JP2006127980A - 燃料電池用電極触媒、およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】運転時などにおける熱的エネルギーが加わることで、導電性担体上の電極触媒粒子がシンタリング、脱落などで電極触媒の活性が失われることがなく、長期に亘って所望の発電性能を維持することができる、耐久性に優れる燃料電池用電極触媒を提供する。
【解決手段】燃料電池用電極触媒であって、導電性担体11の少なくとも一部に金属単体からなる結着層12を有し、前記結着層上に触媒粒子13が担持されてなる燃料電池用電極触媒。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池用電極触媒に関し、より詳細には耐久性に優れる燃料電池用電極触媒に関する。
近年、エネルギー・環境問題を背景とした社会的要求や動向と呼応して、常温でも作動し高出力密度が得られる燃料電池が電気自動車用電源、定置型電源として注目されている。燃料電池は、電極反応による生成物が原理的に水であり、地球環境への悪影響がほとんどないクリーンな発電システムである。燃料電池には、固体高分子電解質型燃料電池(PEFC)、リン酸型燃料電池(PAFC)、アルカリ型燃料電池(AFC)、固体酸化物型燃料電池(SOFC)、溶融炭酸塩型燃料電池(MCFC)などがある。なかでも、固体高分子型燃料電池は、比較的低温で作動して高出力密度が得られることから、電気自動車用電源として期待されている。
固体高分子型燃料電池の構成は、一般的には、膜−電極接合体(以下、単に「MEA」とも記載する。)をセパレータで挟持した構造となっている。MEAは、固体高分子電解質膜が一対の電極触媒層およびガス拡散層により挟持されてなるものである。電極触媒層は、電極触媒と、固体高分子電解質とを少なくとも含み、単に電極とも呼ばれている。
固体高分子型燃料電池では、以下のような電気化学的反応が進行する。まず、アノード側に供給された燃料ガスに含まれる水素は、触媒粒子により酸化され、プロトンおよび電子となる。次に、生成したプロトンは、アノード側電極触媒層に含まれる固体高分子電解質、さらにアノード側電極触媒層と接触している固体高分子電解質膜を通り、カソード側電極触媒層に達する。また、アノード側電極触媒層で生成した電子は、アノード側電極触媒層を構成している導電性担体、さらにアノード側電極触媒層の固体高分子電解質膜と異なる側に接触しているガス拡散層、セパレータおよび外部回路を通してカソード側電極触媒層に達する。そして、カソード側電極触媒層に達したプロトンおよび電子はカソード側に供給されている酸化剤ガスに含まれる酸素と反応し水を生成する。燃料電池では、上述した電気化学的反応を通して、電気を外部に取り出すことが可能となる。
燃料電池における電気化学的反応は、電極触媒層中の、触媒粒子、固体高分子電解質、反応ガスが存在する三相界面上で起こる。したがって、電極触媒層においては、触媒粒子と固体高分子電解質を如何に適切な状態にして反応サイトを増大させるか、ということが極めて重要である。
また、従来の電極触媒では、一般的には、カソードおよびアノードともに、カーボンを主成分とする導電性材料を担体として、これに白金または白金合金を触媒粒子として担持させたもの等が用いられている。
固体高分子型燃料電池は、コストとともに問題となっているが電池の寿命である。電池の寿命は、自動車で5000時間、家庭用では4万時間ともいわれ、長期にわたって所望の発電性能を維持することが求められている。従って、電極触媒には高い触媒活性を長期に亘り維持することが所望されており、導電性担体上の触媒粒子が所定の粒子径および分散性を維持できることが求められる。
しかしながら、従来の電極触媒では、製造工程における焼成、燃料電池の運転時などにおける熱的エネルギーが加わることで、導電性担体上の触媒粒子がシンタリング、脱落などする問題があった。これは触媒粒子の表面積の減少を招き、結果として電極触媒の触媒活性が低くなる恐れがある。
そこで、本発明が目的とするところは、長期に亘って所望の発電性能を維持することができる、耐久性に優れる燃料電池用電極触媒を提供することである。
従来の電極触媒では導電性担体に触媒粒子を直接担持させたものが一般的であった。これに対し、本発明では、導電性担体と触媒粒子との間に結着層を備えることにより、触媒粒子のシンタリング、脱落などを防止することができ、電極触媒の耐久性を向上させることができることが判明した。
すなわち、本発明は、燃料電池用電極触媒であって、導電性担体の少なくとも一部に金属単体からなる結着層を有し、前記結着層上に触媒粒子が担持されてなる燃料電池用電極触媒により上記課題を解決する。
