JP5521829B2 - ゴルフクラブヘッド及びゴルフクラブの設計方法 - Google Patents

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Description

本発明はゴルフクラブヘッド及びゴルフクラブの設計方法に関し、更に詳しくは、個々のプレイヤーの適性に応じて打球の飛距離を向上することができるゴルフクラブヘッド及びゴルフクラブの設計方法に関する。
ゴルフクラブヘッドの設計においては、打球の飛距離を向上することが重要なポイントとなるため、フェース面のスイートスポットから外れた打点でゴルフボールを打撃しても、スイートスポットで打撃した場合とほぼ同等の飛距離(例えば、ボールの最大初速の99%程度)を得ることができる領域、いわゆるスイートエリアを拡大することが行われている。
このスイートエリアを拡大するためには、一般的には、フェース部を薄くしたり、フェース面の面積を大きくしたりするが、このような画一的な方法ではプレイヤーの適性に合わせて最適なゴルフクラブヘッドを提供することは困難であった。
このような問題を解決するため、特許文献1は、フェース面の最大撓み位置と、フェース面に投影されるヘッド本体の重心位置との相対的な位置関係に基づいてゴルフクラブヘッドを設計することを提案している。
しかし、上記の特許文献1に記載の設計方法では、上級や初級など大まかに区分されたプレイヤーの適性に応じて最適なゴルフクラブヘッドを提供することはできるものの、個々のプレイヤーの適性の違いに対応することは困難であった。
特開2003−772号公報
本発明の目的は、個々のプレイヤーの適性に応じて打球の飛距離を向上することができるゴルフクラブヘッド及びゴルフクラブの設計方法を提供することにある。
上記の目的を達成する本発明のゴルフクラブヘッドの設計方法は、ゴルフボールを打撃するフェース面のスイートエリアを、プレイヤーの適性に応じて最大化するゴルフクラブヘッドの設計方法であって、前記ゴルフクラブヘッド及びゴルフボールをそれぞれ複数の有限要素に分割する第1ステップと、前記プレイヤーが前記ゴルフクラブヘッドを有するゴルフクラブで前記ゴルフボールを打撃する直前における前記フェース面のスピード分布を設定する第2ステップと、前記ゴルフクラブヘッドのヘッド本体の重心位置を前記フェース面に対して垂直に投影した重心点と、前記フェース面の最大反発点とを、前記スピード分布の等高線に対して角度θをなす方向に沿って前記フェース面に仮に配置すると共に、該最大反発点の周囲に反発分布を仮に設定する第3ステップと、前記重心点、最大反発点及び反発分布が仮に設定されたフェース面を有するゴルフクラブヘッドが、該フェース面上の打点において、所定のヘッドスピードで前記ゴルフボールに衝突したときの該ゴルフボールの初速を、該フェース面上の打点の位置を変更する毎に算出する第4ステップと、前記ゴルフボールの初速が所定のしきい値以上となる打点の数を求める第5ステップと、前記打点の数が最大となるように、前記重心点の位置、最大反発点の位置及び角度θのうちの少なくとも1つを変化させる第6ステップとを含むことを特徴とするものである。
上記の第6ステップおいては、重心点の位置、最大反発点の位置、角度θ及び反発分布の形状のうちの少なくとも1つを変化させるようにすることが望ましい。また、角度θを90°一定とすることもできる。
上記の第3ステップにおいては、重心点と最大反発点との相対位置を、重心点がヒール側に、最大反発点がトウ側に、それぞれ配置されるようにすると共に、重心点と最大反発点との間の距離が5〜15mmになるようにすることが望ましい。
上記の第2ステップにおいては、プレイヤーの平均打点もフェース面に設定し、かつ第6ステップにおいては、平均打点が重心点と最大反発点とを結ぶ直線上に常に位置するようにすることが望ましい。
上記の第2ステップにおいては、平均打点をフェース面の幾何学中心に設定することができる。
上記第5ステップにおける所定のしきい値は、前記所定のヘッドスピードに対するミート率が1.43以上となるゴルフボールの初速とすることが望ましい。
本発明のゴルフクラブヘッドの設計方法は、中空構造のヘッド本体を有するウッド型のゴルフクラブヘッドの設計に好適に用いられる。
また、上記の目的を達成する本発明のゴルフクラブの設計方法は、ゴルフクラブヘッドにシャフトを取り付けてなるゴルフクラブの設計方法であって、前記ゴルフクラブヘッドは、上記本発明のゴルフクラブヘッドの設計方法により設計されることを特徴とするものである。
