抑えられるという利点がある。
しかしながら、差動信号PKI,CIの差信号を取る差分検出回路102の特性が電源電圧変動、温度変動に応じて変動する場合、差分検出回路102の出力AMP(すなわち、振幅検出回路の出力)が電源電圧変動、温度変動に応じて変動することになる。差分検出回路102として差動増幅器を用いた場合には、出力AMPを取りだす負荷抵抗R103の両端電圧が電源電圧の影響を受けるのに加えて、一般にトランジスタQ102,Q103のベース−エミッタ電圧や抵抗R102〜R106の値がそれぞれ温度係数を持つので、差分検出回路102の出力AMPは電源電圧変動、温度変動に応じて変動することになる。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、電源電圧変動、温度変動による振幅検出回路の出力変動を実用レベルに抑えることができる振幅検出回路を提供することを目的とする。
本発明の振幅検出回路は、入力される差動信号の最大電圧を保持して出力する差動ピーク検出回路と、前記差動信号の平均電圧を検出して出力する差動中心値検出回路と、前記差動ピーク検出回路の出力と前記差動中心値検出回路の出力との差に比例する信号を出力する差分検出回路とを備え、前記差分検出回路は、前記差動ピーク検出回路の出力と前記差動中心値検出回路の出力との差に比例する信号を出力する差動増幅回路と、前記差動増幅回路の出力の電圧レベルをシフトさせて出力するレベルシフト回路と、電源電圧変動、温度変動による振幅検出回路の出力のレベル変動を補償するように、前記差動増幅回路の負荷抵抗から電流を引き抜く補償回路とから構成され、前記差動増幅回路と前記レベルシフト回路の各々の出力の温度依存性が逆特性であり、前記補償回路は、コレクタが前記差動増幅回路の負荷抵抗に接続された差動構成の第2のエミッタ接地トランジスタと、この差動構成の第2のエミッタ接地トランジスタに電流を供給する電流源と、前記差動構成の第2のエミッタ接地トランジスタのうち一方のトランジスタのベースにバイアス電圧を与える第1のバイアス回路と、前記差動構成の第2のエミッタ接地トランジスタのうち他方のトランジスタのベースにバイアス電圧を与える第2のバイアス回路とを少なくとも備え、前記第1のバイアス回路が出力するバイアス電圧と前記第2のバイアス回路が出力するバイアス電圧の電源電圧依存性および温度依存性が異なることを特徴とするものである。
また、本発明の振幅検出回路の1構成例において、前記差動増幅回路は、前記差動ピーク検出回路の出力と前記差動中心値検出回路の出力とを入力とする差動構成の第1のエミッタ接地トランジスタと、第1の電源電圧と前記差動構成の第1のエミッタ接地トランジスタのコレクタとの間に設けられた2つの負荷抵抗と、前記差動構成の第1のエミッタ接地トランジスタに電流を供給する電流源とを少なくとも備え、前記レベルシフト回路は、前記差動増幅回路の差動出力を入力とする差動構成のコレクタ接地トランジスタと、この差動構成のコレクタ接地トランジスタのエミッタと第2の電源電圧との間に設けられた2つのエミッタ抵抗とを少なくとも備えることを特徴とするものである。
また、本発明の振幅検出回路の1構成例は、さらに、前記レベルシフト回路の出力を前記差動増幅回路の入力に負の利得係数で帰還させる帰還回路を備えることを特徴とするものである。
また、本発明の振幅検出回路の1構成例において、前記第1のバイアス回路と前記第2のバイアス回路のうち一方は、第1の電源電圧と前記第2のエミッタ接地トランジスタのベースとの間、前記第2のエミッタ接地トランジスタのベースと第2の電源電圧との間のどちらか一方にレベルシフトトランジスタまたはレベルシフトダイオードを備えることを特徴とするものである。
また、本発明の振幅検出回路の1構成例は、前記差動増幅回路の負荷抵抗の代わりに、前記負荷抵抗に印加される電圧を分圧する分圧回路を備え、前記分圧回路は、2つの直列接続された抵抗からなり、前記補償回路は、前記分圧回路の2つの抵抗の接続点から電流を引き抜くことを特徴とするものである。
本発明によれば、差動ピーク検出回路の出力と差動中心値検出回路の出力との差に比例する信号を出力する差分検出回路を、差動増幅回路とレベルシフト回路とから構成し、差動増幅回路とレベルシフト回路の各々の出力の温度依存性を逆特性とすることにより、電源電圧変動、温度変動による振幅検出回路の出力のレベル変動を低く抑えることができる。
また、本発明では、差動増幅回路を、差動構成の第1のエミッタ接地トランジスタから構成し、レベルシフト回路を、差動構成のコレクタ接地トランジスタから構成することにより、差動増幅回路とレベルシフト回路の各々の出力の温度依存性を逆特性とすることができる。
また、本発明では、レベルシフト回路の出力を差動増幅回路の入力に負の利得係数で帰還させる帰還回路を設けることにより、電源電圧変動、温度変動による振幅検出回路の出力のレベル変動をより低く抑えることができる。
また、本発明では、差動増幅回路の負荷抵抗から電流を引き抜く補償回路を設けることにより、電源電圧変動、温度変動による振幅検出回路の出力のレベル変動をより低く抑えることができる。
