JP5402151B2 - トナー - Google Patents
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Description
上記離型剤が、エステルワックスを含有し、当該エステルワックスが、モノグリセリンと3種以上の1価の脂肪酸の混合物をエステル化して得られるモノグリセリン脂肪酸エステルであり、
前記3種以上の1価の脂肪酸のうち、配合率(mol%)が高い順に第1脂肪酸、第2脂肪酸、及び第3脂肪酸としたとき、
上記第1脂肪酸、第2脂肪酸、及び第3脂肪酸の配合率a 1 、a 2 、a 3 (mol%)が、3種以上の脂肪酸の全モル量100(mol%)に対して、それぞれ30〜85(mol%)、10〜35(mol%)、及び5〜35(mol%)(但し、a 1 ≧a 2 ≧a 3 )であることを特徴とするトナーである。
上記離型剤が、エステルワックスを含有し、当該エステルワックスが、モノグリセリンと3種以上の1価の脂肪酸の混合物をエステル化して得られるモノグリセリン脂肪酸エステルであることを特徴とするものである。
湿式法の中でも好ましい(A)懸濁重合法を採用し、または乾式法の中でも代表的な(B)粉砕法を採用して着色樹脂粒子を製造する場合、以下のようなプロセスにより行なわれる。
(1)重合性単量体組成物の調製工程
先ず、重合性単量体、着色剤、帯電制御剤、本発明で特定するエステルワックス、さらに、必要に応じてその他の添加物を混合、溶解又は分散して重合性単量体組成物の調製を行なう。重合性単量体組成物を調製する際には、例えば、メディア型湿式粉砕機を用いて行なう。
モノビニル単量体としては、例えば、スチレン;ビニルトルエン、及びα−メチルスチレン等のスチレン誘導体;アクリル酸、及びメタクリル酸;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、及びアクリル酸ジメチルアミノエチル等のアクリル酸エステル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、及びメタクリル酸ジメチルアミノエチル等のメタクリル酸エステル;アクリルアミド、及びメタクリルアミド;エチレン、プロピレン、及びブチレン等のオレフィン;等が挙げられる。これらのモノビニル単量体は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記モノビニル単量体のうち、スチレン、スチレン誘導体、アクリル酸エステル、及びメタクリル酸エステルが特に好適に用いられる。
架橋性の重合性単量体としては、一般に、トナー用の架橋性の重合性単量体として用いられているものであれば、特に限定されず、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、及びこれらの誘導体等の芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジメタクリレート、及びジエチレングリコールジメタクリレート等の二官能性のエチレン性不飽和カルボン酸エステル;N,N−ジビニルアニリン、及びジビニルエーテル等のヘテロ原子含有ジビニル化合物;トリメチロールプロパントリメタクリレート、及びジメチロールプロパンテトラアクリレート等の3個以上のビニル基を有する化合物;等が挙げられる。これらの架橋性の重合性単量体は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明では、架橋性の重合性単量体を、モノビニル単量体100重量部に対して、通常、0.1〜5重量部、好ましくは0.3〜2重量部の割合で用いることが望ましい。
マクロモノマーとは、分子鎖の末端に重合可能な炭素−炭素不飽和結合を有し、数平均分子量(Mn)が、通常1,000〜30,000の反応性のオリゴマーまたはポリマーのことをいう。マクロモノマーとして、重合性単量体を重合して得られる重合体(結着樹脂)のガラス転移温度(Tg)よりも高いTgを有するオリゴマーまたはポリマーを用いることが好ましい。
本発明では、マクロモノマーを、モノビニル単量体100重量部に対して、通常0.01〜10重量部、好ましくは0.03〜5重量部、さらに好ましくは0.1〜2重量部の割合で用いることが望ましい。
正帯電性の帯電制御樹脂としては、藤倉化成社製の市販品等を用いることができ、例えば、FCA−161P(:商品名、スチレン/アクリル樹脂)、FCA−207P(:商品名、スチレン/アクリル樹脂)、及びFCA−201−PS(:商品名、スチレン/アクリル樹脂)等が挙げられる。