本発明によれば、長期に亘って高い触媒活性を維持することができる、耐久性に優れた電極触媒を提供することが可能となる。
本発明の第一は、上記した通り、燃料電池用電極触媒であって、導電性担体の少なくとも一部に金属単体からなる結着層を有し、前記結着層上に触媒粒子が担持されてなる燃料電池用電極触媒である。
まず、本発明による電極触媒の好ましい一実施形態を図1を用いて説明する。図1は、本発明の電極触媒における触媒粒子の担持形態を説明するための模式図であり、図1(A)は本発明の電極触媒全体の模式図であり、図1(B)は図1(A)において円で囲った部分を拡大した模式断面図である。なお、結着層の形状など、本発明の電極触媒が図示する態様に限定されるわけではない。図1において、本発明の電極触媒は、導電性担体11と触媒粒子13との間に結着層12を備え、触媒粒子13が結着層12上に担持された構成を有する。
本発明の電極触媒において、結着層とは、導電性担体および触媒粒子の双方に対して親和性を有し、導電性担体および触媒粒子と結合する機能を有するものである。従来の電極触媒では、導電性担体上に触媒粒子が単に付着した形態であった。しかしながら、本発明の電極触媒では、触媒粒子と導電性担体との間に結着層を備えることにより、触媒粒子を結着層上に強固に担持させることができ、触媒粒子のシンタリング、脱落などを抑制することが可能となる。
また、燃料電池における電極反応により生じた電子は、触媒粒子表面から導電性担体を介して移動する。従って、導電性担体と触媒粒子との間に存在する結着層には、高い電子伝導性を有する必要がある。そこで、結着層としては、金属単体からなるものが好ましく挙げられる。金属酸化物からなる結着層を用いた場合には、一般的に金属酸化物は半導体であるため電子伝導性を低下させる恐れがあるが、本発明では金属単体を用いることにより結着層に高い電子伝導性を付与することができ、触媒粒子と導電性担体との良好な電子伝導経路を確保することができる。
さらに、結着層に金属単体を用いることにより、触媒粒子および導電性担体と強く結合することが可能となる。かような効果が得られる理由は明らかではないが、以下のようなことが考えられる。導電性担体として用いられるグラファイト化カーボンなどの表面はSP混成軌道を多く保持している。このSP混成軌道におけるσ軌道が、結着層を構成する金属単体のσ電子と結合することができ、さらに、電子伝導性を向上させることが可能となることが考えられる。併せてこの電子軌道の重なりにより結着層を構成する金属単体は、触媒粒子とも強く結合することができ、高い電子伝導性を確保することができるということが考えられる。
また、従来では、起動時、停止時、および保管時などにおいて燃料電池が高電位環境(約0.8V以上)などに曝されることで、導電性担体の電気化学的な酸化反応が起こり導電性担体が腐食消失する問題もあった。かような導電性担体の酸化反応は、導電性担体と触媒粒子とが接触する部分で主に生じる。しかしながら、本発明の電極触媒は結着層を有することにより、導電性担体と触媒粒子との接触を防止し、導電性担体の酸化反応を抑制することも可能となる。
上記の通り、本発明の電極触媒は、触媒粒子と導電性担体との間に結着層を有することにより、電子伝導経路を確保しつつ触媒粒子のシンタリングおよび脱落を抑制することができるだけでなく、導電性担体の腐食消失をも防止することができる。従って、本発明によれば、高い耐久性を有する電極触媒を提供することが可能となる。
結着層に用いられる金属単体として、具体的には、Tiおよび/またはAuからなる金属単体が好ましく挙げられる。これらの金属単体を用いれば、触媒粒子および導電性担体との、強固な結合および高い電子伝導性が得られる。さらに、これらの金属単体が万が一、溶出して燃料電池を構成する固体高分子電解質膜などに拡散しても放電特性に対して悪影響を及ぼす恐れがない。
本発明の電極触媒において、結着層による被覆率は、導電性担体の全表面積の50%以下、好ましくは10〜50%、より好ましくは20〜30%とするのがよい。電極触媒層においては、固体高分子電解質と、触媒粒子と、反応ガスとが接触する三相界面を多く形成することが所望される。固体高分子電解質との接触性は、結着層を構成する金属単体よりも導電性担体の方が高いため、固体高分子電解質と導電性担体との接触面積を大きくする方が望ましい。そのため、結着層は島状、筋状等の不連続皮膜として導電性担体上に存在し、導電性担体の一部が露出しているのがよく、結着層による被覆率を上記範囲内とするのが望ましい。これにより、電極触媒層における三相界面の形成量を大きくすることが可能となる。
なお、本発明において、結着層による被覆率は、X線光電子分光分析法(XPS)によるピーク強度により測定できる。
