JP5477463B2 - 燃料電池 - Google Patents

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Description

本発明は、コアシェル型触媒微粒子を電極触媒層に含み、当該コアシェル型触媒微粒子の触媒活性を高く維持できる燃料電池に関する。
燃料電池は、燃料と酸化剤を電気的に接続された2つの電極に供給し、電気化学的に燃料の酸化を起こさせることで、化学エネルギーを直接電気エネルギーに変換する。火力発電とは異なり、燃料電池はカルノーサイクルの制約を受けないので、高いエネルギー変換効率を示す。燃料電池は、通常、電解質膜を一対の電極で挟持した膜・電極接合体を基本構造とする単セルを複数積層して構成されている。中でも、電解質膜として固体高分子電解質膜を用いた固体高分子電解質型燃料電池は、小型化が容易であること、低い温度で作動すること、などの利点があることから、特に携帯用、移動体用電源として注目されている。
固体高分子電解質型燃料電池では、水素を燃料とした場合、アノード(燃料極)では式(I)の反応が進行する。
→2H+2e (I)
式(I)で生じる電子は、外部回路を経由し、外部の負荷で仕事をした後、カソード(酸化剤極)に到達する。そして、式(I)で生じたプロトンは、水和した状態で、固体高分子電解質膜内をアノード側からカソード側に、電気浸透により移動する。
また、酸素を酸化剤とした場合、カソードでは式(II)の反応が進行する。
2H+(1/2)O+2e→HO (II)
カソードで生成した水は、主としてガス拡散層を通り、外部へと排出される。このように、燃料電池は、水以外の排出物がなく、クリーンな発電装置である。
燃料電池においては、過電圧による電圧の低下が、出力低下の主な原因の1つである。過電圧には、電極反応に由来する活性化過電圧、電極表面や電池全体における抵抗に由来する抵抗過電圧、電極表面における反応物質の濃度分布に由来する濃度過電圧が挙げられる。これら3つの過電圧の内、電極触媒は、活性化過電圧の低減に効果を発揮する。
白金及び白金合金は、白金の高い触媒性能のため、燃料電池のカソード及びアノードにおける電極触媒として好んで使用されている。しかし、燃料電池を商品化するにあたって、従来の白金触媒を用いたカソードにおける酸素還元反応速度の遅さ、及び、白金の高いコストが、重大な障害となっていた。このような課題を解決することを目的とした触媒として、特許文献1には、白金原子の原子的薄層によって被覆されたパラジウム又はパラジウム合金を含む粒子複合材が開示されている。
米国特許出願公開第2007/31722号明細書
特許文献1の段落236以下には、白金が被覆されたパラジウム微粒子の実験例が記載されている。しかし、このような態様の粒子複合材は、被覆材である白金が電極反応の過程において溶出した際に、核となるパラジウムが直ちに溶解し、その結果、粒子複合材全体の触媒性能が急激に低下するおそれがある。
本発明は、上記実状を鑑みて成し遂げられたものであり、コアシェル型触媒微粒子を電極触媒層に含み、当該コアシェル型触媒微粒子の触媒活性を高く維持できる燃料電池を提供することを目的とする。
本発明の燃料電池は、高分子電解質膜の一面側にアノード触媒層及びガス拡散層を備えるアノード電極を備え、他面側にカソード触媒層及びガス拡散層を備えるカソード電極を備える膜・電極接合体を備える単セルを備える燃料電池であって、コア部、及び、当該コア部を被覆し、シェル金属材料を含むシェル部を備えるコアシェル型触媒微粒子を、前記アノード触媒層及び前記カソード触媒層の少なくともいずれか一方に含み、前記コアシェル型触媒微粒子の平均粒径とは異なる平均粒径を有し、且つ、前記シェル金属材料を含む金属ナノ微粒子を、前記高分子電解質膜、前記アノード触媒層、前記アノード側ガス拡散層、前記カソード触媒層及び前記カソード側ガス拡散層の少なくともいずれか一方に含むことを特徴とする。
このような構成の燃料電池は、前記コアシェル型触媒微粒子の平均粒径と異なる平均粒径を有する前記金属ナノ微粒子を用いることによって、オストワルド熟成に従い、当該金属ナノ微粒子が前記コアシェル型触媒微粒子のシェル部よりも溶出しやすいため、又は、前記コアシェル型触媒微粒子表面よりも前記金属ナノ微粒子表面に前記シェル金属材料がより析出しやすいために、前記コアシェル型触媒微粒子のシェル構造を維持することができ、且つ、前記コアシェル型触媒微粒子の触媒活性を高く保つことができる。
本発明の燃料電池の一形態としては、前記金属ナノ微粒子が、前記コアシェル型触媒微粒子の平均粒径よりも小さい平均粒径を有するという構成をとることができる。
このような構成の燃料電池は、前記コアシェル型触媒微粒子の平均粒径よりも小さい平均粒径を有する前記金属ナノ微粒子を用いることによって、オストワルド熟成に従い、当該金属ナノ微粒子が、前記コアシェル型触媒微粒子のシェル部よりも溶出しやすいため、前記コアシェル型触媒微粒子のシェル部の溶解速度が遅くなり、その結果、前記コアシェル型触媒微粒子の破壊を未然に防ぎ、前記コアシェル型触媒微粒子の活性低下を抑制することができる。また、このような構成の燃料電池は、当該金属ナノ微粒子が溶解し、前記コアシェル型触媒微粒子周囲のシェル金属材料のイオン濃度が高くなることによって、電極内の濃度平衡により、前記コアシェル型触媒微粒子のシェル部の溶出速度をさらに遅くすることができる。
本発明の燃料電池の一形態としては、前記シェル金属材料が白金であり、電位Eにおいて、下記式(1)中に示す反応速度rと下記式(2)中に示す反応速度rとが下記式(3)の関係を満たすように、前記コアシェル型触媒微粒子の平均粒径Rと、前記金属ナノ微粒子の平均粒径Rが設定されるという構成をとることができる。
Figure 0005477463
Figure 0005477463
/r>1 式(3)
(上記式(1)及び式(2)中、
は白金溶解反応の速度定数(mol・cm−2・s−1)、
θvacは酸化物で覆われていない白金表面の割合、
αa,1は白金溶解反応の酸化方向移動係数、
は白金溶解反応に関わる電子数(equiv.・mol−1)、
Fはファラデー定数(C・equiv.−1)、
Rは気体定数(J・K−1・mol−1)、
Tは温度(K)、
Eは電位(V)、
θは白金溶解反応の標準熱動力学ポテンシャル(V)、
σPtは白金粒子の表面張力(J・cm−2)、
Ptは白金原子質量(g・mol−1)、
ρPtは白金の密度(g・cm−3)、
は前記コアシェル型触媒微粒子の平均粒径(cm)、
は前記金属ナノ微粒子の平均粒径(cm)、
Pt2+は白金イオン濃度(mol・L−1)、
αc,1は白金溶解反応の還元方向移動係数である。)
本発明の燃料電池の一形態としては、前記金属ナノ微粒子が、前記コアシェル型触媒微粒子の平均粒径よりも大きい平均粒径を有するという構成をとることができる。
このような構成の燃料電池は、前記コアシェル型触媒微粒子の平均粒径よりも大きい平均粒径を有する前記金属ナノ微粒子を用いることによって、オストワルド熟成に従い、前記コアシェル型触媒微粒子表面よりも前記金属ナノ微粒子表面に前記シェル金属材料がより析出しやすいために、前記コアシェル型触媒微粒子表面上への前記シェル金属材料の析出速度が遅くなり、その結果、前記コアシェル型触媒微粒子のシェル部の厚みの増加を未然に防ぎ、前記コアシェル型触媒微粒子の活性低下を抑制することができる。
本発明の燃料電池の一形態としては、前記金属ナノ微粒子が、当該微粒子表面のみに前記シェル金属材料を含むという構成をとることができる。
このような構成の燃料電池は、前記シェル金属材料にかかるコストを低減させることができる。
本発明の燃料電池の一形態としては、前記シェル金属材料が白金であり、電位Eにおいて、下記式(1)中に示す反応速度rと下記式(4)中に示す反応速度rとが下記式(5)の関係を満たすように、前記コアシェル型触媒微粒子の平均粒径Rと、前記金属ナノ微粒子の平均粒径Rが設定されるという構成をとることができる。
Figure 0005477463
Figure 0005477463
/r<1 式(5)
(上記式(1)及び式(4)中、
は白金溶解反応の速度定数(mol・cm−2・s−1)、
θvacは酸化物で覆われていない白金表面の割合、
αa,1は白金溶解反応の酸化方向移動係数、
は白金溶解反応に関わる電子数(equiv.・mol−1)、