また、本発明では、差動増幅回路の負荷抵抗の代わりに、負荷抵抗に印加される電圧を分圧する分圧回路を設け、補償回路が、分圧回路の2つの抵抗の接続点から電流を引き抜くようにすることにより、振幅検出回路の性能設計を容易にすることができる。
本発明の第1の参考例に係る振幅検出回路の構成を示すブロック図である。 本発明の第1の参考例に係る振幅検出回路の構成を示す回路図である。 本発明の第1の参考例に係る振幅検出回路の各部の信号波形を示す図である。 入力信号振幅と、従来の振幅検出回路の出力および本発明の第1の参考例に係る振幅検出回路の出力との関係を示す図である。 本発明の第2の参考例に係る振幅検出回路の構成を示すブロック図である。 本発明の第2の参考例に係る振幅検出回路の構成を示す回路図である。 本発明の第1の実施の形態に係る振幅検出回路の構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態に係る振幅検出回路の構成を示す回路図である。 本発明の第1の実施の形態においてVT変動補償回路の引き抜き電流と電源電圧との関係をシミュレーションした結果を示す図である。 本発明の第2の実施の形態に係る振幅検出回路の構成を示す回路図である。 本発明の第3の実施の形態に係る振幅検出回路の構成を示すブロック図である。 本発明の第3の実施の形態に係る振幅検出回路の構成を示す回路図である。 従来の振幅検出回路の構成を示すブロック図である。 従来の振幅検出回路の構成を示す回路図である。 従来の振幅検出回路の差分検出回路の構成を示す回路図である。
第1の参考例
以下、本発明の参考例について図面を参照して説明する。図1は本発明の第1の参考例に係る振幅検出回路の構成を示すブロック図である。本参考例の振幅検出回路は、差動ピーク検出回路1と、差動中心値検出回路2と、差分検出回路3とから構成される。差分検出回路3は、さらに差動増幅回路4と、レベルシフト回路5とから構成される。
振幅検出回路には差動信号PIT,PICが入力される。差動ピーク検出回路1は、入力される差動信号PIT,PICの両信号を入力とし、これらの差動信号PIT,PICのピーク電圧PKI(最大値)を検出して出力する。一方、差動中心値検出回路2は、差動信号PIT,PICの両信号の平均電圧CIを検出して出力する。差分検出回路3は、差動ピーク検出回路1の出力PKIと差動中心値検出回路2の出力CIとの差に比例する信号AMPを出力する。以上により、入力される差動信号PIT,PICの振幅(振幅の最大レベルと振幅の最小レベルとの差)を検出することができる。
図2に本参考例の振幅検出回路のトランジスタレベルの回路を示す。差動ピーク検出回路1は、ベースに信号PITが入力され、コレクタが電源電圧VCCに接続され、エミッタが差分検出回路3(差動増幅回路4)の非反転入力端子に接続されたトランジスタQ1と、ベースに信号PICが入力され、コレクタが電源電圧VCCに接続され、エミッタが差分検出回路3(差動増幅回路4)の非反転入力端子に接続されたトランジスタQ2と、一端がトランジスタQ1,Q2のエミッタ(差動ピーク検出回路1の出力端子)に接続され、他端が電源電圧VEEに接続された容量C1とから構成される。
差動中心値検出回路2は、コレクタが電源電圧VCCに接続され、エミッタ(差動中心値検出回路2の出力端子)が差分検出回路3(差動増幅回路4)の反転入力端子に接続されたトランジスタQ3と、一端に信号PITが入力され、他端がトランジスタQ3のベースに接続された抵抗R1と、一端に信号PICが入力され、他端がトランジスタQ3のベースに接続された抵抗R2と、一端がトランジスタQ3のベースに接続され、他端が電源電圧VEEに接続された容量C2とから構成される。
差動増幅回路4は、ベースが差動ピーク検出回路1の出力端子(トランジスタQ1,Q2のエミッタ)に接続され、コレクタ(差動増幅回路4の反転出力端子)がレベルシフト回路5の反転入力端子に接続されたトランジスタQ4と、ベースが差動中心値検出回路2の出力端子(トランジスタQ3のエミッタ)に接続され、コレクタ(差動増幅回路4の非反転出力端子)がレベルシフト回路5の非反転入力端子に接続されたトランジスタQ5と、一端が電源電圧VCCに接続され、他端がトランジスタQ4のコレクタに接続された抵抗R3と、一端が電源電圧VCCに接続され、他端がトランジスタQ5のコレクタに接続された抵抗R4と、一端がトランジスタQ4のエミッタに接続され、他端がトランジスタQ5のエミッタに接続された抵抗R5と、一端がトランジスタQ4のエミッタに接続され、他端が電源電圧VEEに接続された抵抗R6と、一端がトランジスタQ5のエミッタに接続され、他端が電源電圧VEEに接続された抵抗R7とから構成される。抵抗R5〜R7は、トランジスタQ4,Q5に一定の電流を供給する電流源を構成している。
