JP5393143B2 - スクリーン印刷用ポリエステルフィルム - Google Patents

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Description

本発明は、スクリーン印刷用二軸配向ポリエステルフィルムに関する。さらに詳しくは、本発明は、シルク、ナイロン、ポリエステル等の繊維で織ったスクリーンに貼り合せて用いる、サーマルヘッド、キセノン製版方式、フラッシュバック方式等の感熱穿孔性、耐刷性に優れたスクリーン印刷用二軸配向ポリエステルフィルムに関するものである。
従来、感熱孔版フィルムを用いたスクリーン製版は、感光性油脂を用いないため、製版の工程数が少なく簡便な方法であり、コスト的にも有利な方法であるが、耐刷力、画線精度が劣る欠点がある。スクリーン製版に用いる感熱孔版フィルムに必要な特性としては、耐刷力、フィルムの巻き特性、穿孔感度、印刷時の画像の解像度などが挙げられるが、従来、スクリーン印刷の感熱孔版フィルムとして用いられている塩化ビニリレンは、機械的強度が弱く耐刷力が劣ったり、穿孔感度が悪いために、フィルムを穿孔する際の熱エネルギーが高かったりする等、上記の必要特性を全て満足するものではなかった。この問題を解決するために、特定の融点、収縮率、引張弾性率、厚みの二軸配向ポリエステルフィルムが提案されているが(特許文献1)、この方法では、デジタル孔版印刷等で使用する上質紙やプラスチックなどの表面が均一な薄い素材への印刷には支障は生じないが、Tシャツなどの布地や段ボール等の厚紙、表面の凹凸が比較的大きい素材への印刷に対しては、十分な耐刷力が得られていないという問題が残っている。
特開平9−220867公報
本発明の課題は、印刷物の表面形状によらず、耐刷力、穿孔感度、印刷時の解像度に優れたスクリーン印刷用感熱孔版フィルムを提供することにある。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、特定の二軸配向ポリエステルフィルムがスクリーン印刷用フィルムに好適であることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は、イソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレートおよびポリブチレンテレフタレートと、ポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンナフタレートとを混合してなる、酸性分のうち50〜97モル%がテレフタル酸成分、グリコール成分のうち5〜70モル%が1,4−ブタンジオール成分で構成されるポリエステルからなり、フィルムの融点が245℃以下であり、固有粘度が0.55dl/g以上であり、150℃における熱収縮率が30〜70%、厚さが2.5〜7μmであることを特徴とするスクリーン印刷用ポリエステルフィルムに存する。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明でいうスクリーン印刷とは、シルク、ナイロン、ポリエステルなどの繊維で織ったスクリーンを枠に固定し、その上に各種の方法で開口部と非開口部を任意の形状に形成した後、船状になったスクリーン枠内にインキを入れ、スクイジー(Squeegee)と称するゴムのヘラで版内を加圧・摺動することにより、インキを画線部よりスクリーン目を通過して版裏面に押し出し印刷する方法である。一般に、スクリーン製版方法としては手工的方法によるスクリーン、フォトレジストスクリーン、感光性樹脂の変わりに感熱孔版フィルムを用いた本願発明の属する特殊スクリーンなどが挙げられる。
特殊スクリーン製版も、原稿からの反射光を電気信号に変換し、増幅し、記録針からの放電により塩化ビニル、塩酢ビ共重合体など熱可塑性樹脂フィルムの中にカーボンを分散させ、導電性をもたせたシートを穿孔してスクリーン版とする放電式と、各種のスクリーンメッシュに、熱により穿孔される塩化ビニリデンなどの熱可塑性フィルムを貼り合わせたものを原稿に密着させ、サーマルヘッド、キセノン製版方式、フラッシュバルブ等の熱エネルギーにより孔をあけて版としたりする感熱方式があり、本願発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、スクリーン印刷の中でも、特殊スクリーン製版の感熱孔版方法に用いる。