Fはファラデー定数(C・equiv.−1)、
Rは気体定数(J・K−1・mol−1)、
Tは温度(K)、
Eは電位(V)、
θは白金溶解反応の標準熱動力学ポテンシャル(V)、
σPtは白金粒子の表面張力(J・cm−2)、
Ptは白金原子質量(g・mol−1)、
ρPtは白金の密度(g・cm−3)、
は前記コアシェル型触媒微粒子の平均粒径(cm)、
は前記金属ナノ微粒子の平均粒径(cm)、
Pt2+は白金イオン濃度(mol・L−1)、
αc,1は白金溶解反応の還元方向移動係数である。)
本発明の燃料電池の一形態としては、前記金属ナノ微粒子を2種類以上含み、異なる種類の金属ナノ微粒子の内、第1の金属ナノ微粒子が、前記コアシェル型触媒微粒子の平均粒径よりも小さい平均粒径を有し、第2の金属ナノ微粒子が、前記コアシェル型触媒微粒子の平均粒径よりも大きい平均粒径を有するという構成をとることができる。
このような構成の燃料電池は、前記第1の金属ナノ微粒子が溶解することによって、前記コアシェル型触媒微粒子のシェル部の溶出が抑制される一方、溶解した前記第1の金属ナノ微粒子の成分が前記第2の金属ナノ微粒子の表面上に析出することによって、前記コアシェル型触媒微粒子のシェル部の厚膜化が防止でき、その結果、前記コアシェル型触媒微粒子の耐久性と触媒活性を両立させることができる。
本発明の燃料電池の一形態としては、前記第2の金属ナノ微粒子が、当該微粒子表面のみに前記シェル金属材料を含むという構成をとることができる。
本発明の燃料電池の一形態としては、前記シェル金属材料が白金であり、電位Eにおいて、下記式(1)中に示す反応速度rと下記式(2)中に示す反応速度rとが下記式(3)の関係を満たすように、前記コアシェル型触媒微粒子の平均粒径Rと、前記第1の金属ナノ微粒子の平均粒径Rが設定され、且つ、下記式(1)中に示す反応速度rと下記式(4)中に示す反応速度rとが下記式(5)の関係を満たすように、前記コアシェル型触媒微粒子の平均粒径Rと、前記第2の金属ナノ微粒子の平均粒径Rが設定されるという構成をとることができる。
Figure 0005477463
Figure 0005477463
/r>1 式(3)
Figure 0005477463
/r<1 式(5)
(上記式(1)、式(2)及び式(4)中、
は白金溶解反応の速度定数(mol・cm−2・s−1)、
θvacは酸化物で覆われていない白金表面の割合、
αa,1は白金溶解反応の酸化方向移動係数、
は白金溶解反応に関わる電子数(equiv.・mol−1)、
Fはファラデー定数(C・equiv.−1)、
Rは気体定数(J・K−1・mol−1)、
Tは温度(K)、
Eは電位(V)、
θは白金溶解反応の標準熱動力学ポテンシャル(V)、
σPtは白金粒子の表面張力(J・cm−2)、
Ptは白金原子質量(g・mol−1)、
ρPtは白金の密度(g・cm−3)、
は前記コアシェル型触媒微粒子の平均粒径(cm)、
は前記第1の金属ナノ微粒子の平均粒径(cm)、
は前記第2の金属ナノ微粒子の平均粒径(cm)、
Pt2+は白金イオン濃度(mol・L−1)、
αc,1は白金溶解反応の還元方向移動係数である。)
本発明によれば、前記コアシェル型触媒微粒子の平均粒径と異なる平均粒径を有する前記金属ナノ微粒子を用いることによって、オストワルド熟成に従い、当該金属ナノ微粒子が前記コアシェル型触媒微粒子のシェル部よりも溶出しやすいため、又は、前記コアシェル型触媒微粒子表面よりも前記金属ナノ微粒子表面に前記シェル金属材料がより析出しやすいために、前記コアシェル型触媒微粒子のシェル構造を維持することができ、且つ、前記コアシェル型触媒微粒子の触媒活性を高く保つことができる。
本発明の燃料電池の一例を示す図であって、積層方向に切断した断面を模式的に示した図である。 貴金属コスト当たりの表面積又は触媒活性と触媒粒径との相関を示したグラフである。 触媒活性と触媒粒径との相関を示したグラフである。 触媒粒径とECSA維持率との相関のシミュレーション結果を示したグラフである。 触媒の粒径分布とECSA維持率との相関のシミュレーション結果を示したグラフである。
本発明の燃料電池は、高分子電解質膜の一面側にアノード触媒層及びガス拡散層を備えるアノード電極を備え、他面側にカソード触媒層及びガス拡散層を備えるカソード電極を備える膜・電極接合体を備える単セルを備える燃料電池であって、コア部、及び、当該コア部を被覆し、シェル金属材料を含むシェル部を備えるコアシェル型触媒微粒子を、前記アノード触媒層及び前記カソード触媒層の少なくともいずれか一方に含み、前記コアシェル型触媒微粒子の平均粒径とは異なる平均粒径を有し、且つ、前記シェル金属材料を含む金属ナノ微粒子を、前記高分子電解質膜、前記アノード触媒層、前記アノード側ガス拡散層、前記カソード触媒層及び前記カソード側ガス拡散層の少なくともいずれか一方に含むことを特徴とする。
上述したように、従来、燃料電池用電極触媒としては、白金等の高い触媒活性を有する金属が採用されてきた。しかし、白金等は非常に高価であるにも関わらず、触媒反応は白金粒子表面のみで生じ、粒子内部は触媒反応にほとんど関与しない。したがって、白金触媒の、材料コストに対する触媒活性は必ずしも高いものではなかった。
このような課題に対し、発明者らは、コア部と、当該コア部を被覆するシェル部を備えるコアシェル型触媒に着目した。当該コアシェル型触媒は、コア部に比較的材料コストの低い材料を用いることにより、触媒反応にほとんど関与しない粒子内部を、低いコストで形成することができる。また、シェル部に高い触媒活性を有する材料を用いると、当該材料をバルクで用いた場合よりも、より高い触媒活性を示すという利点がある。
コアシェル型触媒特有の問題として、一度シェル部の一部が溶出し、シェル部に欠陥が生じると、コア部まで溶出してコアシェル構造が破壊され、その結果、コアシェル型触媒全体の触媒活性が急激に低下する問題がある。この問題は、特に、コア部に用いられた材料の標準電極電位が、シェル部に用いられた材料の標準電極電位よりも低い場合に顕著に生じる。シェル部が厚いコアシェル型触媒を用いれば耐久性の問題は改善できるが、シェル部の厚みが厚いコアシェル型触媒は活性が低い。
また、コアシェル型触媒も、従来の白金触媒と同様に、オストワルド熟成に従い、相対的に粒径の小さな粒子が溶解し、相対的に粒径の大きな粒子が成長する。このような現象は、粒子の大きさに関係なく、粒径の異なる粒子が共に存在すると必ず生じる。コアシェル型触媒の場合、触媒粒子が単に溶解するだけでなく、溶出したイオンが別の触媒粒子の成長を促進させることにより、触媒活性の低下が引き起こされる。
発明者らは、鋭意努力の結果、コアシェル型触媒微粒子と、コアシェル型触媒微粒子の平均粒径とは異なる平均粒径を有する金属ナノ微粒子とを併用することによって、耐久性と触媒活性が両立できることを見出し、本発明を完成させた。
なお、本発明における粒子の平均粒径は、常法により算出される。粒子の平均粒径の算出方法の例は以下の通りである。まず、400,000倍又は1,000,000倍のTEM(透過型電子顕微鏡)画像において、ある1つの粒子について、当該粒子を球状と見なした際の粒径を算出する。このようなTEM観察による平均粒径の算出を、同じ種類の200〜300個の粒子について行い、これらの粒子の平均を平均粒径とする。
以下、本発明に使用されるコアシェル型触媒微粒子について説明した後、コアシェル型触媒微粒子の平均粒径よりも小さい平均粒径を有する金属ナノ微粒子、コアシェル型触媒微粒子の平均粒径よりも大きい平均粒径を有する金属ナノ微粒子、及び、燃料電池のその他の構成について順に説明する。
1.コアシェル型触媒微粒子
本発明においてコアシェル型触媒微粒子を採用することにより、上述したように、シェル部における高い触媒活性と、コアシェル構造を採用することによるコスト削減の2つの効果を得ることができる。
本発明に使用されるコアシェル型触媒微粒子は、コア部に対して、単原子層のシェル部が被覆していることが好ましい。このような微粒子は、2原子層以上のシェル部を有するコアシェル型触媒と比較して、シェル部における触媒性能が極めて高いという利点、及び、シェル部の被覆量が少ないため材料コストが低いという利点がある。
本発明に使用されるコアシェル型触媒微粒子の、最適な平均粒径について説明する。
