JP5315709B2 - モータ制御装置および電動パワーステアリング装置 - Google Patents

モータ制御装置および電動パワーステアリング装置 Download PDF

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Description

本発明は、ブラシレスモータを駆動するためのモータ制御装置、および、そのようなモータ制御装置を備えた電動パワーステアリング装置に関する。
従来から、運転者がハンドル(ステアリングホイール)に加える操舵トルクに応じて電動モータを駆動することにより車両のステアリング機構に操舵補助力を与える電動パワーステアリング装置が用いられている。電動パワーステアリング装置の電動モータには従来からブラシモータが広く使用されているが、信頼性および耐久性の向上や慣性の低減などの観点から、近年ではブラシレスモータも使用されている。
一般にモータ制御装置は、モータで発生するトルクを制御するために、モータに流れる電流を検出し、モータに供給すべき電流と検出した電流との差に基づきPI制御(比例積分制御)を行う。3相ブラシレスモータを駆動するモータ制御装置には、2相以上の電流を検出するために、2個または3個の電流センサが設けられる。
なお、本願発明に関連して、特許文献1には、トルクリップルを抑制すべく、モータについての推定電流あるいは検出電流が所定値以下であるときにモータ電流検出手段の出力信号のオフセット補正を行う電動パワーステアリング装置が開示されている。また、特許文献2には、電動パワーステアリング装置のゼロ点補正(オフセット補正)を高精度に行うべく、電動パワーステアリング装置の作動中において、目標電流が所定値以下のときにモータ駆動部を停止して電流センサのゼロ点補正を行うゼロ点補正方法が開示されている。
特開2007−069836号公報 特開2004−130901号公報
電動パワーステアリング装置に含まれるモータ制御装置では、電流センサは100A以上の大電流を検出する必要がある。この電流センサは、サイズが大きく、電動パワーステアリング装置の制御装置の小型化を妨げている。このため、電動パワーステアリング装置などに含まれるモータ制御装置では、電流センサの削減が課題とされている。電流センサを削減できれば、モータ制御装置のコストや消費電力も低減できる。
電流センサを削減する方法としては、電流センサを1個に削減し、従来と同様のフィードバック制御を行う方法や、電流センサをすべて除去し、モータの回路方程式に従いオープンループ制御を行う方法などが考えられる。
これらのうち前者の方法には、モータのロータの回転位置によっては、1個の電流センサではフィードバック制御に必要な複数相の電流を検出できないことがあり、モータの制御が不連続になるという問題がある。これに対し、後者の方法では、このような問題は生じない。しかし、後者の方法には、下記の要因によって相間で抵抗値に差が生じるとモータの出力トルクにリップル(「トルクリップル」と呼ばれる)が発生するという問題がある。
i)フェイルセーフ用に2相にリレーを配置することでリレーの接点抵抗分の抵抗差が相間で発生する。
ii)モータ制御装置とモータを接続するためのコネクタの接触抵抗が相間で異なる。
特に電動パワーステアリング装置では、操舵フィーリング向上の観点からモータの出力トルクの滑らかさが重要視されるので、このようなトルクリップルの発生を抑制することが求められている。
それ故に、本発明の目的は、相間での抵抗差に起因するトルクリップルの発生が抑制されるようにブラシレスモータを駆動することができるモータ制御装置を提供することである。また、本発明の他の目的は、そのようなモータ制御装置を備えた電動パワーステアリング装置を提供することである。
第1の発明は、ブラシレスモータを駆動するためのモータ制御装置であって、
前記ブラシレスモータに流れる各相電流を検出する電流検出手段と、
前記ブラシレスモータに印加すべき各相電圧を示す指令値を求め、当該指令値を相電圧指令値として出力する制御演算手段と、
前記電流検出手段により検出された各相電流の検出値と当該検出値の検出時点に前記ブラシレスモータに印加された各相電圧の指令値とに基づき各相の抵抗値を算出する相抵抗算出手段と、
前記相抵抗算出手段により算出される各相の抵抗値に基づき、相間の抵抗差が補償されるように各相の相電圧指令値を補正する補正手段と、
前記補正手段による補正後の相電圧指令値に基づき前記ブラシレスモータを駆動する駆動手段とを備え
前記補正手段は、各相の相電圧指令値を、当該相の相電圧指令値のうち当該相の抵抗への印加電圧に相当する部分が前記相抵抗算出手段により算出される当該相の抵抗値に比例するように補正することを特徴とする。
第2の発明は、第1の発明において、
前記相抵抗算出手段は、前記ブラシレスモータに流れる電流の大きさが所定値よりも小さいときに各相の抵抗値を算出することを特徴とする。
第3の発明は、第1の発明において、
前記電流検出手段により各相電流が検出される時点における前記補正後の相電圧指令値を記憶する記憶手段を更に備え、
前記相抵抗算出手段は、前記電流検出手段により検出された各相電流の検出値と前記記憶手段に記憶された相電圧指令値とに基づき各相の抵抗値を算出することを特徴とする。
第4の発明は、第3の発明において、
前記電流検出手段は、
前記ブラシレスモータに流れる電流を検出する単一の電流センサと、
前記電流センサにより検出される電流の検出値に基づき各相電流の検出値を順次に求める相電流算出手段とを含み、
前記制御演算手段は、
前記ブラシレスモータに供給すべき電流を示す指令値と前記ブラシレスモータのロータの角速度とに基づき、ブラシレスモータの回路方程式に従い前記相電圧指令値を求めるオープンループ制御手段と、
前記電流センサにより検出される電流の検出値に基づき、前記回路方程式に従い前記相電圧指令値を求めるときに使用するパラメータの値を求めるパラメータ算出手段とを含み、
前記記憶手段は、前記相電流算出手段によりいずれかの相電流の検出値が得られる毎に前記相電圧指令値を記憶することを特徴とする。
第5の発明は、車両のステアリング機構にブラシレスモータによって操舵補助力を与える電動パワーステアリング装置であって、
第1から第4の発明のいずれかの発明に係るモータ制御装置を備え、
前記モータ制御装置は、前記ステアリング機構に操舵補助力を与えるブラシレスモータを駆動することを特徴とする。
上記第1の発明によれば、電流検出手段により得られる各相電流の検出値と制御演算手段により得られる各相電圧の指令値とに基づき各相の抵抗値が算出され、算出された各相の抵抗値に基づき、相間の抵抗差が補償されるように、ブラシレスモータに印加すべき各相電圧の指令値が補正される。すなわち、ブラシレスモータに印加すべき各相電圧の指令値は、当該相電圧の指令値のうち当該相の抵抗への印加電圧に相当する部分が前記相抵抗算出手段により算出される当該相の抵抗値に比例するように補正される。これにより、相間抵抗差が補償され、相間抵抗差に起因するトルクリップルが低減される。