また、導電性担体と触媒粒子との接触をより確実に防止するため、図1の模式図を示すように触媒粒子の周辺部分には結着層が僅かに露出しているのが望ましい。
本発明の電極触媒において、触媒粒子を高分散担持させることができるため、図1に模式的に示すように、導電性担体11上に島状等として結着層12が分散されて存在し、前記結着層12上に触媒粒子13が担持されているのが望ましい。このとき、前記結着層は、平均直径を、10nm〜200μm、好ましくは10〜200nm、より好ましくは10〜40nmの範囲内として導電性担体上に分散されているのがよい。前記結着層の平均直径が、10nm未満であると触媒粒子と導電性担体とが接触して導電性担体の腐食を生じる恐れがあり、200μmを超えると結着剤の被覆率が50%以上になり固体高分子電解質と触媒粒子との接触低下が生じる恐れがある。
なお、前記結着層の平均直径は、図1における結着層の直径Tの平均値であり、電極触媒表面の透過型電子顕微鏡像により調べられる結着層の直径の平均値により測定することができる。また、前記結着層が導電性担体上に分散された場合、前記結着層は、円形、三角形、四角形等の多角形など種々の形状を取り得る。従って、本発明において、前記結着層の直径は、結着層の絶対最大長とする。前記絶対最大長とは、結着層がとり得る最大の大きさを意味する。
また、前記結着層の厚さは、0.3〜10nm、好ましくは0.6〜5nm、より好ましくは1.5〜3nmとするのがよい。結着層の厚さが、0.3nm未満であると電極反応時に結着層および触媒粒子が導電性担体から剥離する恐れがあり、10nmを超えると触媒粒子が結着層に埋没する恐れがある。前記結着層の厚さは、X線光電子分光分析法(XPS)によるピーク強度により測定できる。
さらに、本発明の電極触媒において、結着層における金属単体に対して、触媒粒子の質量比(前記金属単体:前記触媒粒子)は、3:1以上、好ましくは3:1〜100:1、より好ましくは3:1〜10:1とするのがよい。前記質量比が、3:1未満であると、結着剤が欠落する個所が生じる恐れがある。前記質量比は、元素分析及びX線回折法により測定できる。
本発明の電極触媒に用いられる導電性担体としては、集電体として十分な電子導電性を有しているものであれば、特に制限されるべきものではなく、燃料電池用電極触媒において一般的に用いられているものであればよいが、主成分がカーボンであるのが好ましい。これにより十分に高い電子導電率を得ることができ、電気抵抗を低くすることができるからである。導電性担体の電気抵抗が高いと、電極触媒層の内部抵抗が高くなり、結果として電池性能の低下を招く。
なお、本発明において「主成分がカーボンである」とは、主成分として炭素原子を含むことをいい、炭素原子のみからなる、実質的に炭素原子からなる、の双方を含む概念である。場合によっては、燃料電池の特性を向上させるために、炭素原子以外の元素が含まれていてもよい。なお、実質的に炭素原子からなるとは、2〜3質量%程度以下の不純物の混入が許容されることを意味する。
前記導電性担体として、具体的には、チャンネルブラック、ファーネスブラック、サーマルブラック等のカーボンブラック;種々の炭素原子を含む材料を炭化、賦活処理した活性炭;グラファイト化カーボン等のカーボンを主成分とするものなどが挙げられる。
また、前記導電性担体は、市販品を用いることができ、キャボット社製バルカンXC−72、バルカンP、ブラックパールズ880、ブラックパールズ1100、ブラックパールズ1300、ブラックパールズ2000、リーガル400、ライオン社製ケッチェンブラックEC、ケッチェンブラックEC600JD、三菱化学社製#3150、#3250などのオイルファーネスブラック;電気化学工業社製デンカブラックなどのアセチレンブラック等が挙げられる。
前記導電性担体の大きさとしては、特に限定されないが、電極触媒を用いて作製する電極触媒層の厚みを適切な範囲で制御するという観点からは、平均粒子径が5〜200nm、好ましくは10〜100nm程度のものを用いるのがよい。また、単位質量あたりの触媒活性向上の観点から、比表面積は、50〜2,000m/gであることが好ましく、より好ましくは100〜1,500m/gである。
次に、本発明の電極触媒に用いられる触媒粒子としては、水素の酸化反応または酸素の還元反応に触媒作用を有することが求められ、少なくとも白金を含むのが好ましい。また、耐熱性、一酸化炭素などに対する耐被毒性などを向上させるために、白金と、その他の金属との合金としてもよい。前記合金として、具体的には、ルテニウム、イリジウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、タングステン、鉛、鉄、クロム、コバルト、ニッケル、マンガン、バナジウム、モリブデン、ガリウム、およびアルミニウムなどから選択される少なくとも1種以上の金属と、白金との合金などが挙げられる。