図2中の破線のグラフは、白金担持カーボン(以下、Pt/Cと称する場合がある)触媒微粒子の、触媒活性と触媒粒径との相関を示し、縦軸に白金表面積当たりの活性(mA/cm)を、横軸に粒径(nm)をとったグラフである。図から分かるように、触媒粒径が大きくなる程、触媒活性は高くなる。しかし、触媒活性の伸び率は、触媒粒径が大きくなる程小さくなる。
図2中の2つの実線のグラフは、貴金属コスト当たりの表面積と触媒粒径との相関を示し、縦軸に貴金属コスト当たりの表面積(cm/円)を、横軸に粒径(nm)をとったグラフである。2つの実線のグラフの内、下のグラフがPt/C触媒微粒子の貴金属コスト当たりの表面積と触媒粒径との相関を示し、上のグラフが、コアシェル型触媒微粒子の貴金属コスト当たりの表面積と触媒粒径との相関を示す。なお、図2におけるコアシェル型触媒微粒子とは、コア部にパラジウム−銅合金(モル比にして、Pd:Cu=1:1)を、シェル部に白金(1mL)を用い、さらにカーボンに担持させた触媒微粒子である。なお、図2のグラフは、銅のコスト及び製造コストは無視して計算した結果を示す。
図から分かるように、コアシェル型触媒微粒子、及び、Pt/C触媒微粒子の貴金属コスト当たりの表面積は、いずれも、粒径が大きくなるほど低下する。また、粒径の増加に伴う貴金属コスト当たりの表面積の減少率は、コアシェル型触媒微粒子の方がPt/C触媒微粒子と比較して小さい。さらに、どの粒径においても、コアシェル型触媒微粒子の貴金属コスト当たりの表面積は、Pt/C触媒微粒子の貴金属コスト当たりの表面積よりも大きい。これらの結果は、Pt/C触媒微粒子と比較して、コアシェル型触媒微粒子の貴金属コスト当たりの表面積が高く、粒径増加に比較的影響されにくいことを示している。
図2に示した、白金表面積当たりの活性0.4mA/cm、及び、貴金属コスト当たりの表面積350cm/円の直線は、触媒の目付が0.1mg/cm、且つ、触媒層のガス拡散抵抗が30S/m未満であるときの、触媒層拡散性から決定される目標ラインを示す。すなわち、当該目標ライン以上の、破線及び実線のグラフに対応する粒径を選択することにより、低い貴金属コスト及び高い触媒活性の触媒を得ることができる。
まず、Pt/C触媒微粒子について検討する。白金表面積当たりの活性を示す破線のグラフは、粒径4nm以上が目標ラインである。これに対し、Pt/C触媒微粒子の貴金属コスト当たりの表面積を示す実線のグラフは、粒径2nm以下が目標ラインである。したがって、Pt/C触媒微粒子は、低い貴金属コスト及び高い触媒活性を同時に達成することができない。
次に、コアシェル型触媒微粒子について検討する。コアシェル型触媒微粒子についても破線のグラフを適用する。上述したように、白金表面積当たりの活性を示す破線のグラフは、粒径4nm以上が目標ラインである。これに対し、コアシェル型触媒微粒子の貴金属コスト当たりの表面積を示す実線のグラフは、粒径10nm以下が目標ラインである。したがって、粒径4〜10nmのコアシェル型触媒微粒子であれば、低い貴金属コスト及び高い触媒活性を同時に達成することができる。
図3は、触媒活性と触媒粒径との相関を示し、縦軸に貴金属コスト当たりの活性(mA/(cm・円))を、横軸に粒径(nm)をとったグラフである。2つのグラフの内、下のグラフがPt/C触媒微粒子の触媒活性と触媒粒径との相関を示し、上のグラフが、コアシェル型触媒微粒子の触媒活性と触媒粒径との相関を示す。なお、図3におけるコアシェル型触媒微粒子とは、図2におけるコアシェル型触媒微粒子と同様である。また、貴金属コストは、白金が4,000円/g、パラジウムが730円/gとして計算した。
図3中に矢印で示すように、Pt/C触媒微粒子の貴金属コスト当たりの活性の最大値は、粒径が2nmの時に0.6mA/(cm・円)であった。これに対し、コアシェル型触媒微粒子の貴金属コスト当たりの活性の最大値は、粒径が10nmの時に1.8mA/(cm・円)であった。したがって、コアシェル型触媒微粒子の貴金属コスト当たりの活性の最大値は、Pt/C触媒微粒子の貴金属コスト当たりの活性の最大値の3倍である。
上述した触媒活性及びコストの観点からは、コアシェル型触媒微粒子の粒径は4〜10nmが好ましい。
図4は、触媒粒径と電気化学表面積(Electrochemical Surface Area:以下、ECSAと称する場合がある)維持率との相関のシミュレーション結果を示し、縦軸に耐久期間後のECSA維持率(%)を、横軸に粒径(nm)をとったグラフである。なお、耐久試験期間は10年とした。また、触媒量は、膜・電極接合体1cmあたり0.1mgの白金が含まれるとして算出している。
図から分かるように、触媒粒径が大きくなる程、ECSA維持率は高くなる。しかし、ECSA維持率の伸び率は、触媒粒径が大きくなる程小さくなる。
図5は、粒径分布とECSA維持率との相関のシミュレーション結果を示し、縦軸に耐久期間後のECSA維持率(%)を、横軸に粒径分布の分散をとったグラフである。なお、耐久試験期間は10年とした。また、平均粒径が4nmの場合を白い菱形のプロットで、平均粒径が2nmの場合を黒い菱形のプロットで、それぞれ示した。
図から分かるように、平均粒径が4nmの場合、及び、2nmの場合のいずれにおいても、分散が小さい方が、ECSA維持率は高くなる。また、平均粒径が4nmの場合は、2nmの場合と比較して、ECSA維持率は高くなることが分かる。したがって、粒径分布が単一分散に近く、且つ、平均粒径が大きい方が、ECSA維持率は高くなることが分かる。
図2乃至図5に示した結果を鑑みるに、コアシェル型触媒微粒子は、平均粒径が6〜20nmであり、且つ、分散度が0.1以下であることが好ましい。
なお、本発明に使用されるコアシェル型触媒微粒子の平均粒径は、後述するオストワルド熟成の考察を併せて検討すると、6〜20nmであることが好ましく、6〜10nmであることが特に好ましい。
コア部の溶出をより抑制できるという観点から、コア部に対するシェル部の被覆率が、0.8〜1であることが好ましい。
仮に、コア部に対するシェル部の被覆率が、0.8未満であるとすると、電気化学反応においてコア部が溶出してしまい、その結果、コアシェル型触媒微粒子が劣化してしまうおそれがある。
なお、ここでいう「コア部に対するシェル部の被覆率」とは、コア部の全表面積を1とした時の、シェル部によって被覆されているコア部の面積の割合のことである。当該被覆率を算出する方法の一例としては、TEMによってコアシェル型触媒微粒子の表面の数か所を観察し、観察された全面積に対する、シェル部によってコア部が被覆されていることが観察によって確認できた面積の割合を算出する方法が挙げられる。
X線光電子分光(XPS:X−ray photoelectron spectroscopy)や、飛行時間型二次イオン質量分析装置(TOF−SIMS:Time of Flight Secondary Ion Mass Spectrometry)等を用いて、コアシェル型触媒微粒子の最表面に存在する成分を調べることによって、コア部に対するシェル部の被覆率を算出することもできる。
コア部としては、結晶系が立方晶系であり、a=3.6〜4.1Åの格子定数を有する金属結晶を含むコア部を採用することができる。このような金属結晶を形成する材料の例としては、パラジウム、パラジウム−コバルト合金(PdCo)、パラジウム−銅合金(PdCu)、パラジウム−ニッケル合金(PdNi)等の金属材料を挙げることができ、この中でも、パラジウムをコア金属材料として用いることが好ましい。
一方、シェル部としては、結晶系が立方晶系であり、a=3.7〜4.3Åの格子定数を有する金属結晶を含むシェル部を採用することができる。このような金属結晶を形成する材料の例としては、白金、金、イリジウム、ルテニウム、白金−イリジウム合金(PtIr)、白金−ルテニウム合金(PtRu)等の金属材料を挙げることができ、この中でも、白金をシェル部に含むことが好ましい。
上記格子定数を有するコア金属材料、及び、上記格子定数を有する金属結晶を含むシェル部を共に採用することにより、コア部−シェル部間において格子不整合が生じることがなく、したがって、コア部に対するシェル部の被覆率の高いコアシェル型触媒微粒子を得ることができる。
本発明に使用されるコアシェル型触媒微粒子は、担体に担持されていてもよい。特に、電極触媒層に導電性を付与するという観点から、担体が導電性材料であることが好ましい。