上記第の発明によれば、ブラシレスモータに流れる電流の大きさが所定値よりも小さいときに各相の抵抗値が算出され、当該算出時点では、電流による発熱に起因する抵抗値の増大が小さく相間抵抗差が相対的に大きいので、各相の抵抗につき精度の高い算出値が得られる。これにより、各相電圧の指令値の補正による相間抵抗差の補償がより正確に行われるので、トルクリップルを十分に低減することができる。
上記第の発明によれば、各相電流の検出時点にブラシレスモータに印加された各相電圧の指令値が記憶手段に記憶され、各相電流の検出値と記憶手段に記憶された各相電圧の指令値とに基づき各相の抵抗値が算出される。したがって、電流センサの個数が1個だけであるために全ての相の電流を同時に検出できず、当該電流センサにより得られる電流検出値に基づき順次に各相の電流検出値が得られる場合であっても、各相の抵抗値を算出し、当該各相の抵抗値に応じて各相電圧の指令値を補正することでトルクリップルを低減することができる。
上記第の発明によれば、単一の電流センサで検出された電流の検出値に基づき、各相電圧の指令値を求めるときに使用するパラメータの値が求められ、かつ、単一の電流センサを含む電流検出手段により順次に得られた各相電流の検出値と記憶手段に記憶された各相電圧の指令値とに基づき算出される各相の抵抗値に応じて、各相電圧の指令値が補正される。これにより、複数個の電流センサを使用する場合に比べてコストや消費電流を抑えつつ、上記パラメータの値が製造ばらつきや温度変化等によって変動するときでも高い精度でブラシレスモータを駆動し、トルクリップルの抑制されたモータ出力を得ることができる。
上記第の発明によれば、操舵補助力を与えるブラシレスモータに印加すべき電圧を示す各相電圧の指令値が補正されることにより、相間抵抗差に起因するトルクリップルの発生が抑制されるので、操舵フィーリングの良好な電動パワーステアリング装置を提供することができる。

<1.電動パワーステアリング装置>
図1は、本発明の実施形態に係る電動パワーステアリング装置の構成を、それに関連する車両の構成と共に示す概略図である。図1に示す電動パワーステアリング装置は、ブラシレスモータ1、減速機2、トルクセンサ3、車速センサ4、位置検出センサ5、および、電子制御ユニット(Electronic Control Unit :以下、「ECU」という)10を備えたコラムアシスト型の電動パワーステアリング装置である。
図1に示すように、ステアリングシャフト102の一端にはハンドル(ステアリングホイール)101が固着されており、ステアリングシャフト102の他端はラックピニオン機構103を介してラック軸104に連結されている。ラック軸104の両端は、タイロッドおよびナックルアームからなる連結部材105を介して車輪106に連結されている。運転者がハンドル101を回転させると、ステアリングシャフト102は回転し、これに伴いラック軸104は往復運動を行う。ラック軸104の往復運動に伴い、車輪106の向きが変わる。
電動パワーステアリング装置は、運転者の負荷を軽減するために、以下に示す操舵補助を行う。トルクセンサ3は、ハンドル101の操作によってステアリングシャフト102に加えられる操舵トルクTを検出する。車速センサ4は、車速Sを検出する。位置検出センサ5は、ブラシレスモータ1のロータの回転位置Pを検出する。位置検出センサ5は、例えばレゾルバで構成される。
ECU10は、車載バッテリ100から電力の供給を受け、操舵トルクT、車速Sおよび回転位置Pに基づきブラシレスモータ1を駆動する。ブラシレスモータ1は、ECU10によって駆動されると、操舵補助力を発生させる。減速機2は、ブラシレスモータ1とステアリングシャフト102との間に設けられる。ブラシレスモータ1で発生した操舵補助力は、減速機2を介して、ステアリングシャフト102を回転させるように作用する。
この結果、ステアリングシャフト102は、ハンドル101に加えられる操舵トルクと、ブラシレスモータ1で発生した操舵補助力の両方によって回転する。このように電動パワーステアリング装置は、ブラシレスモータ1で発生した操舵補助力を車両のステアリング機構に与えることにより操舵補助を行う。
本発明の実施形態に係る電動パワーステアリング装置は、ブラシレスモータ1を駆動する制御装置(モータ制御装置)に特徴がある。そこで以下では、各実施形態に係る電動パワーステアリング装置に含まれるモータ制御装置について説明する。
<2.第1の実施形態>
図2は、本発明の第1の実施形態に係るモータ制御装置の構成を示すブロック図である。図2に示すモータ制御装置は、ECU10を用いて構成されており、u相、v相およびw相の3相巻線(図示せず)を有するブラシレスモータ1を駆動する。ECU10は、位相補償器11、マイクロコンピュータ(以下、マイコンと略称する)20、3相/PWM(Pulse Width Modulation)変調器12、モータ駆動回路13、および、電流センサ14を備えている。
ECU10には、トルクセンサ3から出力された操舵トルクT、車速センサ4から出力された車速S、および、位置検出センサ5から出力された回転位置Pが入力される。位相補償器11は、操舵トルクTに対して位相補償を施す。マイコン20は、ブラシレスモータ1の駆動に用いられる電圧指令値を求める制御手段として機能する。マイコン20の機能の詳細については、後述する。
3相/PWM変調器12とモータ駆動回路13は、ハードウェア(回路)で構成されており、マイコン20で求めた電圧指令値の電圧を用いてブラシレスモータ1を駆動するモータ駆動手段として機能する。3相/PWM変調器12は、マイコン20で求めた3相の電圧指令値に応じたデューティー比を有する3種類のPWM信号(図2に示すU、V、W)を生成する。モータ駆動回路13は、スイッチング素子として6個のMOS−FET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor )を含むPWM電圧形インバータ回路である。6個のMOS−FETは、3種類のPWM信号とその否定信号によって制御される。PWM信号を用いてMOS−FETの導通状態を制御することにより、ブラシレスモータ1に対して3相の駆動電流(u相電流、v相電流およびw相電流)が供給される。
電流センサ14は、ブラシレスモータ1に流れる電流を検出する。本実施形態では、この電流センサ14と後述の相電流算出部41とにより、ブラシレスモータ1のu相、v相、w相の電流Iu,Iv,Iwを検出する電流検出手段が構成される。電流センサ14は、例えば抵抗体やホール素子で構成され、モータ駆動回路13と電源の間に1個だけ設けられる。図2に示す例では、電流センサ14はモータ駆動回路13と電源のマイナス側(接地)との間に設けられているが、電流センサ14をモータ駆動回路13と電源のプラス側との間に設けてもよい。
