本発明に係る物品搬送装置及びこれを備えた物品収納設備の実施形態について図面に基づいて説明する。物品収納設備は、図1及び図2に示すように、物品出し入れ方向が互いに対向するように間隔を隔てて設置した2つの物品収納棚1と、2つの物品収納棚1同士の間に形成された直線状の移動通路2(移動経路に相当する。)を移動する物品搬送装置としてのスタッカークレーン3とが設けられている。
各物品収納棚1は、前後一対の支柱1aが棚横幅方向に間隔を隔てて複数立設され、棚横幅方向に隣接する支柱1aの間を上下複数枚の棚板1bで連結して構成されている。棚板1bは、棚前後方向の前方側に物品4の一部を突出させる状態で物品4を載置支持するように構成されている。各棚板1bには、収納部6(移載対象箇所の一例)が棚横幅方向に複数並ぶ状態で設定されており、棚板1bは、棚横幅方向に複数の物品4が並ぶ状態で複数の物品4を載置支持するように構成されている。このようにして、収納部6を縦横に複数並べて備えた物品収納棚1が移動通路2の横幅方向(図1紙面左右方向。棚前後方向ともいう。)の両側に設けられている。
スタッカークレーン3として、移動通路2を中心として、棚前後方向において一方側(図1及び図2紙面右側。以下、同じ。)を移動する第1スタッカークレーン3a(以下、1号機3aと呼ぶ。)と、棚前後方向において他方側(図1及び図2紙面左側。以下、同じ。)を移動する第2スタッカークレーン3b(以下、2号機3bと呼ぶ。)とが設けられている。移動通路2の床面には、下部レール7が棚横幅方向に沿って平行に2本敷設され、移動通路2の上方には、横倒れ防止用の上部レール8が棚横幅方向に沿って平行に2本配置されている。2本の下部レール7及び上部レール8のうち、棚前後方向の一方側に配置されているものは、1号機3aを移動通路2に沿って移動させるためのものであり、棚前後方向の他方側に配置されているものは、2号機3bを移動通路2に沿って移動させるためのものである。1号機3a及び2号機3bの夫々は、下部レール7及び上部レール8の案内により棚横幅方向の物品収納棚1の全長及び物品収納棚1の端部より棚横幅方向で外方側に設けられた搬出入部としての入出庫コンベヤ5(移載対象箇所の一例)に亘って移動通路2を往復移動自在に設けられている。
上述の通り、入出庫コンベヤ5や収納部6はスタッカークレーン3の移動通路2の両側に位置しているので、本実施形態では、移載対象箇所が移動体の移動経路の両側に分散配置される形態で複数設けられている。なお、必要に応じて、図1において移動通路2の紙面右側に位置するものを右入出庫コンベヤ5R、右収納部6Rとし、図1において移動通路2紙面左側に位置するものを左入出庫コンベヤ5L、左収納部6Lとして説明することにする。
以下、1号機3a及び2号機3bについて説明するが、1号機3a及び2号機3bは、移動通路2に配置される向きが異なるだけで、構造的には同じである。よって、同じ構造については、1号機3aと2号機3bとを区別することなく、スタッカークレーン3と総称して説明する。
スタッカークレーン3は、下部レール7に沿って走行自在な走行台車9と、その走行台車9に走行方向で間隔を隔てて立設された前後一対の昇降案内マスト10に沿って昇降自在な昇降台11とを備えている。
走行台車9は、棚横幅方向に長い扁平形状に形成され、1号機3aの走行台車9と2号機3bの走行台車9とが、互いにすれ違い移動可能な状態で移動通路2を移動するように構成されている。
1号機3aの昇降案内マスト10は、棚前後方向の一方側に寄せた状態で走行台車9に設けられ、2号機3bの昇降案内マスト10は、棚前後方向の他方側に寄せた状態で走行台車9に設けられている。
1号機3aの昇降台11は、2号機3bの昇降案内マスト10に当接しないように1号機3aの昇降案内マスト10から棚前後方向に延びる状態で昇降案内マスト10にて片持ち支持されている。2号機3bの昇降台11も、1号機3aの昇降案内マスト10に当接しないように2号機3bの昇降案内マスト10から棚前後方向に延びる状態で昇降案内マスト10にて片持ち支持されている。
昇降案内マスト10は、その上端部が上部レール8の下端部よりも高くなるように構成されている。昇降案内マスト10の上端部分には、上部レール8を挟み込む状態で設けられた2つの上部ガイドローラ14が棚前後方向に延びる支持体13にて支持されている。この2つの上部ガイドローラ14と上部レール8との当接により、棚前後方向でのスタッカークレーン3の移動が規制されている。
1号機3a及び2号機3bのそれぞれの昇降台11は、一対の昇降案内マスト10の夫々に設けられた昇降用レール15に嵌合して一対の昇降案内マスト10により上下方向に昇降自在に案内支持されている。昇降台11には、昇降台11を昇降させるための昇降用チェーン16の一端部が連結されている。その昇降用チェーン16は、昇降案内マスト10の上部に設けられた上部スプロケット17に巻回され、且つ、走行台車9に設けられた図外の下部スプロケットに巻回されて、他端部が昇降台11に連結されている。昇降用チェーン16に対して、昇降用電動サーボモータMV1・MV2にて回転駆動される駆動スプロケット19が係合するように設けられている。このように、昇降用電動サーボモータMV1・MV2の正逆回転駆動により昇降用チェーン16をその巻回経路方向に移動操作させると、昇降台11が一対の昇降案内マスト10に沿って上下に昇降するように構成されている。
走行台車9には、下部レール7上を回転自在な走行車輪18が前後一対設けられている。一対の走行車輪18の一方は、走行用電動サーボモータMH2・MH2にて回転駆動される駆動車輪18aとして構成され、他方は遊転回転自在な従動車輪18bとして構成されている。
このように、本実施形態では、走行台車9及び昇降台11が、移載対象箇所としての収納部6及び入出庫コンベヤ5に対して移動手段としての走行用電動サーボモータMH2・MH2及び昇降用電動サーボモータMV1・MV2により移動自在に構成されており、走行台車9及び昇降台11が移動体を構成している。
昇降台11は、図3に示すように、昇降用チェーン16が連結され、前後一対の昇降用レール15に嵌合する一対の昇降ブロック33に昇降枠34が一体連結されて構成されている。昇降枠34は一対の昇降ブロック33の夫々に溶接により固定された一対のフレーム部材34aと、移載方向に間隔を隔てて前後方向に沿って平行に設けられて一対のフレーム部材34aの移載方向での両端部同士を連結するメインフレーム部材34bとで矩形状の枠体にて構成されている。また、図5及び図8に示すように、一対のメインフレーム部材34bは、その長手方向の複数箇所に配置された複数(4本)の補助フレーム部材34cにて互いに連結されている。
昇降台11には、収納部6及び入出庫コンベヤ5の夫々について設定された移載用位置に位置した状態で収納部6及び入出庫コンベヤ5との間で物品4を移載可能な物品移載装置12が設けられている。
移載用位置は、収納部6や入出庫コンベヤ5に移載方向で対向する位置であって、走行台車9の走行方向及び昇降台11の昇降方向について設定された位置である。前記走行方向に関しては、物品移載装置12が収納部6や入出庫コンベヤ5の移載用位置に位置したときに、収納部6や入出庫コンベヤ5の走行方向での中心と、物品移載装置12に載置支持される物品4の走行方向での中心とが一致するような位置に設定される。前記昇降方向に関しては、収納部6や入出庫コンベヤ5から物品4を受け取る場合は、物品移載装置12が収納部6や入出庫コンベヤ5の移載用位置に位置したときに、収納部6や入出庫コンベヤ5における物品4の載置支持面(収納部6では棚板1bの上面であり、入出庫コンベヤ5ではコンベヤ搬送面)よりも設定量低い高さに設定され、収納部6や入出庫コンベヤ5に物品4を受け渡す場合は、物品移載装置12が収納部6や入出庫コンベヤ5の移載用位置に位置したときに、収納部6や入出庫コンベヤ5における物品4の載置支持面(収納部6では棚板1bの上面であり、入出庫コンベヤ5ではコンベヤ搬送面)よりも設定量高いに設定される。つまり、受け取り用の移載用位置と受け渡し用の移載用位置とで高さ方向で上記設定量の2倍だけ異なった位置となっている。
物品移載装置12は、図3及び図4に示すように、物品4を載置支持して搬送する搬送ベルト20として、移載方向での搬送作用箇所Kの長さが変化しない固定長搬送ベルト20sと、移載方向での搬送作用箇所Kの長さが伸縮する可変長搬送ベルト20vとを備えている。これらの複数の搬送ベルト20は、移載方向で並ぶ状態で設けられている。そして、搬送ベルト20を移載方向である棚前後方向に沿って移載作動させるベルト駆動手段MCとして、固定長搬送ベルト20sについてのベルト駆動手段MCs及び可変長搬送ベルト20vについてのベルト駆動手段MCvが設けられている。
また、物品移載装置12には、図3に示すように、搬送ベルト20に載置支持される物品4を移載方向の左右両側から把持する把持位置Pcと、この把持位置Pcにおける間隔よりも把持解除用間隔だけ広い間隔にて物品4に対する把持を解除する把持解除位置Poとに亘って互いに接近離間自在で、かつ、移載方向に出退自在な一対のクランプ部21と、一対のクランプ部21を接近離間作動させる把持駆動手段としての単一の把持用電動サーボモータMKと、一対のクランプ部21を移載方向に沿って出退作動させる出退駆動手段としての一対の出退用電動サーボモータMPが設けられている。なお、図4では、接近離間範囲における最大離間位置にあるときの一対のクランプ部21を実線にて示し、接近離間範囲における最大接近位置にあるときの一対のクランプ部21を仮想線にて示している。
図6及び図7に示すように、固定長搬送ベルト20sは、第1端部及び第2端部を有する有端ベルトであり、移載方向で間隔を隔てて配置された第1案内部としての第1曲面部G1及び第2案内部としての第2曲面部G2を備えた第1キャリアプレート35及び第2キャリアプレート36にて巻回案内されて、第1キャリアプレート35及び第2キャリアプレート36の水平面部分により、固定長搬送ベルト20sについての移載方向に沿う移載作用箇所Ksが形成される状態で配置されている。