前記触媒粒子の平均粒子径は1〜30nmであることが好ましい。触媒粒子は、粒子径が小さいほど比表面積が大きくなるため触媒活性も向上すると推測されるが、実際は、触媒粒子の粒子径を極めて小さくしても、比表面積の増加分に見合った触媒活性は得られない恐れがあるため、上記範囲とするのが好ましい。
なお、本発明における「触媒粒子の平均粒子径」は、X線回折における触媒の回折ピークの半値幅より求められる結晶子径、あるいは、透過型電子顕微鏡像より調べられる触媒粒子径、の平均値により測定することができる。
触媒粒子の担持量は、電極触媒の全量に対して10〜80質量%、好ましくは20〜60質量%、より好ましくは30〜50質量%とするのがよい。前記担持量が、10質量%未満である場合、所望する触媒活性を得るために電極触媒量を増大させる必要が生じる。これにより電極触媒層が厚くなり、内部抵抗や反応物の拡散抵抗などが増大して電池性能の低下を招く恐れがある。また、80質量%を超えた場合には、結着層上に担持する触媒粒子の重なりが多くなり、使用する触媒粒子量に対して得られる触媒活性が小さくなるため、高コストになる恐れなどがある。このような担持率は、高倍率の走査型や透過型の電子顕微鏡を用いた粒子表面及び断面観察から測定することができる。
本発明の電極触媒は、高電位環境下(約0.8V以上)、強酸性雰囲気下などの、触媒粒子が脱離または凝集しやすい環境下であっても、高い耐久性を発揮することができる。前記電極触媒の用途としては、燃料電池における電極触媒として用いるのが好ましい。これにより、長期に亘り優れた発電性能を示すことできる燃料電池を提供することが可能となる。
前記燃料電池の種類としては、特に限定されず、固体高分子型燃料電池、アルカリ型燃料電池、リン酸型燃料電池、直接メタノール型燃料電池などが挙げられる。なかでも小型かつ高密度・高出力化が可能である固体高分子型燃料電池が好ましく挙げられる。
本発明の第二は、上記した本発明の第一の電極触媒の製造方法である。すなわち、導電性担体表面を金属単体で被覆して結着層を形成する工程(a)と、前記結着層上に触媒粒子を担持させる工程(b)と、前記触媒粒子が担持されずに露出している前記結着層の少なくとも一部を除去する工程(c)と、を含む燃料電池用電極触媒の製造方法である。以下、工程ごとに順を追って説明する。
まず、前記工程(a)において、前記金属単体としては、本発明の第一において説明した通りであるが、触媒粒子および導電性担体の双方に対して親和性および結合力を有するものであればよく、好ましくはTiおよび/またはAuが挙げられる。
導電性担体表面を金属単体で被覆するには、スパッタリング、真空蒸着法、ガス中蒸発法などのPVD法や、熱CVDに代表されるCVD法などの真空薄膜作製法、電解メッキ、置換メッキまたは化学還元メッキなどの無電解メッキ、含浸法など、従来公知の化学的ないし電気化学的方法を用いればよい。
例えば、無電解メッキ法を用いて導電性担体表面を結着層で被覆するには、まず、導電性担体を水に十分に均一に分散させることにより、水性スラリーを調製する。
導電性担体としては、本発明の第一において記載した通りであるため、ここでは説明を省略する。分散操作には、通常撹拌、高速撹拌あるいはコロイドミルまたはホモジナイザーのような剪断分散装置などを用いて行えばよい。
次に、得られた水性スラリーに、無電解メッキ液として、結着層を構成する金属単体の塩、錯化剤、還元剤、およびpH調節剤の水溶液を添加することにより無電解メッキを行う。
結着層を構成する金属単体の塩としては、前記金属単体の硝酸塩、亜硝酸塩、炭酸塩、酢酸塩、硫酸塩、オキシ硝酸塩、ハロゲン化物、金属錯体塩等が挙げられる。錯化剤は、結着層を構成する金属単体のイオンに対して錯化作用を有する少なくとも一種以上の化合物が用いられ、通常は水溶液として用いられる。錯化剤として、具体的には、クエン酸、ヒドロキシ酢酸、酒石酸、リンゴ酸、乳酸、グルコン酸またはそのアルカリ金属塩やアンモニウム塩などのカルボン酸(塩)、グリシンなどのアミノ酸、エチレンジアミン、アルキルアミンなどのアミン酸、その他のアンモニウム、EDTA、ピロリン酸(塩)、亜硫酸、チオ硫酸など、が挙げられる。還元剤としては、ホスフィン酸塩、ホスホン酸塩、水素化ホウ素化物、アルデヒド類、糖類、アミン類、金属塩が好ましく挙げられ、より具体的には、ホスフィン酸水素ナトリウム、ホスホン酸水素ナトリウム、水素化ホウ素ナトリウム、ジメチルアミンボラン、ホルムアルデヒド、蔗糖、デキストリン、ヒドロキシルアミン、ヒドラジン、アスコルビン酸、塩化チタンなどが好ましく挙げられる。この他にも、次亜リン酸アンモニウム、ホルマリン、グリオキシル酸、ヒドラジン、水酸化ホウ素アンモニウム、なども好ましく挙げられる。pH調節剤としては、水酸化ナトリウム、アンモニア水などを用いればよい。無電解メッキ液のpHはとくに限定されないが、4〜13が好ましい。無電解メッキ液の温度は10〜100℃が好ましいが、特に20℃〜95℃が好ましい。