負帯電性の帯電制御樹脂としては、藤倉化成社製の市販品等を用いることができ、例えば、FCA−626N(:商品名、スチレン/アクリル樹脂)、FCA−748N(:商品名、スチレン/アクリル樹脂)、及びFCA−1001N(:商品名、スチレン/アクリル樹脂)等が挙げられる。
本発明では、帯電制御剤を、重合性単量体100重量部に対して、通常、0.3〜10重量部、好ましくは0.5〜8重量部の割合で用いることが望ましい。
中でも、トナーの保存性と低温定着性とのバランスを好適に向上させることができることから、使用する3種の1価の脂肪酸の配合率(mol%)は、全てほぼ同じ配合率として用いることがより好ましい。
なお、エステルワックス(モノグリセリン脂肪酸エステル)の酸価は、日本油化学協会(JOCS)制定の基準油脂分析試験法を用いて、JOCS 2.3.1−96に準拠して測定される値である。
なお、エステルワックス(モノグリセリン脂肪酸エステル)の水酸基価は、日本油化学協会(JOCS)制定の基準油脂分析試験法を用いて、JOCS 2.3.6.2−96に準拠して測定される値である。
例えば、モノグリセリンと、3種以上の異なる種類の1価の脂肪酸とを反応容器に入れ、更に触媒を添加し、窒素気流下で反応器内の温度を所定の温度まで昇温して、所定のエステル化率となるまで脱水縮合反応を行うことにより所望のモノグリセリン脂肪酸エステルを得る方法を代表的に挙げることができる。
分子量調整剤としては、一般にトナー用の分子量調整剤として用いられているものであれば、特に限定されず、例えば、t−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、及び2,2,4,6,6−ペンタメチルヘプタン−4−チオール等のメルカプタン類;テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、N,N'−ジメチル−N,N'−ジフェニルチウラムジスルフィド、及びN,N'−ジオクタデシル−N,N'−ジイソプロピルチウラムジスルフィド等のチウラムジスルフィド類;等が挙げられる。これらの分子量調整剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明では、分子量調整剤を、重合性単量体100重量部に対して、好ましくは0.01〜10重量部、より好ましくは0.1〜5重量部の割合で用いることが望ましい。
上記(1)重合性単量体組成物の調製工程により得られた重合性単量体組成物を、水系分散媒体中に懸濁させて懸濁液(重合性単量体組成物分散液)を得る。ここで、懸濁とは、水系分散媒体中で重合性単量体組成物の液滴を形成させることを意味する。液滴形成のための分散処理は、例えば、インライン型乳化分散機(荏原製作所社製、商品名:エバラマイルダー)、高速乳化・分散機(プライミクス社製、商品名:T.K.ホモミクサー MARK II型)等の強攪拌が可能な装置を用いて行なうことができる。
液滴形成において、着色樹脂粒子の粒径コントロール、及び円形度を向上させるために、水系分散媒体中に分散安定化剤を含有させて用いることが好ましい。
上記(2)懸濁液を得る工程(液滴形成工程)により得られた、所望の懸濁液(重合性単量体組成物の液滴を含有する水系分散媒体)を、加熱し、重合を開始し、着色樹脂粒子の水分散液が得られる。
本発明における重合温度は、50℃以上であることが好ましく、60〜98℃であることがより好ましい。また、本発明における重合時間は、1〜20時間であることが好ましく、2〜15時間であることがより好ましい。
なお、重合性単量体組成物の液滴を安定に分散させた状態で重合を行うために、本重合工程においても上記(2)懸濁液を得る工程(液滴形成工程)に引き続き、攪拌による分散処理を行いながら重合反応を進行させてもよい。
コアシェル構造を有する着色樹脂粒子は、低軟化点の物質よりなるコア層を、それより高い軟化点を有する物質であるシェル層で被覆することにより、トナーの定着温度の低温化と保存時の凝集防止とのバランスをとることができる。
着色樹脂粒子が分散している水系分散媒体中に、シェル層を形成するための重合性単量体(シェル用重合性単量体)とシェル用重合開始剤を添加し、重合を行なうことでコアシェル型の着色樹脂粒子を得ることができる。
本発明において用いるシェル用重合開始剤の添加量は、シェル用重合性単量体100重量部に対して0.1〜30重量部であることが好ましく、1〜20重量部であることがより好ましい。
上記(3)重合工程後に得られる着色樹脂粒子の水分散液は、常法に従い、分離・洗浄、濾過、脱水、及び乾燥の一連の操作を、必要に応じて数回繰り返し行なわれることが好ましい。