固定長ベルト20sの移載方向の長さは、移載作用箇所Ksの移載方向での長さの3倍の長さに、第1曲面部G1から第1ローラR1までの巻回経路に沿った長さと第2曲面部G2から第2ローラR2までの巻回経路に沿った長さとを加えた長さとなっている。そして、通常は第1ローラR1が送り出し可能な巻き取り量と第2ローラR2が送り出し可能な巻き取り量とが同じになる中立巻取状態となっている。中立巻取状態であれば、後述する順方向移載作動又は逆方向移載作動のいずれの方向であっても固定長ベルト20sを1回だけ移載作動させることができる。
固定長搬送ベルト20sの第1端部は第1ローラR1に接続され、第2端部は第2ローラR2に接続され、図6、図7及び図9に示すように、第1ローラR1は第1モータM1により正逆双方向に回転作動され第2ローラR2は第2モータM2により正逆双方向に回転作動される。
そして、第1モータM1及び第2モータM2を互いに反対方向に回転作動させることで、固定長搬送ベルト20sに順方向移載作動及び逆方向移載作動を行わせることができるようになっている。
すなわち、第1モータM1を正転作動させ第2モータM2を逆転作動させることで、図6及び図7において実線の矢印で示すように、第1ローラR1にて固定長搬送ベルト20sを巻き取りかつ第2ローラR2にて固定長搬送ベルト20sを送り出して、移載作用箇所Ksにおける固定長搬送ベルト20sの張力を物品移載用張力Tとした状態で移載作動させる順方向移載作動を行わせることができるようになっており、また、第1モータM1を逆転作動させ第2モータM2を正転作動させることで、図6及び図7において点線の矢印で示すように、第2ローラR2にて固定長搬送ベルト20sを巻き取りかつ第1ローラR1にて固定長搬送ベルト20sを送り出して、移載作用箇所Ksにおける固定長搬送ベルト20sの張力を物品移載用張力Tとした状態で移載作動させる逆方向移載作動を行わせることができるようになっている。
このように、第1ローラR1が第1巻き取りローラに相当し、第2ローラR2が第2巻き取りローラに相当し、第1モータM1及び第2モータM2により固定長搬送ベルト20sについてのベルト駆動手段MCsが構成されている。
図6及び図7に示すように、可変長搬送ベルト20vは、第1端部及び第2端部を有する有端ベルトであり、移載方向で間隔を隔てて配置された第1案内部としての第3曲面部G3及び第2案内部としての第4曲面部G4を備えた第3キャリアプレート37及び第4キャリアプレート38にて巻回案内されて、第3キャリアプレート37及び第4キャリアプレート38の水平面部分により、可変長搬送ベルト20vについての移載方向に沿う移載作用箇所Kvが形成される状態で配置されている。
可変長ベルト20vの移載方向の長さは、移載作用箇所Kv及び後述する延長移載作用箇所Kxの移載方向での長さの3倍の長さに、第3曲面部G3から第3ローラR3までの巻回経路に沿った長さと第4曲面部G4から第4ローラR4までの巻回経路に沿った長さとを加えた長さとなっている。そして、通常は第3ローラR3が送り出し可能な巻き取り量と第4ローラR4が送り出し可能な巻き取り量とが同じになる中立巻取状態となっている。中立巻取状態であれば、順方向移載作動又は逆方向移載作動のいずれの方向であっても可変長ベルト20vを1回だけ移載作動させることができる。
可変長搬送ベルト20vの第1端部は第3ローラR3に接続され、第2端部は第4ローラR4に接続され、図4及び図9に示すように、第3ローラR3は第3モータM3により正逆双方向に回転作動され第4ローラR4は第4モータM4により正逆双方向に回転作動される。
そして、第3モータM3及び第4モータM4を互いに反対方向に回転作動させることで、可変長搬送ベルト20vに順方向移載作動及び逆方向移載作動を行わせることができるようになっている。
すなわち、第3モータM3を正転作動させ第4モータM4を逆転作動させることで、図6及び図7において実線の矢印で示すように、第3ローラR3にて可変長搬送ベルト20vを巻き取りかつ第4ローラR4にて可変長搬送ベルト20vを送り出して、移載作用箇所Kvにおける可変長搬送ベルト20vの張力を物品移載用張力Tとした状態で移載作動させる順方向移載作動を行わせることができるようになっており、また、第3モータM3を逆転作動させ第4モータM4を正転作動させることで、図6及び図7において点線の矢印で示すように、第4ローラR4にて可変長搬送ベルト20vを巻き取りかつ第3ローラR3にて可変長搬送ベルト20vを送り出して、移載作用箇所Kvにおける可変長搬送ベルト20vの張力を物品移載用張力Tとした状態で移載作動させる逆方向移載作動を行わせることができるようになっている。
このように、第3ローラR3が第1巻き取りローラに相当し、第4ローラR4が第2巻き取りローラに相当し、第3モータM3及び第4モータM4により可変長搬送ベルト20vについてのベルト駆動手段MCvが構成されている。
上記説明の通り、本実施形態では、順方向移載作動は、搬送ベルト20の移載作用箇所Kが、昇降台11が昇降案内マスト10から延びる方向と反対の方向に作動する移載作動となっており、逆方向移載作動は、搬送ベルト20の移載作用箇所Kが、昇降台11が昇降案内マスト10から延びる方向に作動する移載作動となっている。したがって、1号機3aの物品移載装置12については、搬送ベルト20の順方向移載作動により図1及び図2において紙面左から右に向かう方向の物品移載が行われ、搬送ベルト20の逆方向移載作動により図1及び図2において紙面右から左に向かう方向の物品移載が行われる。反対に、2号機3bの物品移載装置12については、搬送ベルト20の逆方向移載作動により図1及び図2において紙面左から右に向かう方向の物品移載が行われ、搬送ベルト20の順方向移載作動により図1及び図2において紙面右から左に向かう方向の物品移載が行われる。
本件実施形態のように、移載方向で2つの搬送ベルト20を設けることで、搬送ベルト20の張力を物品移載用張力Tとした状態で移載作動させるときのそれぞれの搬送ベルト20の移載方向での伸び量は、一つの搬送ベルト20を物品移載用張力Tとした状態で移載作動するときの搬送ベルト20の移載方向での伸び量よりも小さくできる。したがって、移載方向で2つの搬送ベルト20を設けることで、張力による搬送ベルト20の移載方向での伸びの影響を低減させた状態で移載作動を制御できるので、搬送ベルト20の移載作動の制御を精度よく行うことが可能となる。
次に、固定長搬送ベルト20sの巻回案内経路を形成する構成並びにこの固定長搬送ベルト20sを移載作動させる第1モータM1及び第2モータM2の配置と、可変長搬送ベルト20vの巻回案内経路を形成する構成並びにこの可変長搬送ベルト20vを移載作動させる第3モータM3及び第4モータM4の配置とについて説明する。
固定長搬送ベルト20sの巻回経路は、図6及び図7に示すように、固定長搬送ベルト20sの移載作用箇所Ksの下方に配置される第1キャリアプレート35及び第2キャリアプレート36、並びに、これらのキャリアプレートの下方側に配置される第1ローラR1及び第2ローラR2にて形成されている。
第1キャリアプレート35及び第2キャリアプレート36は、図6及び図7並びに図8及び図9に示すように、昇降台11の昇降枠34の上方においてメインフレーム部材34bの長手方向の複数箇所に配置された4つの支持板40にて支持されている。支持板40は、補助フレーム部材34cに対応した位置に配置されており、メインフレーム部材34b及び補助フレーム部材34cの双方にボルト連結されている。
また、図6及び図7に示すように、4枚の支持板40のうち、内方に位置する一対の中間支持板40Mには、第1ローラR1及びこれに巻き取られる固定長搬送ベルト20sとの干渉を回避するための第1切り欠け部41、並びに、第2ローラR2及びこれに巻き取られる固定長搬送ベルト20sとの干渉を回避するための第2切り欠け部42が形成されている。
第1ローラR1及び第2ローラR2は、図9に示すように、第1キャリアプレート35及び第2キャリアプレート36を支持する4枚の支持板40のうち外方に位置(固定長搬送ベルト20sの幅方向の両端に位置)する一対の端部支持板40Tに設けられたボス45にて両端部が回転自在に支持されている。図6及び図7に示すように、第1ローラR1及び第2ローラR2は、第1キャリアプレート35及び第2キャリアプレート36の下方側でかつ移載方向で移載作用箇所Ksの範囲内に双方の回転軸心が位置する状態で互いに平行に設置されている。
第1モータM1及び第2モータM2は、サーボモータであり、図4及び図9に示すように、一対の端部支持板40Tの一方にボルト固定されるモータ取付ブラケット46にて、駆動軸心が上下方向に沿う状態でかつ回り止めされた状態で、第1ローラR1及び第2ローラR2の駆動入力側の端部に、横軸心の出力に変換する減速機47を介して取り付けられている。
可変長搬送ベルト20vの巻回経路は、図6及び図7に示すように、可変長搬送ベルト20vの移載作用箇所Kvの下方に配置される第3キャリアプレート37及び第4キャリアプレート38、作用位置Px(図6に示す位置)と非作用位置Ps(図7に示す位置)とに位置変更自在な延長キャリアプレート39、並びに、第3キャリアプレート37及び第4キャリアプレート38の下方側に配置される第3ローラR3及び第4ローラR4にて形成されている。
第3キャリアプレート37及び第4キャリアプレート38は、図6及び図7並びに図8及び図9に示すように、昇降台11の昇降枠34の上方においてメインフレーム部材34bの長手方向の複数箇所に配置された4つの支持板50にて支持されている。支持板50は、補助フレーム部材34cに対応した位置に配置されており、メインフレーム部材34b及び補助フレーム部材34cの双方にボルト連結されている。
また、図6及び図7に示すように、4枚の支持板50のうち、内方に位置する一対の中間支持板50Mには、第3ローラR3及びこれに巻き取られる可変長搬送ベルト20vとの干渉を回避するための第3切り欠け部43、並びに、第4ローラR4及びこれに巻き取られる可変長搬送ベルト20vとの干渉を回避するための第4切り欠け部44が形成されている。