ブラシレスモータ1が回転している間、電流センサ14で検出される電流値は、PWM信号に応じて変化する。PWM信号の1周期内では、電流センサ14によって1相の駆動電流が検知されるときと、2相の駆動電流の和が検知されるときとがある。3相の駆動電流の和はゼロになるので、2相の駆動電流の和に基づき、残り1相の駆動電流を求めることができる。したがって、ブラシレスモータ1が回転している間、1個の電流センサ14を用いて3相の駆動電流を検出することができる。電流センサ14で検出された電流値Iaは、マイコン20に入力される。
マイコン20は、ECU10に内蔵されたメモリ(図示せず)に格納されたプログラムを実行することにより、指令電流算出部21、オープンループ制御部22、dq軸/3相変換部23、角度算出部24、角速度算出部25、Φ算出部26、相電流算出部41、記憶部42、相抵抗算出部43、および補正部44として機能する。なお、指令電流算出部21とオープンループ制御部22とdq軸/3相変換部23と角速度算出部25とΦ算出部26は、ブラシレスモータ1を駆動するために使用される相電圧指令値を求める制御演算手段を構成する。
マイコン20は、以下に示すように、ブラシレスモータ1に供給すべき電流を示す電流指令値とブラシレスモータ1のロータの角速度とに基づき、モータの回路方程式に従い、モータ駆動回路13に与えるべき電圧を示す電圧指令値を求める。
角度算出部24は、位置検出センサ5で検出した回転位置Pに基づき、ブラシレスモータ1のロータの回転角(以下、「角度θ」という)を求める。角速度算出部25は、角度θに基づき、ブラシレスモータ1のロータの角速度ωe を求める。なお、図3に示すようにブラシレスモータ1に対してu軸、v軸およびw軸を設定し、ブラシレスモータ1のロータ6に対してd軸およびq軸を設定したとき、u軸とd軸のなす角が角度θとなる。すなわち、角度算出部24ではブラシレスモータ1における電気角θが求められる。
指令電流算出部21は、位相補償後の操舵トルクT(位相補償器11の出力信号)と車速Sに基づき、ブラシレスモータ1に供給すべき電流の目標値のd軸成分とq軸成分を求める(以下、前者の値を「d軸電流指令値id *」、後者の値を「q軸電流指令値iq *」という)。より詳細には、指令電流算出部21は、車速Sをパラメータとして、操舵トルクTと指令電流との対応づけを記憶したテーブル(以下、「アシストマップ」という)を内蔵しており、アシストマップを参照して電流指令値を求める。アシストマップを用いることにより、或る大きさの操舵トルクが与えられたときに、その大きさに応じた適切な大きさの操舵補助力を発生させるためにブラシレスモータ1に供給すべき電流を示すd軸電流指令値id *とq軸電流指令値iq *を求めることができる。
なお、指令電流算出部21で求めるq軸電流指令値iq *は符号付きの電流値であり、その符号は操舵補助の方向を示す。例えば、符号がプラスのときには右方向へ曲がるための操舵補助が行われ、符号がマイナスのときには左方向へ曲がるための操舵補助が行われる。また、d軸電流指令値id *は、典型的にはゼロに設定される。
オープンループ制御部22は、d軸電流指令値id * ,q軸電流指令値iq * および角速度ωe に基づき、ブラシレスモータ1に印加すべき電圧の目標値のd軸成分とq軸成分を求める(以下、前者の値を「d軸電圧指令値vd 」、後者の値を「q軸電圧指令値vq 」という)。d軸電圧指令値vd とq軸電圧指令値vq は、次式(1)と(2)に示すモータの回路方程式を用いて算出される。
d=(R+PLd)id *−ωeqq * …(1)
q=(R+PLq)iq *+ωedd *+ωeΦ …(2)
ただし、式(1)と(2)において、vd はd軸電圧指令値、vq はq軸電圧指令値、id *はd軸電流指令値、iq *はq軸電流指令値、ωe はロータの角速度、Rは電機子巻線抵抗を含む回路抵抗、Ld はd軸の自己インダクタンス、Lq はq軸の自己インダクタンス、ΦはU,V,W相電機子巻線鎖交磁束数の最大値の√(3/2)倍、Pは微分演算子である。このうちR、Ld 、Lq およびΦは、既知のパラメータとして扱われる。なお、Rで示される回路抵抗には、ブラシレスモータ1とECU10との間の配線抵抗やECU10内でのモータ駆動回路13の抵抗および配線抵抗などが含まれる。この点は他の実施形態でも同様である。
dq軸/3相変換部23は、オープンループ制御部22で求めたd軸電圧指令値vd とq軸電圧指令値vq を3相交流座標軸上の電圧指令値に変換する。より詳細には、dq軸/3相変換部23は、d軸電圧指令値vd とq軸電圧指令値vq に基づき、次式(3)〜(5)を用いてu相電圧指令値Vu、v相電圧指令値Vvおよびw相電圧指令値Vwを求める。
Vu=√(2/3)×{vd×cosθ−vq×sinθ} …(3)
Vv=√(2/3)×{vd×cos(θ−2π/3)
−vq×sin(θ−2π/3)} …(4)
Vw=−Vu−Vv …(5)
上記の式(3)と(4)に含まれる角度θは、角度算出部24で求めた電気角である。なお、u相電圧指令値Vu、v相電圧指令値Vvおよびw相電圧指令値Vwを総称して「相電圧指令値Vu,Vv,Vw」ともいう。また、後述の補正部44による補正後のu相電圧指令値、v相電圧指令値およびw相電圧指令値を総称して「補正後の相電圧指令値Vuc,Vvc,Vwc」という。
既述のように、ブラシレスモータ1が回転している間、1個の電流センサ14を用いて3相の駆動電流を検出することができる。そこで本実施形態では、相電流算出部41が、電流センサ14で検出された電流値Iaからブラシレスモータ1に流れるu相、v相、w相電流の値(以下、それぞれ「u相電流検出値Iu」、「v相電流検出値Iv」、「w相電流検出値Iw」いい、総称して各相電流検出値Iu,Iv,Iwともいう)を算出する。また、記憶部42は、各相電流検出値Ix(x=u,v,w)の検出時点すなわち各相電流検出値Ixの算出に使用された電流値Iaの検出時点における補正後の相電圧指令値Vuc,Vvc,Vwcを記憶する。以下では、x相電流検出値Ixの検出時点における補正後の相電圧指令値Vuc,Vvc,Vwcを、それぞれ、記号“Vux”,“Vvx”,“Vwx”で示すものとする(x=u,v,w)。
相抵抗算出部43は、上記のような相電流算出部41および電流センサ14からなる電流検出手段によって検出された各相電流検出値Ixと、その検出時点における補正後の相電圧指令値Vux,Vvx,Vwx(x=u,v,w)とに基づき、u相抵抗Ru、v相抵抗Rv、w相抵抗Rw(図4参照)の値を求める。ここで、u相抵抗、v相抵抗、w相抵抗は、それぞれu相、v相、w相についての電機子巻線抵抗を含む回路抵抗を意味するものとし、それぞれ記号“Ru”,“Rv”,“Rw”で示すものとする。また、記号“Ru”,“Rv”,“Rw”は、u相抵抗、v相抵抗、w相抵抗の値をもそれぞれ示すものとする。なお以下では、u相抵抗、v相抵抗、w相抵抗をまとめて「相抵抗」ともいう。これらの相抵抗に相当する回路抵抗には、ブラシレスモータ1とECU10との間の配線抵抗やECU10内でのモータ駆動回路13の抵抗および配線抵抗等が含まれる。この点は他の実施形態でも同様である。相抵抗算出部43における相抵抗Ru,Rv,Rwの算出方法の詳細は後述する。