担体として使用できる導電性材料の具体例としては、ケッチェンブラック(商品名:ケッチェン・ブラック・インターナショナル株式会社製)、バルカン(商品名:Cabot社製)、ノーリット(商品名:Norit社製)、ブラックパール(商品名:Cabot社製)、アセチレンブラック(商品名:Chevron社製)等の炭素粒子や、炭素繊維等の導電性炭素材料;金属粒子や金属繊維等の金属材料;導電性酸化物;が挙げられる。
次に、本発明に使用されるコアシェル型触媒微粒子の製造方法について説明する。
コアシェル型触媒微粒子の製造方法は、少なくとも、(1)コア微粒子を準備する工程、及び、(2)コア部にシェル部を被覆する工程を有する。本製造方法は、必ずしも上記2工程のみに限定されることはなく、上記2工程以外にも、例えば、後述するようなろ過・洗浄工程、乾燥工程、粉砕工程等を有していてもよい。
以下、上記工程(1)及び(2)並びにその他の工程について、順に説明する。
1−1.コア微粒子を準備する工程
本工程は、上述したコア金属材料を含むコア微粒子を準備する工程である。
コア微粒子として、当該微粒子の表面に、コア金属材料の{100}面を少ない割合で有する微粒子を準備してもよい。コア金属材料の{100}面以外の結晶面を選択的に有するコア微粒子の製造方法は、従来から知られている方法を採用できる。
例えば、パラジウム微粒子表面に、Pd{111}面が選択的に現れたものを製造する方法は、文献(乗松 他,触媒 vol.48(2),129(2006))等に記載されている。
コア微粒子上の結晶面を測定する方法としては、例えば、TEM等によってコア微粒子の表面の数か所を観察する方法が挙げられる。
コア微粒子として、コア部の説明において上述した金属結晶を用いることができる。コア微粒子は、担体に担持されていてもよい。担体の例は、上述した例の通りである。
コア微粒子の平均粒径は、上述したコアシェル型触媒微粒子の平均粒径以下であれば、特に限定されない。
ただし、コア微粒子としてパラジウム微粒子を使用する場合には、パラジウム微粒子の平均粒径が大きい程、粒子表面に占めるPd{111}面の面積の割合が高くなる。これは、Pd{111}面、Pd{110}面及びPd{100}面の内、Pd{111}面が最も化学的に安定した結晶面であるためである。したがって、コア微粒子としてパラジウム微粒子を使用する場合には、パラジウム微粒子の平均粒径は、10〜100nmであることが好ましい。なお、パラジウム微粒子1つ当たりのコストに対する、パラジウム微粒子の表面積の割合が高いという観点から、パラジウム微粒子の平均粒径は、10〜20nmであることが特に好ましい。
1−2.コア部にシェル部を被覆する工程
本工程は、上記コア微粒子をコア部として、当該コア部にシェル部を被覆する工程である。
コア部に対するシェル部の被覆は、一段階の反応を経て行われてもよいし、多段階の反応を経て行われてもよい。
以下、2段階の反応を経てシェル部の被覆が行われる例について主に説明する。
2段階の反応を経てコア部に対するシェル部の被覆が行われる工程としては、少なくとも、コア微粒子をコア部として、当該コア部に単原子層を被覆する工程、及び、当該単原子層を、シェル部に置換する工程を有する例が挙げられる。
本例の具体例としては、アンダーポテンシャル析出法によって予めコア部表面に単原子層を形成した後、当該単原子層をシェル部に置換する方法が挙げられる。アンダーポテンシャル析出法としては、Cu−UPD法を用いることが好ましい。
特に、コア微粒子としてパラジウム微粒子を使用し、シェル部に白金を使用する場合には、Cu−UPD法によって、白金の被覆率が高く耐久性に優れるコアシェル型触媒微粒子を製造できる。これは、Cu−UPD法によって、Pd{111}面やPd{110}面に銅を被覆率1で析出させることができるためである。
以下、Cu−UPD法の具体例について説明する。
まず、導電性炭素材料に担持されたパラジウム(以下、Pd/Cと称する)粉末を水に分散させ、ろ過して得たPd/Cペーストを電気化学セルの作用極に塗工する。当該作用極としては、白金メッシュや、グラッシーカーボンを用いることができる。
次に、電気化学セルに銅溶液を加え、当該銅溶液中に上記作用極、参照極及び対極を浸し、Cu−UPD法により、パラジウム粒子の表面に銅の単原子層を析出させる。具体的な析出条件の一例を下記に示す。
・銅溶液:0.05mol/L CuSOと0.05mol/L HSOの混合溶液(窒素をバブリングさせる)
・雰囲気:窒素雰囲気下
・掃引速度:0.2〜0.01mV/秒
・電位:0.8V(vsRHE)から0.4V(vsRHE)まで掃引した後、0.4V(vsRHE)で電位を固定する。
・電位固定時間:5秒間〜10分間
なお、電位固定時間は作業時間によって決定される。電位固定時間は短い方が好ましい。上記5秒間〜10分間という電位固定時間は、μgスケールの場合に限られる。
上記電位固定時間が終了した後、速やかに作用極を白金溶液に浸漬させ、イオン化傾向の違いを利用して銅と白金とを置換メッキする。置換メッキは、窒素雰囲気等の不活性ガス雰囲気下で行うのが好ましい。白金溶液は特に限定されないが、例えば、0.1mol/L HClO中にKPtClを溶解させた白金溶液が使用できる。白金溶液は十分に攪拌し、当該溶液中には窒素をバブリングさせる。置換メッキ時間は、90分以上確保することが好ましい。
上記置換メッキによって、パラジウム粒子表面に白金の単原子層が析出した、コアシェル型触媒微粒子が得られる。
シェル部を構成する材料としては、シェル部の説明において上述した金属結晶を用いることができる。
1−3.その他の工程
上記コア微粒子を準備する工程の前には、コア微粒子の担体への担持が行われてもよい。コア微粒子の担体への担持方法には、従来から用いられている方法を採用することができる。
上記コア部にシェル部を被覆する工程の後には、コアシェル型触媒微粒子のろ過・洗浄、乾燥及び粉砕が行われてもよい。
コアシェル型触媒微粒子のろ過・洗浄は、製造された微粒子のコアシェル構造を損なうことなく、不純物を除去できる方法であれば特に限定されない。当該ろ過・洗浄の例としては、純水を溶媒にして、ろ紙(Whatman社製、#42)等を用いて吸引ろ過して分離する方法が挙げられる。
コアシェル型触媒微粒子の乾燥は、溶媒等を除去できる方法であれば特に限定されない。当該乾燥の例としては、80℃の温度条件下、16時間真空乾燥する方法が挙げられる。
コアシェル型触媒微粒子の粉砕は、固形物を粉砕できる方法であれば特に限定されない。当該粉砕の例としては、乳鉢等を用いた粉砕や、ボールミル、ターボミル、メカノフュージョン、ディスクミル等のメカニカルミリングが挙げられる。
2.コアシェル型触媒微粒子の平均粒径よりも小さい平均粒径を有する金属ナノ微粒子
コアシェル型触媒微粒子の平均粒径よりも小さい平均粒径を有する金属ナノ微粒子は、主に、コアシェル型触媒微粒子の代わりに溶解する役割を担う(以下、このような金属ナノ微粒子を第1の金属ナノ微粒子と称する)。
後述する実施例において示すように、コアシェル型触媒微粒子の平均粒径以下の平均粒径を有する第1の金属ナノ微粒子を添加することにより、オストワルド熟成を考慮すると、第1の金属ナノ微粒子の溶解速度はコアシェル型触媒微粒子の溶解速度よりも速いため、コアシェル型触媒微粒子の溶解を防ぎ、コアシェル型触媒微粒子の耐久性を向上させることができる。
このように第1の金属ナノ微粒子が溶解し、コアシェル型触媒微粒子周囲のシェル金属材料のイオン濃度が高くなることによって、電極内の濃度平衡により、コアシェル型触媒微粒子のシェル部の溶出速度をさらに遅くすることができる。
シェル金属材料が白金である場合には、電位Eにおいて、下記式(1)中に示す反応速度rと下記式(2)中に示す反応速度rとが下記式(3)の関係を満たすように、コアシェル型触媒微粒子の平均粒径Rと、第1の金属ナノ微粒子の平均粒径Rが設定されてもよい。
Figure 0005477463
Figure 0005477463
/r>1 式(3)
(上記式(1)及び式(2)中、
は白金溶解反応の速度定数(mol・cm−2・s−1)、
θvacは酸化物で覆われていない白金表面の割合、
αa,1は白金溶解反応の酸化方向移動係数、
は白金溶解反応に関わる電子数(equiv.・mol−1)、
Fはファラデー定数(C・equiv.−1)、
Rは気体定数(J・K−1・mol−1)、
Tは温度(K)、