本発明のポリエステルフィルムは、スクリーン印刷用感熱孔版原紙として、シルク、ナイロン、ポリエステル等の繊維で織ったスクリーンに貼り合わせた後、サーマルヘッド、キセノン製版方式、フラッシュバルブ等の熱エネルギーにより穿孔され、スクリーン印刷用製版となる。
本発明でいうポリエステルとは、酸性分のうち50〜97%、好ましくは、70〜97%がテレフタル酸成分、グリコール成分のうち5〜70モル%、好ましくは10〜60モル%、さらに好ましくは10〜50モル%が1,4−ブタンジオール成分で構成されるポリエステル上記したジカルボン酸成分、およびグリコール成分からなるポリエステルを指すが、融点を245℃以下にするために、それ以外の成分を含む共重合体であってもよい。かかる共重合可能成分としては、2,6−ナフタレンジカルボン酸、イソフタル酸、セバシン酸、アジピン酸等のジカルボン酸、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等のグリコール成分等が挙げられ、酸性分のうち3〜30モル%をイソフタル酸成分で構成するのが好ましい。
かかるポリエステルを得る方法としては、重合時に所定量のジカルボン酸成分とグリコール成分とを仕込み、共重合により目的のポリエステルを得る方法、あるいは、異なる成分比の共重合ポリエステルの2種類以上をブレンドして溶融混練りにより所定の成分量になるように調節する方法が挙げられる。
本発明のフィルムを構成するポリエステルは、上述のとおり、酸性分およびグリコール成分が特定の範囲であるが、1,4−ブタンジオール成分が5モル%未満では、高感度のフィルムが得られず、70モル%を超えた場合は、フィルムの耐熱寸法安定性が悪化して、マスターフィルム保管中やマスターフィルム搬送時にカール、局部タルミが発生し、印刷画像の階調性が劣るようになるので好ましくない。
さらに、1,4−ブタンジオール以外のグリコール成分として、エチレングリコールを30〜95モル%、好ましくは40〜90モル%、さらに好ましくは50〜90モル%構成するのが好ましい。
本発明のフィルムの厚さは2.5〜7μm、好ましくは3〜5μmの範囲である。フィルムの厚さが薄いほど熱伝導距離が短縮され、その結果、穿孔時に必要な熱エネルギーが減少して穿孔性が向上し、印刷時の解像度や印字品位性が向上する。しかしながら、フィルムの厚さが2.5μm未満の場合は、フィルムの腰が低下するため、繊維や段ボール等の厚紙、表面の凹凸が比較的大きい素材への印刷では濃淡むらが生じやすく、耐刷性も著しく低下する傾向がある。逆に、フィルムの厚さが7μmを超える場合は、十分な穿孔径、穿孔確率を確保することができず未穿孔が発生する。
なお、本発明において、製膜に供するポリエステル全量に対し、10重量%程度以下の他のポリマー(例えばポリエチレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアミド、ポリイミド等)を含有させることができる。また必要に応じ、酸化防止剤、熱安定剤、潤滑剤、帯電防止剤、染料、顔料等の添加剤を配合してもよい。
上記の添加剤の配合方法は、特に限定されず、例えば、添加剤とポリエステルチップとを直接ブレンドする方法、添加剤を予めポリエステル中に高濃度に配合したマスターバッチチップを得、それを再度ポリエステルにブレンドする所謂マスターバッチ法などを採用することができる。
本発明におけるフィルムの融点は245℃以下、好ましくは170〜245℃、さらに好ましくは170〜230℃の範囲である。さらにより好ましくは170℃〜230℃である。フィルムの融点が245℃より高い場合は、本発明の目的とする高度な穿孔感度が得られ難く、フィルムの融点が低すぎる場合は、フィルムの耐熱寸法安定性の悪化により、マスターフィルムを製造する工程やマスターフィルムの保存中にカールが発生したり、印刷画像の階調性が劣ったりする。
また、本発明においては最も高い融点(Tm2)と最も低い融点(Tm1)との差は50℃未満、さらには30℃未満であることが好ましいが、Tm1とTm2が同一であってもよい。かかる温度差が50℃以上では、短時間で均一な穿孔が起こらず、印刷画像の階調性が劣るようになる傾向がある。