本発明のゴルフクラブヘッドの設計方法によれば、上述したように、個々のプレイヤーに特有のフェース面のスピード分布と、そのスピード分布の等高線に対して角度θをなす方向に沿って配置されたゴルフクラブヘッドのヘッド本体の重心位置をフェース面に投影した重心点及びフェース面の最大反発点をパラメータとしてボール初速が所定のしきい値以上となる打点の個数を求め、その個数が最大となるように決定された重心点及び最大反発点を基にして設計を行うようにしたので、個々のプレイヤーの適性に応じてフェース面のスイートエリアを最大化して、打球の飛距離を向上することができる。
また、本発明のゴルフクラブの設計方法によれば、ゴルフクラブヘッドにシャフトを取り付けてなるゴルフクラブの設計において、そのゴルフクラブヘッドを上記本発明のゴルフクラブヘッドの設計方法により設計するようにしたので、打球の飛距離が最大となるゴルフクラブを、個々のプレイヤーの適性に応じて設計することができる。
本発明のゴルフクラブヘッドの設計方法の対象となるゴルフクラブヘッドの例を示す正面図である。 本発明のゴルフクラブヘッドの設計方法を実行するために使用されるコンピュータ20の構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態からなるゴルフクラブヘッドの設計方法を説明するフロー図である。 コンピュータ20によって構成される計算装置の構成を示す機能ブロック図である。 フェース面のスピード分布を説明する正面図である。 フェース面のスピード分布の例を示す正面図である。 ローリング成分の割合によるフェース面のスピード分布の変化を説明する正面図であって、(a)はローリング成分が大きい場合を、(b)はローリング成分が中程度の場合を、(c)はローリング成分が小さい場合を、それぞれ示す。 本発明のゴルフクラブヘッドの設計方法における初期設定の例を示す正面図である。 本発明のゴルフクラブヘッドの設計方法における初期設定の他の例を示す正面図である。 重心点Pと、最大反発点Qと、フェーススピードVfと、ボール初速との関係を示す第1の模式図である。 重心点Pと、最大反発点Qと、フェーススピードVfと、ボール初速との関係を示す第2の模式図である。
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明のゴルフクラブヘッドの設計方法の対象となるゴルフクラブヘッドの例を示す。
このゴルフクラブヘッドは、ゴルフボールを打撃するフェース面1と、そのフェース面1に連接するクラウン部2及びソール部3とを外殻とする金属製の中空構造のヘッド本体4から構成されている。ヘッド本体4の金属材料は、チタン合金やアルミニウム合金などの高強度の低比重金属が好ましく用いられる。また、クラウン部2には、フェース面1側でかつヒール5寄りの位置にシャフト6に接続するホーゼル7が設けられている。
図2は本発明のゴルフクラブヘッドの設計方法を実行するために使用されるコンピュータ20の構成を示すブロック図である。
コンピュータ20は、CPU22と、不図示のインターフェース回路およびバスラインを介して接続されたROM24、RAM26、ハードディスク装置28、ディスク装置30、キーボード32、マウス34、ディスプレイ36、プリンタ38、入出力インターフェース40などを有している。
ROM24は制御プログラムなどを格納し、RAM26はワーキングエリアを提供するものである。
ハードディスク装置28は、ゴルフクラブヘッドの有限要素解析を行う有限要素解析プログラムと、この有限要素解析プログラムによって得られたシミュレーション結果を用いてスイートエリアが最大となるゴルフクラブヘッドの設計値を求める専用の計算プログラムを格納している。
有限要素解析プログラムとして、有限要素解析を行う従来公知のさまざまな市販の有限要素解析ソフトウェア、例えば、ABAQUS(SIMULIA Americas社の登録商標)などを用いることができる。
有限要素解析プログラムは、以下のプログラムを含んで構成されている。
1)有限要素モデルを作成するためのプログラム:
本実施の形態ではゴルフクラブヘッドおよびゴルフボールの有限要素モデルを作成するためのプログラムである。
2)有限要素モデルを用いて有限要素法によるシミュレーション(解析)を行うためのプログラム:
本実施の形態では、ゴルフクラブヘッドの有限要素モデルとゴルフボールの有限要素モデルとを用いて衝突解析を行うためのプログラムである。
ディスク装置30はCDやDVDなどの記録媒体に対してデータの記録および/または再生を行うものである。
キーボード32およびマウス34は、操作者による操作入力を受け付けるものである。
ディスプレイ36はデータを表示出力するものであり、プリンタ38はデータを印刷出力するものであり、ディスプレイ36およびプリンタ38によってデータを出力する。
入出力インターフェース40は、外部機器との間でデータの授受を行うものである。
また、コンピュータ20はスイートエリアが最大となるゴルフクラブヘッドの設計値を求める計算装置を構成する。ここで設計値とは、何れも後で詳述するフェース面1上における重心点Pの位置、最大反発点Qの位置(反発分布)、角度θを含む。
図4に示すように、この計算装置は、モデル作成手段20Aと、フェース面速度分布設定手段20Bと、設計値仮設定手段20Cと、初速算出手段20Dと、打点数算出手段20Eと、設計値変更手段20Fとを含んで構成されている。
これら各手段20A乃至20Fは、コンピュータ20が前記の有限要素解析プログラムおよび前記の計算プログラムを実行することによって実現されるものである。
各手段20A乃至20Fについては本実施の形態の設計方法と共に説明する。
次に、図1に示したゴルフクラブヘッドを対象にした、本発明の実施形態からなるゴルフクラブヘッドの設計方法を、図3に基づいて以下に詳述する。
また、以下の各処理は、コンピュータ20が有限要素解析プログラムおよび前記の計算プログラムを実行することに行われるものである。
なお、スイートエリアとは、フェース面1のスイートスポットを外してゴルフボールを打撃した場合でも、スイートスポットで打撃した場合とほぼ同等のボール初速を得ることができる領域を意味する。
まず、ヘッド本体4を複数の有限要素Xijkに、ゴルフボールを複数の有限要素Yijk(i、j、kは整数)に、それぞれ分割する(S10:第1ステップ)。すなわち、ヘッド本体4およびゴルフボールの有限要素モデルを作成する。有限要素モデルの作成は従来公知の有限要素法に基づいてなされるものである。ステップS10はコンピュータ20が有限要素解析プログラムを実行することで行われる。なお、このステップS10は図4のモデル作成手段20Aに相当する。
ここで有限要素とは、有限要素法による解析を行うための要素であって、梁要素、シェル要素及び固体要素などが例示される。また、計算に必要な物性値としては、ロフト角、重心深さ、バルジ&ロール半径、FP値(フェースプログレッション)や、慣性モーメント、ヘッド質量などが例示される。
次に、あらかじめ測定したフェース面1のスピード分布をフェース面1に設定する(S11:第2ステップ)。ステップS12はコンピュータ20が前記の計算プログラムを実行することで行われる。なお、このステップS12は図4のフェース面速度分布設定手段20Bに相当する。
このスピード分布とは、プレイヤーがヘッド本体4を有するゴルフクラブでゴルフボールを打撃したときに、打撃直前におけるフェース面1のスピードの分布を意味するものである。
スピード分布は、シャフト6の長さに依存する成分と、ヘッド本体4のローリング(シャフト6の回りの回転)による成分とから主に決定される。
図5に示すように、前者のシャフト6の長さに依存する成分は、シャフト6の中心軸の延長線Lの垂線が、ヘッド本体4のソール部3に接する点Aにおいて最大となる。
また、後者のヘッド本体4のローリングに依存する成分は、シャフト6の中心軸の延長線Lから最も離れた点B(ヘッド本体4のトウ8側端部)において最大となる。
従って、フェース面1のスピードは、図6に示すように、フェース面1のヒール5側の上部aからトウ側8の下部gへ向けて次第に大きくなるように分布する。なお、図6においては、速度0.5m/s毎に等高線vを示している。
上記のシャフト6の長さに依存する成分と、ヘッド本体4のローリングに依存する成分との割合は、個々のプレイヤーの適性によって異なり、ローリングに依存する成分が大きい場合には、図7(a)に示すように、等高線vの傾きが大きくなると共に、隣接する等高線v間の幅が狭くなる。そして、ローリングに依存する成分が小さくなり、シャフト6の長さに依存する成分が大きくなると、図7(b)及び図7(c)に示すように、等高線vの傾きが小さくなると共に、隣接する等高線v間の幅が広くなる。