水性スラリーに無電解メッキ液を添加すると速やかにめっき反応が始まるが、無電解メッキ液の添加量を調整することにより形成される結着層を所望の膜厚に制御することができる。無電解めっき液の添加終了後、水素ガスの発生が完全に認められなくなってから暫く液温を保持しながら撹拌を継続して反応を完結させる。反応終了後は、メッキ液をろ過し、得られた粉末を公知の方法に順じて洗浄および乾燥を適宜行えばよい。
次に、前記工程(b)では、前記工程(a)において形成された結着層上に触媒粒子を担持させる。
前記工程(b)において、前記結着層上に触媒粒子を担持させる方法は、液相還元担持法、蒸発乾固法、コロイド吸着法、噴霧熱分解法、逆ミセル(マイクロエマルジョン法)など、従来一般的な方法を用いればよい。以下に、液相還元担持法を例に挙げて説明する。
液相還元担持法を用いて前記結着層上に触媒粒子を担持させるには、触媒粒子溶液に結着層を有する導電性担体を添加した後、還元剤を添加すればよい。
前記触媒粒子溶液とは、触媒粒子の元素を含む溶液のことである。前記触媒粒子としては、本発明の第一において上述した通りであるが、少なくとも白金を含むものが好ましく用いられる。前記触媒粒子溶液として具体的には、例えば、触媒粒子としてPtを用いる場合には、塩化白金酸、塩化アンミン白金、ジニトロジアンミン白金;イリジウムを用いる場合には、塩化イリジウムなど;パラジウムを用いる場合には、塩化パラジウムなど所望の触媒粒子の元素を含む化合物(以下、単に「触媒化合物」とも記載する。)を、水および/または有機溶媒などに所定濃度に溶解させた溶液などのことである。有機溶媒としては、特に限定されず、エタノール、メタノール、プロパノールなどが挙げられ、これらは1種単独で使用してもよいし2種以上を混合して使用してもよい。
前記触媒粒子溶液に結着層で被覆された導電性担体を添加した後、ホモジナイザー、超音波分散装置等の適当な分散手段により十分に分散させてもよく、これらの分散手段は適宜組み合わせてもよい。
次に、得られる混合液に添加する還元剤としては、触媒化合物を還元できるものであれば特に限定されず、例えば、チオ硫酸ナトリウム、クエン酸、クエン酸ナトリウム、L−アスコルビン酸、水素化ホウ素ナトリウム、ヒドラジン、ホルムアルデヒド、メタノール、エタノール、水素、エチレン、一酸化炭素などが挙げられる。触媒粒子溶液に添加する前記還元剤の添加量などは特に限定されず、適宜調整して決定すればよい。前記混合液に還元剤を添加した後は、還流反応装置などを用いて20〜100℃に加熱して、白金などの触媒粒子の還元担持を行えばよい。
金属単体で被覆された導電性担体上に担持される触媒粒子の平均粒子径および担持量などは、本発明の第一において記載した通りである。前記平均粒子径および前記担持量が所望の値となるように、触媒粒子溶液における触媒化合物の濃度、還元剤の添加量などを適宜調整するのが望ましい。
その後、吸引瀘過など公知の瀘別手段等を用いて、前記混合液をろ過して、得られた沈殿物を乾燥させればよい。乾燥方法としては、真空乾燥、自然乾燥、ロータリーエバポレータ、沿送風乾燥機による乾燥など、公知の方法を用いればよく、特に限定されない。乾燥させる際の時間、温度などは、使用する方法に応じて適宜決定すればよい。
乾燥させた後に、さらに、焼成を行ってもよく、または、乾燥段階を経ずに焼成のみ行ってもよい。必要に応じて行われる焼成条件としては、特に限定されないが、大気中、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気などの不活性ガス雰囲気中、または水素のような可燃性ガスを含んだ還元雰囲気中で、300〜1000℃で、1〜6時間程度、行えばよい。
次に、工程(c)においては、触媒粒子が担持されずに、露出している結着層の少なくとも一部を選択的に除去して導電性担体表面を露出させる。
結着層の少なくとも一部を除去するには、電気分解法、無電界めっき法など従来公知の方法を適宜参照して行うことができる。
例えば、チタンからなる結着層を有し、さらに前記結着層上に白金などの触媒粒子が担持されてなる導電性担体を用い、電気分解法により前記結着層の一部を除去する場合を、図2を参照しながら説明する。なお、図2は本発明の好ましい一実施形態を示すものであるが、本発明はこれに限定されない。