レベルシフト回路5は、ベース(レベルシフト回路5の非反転入力端子)が差動増幅回路4の非反転出力端子(トランジスタQ5のコレクタ)に接続され、コレクタが電源電圧VCCに接続されたトランジスタQ6と、ベースおよびコレクタがトランジスタQ6のエミッタに接続され、エミッタがレベルシフト回路5の出力端子(振幅検出回路の出力端子)に接続されたトランジスタQ7と、ベース(レベルシフト回路5の反転入力端子)が差動増幅回路4の反転出力端子(トランジスタQ4のコレクタ)に接続され、コレクタが電源電圧VCCに接続されたトランジスタQ8と、ベースおよびコレクタがトランジスタQ8のエミッタに接続されたトランジスタQ9と、一端がトランジスタQ7のエミッタに接続され、他端が電源電圧VEEに接続された抵抗R8と、一端がトランジスタQ9のエミッタに接続され、他端が電源電圧VEEに接続された抵抗R9とから構成される。
差動ピーク検出回路1は、2つのコレクタ接地(エミッタフォロア)の増幅器を基本とし、一方の増幅器であるトランジスタQ1のベースに信号PITが入力され、他方の増幅器であるトランジスタQ2のベースに信号PICが入力され、トランジスタQ1,Q2のエミッタにシャント容量C1が接続されている。この差動ピーク検出回路1では、容量C1の値を、検出したい入力信号周波数に対して十分に大きい値に選ぶことにより、入力信号PIT,PICのピーク電圧の検出が実現できるようになっている。
差動中心値検出回路2は、コレクタ接地(エミッタフォロア)の増幅器を基本とし、差動信号PIT,PIC間に同一の値の抵抗R1,R2が直列に接続され、抵抗R1,R2の接続点の電圧が増幅器であるトランジスタQ3のベースに入力され、エミッタに容量C2が接続されている。この差動中心値検出回路2では、容量C2の値を、検出したい入力信号周波数に対して十分に大きい値に選ぶことにより、入力信号PIT,PICの平均電圧の検出が実現できるようになっている。
差動増幅回路4は、2つのエミッタ接地トランジスタQ4,Q5から構成される。この差動増幅回路4では、トランジスタQ4,Q5のエミッタに接続される3つの抵抗R5〜R7の値を適切に設計することにより、2つの信号PKI,CIの電圧差に比例した信号を出力できるようになっている。
レベルシフト回路5は、差動増幅回路4の出力電圧レベルをシフトさせて出力する機能を持ち、2つのコレクタ接地トランジスタQ6,Q8(エミッタフォロア)から構成される。図2に記載しているように、必要に応じてトランジスタQ6,Q8のエミッタと電源電圧VEEとの間に、レベルシフトトランジスタQ7,Q9またはレベルシフトダイオードを挿入してもよい。
このように差分検出回路3を差動増幅回路4とレベルシフト回路5の組合せで実現することにより、エミッタ接地回路とコレクタ接地回路の縦続接続を実現している。一般にトランジスタのベース−エミッタ電圧は負の温度係数を持つので、エミッタ接地トランジスタのコレクタ出力は負の温度係数を持つのに対して、コレクタ接地トランジスタのエミッタ出力は正の温度係数を持つ。したがって、本参考例では、コレクタ接地回路(レベルシフト回路5)の温度係数とエミッタ接地回路(差動増幅回路4)の温度係数が相殺するため、図13〜図15に示した従来の振幅検出回路と比較して、温度変動による差分検出回路3の出力変動を減少させることができるという利点がある。
図3(A)〜図3(E)に本参考例の振幅検出回路の各部の信号波形を示す。入力信号PIT,PICは差動信号であればどのような信号でもよいが、図3(A)〜図3(E)では簡単のために入力信号PIT,PICとして正弦波(または1/0交番信号)を入力した場合を記載している。差動ピーク検出回路1は、図3(C)に示すように入力信号PIT,PICの両者の電圧のピーク(最大値)を保持して出力する。差動ピーク検出回路1の出力PKIは理想的には一定となる。なお、容量C1から後段の差動増幅回路4に僅かに電流が流れ出るために、厳密にはPKIには電圧の低下が生じるが、容量C1の値を十分に大きく設計することにより、PKIの電圧低下を実用上問題ない程度に抑圧することができる。
差動中心値検出回路2は、図3(D)に示すように入力信号PIT,PICを時間平均した電圧CIを出力する。差分検出回路3は、図3(E)に示すように差動ピーク検出回路1の出力PKIと差動中心値検出回路2の出力CIとの電圧差に比例した出力AMPを出力する。PKIとCIとの電圧差は、入力信号PIT,PICの片振幅に相当するので、差分検出回路3の出力AMPは、入力信号PIT,PICの全振幅を反映した電圧となる。
図4に入力信号振幅と振幅検出回路の出力AMPとの関係を示す。図4における40は図13〜図15に示した従来の振幅検出回路の出力AMPを示し、41は本参考例の振幅検出回路の出力AMPを示している。従来の振幅検出回路では、差分検出回路102として差動増幅回路を用いたので、振幅検出回路の出力AMPの電圧レベルは電源電圧VCCに近いレベルであった。これに対して、本参考例では、差分検出回路3に差動増幅回路4とレベルシフト回路5の組合せを用いたので、振幅検出回路の出力AMPの電圧レベルは電源電圧VCCとVEEの中間的なレベルまたはVEEに近いレベルとなる。