このように、フェース面1のスピード分布は、個々のプレイヤーの適性に応じた固有のものである。
スピード分布の測定方法は、特に限定するものではないが、例えば特開2005−34619号公報に記載されたゴルフクラブヘッドの挙動計測装置のように、ヘッド本体に設けた複数のマーカの変位をカメラで連続的に撮影し、その三次元座標の時系列データを計算機で処理する方法を用いることができる。
次に、図8に示すように、フェース面1に重心点P(ヘッド本体4の重心位置をフェース面1に対して垂直に投影した点)及び最大反発点Qを、スピード分布の等高線vに対して角度θ(0〜180°)をなす直線Mに沿って仮に配置する(S12:第3ステップ)と共に、その最大反発点Qの周囲における反発係数の分布(反発分布)Rも仮に設定する(S13:第3ステップ)。
:第2のステップ)。ステップS12、S13はコンピュータ20が前記の計算プログラムを実行することで行われる。
なお、このステップS12、S13は図4の設計値仮設定手段20Cに相当する。
重心点Pは、ヘッド本体4の重心をフェース面1に対して垂直に投影した点である。最大反発点Qは、フェース面1の反発係数が最大となる点を意味するが、ここではフェース面1におけるたわみ量が最も大きくなる点(最大たわみ点)を用いている。
このたわみ量と反発係数とは正の相関関係にあるため、反発分布Rの値は、たわみ量を反発係数に換算することにより決定している。反発分布Rの形状としては、最大反発点Qに対して同心円状かつ等間隔の等高線を有する形状などが例示される。
なお、ゴルフルールに抵触することがないように、換算後の反発係数の最大値(最大反発点Qにおける反発係数)は、R&A(ロイヤル・アンド・エインシェント・ゴルフ・クラブ・オブ・セント・アンドリューズ)及びUSGA(全米ゴルフ協会)により規定された上限値である0.83(ペンデュラム試験における特性時間257μsに相当)を超えないようにすることが好ましい。
そして、ヘッド本体4が、フェース面1上の打点Dにおいて、所定のヘッドスピードHでゴルフボールに衝突したときのゴルフボールの初速(ボール初速)を計算し、その初速の大きさを所定のしきい値Cと比較する(S14〜S15)。
このボール初速の計算と、しきい値Cとの比較を、打点Dの位置を変化させるたびに行い(S16)、ボール初速がしきい値C以上となる打点Dの個数をカウントする(S17)。なお、打点Dは、有限要素Xijkと同一又は別個に設定することができる。
ステップS14はコンピュータ20が有限要素解析プログラムを実行することで行われ、ステップS15、S16,S17はコンピュータ20が前記の計算プログラムを実行することで行われる。
なお、ステップS14、S15,S16は、第4ステップに相当し、かつ、図4の初速算出手段20Dに相当する。
また、ステップS17は、第5ステップに相当し、かつ、図4の打点数算出手段20Eに相当する。
このしきい値Cを適切に設定することにより、ボール初速がしきい値C以上となる打点Dをスイートエリアの一部とみなすことができる。
しきい値Cは、ヘッドスピードHに対するミート率(ボール初速/ヘッドスピードH)が1.43以上となるように設定されることが望ましい。
例えば、ヘッドスピードHを、平均的なプレイヤーのヘッドスピードである30〜50m/sとしたときには、しきい値Cは42.9〜71.5m/sの範囲となる。
次に、重心点P、最大反発点Q及び角度θの少なくとも1つを変化させた(S18〜S20)後に、ボール初速がしきい値C以上となる打点Dの個数をカウントする作業を繰り返し行う(S14〜S17)。
ステップS18、S19、S20は、コンピュータ20が前記の計算プログラムを実行することで行われる。
ステップS18、S19、S20は、第6ステップに相当し、かつ、図4の設計値変更手段20Fに相当する。
なお、ボール初速はヘッド本体4の慣性モーメントにより大きな影響を受けるため、重心点Pの位置が最も重要なパラメータとなる。
上記の作業を通じてカウントされた打点Dの個数が最大となるケースを抽出し(S21)、そのケースにおける重心点Pの位置、最大反発点Qの位置及び角度θを基にゴルフクラブヘッドの設計を行う。言い換えると、重心点Pの位置、最大反発点Qの位置及び角度θを設計値として決定してゴルフクラブヘッドの設計を行う。
なお、打点Dの個数の代わりに、打点Dが位置する有限要素Xijkの個数が最大となるようにしてもよい。