図2において、導電性容器21には、電解液22および前記導電性担体23が入れられ、導電性蓋24が電解液22に接触もしくは一部を浸漬させて配置されている。さらに、導電性容器21および導電性蓋24はポテンショスタット25に接続させ、導電性容器21を陽極、導電性蓋24を陰極として、ポテンショスタット25で電流を制御することにより電圧を印加させる。これにより、白金などの触媒粒子よりもチタンの方が酸化還元電位が卑なため、導電性担体上の結着層を選択的にアノード溶解させることが可能となり、結着層が一部を除去されて島状、点状、筋状等の不連続皮膜となる。
なお、ポテンショスタット25は、導電性容器21および導電性蓋24の電極間の電流密度を制御するための装置であり、内部に設けられた電源を印加することにより電気分解が行われる。
前記導電性容器および前記導電性蓋の材料としては、従来の電気分解法における電極に用いられる材料であればよく、カーボン、白金、金ステンレス鋼、ニッケル、銅、鉛等を挙げることができる。
前記電解液は、前記導電性容器および前記導電性蓋の材料によって異なるが、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、塩化第二鉄、塩化カリウム、塩化ナトリウム、硝酸、塩酸、または硫酸等の電解質が溶解された水溶液を挙げることができる。前記電解液は、特に限定されないが、温度を30〜80℃とし、電解質濃度を1〜10mol/lの範囲内とするのがよい。
電気分解の条件は、特に制限されないが、陽極電流密度を10〜100A/dm、電解時間を1〜10分、として設定するのがよい。陽極電流密度が10A/dm未満になると所望の電気分解反応の遂行に支障を生じる恐れがあり、陽極電流密度が100A/dmを超えると結着層のみならず触媒粒子までも除去される恐れがある。
導電性担体における結着層の被覆率、直径などを所望の値とするには、電気分解する際の陽極電流密度、作用時間、電解液の濃度、温度などを上記範囲内で調整すればよい。なお、前記被覆率および前記直径については、本発明の第一において上述した通りであるため、ここでは詳細な説明を省略する。
また、金からなる結着層を有し、さらに前記結着層上に白金などの触媒粒子が担持されてなる導電性担体を用い、シアン系溶液により前記結着層の一部を除去する場合を以下に説明する。シアン系溶液を用いることにより、導電性担体上の触媒粒子が担持されずに露出している結着層を選択的に除去することができる。
本発明において、シアン系溶液とは、シアン化カリウムやシアン化ナトリウム等の無機シアン化合物の水溶液、または、無機シアン化合物を主成分として、これに錯化剤やpH調整剤等が添加されているものである。前記錯化剤および前記pH調整剤は、上述した工程(a)における無電解メッキ液と同様のものが挙げられる。
前記シアン系溶液に、触媒粒子および結着層を有する前記導電性担体を添加すると、結着層の触媒粒子が担持されずに露出している部分の選択的な除去反応が進行する。導電性担体における結着層の被覆率、直径などを所望の値とするには、反応時間、シアン系溶液の濃度、温度、pHなどを適宜調整すればよい。
前記シアン系溶液における無機シアン化合物の濃度は、特に限定されないが、5〜50g/dm、好ましくは6〜18g/dmとするのがよい。前記シアン系溶液のpHは、好ましくは2〜7、より好ましくは3〜6とするのがよい。また、前記シアン系溶液の温度は、好ましくは10〜100℃、より好ましくは40〜60℃とするのがよい。
なお、結着層の一部を選択的に除去する方法として、上記した方法では、電気分解法およびシアン系溶液を用いた方法を例に挙げて説明したが、本発明の方法がこれらの方法に限定されるわけではない。可能であれば他の方法を用いてもよい。
上記の通り結着層の一部を除去した後は、前記導電性担体を濾別し、必要に応じて洗浄するのが好ましい。すなわち、前記工程(c)の後、得られた電極触媒を洗浄する工程(d)をさらに含むのが好ましい。これにより、前記導電性担体上に残留した、電解液組成物などの不純物を除去することができる。
洗浄方法としては、公知の方法を用いればよく特に制限されないが、蒸留水、脱イオン水、超純水などの洗浄液を用いて行うのがよい。
なかでも、前記洗浄液には、不純物濃度が少なく高い洗浄力を有することから、超純水を用いるのがより好ましい。超純水の全有機炭素(total organic carbon:TOC)濃度は、好ましくは5ppm以下とするのがよい。超純水の比抵抗は、汚染物防止という理由から、好ましくは1MΩ以上、より好ましくは18MΩ以上とするのがよい。
洗浄する際に攪拌や超音波を併用することでより効果的に洗浄を行うことができる。