一般に通信用のICやモジュールでは正電源での動作が好まれることが多く、この場合には、VEEをGNDとし、VCCを電源とすることが好まれる。この場合、振幅検出回路の出力AMPはGNDに対する電圧レベルとして検出されることになるため、出力AMPがGND(=VEE)に近い電圧レベルである方が、電源ノイズに強く、電源電圧変動に強い。本参考例の振幅検出回路は、従来例と比較してVEEに近いレベルの出力AMPを出力するので、電源ノイズに強く、電源電圧変動に強いという利点がある。
以上のように、本参考例では、図13〜図15に示した従来の振幅検出回路と比較して、電源電圧変動、温度変動による出力AMPのレベル変動を低く抑えることができる。
第2の参考例
次に、本発明の第2の参考例について説明する。図5は本発明の第2の参考例に係る振幅検出回路の構成を示すブロック図である。本参考例の振幅検出回路は、差動ピーク検出回路1と、差動中心値検出回路2と、差分検出回路3aとから構成される。差分検出回路3aは、さらに差動増幅回路4と、レベルシフト回路5と、帰還回路6とから構成される。
第1の参考例との差分は、第1の参考例で説明した差分検出回路3に帰還回路6を付加したことにある。すなわち、レベルシフト回路5の適切なノードの出力を、帰還回路6を経由して差動増幅回路4の適切なノードに負の利得係数で帰還させる。帰還回路6の付加により差分検出回路3aの内部で負帰還がかかるので、第1の参考例と比較して、電源電圧変動、温度変動による差分検出回路3aの出力レベルの変動をさらに抑圧することができる。
図6に本参考例の振幅検出回路のトランジスタレベルの回路を示す。差動ピーク検出回路1と差動中心値検出回路2と差動増幅回路4とレベルシフト回路5の構成は第1の参考例で説明したとおりである。
帰還回路6は、一端がトランジスタQ4のベースに接続され、他端がトランジスタQ8のエミッタに接続された抵抗R11と、一端がトランジスタQ5のベースに接続され、他端がトランジスタQ6のエミッタに接続された抵抗R12と、一端がトランジスタQ4のベースに接続され、他端が電源電圧VEEに接続された抵抗R13と、一端がトランジスタQ5のベースに接続され、他端が電源電圧VEEに接続された抵抗R14とから構成される。すなわち、帰還回路6は、レベルシフト回路5を実現するコレクタ接地トランジスタQ6,Q8のエミッタ出力と、差動増幅回路4のエミッタ接地トランジスタQ4,Q5のベース入力との間を接続している。
このとき、差動信号の選択は、変動を打ち消し合う向き、すなわち負帰還となる向きを選択する。すなわち、差動増幅回路4の正相側のエミッタ接地トランジスタQ4のベース入力とレベルシフト回路5の逆相側のコレクタ接地トランジスタQ8のエミッタ出力とを接続し、差動増幅回路4の逆相側のエミッタ接地トランジスタQ5のベース入力とレベルシフト回路5の正相側のコレクタ接地トランジスタQ6のエミッタ出力とを接続する。
こうして、本参考例では、第1の参考例と比較して、電源電圧変動、温度変動による出力AMPのレベル変動をより低く抑えることができる。
第1の実施の形態
次に、本発明の第1の実施の形態について説明する。図7は本発明の第1の実施の形態に係る振幅検出回路の構成を示すブロック図である。本実施の形態の振幅検出回路は、差動ピーク検出回路1と、差動中心値検出回路2と、差分検出回路3bとから構成される。差分検出回路3bは、さらに差動増幅回路4と、レベルシフト回路5と、帰還回路6と、VT変動補償回路7とから構成される。
第2の参考例との差分は、第2の参考例の差分検出回路3aにさらにVT変動補償回路7を付加したことにある。本実施の形態では、図13〜図15に示した従来例と第1、第2の参考例で残留していた電源電圧変動、温度変動による出力AMPのレベル変動をVT変動補償回路7で積極的に補償することにより、第1、第2の参考例と比較して、電源電圧変動、温度変動による出力AMPのレベル変動をさらに抑圧することができる。
なお、差動増幅回路4の出力とVT変動補償回路7の出力とを加算してレベルシフト回路5に送出する加算機能を、図7では「+」印で表している。このような加算機能を実現する手段として、電流による加算を利用することもでき、この場合には、単純に接続するだけで加算機能を実現できる。
図8に本実施の形態の振幅検出回路のトランジスタレベルの回路を示す。差動ピーク検出回路1と差動中心値検出回路2と差動増幅回路4とレベルシフト回路5と帰還回路6の構成は第1、第2の参考例で説明したとおりである。