使用した分散安定化剤が、酸に可溶な無機化合物である場合、着色樹脂粒子水分散液へ酸を添加し、一方、使用した分散安定化剤が、アルカリに可溶な無機化合物である場合、着色樹脂粒子水分散液へアルカリを添加する。
粉砕法を採用して着色樹脂粒子を製造する場合、以下のようなプロセスにより行なわれる。
先ず、結着樹脂、着色剤、帯電制御剤、及び本発明で特定する離型剤(モノグリセリン脂肪酸エステル)、更に必要に応じて添加されるその他の添加物を混合機、例えば、ボールミル、V型混合機、ヘンシェルミキサー(:商品名、三井鉱山社製:登録商標)、高速ディゾルバ、インターナルミキサー、フォールバーグ等を用いて混合する。
以下において、前述の(A)懸濁重合法、又は(B)粉砕法により得られる着色樹脂粒子の粒径特性について述べる。
なお、以下で述べる着色樹脂粒子は、コアシェル型のものとそうでないもの両方を含む。
上記着色樹脂粒子の平均円形度が、上記範囲未満である場合には、トナー印字の細線再現性が低下し易くなり、印字性能に悪影響を及ぼす場合がある。
計算式1:
円形度(Ci)=粒子の投影面積に等しい円の周囲長/粒子投影像の周囲長
上記円形度及び平均円形度は、例えば、シスメックス社製のフロー式粒子像分析装置「FPIA−2000」、「FPIA−2100」、及び「FPIA−3000」等を用いて測定することができる。
上記(4)分離・洗浄、濾過、脱水、及び乾燥工程を経て得られる着色樹脂粒子は、トナーの帯電性、流動性、及び保存性等を調整する観点から、外添剤と共に混合攪拌して外添処理を行なうことにより、着色樹脂粒子の表面に、外添剤を付着添加させて1成分トナーとする。また、当該1成分トナーは、さらにキャリア粒子と共に混合攪拌して2成分現像剤としてもよい。
なお、これらの外添剤は、それぞれ単独で用いることもできるが、2種以上を併用して用いることが好ましい。
上記(1)〜(5)工程を経て得られるトナーは、離型剤として、モノグリセリンと3種以上の異なる種類の1価の脂肪酸の混合物をエステル化して得られるモノグリセリン脂肪酸エステルを用いることにより、トナーの保存性(耐ブロッキング性)と低温定着性とのバランスに優れたトナーである。
本実施例及び比較例において行った試験方法は以下のとおりである。
(1−1)酸価(mgKOH/g)
エステルワックスの酸価は、日本油化学協会(JOCS)制定の基準油脂分析試験法を用いて、JOCS 2.3.1−96に準拠して測定を行った。
エステルワックスの水酸基価は、日本油化学協会(JOCS)制定の基準油脂分析試験法を用いて、JOCS 2.3.6.2−96に準拠して測定を行った。
(2−1)体積平均粒径(Dv)、個数平均粒径(Dn)、及び粒径分布(Dv/Dn)
着色樹脂粒子を約0.1g秤量し、ビーカーに取り、分散剤としてアルキルベンゼンスルホン酸水溶液(富士フィルム社製、商品名:ドライウエル)0.1mlを加えた。そのビーカーへ、更に専用電解液(ベックマン・コールター社製、商品名:アイソトンII−PC)を10〜30ml加え、20Wの超音波分散機で3分間分散させた後、粒径測定機(ベックマン・コールター社製、商品名:マルチサイザー)を用いて、アパーチャー径;100μm、媒体;アイソトンII−PC、測定粒子個数;100,000個の条件下で、着色樹脂粒子の体積平均粒径(Dv)、及び個数平均粒径(Dn)を測定し、粒径分布(Dv/Dn)を算出した。
容器中に、予めイオン交換水10mlを入れ、その中に分散剤としての界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸)0.02gを加え、更に着色樹脂粒子0.02gを加え、超音波分散機で60W、3分間分散処理を行った。測定時の着色樹脂粒子濃度を3,000〜10,000個/μlとなるように調整し、0.4μm以上の円相当径の着色樹脂粒子1,000〜10,000個についてフロー式粒子像分析装置(シメックス社製、商品名:FPIA−2100)を用いて測定した。測定値から平均円形度を求めた。
円形度は下記計算式1に示され、平均円形度は、その数平均を取ったものである。
計算式1:
(円形度)=(粒子の投影面積に等しい円の周囲長)/(粒子投影像の周囲長)
(3−1)保存性
トナー10gを密閉可能な容器(ポリエチレン製、容量:100ml)に入れて、密閉した後、当該容器を55℃の温度に保持した恒温水槽の中に沈めた。8時間経過した後、恒温水槽から当該容器を取り出し、容器内のトナーを42メッシュの篩上へ置いた。この際、容器内でのトナーの凝集構造を破壊しないように、容器内からトナーを静かに取り出し、注意深く篩上に移して置くようにする。