Eは電位(V)、
θは白金溶解反応の標準熱動力学ポテンシャル(V)、
σPtは白金粒子の表面張力(J・cm−2)、
Ptは白金原子質量(g・mol−1)、
ρPtは白金の密度(g・cm−3)、
はコアシェル型触媒微粒子の平均粒径(cm)、
は第1の金属ナノ微粒子の平均粒径(cm)、
Pt2+は白金イオン濃度(mol・L−1)、
αc,1は白金溶解反応の還元方向移動係数である。)
上記パラメータについて簡単に説明する。
は、白金溶解反応(Pt→Pt2++2e)の速度定数である。また、nは当該反応に関わる電子数(すなわち2)である。
θvacは、酸化物で覆われていない白金表面の割合であり、初期値は0を入力する。θvacは、1からθPtOを差し引いた値である。θPtOは、酸化物で覆われている白金表面の割合であり、以下の微分方程式を解くことにより算出できる。
Figure 0005477463
上記式(7)中、Γmaxは、白金の最大表面被覆率である。r(i,z)は白金酸化反応速度であり、r(i,z)は酸化白金(PtO)の溶解反応速度である。なお、上記式(7)中のdR(i,z)/dtは、下記式(7a)で定義される。
Figure 0005477463
上記式(7a)中、r(i,z)は白金溶解反応速度であり、r(i,z)は白金酸化反応速度である。
αa,1は、白金溶解反応の酸化方向移動係数であり、パラメータフィッティングにより変動する。例えば、αa,1=0.19とすることができる。αc,1は白金溶解反応の還元方向移動係数であり、αa,1同様に算出できる。
θは、白金溶解反応の標準熱動力学ポテンシャルであり、パラメータフィッティングにより変動する。例えば、U θ=1.178とすることができる。
上記式(1)は、平均粒径Rを有するコアシェル型触媒微粒子の反応速度rについての式である。一方、上記式(2)は、平均粒径Rを有する第1の金属ナノ微粒子の反応速度rについての式である。
上記式(1)及び式(2)中の大カッコの中は、eを底とする指数関数である第1項と、同様にeを底とする指数関数と白金イオン濃度との積である第2項からなる。当該第1項は溶解に寄与する項であり、当該第2項中のeを底とする指数関数は析出に寄与する項である。後述する実施例において示すように、溶解が問題となる開回路電圧(Open circuit voltage:以下、OCVと称する)時においては、第2項中のeを底とする指数関数は、第1項と比較して無視できる値となる。したがって、上記式(1)及び式(2)に示す反応速度r及びrは、いずれも正の値となる。
上記式(1)中のrと、上記式(2)中のrとが、上記式(3)の関係を満たすような場合、すなわち、第1の金属ナノ微粒子の溶解速度rが、コアシェル型触媒微粒子の溶解速度rよりも大きい場合には、第1の金属ナノ微粒子の溶解がコアシェル型触媒微粒子の溶解よりも速やかに進行するため好ましい。
第1の金属ナノ微粒子はシェル金属材料を含む。シェル金属材料が白金の場合には、第1の金属ナノ微粒子は、白金担持カーボンであることが好ましい。白金担持カーボンの例としては、市販品ではTEC10E50E、TEC10V30E、TEC10E40E(以上、田中貴金属工業株式会社製)等が挙げられる。
第1の金属ナノ微粒子の含有量は、上述した触媒粒径とECSA維持率との相関のシミュレーション結果(図4)の観点からは、以下のように決定できる。すなわち、図4から、1nmの白金担持カーボンを0.1mg/cmの割合で含む場合、10年経過後も20%残ることが分かる。したがって、例えば、1nmの白金担持カーボンであれば0.08mg/cmの割合で、2nmの白金担持カーボンであれば0.05mg/cmの割合で、第1の金属ナノ微粒子を添加すれば十分となる。
第1の金属ナノ微粒子の含有量は、後述する実施例の結果からは、以下のように決定できる。以下、コアシェル型触媒微粒子の耐久性を2倍向上させたい場合について検討する。
例えば、平均粒径が10nmのコアシェル型触媒微粒子と、平均粒径が2nmの第1の金属ナノ微粒子を使用する場合には、平均粒径が10nmのコアシェル型触媒微粒子の添加量に対し、平均粒径が2nmの第1の金属ナノ微粒子を18分の1の量だけ添加すればよい。
一方、例えば、平均粒径が8nmのコアシェル型触媒微粒子と、平均粒径が2nmの第1の金属ナノ微粒子を使用する場合、平均粒径が8nmのコアシェル型触媒微粒子の添加量に対し、平均粒径が2nmの第1の金属ナノ微粒子を15分の1の量だけ添加すればよい。
さらに、例えば、平均粒径が6nmのコアシェル型触媒微粒子と、平均粒径が2nmの第1の金属ナノ微粒子を使用する場合、平均粒径が6nmのコアシェル型触媒微粒子の添加量に対し、平均粒径が2nmの第1の金属ナノ微粒子を11分の1の量だけ添加すればよい。
このように、オストワルド熟成の観点からは、コアシェル型触媒微粒子と第1の金属ナノ微粒子の各平均粒径によって、耐久性に効果がある添加量が異なる。
3.コアシェル型触媒微粒子の平均粒径よりも大きい平均粒径を有する金属ナノ微粒子
コアシェル型触媒微粒子の平均粒径よりも大きい平均粒径を有する金属ナノ微粒子は、主に、コアシェル型触媒微粒子の代わりに、コアシェル型触媒微粒子から溶出したシェル金属材料を吸収し、表面にシェル金属材料を析出させて粒径成長する役割を担う(以下、このような金属ナノ微粒子を第2の金属ナノ微粒子と称する)。
後述する実施例において示すように、コアシェル型触媒微粒子の平均粒径以上の平均粒径を有する第2の金属ナノ微粒子を添加することにより、オストワルド熟成を考慮すると、コアシェル型触媒微粒子表面よりも第2の金属ナノ微粒子表面にシェル金属材料がより析出しやすいため、コアシェル型触媒微粒子上へのシェル金属材料の析出を防ぎ、コアシェル型触媒微粒子の耐久性を向上させることができる。
シェル金属材料が白金である場合には、電位Eにおいて、下記式(1)中に示す反応速度rと下記式(4)中に示す反応速度rとが下記式(5)の関係を満たすように、コアシェル型触媒微粒子の平均粒径Rと、第2の金属ナノ微粒子の平均粒径Rが設定されてもよい。
Figure 0005477463
Figure 0005477463
/r<1 式(5)
(上記式(1)及び式(4)中、k、θvac、αa,1、n、F、R、T、E、U θ、σPt、MPt、ρPt、R、CPt2+、αc,1は上述した通りであり、Rは第2の金属ナノ微粒子の平均粒径(cm)である。)
上記式(1)は、平均粒径Rを有するコアシェル型触媒微粒子の反応速度rについての式である。一方、上記式(4)は、平均粒径Rを有する第2の金属ナノ微粒子の反応速度rについての式である。
後述する実施例において示すように、コアシェル型触媒微粒子表面上へのシェル金属材料の析出が問題となる出力点時においては、上記式(1)及び式(4)中の大カッコの中の第1項は、第2項中のeを底とする指数関数と比較して無視できる値となる。したがって、上記式(1)及び式(4)に示す反応速度r及びrは、いずれも負の値となる。
上記式(1)中のrと、上記式(4)中のrとが、上記式(5)の関係を満たすような場合、すなわち、第2の金属ナノ微粒子の析出速度rの絶対値が、コアシェル型触媒微粒子の析出速度rの絶対値よりも大きい場合には、第2の金属ナノ微粒子へのシェル金属材料の析出が、コアシェル型触媒微粒子へのシェル金属材料の析出よりも速やかに進行するため好ましい。
第2の金属ナノ微粒子は、当該微粒子表面のみにシェル金属材料を含んだ、コアシェル構造を有することが好ましい。シェル金属材料として白金を用いる場合には、第2の金属ナノ微粒子のコア部分には、安価な卑金属酸化物やポリマー微粒子を用い、第2の金属ナノ微粒子のシェル部分には白金金属を用いることが特に好ましい。第2の金属ナノ微粒子は、そのコア部分が溶出しない限り、完全にシェル部分で被覆されている必要はない。したがって、コストを考慮すると、第2の金属ナノ微粒子は、スパッタ法等の物理的な方法で作製されるのが好ましい。
卑金属酸化物の例としては、チタン酸化物、マンガン酸化物、バナジウム酸化物等が挙げられる。これらの卑金属酸化物は、溶出しがたい酸化物であるためコア部分として用いるのに適切である。
ポリマー微粒子の例としては、ポリアミド微粒子、ポリエチレン微粒子、ポリプロピレン微粒子等が挙げられる。
第2の金属ナノ微粒子のシェル部分は単原子層であることが好ましい。