第3ローラR3及び第4ローラR4は、図9に示すように、第3キャリアプレート37及び第4キャリアプレート38を支持する4枚の支持板50のうち外方に位置(可変長搬送ベルト20vの幅方向の両端に位置)する一対の端部支持板50Tに設けられたボス45にて両端部が回転自在に支持されている。図6及び図7に示すように、第3ローラR3及び第4ローラR4は、第3キャリアプレート37及び第4キャリアプレート38の下方側でかつ移載方向で移載作用箇所Kvの範囲内に双方の回転軸心が位置する状態で互いに平行に設置されている。
第3モータM3及び第4モータM4は、サーボモータであり、図4及び図9に示すように、一対の端部支持板50Tの一方にボルト固定されるモータ取付ブラケット46にて、駆動軸心が上下方向又は斜め方向に沿う状態でかつ回り止めされた状態で、第3ローラR3及び第4ローラR4の駆動入力側の端部に、横軸心の出力に変換する減速機47を介して取り付けられている。
第3モータM3は、モータ駆動軸を鉛直方向から傾けた状態で取り付けてある。これは、一対のクランプ部21が最大離間位置(図3の実線で示す位置)に位置したときに、一対のクランプ部21を出退作動させる一対の出退駆動部62のうち、第1モータM1〜第4モータM4が配置されている側のものとの干渉を回避するためである。
物品移載装置12は、図6及び図7に示すように、第3巻ローラR3から第3曲面部G3及び第4曲面部G4を経由して第4ローラR4までの可変長搬送ベルト20vの巻回経路を標準巻回経路Lsとする非作用位置Psと、巻回経路を移載方向で装置外方側(昇降台11が昇降案内マスト10から延びる側。図1〜図3参照。)に延出させて移載作用箇所Kvに移載方向で装置外方側に連続する延長移載作用箇所Kxを形成する延長巻回経路Lxとする作用位置Pxに位置変更自在な延長移載作用箇所形成部材としての延長キャリアプレート39を備えて構成されている。
延長キャリアプレート39は、図6〜図8に示すように、4枚の支持板50に設けられたボス48にて回転自在に支持された回転シャフト49に対して、その軸心方向の4箇所に間隔を隔てて設けられた揺動アーム51及び揺動リンク52にて水平軸心回りに揺動自在に支持されている。図8に示すように、回転シャフト49のベルト幅方向で第1モータM1〜第4モータM4が設けられている側とは反対側の端部にはサーボモータからなる延長プレート揺動用モータMXが設けられている。
延長プレート揺動用モータMXによる回転シャフト49の回転作動により、延長キャリアプレート39は、非作用位置Ps(図7に示す位置)と作用位置Px(図6に示す位置)との間で揺動操作される。延長キャリアプレート39は、作用位置Pxにおいて移載方向で装置外方側において第3曲面部G3に横向き姿勢で隣接し、非作用位置Psでは、横向き姿勢の作用位置から水平軸心回りに90度回転した縦向き姿勢で下方側に退避した箇所に位置する。
延長キャリアプレート39の位置が非作用位置Psから作用位置Pxに位置変更されると、可変長搬送ベルト20vの巻回経路が標準巻回経路Lsから移載方向で装置外方側に延出するように変化して延長巻回経路Lxに変更され、移載作用箇所Kvに昇降台11が昇降案内マスト10から延びる方向に連続する延長移載作用箇所Kxが形成される。
なお、延長キャリアプレート39の揺動操作量は、延長プレート揺動用モータMXの回転作動量を制御することで適正な揺動量に制御される。この場合、延長プレート揺動用モータMXのサーボ機構を用いて回転作動量を制御してもよいし、延長キャリアプレート39が非作用位置Ps及び作用位置Pxに位置していることを検出するプレート位置検出手段として光センサやリミットスイッチ等を設けて、プレート位置検出手段の検出情報に基づいて延長プレート揺動用モータMXの回転作動量を制御してもよい。
また、延長キャリアプレート39を位置変更させるときは、第3モータM3は回転作動させないロック状態としておく。そして、延長キャリアプレート39を非作用位置Psから作用位置Pxに位置変更する場合は、第4モータM4をトルク制御モードで送り出し方向(順方向移載作動における回転方向と同じ回転方向)に回転作動させ、延長キャリアプレート39を作用位置Pxから非作用位置Psに位置変更する場合は、第4モータM4をトルク制御モードで巻き取り方向(逆方向移載作動における回転方向と同じ回転方向)に回転作動させる。これにより、可変長搬送ベルト20vは、弛むことなく、かつ、過度の張力が発生することなく、その巻回経路が標準巻回経路Lsと延長巻回経路Lxとに切り換えられる。
次に、物品移載装置12が備える一対のクランプ部21について説明する。図4及び図5に示すように、クランプ部21は、移載方向に直交する向き(以下、ベルト幅方向という。)に沿う状態で昇降枠34に設けられた一対のガイドレール54・54に移動案内される一対のクランプ支持体55の対向内面側に取り付けられている。
図4に示すように、一対のクランプ支持体55の上部側部分における移載方向での全長は、固定長搬送ベルト20sと可変長搬送ベルト20vとの間に形成されるクランプ支持体移動用の隙間の移載方向での幅よりも短くなっており、一対のクランプ支持体55の上部側部分が固定長搬送ベルト20sと可変長搬送ベルト20vの搬送面から突出している。
一対のガイドレール54・54は、図4、図6及び図7に示すように、昇降枠34の複数の補助フレーム部材34cに亘って取り付けられたベルト幅方向に長尺状のベース部材53に、水平方向に沿ってかつベルト幅方向に沿う状態で取り付けられている。
図4及び図5に示すように、クランプ支持体55の下端部には、一対のガイドレール54・54に摺動自在に係合するスライドブロック56が取り付けられている。スライドブロック56は、一対のガイドレール54・54の長手方向(ベルト幅方向)及び並び方向(移載方向)に夫々一対設けられており、一つのクランプ支持体55には、合計4個のスライドブロック56が取り付けられている。
図5に示すように、ベース部材53の両端部に、縦軸心回りに回転自在な一対のタイミングプーリ57が設けられ、この一対のタイミングプーリ57に無端クランプベルト58が巻き掛けられている。一対のタイミングプーリ57のうち、ベルト幅方向で第1モータM1〜第4モータM4が設けられている側とは反対側(図3及び図9参照)に位置するものは、把持用電動サーボモータMKにて回転駆動される駆動プーリ57aとなっている。一対のタイミングプーリ57のうち、ベルト幅方向で第1モータM1〜第4モータM4が設けられている側と同じ側(図3及び図9参照)に位置するものは従動プーリ57bとなっている。
図4及び図5に示すように、無端クランプベルト58の移載方向一方側に一対のクランプ支持体55の一方が連結部材59にて連結固定され、無端クランプベルト58の移載方向他方側に一対のクランプ支持体55の他方が連結部材59にて連結固定されている。
以上のような構成により、把持用電動サーボモータMKを正逆に回転作動させて無端クランプベルト58を正逆に巻回作動させると、一対のクランプ支持体55は、固定長搬送ベルト20sと可変長搬送ベルト20vとの間に形成される支持体移動用の隙間から上部側部分を突出させた状態で、一対のガイドレール54・54に移動案内されて、ベルト幅方向に互いに接近離間移動するようになっている。
図3〜図5に示すように、一対のクランプ支持体55の上端部には、クランプ用基台60がブラケット61を介して出退駆動部62と一体的に連結されている。図3及び図5に示すように、クランプ用基台60に、3段式のフォークにて構成されたクランプ部21が取り付けられている。クランプ部21のプライマリーフォークの移載方向両端部には、物品4の角部に係止させるツメ部21aが形成されている。出退駆動部62は、その上部に取り付けられた出退用電動サーボモータMPの正逆の回転作動により、クランプ部21を移載方向に出退作動させる。
このような構成により、一対のクランプ部21は、固定長搬送ベルト20s及び可変長搬送ベルト20vに載置支持される物品4を移載方向の左右両側から把持する把持位置Pcと、把持位置Pcにおける間隔よりも把持解除用間隔だけ広い間隔にて物品4に対する把持を解除する把持解除位置Poとに亘って互いに接近離間自在で、かつ、移載方向に出退自在となっている。
なお、把持位置Pc及び把持解除位置Poは、物品4の大きさに応じて異なる位置が設定される。すなわち、把持位置Pcは、物品4のベルト幅方向の長さに基づいて設定されており、把持解除位置Poは一対のクランプ部21の間隔が把持位置Pcにおけるものよりも把持解除用間隔(例えば、接近離間方向で両側25[mm]ずつ合計50[mm])だけ広い位置に設定されている。
図3に示すように、固定長搬送ベルト20s及び可変長搬送ベルト20vのクランプ支持体移動用の隙間には、回転軸心がベルト幅方向に沿うフリーローラ63が設けられている。フリーローラ63は、図5〜図7に示すように、ベース部材53にベルト幅方向に間隔を隔てて固定状態で立設された一対のローラ支持ブラケット64により、長手方向の両端部を回転自在に支持されている。
次に、1号機3a及び2号機3bの制御システムについて説明する。図1に示すように、1号機3a及び2号機3bの作動を制御する地上側コントローラHが、走行通路2の一方側の端部に設置されている。図3の制御ブロック図に示すように、地上側コントローラHは、赤外線を利用した無線通信装置としての光通信ユニット22・26により1号機3a及び2号機3bとの間で制御情報を双方向通信可能となっている。
地上側コントローラHにプログラム形式で備えられた第1クレーン制御手段31が、1号機3aに搭載された昇降用サーボアンプSV1、走行用サーボアンプSH1、及び、移載用サーボアンプSC1と光通信ユニット22にて制御情報を送受信することで、1号機3aについて、走行台車9及び昇降台11を移動作動させて移載対象箇所としての入出庫コンベヤ5や収納部6についての移載用位置に位置させたのち、搬送ベルト20(固定長搬送ベルト20s及び可変長搬送ベルト20v)を移載作動させて入出庫コンベヤ5や収納部6との間で物品4を移載するべく、昇降用電動サーボモータMV1及び走行用電動サーボモータMH1並びにベルト駆動手段MC(固定長搬送ベルト20sについてのベルト駆動手段MCs及び可変長搬送ベルト20vについてのベルト駆動手段MCv)の作動を制御する搬送制御を行う。