本発明のフィルムのガラス転移温度は40〜85℃が好ましく、さらに好ましくは50〜74℃である。ガラス転移温度が40℃未満では、耐熱寸法安定性が悪化して、マスターフィルム保管中や、マスターフィルム搬送時にカール、局部タルミが発生しやすく、印刷画像の階調性が劣ることがある。ガラス転移温度が85℃より高い場合は、穿孔感度が悪くなり好ましくない。
本発明のフィルムの固有粘度[η]は0.55dl/g以上、好ましくは0.60dl/g以上である。固有粘度[η]が0.55dl/gより低い場合は、マスターフィルム保管中や、マスターフィルム搬送時にカールしたり、十分な耐刷力が得られなくなったりする。また、穿孔感度が悪くなり、好ましくない。
本発明のフィルムは、フィルム製造時の巻き上げ工程、フィルムマスター作成時のコーテング、および印刷時の作業性を向上させるため、あるいは、サーマルヘッドとフィルムとの融着を防止するため、フィルムに適度な滑り性を付与する。
具体的には、表面を適度に粗面化するためにフィルムに、例えば平均粒径0.05〜5.0μmの微粒子を0.01〜3.0重量%、好ましくは0.1〜1.5重量%含有させる。
かかる微粒子の例として、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸リチウム、リン酸マグネシウム、フッ化リチウム、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化チタン、カオリン、タルク、カーボンブラック、窒化ケイ素、窒化ホウ素、および特公昭59−5216号公報に記載されているような架橋高分子微粉体を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
この際、配合する微粒子は、単成分でもよく、また、2成分以上を同時に用いてもよい。2成分以上用いる場合は、それらの全体の平均粒径および含有量が上記した範囲内にあることが好ましい。
平均粒径が0.05μm未満、または微粒子の含有量が0.01重量%未満である場合は、フィルム表面の粗面化が不足し、十分に効果が得られないことがある。また平均粒径が5.0μmを超える場合や含有量が3.0重量%を超える場合には、フィルム表面の粗面化の度合いが大き過ぎて熱伝達にムラが生じ、穿孔が不均一となり、解像度が劣ったり、印字品位性が損なったりすることがある。
原料ポリエステルに対する前記各粒子の配合方法は、特に限定されないが、例えば、ポリエステルの重合工程に各粒子を添加する方法または原料ポリエステルと各粒子を溶融混練する方法などが好適である。
本発明のフィルムは、作業性、印刷時の解像度、印字品位性などの特性を高度に満足させるため、中心線平均粗さ(Ra)が0.01〜0.20μmの範囲であることが好ましく、0.02〜0.15μmの範囲であることがさらに好ましい。Raが0.01μm未満の場合は、フィルムの巻き取り時にフィルムにシワが入りやすくなる傾向があり、また、Raが0.20μmを超える場合は、フィルム表面の平面性が損なわれ、熱伝達にムラが生じ、穿孔が不均一となり、解像度が劣り、印字品位性が損なわれる傾向がある。
本発明のフィルム熱収縮率は、150℃3分間で30〜70%、好ましくは35〜65%である。150℃での熱収縮率が30%未満では、低エネルギーでの穿孔性の点から十分な穿孔径、穿孔確率を確保することができず、未穿孔が発生し、70%より大きいと原紙の保存中に発生するカール、印刷画像の階調性のレベルが悪く、実用上、好ましくない。
次に本発明のポリエステルフィルムの製造方法について説明する。
本発明においては、ポリマーをエクストルーダーに代表される周知の押出装置に供給し、ポリマーの融点以上の温度に加熱し溶融する。次いで、溶融したポリマーをスリット状のダイから押し出し、回転冷却ドラム上でガラス転移温度以下の温度になるように急冷固化し、実質的に非晶状態の未配向シートを得る。この場合、シートの平面性を向上させるため、シートと回転冷却ドラムとの密着性を高めることが好ましく、通常、静電印加密着法を採用する。
本発明においては、上記のようにして得られた未延伸シートを2軸方向に延伸してフィルム化する。具体的には、まず、ロールまたはテンター方式の延伸機により、前記未延伸シートを一方向に延伸する。この一段目において、延伸温度は、通常40〜120℃、好ましくは50〜100℃、延伸倍率は、通常3.0〜7倍、好ましくは3.5〜7倍とする。次に、テンター方式の延伸機により、一段目と直交する方向に延伸する。この二段目において、延伸温度は、通常20〜100℃、好ましくは25〜90℃、延伸倍率は、通常3.0〜7倍、好ましくは3.5〜7倍、さらに好ましくは4.0〜7倍とする。