第2の金属ナノ微粒子の含有量は、後述する実施例の結果からは、以下のように決定できる。以下、コアシェル型触媒微粒子の耐久性を2倍向上させたい場合について検討する。
例えば、平均粒径が6nmのコアシェル型触媒微粒子と、平均粒径が20nmの第2の金属ナノ微粒子を使用する場合には、平均粒径が6nmのコアシェル型触媒微粒子の添加量に対し、平均粒径が20nmの第2の金属ナノ微粒子を2.3分の1の量だけ添加すればよい。
一方、例えば、平均粒径が8nmのコアシェル型触媒微粒子と、平均粒径が20nmの第2の金属ナノ微粒子を使用する場合、平均粒径が8nmのコアシェル型触媒微粒子の添加量に対し、平均粒径が20nmの第2の金属ナノ微粒子を1.7分の1の量だけ添加すればよい。
さらに、例えば、平均粒径が10nmのコアシェル型触媒微粒子と、平均粒径が20nmの第2の金属ナノ微粒子を使用する場合、平均粒径が10nmのコアシェル型触媒微粒子の添加量に対し、平均粒径が20nmの第2の金属ナノ微粒子を1.4分の1の量だけ添加すればよい。
このように、オストワルド熟成の観点からは、コアシェル型触媒微粒子と第2の金属ナノ微粒子の各平均粒径によって、耐久性に効果がある添加量が異なる。
コアシェル型触媒微粒子、第1の金属ナノ微粒子及び第2の金属ナノ微粒子の3種類の微粒子を併用することが特に好ましい。第1の金属ナノ微粒子が溶解することによって、コアシェル型触媒微粒子の溶解が抑制される一方、溶解した第1の金属ナノ微粒子の成分が第2の金属ナノ微粒子上に析出することによって、コアシェル型触媒微粒子のシェル部の厚膜化が防止できる。その結果、コアシェル型触媒微粒子の耐久性と触媒活性を両立させることができる。
上記3種類の微粒子を併用する場合には、コアシェル型触媒微粒子への析出防止よりも、コアシェル型触媒微粒子の溶解防止を優先させることが好ましい。仮にコアシェル型触媒微粒子の表面にシェル金属材料が析出したとしても、析出量が少なければ、コアシェル型触媒微粒子は触媒能を失わない。しかし、コアシェル型触媒微粒子自体が溶解した場合には、触媒能は消失してしまう。
シェル金属材料が白金である場合には、電位Eにおいて、上記式(1)中に示す反応速度rと上記式(2)中に示す反応速度rとが上記式(3)の関係を満たすように、コアシェル型触媒微粒子の平均粒径Rと、第1の金属ナノ微粒子の平均粒径Rが設定され、且つ、上記式(1)中に示す反応速度rと上記式(4)中に示す反応速度rとが上記式(5)の関係を満たすように、コアシェル型触媒微粒子の平均粒径Rと、第2の金属ナノ微粒子の平均粒径Rが設定されていてもよい。
4.燃料電池のその他の構成
図1は、本発明の燃料電池の一例を示す図であって、積層方向に切断した断面を模式的に示した図である。燃料電池100は、水素イオン伝導性を有する固体高分子電解質膜(以下、単に電解質膜ということがある)1と、前記電解質膜1を挟んだ一対のカソード電極6及びアノード電極7とでなる膜・電極接合体8を含み、さらに前記膜・電極接合体8を電極の外側から挟んだ一対のセパレータ9及び10とでなる。セパレータと電極の境界にはガス流路11及び12が確保されている。通常は電極として、電解質膜側から順に触媒層とガス拡散層とを積層して構成されたものが用いられる。すなわち、カソード電極6はカソード触媒層2とガス拡散層4とを積層したものからなり、アノード電極7はアノード触媒層3とガス拡散層5とを積層したものからなる。
高分子電解質膜とは、燃料電池において使用される高分子電解質膜であり、ナフィオン(商品名)に代表されるパーフルオロカーボンスルホン酸樹脂のようなフッ素系高分子電解質を含むフッ素系高分子電解質膜の他、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンエーテル、ポリパラフェニレン等のエンジニアリングプラスチックや、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等の汎用プラスチック等の炭化水素系高分子にスルホン酸基、カルボン酸基、リン酸基、ボロン酸基等のプロトン酸基(プロトン伝導性基)を導入した炭化水素系高分子電解質を含む炭化水素系高分子電解質膜等が挙げられる。
高分子電解質膜は、上述した第1の金属ナノ微粒子及び/又は第2の金属ナノ微粒子を含んでいてもよい。
電極は、触媒層とガス拡散層とを有する。
アノード触媒層及びカソード触媒層はいずれも、上述したコアシェル型触媒微粒子、導電性材料及び高分子電解質を含有する触媒インクを用いて形成することができる。触媒インクは、上述した第1の金属ナノ微粒子及び/又は第2の金属ナノ微粒子を含んでいてもよい。
高分子電解質としては、上述した高分子電解質膜同様の材料を用いることができる。
触媒担体である導電性粒子としては、カーボンブラック等の炭素粒子や炭素繊維のような導電性炭素材料、金属粒子や金属繊維等の金属材料も用いることができる。導電性材料は、触媒層に導電性を付与するための導電性材料としての役割も担っている。
触媒層の形成方法は特に限定されず、例えば、触媒インクをガス拡散層シートの表面に塗布、乾燥することによって、ガス拡散層シート表面に触媒層を形成してもよいし、或いは、電解質膜表面に触媒インクを塗布、乾燥することによって、電解質膜表面に触媒層を形成してもよい。或いは、転写用基材表面に触媒インクを塗布、乾燥することによって、転写シートを作製し、該転写シートを、電解質膜又はガス拡散シートと熱圧着等により接合した後、転写シートの基材フィルムを剥離する方法で、電解質膜表面上に触媒層を形成するか、ガス拡散層シート表面に触媒層を形成してもよい。
触媒インクは上記のような触媒及び電極用電解質等を、溶媒に溶解又は分散させて得られる。触媒インクの溶媒は、適宜選択すればよく、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルスルホキシド(DMSO)等の有機溶媒、又はこれら有機溶媒の混合物やこれら有機溶媒と水との混合物を用いることができる。触媒インクには、触媒及び電解質以外にも、必要に応じて結着剤や撥水性樹脂等のその他の成分を含有させてもよい。
触媒インクの塗布方法、乾燥方法等は適宜選択することができる。例えば、塗布方法としては、スプレー法、スクリーン印刷法、ドクターブレード法、グラビア印刷法、ダイコート法などが挙げられる。また、乾燥方法としては、例えば、減圧乾燥、加熱乾燥、減圧加熱乾燥などが挙げられる。減圧乾燥、加熱乾燥における具体的な条件に制限はなく、適宜設定すればよい。また、触媒層の膜厚は、特に限定されないが、1〜50μm程度とすればよい。
ガス拡散層を形成するガス拡散層シートとしては、触媒層に効率良く燃料を供給することができるガス拡散性、導電性、及びガス拡散層を構成する材料として要求される強度を有するもの、例えば、カーボンペーパー、カーボンクロス、カーボンフェルト等の炭素質多孔質体や、チタン、アルミニウム、銅、ニッケル、ニッケル−クロム合金、銅及びその合金、銀、アルミ合金、亜鉛合金、鉛合金、チタン、ニオブ、タンタル、鉄、ステンレス、金、白金等の金属から構成される金属メッシュ又は金属多孔質体等の導電性多孔質体からなるものが挙げられる。導電性多孔質体の厚さは、50〜500μm程度であることが好ましい。
ガス拡散層シートは、上述した第1の金属ナノ微粒子及び/又は第2の金属ナノ微粒子を含んでいてもよい。
ガス拡散層シートは、上記したような導電性多孔質体の単層からなるものであってもよいが、触媒層に面する側に撥水層を設けることもできる。撥水層は、通常、炭素粒子や炭素繊維等の導電性粉粒体、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の撥水性樹脂等を含む多孔質構造を有するものである。撥水層は、必ずしも必要なものではないが、触媒層及び電解質膜内の水分量を適度に保持しつつ、ガス拡散層の排水性を高めることができる上に、触媒層とガス拡散層間の電気的接触を改善することができるという利点がある。
上記したような方法によって触媒層を形成した電解質膜及びガス拡散層シートは、適宜、重ね併せて熱圧着等し、互いに接合することで、膜・電極接合体が得られる。