すなわち、地上側コントローラHの第1クレーン制御手段31、並びに、昇降用サーボアンプSV1、走行用サーボアンプSH1、及び、移載用サーボアンプSC1にて1号機3aについての制御手段を構成している。
同様に、図3における地上側コントローラHの第2クレーン制御手段32、並びに、昇降用サーボアンプSV2、走行用サーボアンプSH2、及び、移載用サーボアンプSC2にて2号機3bについての制御手段を構成している。
なお、第1クレーン制御手段31及び第2クレーン制御手段32は、制御対象のサーボモータのそれぞれを、速度制御モードやトルク制御モードの各制御モードで制御できるように構成されている。速度制御モードでは、サーボモータの出力軸の作動速度が目標速度となるように、また、作動開始からの作動量が目標作動量となるように、サーボモータの作動速度と作動量が同時に制御される位置速度同時制御が行われる。トルク制御モードでは、サーボモータの出力軸のトルクが目標トルクとなるように、サーボモータの作動トルクが制御される。なお、サーボアンプは制御対象のサーボモータの数に応じて複数のサーボアンプを用いればよい。
図3の制御ブロック図に示すように、1号機3a及び2号機3bには、昇降経路における各昇降台11の昇降位置を検出する昇降用レーザ距離計23・27が設けられている。昇降用レーザ距離計23・27は、走行台車9に設けられており、図外の昇降用反射体に向けて上下方向に沿って測距用光(レーザ光)を投光してこの昇降用反射体にて反射された光を受光することにより、棚上下方向での昇降用反射体までの距離を計測するように構成されている。
1号機3a及び2号機3bには、移動通路2における各走行台車9の走行位置を検出する走行用レーザ距離計25・29が設けられている。走行用レーザ距離計25・29は、走行台車9に設けられており、棚横幅方向に沿って図外の走行用反射体に向けて測距用光(レーザ光)を投光してこの走行用反射体にて反射された光を受光することにより、棚横幅方向での走行用反射体までの距離を計測するように構成されている。
1号機3aの昇降用レーザ距離計23及び走行用レーザ距離計25による1号機3aの昇降台11の昇降位置情報及び走行台車9の走行位置情報が光通信ユニット22により地上側コントローラHに送信される。そして、第1クレーン制御手段31が、これらの情報に基づいて、1号機3aの昇降用電動サーボモータMV1及び走行用電動サーボモータMH1の作動を昇降用サーボアンプSV1及び走行用サーボアンプSH1を通して制御することで、1号機3aの走行台車9の走行作動及び昇降台11の昇降作動を制御する。
同様に、2号機3bの昇降用レーザ距離計27及び走行用レーザ距離計29による2号機3bの昇降台11の昇降位置情報及び走行台車9の走行位置情報が光通信ユニット26により地上側コントローラHに送信される。そして、第2クレーン制御手段32が、これらの情報に基づいて、2号機3bの昇降用電動サーボモータMV2及び走行用電動サーボモータMH2の作動を昇降用サーボアンプSV2及び走行用サーボアンプSH2を通して制御することで、2号機3bの走行台車9の走行作動及び昇降台11の昇降作動を制御する。
そして、第1クレーン制御手段31と第2クレーン制御手段32とが協働して、2台のスタッカークレーン3の作動を制御することで、1号機3aと2号機3bとが相互に干渉しないようにしながらすれ違うことが可能となっている。これにより、1号機3a及び2号機3bのいずれもが左右の物品収納棚1の全ての収納部6L・6R及び左右の入出庫コンベヤ5L・5Rに対する物品4の移載が可能となっている。
また、第1クレーン制御手段31は1号機3aの物品移載装置12に備えられた各種のセンサの検出情報に基づいて、移載用サーボアンプSC1を通して、搬送ベルト20の移載作動並びに一対のクランプ部21の接近離間作動及び出退作動を制御する。第2クレーン制御手段32は2号機3bの物品移載装置12に備えられた各種のセンサの検出情報に基づいて、移載用サーボアンプSC2を通して、搬送ベルト20の移載作動並びに一対のクランプ部21の接近離間作動及び出退作動を制御する。
これにより、1号機3aの物品移載装置12は、移載作動として順方向移載作動を行うことにより、移動通路2の左側に位置する入出庫コンベヤ5や収納部6から物品4を受け取り自在で且つ移動通路2の右側に位置する入出庫コンベヤ5や収納部6に物品4を受け渡し自在に構成され、且つ、移載作動として逆方向移載作動を行うことにより、移動通路2の右側に位置する入出庫コンベヤ5や収納部6に物品4を受け渡し自在で且つ移動通路2の左方側に位置する入出庫コンベヤ5や収納部6から物品4を受け取り自在に構成されている。
2号機3bの物品移載装置12は、移載作動として逆方向移載作動を行うことにより、移動通路2の左側に位置する入出庫コンベヤ5や収納部6から物品4を受け取り自在で且つ移動通路2の右側に位置する入出庫コンベヤ5や収納部6に物品4を受け渡し自在に構成され、且つ、移載作動として順方向移載作動を行うことにより、移動通路2の右側に位置する入出庫コンベヤ5や収納部6に物品4を受け渡し自在で且つ移動通路2の左方側に位置する入出庫コンベヤ5や収納部6から物品4を受け取り自在に構成されている。
以下、第1クレーン制御手段31及び第2クレーン制御手段32の制御構成を説明するが、第2クレーン制御手段32は、順方向移載作動及び逆方向移載作動における搬送ベルト20の搬送作動の向きが第1クレーン制御手段31による搬送ベルト20の搬送作動の向きと反対になる点を除いて第1クレーン制御手段31の制御構成と同様であるので、以下、両者を代表して第1クレーン制御手段31の制御構成を説明する。
第1クレーン制御手段31は、固定長搬送ベルト20s及び可変長搬送ベルト20vの夫々に順方向移載作動及び逆方向移載作動を行わせるべく、第1モータM1〜第4モータM4の作動を制御する。
第1クレーン制御手段31は、固定長搬送ベルト20s及び可変長搬送ベルト20vに順方向移載作動を行わせる場合、固定長搬送ベルト20sによる搬送速度が設定搬送速度V[m/s]になるように、固定長搬送ベルト20sによる搬送速度と第1モータM1の作動速度との対応関係に基づいて、第1モータM1の作動速度を速度制御モードにて制御し、かつ、移載作用箇所Ksにおける固定長搬送ベルト20sの張力が物品移載用張力Tになるように、固定長搬送ベルト20sの張力と第2モータM2の作動トルクとの対応関係に基づいて、第2モータM2の作動トルクをトルク制御モードにて制御する。
同様に、第1クレーン制御手段31は、固定長搬送ベルト20s及び可変長搬送ベルト20vに順方向移載作動を行わせる場合、可変長搬送ベルト20vによる搬送速度が固定長搬送ベルト20sにおける設定搬送速度V[m/s]と同じ設定搬送速度V[m/s]になるように、可変長搬送ベルト20vによる搬送速度と第3モータM3の作動速度との対応関係に基づいて、第3モータM3の作動速度を速度制御モードにて制御し、かつ、移載作用箇所Kvにおける可変長搬送ベルト20vの張力が固定長搬送ベルト20sの物品移載用張力Tと同じ張力になるように、可変長搬送ベルト20vの張力と第4モータM4の作動トルクとの対応関係に基づいて、第2モータM2の作動トルクをトルク制御モードにて制御する。
第1クレーン制御手段31は、固定長搬送ベルト20s及び可変長搬送ベルト20vに逆方向移載作動を行わせる場合、固定長搬送ベルト20sによる搬送速度が設定搬送速度V[m/s]になるように、固定長搬送ベルト20sによる搬送速度と第2モータM2の作動速度との対応関係に基づいて、第2モータM2の作動速度を速度制御モードにて制御し、かつ、移載作用箇所Ksにおける固定長搬送ベルト20sの張力が物品移載用張力Tになるように、固定長搬送ベルト20sの張力と第1モータM1の作動トルクとの対応関係に基づいて、第1モータM1の作動トルクをトルク制御モードにて制御する。
同様に、第1クレーン制御手段31は、固定長搬送ベルト20s及び可変長搬送ベルト20vに逆方向移載作動を行わせる場合、可変長搬送ベルト20vによる搬送速度が固定長搬送ベルト20sにおける設定搬送速度V[m/s]と同じ設定搬送速度V[m/s]になるように、可変長搬送ベルト20vによる搬送速度と第4モータM4の作動速度との対応関係に基づいて、第4モータM4の作動速度を速度制御モードにて制御し、かつ、移載作用箇所Kvにおける可変長搬送ベルト20vの張力が固定長搬送ベルト20sの物品移載用張力Tと同じ張力になるように、可変長搬送ベルト20vの張力と第3モータM3の作動トルクとの対応関係に基づいて、第3モータM3の作動トルクをトルク制御モードにて制御する。
速度制御モードにおける上記対応関係は、モータの作動速度をどのような速度にすれば搬送ベルトの移載作動により搬送される物品4の搬送速度がどのような速度となるかを示した関係である。例えば、固定長搬送ベルト20sについての順方向移載作動であれば、巻き取り側となる第1ローラR1を回転作動させる第1モータM1の作動速度[rpm]と固定長搬送ベルト20sを順方向移載作動させたときに搬送される物品4の搬送速度との関係である。
そして、搬送ベルト20を移載作動させたときに搬送される物品4の搬送速度[m/s]は、実質的には搬送ベルト20の巻き取り側となるローラに巻き取られている搬送ベルト20の外周面の周速度[m/s]に等しいから、速度制御モードにおける上記対応関係は、先の例で言えば、巻き取り側となる第1ローラR1を回転作動させる第1モータM1の作動速度[rpm]とその第1ローラR1に巻き取られている固定長搬送ベルト20sの外周面の周速度[m/s]との関係である。