このようにゴルフクラブヘッドを設計することにより、個々のプレイヤーの適性に応じて、ボール初速が大きくなるスイートエリアを最大化することができるので、打球の飛距離を向上することができる。
上記の設計方法においては、更に反発分布Rの形状を変化させるようにすることもできる。形状変化のパラメータとしては、等高線の形状、幅や値などが例示される。
また、上記の設計方法における計算時間を短縮するためには、角度θを90°としたり、フェース面1に重心点P及び最大反発点Qを仮に配置する際(S12)に、図9に示すように、重心点Pと最大反発点Qとの相対位置を、重心点Pがヒール5側へ、最大反発点Qがトウ8側へそれぞれ配置されるようにすると共に、それら2点の間の距離Wが5〜15mmとなるようにしたりすることが望ましい。その理由は、ゴルフクラブヘッドのドライバーのフェース面形状、重心点P(フェース面上重心位置)の設計自由度を考慮すると、重心点Pと最大反発点Qの位置は、上記範囲近辺に配置される可能性が高いためである。
また、個々のプレイヤーの平均的な打点をあらかじめ求めておき、その平均打点が重心点Pと最大反発点Qとを結ぶ直線M上に位置するようにすることが望ましい。このようにすることで、個々のプレイヤーの適性への対応を更に高めることができる。平均打点の測定には、上述した特開2005−34619号公報に記載されたゴルフクラブヘッドの挙動計測装置を用いることができるが、一般的なプレイヤーの打点であるフェース面1の幾何学中心を用いるようにしてもよい。
本発明のゴルフクラブヘッドの設計方法の対象は特に限定するものではないが、図1に示すような、中空構造のヘッド本体を有するウッド型のゴルフクラブヘッドの設計に好適に用いられる。
また、ゴルフクラブヘッドにシャフトを取り付けてなるゴルフクラブの設計においては、そのゴルフクラブヘッドの設計に本発明のゴルフクラブヘッドの設計方法を用いることができる。
上述したように本発明の設計方法は、予めフェース面1上に設定されたスピード分布の等高線vに対して角度θをなす方向に沿って重心点Pと最大反発点Qとを配置し、最大反発点Qの周りに反発分布Rを設定することでスイートエリアの最大化を図るものである。
すなわち、本発明は、フェース面1上における、スピード分布と、重心点Pと、最大反発点Q(反発分布R)との位置関係がボール初速に大きな影響を与えるという知見に基づいてなされている。以下この知見について具体的に説明する。
図10、図11は重心点Pと、最大反発点Qと、フェーススピードVfと、ボール初速との関係を示す模式図である。
図10、図11において、横軸はスピード分布の等高線vに対して角度θをなす直線Mを示し、図中左側がトウ側、右側がヒール側となる。また、縦軸はボール初速を示し、上方に向かうほどボール初速が高くなる。
ある打点Dにおけるボール初速は、フェーススピードVfと、最大反発点Qの位置と、重心点Pの位置との3つの要素が寄与して決定されるものと考えられる。
すなわち、打点DにおけるフェーススピードVfが高いほどボール初速は高速となる。
また、打点Dに重心点Pが近いほどボール初速は高速となる。
また、打点Dに最大反発点Qが近いほどボール初速は高速となる。
すなわち、図10、図11に示すように、ある打点Dにおけるボール初速は、フェーススピードVfが寄与する成分と、最大反発点Qの位置(反発分布R)が寄与する成分と、重心点Pの位置が寄与する成分とを足し合わせた値で決定されるものと考えられる。
図10、図11において、符号C1、C2はそれぞれスイートエリアを規定するボール初速のしきい値を示している。
ここで、第1のしきい値C1>第2のしきい値C2としたとき、第1のしきい値C1以上のボール初速が得られるフェース面1上の領域を高初速スイートエリア、第2のしきい値C2以上のボール初速が得られるフェース面1上の領域を中初速スイートエリアとする。
これらしきい値C1,C2は例えば次のように例示される。
最大ボールスピードの値Vmaxを100%としたとき、第1のしきい値C1はVmaxの95%、第2のしきい値はVmaxの98%とする。
第1のしきい値C1で規定される高初速スイートエリアについて考える。
図11に示すように、重心点PにおけるフェーススピードVfよりも最大反発点Qにおけるフェーススピードを低い値にすると、高初速スイートエリアの大きさを大きく確保する上で不利となる。
これに対して、図10に示すように、重心点PにおけるフェーススピードVfよりも最大反発点Qにおけるフェーススピードを高い値にすると、高初速スイートエリアの大きさを大きく確保する上で有利となる。