VT変動補償回路7は、コレクタ(VT変動補償回路7の非反転入力端子)がトランジスタQ5のコレクタ(差動増幅回路4の非反転出力端子)およびトランジスタQ6のベース(レベルシフト回路5の非反転入力端子)に接続されたトランジスタQ10と、コレクタ(VT変動補償回路7の反転入力端子)がトランジスタQ4のコレクタ(差動増幅回路4の反転出力端子)およびトランジスタQ8のベース(レベルシフト回路5の反転入力端子)に接続されたトランジスタQ11と、ベースおよびコレクタが電源電圧VCCに接続されたトランジスタQ12と、一端がトランジスタQ10,Q11のエミッタに接続され、他端が電源電圧VEEに接続された抵抗R15と、一端がトランジスタQ10のベースに接続され、他端が電源電圧VEEに接続された抵抗R16と、一端がトランジスタQ11のベースに接続され、他端が電源電圧VEEに接続された抵抗R17と、一端がトランジスタQ12のエミッタに接続され、他端がトランジスタQ10のベースに接続された抵抗R18と、一端が電源電圧VCCに接続され、他端がトランジスタQ11のベースに接続された抵抗R19とから構成される。抵抗R15は、トランジスタQ10,Q11に一定の電流を供給する電流源を構成している。
VT変動補償回路7は、差動のエミッタ接地トランジスタQ10,Q11を基本として、それぞれのトランジスタQ10,Q11の入力に異なる電源電圧係数、温度係数を有するバイアスを与えることにより、電源電圧変動、温度変動により任意の電流を差動増幅器回路4の負荷抵抗R3,R4から引き抜く構成としている。
レベルシフトトランジスタQ12と抵抗R18と抵抗R16との直列回路は、差動のエミッタ接地トランジスタQ10,Q11のうち正相側のトランジスタQ10のベースにバイアスを与える正相側のバイアス回路を構成している。抵抗R18と抵抗R16との接続点の電圧がトランジスタQ10のバイアスとして与えられる。
また、抵抗R19と抵抗R17との直列回路は、差動のエミッタ接地トランジスタQ10,Q11のうち逆相側のトランジスタQ11のベースにバイアスを与える逆相側のバイアス回路を構成している。抵抗R19と抵抗R17との接続点の電圧がトランジスタQ11のバイアスとして与えられる。なお、レベルシフトトランジスタQ12の代わりにレベルシフトダイオードを用いてもよいし、レベルシフトトランジスタまたはレベルシフトダイオードを直列に複数接続してもよい。
例として、振幅検出回路の出力AMPの電位が温度上昇に伴って上昇するケースを考える。仮定として、トランジスタQ10〜Q12のベース−エミッタ間電圧が負の温度係数を有し、抵抗R15〜R19がこれよりも小さい温度係数を有する場合もしくは正の温度係数を有する場合を考える。温度が上昇すると、トランジスタQ12のベース−エミッタ間電圧が下がるので、トランジスタQ11のベースのバイアス電圧に対してトランジスタQ10のベースのバイアス電圧が上昇し、トランジスタQ11が差動増幅回路4の負荷抵抗R3から引き抜く電流量と比較して、トランジスタQ10がより多くの電流を差動増幅回路4の負荷抵抗R4から引き抜くことになる。結果として、レベルシフト回路5のトランジスタQ6への入力電位が下がり、最終的に振幅検出回路の出力AMPの電位が下がることになる。すなわち、温度変動による出力AMPのレベル変動が補償される。
反対に、振幅検出回路の出力AMPの電位が温度低下に伴って低下するケースを考える。温度が低下すると、トランジスタQ12のベース−エミッタ間電圧が上がるので、トランジスタQ10のベースのバイアス電圧に対してトランジスタQ11のベースのバイアス電圧が上昇し、トランジスタQ10が差動増幅回路4の負荷抵抗R4から引き抜く電流量と比較して、トランジスタQ11がより多くの電流を差動増幅回路4の負荷抵抗R3から引き抜くことになる。結果として、レベルシフト回路5のトランジスタQ8への入力電位が下がり、最終的に振幅検出回路の出力AMPの電位が上がることになる。すなわち、温度変動による出力AMPのレベル変動が補償される。
また、別の例として、振幅検出回路の出力AMPの電位が電源電圧上昇に伴って上昇するケースを考える。正相側のバイアス回路と逆相側のバイアス回路を比較すると、正相側にはトランジスタQ12が挿入されているため、例えばR18<R19、R16=R17といった関係に設定されている。このため、電源電圧VCCが上昇すると、トランジスタQ11のベースのバイアス電圧に対してトランジスタQ10のベースのバイアス電圧が上昇するので、トランジスタQ11が差動増幅回路4の負荷抵抗R3から引き抜く電流量と比較して、トランジスタQ10がより多くの電流を差動増幅回路4の負荷抵抗R4から引き抜くことになる。結果として、レベルシフト回路5のトランジスタQ6への入力電位が下がり、最終的に振幅検出回路の出力AMPの電位が下がることになる。すなわち、電源電圧変動による出力AMPのレベル変動が補償される。
反対に、振幅検出回路の出力AMPの電位が電源電圧低下に伴って低下するケースを考える。電源電圧VCCが低下すると、トランジスタQ10のベースのバイアス電圧に対してトランジスタQ11のベースのバイアス電圧が上昇するので、トランジスタQ10が差動増幅回路4の負荷抵抗R4から引き抜く電流量と比較して、トランジスタQ11がより多くの電流を差動増幅回路4の負荷抵抗R3から引き抜くことになる。結果として、レベルシフト回路5のトランジスタQ8への入力電位が下がり、最終的に振幅検出回路の出力AMPの電位が上がることになる。すなわち、電源電圧変動による出力AMPのレベル変動が補償される。