一方向の延伸を2段階以上で行う方法も採用することができるが、その場合も最終的な延伸倍率が上記した範囲に入ることが好ましい。また、前記未延伸シートを面積倍率が10〜40倍になるように同時二軸延伸することも可能である。得られたフィルムの熱処理は、任意に行うことができ、また、必要に応じ、熱処理を行う前または後に再度縦および/または横方向に延伸してもよい。
本発明においては、前記した熱収縮特性を有するフィルムを得るため、延伸倍率を面積倍率として15倍以上とし、熱処理温度を次の条件を採用するのが好ましい。すなわち、熱処理温度は、通常130℃以下、好ましくは110℃以下とし、熱処理時間は1秒から5分間とする。そして、定長下または30%以内の伸長下のフィルムについて熱処理を施す。
かくして得られた本発明のスクリーン印刷用度感熱孔版フィルムは、シルク、ナイロン、ポリエステルなどの繊維で織ったスクリーンに貼り合わせた後、熱エネルギーにより高感度に穿孔され、耐刷力の優れたスクリーン製版となる。
本発明によれば、印刷物の表面形状によらず、耐刷力、穿孔感度、印刷時の解像度に優れたスクリーン印刷用感熱孔版フィルムを提供することができ、本発明の工業的価値は高い。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、その要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、本発明で用いた物性測定法は以下に示すとおりである。
(1)試料成分含有量の測定
ポリマー試料を重水素トルフルオロ酢酸溶媒に濃度3重量%となるように溶解させた溶液を調整した。核磁気共鳴装置(ブルカ−バイオスピン製DRX−500)を用い、この溶液の1H−NMRスペクトルを得、各ピークを帰属し、ピークの積分値から各成分の含有量を算出した。
(2)融点およびガラス転移温度
示差走査熱量計(DSC)を用いる方法で、具体的にはテイー・エイ・インスルメント社製DSC−2920を使用して測定した。すなわち、試料を温度0℃から昇温速度10℃/分で300℃まで昇温し、結晶融解吸熱ピーク温度を融点[Tm]とした。ガラス転移温度[Tg]は、300℃に加熱した試料を急冷した後、昇温速度10℃/分で昇温した時、比熱の変化によりDSC曲線が屈曲する温度範囲の中心値とした。
(3)厚さ
試料の重量、長さ、幅、密度より次式にて測定した。
厚さ=(試料の重量)÷(試料の長さ×試料の幅×試料の密度)
(4)固有粘度の測定
試料1gをフェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100ml中に溶解し、30℃で測定した。
(5)熱収縮率(%)
所定の温度(150℃)に保ったオーブン中、試料を無張力状態で3分間熱処理しその前後の試料長さを測定し次式にて熱収縮率を算出した。フィルムの縦方向と横方向に5点ずつ測定し、平均値を求めた。
熱収縮率=((熱処理前のサンプル長 )−(熱処理後のサンプル長))÷(熱処理前のサンプル長)×100
(6)感熱孔版印刷原紙実用特性
フィルムにポリエステル性のスクリーンを貼り合わせて原紙を作製した。得られた原紙をサーマルヘッドにより、印字エネルギー0.12mJおよび0.18mJにて文字画像および16段階の階調画像を製版した。製版された原紙のフィルム側から顕微鏡で階調画像部の穿孔状態を観察し、以下の項目について評価した。
(a)穿孔感度
◎…所定の穿孔が確実に行われ、穿孔の大きさも十分である
○…所定の穿孔がほぼ確実に行われる、穿孔の大きさも十分である
×…所定の穿孔が得られない部分が数多くあり、穿孔の大きさも不揃があり、実用上支障がある
(b)印刷耐久性
印刷機でTシャツをフィルムが破損するまでに刷れる枚数で評価した。
◎…2000枚以上印刷可能
○…1000枚以上印刷可能
△…500枚以上印刷可能
×…500枚以上でフィルムが破損
・ポリエステル−Aの製造