そして、巻き取り側となる第1ローラR1に巻き取られている固定長搬送ベルト20sの外周面の周速度[m/s]は、第1モータM1の駆動軸の回転軸心から第1ローラR1に巻き取られている固定長搬送ベルト20sの外周面までの半径方向の距離r1[m]に依存する。つまり、速度制御モードにおける上記対応関係は、巻き取り側となるローラを回転作動させるモータの駆動軸の回転軸心から、巻き取り側となるローラに巻き取られている搬送ベルトの外周面までの半径方向の距離に依存する関係である。
一方、トルク制御モードにおける上記対応関係は、例えば、固定長搬送ベルト20sについての順方向移載作動であれば、送り出し側となる第2ローラR2を回転作動させる第2モータM2の作動トルク[N・m]と固定長搬送ベルト20sの移載作用箇所Ksにおける物品移載用張力T[N]との関係であり、第2モータM2の駆動軸の回転軸心から第2ローラR2に巻き取られている固定長搬送ベルト20sの外周面までの半径方向の距離r2[m]に依存する関係である。
上記各対応関係は、巻き取り側となるローラに巻き取られている搬送ベルトの外周面までの半径方向の距離の平均値や最大値等を用いて決定する関係に固定してもよいが、例えば、固定長搬送ベルト20sを順方向移載作動させる場合、距離r1[m]が大きく距離r2[m]が小さいときと、距離r1[m]が小さく距離r2[m]が大きいときとでは、第1モータM1及び第2モータM2をそれぞれ同じように速度制御モード及びトルク制御モードで制御しても、固定長搬送ベルト20sの順方向移載作動による搬送速度や固定長搬送ベルト20sの張力が異なるといったように、巻き取り状態が変化して距離r1[m]、距離r2[m]、距離r3[m]、距離r4[m]が変化すると、各サーボモータM1〜M4を制御したときに現出する搬送ベルト20による搬送速度及び搬送ベルト20の張力が異なる。そのため、上記各対応関係を固定してしまうと、搬送ベルト20による搬送速度を設定搬送速度V[m/s]にすること及び搬送ベルト20の張力を物品移載用張力T[N]にすることを精度よく行えなくなる。そこで、本実施形態では、搬送ベルト20による搬送速度及び搬送ベルト20の張力を精度よく制御するために、速度制御モードにおける上記対応関係、トルク制御モードにおける上記対応関係の双方について、制御タイミングおきに、固定長搬送ベルト20sの巻き取り状態(具体的には、第1ローラR1及び第2ローラR2の巻き取り量)に応じた対応関係に更新している。
すなわち、図6及び図7に示すように、第1ローラR1の巻き取り量を検出する巻き取り量検出センサ24が中間支持板40Mの第1切り欠け部41が形成されている箇所に設けられている。巻き取り量検出センサ24は、第1ローラR1の回転半径外方側からこの第1ローラR1に巻き取られている固定長搬送ベルト20sの外周面に向けて測距用の光を照射して、当該外周面までの距離を検出する距離センサにて構成されている。
第1クレーン制御手段31は、巻き取り量検出センサ24の検出情報に基づいて、第1ローラR1の回転軸心からその第1ローラR1に巻き取られている固定長搬送ベルト20sの外周面までの半径方向の距離r1[m]を演算し、その演算結果と固定長搬送ベルト20sの全長情報等の第1ローラR1と第2ローラR2との巻き取り量関係情報とに基づいて第2ローラR2の回転軸心から第2ローラR2に巻き取られている固定長搬送ベルト20sの外周面までの半径方向の距離r2[m]を演算する巻き取り半径演算部30(図3参照)を有している。巻き取り半径演算部30の演算周期は、第1クレーン制御手段31による固定長搬送ベルト20sの制御周期と同じ又は短ければよい(例えば、制御周期の1/10等)。なお、巻き取り半径演算部30は、中間支持板50Mの第3切り欠け部43が形成されている箇所に設けられた可変長搬送ベルト20vについての巻き取り量検出センサ28(図6及び図7参照)の検出情報に基づいて、可変長搬送ベルト20vにおける第3ローラR3の巻き取り半径r3を演算し、その演算結果と可変長搬送ベルト20vの全長情報等の第3ローラR3と第4ローラR4との巻き取り量関係情報とに基づいて第4ローラR4の巻き取り半径r4を演算する。
第1クレーン制御手段31は、巻き取り半径演算部30にて演算される第1ローラR1の巻き取り半径r1[m]及び第2ローラR2の巻き取り半径r2[m]に基づいて、固定長搬送ベルト20sの搬送速度が設定搬送速度V[m/s]になるように、かつ、移載作用箇所Ksにおける固定長搬送ベルト20sの張力が物品移載用張力Tになるように、第1モータ及び第2モータの作動を制御する。具体的には、固定長搬送ベルト20sを順方向移載作動させる場合、第1モータM1の作動速度が「V×60/(r1×2×π)」[rpm]となるように、かつ、第2モータM2の作動トルクが「T×r2」[N・m]となるように、第1モータ及び第2モータの作動を制御し、固定長搬送ベルト20sを逆方向移載作動させる場合、第2モータM2の作動速度が「V×60/(r2×2×π)」[rpm]となるように、かつ、第1モータM1の作動トルクが「T×r1」[N・m]となるように、第1モータM1及び第2モータM2の作動を制御する。もちろん、張力による可変長搬送ベルト20sの移載方向での伸び量や、第1曲面部G1及び第2曲面部G2による張力の変化量等を考慮した補正係数を用いて、第1モータM1及び第2モータの作動速度及び作動トルクの目標値を設定してもよい。
このように、1号機3aには、第1ローラR1に巻き取られている固定長搬送ベルト20sの巻き取り量を検出する巻き取り量検出手段としての巻き取り量検出センサ24が設けられ、第1クレーン制御手段31は、巻き取り量検出センサ24にて検出される固定長搬送ベルト20sの巻き取り量に基づいて、固定長搬送ベルト20sを順方向移載作動させる場合は、固定長搬送ベルト20sによる搬送速度と第1モータM1の作動速度との対応関係及び移載作用箇所Ksにおける固定長搬送ベルト20sの張力と第2モータM2の作動トルクとの対応関係の双方を変更しながら第1モータM1及び第2モータM2の作動を制御し、固定長搬送ベルト20sを逆方向移載作動させる場合は、固定長搬送ベルト20sによる搬送速度と第2モータM2の作動速度との対応関係及び移載作用箇所Ksにおける固定長搬送ベルト20sの張力と第1モータM1の作動トルクとの対応関係の双方を変更しながら第1モータM1及び第2モータM2の作動を制御するように構成されている。
同様に、1号機3aには、第3ローラR3に巻き取られている可変長搬送ベルト20vの巻き取り量を検出する巻き取り量検出手段としての巻き取り量検出センサ28が設けられ、第1クレーン制御手段31は、巻き取り量検出センサ28にて検出される可変長搬送ベルト20vの巻き取り量に基づいて、可変長搬送ベルト20vを順方向移載作動させる場合は、可変長搬送ベルト20vによる搬送速度と第3モータM3の作動速度との対応関係及び移載作用箇所Kvにおける可変長搬送ベルト20vの張力と第4モータM4の作動トルクとの対応関係の双方を変更しながら第3モータM3及び第4モータM4の作動を制御し、可変長搬送ベルト20vを逆方向移載作動させる場合は、可変長搬送ベルト20vによる搬送速度と第4モータM4の作動速度との対応関係及び移載作用箇所Kvにおける可変長搬送ベルト20vの張力と第3モータM3の作動トルクとの対応関係の双方を変更しながら第3モータM3及び第4モータM4の作動を制御するように構成されている。
第1クレーン制御手段31は、一対のクランプ部21を接近離間作動させるべく、把持駆動手段としての把持用電動サーボモータMKの作動を制御する。図示は省略するが、物品移載装置12には、一対のクランプ部21が最大離間位置に位置していることを検出する最大離間位置センサと、一対のクランプ部21が最大接近位置に位置していることを検出する最大接近位置センサとが設けられている。
第1クレーン制御手段31は、最大離間位置センサ及び最大接近位置センサの検出情報と把持用電動サーボモータMKのロータリーエンコーダの検出情報とに基づいて、一対のクランプ部21の離間距離を管理しており、後述する入庫指令及び出庫指令にて指令される入庫作業及び出庫作業の対象となる物品4についての種別情報に基づいて、一対のクランプ部21を物品4のベルト幅方向の寸法に基づき規定される把持位置Pcと把持解除位置Poとの間で接近離間作動させる。
第1クレーン制御手段31は、一対のクランプ部21を出退作動させるべく、出退駆動手段としての出退用電動サーボモータMPの作動を制御する。図示は省略するが、物品移載装置12には、一対のクランプ部21の移載方向での中心が、物品移載装置12の移載方向での中心(具体的には、固定長搬送ベルト20sと可変長搬送ベルト20vとの間に形成されている隙間の移載方向での中心)に設定された基準位置に位置していることを検出する基準位置センサが設けられている。
第1クレーン制御手段31は、基準位置センサの検出情報と出退用電動サーボモータMPのロータリーエンコーダの検出情報とに基づいて、一対のクランプ部21の移載方向に沿う出退位置を管理している。そして、第1クレーン制御手段31は、入庫指令及び出庫指令にて指令される移載対象箇所が移動通路2の移載方向で一方側又は他方側のいずれに位置するかを判別して、移載対象箇所が移動通路2の一方側(図1で紙面右側)に位置している場合は、一対のクランプ部21を、前記基準位置から移動通路2の一方側に第1設定出退量だけ突出した順方向移載用突出位置に突出させるべく、出退用電動サーボモータMPの作動を制御し、移載対象箇所が移動通路2の他方側(図1で紙面左側)に位置している場合は、前記基準位置から移動通路2の他方側に第1設定出退量よりも延長移載作用箇所Kxの移載方向の長さ分だけ大きい第2設定出退量だけ突出した逆方向移載用突出位置に突出させるべく、出退用電動サーボモータMPの作動を制御する。
第1クレーン制御手段31は、収納部6から物品4を受け取る場合は、一対のクランプ部21を把持解除位置Poにて順方向移載用突出位置又は逆方向移載用突出位置に突出させた後、把持位置Pcに接近作動させ、基準位置まで引退させるべく、把持用電動サーボモータMK及び出退用電動サーボモータMPの作動を制御し、収納部6に物品4を受け渡す場合は、一対のクランプ部21を把持位置Pcにて順方向移載用突出位置又は逆方向移載用突出位置に突出させた後、把持解除位置Poに離間作動させ、基準位置まで引退させるべく、把持用電動サーボモータMK及び出退用電動サーボモータMPの作動を制御する。