以下、本発明を実施例を用いてより具体的に説明する。なお、本発明が下記実施例に限定されることはない。
<実施例1>
(1)被覆工程
導電性担体としてカーボンブラック(Cabot社製バルカンXC72R、比表面積220m/g、平均粒子径30nm)50mgを、水1000mlに添加し、攪拌しながら超音波ホモジナイザーで均一に分散させてスラリーを得た。次に、塩化チタン(TiCl)30mg、錯化剤としてエチレンジアミン20mg、および、還元剤として次亜リン酸ナトリウム20gを、1000mlの水溶液とし、pH調整剤として水酸化ナトリウムによりpH5に調整した30℃の前記水溶液を、前記スラリーに全量を一度に投入した後、攪拌しながら超音波ホモジナイザーで10分間分散させた。そして、1時間攪拌した後、これをろ過し、洗浄液が中性になるまで水で数回洗浄し、さらに、真空乾燥機で100℃で乾燥させることにより、チタン被膜を有する導電性担体を得た。
(2)触媒粒子担持工程
チタンで被覆された導電性担体1gを、0.4質量%の白金を含有する塩化白金酸水溶液250g中にホモジナイザーを用いて十分に分散させた後、これにホルムアルデヒド20mlを加え、還流反応装置を使用して50℃に加熱し、白金の還元担持を行った。そして、室温まで放冷した後、これをろ過して、真空乾燥機で95℃で乾燥させることにより、触媒粒子として白金粒子が担持された前記導電性担体(Pt:担持量46質量%、平均粒子径5nm)を得た。
(3)チタン被膜の除去工程
図2に示すように、カーボンからなる導電性容器21(大きさ:直径20cm×深さ5cm、容量:約1500ミリリットル)に、電解液22として0.1mol/lの硫酸水溶液1000mlおよび上記工程(2)で得られた白金粒子が担持された導電性担体23を10g入れた後、カーボンからなる導電性蓋24(直径9.95mm)を電解液22と接触するように配置した。次ぎに、導電性容器21および導電性蓋24を、ポテンショスタット(北斗電工株式会社製 商品名HZ−5000)の入力部にそれぞれ接続し、電解液温度30℃、陽極電流密度0.22A/dmとして、3分間、電気分解を行うことにより、白金粒子が担持されていないチタン被膜の一部を除去した。次ぎに、電解液をろ過し、洗浄液が中性になるまで超純水(18.3MΩ、TOC濃度5ppm)で数回洗浄し、さらに、真空乾燥機で100℃で乾燥させることにより、電極触媒を得た。なお、電極触媒において、結着層は、被覆率が43%であり、平均直径50nmであり、チタンと白金粒子の質量比(チタン:白金)が3.5:1であった。
<実施例2>
(1)被覆工程
塩化金酸30mgを、塩化チタン(TiCl)の代わりに用いた以外は、実施例1の工程(1)と同様にして、金被膜を有する導電性担体を得た。
(2)触媒粒子担持工程
実施例1の工程(2)と同様にして、金被膜を有する導電性担体に触媒粒子として白金粒子を担持させた。
(3)金被膜の除去工程
シアン化カリウム6gおよび錯化剤としてクエン酸90gを、水1000mlに添加した後、pH調整剤として水酸化ナトリウムによりpH6とした30℃のシアン系水溶液1000mlに、上記工程(2)で得られた金被膜を有する導電性担体50gを添加した。混合液を攪拌しながら超音波ホモジナイザーで10分間分散させた後、1時間攪拌することにより、導電性担体上の白金粒子が担持されていない金被膜の一部を除去した。次に、混合液をろ過し、洗浄液が中性になるまで超純水(18.3MΩ、TOC濃度5ppm)で数回洗浄させ、さらに、真空乾燥機で100℃で乾燥させることにより、電極触媒を得た。なお、電極触媒において、結着層は、被覆率が60%であり、平均直径30nmであり、チタンと白金粒子の質量比(チタン:白金)が5:1であった。
<比較例1>
導電性担体としてカーボンブラック(Cabot社製バルカンXC72R、比表面積220m/g、平均粒子径30nm)1gを、0.4質量%の白金を含有する塩化白金酸水溶液250g中にホモジナイザーを用いて十分に分散させた後、これにホルムアルデヒド20mlを加え、還流反応装置を使用して50℃に加熱し、白金の還元担持を行った。そして、室温まで放冷した後、白金粒子が担持されたカーボブラックを濾別し、真空乾燥機で95℃で乾燥させることにより、導電性担体に触媒粒子として白金粒子が担持された電極触媒(Pt:担持量43質量%、平均粒子径6nm)を得た。
<評価>
実施例1および2、ならびに、比較例1で作製した各電極触媒の評価は、下記の通りにMEAを作製し、これの耐久性を評価することにより行った。
(1)MEAの作製