作製された膜・電極接合体は、好ましくは、反応ガス流路を有するセパレータで狭持され、単セルを形成する。セパレータとしては、導電性及びガスシール性を有し、集電体及びガスシール体として機能しうるもの、例えば、炭素繊維を高濃度に含有し、樹脂との複合材からなるカーボンセパレータや、金属材料を用いた金属セパレータ等を用いることができる。金属セパレータとしては、耐腐食性に優れた金属材料からなるものや、表面をカーボンや耐腐食性に優れた金属材料等で被覆し、耐腐食性を高めるコーティングが施されたもの等が挙げられる。このようなセパレータを、適切に圧縮成形又は切削加工することによって、上述した反応ガス流路を形成することができる。
第1の金属ナノ微粒子及び/又は第2の金属ナノ微粒子は、高分子電解質膜、アノード触媒層、アノード側ガス拡散層、カソード触媒層及びカソード側ガス拡散層の少なくともいずれかに含まれていればよい。なお、コアシェル型触媒微粒子がアノード触媒層のみに含まれる場合には、第1の金属ナノ微粒子及び/又は第2の金属ナノ微粒子は、高分子電解質膜、アノード触媒層及びアノード側ガス拡散層の少なくともいずれかに含まれることが好ましい。また、コアシェル型触媒微粒子がカソード触媒層のみに含まれる場合には、第1の金属ナノ微粒子及び/又は第2の金属ナノ微粒子は、高分子電解質膜、カソード触媒層及びカソード側ガス拡散層の少なくともいずれかに含まれることが好ましい。
本実施例においては、2種類の異なる平均粒径を有する白金微粒子について、溶解析出式(下記式(6))に基づく計算を行い、各微粒子の溶解及び析出に対する寄与を求めるシミュレーションを行った。計算機及びソフトウェアの詳細は以下の通りである。
計算機:VersaPro VY16A/W−3(:商品名、NEC製)
ソフトウェア:主力プロセスモデリング解析ソフト(商品名:gPROMS、PSEジャパン製)
Figure 0005477463
なお、本実施例においては、白金微粒子の平均粒径をRとし、上記式(6)のパラメータについて下記のように設定した。
=3.4×10−10(mol・cm−2・s−1
θvac(i,z)=0(初期値)
αa,1=0.5
=2(equiv.・mol−1
F=96485(C・equiv.−1
R=8.314(J・K−1・mol−1
T=353(K)
θ=1.188(V)
σPt=2.37×10−4(J・cm−2
Pt=195(g・mol−1
ρPt=21.95(g・cm−3
Pt2+(z)=0(mol・L−1)(初期値)
αc,1=0.5
下記表1は、粒径2〜40nmの白金微粒子について、電位1.0V又は0.65Vの時の溶解速度、及び、析出速度をまとめた表である。なお、溶解速度とは、下記式(6a)から求められた速度r(i,z)のことであり、析出速度とは、下記式(6b)から求められた速度r(i,z)のことである。
Figure 0005477463
Figure 0005477463
Figure 0005477463
上記表1から分かるように、1.0Vの電位の時、すなわち開回路電圧(Open circuit voltage:以下、OCVと称する)の時の溶解速度と、0.65Vの電位の時、すなわち出力点の時の溶解速度とを比較すると、OCV時の溶解速度は、出力点時の溶解速度の10倍程度である。すなわち、出力点時においては、白金微粒子の溶解は無視できることが分かる。
一方、OCV時の析出速度と、出力点時の析出速度とを比較すると、出力点時の析出速度は、OCV時の析出速度の10倍程度である。すなわち、OCV時においては、白金微粒子の析出は無視できることが分かる。
以上の計算結果から、出力点時においては、専ら白金微粒子の析出について検討すればよく、OCV時においては、専ら白金微粒子の溶解について検討すればよいことが分かる。
下記表2は、上記表1の1.0Vの時の溶解速度計算結果を基に、2種類の異なる平均粒径を有する白金微粒子を混在させたときの溶解効果についてまとめた表である。下記表2には、上記表1の計算値のうち、平均粒径が10nm、8nm、6nmの白金微粒子の計算値を、平均粒径が10nm、8nm、6nmのコアシェル型触媒微粒子にそれぞれ適用し、平均粒径が2〜40nmの各白金微粒子の溶解速度を、各コアシェル型触媒微粒子の溶解速度によって除した値が記載されている。例えば、上記表1から、平均粒径が10nmのコアシェル型触媒微粒子の溶解速度は4.24×10−3であり、平均粒径が2nmの白金微粒子の溶解速度は7.47×10−2である。したがって、平均粒径が10nmのコアシェル型触媒微粒子の溶解速度に対する、平均粒径が2nmの白金微粒子の溶解速度の比は、7.47×10−2/4.24×10−3=18となる。すなわち、平均粒径が2nmの白金微粒子は、平均粒径が10nmのコアシェル型触媒微粒子と比較して、1.0Vの電位の時に、18倍溶解しやすいことが分かる。
表2に記載された値が高い程、コアシェル型触媒微粒子と白金微粒子を同じ量添加した時に、コアシェル型触媒微粒子の破壊を未然に防ぐ効果が高いことを示す。
Figure 0005477463
上記表2から、以下のような分析が可能である。例えば、平均粒径が10nmのコアシェル型触媒微粒子の溶解速度に対する、平均粒径が2nmの白金微粒子の溶解速度の比は18倍であることから、平均粒径が10nmのコアシェル型触媒微粒子の添加量に対し、平均粒径が2nmの白金微粒子を18分の1の添加することによって、平均粒径が10nmのコアシェル型触媒微粒子の耐久性が2倍向上することが分かる。
一方、平均粒径が8nmのコアシェル型触媒微粒子の溶解速度に対する、平均粒径が2nmの白金微粒子の溶解速度の比は15倍であることから、平均粒径が8nmのコアシェル型触媒微粒子の添加量に対し、平均粒径が2nmの白金微粒子を15分の1の添加することによって、平均粒径が8nmのコアシェル型触媒微粒子の耐久性が2倍向上することが分かる。
また、平均粒径が6nmのコアシェル型触媒微粒子の溶解速度に対する、平均粒径が2nmの白金微粒子の溶解速度の比は11倍であることから、平均粒径が6nmのコアシェル型触媒微粒子の添加量に対し、平均粒径が2nmの白金微粒子を11分の1の添加することによって、平均粒径が6nmのコアシェル型触媒微粒子の耐久性が2倍向上することが分かる。
上記表2より、平均粒径が10nmのコアシェル型触媒微粒子の場合は平均粒径が8nm以上の白金微粒子、平均粒径が8nm及び6nmのコアシェル型触媒微粒子の場合は平均粒径が6nm以上の白金微粒子を添加しても、溶解に対する耐久性は向上しないことが分かる。すなわち、コアシェル型触媒微粒子の平均粒径以上の平均粒径を有する白金微粒子を添加しても、溶解に対する耐久性は向上しないことが分かる。
また、コアシェル型触媒微粒子の平均粒径と、白金微粒子の平均粒径との差が大きい程、溶解に対する耐久性の効果が高いことが分かる。
下記表3は、上記表1の0.65Vの時の析出速度計算結果を基に、2種類の異なる平均粒径を有する白金微粒子を混在させたときの析出効果についてまとめた表である。下記表3には、上記表1の計算値のうち、平均粒径が10nm、8nm、6nmの白金微粒子の計算値を、平均粒径が10nm、8nm、6nmのコアシェル型触媒微粒子にそれぞれ適用し、平均粒径が2〜40nmの各白金微粒子の析出速度を、各コアシェル型触媒微粒子の析出速度によって除した値が記載されている。例えば、上記表1から、平均粒径が6nmのコアシェル型触媒微粒子の析出速度は1.45×10であり、平均粒径が20nmの白金微粒子の析出速度は3.35×10である。したがって、平均粒径が6nmのコアシェル型触媒微粒子の析出速度に対する、平均粒径が20nmの白金微粒子の析出速度の比は、3.35×10/1.45×10=2.3となる。すなわち、平均粒径が20nmの白金微粒子は、平均粒径が6nmのコアシェル型触媒微粒子と比較して、0.65Vの電位の時に、表面に白金が2.3倍析出しやすいことが分かる。
表3に記載された値が高い程、コアシェル型触媒微粒子と白金微粒子を同じ量添加した時に、コアシェル型触媒微粒子のシェル部の厚みの増加を未然に防ぐ効果が高いことを示す。
Figure 0005477463
上記表3から、以下のような分析が可能である。例えば、平均粒径が6nmのコアシェル型触媒微粒子の析出速度に対する、平均粒径が20nmの白金微粒子の析出速度の比は2.3倍であることから、平均粒径が6nmのコアシェル型触媒微粒子の添加量に対し、平均粒径が20nmの白金微粒子を2.3分の1の添加することによって、平均粒径が6nmのコアシェル型触媒微粒子の耐久性が2倍向上することが分かる。