補正部44には、相抵抗算出部43で算出された相抵抗Ru,Rv,Rwの値と、Φ算出部26で算出された電機子巻線鎖交磁束数Φと、角速度算出部25で算出された角速度ωe とが入力され、当該補正部44は、次式(7)〜(9)に従って相電圧指令値Vu,Vv,Vwを補正する。
Vuc=(Vu−eu)・Ru/Rr+eu …(7)
Vvc=(Vv−ev)・Rv/Rr+ev …(8)
Vwc=(Vw−ew)・Rw/Rr+ew …(9)
上記式(7)〜(9)において、Rrは、各相に共通に設定される基準とすべき抵抗値(以下「基準抵抗値」という)であり、この基準抵抗値Rrとして、例えば各相抵抗値の平均値を使用することができ、また、所定時点における特定相の抵抗値を使用してもよい。さらに、この基準抵抗値Rrは、必ずしも固定値でなくてもよい。なお、相抵抗Ru,Rv,Rwの値が未算出のときには、基準抵抗Rrの値を予め決めておき、Ru=Rv=Rw=Rrとして補正後の相電圧指令値Vuc,Vvc,Vwcを算出してもよい。
上記式(7)〜(9)において、eu , ev ,ew は、それぞれ、ブラシレスモータ1におけるu相、v相、w相の逆起電力(誘起電圧)である。ところで、ブラシレスモータ1の逆起電力のq軸成分はωeΦであり、d軸成分は0である。そこで補正部44は、これら逆起電力のd軸成分およびq軸成分を次式(10)〜(12)により3相交流座標軸上の逆起電力に変換し、その変換により得られる各相の逆起電力eu , ev ,ew を用いて上記式(7)〜(9)に従って補正後の相電圧指令値Vuc,Vvc,Vwcを算出する。
u=√(2/3)×{0×cosθ−ωeΦ×sinθ} …(10)
v=√(2/3)×{0×cos(θ−2π/3)
−ωeΦ×sin(θ−2π/3)} …(11)
w=−eu−ev …(12)
なお式(10)と(11)に含まれる角度θは、角度算出部24で求めた電気角である。
このようにマイコン20は、dq座標軸上の電流指令値id * ,iq * を求める処理と、モータの回路方程式に従いdq座標軸上の電圧指令値vd ,vq を求める処理と、d軸およびq軸電圧指令値vd ,vq を相電圧指令値Vu,Vv,Vwに変換する処理と、相電圧指令値Vu,Vv,Vwを補正する処理とを行う。3相/PWM変調器12は、マイコン20で求めた補正後の相電圧指令値Vuc,Vvc,Vwcに基づき、3種類のPWM信号を出力する。これにより、ブラシレスモータ1の3相巻線には、各相の補正後の電圧指令値Vuc,Vvc,Vwcに応じた正弦波状の電流が流れ、ブラシレスモータ1のロータは回転する。これに伴い、ブラシレスモータ1の回転軸には、ブラシレスモータ1を流れる電流に応じたトルクが発生する。発生したトルクは操舵補助に用いられる。
Φ算出部26には、電流センサ14で検出された電流値Iaと、角度算出部24で算出された電気角θと、角速度算出部25で算出された角速度ωe とが入力される。Φ算出部26は、まず電流値Iaに基づきブラシレスモータ1に流れるu相とv相の電流の値、すなわちu相電流検出値Iu、v相電流検出値Ivを求め、これらを次式(13)と(14)を用いてdq座標軸上の電流値に変換することにより、d軸電流検出値id とq軸電流検出値iq を求める。
d=√2×{Iv×sinθ−Iu×sin(θ−2π/3)} …(13)
q=√2×{Iv×cosθ−Iu×cos(θ−2π/3)} …(14)
次に、Φ算出部26は、ωe ≠0のときに、q軸電圧指令値vq 、d軸電流検出値id 、q軸電流検出値iq および角速度ωe に基づき、次式(15)を用いて式(2)に含まれる電機子巻線鎖交磁束数Φを求める。
Φ={vq−(R+PLq)iq−ωedd}/ωe …(15)
なお、式(15)は、式(2)のd軸電流指令値id *とq軸電流指令値iq *にd軸電流検出値id とq軸電流検出値iq を代入し、その式をΦについて解いたものである。
Φ算出部26は、求めたΦ値をオープンループ制御部22に対して出力する。オープンループ制御部22は、式(2)を用いてq軸電圧指令値vq を求めるときに、Φ算出部26で算出されたΦ値を使用する。このようにマイコン20は、モータの回路方程式に含まれる電機子巻線鎖交磁束数Φを求め、q軸電圧指令値vq を求めるときにはそのΦ値を使用する。
Φ算出部26は、ωe ≠0である限り、任意のタイミングでΦ値を求めてもよい。Φ算出部26は、例えば、所定の時間間隔でΦ値を求めてもよく、ブラシレスモータ1の駆動開始後に1回だけΦ値を求めてもよく、温度などの状態が変化したときにΦ値を求めてもよい。また、ωe がゼロに近いときに求めたΦ値には誤差が発生しやすいので、Φ算出部26は、ωe が所定の閾値以上であるときに限りΦ値を求めることとしてもよい。
以上に示すように、本実施形態に係るモータ制御装置は、電流指令値とロータの角速度とに基づき、モータの回路方程式に従いオープンループ制御により電圧指令値を求めると共に、電流センサで検出した電流値に基づきモータの回路方程式に含まれるΦを求め、電圧指令値を求めるときにはそのΦ値を使用する。したがって、本実施形態に係るモータ制御装置によれば、モータの回路方程式に含まれるΦ値が製造ばらつきや温度変化によって変動するときでも、電流センサで検出した電流値に基づきΦ値を求めることにより、高い精度でブラシレスモータを駆動し、所望のモータ出力を得ることができる。
また、本実施形態に係るモータ制御装置には、電流センサは1個だけ設けられている。したがって、本実施形態に係るモータ制御装置によれば、電流センサを削減することにより、モータ制御装置の小型化、低コスト化および低消費電力化が可能となる。さらに、本実施形態に係るモータ制御装置はオープンループ制御を行うので、1個の電流センサを用いてフィードバック制御を行うモータ制御装置とは異なり、モータの制御が不連続にならない。したがって、本実施形態に係るモータ制御装置によれば、音や振動を抑制することができる。
なお本実施形態では、オープンループ制御部22においてd軸電圧指令値vd およびq軸電圧指令値vq を求めるために使用されるRやΦ等は、既知のパラメータとして扱われるが、ΦについてはΦ算出部26により算出された値が使用される。すなわち、Φについては既知のパラメータとして扱いつつもパラメータ算出手段としてのΦ算出部26により適宜補正される。しかし、本発明はこのような構成に限定されるものではなく、Φ算出部26に代えて又はΦ算出部26と共にパラメータ算出手段としてのR算出部を設け、d軸電圧指令値vd およびq軸電圧指令値vq を求める際に、当該R算出部により算出されたRを使用してもよい(この点は、以下に述べる他の実施形態においても同様)。なお、R算出部が設けられている場合、当該R算出部は、例えば、iq ≠0のときに、q軸電圧指令値vq 、d軸電流検出値id 、q軸電流検出値iq および角速度ωe に基づき、次式を用いて上記式(1)と(2)に含まれる電気子巻線抵抗Rを求める。
