JP5393143B2 - スクリーン印刷用ポリエステルフィルム - Google Patents
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Description
本発明でいうスクリーン印刷とは、シルク、ナイロン、ポリエステルなどの繊維で織ったスクリーンを枠に固定し、その上に各種の方法で開口部と非開口部を任意の形状に形成した後、船状になったスクリーン枠内にインキを入れ、スクイジー(Squeegee)と称するゴムのヘラで版内を加圧・摺動することにより、インキを画線部よりスクリーン目を通過して版裏面に押し出し印刷する方法である。一般に、スクリーン製版方法としては手工的方法によるスクリーン、フォトレジストスクリーン、感光性樹脂の変わりに感熱孔版フィルムを用いた本願発明の属する特殊スクリーンなどが挙げられる。
本発明においては、ポリマーをエクストルーダーに代表される周知の押出装置に供給し、ポリマーの融点以上の温度に加熱し溶融する。次いで、溶融したポリマーをスリット状のダイから押し出し、回転冷却ドラム上でガラス転移温度以下の温度になるように急冷固化し、実質的に非晶状態の未配向シートを得る。この場合、シートの平面性を向上させるため、シートと回転冷却ドラムとの密着性を高めることが好ましく、通常、静電印加密着法を採用する。
一方向の延伸を2段階以上で行う方法も採用することができるが、その場合も最終的な延伸倍率が上記した範囲に入ることが好ましい。また、前記未延伸シートを面積倍率が10〜40倍になるように同時二軸延伸することも可能である。得られたフィルムの熱処理は、任意に行うことができ、また、必要に応じ、熱処理を行う前または後に再度縦および/または横方向に延伸してもよい。
ポリマー試料を重水素トルフルオロ酢酸溶媒に濃度3重量%となるように溶解させた溶液を調整した。核磁気共鳴装置(ブルカ−バイオスピン製DRX−500)を用い、この溶液の1H−NMRスペクトルを得、各ピークを帰属し、ピークの積分値から各成分の含有量を算出した。
示差走査熱量計(DSC)を用いる方法で、具体的にはテイー・エイ・インスルメント社製DSC−2920を使用して測定した。すなわち、試料を温度0℃から昇温速度10℃/分で300℃まで昇温し、結晶融解吸熱ピーク温度を融点[Tm]とした。ガラス転移温度[Tg]は、300℃に加熱した試料を急冷した後、昇温速度10℃/分で昇温した時、比熱の変化によりDSC曲線が屈曲する温度範囲の中心値とした。
試料の重量、長さ、幅、密度より次式にて測定した。
厚さ=(試料の重量)÷(試料の長さ×試料の幅×試料の密度)
試料1gをフェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100ml中に溶解し、30℃で測定した。
所定の温度(150℃)に保ったオーブン中、試料を無張力状態で3分間熱処理しその前後の試料長さを測定し次式にて熱収縮率を算出した。フィルムの縦方向と横方向に5点ずつ測定し、平均値を求めた。
熱収縮率=((熱処理前のサンプル長 )−(熱処理後のサンプル長))÷(熱処理前のサンプル長)×100
フィルムにポリエステル性のスクリーンを貼り合わせて原紙を作製した。得られた原紙をサーマルヘッドにより、印字エネルギー0.12mJおよび0.18mJにて文字画像および16段階の階調画像を製版した。製版された原紙のフィルム側から顕微鏡で階調画像部の穿孔状態を観察し、以下の項目について評価した。
(a)穿孔感度
◎…所定の穿孔が確実に行われ、穿孔の大きさも十分である
○…所定の穿孔がほぼ確実に行われる、穿孔の大きさも十分である
×…所定の穿孔が得られない部分が数多くあり、穿孔の大きさも不揃があり、実用上支障がある
印刷機でTシャツをフィルムが破損するまでに刷れる枚数で評価した。
◎…2000枚以上印刷可能
○…1000枚以上印刷可能
△…500枚以上印刷可能
×…500枚以上でフィルムが破損
テレフタル酸ジメチル100重量部、エチレングリコール60重量部を出発原料とし、触媒として、酢酸マグネシウム・四水塩0.09重量部を反応器に取り、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物にエチルアシッドフォスフェ−ト0.04部を添加した後、平均粒子1.1μmの球状有機架橋粒子1.0重量部及び三酸化アンチモン0.03部を加えて、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により固有粘度0.70dl/gに相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させた。得られたポリエステルの固有粘度は0.75dl/gであった。
ポリエステル−Aの製造において、イソフタル酸ジメチル100重量部をテレフタル産ジメチル80重量部、イソフタル酸ジメチル20重量部に変えた以外はポリエステル−Aと同様の方法でポリエステル−Bを得た。得られたポリエステルの固有粘度は0.75dl/gであった。
テレフタル酸ジメチル100重量部、1,4ブタンジオール56重量部、およびテトラブチルチタネート0.005重量部を反応器に取り、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後210℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物に、平均粒子1.1μmの球状有機架橋粒子1.0重量部添加し、重合触媒としてテトラブチルチタネート0.005部を加えて、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度210℃から徐々に昇温し260℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により固有粘度1.10dl/gに相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させた。得られたポリエステルの固有粘度は1.10dl/gであった。