一方、平均粒径が8nmのコアシェル型触媒微粒子の析出速度に対する、平均粒径が20nmの白金微粒子の析出速度の比は1.7倍であることから、平均粒径が8nmのコアシェル型触媒微粒子の添加量に対し、平均粒径が20nmの白金微粒子を1.7分の1の添加することによって、平均粒径が8nmのコアシェル型触媒微粒子の耐久性が2倍向上することが分かる。
また、平均粒径が10nmのコアシェル型触媒微粒子の析出速度に対する、平均粒径が20nmの白金微粒子の析出速度の比は1.4倍であることから、平均粒径が10nmのコアシェル型触媒微粒子の添加量に対し、平均粒径が20nmの白金微粒子を1.4分の1の添加することによって、平均粒径が10nmのコアシェル型触媒微粒子の耐久性が2倍向上することが分かる。
上記表3より、平均粒径が10nmのコアシェル型触媒微粒子の場合は平均粒径が10nm以下の白金微粒子、平均粒径が8nmのコアシェル型触媒微粒子の場合は平均粒径が8nm以下の白金微粒子、平均粒径が6nmのコアシェル型触媒微粒子の場合は平均粒径が6nm以下の白金微粒子を添加しても、析出に対する耐久性は向上しないことが分かる。すなわち、コアシェル型触媒微粒子の平均粒径以下の平均粒径を有する白金微粒子を添加しても、析出に対する耐久性は向上しないことが分かる。
また、コアシェル型触媒微粒子の平均粒径と、白金微粒子の平均粒径との差が大きい程、析出に対する耐久性の効果が高いことが分かる。
ただし、白金微粒子の平均粒径が大きい程、析出に対する耐久性の効果と共にコストも上昇するため、実際に添加できる白金微粒子の平均粒径の上限値は、白金のコストによって変わる。
1 固体高分子電解質膜
2 カソード触媒層
3 アノード触媒層
4,5 ガス拡散層
6 カソード電極
7 アノード電極
8 膜・電極接合体
9,10 セパレータ
11,12 ガス流路
100 燃料電池

Claims (9)

  1. 高分子電解質膜の一面側にアノード触媒層及びガス拡散層を備えるアノード電極を備え、他面側にカソード触媒層及びガス拡散層を備えるカソード電極を備える膜・電極接合体を備える単セルを備える燃料電池であって、
    コア部、及び、当該コア部を被覆し、シェル金属材料を含むシェル部を備えるコアシェル型触媒微粒子を、前記アノード触媒層及び前記カソード触媒層の少なくともいずれか一方に含み、
    前記コアシェル型触媒微粒子の平均粒径とは異なる平均粒径を有し、且つ、前記シェル金属材料を含む金属ナノ微粒子を、前記高分子電解質膜、前記アノード触媒層、前記アノード側ガス拡散層、前記カソード触媒層及び前記カソード側ガス拡散層の少なくともいずれか一方に含むことを特徴とする、燃料電池。
  2. 前記金属ナノ微粒子が、前記コアシェル型触媒微粒子の平均粒径よりも小さい平均粒径を有する、請求項1に記載の燃料電池。
  3. 前記シェル金属材料が白金であり、
    電位Eにおいて、下記式(1)中に示す反応速度rと下記式(2)中に示す反応速度rとが下記式(3)の関係を満たすように、前記コアシェル型触媒微粒子の平均粒径Rと、前記金属ナノ微粒子の平均粒径Rが設定される、請求項1又は2に記載の燃料電池。
    Figure 0005477463
    Figure 0005477463
    /r>1 式(3)
    (上記式(1)及び式(2)中、
    は白金溶解反応の速度定数(mol・cm−2・s−1)、
    θvacは酸化物で覆われていない白金表面の割合、
    αa,1は白金溶解反応の酸化方向移動係数、
    は白金溶解反応に関わる電子数(equiv.・mol−1)、
    Fはファラデー定数(C・equiv.−1)、
    Rは気体定数(J・K−1・mol−1)、
    Tは温度(K)、
    Eは電位(V)、
    θは白金溶解反応の標準熱動力学ポテンシャル(V)、
    σPtは白金粒子の表面張力(J・cm−2)、
    Ptは白金原子質量(g・mol−1)、
    ρPtは白金の密度(g・cm−3)、
    は前記コアシェル型触媒微粒子の平均粒径(cm)、
    は前記金属ナノ微粒子の平均粒径(cm)、
    Pt2+は白金イオン濃度(mol・L−1)、
    αc,1は白金溶解反応の還元方向移動係数である。)
  4. 前記金属ナノ微粒子が、前記コアシェル型触媒微粒子の平均粒径よりも大きい平均粒径を有する、請求項1に記載の燃料電池。
  5. 前記金属ナノ微粒子が、当該微粒子表面のみに前記シェル金属材料を含む、請求項4に記載の燃料電池。
  6. 前記シェル金属材料が白金であり、
    電位Eにおいて、下記式(1)中に示す反応速度rと下記式(4)中に示す反応速度rとが下記式(5)の関係を満たすように、前記コアシェル型触媒微粒子の平均粒径Rと、前記金属ナノ微粒子の平均粒径Rが設定される、請求項1、4又は5に記載の燃料電池。
    Figure 0005477463
    Figure 0005477463
    /r<1 式(5)
    (上記式(1)及び式(4)中、
    は白金溶解反応の速度定数(mol・cm−2・s−1)、
    θvacは酸化物で覆われていない白金表面の割合、
    αa,1は白金溶解反応の酸化方向移動係数、
    は白金溶解反応に関わる電子数(equiv.・mol−1)、
    Fはファラデー定数(C・equiv.−1)、
    Rは気体定数(J・K−1・mol−1)、
    Tは温度(K)、
    Eは電位(V)、
    θは白金溶解反応の標準熱動力学ポテンシャル(V)、
    σPtは白金粒子の表面張力(J・cm−2)、
    Ptは白金原子質量(g・mol−1)、
    ρPtは白金の密度(g・cm−3)、
    は前記コアシェル型触媒微粒子の平均粒径(cm)、
    は前記金属ナノ微粒子の平均粒径(cm)、
    Pt2+は白金イオン濃度(mol・L−1)、
    αc,1は白金溶解反応の還元方向移動係数である。)
  7. 前記金属ナノ微粒子を2種類以上含み、
    異なる種類の金属ナノ微粒子の内、第1の金属ナノ微粒子が、前記コアシェル型触媒微粒子の平均粒径よりも小さい平均粒径を有し、第2の金属ナノ微粒子が、前記コアシェル型触媒微粒子の平均粒径よりも大きい平均粒径を有する、請求項1に記載の燃料電池。
  8. 前記第2の金属ナノ微粒子が、当該微粒子表面のみに前記シェル金属材料を含む、請求項7に記載の燃料電池。
  9. 前記シェル金属材料が白金であり、
    電位Eにおいて、下記式(1)中に示す反応速度rと下記式(2)中に示す反応速度rとが下記式(3)の関係を満たすように、前記コアシェル型触媒微粒子の平均粒径Rと、前記第1の金属ナノ微粒子の平均粒径Rが設定され、且つ、下記式(1)中に示す反応速度rと下記式(4)中に示す反応速度rとが下記式(5)の関係を満たすように、前記コアシェル型触媒微粒子の平均粒径Rと、前記第2の金属ナノ微粒子の平均粒径Rが設定される、請求項1、7又は8に記載の燃料電池。
    Figure 0005477463
    Figure 0005477463
    /r>1 式(3)
    Figure 0005477463
    /r<1 式(5)
    (上記式(1)、式(2)及び式(4)中、
    は白金溶解反応の速度定数(mol・cm−2・s−1)、
    θvacは酸化物で覆われていない白金表面の割合、
    αa,1は白金溶解反応の酸化方向移動係数、
    は白金溶解反応に関わる電子数(equiv.・mol−1)、
    Fはファラデー定数(C・equiv.−1)、
    Rは気体定数(J・K−1・mol−1)、
    Tは温度(K)、
    Eは電位(V)、
    θは白金溶解反応の標準熱動力学ポテンシャル(V)、
    σPtは白金粒子の表面張力(J・cm−2)、
    Ptは白金原子質量(g・mol−1)、
    ρPtは白金の密度(g・cm−3)、
    は前記コアシェル型触媒微粒子の平均粒径(cm)、
    は前記第1の金属ナノ微粒子の平均粒径(cm)、
    は前記第2の金属ナノ微粒子の平均粒径(cm)、
    Pt2+は白金イオン濃度(mol・L−1)、
    αc,1は白金溶解反応の還元方向移動係数である。)
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