R=(vq−PLqq−ωedd−ωeΦ)/iq
次に、相抵抗算出部43における相抵抗Ru,Rv,Rwの算出方法について説明する。本実施形態では、x相の電流の時間的変化が緩やかなときに当該x相の電流を検出するものとし、当該x相のインダクタンスによって生じる電圧降下を無視できるものとする(x=u,v,w)。この場合、x相電流検出値Ixの検出時点でのブラシレスモータ1におけるu相、v相、w相の逆起電力(誘起電圧)を“Eux”,“Evx”,“Ewx”でそれぞれ示すものとし、x相電流検出値Ixの検出時点でのu相、v相、w相の電流値を“Iux”,“Ivx”,“Iwx”でそれぞれ示すものとすると(x=u,v,w)、下記の式が成立する。
Vuu=Iuu・Ru+Euu …(16a)
Vvu=Ivu・Rv+Evu …(16b)
Vwu=Iwu・Rw+Ewu …(16c)
Vuv=Iuv・Ru+Euv …(17a)
Vvv=Ivv・Rv+Evv …(17b)
Vwv=Iwv・Rw+Ewv …(17c)
Vuw=Iuw・Ru+Euw …(18a)
Vvw=Ivw・Rv+Evw …(18b)
Vww=Iww・Rw+Eww …(18c)
Iuu+Ivu+Iwu=0 …(19a)
Iuv+Ivv+Iwv=0 …(19b)
Iuw+Ivw+Iww=0 …(19c)
Euu+Evu+Ewu=0 …(20a)
Euv+Evv+Ewv=0 …(20b)
Euw+Evw+Eww=0 …(20c)
Vuu+Vvu+Vwu=0 …(21a)
Vuv+Vvv+Vwv=0 …(21b)
Vuw+Vvw+Vww=0 …(21c)
上記18個の式(16a)〜(21c)において、相電圧指令値Vux,Vvx,Vwx(x=u,v,w)および相電流検出値Iuu,Ivv,Iwwは既知であり、未知数は相抵抗Ru,Rv,Rw、相電流値Ivu,Iwu,Iuv,Iwv,Iuw,Ivwおよび誘起電圧Eux,Evx,Ewx(x=u,v,w)の18個であるので、上記式(6a)〜(21c)から相抵抗Ru,Rv,Rwを求めることができる。具体的には下記のようにして相抵抗Ru,Rv,Rwを求める。
u相電流が検出されると、相電流算出部41がu相電流検出値Iuを出力すると共に、記憶部42がその検出時点でのu相、v相、w相の補正後の電圧指令値Vuc,Vvc,VwcをそれぞれVuu,Vvu,Vwuとして記憶する。相抵抗算出部43は、Iu≠0のときに、このu相電流検出値Iuとその検出時点の相電圧指令値Vuu,Vvu,Vwuとを用いて次式により与えられるUa,Ubを算出する。
Ua=(Vuu−Vvu)/Iu …(22a)
Ub=(Vuu−Vwu)/Iu …(22b)
v相電流が検出されると、相電流算出部41がv相電流検出値Ivを出力すると共に、記憶部42がその検出時点での補正後のu相、v相、w相の電圧指令値Vuc,Vvc,VwcをそれぞれVuv,Vvv,Vwvとして記憶する。相抵抗算出部43は、Iv≠0のときに、このv相電流検出値Ivとその検出時点の相電圧指令値Vuv,Vvv,Vwvとを用いて、次式により与えられるVa,Vbを算出する。
Va=(Vvv−Vwv)/Iv …(23a)
Vb=(Vvv−Vuv)/Iv …(23b)
w相電流が検出されると、相電流算出部41がw相電流検出値Iwを出力すると共に、記憶部42がその検出時点でのu相、v相、w相の補正後の電圧指令値Vuc,Vvc,VwcをそれぞれVuw,Vvw,Vwwとして記憶する。相抵抗算出部43は、Iw≠0のときに、このw相電流検出値Iwとその検出時点の相電圧指令値Vuw,Vvw,Vwwとを用いて、次式により与えられるWa,Wbを算出する。
Wa=(Vww−Vuw)/Iw …(24a)
Wb=(Vww−Vvw)/Iw …(24b)
次に、算出されたUa,Ub,Va,Vb,Wa,Wbを用いて、次式により与えられるra,rb,rc,rdを算出する。
a=Ua・Va・Wa−Ub・Vb・Wb …(25a)
b=Wa・Ua−Wa・Vb+Ub・Vb …(25b)
c=Ua・Va−Ua・Wb+Vb・Wb …(25c)
d=Va・Wa−Va・Ub+Wb・Ub …(25d)
次に、算出されたra,rb,rc,rdを用いて、次式により相抵抗Ru,Rv,Rwを算出する。
Ru=ra・rb/(rb・rc+rc・rd+rd・rb) …(26a)
Rv=ra・rc/(rb・rc+rc・rd+rd・rb) …(26b)
Rw=ra・rd/(rb・rc+rc・rd+rd・rb) …(26c)
既述の式(7)〜(9)による相電圧指令値Vu,Vv,Vwの補正に必要な相抵抗Ru,Rv,Rwの値は、u相、v相およびw相の電流検出値Iu,Iv,Iwが検出されると上記のように算出することができるが、ブラシレスモータ1に流れる電流が増大すると、発熱によって相抵抗Ru,Rv,Rwの算出精度が低下する。以下、この点につき説明する。
いま、u相抵抗Ruに対するv相抵抗Rvの差を1mΩとし、u相抵抗Ruに対するw相抵抗Rwの差を2mΩとする。この場合、Ru=10mΩであれば、Rv=11mΩ、Rw=12mΩとなる。したがって、抵抗比Rv/Ru,Rw/Ruは、
Rv/Ru=11/10=1.1
Rw/Ru=12/10=1.2
であるので、抵抗差を相対値で示すと、u相抵抗Ruに対するv相抵抗Rvの差は10%であり、u相抵抗Ruに対するw相抵抗Rwの差は20%である。
一般に、相間の抵抗差はモータに流れる電流による発熱には影響されない。このため、電流による発熱によってu相抵抗Ruが例えばRu=20mΩになったとすると、Rv=21mΩ、Rw=22mΩとなる。このときの抵抗比Rv/Ru,Rw/Ruは、
Rv/Ru=21/20=1.05
Rw/Ru=22/20=1.1
であるので、抵抗差を相対値で示すと、u相抵抗Ruに対するv相抵抗Rvの差は5%となり、u相抵抗Ruに対するw相抵抗Rwの差は10%となる。
このように、電流による発熱によって抵抗値が大きくなると、相間の抵抗差は相対的に小さくなる。したがって、相間の抵抗差の観点から見ると、電流による発熱は相抵抗の算出精度を低下させることになる。よって、電流による発熱が小さいときに相抵抗を算出するのが好ましい。そこで本実施形態では、u相、v相およびw相電流の指令値または検出値が、予め決められた閾値よりも小さいときに上記のようにして相抵抗Ru,Rv,Rwを算出する。以下、このような本実施形態における相抵抗算出部43の動作を説明する。