第1クレーン制御手段31は、収納部6から物品4を受け取る場合及び収納部6に物品4を受け渡す場合は、把持位置Pcに位置された一対のクランプ部21の出退作動と固定長搬送ベルト20s及び可変長搬送ベルト20vの順方向移載作動又は逆方向移載作動とを同期して行うべく、第1モータM1及び第2モータM2並びに出退用電動サーボモータMPの作動を制御する。
すなわち、移動通路2の一方側(図1で紙面右側)に位置している収納部6に物品4を受け渡す場合は、固定長搬送ベルト20s及び可変長搬送ベルト20vの順方向移載作動を開始すると同時に一対のクランプ部21を、把持解除位置Poにて順方向移載用突出位置に向けて突出作動させ始め、一対のクランプ部21を第1設定出退量だけ突出作動させて停止させると同時に固定長搬送ベルト20s及び可変長搬送ベルト20vの順方向移載作動を停止させる。そして、一対のクランプ部21を、順方向移載用突出位置に位置させた状態で把持解除位置Poに離間作動させた後、基準位置に引退作動させる。
移動通路2の他方側(図1で紙面左側)に位置している収納部6に物品4を受け渡す場合は、固定長搬送ベルト20s及び可変長搬送ベルト20vの逆方向移載作動を開始すると同時に一対のクランプ部21を、把持解除位置Poにて逆方向移載用突出位置に向けて突出作動させ始め、一対のクランプ部21を第2設定出退量だけ突出作動させて停止させると同時に固定長搬送ベルト20s及び可変長搬送ベルト20vの逆方向移載作動を停止させる。そして、一対のクランプ部21を、逆方向移載用突出位置に位置させた状態で把持解除位置Poに離間作動させた後、基準位置まで第2設定出退量だけに引退作動させる。
また、移動通路2の一方側(図1で紙面右側)に位置している収納部6から物品4を受け取る場合は、一対のクランプ部21を、把持解除位置Poにて順方向移載用突出位置まで第1設定出退量だけ突出作動させた後、順方向移載用突出位置に位置させた状態で把持位置Pcに接近作動させる。そして、一対のクランプ部21を基準位置に向けて引退作動させ始めると同時に固定長搬送ベルト20s及び可変長搬送ベルト20vの逆方向移載作動を開始し、一対のクランプ部21を第1設定出退量だけ引退作動させて基準位置に停止させると同時に固定長搬送ベルト20s及び可変長搬送ベルト20vの逆方向移載作動を停止させる。
移動通路2の他方側(図1で紙面左側)に位置している収納部6から物品4を受け取る場合は、一対のクランプ部21を、把持解除位置Poにて逆方向移載用突出位置まで第2設定出退量だけ突出作動させた後、逆方向移載用突出位置に位置させた状態で把持位置Pcに接近作動させる。そして、一対のクランプ部21を基準位置に向けて引退作動させ始めると同時に固定長搬送ベルト20s及び可変長搬送ベルト20vの順方向移載作動を開始し、一対のクランプ部21を第2設定出退量だけ引退作動させて基準位置に停止させると同時に固定長搬送ベルト20s及び可変長搬送ベルト20vの順方向移載作動を停止させる。
なお、入出庫コンベヤ5に物品4を受け渡す場合及び入出庫コンベヤ5から物品4を受け取る場合は、入出庫コンベヤ5の搬送作用を利用できるので、第1クレーン制御手段31は、一対のクランプ部21を出退作動させることなく、把持解除位置Poにて基準位置に維持した状態で、固定長搬送ベルト20s及び可変長搬送ベルト20vを順方向移載作動や逆方向移載作動させる。
以上の説明したように、走行台車9及び昇降台11を移動作動させ搬送ベルト20を移載作動させる搬送制御は、図外の上位の管理コンピュータや作業者にて指令操作される指令入力手段等から物品単位の入庫作業(入出庫コンベヤ5から収納部6への搬送)又は出庫作業(収納部6から入出庫コンベヤ5への搬送)を指令する物品搬送指令としての入庫指令や出庫指令が指令されるたびに実行される。なお、これらの指令が連続して指令された場合は、地上側コントローラHは、未処理の物品搬送指令を記憶部にバッファリングして順次処理するようにしている。
入庫指令や出庫指令が指令されると、それらの指令に基づく物品搬送処理を担当する担当スタッカークレーン3が1号機3a又は2号機3bの何れかから選択される。そして、当該入庫指令や出庫指令にて指定される搬送元及び搬送先としての収納部6や入出庫コンベヤ5についての移載用位置に選択された担当スタッカークレーン3の物品移載装置12を移動させるべく、担当スタッカークレーン3の走行台車9の走行作動、昇降台11の昇降作動、物品移載装置12の作動が制御される。物品移載装置12の作動としては、固定長搬送ベルト20s及び可変長搬送ベルト20vについての順方向移載作動又は逆方向移載作動、並びに、一対のクランプ部21についての接近離間作動及び出退作動が制御される。
第1クレーン制御手段31は、搬送元としての移載対象箇所から搬送先としての移載対象箇所へ物品4を搬送する入庫指令や出庫指令が指令されるたびに、搬送制御として、搬送元の移載対象箇所についての移載用位置に物品移載装置12を位置させて搬送元の移載対象箇所から物品4を受け取る受取用搬送制御を行ったのち、搬送制御として、搬送先の移載対象箇所についての移載用位置に物品移載装置12を位置させて搬送元の移載対象箇所から受け取った物品4を搬送先としての移載対象箇所へ受け渡す受渡用搬送制御を行うべく、1号機3aの走行台車9及び昇降台11並びに物品移載装置12の作動を制御する。
入庫指令では、右入出庫コンベヤ5R又は左入出庫コンベヤ5Lの何れか一方が搬送元の移載対象箇所として指定され、右収納部6R又は左収納部6Lの何れか一方が搬送先の移載対象箇所として指定される。出庫指令では、右収納部6R又は左収納部6Lの何れか一方が搬送元の移載対象箇所として指定され、右入出庫コンベヤ5R又は左入出庫コンベヤ5Lの何れか一方が搬送先の移載対象箇所として指定される。
つまり、第1クレーン制御手段31は、入庫指令が指令されるたびに、搬送元である入出庫コンベヤ5についての移載用位置に物品移載装置12を位置させてから物品4を受け取る受取用搬送制御を行ったのち、搬送先である収納部6についての移載用位置に物品移載装置12を位置させて収納部6へ物品4を受け渡す受渡用搬送制御を行うべく、1号機3aの走行台車9及び昇降台11並びに物品移載装置12の作動を制御する。また、第1クレーン制御手段31は、出庫指令が指令されるたびに、搬送元である収納部6についての移載用位置に物品移載装置12を位置させて収納部6から物品4を受け取る受取用搬送制御を行ったのち、搬送先である入出庫コンベヤ5についての移載用位置に物品移載装置12を位置させて入出庫コンベヤ5へ物品4を受け渡す受渡用搬送制御を行うべく、1号機3aの走行台車9及び昇降台11並びに物品移載装置12の作動を制御する。
このような、入庫指令に基づく受取用搬送制御及び受渡用搬送制御や出庫指令に基づく受取用搬送制御及び受渡用搬送制御で行われる搬送ベルト20の移載作動の方向は、当該入庫指令や出庫指令において指令される搬送元及び搬送先の移動通路2に関する左右位置に依存するので、1号機3aについて今回指令された入庫指令又は出庫指令と前回指令された入庫指令又は出庫指令とが、同じになる場合もあれば、異なる場合もある。同じ方向の移載作動が連続すると、固定長搬送ベルト20s及び可変長搬送ベルト20vの送り出し側のローラに巻き取られている巻き取り量が少なくなり、次の移載作動に必要な巻き取り量以下になり、そのままでは次の移載作動が行えなくなる場合がある。
そこで、本実施形態では、第1クレーン制御手段31は、前回指令された入庫指令又は出庫指令に基づく受渡用搬送制御と、今回指令されている入庫指令又は出庫指令に基づく受取用搬送制御とで、搬送ベルト20(固定長搬送ベルト20s及び可変長搬送ベルト20v)の移載作動として順方向移載作動又は逆方向移載作動の何れかが連続して行われる場合には、前回指令された入庫指令又は出庫指令に基づく受渡用搬送制御における搬送ベルト20の移載作動が終了してから今回指令されている入庫指令又は出庫指令に基づく受取用搬送制御における搬送ベルト20の移載作動を開始するまでの間に、第1ローラR1及び第2ローラR2のうち今回指令されている入庫指令又は出庫指令に基づく受取用搬送制御における移載作動にて固定長搬送ベルト20sを送り出す側となるローラに巻き取られている固定長搬送ベルト20sの巻き取り量を、当該移載作動における固定長搬送ベルト20sの移載作動量に相当する量以上である受取前巻き取り量とするべく、第1モータM1及び第2モータM2の作動を制御し、同様に、第3ローラR3及び第4ローラR4のうち今回指令されている入庫指令又は出庫指令に基づく受取用搬送制御における移載作動にて可変長搬送ベルト20vを送り出す側となるローラに巻き取られている可変長搬送ベルト20vの巻き取り量を、当該移載作動における可変長搬送ベルト20vの移載作動量に相当する量以上である受取前巻き取り量とするべく、第3モータM3及び第4モータM4の作動を制御する
具体的には、第1クレーン制御手段31は、前回指令された入庫指令又は出庫指令に基づく受渡用搬送制御における固定長搬送ベルト20s及び可変長搬送ベルト20vの移載作動が終了した直後に、固定長搬送ベルト20s及び可変長搬送ベルト20vのそれぞれの巻き取り状態を中立巻取状態に復帰作動させることで、今回指令されている入庫指令又は出庫指令に基づく受取用搬送制御における移載作動にて送り出す側となるローラに巻き取られている固定長搬送ベルト20s及び可変長搬送ベルト20vの巻き取り量が、当該受取用搬送制御において移載作動を開始する時には、当該移載作動における固定長搬送ベルト20s及び可変長搬送ベルト20vの移載作動量に相当する量以上である受取前巻き取り量となるようにしている。