図9は、VT変動補償回路7の引き抜き電流と電源電圧VCCとの関係をシミュレーションした結果を示す図である。図9において、90はトランジスタQ10が差動増幅回路4の負荷抵抗R4から引き抜く電流量を示し、91はトランジスタQ11が差動増幅回路4の負荷抵抗R3から引き抜く電流量を示している。図9から明らかなように、電源電圧が変動すると、引き抜き電流が変化することが分かる。なお、引き抜き電流変化の電源電圧に対する係数は、差動のエミッタトランジスタQ10,Q11の電流源(図8の例では抵抗R15)の電流値の設計によって変更することができる。
以上のように、本実施の形態では、差動のエミッタ接地トランジスタQ10,Q11のベースにそれぞれ異なる電源電圧係数および温度係数を有するバイアス電圧を与えることにより、電源電圧変動、温度変動に応じて差動増幅器回路4の負荷抵抗R3,R4から引き抜く電流量を正相側のトランジスタQ10と逆相側のトランジスタQ11で変えることができ、電源電圧変動、温度変動による振幅検出回路の出力AMPのレベル変動を積極的に補償することができる。その結果、本実施の形態では、第1、第2の参考例と比較して、電源電圧変動、温度変動による出力AMPのレベル変動をより低く抑えることができる。
第2の実施の形態
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。図10は本発明の第2の実施の形態に係る振幅検出回路の構成を示す回路図である。本実施の形態の振幅検出回路は、差動ピーク検出回路1と、差動中心値検出回路2と、差分検出回路3cとから構成される。差分検出回路3cは、さらに差動増幅回路4と、レベルシフト回路5と、帰還回路6と、VT変動補償回路7cとから構成される。
本実施の形態は、第1の実施の形態におけるVT変動補償回路をトランジスタレベル回路で実現する際の別の構成例である。差動ピーク検出回路1と差動中心値検出回路2と差動増幅回路4とレベルシフト回路5と帰還回路6の構成は第1、第2の参考例で説明したとおりである。
VT変動補償回路7cは、コレクタ(VT変動補償回路7cの非反転入力端子)がトランジスタQ5のコレクタ(差動増幅回路4の非反転出力端子)およびトランジスタQ6のベース(レベルシフト回路5の非反転入力端子)に接続されたトランジスタQ10と、コレクタ(VT変動補償回路7cの反転入力端子)がトランジスタQ4のコレクタ(差動増幅回路4の反転出力端子)およびトランジスタQ8のベース(レベルシフト回路5の反転入力端子)に接続されたトランジスタQ11と、ベースおよびコレクタがトランジスタQ11のベースに接続されたトランジスタQ13と、一端がトランジスタQ10,Q11のエミッタに接続され、他端が電源電圧VEEに接続された抵抗R15と、一端がトランジスタQ10のベースに接続され、他端が電源電圧VEEに接続された抵抗R16と、一端がトランジスタQ13のエミッタに接続され、他端が電源電圧VEEに接続された抵抗R17と、一端が電源電圧VCCに接続され、他端がトランジスタQ10のベースに接続された抵抗R18と、一端が電源電圧VCCに接続され、他端がトランジスタQ11のベースに接続された抵抗R19とから構成される。
本実施の形態では、抵抗R18と抵抗R16との直列回路が、差動のエミッタ接地トランジスタQ10,Q11のうち正相側のトランジスタQ10のベースにバイアスを与える正相側のバイアス回路を構成している。抵抗R18と抵抗R16との接続点の電圧がトランジスタQ10のバイアスとして与えられる。
また、抵抗R19とレベルシフトトランジスタQ13と抵抗R17との直列回路は、差動のエミッタ接地トランジスタQ10,Q11のうち逆相側のトランジスタQ11のベースにバイアスを与える逆相側のバイアス回路を構成している。抵抗R19とレベルシフトトランジスタQ13との接続点の電圧がトランジスタQ11のバイアスとして与えられる。なお、レベルシフトトランジスタQ13の代わりにレベルシフトダイオードを用いてもよいし、レベルシフトトランジスタまたはレベルシフトダイオードを直列に複数接続してもよい。
例として、振幅検出回路の出力AMPの電位が温度上昇に伴って上昇するケースを考える。仮定として、第1の実施の形態と同様に、トランジスタQ10〜Q12のベース−エミッタ間電圧が負の温度係数を有し、抵抗R15〜R19がこれよりも小さい温度係数を有する場合もしくは正の温度係数を有する場合を考える。温度が上昇すると、トランジスタQ13のベース−エミッタ間電圧が下がるので、トランジスタQ11のベースのバイアス電圧に対してトランジスタQ10のベースのバイアス電圧が上昇し、トランジスタQ11が差動増幅回路4の負荷抵抗R3から引き抜く電流量と比較して、トランジスタQ10がより多くの電流を差動増幅回路4の負荷抵抗R4から引き抜くことになる。その結果として、振幅検出回路の出力AMPの電位を下げるようにレベル補償が行われる。