図5は、本実施形態における相抵抗算出部43の動作例を説明するためのフローチャートである。この動作例では、相抵抗算出部43は下記の手順により相抵抗Ru,Rv,Rwを算出する。既述のように相電流算出部41は、電流センサ14により得られる電流検出値Iaからu相、v相、w相電流検出値のいずれかが算出される毎にその電流検出値Ixを相抵抗算出部43に与え(xはu,v,wのいずれか)、相抵抗算出部43は、この相電流検出値Ixを順次受け取る(ステップS10)。相抵抗算出部43は、受け取った相電流検出値Ixがゼロの場合にはステップS10へ戻り、次に算出される相電流検出値Iyを受け取る(yはu,v,wのいずれか)。このようにしてステップS10,S12を繰り返すことにより、ゼロでないu相、v相およびw相電流検出値Iu,Iv,Iwを受け取ると、相抵抗算出部43は、それらの相電流検出値の絶対値|Iu|,|Iv|,|Iw|が全て、予め決められた閾値Ithよりも小さいか否かを判定し、その結果、|Iu|,|Iv|,|Iw|のいずれかが閾値Ith以上であればステップS10へ戻り、|Iu|,|Iv|,|Iw|のすべてが閾値Ithよりも小さければステップS16へ進む。ここで、閾値Ithは、既述のように電流による発熱によって相抵抗の算出精度の低下を防止するために導入されたものであり、発熱による相抵抗の増大が比較的小さい範囲で相抵抗が算出されるように設定される。その具体的な値は、ブラシレスモータおよびそれを駆動するモータ制御装置によって異なり、実際には、個々のブラシレスモータおよびモータ制御装置についての実験や計算機シミュレーション等を用いて決定される。
ステップS16へ進んだときには、いずれもゼロではなく且つ絶対値が閾値Ithよりも小さい各相電流検出値Ix(x=u,v,w)が得られている。相抵抗算出部43は、この各相電流検出値Ixの検出時点での(補正後の)各相電圧指令値Vux,Vvx,Vwxを記憶部42から取り出し、この各相電圧指令値Vux,Vvx,Vwx(x=u,v,w)と上記各相電流検出値Ixとを用い、既述の式(22a)〜(26c)に基づいて相抵抗Ru,Rv,Rwを算出する。
上記のようにして得られた相抵抗Ru,Rv,Rwの算出値は、相抵抗算出部43から補正部44に与えられる(ステップS20)。補正部44は、これらの相抵抗Ru,Rv,Rwの算出値を用いて既述の式(7)〜(9)に基づき相電圧指令値Vu,Vv,Vwを補正する。
このようにして相抵抗Ru,Rv,Rwを算出した後は、新たな各相電流検出値Ixに基づき相抵抗Ru,Rv,Rwを算出すべくステップS10へ戻る。
なお、図5に示す処理手順による相抵抗算出部43の動作は一例であり、相抵抗算出部43の動作はこのような処理手順に限定されない。例えば、図5に示すステップS10〜S20の処理を所定時間間隔で実行するようにしてもよい。また、図5に示すステップS10〜S20の処理を、ブラシレスモータ1の駆動開始後に1回だけ実行してもよく、温度などの状態が変化したときに実行してもよい。
図5に示す動作例では、ステップS12の判定結果が“No”で且つステップS14の判定結果が“Yes”の場合に各相電流の検出時点における各相電圧の指令値Vux,Vvx,Vwxが記憶部42から取り出されるが、これに代えて、いずれかの相の電流検出値Ixが得られる毎に、当該相電流検出値Ixがゼロでないか、その絶対値が閾値Ithよりも小さいかを判定し、当該相電流検出値Ixがゼロでなく且つその絶対値が閾値Ithよりも小さければ、式(22a)(22b)または(23a)(23b)または(24a)(24b)に基づき、当該電流検出値Ixに対応する中間的なパラメータ値Xa,Xbを算出するようにしてもよい(x=u,v,w;X=U,V,W)。
また、図5に示す動作例では、ステップS14において、各相電流の検出値の絶対値が閾値Ithよりも小さいか否かが判定されるが、これに代えて、各相電流の指令値の絶対値が閾値Ithよりも小さいか否かを判定するようにしてもよい。この場合、各相電流の指令値は、指令電流算出部21により得られるd軸およびq軸電流指令値id *,iq *を3相交流座標軸上の値に変換することにより求めることができる。また、これらに代えて、d軸およびq軸電流指令値id *,iq *の絶対値または2乗和が所定の閾値よりも小さいか否かで判定するようにしてもよい。より一般的には、ブラシレスモータ1に流れる電流の大きさが所定値よりも小さいときに相抵抗Ru,Rv,Rwを算出することで、電流による発熱に起因する相抵抗算出精度の低下が防止できればよい。
また、各相の電流値の絶対値等が所定の閾値よりも小さく発熱が小さい場合であっても、式(22a)〜(24b)における各相電流値Iu,Iv,Iwがゼロに近い場合には誤差が発生しやすいので、ステップS14の判定に加えて、各相電流検出値の絶対値|Iu|,|Iv|,|Iw|が別の閾値Ith2よりも大きいか否かを判定し(ただし、Ith>Ith2)、当該閾値Ith2よりも大きい場合にのみ相抵抗を算出するようにしてもよい。
以上のように本実施形態によれば、各相電流の検出値Ixとその検出時点の各相電圧の指令値Vux,Vvx,Vwx(x=u,v,w)とを用いて相抵抗Ru,Rv,Rwが算出され、現時点の各相電圧の指令値Vyが当該相の抵抗Ryの値に応じて補正される(y=u,v,w)。すなわち、これらの相抵抗Ru,Rv,Rwの算出値を用いて式(7)〜(9)により各相電圧指令値Vu,Vv,Vwが補正される。ここで、式(7)〜(9)は、各相電圧指令値Vyのうち当該相の抵抗Ryへの印加電圧に相当する部分が当該抵抗Ryの値に比例するように各相電圧指令値Vyが補正されることを表している(y=u,v,w)。このような補正により、相間抵抗差が補償され、相間抵抗差に起因するトルクリップルが低減される。したがって、本実施形態に係るモータ制御装置を用いた電動パワーステアリング装置によれば、モータの出力トルクが滑らかになり、操舵フィーリングが向上する。
しかも本実施形態によれば、相電圧指令値の補正に使用する相抵抗Ru,Rv,Rwの値は、各相電流が小さくて発熱による抵抗値の増大が小さいときに算出されるので、精度良く相抵抗Ru,Rv,Rwが算出される。これにより、相電圧指令値の補正による相間抵抗差の補償がより正確に行われ、その結果、トルクリップルを十分に低減することができる。
<3.第2の実施形態>
図6は、本発明の第2の実施形態に係るモータ制御装置の構成を示すブロック図である。本実施形態に係るモータ制御装置は、第1の実施形態に係るモータ制御装置においてマイコン20と電流センサ14をマイコン30と電流センサ15に置換したものである。このモータ制御装置は、電流センサ15が正常に動作しているときにはフィードバック制御を行い、電流センサ15が故障したときにはオープンループ制御を行う。
電流センサ15は、ブラシレスモータ1に供給される3相の駆動電流が流れる経路上に1個ずつ設けられ、3相の駆動電流を個別に検出する。電流センサ15で検出された3相の電流値(以下、「u相電流検出値Iu」、「v相電流検出値Iv」および「w相電流検出値Iw」という)は、マイコン30に入力される。
マイコン30は、マイコン20に対して、3相/dq軸変換部31、減算部32、フィードバック制御部33、故障監視部34、および、指令電圧選択部35を追加したものである。また、マイコン30においても、上記第1の実施形態と同様に相抵抗算出部53および補正部54を備えているが、本実施形態では、ブラシレスモータ1に供給される3相の駆動電流が個別に検出されることから、相電流算出部41および記憶部42を備えていない。