また、第1クレーン制御手段31は、入庫指令又は出庫指令に基づく受取用搬送制御及び受渡用搬送制御における搬送ベルト20の移載作動が、同じ方向の移載作動である場合には、送り出す側となるローラに巻き取られている固定長搬送ベルト20sの受取前巻き取り量を、当該受取用搬送制御における固定長搬送ベルト20sの移載作動量と当該受渡用搬送制御における固定長搬送ベルト20sの移載作動量との和に相当する量とするべく、第1モータM1及び第2モータM2の作動を制御し、入庫指令又は出庫指令に基づく受取用搬送制御及び受渡用搬送制御における搬送ベルト20の移載作動が、同じ方向の移載作動である場合には、送り出す側となるローラに巻き取られている可変長搬送ベルト20vの受取前巻き取り量を、当該受取用搬送制御における可変長搬送ベルト20vの移載作動量と当該受渡用搬送制御における可変長搬送ベルト20vの移載作動量との和に相当する量とするべく、第3モータM3及び第4モータM4の作動を制御する。
以下、第1クレーン制御手段31の制御動作を図11〜図14のフローチャートを参照しながら説明する。なお、以下の説明では、入庫指令や出庫指令に基づく物品搬送処理を担当するスタッカークレーン3として1号機3aが選択された場合について第1クレーン制御手段31の搬送制御についてだけ説明しているが、入庫指令や出庫指令に基づく物品搬送処理を担当するスタッカークレーン3として2号機3bが選択された場合には、その入庫指令や出庫指令に基づく搬送制御が第2クレーン制御手段32により実行される。第1クレーン制御手段31による搬送制御と第2クレーン制御手段32による搬送制御とが並行して実行されることで、収納部6の全てについて1号機3a及び2号機3bのそれぞれが入出庫作業を行うことができ、2台のスタッカークレーン3による高能力な物品搬送処理が可能となっている。
まず、入庫指令が指令された場合の制御動作について説明する。図11に示すように、ステップ#S1(以下、「ステップ」の語を省略し単に「#S1」と記載する。他も同様)〜#S3で走行台車9の走行作動及び昇降台11の昇降作動により物品移載装置12を搬送元である入出庫コンベヤ5についての移載用位置に移動させる。同時に、#S4で一対のクランプ部21を入庫対象の物品4の大きさにより規定される把持解除位置Poに位置させておく。
また、#S5〜#S8で、搬送元の入出庫コンベヤ5から物品4を受け取るときの搬送ベルト20の移載作動の方向と、搬送先の収納部6に物品4を受け渡すときの搬送ベルト20の移載作動の方向とが同一であるかどうかチェックされ(#S5)、同一であれば、搬送先での移載作動とは反対方向の物品非載置状態での模擬的な移載作動を予め行っておく(#S6〜#S8)。この物品非載置状態での移載作動における移載作動量は、物品4を受け取る又は受け渡すときに実際に行われる順方向移載作動や逆方向移載作動の作動量(以下、1回分の順(逆)方向移載作動量ともいう。)と同量となるように、模擬移載作動用作動量が予め設定されている。このように搬送元への移動時に物品非載置状態での模擬的な移載作動を行うことで、搬送元での移載作動と同じ方向の移載作動を搬送先で開始する際には、搬送ベルト20の巻き取り状態を中立巻き取り状態から、送り出し側のローラに同じ方向に2回分の移載作動ができる十分な巻き取り量(「受取前巻き取り量」に相当)の搬送ベルトが巻き取られている状態にすることができる。
例えば、指令された入庫指令が、左入出庫コンベヤ5Lから物品4を受け取って右収納部6Rに物品4を受け渡す入庫指令であれば、この入庫指令に基づく搬送制御では、受け取り時及び受け渡し時の双方で順方向移載作動を行うことになるので、この2回の順方向移載作動が可能なように#S8で搬送ベルト20を中立巻き取り状態から1回分の逆方向移載作動させる。つまり、第2ローラR2に巻き取られている固定長搬送ベルト20sの巻き取り量(つまり、順方向移載作動で第2ローラR2が送り出し可能な量)及び第4ローラR4に巻き取られている可変長搬送ベルト20vの巻き取り量(つまり、順方向移載作動で第4ローラR4が送り出し可能な量)が2回分の順方向移載作動量となるように第1モータM1〜第4モータM4の作動が制御される。
前回の物品搬送処理における搬送先と今回の物品搬送処理における搬送元との距離は、前回及び今回の物品搬送処理の夫々の搬送元及び搬送先の位置によって異なり得るとともに、前回の物品搬送処理における把持解除位置Poと今回の物品搬送処理における把持解除位置Poとの位置の差は、前回及び今回の物品搬送処理の夫々の搬送対象の物品4の大きさによって異なり得るため、#S1〜#S3でのスタッカークレーン3の移動作動や#S4での一対のクランプ部21の接近離間作動に要する時間も物品搬送処理ごとに異なり得る。したがって、#S4での一対のクランプ部21の接近離間処理や、#S7及び#S8での搬送ベルト20の物品非載置状態での模擬的な移載作動は、物品移載装置12が搬送元の入出庫コンベヤ5に移動するまでに完了する場合もあれば、移動後に完了する場合もある。
図13に移行し、#S9で搬送元の入出庫コンベヤ5が左入出庫コンベヤ5Lか右入出庫コンベヤ5Rかがチェックされ、左入出庫コンベヤ5Lであれば、それに載置支持されている物品4を受け取るべく#S10で1回分の順方向移載作動が実行され、右入出庫コンベヤ5Rであれば、それに載置支持されている物品4を受け取るべく#S11で1回分の順方向移載作動が実行される。このとき、一対のクランプ部21は把持解除位置Poで基準位置に保持されており、クランプ部21は搬送ベルト20の移載作動と同期して出退作動されない。搬送ベルト20の移載作動量は、搬送ベルト20に載置支持されている物品4の移載方向での位置を検出する載置位置検出手段(例えば、搬送ベルト20の載置支持面の僅かに上方でベルト幅方向に沿った検出光を投受光する一対の光センサを移載方向に間隔を隔てて複数対並ぶ状態で物品移載装置に備えて構成される。)の検出情報に基づき制御される。また、図13のフローチャートには記載していないが、第1クレーン制御手段31は、左右の入出庫コンベヤ5のうち搬送元である側のものを、搬送ベルト20の移載作動と同期して搬送作動させる。
#S12で、一対のクランプ部21が把持解除位置Poから把持位置Pcに切り換えられる。これにより、搬送先への移動作動時において発生する振動や慣性力により物品移載装置12の搬送ベルト20に載置支持された物品4の位置がずれないようになっている。
#S13〜#S15で、物品載置状態の物品移載装置12を、走行台車9の走行作動及び昇降台11の昇降作動により搬送先である収納部6についての移載用位置に移動させる。
#S16で搬送先の収納部6が左収納部6Lか右収納部6Rかがチェックされる。
搬送先が左収納部6Lであれば、#S17〜#S21で一対のクランプ部21の逆方向移載用突出位置に向かう突出作動とこれと同期する搬送ベルト20の1回分の逆方向移載作動とにより物品4が左収納部6Lに移載される。なお、物品4を搬送元で受け取る際に右入出庫コンベヤ5Rから受け取っていたなら、受け渡し時の#S20で逆方向移載作動が完了した時点で、送り出し側のローラである第1ローラR1と第3ローラR3には、1回分の逆方向移載作動もできない巻き取り状態となっている。また、物品4を搬送元で受け取る際に左入出庫コンベヤ5Lから受け取っていたなら、受け取り時には順方向移載作動が行われているので、受け渡し時の逆方向移載作動が完了した#S20の時点で、その逆方向移載作動において送り出し側のローラであった第1ローラR1と第3ローラR3に巻き取られている搬送ベルト20は、中立巻取状態となっている。
一対のクランプ部の逆方向移載用突出位置への突出とこれと同期する搬送ベルト20の逆方向移載作動が完了すると、#S22で必要に応じて(搬送元が右入出庫コンベヤ5Rであった場合に必要である。)搬送ベルト20の巻き取り状態が中立巻取状態に復帰され、これと並行して、#S23での一対のクランプ部21の把持解除位置Poへの離間作動及びその後の#S24での基準位置への引退作動が行われる。これにより物品4は左収納部6Lに受け渡される。なお、搬送ベルト20の中立巻取状態への復帰が必要であるか否かは、入庫指令にて指令される搬送元と搬送先が移動通路2に関して同じ側であるか否かに基づいて判別してもよいし、巻き取り量検出センサ24及び28の検出情報に基づいて判断してもよい。
#S16のチェックで搬送先が右収納部6Rであれば、#S25〜#S29で一対のクランプ部21の順方向移載用突出位置に向かう突出作動とこれと同期する搬送ベルト20の1回分の順方向移載作動とにより物品4が右収納部6Rに移載される。なお、物品4を搬送元で受け取る際に左入出庫コンベヤ5Lから受け取っていたなら、受け渡し時の#S28で順方向移載作動が完了した時点で、送り出し側のローラである第2ローラR2と第4ローラR4には、1回分の順方向移載作動もできない巻き取り状態となっている。また、物品4を搬送元で受け取る際に右入出庫コンベヤ5Rから受け取っていたなら、受け取り時には逆方向移載作動が行われているので、受け渡し時の順方向移載作動が完了した#S28の時点で、その順方向移載作動において送り出し側のローラであった第2ローラR2と第4ローラR4に巻き取られている搬送ベルト20は、中立巻取状態となっている。
一対のクランプ部の順方向移載用突出位置への突出とこれと同期する搬送ベルト20の順方向移載作動が完了すると、#S30で必要に応じて(搬送元が左入出庫コンベヤ5Lであった場合に必要である。)搬送ベルト20の巻き取り状態が中立巻取状態に復帰され、これと並行して、#S31での一対のクランプ部21の把持解除位置Poへの離間作動及びその後の#S32での基準位置への引退作動が行われる。これにより物品4は右収納部6Rに受け渡される。なお、搬送ベルト20の中立巻取状態への復帰が必要であるか否かは、入庫指令にて指令される搬送元と搬送先が移動通路2に関して同じ側であるか否かに基づいて判別してもよいし、巻き取り量検出センサ24及び28の検出情報に基づいて判断してもよい。
このように入庫指令に基づく搬送制御の最後に、必要に応じて搬送ベルト20の中立巻取状態への復帰作動を行うことで、次の入庫指令又は出庫指令に基づく搬送制御にて搬送ベルト20の移載作動を開始するまでの間に、今回指令されている入庫指令又は出庫指令に基づく受取用搬送制御における移載作動にて搬送ベルト20を送り出す側となるローラに巻き取られている搬送ベルト20の巻き取り量を、当該移載作動における搬送ベルト20の移載作動量に相当する量(1回分の順方向移載作動量又は逆方向移載作動量)以上である受取前巻き取り量となるようにしている。