反対に、振幅検出回路の出力AMPの電位が温度低下に伴って低下するケースを考える。温度が低下すると、トランジスタQ13のベース−エミッタ間電圧が上がるので、トランジスタQ10のベースのバイアス電圧に対してトランジスタQ11のベースのバイアス電圧が上昇し、トランジスタQ10が差動増幅回路4の負荷抵抗R4から引き抜く電流量と比較して、トランジスタQ11がより多くの電流を差動増幅回路4の負荷抵抗R3から引き抜くことになる。その結果として、振幅検出回路の出力AMPの電位を上げるようにレベル補償が行われる。
また、別の例として、振幅検出回路の出力AMPの電位が電源電圧上昇に伴って上昇するケースを考える。正相側のバイアス回路と逆相側のバイアス回路を比較すると、逆相側にはトランジスタQ13が挿入されているため、例えばR18=R19、R16>R17といった関係に設定されている。このため、電源電圧VCCが上昇すると、トランジスタQ11のベースのバイアス電圧に対してトランジスタQ10のベースのバイアス電圧が上昇するので、トランジスタQ11が差動増幅回路4の負荷抵抗R3から引き抜く電流量と比較して、トランジスタQ10がより多くの電流を差動増幅回路4の負荷抵抗R4から引き抜くことになる。その結果として、振幅検出回路の出力AMPの電位を下げるようにレベル補償が行われる。
反対に、振幅検出回路の出力AMPの電位が電源電圧低下に伴って低下するケースを考える。電源電圧VCCが低下すると、トランジスタQ10のベースのバイアス電圧に対してトランジスタQ11のベースのバイアス電圧が上昇するので、トランジスタQ10が差動増幅回路4の負荷抵抗R4から引き抜く電流量と比較して、トランジスタQ11がより多くの電流を差動増幅回路4の負荷抵抗R3から引き抜くことになる。その結果として、振幅検出回路の出力AMPの電位を上げるようにレベル補償が行われる。
第1の実施の形態では、電源電圧VCCと抵抗R18との間にレベルシフトトランジスタQ12を挿入していたのに対し、本実施の形態では、トランジスタQ11のベースと抵抗R17との間にレベルシフトトランジスタQ13を挿入している。第1の実施の形態とVT変動補償回路7cの構成は異なるが、トランジスタQ10のベース電圧とトランジスタQ11のベース電圧との差分に着目すると、電源電圧変動、温度変動による差分のレベル変動は、第1の実施の形態と同一方向になる。
したがって、本実施の形態では、第1の実施の形態と同様に、電源電圧変動、温度変動による振幅検出回路の出力AMPのレベル変動を積極的に補償することができるので、第1、第2の参考例と比較して、電源電圧変動、温度変動による出力AMPのレベル変動をより低く抑えることができる。
第3の実施の形態
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。図11は本発明の第3の実施の形態に係る振幅検出回路の構成を示すブロック図である。本実施の形態の振幅検出回路は、差動ピーク検出回路1と、差動中心値検出回路2と、差分検出回路3dとから構成される。差分検出回路3dは、さらに差動増幅回路4dと、レベルシフト回路5と、帰還回路6と、VT変動補償回路7と、分圧回路8とから構成される。
本実施の形態は、第1、第2の実施の形態のVT変動補償回路7,7cに対して、分圧回路8を付加することが異なる。
第1、第2の実施の形態のVT変動補償回路7,7cでは、差動増幅回路4の負荷抵抗R3,R4から引き抜く電流の値を変更しようとする場合、VT変動補償回路7,7c内の電流値を変更する必要があった。しかしながら、T変動補償回路7,7cを流れる電流の値を極端に小さく(例えば0.1mA以下)絞ると、本来のトランジスタの使用電流範囲から大きく逸脱するので、シミュレーション等による性能設計が難しくなるという課題がある。
そこで、本実施の形態では、差動増幅回路4の負荷抵抗R3,R4の代わりに分圧回路8を設け、VT変動補償回路7,7cからの電流の引き抜きを分圧回路8の抵抗による分圧点から行うことにより、差動増幅回路4dの負荷抵抗(分圧回路8の抵抗)から引き抜く電流の値を、VT変動補償回路7,7c内の電流値と独立に調整できる構成としている。機能的には、第1の実施の形態で説明した加算機能について、差動増幅回路4dとVT変動補償回路7,7cの寄与の重み付けを可変にしていると言える。
図12に本実施の形態の振幅検出回路のトランジスタレベルの回路を示す。差動ピーク検出回路1と差動中心値検出回路2とレベルシフト回路5と帰還回路6の構成は第1、第2の参考例で説明したとおりである。また、VT変動補償回路7の構成は第1の実施の形態で説明したとおりである。差動増幅回路4dの構成は、第1の参考例の差動増幅回路4と同様であるが、負荷抵抗R3,R4の代わりに分圧回路8が使用されている点が異なる。
分圧回路8は、一端が電源電圧VCCに接続された抵抗R20と、一端が抵抗R20の他端に接続され、他端がトランジスタQ4のコレクタおよびトランジスタQ8のベースに接続された抵抗R21と、一端が電源電圧VCCに接続された抵抗R22と、一端が抵抗R22の他端に接続され、他端がトランジスタQ5のコレクタおよびトランジスタQ6のベースに接続された抵抗R23とから構成される。本実施の形態では、抵抗R20と抵抗R21との接続点がトランジスタQ11のコレクタに接続され、抵抗R22と抵抗R23との接続点がトランジスタQ10のコレクタに接続されるようになっている。抵抗R20〜R23の値は、例えばR3=R20+R21、R4=R22+R23のように設定される。