3相/dq軸変換部31は、電流センサ15で検出されたu相電流検出値Iuとv相電流検出値Ivに基づき、次式(27)と(28)を用いてd軸電流検出値id とq軸電流検出値iq を求める。
d=√2×{Iv×sinθ−Iu×sin(θ−2π/3)} …(27)
q=√2×{Iv×cosθ−Iu×cos(θ−2π/3)} …(28)
減算部32は、d軸電流指令値id *とd軸電流検出値id の偏差Ed 、および、q軸電流指令値iq *とq軸電流検出値iq の偏差Eq を求める。フィードバック制御部33は、偏差Ed 、Eq に対して次式(29)と(30)に示す比例積分演算を施して、d軸電圧指令値vd #とq軸電圧指令値vq #を求める。
d #=K×{Ed+(1/T)∫Ed・dt} …(29)
q #=K×{Eq+(1/T)∫Eq・dt} …(30)
ただし、式(29)と(30)において、Kは比例ゲイン定数であり、Tは積分時間である。
故障監視部34は、電流センサ15で検出された3相の電流値が正常範囲内にあるか否かを調べ、電流センサ15が正常に動作しているか、故障しているかを判断する。故障監視部34は、3相の電流値がすべて正常範囲内にあるときには「正常」と判断し、1相以上の電流値が正常範囲外にあるときには「故障」と判断する。故障監視部34は、判断結果を示す制御信号を出力する。
指令電圧選択部35は、故障監視部34で正常と判断されたときには、フィードバック制御部33で求めたd軸電圧指令値vd #とq軸電圧指令値vq #を出力し、故障監視部34で故障と判断されたときには、オープンループ制御部22で求めたd軸電圧指令値vd とq軸電圧指令値vq を出力する。
電流センサ15が正常に動作しているときには、故障監視部34は正常と判断し、指令電圧選択部35はフィードバック制御部33の出力を選択する。このとき、指令電流算出部21、dq軸/3相変換部23、角度算出部24、3相/dq軸変換部31、減算部32およびフィードバック制御部33が動作し、フィードバック制御が行われる。これに加えて、電流センサ15が正常に動作している間に、角速度算出部25とΦ算出部26も動作する。Φ算出部26は、電流センサ15が正常に動作している間に、式(15)を用いて式(2)に含まれる電機子巻線鎖交磁束数Φを求める。
相抵抗算出部53も、電流センサ15が正常に動作している間に、上記第1の実施形態の場合と同様に相抵抗Ru,Rv,Rwを算出する。すなわち、相抵抗算出部43は、電流センサ15によって検出された各相電流検出値Iu,Iv,Iwと、その検出時点における補正後の相電圧指令値Vuc,Vvc,Vwcとに基づき、ブラシレスモータ1におけるu相抵抗Ru、v相抵抗Rv、w相抵抗Rwの値を求める。ここで、u相、v相およびw相電流検出値Iu,Iv,Iwは同時に検出されるものとする。このため、上記検出時点における相電圧指令値Vuc,Vvc,Vwcは、第1の実施形態における各相電流の検出時点の各相電圧指令値Vux,Vvx,Vwx(x=u,v,w)に対応する。したがって、図5に示すフローチャートにおける“Vux,Vvx,Vwx(x=u,v,w)”を“Vuc,Vvc,Vwc”に置き換えれば、このフローチャートは本実施形態における動作例を示すことになるので、相抵抗算出部53についての詳しい説明を省略する。
相抵抗算出部53により得られる相抵抗Ru,Rv,Rwの算出値は、補正部54に与えられる。この補正部54には、上記第1の実施形態の場合と同様、これらの相抵抗Ru,Rv,Rwの算出値と共に、Φ算出部26から電機子巻線鎖交磁束数Φが、角速度算出部25から角速度ωe がそれぞれ与えられる。さらに補正部54には、故障監視部34での判断結果を示す制御信号も与えられる。
ところで、電流センサ15が正常に動作している間は、d軸電流指令値id *とd軸電流検出値id の偏差Ed 、および、q軸電流指令値iq *とq軸電流検出値iq の偏差Eq が打ち消されるようにフィードバック制御が行われることから、通常、相間抵抗差に起因するトルクリップルの発生は問題とはならない。そこで本実施形態では、補正部54は、故障監視部34からの上記制御信号に基づき、電流センサ15が正常に動作している間すなわちフィードバック制御が行われている間は、dq軸/3相変換部23から出力される相電圧指令値Vu,Vv,Vwを補正することなく、そのまま3相/PWM変調器12に与える。すなわち、Vu=Vuc,Vv=Vvc,Vw=Vwcである。しかし、フィードバック制御が行われている間においても、上記相抵抗Ru,Rv,Rwの算出値を使用して相電圧指令値Vu,Vv,Vwを補正するようにしてもよい。
その後、電流センサ15が故障すると、故障監視部34は故障と判断し、指令電圧選択部35は、オープンループ制御部22の出力を選択する。このとき、指令電流算出部21、オープンループ制御部22、dq軸/3相変換部23および角度算出部24が動作し、オープンループ制御が行われる。オープンループ制御部22は、電流センサ15が正常に動作している間に求められたΦ値を用いて、d軸電圧指令値vd とq軸電圧指令値vq を求める。これらのd軸電圧指令値vd とq軸電圧指令値vq は、指令電圧選択部35を介してdq軸/3相変換部23に与えられ、そこで相電圧指令値Vu,Vv,Vwに変換される。これらの相電圧指令値Vu,Vv,Vwは補正部54に与えられる。
補正部54は、故障監視部34からの制御信号に基づき、電流センサ15が故障しているときには、上記第1の実施形態の場合と同様、相抵抗算出部53からの相抵抗Ru,Rv,Rwの算出値とΦ算出部26からの電機子巻線鎖交磁束数Φと角速度算出部25からの角速度ωe とを用い、既述の式(7)〜(12)に従って相電圧指令値Vu,Vv,Vwを補正する。この補正後の相電圧指令値Vuc,Vvc,Vwcは3相/PWM変調器12に与えられる。この3相/PWM変調器12とモータ駆動回路13からなるモータ駆動手段は、これらの相電圧指令値Vuc,Vvc,Vwcの電圧によってブラシレスモータ1を駆動する。
以上に示すように、本実施形態に係るモータ制御装置は、電流センサが正常に動作しているときには、電流指令値と電流センサで検出された電流値との差に比例積分演算を施して電圧指令値を求め、電流センサが故障したときには、電流指令値とロータの角速度とに基づき、モータの回路方程式に従いオープンループ制御を行って電圧指令値を求める。また、オープンループ制御を行うときには、電流センサが正常に動作している間に求めたΦ値(電機子巻線鎖交磁束数Φ)が使用される。したがって、本実施形態に係るモータ制御装置によれば、電流センサが正常に動作している間は、フィードバック制御を行い、高い精度でブラシレスモータを駆動することができる。また、電流センサが故障し、フィードバック制御を行えないときには、フィードバック制御を行っている間に求めた電機子巻線鎖交磁束数Φを用いてオープンループ制御を行うことにより、高い精度でブラシレスモータを駆動し、所望のモータ出力を得ることができる。