各電極触媒の重量に対して5倍量の精製水を加えた後、0.5倍量のイソプロピルアルコールを加え、さらにNafion(登録商標)の重量が1倍量になるようにNafion溶液(Aldrich社製 5wt%Nafion含有)を加えた。混合スラリーを超音波ホモジナイザーでよく分散させ、それに続いて減圧脱泡操作を加えることによってカソード側触媒スラリーを作製した。これをガス拡散層(GDL)であるカーボンペーパー(東レ株式会社製 TGP−H−90)の片面にスクリーン印刷法によって所望の厚さに応じて所定量の触媒スラリーを印刷し、60℃で24時間乾燥させることにより、ガス拡散層上にカソード側電極触媒層を作製した。
アノード側電極触媒層は、比較例1で調製した電極触媒を用い、カソード側電極触媒層と同様にしてガス拡散層上にアノード側電極触媒層を作製した。
電解質膜としてNafion112(厚さ:約50μm)を用い、これを先に作製した電極触媒層が形成された面が内側となるようにして各ガス拡散層を用いて挟持し、120℃、0.8MPaで10分間ホットプレスを行うことによりMEAを作製した。なお、カソード側電極触媒層およびアノード側電極触媒層は、厚さが約10μmであった。アノード、カソードともにPt使用量を見かけの電極面積1cmあたり0.5mgとし、電極面積は300cmとした。
(2)MEAの耐久性評価
作製したMEAを用いて燃料電池単セルを構成し、耐久性の評価を以下のような方法で行った。
まず、各評価用単セルの、アノード側に燃料として水素を供給し、カソード側には酸化剤として空気を供給した。両ガスとも供給圧力は大気圧とし、水素は58.6℃および相対湿度60%、空気は54.8℃および相対湿度50%、セル温度は70℃に設定し、水素利用率は67%、空気利用率は40%とした。この条件下で、電流密度1.0A/cmで発電させた際のセル電圧を初期セル電圧として測定した。
続いて、60秒間発電した後、発電を停止した。停止後、水素及び空気の供給を停止し、窒素ガスで単セルを置換し50秒間待機した。その後、10秒間アノード側に水素ガスを上記利用率で供給し、その後アノード側に水素ガス、カソード側に空気を上記と同様の条件で供給し、再度、1.0A/cmの電流密度で60秒間発電した。また、この時の負荷電流は30秒間で0A/cmから1A/cmに増大させた。この発電・停止動作を10000サイクル実施した。初期セル電圧と2000サイクル後のセル電圧とから、下記式に従ってセル電圧の保持率を求めることにより、耐久性を評価した。
Figure 2006127980
各評価用単セルの、初期セル電圧および耐久性の評価結果を下記表1に示す。
Figure 2006127980
本発明の電極触媒は耐久性に優れるため、高い発電性能を長期に亘り安定して示すことが所望される燃料電池として有用である。
図1は、本発明の電極触媒における触媒粒子の担持形態を説明するための模式図である(図1(A)は本発明の電極触媒全体の模式図であり、図1(B)は図1(A)において円で囲った部分を拡大した模式断面図である)。 本発明の電極触媒の製造方法において、結着層の一部を電気分解により除去する方法を説明するための図である。
符号の説明
11…導電性担体、
12…結着層、
13…触媒粒子、
21…導電性容器、
22…電解液、
23…結着層上に触媒粒子が担持されてなる導電性担体、
24…導電性蓋、
25…ポテンショスタット。

Claims (8)

  1. 燃料電池用電極触媒であって、
    導電性担体の少なくとも一部に金属単体からなる結着層を有し、前記結着層上に触媒粒子が担持されてなる燃料電池用電極触媒。
  2. 前記金属単体が、Tiおよび/またはAuからなる請求項1記載の燃料電池用電極触媒。
  3. 前記結着層による被覆率が、前記導電性担体の全表面積の50%以下である請求項1または2記載の燃料電池用電極触媒。
  4. 前記結着層が、前記導電性担体上に平均直径10nm〜200μmとして分散される請求項1〜3のいずれかに記載の燃料電池用電極触媒。
  5. 前記金属単体に対する前記触媒粒子の質量比(前記金属単体:前記触媒粒子)が、3:1以上である請求項1〜4のいずれかに記載の燃料電池用電極触媒。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の燃料電池用電極触媒を用いた燃料電池。
  7. 導電性担体表面を金属単体で被覆して結着層を形成する工程(a)と、前記結着層上に触媒粒子を担持させる工程(b)と、前記触媒粒子が担持されずに露出している前記結着層の少なくとも一部を除去する工程(c)と、を含む燃料電用電極触媒の製造方法。
  8. 前記工程(c)の後、得られた燃料電池用電極触媒を超純水により洗浄する工程(d)をさらに含む、請求項7記載の燃料電池用電極触媒の製造方法。
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