トナーを置いた篩を、粉体測定機(ホソカワミクロン社製、商品名:パウダテスタPT−R)を用いて、振幅1mmの条件で、30秒間振動させた後、篩上に残留したトナーの重量を測定し、凝集トナーの重量とした。最初に容器に入れたトナーの重量に対する凝集トナーの重量の割合(重量%)を算出した。
なお、1サンプルにつき上記測定を3回行ない、凝集トナーの重量の割合(重量%)を算出し、その平均値を保存性の指標とした。
市販の非磁性一成分現像方式のプリンターの定着ロール部の温度を変化できるように改造したプリンターを用い、当該プリンターの現像装置内のトナーカートリッジに、トナーを100g充填した後、印字用紙をセットし、下記のように定着試験を行った。
定着試験は、黒ベタ(印字濃度100%)を印字して、改造プリンターの定着ロールの温度を5℃ずつ変化させ、それぞれの温度でのトナーの定着率を測定し、温度−定着率の関係を求めた。
なお、5℃ずつ変化させる各温度において、定着ロールの温度を安定化させるために、5分以上その温度状態を維持させた。
定着率は、黒ベタ(印字濃度100%)の印字領域においてテープ剥離を行ない、テープ剥離前後の画像濃度の比率から計算した。すなわち、テープ剥離前の画像濃度(Image Density)をID(前)、テープ剥離後の画像濃度をID(後)とすると、定着率は、下記計算式3により算出できる。
計算式3:
定着率(%)=(ID(後)/ID(前))×100
ここで、テープ剥離操作とは、試験用紙の測定部分に粘着テープ(住友スリーエム社製、商品名:スコッチメンディングテープ810−3−18)を貼り、円盤型の金属ロール(直径15cm×厚さ2cm、重さ:1kg)を用いて、一定圧力で押圧して付着させ、その後、一定速度で紙に沿った方向に粘着テープを剥離する一連の操作である。また、画像濃度は、反射式画像濃度計(マクベス社製、商品名:RD914)を用いて測定した。
この定着試験において、定着率が80%を超える最低の定着ロールの温度をトナーの最低定着温度とした。
(製造例1)
モノグリセリン(阪本薬品工業社製、分子量:92.09)100gと、第1脂肪酸としてベヘン酸(炭素数:22、分子量:340.6)592.6g、第2脂肪酸としてステアリン酸(炭素数:18、分子量:284.5)247.5g、及び第3脂肪酸としてアラキン酸(炭素数:20、分子量:312.5)121.9gとを反応容器に入れて撹拌・混合し、更に触媒を添加し、窒素気流下で反応器内の温度を240℃まで昇温して、エステル化率がほぼ100%となるまで脱水縮合反応を行い、製造例1のモノグリセリン脂肪酸エステル(エステルワックスA)を作製した。
製造例1において、第1脂肪酸の使用量を592.6gから725.5gに変更し、第2脂肪酸の使用量を247.5から136.6gに変更したこと以外は、製造例1と同様にして製造例2のモノグリセリン脂肪酸エステル(エステルワックスB)を作製した。
製造例1において、第1脂肪酸の使用量を592.6gから837.9gに変更し、第2脂肪酸の使用量を247.5から110.9gに変更し、第3脂肪酸の使用量を121.9gから46.9gに変更したこと以外は、製造例1と同様にして製造例3のモノグリセリン脂肪酸エステル(エステルワックスC)を作製した。
製造例1において、第1脂肪酸の使用量を592.6gから347.4gに変更し、第2脂肪酸の使用量を247.5gから281.6gに変更し、第3脂肪酸の使用量を121.9gから309.4gに変更したこと以外は、製造例1と同様にして製造例4のモノグリセリン脂肪酸エステル(エステルワックスD)を作製した。
製造例1において、1価の脂肪酸の種類を、3種の1価の脂肪酸でなく、脂肪酸としてベヘン酸のみを1021.8gを使用したこと以外は、製造例1と同様にして製造例5のモノグリセリン脂肪酸エステル(エステルワックスE)を作製した。
製造例5において、1価の脂肪酸の種類を、ベヘン酸1021.8gからステアリン酸853.5gに変更したこと以外は、製造例5と同様にして製造例6のモノグリセリン脂肪酸エステル(エステルワックスF)を作製した。
製造例5において、1価の脂肪酸の種類を、ベヘン酸1021.8gからアラキン酸937.7gに変更したこと以外は、製造例5と同様にして製造例7のモノグリセリン脂肪酸エステル(エステルワックスG)を作製した。