また本実施形態によれば、オープンループ制御を行う場合には、電流センサが正常に動作している間に求めた相抵抗Ru,Rv,Rwの値を用いて、相間抵抗差が補償されるように相電圧指令値Vu,Vv,Vwが補正部54により補正される(式(7)〜(9)参照)。このため、本実施形態に係るモータ制御装置によれば、相間抵抗差に起因するトルクリップルの発生が抑制される。したがって、電流センサが故障し、フィードバック制御を行えない場合であっても、良好な操舵フィーリングを得ることができる。
<4.変形例>
上記第1の実施形態では、電流センサ14が1個だけ設けられているが、複数個(2個または3個)設けられていてもよい。例えばu相およびv相用電流センサが設けられている場合には、相抵抗算出部43において相抵抗Ru,Rv,Rwの算出に使用されるu相およびv相電流検出値は、これらのu相およびv相用電流センサから出力されるu相電流検出値Iuおよびv相電流検出値Ivを使用すればよく、w相電流検出値Iwは、相電流算出部41において次式により求めればよい。
Iw=−Iu−Iv
なお、電流センサ14が複数個設けられている場合には、同一時点においてu相、v相およびw相の電流検出値を得ることができるので、記憶部42は必ずしも必要ではなく、電流センサ14が3個設けられている場合(相数に等しい個数だけ設けられている場合)には、相電流算出部41は不要となる。この場合、当該複数個の電流センサにより電流検出手段が構成される。
また、上記第1および第2の実施形態では、相抵抗Ru,Rv,Rwに基づき式(7)〜(9)により相電圧指令値Vu,Vv,Vwが補正されるが、本発明は、このような式(7)〜(9)による補正に限定されない。より一般的には、相間抵抗差を補償すべく、各相電圧指令値Vxのうち当該相の抵抗Rxへの印加電圧に相当する部分が当該抵抗Rxの値と正の相関を有するように各相電圧指令値Vxを補正すればよい(x=u,v,w)。
ところで、ブラシレスモータ1のロータの角速度ωeが大きいときには、逆起電力が大きくなって相抵抗Ru,Rv,Rwへの印加電圧の割合が小さくなるので、逆起電力の算出誤差の影響を受けやすくなり、相抵抗Ru,Rv,Rwの算出精度が低下する。したがって、角速度ωeにつき閾値を設け、角速度ωeが当該閾値よりも小さいときにのみ相抵抗Ru,Rv,Rwを算出するようにしてもよい。
また、上記第1および第2の実施形態に係るモータ制御装置は、3相ブラシレスモータ1を駆動するように構成されているが、本発明は、これに限定されるものではなく、4相以上のブラシレスモータを駆動するモータ制御装置にも適用可能である。
また、第2の実施形態に係るモータ制御装置では、故障監視部34での判断結果によってフィードバック制御とオープンループ制御が切り替えられるが、故障監視部34での判断以外の判断によって(例えば、運転者の選択によって)フィードバック制御とオープンループ制御を切り替えてもよい。
なお、本発明は、上述したコラムアシスト型の電動パワーステアリング装置だけでなく、ピニオンアシスト型やラックアシスト型の電動パワーステアリング装置にも適用できる。また、本発明は、電動パワーステアリング装置以外のモータ制御装置にも適用できる。
本発明の実施形態に係る電動パワーステアリング装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態に係るモータ制御装置の構成を示すブロック図である。 3相ブラシレスモータにおける3相交流座標とdq座標を示す図である。 上記第1の実施形態における相抵抗の算出方法を説明するための図である。 上記第1の実施形態における相抵抗算出部の動作例を説明するためのフローチャートである。 本発明の第2の実施形態に係るモータ制御装置の構成を示すブロック図である。
符号の説明
6…ロータ、10…ECU、13…モータ駆動回路、14,15…電流センサ(電流検出手段)、20,30…マイコン、26…Φ算出部(パラメータ算出手段)、32…減算部、35…指令電圧選択部。

Claims (5)

  1. ブラシレスモータを駆動するためのモータ制御装置であって、
    前記ブラシレスモータに流れる各相電流を検出する電流検出手段と、
    前記ブラシレスモータに印加すべき各相電圧を示す指令値を求め、当該指令値を相電圧指令値として出力する制御演算手段と、
    前記電流検出手段により検出された各相電流の検出値と当該検出値の検出時点に前記ブラシレスモータに印加された各相電圧の指令値とに基づき各相の抵抗値を算出する相抵抗算出手段と、
    前記相抵抗算出手段により算出される各相の抵抗値に基づき、相間の抵抗差が補償されるように各相の相電圧指令値を補正する補正手段と、
    前記補正手段による補正後の相電圧指令値に基づき前記ブラシレスモータを駆動する駆動手段とを備え
    前記補正手段は、各相の相電圧指令値を、当該相の相電圧指令値のうち当該相の抵抗への印加電圧に相当する部分が前記相抵抗算出手段により算出される当該相の抵抗値に比例するように補正することを特徴とする、モータ制御装置。
  2. 前記相抵抗算出手段は、前記ブラシレスモータに流れる電流の大きさが所定値よりも小さいときに各相の抵抗値を算出することを特徴とする、請求項1に記載のモータ制御装置。
  3. 前記電流検出手段により各相電流が検出される時点における前記補正後の相電圧指令値を記憶する記憶手段を更に備え、
    前記相抵抗算出手段は、前記電流検出手段により検出された各相電流の検出値と前記記憶手段に記憶された相電圧指令値とに基づき各相の抵抗値を算出することを特徴とする、請求項1に記載のモータ制御装置。
  4. 前記電流検出手段は、
    前記ブラシレスモータに流れる電流を検出する単一の電流センサと、
    前記電流センサにより検出される電流の検出値に基づき各相電流の検出値を順次に求める相電流算出手段とを含み、
    前記制御演算手段は、
    前記ブラシレスモータに供給すべき電流を示す指令値と前記ブラシレスモータのロータの角速度とに基づき、ブラシレスモータの回路方程式に従い前記相電圧指令値を求めるオープンループ制御手段と、
    前記電流センサにより検出される電流の検出値に基づき、前記回路方程式に従い前記相電圧指令値を求めるときに使用するパラメータの値を求めるパラメータ算出手段とを含み、
    前記記憶手段は、前記相電流算出手段によりいずれかの相電流の検出値が得られる毎に前記補正後の相電圧指令値を記憶することを特徴とする、請求項に記載のモータ制御装置。
  5. 車両のステアリング機構にブラシレスモータによって操舵補助力を与える電動パワーステアリング装置であって、
    請求項1からのいずれか1項に記載のモータ制御装置を備え、
    前記モータ制御装置は、前記ステアリング機構に操舵補助力を与えるブラシレスモータを駆動することを特徴とする、電動パワーステアリング装置。
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