テレフタル酸ジメチル100重量部、エチレングリコール60重量部を出発原料とし、触媒として、酢酸マグネシウム・四水塩0.09重量部を反応器に取り、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物にエチルアシッドフォスフェ−ト0.04部を添加した後、平均粒子1.1μmの球状有機架橋粒子1.0重量部及び三酸化アンチモン0.03部を加えて、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により固有粘度0.70dl/gに相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させた。得られたポリエステルの固有粘度は0.75dl/gであった。
・ポリエステル−Bの製造
ポリエステル−Aの製造において、イソフタル酸ジメチル100重量部をテレフタル産ジメチル80重量部、イソフタル酸ジメチル20重量部に変えた以外はポリエステル−Aと同様の方法でポリエステル−Bを得た。得られたポリエステルの固有粘度は0.75dl/gであった。
・ポリエステル−Cの製造
テレフタル酸ジメチル100重量部、1,4ブタンジオール56重量部、およびテトラブチルチタネート0.005重量部を反応器に取り、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後210℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物に、平均粒子1.1μmの球状有機架橋粒子1.0重量部添加し、重合触媒としてテトラブチルチタネート0.005部を加えて、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度210℃から徐々に昇温し260℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により固有粘度1.10dl/gに相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させた。得られたポリエステルの固有粘度は1.10dl/gであった。
・ポリエステル−Dの製造
ナフタレン−2,6−ジカルボン酸ジメチル100重量部、エチレングリコール65重量部、および重合触媒として酢酸マグネシウム0.09部を添加し、常法にしたがって重縮合反応を行い固有粘度0.55dl/gのポリマーを得、次いで窒素気流中で固相重合を行った。得られたポリエステルの固有粘度は0.63dl/gであった。
実施例1:
ポリエステル−A原料17重量部、ポリエステル−B原料50重量部、およびポリエステル−C原料33重量部をブレンドし、ベンド付きの二軸押出機を用いて285℃で混練りし、固有粘度0.70dl/gのポリエステルチップを作成した。このポリエステルチップを270℃にて押出機によりシート状に押出し、表面温度40℃に設定した回転冷却ドラムで静電印加冷却法を使用して急冷固化させ厚み50μmの実質的に非晶質のシートを得た。得られたシートを縦方向に70℃で4.0倍、横方向に97℃で4.0倍に延伸し95℃のテンター内で熱処理を施し、厚み3.0μmの二軸配向フィルムを製造した。得られたフィルムの物性を下記表1に示す。次いで得られたフィルムを常法に従い、ポリエステル製のスクリーンに貼り合わせ、感熱孔版印刷用原紙を作成し、綿100%の市販の無地Tシャツにスクリーン印刷を行った。
実施例2:
実施例1において、ポリエステル−A原料17重量部、ポリエステル−B原料50重量部、およびポリエステル−C原料33重量部をブレンドした代わりにポリエステル−B原料90重量部、ポリエステル−C原料10重量部をブレンドした以外は、実施例1と同じ方法で感熱孔版印刷用原紙を作成し、スクリーン印刷を行った。
実施例3:
実施例1において、ポリエステル−A原料17重量部、ポリエステル−B原料50重量部、およびポリエステル−C原料33重量部をブレンドした代わりにポリエステル−A原料10重量部、ポリエステル−B原料25重量部、およびポリエステル−C原料65重量部をブレンドした以外は、実施例1と同じ方法で感熱孔版印刷用原紙を作成し、スクリーン印刷を行った。
実施例4:
実施例1において、ポリエステル−A原料17重量部、ポリエステル−B原料50重量部、およびポリエステル−C原料33重量部をブレンドした代わりにポリエステル−B原料50重量部、ポリエステル−C原料33重量部、およびポリエステル−D原料17重量部をブレンドした以外は、実施例1と同じ方法で感熱孔版印刷用原紙を作成し、スクリーン印刷を行った。