ナフタレン−2,6−ジカルボン酸ジメチル100重量部、エチレングリコール65重量部、および重合触媒として酢酸マグネシウム0.09部を添加し、常法にしたがって重縮合反応を行い固有粘度0.55dl/gのポリマーを得、次いで窒素気流中で固相重合を行った。得られたポリエステルの固有粘度は0.63dl/gであった。
ポリエステル−A原料17重量部、ポリエステル−B原料50重量部、およびポリエステル−C原料33重量部をブレンドし、ベンド付きの二軸押出機を用いて285℃で混練りし、固有粘度0.70dl/gのポリエステルチップを作成した。このポリエステルチップを270℃にて押出機によりシート状に押出し、表面温度40℃に設定した回転冷却ドラムで静電印加冷却法を使用して急冷固化させ厚み50μmの実質的に非晶質のシートを得た。得られたシートを縦方向に70℃で4.0倍、横方向に97℃で4.0倍に延伸し95℃のテンター内で熱処理を施し、厚み3.0μmの二軸配向フィルムを製造した。得られたフィルムの物性を下記表1に示す。次いで得られたフィルムを常法に従い、ポリエステル製のスクリーンに貼り合わせ、感熱孔版印刷用原紙を作成し、綿100%の市販の無地Tシャツにスクリーン印刷を行った。
実施例1において、ポリエステル−A原料17重量部、ポリエステル−B原料50重量部、およびポリエステル−C原料33重量部をブレンドした代わりにポリエステル−B原料90重量部、ポリエステル−C原料10重量部をブレンドした以外は、実施例1と同じ方法で感熱孔版印刷用原紙を作成し、スクリーン印刷を行った。
実施例1において、ポリエステル−A原料17重量部、ポリエステル−B原料50重量部、およびポリエステル−C原料33重量部をブレンドした代わりにポリエステル−A原料10重量部、ポリエステル−B原料25重量部、およびポリエステル−C原料65重量部をブレンドした以外は、実施例1と同じ方法で感熱孔版印刷用原紙を作成し、スクリーン印刷を行った。
実施例1において、ポリエステル−A原料17重量部、ポリエステル−B原料50重量部、およびポリエステル−C原料33重量部をブレンドした代わりにポリエステル−B原料50重量部、ポリエステル−C原料33重量部、およびポリエステル−D原料17重量部をブレンドした以外は、実施例1と同じ方法で感熱孔版印刷用原紙を作成し、スクリーン印刷を行った。
ポリエステル−B原料50重量部、およびポリエステル−C原料50重量部をブレンドし、ベンド付きの二軸押出機を用いて285℃で混練りして、ポリエステルE原料を作成し、ポリエステル−A原料50重量部とポリエステルE原料50重量部を均一にブレンドし、280℃にて押出機によりシート状に押出し、表面温度40℃に設定した回転冷却ドラムで静電印加冷却法を使用して急冷固化させ厚み50μmの実質的に非晶質のシートを得た。得られたシートを縦方向に90℃で4.0倍、横方向に100℃で4.0倍に延伸し95℃のテンター内で熱処理を施し、厚み3.0μmの二軸配向フィルムを製造した。得られたフィルムの物性を表1に示す。次いで得られたフィルムを常法に従い、ポリエステル製のスクリーンに貼り合わせ、感熱孔版印刷用原紙を作成し、綿100%の市販の無地Tシャツにスクリーン印刷を行った。
実施例1において、フィルムの厚みを6.0μmにした以外は実施例1と同じ方法で感熱孔版印刷用原紙を作成し、スクリーン印刷を行った。
実施例1において、テンターでの熱処理温度を105℃とした以外は実施例1と同じ方法で感熱孔版印刷用原紙を作成し、スクリーン印刷を行った。
ポリエステル−B原料100重量部を280℃にて押出機によりシート状に押出し、表面温度40℃に設定した回転冷却ドラムで静電印加冷却法を使用して急冷固化させ厚み50μmの実質的に非晶質のシートを得た。得られたシートを縦方向に90℃で4.0倍、横方向に100℃で4.0倍に延伸し95℃のテンター内で熱処理を施し、厚み3.0μmの二軸配向フィルムを製造した。得られたフィルムの物性を表1に示す。次いで得られたフィルムを常法に従い、ポリエステル製のスクリーンに貼り合わせ、感熱孔版印刷用原紙を作成し、綿100%の市販の無地Tシャツにスクリーン印刷を行った。
実施例1において、ポリエステル−A原料17重量部、ポリエステル−B原料50重量部、およびポリエステル−C原料33重量部をブレンドした代わりにポリエステル−B原料20重量部、ポリエステル−C原料80重量部をブレンドした以外は、実施例1と同じ方法で感熱孔版印刷用原紙を作成し、スクリーン印刷を行った。
実施例1において、フィルムの厚みを2.0μmにした以外は実施例1と同じ方法で感熱孔版印刷用原紙を作成し、スクリーン印刷を行った。
実施例1において、フィルムの厚みを8.0μmにした以外は実施例1と同じ方法で感熱孔版印刷用原紙を作成し、スクリーン印刷を行った。
実施例1において、ポリエステル−A原料17重量部、ポリエステル−B原料50重量部、およびポリエステル−C原料33重量部をブレンドし、ベンド付きの二軸押出機を用いて285℃で混練りを2回繰り返し、固有粘度0.60dl/gのポリエステルチップを作成した以外は実施例1と同じ方法で感熱孔版印刷用原紙を作成し、スクリーン印刷を行った。
実施例1において、テンターでの熱処理温度を135℃とした以外は実施例1と同じ方法で感熱孔版印刷用原紙を作成し、スクリーン印刷を行った。
以上得られたフィルムの物性および孔版原紙実用特性を下記の表に示す。
Claims (1)
- イソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレートおよびポリブチレンテレフタレートと、ポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンナフタレートとを混合してなる、酸性分のうち50〜97モル%がテレフタル酸成分、グリコール成分のうち5〜70モル%が1,4−ブタンジオール成分で構成されるポリエステルからなり、フィルムの融点が245℃以下であり、固有粘度が0.55dl/g以上であり、150℃における熱収縮率が30〜70%、厚さが2.5〜7μmであることを特徴とするスクリーン印刷用ポリエステルフィルム。
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