モノビニル単量体としてスチレン77部及びn−ブチルアクリレート23部、ブラック着色剤としてカーボンブラック(三菱化学社製、商品名:#25B)7部、架橋性の重合性単量体としてジビニルベンゼン0.7部、分子量調整剤としてt−ドデシルメルカプタン1.2部、及びマクロモノマーとしてポリメタクリル酸エステルマクロモノマー(東亜合成社製、商品名:AA6、得られる重合体のTg=94℃)0.25部を、メディア型湿式粉砕機を用いて湿式粉砕を行った後、帯電制御剤として正帯電性の帯電制御樹脂(スチレン/アクリル樹脂、藤倉化成社製、商品名:FCA−207P)1部、及び離型剤として製造例1のモノグリセリン脂肪酸エステル(エステルワックスA)5部を添加、混合して、重合性単量体組成物を得た。
実施例1において、離型剤の種類を、製造例1のエステルワックスAから、製造例2のエステルワックスBに変更し、離型剤の添加量を5部から7部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして実施例2のトナーを作製し、試験に供した。結果を表2に示す。
実施例1において、離型剤の種類を、製造例1のエステルワックスAから、製造例3のエステルワックスCに変更し、離型剤の添加量を5部から7部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして実施例3のトナーを作製し、試験に供した。結果を表2に示す。
実施例1において、離型剤の種類を、製造例1のエステルワックスAから、製造例4のエステルワックスDに変更したこと以外は、実施例1と同様にして実施例4のトナーを作製し、試験に供した。結果を表2に示す。
実施例1において、離型剤の種類と添加量を、製造例1のエステルワックスA5部から、製造例5のエステルワックスE3部、製造例6のエステルワックスF1.5部、及び製造例7のエステルワックスG0.5部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして比較例1のトナーを作製し、試験に供した。結果を表2に示す。
実施例1において、離型剤の種類と添加量を、製造例1のエステルワックスA5部から、製造例5のエステルワックスE5部、製造例6のエステルワックスF1.1部、製造例7のエステルワックスG0.9部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして比較例2のトナーを作製し、試験に供した。結果を表2に示す。
実施例1において、離型剤の種類と添加量を、製造例1のエステルワックスA5部から、製造例5のエステルワックスE7部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして比較例3のトナーを作製し、試験に供した。結果を表2に示す。
表2に記載されている試験結果より、以下のことが分かる。
比較例1及び2のトナーは、離型剤として、3種類のエステルワックスの混合物を用いたことに起因し、低温定着性は比較的良好であったものの、保存性に劣るトナーであった。
Claims (6)
- 結着樹脂、着色剤、帯電制御剤、及び離型剤を含んでなる着色樹脂粒子、並びに外添剤を含有するトナーにおいて、
上記離型剤が、エステルワックスを含有し、当該エステルワックスが、モノグリセリンと3種以上の1価の脂肪酸の混合物をエステル化して得られるモノグリセリン脂肪酸エステルであり、
前記3種以上の1価の脂肪酸のうち、配合率(mol%)が高い順に第1脂肪酸、第2脂肪酸、及び第3脂肪酸としたとき、
上記第1脂肪酸、第2脂肪酸、及び第3脂肪酸の配合率a 1 、a 2 、a 3 (mol%)が、3種以上の脂肪酸の全モル量100(mol%)に対して、それぞれ30〜85(mol%)、10〜35(mol%)、及び5〜35(mol%)(但し、a 1 ≧a 2 ≧a 3 )であることを特徴とするトナー。 - 前記第1脂肪酸、第2脂肪酸、及び第3脂肪酸が、それぞれ炭素数が14〜24の1価の脂肪酸であることを特徴とする請求項1に記載のトナー。
- 前記第1脂肪酸が、ベヘン酸であることを特徴とする請求項2に記載のトナー。
- 前記エステルワックスは、酸価が2(mgKOH/g)以下であり、且つ、水酸基価が15(mgKOH/g)以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のトナー。
- 前記着色樹脂粒子が、湿式法により製造される粒子であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のトナー。
- 前記帯電制御剤が、帯電制御樹脂であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のトナー。
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