このように、本実施の形態では、差動増幅回路4の負荷抵抗R3,R4の代わりに分圧回路8を設け、VT変動補償回路7からの電流引き抜きを抵抗R20と抵抗R21との接続点および抵抗R22と抵抗R23との接続点から行っている。これにより、差動増幅回路4dの負荷抵抗R20〜R23から引き抜く電流の値を、VT変動補償回路7,7c内の電流値と独立に調整できるため、VT変動補償回路7,7c内に流れる電流を極端に小さく(例えば0.1mA以下に)設計する必要がない。
以上により、本実施の形態では、第1、第2の実施の形態と同様の特性を、設計性よく実現することができる。
なお、図12の例では、第1の実施の形態のVT変動補償回路7を用いているが、VT変動補償回路7の代わりに第2の実施の形態のVT変動補償回路7cを設けてもよいことは言うまでもない。
本発明は、振幅検出回路に適用することができる。
1…差動ピーク検出回路、2…差動中心値検出回路、3,3a,3b,3c,3d…差分検出回路、4,4d…差動増幅回路、5…レベルシフト回路、6…帰還回路、7,7c…VT変動補償回路、8…分圧回路、Q1〜Q13…トランジスタ、R1〜R23…抵抗、C1,C2…容量。

Claims (5)

  1. 入力される差動信号の最大電圧を保持して出力する差動ピーク検出回路と、
    前記差動信号の平均電圧を検出して出力する差動中心値検出回路と、
    前記差動ピーク検出回路の出力と前記差動中心値検出回路の出力との差に比例する信号を出力する差分検出回路とを備え、
    前記差分検出回路は、
    前記差動ピーク検出回路の出力と前記差動中心値検出回路の出力との差に比例する信号を出力する差動増幅回路と、
    前記差動増幅回路の出力の電圧レベルをシフトさせて出力するレベルシフト回路と
    電源電圧変動、温度変動による振幅検出回路の出力のレベル変動を補償するように、前記差動増幅回路の負荷抵抗から電流を引き抜く補償回路とから構成され、
    前記差動増幅回路と前記レベルシフト回路の各々の出力の温度依存性が逆特性であり、
    前記補償回路は、
    コレクタが前記差動増幅回路の負荷抵抗に接続された差動構成の第2のエミッタ接地トランジスタと、
    この差動構成の第2のエミッタ接地トランジスタに電流を供給する電流源と、
    前記差動構成の第2のエミッタ接地トランジスタのうち一方のトランジスタのベースにバイアス電圧を与える第1のバイアス回路と、
    前記差動構成の第2のエミッタ接地トランジスタのうち他方のトランジスタのベースにバイアス電圧を与える第2のバイアス回路とを少なくとも備え、
    前記第1のバイアス回路が出力するバイアス電圧と前記第2のバイアス回路が出力するバイアス電圧の電源電圧依存性および温度依存性が異なることを特徴とする振幅検出回路。
  2. 請求項1記載の振幅検出回路において、
    前記差動増幅回路は、
    前記差動ピーク検出回路の出力と前記差動中心値検出回路の出力とを入力とする差動構成の第1のエミッタ接地トランジスタと、
    第1の電源電圧と前記差動構成の第1のエミッタ接地トランジスタのコレクタとの間に設けられた2つの負荷抵抗と、
    前記差動構成の第1のエミッタ接地トランジスタに電流を供給する電流源とを少なくとも備え、
    前記レベルシフト回路は、
    前記差動増幅回路の差動出力を入力とする差動構成のコレクタ接地トランジスタと、
    この差動構成のコレクタ接地トランジスタのエミッタと第2の電源電圧との間に設けられた2つのエミッタ抵抗とを少なくとも備えることを特徴とする振幅検出回路。
  3. 請求項1または2記載の振幅検出回路において、
    さらに、前記レベルシフト回路の出力を前記差動増幅回路の入力に負の利得係数で帰還させる帰還回路を備えることを特徴とする振幅検出回路。
  4. 請求項記載の振幅検出回路において、
    前記第1のバイアス回路と前記第2のバイアス回路のうち一方は、第1の電源電圧と前記第2のエミッタ接地トランジスタのベースとの間、前記第2のエミッタ接地トランジスタのベースと第2の電源電圧との間のどちらか一方にレベルシフトトランジスタまたはレベルシフトダイオードを備えることを特徴とする振幅検出回路。
  5. 請求項乃至のいずれか1項に記載の振幅検出回路において、
    前記差動増幅回路の負荷抵抗の代わりに、前記負荷抵抗に印加される電圧を分圧する分圧回路を備え、
    前記分圧回路は、2つの直列接続された抵抗からなり、
    前記補償回路は、前記分圧回路の2つの抵抗の接続点から電流を引き抜くことを特徴とする振幅検出回路。
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