実施例5:
ポリエステル−B原料50重量部、およびポリエステル−C原料50重量部をブレンドし、ベンド付きの二軸押出機を用いて285℃で混練りして、ポリエステルE原料を作成し、ポリエステル−A原料50重量部とポリエステルE原料50重量部を均一にブレンドし、280℃にて押出機によりシート状に押出し、表面温度40℃に設定した回転冷却ドラムで静電印加冷却法を使用して急冷固化させ厚み50μmの実質的に非晶質のシートを得た。得られたシートを縦方向に90℃で4.0倍、横方向に100℃で4.0倍に延伸し95℃のテンター内で熱処理を施し、厚み3.0μmの二軸配向フィルムを製造した。得られたフィルムの物性を表1に示す。次いで得られたフィルムを常法に従い、ポリエステル製のスクリーンに貼り合わせ、感熱孔版印刷用原紙を作成し、綿100%の市販の無地Tシャツにスクリーン印刷を行った。
実施例6:
実施例1において、フィルムの厚みを6.0μmにした以外は実施例1と同じ方法で感熱孔版印刷用原紙を作成し、スクリーン印刷を行った。
実施例7:
実施例1において、テンターでの熱処理温度を105℃とした以外は実施例1と同じ方法で感熱孔版印刷用原紙を作成し、スクリーン印刷を行った。
比較例1:
ポリエステル−B原料100重量部を280℃にて押出機によりシート状に押出し、表面温度40℃に設定した回転冷却ドラムで静電印加冷却法を使用して急冷固化させ厚み50μmの実質的に非晶質のシートを得た。得られたシートを縦方向に90℃で4.0倍、横方向に100℃で4.0倍に延伸し95℃のテンター内で熱処理を施し、厚み3.0μmの二軸配向フィルムを製造した。得られたフィルムの物性を表1に示す。次いで得られたフィルムを常法に従い、ポリエステル製のスクリーンに貼り合わせ、感熱孔版印刷用原紙を作成し、綿100%の市販の無地Tシャツにスクリーン印刷を行った。
比較例2:
実施例1において、ポリエステル−A原料17重量部、ポリエステル−B原料50重量部、およびポリエステル−C原料33重量部をブレンドした代わりにポリエステル−B原料20重量部、ポリエステル−C原料80重量部をブレンドした以外は、実施例1と同じ方法で感熱孔版印刷用原紙を作成し、スクリーン印刷を行った。
比較例3:
実施例1において、フィルムの厚みを2.0μmにした以外は実施例1と同じ方法で感熱孔版印刷用原紙を作成し、スクリーン印刷を行った。
比較例4:
実施例1において、フィルムの厚みを8.0μmにした以外は実施例1と同じ方法で感熱孔版印刷用原紙を作成し、スクリーン印刷を行った。
比較例5:
実施例1において、ポリエステル−A原料17重量部、ポリエステル−B原料50重量部、およびポリエステル−C原料33重量部をブレンドし、ベンド付きの二軸押出機を用いて285℃で混練りを2回繰り返し、固有粘度0.60dl/gのポリエステルチップを作成した以外は実施例1と同じ方法で感熱孔版印刷用原紙を作成し、スクリーン印刷を行った。
比較例6:
実施例1において、テンターでの熱処理温度を135℃とした以外は実施例1と同じ方法で感熱孔版印刷用原紙を作成し、スクリーン印刷を行った。
以上得られたフィルムの物性および孔版原紙実用特性を下記の表に示す。
Figure 0005393143
Figure 0005393143
本発明のフィルムは、スクリーン印刷用として好適に利用することができる。

Claims (1)

  1. イソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレートおよびポリブチレンテレフタレートと、ポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンナフタレートとを混合してなる、酸性分のうち50〜97モル%がテレフタル酸成分、グリコール成分のうち5〜70モル%が1,4−ブタンジオール成分で構成されるポリエステルからなり、フィルムの融点が245℃以下であり、固有粘度が0.55dl/g以上であり、150℃における熱収縮率が30〜70%、厚さが2.5〜7μmであることを特徴とするスクリーン印刷用ポリエステルフィルム。
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