第2のしきい値C2で規定される中初速スイートエリアについて考える。
図10に示すように、重心点PにおけるフェーススピードVfよりもフェース最大たわみ点Qにおけるフェーススピードを高い値にすると、中初速スイートエリアの大きさを大きく確保する上で不利となる。
これに対して、図11に示すように、重心点PにおけるフェーススピードVfよりもフェース最大たわみ点QにおけるフェーススピードVfを低い値にすると、中初速スイートエリアの大きさを大きく確保する上で有利となる。
上記知見によれば、フェース面1上におけるフェーススピードVfの分布に対して、重心点Pと、最大反発点Q(反発分布R)とを最適に配置することによりスイートエリアの最大化を実現することができることがわかる。
また、上記知見によれば、スイートエリアの最大化を図るための重心点Pと、最大反発点Q(反発分布R)との位置関係は、スイートエリアを規定するボール初速のしきい値の大小に応じて変化することがわかる。
1 フェース面
2 クラウン部
3 ソール部
4 ヘッド本体
5 ヒール
6 シャフト
7 ホーゼル
8 トウ

Claims (9)

  1. ゴルフボールを打撃するフェース面のスイートエリアを、プレイヤーの適性に応じて最大化するゴルフクラブヘッドの設計方法であって、
    前記ゴルフクラブヘッド及びゴルフボールをそれぞれ複数の有限要素に分割する第1ステップと、
    前記プレイヤーが前記ゴルフクラブヘッドを有するゴルフクラブで前記ゴルフボールを打撃する直前における前記フェース面のスピード分布を設定する第2ステップと、
    前記ゴルフクラブヘッドのヘッド本体の重心位置を前記フェース面に対して垂直に投影した重心点と、前記フェース面の最大反発点とを、前記スピード分布の等高線に対して角度θをなす方向に沿って前記フェース面に仮に配置すると共に、該最大反発点の周囲に反発分布を仮に設定する第3ステップと、
    前記重心点、最大反発点及び反発分布が仮に設定されたフェース面を有するゴルフクラブヘッドが、該フェース面上の打点において、所定のヘッドスピードで前記ゴルフボールに衝突したときの該ゴルフボールの初速を、該フェース面上の打点の位置を変更する毎に算出する第4ステップと、
    前記ゴルフボールの初速が所定のしきい値以上となる打点の数を求める第5ステップと、
    前記打点の数が最大となるように、前記重心点の位置、最大反発点の位置及び角度θのうちの少なくとも1つを変化させる第6ステップと、を含むゴルフクラブヘッドの設計方法。
  2. 前記第6ステップおいて、前記重心点の位置、最大反発点の位置、角度θ及び反発分布の形状のうちの少なくとも1つを変化させるようにした請求項1に記載のゴルフクラブヘッドの設計方法。
  3. 前記第6ステップにおいて、角度θを90°一定とした請求項1又は2に記載のゴルフクラブヘッドの設計方法。
  4. 前記第3ステップにおいて、前記重心点と前記最大反発点との相対位置を、該重心点がヒール側に、該最大反発点がトウ側に、それぞれ配置されるようにすると共に、該重心点と該最大反発点との間の距離が5〜15mmになるようにした請求項1〜3のいずれかに記載のゴルフクラブヘッドの設計方法。
  5. 前記第2ステップにおいて、前記プレイヤーの平均打点も前記フェース面に設定し、前記第6ステップにおいて、前記平均打点が前記重心点と前記最大反発点とを結ぶ直線上に常に位置するようにした請求項1〜4のいずれかに記載のゴルフクラブヘッドの設計方法。
  6. 前記第2ステップにおいて、前記平均打点を前記フェース面の幾何学中心に設定した請求項5に記載のゴルフクラブヘッドの選定方法。
  7. 前記第5ステップにおける所定のしきい値が、前記所定のヘッドスピードに対するミート率が1.43以上となるゴルフボールの初速である請求項1〜6のいずれかに記載のゴルフクラブヘッドの設計方法。
  8. 前記ゴルフクラブヘッドが、中空構造のヘッド本体を有するウッド型のゴルフクラブヘッドである請求項1〜7のいずれかに記載のゴルフクラブヘッドの設計方法。
  9. ゴルフクラブヘッドにシャフトを取り付けてなるゴルフクラブの設計方法であって、前記ゴルフクラブヘッドは、請求項1〜8に記載のゴルフクラブヘッドの設計方法により設計されるゴルフクラブの設計方法。
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