次に出庫指令が指令された場合の制御動作について説明する。入庫指令では一対のクランプ21の出退作動と搬送ベルト20の移載作動とは、移載対象箇所が収納部6となる受渡用搬送制御において同期して作動させたが、出庫指令では、移載対象箇所が収納部6となるのは、受取用搬送制御であるから、一対のクランプ21の出退作動と搬送ベルト20の移載作動とは、受取用搬送制御において同期して作動させることになる。出庫指令に基づく制御動作は、上記点が異なる他は、入庫指令に基づく制御動作と同様であるから、出庫指令に基づく制御動作は極簡単に説明する。
入庫指令が指令されると、図11で囲み丸「A」に分岐し、図12に移行する。図12では、入庫指令での制御動作と同様に、走行台車9の走行作動及び昇降台11の昇降作動により物品移載装置12を搬送元の収納部6についての移載用位置へ移動作動させる(#R1〜#R3)と並行して、一対のクランプ部21を入庫対象物品4の移載横幅方向に応じた把持解除位置Poとするべく接近離間作動させる(#R4)と並行して、搬送元である収納部6での移載作動の方向と搬送先である入出庫コンベヤ5での移載作動の方向とが同一である場合には、それらの移載方向とは反対の模擬的な物品非載置状態での移載作動を行う(#R5〜#R8)。
図14に移行して、#R9で搬送元が左収納部6Lか右収納部6Rかが判別され、左収納部6Lであれば#R10〜#R16(右収納部6Rであれば#R17〜#R23)で、一対のクランプ部21を逆(順)方向移載用突出位置突出作動させ、把持位置Pcへ接近作動させ、その後、搬送ベルト20の順(逆)方向移載作動と同期させながら基準位置まで引退作動させる。
#R24〜#R26で、一対のクランプ部21を把持位置Pcに維持したまま、走行台車9の走行作動及び昇降台11の昇降作動により物品移載装置12を搬送先の入出庫コンベヤ5についての移載用位置へ移動作動させる。移動作動が完了すると、#R27で一対のクランプ部21を把持位置Pcから把持解除位置Poに離間作動させる。
#R28で搬送先の入出庫コンベヤ5が、左入出庫コンベヤ5Lか右入出庫コンベヤ5Rかが判別される。搬送先が左入出庫コンベヤ5Lであれば#R29で搬送ベルト20を1回分の逆方向移載作動させて物品4を受け渡した後、#R30で搬送ベルト20を必要に応じて(搬送元が右収納部5Rであった場合に必要である。)中立巻取状態に復帰作動させる。搬送先が右入出庫コンベヤ5Rであれば#R31で搬送ベルト20を1回分の逆方向移載作動させて物品4を受け渡した後、#R32で搬送ベルト20を必要に応じて(搬送元が左収納部5Lであった場合に必要である。)中立巻取状態に復帰作動させる。
このように、本実施形態の物品移載装置12は、移載方向に並ぶ2本の有端ベルトとしての固定長搬送ベルト20s及び可変長搬送ベルト20vを移載作動させて、物品4を移載するので、固定長搬送ベルト20s及び可変長搬送ベルト20vを小さな張力で移載作動させればよいので、移載駆動手段としての第1モータM1〜第4モータM4の作動トルクを小さくすることができる。したがって、第1モータM1〜第4モータM4は小型なものを用いることができ、物品移載装置12の軽量化を図ることができる。
また、収納部6との間で物品4を移載する場合には、固定長搬送ベルト20s及び可変長搬送ベルト20vの移載作動に加えて、一対のクランプ部にて物品4を把持した状態で出退作動させるので、また、移載作動で必要な固定長搬送ベルト20s及び可変長搬送ベルト20vの張力が低減されるので、この点でも、第1モータM1〜第4モータM4の作動トルクを小さくすることができる。
さらに、入庫指令や出庫指令に基づく受渡用搬送制御における移載作動の終了時には、固定長搬送ベルト20s及び可変長搬送ベルト20vの巻き取り状態を中立巻取状態に復帰させているので、次の入庫指令や出庫指令に基づく受取用搬送制御において固定長搬送ベルト20s及び可変長搬送ベルト20vを移載作動させる場合に、その移載作動が、順方向移載作動であっても、逆方向移載作動であっても、その移載作動において送り出し側となるローラには、その移載作動に必要な分だけの巻き取り量は確保されているので、速やかにその移載作動を行うことができる。
〔別の実施形態〕
以下、本発明の別実施形態について説明する。
(1)上記実施形態では、移載対象箇所について設定された移載用位置に位置した状態で移載対象箇所との間で物品を移載自在な物品移載装置として、物品移載装置が移載用位置に停止した状態を維持したまま移載対象箇所との間で物品を移載するものを例示したが、これに限らず、物品移載装置が移載用位置に停止したのち昇降作動を伴いながら移載対象箇所との間で物品を移載するものであってもよい。
(2)上記実施形態では、移載対象箇所が、収納部6や搬出入部としてのローラーコンベヤ5であるものを例示したが、例えば、ピッキング作業箇所に設置される物品載置台等であってもよく、移載対象箇所は上記の例示した構成に限定されない。
(3)上記実施形態では、制御手段が、受取用搬送制御及び受渡用搬送制御の双方を行うものを例示したが、受取用搬送制御か受渡用搬送制御か何れか一方を行うものであってもよい。
(4)上記実施形態では、第1案内部及び第2案内部を、第1キャリアプレート35及び第2キャリアプレート36(または、第3キャリアプレート37及び第4キャリアプレート38)の移載方向での端部に位置する箇所を適度な曲率の曲面となるように曲げ加工して形成した第1曲面部G1及び第2曲面部G2(または、第3曲面部G3及び第4曲面部42)にて構成したが、第1キャリアプレート35及び第2キャリアプレート36(または、第3キャリアプレート37及び第4キャリアプレート38)の移載方向での端部にベルト幅に対応した軸心方向の長さを有するフリーローラを設ける等して構成してもよい。
(5)上記実施形態では、巻き取り量検出手段を巻き取り量検出センサ24(28)にて構成し、第1ローラR1及び第2ローラR2(第3ローラR3及び第4ローラR4)に巻き取られている固定長搬送ベルト20s(可変長搬送ベルト20v)の巻き取り量を巻き取り量検出センサ24(28)にて直接検出するものを例示したが、これに限らず、初期巻き取り量からの第1モータ(第3モータ)又は第2モータ(第4モータ)の回転作動に基づいて、第1ローラR1及び第2ローラR2(第3ローラR3及び第4ローラR4)に巻き取られている固定長搬送ベルト20s(可変長搬送ベルト20v)の巻き取り量を検出するように構成してもよい。
この場合、固定長搬送ベルト20s(可変長搬送ベルト20v)を第1ローラR1や第2ローラR2(第3ローラR3や第4ローラR4)にて巻き取る場合の、回転軸心から外周面までの半径方向の距離r1[m]や距離r2[m](距離r3[m]や距離r4[m])についての、1回転当りの増分(搬送ベルト20の厚みに依存する。)を実験的に求めておき、サーボモータである第1モータM1や第2モータM2(第3モータM3や第4モータM4)のロータリーエンコーダでの検出情報と、その検出情報を得たときの巻き取り量情報とから、予め初期対応関係を設定しておき、第1モータM1や第2モータM2(第3ローラR3や第4ローラR4)の初期位置からの回転作動量に基づき、第1ローラR1や第2ローラR2(第3ローラR3や第4ローラR4)に巻き取られている固定長搬送ベルト20s(可変長搬送ベルト20v)の巻き取り量を検出するように構成してもよい。
(6)上記実施形態では、巻き取り量検出手段として、第1巻き取りローラに巻き取られている搬送ベルトの巻き取り量を検出する単一の巻き取り量検出センサを設けて、制御手段が、この巻き取り量検出センサの検出情報から第1巻き取りローラに巻き取られている搬送ベルトの巻き取り量をそれぞれ演算し、その演算結果に基づいて、第2巻き取りローラに巻き取られている搬送ベルトの巻き取り量を演算するように構成されたものを例示したが、巻き取り量検出手段として、第1巻き取りローラに巻き取られている搬送ベルトの巻き取り量を検出する第1の巻き取り量検出センサと、第2巻き取りローラに巻き取られている搬送ベルトの巻き取り量を検出する第2の巻き取り量検出センサとを設けて、制御手段が、これらの巻き取り量検出センサの検出情報に基づいて、第1巻き取りローラに巻き取られている搬送ベルトの巻き取り量と第2巻き取りローラに巻き取られている搬送ベルトの巻き取り量との双方を独立して演算するように構成されたものであってもよい。
(7)上記実施形態では、搬送ベルトの移載方向の長さが、中立巻取状態から同じ移載方向に1回分の移載作動を行うことができる長さであるものを例示したが、中立巻取状態から同じ方向に連続して2回分又はそれ以上の回数分の移載作動を行うことができる長さであってもよい。
(8)上記実施形態では、搬送指令に基づく受渡用搬送制御の実行終了時には搬送ベルトの巻き取り状態が中立巻取状態となっているものを例示したが、搬送ベルトの巻き取り状態が中立巻取状態となっていないまま当該搬送指令に基づく受渡用搬送制御の実行を終了して、次回の搬送指令に基づく受取用搬送制御の開始時から移動体の移動作動の完了までの間に搬送ベルトの巻き取り状態を中立巻取状態とするものであってもよい。
(9)上記実施形態では、物品収納設備として、互いにすれ違い移動可能な状態で移動経路に沿って移動自在に設けられた2台の物品搬送装置を備えたものを例示したが、これに限らず、物品収納設備としては単一の物品搬送装置を備えたものでもよい。この場合、移載対象箇所を移動経路幅方向で適切な位置に配置することで、物品移載装置に延長移載作用箇所形成部材を備えないように構成してもよい。
(10)上記実施形態では、物品搬送装置がスタッカークレーンで構成されたものを例示したが、これに限らず、物品搬送装置としては、有軌道又は無軌道の無人搬送車で構成してもよく、物品搬送装置としては、移動手段により移動自在な移動体と、移載対象箇所との間で物品を移載自在な物品移載装置とを備えているものであればよい。